JP5669085B2 - 新規メタロポリマー - Google Patents
新規メタロポリマー Download PDFInfo
- Publication number
- JP5669085B2 JP5669085B2 JP2010194560A JP2010194560A JP5669085B2 JP 5669085 B2 JP5669085 B2 JP 5669085B2 JP 2010194560 A JP2010194560 A JP 2010194560A JP 2010194560 A JP2010194560 A JP 2010194560A JP 5669085 B2 JP5669085 B2 JP 5669085B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- dihydroxynaphthalene
- metallopolymer
- added
- nil
- poly
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)
Description
(1) 分子をつなぐ配位結合としての役割
金属イオンとOやNなどのヘテロ原子は配位結合という一種の共有結合を形成する。複数の金属イオンに配位するように有機分子(配位子)を設計すれば、配位結合によって有機分子が重合したメタロポリマーをつくることができる。
(2) 機能を担う金属錯体しての役割
メタロポリマーは金属原子と有機分子が共有結合(配位結合を含む)することによって連結されており、その結合部位は金属錯体としての性質を有する。金属錯体の中には電子的、光学的、光化学的な機能を有するものが多く、金属の種類と有機分子の組み合わせによって、メタロポリマーの性質や機能を調整することができる。
(3) 高次構造を制御する配位結合としての役割
配位結合の特徴は金属イオンの種類に特有の方向性を有する点にある。この特徴により、金属イオンに配位する有機分子中のヘテロ原子が規則的に並び,有機分子のコンホメーションが制御される。例えば柔軟な構造をもつ有機分子でも、金属との配位によって平面に固定することができる。
また、π共役系分子を配位子とするメタロポリマーには、合成上の取り扱いや系統的な化学修飾が容易ではなく、溶解性も低いとあって、合成が煩雑という問題もある。
上記芳香族炭素環は、環員が、例えば5〜16員、好ましくは6〜10員であってもよく、環の数が、例えば1〜4個、好ましくは1個であってもよい。このような芳香族炭素環として、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、ピレン環などが挙げられ、配位子の溶解度の点からベンゼン環、ナフタレン環などが好ましい。
上記芳香族複素環は、例えば、窒素、酸素、及び硫黄から選択されるヘテロ原子を少なくとも1個含み、環員が、例えば5〜16員、好ましくは6〜10員であってもよく、環の数が、例えば、1〜2個、好ましくは1個であってもよい。このような芳香族複素環として、例えば、6員の単環、例えば、ピリジン環、又はキノリン環などが挙げられ、配位子の溶解度の点からピリジン環などが好ましい。
また、本発明の芳香環は、非置換であるか、又は炭素数1〜18のアルキル基、炭素数1〜18のアルコキシ基、炭素数1〜18のアシル基、炭素数1〜8のアミド基、若しくはカルバモイル基で置換されている。
また、本発明の各Rにおけるアルキル基でアルキル鎖の末端は、極性溶媒への親和性の点から−OH基で置換されているのが好ましい。
工程2では、工程1で合成した2,6-ジヒドロキシナフタレン-1,5-ジイミン化合物(II)を、例えばテトラヒドロフラン、クロロホルム、又はジメチルホルムアミドなどの有機溶媒、好ましくはクロロホルムに溶かし、そこに遷移金属化合物(MX2)、例えば遷移金属塩をメタノールなどのアルコールに溶解させた溶液を加え、好ましくは加熱下、より好ましくは還流下におくと、2,6-ジヒドロキシナフタレン-1,5-ジイミン化合物(II)の水素イオンと遷移金属イオンが交換されて高分子状の錯体が形成されて沈殿が生じる。ろ過により回収して本発明のメタロポリマー(I)を得る。
特に、工程2では、2,6-ジヒドロキシナフタレン-1,5-ジイミン化合物(II)を、クロロホルムに溶かし、そこに遷移金属化合物(MX2)をメタノールに溶解させた溶液を加え、加熱、とりわけ還流させると、より高い分子量で熱的安定性にも優れたメタロポリマー(I)が得られる点で、好ましい。
(性状)
本発明のメタロポリマーは、Rの種類、Mの種類に応じて、赤色〜黄褐色、ゲル状又は粉末状など様々な性状を示す。本発明のメタロポリマーは乾燥により固体粉末となり、薬匙の裏面等の固いものでガラス板上にこすりつけると、薄膜を形成することができる。
(光学的性質)
本発明のメタロポリマーは、乾燥した粉末状態では暗赤褐色〜黄褐色の固体であるが、厚さ数ミクロン程度の薄膜にすると光を透過する。透過光は赤褐色〜黄褐色で、Rの種類、Mの種類により異なる。
(熱応答性)
本発明のメタロポリマーは−180℃〜210℃の温度範囲において分解することなく、安定である。ガラス基板上に形成した本発明のメタロポリマーは、加熱又は冷却によって、色調が変化する。色調は、温度変化に応じて可逆又は不可逆に変化し、色調と温度の関係及び可逆性はRの種類によって異なる。
2,6-ジヒドロキシナフタレン-1,5-ジアルデヒド(216 mg)を20 mLのメタノールに懸濁させて、その懸濁液にオクチルアミン(258 mg)を加えた。24時間攪拌した後、懸濁液をろ過して2,6-ジヒドロキシナフタレン-1,5-ジオクチルイミンを回収した。2,6-ジヒドロキシナフタレン-1,5-ジオクチルイミン(44 mg)を10 mLのテトラヒドロフランに溶解し、そこに別途調製した酢酸ニッケル四水和物のメタノール溶液を、配位子と金属イオンのモル比が1対1になるように加えた。反応溶液中に生じた暗赤色ゲル状沈殿をろ過によって回収し、減圧下で乾燥してメタロポリマーpoly-NiL(Oc)を得た。
2,6-ジヒドロキシナフタレン-1,5-ジアルデヒド(216 mg)を20 mLのメタノールに懸濁させて、その懸濁液にメチルアミン(62 mg)を加えた。24時間攪拌した後、懸濁液をろ過して2,6-ジヒドロキシナフタレン-1,5-ジメチルイミンを回収した。2,6-ジヒドロキシナフタレン-1,5-ジメチルイミン(24 mg)を10 mLのテトラヒドロフランに溶解し、そこに別途調製した酢酸ニッケル四水和物のメタノール溶液を、配位子と金属イオンのモル比が1対1になるように加えた。反応溶液中に生じた黄褐色粉末状沈殿をろ過によって回収し、減圧下で乾燥してメタロポリマーpoly-NiL(Me)を得た。
2,6-ジヒドロキシナフタレン-1,5-ジアルデヒド(216 mg)を20 mLのメタノールに懸濁させて、その懸濁液にイソプロピルアミン(118 mg)を加えた。24時間攪拌した後、懸濁液をろ過して2,6-ジヒドロキシナフタレン-1,5-ジイソプロピルイミンを回収した。2,6-ジヒドロキシナフタレン-1,5-ジイソプロピルイミン(30 mg)を10 mLのテトラヒドロフランに溶解し、そこに別途調製した酢酸ニッケル四水和物のメタノール溶液を、配位子と金属イオンのモル比が1対1になるように加えた。反応溶液中に生じた黄褐色粉末状沈殿をろ過によって回収し、減圧下で乾燥してメタロポリマーpoly-NiL(i-Pr)を得た。
2,6-ジヒドロキシナフタレン-1,5-ジアルデヒド(216 mg)を20 mLのメタノールに懸濁させて、その懸濁液にtert-ブチルアミン(146 mg)を加えた。24時間攪拌した後、懸濁液をろ過して2,6-ジヒドロキシナフタレン-1,5-ジtert-ブチルイミンを回収した。2,6-ジヒドロキシナフタレン-1,5-ジtert-ブチルイミン(33 mg)を10 mLのテトラヒドロフランに溶解し、そこに別途調製した酢酸ニッケル四水和物のメタノール溶液を、配位子と金属イオンのモル比が1対1になるように加えた。反応溶液中に生じた黄褐色粉末状沈殿をろ過によって回収し、減圧下で乾燥してメタロポリマーpoly-NiL(tert-Bu)を得た。
2,6-ジヒドロキシナフタレン-1,5-ジアルデヒド(216 mg)を20 mLのメタノールに懸濁させて、その懸濁液にペンチルアミン(176 mg)を加えた。24時間攪拌した後、懸濁液をろ過して2,6-ジヒドロキシナフタレン-1,5-ジペンチルイミンを回収した。2,6-ジヒドロキシナフタレン-1,5-ジペンチルイミン(35 mg)を10 mLのテトラヒドロフランに溶解し、そこに別途調製した酢酸ニッケル四水和物のメタノール溶液を、配位子と金属イオンのモル比が1対1になるように加えた。反応溶液中に生じた暗赤色ゲル状沈殿をろ過によって回収し、減圧下で乾燥してメタロポリマーpoly-NiL(Pen)を得た。
2,6-ジヒドロキシナフタレン-1,5-ジアルデヒド(216 mg)を20 mLのメタノールに懸濁させて、その懸濁液にヘキシルアミン(202 mg)を加えた。24時間攪拌した後、懸濁液をろ過して2,6-ジヒドロキシナフタレン-1,5-ジヘキシルイミンを回収した。2,6-ジヒドロキシナフタレン-1,5-ジヘキシルイミン(38 mg)を10 mLのテトラヒドロフランに溶解し、そこに別途調製した酢酸ニッケル四水和物のメタノール溶液を、配位子と金属イオンのモル比が1対1になるように加えた。反応溶液中に生じた暗赤色ゲル状沈殿をろ過によって回収し、減圧下で乾燥してメタロポリマーpoly-NiL(Hex)を得た。
2,6-ジヒドロキシナフタレン-1,5-ジアルデヒド(216 mg)を20 mLのメタノールに懸濁させて、その懸濁液にセチルアミン(483 mg)を加えた。24時間攪拌した後、懸濁液をろ過して2,6-ジヒドロキシナフタレン-1,5-ジセチルイミンを回収した。2,6-ジヒドロキシナフタレン-1,5-ジセチルイミン(66 mg)を10 mLのクロロホルムに溶解し、そこに別途調製した酢酸ニッケル四水和物のメタノール溶液を、配位子と金属イオンのモル比が1対1になるように加えた。反応溶液中に生じた暗赤色ゲル状沈殿をろ過によって回収し、減圧下で乾燥してメタロポリマーpoly-NiL(Cet)を得た。
2,6-ジヒドロキシナフタレン-1,5-ジアルデヒド(216 mg)を20 mLのメタノールに懸濁させて、その懸濁液にベンジルアミン(214 mg)を加えた。24時間攪拌した後、懸濁液をろ過して2,6-ジヒドロキシナフタレン-1,5-ジベンジルイミンを回収した。2,6-ジヒドロキシナフタレン-1,5-ジベンジルイミン(39 mg)を10 mLのテトラヒドロフランに溶解し、そこに別途調製した酢酸ニッケル四水和物のメタノール溶液を、配位子と金属イオンのモル比が1対1になるように加えた。反応溶液中に生じた黄褐色ゲル状沈殿をろ過によって回収し、減圧下で乾燥してメタロポリマーpoly-NiL(Bn)を得た。
2,6-ジヒドロキシナフタレン-1,5-ジアルデヒド(216 mg)を20 mLのメタノールに懸濁させて、その懸濁液にR-1-フェネチルアミン(242 mg)を加えた。24時間攪拌した後、懸濁液をろ過して2,6-ジヒドロキシナフタレン-1,5-ジR-1-フェネチルイミンを回収した。2,6-ジヒドロキシナフタレン-1,5-ジR-1-フェネチルイミン(42 mg)を10 mLのテトラヒドロフランに溶解し、そこに別途調製した酢酸ニッケル四水和物のメタノール溶液を、配位子と金属イオンのモル比が1対1になるように加えた。反応溶液中に生じた黄褐色ゲル状沈殿をろ過によって回収し、減圧下で乾燥してメタロポリマーpoly-NiL(R-PhE)を得た。
2,6-ジヒドロキシナフタレン-1,5-ジアルデヒド(216 mg)を20 mLのメタノールに懸濁させて、その懸濁液にS-1-フェネチルアミン(42 mg)を加えた。24時間攪拌した後、懸濁液をろ過して2,6-ジヒドロキシナフタレン-1,5-ジS-1-フェネチルイミンを回収した。2,6-ジヒドロキシナフタレン-1,5-ジS-1-フェネチルイミン(42 mg)を10 mLのテトラヒドロフランに溶解し、そこに別途調製した酢酸ニッケル四水和物のメタノール溶液を、配位子と金属イオンのモル比が1対1になるように加えた。反応溶液中に生じた黄褐色ゲル状沈殿をろ過によって回収し、減圧下で乾燥してメタロポリマーpoly-NiL(S-PhE)を得た。
2,6-ジヒドロキシナフタレン-1,5-ジアルデヒド(216 mg)を20 mLのメタノールに懸濁させて、その懸濁液にピコリルアミン(216 mg)を加えた。24時間攪拌した後、懸濁液をろ過して2,6-ジヒドロキシナフタレン-1,5-ジピコリルイミンを回収した。2,6-ジヒドロキシナフタレン-1,5-ジピコリルイミン(40 mg)を10 mLのクロロホルムに溶解し、そこに別途調製した酢酸ニッケル四水和物のメタノール溶液を、配位子と金属イオンのモル比が1対1になるように加えた。反応溶液中に生じた黄褐色ゲル状沈殿をろ過によって回収し、減圧下で乾燥してメタロポリマーpoly-NiL(Pic)を得た。
2,6-ジヒドロキシナフタレン-1,5-ジアルデヒド(216 mg)を20 mLのメタノールに懸濁させて、その懸濁液にメチルアミンの50%水溶液(メチルアミン62 mg含有)を加えた。24時間攪拌した後、懸濁液をろ過して2,6-ジヒドロキシナフタレン-1,5-ジメチルイミンを回収した。2,6-ジヒドロキシナフタレン-1,5-ジメチルイミン(120 mg)を12.5 mLのテトラヒドロフランに溶解し、そこに別途調製した酢酸ニッケル四水和物のメタノール溶液1 mLを、配位子と金属イオンのモル比が1対1になるように加え、24時間還流した。反応溶液中に生じた黄褐色ゲル状沈殿をろ過によって回収し、減圧下で乾燥してメタロポリマーpoly-NiL(Me)を得た。
2,6-ジヒドロキシナフタレン-1,5-ジアルデヒド(216 mg)を20 mLのメタノールに懸濁させて、その懸濁液にヘキシルアミン(202 mg)を加えた。24時間攪拌した後、懸濁液をろ過して2,6-ジヒドロキシナフタレン-1,5-ジヘキシルイミンを回収した。2,6-ジヒドロキシナフタレン-1,5-ジヘキシルイミン(190 mg)を12.5 mLのクロロホルムに溶解し、そこに別途調製した酢酸ニッケル四水和物のメタノール溶液1 mLを、配位子と金属イオンのモル比が1対1になるように加え、24時間還流した。反応溶液中に生じた暗赤色ゲル状沈殿をろ過によって回収し、減圧下で乾燥してメタロポリマーpoly-NiL(Hx)を得た。
2,6-ジヒドロキシナフタレン-1,5-ジアルデヒド(216 mg)を20 mLのメタノールに懸濁させて、その懸濁液にへプチルアミン(230 mg)を加えた。24時間攪拌した後、懸濁液をろ過して2,6-ジヒドロキシナフタレン-1,5-ジへプチルイミンを回収した。2,6-ジヒドロキシナフタレン-1,5-ジへプチルイミン(205 mg)を12.5 mLのクロロホルムに溶解し、そこに別途調製した酢酸ニッケル四水和物のメタノール溶液1 mLを、配位子と金属イオンのモル比が1対1になるように加え、24時間還流した。反応溶液中に生じた暗赤色ゲル状沈殿をろ過によって回収し、減圧下で乾燥してメタロポリマーpoly-NiL(Hp)を得た。
2,6-ジヒドロキシナフタレン-1,5-ジアルデヒド(216 mg)を20 mLのメタノールに懸濁させて、その懸濁液にオクチルアミン(258 mg)を加えた。24時間攪拌した後、懸濁液をろ過して2,6-ジヒドロキシナフタレン-1,5-ジオクチルイミンを回収した。2,6-ジヒドロキシナフタレン-1,5-ジオクチルチルイミン(220 mg)を12.5 mLのクロロホルムに溶解し、そこに別途調製した酢酸ニッケル四水和物のメタノール溶液1 mLを、配位子と金属イオンのモル比が1対1になるように加え、24時間還流した。反応溶液中に生じた暗赤色ゲル状沈殿をろ過によって回収し、減圧下で乾燥してメタロポリマーpoly-NiL(Oc)を得た。
2,6-ジヒドロキシナフタレン-1,5-ジアルデヒド(216 mg)を20 mLのメタノールに懸濁させて、その懸濁液にノニルアミン(286 mg)を加えた。24時間攪拌した後、懸濁液をろ過して2,6-ジヒドロキシナフタレン-1,5-ジノニルイミンを回収した。2,6-ジヒドロキシナフタレン-1,5-ジノニルイミン(235 mg)を12.5 mLのクロロホルムに溶解し、そこに別途調製した酢酸ニッケル四水和物のメタノール溶液1 mLを、配位子と金属イオンのモル比が1対1になるように加え、24時間還流した。反応溶液中に生じた暗赤色ゲル状沈殿をろ過によって回収し、減圧下で乾燥してメタロポリマーpoly-NiL(No)を得た。
2,6-ジヒドロキシナフタレン-1,5-ジアルデヒド(216 mg)を20 mLのメタノールに懸濁させて、その懸濁液にデシルアミン(314 mg)を加えた。24時間攪拌した後、懸濁液をろ過して2,6-ジヒドロキシナフタレン-1,5-ジデシルイミンを回収した。2,6-ジヒドロキシナフタレン-1,5-ジデシルイミン(245 mg)を12.5 mLのクロロホルムに溶解し、そこに別途調製した酢酸ニッケル四水和物のメタノール溶液を、配位子と金属イオンのモル比が1対1になるように加え、24時間還流した。反応溶液中に生じた暗赤色ゲル状沈殿をろ過によって回収し、減圧下で乾燥してメタロポリマーpoly-NiL(Dec)を得た。
2,6-ジヒドロキシナフタレン-1,5-ジアルデヒド(216 mg)を20 mLのメタノールに懸濁させて、その懸濁液にドデシルアミン(370 mg)を加えた。24時間攪拌した後、懸濁液をろ過して2,6-ジヒドロキシナフタレン-1,5-ジドデシルイミンを回収した。2,6-ジヒドロキシナフタレン-1,5-ジドデシルイミン(275 mg)を12.5 mLのクロロホルムに溶解し、そこに別途調製した酢酸ニッケル四水和物のメタノール溶液1 mLを、配位子と金属イオンのモル比が1対1になるように加え、24時間還流した。反応溶液中に生じた暗赤色ゲル状沈殿をろ過によって回収し、減圧下で乾燥してメタロポリマーpoly-NiL(Dod)を得た。
2,6-ジヒドロキシナフタレン-1,5-ジアルデヒド(216 mg)を20 mLのメタノールに懸濁させて、その懸濁液にトリデシルアミン(398 mg)を加えた。24時間攪拌した後、懸濁液をろ過して2,6-ジヒドロキシナフタレン-1,5-ジトリデシルイミンを回収した。2,6-ジヒドロキシナフタレン-1,5-ジトリデシルイミン(290 mg)を12.5 mLのクロロホルムに溶解し、そこに別途調製した酢酸ニッケル四水和物のメタノール溶液1 mLを、配位子と金属イオンのモル比が1対1になるように加え、24時間還流した。反応溶液中に生じた暗赤色ゲル状沈殿をろ過によって回収し、減圧下で乾燥してメタロポリマーpoly-NiL(Trd)を得た。
2,6-ジヒドロキシナフタレン-1,5-ジアルデヒド(216 mg)を20 mLのメタノールに懸濁させて、その懸濁液にテトラデシルアミン(426 mg)を加えた。24時間攪拌した後、懸濁液をろ過して2,6-ジヒドロキシナフタレン-1,5-ジテトラデシルイミンを回収した。2,6-ジヒドロキシナフタレン-1,5-ジテトラデシルイミン(305 mg)を12.5 mLのクロロホルムに溶解し、そこに別途調製した酢酸ニッケル四水和物のメタノール溶液1 mLを、配位子と金属イオンのモル比が1対1になるように加え、24時間還流した。反応溶液中に生じた暗赤色ゲル状沈殿をろ過によって回収し、減圧下で乾燥してメタロポリマーpoly-NiL(Ttd)を得た。
2,6-ジヒドロキシナフタレン-1,5-ジアルデヒド(216 mg)を20 mLのメタノールに懸濁させて、その懸濁液にヘキサデシルアミン(482 mg)を加えた。24時間攪拌した後、懸濁液をろ過して2,6-ジヒドロキシナフタレン-1,5-ジヘキサデシルイミンを回収した。2,6-ジヒドロキシナフタレン-1,5-ジヘキサデシルイミン(330 mg)を12.5 mLのクロロホルムに溶解し、そこに別途調製した酢酸ニッケル四水和物のメタノール溶液1 mLを、配位子と金属イオンのモル比が1対1になるように加え、24時間還流した。反応溶液中に生じた暗赤色ゲル状沈殿をろ過によって回収し、減圧下で乾燥してメタロポリマーpoly-NiL(Hxd)を得た。
2,6-ジヒドロキシナフタレン-1,5-ジアルデヒド(216 mg)を20 mLのメタノールに懸濁させて、その懸濁液にオクタデシルアミン(538 mg)を加えた。24時間攪拌した後、懸濁液をろ過して2,6-ジヒドロキシナフタレン-1,5-ジオクタデシルイミンを回収した。2,6-ジヒドロキシナフタレン-1,5-ジオクタデシルイミン(360 mg)を12.5 mLのクロロホルムに溶解し、そこに別途調製した酢酸ニッケル四水和物のメタノール溶液1 mLを、配位子と金属イオンのモル比が1対1になるように加え、24時間還流した。反応溶液中に生じた暗赤色ゲル状沈殿をろ過によって回収し、減圧下で乾燥してメタロポリマーpoly-NiL(Ocd)を得た。
2,6-ジヒドロキシナフタレン-1,5-ジアルデヒド(430 mg)を100 mLのエタノールに懸濁させて、その懸濁液にω-アミノドデカン酸(860 mg)を加えた。24時間攪拌した後、懸濁液をろ過してエタノールとテトラヒドロフランでそれぞれ十分に洗浄し、2,6-ジヒドロキシナフタレン-1,5-ジウンデシルイミン-12,12’-ジカルボン酸(以下「H2L(UndCO2H)」ともいう)を回収した(黄色固体1.13g, 93%)。H2L(UndCO2H)(2.44 g)とトリエチルアミン(0.81 g)を90 mLのジメチルホルムアミドに溶解し、そこに別途調製した酢酸ニッケル四水和物のメタノール溶液10 mLを、配位子と金属イオンのモル比が1対1になるように加え、24時間還流した。反応溶液中に生じた黄褐色ゲル状沈殿をろ過によって回収し、減圧下25℃で24時間乾燥してメタロポリマーpoly-NiL(UndCO2H)を得た(2.19 g, 82%)。
実施例18で製造した2,6-ジヒドロキシナフタレン-1,5-ジドデシルイミン(2.18 g)と、H2L(UndCO2H)(0.024 g)とを、クロロホルム90 mlに懸濁させ、そこに別途調製した酢酸ニッケル四水和物のメタノール溶液10 mLを、配位子と金属イオンのモル比が1対1になるように加え、24時間還流した。反応溶液中に生じた赤褐色の沈殿をろ過し、メタノールおよびクロロホルムでそれぞれ十分に洗浄した。減圧下25℃で24時間乾燥して、メタロポリマーpoly-NiL(Dod)-co-1%-NiL(UndCO2H)(2.15 g, 88%)を得た。
実施例18で製造した2,6-ジヒドロキシナフタレン-1,5-ジドデシルイミン(2.09 g)と、H2L(UndCO2H)(0.12 g)とを、クロロホルム90 mlに懸濁させ、そこに別途調製した酢酸ニッケル四水和物のメタノール溶液10 mLを、配位子と金属イオンのモル比が1対1になるように加え、24時間還流した。反応溶液中に生じた赤褐色の沈殿をろ過し、メタノールおよびクロロホルムでそれぞれ十分に洗浄した。減圧下25℃で24時間乾燥して、メタロポリマーpoly-NiL(Dod)-co-5%-NiL(UndCO2H)体(2.29 g, 94%)を得た。
実施例1のメタロポリマーpoly-NiL(Oc)を薬匙に適量とり、スライドガラス上に散布した。薬匙の裏面でpoly-NiL(Oc)をガラス表面にこすりつけることにより、薄膜を作成した。薄膜を光学顕微鏡で観察し、薄膜の色調が暗赤色であることを目視で確認するとともに、透過光を光ファイバーで分光器に導入して分光吸収スペクトルを記録した。スペクトルを図1に示した。
実施例2のメタロポリマーpoly-NiL(Me)を薬匙に適量とり、スライドガラス上に散布した。薬匙の裏面でpoly-NiL(Me)をガラス表面にこすりつけることにより、薄膜を作成した。薄膜を光学顕微鏡で観察し、薄膜の色調が黄褐色であることを目視で確認するとともに、透過光を光ファイバーで分光器に導入して分光吸収スペクトルを記録した。スペクトルを図2に示した。
実施例4のメタロポリマーpoly-NiL(tert-Bu)を薬匙に適量とり、スライドガラス上に散布した。薬匙の裏面でpoly-NiL(tert-Bu)をガラス表面にこすりつけることにより、薄膜を作成した。薄膜を光学顕微鏡で観察し、薄膜の色調が黄褐色であることを目視で確認するとともに、透過光を光ファイバーで分光器に導入して分光吸収スペクトルを記録した。スペクトルを図3に示した。
実施例8のメタロポリマーpoly-NiL(Bn)を薬匙に適量とり、スライドガラス上に散布した。薬匙の裏面でpoly-NiL(Bn)をガラス表面にこすりつけることにより、薄膜を作成した。薄膜を光学顕微鏡で観察し、薄膜の色調が黄褐色であることを目視で確認するとともに、透過光を光ファイバーで分光器に導入して分光吸収スペクトルを記録した。スペクトルを図4に示した。
実施例1のメタロポリマーpoly-NiL(Oc)を薬匙に適量とり、15mmφのカバーガラス上に散布した。薬匙の裏面でpoly-NiL(Oc)をガラス表面にこすりつけることにより、薄膜を作成した。カバーガラスを温度可変ステージにセットして、25℃において薄膜を光学顕微鏡で観察し、薄膜の色調が暗赤色であることを目視で確認するとともに、透過光を光ファイバーで分光器に導入して分光吸収スペクトルを記録した。ステージを-180℃に冷却し、次いで+180℃に加熱した。各温度におけるスペクトルを図5に示した。-180℃のスペクトルにおいては、波長530 nmのピークが25℃のスペクトルに比べて著しく尖鋭化した一方、180℃に加熱してもこのピーク形状はほとんど変化しなかった。
実施例2のメタロポリマーpoly-NiL(Me)を薬匙に適量とり、15mmφのカバーガラス上に散布した。薬匙の裏面でpoly-NiL(Me)をガラス表面にこすりつけることにより、薄膜を作成した。カバーガラスを温度可変ステージにセットして、25℃において薄膜を光学顕微鏡で観察し、薄膜の色調が暗赤色であることを目視で確認するとともに、透過光を光ファイバーで分光器に導入して分光吸収スペクトルを記録した。ステージを-180℃に冷却し、次いで+180℃に加熱した。各温度におけるスペクトルを図6に示した。-180℃のスペクトルは25℃のものと比べて大きな差異はみられなかった。180℃に加熱したところ、波長480 nmと500nmのピーク強度が小さくなった。再度25℃に降温したところ、スペクトルの形状は温度変化前の25℃のものに復元した。
実施例8のメタロポリマーpoly-NiL(Bn)を薬匙に適量とり、15mmφのカバーガラス上に散布した。薬匙の裏面でpoly-NiL(Bn)をガラス表面にこすりつけることにより、薄膜を作成した。カバーガラスを温度可変ステージにセットして、25℃において薄膜を光学顕微鏡で観察し、薄膜の色調が黄褐色であることを目視で確認するとともに、透過光を光ファイバーで分光器に導入して分光吸収スペクトルを記録した。ステージを-180℃に冷却し、次いで+180℃に加熱した。各温度におけるスペクトルを図7に示した。-180℃のスペクトルは25℃のものと比べて大きな差異はみられなかった。180℃に加熱したところ、波長480 nmのピーク強度が小さくなり、500nmのピークが消失した一方、530nmに鋭いピークが現れた。再度25℃に降温したところ、スペクトルの形状は温度変化前の25℃のものには復元せず、480nmと530nmにピークをもつスペクトルとなった。
Claims (6)
- Rが、オクチル、メチル、又はベンジルである、請求項1記載のメタロポリマー。
- 二価の遷移金属イオンが、周期表第4周期の遷移金属から選択されるものである、請求項1又は2記載のメタロポリマー。
- 二価の遷移金属イオンが、亜鉛(II)、銅(II)、ニッケル(II)、コバルト(II)、マンガン(II)、又は鉄(II)である、請求項3記載のメタロポリマー。
- 請求項1〜4のいずれか1項記載のメタロポリマーを含有する、有機機能性色素材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010194560A JP5669085B2 (ja) | 2009-09-03 | 2010-08-31 | 新規メタロポリマー |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009204075 | 2009-09-03 | ||
JP2009204075 | 2009-09-03 | ||
JP2010194560A JP5669085B2 (ja) | 2009-09-03 | 2010-08-31 | 新規メタロポリマー |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2011074369A JP2011074369A (ja) | 2011-04-14 |
JP5669085B2 true JP5669085B2 (ja) | 2015-02-12 |
Family
ID=44018676
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010194560A Expired - Fee Related JP5669085B2 (ja) | 2009-09-03 | 2010-08-31 | 新規メタロポリマー |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5669085B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5550493B2 (ja) * | 2009-09-03 | 2014-07-16 | 国立大学法人 東京大学 | 蓄熱材及びそれを利用した熱利用システム |
CN103145696B (zh) * | 2013-03-06 | 2014-06-25 | 山东师范大学 | 有机配体和基于Cu(II)离子的金属有机框架、其合成方法和应用 |
WO2017104402A1 (ja) * | 2015-12-16 | 2017-06-22 | コニカミノルタ株式会社 | ホログラム記録材料、体積ホログラム媒体及び体積ホログラム媒体の製造方法 |
-
2010
- 2010-08-31 JP JP2010194560A patent/JP5669085B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2011074369A (ja) | 2011-04-14 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Byrne et al. | The btp [2, 6-bis (1, 2, 3-triazol-4-yl) pyridine] binding motif: a new versatile terdentate ligand for supramolecular and coordination chemistry | |
Cheng et al. | Synthesis and photophysical properties of colorful salen-type Schiff bases | |
More et al. | Syntheses, structural characterization, luminescence and optical studies of Ni (II) and Zn (II) complexes containing salophen ligand | |
Carbonell et al. | Silsesquioxane–terpyridine nano building blocks for the design of three-dimensional polymeric networks | |
Hazra et al. | Fluorescent copper (II) complexes: the electron transfer mechanism, interaction with bovine serum albumin (BSA) and antibacterial activity | |
McDonagh et al. | Organometallic complexes for nonlinear optics: Part 20. Syntheses and molecular quadratic hyperpolarizabilities of alkynyl complexes derived from (E)-4, 4′-HC CC6H4N NC6H4NO2 | |
Yan et al. | Mechanochromic luminescence based on a phthalonitrile-bridging salophen zinc (II) complex | |
Lee et al. | Synthesis, structure and luminescence properties of Cu (II), Zn (II) and Cd (II) complexes with 4′-terphenylterpyridine | |
Li et al. | Substituent effects on metallo-supramolecular coordination polymers | |
Salih et al. | New tetradentate Schiff base Cu (II) complexes: synthesis, physicochemical, chromotropism, fluorescence, thermal, and selective catalytic oxidation | |
Warad et al. | Synthesis and physicochemical, DFT, thermal and DNA-binding analysis of a new pentadentate N 3 S 2 Schiff base ligand and its [CuN 3 S 2] 2+ Complexes | |
JP2011162445A (ja) | アゾ−ホウ素錯体化合物およびその製造方法 | |
JP5669085B2 (ja) | 新規メタロポリマー | |
Bıyıklıoğlu et al. | Metal-free and metallophthalocyanines appending with eight 12-crown-4 ethers | |
Karaoğlan | Synthesis of new Schiff base and its Ni (II), Cu (II), Zn (II) and Co (II) complexes; photophysical, fluorescence quenching and thermal studies | |
Ouennoughi et al. | A novel ferrocenic copper (II) complex Salen-like, derived from 5-chloromethyl-2-hydroxyacetophenone and N-ferrocenmethylaniline: Design, spectral approach and solvent effect towards electrochemical behavior of Fc+/Fc redox couple | |
Shellaiah et al. | Synthesis of novel platinum complex core as a selective Ag+ sensor and its H-bonded tetrads self-assembled with triarylamine dendrimers for electron/energy transfers | |
Mutlu et al. | The new zinc (II) phthalocyanine directly conjugated with 4-butylmorpholine units: Synthesis, characterization, thermal, spectroscopic and photophysical properties | |
Cuerva et al. | Reversible acidochromism and thermo-responsive luminescence properties of a novel Zn (II)/Eu (III) coordination polymer | |
Sengar et al. | Luminescence and anion recognition performance of mononuclear Eu (III) complexes with N-and O-donor pyridine derivatives | |
Kriza et al. | Synthesis, spectral and thermal studies of new copper (II) complexes with 1, 2-di (imino-2-aminomethylpyridil) ethane | |
Al Sabea et al. | Efficient luminescence control in dithienylethene functionalized cyclen macrocyclic lanthanide complexes | |
Janini et al. | Rapid assembly of rigid rods by metal complexation of bis (terpyridyl) ligands | |
Özer et al. | Fluorescent vic-dioxime-type ligand and its mono-and dinuclear complexes: The preparation, spectroscopy, and electrochemistry of its various complexes | |
Abdulridha et al. | Synthesis, Spectral Identification, Thermal and Antioxidant Studies for Ni (II), Pd (II), Pt (IV) and Au (III) Complexes with New Azo Ligand Derivatives from Tryptamine |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20130703 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20140120 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20140204 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20140902 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20141125 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20141209 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5669085 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |