JP5665927B2 - 持上計量装置 - Google Patents

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Description

本発明は、被測定物を持上げつつ荷重を測定するための持上計量装置に関する。
被測定物の重心位置を算出する装置として、特許文献1では、3点以上の支持部と、この支持部に配置されたロードセルと、傾動可能な載置台とを備えた重心測定装置が提案されている。この装置では、被測定物を載置台に載せた状態で傾斜させる作業を数回行い、そのときの傾斜角度とロードセルの荷重検出値に基づいて、被測定物の重心位置を算出する。
特開平6−123669号公報
ところが、特許文献1に記載の方法では、被測定物が大きい場合に被測定物を載置台へ載せるのが困難であり、また、被測定物が大きくなれば装置自体も大きくする必要がある。そのため、特許文献1に記載の方法では、被測定物がある程度大きくなると、実質的に測定が不可能な場合が生じる。
そこで本発明は、被測定物が大きい場合でも容易に重心位置を算出できる重心位置算出方法に利用可能な持上計量装置を提供することを目的としている。
本発明は上述のような事情に鑑みてなされたものであり、本発明にかかる持上計量装置は被測定物の端縁部分のみをわずかに持ち上げて荷重を測定するための持上計量装置であって、前記被測定物の端縁部分を持ち上げるための動力源であるジャッキ部と、前記荷重を計測する荷重検出部と、前記被測定物の端縁部分を受けるための荷重受け部とを備え、前記荷重受け部は、前記ジャッキ部及び前記荷重検出部の上方に位置する測定側部分と、当該持上計量装置の接地面近傍に位置し、かつ、上面で前記被測定物を受ける被測定側部分と、前記測定側部と前記被測定側部分を連結する連結部分と、を有し、前記被測定側部分の上面の面積は、前記被測定物の底面の面積よりも十分小さい。
ここで、上記の「わずかに持ち上げ」とは、各測定点における荷重の変化が無視しうる程度に持ち上げることをいう。上記の構成によれば、被測定物を載せるための載置台等を用いずに、被測定物の重心位置を算出することができる。
そして、かかる構成によれば、持上計量装置がジャッキ部と荷重検出部を備えているため、荷重の計測と、持上作業を一度に行うことができる。
さらに、かかる構成によれば、ジャッキ部や荷重検出部にある程度の厚みがあっても、荷重受け部を利用することで容易に被測定物の底部を持ち上げることができる。
また、上記の持上計量装置において、前記被測定側部分の突出寸法は、前記被測定物の端縁部分から重心位置までの寸法よりも十分小さくてもよい。
また、上記の持上計量装置において、前記ジャッキ部は上昇ストロークを検出する上昇ストローク検出手段を有し、前記上昇ストロークに基づいて前記ジャッキ部の持上高さを算出するようにしてもよい。
かかる構成によれば、持上高さを直接測定することなく、その値を取得することができる。
以上の説明から明らかなように、本発明にかかる持上計量装置によれば、被測定物を載せるための載置台等を用いずに、被測定物の重心位置を算出する重心位置算出方法に利用可能な持上計量装置を提供することができる。
本願発明の実施形態に係る被測定物を示した図である。 本願発明の実施形態に係る持上計量装置の分解斜視図である。 本願発明の他の実施形態に係る持上計量装置の分解斜視図である。 本願発明の実施形態に係る持上計量装置の信号の流れを示した図である。 本願発明の実施形態に係る測定点を頂点とする三角形の図である。 本願発明の実施形態に係る被測定物の縦断面の概略図である。 本願発明の被測定物について他の実施形態を示した図である。 本願発明の持上計量装置について他の実施形態を示した図である。
以下、本発明に係る実施形態について図を参照して説明する。
本実施形態にかかる重心位置算出方法は、被測定物の重心位置を算出する重心位置算出方法であって、第1荷重測定工程と、持上荷重測定工程と、第2荷重測定工程と、第3荷重測定工程と、重量取得工程と、第1測定点距離計測工程と、第2測定点距離計測工程と、第1重心距離算出工程と、第2重心距離算出工程と、水平面重心位置算出工程と、重心高さ算出工程と、三次元重心位置算出工程とを有している。以下、各工程について順に説明する。
なお、各工程の説明の前に、本実施形態に係る被測定物Mについて説明する。図1は、本実施形態にかかる被測定物Mを示した図である。被測定物Mは、不定形であり、また、全体に渡って密度が均一でなくてもよい。ただし、被測定物Mは、その底部に位置する第1測定点P1、第2測定点P2、及び第3測定点P3の3点によって支えられている(この3点以外の部分は接地していない。)。被測定物が3点P1、P2、P3で支えられているということはつまり、この3点P1、P2、P3を頂点とする三角形の内部に、被測定物Mの水平面重心が存在することになる。なお、被測定物Mが底面部分全体で支えられている場合は被測定物Mを支えるための3つの脚を設け、4点以上で支えられている場合はそのうちの3点の底部に厚みのある部材を敷く等することで、被測定物を3点で支えるようにしてもよい。この場合、脚の先端部や部材の底部がそれぞれ第1測定点P1、第2測定点P2、及び第3測定点P3となる。
第1荷重測定工程は、第1測定点P1における荷重を測定する工程である。まず、被測定物Mの底部における第1軸C1を支軸として第1測定点P1をわずかに持ち上げる。本実施形態における第1軸P1は、第2測定点P2及び第3測定点P2を通る軸である。なお、第1軸C1と第1測定点P1とは同一水平面内にある。さらに、第1測定点P1をわずかに持ち上げた状態において、第1測定点P1での荷重である第1荷重W1を測定する。また、第1測定点P1を持上げる高さはできる限り低いのが望ましく、被測定物Mの重心Gの高さがほとんど変わらないことが望ましい。
持上荷重測定工程は、所定の高さまで第1測定点を持上げ、そのときの荷重を測定する工程である。具体的には、被測定物Mの底部の第1軸C1を支軸として第1測定点P1を所定の持上高さhまで持ち上げる。そして、その状態において、第1測定点P1での荷重である持上荷重Whを測定する。なお、持上荷重測定工程では、第1荷重測定工程の場合よりも十分に高い位置まで第1測定点P1を持ち上げる。ここで、第1測定点P1を持ち上げる持上高さhは、初めからその高さを決めておき、その高さになるまで第1測定点Pを持上げても良いし、第1測定点P1を持上げた後で測定した高さを持上高さhとしても良い。例えば、第1測定点P1をジャッキで持上げる場合に、1ストロークで持ち上がる高さが一定であって、その値を知っていれば、持上高さhを直接測定する必要がない。
なお、本実施形態では、第1測定点P1を持ち上げる際に、図2に示すような持上計量装置1を使用する。図2は、持上げ計量装置1の分解斜視図である。図2に示すように、持上計量装置1は、測定点を持上げるための動力源であるジャッキ部2と、荷重を検出する荷重検出部(ロードセル)3と、被測定部を受ける荷重受け部4と、制御部5(図4参照)とを有している。本実施形態では、荷重検出部3がジャッキ部2を支持するように配置されている。ただし、図3に示すように、ジャッキ部2が荷重検出部3Aを支持するように配置してもよい。荷重受け部4は、測定側部分6と、被測定側部分7と、連結部分8とから主に構成されている。測定側部分6は、ジャッキ部2の上方に位置しており、ジャッキ部2の上面に平行で板状の形状となっている。測定側部分6とジャッキ部2の上面とは、それぞれ対応する位置にねじ孔9、10を有しており、ねじ(図示せず)を用いてジャッキ部2の上面に測定側部分6を固定できるようになっている。被測定側部分7は測定側部分6よりも低く、かつ、接地面近傍に位置している。被測定側部分7は被測定物Mと接する部分であって、水平な平板状の形状となっている。この被測定側部分7に被測定物Mを載せることで、被測定物Mを持ち上げることができる。連結部部分8は、鉛直方向に伸延する部分であって、測定側部分6と被測定側部分7とを連結する役割を有している。この連結部分8によって、被測定側部分7で受けた荷重を測定側部分6に伝達し、さらにジャッキ部2を介して荷重検出部3に伝えることができる。
図4は、持上計量装置1の信号の流れを示した図である。図4に示すように、ジャッキ部2は上昇ストロークを検出する上昇ストローク検出手段11を有しており、上昇ストロークについての信号12を制御部5へ出力することができる。また、荷重検出部は荷重についての信号13を制御部へ出力している。そして制御部5は、荷重検出部3で検出された荷重に基づいて各測定点における荷重W1、W2、W3、Whを算出し、また、上昇ストローク検出手段11によって検出された上昇ストロークに基づいて持上高さhを算出することができる。このように、本実施形態に係る持上計量装置1を用いることで、荷重や持上高さを直接計測することなく、これらの値を取得することができる。
第2荷重測定工程は、第2測定点P2の荷重を測定する工程である。第2荷重測定工程は、第1荷重測定工程とほぼ同じ工程である。具体的には、第2荷重測定工程は、被測定物Mの底部における第2軸C2を支軸として第2測定点P2をわずかに持ち上げる。本実施形態における第2軸C2は、第1測定点P1及び第3測定点P3を通る軸である。なお、第2軸C2と第2測定点P2とは同一水平面内にある。さらに、第2測定点P2をわずかに持ち上げた状態において、第2測定点P2での荷重である第2荷重W2を測定する。また、第2測定点P2を持ち上げる高さはできる限り低いのが望ましく、被測定物Mの重心Gの高さがほとんど変わらない程度にするのが望ましい。第2測定点P2の持ち上げは、第1測定点P1の場合と同様、持上計量装置1を用いて行う。
第3荷重測定工程は、第3測定点P3の荷重を測定する工程である。第3荷重測定工程も、第1荷重測定工程とほぼ同じ工程である。具体的には、第3荷重測定工程は、被測定物Mの底部における第3軸C3を支軸として第3測定点P3をわずかに持ち上げる。本実施形態における第3軸C3とは、第1測定点P1及び第2測定点P2を通る軸である。なお、第3軸C3と第3測定点P3とは同一水平面内にある。さらに、第3測定点P3をわずかに持ち上げた状態において、第3測定点P3での荷重である第3荷重W3を測定する。また、第3測定点P3を持上げる高さはできる限り低いのが望ましく、被測定物Mの重心Gの高さがほとんど変わらない程度にするのが望ましい。第3測定点P3の持ち上げは、第1測定点P1や第1測定点P2の場合と同様、持上計量装置1を用いて行う。
重量取得工程は、被測定物Mの重量を取得する工程である。重量取得工程は、被測定物Mの重量Wgが取得できれば、どのような方法でもよいが、本実施形態では第1荷重W1、第2荷重W2、第3荷重W3に基づいて算出する。具体的には、下記の第1式に示すように、第1荷重W1、第2荷重W2、及び第3荷重W3を合算して、これを被測定物Mの重量Wgとする。このような第1式が成り立つのは次の理由による。被測定物Mは、3点P1、P2、P3において所定の割合(重量配分)で支持されている。そして、重心の高さがほとんど変わらなければ、その割合は変化しない。そうすると、ある1点をわずかに持上げた前後において、その点の荷重はほとんど変化しない。そのため、各点を順に持ち上げて荷重を測定し、それを足せば被測定物Mの重量Wgとなるのである。
Figure 0005665927
第1測定点距離計測工程は、第1軸C1から第1測定点P1までの第1測定点距離L1を計測する工程である。具体的には、図1に示すように、第1測定点P1から第1軸C1に垂線PE1を引いて、この垂線PE1に沿って第1軸C1から第1測定点までの距離を計測する。この長さが第1測定点距離L1である。
第2測定点距離計測工程は、第2軸C1から第2測定点P2までの第2測定点距離L2を計測する工程である。第2測定点距離計測工程も、第1測定点距離計測工程とほぼ同じ工程である。具体的には、図1に示すように、第2測定点P2から第2軸C2に垂線PE2を引いて、この垂線PE2に沿って第2軸C2から第2測定点P2までの距離を計測する。この長さが第2測定点距離L2である。
第1重心距離算出工程は、被測定物の重量Wg、第1荷重W1、及び第1測定点距離L2に基づいて、水平面における第1軸C2から水平面重心Gまでの第1重心距離a1を算出する工程である。以下、第1重心距離算出工程で使用する計算式について説明する。説明を簡単にするため、第1測定点、第2測定点、及び第3測定点を頂点とする三角形を考える。図5は、第1測定点、第2測定点、及び第3測定点を頂点とする三角形の図である。図5の三角形全体に被測定物が載っているものとし、符号G’が付された点を水平面における被測定物の水平面重心とする。
図5を参照すると、第1軸C1を支軸として被測定物Mを持ち上げるとき、第1測定点P1で持ち上げたときのモーメントと、水平面重心G’の位置で持ち上げたときのモーメントとは等しいため、次の第2式の関係が成り立つ。この第2式を用いて、第1重心距離a1を算出する。ここで、W1は第1測定点P1における荷重(第1荷重)、Wgは水平面重心G’における荷重(被測定物の重量)、L1は第1軸から第1測定点までの距離(第1測定点距離)、a1は第1軸から重心までの距離(第1重心距離)である。
Figure 0005665927
このうち、第1測定点P1における荷重(第1荷重)W1は、第1荷重測定工程によって計測しており、水平面重心G’における荷重(被測定物の重量)Wgは前述の第1式から求めることができ、第1軸C1から第1測定点P1までの距離(第1測定点距離)L1は、第1測定点距離測定工程によって計測しているため、これらを第2式に代入すれば、第1軸C1から水平面重心G’までの距離(第1重心距離)a1を求めることができる。
第2重心距離算出工程は、被測定物Mの重量Wg、第2荷重W1、及び第2測定点距離L2に基づいて、第2軸C2から水平面重心G’までの第2重心距離a2を算出する工程である。第1重心距離算出工程と同様に、図5を参照すると、第2軸C2を支軸として被測定物Mを持ち上げるとき、第2測定点P2で持ち上げたときのモーメントと、水平面重心G’の位置で持ち上げたときのモーメントは等しいから、次の第3式の関係が成り立つ。この第3式を用いて、第2重心距離a2を算出する。ここで、W2は第2測定点P2における荷重(第2荷重)、L2は第2軸C2から第2測定点P2までの距離(第2測定点距離)、a2は第2軸C2から水平面重心G’までの距離(第2重心距離)である。
Figure 0005665927
このうち、第2測定点P2における荷重(第2荷重)W2は、第2荷重測定工程によって計測しており、水平面重心G’における荷重(被測定物の重量)Wgは前述の第1式から求めることができ、第2軸C2から第2測定点P2までの距離(第2測定点距離)L2は、第2測定点距離測定工程によって計測しているため、これらを第3式に代入すれば、第2軸C2から水平面重心G’までの距離(第2重心距離)a2を求めることができる。
水平面重心位置算出工程は、第1重心距離a1と第2重心距離a2に基づいて被測定物Mの水平面における水平面重心位置を算出する工程である。具体的には、第1軸C1に平行で第1重心距離a1だけ離れた直線PL1と、第2軸C2に平行で第2重心距離a2だけ離れた直線PL2とが交わる点を被測定物Mの水平面における水平面重心位置とする。これにより、水平面における被測定部材の水平面重心位置を算出することができる。
重心高さ算出工程は、第1荷重W1、被測定物の重量Wg、第1測定点距離L1、持上高さh、及び持上荷重Whに基づいて、重心高さzを算出する工程である。以下、重心高さ工程で用いる計算式の導出方法について図6を参照して説明する。図6は、被測定物Mの重心Gを通り、かつ、第1軸C1に垂直な被測定物Mの縦断面の概略図である。図6では、被測定物Mの第1測定点P1をわずかに持上げた第1状態(実線で描かれた部分;図6で第1測定点P1は接地しているように見えるが、実際はわずかに浮いている。)と、所定の持上高さhまで持上げてθだけ傾斜させた第2状態(二点鎖線で描かれた部分)が重ねられている。なお、図中の符号Gが付された点を被測定物の重心とする。
まず、図6の第2状態(二点鎖線で描かれた部分)に着目すると、第1軸C1から水平面重心G’までの距離a1は、重心Gを通る鉛直線によってa11とa12の2つに分けることができ、傾きθとの関係から、次の第4式に示す関係が成り立つ。ここで、ahは、第1軸C1から重心Gを通る鉛直線までの距離であり、zは被測定物Mの重心高さである。
Figure 0005665927
また、図6の第2状態(二点鎖線で描かれた部分)におけるモーメントに着目すると、第1軸C1を支軸とした場合、重心Gにおけるモーメントと、第1測定点P1におけるモーメントが等しいから、次の第5式が成り立つ。ここで、Whは、第1測定点P1を持上高さhまで持上げたときの第1測定点P1における荷重(持上荷重)である。
Figure 0005665927
さらに、図6の第1状態(実線で描かれた部分)に着目すると、第1重心距離算出工程で説明したように、前述の第2式が成り立つ。そして、sinθは次の第6式の関係になる。
Figure 0005665927
以上の第2式、第4式、第5式、第6式を整理すると、第7式を算出することができる。この第7式を用いて、高さ方向における重心位置(重心高さ)zを算出する。
Figure 0005665927
このうち、第1荷重W1は第1荷重測定工程で測定され、持上荷重Whは持上荷重測定工程で測定され、第2状態における被測定物の重量Wgは重量取得工程で測定され、第1測定点距離L1は第1測定点距離計測工程で計測され、持上高さhも既知の値であるから、これらを第7式に代入すれば、高さ方向における重心位置(重心高さ)zを算出することができる。
三次元重心位置算出工程は、被測定物Mの水平面における水平面重心位置と、重心高さhとに基づいて、被測定物の三次元の重心位置を算出する工程である。具体的には、被測定物の水平面重心位置の鉛直線上であって、重心高さhの位置を被測定物の三次元の重心位置とする。
以上が、本実施形態にかかる重心位置算出方法の説明である。上述のように、本実施形態にかかる重心位置算出方法によれば、被測定物M全体を載置台等に載せることなく、被測定物Mの重心位置を算出することができる。そのため、被測定物Mが大きい場合であっても、大掛かりな測定装置を必要とせず、容易に重心位置を算出することができる。
なお、上記実施形態に係る制御部5が、外部から計測によって求められた測定値を入力することができる数値入力手段と、上記の第1〜7式を用いた演算を行うことができる演算部とを有し、所定の測定値を入力することで、被測定物の重心位置が算出できるようにしてもよい。さらにこれとは別に、図7に示すように、ジャッキ部2に制御部5が設けられるとともに制御部5が無線通信ユニット14を有し、無線によって上昇ストロークについての信号や、荷重についての信号を遠隔地に接地された演算装置15に送信し、この演算装置15において被測定物の重心位置等を演算するようにしても良い。一般に無線通信ユニット14は小型軽量であるため、制御部5をジャッキ部2に設けても全体の重量は大きくならず、逆に、ジャッキ部2及び荷重検出部3を演算装置15から独立させることで、ジャッキ部2及び荷重検出部3の移動性を向上させることができる。よって、上記構成によれば、現場測定に最適な持上計量装置とすることができる。
また、上記の実施形態では、被測定物Mが3つの測定点P1、P2、P3で支えられている場合について、水平面重心を算出する方法について説明したが、被測定物が4点以上の支点で支えられている場合であっても被測定物Mの重量Wgが既知であれば、上記の実施形態と同様の方法で水平面における水平面重心位置を算出することができる。この場合、4点以上の支点のうち、持ち上げる支点を1点と、支軸を形成することになる支点を2点選択する。ただし、持ち上げる1つの支点と、支軸を形成することになる2つの支点とを頂点とする三角形の内部に被測定物の水平面重心が位置するようにする。そして、1つの支点を持ち上げて、支軸から水平面重心までの距離を算出する。さらに工程を別の支点を用いて行えば、被測定物の水平面における水平面重心位置を算出することができる。
さらに、被測定物が点ではなく線で支えられているような場合であってもその線が直線であれば、また、被測定物が面で支えられているような場合であってもその面を形成する辺が直線であれば、上記の実施形態と同様に、被測定物の水平面重心位置を算出することができる。例えば、底面が長方形であるコンテナであれば、水平面重心位置を算出することができる。このとき、底面の奥の辺を支軸にして手前の辺の中心付近を持ち上げて荷重を測定し、奥の辺から水平面重心までの距離を算出する。同様に、右の辺を支軸にして左の辺の中心付近を持ち上げて荷重を測定し、右の辺から水平面重心までの距離を算出する。そして、算出したそれぞれの距離から、コンテナの水平面重心位置を算出することができる。
なお、底面を形成する辺のうち対向する辺が平行であり、その対向する辺の間に被測定物の水平面重心がある場合は、これらの辺をわずかに持ち上げて得た荷重を合算すると被測定物の重量となる。上記のコンテナであれば、底面の奥の辺を支軸にして手前の辺の中心付近をわずかに持ち上げて測定した荷重と、底面の手前の辺を支軸にして奥の辺の中心付近をわずかに持ち上げて測定した荷重とを合算するとコンテナの重量となる。また、上記のコンテナの場合、底面の手前の辺の中心付近をさらに持ち上げれば、持上荷重も容易に測定することができる。よって、底面の奥の辺の中央付近、手前の辺の中央付近、及び左の辺の中央付近の3点を持ち上げて荷重を測定すれば、大きな装置を使用することなく、コンテナの三次元の重心位置を算出することができる。この点については、被測定物が面ではなく平行な線又はこの線上の点によって支持されている場合も同様である。つまり、上記の「底面を形成する辺」を「平行な線」に置換えれば、同様に三次元の重心位置を算出することができる。
また、上記の実施形態では、3つの測定点P1、P2、P3で支えられている被測定物Mについて、被測定物Mの重量Wgを取得する方法について説明したが、被測定物がある程度たわむような場合は、被測定物が4点以上で支えられている場合であっても上記の実施形態と同様の方法で被測定物の重量を測定することができる。例えば、図7(a)に示すように、被測定物が4点で支えられていてもある程度たわむのであれば、A点がわずかに(A’点まで)持ち上げられても、B点、C点、及びD点は接地した状態を維持する。そのため、A点を持上げる前後において、A〜D点における荷重はほとんど変化しない。よって、被測定物を支えるA〜D点を順に持ち上げて測定した荷重の値を合算することで、被測定物全体の重量を取得することができる。さらに、このような場合であって、A点を持ち上げ難いときは、図7(b)に示すように、B点及びD点を通る直線に平行であって、A点を通る直線上にある2つのA’’点からA点の持上げ・荷重測定を行うのが望ましい。このようにすることによって測定誤差(モーメント誤差)を軽減することができる。このとき、2つのA’’点を渡すような部材を用意し、この部材の上にA点を載せるようにすれば、A点における荷重を容易に測定することができる。
また、上記の実施形態では、各測定点P1、P2、P3を持ち上げて被測定物Mの荷重Wgを測定する際に、図2に示す持上計量装置1を用いる場合について説明したが、これに代えて各測定点をクレーン等で一旦持ち上げてロードセルの上に載せるようにしても良い。ロードセルの厚みが十分薄ければ、上記の実施形態と同様に、被測定物の荷重を測定することができる。また、被測定物がグランドピアノやテーブル程度の大きさであれば、ジャッキ部のない簡易な計量装置を用いるのが便利である。例えば、測定回数と測定値から自動で被測定物の重量を算出するような制御部を有する計量装置を用いれば、簡単に被測定物の重量を測定することができ、また、測定に用いる装置自体も安価なものにすることができる。
以上のように、本発明によれば、被測定物が大きい場合でも容易に重心位置を算出できる重心位置算出方法重心位置算出方法に利用可能な持上計量装置を提供することができる。よって、本発明は、重心位置算出の技術分野において有益である。
M 被測定物
P1 第1測定点
P2 第2測定点
P3 第3測定点
G 重心
G’ 水平面重心
C1 第1軸
C2 第2軸
C3 第3軸
W1 第1荷重
W2 第2荷重
W3 第3荷重
Wg 重量
h 持上高さ
Wh 持上荷重
L1 第1測定点距離
L2 第2測定点距離
a1 第1重心距離
a2 第2重心距離
1 持上計量装置
2 ジャッキ部
3 荷重検出部
4 荷重受け部
5 制御部
6 測定側部分
7 被測定側部分
8 連結部分
11 上昇ストローク検出手段

Claims (3)

  1. 被測定物の端縁部分のみをわずかに持ち上げて荷重を測定するための持上計量装置であって、
    前記被測定物の端縁部分を持ち上げるための動力源であるジャッキ部と、前記荷重を計測する荷重検出部と、前記被測定物の端縁部分を受けるための荷重受け部とを備え、
    前記荷重受け部は、前記ジャッキ部及び前記荷重検出部の上方に位置する測定側部分と、当該持上計量装置の接地面近傍に位置し、かつ、上面で前記被測定物を受ける被測定側部分と、前記測定側部と前記被測定側部分を連結する連結部分と、を有し、
    前記被測定側部分の上面の面積は、前記被測定物の底面の面積よりも十分小さい、持上計量装置。
  2. 前記被測定側部分の突出寸法は、前記被測定物の端縁部分から重心位置までの寸法よりも十分小さい、請求項1に記載の持上計量装置。
  3. 前記ジャッキ部は上昇ストロークを検出する上昇ストローク検出手段を有し、
    前記上昇ストロークに基づいて前記ジャッキ部の持上高さを算出する、請求項1又は2に記載の持上計量装置。
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