JP5745475B2 - エコー消去方法とそのシステムと各装置 - Google Patents

エコー消去方法とそのシステムと各装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5745475B2
JP5745475B2 JP2012175742A JP2012175742A JP5745475B2 JP 5745475 B2 JP5745475 B2 JP 5745475B2 JP 2012175742 A JP2012175742 A JP 2012175742A JP 2012175742 A JP2012175742 A JP 2012175742A JP 5745475 B2 JP5745475 B2 JP 5745475B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
transmission
signal
reception
echo
remote device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2012175742A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014036291A (ja
Inventor
江村 暁
暁 江村
仲 大室
仲 大室
羽田 陽一
陽一 羽田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Telegraph and Telephone Corp filed Critical Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority to JP2012175742A priority Critical patent/JP5745475B2/ja
Publication of JP2014036291A publication Critical patent/JP2014036291A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5745475B2 publication Critical patent/JP5745475B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Telephonic Communication Services (AREA)
  • Circuit For Audible Band Transducer (AREA)
  • Cable Transmission Systems, Equalization Of Radio And Reduction Of Echo (AREA)

Description

この発明は、拡声通話系において音響エコーを消去するエコー消去方法とそのシステムと各装置に関する。
インターネットの普及に伴いTCP/IP関連技術の開発が進み、VoIP技術を利用したIP電話が実用化されている。IP電話は、従来の回線交換型電話網と比較して低コストで柔軟なネットワークを構築することができ、例えば、画像通信と組み合わせてテレビ会議システムなどに利用されている。
テレビ会議システムでは、ハンドセット(送受話器)を使用せずに、机上のマイクロホンとスピーカにより音声のやり取りを行う拡声型電話の形式をとる。このような拡声通話では、スピーカから出力される相手側(受話側)の音声がマイクロホンに入力されてエコーが生じる。エコーは、音声通信の了解度を低下させて通信品質を悪化させるだけではなく、ハウリングを生じさせて通信不能に陥らせることもある。そのため、拡声通話装置では、エコーを抑圧する目的でエコーキャンセラを用いる。
図11に、このエコーキャンセラ90の構成を示し、その動作を簡単に説明する。エコーキャンセラは送受話端末900の内部に設けられる。エコーキャンセラ90は、適応フィルタ部91、音声スイッチ部93、ノイズ抑圧部95、エコー抑圧部92、を備える。
適応フィルタ部91は、スピーカ再生信号(受話信号)とマイクロホン収音信号(送話信号)から、スピーカ・マイクロホン間のエコーパス情報を推定し、受話信号とエコーパス情報からエコーレプリカを生成し、送話信号からエコーレプリカを差し引くことで、エコーを消去する(例えば非特許文献1)。
ノイズ抑圧部95は、周波数ごとにノイズレベルを推定してノイズを抑圧する(例えば特許文献1)。エコー抑圧部92は、周波数ごとに送話音声と残留エコーのレベル比を推定して周波数ごとに、送話音声レベル/(送話音声レベル+残留エコーレベル)の比率を乗じることでエコーを抑圧する(例えば特許文献2)。音声スイッチ部93は、音声通信においては送話と受話とが交互に行われることが多いことに着目して受話と送話のどちらが優勢かを判定し、優勢でない方の信号レベルを減衰させる。
以上の何れの処理においても、スピーカ再生信号とマイクロホン収音信号が必ず同期していることが前提になっている。そのため通常、エコーキャンセラ90は送受話端末の内部に設けられる。
特許第3309895号 特許第3420705号
北脇信彦編著「未来ねっと技術シリーズ2 ディジタル音声・オーディオ技術」電気通信協会,1999,p.218-223.
エコーキャンセル処理は、送受話端末側で実行するのが従来の常識である。エコーキャンセル処理をネットワーク上で実現できれば、送受話端末の仕様上の自由度を高めることが可能になる。例えば、送受話端末側の処理能力の大半を例えば映像信号の処理に振り向け、音声信号の処理はネットワーク上で行うことができる。このように送受話端末の負担を軽減することができる。また、送受話端末の音声信号処理の方法を、比較的簡単に更新することも可能になる。
この発明は、エコーキャンセルをネットワーク上で実現する新しいエコーキャンセル方法と、そのシステムと各装置を提供することを目的とする。
この発明のエコーキャンセル方法は、送受話信号送信過程と、エコー消去過程と、を備える。送受話信号送信過程は、送受話端末が同時刻の送話信号と受話信号を、ネットワークを介して接続されるリモート装置に送信する。エコー消去過程は、リモート装置が上記同時刻の受話信号と送話信号とを入力として、当該受話信号と送話信号からエコーパス情報を求めて受話信号によるエコーレプリカを生成し、送話信号から当該エコーレプリカを消去した送話信号を、ネットワークを介して接続される上記送受話端末以外の他の送受話端末に送信する。
この発明のエコーキャンセル方法は、ネットワークに接続されるリモート装置に、送受話端末から同時刻の送信信号と受話信号を送信し、リモート装置でエコー消去処理を行う。これによりネットワークの伝達特性の変動を全く受けずに安定、かつ、高精度にエコーを消去することができる。また、送受話端末のハードウェア上及びソフトウェア上の負担を軽減することができる。また、送受話端末の音声信号処理の方法を、比較的簡単に更新することを可能にする。
送受話端末側で行われて来た従来のエコーキャンセル処理をそのままリモート装置で処理する場合の機能構成例を示す図。 この発明のエコー消去システム100のシステム構成例を示す図。 この発明のエコー消去システム100の動作を示す図。 実施例1の送受話端末140とリモート装置130の機能構成例を示す図。 リモート装置130の変形例のリモート装置130′の機能構成例を示す図。 実施例2の送受話端末240とリモート装置230の機能構成例を示す図。 送受話信号送信過程の動作フローを示す図。 実施例3の送受話端末340とリモート装置330の機能構成例を示す図。 エコー消去過程の動作フローを示す図。 1個のリモート装置で複数の送受話端末のエコーを消去するようにした場合の動作シーケンスを示す図。 従来のエコーキャンセラ90を内蔵した送受話端末900の機能構成を示す図。
以下、この発明の実施の形態を図面を参照して説明する。複数の図面中同一のものには同じ参照符号を付し、説明は繰り返さない。
〔発明の考え〕
実施例の説明の前に、この発明のエコー消去方法の考え方を説明する。この発明のエコー消去方法は、ネットワーク上のサーバ(以降、「リモート装置」と称する)に、送受話端末から同時刻の送話信号と受話信号を送信し、リモート装置でエコー消去処理を行う考えである。
図1に、従来の送受話端末側で行われて来たエコーキャンセル処理を、そのままリモート装置で処理する場合の機能構成を示す。この場合、リモート装置にエコーキャンセラが設けられる。
ネットワーク110に、リモート装置130と送受話端末140とが接続されている。H(z)はスピーカ・マイクロホン間の伝達特性、Nf(z)はリモート装置130から送受話端末140までのネットワークの伝達特性、Nb(z)は送受話端末140からリモート装置130までの伝達特性、を表す。リモート装置130は、適応フィルタ部132のみを表記し、エコーキャンセラの他の機能部の表記は省略している。
適応フィルタ部132は、エコーキャンセル処理を行うためにはH(z),Nf(z),Nb(z)の全ての伝達特性を推定する必要がある。しかし、VoIP技術によるIP電話は、インターネットプロトコルを利用するシステムであることから、ネットワーク110の伝達特性(特に遅延時間)が少なからず変動する。つまり、Nf(z)とNb(z)は時変系となる。適応フィルタ部132は、系の伝達特性がほぼ時不変と見なすことを前提とするため、図1に示した構成では精度の良いエコーキャンセル処理を実行することができない。
そこでこの発明では、リモート装置130に配置したエコーキャンセラが、ネットワーク110の伝達特性の変動を受けずにエコー消去処理を行うために、送受話端末140からリモート装置130に向けて、収音信号と同時に再生信号を送信し、リモート装置130は同時刻の再生信号と収音信号を用いてエコー消去処理を行う。この考えによれば、ネットワーク遅延の変動の影響を一切受けずに安定、かつ、高精度にエコーを消去することが可能になる。なお、この発明の考えは、ネットワークの種類によらずに用いることが可能であり、例えば従来の回線交換型電話網で用いることもできる。なお、以降の説明において、収音信号は送話信号、再生信号は受話信号と称する。
図2に、この発明のエコー消去システム100のシステム構成例を示す。エコー消去システム100は、ネットワーク110に、複数(2個以上)の送受話端末120,140と、少なくとも1個のリモート装置130と、が接続されて構成される。図3に、エコー消去シムテム100の動作を示す。
送受話端末120は、送受話端末120に付属するマイクロホンによって送受話端末120側の送話信号を収音する(ステップS1201)。と共に、通話相手の、この例では送受話端末140からの受話信号があれば、受話信号を受信する(ステップS1202)。そして、送受話端末120は、同時刻の送話信号と受話信号を、リモート装置130に送信する(ステップS1203)。
リモート装置130は、送受話端末120からの同時刻の送話信号と受話信号とを入力として、当該受話信号と送話信号とのエコーパス情報を求めて受話信号によるエコーレプリカを生成し、その送話信号からエコーレプリカを消去した送話信号を、通話相手の送受話端末140に受話信号として送信する(ステップS1301)。なお、このエコーパス情報を求めて受話信号によるエコーレプリカを生成することは、周知の既存技術である。
送受話端末140は、送受話端末130からエコーの消去された信号を受話信号として受信する(ステップS1401)。そして受話信号をスピーカで音響信号に変換して出力する(ステップS1402)。この結果、送受話端末140では、送受話端末130からの受話信号をエコーの無い明瞭な音声として出力することが出来る。
以上のように動作することで、送受話端末120側の送話信号からエコーを消去した受話信号を、リモート装置130から通話相手の送受話端末140に送信することが可能になる。
送受話端末140側の送話信号は、送受話端末140に付属するマイクロホンによって送受話端末140側の送話信号を収音する(ステップS1403)。以降の動作は、送受話端末130側で説明したステップS1202,S1203の動作と同じである(ステップS1404,S1405)。
送受話端末140が送信する同時刻の送話信号と受話信号は、例えばリモート装置150に送信される。リモート装置150は、送受話端末140からの同時刻の送話信号と受話信号とを入力として、当該受話信号と送話信号とのエコーパス情報を求めて受話信号によるエコーレプリカを生成し、その送話信号からエコーレプリカを消去した送話信号を、送受話端末120に受話信号として送信する(ステップS1501)。
このように、1個の送受話端末と1個のリモート装置とが組みになって、送受話端末から送信される送話信号からエコーが消去される。
図4に、ネットワーク110に接続されるリモート装置130と、送受話端末140の概略の機能構成例を示す。送受話端末140は、デコーダ141とエンコーダ142のみを表記し、例えば送受話端末140をIP電話とした場合に必要なAD変換器やDA変換器などは省略している。リモート装置130のエコーキャンセラは、適応フィルタ132とデコーダ131とエンコーダ133のみを表記している。
図4を参照して、更にこの発明の説明を行う。図示しない送受話端末120から送信されて来る受話信号は、送受話端末140のデコーダ141で復号され、スピーカで音響信号に変換されて出力される。このスピーカから再生される受話信号と同時にマイクロホンで収音される送話信号とを、エンコーダ142で符号化してリモート装置130に送信する。例えば、ネットワーク110がIPネットワークで、送受話端末140がIP電話であるとした場合、送話信号や受話信号はパケット通信で送受信される。1パケットで複数チャネルの信号を送信することは可能であり、同時刻の送話信号と受話信号を送信することは容易である。
リモート装置130は、送受話端末140から送信されて来る同時刻の送話信号と受話信号を、デコーダ131で復号化し、2つの信号を適応フィルタ132に入力する。適応フィルタ132は、同時刻の送話信号と受話信号とから、送受話端末140のエコーパス情報を求めてエコーレプリカを生成し、送話信号からエコーレプリカを消去した送話信号を生成する。その送話信号は、エンコーダ133で符号化されて通話相手の送受話端末120に送信される。
以上の構成をとることで、適応フィルタ132の推定対象からネットワーク伝達特性を除外し、音響エコーパス特性(図1:H(z))のみとすることができる。そのため、ネットワーク遅延やその変動の影響を一切受けないエコー消去処理が実現できる。また、送話信号と受話信号を同時に符号化するため、タイムスタンプ等を付加して両信号を同期させる仕組みを必要としない。なお、送受話端末120の送話信号は、リモート装置130を介さずに送受話端末140に送信する構成でもよい。
図5に、リモート装置130を変形したリモート装置130′の機能構成例を示す。リモート装置130′は、適応フィルタ132の後段に、ノイズ抑圧部134とエコー抑圧部135とを備える構成である。ノイズ抑圧部134は、エコー成分を除去した送話信号の雑音レベルを測定してその雑音を抑圧する。エコー抑圧部135は、送話信号に残留しているエコーレベルを測定してエコー成分を抑圧する。エコー成分が抑圧された送話信号は、通話相手の送受話端末120に送信される。このように構成することで、送話信号のS/N比を改善することができる。なお、ノイズ抑圧部134とエコー抑圧部135は、従来技術で説明したノイズ抑圧部95とエコー抑圧部92と、同じものでも良い。
図6に、実施例2の送受話端末240と、リモート装置230の機能構成例を示す。送受話端末240の動作フローを図7に示す。送受話端末240は、実施例1の送受話端末140に対して受話側減衰器242と、送受話判定部241を備える点で異なる。また、リモート装置230は、リモート装置130に対して送話側減衰器232を備える点で異なる。以下ではこの差分のみを説明する。
送受話端末240の送受話判定部241は、スピーカに入力される受話信号と、マイクロホンから出力される送話信号と、を入力として送受話判定を行う(図7:ステップS241)。つまり、送受話信号送信過程は、送受話判定を行う送受話判定ステップを含む。送受話判定ステップでは、受話信号に対して送話信号の振幅が大きい場合は、送話状態と判定し、送話側のゲインを1とすると共に受話側減衰器242のゲインを1以下の所定のゲインに設定する。送話側のゲインは、エンコーダ243で送話信号と受話信号と共に符号化されてリモート装置230に送信される(ステップS243)。送話側のゲインは、デコーダ231で復号化されて送話側減衰器232に設定される。送受話判定部241が送話状態と判定した時は、送話側減衰器232のゲインは1に設定され、適応フィルタ132の出力信号はそのままエンコーダ133で符号化される。つまり、送受話判定ステップは送受話判定を行うと共に、その送受話判定結果と判定時刻とゲイン情報とを組にした送受話判定情報を、リモート装置230に送信するステップである。
送話信号に対して受話信号の振幅が大きい場合は、受話状態と判定し、受話側減衰器242のゲインを1に、送話側減衰器232のゲインを1以下の所定のゲインに設定する。
このように構成することで、受話側と送話側の利得(振幅)制御のタイミングを完全に同期させることができる。利得制御のタイミングの同期が保証されない場合、例えば送話側で適用する利得制御が遅れた場合、送受話端末120との間で構成される一巡ループに、本来想定している損失が挿入されなくなる。そのため、例えば通信開始直後で適用フィルタのエコーパス情報の推定が不十分な状態では、エコーが十分に消去抑圧されていないために一巡ループ全体が不安定化し易くなり、ハウリングが発生してしまう。上記したように、受話側と送話側の利得制御のタイミングを完全に同期させることで、送受話端末にエコーキャンセラを内蔵する従来技術と同等の一巡安定性を確保することができる。
図8に、実施例3の送受話端末340と、リモート装置330の機能構成例を示す。図9に、リモート装置330の動作フローを示す。送受話端末340は、送受話判定部241′がエコーパス情報も参照して送受話判定処理を行う点で異なる。また、リモート装置330は、適応フィルタ132に推定したエコーパス情報を、送受話端末340に送信する点で異なる。
リモート装置330は、送受話端末340から受信した同時刻の送話信号と受話信号を復号化する(ステップS231)。復号化された送話信号と受話信号は、適応フィルタ部132に入力される。適応フィルタ部132は、同時刻の受話信号と送話信号とのエコーパス情報(ステップS132a)を求めて受話信号によるエコーレプリカを生成(ステップS132b)し、送話信号からエコーを消去する(ステップS132c)。エコーが消去された送話信号は、エンコーダ133で符号化されて送受話端末120に送信される。と共に、エコーパス情報は、送受話端末340に送信される(ステップS135)。つまり、エコー消去過程は、エコーパス情報を、送受話端末に送信するエコーパス情報送信ステップも含む過程である。
送受話端末340の送受話判定部241′は、リモート装置330から送信されたエコーパス情報を、送受話判定に用いる。リモート装置330から送受話端末340に送信されるエコーパス情報を、例えば音響結合量とした場合、「送信信号パワー」=「収音信号パワー」−「スピーカ再生信号パワー」×「音響結合量」として、送信信号のパワーを推定することができる。このように、リモート装置330で取得したエコーパス情報を送受話端末340に送信することで、送受話判定を高精度化することが可能である。
また、音響結合量に代えて、エコー経路のインパルス応答の「直接波+初期反射波」に相当する部分をエコーパス情報として送信しても、送受話判定を高精度化することができる。
図4を参照して、この発明のエコー消去性能をより良く発揮させるためのコーデック(Codec)について説明する。
通話用のコーデックは、国際標準で定められており、原波形を完全には再現しないロッシーなコーデックが大半である。図4では、図示していない送受話端末120の通話用コーデックは、例えばコーデックAで音声を符号化する。送受話端末140のデコーダ141は、コーデックAで受話信号を復号化して音声信号に変換する。つまり、送受話端末120から受話信号を符号化するコーデックと、送受話端末140で受話信号を復号化するコーデックは、国際基準で定められた同じロッシーなコーデックAを用いる必要がある。
一方、送受話端末140とリモート装置130との間のコーデックは、その制約に縛られる必要はない。送受話端末140のエンコーダ142と、リモート装置130のデコーダ131には、コーデックAよりも圧縮率の低いコーデックを用いることが可能である。圧縮率の低いコーデックを用いることで、符号化と複合化との間における信号の再現性が向上する。その結果、リモート装置130におけるエコー消去性能の劣化を防止することができる。なお、リモート装置130と送受話端末120との間のコーデックは、コーデックAを用いる必要がある。
送受話端末140とリモート装置130との間のコーデックは、ロスレスのコーデックやPCM(Pulse Code Modulation)を用いても良い。ロスレスのコーデックとしてはMPEG-4ALS(参考文献「http://ja.wikipedia.org/wiki/MPEG-4_ALS」)などを用いることができる。つまり、送受話信号送信過程で用いられるコーデックは、エコー消去過程で用いられるコーデックよりも圧縮率の低いコーデックにすることで、この発明のエコー消去性能をより高めることができる。
要するに、リモート装置の、送受話端末から受信する同時刻の送話信号と受話信号を復号化するデコーダで用いるコーデックは、エコーを消去した送話信号を符号化するエンコーダに用いるコーデックよりも圧縮率の低いコーデックを用いる。また、送受話端末の、リモート装置に送信する同時刻の受話信号と送話信号を符号化するエンコーダに用いるコーデックは、他の送受話端末から受信する受話信号を復号化するデコーダに用いるコーデックよりも圧縮率の低いコーデックを用いることで、この発明のエコー消去性能をより高めることが可能になる。
なお、実施例1の変形例で説明した適応フィルタ132の後段に、ノイズ抑圧部134とエコー抑圧部135とを備える構成は、実施例2〜4のリモート装置にそのまま適用することが可能である。また、上記した実施例では、1個の送受話端末と1個のリモート装置とが組みになって、エコーを消去する例で説明を行ったが、この発明はその実施形態に限定されない。
図10に示すように1個のリモート装置で、複数の送受話端末のエコーを消去するようにしても良い。図10は、1個のリモート装置530が、送受話端末120と送受話端末140の2個の送受話端末の両方のエコーを消去するようにした動作シーケンスである。
図10では、表記を簡単にする目的で、図3では示した送受話端末140における受話信号受信(ステップS1401)と受話信号出力(ステップS1402)の処理ステップを省略している。
リモート装置530は、送受話端末120側のエコーを消去した受話信号を、送受話端末140に送信する(ステップS5301)。と共に、リモート装置530は、送受話端末140側のエコーを消去した受話信号を、送受話端末120に送信する(ステップS5302)。このように、1個のリモート装置で、複数の送受話端末のエコーキャンセルを行うことも可能である。
以上説明したように、この発明では、送受話端末とネットワークで接続されたリモート装置上にエコーキャンセラを配置し、送受話端末からリモート装置に向けて送話信号と受話信号を同時に送信することで、リモート装置においてエコー消去処理を行う。これにより、ネットワーク遅延の変動を一切受けずに安定、かつ、高精度にエコーを消去することが可能になる。更に、送受話端末で送受話判定を行い、その判定結果を元に受話側減衰量を制御すると同時に送話側に入れるべき減衰量の情報を、送受話端末からリモート装置に送信するので、一巡ループにおける減衰量制御のタイミングを完全に同期させることができる。その結果、リモート装置でエコーキャンセラ処理を行うことに伴う動作の不安定性を排除することができる。
この発明の方法及び装置は上述の実施形態に限定されるものではなく、この発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。例えば、上記した実施例は1スピーカと1マイクロホンのモノラル構成で説明したが、複数スピーカと複数マイクロホンからなるマルチチャネル構成にしても本発明はそのまま適用できる。また、リモート装置としては、サーバ以外の例えば、ホームゲートウェーやPBX等のゲートウェーなど、通話を行う端末間に置かれる中継装置や、ゲートウェーの配下にあるPCやタブレットやスマートフォン等の端末であってもよい。またネットワーク接続は有線でも無線でもどちらでもよい。
また、上記方法及び装置において説明した処理は、記載の順に従って時系列に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力あるいは必要に応じて並列的にあるいは個別に実行されるとしてもよい。
また、上記装置における処理手段をコンピュータによって実現する場合、各装置が有すべき機能の処理内容はプログラムによって記述される。そして、このプログラムをコンピュータで実行することにより、各装置における処理手段がコンピュータ上で実現される。なお、それらの処理内容の少なくとも一部をハードウェア的に実現することとしてもよい。

Claims (7)

  1. 送受話端末が、同時刻の送話信号と受話信号を、ネットワークを介して接続されるリモート装置に送信する送受話信号送信過程と、
    上記リモート装置が、上記同時刻の受話信号と送話信号とを入力として、当該受話信号と送話信号からエコーパス情報を求めて上記受話信号によるエコーレプリカを生成し、上記送話信号から当該エコーレプリカを消去した送話信号を、上記ネットワークを介して接続される上記送受話端末以外の他の送受話端末に送信するエコー消去過程と、
    を備えるエコー消去方法。
  2. 請求項1に記載したエコー消去方法において、
    更に、上記送受話信号送信過程は、上記同時刻の受話信号と送話信号とから送受話判定を行う送受話判定ステップを含み、
    上記送受話判定ステップは、上記送受話判定を行うと共に、当該送受話判定結果と判定時刻とゲイン情報とを組にした送受話判定情報を、上記リモート装置に送信するステップであることを特徴とするエコー消去方法。
  3. 請求項1又は2に記載したエコー消去方法において、
    更に、上記エコー消去過程は、上記エコーパス情報を、上記送受話端末に送信するエコーパス情報送信ステップも含む過程であることを特徴とするエコー消去方法。
  4. 請求項1乃至3の何れかに記載したエコー消去方法において、
    上記送受話信号送信過程で用いられるコーデックは、上記エコー消去過程で用いられるコーデックよりも圧縮率の低いコーデックであることを特徴とするエコー消去方法。
  5. ネットワークと、
    上記ネットワークを介して音声通信を行う送受話端末と、
    リモート装置と、
    を具備するエコー消去システムであって、
    上記送受話端末は、同時刻の受話信号と送話信号を、上記リモート装置に出力するものであり、
    上記リモート装置は、上記同時刻の受話信号と送話信号とを入力として、上記受話信号によるエコーレプリカを生成し、上記送話信号から当該エコーレプリカを消去した送話信号を、上記送受話端末以外の他の送受話端末に送信するものである、
    ことを特徴とするエコー消去システム。
  6. 請求項5に記載したエコー消去システムで用いられるリモート装置であって、
    上記リモート装置は、
    送受話端末から受信する同時刻の送話信号と受話信号を復号化するデコーダで用いるコーデックを、
    エコーレプリカを消去した送話信号を符号化するエンコーダに用いるコーデックよりも圧縮率の低いコーデックとしたことを特徴とするリモート装置。
  7. 請求項5に記載したエコー消去システムで用いられる送受話端末であって、
    上記送受話端末は、
    リモート装置に送信する同時刻の受話信号と送信信号を符号化するエンコーダに用いるコーデックを、
    上記送受話端末以外の送受話端末から受信する受話信号を復号化するデコーダに用いるコーデックよりも圧縮率の低いコーデックとしたことを特徴とする送受話端末。
JP2012175742A 2012-08-08 2012-08-08 エコー消去方法とそのシステムと各装置 Expired - Fee Related JP5745475B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012175742A JP5745475B2 (ja) 2012-08-08 2012-08-08 エコー消去方法とそのシステムと各装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012175742A JP5745475B2 (ja) 2012-08-08 2012-08-08 エコー消去方法とそのシステムと各装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014036291A JP2014036291A (ja) 2014-02-24
JP5745475B2 true JP5745475B2 (ja) 2015-07-08

Family

ID=50285033

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012175742A Expired - Fee Related JP5745475B2 (ja) 2012-08-08 2012-08-08 エコー消去方法とそのシステムと各装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5745475B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015220482A (ja) * 2014-05-14 2015-12-07 日本電信電話株式会社 送受話端末、エコー消去システム、エコー消去方法、プログラム
JP6396780B2 (ja) * 2014-12-10 2018-09-26 日本電信電話株式会社 エコーキャンセル装置、拠点装置、通信システム、及びエコーキャンセル方法

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09233002A (ja) * 1996-02-27 1997-09-05 Fujitsu Ltd 音声スイッチ
JP3756724B2 (ja) * 2000-05-19 2006-03-15 株式会社東芝 電話装置
US7003098B2 (en) * 2003-05-15 2006-02-21 At&T Corp. Method and system for measurement of the delay through a network link bounded by an echo canceller
JP2011082867A (ja) * 2009-10-08 2011-04-21 Sharp Corp 通信装置及び通信会議システム
JP5367554B2 (ja) * 2009-12-17 2013-12-11 Toa株式会社 ネットワーク装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014036291A (ja) 2014-02-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4965822A (en) Full duplex speakerphone
US20100183163A1 (en) Sound signal processor and delay time setting method
EP1685697B1 (en) Method and apparatus for adaptive echo and noise control
US7907977B2 (en) Echo canceller with correlation using pre-whitened data values received by downlink codec
CN106448691B (zh) 一种用于扩音通信系统的语音增强方法
USRE49462E1 (en) Adaptive noise cancellation for multiple audio endpoints in a shared space
US9191519B2 (en) Echo suppressor using past echo path characteristics for updating
WO2012174790A1 (zh) 一种降低噪声的方法及移动终端
US20130066638A1 (en) Echo Cancelling-Codec
CN102271197B (zh) 用户界面音调的回声消除
US20060160581A1 (en) Echo suppression for compressed speech with only partial transcoding of the uplink user data stream
US20120140918A1 (en) System and method for echo reduction in audio and video telecommunications over a network
JP3753996B2 (ja) 反響抑圧装置、反響抑圧方法及びプログラム
US20230421704A1 (en) Conference call and mobile communication devices that participate in a conference call
JP5745475B2 (ja) エコー消去方法とそのシステムと各装置
US8170224B2 (en) Wideband speakerphone
JP5923705B2 (ja) 通話信号処理装置
CN116935873A (zh) 一种音频系统及回音消除方法
KR20190037885A (ko) 단말 간의 전화 통화 중에 에코를 제거하는 서버, 단말 및 방법
JP6945158B2 (ja) 通話装置、プログラム及び通話システム
JP5367554B2 (ja) ネットワーク装置
WO2019159968A1 (ja) 通信伝送装置及び通信伝送装置の音声品質判定方法
JP5204378B2 (ja) 端末装置およびエコーキャンセル方法
JP2015220482A (ja) 送受話端末、エコー消去システム、エコー消去方法、プログラム
EP2568619B1 (en) Echo cancelling-codec

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140813

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150420

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150428

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150501

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5745475

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees