JP5672634B2 - 超電導ケーブルの中間接続構造 - Google Patents
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Description
以下、図面に基づいて、CVタイプの常温絶縁型超電導ケーブルを用いた本発明超電導ケーブルの中間接続構造の実施形態を説明する。なお、図面において、符号に『´』が付されている部材は、『´』が付されていない同一符号の部材と同じ構成を備える部材である。
図1に示す超電導ケーブルの中間接続構造100は、突き合わされた一対の常温絶縁型超電導ケーブル200,200´を接続することで形成される。この中間接続構造100は、接続導体1と、連結管2と、接続部絶縁層3と、を備える。接続導体1は、突き合わされた常温絶縁型超電導ケーブル200,200´の超電導導体層12,12´同士を電気的に接続する部材である。連結管2は、接続導体1の外周を取り囲み、突き合わされた常温絶縁型超電導ケーブル200,200´の断熱管14,14´同士を連結する多重管である。接続部絶縁層3は、連結管2の外周を取り囲み、突き合わされた常温絶縁型超電導ケーブル200,200´の両ケーブル絶縁層15,15´に跨る絶縁部材である。本実施形態における接続部絶縁層3は、絶縁ユニット3mと一対のストレスコーン3s,3s´とを組み合わせることで形成されている。これら中間接続構造100の構築に用いられる部材は、図2の概略斜視図に示すように、基本的に筒状の部材である。
常温絶縁型超電導ケーブル(以下、単に超電導ケーブルとする)200は、導体部10と、導体部10を内部に収納する断熱管14と、断熱管14の外周を取り囲むケーブル絶縁層15と、を備える。
導体部10は、代表的には、フォーマ11と、フォーマ11の外周に形成される超電導導体層12と、保護層13と、を備える。フォーマ11は、超電導導体層12の支持体に利用される部材であり、例えば、エナメルなどの絶縁被覆を備える複数の金属線を撚り合わせた中実体や、金属パイプなどの中空体を利用することができる。本実施形態では、被覆金属線を撚り合わせた中実体とした。
断熱管14は、導体部10を内部に収納する内管14aと、内管14aを内部に収納する外管14bと、を備える2重管構造である。内管14aは、その内部に、超電導導体層12を超電導状態に維持するための冷媒131(代表的には、液体窒素や液体ヘリウム、ヘリウムガスなど)が充填され、冷媒流路として機能する。この内管14aと、内管14aの外周に設けられる外管14bとで断熱管14を構成することで、外部からの侵入熱などにより冷媒131の温度が上昇することを抑制する。内管14aと外管14bとの間は真空引きされ、それによって真空断熱層が形成されている。その他、内管14aと外管14bとの間にスーパーインシュレーションといった断熱材や、内管14aと外管14bとを離隔させるスペーサを配置すると、断熱管14の断熱性を高められる。
ケーブル絶縁層15は、超電導ケーブル200を外部環境から電気的に絶縁する層である。このケーブル絶縁層15には、常電導ケーブルで実績がある電気絶縁強度に優れる材料、代表的にはCVケーブルに利用される架橋ポリエチレン(PEX)などを利用できる。架橋ポリエチレンなどの絶縁性樹脂であれば、断熱管14の外周に絶縁性樹脂を押し出すだけでケーブル絶縁層15を容易に形成できる。
ケーブル絶縁層15の外周には、代表的には、銅やアルミニウムなどの常電導材料から構成された外側遮蔽層が設けられる。外側遮蔽層は、ケーブル絶縁層15の外側の電位を与えるもので、従来の電力ケーブルと同様に常電導材料を利用できる。また、外側遮蔽層の外周には、所定の絶縁特性を有し、外側遮蔽層を保護する防食層(図示せず)が設けられている。
以上説明した超電導ケーブル200,200´同士を接続する中間接続構造100の構築は、以下の工程α〜εに従って行うことができる(図1〜5を適宜参照)。
・工程α…段剥ぎされた超電導ケーブル200,200´の端部同士を突き合わせ、超電導ケーブル200,200´の超電導導体層12,12´同士を接続導体1で接続する。
・工程β…超電導ケーブル200,200´の断熱管14,14´同士を連結管2で連結する。ストレスコーン3s´は、超電導ケーブル200´上の所定位置(図1の完成時の位置)に配置しておく。
・工程γ…連結管2と絶縁ユニット3mとを連結する。
・工程δ…絶縁ユニット3mの左端開口部にストレスコーン3sを嵌め込む。
・工程ε…絶縁ユニット3mの両端部に押し金具5,6を取り付け、両ストレスコーン3s,3s´を絶縁ユニット3mの内方に向かって押し込む。
・工程ζ…端部カバー7,8を絶縁ユニット3mの両端開口部に嵌め込み、各部材間の隙間を封止する。
接続する超電導ケーブル200(200´)の端部は、フォーマ11(11´)、超電導導体層12(12´)、断熱管の内管14a(14a´)、断熱の外管14b(14b´)の一部が段階的に露出された状態となるように、段剥ぎしておく。また、ケーブル絶縁層15(15´)は、超電導ケーブル200(200´)の端部近傍の所定範囲において当該端部に向かうに従って漸次細くなるようにし、その所定範囲から端部までは一様な径となるようにした。図中の『+』ハッチングの部分には、粘着半導電性架橋ポリエチレンテープの巻回と導電塗性塗料の塗布を行った。そうすることで、超電導ケーブル200(200´)の外部半導電層が、後述するストレスコーン3s(3s´)の半導電ゴム部38(38)に導通するようにした。
工程βでは、超電導ケーブル200,200´の断熱管14,14´同士を連結管2で連結する。連結管2は、直管状の内管2aと、同じく直管状の外管2bとからなる二重管構造を有する。内管2aは、冷媒流路として利用でき、内管2aと外管2bとの間の空間は真空断熱層として利用できる。この内管2a(外管2b)は、半円筒状の半割れ構造のものを接続導体1の外周側から被せて、溶接することなどによって形成することができる。また、内管2aと外管2bとの間には、断熱管14,14´と同様に、スーパーインシュレーションやスペーサなどを配置しても良い。
工程γでは、連結管2と絶縁ユニット3mとを連結する。絶縁ユニット3mは、ユニット本体30と、内部電極31と、台座部34,35と、外部カバー36と、IJ筒39と、を備える(特に、図2、図3を参照)。
工程δでは、絶縁ユニット3mの左端開口部にストレスコーン3sを嵌め込む(特に、図2、図3を参照)。ここで、絶縁ユニット3mの挿入孔30h,30h´の内部には環状の押え筒32,33が嵌め込まれており、ストレスコーン3s,3s´の先端部が内部電極31と接触しないようになっている。押え筒32,33は絶縁性樹脂から構成されている。
工程εでは、絶縁ユニット3mの両端部に押し金具5,6を取り付け、両ストレスコーン3s,3s´を絶縁ユニット3mの内方に向かって押し込む(特に、図2,4,5を参照)。そうすることで、両ストレスコーン3s,3s´に形成される先細りのテーパー部(絶縁ゴム部37のテーパー状の部分)と、絶縁ユニット3mの挿入孔と、が密着し、両者の間に実質的に隙間がなくなる。同時に、ストレスコーン3s(3s´)と、超電導ケーブル200(200´)のケーブル絶縁層15(15´)と、が密着し、両者の間に実質的に隙間がなくなる。
工程ζでは、絶縁ユニット3mの両端部から端部カバー7,8を嵌め込み、各部材の隙間を封止する。隙間の封止には、粘着性の絶縁テープなどを利用することができる。なお、この嵌め込みの際は、ケーブル絶縁層15,15´の外周に設けられるケーブル遮蔽層の処理も行う。
以上説明した工程α〜ζによれば、常温絶縁型超電導ケーブル200,200´同士を接続した超電導ケーブルの中間接続構造100を構築することができる。しかも、構築された中間接続構造100は、超電導ケーブル200,200´の径方向にコンパクトであるため、既設の管路などの狭い作業空間であっても余裕をもって形成することができる。
実施形態1では、CVタイプの常温絶縁型超電導ケーブルを接続するための超電導ケーブルの中間接続構造を説明したが、接続する超電導ケーブルはOFタイプであっても良い。その場合、中間接続構造の構築にあたって、まずCVタイプの中間接続構造の構築と同様、図3に示すようにフォーマ11,11´同士、超電導導体層12,12´同士、断熱管14,14´同士を接続する。その際、断熱管14,14´の接続に利用する連結管2には、接続金具4が設けられていない連結管2を利用する。
200,200´ 常温絶縁型超電導ケーブル
10 導体部
11,11´ フォーマ 12,12´ 超電導導体層 13,13´ 保護層
14,14´ 断熱管 14a,14a´ 内管 14b,14b´ 外管
15,15´ ケーブル絶縁層
131 冷媒
1 接続導体
2 連結管 2a 内管 2b 外管
3 接続部絶縁層
3m 絶縁ユニット
30 ユニット本体 30h,30h´ 挿入孔
31内部電極 31g 取付溝
32,33 押え筒 34,35 台座部
36 外部カバー 39 IJ筒
3s,3s´ ストレスコーン 37 絶縁ゴム部 38 半導電ゴム部
4 接続金具
5,6 押し金具
50,60 ベース部 51,61 第一ボルト 52,62 第二ボルト
53,63 押圧筒 5s,6s バネ
7,8 端部カバー
Claims (5)
- 突き合わされた一対の超電導ケーブルを接続してなる超電導ケーブルの中間接続構造であって、
前記超電導ケーブルは、超電導導体層と、その超電導導体層を内部に収納する多重管構造の断熱管と、その断熱管の外周を取り囲むケーブル絶縁層と、を備える常温絶縁型超電導ケーブルであり、
突き合わされた常温絶縁型超電導ケーブルの超電導導体層同士を電気的に接続する接続導体と、
前記接続導体の外周を取り囲み、突き合わされた常温絶縁型超電導ケーブルの断熱管同士を連結する多重管構造の連結管と、
前記連結管の外周を取り囲み、かつ、突き合わされた常温絶縁型超電導ケーブルの両ケーブル絶縁層に跨る接続部絶縁層と、
を備えることを特徴とする超電導ケーブルの中間接続構造。 - 前記接続部絶縁層は、
両端部に円錐状の挿入孔を有するユニット本体と、ユニット本体の中間部の内周面に露出する内部電極と、を備える絶縁ユニットと、
前記挿入孔に嵌め込まれる先細りのテーパー部を備える一対のストレスコーンと、
を備え、
さらに、前記内部電極と前記連結管とを電気的・機械的に接続する接続金具を備えることを特徴とする請求項1に記載の超電導ケーブルの中間接続構造。 - 前記接続金具は、前記連結管の外周面に固定して設けられることを特徴とする請求項2に記載の超電導ケーブルの中間接続構造。
- 前記一対のストレスコーンを両側から押圧する一対の押し金具を備えることを特徴とする請求項2または3に記載の超電導ケーブルの中間接続構造。
- 前記ケーブル絶縁層は、
前記連結管の外周に巻回される絶縁紙と、
前記絶縁紙に含浸される絶縁油と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の超電導ケーブルの中間接続構造。
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