JP5672248B2 - インクジェットヘッド - Google Patents

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Description

本発明はノズルからインク滴を吐出するインクジェットヘッドに関し、詳しくは、圧力発生手段への給電のためのフレキシブルプリント配線板の剥離を簡単な構造で防止できるようにしたインクジェットヘッドに関する。
記録紙等の被記録媒体上に微小なインク滴を吐出して画像等を記録するインクジェットプリンタに用いられるインクジェットヘッドでは、PZT等の圧電素子からなる圧力発生手段の駆動によって圧力室内のインクに圧力変化を発生させ、該圧力室内のインクをノズルから吐出させる。近年、インクジェット記録装置による高精度、高精細な画像形成を実現するため、インクジェットヘッドにおけるノズルの高精細化が求められている。
インクジェットヘッドの各圧力発生手段への給電のための配線は、通常、フレキシブルプリント配線板(以下、FPCという場合がある。)の一端をヘッドに接合することで行われる。特許文献1には、一端がヘッドに接合されたFPCの他端側をそのフレキシブルな特性を利用して折り曲げ、筐体ホルダの外側面に沿うように添着させることで、該FPCを保持するようにしている。
特開2003−311953号公報
一般にインクジェットヘッドは、これを搭載した描画装置の設計の際に装置本体が大きくなったりして描画精度が落ちないようにするため、外形形状をできるだけコンパクトにした設計が望まれている。また、インクジェットヘッドの筐体は、ヘッド全体の取付け位置を規定するための基準位置ともなる部品であるため、特許文献1のように筐体ホルダの外側面でFPCを保持することは、基準位置となる筐体の外側面がFPCで覆われてしまうため、筐体ホルダの外側面において基準位置をとれる面積に制約が出てしまったり、フレキシブルなFPCを基準位置とせざるを得なくなったりして、ヘッドの取付け位置精度を低下させてしまう問題がある。
このため、FPCは筐体内に収容することが望ましい。FPCを筐体内に収容してヘッド全体をコンパクトにするには、FPCをできるだけ小さな曲げRで折り曲げて筐体内部に収容しなくてはならない。しかし、FPCの折り曲げ部の曲げRを小さくすると、FPCの接着面に剥離させようとする力が働く。この剥離力はFPCに永続的に作用するため、長期使用によって剥離に至って脱落してしまい、FPCの接続性が解除されてしまうおそれがある。
そこで、本発明は、ヘッド全体をコンパクトにするためにフレキシブルプリント配線板を小さな曲げRで折り曲げても、ヘッドから脱落して接続性が解除されてしまうことがないインクジェットヘッドを提供することを課題とする。
本発明の他の課題は、以下の記載により明らかとなる。
上記課題は、以下の各発明によって解決される。
1.インクを吐出させる複数のノズルと、前記ノズルにそれぞれ連通する複数の圧力室と、前記圧力室に対応してそれぞれ設けられた複数の圧力発生手段とを有するヘッド基板と、
前記ヘッド基板における前記ノズルの形成面の反対面に接合されて該ヘッド基板を保持固定する保持基板と、
一端が前記保持基板の前記ヘッド基板との接合面の反対面に接合され、前記圧力発生手段に対して給電を行うためのフレキシブルプリント配線板と、
前記保持基板上でフレキシブルプリント配線板を収容する筐体と、を備えてなるインクジェットヘッドであって、
前記フレキシブルプリント配線板は、他端側が前記保持基板との接合面に対して交差する方向に折り曲げられており、且つ、前記フレキシブルプリント配線板の一端の前記保持基板との接合部における折り曲げ方向側の面に、該フレキシブルプリント配線板の表面に対して空隙を介して対向し、該フレキシブルプリント配線板の前記保持基板からの剥離の進行を阻止して脱落を防止するための脱落防止部材が配置されていることを特徴とするインクジェットヘッド。
2.前記脱落防止部材と前記フレキシブルプリント配線板との間の前記空隙に接着剤が流入され、該接着剤が硬化していることを特徴とする前記1記載のインクジェットヘッド。
3.前記脱落防止部材は、前記フレキシブルプリント配線板の一端の前記保持基板との接合部の幅方向の両端部に、各端縁を跨ぐようにそれぞれ設けられていることを特徴とする前記1又は2記載のインクジェットヘッド。
4.前記保持基板における前記フレキシブルプリント配線板との接合面において、該フレキシブルプリント配線板の幅方向の外側にそれぞれ接合され、前記保持基板を介して前記ヘッド基板の前記圧力室に対してインクを供給又は前記ヘッド基板からのインクを排出するためのインクを収容するインク室部材を備え、
前記脱落防止部材は前記インク室部材に設けられ、該インク室部材から前記フレキシブルプリント配線板の各端縁を跨ぐようにそれぞれ突設していることを特徴とする前記3記載のインクジェットヘッド。
5.前記脱落防止部材は、前記保持基板における前記フレキシブルプリント配線板の幅方向の外側にそれぞれ設けられ、該保持基板上から前記フレキシブルプリント配線板の各端縁を跨ぐようにそれぞれ突設していることを特徴とする前記3記載のインクジェットヘッド。
6.前記筐体は、前記フレキシブル配線板における前記保持基板から折り曲げられて立ち上がる他端側の折り曲げ方向側の面と反対側の面に沿って延びる内壁面を有し、
前記フレキシブルプリント配線板は、前記筐体の前記内壁面に接着されていることを特徴とする前記1〜5のいずれかに記載のインクジェットヘッド。
本発明によれば、ヘッド全体をコンパクトにするためにフレキシブルプリント配線板を小さな曲げRで折り曲げても、ヘッドから脱落して接続性が解除されてしまうことがないインクジェットヘッドを提供することができる。
本発明に係るインクジェットヘッドの分解斜視図 本発明に係るインクジェットヘッドの正面図 本発明に係るインクジェットヘッドを図1中の(iii)-(iii)線に沿う部分で切断した断面図 本発明に係るインクジェットヘッドを図1中の(iv)-(iv)線に沿う部分で切断した断面図 図1に示すインクジェットヘッドにおけるヘッド基板の層構成を示す部分断面図 図1に示すインクジェットヘッドにおける部分平面図 本発明に係るインクジェットヘッドの保持基板の他の態様を示す斜視図
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
図1は、本発明に係るインクジェットヘッドの分解斜視図、図2は、その正面図、図3は、図1中の(iii)-(iii)線に沿う部分で切断した断面図、図4は、図1中の(iv)-(iv)線に沿う部分で切断した断面図、図5は、図1に示すインクジェットヘッドにおけるヘッド基板の層構成を示す部分断面図、図6は、図1に示すインクジェットヘッドにおける部分平面図である。
図1において、1はインクジェットヘッドであり、インクジェットヘッド1は、ヘッド基板2と保持基板3とFPC(フレキシブルプリント配線板)4とインク室部材5と筐体6とを有している。
ヘッド基板2は、ボディプレート21、中間プレート22、ノズルプレート23の3枚の基板が積層一体化されることによって構成されている。
ボディプレート21は、図1中のA方向に沿って長さが長く、厚みが100〜300μm程度のSi基板からなり、一方の面(図1における下面)をエッチングすることによって、平面視で略円形状となる複数の圧力室211と、複数の圧力室211に対して共通にインクを供給するための凹溝からなる共通流路212と、共通流路212と各圧力室211とを個別に連通し、共通流路212内のインクを圧力室211に供給するための細溝からなるインク供給路213とが凹設された流路形成基板である。
各圧力室211は、後述する中間プレート22に形成された連通孔221との連通部となるための、一部が外側に膨出する形状となる膨出部211aを有している。図1では、16個の圧力室211をA方向に沿って配列したボディプレート21を示しており、一つおきの8個ずつの圧力室211に対してそれぞれインクを供給するための2本の共通流路212が、間に圧力室211の列を挟むように配置されている。
ボディプレート21の他方の面(図1における上面)には、各圧力室211の位置に対応するように圧力発生手段であるPZT等からなる圧電素子214が積層されており、この圧電素子214の駆動時に、該圧電素子214と圧力室211との間の壁面を振動板215として振動させることで、圧力室211内のインクに吐出のための圧力を付与するようになっている。
各共通流路212は、ボディプレート21の長手方向であるA方向に沿って延びており、その端部は、ボディプレート21のA方向の両端部近傍においてボディプレート21を表裏に貫通するように形成されている貫通口216にそれぞれ連通している。貫通口216は、ボディプレート21の各端部において、2つずつがA方向と直交するボディプレート21の短手方向であるB方向に沿うように並んで配置されており、各々共通流路212の端部と連通している。
中間プレート22は、ボディプレート21と平面視形状が同一形状で、厚みが100〜300μm程度のガラス基板からなり、ボディプレート21と積層された際に、ボディプレート21の圧力室211に形成された膨出部211aに対応する位置に、それぞれ中間プレート22を表裏に貫通し、吐出時のインク流路となる連通孔221が個別に形成されている。この中間プレート22には、ほうケイ酸ガラス(例えばテンパックスガラス(商品名))が好ましく用いられる。
ノズルプレート23は、厚みが100〜300μm程度のSi基板からなり、中間プレート22と積層された際に、中間プレート22の連通孔221に対応する位置に、それぞれインク滴を吐出するノズル231が形成されている。各ノズル231はノズルプレート23における中間プレート22とは反対面に開口しており、中間プレート22側の面からは、ノズル231と連通し、該ノズル231よりも大径な凹部からなる大径部232が凹設されている。
なお、ノズルプレート23においてノズル231が開口するノズルの形成面(ノズル面)230には、不図示の撥インク膜が形成されている。
ヘッド基板2は、圧力室211の膨出部211a、連通孔221、大径部232(ノズル231)がそれぞれ連通するように、ボディプレート21、中間プレート22及びノズルプレート23が位置合わせされて積層され、一体に接合されることによって構成される。ボディプレート21、中間プレート22及びノズルプレート23の接合方法としては、一般に陽極接合が用いられる。
これらボディプレート21、中間プレート22及びノズルプレート23の接合により、ボディプレート21の圧力室211、共通流路212、インク供給路213の下面は閉塞されると共に、各共通流路212の両端部にそれぞれ連通する貫通口216は、ヘッド基板2の図1中の上面のみに開口し、各共通流路212へのインクの供給又は各共通流路212からのインクの排出のための開口部となる。
保持基板3は、ヘッド基板2の強度保持のために該ヘッド基板2に対して接着剤を用いて接合され、ヘッド基板2を保持固定する基板であり、厚みが0.5mm〜3mm程度のSi基板又はガラス基板からなる。ガラス基板としては、ヘッド基板2の中間プレート22と同様、ほうケイ酸ガラス(例えばテンパックスガラス(商品名))が好ましく用いられる。
保持基板3の平面視形状は、A方向及びB方向のいずれにおいてもヘッド基板2よりも大きく形成されている。特に保持基板3のA方向に沿う両端部はヘッド基板2のA方向の両端からそれぞれ大きく張り出している。
保持基板3の中央部には、ヘッド基板2と接合された際に、該ヘッド基板2のボディプレート21上に配列されている全ての圧電素子214を取り囲むことができる大きさの一つの開口部31が貫通形成されている。開口部31は図1中のA方向に沿って延びる矩形状に形成され、その内部にヘッド基板2上の全ての圧電素子214を取り囲み得るが、ヘッド基板2の両端部にそれぞれ開口する2つずつの貫通口216の位置までには至らない大きさに形成されている。
保持基板3のA方向の両端部近傍には、それぞれヘッド基板2の上面に開口する2つずつの貫通口216を取り囲み得る大きさのインク流路となる貫通孔32が1つずつ形成されている。従って、1つの貫通孔32は、ヘッド基板2上に並列する2つの貫通口216、216と連通する。
この保持基板3は、開口部31内にヘッド基板2上の全ての圧電素子214が位置すると共に、各貫通口216が貫通孔32内に位置して連通するようにヘッド基板2と位置合わせされ、接着剤によって一体に接合される。保持基板3はガラス基板からなるが、ヘッド基板2を構成するSi基板やガラス基板と線膨張係数が近いため、接着剤として熱硬化性接着剤等の加熱を伴う接合方法を用いた場合でも、この保持基板3とヘッド基板2との間の反りは抑制される。
また、保持基板3がガラス基板からなる場合は、紫外線透過性を有するため、接着剤としてUV硬化性接着剤又はUV熱硬化性接着剤を用いて、初期硬化において加熱を伴わない接合方法を用いてもよい。
なお、保持基板3の下面(ヘッド基板2との接合面)は、B方向が開口部31よりも大きな領域に亘る凹部33が形成されている。この凹部33は、図3に示すように、保持基板3とヘッド基板2とが接合された際、ヘッド基板2の2本の共通流路212を含み得る大きさに形成されている。これにより、ヘッド基板2における全ての圧電素子214はもちろんのこと、各圧力室211、両端部を除く共通流路212、インク供給路213は保持基板3の凹部33内に配置され、該保持基板3と直に接合されないようになっている。
FPC4は、不図示の駆動回路からの駆動信号を各圧電素子214に印加するために、ポリイミド等の絶縁性のカバーレイに駆動回路との間を電気的に接続する配線41(図6参照)が設けられた外部配線部材である。FPC4の一端は、保持基板3上のA方向に沿う開口部31の一方側部に接着剤によって接合されていると共に、他端側は、保持基板3との接合面に対して交差する方向、好ましくは垂直方向に折り曲げられ、保持基板3の上面から側方へはみ出さないように図示上方に向けて延びている。FPC4の各配線41と各圧電素子214との間は、保持基板3の開口部31を利用して、ボンディングワイヤ42によってそれぞれ個別に電気的に接続されている。なお、このFPC4には、駆動IC43が実装されている。
インク室部材5は、ここではインク室部材本体51とフィルタホルダ52との2部品に分かれており、これらインク室部材本体51とフィルタホルダ52とが一体となって一つのインク室部材5を構成している。本実施形態に示すインクジェットヘッド1には、保持基板3上のA方向の両端部にそれぞれ1つずつ合計2つのインク室部材5が配置されている。
インク室部材本体51は、例えばPPS(ポリフェニレンサルファイド樹脂)等の合成樹脂材料によって一面(図示下面)が開口する箱型形状に形成されており、内部がインクを収容するインク室511とされている。
各インク室部材本体51は、不図示のインクタンク等から供給されるインクをインク室511に一旦貯留し、保持基板3の貫通孔32、ボディプレート21の貫通口216、共通流路212及びインク供給路213を介して、各圧力室211内にインクを供給し、又は、その逆に各圧力室211内のインクをインク供給路213、共通流路212、ボディプレート21の貫通口216及び保持基板3の貫通孔32を介して受け入れ、不図示の廃インクタンク等に排出するためのものである。インク室部材本体51の上面には、インク供給又はインク排出のためのインクチューブとの接続部となる流路口512が突設されている。
フィルタホルダ52は、好ましくはインク室部材本体51と同様の合成樹脂材料によって、該インク室部材本体51の開口の周縁513の形状に合致する形状に形成された枠状体からなり、このフィルタホルダ52にはフィルタ521が張設されている。本実施形態では、インク室部材本体51は平面視で四角形状をしており、その開口の周縁513も四角形状となっている。このため、フィルタホルダ52も、この開口の周縁513の四角形状に合致した四角形状の枠状体となっている。
フィルタ521は、通常、インク室511に貯留されたインクが保持基板3の貫通孔32に向けて流出する際に、インク中のゴミや気泡等の異物を取り除く。このフィルタ521は、フィルタホルダ52に接着剤を介さずに、溶着によって一体化されることが好ましい。接着剤を用いた接着では、接着剤が毛管現象によってフィルタ521内に浸透してフィルタ521の目を塞いでしまうおそれがあるためである。フィルタ521は例えばSUS等の金属メッシュからなる金属製フィルタであることが好ましく、合成樹脂製のフィルタホルダ52に対して溶着によって一体化されることが好ましい。
フィルタホルダ52は、フィルタ521が予め設置された状態で、ヘッド基板2の圧力室211へのインク流路となる保持基板3の貫通孔32をフィルタ521の部分で被覆するように該保持基板3上に接合されている。図1中の符号aは、フィルタボルダ52が接合される領域を示している。貫通孔32はこの領域a内に配置されている。そして、インク室部材本体51は、その開口の周縁513が枠状体からなるフィルタホルダ52上に載置されるようにして接着剤によって接合されている。
このようにインク室部材5を、内部にインク室511を有するインク室部材本体51と、フィルタ521を有するフィルタホルダ52とに分けたため、フィルタ521をインク室511内に配置させて固着作業を行う必要はなく、単なる薄板状の枠状体に対して固着、好ましくは溶着作業するだけでフィルタ521を極めて簡単に張設することができる。フィルタホルダ52は単なる薄板状の枠状体であるため、複雑な形状をしたインク室部材本体51と異なって上下両面が開放しており、フィルタ521の設置状態を保持基板3への接合前に容易に確認することができる。従って、完成後のインク室部材5に異物の捕捉漏れが生じるようなことはない。
これら保持基板3上に設けられる2つのインク室部材5は、一方をインク供給用、他方をインク排出用として機能させてもよいが、両インク室部材5をインク供給用として機能させてもよい。本実施形態では、各インク室部材5の容積は比較的小型となるものの、内部にインクが収容可能なインク室部材5は保持基板3上に2つ配置されるため、両インク室部材5、5によって多量のインクを貯留でき、貯留可能なインク量については、従来の1つだけのインク室部材と比べて何ら遜色はない。各インク室部材5は同一形状(同一容積)とするものに限らず、必要に応じて形状(容積)を異ならせるようにしてもよい。
筐体6は、保持基板3を含む該保持基板3上の部品であるFPC4、2つのインク室部材5を全て覆うことができる大きさを有し、下面が開口する箱型形状に形成されている。上面には、各インク室部材5の流路口512に対応する位置に、該流路口512の先端をそれぞれ貫通させるための貫通口61が形成されていると共に、これら2つの貫通口61の間に、保持基板3から折り曲げられて上方に向けて延びるFPC4を挿通させるための挿通口62が形成されている。
この筐体6は、保持基板3の周囲を取り囲むと共に、各貫通口61から流路口512を貫通突出させ、更にFPC4の他端側を挿通口62から上方に引き出すようにして該保持基板3に対して取り付けられ、内部に配置される各部品を保護する。FPC4もこの筐体6内に収容されるため、平面視で筐体6の外周囲には筐体6以外の部品が突出することはない。従って、インクジェットヘッド1の取付け位置精度は、この筐体6の外側面で規定することができるため、高精度な位置精度を確保できる。
本発明において、この筐体6内に収容される両インク室部材5のインク室部材本体51には、それぞれ内側に対面する外壁面51aに、互いに向けて突出するように設けられた例えば板状、又は、円柱や角柱等の柱状の突起部からなる部材であって、FPC4が保持基板3から完全に剥離して脱落してしまうことを防止するため脱落防止部材7が設けられている。図中の脱落防止部材7は板状のものを示している。
脱落防止部材7は、FPC4の一端の保持基板3との接合部における折り曲げ方向側の面4a(FPC4における保持基板3と接合される面の反対面)の上方に該FPC4の面4aと対向するように配置されている。具体的には、脱落防止部材7は、FPC4が保持基板3に対して接合されている領域上であって、FPC4が上方に向けて折り曲がって保持基板3上から離れ始める曲げ開始部F(図3参照)の近傍に差し掛かるように面4aに対向して配置されている。
FPC4は、保持基板3上でほぼ直角に折り曲げられているため、曲げ開始部Fには、復元力によって常に上方に向けて保持基板3から剥離しようとする力が作用する。FPC4が保持基板3から剥離する場合、この曲げ開始部Fの部位から一端側に向けて保持基板3から離れる方向に徐々に剥離し始め、保持基板3から浮き上がることで次第に剥離が進んでいき、最終的には保持基板3から完全に剥離して脱落してしまうことになる。脱落防止部材7は、FPC4が保持基板3から剥離し始める曲げ開始部Fの近傍において、その下端面7aがFPC4を保持基板3との間で挟むように配置されているため、保持基板3上から剥離し始めて該保持基板3から浮き上がろうとするFPC4を上方から押えることで、FPC4の剥離がそれ以上進行することを阻止することができる。その結果、FPC4が保持基板3上から脱落して接続性が解除されてしまうことを防止する。
脱落防止部材7はFPC4とは直に接しておらず、下端面7aが該FPC4の表面に対して空隙S(図2参照)を有している。この脱落防止部材7を有するインク室部材本体51は、FPC4を保持基板3上に接合した後に設置されるため、空隙Sを有することで、インク室部材本体51を保持基板3上(フィルタホルダ52上)に接合する際に、脱落防止部材7とFPC4とが干渉し合うことによるインク室部材本体51と保持基板3(フィルタホルダ52)との間の密着不良を防止することができる。
この空隙Sは、0.1〜2mmとすることが好ましく、1〜1.5mmとすることがより好ましい。
また、脱落防止部材7は、図2、図6に示すように、FPC4の幅方向(A方向)の両端部の端縁4bを跨ぐようにインク室部材本体51の外壁面51aから突出することで、FPC4に対して所定のオーバーラップLを有している。通常、FPC4の剥離は、幅方向の両端部の端縁4bが浮き上がることで生じるため、この端縁4bの上方をそれぞれ跨ぐように各脱落防止部材7を配置することで、小さな突出部形状の極く簡単な構造体でありながらも、FPC4の剥離の進行を阻止して脱落を確実に防止することができる。
このオーバーラップLは、1〜5mmとすることが好ましく、2〜3mmがより好ましい。
脱落防止部材7の下端面7aとFPC4との間の空隙Sは、空間部のままとすることもできるが、図3に示すように、この空隙Sに、例えばエポキシ系接着剤等からなる接着剤G1を流入して硬化させるようにしてもよい。接着剤G1を流入、硬化させることで、FPC4の剥離の進行をより確実に防止することができる。接着剤G1はインク室部材本体51を保持基板3上に設けた後に流入させるため、インク室部材本体51の接合状態に影響を及ぼすことはない。
FPC4が剥離し始める際、保持基板3に対して垂直方向に折り曲げられた他端側が保持基板3から離れる方向に移動するため、この他端側の移動を抑えることでも剥離の進行を抑制できる。このため、図3、図4に示すように、FPC4における保持基板3から上方に折り曲げられて立ち上がる他端側の折り曲げ方向側の面4aと反対側の面4c(FPC4における保持基板3と接合される側の面)に沿って延びるように配置されている筐体6の内壁面63と、この内壁面63に対向しているFPC4の部分とを、例えばエポキシ系接着剤等の接着剤G2によって接着することも好ましい。これによってFPC4の剥離の進行を抑制して脱落防止部材7による脱落防止を更に確実にすることができる。
以上説明した脱落防止部材7は、インク室部材本体51に設けるようにしたが、FPC4の剥離の進行を防止可能となるように配置されるものであれば、インク室部材本体51に設けるものに限らない。例えば図7に示す脱落防止部材8のように保持基板3の上面に一体に設けるようにしてもよい。
図7に示す脱落防止部材8は、曲げ開始部Fの近傍において、保持基板3におけるFPC4の幅方向(A方向)の外側にそれぞれ突設された突起部からなり、その先端8a側が、FPC4における保持基板3上に接合されている部位の各端縁4b上を跨いで互いに対向するようにそれぞれ内側に向けてL形に屈曲している。このため、脱落防止部材8は、図3、図6に示した脱落防止部材7と同様に、互いに対向する先端8a側の下端面8bが、FPC4が保持基板3に対して接合されている領域上であって、FPC4が上方に向けて折り曲がって保持基板3上から離れ始める曲げ開始部Fの近傍に差し掛かるように配置され、脱落防止部材7と同様の剥離防止効果を発揮することができる。
この脱落防止部材8も、FPC4に対して脱落防止部材7と同様の空隙S及びオーバーラップLを有することが好ましく、その空隙Sには図3と同様に接着剤G1が流入、硬化されるようにしてもよい。
1:インクジェットヘッド
2:ヘッド基板
21:ボディプレート
211:圧力室
211a:膨出部
212:共通流路
213:インク供給路
214:圧電素子(圧力発生手段)
215:振動板
216:貫通口
22:中間プレート
221:連通孔
23:ノズルプレート
230:ノズルの形成面(ノズル面)
231:ノズル
232:大径部
3:保持基板
31:開口部
32:貫通孔
33:凹部
4:FPC
4a:FPCの折り曲げ方向側の面
4b:端縁
4c:FPCの折り曲げ方向側の面と反対側の面
41:配線
42:ボンディングワイヤ
43:駆動IC
5:インク室部材
51:インク室部材本体
51a:外壁面
511:インク室
512:流路口
513:開口の周縁
52:フィルタホルダ
521:フィルタ
6:筐体
61:貫通口
62:挿通口
63;内壁面
7:脱落防止部材
7a:下端面
8:脱落防止部材
8a:先端
8b:下端面

Claims (6)

  1. インクを吐出させる複数のノズルと、前記ノズルにそれぞれ連通する複数の圧力室と、前記圧力室に対応してそれぞれ設けられた複数の圧力発生手段とを有するヘッド基板と、
    前記ヘッド基板における前記ノズルの形成面の反対面に接合されて該ヘッド基板を保持固定する保持基板と、
    一端が前記保持基板の前記ヘッド基板との接合面の反対面に接合され、前記圧力発生手段に対して給電を行うためのフレキシブルプリント配線板と、
    前記保持基板上でフレキシブルプリント配線板を収容する筐体と、を備えてなるインクジェットヘッドであって、
    前記フレキシブルプリント配線板は、他端側が前記保持基板との接合面に対して交差する方向に折り曲げられており、且つ、前記フレキシブルプリント配線板の一端の前記保持基板との接合部における折り曲げ方向側の面に、該フレキシブルプリント配線板の表面に対して空隙を介して対向し、該フレキシブルプリント配線板の前記保持基板からの剥離の進行を阻止して脱落を防止するための脱落防止部材が配置されていることを特徴とするインクジェットヘッド。
  2. 前記脱落防止部材と前記フレキシブルプリント配線板との間の前記空隙に接着剤が流入され、該接着剤が硬化していることを特徴とする請求項1記載のインクジェットヘッド。
  3. 前記脱落防止部材は、前記フレキシブルプリント配線板の一端の前記保持基板との接合部の幅方向の両端部に、各端縁を跨ぐようにそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載のインクジェットヘッド。
  4. 前記保持基板における前記フレキシブルプリント配線板との接合面において、該フレキシブルプリント配線板の幅方向の外側にそれぞれ接合され、前記保持基板を介して前記ヘッド基板の前記圧力室に対してインクを供給又は前記ヘッド基板からのインクを排出するためのインクを収容するインク室部材を備え、
    前記脱落防止部材は前記インク室部材に設けられ、該インク室部材から前記フレキシブルプリント配線板の各端縁を跨ぐようにそれぞれ突設していることを特徴とする請求項3記載のインクジェットヘッド。
  5. 前記脱落防止部材は、前記保持基板における前記フレキシブルプリント配線板の幅方向の外側にそれぞれ設けられ、該保持基板上から前記フレキシブルプリント配線板の各端縁を跨ぐようにそれぞれ突設していることを特徴とする請求項3記載のインクジェットヘッド。
  6. 前記筐体は、前記フレキシブル配線板における前記保持基板から折り曲げられて立ち上がる他端側の折り曲げ方向側の面と反対側の面に沿って延びる内壁面を有し、
    前記フレキシブルプリント配線板は、前記筐体の前記内壁面に接着されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のインクジェットヘッド。



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