図1は、下りリンクで移動通信が行われる際の周波数使用状態を説明するための図である。図1に示す例は、複数のコンポーネントキャリアで構成される相対的に広い第1システム帯域を持つ第1移動通信システムであるLTE−Aシステムと、相対的に狭い(ここでは、一つのコンポーネントキャリアで構成される)第2システム帯域を持つ第2移動通信システムであるLTEシステムが併存する場合の周波数使用状態である。LTE−Aシステムにおいては、例えば、100MHz以下の可変のシステム帯域幅で無線通信し、LTEシステムにおいては、20MHz以下の可変のシステム帯域幅で無線通信する。LTE−Aシステムのシステム帯域は、LTEシステムのシステム帯域を一単位とする少なくとも一つの基本周波数領域(コンポーネントキャリア:CC)となっている。このように複数の基本周波数領域を一体として広帯域化することをキャリアアグリゲーションという。
例えば、図1においては、LTE−Aシステムのシステム帯域は、LTEシステムのシステム帯域(ベース帯域:20MHz)を一つのコンポーネントキャリアとする5つのコンポーネントキャリアの帯域を含むシステム帯域(20MHz×5=100MHz)となっている。図1においては、移動端末装置UE(User Equipment)#1は、LTE−Aシステム対応(LTEシステムにも対応)の移動端末装置であり、100MHzのシステム帯域を持ち、UE#2は、LTE−Aシステム対応(LTEシステムにも対応)の移動端末装置であり、40MHz(20MHz×2=40MHz)のシステム帯域を持ち、UE#3は、LTEシステム対応(LTE−Aシステムには対応せず)の移動端末装置であり、20MHz(ベース帯域)のシステム帯域を持つ。
このように広帯域化された周波数帯域での無線通信においては、下りリンクに割り当てる周波数帯域と、上りリンクに割り当てられる周波数帯域とが非対称となることが想定される。例えば、図2に示すように、周波数分割複信(FDD)において、1送信時間間隔(TTI)で上りリンク(UL)と下りリンク(DL)とが非対称な帯域幅となっており、時間分割複信(TDD)において、下りリンクの帯域幅に複数の上りリンクが割り当てられて上りリンク(UL)と下りリンク(DL)とが非対称な帯域幅となっている。
LTEシステムで用いられる処理手順は、このように上りリンク(UL)と下りリンク(DL)とが非対称な帯域幅となっているシステムに対応することができない。このため、広帯域化された周波数帯域を利用することができるシステムであっても、基本周波数領域にしか対応することができず、広帯域化された周波数帯域を有効に利用することができない。
本発明者らは、LTE−Aシステムにおいて、LTEシステムと同様の方法で初期アクセスすることを想定すると、各コンポーネントキャリアにLTEシステムで使用する同期チャネル(Synchronization Channel:SCH)信号や報知チャネル(Broadcast Channel:BCH)信号が多重されることとなる。移動端末装置において、同期チャネル信号を用いてセルサーチする際には、周波数をスキャンしながら、例えば、低周波数側から高周波数側にスキャンしながら同期チャネル信号をサーチする。このため、各コンポーネントキャリアにLTEシステムで使用する同期チャネル信号が多重されていると、すべて最初にスキャンしたコンポーネントキャリアの同期チャネル信号でセルサーチすることとなり、必ずそのコンポーネントキャリアが検出されることになる。したがって、通信を開始する段階においてセルサーチにより検出したコンポーネントキャリアから異なるコンポーネントキャリアに周波数を移動させることになる可能性がある。移動端末装置において、異なるコンポーネントキャリアに周波数を移動させるためには、どのコンポーネントキャリアに移動するかの情報を、無線基地局装置から移動端末装置に制御情報で通知する必要がある。この制御情報としては、例えば、RRC(Radio Resource Control)シグナリングなどが挙げられる。このように制御情報で、どのコンポーネントキャリアに移動するかの情報を通知すると、無線基地局装置−移動端末装置間の制御遅延が大きくなってしまうことが想定される。
そこで、本発明者らは、この問題点を解決するために、本発明をするに至った。すなわち、本発明の骨子は、移動端末装置において、複数のコンポーネントキャリアで構成される相対的に広い第1システム帯域を持つ第1移動通信システムにおける少なくとも一つの下りコンポーネントキャリアに多重された、前記第1移動通信システム固有の同期チャネル信号、及び/又は、複数のコンポーネントキャリアで構成される相対的に広い第1システム帯域を持つ第1移動通信システムにおける一つの下りコンポーネントキャリアに多重された、相対的に狭い第2システム帯域を持つ第2移動通信システム用の同期チャネル信号を用いてセルサーチした後に、前記セルサーチに用いた同期チャネル信号を含む下りコンポーネントキャリアの情報、及び無線基地局装置から報知される報知情報に含まれる上りコンポーネントキャリアの情報に基づいて割り当てられた上下コンポーネントキャリアでランダムアクセスすることにより、複数の移動通信システムが混在する場合においても、それぞれの移動通信システムに対応して、無線基地局装置−移動端末装置間の制御遅延を短縮して初期アクセスすることである。
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。ここでは、LTE−Aシステムに対応する移動端末装置を用いる場合について説明する。
図3は、本発明の実施の形態に係る無線基地局装置の構成を示すブロック図である。図3に示す無線基地局装置は、送信系処理部と、受信系処理部とを備えている。送信系処理部は、下りコンポーネントキャリア(下りCC)制御信号を生成する制御信号生成部101と、下り制御信号(レイヤ1/レイヤ2制御信号)を生成する下りL1/L2制御信号生成部102と、下り共有チャネル信号を生成する下り共有チャネル信号生成部103と、下りCC毎の下りCC内信号(制御信号、下りL1/L2制御信号、下り共有チャネル信号)を多重する下りCC内信号多重部104と、多重されたそれぞれの下りCC信号を多重する複数CC信号多重部105とを有する。制御信号生成部101は、各CCに、SCH信号(同期チャネル信号)を生成するSCH信号生成部1011と、PBCH信号(報知チャネル信号)を生成するPBCH信号生成部1012と、報知情報(Dynamic Broadcast Channel:DBCH)信号を生成するDBCH信号生成部1013と、RACH(Random Access Channel)応答信号、制御信号(MAC(Media Access Control)/RRC信号)を生成するRACH応答信号、MAC/RRC制御信号生成部1014と、無線基地局装置と移動端末装置との間の伝搬環境に応じて生成するSCH信号、PBCH信号、DBCH信号の生成を制御するSCH,BCH信号制御部1015とを有する。
受信系処理部は、上りリンク受信信号を複数CCの信号に分離する複数CC信号分離部106と、個々の上りCC内の信号を分離する上りCC内信号分離部107と、上り制御信号(レイヤ1/レイヤ2制御信号)を受信する上りL1/L2制御信号受信部108と、上り共有チャネル信号を受信する上り共有チャネル信号受信部109と、各上りCCのRACH信号を受信する上りCCRACH受信部110とを有する。
また、無線基地局装置は、移動端末装置の能力情報から下りリンクのコンポーネントキャリアと上りリンクのコンポーネントキャリア(ペアバンド)の割り当てを制御するペアバンド割り当て制御部111と、ペアバンド割り当て情報を含めて共有チャネルをスケジュールする共有チャネルスケジューラ112とを有する。
SCH信号生成部1011は、移動端末装置でセルサーチするための同期チャネル信号を生成する。SCH信号生成部1011で生成されたSCH信号は、下りCC内信号多重部104で他の信号と多重される。
SCH信号生成部1011は、LTE−Aシステムにおける少なくとも一つの下りCCに対してLTE−Aシステム固有の同期チャネル信号を生成すると共に、LTE−Aシステム固有の同期チャネル信号を多重しない一つの下りCCに対してLTEシステム用の同期チャネル信号を生成する。すなわち、図4(a)に示すように、少なくとも一つのCCにLTE−Aシステム固有のSCH信号Aを多重し、LTE−Aシステム固有のSCH信号Aを多重しない一つのCCにLTEシステム用のSCH信号Bを多重する。
なお、図4(a)においては、LTEシステム用のSCH信号Bを多重するCC(CC#3)以外のすべてのCC(CC#1,CC#2,CC#4,CC#5)にLTE−Aシステム固有のSCH信号Aを多重した場合について示しているが、本発明はこれに限定されず、LTEシステム用のSCH信号Bを多重するCC以外の少なくとも一つのCCにLTE−Aシステム固有のSCH信号Aを多重していれば良い。また、図4(a)においては、LTEシステム用のSCH信号BをCC#3に多重した場合について示しているが、本発明はこれに限定されず、LTEシステム用のSCH信号BはいずれのCCに多重しても良い。
LTE−Aシステム固有のSCH信号は、LTEシステムに対応する移動端末装置によりセルサーチが不可能であるSCH信号である。このようなSCH信号Bとしては、例えば、LTEシステム用SCH信号Bとは異なる構成・系列のSCH信号(具体的には、zad−off系列の種類を異ならせたSCH信号)、LTEシステム用SCH信号Bとは異なる時間位置にマッピングしたSCH信号、LTEシステム用SCH信号Bとは異なる周波数位置にマッピングしたSCH信号、LTE−Aシステム固有のスクランブル系列を乗算したSCH信号などを挙げることができる。
また、SCH信号生成部1011は、LTE−Aシステムにおける少なくとも一つの下りCCに対してLTEシステム用の同期チャネル信号を生成し、他の下りCCに対して同期チャネル信号を生成しない。すなわち、図4(b)に示すように、少なくとも一つ(ここでは一つ)の下りCC(CC#3)に対してLTEシステム用のSCH信号Bを多重し、他の下りCC(CC#1,CC#2,CC#4,CC#5)に対してSCH信号を生成しない。なお、図4(b)においては、LTEシステム用のSCH信号BをCC#3に多重した場合について示しているが、本発明はこれに限定されず、LTEシステム用のSCH信号BはいずれのCCに多重しても良く、複数のCCに多重しても良い。
PBCH信号生成部1012は、CCの帯域幅やアンテナ数、DBCHが受信可能なCC(アクセス可能CC)の帯域幅や中心周波数などの情報を含む報知チャネル信号(PBCH信号)を生成する。生成されたPBCH信号は、下りCC内信号多重部104で他の信号と多重される。
PBCH信号生成部1012は、LTE−Aシステムにおける少なくとも一つの下りCCに対してLTE−Aシステム固有の報知チャネル信号を生成すると共に、LTE−Aシステム固有の報知チャネル信号を多重しない一つの下りCCに対してLTEシステム用の報知チャネル信号を生成する。すなわち、図4(a)に示すように、少なくとも一つのCCにLTE−Aシステム固有のPBCH信号Aを多重し、LTE−Aシステム固有のPBCH信号Aを多重しない一つのCCにLTEシステム用のPBCH信号Bを多重する。
なお、図4(a)においては、LTEシステム用のPBCH信号Bを多重するCC(CC#3)以外のすべてのCC(CC#1,CC#2,CC#4,CC#5)にLTE−Aシステム固有のPBCH信号Aを多重した場合について示しているが、本発明はこれに限定されず、LTEシステム用のPBCH信号Bを多重するCC以外の少なくとも一つのCCにLTE−Aシステム固有のPBCH信号Aを多重していれば良い。また、図4(a)においては、LTEシステム用のPBCH信号BをCC#3に多重した場合について示しているが、本発明はこれに限定されず、LTEシステム用のPBCH信号BはいずれのCCに多重しても良い。
LTE−Aシステム固有のPBCH信号は、LTEシステムに対応する移動端末装置により受信が不可能であるPBCH信号である。このようなPBCH信号Bとしては、例えば、LTEシステム用PBCH信号Bとは異なる構成・系列のPBCH信号、LTEシステム用PBCH信号Bとは異なる時間位置にマッピングしたPBCH信号、LTEシステム用PBCH信号Bとは異なる周波数位置にマッピングしたPBCH信号、LTE−Aシステム固有のスクランブル系列を乗算したPBCH信号などを挙げることができる。
DBCH信号生成部1013は、下りCC(初期下りCC)の対となる上りCCの情報(対となる上りCCの帯域幅や中心周波数、アクセス可能CCの帯域幅や中心周波数など)をDBCH信号(報知チャネル信号)として生成する。また、DBCH信号生成部1013は、初期下りCCに関するキャリア集合情報(集合化されたCCのトータルの帯域幅又は集合化されたCCの個数、並びにその中心周波数)、LTE−Aに対応する移動端末装置固有のRACHパラメータ、及び/又はLTE−Aに対応する移動端末装置固有のページング情報が送信されるCCの中心周波数をDBCH信号(報知チャネル信号)として生成する。生成されたDBCH信号は、下りCC内信号多重部104で他の信号と多重される。
RACH応答信号、MAC/RRC制御信号生成部1014は、RACH信号(プリアンブル)の応答信号であるRACH応答信号や、制御信号(MAC/RRC制御信号)を生成する。このとき、制御信号には、共有チャネルスケジューラ112から送られる、下りリンクのCCと上りリンクのCCのペアバンド割り当て情報が含まれる。生成されたRACH応答信号、MAC/RRC制御信号は、下りCC内信号多重部104で他の信号と多重される。
SCH、BCH信号制御部1015は、LTE−Aシステム固有の同期チャネル信号及び/又は報知チャネル信号を多重する下りコンポーネントキャリアを割り当てる、又は同期チャネル信号及び/又は報知チャネル信号を多重しない下りコンポーネントキャリアを割り当てる制御信号割り当て手段である。すなわち、SCH、BCH信号制御部1015は、どのCCに対してLTE−Aシステム固有のSCHやBCH(PBCH)を多重するか、又は、どのCCに対してSCHやBCH(PBCH)を多重しないようにするか(SCHやBCH(PBCH)を送信しないようにするか)を決定する。このように、どのCCに対してLTE−Aシステム固有のSCHやBCHを多重するか、及び/又は、どのCCに対してSCHやBCHを多重しないようにするか、については、無線基地局装置で任意に決定することができる。
また、同期チャネル信号及び/又は報知チャネル信号を割り当てるCCについては、予め決められたCCを常に用いるようにしても良く、無線基地局装置と移動端末装置との間の伝搬環境に応じて適応的に制御しても良い。この場合、各コンポーネントキャリアにおける接続移動端末数、各コンポーネントキャリアの干渉電力量、各コンポーネントキャリアにおけるデータ負荷量、及び/又は無線基地局装置−移動端末装置間のパスロス(距離減衰)に基づいて、適応的に割り当てるCCを変えることが好ましい。このように適応的に割り当てるCCを変える場合には、無線基地局装置が自律分散的に制御しても良い。
下りL1/L2制御信号生成部102は、共有チャネルスケジューラ112で決定されたスケジュールに基づいて下りL1/L2制御信号を生成する。生成された下りL1/L2制御信号は、下りCC内信号多重部104で他の信号と多重される。下り共有チャネル信号生成部103は、共有チャネルスケジューラ112で決定されたスケジュールに基づいて、上位レイヤからの下り送信データを用いて下り共有チャネル信号を生成する。生成された下り共有チャネル信号は、下りCC内信号多重部104で他の信号と多重される。
上りL1/L2制御信号受信部108は、共有チャネルスケジューラ112で決定されたスケジュールに基づいて、上りCC内信号分離部107で分離された上りL1/L2制御信号を受信する。上り共有チャネル信号受信部109は、共有チャネルスケジューラ112で決定されたスケジュールに基づいて、上りCC内信号分離部107で分離された上り共有チャネル信号を受信する。この上り共有チャネル信号には、セルサーチに使用された同期チャネル信号を含む初期下りCCの対となる上りCCにおける、移動端末装置の送受信帯域幅の情報を含む。この上り共有チャネル信号のうち上り送信データは、上位レイヤに送られ、前記送受信帯域幅の情報(UE能力情報)は、ペアバンド割り当て制御部111に送られる。
ペアバンド割り当て制御部111は、UE能力情報に基づいて上りCCと下りCCのペアバンド割り当て情報を生成し、そのペアバンド割り当て情報を共有チャネルスケジューラ112に送る。例えば、UE能力情報でペアバンドを割り当てる移動端末装置の送受信帯域幅が40MHzであれば、上りCCを40MHzとし、下りCCを所定の帯域幅(例えば、60MHz)に決定し、これらの上りCCと下りCCのペアバンドを決定する(ペアバンド割り当て)。
共有チャネルスケジューラ112は、上下制御信号及び上下共有チャネルの送受信のスケジューリングを行う。また、共有チャネルスケジューラ112は、ペアバンド割り当て情報をRACH応答信号、MAC/RRC制御信号生成部1014に送る。
上りCCRACH信号受信部110は、上りCC内信号分離部107で分離された、各CCのRACH信号を受信する。このRACH信号は、LTE−Aシステムの識別情報を含む。上りCCRACH信号受信部110は、RACHパラメータと共に、RACH信号を受信した上りCC及びRACH信号受信系列を共有チャネルスケジューラ112に送る。共有チャネルスケジューラ112は、RACH信号を受信した上りCC及びRACH信号受信系列の情報を用いて、初期下りCCを同定したり、上下共有チャネル信号及び上下制御信号の送受信をスケジュールする。
図5は、本発明の実施の形態に係る移動端末装置の構成を示すブロック図である。図5に示す移動端末装置は、受信系処理部と、送信系処理部とを備えている。受信系処理部は、下り受信中心周波数を制御する下り受信中心周波数制御部201と、下り受信信号の帯域幅を抽出する受信フィルタである下り受信信号帯域幅抽出部202と、下り受信信号を分離する下り受信信号分離部203と、同期チャネル信号を受信するSCH信号受信部(セルサーチ部)204と、PBCH信号を受信するPBCH信号受信部205と、初期CCの制御信号を受信する初期下りCC制御信号受信部206と、SCH信号及び/又はBCH信号の受信方法を制御するSCH,BCH信号受信方法制御部207と、下りL1/L2制御信号を受信する下りL1/L2制御信号受信部208と、下り共有チャネル信号を受信する下り共有チャネル信号受信部209と、を有する。初期下りCC制御信号受信部206は、報知情報(DBCH)信号を受信するDBCH信号受信部2061と、RACH応答信号、制御信号(MAC/RRC信号)を受信するRACH応答信号、MAC/RRC制御信号受信部2062とを有する。
送信系処理部は、上り制御信号を生成する上りL1/L2制御信号生成部210と、上り共有チャネル信号を生成する上り共有チャネル信号生成部211と、ランダムアクセスチャネル(RACH)信号を生成するRACH信号生成部212と、上り送信信号を多重する上り送信信号多重部213と、上り送信信号の帯域幅を制限する送信フィルタである上り送信信号帯域幅制限部214と、上り送信中心周波数を制御する上り送信中心周波数制御部215とを有する。
また、移動端末装置は、下りリンクのコンポーネントキャリアと上りリンクのコンポーネントキャリア(ペアバンド)の割り当て情報を記憶するペアバンド割り当て情報記憶部216を有する。
下り受信中心周波数制御部201は、SCH信号受信部204でのセルサーチの際の下りコンポーネントキャリア(初期下りCC)の中心周波数の情報をSCH信号受信部204から受信し、その中心周波数の情報に基づいて下り受信中心周波数を制御(移動)する。また、下り受信中心周波数制御部201は、下りリンクのCCと上りリンクのCCの割り当て情報に基づいて下り受信中心周波数を制御(移動)する。この制御された下り受信中心周波数の情報は、下り受信信号帯域幅抽出部202に送られる。さらに、下り受信中心周波数制御部201は、PBCH信号におけるアクセス可能CCの中心周波数の情報をPBCH信号受信部205から受信し、その中心周波数の情報に基づいて下り受信中心周波数を制御(移動)する。また、下り受信中心周波数制御部201は、DBCH信号におけるアクセス可能CCの中心周波数の情報をDBCH信号受信部2061から受信し、その中心周波数の情報に基づいて下り受信中心周波数を制御(移動)する。
下り受信信号帯域幅抽出部202は、PBCH信号受信部205で受信した報知チャネル信号(PBCH信号)に含まれる初期下りCC情報、すなわち、初期下りCCの帯域幅、アンテナ数などの情報のうちの初期下りCCの帯域幅の情報に基づいて下り受信信号の帯域幅を抽出する。このようにしてフィルタリングされた受信信号が下り受信信号分離部203に送られる。また、下り受信信号帯域幅抽出部202は、下りリンクのCCと上りリンクのCCの割り当て情報に基づいて下り受信信号の帯域幅を抽出する。具体的には、下り受信中心周波数を用いて初期下りCC(あるいはアクセス可能CC)の帯域幅に設定した受信フィルタにより受信信号をフィルタリングする。
下り受信信号分離部203は、下り受信信号をSCH信号、BCH信号(PBCH信号、DBCH信号)、下り制御信号(L1/L2制御信号)、下り共有チャネル信号に分離する。そして、下り受信信号分離部203は、PBCH信号をPBCH信号受信部205に送り、下りL1/L2制御信号を下りL1/L2制御信号受信部208に送り、下り共有チャネル信号を下り共有チャネル信号受信部209に出力する。下り共有チャネル信号受信部209に出力された下り共有チャネル信号は、下り受信データとして上位レイヤに送られる。下り受信信号分離部203は、初期アクセスにおいて、下りリンク受信信号に初期下りCC制御信号を受信すると、報知情報信号(DBCH信号)、RACH応答信号、MAC/RRC制御信号に分離する。そして、下り受信信号分離部203は、報知情報信号(DBCH信号)をDBCH信号受信部2061に送り、RACH応答信号、MAC/RRC制御信号をRACH応答信号、MAC/RRC制御信号受信部2062に出力する。
SCH信号受信部204は、複数の下りCCのうちのいずれかの下りCCに含まれるSCH信号を用いてセルサーチする。図4(a)に示すように、LTE−Aシステム固有のSCH信号Aを多重する下りCCと、LTEシステム用のSCH信号Bを多重する下りCCとがある場合においては、SCH信号受信部204は、LTE−Aシステム固有のSCH信号Aを用いてセルサーチしても良く、LTEシステム用のSCH信号Bを用いてセルサーチしても良く、LTE−Aシステム固有のSCH信号A及びLTEシステム用のSCH信号Bの両方を用いてセルサーチしても良い。LTE−Aシステム固有のSCH信号A及びLTEシステム用のSCH信号Bの両方を用いてセルサーチする場合には、例えば、低いキャリア周波数から周波数ラスタ間隔でキャリアサーチを行っていき、あるCCにおけるいずれかのSCH信号を受信した所でキャリアサーチを止めても良く、例えば、低いキャリア周波数から周波数ラスタ間隔でキャリアサーチを行っていき、複数のCCの複数のSCH信号を順に受信しても良い。
一方、図4(b)に示すように、LTEシステム用のSCH信号Bを多重する下りCCと、SCH信号を多重しない下りCCとがある場合には、SCH信号受信部204は、LTEシステム用のSCH信号Bを用いてセルサーチする。なお、複数のCCにLTEシステム用のSCH信号Bを多重してある場合のセルサーチにおいては、例えば、低いキャリア周波数から周波数ラスタ間隔でキャリアサーチを行っていき、あるCCにおけるSCH信号を受信した所でキャリアサーチを止めても良く、例えば、低いキャリア周波数から周波数ラスタ間隔でキャリアサーチを行っていき、複数のCCの複数のSCH信号を順に受信しても良い。
セルサーチにおいて、どのSCH信号を用いるかは、SCH,BCH信号受信方法制御部207からの指示に従う。SCH信号受信部204でセルサーチしたSCH信号を含む周波数ブロックを初期下りCCとする。そして、SCH信号受信部204は、初期下りCCの中心周波数の情報を下り受信中心周波数制御部201にフィードバックする。
PBCH信号受信部205は、複数の下りCCのうちのいずれかの下りCCに含まれるPBCH信号を受信する。図4(a)に示すように、LTE−Aシステム固有のPBCH信号Aを多重する下りCCと、LTEシステム用のPBCH信号Bを多重する下りCCとがある場合においては、PBCH信号受信部205は、LTE−Aシステム固有のPBCH信号Aを受信しても良く、LTEシステム用のPBCH信号Bを受信しても良く、LTE−Aシステム固有のPBCH信号A及びLTEシステム用のPBCH信号Bの両方を受信しても良い。一方、図4(b)に示すように、LTEシステム用のPBCH信号Bを多重する下りCCと、PBCH信号を多重しない下りCCとがある場合には、PBCH信号受信部205は、LTEシステム用のPBCH信号Bを受信する。
どのようにPBCH信号を受信するかは、SCH,BCH信号受信方法制御部207からの指示に従う。PBCH信号受信部205は、PBCH信号に含まれる初期下りCC情報、すなわち、初期下りCCの帯域幅、アンテナ数などの情報のうちの初期下りCCの帯域幅の情報を抽出して、下り受信信号帯域幅抽出部202に出力する。また、PBCH信号には、DBCHが受信可能なCC(アクセス可能CC)の情報(中心周波数など)が含まれるので、PBCH信号受信部205は、PBCH信号からアクセス可能CCの情報を抽出して、下り受信中心周波数制御部201に出力する。
DBCH信号受信部2061は、セルサーチしたSCH信号を含む初期下りCCの対となる上りCC情報(帯域幅及び中間周波数)を含む報知情報信号(DBCH)を受信する。DBCH信号受信部2061は、上りCC情報を上り送信信号帯域幅制限部214及び上り送信中心周波数制御部215にフィードバックする。このように、上りCC情報を上り送信信号帯域幅制限部214及び上り送信中心周波数制御部215にフィードバックすることにより、初期下りCCと対となる上りCCでの上り送信することができる。また、DBCH信号には、アクセス可能CCの情報(中心周波数など)が含まれるので、DBCH信号受信部2061は、DBCH信号からアクセス可能CCの情報を抽出して、下り受信中心周波数制御部201に出力する。
また、DBCH信号は、初期下りCCの対となる上りCC情報の他に、初期下りCCに関するキャリア集合情報(集合化されたCCのトータルの帯域幅又は集合化されたCCの個数、並びにその中心周波数)、LTE−Aシステムに対応する移動端末装置固有のRACHパラメータ、及びLTE−Aに対応する移動端末装置固有のページング情報が送信されるCCの中心周波数を含むが好ましい。この場合においては、DBCH信号受信部2061は、キャリア集合情報やページング情報が送信されるCCの中心周波数を上り送信信号帯域幅制限部214及び上り送信中心周波数制御部215にフィードバックし、LTE−Aシステムに対応する移動端末装置固有のRACHパラメータをRACH信号生成部212に出力する。DBCH信号受信部2061がキャリア集合情報を上り送信信号帯域幅制限部214及び上り送信中心周波数制御部215にフィードバックすることにより、広帯域で上り信号を送信することができる。また、DBCH信号受信部2061が移動端末装置固有のRACHパラメータをRACH信号生成部212に出力することにより、RACH信号でLTE−A対応端末であるかどうかを無線基地局装置に通知することが可能となる。また、ページング情報が送信されるCCの中心周波数を上り送信信号帯域幅制限部214及び上り送信中心周波数制御部215にフィードバックすることにより、アイドルモードにおいてページング情報を受信することが可能となる。
RACH応答、MAC/RRC制御信号受信部2062は、RACH応答信号、制御信号(MAC/RRC信号)を受信する。制御信号(MAC/RRC信号)には、下りリンクのCCと上りリンクのCC(ペアバンド)の割り当て情報が含まれるので、このペアバンド割り当て情報をペアバンド割り当て情報記憶部216に出力する。ペアバンド割り当て情報記憶部216では、このペアバンド割り当て情報を記憶する。ペアバンド割り当て情報は、ペアバンド割り当て後に、下り受信中心周波数制御部201、下り受信信号帯域幅抽出部202、上り送信信号帯域幅制限部214、及び上り送信中心周波数制御部215で用いられる。
上り共有チャネル信号生成部211は、上位レイヤからの上り送信データを用いて上り共有チャネル信号を生成する。この上位レイヤからの上り送信データには、自装置の送受信帯域幅の情報(能力情報)が含まれる。このように、自装置の送受信帯域幅の情報を上りリンク送信信号で無線基地局装置に送信することにより、無線基地局装置において、上下リンクのペアバンドの割り当てを効率良く行うことができる。
RACH信号生成部212は、RACH信号(プリアンブル及びメッセージ)を生成する。このRACH信号は、LTE−Aシステムに対応する移動端末装置固有のLTE−Aシステムの識別情報(固有の信号系列)を含んでも良い。これにより、RACH信号でLTE−A対応端末であるかどうかを無線基地局装置に通知することが可能となる。
上り送信信号多重部213は、上りL1/L2制御信号生成部210で生成された上り制御信号、上り共有チャネル信号生成部211で生成された上り共有チャネル信号、及びRACH信号生成部212で生成されたRACH信号を多重する。上り送信信号多重部213は、多重された送信信号を上り送信信号帯域幅制限部214に出力する。
上り送信信号帯域幅制限部214は、DBCH信号受信部2061からの上りCC情報(帯域幅及び中間周波数)に基づいて上り送信信号帯域幅制限を制限する。このようにしてフィルタリングされた送信信号が上り送信中心周波数制御部215に送られる。また、上り送信信号帯域幅制限部214は、下りリンクのCCと上りリンクのCCの割り当て情報に基づいて上り送信信号の帯域幅を制限する。具体的には、上り送信中心周波数を用いて上りCCの帯域幅に設定した送信フィルタにより送信信号をフィルタリングする。
上り送信中心周波数制御部215は、DBCH信号受信部2061からの上りCC情報(帯域幅及び中間周波数)に基づいて上り送信中心周波数を制御(移動)する。また、上り送信中心周波数制御部215は、下りリンクのCCと上りリンクのCCの割り当て情報に基づいて上り送信中心周波数を制御(移動)する。
次に、上記構成を有する移動端末装置と無線基地局装置との間で初期アクセスする場合について説明する。図6は、本発明における初期アクセスの手順を説明するための図である。ここでは、LTE−Aシステム対応の移動端末装置の初期アクセス手順について説明する。
本実施の形態における初期アクセス方法においては、移動端末装置で、複数のコンポーネントキャリアで構成される相対的に広い第1システム帯域を持つ第1移動通信システムにおける少なくとも一つの下りコンポーネントキャリアに多重された、前記第1移動通信システム固有の同期チャネル信号、及び/又は、前記第1移動通信システムにおける一つの下りコンポーネントキャリアに多重された、相対的に狭い第2システム帯域を持つ第2移動通信システム用の同期チャネル信号を用いてセルサーチし、前記セルサーチに用いた同期チャネル信号を含む下りコンポーネントキャリアの情報、及び無線基地局装置から報知される報知情報に含まれる上りコンポーネントキャリアの情報に基づいて割り当てられた上下コンポーネントキャリアでランダムアクセスする。
まず、移動端末装置において、複数の下りCCのうちいずれかの下りCCに含まれるSCH信号を用いてSCH信号受信部204でセルサーチする(ST11)。このとき、SCH,BCH信号受信方法制御部207からの指示に従って、SCH信号受信部204は、LTE−Aシステム固有のSCH信号A及び/又はLTEシステム用のSCH信号Bを用いてセルサーチする。そして、セルサーチして接続するCCを初期下りCCとする。ここでは、図8において、下りCC(DCC)#2を初期下りCCとする。
無線基地局装置は、PBCH信号生成部1012で初期下りCCの情報(帯域幅、アンテナ数など)を含むPBCH信号を生成し、このPBCH信号を送信しているので、移動端末装置は、そのPBCH信号を受信する(ST12)。また、無線基地局装置は、DBCH信号生成部1013で初期下りCCと対となる上りCCの情報(帯域幅、中心周波数)を含む報知情報信号(DBCH信号)を生成し、このDBCH信号を送信しているので、移動端末装置は、そのDBCH信号を受信する(ST12)。ここでは、図8に示すように、DCC#2の対となる上りCCはUCC#1とする。
このとき、移動端末装置は、受信したPBCH信号の初期下りCCの情報(帯域幅、アンテナ数)を用いて、下り受信信号帯域幅抽出部202で下り受信信号の帯域幅を抽出できるようにすると共に、下り受信中心周波数制御部201で下り受信中心周波数を制御する。また、移動端末装置は、受信したDBCH信号の初期下りCCと対となる上りCCの情報(帯域幅、中心周波数)を用いて、上り送信信号帯域幅制限部214で上り送信信号の帯域幅を制限すると共に、上り送信中心周波数制御部215で上り送信中心周波数を制御する。これにより、初期下りCC(DCC#2)と上りCC(UCC#1)のペアバンドを決定する(LTEのペアバンド)。ここまでで、初期ペアバンドサーチが完了する。
上記移動通信システムにおいては、すべての下りCCでDBCHを送信しない場合も考えられる。この場合においては、UEで、DBCHを送信する下りCCを受信できないと、上述したペアバンドを決定することができない。このため、すべての下りCCでDBCHを送信しない場合については、PBCH又はDBCHでアクセス可能CCの情報を報知し、その情報に基づいてペアバンドを決定することが好ましい。また、上記移動通信システムにおいては、周波数の低い領域から高い領域に移動しながらセルサーチを行う。したがって、SCH信号を受信した下りCCを初期下りCCとすると、相対的に低い周波数の下りCCに初期下りCCが集中してしまうことになる可能性がある。このため、すべての下りCCでDBCHを送信しない場合については、PBCHでDBCHが受信可能なCCの情報を報知し、その情報に基づいてペアバンドを決定する。このような場合についても、PBCH又はDBCHでアクセス可能CCの情報を報知し、その情報に基づいてペアバンドを決定することが好ましい。
この場合のペアバンド決定について図7及び図9を用いて説明する。
まず第1の方法では、移動端末装置において、複数の下りCCのうちいずれかの下りCCに含まれるSCH信号を用いてSCH信号受信部204でセルサーチする。このとき、セルサーチして接続するCCを初期下りCCとする。ここでは、図8において、下りCC(DCC)#4を初期下りCCとする。
無線基地局装置は、PBCH信号生成部2012で初期下りCCの情報(帯域幅、アンテナ数、DBCHが受信可能なCC(アクセス可能CC)など)を含むPBCH信号を生成し、このPBCH信号を送信しているので、移動端末装置は、そのPBCH信号を受信する(ST21)。ここでは、図8において、下りCC(DCC)#2をアクセス可能CCとする。次いで、移動端末装置は、PBCHで報知されたCCの情報に基づいて、アクセス可能CCに中心周波数を移動する(ST22)。
次いで、移動端末装置は、アクセス可能CCのDBCH信号を受信して(ST23)、初期下りCCと対となる上りCCの情報(帯域幅、中心周波数)を用いて、上り送信信号帯域幅制限部114で上り送信信号の帯域幅を制限すると共に、上り送信中心周波数制御部115で上り送信中心周波数を制御する。これにより、アクセス可能下りCC(DCC#2)と上りCC(UCC#1)のペアバンドを決定する(LTEのペアバンド)。ここまでで、初期ペアバンドサーチが完了する。これにより、すべての下りCCでDBCHを送信しない場合についてもペアバンドを決定することができる。このようなセルサーチによれば、DBCHを受信する前にアクセス可能CCに中心周波数を移動するので、迅速にペアバンドを決定することができる。
次に第2の方法では、移動端末装置において、複数の下りCCのうちいずれかの下りCCに含まれるSCH信号を用いてSCH信号受信部204でセルサーチする。このとき、セルサーチして接続するCCを初期下りCCとする。ここでは、図8において、下りCC(DCC)#4を初期下りCCとする。
無線基地局装置は、PBCH信号生成部2012で初期下りCCの情報(帯域幅、アンテナ数など)を含むPBCH信号を生成し、このPBCH信号を送信しているので、移動端末装置は、そのPBCH信号を受信する(ST31)。次いで、移動端末装置は、DBCH信号を受信する。この方法においては、DBCH信号に、アクセス可能CCの情報が含まれているので、移動端末装置は、DBCH信号を受信することにより、アクセス可能CCを認識することができる(ST32)。ここでは、図8において、下りCC(DCC)#2をアクセス可能CCとする。次いで、移動端末装置は、DBCHで報知されたアクセス可能CCの情報に基づいて、アクセス可能CCに中心周波数を移動する(ST33)。そして、初期下りCCと対となる上りCCの情報(帯域幅、中心周波数)を用いて、上り送信信号帯域幅制限部114で上り送信信号の帯域幅を制限すると共に、上り送信中心周波数制御部115で上り送信中心周波数を制御する。これにより、アクセス可能下りCC(DCC#2)と上りCC(UCC#1)のペアバンドを決定する(LTEのペアバンド)。ここまでで、初期ペアバンドサーチが完了する。これにより、すべての下りCCでDBCHを送信しない場合についてもペアバンドを決定することができる。このようなセルサーチによれば、PBCH信号にアクセス可能CCの情報が含まれないので、PBCH信号のオーバーヘッドが大きくなることを防止できる。
また、無線基地局装置は、DBCH信号生成部1013でLTE−A端末であるかどうかを識別できるRACHパラメータを含む報知情報信号(DBCH信号)を生成し、このDBCH信号を送信しているので、移動端末装置は、そのDBCH信号を受信する。移動端末装置は、RACH信号生成部212で、受信したRACHパラメータに基づいてRACH信号を生成し、そのRACH信号を上りCC(UCC#1)で無線基地局装置に送信する(ランダムアクセス)(ST13)。
無線基地局装置は、上りCCRACH信号受信部(ここではUCC#1のRACH信号受信部)110でRACH信号を受信すると、RACH応答信号、MAC/RRC制御信号生成部1014でRACH応答信号を生成し、そのRACH応答信号を初期下りCC(DCC#2)で移動端末装置に送信する。移動端末装置は、RACH応答信号を受信した後に、上り共有チャネル信号生成部211で上り共有チャネル信号を生成し、上りCC(UCC#1)のPUSCH(Physical Uplink Shared Channel)で上り共有チャネル信号を無線基地局装置に送信する。このとき、上り共有チャネルには、自装置の送受信帯域幅の情報(UE能力情報)が含まれており、このUE能力情報が無線基地局装置に通知される(ST13)。
また、移動端末装置は、上り共有チャネル信号生成部211で、UE能力情報(自装置の送受信帯域幅の情報)を含む上り共有チャネル信号を生成し、その上り共有チャネル信号を上りCC(UCC#1)で無線基地局装置に送信する(ST13)。無線基地局装置においては、上り共有チャネル信号受信部109で上り共有チャネル信号を受信すると、UE能力情報をペアバンド割り当て制御部111に送る。ペアバンド割り当て情報制御部111は、UE能力情報を受け取ると、そのUE能力(ここでは2つのCC分の帯域幅(40MHz))に基づいて上下CCのペアバンドを割り当てる。ここでは、図8に示すように、上りリンクがUCC#1,UCC#2であり、下りリンクがDCC#1,DCC#2,DCC#3である。ペアバンド割り当て制御部111は、ペアバンド割り当て情報を共有チャネルスケジューラ112に送る。共有チャネルスケジューラ112は、ペアバンド割り当て情報を用いて上下制御信号及び上下共有チャネル信号をスケジューリングする。また、無線基地局装置は、RACH応答信号、MAC/RRC制御信号生成部1014で制御信号(MAC/RRC制御信号)を生成し、この下りCC(DCC#2)のPDSCH(Physical Downlink Shared Channel)で制御信号を移動端末装置に送信する。このとき、制御信号(MAC/RRC制御信号)には、ペアバンド割り当て情報が含まれており、このペアバンド割り当て情報が移動端末装置に通知される(ST14)。ここまでで、初期ペアバンドでの処理が終了する。
次に、割り当てられたペアバンドで処理される。移動端末装置においては、RACH応答信号、MAC/RRC制御信号受信部2062でペアバンド割り当て情報を含む制御信号を受信すると、このペアバンド割り当て情報がペアバンド割り当て情報記憶部216に送られ、格納される。このペアバンド割り当て情報は、下り受信信号帯域幅抽出部202、下り受信中心周波数制御部201、上り送信信号帯域幅制限部214及び上り送信中心周波数制御部215に送られ、各処理部で割り当てられたペアバンドに基づいて周波数が調整(移動)される(ST15)。具体的には、下り受信中心周波数制御部201は、下りCCs(DCC#1,DCC#2,DCC#3)の帯域幅(集合化されたCCs)の中心周波数に調整し、下り受信信号帯域幅抽出部202は、下りCCs(DCC#1,DCC#2,DCC#3)の帯域幅で下り受信信号を抽出する。また、上り送信中心周波数制御部215は、上りCCs(UCC#1,UCC#2)の帯域幅(集合化されたCCs)の中心周波数に調整し、上り送信信号帯域幅制限部214は、上りCCs(UCC#1,UCC#2)の帯域幅に上り送信信号を制限する。これにより、移動端末装置は、割り当て後の広帯域の周波数帯域を用いて無線基地局装置と通信する。その後、移動端末装置は、下り制御情報(L1/L2制御信号)を受信し、ユーザIDを照合し、ユーザIDに対応する無線リソース割り当て情報を復号する(ブラインド復号)(ST16)。その後、移動端末装置は、共有データチャネルを送受信する。
このようにして、図10に示すように、ランダムアクセス時についてはLTEシステムと同様にしてペアバンド(DCC#2−UCC#1)を確定し、そのペアバンドを用いて、UE能力情報やペアバンド割り当て情報を送受信して広帯域に割り当てられたペアバンド(DCC#1,DCC#2,DCC#3−UCC#1,UCC#2)を確定する。このため、複数の移動通信システム(LTEシステムとLTE−Aシステム)が混在する際において、それぞれの移動通信システムに対応して初期アクセスすることが可能となる。
なお、LTEシステム対応の移動端末装置は、LTE−Aシステム固有のSCHやPBCHを検出することができない(あるいは、あるCCではSCHやPBCHが送信されていないため検出できない)ため、LTEシステム用のSCHのみを用いてセルサーチすることになる。したがって、LTEシステム対応の移動端末装置については、所望のCCで初期アクセスさせることが可能となる。
このように、本発明においては、下りCCにおいて、LTE−Aシステム固有のSCH(PBCH)を送信し、別の下りCCにおいて、LTEシステム用のSCH(PBCH)を送信する送信方法、あるいは、あるCCでSCH(PBCH)を送信せず、別の下りCCにおいて、LTEシステム用のSCH(PBCH)を送信する送信方法を採用する。このとき、LTEシステム用のSCH(PBCH)は、LTEシステム対応の移動端末装置に初期アクセスさせたい下りCCに多重しておく。これにより、LTEシステム対応の移動端末装置は、LTE−Aシステム固有のSCH(PBCH)が多重された下りCCやSCH(PBCH)が多重されていない下りCCで初期アクセスすることができないので、必然的にLTEシステム用のSCH(PBCH)が多重されているCCで初期アクセスをすることとなる。初期アクセスするCCは、LTEシステム対応の移動端末装置に初期アクセスさせたいCCであるので、通信を開始する段階においてセルサーチにより検出したCCから異なるCCに周波数を移動させる必要がなくなる。その結果、LTE−AシステムとLTEシステムとが混在する際において、無線基地局装置と移動端末装置との間の制御遅延を短縮することが可能となる。さらに、移動端末装置に対して、CCを移動させるための制御情報の通知が不要になるので(又は、必要であるとしても制御情報を低減できるので)、制御情報のオーバーヘッド量を低減することができる。さらに、CCを移動させるための制御情報を通知する方法に比べて、セルサーチ時間を短縮できる可能性もある。
本発明は上記実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。例えば、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、上記説明におけるコンポーネントキャリアの割り当て、処理部の数、処理手順、コンポーネントキャリアの数、コンポーネントキャリアの集合数については適宜変更して実施することが可能である。その他、本発明の範囲を逸脱しないで適宜変更して実施することが可能である。