はじめに、本実施の形態から抽出され得る発明群を手段n(n=1,2,3…)として区分して示し、それらを必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、本実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
手段1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の無端状ベルト(リール42L,42M,42R)と、
前記各無端状ベルトについて各絵柄のうち一部の絵柄を視認可能とする表示窓(表示窓31L,31M,31R)と、
前記各無端状ベルトの回転を開始させるべく操作される始動操作手段(スタートレバー71)と、
前記始動操作手段の操作を条件の1つとして役の抽選を行う抽選手段(主制御装置131の抽選処理機能)と、
前記各無端状ベルト毎に設けられ、該各無端状ベルトを回転させる駆動手段(ステッピングモータ61)と、
前記各無端状ベルトの回転を個別に停止させるべく操作される複数の停止操作手段(ストップスイッチ72〜74)と、
前記始動操作手段の操作に基づいて前記各無端状ベルトの回転を開始させ、前記各停止操作手段の操作に基づいて対応する前記無端状ベルトの回転を停止させるように、且つ前記役の抽選に当選した際には、役と対応する絵柄又は絵柄の組合せが前記表示窓から視認できる有効位置(有効ライン)に停止し得るよう前記各駆動手段を駆動制御する駆動制御手段(主制御装置131のリール制御処理機能)と、
前記有効位置に所定絵柄又は所定絵柄の組合せ(小役図柄、再遊技図柄の組合せ)が停止した場合に、遊技媒体を払い出す又は再遊技等の特典を付与する特典付与手段(主制御装置131、ホッパ装置91)と、
前記有効位置に特定絵柄(BB図柄、RB図柄)の組合せが停止した場合に、所定の終了条件が成立するまで、遊技状態を遊技者に有利な特別遊技状態(BBゲーム、RBゲーム)に移行させる特別遊技状態移行手段(主制御装置131)と
を備えた遊技機において、
前記抽選手段の抽選結果が前記特定絵柄の組合せと対応する特定絵柄役の当選である場合、前記特定絵柄の組合せが前記有効位置に停止するまで前記特定絵柄役当選を留保する留保手段(主制御装置131)と、
前記所定絵柄の組合せのうち、1の所定絵柄の組合せを示唆する示唆演出を行う示唆演出手段(表示制御装置111の音声演出処理機能)と、
前記示唆演出手段の示唆した示唆絵柄(「ベル」図柄)の組合せが前記有効位置に停止した場合に、前記特定絵柄役当選が留保されていることを教示する留保教示手段(表示制御装置111の音声演出処理機能)と
を備え、
さらに、前記駆動制御手段は、
前記抽選手段の抽選結果が前記示唆絵柄役の当選であり且つ前記示唆演出が行われた場合に、前記各無端状ベルトのうち最後に停止する無端状ベルト以外を前記示唆絵柄が前記有効位置に停止するように、前記各無端状ベルトのうち最後に停止する無端状ベルトを前記示唆絵柄の組合せが前記有効位置に停止し得るように対応する各駆動手段を駆動制御する第1駆動制御手段(主制御装置131のリール制御処理機能)と、
前記抽選手段の抽選結果が前記示唆絵柄役に非当選であり且つ前記示唆演出が行われた場合に、前記各無端状ベルトのうち最後に停止する無端状ベルト以外を前記示唆絵柄が前記有効位置に停止するように、前記各無端状ベルトのうち最後に停止する無端状ベルトを前記示唆絵柄の組合せが前記有効位置に停止しないように対応する各駆動手段を駆動制御する第2駆動制御手段(主制御装置131のリール制御処理機能)と
を備えることを特徴とする遊技機。
手段1によれば、示唆演出が行われた場合に示唆絵柄の組合せが有効位置に停止すると、特定絵柄役に当選していることが教示される。かかる構成とすることにより、遊技者が遊技に積極参加できる特徴を希薄化させることなく特別遊技状態に移行する特定絵柄役に当選していることを教示することが可能となる。一般の遊技者は、示唆絵柄の組合せを有効位置に停止させるべく停止操作手段を操作するからである。また、示唆絵柄の組合せに基づく特典を付与しつつ特定絵柄役の当選を教示することができるため、遊技者の満足感を好適に高めることが可能となる。加えて、各無端状ベルトのうち最後に停止する無端状ベルト以外は示唆絵柄が有効位置に停止するため、最後の無端状ベルトを停止させるまで遊技者を遊技に積極参加させることが可能となると共に、特定絵柄役に当選していることへの期待感を持続させることが可能となる。以上の結果、遊技の興趣を飛躍的に高めることが可能となる。さらに、本構成においては、示唆絵柄役に当選していない状況下で特定絵柄役当選の留保有無に関わらず示唆演出を行うことが可能なため、特定絵柄役に当選していない通常時の遊技が単調化することを抑制し得ると共に、演出に関する設計自由度を高めることが可能となる。
手段2.複数種の絵柄が周方向に付された複数の無端状ベルト(リール42L,42M,42R)と、
前記各無端状ベルトについて各絵柄のうち一部の絵柄を視認可能とする表示窓(表示窓31L,31M,31R)と、
前記各無端状ベルトの回転を開始させるべく操作される始動操作手段(スタートレバー71)と、
前記始動操作手段の操作を条件の1つとして役の抽選を行う抽選手段(主制御装置131の抽選処理機能)と、
前記各無端状ベルト毎に設けられ、該各無端状ベルトを回転させる駆動手段(ステッピングモータ61)と、
前記各無端状ベルトの回転を個別に停止させるべく操作される複数の停止操作手段(ストップスイッチ72〜74)と、
前記始動操作手段の操作に基づいて前記各無端状ベルトの回転を開始させ、前記各停止操作手段の操作に基づいて対応する前記無端状ベルトの回転を停止させるように、且つ前記役の抽選に当選した際には、役と対応する絵柄又は絵柄の組合せが前記表示窓から視認できる有効位置(有効ライン)に停止し得るよう前記各駆動手段を駆動制御する駆動制御手段(主制御装置131のリール制御処理機能)と、
前記有効位置に所定絵柄又は所定絵柄の組合せ(小役図柄、再遊技図柄の組合せ)が停止した場合に、遊技媒体を払い出す又は再遊技等の特典を付与する特典付与手段(主制御装置131、ホッパ装置91)と、
前記有効位置に特定絵柄(BB図柄、RB図柄)の組合せが停止した場合に、所定の終了条件が成立するまで、遊技状態を遊技者に有利な特別遊技状態(BBゲーム、RBゲーム)に移行させる特別遊技状態移行手段(主制御装置131)と
を備えた遊技機において、
前記抽選手段の抽選結果が前記特定絵柄の組合せと対応する特定絵柄役の当選である場合、前記特定絵柄の組合せが前記有効位置に停止するまで前記特定絵柄役当選を留保する留保手段(主制御装置131)と、
前記所定絵柄の組合せのうち、1の所定絵柄の組合せを示唆する示唆演出を行う示唆演出手段(表示制御装置111の音声演出処理機能)と、
前記示唆演出手段の示唆した示唆絵柄(「ベル」図柄)の組合せが前記有効位置に停止した場合に、前記特定絵柄役当選が留保されていることを教示する留保教示手段(表示制御装置111の音声演出処理機能)と
を備え、
さらに、前記駆動制御手段は、
前記抽選手段の抽選結果が前記示唆絵柄役の当選であり且つ前記示唆演出が行われた場合に、前記示唆絵柄の組合せが前記有効位置に停止し得るように対応する各駆動手段を駆動制御する第1駆動制御手段(主制御装置131のリール制御処理機能)と、
前記抽選手段の抽選結果が前記示唆絵柄役に非当選であり且つ前記示唆演出が行われた場合に、前記各無端状ベルトのうち最後に停止する無端状ベルト以外を前記示唆絵柄が前記有効位置に停止し得るように、前記各無端状ベルトのうち最後に停止する無端状ベルトを前記示唆絵柄の組合せが前記有効位置に停止しないように対応する各駆動手段を駆動制御する第2駆動制御手段(主制御装置131のリール制御処理機能)と
を備えることを特徴とする遊技機。
手段2によれば、示唆演出が行われた場合に示唆絵柄の組合せが有効位置に停止すると、特定絵柄役に当選していることが教示される。かかる構成とすることにより、遊技者が遊技に積極参加できる特徴を希薄化させることなく特別遊技状態に移行する特定絵柄役に当選していることを教示することが可能となる。一般の遊技者は、示唆絵柄の組合せを有効位置に停止させるべく停止操作手段を操作するからである。また、示唆絵柄の組合せに基づく特典を付与しつつ特定絵柄役の当選を教示することができるため、遊技者の満足感を好適に高めることが可能となる。加えて、各無端状ベルトのうち最後に停止する無端状ベルト以外は、示唆絵柄役の当選有無に関わらず示唆絵柄が有効位置に停止し得るように駆動制御されるため、最後の無端状ベルトを停止させるまで遊技者を遊技に積極参加させることが可能となると共に、特定絵柄役に当選していることへの期待感を持続させることが可能となる。以上の結果、遊技の興趣を飛躍的に高めることが可能となる。さらに、本構成においては示唆絵柄役に当選していない状況下で特定絵柄役の留保有無に関わらず示唆演出を行うことが可能なため、特定絵柄役に当選していない通常時の遊技が単調化することを抑制し得ると共に、演出に関する設計自由度を高めることが可能となる。
手段3.上記手段2において、前記第1及び第2駆動制御手段は、前記停止操作手段の操作されたタイミングが前記示唆絵柄を前記有効位置に停止できないタイミングである場合、前記停止操作手段の操作されたタイミングから最大停止駆動時間(スベリ制御時間)の経過後に対応する無端状ベルトを停止させるよう対応する駆動手段を駆動制御することを特徴とする遊技機。
手段3によれば、示唆演出が行われた場合であって、停止操作手段の操作されたタイミングが示唆絵柄を有効位置に停止できないタイミングである場合、停止操作手段の操作されたタイミングから最大停止駆動時間の経過後に対応する無端状ベルトが停止する。かかる構成とすることにより、示唆演出が行われた場合に示唆絵柄役の組合せが有効位置に停止しなかったとしても、遊技者に惜しかったという印象を抱かせることが可能となり、特定絵柄役当選への期待感を高めることが可能となる。
手段4.上記手段1乃至手段3のいずれかにおいて、前記示唆演出を行うか否かを決定する示唆演出決定手段(主制御装置131の抽選処理機能)を備えたことを特徴とする遊技機。
手段4によれば、示唆演出決定手段の決定結果によって示唆演出がされたりされなかったりする。この結果、例えば特定絵柄役当選が留保されている状態とされていない状態で示唆演出を行うと決定する条件を変化させる構成とすれば、示唆演出が行われた際の特定絵柄役に当選していることへの期待感を高めることが可能となり、演出に関する設計自由度を高めることが可能となる。
手段5.上記手段4において、前記示唆演出を行うか否かの示唆演出抽選を行う示唆演出抽選手段(主制御装置131の抽選処理機能)を備え、前記示唆演出決定手段は、前記抽選手段の抽選結果が前記所定絵柄役に当選していない特典外れである場合に前記示唆演出抽選手段の抽選結果を参照し、該参照結果が当選である場合に前記示唆演出を行うと決定することを特徴とする遊技機。
手段5によれば、所定絵柄役に当選していない特典外れである場合に、示唆演出が行われることがある。かかる構成とすることにより、特定絵柄役に当選していない状況下であっても所定確率で示唆演出を行うことが可能となり、遊技者の特定絵柄役当選に対する期待感を持続させることが可能となる。また、遊技機が遊技者に付与する特典の割合と無関係に示唆演出を行うことが可能となり、演出に関する設計自由度を高めることが可能となる。
手段6.上記手段4又は手段5において、前記示唆演出決定手段は、前記留保手段が前記特定絵柄役当選を留保していない状態であり、且つ前記抽選手段の抽選結果が前記示唆絵柄役の当選である場合に、前記示唆演出を行わないと決定することを特徴とする遊技機。
手段6によれば、特定絵柄役当選が留保されていない状態で示唆絵柄役に当選した場合、示唆演出が行われない。かかる構成とすることにより、特定絵柄役に当選していないにも関わらず示唆演出時に示唆絵柄の組合せが有効位置に停止してしまう不具合を回避することが可能となる。
手段7.上記手段4乃至手段6のいずれかにおいて、前記示唆演出決定手段は、前記留保手段が前記特定絵柄役当選を留保している状態であり、且つ前記抽選手段の抽選結果が前記示唆絵柄役の当選である場合に、前記示唆演出を行うと決定することを特徴とする遊技機。
手段7によれば、特定絵柄役当選が留保されている状態で示唆絵柄役に当選した場合には、示唆演出が行われる。かかる構成とすることにより、示唆絵柄の組合せが有効位置に停止した場合に特定絵柄役の当選を教示する本構成において、特定絵柄役当選が留保されているにも関わらず遊技者が気付かないまま遊技を終了してしまう不具合を抑制することが可能となる。
手段8.上記手段4乃至手段6のいずれかにおいて、前記示唆演出決定手段は、前記留保手段が前記特定絵柄役当選を留保している状態であり、且つ前記抽選手段の抽選結果が前記示唆絵柄役の当選である場合に、所定の確率で前記示唆演出を行うと決定することを特徴とする遊技機。
手段8によれば、特定絵柄役当選が留保されている状態で示唆絵柄役に当選した場合には、所定の確率で示唆演出が行われる。かかる構成とすることにより、示唆演出が行われることなく示唆絵柄の組合せが有効位置に停止したとしても、特定絵柄役当選の留保されている余地を残すことが可能となり、特定絵柄役に当選していることへの期待感を持続させることが可能となる。
手段9.上記手段4乃至手段8のいずれかにおいて、前記示唆演出決定手段は、前記抽選手段の抽選結果が前記示唆絵柄役と異なる役の当選である場合、前記示唆演出を行わないと決定することを特徴とする遊技機。
手段9によれば、示唆絵柄役と異なる役に当選した場合には、示唆演出が行われない。かかる構成とすることにより、示唆絵柄役と異なる役に当選した際には当該役と対応した特典を付与したり特別遊技状態への移行を行ったりすることが可能となり、遊技者が不利益を被ることを抑制することが可能となる。
手段10.上記手段4乃至手段9のいずれかにおいて、前記示唆演出手段は、前記停止操作手段の操作が有効とされる前まで(無効期間内)に前記示唆演出を開始することを特徴とする遊技機。
手段10によれば、示唆演出が行われる場合には、停止操作手段の操作が有効とされる前までに、当該示唆演出が開始される。かかる構成とすることにより、遊技者が停止操作手段を操作する際に狙うべき絵柄を、停止操作手段の有効操作前に示唆することが可能となり、遊技者を遊技に積極参加させることが可能となる。
手段11.複数種の絵柄が周方向に付された複数の無端状ベルト(リール42L,42M,42R)と、
前記各無端状ベルトについて各絵柄のうち一部の絵柄を視認可能とする表示窓(表示窓31L,31M,31R)と、
前記各無端状ベルトの回転を開始させるべく操作される始動操作手段(スタートレバー71)と、
前記始動操作手段の操作を条件の1つとして役の抽選を行う抽選手段(主制御装置131の抽選処理機能)と、
前記各無端状ベルト毎に設けられ、該各無端状ベルトを回転させる駆動手段(ステッピングモータ61)と、
前記各無端状ベルトの回転を個別に停止させるべく操作される複数の停止操作手段(ストップスイッチ72〜74)と、
前記始動操作手段の操作に基づいて前記各無端状ベルトの回転を開始させ、前記各停止操作手段の操作に基づいて対応する前記無端状ベルトの回転を停止させるように、且つ前記役の抽選に当選した際には、役と対応する絵柄又は絵柄の組合せが前記表示窓から視認できる有効位置(有効ライン)に停止し得るよう前記各駆動手段を駆動制御する駆動制御手段(主制御装置131のリール制御処理機能)と、
前記有効位置に所定絵柄又は所定絵柄の組合せ(小役図柄、再遊技図柄の組合せ)が停止した場合に、遊技媒体を払い出す又は再遊技等の特典を付与する特典付与手段(主制御装置131、ホッパ装置91)と、
前記有効位置に特定絵柄(BB図柄、RB図柄)の組合せが停止した場合に、所定の終了条件が成立するまで、遊技状態を遊技者に有利な特別遊技状態(BBゲーム、RBゲーム)に移行させる特別遊技状態移行手段(主制御装置131)と
を備えた遊技機において、
前記抽選手段の抽選結果が前記特定絵柄の組合せと対応する特定絵柄役の当選である場合、前記特定絵柄の組合せが前記有効位置に停止するまで前記特定絵柄役当選を留保する留保手段(主制御装置131)と、
前記所定絵柄の組合せのうち、1の所定絵柄の組合せを示唆する示唆演出を行う示唆演出手段(表示制御装置111の音声演出処理機能)と、
前記示唆演出手段の示唆した示唆絵柄(「ベル」図柄)の組合せが前記有効位置に停止した場合に、前記特定絵柄役当選が留保されていることを教示する留保教示手段(表示制御装置111の音声演出処理機能)と、
前記示唆演出を行うことが可能か否かを判定する示唆演出判定手段(主制御装置131の抽選処理機能)と、
前記示唆演出判定手段の判定結果が可能である場合に、前記示唆演出を行うか否かを決定する示唆演出決定手段(主制御装置131の抽選処理機能)と
を備え、
前記示唆演出判定手段は、少なくとも前記留保手段が前記特定絵柄役当選を留保しておらず且つ前記抽選手段の抽選結果が前記示唆絵柄の組合せと対応する示唆絵柄役当選である場合に、前記示唆演出を行うことが不可能と判定し、
前記示唆演出決定手段は、
前記示唆演出を行うか否かの示唆演出抽選を行う示唆演出抽選手段(主制御装置131の抽選処理機能)を備え、
前記抽選手段の抽選結果が前記示唆絵柄役当選でない場合、前記示唆演出抽選手段の抽選結果を参照すると共に当該結果が当選であれば前記示唆演出を行う決定をし、
前記駆動制御手段は、
前記抽選手段の抽選結果が前記示唆絵柄役の当選であり且つ前記示唆演出決定手段が前記示唆演出を行うと決定した場合に、前記各無端状ベルトのうち最後に停止する無端状ベルト以外を前記示唆絵柄が前記有効位置に停止するように、前記各無端状ベルトのうち最後に停止する無端状ベルトを前記示唆絵柄の組合せが前記有効位置に停止し得るように対応する各駆動手段を駆動制御する第1駆動制御手段(主制御装置131のリール制御処理機能)と、
前記抽選手段の抽選結果が前記示唆絵柄役に非当選であり且つ前記示唆演出決定手段が前記示唆演出を行うと決定した場合に、前記各無端状ベルトのうち最後に停止する無端状ベルト以外を前記示唆絵柄が前記有効位置に停止するように、前記各無端状ベルトのうち最後に停止する無端状ベルトを前記示唆絵柄の組合せが前記有効位置に停止しないように対応する各駆動手段を駆動制御する第2駆動制御手段(主制御装置131のリール制御処理機能)と
を備えることを特徴とする遊技機。
手段11によれば、示唆演出が行われた場合に示唆絵柄の組合せが有効位置に停止すると、特定絵柄役に当選していることが教示される。かかる構成とすることにより、遊技者が遊技に積極参加できる特徴を希薄化させることなく特別遊技状態に移行する特定絵柄役に当選していることを教示することが可能となる。一般の遊技者は、示唆絵柄の組合せを有効位置に停止させるべく停止操作手段を操作するからである。また、示唆絵柄の組合せに基づく特典を付与しつつ特定絵柄役の当選を教示することができるため、遊技者の満足感を好適に高めることが可能となる。加えて、各無端状ベルトのうち最後に停止する無端状ベルト以外は示唆絵柄が有効位置に停止するため、最後の無端状ベルトを停止させるまで遊技者を遊技に積極参加させることが可能となると共に、特定絵柄役に当選していることへの期待感を持続させることが可能となる。以上の結果、遊技の興趣を飛躍的に高めることが可能となる。
また、示唆絵柄役に当選していない状況下で特定絵柄役当選の留保有無に関わらず示唆演出を行うことが可能なため、特定絵柄役に当選していない通常時の遊技が単調化することを抑制し得ると共に、演出に関する設計自由度を高めることが可能となる。一般に示唆絵柄役に当選しない確率は当選する確率より高いため、特定絵柄役当選を教示しない演出を比較的自由に行うことができるからである。さらにいうと、特定絵柄役に当選する確率は示唆絵柄役等の所定絵柄役に当選する確率と比して低いことが一般的であり、特定絵柄役に当選していない通常時の遊技の中で如何にして特定絵柄役当選への遊技者の期待感を持続させるかが重要となる。そこで、特定絵柄役当選を教示しない示唆演出を遊技媒体払出等の特典と無関係な状況下で行える構成とすることは、遊技者の期待感を持続させる上で極めて有効である。
手段12.上記手段11において、前記示唆演出決定手段は、前記留保手段が前記特定絵柄役当選を留保している状態であり、且つ前記抽選手段の抽選結果が前記示唆絵柄役の当選である場合、前記示唆演出を行うと決定することを特徴とする遊技機。
手段12によれば、特定絵柄役当選が留保されている状態で示唆絵柄役に当選した場合には、示唆演出が行われる。かかる構成とすることにより、示唆絵柄の組合せが有効位置に停止した場合に特定絵柄役の当選を教示する本構成において、特定絵柄役当選が留保されているにも関わらず遊技者が気付かないまま遊技を終了してしまう不具合を抑制することが可能となる。
手段13.上記手段11において、前記示唆演出決定手段は、前記留保手段が前記特定絵柄役当選を留保している状態であり且つ前記抽選手段の抽選結果が前記示唆絵柄役の当選である場合、前記示唆演出抽選手段の抽選結果を参照すると共に当該結果が当選であれば前記示唆演出を行う決定をすることを特徴とする遊技機。
手段13によれば、特定絵柄役当選が留保されている状態であっても、示唆演出が行われることなく示唆絵柄の組合せが有効位置に停止する場合がある。かかる構成とすることにより、示唆演出が行われることなく示唆絵柄の組合せが有効位置に停止したとしても、特定絵柄役当選の留保されている余地を残すことが可能となり、特定絵柄役に当選していることへの期待感を持続させることが可能となる。
手段14.上記手段11乃至手段13のいずれかにおいて、前記示唆演出判定手段は、前記抽選手段の抽選結果が前記示唆絵柄役と異なる役の当選である場合、前記示唆演出を行うことが不可能と判定することを特徴とする遊技機。
手段14によれば、示唆絵柄役と異なる役に当選した場合には示唆演出が行われない。かかる構成とすることにより、示唆絵柄役と異なる役に当選した際には当該役と対応した特典を付与したり特別遊技状態への移行を行ったりすることが可能となり、遊技者が不利益を被ることを抑制することが可能となる。
手段15.上記手段11乃至手段14のいずれかにおいて、前記示唆演出手段は、前記停止操作手段の操作が有効とされる前まで(無効期間内)に前記示唆演出を開始することを特徴とする遊技機。
手段15によれば、示唆演出が行われる場合には、停止操作手段の操作が有効とされる前までに、当該示唆演出が開始される。かかる構成とすることにより、遊技者が停止操作手段を操作する際に狙うべき絵柄を、停止操作手段の有効操作前に示唆することが可能となり、遊技者を遊技に積極参加させることが可能となる。
手段16.上記手段1乃至手段15のいずれかにおいて、前記示唆演出手段は、前記各無端状ベルトのうち最後に停止する無端状ベルト以外の無端状ベルトが停止するごとに前記示唆演出を行うことを特徴とする遊技機。
手段16によれば、各無端状ベルトのうち最後に停止する無端状ベルト以外の無端状ベルトが停止するごとに示唆演出が行われる。かかる構成とすることにより、遊技者が各停止操作手段を操作する際に狙うべき絵柄を、各停止操作手段の操作前に示唆することが可能となり、遊技者を遊技に積極参加させることが可能となる。
手段17.上記手段1乃至手段16のいずれかにおいて、前記示唆演出は、前記所定絵柄の組合せのうち、1の所定絵柄の組合せを有効位置に停止させるよう教示する演出であることを特徴とする遊技機。
手段17によれば、示唆演出として、所定絵柄の組合せのうち、1の所定絵柄の組合せを有効位置に停止させるよう教示する演出が行われる。かかる構成とすることにより、示唆演出が行われた場合に、遊技者が停止操作手段を操作する際に狙うべき絵柄を明確に教示することが可能となり、遊技者を遊技に積極参加させることが可能となる。
手段18.上記手段1乃至手段17のいずれかにおいて、前記示唆演出は、前記所定絵柄の組合せのうち、当該遊技において有効位置に停止させるべき1の所定絵柄の組合せを遊技者に認識させる演出であることを特徴とする遊技機。
手段18によれば、示唆演出として、所定絵柄の組合せのうち、当該遊技において有効位置に停止させるべき1の所定絵柄の組合せを遊技者に認識させる演出が行われる。かかる構成とすることにより、示唆演出が行われた場合に、遊技者が停止操作手段を操作する際に狙うべき絵柄を明確に認識させることが可能となり、遊技者を遊技に積極参加させることが可能となる。
手段19.上記手段1乃至手段18のいずれかにおいて、前記示唆演出は、前記所定絵柄の組合せのうち、1の所定絵柄の組合せを有効位置に停止させるよう音声にて教示する演出であることを特徴とする遊技機。
手段19によれば、示唆演出として、所定絵柄の組合せのうち、1の所定絵柄の組合せを有効位置に停止させるよう音声にて教示する演出が行われる。かかる構成とすることにより、遊技者を各無端状ベルトの回転に伴って変動する絵柄に集中させることが可能となり、遊技者を遊技に積極参加させることが可能となる。
手段20.上記手段1乃至手段19のいずれかにおいて、前記示唆絵柄役に当選する確率は、前記特定絵柄役に当選する確率よりも高いことを特徴とする遊技機。
手段20によれば、示唆絵柄役と特定絵柄役とでは当選する確率が示唆絵柄役の方が高い。故に、示唆演出が行われた際に、示唆絵柄の組合せを有効位置に停止させられるのではないか、ひいては特定絵柄役に当選しているのではないかという期待感を、特定絵柄役に当選する頻度よりも高い頻度で遊技者に抱かせることが可能となる。
手段21.上記手段1乃至手段20のいずれかにおいて、前記示唆演出の際に示唆する示唆絵柄の組合せとして、予め1の所定絵柄の組合せを設定したことを特徴とする遊技機。
手段21によれば、示唆演出では常に同じ所定絵柄の組合せが示唆される。故に、比較的簡単な制御で示唆演出を行うことが可能となる。
手段22.上記手段1乃至手段21のいずれかにおいて、前記留保手段が前記特定絵柄役当選を留保している場合、前記抽選手段の抽選結果が前記特定絵柄役の当選とならないように抽選結果を限定する抽選結果限定手段(主制御装置131)を備えることを特徴とする遊技機。
手段22によれば、特定絵柄役の当選は1つだけが留保される。故に、特別遊技状態に連続して移行する機会を低減させることが可能となり、遊技者の射幸心を過剰に煽ることを抑制することが可能となる。
なお、以上の各手段を適用し得る遊技機として、「複数の絵柄からなる絵柄列(具体的には図柄が付されたリール)を変動表示(具体的にはリールの回動)した後に絵柄列を確定停止表示する可変表示手段(具体的にはリールユニット)を備え、始動用操作手段(具体的にはスタートレバー)の操作に起因して絵柄の変動が開始され、停止用操作手段(具体的にはストップボタン)の操作に起因して又は所定時間経過することにより絵柄の変動が停止され、その停止時の確定絵柄が特定絵柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)の発生等の特典を付与するようにし、さらに、球受皿(上皿等)を設けてその球受皿から遊技球を取り込む投入処理を行う投入装置と、前記球受皿に遊技球の払出を行う払出装置とを備え、投入装置により遊技球が投入されることにより前記始動用操作手段の操作が有効となるように構成した遊技機。」といったスロットマシンとパチンコ機とが融合したタイプの遊技機なども挙げられる。
以下、遊技機の一種である回胴式遊技機、具体的にはスロットマシンに適用した場合の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はスロットマシン10の正面図、図2はスロットマシン10の前面扉12を閉じた状態の斜視図、図3はスロットマシン10の前面扉12を開いた状態の斜視図、図4は前面扉12の背面図、図5は筐体11の正面図である。
図1〜図5に示すように、スロットマシン10は、その外殻を形成する筐体11を備えている。筐体11は、木製板状に形成された天板11a、底板11b、背板11c、左側板11d及び右側板11eからなり、隣接する各板11a〜11eが接着等の固定手段によって固定されることにより、全体として前面を開放した箱状に形成されている。なお、各板11a〜11eは木製のパネルによって構成する以外に、合成樹脂製パネル又は金属製パネルによって構成してもよいし、合成樹脂材料又は金属材料によって一体の箱状に形成することによって構成してもよい。以上のように構成された筐体11は、遊技ホールへの設置の際にいわゆる島設備に対し釘を打ち付ける等して取り付けられる。
筐体11の前面側には、前面開閉扉としての前面扉12が開閉可能に取り付けられている。すなわち、筐体11の左側板11dには、上下一対の支軸25a,25bが設けられている。支軸25a,25bは上方に向けて突出された先細り形状の軸部を備えている。一方、前面扉12には、各支軸25a,25bに対応して当該支軸25a,25bの軸部が挿入される挿入孔を備えた支持金具26a,26bが設けられている。そして、各支軸25a,25bの上方に支持金具26a,26bを配置させた上で前面扉12を降下させることにより、支持金具26a,26bの挿入孔に支軸25a,25bの軸部が挿入された状態とされる。これにより、前面扉12は筐体11に対して両支軸25a,25bを結ぶ上下方向へ延びる開閉軸線を中心として回動可能に支持され、その回動によって筐体11の前面開放側を開放したり閉鎖することができるように構成されている。
前面扉12は、その裏面に設けられた施錠装置によって開放不能な施錠状態とされる。また、前面扉12の右端側上部には解錠操作部たるキーシリンダ20が設けられている。キーシリンダ20は施錠装置と一体化されており、キーシリンダ20に対する所定のキー操作によって前記施錠状態が解除されるように構成されている。そこで、施錠装置を含むロック機構について概略を説明する。
前面扉12の右端側、すなわち前面扉12の開閉軸の反対側には、その裏面に施錠装置が設けられている。施錠装置は、上下方向に延び前面扉12に固定された基枠と、基枠の上部から前面扉12の前方に延びるように設けられたキーシリンダ20と、基枠に対して上下方向に移動可能に組み付けられた長尺状の連動杆21とを備えている。そして、施錠装置のうちキーシリンダ20だけが前面扉12の前方に突出した状態で設けられている。キーシリンダ20が設けられる位置は前面扉12の中でも肉厚の薄い上部位置とされており、その結果、全長の短い汎用性のあるキーシリンダ20を採用することができる。なお、本実施の形態では、キーシリンダ20として、不正解錠防止機能の高いオムロック(商標名)が用いられている。連動杆21は、キーシリンダ20に差し込んだキーを時計回りに操作することで下方へ移動される。連動杆21には、鉤形状をなす上下一対の鉤金具22が設けられており、筐体11に対して前面扉12を閉鎖した際には、鉤金具22が筐体11側の支持金具23に係止されて施錠状態となる。なお、鉤金具22には施錠状態を維持する側へ付勢するコイルバネ等の付勢部材が設けられている。キーシリンダ20に対してキーが時計回りに操作されると、連動杆21が下方に移動し、前記付勢部材の付勢力に抗して鉤金具22が移動されることにより当該鉤金具22と支持金具23との係止状態が解除され、筐体11に対する前面扉12の施錠状態が解除される。
前面扉12の中央部上寄りには、遊技者に遊技状態を報知する遊技パネル30が設けられている。遊技パネル30には、縦長の3つの表示窓31L,31M,31Rが横並びとなるように形成されている。表示窓31L,31M,31Rは透明又は半透明な材質により構成されており、各表示窓31L,31M,31Rを通じてスロットマシン10の内部が視認可能な状態となっている。なお、各表示窓31L,31M,31Rを1つにまとめて共通の表示窓としてもよい。
図3に示すように、筐体11は仕切り板40によりその内部が上下2分割されており、仕切り板40の上部には、可変表示手段を構成するリールユニット41が取り付けられている。リールユニット41は、円筒状(円環状)にそれぞれ形成された左リール42L,中リール42M,右リール42Rを備えている。なお、各リール42L,42M,42Rは少なくとも無端状ベルトとして構成されていればよく、円筒状(円環状)に限定されるものではない。各リール42L,42M,42Rは、その中心軸線が当該リールの回転軸線となるように回転可能に支持されている。各リール42L,42M,42Rの回転軸線は略水平方向に延びる同一軸線上に配設され、それぞれのリール42L,42M,42Rが各表示窓31L,31M,31Rと1対1で対応している。従って、各リール42L,42M,42Rの表面の一部はそれぞれ対応する表示窓31L,31M,31Rを通じて視認可能な状態となっている。また、リール42L,42M,42Rが正回転すると、各表示窓31L,31M,31Rを通じてリール42L,42M,42Rの表面は上から下へ向かって移動しているかのように映し出される。
これら各リール42L,42M,42Rは、それぞれがステッピングモータ61L,61M,61Rに連結されており、各ステッピングモータ61L,61M,61Rの駆動により各リール42L,42M,42Rが個別に、即ちそれぞれ独立して回転駆動し得る構成となっている。これら各リール42L,42M,42Rは同様の構成をしているため、ここでは左リール42Lを例に挙げて図6に基づいて説明する。なお、図6は左リール42Lの組立斜視図である。
左リール42Lは、円筒状のかごを形成する円筒骨格部材50と、その外周面において無端状に巻かれた帯状のベルトとを備えている。そして、その巻かれた状態を維持するように、ベルトの長辺両側に沿って形成された一対のシール部を介して円筒骨格部材50に貼付されている。前記ベルトの外周面には、識別情報としての図柄が等間隔ごとに多数印刷されている。円筒骨格部材50の中心部にはボス部51形成されており、円盤状のボス補強板52を介して左リール用ステッピングモータ61Lの駆動軸に取り付けられている。従って、左リール用ステッピングモータ61Lの駆動軸が回転することによりその駆動軸を中心として円筒骨格部材50が自転するように回転され、左リール42Lが円環状のリール面に沿って周回するようになっている。
左リール用ステッピングモータ61Lは、リールユニット41(図3)内において起立状態に配置されたモータプレート53の側面にねじ54で固定されている。モータプレート53には、発光素子55aと受光素子55bとが所定間隔をおいて保持されたリールインデックスセンサ(回転位置検出センサ)55が設置されている。一方、左リール42Lと一体化されたボス補強板52には、半径方向に延びるセンサカットバン56の基端部56bがねじ57で固定されている。このセンサカットバン56の先端部56aは、略直角に屈曲されてリールインデックスセンサ55の両素子55a,55bの間を通過できるように位置合わせがなされている。そして、左リール42Lが1回転するごとにセンサカットバン56の先端部56aの通過をリールインデックスセンサ55が検出し、その検出の都度、後述する主制御装置131に検出信号が出力される。従って、主制御装置131はこの検出信号に基づいて左リール42Lの角度位置を1回転ごとに確認し補正できる。
ステッピングモータ61Lは例えば504パルスの駆動信号(励磁信号あるいは励磁パルスとも言う。以下同じ)を与えることにより1回転されるように設定されており、この励磁パルスによってステッピングモータ61Lの回転位置、すなわち左リール42Lの回転位置が制御される。
各リール42L,42M,42Rの各ベルト上には、その長辺方向(周回方向)に複数個、具体的には21個の図柄が描かれている。従って、所定の位置においてある図柄から次の図柄へ切り替えるには24パルス(=504パルス÷21図柄)を要する。そして、リールインデックスセンサ55の検出信号が出力された時点からのパルス数により、どの図柄が表示窓31Lから視認可能な状態となっているかを認識したり、任意の図柄を露出窓31Lから視認可能な状態としたりする制御を行うことができる。
各リール42L,42M,42Rに付された図柄のうち、表示窓31L,31M,31Rを介して全体を視認可能な図柄数は、主として表示窓31L,31M,31Rの上下方向の長さによって決定される所定数に限られている。本実施形態では各リール3個ずつとされている。このため、各リール42L,42M,42Rがすべて停止している状態では、3×3=9個の図柄が遊技者に視認可能な状態となる。
ここで、各リール42L,42M,42Rに付される図柄について説明する。図7には、左リール42L,中リール42M,右リール42Rのそれぞれに巻かれるベルトに描かれた図柄配列が示されている。同図に示すように、各リール42L,42M,42Rにはそれぞれ21個の図柄が一列に設けられている。各リール42L,42M,42Rに対応して番号が1〜21まで付されているが、これは説明の便宜上付したものであり、リール42L,42M,42Rに実際に付されているわけではない。但し、以下の説明では当該番号を使用して説明する。
図柄としては、ボーナスゲームの1種であるビッグボーナス(以下「BB」ともいう)ゲームに移行するための第1特別図柄としての「7」図柄(例えば、左ベルト第20番目)と「青年」図柄(例えば、左ベルト19番目)とがある。また、ボーナスゲームの1種であるレギュラーボーナス(以下「RB」ともいう)ゲームに移行するための第2特別図柄としての「BAR」図柄(例えば、左ベルト第14番目)がある。また、メダルの払出が行われる小役図柄としての「スイカ」図柄(例えば、左ベルト第9番目)、「ベル」図柄(例えば、左ベルト第8番目)、「チェリー」図柄(例えば、左ベルト第4番目)と、再遊技を可能とする再遊技図柄としての「リプレイ」図柄(例えば、左ベルト第11番目)がある。そして、図7に示すように、各リール42L,42M,42Rに巻かれるベルトにおいて、各種図柄の数や配置順序は全く異なっている。
なお、リールユニット41の各リール42L,42M,42Rは識別情報を可変表示する可変表示手段の一例であり、主表示部を構成する。但し、可変表示手段はこれ以外の構成であってもよい。例えば、ベルトを自転させるのではなく周回させるタイプ等の他の機械的なリール構成としてもよく、また、機械的なリール構成に代えて、或いはこれに加えて、液晶表示器、ドットマトリックス表示器等の電気的表示により識別情報を可変表示させるものを設けてもよく、この場合は表示形態に豊富なバリエーションをもたせることが可能となる。
遊技パネル30には、各表示窓31L,31M,31Rを結ぶようにして、横方向へ平行に3本、斜め方向へたすき掛けに2本、計5本の組合せラインが付されている。勿論、最大組合せライン数を6以上としてもよく、5未満としてもよく、所定条件に応じて最大組合せライン数を変更するようにしてもよい。これら各組合せラインに対応して、表示窓31L,31M,31R群の正面から見て左側には有効ライン表示部32,33,34が設けられている。第1有効ライン表示部32は組合せラインのうち中央の横ライン(中央ライン)が有効化された場合に点灯等によって表示報知される。第2有効ライン表示部33は組合せラインのうち上下の横ライン(上ライン及び下ライン)が有効化された場合に点灯等によって表示報知される。第3有効ライン表示部34は組合せラインのうち一対の斜めライン(右下がりライン及び右上がりライン)が有効化された場合に点灯等によって表示報知される。そして、有効化された組合せライン、すなわち有効ライン上に図柄が所定の組合せで停止した場合に入賞となり、予め定められたメダル数の払出処理や、ボーナスゲームへの移行処理などが実行される。
ここで、入賞となった場合の各図柄に関する払出枚数について説明する。小役図柄に関し、「スイカ」図柄が有効ライン上に左・中・右と揃った場合には15枚のメダル払出、「ベル」図柄が有効ライン上に左・中・右と揃った場合には8枚のメダル払出、左リール42Lの「チェリー」図柄が有効ライン上に停止した場合には2枚のメダル払出が行われる。即ち、中リール42M及び右リール42Rの「チェリー」図柄はメダル払出と無関係である。また、「チェリー」図柄に限っては、他の図柄との組合せとは無関係にメダル払出が行われるため、左リール42Lの複数の有効ラインが重なる位置(具体的には上段又は下段)に「チェリー」図柄が停止した場合には、その重なった有効ラインの数を乗算した分だけのメダル払出が行われることとなり、結果として本実施の形態では4枚のメダル払出が行われる。
また、その他の図柄に関しては、第1特別図柄としての「7」図柄や「青年」図柄、第2特別図柄としての「BAR」図柄が有効ライン上に左・中・右と同一図柄で揃ったとしても、メダル払出が行われない。すなわち、これら各図柄が有効ライン上に左・中・右と揃った際には、対応するボーナスゲームに移行するのみである。換言すれば、「7」図柄や「青年」図柄、「BAR」図柄は、遊技状態をボーナスゲームに移行させるための状態移行図柄であるといえる。
更に、再遊技図柄としての「リプレイ」図柄が有効ライン上に左・中・右と揃った場合にもメダル払出は行われない。但しこの場合には、遊技者は所有するメダルを減らすことなく再度遊技を行うことが可能となる。
その他の場合、即ち有効ライン上に左リール42Lの「チェリー」図柄が停止せず、また有効ライン上に左・中・右と同一図柄が揃わない場合には、一切メダル払出は行われない。
遊技パネル30の下方左側には、各リール42L,42M,42Rを一斉(同時である必要はない)に回転開始させるために操作されるスタートレバー71が設けられている。スタートレバー71はリール42L,42M,42Rを回転開始、すなわち可変表示を開始させるべく操作される開始操作手段又は始動操作手段を構成する。スタートレバー71は、遊技者がゲームを開始するときに手で押し操作するレバーであり、手が離れたあと元の位置に自動復帰する。メダルが投入されているときにこのスタートレバー52が操作されると、各リール42L,42M,42Rが一斉に回転を始める。
スタートレバー71の右側には、回転している各リール42L,42M,42Rを個別に停止させるために操作されるボタン状のストップスイッチ72,73,74が設けられている。各ストップスイッチ72,73,74は停止対象となるリール42L,42M,42Rに対応する表示窓31L,31M,31Rの直下にそれぞれ配置されている。ストップスイッチ72,73,74はリール42L,42M,42Rの回転に基づく可変表示を停止させるべく操作される停止操作手段を構成する。各ストップスイッチ72,73,74は、左リール42Lが回転を開始してから所定時間が経過すると停止させることが可能な状態となり、かかる状態中には図示しないランプが点灯表示されることによって停止操作が可能であることが報知され、回転が停止すると消灯されるようになっている。
表示窓31L,31M,31Rの下方右側には、投資価値としてのメダルを投入するためのメダル投入口75が設けられている。メダル投入口75は投資価値を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口75が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴う点に着目すれば、投資価値を直接入力する直接入力手段を構成するものともいえる。
メダル投入口75から投入されたメダルは、前面扉12の背面に設けられた通路切替手段としてのセレクタ84によって貯留用通路81か排出用通路82のいずれかへ導かれる。すなわち、セレクタ84にはメダル通路切替ソレノイド83が設けられ、そのメダル通路切替ソレノイド83の非励磁時には排出用通路82側とされ、励磁時には貯留用通路81側に切り替えられるようになっている。貯留用通路81に導かれたメダルは、筐体11の内部に収納されたホッパ装置91へと導かれる。一方、排出用通路82に導かれたメダルは、前面扉12の前面下部に設けられたメダル排出口17からメダル受け皿18へと導かれ、遊技者に返還される。
メダルを遊技者に付与する払出手段としてのホッパ装置91は、メダルを貯留する貯留タンク92と、メダルを遊技者に払い出す払出装置93とより構成されている。払出装置93は、図示しないメダル払出用回転板を回転させることにより、排出用通路82の中央右部に設けられた開口94へメダルを排出し、排出用通路82を介してメダル受け皿18へメダルを払い出すようになっている。また、ホッパ装置91の右方には、貯留タンク92内に所定量以上のメダルが貯留されることを回避するための予備タンク95が設けられている。ホッパ装置91の貯留タンク92内部には、この貯留タンク92から予備タンク95へとメダルを排出する誘導プレート96が設けられている。したがって、誘導プレート96が設けられた高さ以上にメダルが貯留された場合、かかるメダルが予備タンク95に貯留されることとなる。
メダル投入口75の下方には、ボタン状の返却スイッチ76が設けられている。返却スイッチ76は、メダル投入口75に投入されたメダルがセレクタ84内に詰まった際に押されるスイッチであり、このスイッチが押されることによりセレクタ84が機械的に連動して動作され、当該セレクタ84内に詰まったメダルがメダル排出口17より返却されるようになっている。
表示窓31L,31M,31Rの下方左側には、投資価値としてのクレジットされた仮想メダルを一度に3枚投入するためのボタン状の第1クレジット投入スイッチ77が設けられている。また、第1クレジット投入スイッチ77の左方には当該スイッチ77よりも小さなボタン状のスイッチとして、第2クレジット投入スイッチ78及び第3クレジット投入スイッチ79が設けられている。第2クレジット投入スイッチ78はクレジットされた仮想メダルを一度に2枚投入するためのものであり、第3クレジット投入スイッチ79は仮想メダルを1枚投入するためのものである。各クレジット投入スイッチ77〜79は前記メダル投入口75とともに投資価値を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口75が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴うのに対し各クレジット投入スイッチ77〜79は貯留記憶に基づく仮想メダルの投入という動作を伴うに過ぎない点に着目すれば、投資価値を間接入力する間接入力手段を構成するものともいえる。
なお、第1クレジット投入スイッチ77は、1ゲームにつき投入できるメダル最大数(3枚)に達していないことを促すため、図示しない発光部材としてのランプが内蔵されている。当該ランプは、第1クレジット投入スイッチ77のスイッチ操作が有効である状況時において点灯されて当該スイッチ77の操作を促すが、クレジットされた仮想メダルが存在しない場合や既に3枚のメダル投入がなされている状況下では消灯される。ここで、上記点灯に代えて、点滅させてメダル投入の促しを遊技者に一層分かり易くしてもよい。
スタートレバー71の左側には、ボタン状の切換スイッチ80が設けられている。切換スイッチ80は、1度押されるとオン状態になり、もう1度押されるとオフ状態になり、その後押下操作が行われるごとにオンオフが切り替わるトグル式に構成されている。切換スイッチ80は、メダル投入口75に必要量より多く投入された投入メダルや、所定の遊技の結果遊技者に返還される獲得メダルの取扱形式を変更するために操作される。
切換スイッチ80がオン状態のときには、所定の最大値(例えばメダル50枚分)となるまでの余剰の投入メダルや入賞時の獲得メダルがクレジットメダルとして貯留記憶されるように設定された「クレジットモード」となる。切換スイッチ80がオフ状態のときには、余剰の投入メダルや入賞時の獲得メダルを現実のメダルとして払い出すように設定された「ダイレクトモード」となる。なお、クレジットモードからダイレクトモードに切り換えられた際にクレジットメダルがある場合には、その分のクレジットメダルが現実のメダルとして払い出される。このように、遊技者はクレジットモードとダイレクトモードとを切り換えることにより自身の好みに応じた形式で遊技を実行することができる。かかる切換スイッチ80は投入価値及び遊技価値の取扱形式を切り換える切換操作手段を構成する。また、クレジットされた仮想メダルを現実のメダルとして払い出すという機能に着目すれば、切換スイッチ80は貯留記憶された遊技価値を実際に払い出すための精算操作手段を構成するものともいえる。なお、切換スイッチ80の操作により「クレジットモード」と「ダイレクトモード」とを切り換えるように構成する他、常に「クレジットモード」としておき切換スイッチ80が操作されると貯留記憶された仮想メダルを払い出すだけの精算スイッチとして機能させてもよい。
遊技パネル30の表示窓31L,31M,31R下方には、クレジットモード時に有効化されて貯留記憶されたメダル数を表示する残数表示部35と、BBゲームやRBゲーム等のボーナスゲームの際に例えば残りのゲーム数等を表示するゲーム数表示部36と、獲得メダルの枚数を表示する獲得枚数表示部37とがそれぞれ設けられている。これら表示部35〜37は7セグメント表示器によって構成されているが、液晶表示器等によって代替することは当然可能である。
ここで、メダルがベットされる手順について説明する。ダイレクトモード、クレジットモードのいずれのモードにおいても、遊技の開始時にメダル投入口75からメダルが投入されるとベットとなる。
すなわち、1枚目のメダルがメダル投入口75に投入されると、第1有効ライン表示部32が点灯し、そしてこれに対応する中央ラインが有効ラインとなり、2枚目のメダルがメダル投入口75に投入されると、更に第2有効ライン表示部33が点灯すると共に、これに対応する上ライン及び下ラインを含む合計3本の組合せラインがそれぞれ有効ラインとなり、3枚目のメダルがメダル投入口75に投入されると、更に第3有効ライン表示部34が点灯し、そしてこれに対応する一対の斜めラインを含む合計5本の組合せライン全てが有効ラインとなる。
また、4枚以上のメダルがメダル投入口75に投入されると、3枚を超える余剰メダルは、そのときのモードがダイレクトモードであればセレクタ84により排出用通路82への切替がなされてメダル排出口17からメダル受け皿18へ返却される。一方、クレジットモードであればスロットマシン内部に貯蓄されると共に残数表示部35に貯蓄枚数が表示される。この貯留枚数には上限枚数が決められており(例えば50枚)、それを越える枚数のメダルが投入されたときにはメダル排出口17からメダル受け皿18へ返却される。
また、クレジットモードにて遊技が行われ且つ残数表示部35に貯留枚数が表示されている場合には、第1〜第3クレジット投入スイッチ77〜79のいずれかが押された際にも仮想メダルが投入されたこととなりベットとなる。
第3クレジット投入スイッチ79が押された際には、仮想メダルが1枚投入されたこととして残数表示部35に表示されている数値が1つディクリメントされ、第1有効ライン表示部32が点灯して中央ラインが有効ラインとなる。第2クレジット投入スイッチ78が押された際には、仮想メダルが2枚投入されたこととして残数表示部35に表示されている数値が2つディクリメントされ、第1有効ライン表示部32および第2有効ライン表示部33が点灯して合計3本の組合せラインが有効ラインとなる。第1クレジット投入スイッチ77が押された際には、仮想メダルが3枚投入されたこととして残数表示部35に表示されている数値が3つディクリメントされ、全ての有効ライン表示部32〜34が点灯して合計5本の組合せラインが有効ラインとなる。
なお、第1〜第3クレジット投入スイッチ77〜79のいずれかが押された際に投入されるべき仮想メダルが貯留されていない場合、例えば残数表示部35の表示が2のときに第1クレジット投入スイッチ77が押された場合等には、残数表示部35の数値が全てディクリメントされて0となり、投入可能な仮想メダル分だけベットされる。
前面扉12の上部には、遊技の進行に伴い点灯したり点滅したりする上部ランプ13と、遊技の進行に伴い種々の効果音を鳴らしたり、遊技者に遊技状態を報知したりする左右一対のスピーカ14と、遊技者に各種情報を与える補助表示部15とが設けられている。補助表示部15は、本実施形態では表示内容の多様化及び表示演出の重厚化を意図して液晶表示器によって構成されているが、ドットマトリックス表示器等の他の表示器を使用してもよい。補助表示部15は、遊技の進行に伴って各種表示演出を実行するためのものであり、各リール42L,42M,42Rによる遊技を主表示部によるものと考えることができることから、本実施形態では補助表示部15と称している。補助表示部15の背面には上部ランプ13やスピーカ14、補助表示部15を駆動させるための表示制御装置111が設けられている。なお、上部ランプ13及びスピーカ14の位置や数は特に以上説明したものに限られない。
メダル受け皿18の上方には、機種名や遊技に関わるキャラクタなどが表示された下段プレート16が装着されている。また、メダル受け皿18の左方には、手前側下方に反転可能な灰皿19が設けられている。
筐体11の内部においてホッパ装置91の左方には、電源ボックス121が設けられている。電源ボックス121は、電源スイッチ122やリセットスイッチ123や設定キー挿入孔124などを備えている。電源スイッチ122は、主制御装置131を始めとする各部に電源を供給するための起動スイッチである。
リセットスイッチ123は、スロットマシン10の各種状態をリセットするためのスイッチである。本スロットマシン10は各種データのバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。従って、例えば遊技ホールの営業が終了する場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持されるが、リセットスイッチ123を押しながら電源スイッチ122をオンすると、バックアップデータがリセットされるようになっている。また、電源スイッチ122がオンされている状態でリセットスイッチ123を押した場合には、エラー状態がリセットされる。
設定キー挿入孔124は、ホール管理者などがメダルの出玉調整を行うためのものである。すなわち、ホール管理者等が設定キーを設定キー挿入孔124へ挿入して操作することにより、スロットマシン10の設定状態(当選確率設定処理)を「設定1」から「設定6」まで変更できるようになっている。
リールユニット41の上方には、主制御装置131が筐体11の背板11cに取り付けられている。主制御装置131は、主たる制御を司るCPU、遊技プログラムを記憶したROM、遊技の進行に応じた必要なデータを一時的に記憶するRAM、各種機器との連絡をとるポート、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロック回路等を含む主基板を具備しており、主基板が透明樹脂材料等よりなる被包手段としての基板ボックスに収容されて構成されている。基板ボックスは、略直方体形状のボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印手段としての封印ユニットによって開封不能に連結され、これにより基板ボックスが封印されている。なお、ボックスベースとボックスカバーとを鍵部材を用いて開封不能に連結する構成としてもよい。
次に、本スロットマシン10の電気的構成について、図8のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置131には、演算処理手段であるCPU151を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。CPU151には、電源ボックス121の内部に設けられた電源装置161の他に、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路154や、入出力ポート155などが内部バスを介して接続されている。かかる主制御装置131は、スロットマシン10に内蔵されるメイン基盤としての機能を果たすものである。
主制御装置131の入力側には、スタートレバー71の操作を検出するスタート検出センサ71a、各ストップスイッチ72,73,74の操作を個別に検出するストップ検出センサ72a,73a,74a、メダル投入口75から投入されたメダルを検出する投入メダル検出センサ75a、各クレジット投入スイッチ77,78,79の操作を個別に検出するクレジット投入検出センサ77a,78a,79a、切換スイッチ80の操作を検出する切換検出センサ80a、各リール42の回転位置(原点位置)を個別に検出するリールインデックスセンサ55、ホッパ装置91から払い出されるメダルを検出する払出検出センサ91a、リセットスイッチ123の操作を検出するリセット検出センサ123a、設定キー挿入孔124に設定キーが挿入されたことを検出する設定キー検出センサ124a等の各種センサが接続されており、これら各種センサからの信号は入出力ポート155を介してCPU151へ出力されるようになっている。
なお、投入メダル検出センサ75aは実際には複数個のセンサより構成されている。即ち、メダル投入口75からホッパ装置91に至る貯留用通路81は、メダルが1列で通行可能なように構成されている。そして、貯留用通路81には第1センサが設けられるとともに、それよりメダルの幅以上離れた下流側に第2センサ及び第3センサが近接(少なくとも一時期において同一メダルを同時に検出する状態が生じる程度の近接)して設けられており、これら第1乃至第3の各センサによって投入メダル検出センサ75aが構成されている。主制御装置131は、第1センサから第2センサに至る時間を監視し、その経過時間が所定時間を越えた場合にはメダル詰まり又は不正があったものとみなしてエラーとする。エラーになると、エラー報知が行われるとともにエラー解除されるまでの遊技者による操作が無効化される。また、主制御装置131は第2センサと第3センサとがオンオフされる順序をも監視し、第2,第3センサが共にオフ、第2センサのみオン、第2,第3センサが共にオン、第3センサのみオン、第2,第3センサが共にオフという順序通りになった場合で、かつ各オンオフ切換に移行する時間が所定時間内である場合にのみメダルが正常に取り込まれたと判断し、それ以外の場合はエラーとする。このようにするのは、貯留用通路81でのメダル詰まりの他、メダルを投入メダル検出センサ75a付近で往復動させてメダル投入と誤認させる不正を防止するためである。
また、主制御装置131の入力側には、入出力ポート155を介して電源装置161に設けられた停電監視回路161bが接続されている。電源装置161には、主制御装置131を始めとしてスロットマシン10の各電子機器に駆動電力を供給する電源部161aや、上述した停電監視回路161bなどが搭載されている。
停電監視回路161bは電源の遮断状態を監視し、停電時はもとより、電源スイッチ122による電源遮断時に停電信号を生成するためのものである。そのため停電監視回路161bは、電源部161aから出力されるこの例では直流12ボルトの安定化駆動電圧を監視し、この駆動電圧が例えば10ボルト未満まで低下したとき電源が遮断されたものと判断して停電信号が出力されるように構成されている。停電信号はCPU151と入出力ポート155のそれぞれに供給され、CPU151ではこの停電信号を認識することにより後述する停電時処理が実行される。
電源部161aからは出力電圧が10ボルト未満まで低下した場合でも、主制御装置131などの制御系における駆動電圧として使用される5ボルトの安定化電圧が出力されるように構成されており、この安定化電圧が出力されている時間としては、主制御装置131による停電時処理を実行するに十分な時間が確保されている。
主制御装置131の出力側には、各有効ライン表示部32,33,34、残数表示部35、ゲーム数表示部36、獲得枚数表示部37、各リール42L,42M,42Rを回転させるための各ステッピングモータ61(61L,61M,61R)、セレクタ84に設けられたメダル通路切替ソレノイド83、ホッパ装置91、表示制御装置111、図示しないホール管理装置などに情報を送信できる外部集中端子板171等が入出力ポート155を介して接続されている。
表示制御装置111は、上部ランプ13やスピーカ14、補助表示部15を駆動させるための制御装置であり、これらを駆動させるためのCPU、ROM、RAM等が一体化された基板を備えている。そして、主制御装置131からの信号を受け取った上で、表示制御装置111が独自に上部ランプ13、スピーカ14及び補助表示部15を駆動制御する。従って、表示制御装置111は、遊技を統括管理するメイン基盤たる主制御装置131との関係では補助的な制御を実行するサブ基盤となっている。即ち、間接的な遊技に関する音声やランプ、表示についてはサブ基盤を設けることにより、メイン基盤の負担軽減を図っている。なお、各種表示部32〜37を表示制御装置111が制御する構成としてもよい。
上述したCPU151には、このCPU151によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM152と、このROM152内に記憶されている制御プログラムを実行するに当たって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRAM153のほかに、図示はしないが周知のように割込み回路を始めとしてタイマ回路、データ送受信回路などスロットマシン10において必要な各種の処理回路や、クレジット枚数をカウントするクレジットカウンタなどの各種カウンタが内蔵されている。ROM152とRAM153によって記憶手段としてのメインメモリが構成され、図9以降に示される各種のフローチャートに示される処理を実行するためのプログラムは、制御プログラムの一部として上述したROM152に記憶されている。
RAM153は、スロットマシン10の電源が遮断された後においても電源ボックス121内に設けられた電源装置161からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM153には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアの他に、バックアップエリアが設けられている。
バックアップエリアは、停電などの発生により電源が遮断された場合において、電源遮断時(電源スイッチ122の操作による電源遮断をも含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエリアであり、停電解消時(電源スイッチ122の操作による電源投入をも含む。以下同様)には、バックアップエリアの情報に基づいてスロットマシン10の状態が電源遮断前の状態に復帰できるようになっている。バックアップエリアへの書き込みは停電時処理(図11参照)によって電源遮断時に実行され、バックアップエリアに書き込まれた各値の復帰は電源投入時のメイン処理(図12参照)において実行される。なお、CPU151のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路161bからの停電信号が入力されるように構成されており、停電等の発生に伴う停電フラグ生成処理としてのNMI割込み処理が即座に実行される。
続いて、主制御装置131内のCPU151により実行される各制御処理を図9〜図18のフローチャートを参照しながら説明する。かかるCPU151の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では1.49msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理とがあり、説明の便宜上、はじめにNMI割込み処理とタイマ割込み処理とを説明し、その後メイン処理を説明する。
図9はNMI割込み処理の一例を示すフローチャートである。停電の発生などによって電源が遮断されると、電源装置161の停電監視回路161bでは停電信号が生成され、主制御装置131に対して出力される。NMI端子を介して停電信号を受信した主制御装置131では、NMI割込み処理が実行される。
NMI割込み処理では、まずステップS101において、CPU151内に設けられた使用レジスタのデータをRAM153内に設けられたバックアップエリアに退避させる。続いて、ステップS102では、停電フラグをRAM153内に設けられた停電フラグ格納エリアにセットする。その後、ステップS103にてRAM153のバックアップエリアに退避させたデータを再びCPU151の使用レジスタに復帰させる。この復帰処理でNMI割込み処理が終了する。なお、CPU151の使用レジスタのデータを破壊せずに停電フラグのセット処理が可能な場合には、バックアップエリアへの退避および復帰処理を省くことができる。
図10は、主制御装置131で定期的に実行されるタイマ割込み処理のフローチャートであり、主制御装置131のCPU151により例えば1.49msecごとにタイマ割込みが発生する。
先ず、ステップS201に示すレジスタ退避処理では、後述する通常処理で使用しているCPU151内の全レジスタの値をRAM153のバックアップエリアに退避させる。ステップS202では停電フラグがセットされているか否かを確認し、停電フラグがセットされているときにはステップS203に進み、停電時処理を実行する。
ここで、停電時処理について図11を用いて説明する。この停電時処理は、タイマ割込み処理のうち特にレジスタ退避処理の直後に行われるため、その他の割込み処理を中断することなく実行できる。従って、例えば各種コマンドの送信処理中、スイッチの状態(オンオフ)の読み込み処理中などのように、それぞれの処理に割り込んでこの停電時処理が実行されることはなく、かかるタイミングで実行されることをも考慮した停電時処理のプログラムを作成する必要がなくなる。これにより停電時処理用の処理プログラムを簡略化してプログラム容量を削減できる。なお、このことは後述する復電時処理用の処理プログラムについても同様である。
ステップS301では、コマンド送信が終了しているか否かを判定する。送信が終了していない場合には本処理を終了してタイマ割込み処理に復帰し、コマンド送信を終了させる。このように停電時処理の初期段階でコマンドの送信が完了しているか否かを判断し、送信が未完であるときには送信処理を優先し、単位コマンドの送信処理終了後に停電時処理を実行する構成とすることにより、コマンドの送信途中で停電時処理が実行されることをも考慮した停電時処理プログラムを構築する必要がなくなる。その結果停電時処理プログラムを簡略化してROM152の小容量化を図ることができる実益を有する。
ステップS301がYES、すなわちコマンドの送信が完了している場合には、ステップS302に進み、CPU151のスタックポインタの値をRAM153内のバックアップエリアに保存する。その後ステップS303では、停止処理として後述するRAM判定値をクリアすると共に入出力ポート155における出力ポートの出力状態をクリアし、図示しない全てのアクチュエータをオフ状態にする。ステップS304では、RAM判定値を算出し、バックアップエリアに保存する。RAM判定値とは、具体的にはRAM153の作業領域アドレスにおけるチェックサムの2の補数である。RAM判定値をバックアップエリアに保存することにより、RAM153のチェックサムは0となる。RAM153のチェックサムを0とすることにより、ステップS305においてそれ以後のRAMアクセスを禁止する。その後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるのに備え、無限ループに入る。なお、例えばノイズ等に起因して停電フラグが誤ってセットされる場合を考慮し、無限ループに入るまでは停電信号が出力されているか否かを確認する。停電信号が出力されていなければ停電状態から復旧したこととなるため、RAM153への書き込みを許可すると共に停電フラグをリセットし、タイマ割込み処理に復帰する。停電信号の出力が継続してなされていれば、そのまま無限ループに入る。
なお、電源装置161の電源部161aは、上述したNMI割込み処理及び停電時処理を実行するのに十分な時間、制御系の駆動電圧として使用される安定化電圧(5ボルト)の出力が保持されるように構成されている。本実施形態では、30msecの間、駆動電圧が出力され続けるようになっている。
タイマ割込み処理の説明に戻り、ステップS202にて停電フラグがセットされていない場合には、ステップS204以降の各種処理を行う。
すなわち、ステップS204では、誤動作の発生を監視するためのウオッチドッグタイマの値を初期化するウオッチドッグタイマのクリア処理を行う。ステップS205では、CPU151自身に対して割込み許可を出す割込み終了宣言処理を行う。ステップS206では、各リール42L,42M,42Rを回転させるために、それぞれの回胴駆動モータであるステッピングモータ61L〜61Rを駆動させるステッピングモータ制御処理を行う。ステップS207では、入出力ポート155に接続された各種センサ(図8参照)の状態を監視するセンサ監視処理を行う。ステップS208では、各カウンタやタイマの値を減算するタイマ演算処理を行う。ステップS209では、メダルのベット数や、払い出し枚数をカウントした結果を外部集中端子板171へ出力するカウンタ処理を行う。
ステップS210では、後述する音声演出コマンドなどの各種コマンドを表示制御装置111へ送信するコマンド出力処理を行う。ステップS211では、残数表示部35、ゲーム数表示部36および獲得枚数表示部37にそれぞれ表示されるセグメントデータを設定するセグメントデータ設定処理を行う。ステップS212では、セグメントデータ設定処理で設定されたセグメントデータを各表示部35〜37に供給して該当する数字、記号などを表示するセグメントデータ表示処理を行う。ステップS213では、入出力ポート155からI/O装置に対応するデータを出力するポート出力処理を行う。ステップS214では、先のステップS201にてバックアップエリアに退避させた各レジスタの値をそれぞれCPU151内の対応するレジスタに復帰させる。その後ステップS215にて次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行い、この一連のタイマ割込み処理を終了する。
図12は電源投入後に実行される主制御装置131でのメイン処理を示すフローチャートである。メイン処理は、停電からの復旧や電源スイッチ122のオン操作によって電源が投入された際に実行される。
先ずステップS401では、初期化処理として、スタックポインタの値をCPU151内に設定すると共に、割込み処理を許可する割込みモードを設定し、その後CPU151内のレジスタ群や、I/O装置等に対する各種の設定などを行う。
これらの初期化処理が終了すると、次にステップS402ではリセットスイッチ123がオン操作されているか否かを判定する。リセットスイッチ123がオン操作されている場合にはステップS403に進み、RAMクリア処理としてRAM153に記憶されたデータを全てクリアする。
ステップS402にてリセットスイッチが操作されていないことを確認した後、またはステップS403にてRAMクリア処理を行った後、ステップS404では設定キーが設定キー挿入孔124に挿入されているか否かを判定する。設定キーが挿入されている場合にはステップS405に進み設定変更処理を行う。設定変更処理として、先ずRAM153に記憶されたデータを全てクリアする。そして、予め設定された6段階の設定状態(「設定1」〜「設定6」)のうちどの設定状態が選択されたかを判定した上で、選択された設定状態に応じた内部処理を実行する。
ステップS406では停電フラグがセットされているか否かを確認する。停電フラグがセットされていない、すなわち先のステップS403又はステップS405にてRAM153のデータがクリアされている場合には、後述するステップS407の通常処理に進み、本処理を終了する。
ステップS406において停電フラグがセットされた状態にあるときには、ステップS408以降に示す復電処理に移行する。停電フラグがセットされた状態にあるということは、ステップS403のRAMクリア処理、ステップS405の設定変更処理等のサブルーチン処理が全く実行されていないことを意味する。従って、RAM153のデータは全く書き替えられていないこととなり、復電処理ではRAM153のデータなどが正常であるかどうかなどの確認処理が必要となる。
そのためにまず、ステップS408ではRAM判定値が正常であるか否かを確認する。具体的には、RAM153のチェックサムの値を調べ、その値が正常、つまりRAM判定値を加味したチェックサムの値が0か否かを確認する。RAM判定値を加味したチェックサムの値が0である場合、RAM153のデータは正常であると判定する。
ステップS408においてRAM判定値が異常である、つまりチェックサムの値が0でなかったときには、RAM153のデータが破壊された可能性が高い。そのため、このような場合にはステップS409にてエラー表示処理を行う。エラー表示処理として、先ず割込み処理を禁止し、入出力ポート155内の全ての出力ポートをクリアすることにより、入出力ポート155に接続された全てのアクチュエータをオフ状態に制御する。その後、ホール管理者などにエラーの発生を報知するエラー表示を行うと共に、リセットスイッチ123がON操作されるまでかかる状態を維持する。
ステップS408においてRAM判定値が正常であると判定した場合にはステップS410に進み、バックアップエリアに保存されたスタックポインタの値をCPU151のスタックポインタに書き込み、スタックの状態を電源が遮断される前の状態に復帰させる。次に、ステップS411において、復電処理の実行を伝える復電コマンドを表示制御装置111に送信する。その後、ステップS412にて遊技状態として打ち止めおよび自動精算設定保存処理を行い、ステップS413にてスタート検出センサ71a等の各種センサの初期化を行う。以上の処理が終了した後、ステップS414にて停電フラグをリセットし、電源遮断前の番地に戻る。具体的には、先に説明したタイマ割込み処理に復帰し、ウォッチドッグタイマクリア処理(ステップS204)が実行されることとなる。
次に、遊技に関わる主要な制御を行う通常処理について図13のフローチャートに基づき説明する。
先ずステップS501では、メダルがベットされているか否かを判定する。メダルがベットされているときには、続いてステップS502にてスタートレバー71が操作されたか否かを判定する。ステップS501,ステップS502が共にYESの場合には、ステップS503の抽選処理、ステップS504のリール制御処理、ステップS505のメダル払出処理、ステップS506のボーナスゲーム処理を順に実行し、ステップS501に戻る。一方、ステップS501にてメダルがベットされていない、またはステップS502にてスタートレバー71が操作されていない場合には、ステップS501に戻る。
次に、ステップS503の抽選処理について、図14のフローチャートに基づき説明する。
ステップS601では、スロットマシン10の現在の設定状態やベットされたメダルの枚数、小役確率の高低等に基づき、当否決定用の乱数テーブルを選択する。ここで、スロットマシン10の設定状態は図示しない設定キーを用いてセットされた「設定1」〜「設定6」のいずれかであり、「設定1」のときにボーナス当選確率が最も低い乱数テーブルが選択され、「設定6」のときにボーナス当選確率が最も高い乱数テーブルが選択される。また、ベットされたメダルの枚数は1〜3枚のいずれかであり、ベット枚数が多いほど役の当選確率が高くなるような乱数テーブルが選択される。例えば3枚ベットされたときの役の当選確率は、1枚ベットされたときの役の当選確率と比して3倍よりも高い確率となっている。さらに、小役確率については設定状態に関わらず高低2種類存在し、現在の出玉率が所定の期待値を下回っているときには小役当選確率が高い乱数テーブルが選択され、所定の期待値を上回っているときには小役当選確率が低い乱数テーブルが選択される。ちなみに、ボーナス当選確率は、例えば設定6のBB当選確率が約240分の1、RB当選確率が約360分の1である。一方、小役当選確率はボーナス当選確率よりも高く設定されており、例えばベル図柄の組合せと対応する役の当選確率は、小役当選確率が高い状態で約8分の1、小役当選確率が低い状態で約10分の1である。
ステップS602では、このようにして選択された乱数テーブルに、スタートレバー71が操作されたときに乱数カウンタよりラッチした乱数を照らして役の抽選を行う。そしてステップS603ではいずれかの役に当選したか否かを判定し、いずれかの役に当選した場合にはステップS604にてその役に応じた当選フラグをセットすると共に図柄を揃えるべき有効ラインを決定する。ちなみに、当選フラグが小役当選フラグ又は再遊技当選フラグである場合、これら当選フラグは、該当選フラグがセットされたゲームの終了時にリセットされる。一方、当選フラグがBB当選フラグ又はRB当選フラグである場合、これら当選フラグは、対応する図柄の組合せが有効ライン上に成立したことを条件の1つとしてリセットされる。すなわち、BB当選フラグ及びRB当選フラグは、複数回のゲームにわたって有効とされる場合がある。なお、BB当選フラグ又はRB当選フラグを持ち越した次ゲーム以降における抽選処理では、小役又は再遊技の当選可否に関する抽選は行うが、BB及びRBに関する抽選は行わない。また、BB当選フラグ又はRB当選フラグを持ち越した状態で小役又は再遊技に当選した場合には、小役又は再遊技が優先して揃えられるように有効ラインを決定する。
ステップS604にて当選フラグをセットした後、又はステップS603にていずれの役にも当選していなかった場合には、ステップS605にて当選フラグがセットされているか否かを確認する。当選フラグがセットされているときには、ステップS606〜ステップS609に示す当選時演出処理を行う。当選時演出処理では、ステップS606及びステップS607にて、BB当選フラグ及びベル当選フラグがセットされているか否かを確認する。BB当選フラグ及びベル当選フラグが共にセットされている場合(ステップS606,S607が共にYESの場合)には、ステップS608にて音声演出コマンドをセットする。音声演出コマンドは表示制御装置111に対して送信されるコマンドであり、表示制御装置111は、当該コマンドを受信することにより後述する音声演出を行う。BB当選フラグ又はベル当選フラグのいずれかがセットされていない場合(ステップS606,ステップS607のいずれかがNO)、又はステップS608にて音声演出コマンドをセットした後には、ステップS609にてリール停止制御用のスベリテーブルとして当りスベリテーブルを選択すると共にこれをRAM153のスベリテーブル格納エリアに格納し、本処理を終了する。ここで、スベリテーブルとは、ストップスイッチ72〜74が押されたタイミングからリールをどれだけ滑らせた上で停止させるかが定められたテーブルである。また、当りスベリテーブルとは、セットされた当選フラグと対応する図柄の組合せが前記ステップS604にて決定された有効ライン上に停止し得るように定められたテーブルである。
また、当選フラグがセットされていない場合(ステップS605がNOの場合)には、ステップS610〜ステップS614に示す非当選時演出処理を行う。非当選時演出処理では、ステップS610にて、スタートレバー71が操作されたときに乱数カウンタよりラッチした乱数に基づいて音声演出を行うか否かの抽選を行う。続くステップS611では前記音声演出抽選に当選したか否かを判定し、当選した場合にはステップS612にて音声演出コマンドをセットする。その後、ステップS613ではリール停止制御用のスベリテーブルとして演出スベリテーブルを選択すると共にこれをRAM153のスベリテーブル格納エリアに格納し、本処理を終了する。ここで、演出スベリテーブルとは、2つのリールが停止したときに、その2つのリールに付されたベル図柄が有効ライン上に並ぶように定められたテーブルである。一方、音声演出抽選に当選しなかった場合(ステップS611がNOの場合)には、ステップS614にてリール停止制御用のスベリテーブルとして外れスベリテーブルを選択すると共にこれをRAM153のスベリテーブル格納エリアに格納し、本処理を終了する。ここで、外れスベリテーブルとは、入賞となる図柄の組合せが有効ライン上に停止しないように定められたテーブルである。
次に、ステップS504のリール制御処理について、図15のフローチャートに基づき説明する。
リール制御処理では、先ずステップS701においてウエイト処理を行う。このウエイト処理は、前回のゲームにおいてリールの回転を開始した時点から所定時間(例えば4.1秒)が経過するまで今回のゲームにおいてリールの回転を開始せずに待機する処理である。このため、遊技者がメダルをベットしてスタートレバー71を操作したとしても、直ちに各リール42L,42M,42Rが回転しないことがある。ウエイト処理に続いてステップS702のリール回転処理を行い、各リール42L,42M,42Rを回転させる。続くステップS703では、ストップスイッチ72〜74のいずれかが押下操作されてリールの停止指令が発生したか否か、より具体的にはストップ検出センサ72a〜74aからのON信号を受信しているか否かを判定する。但し、本実施形態では、各リール42L,42M,42Rが回転を開始してから所定の速度で定速回転するまでの期間を無効期間として設定しており、この無効期間内にストップスイッチ72〜74が押下操作されても、ストップ検出センサ72a〜74aからのON信号を無効化する。ちなみに本実施形態では、各リール42L,42M,42Rが回転を開始してから0.5秒が経過するまでの期間を無効期間として設定している。停止指令が発生していない場合にはステップS704に進み、予め定められた各リール42L,42M,42Rの最大回転時間(例えば40秒)を経過したか否かを判定する。最大回転時間を経過していない場合にはステップS703に戻り、最大回転時間を経過した場合にはステップS705に進んで回転中の全てのリールを強制的に順次停止させる強制停止処理を行う。
一方、ステップS703にてストップスイッチ72〜74のいずれかが押下操作されて停止指令が発生した場合には、ステップS706に進み、リール停止処理を行う。このリール停止処理では、RAM153のスベリテーブル格納エリアに格納されたスベリテーブルに基づいて、押下操作されたストップスイッチと対応するリールを停止させる。例えば、当選フラグがセットされている場合には、可能な限り当選した役が所定の有効ライン上に並ぶようにリールを停止させる。具体的には、下ライン上に「スイカ」図柄が並ぶという役に当選し、「スイカ」図柄が上ラインに停止するタイミングでストップスイッチが押下操作された場合には、下ラインに停止するように図柄2つ分だけリールを滑らせて停止させる。但し、滑らせることのできる範囲は予め決められている(最大で図柄4つ分)ため、ストップスイッチを押したタイミングによっては下ライン上に「スイカ」図柄が停止しないこともある。また、当選フラグがセットされていない場合には、入賞となる図柄の組合せが有効ライン上に並ばないようにリールを停止させる。具体的には、いずれの役にも当選しておらず、左リール42Lの「チェリー」図柄が上ラインに停止するタイミングでストップスイッチ72が押下操作された場合には、「チェリー」図柄が有効ライン上に停止しないように図柄3つ分だけリールを滑らせて停止させる。なお、ステップS705の強制停止処理においても、これと同様の処理を行う。
続いて、ステップS707では今回の停止指令が第1停止指令か否か、すなわち3つのリール全てが回転しているときにストップスイッチが押下操作されたか否かを判定する。第1停止指令の場合には、ステップS708に進み、スベリテーブル変更処理を行う。このスベリテーブル変更処理では、例えば当選した有効ライン上で役を揃えようとしたときに役の複合が発生するか否かを判定し、役の複合が発生するときには当選した有効ラインを別の有効ラインに変更すると共に変更後の有効ラインに合ったスベリテーブルに変更する。ここで、役の複合とは、例えば上ライン上で「スイカ」図柄を揃えようとしたときに左リールにて「チェリー」図柄が下ライン上に現れる場合のように複数の役が同時に発生する場合をいう。なお、スベリテーブル変更処理は、役の複合を回避する場合以外に、例えば抽選処理にて決定された有効ライン上に当選フラグと対応する図柄を停止させられなかった場合等にも行われる。
一方、ステップS707で今回の停止指令が第1停止指令でないときには、ステップS709に進み、第2停止指令か否か、つまり3つのリールのうち1つのリールが停止し2つのリールが回転しているときにストップスイッチが押下操作されたか否かを判定する。第2停止指令のときにはステップS710に進み、停止目判定処理を行う。この停止目判定処理では、2つのリールが停止したときに、その2つのリールに付された「7」図柄等の状態移行図柄が有効ライン上に並んでいるか否かを判定し、並んでいないときにはそのまま次のステップに移行する。また、状態移行図柄が並んでいるときには、スピーカ14から効果音等を発生させるべく表示制御装置111に送信される効果音コマンドをセットし、次のステップに移行する。なお、停止目判定処理ではボーナス図柄が2つ揃う以外の別の条件が成立したか否かを判定してもよいし、効果音以外に補助表示部15を用いた演出を行ってもよい。
そして、ステップS705の強制停止処理の後、ステップS708のスベリテーブル変更処理の後、ステップS709にて今回の停止指令が第2停止指令でなかったとき、又はステップS710の停止目判定処理を行った後には、ステップS711にて停止コマンドをセットする。停止コマンドは表示制御装置111に送信されるコマンドであり、表示制御装置111は、当該コマンドを受信することにより、いずれかのリールが停止されたことを認識する。続くステップS712では、左、中、右リール42L,42M,42Rのすべての回転が停止したか否かを判定する。ステップS712がNOの場合にはステップS703に戻り、YESの場合には続くステップS713にて払出判定処理を行った後、本処理を終了する。払出判定処理では、小役入賞が有効ライン上に成立しているか否かを判定し、小役入賞が有効ライン上に成立していないときには小役当選フラグをリセットすると共にRAM153の払出予定数格納エリアに0をセットする。小役入賞が有効ライン上に成立しているときには、その小役入賞が小役当選フラグと対応する図柄の組合せか否かを判定し、一致していないときには上部ランプ13等によりエラー表示を行うと共に払出予定数格納エリアに0をセットする。一致しているときには小役当選フラグをリセットすると共に、RAM153の払出予定数格納エリアに成立した役と対応する払出数をセットし、入賞成立コマンドをセットする。入賞成立コマンドは表示制御装置111に送信されるコマンドであり、表示制御装置111は、当該コマンドを受信することにより、何らかの入賞が成立したことを認識する。また、再遊技入賞が有効ライン上に成立した場合には、再遊技当選フラグをリセットすると共に払出予定数格納エリアに0をセットし、再遊技を可能とする再遊技処理を行う。
次に、ステップS505のメダル払出処理について、図16のフローチャートに基づき説明する。
メダル払出処理では、先ずステップS801にて払出数カウンタがカウントした払出数と、払出予定数格納エリアに格納された払出予定数とが一致しているか否かを判定する。払出数と払出予定数とが一致していないときには、ステップS802にて遊技がクレジットモードにて行われているか否かを判定する。クレジットモードであるときには、ステップS803においてクレジットカウンタのカウント値が上限(貯留されているメダル数が50枚)に達しているか否かを判定する。上限に達していないときには、ステップS804にてクレジットカウンタのカウント値及び払出数をそれぞれ1インクリメントする。これにより残数表示部35及び獲得枚数表示部37の枚数がそれぞれ1インクリメントされる。
一方、遊技がダイレクトモードにて行われているとき、またはクレジットカウンタのカウント値が上限に達しているときには、ステップS805にてメダル払出用回転板を駆動してメダルをホッパ装置91からメダル排出口17を介してメダル受け皿18へ払い出す。このとき、ステップS806ではホッパ装置91に取り付けられた払出検出センサ91aのメダル検出信号に応じて払出数を1インクリメントする。これにより獲得枚数表示部37の枚数が1インクリメントされる。そして、ステップS804またはステップS806で払出数を1インクリメントしたあと、再びステップS801に戻る。ステップS801で払出数と払出予定数とが一致したときには、ステップS807にてホッパ装置91のメダル払出用回転板を停止させる。その後、ステップS808にて払出終了処理を行い、本処理を終了する。払出終了処理では、払出予定数格納エリアや払出数カウンタの値を0にリセットする。なお、獲得枚数表示部37の値は、次ゲームを開始すべくメダルがベットされたときにリセットされる。
次に、ステップS506のボーナスゲーム処理について、図17のフローチャートに基づき説明する。
ボーナスゲーム処理の説明に先立ち、ボーナスゲームについて説明する。RBゲームは、12回のJACゲームで構成されている。JACゲームは、1枚ベットのみ許されるゲームであり、JAC図柄(ここではリプレイ図柄で代用)が有効ライン上に揃う確率つまりJAC図柄成立の確率が非常に高いゲームである。JACゲームでJAC図柄が成立すると最大枚数(ここでは15枚)のメダルが払い出される。そして、JAC図柄が8回成立すると、JACゲームが12回に達する前であってもRBゲームが終了する。一方、BBゲームは、30回の小役ゲームと3回のJACインとから構成されている。小役ゲームとは高確率で小役が当選する(有効ライン上に「ベル」図柄などが揃う)ゲームであり、JACインとは12回のJACゲームに移行することを意味し、小役ゲーム中にJAC図柄が有効ライン上に揃うとJACインが成立する。JACゲームはRBゲームの場合と同様である。すなわち、JAC図柄が8回成立すると、JACゲームが12回に達する前であってもJACゲームが終了し、小役ゲームに復帰する。故に、BBゲームは、30回の小役ゲームと3回のRBゲームから構成されているとも言える。但し、3回目のJACインによるJACゲームが終了すると小役ゲームが30回に達する前であってもBBゲームは終了し、30回の小役ゲームが終了するとJACインが3回に達する前であってもBBゲームは終了する。
さて、ボーナスゲーム処理では、先ずステップS901にて遊技状態がボーナスゲーム中か否かを判定する。ボーナスゲーム中でないときにはステップS902に進み、ボーナス図柄判定処理を行う。
このボーナス図柄判定処理では、図18に示すように、まずステップS1001にてRB当選フラグがセットされているか否かを判定し、セットされているときにはステップS1002に進み、今回有効ライン上にRB図柄(例えば「BAR」図柄)が揃ったか否かを判定し、RB図柄が揃っていないときにはそのまま本処理を終了する。一方、今回有効ライン上にRB図柄が揃ったときには、ステップS1003においてRB当選フラグをリセットしRB設定フラグをセットしてボーナスゲームの1種であるRBゲームとし、図19に示すRBゲーム初期設定処理を実行して本処理を終了する。この結果、次ゲーム以降の遊技状態がRB状態に移行する。ステップS1001でRB当選フラグがセットされていないときには、ステップS1004にてBB当選フラグがセットされているか否かを判定し、セットされていないときにはそのまま本処理を終了する。BB当選フラグがセットされているときにはステップS1005に進み、今回有効ライン上にBB図柄(例えば「7」図柄)が揃ったか否かを判定し、BB図柄が揃っていないときにはそのまま本処理を終了する。一方、今回有効ライン上にBB図柄が揃ったときには、ステップS1006においてBB当選フラグをリセットしBB設定フラグをセットしてボーナスゲームの1種であるBBゲームとし、図20示すBBゲーム初期設定処理を実行して本処理を終了する。この結果、次ゲーム以降の遊技状態がBB状態に移行する。
なお、図19,図20において、残小役ゲームカウンタは小役ゲームの残りゲーム数(残小役ゲーム数ともいう)を表し、残JACインカウンタはJACイン可能な残り回数(残JACイン回数ともいう)を表し、残JAC成立カウンタはJAC図柄が成立可能な残り回数(残JAC成立数ともいう)を表し、残JACゲームカウンタはJACゲームの残りゲーム数(残JACゲーム数ともいう)を表す。残小役ゲーム数や、残JACイン回数や、残JAC成立数、残JACゲーム数は、適宜、ゲーム数表示部36に表示される。
さて、図17に戻り、ステップS901で遊技状態がボーナスゲーム中のときには、ステップS903にてそのボーナスゲームがJACゲームか否かを判定する。JACゲームでないときにはBBゲームの小役ゲーム中であることを意味するため、ステップS904に進み、JAC図柄が有効ライン上に揃ったか否かを判定する。JAC図柄が有効ライン上に揃ったときには、ステップS905にてJACゲームを開始すると共に図20(b)のBBゲーム中JACゲーム初期設定処理を行い、本処理を終了する。一方、ステップS904でJAC図柄が有効ライン上に揃わなかったときには、小役ゲームが1ゲーム消化されたことになるため、ステップS906にて残小役ゲーム数を1ディクリメントし、ステップS907にてその残小役ゲーム数が0になったか否かを判定する。残小役ゲーム数が0でないときには本処理を終了し、0のときにはステップS908に進み、各種設定フラグやBB設定フラグや各種カウンタなどを適宜リセットしたりエンディング処理を行ったりするボーナスゲーム終了処理を行い、本処理を終了する。
ステップS903で遊技状態がJACゲームであるときには、ステップS909に進みJAC図柄が有効ライン上に揃ったか否かを判定し、JAC図柄が有効ライン上に揃ったときにはステップS910にて残JAC成立数を1ディクリメントする。その後、或いはステップS909でJAC図柄が有効ライン上に揃わなかったときには、JACゲームを1つ消化したことになるため、ステップS911にて残JACゲーム数を1ディクリメントする。続いて、ステップS912では残JAC成立数か残JACゲーム数のいずれかが0になったか否かを判定し、いずれも0になっていないとき、つまりJAC図柄がまだ8回成立しておらずJACゲームも12回消化されていないときには、そのまま本処理を終了する。一方、いずれかが0になっていたとき、つまりJAC図柄が8回成立したかJACゲームが12回消化されたときには、JACインが1回消化されたことになるためステップS913にて残JACイン回数を1ディクリメントし、続くステップS914にてその残JACイン回数が0か否かを判定する。0のときには先に述べたステップS908のボーナスゲーム終了処理を行い、本処理を終了する。ちなみに、当該ボーナスゲームがRBゲームである場合には、当初の残JACイン回数が1(図19参照)であるからステップS913で0になり、ステップS914で必ず肯定判定され、ステップS908のボーナスゲーム終了処理にてRB設定フラグがリセットされる。
一方、ステップS914で残JACイン回数がゼロでないとき、つまりBBゲームでJACインが3回消化されていないときには、ステップS915においてJACゲーム設定フラグをリセットするJACゲーム終了処理を行ったあと、今回JACインしたときに小役ゲームを1ゲーム消化しているためステップS906にて残小役ゲーム数を1ディクリメントし、続いてステップS907にてその残小役ゲーム数が0になったか否かを判定し、残小役ゲーム数が0のときには先に述べたステップS908のボーナスゲーム終了処理を行い、本処理を終了する。一方、残小役ゲーム数が0でないときにはBBゲームにおける小役ゲームが30回に達しておらず且つJACインも3回に達していないため、本処理を終了する。
次に、音声演出が行われる際の表示制御装置111による音声演出処理の具体的手順について概説する。図21は、表示制御装置111内のCPUにより実行される音声演出処理を示すフローチャートである。表示制御装置111は、図22に示す手順に従って主制御装置131から提供される各種コマンドを処理しつつスピーカ14の駆動制御を実行する。
先ずステップS1101では、主制御装置131から停止コマンドを受信したか否かを判別する。但し、音声演出が行われるゲームでは、停止コマンドに先立って音声演出コマンドが主制御装置131から送信されるため、当該ゲームにおける最初の処理では否定判別されることとなる。ステップS1102では、音声演出コマンドを受信したか否かを判別し、音声演出コマンドを受信していなければそのまま本処理を終了する。音声演出コマンドを受信した場合、ステップS1103にてその音声演出コマンドの内容をRAMに格納する。その後、ステップS1104では、表示制御装置111のRAMに予め記憶された音声1を出力すべくスピーカ14を駆動制御し、本処理を終了する。
表示制御装置111が音声演出コマンドを受信した後に遊技者がストップスイッチ72〜74を押下操作すると、主制御装置131から停止コマンドが送信され、ステップS1101にて肯定判別されることとなる。かかる場合にはステップS1105に進み、停止コマンドの内容をRAMに格納する。具体的には、RAMに設けられた停止コマンドの受信回数を記憶するための受信カウンタを1インクリメントする。ステップS1106では停止コマンドの受信回数が3回目か否かを確認し、3回目でない場合にはステップS1107にて表示制御装置111のRAMに予め記憶された音声1を出力すべくスピーカ14を駆動制御し、本処理を終了する。停止コマンドの受信回数が3回目である場合には、ステップS1108に進み、「ベル」図柄の組合せが有効ライン上に成立したか否かを判別する。ちなみに、「ベル」図柄の組合せが有効ライン上に成立したか否かは、主制御装置131から入賞成立コマンドを受信したか否かにより判断することができる。先の抽選処理にて説明した通り、音声演出を行うゲームでは「ベル」図柄の組合せと対応する入賞のみが成立し得るからである。「ベル」図柄の組合せが有効ライン上に成立しなかった場合にはステップS1109にて表示制御装置111のRAMに予め記憶された音声2を出力すべくスピーカ14を駆動制御する。また、「ベル」図柄の組合せが有効ライン上に成立した場合にはステップS1110にて表示制御装置111のRAMに予め記憶された音声3を出力すべくスピーカ14を駆動制御する。ステップS1109又はステップS1110にてスピーカ14を駆動制御した後、ステップS1111ではRAMに格納された音声演出コマンドの内容や受信カウンタの値等をクリアし、本処理を終了する。
なお、ステップS1101では、停止コマンドの受信判別に加えてRAMに音声演出コマンドの内容が格納されているかも確認している。このため、仮に音声演出コマンドを受信することなく停止コマンドを受信しても、ステップ1101にて否定判別がなされ、音声演出が行われることはない。
次に、BB当選が教示される場合の音声演出の一例を、図7及び図22(a)〜(d)の一連の変動態様に基づいて説明する。
図22(a)に示すように、音声演出が行われるゲームでは、スタートレバー71の操作に伴って各リール42L,42M,42Rが回転を開始すると、スピーカ14から「ベルを献上せよ〜」という音声が出力される。
遊技者が左リール42Lを停止させるべくストップスイッチ72を押下操作した場合、左リール42Lは、当りスベリテーブルに基づいて「ベル」図柄がいずれかの有効ライン上を通過するタイミングで停止する。図22(b)では、上ライン上に10番目の「ベル」図柄、下ライン上に8番目の「ベル」図柄が停止している。左リール42Lが停止すると、スピーカ14から「ベルを献上せよ〜」という音声が出力される。なお、本実施形態では、左リール42Lにおける「ベル」図柄間の距離は最大で7図柄分あり、リールは最大で4図柄分滑って停止できる。また、表示窓41Lから3つの図柄が視認可能であることから、ストップスイッチ72がいかなるタイミングで押下操作されても「ベル」図柄をいずれかの有効ライン上に停止させることができる。
その後、遊技者が中リール42Mを停止させるべくストップスイッチ73を押下操作した場合、中リール42Mは、当りスベリテーブルに基づいて、左リール42Lの有効ライン上に停止した「ベル」図柄と中リール42Mの「ベル」図柄が並ぶタイミングで停止する。図22(c)では、中ライン上に8番目の「ベル」図柄が停止しており、右上がりライン及び右下がりラインにて「ベル」図柄の組合せが成立し得る状況となっている。中リール42Mが停止すると、スピーカ14から「ベルを献上せよ〜」という音声が出力される。なお、中リール42Mにおける「ベル」図柄間の距離は最大で5図柄分であり、リールは最大で4図柄分滑って停止できることから、本実施形態ではストップスイッチ73がいかなるタイミングで押下操作されても、左リール42Lの「ベル」図柄と中リール42Mの「ベル」図柄とが有効ライン上に並んだ状態で停止させることができる。
さらに、遊技者が右リール42Rを停止させるべくストップスイッチ74を押下操作した場合、右リール42Rは、当りスベリテーブルに基づいて、有効ライン上に「ベル」図柄の組合せが成立するタイミングで停止する。図22(d)では、上ライン上に9番目の「ベル」図柄が停止しており、右上がりライン上に「ベル」図柄の組合せが成立している。右リール42Rが停止すると、スピーカ14から「ボーナスを授けよう!」という音声が出力され、ボーナスに当選していることが教示される。なお、右リール42Rにおける「ベル」図柄間の距離は最大で4図柄分であり、リールは最大で4図柄分滑って停止できることから、本実施形態ではストップスイッチ74がいかなるタイミングで押下操作されても、「ベル」図柄の組合せを有効ライン上に成立させることができる。
次に、BB当選が教示されない場合の音声演出の一例を、図7及び図23(a)〜(d)の一連の変動態様に基づいて説明する。音声演出とは、先の抽選処理にて説明した通り、いずれの当選フラグもセットされていない、すなわち外れの場合に行われる演出である。
図23(a)に示すように、音声演出が行われるゲームでは、スタートレバー71の操作に伴って各リール42L,42M,42Rが回転を開始すると、スピーカ14から「ベルを献上せよ〜」という音声が出力される。
遊技者が左リール42Lを停止させるべくストップスイッチ72を押下操作した場合、左リール42Lは、演出スベリテーブルに基づいて「ベル」図柄がいずれかの有効ライン上を通過するタイミングで停止する。図23(b)では、下ライン上に16番目の「ベル」図柄が停止している。左リール42Lが停止すると、スピーカ14から「ベルを献上せよ〜」という音声が出力される。
その後、遊技者が中リール42Mを停止させるべくストップスイッチ73を押下操作した場合、中リール42Mは、演出スベリテーブルに基づいて、左リール42Lの有効ライン上に停止した「ベル」図柄と中リール42Mの「ベル」図柄が並ぶタイミングで停止する。図23(c)では、下ライン上に16番目の「ベル」図柄が停止しており、下ラインにて「ベル」図柄の組合せが成立し得る状況となっている。中リール42Mが停止すると、スピーカ14から「ベルを献上せよ〜」という音声が出力される。
さらに、遊技者が右リール42Rを停止させるべくストップスイッチ74を押下操作した場合、右リール42Rは、演出スベリテーブルに基づいて、「ベル」図柄の組合せが成立する有効ライン上を右リール42Rの「ベル」図柄が通過しないタイミングで停止する。図22(d)では、中ライン上に17番目の「ベル」図柄が停止しており、当該ゲームでは「ベル」図柄の組合せが成立していない。右リール42Rが停止すると、スピーカ14から「立ち去れ〜」という音声が出力され、ボーナスに当選していないことが教示される。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
音声演出が行われた際に「ベル」図柄の組合せが有効ライン上に成立すると、BB当選を教示する構成とすることにより、遊技者が遊技に積極参加できる特徴を希薄化させることなくBB当選を教示することが可能となる。補助表示部15にてBB当選を告知する構成とした場合、遊技者の視線は補助表示部15に集まることとなり、所定の図柄を狙ってストップスイッチ72〜74を操作する楽しみが希薄化する一方、本実施形態においては、遊技者に「ベル」図柄を狙ってストップスイッチ72〜74を操作させることが可能となるからである。
BB当選が教示される音声演出においては、遊技に積極参加できる楽しみと、積極参加した結果メダル払出という特典が付与される喜びと、メダル払出の特典に加えてさらにBB当選が教示される喜びとがあるため、BB当選を認識した遊技者の満足感を好適に高めることが可能となる。例えばメダル払出の行われない図柄の組合せが有効ライン上に停止したことをもってBB当選を教示することも確かに可能であるが、かかる構成では特典を付与される喜びがないため、遊技者の満足感を好適に高めることができない。さらにいうと、遊技者はBB当選を認識した後のゲームでそれまで所有していたメダルをベットしてBB図柄を狙う必要があるため、BB当選を認識したゲームで逆にメダルを損してしまったかのような印象すら与えかねない。一方、上記音声演出においては、「ベル」図柄の入賞によって払い出されたメダルをベットしてBB図柄を狙えばよく、遊技者がメダルを損してしまった印象を抱く恐れがない。
「ベル」図柄の組合せが有効ライン上に停止したことをもってBB当選を教示する構成とすることにより、「ベル」図柄の組合せが有効ライン上に停止しないゲームにおいて音声演出を行うことが可能となる。故に、BB当選していない通常時の遊技が単調化することを抑制し得ると共に、演出に関する設計自由度を高めることが可能となる。BB当選を教示する演出としては、上記音声演出以外に例えば「ベル」図柄の組合せを有効ライン上に停止させるよう教示し、この「ベル」図柄の組合せが有効ライン上に停止しなかった場合にBB当選を教示する演出も可能である。しかしながら、かかる演出にあっては、教示された「ベル」図柄の組合せを有効ライン上に停止させられなかったにも関わらずBB当選が教示されることに遊技者が困惑する可能性がある。また、BB当選していない通常時の遊技ではベル当選フラグがセットされている状況下でしか前記演出を行うことができず、演出を行う機会が著しく制限されることとなる。さらに、演出が行われる機会を多くしようとした場合、ベル当選フラグがセットされる確率を高める必要が生じる。これは、スロットマシン10の払出率(メダル総投入枚数に対する払出数の割合)に影響を及ぼすこととなるため、例えばBB当選確率を下げる等の確率調整を行う必要が生じてしまう。一方、本実施の形態では、BB当選していない通常時の遊技でベル当選フラグがセットされていない状況下で音声演出を行うことが可能であり、ベル当選フラグがセットされない確率はセットされる確率よりも高いため、スロットマシン10の払出率を考慮することなく、BB当選していない通常時の遊技における音声演出の発生頻度を比較的自由に設定することが可能となる。さらにいうと、遊技の中でBB当選していることを教示する必要のあるゲームよりBB当選していないゲームの方が多いスロットマシン10においては、BB当選していないゲームで如何にしてBB当選への遊技者の期待感を持続させるかが重要となる。そこで、BB当選を教示しない音声演出をメダル払出と無関係な状況下で行える構成とすることは、遊技者の期待感を持続させる上で極めて有効である。
BB当選フラグとベル当選フラグがセットされていれば音声演出を行う構成とすることにより、BB当選していることを遊技者に対して比較的速やかに教示することが可能となる。故に、BB当選していることに遊技者が気付かないまま遊技を終了してしまう不具合を抑制することが可能となる。
音声演出が行われるゲームでは、BB当選の教示有無を問わず2つのリールが停止した際に「ベル」図柄が有効ライン上に並ぶ構成とすることにより、全てのリールが停止するまで「ベル」図柄の組合せが有効ライン上に成立するのではないか、さらにはBB当選が教示されるのではないかとの期待感を遊技者に抱かせることが可能となり、ゲームの最後までBB当選への期待感を持続させることが可能となる。当該構成において「ベル」図柄の組合せと対応する役以外の役に当選した場合には音声演出を行わない構成とすることにより、当選した役に基づくメダル払出等の特典が「ベル」図柄を有効ライン上に並べたために付与されない不具合を回避することが可能となり、遊技者が不利益を被ることを抑制することが可能となる。さらにいうと、「ベル」図柄の組合せと対応する役以外の役に当選した場合には音声演出を行わない構成とすることにより、各リール42L,42M,42Rに付される図柄の種類や配列の自由度を高めることも可能となる。仮に「ベル」図柄の組合せと対応する役以外の役に当選した場合にも音声演出を行う構成とした場合、BB当選への期待感をゲームの最後まで持続させるためには、2つのリールが停止した際に当選した役と対応する図柄の組合せと「ベル」図柄の組合せとが共に成立し得る状況とする必要があり、これは図柄の種類や配列が多大な制約を受けるということになるからである。
音声演出では各リール42L,42M,42Rが停止する毎に音声を出力する構成とすることにより、遊技者が各ストップスイッチ72〜74を操作する際に狙うべき図柄が「ベル」図柄であることを明確に教示することが可能となり、遊技者を遊技に積極参加させることが可能となる。また、音声にて教示する構成の場合、遊技者は回転するリール(変動する図柄)を見ながら音声を聞けばよいため、「ベル」図柄を狙ってストップスイッチ72〜74を操作することに遊技者を集中させることが可能となる。補助表示部15にて教示する構成とした場合、遊技者は回転するリールから補助表示部15に視線を動かす必要が生じるからである。
BB当選確率より当選確率の高い「ベル」図柄を用いて音声演出を行うことにより、遊技者のBB当選への期待感を好適に高めることが可能となる。「ベル」図柄の組合せは通常のゲームにおいて比較的成立しやすい役である。故に、音声演出が開始された際に、「ベル」図柄の組合せならば容易に成立するのではないか、さらにはBB当選まで教示されてしまうのではないかと遊技者が考えることが想定されるからである。
なお、上述した実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
(a)上記実施の形態では、BB当選フラグ及びベル当選フラグがセットされていることを条件としてBB当選が教示される音声演出を行う構成としたが、BB当選フラグに代えて或いはこれに加えてRB当選フラグがセットされていることを条件とする構成としてもよい。
(b)上記実施の形態では、当選フラグがセットされていない非当選演出処理時に音声演出を行うか否かの抽選を行う構成としたが、当選演出処理時にも抽選を行う構成としてもよい。かかる場合、音声演出が行われることなく「ベル」図柄の組合せが有効ライン上に停止したとしてもBB当選の余地を残すことが可能となり、BB当選への期待感を持続させることが可能となる。但し、かかる構成にあっては、少なくとも当選演出処理時における音声演出抽選を高確率で当選する構成とすることが望ましい。遊技者がBB当選しているにも関わらず音声演出で教示されないばかりに遊技を終了してしまう可能性があるからである。具体的には、例えば非当選演出処理時には約50分の1の確率で音声演出抽選に当選する構成とする一方、当選演出処理時には約50分の49の確率で音声演出抽選に当選する構成とする。
(c)上記実施の形態では、「ベル」図柄の組合せを有効ライン上に停止させるよう教示する音声演出を行う構成としたが、かかる構成に限定されるものではなく、例えば「スイカ」図柄等の他の小役図柄の組合せで音声演出を行ってもよいし、「リプレイ」図柄の組合せで音声演出を行ってもよい。すなわち、メダル払出しや再遊技等の特典が遊技者に付与される図柄の組合せで音声演出を行う構成であればよい。また、音声演出の際に教示する図柄の組合せを複数備える構成としてもよい。
(d)上記実施の形態では、ストップスイッチ72〜74がいかなるタイミングで押下操作されても有効ライン上に停止する「ベル」図柄を用いて音声演出を行う構成としたが、「ベル」図柄に代えて例えば「スイカ」図柄等の遊技者が狙ってストップスイッチ72〜74を操作しなければ有効ライン上に停止する確率の低い図柄を用いて音声演出を行う構成としてもよい。当該構成にあっては、スイカ当選フラグがセットされているにも関わらず「スイカ」図柄の組合せが有効ライン上に停止しない場合や、2つのリールが停止した時点で各リールに付された「スイカ」図柄が有効ライン上に並ばない場合が生じる。そこで、これらの場合には、「スイカ」図柄を有効ライン上に停止させることができないリールを許容される最大限の時間(スベリ制御時間)だけ滑らせた上で停止させる構成とする。かかる構成とすれば、BB当選していることを音声演出時に少なくとも示唆することができる。また、「スイカ」図柄が有効ライン上に並ばなかった場合に、「ひょっとしたら自分のストップスイッチ72〜74を操作したタイミングが悪かっただけでスイカ当選フラグがセットされていたのではないか」と遊技者にスイカ当選さらにはBB当選への期待感を抱かせることが可能となり、遊技の興趣を高めることが可能となる。
(e)上記実施の形態では、ベル当選フラグ以外の小役当選フラグや再遊技当選フラグがセットされている場合には音声演出を行わない構成としたが、これら当選フラグがセットされている場合にも音声演出を行う構成としてもよい。但し、かかる場合には、最後のリールが停止するまでBB当選の期待感を持続させるため、2つのリールが停止した時点で当選フラグと対応する図柄の組合せに加えて「ベル」図柄の組合せが成立し得る状況とする必要がある。なお、全てのリールが停止した際に教示した「ベル」図柄の組合せが有効ライン上に成立していないため、BB当選を教示しない音声を出力することは言うまでもない。
(f)上記実施形態の音声演出では、各リール42L,42M,42Rの回転開始時と、先2つのリールがそれぞれ停止した後とに「ベル」図柄の組合せを有効ライン上に停止させるよう音声出力し、最後のリールが停止した後にBB当選しているか否かを教示する構成としたが、当該構成を変更する。具体的には、各リール42L,42M,42Rの回転開始時に「ベル」図柄の組合せを有効ライン上に停止させるよう音声出力し、全てのリールが停止した後にBB当選しているか否かを教示する構成とする。かかる構成としても、上記実施の形態と同様の作用効果を奏することが可能となる。
(g)上記実施の形態では、BB当選フラグ又はRB当選フラグがセットされると、次ゲーム以降の抽選処理ではBB及びRBに関する抽選を行わない構成としたが、BB及びRBに関する抽選を行う構成としてもよい。また、BB当選フラグ又はRB当選フラグがセットされた状態でさらにBB又はRBに当選した場合、当該結果を無効とする構成としてもよいし、BB当選フラグ又はRB当選フラグを複数セットする構成としてもよい。
(h)上記実施の形態では、音声にて有効ライン上に停止させるべき図柄の組合せやBB当選の有無を教示する演出を行う構成としたが、これに代えて又はこれに加えて、補助表示部15にて教示する演出を行う構成としてもよい。
(i)上記実施の形態では、音声にて有効ライン上に停止させるべき図柄の組合せを教示する演出を行い、当該図柄の組合せが有効ライン上に成立した場合にBB当選を教示する構成としたが、有効ライン上に停止させるべき図柄の組合せを示唆する演出を行い、当該図柄の組合せが有効ライン上に成立した場合にBB当選を教示する構成としてもよい。有効ライン上に停止させるべき図柄の組合せを示唆する演出としては、例えば補助表示部15の表示画面を黄色表示したり、黄色の服を着たキャラクタを表示したりすることで「ベル」図柄を示唆する演出が考えられる。或いは、上部ランプ13を黄色点灯させることで「ベル」図柄を示唆する構成であってもよい。
(j)上記実施の形態では、補助表示部15を備えたスロットマシン10において音声演出を行う構成を説明したが、補助表示部15を備えていないスロットマシン10において音声演出を行う構成としてもよい。スロットマシンにおいてリールは必須の部材であると共に、スピーカはスロットマシンの基本構成部材であると言えるほど一般的に搭載される部材である。音声演出は、スロットマシンが一般的に備える部材で行うことが可能な演出である。従って、部品点数を増加させることなく演出を行うことができるため、スロットマシンのコスト低減に貢献し得る。
(k)上記実施の形態では、スピーカ14を表示制御装置111が駆動制御する構成としたが、主制御装置131が駆動制御する構成としてもよい。
(l)上記実施の形態では、円筒骨格部材50の外周面に、図柄が印刷されたベルトを貼付する構成としたが、円筒骨格部材とベルトとを一体形成し、このベルトの外周面に図柄を個別に貼付する構成としてもよい。かかる場合には、この一体形成の外周面が無端状ベルトに相当する。
(m)上記実施の形態では、「7」図柄等の状態移行図柄が有効ライン上に揃った場合にメダル払出を行わない構成としたが、メダル払出を行う構成としてもよい。
(n)上記実施の形態では、3回目のJACインによるJACゲームが終了すると小役ゲームが30回に達する前であってもBBゲームが終了し、30回の小役ゲームが終了するとJACインが3回に達する前であってもBBゲームが終了する構成としたが、かかる構成を変更する。具体的には、小役ゲームとJACゲームの回数制限を撤廃し、CTゲームと同様にBBゲーム開始からの総払出枚数が所定枚数(例えば450枚)に達したことを条件として終了する構成とする。かかる構成とすることにより、BBゲーム中におけるメダルの払出数に上限をもたせて遊技者の射幸心を抑えることができ、遊技の健全性を担保することができる。また、当該構成とした場合、JACゲームの途中で総払出枚数が450枚に到達するとその時点でBBゲームが終了してしまうため、遊技者がメダルを獲得する機会を奪われたような印象を抱く恐れが懸念される。そこで、BBゲーム中の総払出枚数をもって終了条件とすることに加えて、JACゲームが1回で終了する構成とする。かかる構成とすることにより、遊技者に上記のようなメダルを獲得する機会を奪われたという印象を殆ど与えることがなく、たとえBBゲームを総払出枚数に基づいて終了させたとしても、遊技者の優越感や利益感が損なわれるおそれがない。以上により、遊技の健全性確保と、BBゲーム中における遊技者の優越感や利益感確保という両面を共に満たすことができる。
(o)上記実施の形態では、リールを3つ並列して備え、有効ラインとして5ラインを有するスロットマシンについて説明したが、かかる構成に限定されるものではなく、例えばリールを5つ並列して備えたスロットマシンや、有効ラインを7ライン有するスロットマシンであってもよい。
(p)上記実施の形態では、いわゆるAタイプのスロットマシンにおいて音声演出を行う場合を説明したが、Bタイプ、Cタイプ、AタイプとCタイプの複合タイプ、BタイプとCタイプの複合タイプ、さらにはCTゲームを備えたタイプなど、どのようなスロットマシンにこの発明を適用してもよく、何れの場合であってもボーナス当選を音声演出にて教示する構成とすれば、上述した実施の形態と同様の作用効果を奏することは明らかである。これらの各タイプにおけるボーナス当選としては、BB当選、RB当選、SB当選、CT当選などが挙げられる。
(q)各リール42L,42M,42Rの図柄としては、絵、数字、文字等に限らず、幾何学的な線や図形等であってもよい。また、光や色等によって図柄を構成することも可能であるし、立体的形状等によっても図柄を構成し得るし、これらを複合したものであっても図柄を構成し得る。即ち、図柄は識別性を有した情報(識別情報)としての機能を有するものであればよい。
(r)上記実施の形態では、スロットマシン10について具体化した例を示したが、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機に適用してもよい。即ち、スロットマシンのうち、メダル投入及びメダル払出機能に代えて、パチンコ機のような球投入及び球払出機能をもたせた遊技機としてもよい。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。