JP5667736B2 - 微細中空状炭素繊維の集合体 - Google Patents

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Description

本発明は、配向性を有する微細中空状炭素繊維が集合した束が、絡み合って凝集したことを特徴とする、微細中空状炭素繊維の集合体に関する。
一般にカーボンナノファイバー又はカーボンナノチューブと称される、直径が1μm以下の微細炭素繊維(以下、適宜「炭素繊維」と言う。)は、例えば樹脂へ混合され導電性や強度等の特性を付与するフィラーとして、種々の検討がなされている。そして、この様な炭素繊維は、従来、主にアーク放電法、レーザー蒸発法、触媒を用いた化学気相成長法(Chemical Vapor Deposition:CVD法)などで製造されていた。
このうち、アーク放電法やレーザー蒸発法では、真空装置や高電圧大電流電源等を要し、高価であるうえに、且つ取り扱いも注意を要する大型装置を必要とし、加えて炭素繊維の生成量も少ないという課題があった。更に、これらの方法によって得られる炭素繊維は、比較的高結晶性の炭素繊維が得られやすいとされているが、実際の回収物中には繊維形状とは異なる黒鉛、アモルファスカーボン、フラーレン類等といった不純物を多く含むという課題もあった(非特許文献1)。
この様な課題に対し、例えば炭化水素や一酸化炭素等の原料ガスを、触媒金属上で熱分解して炭素繊維を得る方法(気相成長法)では、アーク放電法やレーザー蒸発法に比べて効率的に不純物の少ない炭素繊維を得られるという利点がある。また、気体状態の原料を利用することによって連続反応が可能であり、原料ガスとして炭化水素や一酸化炭素等の安価なガスが利用できるので、炭素繊維の量産化に適した技術といえる。
気相成長法で使用される触媒(気相成長法炭素繊維製造用触媒)は、例えば、シリカ、アルミナ、マグネシア、ゼオライト等の担体に、鉄、コバルト、ニッケル等の遷移金属の微粒子を担持させたものが提案されている。これらの触媒は、一般的に触媒金属が酸化物として存在しているため、水素、アンモニア等によって還元雰囲気下にて酸化物を還元、活性化した後に炭素繊維の製造(以下、適宜「炭素繊維析出反応」と言う。)に利用される。
このようにして製造される微粒子状の触媒を用いて炭素繊維を気相成長させた場合、炭素繊維は曲がりくねって互いに絡み合った状態で成長する。炭素繊維を樹脂中に分散させることにより絶縁性の樹脂に導電性を付与させることができることが一般に知られているが、このようにして得られる炭素繊維の絡まり凝集体は樹脂中での分散が悪く、この結果、所望の導電性を得るためには多量の炭素繊維を混入させる必要が生じていた。また、分散性の悪い多量の炭素繊維の絡まり凝集体を樹脂に混入させると、樹脂の強度劣化を引き起こす課題を有していた。
また、このように強固に凝集した炭素繊維の分散性を改良するために、粉砕等の後処理によって微細化を行う方法が提案されている(特許文献1)。しかしながら、粉砕処理はコスト増加及び炭素繊維の切断等を招く可能性がある。
これに対して、炭素繊維が1本1本独立しているか、或いは複数本が寄り集まって束状に集合したものであれば、樹脂への分散性が良く、少ない分散量で導電性に優れた樹脂成形体を供給することができると紹介されている(特許文献2)。
一方で、気相成長法により束状に集合した炭素繊維を製造する従来の方法としては、基盤法による方法がある。即ち、基盤の表面に触媒をスパッタ等で添着し、この基盤面から炭素繊維を直線状に成長させる方法である。このような基盤法により、長さが2.5mmで1ないし2層の炭素繊維のチューブ壁を形成した、カーボンナノチューブを製造した実施例が開示されている(非特許文献2)。同様にシリコンもしくは石英基盤に触媒成分をパターン化添着して行う実施例も開示されている(特許文献3)。
特許第2863192号公報 特開2004−230690号公報 特表2002−530805号公報 Nature 第354巻 November 7(1991) Science 第306巻 November 19(2004)
炭素繊維が配向性を有し、束状に集合したものを製造する技術としては、特許文献3及び非特許文献2に記載された基盤法は優れた技術であるが、この方法は、成長点となる触媒の面積が絶対的に少なく、そこを基盤として成長する炭素繊維も数が少ないことから量産には不向きである。
微粒子状の触媒を用いる気相成長法であれば、炭素繊維の生産効率に優れるが、微粒子状の触媒では、炭素繊維に配向性を持ちながら成長させることは困難である。また、前述のように、通常は曲がりくねって絡み合った炭素繊維の凝集体となるため、束状に集合した炭素繊維の凝集体にはなり得ない。
即ち、従来、線径及び長さの整った配向性を有した多層構造の炭素繊維が束状に集合した炭素繊維の集合体を、微粒子状の粉体触媒を用いて効率良く製造する技術は知られていない。
本発明は、前記の実状に鑑みてなされたものであって、樹脂への分散を容易にするとともに、前記樹脂における導電性が従来炭素繊維と比較して向上する炭素繊維の集合体を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、配向性を有する微細中空状炭素繊維が集合した束が、絡み合って凝集した集合体を用いることで、樹脂への分散が容易であり、また、集合体を含有する樹脂の導電性が従来炭素繊維と比較して向上する炭素繊維の集合体を提供することができることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明の要旨は、微細中空状炭素繊維が配向して集合した束が、絡み合って凝集した微細中空状炭素繊維の集合体であって、該微細中空状炭素繊維が多層構造を有し、走査型電子顕微鏡により測定された該微細中空状炭素繊維の長さが、該微細中空状炭素繊維の外径に対して、1000倍以上、106倍以下であり、走査型電子顕微鏡により観察された写真において、同一の束ではない任意の100本の該束のうち、50%以上の該束に含まれる該微細中空状炭素繊維の本数が10本以上10本以下であり、透過型電子顕微鏡により観察される、該炭素繊維の外径の平均値が3nm以上35nm以下であることを特徴とする、微細中空状炭素繊維の集合体に存する(請求項1)。
この時、走査型電子顕微鏡により観察した3万倍画像を、512×512画素で切り出した像を高速フーリエ変換(FFT)処理して、処理画像の各配向角度を切り分けるのに360°全方位を12分割する手法で配向性を定義し、異方性の最も高い角度のFFT強度を全方位のFFT強度の積分値で除した値のうち、画像の波長0.05μmにおける強度比が0.2以上0.5以下であることが好ましい(請求項2)。
さらに、波長が0.05μmの3万倍画像における強度比を、波長が5μmの300倍画像における強度比で除した値が1.5以上であることが好ましい(請求項3)。
また、前記集合体は気相成長法によって製造されることが好ましい(請求項)。
本発明によれば、樹脂への分散が容易であり、また、集合体を含有する樹脂の導電性が従来炭素繊維と比較して向上する炭素繊維の集合体を提供することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施形態の一例であり、本発明はその要旨を逸脱しない範囲において、任意に変更して実施することができる。
[1.本発明の集合体]
本発明に係る微細中空状炭素繊維の集合体(以下、適宜「本発明の集合体」と言う。)は、配向性を有する微細中空状炭素繊維(以下、適宜「本発明の炭素繊維」と言う。)が集合した束(以下、適宜「本発明の束」と言う。)が、絡み合って凝集したものである。
ここで、図1を用いて、本発明の集合体と従来の炭素繊維の凝集体との相違の概要を説明する。図1(a)は本発明の集合体の一例における触媒近傍の様子を拡大して模式的に示す図であり、図1(b)は従来の炭素繊維の凝集体の一例における触媒近傍の様子を拡大して模式的に示す図である。図1(a)に示すように、本発明の集合体では、本発明の触媒の平面に存在する金属を核として炭素繊維が配向性を有しながら成長し、成長しながらこの炭素繊維が束を構成する。そして、この束が集合することで、本発明の集合体を形成する。一方、従来の炭素繊維の凝集体では、図1(b)に示すように、触媒が平面を有さないので、炭素繊維は配向性を有さずに成長し、その結果、炭素繊維は束を形成することなく本図のように絡み合って団子状に凝集する。
[1−1.本発明の炭素繊維]
[1−1−1.炭素繊維の構造]
本発明の炭素繊維は、炭素から構成された繊維である。また、本発明の炭素繊維の内部には、通常、連続的に中空部が形成されている。このため、本発明の炭素繊維は通常はチューブ状の形状を有しており、いわゆる「カーボンナノチューブ」と呼ばれるものと同様の構成を有する。
ただし、本発明の炭素繊維の内部に形成される中空部は必ずしも連続的ではなく、1又は2以上の壁部により隔てられた2以上の室となっている場合もある。さらに、部分的には、中空部が形成されていないものもありえる。
[1−1−2.外径]
透過型電子顕微鏡(以下、適宜「TEM」と言う。)により観察された写真に基づき、任意の100本の炭素繊維の外径を測定し、その平均値を本発明の炭素繊維の外径とする。この方法に従って測定した本発明の炭素繊維の外径は、通常3nm以上、中でも5nm以上、特に8nm以上であることが好ましい。また、その上限は、通常35nm以下、中でも25nm以下、特に20nm以下であることが好ましい。
また、測定した100本の炭素繊維のうち、好ましくは50本以上、より好ましくは70本以上、特に好ましくは80本以上が、好ましくは3nm以上、より好ましくは5nm以上、特に好ましくは8nm以上であり、また、その上限は、好ましくは35nm以下、より好ましくは25nm以下、特に好ましくは20nm以下である。
さらに、これらのなかでも、測定した100本の炭素繊維のうち、50本以上が8nm以上20nm以下であることが好ましく、70本以上が5nm以上25nm以下であることがより好ましく、80本以上が3nm以上35nm以下であることが特に好ましい。
外径が短すぎると、本発明の集合体を樹脂に配合した際に、樹脂中に分散する能力が低く、従って、導電性が劣る可能性がある。また、外径が長すぎると、1本当たりの重量が重くなり、重量あたりの炭素繊維の物質量が減少するので、樹脂に含有させた際の高導電性を発現させるために、多量の集合体を含有させる必要がある可能性がある。なお、TEM写真撮影は、例えば、透過型電子顕微鏡JEM−1230(日本電子株式会社製)を用いて行うことができる。測定時の印加電圧は、例えば120kVである。
[1−1−3.内径]
TEMにより観察された写真に基づき、任意の100本の炭素繊維の内径を測定し、その平均値を本発明の炭素繊維の内径とする。この方法に従い測定した本発明の炭素繊維の内径は、通常2nm以上、特に3nm以上であることが好ましい。また、その上限は、通常30nm以下、中でも25nm以下、特に20nm以下であることが好ましい。内径が短すぎると、繊維が折れ曲がり構造になり配向性を得られない可能性がある。また、内径が長すぎると、微細な繊維そのものが太くなりすぎ所望の用途による性能を発揮しづらくなる可能性がある。なお、TEM写真撮影は、例えば、透過型電子顕微鏡JEM−1230(日本電子株式会社製)を用いて行うことができる。測定時の印加電圧は、例えば120kVである。
[1−1−4.層数]
TEMにより観察された写真に基づき、任意の100本の炭素繊維の層数を測定し、その平均値を本発明の炭素繊維の層数とする。この方法に従い測定した本発明の炭素繊維は、多層構造を有することが好ましい。また、その形状は同心円状であることが好ましい。具体的には、好ましくは3層以上、より好ましくは4層以上、特に好ましくは5層以上である。また、その上限は、好ましくは30層以下、より好ましくは25層以下、特に好ましくは20層以下である。炭素繊維が3層未満である場合、多層構造繊維にならず樹脂分散性に劣る可能性があり、層数が多すぎる場合、繊維の径が太くなりすぎまた繊維そのものの柔軟性を失い所望の性能を発揮し得ない可能性がある。なお、TEM写真撮影は、例えば、透過型電子顕微鏡HR−TEM/H9000UHR(日本電子株式会社製)を用いて行うことができる。
[1−1−5.長さと外径の比]
走査型電子顕微鏡(以下、適宜「SEM」と言う。)により測定された本発明の炭素繊維の長さは、当該炭素繊維の外径に対して、通常10倍以上、好ましくは100倍以上、より好ましくは1000倍以上である。また、その上限は、通常106倍以下である。長さが短すぎると、導電ネットワークを構成するのに不適切である可能性があり、長すぎると、繊維の絡まりが発生しやすく逆に分散低下を引き起こし導電ネットワークを構成しづらくなる可能性がある。
[1−2.本発明の束]
[1−2−1.概要]
本発明の束は、配向性を有する微細中空状炭素繊維が寄り集まって集合した束である。即ち、ある一定の方向に沿って炭素繊維が並び、並んだ炭素繊維が一体となって束を形成している。この束は、繊維が寄り集まって糸を形成するようにして構成されたものであり、容易に炭素繊維それぞれへと解けることはない。したがって、炭素繊維一本一本を制御しなくとも、この束自体を制御すれば、本発明の集合体の物性等を容易に制御することが可能である。
[1−2−2.含まれる炭素繊維の数]
SEMにより観察された写真において、同一の束ではない任意の100本の束を選んで束の外径を測定し、その値から本数を算出した時に、本発明の束の通常50%以上、好ましくは80%以上の束に含まれる炭素繊維の本数が、通常10本以上、好ましくは30本以上、より好ましくは50本以上である。また、通常106本以下、好ましくは105本以下、より好ましくは104本以下である。本数が少なすぎると、本発明の目的にそぐわない可能性があり、本数が多すぎると、粉体状の触媒を用いて製造することが困難であり、また束の径が長くなるため分散性が低下する可能性がある。
[1−2−3.嵩密度]
本発明の束の嵩密度は、本発明の集合体が得られる限り任意である。ただし、束の嵩密度の好ましい範囲として、通常0.0001g/cm3以上、好ましくは0.005g/cm3以上、より好ましくは0.01g/cm3以上である。また、通常1g/cm3以下、好ましくは0.8g/cm3以下、より好ましくは0.5g/cm3以下である。嵩密度が小さすぎる場合、取り扱いが難しく樹脂に対してうまく練りこめない可能性があり、大きすぎる場合、強固に凝集しているため樹脂での分散が困難となる可能性がある。
ここで、嵩密度の測定は、任意の方法によって行うことができる。例えば、一定容量の容器内に試料をゆっくりと流し込んだ後にヘラで水平に均して、その重量を測定する操作を2回繰り返し、その測定結果を基に嵩密度を算出できる。より具体的な測定方法としては、JIS K6219を用いた。
[1−2−4.BET比表面積]
本発明の束のBET比表面積は、本発明の集合体が得られる限り任意である。ただし、好ましい範囲としては、通常100m2/g以上、好ましくは200m2/g以上である。また、その上限は、通常400m2/g以下、好ましくは350m2/g以下である。比表面積が小さすぎる場合、炭素繊維径が太くかつ短くなり、本発明の特徴である集合体を得られない可能性がある。また、大きすぎる場合、樹脂中での分散が困難となる可能性がある。
[1−2−5.細孔容量]
本発明の束の細孔容量は、本発明の集合体が得られる限り任意である。ただし、水銀圧入法により測定される値の好ましい範囲としては、通常10mL/g以上、通常22mL/g以下である。比表面積が小さすぎる場合、樹脂含浸性に劣る可能性があり、大きすぎる場合、嵩密度が小さくなり、輸送面において取り扱いが困難になる可能性がある。なお、水銀圧入法による細孔分布測定は、例えばオートポアIII9420型(Micromeritics社製)を用いて行うことができる。
[1−2−6.本発明の炭素繊維の配向性]
集合体中の炭素繊維の配向性を表す指標として、SEMにより観察した3万倍画像を、512×512画素で切り出した像を高速フーリエ変換(FFT)処理して、異方性の最も高い角度のFFT強度を、全方位のFFT強度の積分値で除した値、即ち強度比を用いることができる。具体的には、フーリエ変換後、座標原点より32画素の強度の角度分布を求める。この際、ノイズ軽減のため、前後2画素の値を使用し、合計5画素の平均値を強度比とすることが好ましい。処理画像は512×512画素なので、処理画像の一辺の長さをL(μm)とすると、1画素はL/32(μm)に対応する。なお、角度は楕円長軸方向を0°とし、各配向角度を切り分けるのに360°全方位を12分割する手法で配向性を定義することが好ましい。
配向が強いほど強度比は1に近づき、等方的になるほど数値は小さくなる。そして、完全なる等方性を示す場合には、強度比は0.083(1/12≒0.083)になる。本発明の集合体を撮影したSEM画像の波長0.05μmの3万倍画像における強度比は、通常0.2以上、好ましくは0.26以上、より好ましくは0.3以上、また、通常0.5以下、好ましくは0.4以下、より好ましくは0.34以下である。
また、波長が0.05μmの3万倍画像における強度比を、波長が5μmの300倍画像における強度比で除した値が通常1.5以上、中でも2以上、特に2.5以上であることが好ましい。また、その上限としては、通常5以下、中でも4.5以下、特に4以下であることが好ましい。この値が小さすぎると一定の配向性を得られず束を形成できない可能性があり、大きすぎると配向性が高すぎて束の集合体を形成しづらくなる可能性がある。
[1−3.本発明の集合体]
[1−3−1概要]
本発明の集合体は一定の配向性を持った直線状の繊維同士が複数集まって束を形成し、その束が絡み合って凝集した微細中空状炭素繊維の集合体である。この集合体は定まった形状を有するものでなく、絡み合い略球形をしているものから緩やかな曲線を保ちながら集まったものまでさまざまな形状を有する。
[1−3−2.本発明の集合体の利点]
本発明の集合体は従来の炭素繊維と異なり、炭素繊維一本一本が絡まりあったものではなく、束が絡まりあったものである。このため、従来の集合体と比較して、集合体から束が解けやすく、さらに、束から炭素繊維が分散しやすい。したがって、本発明の集合体を何らかの媒体に分散させる場合、当該媒体に対して炭素繊維を容易に且つ高分散に分散させることができる。
[1−3−3.用途]
本発明の集合体は、上記の分散性が高い点を利用して、例えば、導電性樹脂の製造に好適に用いることができる。具体的には、炭素繊維自体は導電性を有するため、本発明の集合体を樹脂に分散させるようにすれば、従来よりも少量の炭素繊維によって樹脂に導電性を付与することができる。
また、本発明の炭素繊維は電磁波遮蔽剤、帯電防止用電子部材、静電塗装用樹脂成形体、導電性透明樹脂組成物等への応用が可能である。また、本発明の炭素繊維は成形体以外にもシート、テープ、透明フィルム、インキ、導電塗料等の樹脂組成物へ適用することができる。
[2.本発明の集合体の製造方法]
本発明の集合体は、本発明の効果を著しく損なわない限り、任意の触媒、方法、工程、原料等によって、製造することが出来る。ただし、中でも、本発明の集合体は気相成長法により製造されることが好ましい。以下、本発明の集合体の製造方法を、一例を挙げて説明するが、以下に記載する内容はあくまでも具体例であり、以下の内容に限定されるものではない。
[2−1.気相成長炭素繊維製造用触媒]
[2−1−1.概要]
本発明の集合体を製造する際に好適に用いられる触媒(以下、適宜「本発明の触媒」と言う。)は、本発明の炭素繊維を製造する際の触媒であって、表面に平面を有する金属含有材料から成る粉体である。
ただし、ここで言う「平面」とは、数学における厳密な平面のことではなく、巨視的な視点で見た時の、表面が平らな状態を有する面のことを表す。その平面の平坦さの程度は、本発明の集合体が得られる程度であれば任意であるが、好ましくはその平面面積、平面誤差、等面積半径と近似球半径との比が以下に詳述する数値範囲にある「平面」のことを表す。
[2−1−2.物性]
[2−1−2−1.組成]
本発明の触媒は、金属含有材料から成ることが好ましい。この際、金属含有材料が含有する金属の例を挙げると、Co、Ni、FeからなるA群のいずれか1種類以上とAl、MgからなるB群のいずれか1種類以上との組み合わせからなるもの等が挙げられる。中でもCoとAlとの組み合わせが好ましい。その理由は幅広い配合比率において束及び/又は集合体を製造するに適した触媒構造を形成することが可能であるためである。
また、金属含有材料は、金属の単体であっても良く、金属化合物であっても良い。金属化合物としては、例えば、金属酸化物、金属窒化物、金属硫化物、金属ハロゲン化物、金属塩等が挙げられる。中でも、金属化合物は、金属酸化物であることが好ましい。なお、本発明の触媒は、前記金属含有材料を1種のみ含んでいても良く、2種以上を任意の比率及び組み合わせで含んでいても良い。さらに、本発明の触媒は、これらの金属含有材料以外にも、本発明の触媒の性能を損なわない限り、その他の物質を任意に含んでいても良い。
[2−1−2−2.平面面積、平面誤差及び等面積半径と近似球半径との比]
本発明の触媒は非常に粒子が小さく、その平面性を評価することが難しい。そこで、本発明者らは、製造される本発明の炭素繊維の物性を制御しうる程度の触媒表面の平面性を検討したところ、以下に記載する方法を用いることで、所望の炭素繊維を得ることが出来る触媒表面の平面性を適切に評価できるとの知見を得た。従って、本発明の触媒は、以下に記載する方法で評価した平面性を有することが好ましく、具体的には、その平面における平面面積、平面誤差、等面積半径(r)と近似球半径(R)との比(R/r;以下、適宜「R/r」と言う。)が、後述する範囲に収まることが好ましい。その測定方法が本発明の触媒に特有のものであるため、ここではまず、その測定方法を説明する。
[2−1−2−2−1.平面面積及び平面誤差の測定方法]
先ず、触媒を一方向からレーザー顕微鏡で観察し、見えている触媒の平面面積(片側平面面積)を測定する。レンズの倍率は150倍が好ましい。この時、最低20個の触媒について測定する。測定した平面面積に基づき、1μm2以上1000μm2以下の範囲にある触媒の平面面積を合算し、測定した全触媒の平面面積の合計に対する割合を算出する。
一方、レーザー顕微鏡において、見えている平面面積(片側平面面積)が5μm2以上1000μm2以下の範囲にある触媒について高さ(レーザー顕微鏡によって測定される触媒の高さデータ)を測定し、平面面積及び平面誤差を算出する。
なお、レーザー顕微鏡はキーエンス社製VK−9500を用いることができる。この顕微鏡で対物150倍において観測された視野内をレーザーによってスキャンし、1024×768ピクセル(視野全体の総画素数)に分割スキャンし、デジタルデータとして保存する。この条件下では触媒における画素は0.093μm/ピクセルとなる。
触媒表面に存在する平面誤差は、レーザー顕微鏡により観察された画像から得られた同一粒子高さデータに最小二乗法による平面近似を行い、平面方程式を解くことで算出される。平面面積は、レーザー顕微鏡により得られた平面触媒の画像データの画素区画を合計して見かけ平面面積を算出し、さらに、触媒角度(対象触媒サンプルが必ずしも水平におくことができないために生じる傾き)から触媒を水平に置きなおすように計算して平面面積を算出する。平面方程式とは、測定データから得られた触媒の総画素数(測定箇所数)ごとの実際高さデータに最小二乗法による平面近似を行い、3次元画像のラベリング処理を行うものである。
また、平面における平面誤差とは、近似平面を基準にしたときの実表面積の湾曲度合い又は凹凸度合いを標準偏差で表したものである。即ち、平面近似式から平面の角度を求めて平面面積を積算し、実際高さと近似平面高さとの差の2乗の総和を測定箇所数(画像処理によって得られる総画素数)で除したものが分散であり、分散の平方根が標準偏差である。ここでいう分散及び標準偏差は、一般的に統計学で用いられる用語と同義である。なお近似平面は、画像処理で得られた触媒の各画素における実際高さと触媒の総画素とを最小二乗法によって算出を行った見かけ上の平均高さのことである。
観察する触媒及び面の選択について、客観的かつランダムに選べば、選び方は任意である。平面誤差の測定について、観察する面によって値が大きく異なるような場合には、なるべく平面誤差が小さくなるような方向から観察することが好ましい。また、平面面積及び平面誤差は、20個以上の触媒の粒子について測定することが好ましい。なお、平面誤差はその際の平均値とする。
[2−1−2−2−2.平面面積]
本発明の触媒における平面面積は、本発明の炭素繊維の集合体が得られる限り任意である。ただし、触媒表面に存在する平面の合計面積に対して、1μm2以上1000μm2以下の範囲の平面面積の合計は、前述の方法により測定した値で通常50%以上、好ましくは70%以上であることが好ましい。一方5μm2以上200μm2以下の範囲の平面面積の合計は触媒表面に存在する平面の合計面積に対して25%以上であることが好ましい。平面面積が小さすぎる場合、目的とする配向性を有する炭素繊維を束状に気相成長させることができず、本発明の束及び/又は集合体を得ることができない可能性がある。また、大きすぎる場合、原料ガスとの接触効率低下による反応効率の低下が生じる可能性がある。さらに、束の径が太くなり易いため、束中の繊維同士を解くことが困難となり、本発明の集合体の樹脂への分散が不十分になる可能性がある。そのため、樹脂表面において炭素繊維未分散塊による凹凸が発生し外観不良を引き起こしたり、樹脂強度の低下を引き起こしたりすることがある。
[2−1−2−2−3.平面における平面誤差]
さらに、前記平面において平面誤差は、本発明の集合体が得られる限り任意である。ただし、平面誤差は前述の方法により測定した値で通常0.2以上、中でも0.3以上、特に0.4以上が好ましく、また、通常0.9以下、中でも0.8以下、特に0.7以下であることが好ましい。平面誤差が小さすぎる場合、炭素繊維束の配向が高すぎて束同士の適度な集合体を得ることが困難で、嵩密度の低下による取り扱いの困難さを生じさせる可能性があり、大きすぎる場合、目的とする配向性を有する炭素繊維が得られない可能性がある。
[2−1−2−2−4.平面面積及び平面誤差のより好ましい態様]
本発明の触媒は、前記の範囲に収まる平面誤差を有する平面が、前記の平面面積を有していることが特に好ましい。即ち、本発明の触媒においては、20個以上の触媒のうち、平面誤差が、前記の範囲内にある触媒の平面面積を合算した場合に、全合計平面面積の50%以上となることが特に好ましい。
[2−1−2−2−5.等面積半径と近似球半径との比の測定方法]
また、触媒の平面性を評価するうえで、球面の曲率半径を用いて評価することもできる。即ち、触媒を同一面積を有する仮想円とみなし、当該仮想円を球面の一部と見立てた時に、それが完全なる球面となった場合に当該球面を有する球(以下、適宜「近似球」と言う。)の半径Rを算出する方法を用いることが出来る。従って、半径Rが大きいほど、触媒が平面性を有すると言える。
具体的な方法としては、以下に記載の方法により、評価できる。即ち、先ず、レーザー顕微鏡で測定した前記触媒の平面面積から等面積半径rを算出する。ここで、「等面積半径」とは、触媒の平面面積と同じ面積を有する仮想円の半径のことを表す。この操作により、触媒の実際面積から、触媒を球(以下、適宜「近似球」と言う。)の一部とした場合の面積に換算することが出来る。一方、この触媒平面の重心を算出し、この重心から法線(即ち、近似平面に対する法線を表す。)ベクトルをひき、この法線ベクトルの長さをRとする。なお、「重心」とは、近似平面と垂直な方向から見た触媒の形における重心のことを表す。この時、Rと各触媒の実際の測定点とのばらつき(即ち、統計学における「分散」に相当する。)が最小となる点を求め、これを仮の中心点(即ち、仮の近似球の中心を表す。)とする。
この仮の中心点から、例えば数値解析ソフト等による最適化アルゴリズムを行い、最終的なR(即ち、近似球の半径を表す。)及び中心点(即ち、近似球の中心を表す。)を決定する。この際、法線ベクトル自体も調整し、仮想円と近似球面とが最も一致するように調整することが好ましい。従って、半径Rが大きいほど、触媒が平面性を有すると言える。
なお、さらに具体的な方法としては、例えば、以下に記載の方法を用いることが出来る。
即ち、先ず、レーザー顕微鏡により観察された同一粒子高さ画像にメディアンフィルターをかけ、ノイズ除去を行ってから二値化により粒子を抽出し、ラベリング処理を行う。ここで、触媒の面積中心となる二値化とは、測定触媒と背景との切り分け作業のことで、ある高さ以上で境界を判別して、画像データとして抽出する作業のことである。また、前記のラベリング処理を行った画像に基づき触媒の平面面積を測定することで、触媒粒子ごとに触媒を測定上面から見た等面積半径(r)を算出することができる。なお、この際、解析ソフトとして、例えば、MATLABO ver.7.3(2006b)(サイバネットシステム社製)を用いることができる。なお、解析ソフトにおける各計算値の計算上限は、本発明の効果を著しく損なわない限り、特に定めなくて良いが、解析ソフトの計算負荷を軽減する観点から、半径の計算上限を50R(R=1μm)と定めることが好ましい。
次に、[2−1−2−2−1.平面面積及び平面誤差の測定方法]と同様の方法により得られた同一粒子高さデータに最小二乗法による平面近似を行い、同一粒子高さデータ(平面誤差)に対して、平面方程式を解くことにより、近似平面の面積を算出する。一方、算出した触媒平面の重心から長さ(R)の法線ベクトルを延ばした点を、仮の中心点の初期値とする。法線ベクトル上(長さ:0.5R〜50Rの間)で仮の中心点を動かし、全ての高さデータ点との距離を計算し、それらの標準偏差が最小となる中心を、仮の中心点とする。
仮の中心点から、±0.5Rの範囲でX、Y、Z軸を動かし、同様に高さデータ点との距離を計算し、それらの標準偏差が最小となる中心を算出し、これを最終的な近似球の中心とする。この時、必要に応じて法線ベクトル自体も調整する。この算出された中心からの法線ベクトルの長さが、近似球半径(R)となる。
[2−1−2−2−6.等面積半径と近似球半径との比]
また、等面積半径(r)と、触媒を球体の一部とみなして算出した近似球半径(R)との比(R/r)の平均値は、本発明の集合体が得られる限り特に制限はないが、好ましくは5以上、より好ましくは9以上、さらに好ましくは14以上である。また、その上限に特に制限はないが、前記解析ソフトを用いた時の電子計算機の一般的な処理能力を考慮すると、通常1000以下である。R/rが小さすぎると、触媒の平面性が低いためより球形に近づき、本発明の特徴である集合体を得ることが出来ない可能性がある。また、製造される炭素繊維が、従来一般的に知られている屈曲絡まり構造を有するようになる可能性もある。一方、R/rが大きすぎると、解析ソフトの計算可能な上限を超えてしまうため、正確な半径を求められない可能性がある。また、通常、R/rの値が50以上であれば、平面であるとみなすことが出来る。なお、R/rの平均値は、平面誤差の場合と同様に、20個以上の触媒の粒子について測定し、算出することが好ましい。
[2−1−2−2−7.平面面積及び等面積半径と近似球半径との比のより好ましい態様]
本発明の触媒は、前記の範囲に収まる平面面積を有する平面が、前記のR/rを有していることが特に好ましい。即ち、本発明の触媒においては、20個以上の触媒のうち、触媒表面に存在する平面の合計面積に対して50%以上の平面において、レーザー顕微鏡により測定された該平面の平面面積が、1μm2〜1000μm2の範囲にあり、且つ、触媒の等面積半径(r)と、触媒を球体の一部とみなして算出した近似球半径(R)との比(R/r)の平均値が5以上であることが特に好ましい。
[2−1−2−3.平均粒子径]
本発明の触媒の粒径は、本発明の集合体が得られる限り任意である。ただし、レーザー回折法による乾式粒度分布測定において、正規分布50%における触媒の平均粒子径D50は通常0.1μm以上、中でも1.52μm以上、特に2.39μm以上が好ましい。またその上限は通常100μm以下、中でも90μm以下、特に80μm以下であることが好ましい。平均粒子径D50が短すぎる場合、所望の平面面積と平面誤差及び/又はR/rとを有する平面が破壊され、本発明の触媒が得られない可能性があり、長すぎる場合、触媒と原料ガスとの接触面が減少し反応効率の低下を引き起こす可能性がある。
平均粒子径D50の測定に用いる測定装置は、例えば、セイシン企業製「LMS−300」を用いることができる。
[2−1−2−4.形状]
本発明の触媒の形状は、本発明の集合体が得られる平面性を有する限りその形態は任意である。その例として、触媒の有する平面面積が広いことからブロック状、板状、薄片状の粉体であることが好ましい。
[2−1−2−5.嵩密度]
本発明の触媒の嵩密度は、本発明の集合体が得られる限り任意である。ただし、触媒の嵩密度の好ましい範囲として通常0.05g/cm3以上、好ましくは0.08g/cm3以上、特に好ましくは0.1g/cm3以上、また、通常1g/cm3以下、好ましくは0.9g/cm3以下、特に0.8g/cm3以下であることが好ましい。嵩密度が小すぎる場合、炭素繊維製造反応時に原料ガスに同伴され舞い上がり、装置の目詰まりを生じる可能性があり、大きすぎる場合、炭素繊維が密に集合しすぎて本発明の集合体を得ることが困難となる可能性がある。
ここで、嵩密度の測定は、任意の方法によって行うことができる。例えば、一定容量の容器内に試料をゆっくりと流し込んだ後にヘラで水平に均して、その重量を測定する操作を2回繰り返し、その測定結果を基に嵩密度を算出できる。より具体的な測定方法としては、JIS K6219を用いることができる。
[2−1−2−6.触媒の比表面積]
本発明の触媒の比表面積は、本発明の集合体が得られる限り任意である。ただし、触媒の比表面積の好ましい範囲として、窒素吸着法にて測定されたBET比表面積値で、通常1m2/g以上、好ましくは5m2/g以上、特に好ましくは10m2/g以上、また、通常300m2/g以下、好ましくは250m2/g以下、特に好ましくは200m2/g以下である。比表面積が小さすぎる場合、原料ガスとの接触効率が低下する可能性があり、大きすぎる場合、触媒に平面部を持たせることが困難となり、本発明の集合体を得ることができない可能性がある。
[2−1−3.本発明の触媒の製造方法]
以下、本発明の触媒の製造方法について具体的に説明する。ただし、本発明の触媒は以下の製造方法によって製造されるものに限定されるものではない。
[2−1−3−1.原料]
本発明の触媒の原料としては、金属含有材料に含まれる金属を含有していれば、任意の材料を用いることができる。また、原料は、1種のみを用いても良く、2種以上を任意の比率及び組み合わせで用いても良い。
中でも、原料としては金属化合物を用いることが好ましい。さらにその中でも、少なくともCo、Ni及びFeから成るA群より選ばれる1種類以上の金属(以下、適宜「A群金属」と言う。)を含む金属化合物(以下、適宜「A群金属化合物」と言う。)と、Al及びMgから成るB群より選ばれる1種類以上の金属(以下、適宜「B群金属」と言う。)を含む金属化合物(以下、適宜「B群金属化合物」と言う。)とを組み合わせて用いることが好ましい。
A群金属としては、上記のものの中でも、Coを用いることが好ましい。Coは、触媒の活性成分としての酸化コバルトの原料となるからである。なお、A群金属化合物には、A群金属が1種のみ含まれていても良く、2種以上が任意の比率及び組み合わせで含まれていても良い。
また、A群金属化合物は、どのような種類の金属化合物であってもよい。例えば、金属酸化物、金属窒化物、金属硫化物、金属ハロゲン化物、金属塩等が挙げられる。中でも金属化合物は金属塩であることが好ましく、特に金属硝酸塩であることが好ましい。その理由は触媒を製造する焼成時に適度な発泡現象を起こし、金属を均質分散させ適正な表面積を有する触媒を得易いためである。なお、A群金属化合物としては、1種のみを用いても良く、2種以上を任意の比率及び組み合わせで併用しても良い。
一方、B群金属としては、上記のものの中でも、Alを用いることが好ましい。Alは、前記酸化コバルトの担体としての酸化アルミニウムの原料となるからである。なお、B群金属化合物には、B群金属が1種のみ含まれていても良く、2種以上が任意の比率及び組み合わせで含まれていても良い。
また、B群金属化合物は、どのような種類の金属化合物であってもよい。例えば、金属酸化物、金属窒化物、金属硫化物、金属ハロゲン化物、金属塩等が挙げられる。中でも金属化合物は金属塩であることが好ましく、特に金属硝酸塩であることが好ましい。その理由は触媒を製造する焼成時に適度な発泡現象を起こし、A群金属を均一に表面に担持させることができるためである。なお、B群金属化合物としては、1種のみを用いても良く、2種以上を任意の比率及び組み合わせで併用しても良い。
原料としてA群金属化合物とB群金属化合物とを組み合わせて用いる場合には、A群金属化合物とB群金属化合物との割合は、本発明の触媒が得られる限り任意である。ただし、両者の割合は、後述する焼成後に得られる触媒中のA群金属とB群金属との合計に対して、A群金属の含有割合が、通常10モル%以上、好ましく15モル%以上、より好ましくは20モル%以上であることが好ましい。A群金属の含有割合があまりに低い場合には、触媒活性が低く炭素繊維生成量が低くなる可能性がある。また、前記のA群金属の含有割合の上限としては通常50モル%以下、好ましく45モル%以下、より好ましくは40モル%以下である。A群金属の含有割合があまりに高い場合には、粒子径が過大となり炭素繊維の線径バラツキが大きくなり、炭素繊維の配向性及び成長方向の均一性が低下する可能性があり、また、触媒として寄与しないA群金属(コバルト等)の増加が生じ反応効率が低下する可能性もある。
[2−1−3−2.原料の混合]
触媒の原料を用意した後に、これらを混合する(以下、適宜「混合工程」と言う。)。混合工程においては、本発明の触媒が得られる限り、任意の態様で混合を行うことができる。以下、混合工程の操作の一例について具体的に説明するが、以下の方法に限定されるものではない。
原料の混合の際には、必要に応じ、原料にその他の成分を混合しても良い。その他の成分として、例えば、有機化合物が挙げられる。特に、原料としてA群金属化合物とB群金属化合物とを組み合わせて用いる場合は、その他の成分として、任意の有機化合物とを混合することが好ましい。混合する有機化合物としては、A群金属含有材料と親和し、錯体形成するものが好ましい。その中でも、同一分子内にカルボキシル基、ヒドロキシル基、アミノ酸基等を有するなどの、酸素原子を有する有機化合物が好ましい。具体例として、カルボン酸や、ヒドロキシカルボン酸、カルボン酸エステルなどのカルボン酸誘導体、アミノ酸類、アミド類、アミン類、及びこれらの水和物や無水塩などが挙げられる。このうち、分解温度の低い有機化合物、例えば300℃以下で分解する有機化合物がより好ましく、特に金属との錯形成を有する(即ち配位子となりうる)化合物が好ましい。具体例として、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、乳酸、グリシン、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン、アルギニン、フェニルアラニン、アラニン、ロイシン、イソロイシンなどが挙げられる。なかでもカルボン酸化合物が好ましく、より好ましくはクエン酸、特にはグルタミン酸が好ましい。また、前記有機化合物は1種のみ用いても良く、2種以上を任意の比率及び組み合わせで用いても良い。
混合する有機化合物の割合は、本発明の触媒が得られる限り任意である。ただし、有機化合物の含有割合は、混合の際に同一の系に存在するA群金属化合物とB群金属化合物との合計重量に対して、有機化合物の含有割合が、通常5重量%以上、好ましくは8重量%以上であり、10重量%以上がより好ましい。有機化合物の含有割合があまりに小さい場合には、A群金属の粒径制御ができない可能性がある。また、前記の有機化合物の含有割合の上限は通常60重量%以下、好ましく50重量%以下、より好ましくは40重量%以下である。有機化合物の含有割合があまりに大きい場合には、焼成分解時の発熱反応から触媒のシンタリングを引き起こす可能性がある。
なお、原料及び有機化合物等のその他の成分を混合する順番に制限は無く、任意の順番で混合することができる。
また、原料を混合する手法に制限はないが、例えば、以下のように混合することができる。即ち、乳鉢等を用いて、工業レベルでは2軸ミキサー、ホモミキサー、ホモジナイザー、ブレンダーミル、自動乳鉢等を用いて本発明の触媒が得られる程度まで十分に混合する。なお、混合工程は、このような乾式混合に何ら限定されず、これらを水等の溶媒に溶解させて混合した後、加熱等により蒸発乾固する方法等であっても良い。また、混合工程は前記の混合方法の1種のみにより行っても良く、2種以上を組み合わせて行っても良い。
[2−1−3−3.焼成]
このようにして得られた混合物(以下、適宜「原料混合物」と言う。)を焼成することが好ましい(以下、適宜「焼成工程」と言う。)。この操作により、原料に含有されていた金属が酸化等され、金属含有材料が得られる。焼成工程は、本発明の触媒が得られる限り、任意に行うことができる。以下、焼成工程の操作の一例について具体的に説明するが、以下の方法に限定されるものではない。
焼成の装置は、本発明の触媒が得られる限り、任意の装置を用いることができる。装置の具体例として、電気を加熱源としたマッフル焼成炉等が挙げられる。
また、所望の金属含有材料が得られる限り任意の雰囲気で焼成を行うことができ、具体例として空気、窒素、アルゴン等が挙げられる。前記雰囲気ガスは1種のみ用いても良く、2種以上を任意の比率及び組み合わせで用いても良い。
・昇温工程
昇温工程での昇温速度に特に制限はないが、通常2℃/分以上、好ましくは5℃/分以上、より好ましくは8℃/分以上、また通常は100℃/分以下、好ましくは80℃/分以下、より好ましくは50℃/分以下の昇温速度で炉内を昇温させる。あまり遅すぎると分解がうまく進行せず均一な担持が得られない可能性があり、あまり速すぎると急激に内部発熱が生じて触媒のシンタリングが生じる可能性がある。
・保温工程
保温工程における焼成温度は、使用する原料及び有機化合物のそれぞれの種類、及びその組成比と混合順序などによって異なるが、通常300℃以上、好ましくは350℃以上、より好ましくは380℃以上、また、通常500℃以下、好ましくは450℃以下、より好ましくは400℃以下である。保温工程の温度が低すぎると有機化合物未分解のため多量の不純物が触媒中に残り、またB群金属の酸化物へのA群金属の担持が不十分となる可能性があり、高すぎると触媒がシンタリングを生じる可能性がある。
原料混合物に有機化合物が含まれていた場合には、焼成工程において、有機化合物は燃焼により分解・気化し排出される。この場合、排出しきれなかった残炭分が、焼成物の通常10重量%以下、好ましくは8重量%以下、さらに好ましくは5重量%以下である。残炭分が多すぎると、触媒の不純物として残り炭素繊維製造の際に成長阻害物質となる可能性がある。
[2−1−3−4.粉砕]
焼成工程の後、焼成して得られた混合物を所望の大きさに粉砕することが好ましい(以下、適宜「粉砕工程」と言う。)。粉砕工程は、本発明の触媒が得られる限り、任意に行うことができる。以下、粉砕工程について具体的に説明するが、以下の方法に限定されるものではない。
粉砕は、任意の雰囲気で行うことができるが、不活性ガス中で行うことが好ましい。不活性ガスの具体例として、窒素、アルゴン等が挙げられる。雰囲気ガスは1種のみ用いても良く、2種以上を任意の比率及び組み合わせで用いても良い。
また、粉砕の際の温度も任意であり、常温で行うことができる。
この粉砕の方法として、本発明の触媒が得られる限り、特に制限はないが、ミキサー、ピンミル、ハンマミル、パルペライザ、ジェットミル等を用いることができる。また、粉砕工程は前記の粉砕装置の1種のみを用いて良く、2種以上を組み合わせて用いても良い。
粉砕の程度としては、前記触媒の平面において、平面誤差が前述した本発明の触媒の平面誤差の範囲内に収まる程度に行うことが好ましい。
また、粉砕する際には、所望の粉砕粒度、平面度を維持するために粉砕機の回転数、気流の圧力などを任意に調整する。例えば、ジェットミルのような同伴気流圧力によって粉砕を行う場合、圧力は好ましくは0.01MPa以上、より好ましくは0.1MPa以上である。また、その上限は、好ましくは1MPa以下、より好ましくは0.5MPa以下である。また、ミキサーやピンミルのような回転によって粉砕を行う場合、選択する機種によって性能が大きく異なるため一概には言えないが、通常1万rpm以下の回転数であることが好ましい。
なお、本発明の集合体は、表面に平面を有する触媒を用いることで得られる。触媒表面に平面を有するためには、原料混合物を焼成した際に、焼成後の原料混合物の粒子が平面を有することが望ましい。なお、焼成後の原料混合物は一般的に粒子が集合した大きな塊状形態をとることが多い。そこで、このような粒子を得るためには、[1−3−1.原料]に記載の金属含有材料の種類を制御すること、並びに、原料混合物がA群金属及びB群金属を含む場合に[1−3−1.原料]に記載のA群金属の含有割合を制御すること等の方法が考えられる。そして、焼成後の原料混合物を、例えば上記の範囲を満たすような条件によって、平面を有する粒子の形状が保たれるように粉砕又は解砕する方法が挙げられる。この粉砕又は解砕によって、表面に平面を有する粉体状態の触媒を得ることが出来る。
[2−1−3−5.触媒の活性化]
以上のように粉砕し、触媒を活性化することにより、本発明の触媒を得ることができる。触媒の活性化は、任意の方法を用いることができるが、例えば、触媒を還元雰囲気下に置けばよい。具体例として、還元性ガスと共に、後述する炭素繊維の原料ガスと接触すること等が挙げられる。還元性ガスの好ましい例として、水素、アンモニア等が挙げられる。前記還元性ガスは1種のみ用いても良く、2種以上を任意の比率及び組み合わせで用いても良い。
[2−2.本発明の集合体の製造方法]
上述した本発明の触媒を用い、本発明の製造方法を行うことによって、従来は無かった新規な炭素繊維の集合体を得ることができる。以下に、この製造方法を説明する。
[2−2−1.概要]
本発明の集合体は、本発明の触媒の存在下、炭素を含む原料ガスを用いて製造される。
[2−2−2.原料ガス]
原料ガスは、炭素を含む限り任意のものを用いることができる。具体例として、メタンやエタン、プロパン、エチレン、アセチレンなどの炭化水素、一酸化炭素、アルコール等が挙げられる。特に、一酸化炭素が好ましい。前記原料ガスは1種のみ用いても良く、2種以上を任意の比率及び組み合わせで用いても良い。
特に、原料ガスに一酸化炭素を含む場合、一酸化炭素濃度は、好ましくは50体積%以上、より好ましくは60体積%以上、特に好ましくは70体積%以上である。また、好ましくは99体積%以下、より好ましくは98体積%以下、特に好ましくは95体積%以下である。濃度が低すぎる場合、反応速度が著しく低下する原因となる可能性がある。また、濃度が高すぎる場合、反応を促進させるためのガス濃度比率が低下する原因となる可能性がある。
本発明の集合体が得られる限り、原料ガスにはその他の成分を任意の比率及び組み合わせで含むことができる。その他の成分として、例えば、水が挙げられる。特に、一酸化炭素と水とを組み合わせて用いることが好ましい。その理由は不明であるが、触媒からの炭素繊維の成長時におけるコーキング作用による触媒失活の防止に水が寄与するからであると推定される。
その他の成分として水を用いる場合、当該原料ガス中の水の濃度は、好ましくは0.1体積%以上、より好ましくは0.15体積%以上、特に好ましくは0.2体積%以上、また好ましくは1体積%以下、より好ましくは0.8体積%以下、特に0.6体積%以下であることが好ましい。水の濃度がこの範囲にあると、触媒1個あたりの炭素繊維の製造量を高めることができため、好ましい。
また、原料ガスは、前記の範囲内の濃度の一酸化炭素と、前記の範囲内の濃度の水とを組み合わせて含むことが特に好ましい。即ち、原料ガスは、一酸化炭素を50体積%以上95体積%以下、且つ水を0.1体積%以上1体積%以下含むことが特に好ましい。
また、原料ガスには、水素ガスを含むことが好ましい。水素ガスの含有量は、通常1体積%以上、好ましくは3体積%以上、より好ましくは5体積%以上である。また、その上限は、通常50体積%以下、より好ましくは40体積%以下、特に好ましくは30体積%以下である。水素ガスを含む原料ガスを用いることで、反応が促進する利点が得られる。その理由の詳細は不明であるが、還元作用を有する水素が触媒の酸化による失活を防ぐためではないかと推察される。
[2−2−3.原料ガスの供給速度]
本発明の集合体の製造は、本発明の集合体が得られる限り、原料ガスを反応槽に連続的に供給するフロー式、原料ガスと触媒とを予め同一の系内に密閉し反応させるバッチ式等、任意の方法で行うことができる。
フロー式で製造する場合、原料ガスの供給速度は触媒1g当たりに対して0.03Nm3/h以上、より好ましくは0.1Nm3/h以上、特に好ましくは0.3Nm3/h以上である。また、その上限は、好ましくは3Nm3/h以下、より好ましくは1.5Nm3/h以下、特に好ましくは1Nm3/h以下である。供給速度が遅すぎると反応速度が著しく低下し、反応失速を引き起こす可能性があり、速すぎると原料ガスの過剰供給でコスト増加や触媒の同伴を引き起こし装置の目詰まりの原因となる可能性がある。
[2−2−4.反応温度]
反応温度は、本発明の集合体が得られる限り任意であるが、好ましくは480℃以上、より好ましくは520℃以上、特に好ましくは560℃以上である。また、好ましくは660℃以下、より好ましくは650℃以下、特に好ましくは640℃以下である。反応温度が低すぎると反応効率の低下や反応失速を引き起こす可能性があり、高すぎると触媒のシンタリングを引き起こし反応失速の原因となる可能性がある。
[2−2−5.反応圧力]
反応圧力は、本発明の集合体が得られる限り任意であるが、好ましくは5kPa以上、より好ましくは10kPa以上、特に好ましくは20kPa以上である。また、その上限は、反応機構の観点からは特に制限されないが、反応装置内の気密性を考慮すると、好ましくは40kPa以下、特に好ましくは30kPa以下である。
[2−2−6.反応時間]
反応時間は、本発明の集合体が得られる限り任意であるが、通常3時間以上、好ましくは4時間以上、特に好ましくは5時間以上である。また、通常12時間以下である。反応時間が短すぎると触媒に対する炭素繊維析出量が少なく、製造コストの観点から効率が悪くなる可能性がある。また、炭素繊維が成長途中であるため、その長さが短く、さらに束状に集合していないといった不具合を生じ、本発明の特徴である束状集合体を得にくい可能性もある。
[2−2−7.その他の工程]
反応終了後には、得られた本発明の集合体の優れた利点を著しく損なわない限り、その他の工程を行っても良い。例えば、反応生成物は不活性ガス中で保管する工程を行うことが好ましい。反応終了直後は高温であるため急に空気に触れることで炭素繊維の発熱、発火の可能性があるためである。従って、不活性ガス下で室温まで冷却することが好ましい。不活性ガスの具体例として、窒素、アルゴン等が挙げられる。前記不活性ガスは1種のみ用いても良く、2種以上を任意の比率及び組み合わせで用いても良い。
[2−2−8.製造装置]
なお、製造装置としては、本発明の集合体が得られる限り、任意のものを用いることができる。例えば、ステンレス製のカバーで覆われた耐熱性容器等を用いることができる。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を逸脱しない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
[1.触媒の製造]
<実施例1>
硝酸コバルト六水和物175g(0.60モル)、硝酸アルミニウム九水和物525g(1.4モル)、L−グルタミン酸89gを秤量し、混合して乳鉢で均一になるまですりつぶした。この混合物を耐熱ルツボに入れ、電気炉を用いて空気雰囲気下で450℃、1.5時間焼成した。
焼成により得られた化合物を、空気中で乳鉢で粉体状になるまですりつぶした。その後、当該化合物をジェットミル(セイシン企業製FS−4)を用いて粉砕し、本発明の触媒を得た(以下、適宜「触媒A」と言う。)なお、ジェットミルを用いた粉砕時の雰囲気は、0.1〜0.3MPaに制御された窒素ガス中で行った。
<比較例1>
触媒Aを水に分散させ、0.5mm径ジルコニアビーズを用いて、回転数2000rpmで1時間粉砕し、乾燥して粉体状の触媒を得た(以下、適宜「触媒B」と言う。)。
<比較例2>
硝酸コバルト六水和物175g(0.60モル)、硝酸マグネシウム六水和物356g(1.4モル)、クエン酸一水和物137gを秤量し、混合して乳鉢で均一になるまですりつぶした。この混合物をセラミックス容器に入れ、電気炉を用いて空気雰囲気下で450℃、1.5時間焼成した。(触媒組成:コバルト含有量=30モル%)
その後、実施例1と同様の操作を行い、粉体状の触媒を得た(以下、適宜「触媒C」と言う。)。
<粒度分布測定>
実施例1、比較例1及び比較例2について、[2−1−2−3.平均粒子径]に記載した方法に従って、粒度分布測定を行った。その結果を表1に示した。触媒Aの平均粒子径D50は11.11μm、触媒Bの平均粒子径D50は2.39μm、触媒Cの平均粒子径D50は1.52μmであった(表1)。
<SEM写真撮影>
触媒A、触媒B及び触媒CのSEM写真を図2(a)〜(c)、図3(a)〜(c)、及び図4(a)〜(c)に示した。図2(a)及び図3(a)は20000倍、また、図2(b)及び図3(b)は10000倍、さらに、図2(c)及び図3(c)は5000倍に拡大したSEM写真である。なお、図4(a)は30000倍、また、図4(b)は10000倍、さらに、図4(c)は3000倍に拡大したSEM写真である。
図2(a)〜(c)より、触媒Aは表面に平面を有することが分かった。一方、触媒Bは、触媒Aを更にビーズミル粉砕することにより平面が失われ、図3(a)〜(c)より、表面に微細な凹凸を持つ球状に微細化していることが分かった。また、触媒Cは、触媒Bと同様に微細な凹凸を持つ球状の形状を有していることが分かった(図4(a)〜(c))。
<平面面積及び平面誤差の測定>
平面面積及び平面誤差を、以下の方法に従って測定した。
除電ブロアをかけたスライドグラスに、エタノールに分散させた触媒A、触媒B及び触媒Cをそれぞれ分散させ、再度除電ブロアを2回かけた。それらの高さ画像を、レーザー顕微鏡(キーエンス社製VK−9500)を用いて撮影した。なお、撮影には150倍の対物レンズを用いた。画像の大きさは95.1μm×71.2μm、較正値は0.093μm/画素、計測高さは0.287μm、分解能は0.051μm/輝度であった。以上の方法により撮影された高さ画像から、[2−1−2−2.平面面積、平面誤差及び等面積半径と近似球半径との比]で説明した方法に基づき、触媒の粒子を抽出してラベリング処理を行った。その後、ラベリング処理を行った画像に対し、画像処理を実施することで、同一粒子高さデータを得た。その結果を表2及び表3に示す。なお、表2において「CV」は変動係数を表し、標準偏差を平均値で除したものである。
得られた同一粒子高さデータに基づいて行った面積測定で、5.3〜122.7μm2の範囲で平均28.9μm2であり、平面角度41°を換算した後の面積(平面面積)で5.5〜194μm2の範囲にあり平均41μm2であった(表2、表3)。即ち、1〜1000μm2の範囲にある平面面積の割合は100%であった。
また、総平面面積に対して50%以上の触媒が、標準偏差で0.205〜0.898にあり、平均標準偏差(平面誤差)は0.555であった(表2、表3)。
<等面積半径と近似球半径との比の算出>
触媒A、B及びCのそれぞれについて、等面積半径及び近似球半径を、[2−1−2−2−5.等面積半径と近似球半径との比の測定方法]に記載の方法に従って算出した。なお、解析ソフトの計算負荷軽減のため、半径の計算上限を50R(R=1μm)と定めた。従って、近似球の最大半径は50μmとなる。
算出された値に基づいて、R/rを算出した。その結果を表4〜表7に示す。
次に、触媒A、触媒B及び触媒Cの存在下、炭素を含む原料ガスを用いて、炭素繊維を製造した。
<原料ガス>
石油系重質油(エチレンヘビーエンド)を熱分解し、発生したガスの水素濃度を膜分離(宇部興産製分離膜モジュール410型)することにより調節し、水分調整を行って原料ガスを得た。この原料ガスの組成は、一酸化炭素が86体積%,水素が10体積%、二酸化炭素が2体積%、メタンが1体積%、水が0.3体積%及び微量の重炭化水素である。
<炭素繊維の製造>
触媒A及び触媒Bのそれぞれ120gを耐熱性容器に均一に散布し、ステンレス製カバーにて密閉した。密閉後、容器内の空気を窒素で置換した。装置全体を電気炉にて外周加熱し、500℃前後に到達したら水素を導入し、触媒を活性化した。この活性化は約1〜1.5時間行った。触媒の活性化後、原料ガスを導入して反応を開始した。反応温度は620℃から570℃まで降温速度15℃/分で段階的に下げ、反応は5.5時間行った。反応時の圧力は25〜30KPaであった。反応終了後、容器内を窒素で置換し、電気炉による加熱を停止し常温まで自然冷却した。冷却後、容器を開放し炭素繊維を得た。
触媒C108gを実施例1と同様に反応させて、炭素繊維を製造した。ただし、反応温度は580℃から520℃まで降温速度20℃/分で段階的に下げ、反応は4.5時間行った。
<TEM写真撮影>
得られた炭素繊維を透過型電子顕微鏡(日本電子株式会社製JEM−1230)によりTEM写真を撮影した。なお、炭素繊維の層数の測定には、透過型電子顕微鏡(Hitachi.LTD製HR−TEM/H9000UHR)高分解能型を用いて撮影した。
実施例1、比較例1及び比較例2のそれぞれついて、撮影されたTEM写真における100本の炭素繊維それぞれの外径、内径及び層数を計測し、その平均値を実施例1、比較例1及び比較例2の炭素繊維の外径、内径及び層数とした(表1)。
実施例1、比較例1及び比較例2のそれぞれで得られた炭素繊維について、走査型電子顕微鏡(日本電子(株)製型式:JEOL JSM−7401F)によりSEM写真撮影を行った。その結果を図5、図6及び図7に示した。
図5(a)、(b)、(c)、(d)及び(e)は、それぞれ300倍、1000倍、3000倍、10000倍、及び30000倍に拡大したSEM写真である。
また、図6(a)、(b)、(c)及び(d)は、それぞれ300倍、1000倍、10000倍、30000倍に拡大したSEM写真である。
そして、図7(a)、(b)、(c)及び(d)は、それぞれ2000倍、5000倍、10000倍、及び30000倍に拡大したSEM写真である。
触媒Aを用いた炭素繊維は、触媒の平面を基点として束状に成長し、その束が絡み合った凝集形態を有していることがわかる。高倍率観察(図5(c)〜(e))では炭素繊維の配向性が強く見られ、低倍率観察(図5(a)、(b))では弱いことがわかった。
触媒B及び触媒Cを用いた炭素繊維は、いずれの倍率のSEM写真においても、触媒の球面を基点として成長し、炭素繊維の成長方向が定まらず、炭素繊維同士が複雑に絡み合い、実施例1のような配向性を有していなかった。
また、SEM写真より、実施例1の外径を測定して長さ/径比を算出し、束に平均炭素繊維径12.2nm繊維がほぼ隙間なく充填したとして、束中の炭素繊維の平均本数を算出した(表1)。なお、この平均炭素繊維径としては、TEM観察により測定された100本の炭素繊維の外径の平均値を用いた。
<各炭素繊維の配向性測定>
実施例1、比較例1及び比較例2のそれぞれで得られた炭素繊維について、[1−2−6.本発明の炭素繊維の配向性]で説明した方法に従って、配向性の測定を行った。即ち、図5の各写真について、写真の左上、右上、左下、右下、中央部の512×512画素の領域を抽出し、ばらつきの影響を軽減した。それぞれの画像の大きさは160μm(300倍)、47.8μm(1000倍)、16μm(3000倍)、4.78μm(10000倍)、1.6μm(30000倍)であった。また、全ての倍率において、画素数は32画素で行った。較正値はそれぞれ312.5nm/画素、93.5nm/画素、31.25nm/画素、9.35nm/画素、3.125nm/画素であった。なお、画像解析処理のソフトウェアには、ImageProPlus Ver.600(日本ローパー社製)を用いた。
算出した強度比は、300倍画像においては、波長10μmで強度比0.1、波長5μmで強度比0.12であり、配向性を示してはいなかった。しかし、30000倍画像においては、波長0.1μmで強度比=0.17〜0.28、平均強度比=0.21、波長0.05μmで強度比=0.26〜0.34、平均強度比0.3であり、非常に強い配向性を示していた(表8)。
同様に、比較例1及び比較例2の炭素繊維の配向性を算出すると、倍率によらず平均強度比が0.11前後と非常に低く、配向性を有さずに単純に絡み合っただけの凝集体であった(表8)。
<樹脂混練評価>
東洋精機製プラストミルを用いて260℃、150rpmの条件にて炭素繊維と樹脂とを表8に示す各種の割合で2分間混練し、炭素繊維含有樹脂を得た。なお、触媒A、触媒B及び触媒Cを用いて得られた炭素繊維は、機械的な粉砕等によって繊維同士を解いたものではなく、得られたものの状態で用いた。樹脂は6−ナイロン(三菱エンジニアリングプラスチックス製1010C)を使用した。プラストミルにて混練を行った炭素繊維含有樹脂を、プレスして導電評価用のシートを作成した。成型サイズは100×100×2mm(厚さ)の平板とした。プレス機は東洋精機製作所製ミニテストプレス(ラム径65mm 盤面200×200)を使用し、圧縮力はラム圧で20MPa、盤面への加圧力は約1.6MPaとし、温度は260℃とした。
成型シートの端を切削し、その両端に銀ペーストを付与後、測定器の端末を当てることで導電率(以下、適宜「体積抵抗値」と言う。)を測定した。測定器にはロレスタEP(三菱化学製)及びハイレスタ(東亜電波製)を使用し、体積抵抗値が106Ω・cm以下のときはロレスタEPを用い、それ以上のときはハイレスタを用いた。使用したプローブはESP型である。ハイレスタはリング法を用いて500V、チャージ1分、測定開始後1分後の値を採用した。
その結果を表9及び表10に示した、なお、体積抵抗値が107Ω・cm以上のものを導電性に優れている樹脂とした。
触媒Aを用いて製造された炭素繊維から成る集合体を含有した樹脂は、含有させる集合体が少なくても、高い導電性が得られた。これに対して、触媒Bを用いて製造された炭素繊維からなる凝集体を含有した樹脂は、導電性が劣っており、また、触媒Cを用いて製造された炭素繊維から成る凝集体を含有した樹脂も、導電性が劣っていた。
本発明の集合体を含有する樹脂が導電性に優れる理由は定かではないが、本発明者の検討によれば、束を構成する炭素繊維が配向性を有するため、樹脂中で導電ネットワークを効率的に形成することができるからであると推定される。
実施例1で製造された集合体、比較例2で製造された凝集体又はケッチェンブラック(KEC600;ケッチェンブラックインターナショナル製)を含有する樹脂の物性を測定した。各樹脂は、以下のように製造した。
2軸押出機としては日本製鋼所製TEX−30αを用い、樹脂には6−ナイロン(三菱エンジニアリングプラスチックス製1010C又は1005J)を用いた。押出機の温度を250℃に設定し、スクリュー回転数は200〜400rpm、吐出量を15〜30Kg/hの範囲で混練を実施した。集合体、凝集体又はケッチェンブラックと、6−ナイロン(1005J)とを、それぞれ混練し高濃度マスターバッチを作成した。その後、そのマスターバッチと6ナイロン(1010C)とを希釈して各濃度に調整した。各樹脂における各炭素材料の含有量は、表9に示した。また、テストピース製作としての射出成型機は、新潟鐵工所製NN100S型を使用し、成型温度は270℃、金型温度は80℃、スクリュー回転数180rpm、射出・冷却時間35秒、射出速度2秒、射出圧力24〜29Kg/cm2、背圧3kg/cm2の条件で成型した。金型はJISファミリーを用いた。樹脂は、測定前に80℃で7時間乾燥させた。なお、比較のために、炭素材料を含有しない6−ナイロンについても評価した。
各樹脂の体積抵抗値、シャルピー衝撃試験及び高速衝撃試験(面衝撃試験)を行い、その結果を表11及び表12に示した。体積抵抗値は実施例1の場合と同様に、シャルピー衝撃試験及び高速衝撃試験(以下、適宜「面衝撃試験」と言う。)は以下のように実施した。
<シャルピー衝撃試験>
JIS K7111に準拠し、試験速度2mm/min、試験温度23℃、相対湿度50%、試験数n=5にて平均値を求めた。
<高速衝撃試験>
試験片形状が120×80×2mmの樹脂を用い、撃芯径1/2インチ、ホルダー径2インチ、試験速度5m/s、試験温度23℃、試験数n=5にて平均値を求めた。なお、MAX LOADは撃ち抜きの際の破断エネルギーを表し、BREAKは貫通までのエネルギーを表す。これらの数値が高いほど、衝撃強度に優れる。
表11及び表12より、本発明の集合体を含有する樹脂は、従来の代表的な炭素材料であるケッチェンブラックや団子状の凝集体を含有する樹脂と比べて、少ない含有量で高い導電性を得ることができることが分かった。また、本発明の集合体を樹脂に含有させることで、強度が劣化しないことがわかった。
樹脂に炭素材料を含有させた場合、炭素材料が均一に分散しにくく、強度劣化の原因と考えられる大きな凝集体が未分散となるため、一般に強度が劣化する。しかし、本発明の集合体を含有させた場合には、集合体の分散が容易であるため、樹脂の強度劣化を抑えることが可能になるものと推察される。
本発明は、優れた特性を有する本発明の集合体を、より安価に量産する技術を提供する。さらに、本発明の集合体は、樹脂への分散性に優れるとともに、樹脂の機械的特性を劣化させにくく、優れた導電性樹脂を形成することができる。この導電性樹脂は帯電防止用電子部材、静電塗装用樹脂成型体、導電性透明樹脂組成物等への応用が可能である。特には、導電性と強度のバランスに優れることから自動車用外板材、自動車用内装材、自動車用バンパー等への自動車分野への利用が可能である。また、本発明の集合体は、分散性及び導電性に優れることから、シート、テープ、透明フィルム、インキ、導電塗料などにも適用することができる。
(a)は本発明の集合体の一例における触媒近傍の様子を拡大して模式的に示す図であり、(b)は従来の炭素繊維の凝集体の一例における触媒近傍の様子を拡大して模式的に示す図である。 触媒AのSEM写真を示す図面代用写真であり、(a)は20000倍で撮影した写真を示し、(b)は10000倍で撮影した写真を示し、(c)は5000倍で撮影した写真を示す。 触媒BのSEM写真を示す図面代用写真であり、(a)は20000倍で撮影した写真を示し、(b)は10000倍で撮影した写真を示し、(c)は5000倍で撮影した写真を示す。 触媒CのSEM写真を示す図面代用写真であり、(a)は30000倍で撮影した写真を示し、(b)は10000倍で撮影した写真を示し、(c)は3000倍で撮影した写真を示す。 実施例1の炭素繊維のSEM写真を示す図面代用写真であり、(a)、(b)、(c)、(d)及び(e)は、それぞれ300倍、1000倍、3000倍、10000倍及び30000倍で撮影した写真を示す。 比較例1の炭素繊維のSEM写真を示す図面代用写真であり、(a)、(b)、(c)及び(d)は、それぞれ300倍、1000倍、10000倍及び30000倍で撮影した写真を示す。 比較例2の炭素繊維のSEM写真を示す図面代用写真であり、(a)、(b)、(c)及び(d)は、それぞれ2000倍、5000倍、10000倍、及び30000倍で撮影した写真を示す。

Claims (4)

  1. 微細中空状炭素繊維が配向して集合した束が、絡み合って凝集した微細中空状炭素繊維の集合体であって、該微細中空状炭素繊維が多層構造を有し、走査型電子顕微鏡により測定された該微細中空状炭素繊維の長さが、該微細中空状炭素繊維の外径に対して1000倍以上、106倍以下であり、走査型電子顕微鏡により観察された写真において、同一の束ではない任意の100本の該束のうち、50%以上の該束に含まれる該微細中空状炭素繊維の本数が10本以上10本以下であり、透過型電子顕微鏡により観察される、該炭素繊維の外径の平均値が3nm以上35nm以下である
    ことを特徴とする、微細中空状炭素繊維の集合体。
  2. 走査型電子顕微鏡により観察した3万倍画像を、512×512画素で切り出した像を高速フーリエ変換(FFT)処理して、処理画像の各配向角度を切り分けるのに360°全方位を12分割する手法で配向性を定義し、異方性の最も高い角度のFFT強度を全方位のFFT強度の積分値で除した値のうち、
    画像の波長0.05μmにおける強度比が0.2以上0.5以下である
    ことを特徴とする、請求項1に記載の微細中空状炭素繊維の集合体。
  3. 波長が0.05μmの3万倍画像における強度比を、波長が5μmの300倍画像における強度比で除した値が1.5以上である
    ことを特徴とする、請求項2に記載の微細中空状炭素繊維の集合体。
  4. 気相成長法によって製造される
    ことを特徴とする、請求項1〜のいずれか一項に記載の微細中空状炭素繊維の集合体。
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