JP5666063B2 - 通話装置 - Google Patents
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Description
同様に、自局からの送話音声に重畳されたエコーについても、対向局における送話側のエコーキャンセラで消去しきれず、自局側に戻ってきてしまう。
特許文献1に開示される受話側のエコーキャンセラは、このようにして戻ってきた残響を、自局内の状態(自局から送信する送話音声)に基づいてエコーキャンセラのフィルタ係数を決定して消去しようとするものである。
図1は、従来の通話装置の構成を示すブロック図である。図1に示すように、従来の通話装置100は、移動機200を接続することでハンズフリー通話装置であり、例えば、ハンズフリー通話機能を有する車載用ナビゲーション装置などで実現される。
また、通話装置100は、マイク101、スピーカ102、送話エコーキャンセラ103、受話エコーキャンセラ104および移動機インタフェース部105を備えて構成される。マイク101は、移動機200により対向局へ送信する送話音声を入力する。スピーカ102は、移動機200により対向局から受信した受話音声を出力する。
なお、移動機インタフェース部105と移動機200とは、通信ケーブルを介した有線通信で接続してもよい。
移動機200は、移動通信回線網を介して他の移動機と通信を行う通信機であり、携帯電話機やスマートフォンで実現される。
例えば、自局において、スピーカ102から出力された対向局からの受話音声がマイク101に音響エコーとして回り込む。このような音響エコーを消去するため、送話エコーキャンセラ103が設けられる。
また、通話装置100の内部回路における側音や、対向局の通話装置100’が備える送話エコーキャンセラ103’で消去しきれずに、自局側への受話音声に重畳された残響などの回線エコーを消去するため、受話エコーキャンセラ104が設けられる。
例えば、自局において、移動機インタフェース部105が、マイク101から入力されたアナログ送話音声をデジタル送話音声に変換し、移動機200との通信における通信方式(Bluetoothなど)に規定される音声コーデックを利用してデジタル送話音声を圧縮する。続いて、移動機200は、移動機インタフェース部105を介して受信したデジタル送話音声を、移動機200’との間を接続する移動電話網の通信方式にあらかじめ規定された音声コーデックを利用して圧縮する。
次に、移動機インタフェース部105’が、復元されたデジタル受話信号をさらに移動機200’との間の通信における通信方式に規定される音声コーデックで復元し、復元後のデジタル受話音声をアナログ受話音声に変換する。この後、アナログ受話音声は、スピーカ102’から出力される。
すなわち、音声コーデックを利用して圧縮、復元を行う通話経路においては音声が変化する。例えば、Bluetoothに必須の音声コーデックであるSBC(Sub Band Codec)は不可逆圧縮コーデックであり、受話音声の状態に応じて圧縮前の音声を完全には再現できなくなる。
一方、自局の受話エコーキャンセラ104では、自局と対向局の間の通話経路を介していない送話音声と、適応フィルタのフィルタ係数とに基づいた演算処理によって、通話経路で変化している受話音声に重畳されるエコーを適応的に同定しようとする。このため、通話経路における変化の特性によっては受話音声に重畳された上記残響成分を完全に消去できない。
従って、自局および対向局でそれぞれ使用される通信機器と通信方式がわかれば、これらにより実現される通話経路で使用する音声コーデックを特定することができ、自局と対向局の間の通話経路における音声の変化を推定することが可能となる。
このようにすることで、受話エコーキャンセラの消去能力を高められ、受話音声に重畳された上記残響成分による音質の低下を軽減することができる。
受話エコーキャンセル部13aは、推定部15から入力した、自局と対向局の間の通話経路の通信方式に規定された音声コーデックによる変化を反映させた送話音声と適応フィルタのフィルタ係数とに基づいた演算処理によって、受話音声に重畳される回線エコーを適応的に同定した擬似エコー信号を生成する。演算器13bは、受話エコーキャンセル部13aが生成した擬似エコー信号を取り込んで、受話音声に重畳されたエコー成分を減算する。
移動機2は、移動通信回線網を介して他の移動機と通信を行う通信機であり、携帯電話機やスマートフォンで実現される。
例えば、通話経路A、通話経路B,B’の各通信方式に規定されている音声コーデックによる音声の変化特性に従って、通話経路A、通話経路B,B’における送話音声の変化をそれぞれ推定し、これらの変化を送信前の送話音声に反映する。変化が反映された送話音声は、推定部15から受話エコーキャンセラ13に出力される。
受話エコーキャンセラ13の受話エコーキャンセル部13aでは、推定部15から入力した通話経路A、通話経路B,B’における変化を反映させた送話音声と適応フィルタのフィルタ係数とに基づいた演算処理により、受話音声に重畳されているエコーを適応的に同定した擬似エコー信号を生成する。
演算器13bは、受話エコーキャンセル部13aが生成した擬似エコー信号を取り込んで、受話音声に重畳されたエコー成分を減算する。
これにより、通話経路A、通話経路B,B’における送話音声の変化により対向局からの受話音声に重畳されたエコーを消去することができる。
図4は、この発明の実施の形態2に係る通話装置の構成を示すブロック図である。図4において、実施の形態2に係る通話装置1Aは、移動機2を接続することでハンズフリー通話装置であり、例えば、ハンズフリー通話機能を有する車載用ナビゲーション装置などで実現される。なお、図示は省略したが、図4に示す通話装置1Aが自局と対向局であるものとし、自局の通話装置1Aと移動機2の間の通話経路B、移動機2,2間の通話経路A、対向局の通話装置1Aと移動機2の間の通話経路B’であるものとする。
また、通話装置1Aは、図4に示すように、マイク10、スピーカ11、送話エコーキャンセラ12、受話エコーキャンセラ13、移動機インタフェース部14、推定部15Aおよびデータベース16を備えて構成される。なお、図4において、図3と同一構成要素には同一符号を付して説明を省略する。
データベース16は、自局と対向局の間で想定される通話経路と各通話経路の通信方式に規定された音声コーデックによる音声の変化特性とを対応付けて記憶するデータベースである。例えば、データベース16には、通話経路を示す情報として、通話装置1Aで使用が想定される通信機器およびその通信機器が使用する通信方式が記憶され、通信方式が規定する音声コーデックによる変化特性が対応付けられる。
ここでは、実施の形態2に係る通話装置による通話経路における送話音声の変化の推定と推定結果を用いた受話側のエコー消去処理を述べる。
受話エコーキャンセラ13がエコー消去処理を実行する場合、まず、推定部15Aが、データベース16に記憶される各通話経路における変化特性に従う変化をそれぞれ送話音声に反映して受話エコーキャンセラ13に出力する。
この後、推定部15Aは、ユーザから通話経路の設定を受けることなく、受話エコーキャンセラ13がエコー消去処理を行う際に、データベース16に記憶される通話経路から最も相関が高いと判別した通話経路の通信方式に規定された音声コーデックによる音声の変化特性を読み出し、これに従う変化を送信前の送話音声に反映して受話エコーキャンセラ13に出力する。
受話エコーキャンセラ13は、この送話音声に基づいてエコー消去処理を実行することで、受話音声に重畳されたエコーを受話側で的確に消去することができる。
そこで、ある通話経路を判別してから所定の時間が経過した後や、ユーザからの要求があった場合は、再度エコー消去量に基づく相関が高い通話経路を検索する。これにより、相関の変化に伴うエコー消去能力の劣化を防止することができる。
図5は、この発明の実施の形態3に係る通話装置の構成を示すブロック図である。図5において、実施の形態3に係る通話装置1Bは、移動機2を接続することでハンズフリー通話装置であり、例えば、ハンズフリー通話機能を有する車載用ナビゲーション装置などで実現される。なお、図示は省略したが、図5に示す通話装置1Bが自局と対向局であるものとし、自局の通話装置1Bと移動機2の間の通話経路B、移動機2,2間の通話経路A、対向局の通話装置1Bと移動機2の間の通話経路B’であるものとする。
また、通話装置1Bは、図5に示すように、マイク10、スピーカ11、送話エコーキャンセラ12、受話エコーキャンセラ13、移動機インタフェース部14、推定部15Bおよびデータベース17を備えて構成される。なお、図5において、図3と同一構成要素には同一符号を付して説明を省略する。
データベース17は、自局と対向局の間で想定される通話経路、各通話経路の通信方式に規定された音声コーデックによる音声の変化特性、および、自局と対向局の間の通話によって得られる通話情報をそれぞれ対応付けて記憶するデータベースである。
例えば、データベース17には、通話経路を示す情報として、通話装置1Bで使用が想定される通信機器およびその通信機器が使用する通信方式が記憶されており、通信方式が規定する音声コーデックによる変化特性および自局と対向局の間の通話により得られる通話情報が対応付けられる。
図6は、実施の形態3に係る通話装置による動作を示すフローチャートであり、この図に沿って実施の形態3における送話音声の変化の推定処理を述べる。
自局と対向局の間での通話がいったん終了すると、推定部15Bが、対向局の通話装置1Bとの通話に対応する通話情報を取得する(ステップST1)。通話情報には、例えば自局の通話装置1Bや移動機2の種類、対向局の電話番号などが挙げられる。
通話情報が一致するデータがあると(ステップST3;あり)、推定部15Bは、当該通話情報に対応する通話経路の通信方式で規定された音声コーデックによる音声の変化特性をデータベース17から読み出し、これに従う変化を送信前の送話音声に反映して受話エコーキャンセラ13に出力する。
受話エコーキャンセラ13の受話エコーキャンセル部13aは、推定部15Bから入力した送話音声と適応フィルタのフィルタ係数とに基づいた演算処理によって、受話音声に重畳されているエコーを適応的に同定した擬似エコー信号を生成する。このようにして、受話エコーキャンセラ13におけるエコー消去に関する設定(擬似エコー信号)が更新される(ステップST4)。
受話エコーキャンセラ13が、推定部15Bから逐次入力した各通話経路における変化を反映させた送話音声に基づいて、受話音声に重畳されたエコーを消去する。
受話エコーキャンセラ13による各送話音声におけるエコーの消去量は、推定部15Bにフィードバックされる。
推定部15Bは、フィードバックされた各送話音声に対応するエコー消去量から、最大値が得られた送話音声を判別し、この送話音声に反映させた変化に対応する通話経路を、現在の自局と対向局の間の通話経路に最も相関が高いと判別する。ここまでの処理が、ステップST5における相関の高いデータの再検索に相当する。
受話エコーキャンセラ13の受話エコーキャンセル部13aは、推定部15Bから入力した送話音声と適応フィルタのフィルタ係数とに基づいた演算処理によって、受話音声に重畳されているエコーを適応的に同定した擬似エコー信号を生成する。このようにして、受話エコーキャンセラ13におけるエコー消去に関する設定(擬似エコー信号)が更新される(ステップST4)。
従って、最終的な音声の変化特性を得た組み合わせが通話経路としてデータベース17に登録されていない場合もある。
そこで、最終的な音声の変化特性を得た組み合わせが通話経路として登録されていなければ(ステップST6;必要)、推定部15Bは、最終的な音声の変化特性を得た組み合わせを通話経路としてデータベース17に登録することにより、その内容を更新する(ステップST7)。
最終的な音声の変化特性を得た組み合わせが通話経路として登録されていれば(ステップST6;不要)、ステップST1の処理に戻る。
Claims (2)
- 自局と対向局の間の通話経路の通信方式に規定された音声コーデックによる送話音声の変化を推定し、当該変化を送信前の送話音声に反映する推定部と、
前記推定部により変化が反映された送話音声に基づいて、前記送話音声の変化によって前記対向局からの受話音声に重畳されたエコーを消去する受話エコーキャンセラと、
前記自局と前記対向局の間で想定される通話経路と各通話経路の通信方式に規定される音声コーデックによる音声の変化特性とを対応付けて記憶するデータベースとを備え、
前記推定部は、前記データベースに記憶される前記各通話経路における変化特性に従う変化を反映させた送話音声のうち、前記受話エコーキャンセラによってエコーが最も消去されたときの送話音声を判別し、当該送話音声に反映させた変化特性に対応する通話経路を、前記自局と前記対向局の間における通話経路とすることを特徴とする通話装置。 - 自局と対向局の間の通話経路の通信方式に規定された音声コーデックによる送話音声の変化を推定し、当該変化を送信前の送話音声に反映する推定部と、
前記推定部により変化が反映された送話音声に基づいて、前記送話音声の変化によって前記対向局からの受話音声に重畳されたエコーを消去する受話エコーキャンセラと、
前記自局と前記対向局の間で想定される通話経路、各通話経路の通信方式に規定される音声コーデックによる音声の変化特性と前記自局、および前記対向局の間の通話によって得られる通話情報をそれぞれ対応付けて記憶するデータベースとを備え、
前記推定部は、前記データベースに記憶される通話経路のうち、前記自局と前記対向局の間の通話によって取得された前記通話情報に対応する通話経路を判別し、当該通話経路を、前記自局と前記対向局の間における通話経路とすることを特徴とする通話装置。
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