JP5675749B2 - 水質浄化方法 - Google Patents

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Description

本発明は、池や湖沼等の水及びそこに供給される供給水の水質を浄化するための水質浄化方法、特に富栄養化原因物質を吸着剤にて吸着する水質浄化方法に関する。
池や湖沼等において、富栄養化により藻類が異常に増殖し、景観の悪化や悪臭発生等の問題が起こる事例が多い。これは、池や湖沼等に流入する水に窒素やリンなどが多く含まれることに起因すると考えられている。そこで従来より、このような窒素やリン成分を除去して水質浄化を行うことで、水質の改善が図られてきている。
水質を改善する方法の一つとして、吸着剤の利用がある。これは、アンモニアやリン酸などを吸着剤に吸着させることで水中から除去する方法である。この方法は、水中の窒素やリンを確実に除去でき、また、特別な装置も必要ないことから、これまでにも数多く検討されている。
具体的には、閉鎖性水域において水流を発生させるための水流促進装置と、閉鎖性水域における汚濁物質及びリンなどの富栄養化原因物質を除去するために閉鎖性水域との間で汚濁水を循環させるための浄化手段とを備え、該浄化手段はプラスチック製の接触材が充填された、湖沼、堀、池などの閉鎖性水域の汚濁水を浄化する水質浄化システムが知られている(特許文献1参照)。
一方、アンモニアを吸着するゼオライトを充填したゼオライト充填槽と、該ゼオライト充填槽にアンモニアを含む原水を供給する原水供給手段と、ゼオライトにアンモニアを吸着させることにより得られたアンモニアを含まない処理水をゼオライト充填槽から排出する排出手段と、アンモニアを吸着したゼオライトからアンモニアを脱着させるための塩酸水溶液をゼオライト充填槽に供給する塩酸水溶液供給手段とを備えた、河川、湖沼等の水域の低濃度のアンモニアを含む水からアンモニアを除去するのに適した水質浄化装置が提案されている(特許文献2参照)。
特許文献1に記載された水質浄化システムは、藻類の増殖を抑制し、水域自体の浄化作用を助長することができるものではあるが、除去し得る富栄養化原因物質はリン単独であり、また、特許文献2に記載された水質浄化装置は、除去し得る富栄養化原因物質はアンモニア単独である。
他方、各々独立したポーラスコンクリート製収容箱体に、それぞれ木粉、貝殻、鹿沼土、木炭の複数種類の吸着剤を収容し、この収容箱体を流水路中に配設することによって、被処理水中の窒素、リン、2価の金属の吸着を行う、複数種類の富栄養化原因物質を同時に吸着する複合水質浄化装置が提案されている(特許文献3参照)。
特開2003−236574号公報 特開2007−111597号公報 特許3619864号公報
しかしながら、処理対象水中には硝酸、アンモニア、リン酸など、様々な物質が存在しており、これらが複合約に作用して景観の悪化や悪臭発生といった問題が起きている。
特許文献1や特許文献2に記載されたもののように、1種類の吸着剤を用いる場合、このような問題に対処できない可能性がある。
また、特許文献3に記載されたもののように、複数種類の吸着剤を用いる場合も、従来は、その設置方法等について明確に検討が行われておらず、その能力が十分発揮されていない、あるいはコストが高い、といった問題があった。
本発明は、水質浄化方法を、処理対象水中に含有される富栄養化原因物質を特定する工程Aと、特定された富栄養化原因物質に対し除去を優先する順位を設定する工程Bと、前記特定された富栄養化原因物質を吸着する吸着剤を選択する工程Cと、選択された吸着材を混合することなくそれぞれ単独で収容する工程Dと、単独で収容された吸着材を、除去を優先する順位の低いものから順に処理対象水と接触させる工程Eとから構成し、工程Aに次いで工程Bと工程Cのいずれかを先行実施することとし、
処理対象水の水質に対応する複数種類の吸着剤を選択し、該選択した各吸着剤の富栄養化原因物質毎の単位重量当りの吸着可能量と富栄養化原因物質毎の単位期間当りの負荷量とに基づいて、前記吸着剤毎の単位期間当りの必要吸着剤量を決定し、処理対象水に対し該決定された必要吸着剤量を施用することにより、前記選択した各吸着剤の交換・補充時期を統一することを特徴としている。
請求項1に係る発明によれば、処理対象水から複数種類の富栄養化原因物質を高効率に除去することができる。
さらに本発明によれば、個々の処理対象水の水質に対応して各種富栄養化原因物質を吸着する各吸着剤の施用量を最適に管理し、吸着剤の能力を最大限引き出すとともに、吸着剤の施用コストを低減し、さらに、当該現場における各種吸着剤の補充あるいは補充時期を統一して、メンテナンスコストをも低廉化することができる。
請求項1に係る発明によれば、個々の処理対象水の水質に対応して各種富栄養化原因物質を吸着する各吸着剤の施用量を最適に管理し、吸着剤の能力を最大限引き出すとともに、吸着剤の施用コストを低減し、さらに、当該現場における各種吸着剤の補充あるいは補充時期を統一して、メンテナンスコストをも低廉化することができる。
また、吸着剤が複数種類の富栄養化原因物質を吸着可能であるとき、一種類の富栄養化原因物質を吸着可能な他の吸着剤の必要吸着量から、前記複数種類の富栄養化原因物質を吸着可能な吸着剤量に準じた量を減ずることとすれば、各吸着剤の施用量をさらに最適に管理して吸着剤の能力を最大限引き出すとともに、吸着剤の施用コストをさらに低減することが可能となる。
さらに、一方向に向かつて処理対象水を流水する流水手段を備えた水質浄化装置において、処理対象水に含有される複数種類の富栄養化原因物質を個々に区別して吸着する複数種類の吸着剤を、混合することなく独立して単独に収容する通水可能な複数の吸着剤充填容器が、流水中に配置転換可能に水没配置された水質浄化装置とすれば、吸着効率の変更や処理対象水の富栄養化原因物質の微妙な変化に対応して、柔軟に対応して効率の高水準での維持を可能とすることができる。
本発明の水質浄化方法を実施するための水質浄化装置と池等の閉鎖性水域を模式的に示す模式図である。 図1の吸着剤の設置配列を変更した同模式図である。 富栄養化原因物質としてリン酸、硝酸、アンモニア全てを含む処理対象水に対し、単一の物質の吸着剤を作用させた場合の吸着効果を示す図である。 同じくりン駿、硝酸、アンモニアをそれぞれ単独で含む処理対象水に対し、当該富栄養化原因物質の吸着剤を作用させた場合の吸着効果を示す図である。
本発明は、処理対象水中に含有される富栄養化原因物質を特定する工程A、特定された富栄養化原因物質に対し除去を優先する順位を設定する工程B、前記特定された富栄養化原因物質を吸着する吸着剤を選択する工程C、選択された吸着剤を混合することなくそれぞれ単独で収容する工程D、単独で収容された吸着剤を、除去を優先する順位の低いものから順に処理対象水の流水路中に設置して接触させる工程E、とから構成し、前記工程Bと工程Cのいずれかを先行実施する水質浄化方法である。
以下、本発明に係る水質浄化方法の実施の態様を詳しく説明する。
図1及び図2は、本発明の水質浄化方法を実施するための装置を模式的に示す模式図である。
図3は、富栄養化原因物質としてリン酸、硝酸、アンモニアの3種類の物質を含む処理対象水に対し、それぞれ単一の物質を吸着する吸着剤を作用させた場合の吸着効果を示す図である。
図4は、同じくりン酸、硝酸、アンモニアをそれぞれ単独で含む処理対象水に対し、当該富栄養化原因物質の吸着剤を作用させた場合の吸着効果を示す図である。
本発明の複数種類の吸着剤は、(1)混合することなくそれぞれ単独で水質浄化装置に設置されて施用されること、及び(2)複数種類の吸着剤の吸着作用順序について優先順位を付することを基本としている。
<浄化試験1>
そこで先ず、本発明者らは、複数種類の吸着剤を混合して作用させた場合と、それぞれを単独で順序を付けて作用させた場合とで、吸着剤が富栄養化原悶物質を吸着する吸着作用に相違があるか否かについて、リン酸、硝酸、アンモニアを含む模擬供給水(水A) を用いて検討した。
検討内容は、直立した円筒形のカラムに、複数種類の吸着剤が混ざらないようにこれを分離独立して収容し、この円筒形カラムに対し流量一定の後述の模擬供給水(水A)の上向きの水流を形成し、模擬供給水(水A)を単独の吸着剤に順次接触させて水中のリン酸、硝酸、アンモニアを吸着させることとした。
このとき用いた模擬供給水(水A)は、リン酸水素二カリウム1.83mg/L(1mg-P04/L)、硝酸カリウム36.lmg/L (5mg-N/L) 、塩化アンモニウム1.91mg/L(0.5mg-N/L)を含み、pHを7.0に調製したものである。
複数種類の吸着剤を用いる場合、吸着剤の能力を最大限発揮せしめるためには、それぞれの吸着剤を適切な割合で使用しなければならない。
本発明は、富栄養化原因物質毎の単位期間当りの負荷量を、選択した吸着剤の富栄養化原因物質毎の吸着可能量で除することにより、吸着剤毎の単位期間当りの必要吸着剤量を決定することとしている。
このとき、吸着剤が一種類の富栄養化原因物質のみ吸着可能であるときは、そのままその値を用いればよい。
上述の富栄養化原因物質毎の単位期間は、吸着剤を交換・補充するメンテナンス時期が吸着剤の種類毎に異なることにならないよう、統一して定めるようにしている。
吸着剤充填用カゴ2の吸着剤の収容能力は、決定された単位期間分の吸着剤の量を充分確保できるよう設計されている。
以下、具体的に説明する。
表1に、各吸着剤の最適の必要吸着剤量の計算例を示す。
表1に示すように、例えば、リン吸着剤Aの単位重量当りの吸着可能量をa(g/kg)として、単位期間当りの必要吸着量としての、例えば1月間の負荷量をX(g/月)とすると、単位期間当りの必要吸着剤量としての1月間に必要な吸着剤量はX/a(kg)となる。
一般に吸着剤は、所定期間を経過すると吸着能が急速に減退する。吸着能はいわゆるサチュレートする。
同様に、他の吸着剤についても適切な吸着剤量を設定する。ただし、複数種類の物質を吸着可能な吸着剤がある場合はその影響も考慮する。
Figure 0005675749
例えば、表1では、処理対象水中にリン酸、硝酸、アンモニアが含まれている場合に、リン吸着剤A、硝酸吸着剤B、アンモニア吸着剤Cを用いたときの必要吸着剤量を計算した例を示している。
ここで、アンモニア吸着剤は、主としてアンモニアの吸着に用いられるわけであるが、同時に若干のリン酸および硝酸吸着能を持つため、これらを考慮して、最終的な各吸着剤の必要量を設定している。
すなわち、吸着剤が複数種類の富栄養化原因物質を吸着可能であるときは、一種類の富栄養化原因物質を吸着可能な他の吸着剤の必要吸着量から、複数種類の富栄養化原因物質を吸着可能な吸着剤量に準じた量、例えば上記表1のりン吸着剤Aでいえば、c× (Z/e)を減じて、吸着剤毎の単位期間当りの必要吸着剤量を決定している。
このようにすれば、それぞれの吸着剤の能力を最大限発揮させることができ、また、各吸着剤の交換時期や補充時期を統一することができ、メンテナンス作業を単純化、簡易化、同期化することができ、結果としてメンテナンスコストを低減することができる。
このように必要吸着剤量が設定された吸着剤は、吸着剤設置用函体1の吸着剤充填用カゴ2に収容されて、過不足なく施用されることとなる。
なお、吸着剤の施用量に関する技術事項は、後述する吸着剤の施用順序と結合する必要があるものではなく、独立した発明である。
計算の結果、必要吸着剤量は、粘土鉱物系のりン吸着剤70g(容積約100ml)、硝酸吸着剤としてカルシウムを担持した機能性木炭18g(容積約30ml)、アンモニア吸着剤としてバーミキュライト30g(容積約150ml)となった。
以後の実験は、この吸着剤量を施用して実施した。
円筒形のカラムの一方には、上記の3種類の吸着剤を混合した形態で設置し、もう一方のカラムには、3種類の同じ吸着剤を混合せず互いに分離した単独の形態でリン吸着剤、硝酸吸着剤、アンモニア吸着剤の順番で設置した。
そのときの結果を表2に示す。
表2に示すように、それぞれの吸着剤を混合して吸着させた場合に比べ、それぞれを混合せず分離独立した単独の形態で吸着させた場合の方が浄化後の濃度が低いことが分かる。
Figure 0005675749
混合した形態での施用と単独の形態での施用の物質の除去率を比較すると、リン酸では40%と60%、硝酸では68%と97%、アンモニアでは44%と64%であり、単独で施用したときの除去率が、混合して施用したときのそれを5割前後上回っている。
このように、複数種類の吸着剤を用いる場合、それぞれを単独で設置する方法が、効果的であることが認められる。
<浄化試験2>
次に本発明者らは、吸着剤の処理対象水に対する作用順序、すなわち、吸着剤の設置順序が、各富栄養化原因物質の除去率に影響を与えるか否かについて検討した。
一般的に、処理対象水のアンモニア濃度は高くないから、問題を単純化するために、リン吸着剤と硝酸吸着剤に限定して検討することとした。
リン吸着剤と硝酸吸着剤を用いて、リン酸、硝酸を含む模擬供給水(水B)の浄化試験を行った。
模擬供給水(水B)は、リン酸水素二カリウム1.83mg/L(1mg-PO4/L)、硝酸カリウム36.lmg/L (5mg-N/L) を含み、pHを7.0に調製したもの、すなわち、上記浄化試験1で用いた模擬供給水(水A)にアンモニアを含有させないものを用いた。
リン吸着剤と硝酸吸着剤は、上記浄化試験1と同じものを用いた。
模擬供給水(水B)の供給は上向流とし、円筒形カラムの一方には前段にリン吸着剤、後段に硝酸吸着剤を設置した。
もう一方のカラムには、前段に硝酸吸着剤、後段にリン吸着剤を設置した。
その結果を表3に示す。
Figure 0005675749
表3から分かるとおり、リン吸着剤を後段に設置した場合、前段に設置した場合よりも浄化後のリン酸濃度が低く、リンの除去が効率的に行われていることがわかる。
一方、硝酸吸着剤を後段に設置した場合、前段に設置した場合よりも浄化後の硝酸濃度が低く、リン吸着剤と同様に硝酸の除去が効率的に行われている。
このように、複数種類の吸着剤を用いる場合、後段に置かれた吸着剤の方が吸着効率は高い。つまり、処理対象水中の共存物質の濃度が低いほうが、除去効率が高くなる。
これは、処理対象水中に複数種類の物質が存在する場合、前段に置かれた吸着剤が、いわば前処理としてその対象物質を吸着して対象物質の濃度を下げ、後段に置かれた吸着剤の吸着効率を高める作用があるためと考えられる。
<浄化試験3>
そこで本発明者らは、上記浄化実験の結果を踏まえた、処理対象水中に複数種類の物質が存在する場合、前段に置かれた吸着剤が、いわば前処理としてその対象物質を吸着して対象物質の濃度を下げ、後段に置かれた吸着剤の吸着効率を高める作用がある、とすることが正しいか否かについて検討した。
その内容は、リン吸着剤と硝酸吸着剤とアンモニア吸着剤のそれぞれを、2本1対とする3対のカラムの各対に設置し、各対の一方に上記模擬供給水(水A)を供給するとともに、各対の他方には、リン酸のみ、硝酸のみ、アンモニアのみを単一に含有する3種類の模擬供給水(水C)(水D)(水E)のそれぞれを供給し、それぞれの富栄養化原因物質を吸着するものである。
すなわち、上記浄化実験1にて用いた模擬供給水(水A)と、模擬供給水(水C)(リン酸水素二カリウム1.83mg/L(1mg-PO4/L)を含み、pHを7.0に調製したもの)と、模擬供給水(水D)(硝酸カリウム36.1mg/L (5mg-N/L) を含み、pHを7.Oに調製したもの)と、模擬供給水(水E)(塩化アンモニウム1.91mg/L(0.5mg-N/L)を含み、pHを7.0に調製したもの)とを準備し、この4種類の模擬供給水を用いて吸着試験を行った。
吸着剤としては、上記浄化実験1と同一のものを用いてカラム内に設置した。
このときの結果を図3及び図4に示す。
図3及び図4の上段同士、中段同士、下段同士をそれぞれ比較すると、各吸着剤が模擬供給水(水A)を対象として作用した場合の処理水中のリン酸イオン濃度、硝酸イオン濃度、アンモニウムイオン濃度は、模擬供給水(水C)、模擬供給水(水D)、模擬供給水(水E)を対象として作用した場合に比べ、それぞれ高いことが分かる。
このことは、リン吸着剤、硝酸吸着剤、アンモニア吸着剤のいずれも、吸着対象とする富栄養化原因物質のみを含有した処理対象水に対しては、効率的な吸着作用を示すが、吸着対象物質とそれ以外の物質を含有した処理対象水に対しては、吸着効率が低下することを示している。
<浄化実験1〜3のまとめ>
本発明者らは以上のことから、次の吸着作用メカニズムについての新たな知見を得た。
(1)処理対象水を複数種類の吸着剤で浄化するとき、これら吸着剤を混合しないでそれぞれ分離独立した単独の形態を採ると吸着効率が上昇する。
(2)前段に置かれた吸着剤が、いわば前処理としてその対象物質を吸着して対象物質の濃度を下げ、後段に置かれた吸着剤の当該吸着対象物質の吸着効率を高める。
本発明者らは、この知見に基づいて効率的な処理対象水に含有される富栄養化原因物質を吸着する水質浄化方法を創作したものである。
本発明の本質は、より高い除去効率が必要な物質に対応した吸着剤は、水質浄化装置の後段に設置する、というところにある。
以下に、本発明の実施例について、具体的に説明する。
<<実施例1>>
模擬供給水(水A)は、硝酸濃度が高いのでこの硝酸を除去することをターゲットとして、硝酸吸着剤を後段に設置することとした。
なお、吸着剤AおよびBはそれぞれリン酸あるいは硝酸のみの吸着能しか持たないが、吸着剤Cはリン酸、硝酸、アンモニアのすべてに対して吸着能を持っていることから、吸着剤Cを最も後段に設置した。
こうすることで、リン酸や硝酸の影響をできるだけ小さくし、本来の目的であるアンモニア吸着能を、想定どおり発揮させることが可能となった。
カラム内にリン吸着剤70g、硝酸吸着剤であるカルシウム担持機能性木炭旬、アンモニア吸着剤であるバーミキュライト30gの順に吸着剤を単独の形態で設置し、模擬供給水(水A)を用いて水質浄化を行った。
その結果を表4に示す。
表4に示すとおり、吸着浄化処理後のりン酸濃度は0.40 (mg-PO4/L)、同硝酸濃度は0.15(mg-N/L)であり、アンモニア濃度は0.18(mg-N/L)である。
Figure 0005675749
ここで本実施例1は、リン酸、硝酸、アンモニアの3成分を含有する処理対象水に対して、最初にリン吸着剤を作用させた結果、リン吸着剤の吸着によるリン酸の除去率は、60%と必ずしも高くはない。
そこで次に示す実施例2においては、機能性木炭とリン吸着剤の設置位置に隠し設置方法を工夫し、第1段階のリン酸吸着処理の前に、当該吸着剤の吸着対象以外の物質である硝酸を除去しようとするものである。
<<実施例2>>
本実施例2は、硝酸吸着剤に上記知見(2)の役割を担わせるべく、硝酸吸着剤をリン吸着剤の設置位置の前段に付加的に置くこととした。
すなわち、カラム内に硝酸吸着剤であるカルシウム担持機能性木炭9g、リン吸着剤70g、同機能性木炭9g、アンモニア吸着剤であるバーミキュライト30gの順に吸着剤を設置し、模擬供給水(水A)を対象として水質浄化試験を行った。
その結果を表5に示す。
硝酸吸着剤である機能性木炭をリン吸着剤を作用させる前後に作用させた結果、表4のリン酸濃度が0.40(mg-PO4/L)であったものが、表5に示される0.09(mg-P04/L)まで低減することができ、吸着効率の著しい向上を図ることができた。
また、同じく硝酸濃度が0.15 (mg-N/L)であったものが、表5に示されるように、0.06(mg-N/L)まで低減させることができた。
Figure 0005675749
<<実施例3>>
上記したいずれかの実施例により水質浄化処理中において、供給水源の変更・変化や季節変化等の何らかの理由により、処理対象水の水質が大幅に変化することがある。あるいは、例えば、硝酸の浄化を主目標としていたものが、リン酸の浄化を主目標とするというように、浄化目的が変更されることもあり得る。
このようなときは、処理対象水の水質の変化あるいは浄化目的の変更に適合するように、浄化処理途中に吸着剤の設置順序を変更する。
また、上記実施例2の浄化効率をさらに向上する必要があるときは、これらの複数種類の吸着剤を、例えばA、B、A、Bのように、あるいはA、B、C、D、A、B、C、D、A、B、C、Dのように、反復繰り返して設置する方法も有効である。
<水質浄化装置>
本発明の実施例1に相当する水質浄化方法は、図1に示された水質浄化装置を用いて実施され、実施例2に相当する水質浄化方法は、図2に示された水質浄化装置を用いて実施される。
この水質浄化装置の各実施例においては、処理対象水は、池や沼等の閉鎖性水域6に含有されている富栄養化原因物質を除去するために、閉鎖性水域6と吸着剤設置用函体1の間を循環され、また、必要な水量を確保するために、新規の供給水が供給される。
また本実施例では、閉鎖性水域6に水位センサーを設置し、水位センサーが所定水位以下になったことを検知したとき、供給水が図示を省略する水源から自動的に供給されるように構成されている。
水質浄化装置を構成する吸着剤設置用函体1は、閉鎖性水域6近傍に設置された鉄筋コンクリート製の函体で、交互に下端部と上端部が通水可能な隔壁にて仕切られている。
吸着剤は、処理対象水の水質と新規に供給される供給水の水質に対応して複数種類選択される。
選択された複数種類の吸着剤は通常、混合されることなく分離されて、単独の形態でそれぞれ専用の吸着剤充填用カゴ2に収容され、これらの吸着剤充填用カゴ2は、吸着剤設置用函体1の隔壁の間に連続して沈められて設置されている。
この吸着剤充填容器2は、内部に吸着剤収納用袋が収容されたパンチングメタル製函体、金網製函体等の通水可能な容器で、複数種類の吸着剤のいずれの吸着剤を収容するものであっても同一サイズとされており、図1に示される配列から図2に示される配列に容易に配置転換自在とされている。
すなわち、図1では、上流位置から順に、リン吸着剤3と硝酸吸着剤4とアンモニア吸着剤5とをそれぞれ収容した吸着剤充填容器2が隔壁の間に沈められている。
実施例2に相当する水質浄化装置に変更するためには、最も上流に配置されているリン吸着剤3を収容したカゴ2を取り除き、その位置に硝酸吸着剤4を収容した容器2を沈める。
このように、各種の吸着剤を収容する同一サイズ吸着剤充填容器2は、その配置位置が転換自在の構造を有しているので、簡単に水質浄化装置の吸着効率を変更可能である。
また、浄化処理途中であっても、処理対象水の水質の変化あるいは浄化目的の変更に柔軟に対応することができる。
閉鎖性水域6内の処理対象水は、ポンプPにより循環されて、吸着剤設置用函体1の隔壁の聞を流れ、吸着剤設置用函体内を流水している聞に吸着剤充填容器2内の吸着剤と接触し、富栄養化原悶物質は各吸着剤の吸着能に対応して吸着される。
吸着剤は、その性能を充分に発揮させるため、種類毎に分離してそれぞれの吸着剤充填容器2に単独の形態で収容される。
吸着剤の設置配列としては、この実施例においては、リン吸着剤3、硝酸吸着剤4、アンモニア吸着剤5の順番で設置してある。また、これらの吸着剤の施用量は、リン吸着剤3の設置容量100部に対し、硝酸吸着剤4は30部、アンモニア吸着剤5は150部設置されている。
以上の実施例においては、吸着剤充填容器2を吸着剤設置用函体1に形成された流水路中に設置するものであるが、複数種類の吸着剤充填容器2を順番に閉鎖性水域6に直接水没設置しでもよい。
1 吸着剤設置用函体
2 吸着剤充填容器
3 リン吸着剤
4 硝酸吸着剤
5 アンモニア吸着剤
6 池
P ポンプ

Claims (1)

  1. 処理対象水中に含有される富栄養化原因物質を特定する工程A、
    特定された富栄養化原因物質に対し除去を優先する順位を設定する工程B、
    前記特定された富栄養化原因物質を吸着する吸着剤を選択する工程C、
    選択された吸着材を混合することなくそれぞれ単独で収容する工程D、
    単独で収容された吸着材を、除去を優先する順位の低いものから順に処理対象水と接触させる工程E、
    とからなり、前記工程Aに次いで前記工程Bと工程Cのいずれかを先行実施する水質浄化方法において、
    処理対象水の水質に対応する複数種類の吸着剤を選択し、該選択した各吸着剤の富栄養化原因物質毎の単位重量当りの吸着可能量と富栄養化原因物質毎の単位期間当りの負荷量とに基づいて、前記吸着剤毎の単位期間当りの必要吸着剤量を決定し、処理対象水に対し該決定された必要吸着剤量を施用することにより、前記選択した各吸着剤の交換・補充時期を統一することを特徴とする水質浄化方法。
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