JP5676469B2 - 関節鏡視下手術用のカートリッジアセンブリ - Google Patents

Description

本発明は外科処置のための流体マネージメントに関する。

本願は、2008年12月17日付けで出願された米国特許出願第61/138,395号(その内容はこの引用によって全体が本明細書中に組み込まれる)に対する優先権を主張するＰＣＴ国際特許出願である。

内視鏡処置、たとえば関節鏡視下手術においては、体腔へ流体を供給するために、外科流体マネージメントシステムが使用される。流体は、腔内で外科処置を行う外科医にアクセス性および視認性を提供するために関節腔へと供給される。流体は、関節を膨張させ、処置されている領域の視界を改善し、そして処置の間に生じるかもしれない細片を除去するために使用される。

最新の流体マネージメントシステムは、医療グレードチューブを用いて、治療部位へと流体を供給し、そしてそれを除去する。このシステムは、最低限、治療部位へと洗浄流体を供給するための流入チューブと、治療部位から洗浄流体を除去するための流出チューブとを備えている必要がある。あるシステムは、完全に別個の流入および排出チューブシステムを使用する。別のシステムは、流入および流出の両方のためのチューブを含む単一のカートリッジシステムを使用する。これら単一のカートリッジシステムは、各患者のために使用した後に廃棄される。

一つの流入カートリッジおよび一つの取り外し可能に結合された流出カートリッジを有する複式カートリッジアセンブリを利用し、これによって流出カートリッジの独立した交換を行うことが可能である流体マネージメントシステムが求められている。

ある態様では、本発明はカートリッジアセンブリに関する。このカートリッジアセンブリは、流入カートリッジと、この流入カートリッジに対して取り外し可能に結合された流出カートリッジとを含む。ある実施形態では、流出カートリッジは、流入カートリッジに対して側方に配置される。他の実施形態では、流出カートリッジは、流入カートリッジに隣接して配置される。さらに他の実施形態では、流入カートリッジは、少なくとも一つの溝を含む。さらなる実施形態では、流出カートリッジは、少なくとも一つの溝内にスライド可能に配置された少なくとも一つのレールを含む。その上さらなる実施形態では、流入カートリッジはラッチを含む。

ある実施形態において、流出カートリッジはスロットを含み、ラッチはスロット内へと延在している。他の実施形態では、流出カートリッジはノーズピースを含み、このノーズピースは、第１のチューブコネクターと、この第１のチューブコネクターに接続された第２のチューブコネクターと、第３のチューブコネクターとを含む。その上さらなる実施形態では、第１のチューブコネクターおよび第２のチューブコネクターの両方から延在するチューブが、第３のチューブコネクターに対して接続される。さらなる実施形態では、流入カートリッジはポケットを含み、流出カートリッジは、このポケット内に配置される。

他の態様では、本発明は流出カートリッジに関する。この流出カートリッジは、本体と、この本体に結合されたノーズピースとを具備してなり、ノーズピースは、第１のチューブコネクターと、この第１のチューブコネクターに接続された第２のチューブコネクターと、第３のチューブコネクターとを含み、第１のアタッチメントおよび第２のアタッチメントの両方が第３のチューブコネクターの端部に接続されており、チューブの接続のための第１のアタッチメントおよび第２のアタッチメントは、第１のチューブコネクターおよび第２のチューブコネクターから第３のチューブコネクターへと延在している。

ある実施形態では、流出カートリッジは、カートリッジアセンブリを形成するために流入カートリッジに対して取り外し可能に結合されるよう構成される。他の実施形態では、流出カートリッジは、流入カートリッジに対して側方に配置される。さらに他の実施形態では、流入カートリッジは、少なくとも一つの溝を含む。さらなる実施形態では、流出カートリッジは、少なくとも一つの溝内にスライド可能に配置された少なくとも一つのレールを含む。その上さらなる実施形態では、流入カートリッジはラッチを含む。ある実施形態では、流出カートリッジはスロットを含み、ラッチはこのスロット内へと延在している。

さらに他の態様では、本発明は流体マネージメントシステムに関する。この流出マネージメントシステムは、ポンプ制御ユニットと、このポンプ制御ユニットに結合されたカートリッジアセンブリとを具備してなり、当該アセンブリは、流入カートリッジと、この流入カートリッジに対して取り外し可能に結合された流出カートリッジとを具備してなる。ある実施形態では、ポンプ制御ユニットはピンチバルブを含む。他の実施形態では、エクステンダーが流入カートリッジに結合されており、エクステンダーは、孔を有する第１の端部と、フックを有する第２の端部とを含み、フックはエクステンダーの長手方向軸線に対して直交するように延在している。

さらに他の実施形態では、ピンチバルブは孔内に配置されており、かつ、フックは流出カートリッジの開口内に配置されている。さらなる実施形態では、流出カートリッジはノーズピースを含み、このノーズピースは、第１のチューブコネクターと、この第１のチューブコネクターに接続された第２のチューブコネクターと、第３のチューブコネクターとを含む。

その上さらなる実施形態では、第１のチューブコネクターおよび第２のチューブコネクターの両方から延在するチューブが、第３のチューブコネクターに対して接続されており、フックは、ピンチバルブの動作が、このピンチバルブを、第１のチューブコネクターから延在するチューブあるいは第２のチューブコネクターから延在するチューブのいずれかと係合させるようにチューブ間に配置されている。ある実施形態では、第１のチューブコネクターから延在するチューブあるいは第２のチューブコネクターから延在するチューブのいずれかとのピンチバルブの係合が、流出カートリッジを通過する流体流量を制御するようになっている。

他の実施形態では、ポンプ制御ユニットはカートリッジ認識スイッチを含み、このスイッチは流出カートリッジの開口内に配置されている。さらに他の実施形態では、流入カートリッジはアクティベータを含み、アクティベータはスイッチと係合させられた第１の端部および第２の端部を有する。さらに他の実施形態では、流出カートリッジはタブを含み、このタブはアクティベータの第２の端部と係合させられる。さらなる実施形態では、アクティベータの第２の端部とのタブの係合は、流入カートリッジに対する流出カートリッジの結合および取り外しの認識をもたらすようになっている。その上さらなる実施形態では、ポンプ制御ユニットは磁気カップリングシステムを含む。

ある実施形態では、流入カートリッジは遠心ポンプを含み、磁気カップリングシステムおよび遠心ポンプは流入カートリッジを経て流体を流動させるために協働で作動するようになっている。他の実施形態では、真空源が流出カートリッジに接続される。さらに他の実施形態では、ポンプ制御ユニットはローターを含む。さらなる実施形態では、流出カートリッジのチューブはローターに接続されており、このローターは排出チューブを経て流体を流動されるために作動するようになっている。

本発明の適用可能性のさらなる範囲は以下の説明から明らかである。詳細な説明ならびに特定の実施例は、本発明の好ましい実施形態を示してはいるが、説明を目的としたものであり、本発明の範囲を制限することを意図してはいないことに留意されたい。

図面(これは本明細書に組み込まれかつその一部を形成する)は本発明の実施形態を示しており、本明細書と共に本発明の原理、特徴および機能を説明する役割を果たす。

本発明の流体マネージメントシステムの第１実施形態の斜視図である。 図１の流体マネージメントシステムのポンプ制御ユニットの斜視図である。 内視鏡外科処置のために使用中の図１の流体マネージメントシステムの概略図である。 図１の流体マネージメントシステムの流入カートリッの斜視図である。 図１の流体マネージメントシステムの流出カートリッの斜視図である。 図５の流出カートリッジのノーズピースの斜視図である。 図６のノーズピースの背面図である。 図６のノーズピースの断面図である。 本発明に係るカートリッジアセンブリの斜視図である。 本発明に係るカートリッジアセンブリの斜視図である。 図９および図１０のカートリッジアセンブリの側面図である。 図９および図１０のカートリッジアセンブリの断面図である。 内視鏡外科処置のために使用中の図１の流体マネージメントシステムの別な概略図である。 本発明に係る流体マネージメントシステムの第２実施形態のコンポーネントを示す図である。 本発明に係る流体マネージメントシステムの第３実施形態のコンポーネントを示す図である。

好ましい実施形態に関する以下の説明は、事実上、単なる例証であり、決して、発明、その用途あるいは利用法を制限することを意図していない。

図１および図２は本発明に係る流体マネージメントシステム１００の第１実施形態を示す。システム１００は、ポンプ制御ユニット２００とカートリッジアセンブリ３００とを含む。流体マネージメントシステム１００は、体腔へと加圧された流体を供給するために、関節鏡検査外科手術などの内視鏡処置において使用される。流体は、関節腔内に実質的に一定の予め決められた圧力レベルを生み出すために供給される。関節腔圧力は、関節膨張のレベルを維持するために、外科医に十分なアクセス性および視認性を提供するために、かつ／または血液および細片の腔を洗い流すために、たとえば流量Ｑとは無関係に、ポンプ速度を変更することによって、システム１００によって制御される。流量Ｑに関する要求は外科手術処置を通じて変動するので、システム１００は、適切な流量を提供しかつ所望の関節腔圧力を維持するために、自動的に制御ユニット２００を調整する。ポンプ制御ユニット２００および流量は、米国特許出願公開第2007/0078370号(`370刊行物)においてさらに詳しく説明されている(その内容は、この引用によって、その全体が本明細書中に組み込まれる)。

ポンプ制御ユニット２００は、カートリッジアセンブリ３００(これはスロット２１０内に取り外し可能に滑り込む)を連係可能に収容するための、概して矩形状のスロット２１０を有するハウジング２１５ａ,２１５ｂを含む。以下で説明するように、アセンブリスロット２１０およびカートリッジアセンブリ３００は、アセンブリ３００がただ一つの方向および向きでのみ、スロット２１０内に挿入できるよう構成されている。制御ユニットハウジング２１５ａ,２１５ｂは、制御ユニット２００の内部へのアクセスを可能とするために、互いに分離可能に固定された上側セクション２１５ａおよび下側セクション２１５ｂを含む。アセンブリ３００は、流入カートリッジ３１０と、この流入カートリッジに結合された流出カートリッジ３２０とを含んでおり、以下、その両方について詳しく説明する。

ポンプ制御ユニット２００は、グラフィックなユーザーインターフェースを実現するディスプレイ２８０を有する前面２７０を含む。グラフィックなユーザーインターフェースは、たとえば、ユーザーが、さまざまなシステムパラメータを選択的に制御するかあるいはモニターすることを可能とするタッチスクリーン作動式インターフェースである。これらシステムパラメータについては、`370刊行物において、さらに詳しく説明されている。

図１〜３を参照すると、ポンプ制御ユニット２００は、以下でさらに詳しく説明するように、カートリッジアセンブリ、特に流入カートリッジ３１０内の流れ絞り３７０の前後の各圧力Ｐ１,Ｐ２を測定するための一対の圧力トランスデューサー２２０ａ,２２０ｂを含む。使用時、流体バッグ３０は、供給流体導入チューブ接続部３１１に流体を供給するために流入カートリッジ３１０と医療グレードチューブ３１を介して連係可能に接続される。流入カートリッジ３１０は遠心ポンプ３１２を含むが、これは、排出チューブ接続部３１３、吐出チューブ３２およびカニューレ２０を経て関節腔１０へ流量Ｑで加圧流体を供給するために、制御ユニット内に配置された磁気カップリングシステム２３０と協働する。圧力トランスデューサー２２０ａ,２２０ｂは、流量Ｑを得るための流れ絞りを跨いだ圧力降下を測定する。流量Ｑは、`370刊行物においてさらに詳しく説明されているように、さまざまなシステムパラメータと共に、伝達関数、すなわち関節腔１０への流量およびその中の流体圧力を制御するために使用される三次元数学的モデルを作り出すために使用できる。以下、流出カートリッジ３２０を介した関節腔１０からの流体の除去について説明する。

アセンブリスロット２１０は、流入カートリッジ３１０上に設けられたラッチ３１４(図１２)を受けるためのラッチスロット２４０と、カートリッジアセンブリ３００がスロット２１０内に挿入されたときに流入カートリッジ３１０上の突起３１５ａ〜３１５ｃがそれと整列する一対の輪郭取りされたトラック２０５とを含む。上記のとおり、制御ユニット２００は、たとえば、ポンプ３１２内に配置されたインペラ(図示せず)の磁気誘導非接触駆動によって、流入カートリッジ３１０の遠心ポンプ３１２を作動させるための磁気カップリングシステム２３０を含む。カップリングシステム２３０は、それに応答してインペラを連係動作させる磁界を形成し、たとえば、インペラはシステム２３０の磁界に反応する磁気ピックアップを備えることができる。さらに、システム２３０に関連付けられた磁石(図示せず)およびインペラは、アセンブリスロット２１０内でアセンブリをロックあるいは付勢するのを助ける吸引力を提供できる。

ポンプ制御ユニット２００は、流れ絞り３７０の前後の各圧力Ｐ１,Ｐ２を測定するための一対の圧力トランスデューサー２２０ａ,２２０ｂと、関節腔１０から戻る流体の流量を制御するためのピンチバルブ２２５と、カートリッジタイプを検出すると共に適切に挿入されたカートリッジとの連係接続を検出するために流入カートリッジ３１０の後面と連係可能に係合するためのマイクロスイッチ２６０とを含んでおり、その全ては、`370刊行物において十分に説明されている。

図４は本発明に係る流入カートリッジ３１０を示す。上記のとおり、このカートリッジ３１０は、導入チューブ接続部３１１と、排出チューブ接続部３１３と、遠心ポンプ３１２とを含む。流体は、導入チューブ接続部３１１を経てカートリッジ３１０に流入し、そして遠心ポンプ３１２に供給される。流体は、続いて、排出チューブ接続部３１３を経て関節腔に供給される。カートリッジ３１０はまた、流入カートリッジ３１０に対する流出カートリッジ３２０の側方結合のために構成された溝３１５を含むが、これについては、以下でさらに詳しく説明する。さらに、上記ラッチ３１４はまた、以下でさらに詳しく説明するように、流入カートリッジ３１０に対して流出カートリッジ３２０を結合する役割を果たす。

カートリッジ３１０は、エクステンダー３１７を収容する開口３１６を含む。エクステンダー３１７は、孔３１７ｃを含む第１の端部３１７ｂと、フック３１７ｅを含む第２の端部３１７ｄとを有する本体３１７ａを含む。フック３１７ｅは、エクステンダー３１７の長手方向軸線Ｌに対して直交するように延在している。以下でさらに詳しく説明しかつ図１２に示すように、流出カートリッジ３２０が流入カートリッジ３１０に結合されたとき、フック３１７ｅは流出カートリッジ３２０の開口３２１内に配置される。カートリッジ３１０がスロット２１０内に配置されたとき、ピンチバルブ２２５は孔３１７ｃ内に収容される。以下でさらに詳しく説明するように、ピンチバルブ２２５の動作によって、流出カートリッジ３２０を通過する流体流量の制御が可能となる。

さらに、流入カートリッジ３１０は凹部３１８を有するが、これはアクティベータ３１８ａを収容する。アクティベータ３１８ａは、第１の端部(図示せず)および第２の端部３１８''を含む。カートリッジ３１０上に存在する開口(３１９ａおよび３１９ｂ、図１０)は、マイクロスイッチ２６０の収容を可能とする。開口３１９ａは、アクティベータ３１８ａの第１の端部に隣接して配置される。マイクロスイッチ２６０は開口３１９ａを経て延在し、かつ、アクティベータ３１８ａの第１の端部と係合しており、これによって、ユニット２００がカートリッジタイプならびに適切に挿入されたカートリッジとの連係結合を検出することが可能となっている。以下でさらに説明するように、流出カートリッジ３２０が流入カートリッジ３１０に結合されたとき、流出カートリッジ３２０はアクティベータ３１８ａの第２の端部３１８ａ''と係合し、ユニット２００が、流入カートリッジ３１０に対する流出カートリッジ３２０の結合を検出することを可能とする。アクティベータ３１８ａはバネ鋼を含むが、その他の素材を含んでいてもよい。

図５および図１１に示すように、流出カートリッジ３２０は、以下でさらに説明するように、溝３１５内にレール３２２を配置することによって、流入カートリッジ３１０に対する流出カートリッジ３２０の側方結合を可能とするレール３２２を含む。流出カートリッジ３２０は、これによって、流入カートリッジ３１０とスライド可能に係合させられる。カートリッジ３２０はまた、スロット(図１２、３２３)と、上述したようにフック３１７ｅを受けるための開口３２１と、タブ３２４と、ノーズピース３２５とを含む。図６〜８および図１２に示すように、ノーズピース３２５は、第１のチューブコネクター３２５ａと、この第１のチューブコネクター３２５ａに結合された第２のチューブコネクター３２５ｂと、第３のチューブコネクター３２５ｃとを含む。第１のチューブコネクター３２５ａおよび第２のチューブコネクター３２５ｂからそれぞれ延在するチューブ３２６,３２７はいずれも、図８に示すように、接続アセンブリ３２８を介して、第３のチューブコネクター３２５ｃに対して接続されている。アセンブリ３２８は、チューブ３２６の配置のための第１の接続ポート３２８ａと、チューブ３２７の配置のための第２の配置ポート３２８ｂとを含む。両ポート３２８ａ,３２８ｂは第３の接続ポート３２８ｃに接続されるが、これは、第３のチューブコネクター３２５ｃに対して接続される。以下でさらに説明するように、チューブ３２６,３２７を経て流動する流体は、第３のチューブコネクター３２５ｃのみを経て、流出カートリッジ３２０を出る。ノーズピース３２５は流出カートリッジ３２０に対してスナップ方式で取り付けられるが、当業者には周知のその他の方法を用いて結合されてもよい。

図９〜１２は、流入カートリッジ３１０に対して流出カートリッジ３２０を結合する際に、ラッチ３１４がスロット３２３内に突出して、カートリッジ３１０,３２０をさらに結合させる様子を示している。加えて、図１２はさらに、フック３１７ｅが開口３２１を経て突出し、チューブ３２６,３２７間に配置される様子を示している。以下でさらに説明するように、使用中、ピンチバルブ２２５は、たとえば往復動作あるいは横方向動作で振動して、チューブ３２６,３２７に対して制限力を加えかつそれを解放し、これによって、関節腔を出て行く廃液の流量を制御する。さらに、図１１に示すように、カートリッジ３１０,３３０の結合時、タブ３２４は、アクティベータ３１８ａの第２の端部３１８ａ''と係合し、これによって、ユニット２００が、流入カートリッジ３１０に対する流出カートリッジ３２０の結合を検出することを可能とする。

図１３に示すように、使用中、チューブ１０００は、このチューブ１０００の一端１０００ａにおいて第３のチューブコネクター３２５ｃに接続され、かつ、チューブ１０００の第２の端部１０００ｂ(これはカートリッジ３２０の下方に位置する)は、廃液収集バックすなわちコンテナ１１００内に配置される。このようにして、関節腔１０からの廃液の流れが重力制御される。代替例では、チューブ１０００の第２の端部１０００ｂは真空源に接続されており、かつ、関節腔１０からの廃液の流れは吸引制御される。関節腔１０からの廃液は、第１および第２のチューブコネクター３２５ａ,３２５ｂに接続されたカニューレ１２００およびチューブ１３００を介してカートリッジ３２０に流入する。廃液は、チューブ３２６,３２７を経てカートリッジ３２０を通って流動する。上記のとおり、ピンチバルブ(図示せず)は、チューブ(図示せず)に対する制限力を加えかつそれを解放するために振動し、これによって関節腔を出て行く廃液の流れを制御する。チューブ３２６,３２７に対する制限力の周期的な作用は、実質的に、関節腔から吸い出された流体および細片の詰まりおよび堆積を低減する。さらに、ピンチバルブ(図示せず)は関節腔からの流体流量の制御された低減を可能とする。

カートリッジアセンブリ３００は、レール３２２および溝３１５以外の、流入カートリッジを流出カートリッジに対して結合するための機械的手段、たとえばスナップイン型、ツイストオン型、あるいはその他の機械的手段を含んでいてもよい。

図１４は、本発明に係る流出マネージメントシステム４００の第２実施形態を示している。このシステム４００は、ポンプ制御ユニット５００と、このポンプ制御ユニット５００に対して接続されたカートリッジアセンブリ６００とを含む。ポンプ制御ユニット２００と同様、ポンプ制御ユニット５００は、ハウジング５１５と、カートリッジアセンブリ６００を連係可能に収容するための矩形状のスロット５１０と、ディスプレイ５８０と、圧力トランスデューサー５２０と、ラッチスロット５４０と、磁気カップリングシステム５３０と、マイクロスイッチ５６０とを含む。だが、ユニット５００は、関節腔から戻って来る廃液の流れを制御するためのピンチバルブを持たない。むしろ、ユニット５００は、以下でさらに説明するように、廃液を、容積移送によって、腔から流出カートリッジ６２０を経て廃液コンテナ内へと移動させるように作用するローター５９０を含む。

カートリッジアセンブリ６００は、流入カートリッジ６１０と、この流入カートリッジ６１０に結合されると共にその近傍に配置される流出カートリッジ６２０とを含む。流入および流出カートリッジ６１０は、これに限定されるわけではないが、カートリッジ６１０,６２０がスライド可能に結合されることを可能とするレール、ヒンジ結合を可能とするヒンジ、カートリッジ６１０,６２０が互いにスナップ結合されることを可能とするスナップオン機構、およびカートリッジ６１０,６２０が互いに掛止されることを可能とするラッチを含む結合手段によって結合される。流入カートリッジ５１０と同様、流入カートリッジ６１０は、導入チューブ接続部６１１と、排出チューブ接続部６１２と、遠心ポンプ(図示せず)とを含む。流体は導入チューブ接続部６１１を経てカートリッジ６１０に流入し、そして遠心ポンプ(図示せず)に供給される。流体は、続いて、排出チューブ接続部６１２を経て関節腔に供給される。流入カートリッジ６１０はまた、導入チューブ接続部６１４と、排出チューブ接続部６１５と、接続部６１４,６１５に接続されると共にその間に配置された廃液戻りライン６１６とを含む。カートリッジアセンブリ６００は、流入カートリッジ６１０の、ラッチ３１４と類似のラッチ(図示せず)がラッチスロット５４０内に収まり、流入カートリッジ６１０の突起６１７〜６１９がトラック５０５と整列し、そして廃液戻りライン６１６がローター５９０の周りに配置されるように、スロット５１０内にアセンブリ６００をスライドさせることによって、ユニット５００に結合される。ローター５９０が回転するとき、それは廃液戻りライン６１６と係合し、これによって、手術部位からの廃液の上述したような容積移送を引き起こす。廃液は、手術部位に配置されたチューブ(図示せず)を通り、導入チューブ接続部６１４、排出チューブ接続部６１５および廃液戻りライン６１６を経て流入および流出カートリッジ６１０,６２０を通り、排出チューブ接続部６１５に接続されたチューブ(図示せず)を経て廃液コンテナ(図示せず)内に流入する。

図１５は本発明の流体マネージメントシステム７００の第３実施形態を示している。ポンプ制御ユニット５００と同様、ポンプ制御ユニット８００は、以下でさらに説明するように、廃液を、容積移送によって、関節腔から流出カートリッジ９２０を経て廃液コンテナ内へと移動させるように作用するローター８９０を含む。

カートリッジアセンブリ９００は、流入カートリッジ９１０と、この流入カートリッジ９１０のポケット９２１に組み付けられかつその中に配置される流出カートリッジ９２０とを含む。カートリッジ９１０,９２０は、カートリッジ６１０,６２０の結合のために先に列記した結合方法あるいは当業者には周知のその他の方法によって結合可能である。流入カートリッジ６１０と同様、流入カートリッジ９１０は、導入チューブ接続部９１１と、排出チューブ接続部９１２と、遠心ポンプ(図示せず)とを含む。流体は、導入チューブ接続部９１１を経てカートリッジ９１０に入り、そして遠心ポンプ(図示せず)に供給される。流体は、続いて、排出チューブ接続部９１２を経て関節腔へと供給される。流出カートリッジ９２０は、導入チューブ接続部９２４と、排出チューブ接続部９２５と、接続部９２４,９２５に接続されると共にその間に配置された廃液戻りライン９２６とを含む。カートリッジアセンブリ９００は、流入カートリッジ９１０の突起９１７〜９１９がトラック８０５と整列し、かつ、廃液戻りライン９２６がローター８９０の周囲に配置されるように、スロット８１０内にアセンブリ９００をスライドさせることによってユニット８００に対して結合される。

ローター８９０が回転するとき、それは廃液戻りライン９２６と係合し、これによって手術部位からの廃液の(上述したような)容積移送を引き起こす。廃液は、手術部位に配置されたチューブ(図示せず)を通り、導入チューブ接続部９２４、排出チューブ接続部９２５および廃液戻りライン９２６を経て流出カートリッジ９２０を通り、排出チューブ接続部９２５に接続されたチューブ(図示せず)を経て、廃液コンテナ(図示せず)内に流入する。

カートリッジアセンブリおよびそのコンポーネントは、これに限定されるわけではないが、射出成形、反応射出成形(ＲＩＭ)、レジン鋳造、機械加工および押し出し成形を含む方法によって、金属および非金属、たとえばプラスチックから製造される。さらに、導入および排出コネクターに接続されたチューブならびに導入および排出カートリッジ内に配置されたチューブは、これに限定されるわけではないが、透明で、柔軟で、かつ／または比較的剛性のあるポリビニルクロライド(ＰＶＣ)チューブ素材を含む医療グレード素材から製造される。

本発明は、一つの流入および一つの流出コンポーネントを含む、使い捨て式の無菌カートリッジアセンブリを提供するが、これによって流出コネクターを独立して交換することが可能となり、かつ、これによって流入コンポーネントを連続使用を実現するために本来の場所に残しておくことが可能となる。もし必要であれば、流出カートリッジを流入カートリッジに対して独立して付加しかつそれから取り外すことができるという可能性によって、多用性および融通性が向上する。本アセンブリはまた、使用の都度廃棄される使い切りカートリッジに比べて、外科洗浄溶液使用量の保全およびコスト効率の改善をもたらす。さらに、本アセンブリは、完全に別個の流入および流出チューブシステムを使用するポンプシステムに比べて、使用の容易性をもたらす。

図面を参照して説明したように、本発明の範囲から逸脱することなく、さまざまな変更を代表的実施形態に対してなし得るので、本明細書に含まれかつ図面に示された全ての事項は限定ではなく例証として解釈すべきである。したがって、本発明の広がりおよび範囲は、上記代表的実施形態のいずれによっても制限されず、特許請求の範囲の記載ならびにその相当語句に基づいてのみ規定される。

１０ 関節腔
２０ カニューレ
３０ 流体バッグ
３１ 医療グレードチューブ
３２ 吐出チューブ
１００ 流体マネージメントシステム
２００ ポンプ制御ユニット
２０５ トラック
２１０ スロット
２１５ａ,２１５ｂ ハウジング
２２０ａ,２２０ｂ 圧力トランスデューサー
２２５ ピンチバルブ
２３０ 磁気カップリングシステム
２４０ ラッチスロット
２６０ マイクロスイッチ
２７０ 前面
２８０ ディスプレイ
３００ カートリッジアセンブリ
３１０ 流入カートリッジ
３１１ 導入チューブ接続部
３１２ 遠心ポンプ
３１３ 排出チューブ接続部
３１４ ラッチ
３１５ 溝
３１５ａ〜３１５ｃ 突起
３１６ 開口
３１７ エクステンダー
３１７ａ 本体
３１７ｂ 第１の端部
３１７ｃ 孔
３１７ｄ 第２の端部
３１７ｅ フック
３１８ 凹部
３１８'' 第２の端部
３１８ａ アクティベータ
３１９ａ,３１９ｂ 開口
３２０ 流出カートリッジ
３２１ 開口
３２２ レール
３２３ スロット
３２４ タブ
３２５ ノーズピース
３２５ａ 第１のチューブコネクター
３２５ｂ 第２のチューブコネクター
３２５ｃ 第３のチューブコネクター
３２６,３２７ チューブ
３２８ 接続アセンブリ
３２８ａ 第１の接続ポート
３２８ｂ 第２の配置ポート
３２８ｃ 第３の接続ポート
３４０ カートリッジ
３７０ 流れ絞り

Claims (31)

1. 関節鏡視下手術用のカートリッジアセンブリであって、
   流入カートリッジであって、このカートリッジの長手方向軸線に沿って延在する少なくとも一つの溝を備えた流入カートリッと、
   前記流入カートリッジに対して取り外し可能にかつ直接的に取り付けられた流出カートリッジであって、この流出カートリッジは、このカートリッジの長手方向軸線に沿って延在する少なくとも一つのレールを備え、前記少なくとも一つのレールは前記溝内にスライド可能に配置された流出カートリッジと、を具備してなることを特徴とするカートリッジアセンブリ。
2. 前記流出カートリッジは、前記流入カートリッジに対して側方に配置されていることを特徴とする請求項１に記載のカートリッジアセンブリ。
3. 前記流出カートリッジは、前記流入カートリッジに隣接して配置されていることを特徴とする請求項１に記載のカートリッジアセンブリ。
4. 前記流入カートリッジは、二つの溝を含み、両方の溝は前記流入カートリッジの長手方向軸線に沿って延在し、一方の溝は前記流入カートリッジの上部に配置され、かつ、他方の溝は前記流入カートリッジの底部に配置されることを特徴とする請求項２に記載のカートリッジアセンブリ。
5. 前記流出カートリッジは、二つのレールを含み、両方のレールは前記流出カートリッジの長手方向軸線に沿って延在し、一方のレールは前記流出カートリッジの上部に配置され、かつ、他方のレールは前記流出カートリッジの底部に配置され、前記レールは前記溝内にスライド可能に配置されることを特徴とする請求項４に記載のカートリッジアセンブリ。
6. 前記流入カートリッジはラッチを含み、前記ラッチは前記流入カートリッジの外面上に設けられることを特徴とする請求項１に記載のカートリッジアセンブリ。
7. 前記流出カートリッジはスロットを含み、前記ラッチは前記スロット内へと延在していることを特徴とする請求項６に記載のカートリッジアセンブリ。
8. 前記流出カートリッジはノーズピースを含み、前記ノーズピースは、第１のチューブコネクターと、この第１のチューブコネクターに接続された第２のチューブコネクターと、第３のチューブコネクターと、を含むことを特徴とする請求項１に記載のカートリッジアセンブリ。
9. 前記第１のチューブコネクターおよび前記第２のチューブコネクターの両方から延在するチューブが、前記第３のチューブコネクターに対して接続されていることを特徴とする請求項８に記載のカートリッジアセンブリ。
10. 関節鏡視下手術用の流出カートリッジであって、前記流出カートリッジは、カートリッジアセンブリを形成するために流入カートリッジに対して取り外し可能に結合されるよう構成され、前記流出カートリッジは、
    本体であって、この本体の長手方向軸線に沿って延在する少なくとも一つのレールを備えた本体と、
    前記本体に結合されたノーズピースと、を具備してなり、
    前記ノーズピースは、第１のチューブコネクターと、この第１のチューブコネクターに直接取り付けられた第２のチューブコネクターと、第３のチューブコネクターと、を含み、第１のアタッチメントおよび第２のアタッチメントの両方が前記第３のチューブコネクターの端部に接続されており、チューブの接続のための前記第１のアタッチメントおよび前記第２のアタッチメントは、前記第１のチューブコネクターおよび前記第２のチューブコネクターから前記第３のチューブコネクターへと延在していることを特徴とする流出カートリッジ。
11. 前記流出カートリッジは、前記流入カートリッジに対して側方に配置されていることを特徴とする請求項１０に記載の流出カートリッジ。
12. 前記流入カートリッジは、少なくとも一つの溝を含み、前記少なくとも一つの溝は前記流入カートリッジに対する前記流出カートリッジの側方結合のために構成されていることを特徴とする請求項１０に記載の流出カートリッジ。
13. 前記流入カートリッジはラッチを含み、前記ラッチは前記流入カートリッジの外面上に設けられることを特徴とする請求項１０に記載の流出カートリッジ。
14. 前記流出カートリッジはスロットを含み、前記ラッチは前記スロット内へと延在していることを特徴とする請求項１３に記載の流出カートリッジ。
15. 関節鏡視下手術用の外科用流体マネージメントシステムであって、
    ポンプ制御ユニットと、
    前記ポンプ制御ユニットに接続されたカートリッジアセンブリと、を具備してなり、前記アセンブリは、流入カートリッジであって、この流入カートリッジの長手方向軸線に沿って延在する少なくとも一つの溝を備えた流入カートリッジと、この流入カートリッジに対して取り外し可能にかつ直接的に取り付けられた流出カートリッジと、を具備し、前記少なくとも一つのレールは前記溝内にスライド可能に配置されることを特徴とする外科用流体マネージメントシステム。
16. 前記ポンプ制御ユニットはピンチバルブを含むことを特徴とする請求項１５に記載の流体マネージメントシステム。
17. エクステンダーが前記流入カートリッジに結合されており、前記エクステンダーは、前記流入カートリッジの内面に隣接して設けられた開口内に収容され、前記エクステンダーは、孔を有する第１の端部と、フックを有する第２の端部と、を含み、前記フックは前記エクステンダーの長手方向軸線に対して直交するように延在していることを特徴とする請求項１６に記載の流体マネージメントシステム。
18. 前記ピンチバルブは前記孔内に配置されており、かつ、前記フックは前記流出カートリッジの開口内に配置されており、前記開口は前記流出カートリッジの端面を貫通して設けられていることを特徴とする請求項１７に記載の流体マネージメントシステム。
19. 前記流出カートリッジはノーズピースを含み、前記ノーズピースは、第１のチューブコネクターと、この第１のチューブコネクターに接続された第２のチューブコネクターと、第３のチューブコネクターと、を含むことを特徴とする請求項１８に記載の流体マネージメントシステム。
20. 前記第１のチューブコネクターおよび前記第２のチューブコネクターの両方から延在するチューブが、前記第３のチューブコネクターに対して接続されており、前記ピンチバルブの動作が、このピンチバルブを、前記第１のチューブコネクターから延在するチューブあるいは前記第２のチューブコネクターから延在するチューブのいずれかと係合させるように、前記フックが前記チューブ間に配置されていることを特徴とする請求項１９に記載の流体マネージメントシステム。
21. 前記第１のチューブコネクターから延在するチューブあるいは前記第２のチューブコネクターから延在するチューブのいずれかとの前記ピンチバルブの係合が、前記流出カートリッジを通過する流体流量を制御するようになっていることを特徴とする請求項１９に記載の流体マネージメントシステム。
22. 前記ポンプ制御ユニットはカートリッジ認識スイッチを含み、前記スイッチは前記流入カートリッジの開口内に配置されていることを特徴とする請求項１５に記載の流体マネージメントシステム。
23. 前記流入カートリッジはアクティベータを含み、前記アクティベータは前記スイッチと係合させられた第１の端部および第２の端部を有することを特徴とする請求項２２に記載の流体マネージメントシステム。
24. 前記流出カートリッジはタブを含み、前記タブは前記アクティベータの前記第２の端部と係合させられていることを特徴とする請求項２３に記載の流体マネージメントシステム。
25. 前記アクティベータの前記第２の端部との前記タブの係合は、流入カートリッジに対する前記流出カートリッジの結合および取り外しの認識をもたらすようになっていることを特徴とする請求項２４に記載の流体マネージメントシステム。
26. 前記ポンプ制御ユニットは磁気カップリングシステムを含むことを特徴とする請求項１５に記載の流体マネージメントシステム。
27. 前記流入カートリッジは遠心ポンプを含み、前記磁気カップリングシステムおよび前記遠心ポンプは前記流入カートリッジを経て流体を流動させるために協働で作動するようになっていることを特徴とする請求項２６に記載の流体マネージメントシステム。
28. 真空源が前記流出カートリッジに接続されていることを特徴とする請求項１５に記載の流体マネージメントシステム。
29. 前記ポンプ制御ユニットはローターを含むことを特徴とする請求項１５に記載の流体マネージメントシステム。
30. 前記流出カートリッジのチューブは前記ローターに接続されており、前記ローターは前記排出チューブを経て流体を流動されるために作動するようになっていることを特徴とする請求項２９に記載の流体マネージメントシステム。
31. 前記流入カートリッジはポケットを含み、前記流出カートリッジは前記ポケット内に配置されていることを特徴とする請求項１に記載のカートリッジアセンブリ。

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