JP5663010B2 - ピペット - Google Patents

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Description

本発明は、先端部にピペットチップを着脱自在に装着するシリンダー内のピストンを進退させて、ピペットチップ内に液体を吸引し、吸引した液体を吐出するピペットに関する。
例えば、血液、薬液等の液体の分注に使用されるピペットとして、液体間のクロスコンタミネーションを防止する目的で、ピペットにピペットチップが着脱可能に取り付けられ、使用後に除去する、所謂使い捨てになっているものが知られている。
このようなピペットにあっては、液体によるシリンダー内の汚染の防止や、液体の飛散を防ぐため、例えば、液体が感染性試料である場合、ピペット操作者への感染や検査環境の汚染を防止するため、液体の吸引・吐出に際し定量操作を安全に行えることが求められる。また、液体を吸引したピペットチップにあっては、液体を吐出した後は手を触れることなくピペットから分離し除去できることが望ましい。
従来、この種のピペットとして、液体の吸引・吐出量をピストンの進退移動量で求め、そして、ピペットからピペットチップを分離し除去する手段として、シリンダーの外周に移動可能に嵌合したスリーブと、操作レバー、アーム、ギア、スプリング等で構成される操作部で構成され、操作部の操作によりスリーブを押し下げ、スリーブをピペットチップに押し当ててピペットチップをシリンダーの先端から分離させるようにしたピペットチップ分離機構を備えたピペットが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特許第3470150号公報
上記のように、この種のピペットは、一般に、特許文献1に記載のピペットのように液体の吸引・吐出量をピストンの進退移動量で求めている。このため、ピペット操作者が誤ってピストンの進退移動量が所定の寸法を超える操作をした場合、液体の吸引時には、吸引する液体の量がピペットチップの容量を超え、シリンダーに入り込み、シリンダー内を汚染することがあり、また液体の吐出時には、液体を飛散させてしまうことがあるので、ピペット操作者は熟練を要し、また、ピストン操作に細心の注意を払わなければならない。
また、液体の吸引・吐出に際し定量操作を行えることが求められる。また、液体を吸引したピペットチップから液体を吐出した後、手を触れることなくピペットからピペットチップを分離し除去する手段として、特許文献1に記載のピペットは、独立したピペットチップ分離機構を備えており、このため構成が複雑であり、高コストになるといった問題がある。
本発明の目的は、液体の吸引・吐出の定量操作を、熟練を要することなく、誰もが簡単な操作で容易に、確実に、且つ安全に行うことができるピペットを提供することにある。
本発明の他の目的は、シリンダー室に液体が入ることを防止できるピペットを提供することにある。
本発明の他の目的は、液体の吸引量を調整できるピペットを提供することにある。
本発明の他の目的は、液体の吸引・吐出とピペットチップの分離を一連の操作で行うことができるピペットを提供することにある。
本発明の他の目的は、液体の吐出の際、また、シリンダーからピペットチップを分離する際に、ピペットチップ内の残液が飛散するのを防ぐことができるピペットを提供することにある。
本発明の他の目的は、シリンダーからピペットチップを分離する際に、ピペット操作者の手指或いはピペット操作者が嵌めた手袋の挟み込みや巻き込みを防ぐことができるピペットを提供することにある。
本発明の他の目的は、構成が簡単で低コストで得ることができるピペットを提供することにある。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、先端部にピペットチップを着脱自在に装着するシリンダーと、シリンダー室内に進退自在に嵌合するピストンを備え、前記ピストンを後退させて液体を吸引し前進させて吸引した液体を吐出するピペットであって、前記シリンダー室の上部には前記ピストンを後退させるスプリングを組み込んだスプリング室が設けられ、前記シリンダー室と前記スプリング室との間には、前記ピストンと前記シリンダー室との間をシールするシールリングが設けられ、また、前記ピストンの外周面には連通溝が設けられ、前記ピストンが後退位置にあるとき前記連通溝が前記シリンダー室の外に存在して、前記シリンダー室と前記ピストンとの間のシールが確保され、前記ピストンの前進が所定寸法を超えたとき、前記連通溝が前記シリンダー室と前記スプリング室に跨り、前記シールリングが前記連通溝上に位置し、前記シリンダー室と前記ピストンの間のシールが解かれ前記シリンダー室の内外が連通することを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の、前記ピストンが後退位置から所定寸法だけ前進した後、後退位置まで後退したときの前記ピストンの移動による液体の吸引量は、前記ピペットチップ内の液体の収容量未満に設定されていることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2のいずれか1に記載の、前記ピペットには、前記ピストンの前進が所定寸法に達したことを伝達する位置確認手段が設けられていることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか1に記載の、前記ピペットには、前記ピストンの後退位置を調整する液体吸引量調整手段が設けられていることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれか1に記載の、前記シリンダーの外周には、リリースチューブが軸方向に移動自在に嵌合し、先端方向への移動により前記リリースチューブが前記シリンダーの先端部に装着された前記ピペットチップに当接可能とし、また、前記ピストンを操作する操作部には、前記ピストンと一体となって移動するリリース部が設けられ、前記ピストンの前進が所定寸法を超えた後、前記リリース部が前記リリースチューブに当接して前記リリースチューブを先端方向へ移動させ、前記リリースチューブを介して前記シリンダーの先端部に嵌合するピペットチップを前記シリンダーから押し出すように構成したことを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の、前記リリースチューブの基端には、前記リリース部が当接するフランジ部が形成され、前記フランジ部には、前記リリース部を包囲する筒状のガード部が設けられていることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項5または6のいずれか1に記載の、前記ピストンと前記操作部と前記リリース部が一体となっていることを特徴とする。
請求項1に記載のピペットによれば、ピストンの外周には、ピストンが後退位置にあるときシリンダー室の外に存在し、ピストンの前進が所定寸法を超えたときシリンダー室の内外を連通させる連通溝を設けたので、シリンダー室内へ前進するピストンの連通溝がシリンダー室に達すると、連通溝によりシリンダー室とピストンのシールが解かれシリンダー室の内外が連通することにより、シリンダー室内が大気と同圧になり、吸引・吐出作用が消滅する。これにより、ピストンの進退による最大吸引・吐出量は、ピストンの先端から連通溝までの寸法で規制されることになり、ピストンの前進が所定寸法を超えても所定量以上の液体の吸引・吐出を確実に防ぐことができることから、液体の吸引・吐出の定量操作を、熟練を要することなく、誰もが簡単な操作で容易に、確実に、且つ安全に行うことができる。
また、液体の吸引・吐出の定量操作が確実に行えるので、シリンダー室内への液体の入り込みや、また液体の吐出の際の液体を飛散を防止することができる。
請求項2に記載のピペットによれば、請求項1に記載の、ピストンが後退位置から所定寸法だけ前進した後、後退位置まで後退したときのピストンの移動による液体の吸引量は、ピペットチップ内の液体の収容量未満に設定されているので、液体の吸引の際、シリンダー室内に液体が入るのを防止でき、シリンダー室内が液体で汚染されるのを防止することができる。
請求項3に記載のピペットによれば、請求項1または2のいずれか1に記載の、ピペットには、ピストンの前進が所定寸法に達したことを伝達する位置確認手段が設けられているので、ピストン操作者にピストンの前進が所定寸法に達したことを知らせ、液体の定量吸引を促すことができる。
請求項4に記載のピペットによれば、請求項1乃至3のいずれか1に記載の、前記ピペットには、前記ピストンの後退位置を調整する液体吸引量調整手段が設けられているので、液体の吸引量を容易に且つ確実に調整することができる。
請求項5に記載のピペットによれば、使用後のピペットチップの分離に際し、ピストンを所定寸法を超えるまで前進させることにより、ピストンに設けたリリース部がリリースチューブに当接してリリースチューブを先端方向へ押圧移動させ、リリース部により押されて移動するリリースチューブがシリンダーの先端部に嵌合しているピペットチップをシリンダーから押し出すことにより、シリンダーの先端部からピペットチップを分離することができる。
このピペットチップを分離するための操作は、ピストンを液体の吸引・吐出操作と同様の一連のストロークのみの操作で行えるので、操作が容易であり、液体の吸引・吐出と一連の操作で行えることから、液体の吸引・吐出の構成とピペットチップを分離する構成は共通の構成要素を利用できるので部品点数も少なくでき、製造が容易であり低コストで得ることができる。
また、ピストンの外周には、ピストンが後退位置にあるときシリンダー室の外に存在し、ピストンの前進が所定寸法を超えたときシリンダー室の内外を連通させる連通溝を設けることにより、リリースチューブを先端方向へ押圧移動させ、シリンダーの先端部に嵌合しているピペットチップをシリンダーから押し出すためにピストンを所定寸法を超えるまで前進させたとき、連通溝によりシリンダー室とピストンのシールが解かれ、シリンダー室内が大気と同圧になるので、ピペットチップに液体が残存していても、ピペットチップの分離の際、液体を飛散させるといった事態を防止することができる。
請求項6に記載のピペットによれば、請求項5または6のいずれか1に記載の、前記リリースチューブの基端には、前記リリース部が当接するフランジ部が形成され、前記フランジ部には、前記リリース部を包囲する筒状のガード部が設けられているので、シリンダーからピペットチップを分離する際に、前記リリース部と前記リリースチューブの基端に形成されたフランジ部との間に、ピペット操作者の手指或いはピペット操作者が嵌めた手袋が挟み込まれたり巻き込まれることを防止することができる。
請求項7に記載のピペットによれば、請求項5または6のいずれか1に記載の、前記ピストンと前記操作部と前記リリース部が一体となっているので、部品点数が少なくでき、構成も簡単になるので、製造が容易であり低コストで得ることができる。
本発明に係るピペットの実施の形態の一例を示す一部切り欠き正面図である。 図1の一部切り欠き側面図である。 図1のA−A線断面図である。 図2のB−B線断面図である。 液体吸引量調整手段の他例を示す要部断面図である。 ピストンを所定寸法前進させた状態を示す断面説明図である。 ピストンが所定寸法を超え、シリンダーの内外が連通した状態を示す断面説明図である。 ピストンが所定寸法を超え、リリースチューブが先端方向へ押圧移動し、ピペットチップが押し出され、ピストンのそれ以上の前進が阻止された状態を示す断面説明図である。 シリンダーの先端部からピペットチップを分離した状態を示す説明図である。
以下、本発明に係るピペットの一実施例を図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明に係るピペットの実施の一例を示す一部切り欠き正面図、図2は図1の一部切り欠き側面図、図3は図1のA−A線断面図、図4は図2のB−B線断面図、図5は液体吸飲量調整手段の他例を示す要部断面図、図6はピストンを所定寸法前進させた状態を示す断面説明図、図7はピストンが所定寸法を超え、シリンダーの内外が連通した状態を示す断面説明図、図8はピストンが所定寸法を超え、リリースチューブが先端方向へ押圧移動し、ピペットチップが押し出され、ピストンのそれ以上の前進が阻止された状態を示す断面説明図、図9はシリンダーの先端部からピペットチップを分離した状態を示す説明図である。
本例のピペットは、シリンダー1の基端に、シリンダー1と同軸上に筒状のシリンダーホルダー2が一体に設けられている。また、シリンダー1の先端部1aにはピペットチップ3の基部3aが着脱可能に摩擦嵌合して装着されている。シリンダー1の先端部1aに装着するピペットチップ3の先端部3bの内部は液体収容部4となっており、内蔵されたフィルター5で基部3aと隔てられている。
また、シリンダー1の基端に一体となって設けられているシリンダーホルダー2は、その先端側がシリンダー1の基端とほぼ同径の小径筒状部2aとなっており、その基端側が大径筒状部2bとなっている。
また、シリンダー1内に形成されるシリンダー室6にはピストン7が進退自在に嵌合し、ピストン7がシリンダー室6を後退してシリンダー1の先端部1aに装着されているピペットチップ3内に液体を吸引し、前進して吸引した液体をピペットチップ3から吐出するようになっている。ピストン7の基端に同軸方向には、ピストン7の進退を操作する棒状の操作部8が一体に設けられている。操作部8は、シリンダーホルダー2内を軸方向に移動自在に貫通し、その基部8aがシリンダーホルダー2の基端から外部に突出している。
シリンダーホルダー2の基端内周には、ピストン7の後退位置を定める後退位置設定手段9が設けられている。本例では、後退位置設定手段9として、シリンダーホルダー2の基端の内周に、内部に操作部8を移動自在に通す外周にフランジ部10を有する筒状の栓体11を嵌合固定し、また、操作部8の外周面に、シリンダーホルダー2内に嵌合した筒部12の端部12aに係止可能な係止部13を設け、後退する操作部8の係止部13がシリンダーホルダー2内に嵌合した筒部12の端部12aに係止する位置を操作部8の後退位置として設定している。
係止部13にあっては、本例では、操作部8の外周に、操作部8の長さ方向に複数の板状部8bを放射状に設け、板状部8bの基端側の端部を係止部13としている。
また、シリンダー1内に形成されるシリンダー室6と連通するシリンダーホルダー2の小径筒状部2aの内部はスプリング室14となっており、スプリング室14の内径は、シリンダー室6より大径となっている。ピストン7の基端に設けられている操作部8はスプリング室14内に挿入可能な、スプリング室14の内径とほぼ同径となっている。
スプリング室14内には、一端がシリンダー室6とスプリング室14との境界段部に係止し、他端がピストン7と操作部8との間に形成される段部に係止して、操作部8をシリンダーホルダー2の基端側、即ちピストン7の後退方向に付勢するスプリング15が組み込まれている。
また、シリンダー室6に進退自在に嵌合したピストン7におけるシリンダー室6の外側、即ちスプリング室14側に存在するピストン7の外周に、シリンダー室6とピストン7の間をシールするシールリング16が摺動可能に嵌合している。このシールリング16は前記したスプリング15の一端により常にシリンダー室6とスプリング室14との境界段部に押し付けられ、ピストン7とシリンダー室6とスプリング室14との間をシールしている。
操作部8の操作により進退するピストン7の外周には、ピストン7が後退位置にあるときシリンダー室6の外に存在し、ピストン7の前進が所定寸法を超えたときシリンダー室6の内外、即ちシリンダー室6とスプリング室14とを連通させる連通溝17が設けてある。この連通溝17は軸方向に伸びる長溝となっており、ピストン7の前進が所定寸法を超えたとき、シリンダー室6とスプリング室14に跨り、シールリング16が連通溝17上に位置し、これにより連通溝17によりシリンダー室6とピストン7のシールが解かれシリンダー室6の内外が連通するようになっている。
ここでいう所定寸法とは、後退位置にあるピストン7を所定の位置まで前進させ、この位置から後退位置まで復帰させたときのピストン7の移動によるシリンダー室6内の吸引量の限界を規制する移動量であり、液体の最大吸引量を設定するものとなる。このときの吸引量はピペットチップ3内における液体収容部4の収容量未満であることを要する。
また、本例では、ピストン7の前進が所定寸法に達したことを伝達する位置確認手段18が設けられている。本例の位置確認手段18は、シリンダーホルダー2の大径筒状部2bの内周面上、ピストン7の後退位置から前進方向に所定寸法の位置に突段部19を形成し、操作部8には、後退位置から所定寸法前進したときに突段部19に当接する当接部20を設け、ピストン7を前進させたとき、操作部8の当接部20が突段部19に当接した抵抗感をピストン操作者が受けることによりピストン7の前進が所定寸法に達したことを確認できるようになっている。操作部8に設けられた当接部20は、弾性を有し、弾性変形して突段部19を乗り越えピストン7の更なる前進を可能にしている。
操作部8に設けた当接部20にあっては、本例では、操作部8に設けた複数の板状部8bのうちの一部を利用し、この板状部8bの外側縁に先端側から基端側へ長溝を形成して可撓可能な長片8cを形成し、長片8cの先端に膨出部を形成して、この膨出部を当接部20としている。
また、本例では、ピストン7の後退位置を調整する液体吸引量調整手段21が設けられている。本例では、液体吸引量調整手段21として、後退位置設定手段9となる栓体11が利用され、筒部12の長さの異なる栓体11を複数用意することにより、これを液体吸引量調整手段21としている。
栓体11の筒部12の長さはピストン7の後退位置を定めるものであり、栓体11を取り替えて筒部12の長さを変えることにより、ピストン7のストローク量が変わり、液体の吸引量を調整できる。筒部12の長さの異なる栓体11を複数用意することによりピストンの後退位置は変化することになるが、前記した「所定寸法」は、ピストンの最大後退位置を基準として設定される。すなわち、最短の筒部12を有する栓体11がピストンの最大後退位置を設定することになり、最短の筒部12を有する栓体11における後退位置をもって所定寸法を設定する基準としている。
また、液体吸引量調整手段21の他例として、図5に示すように、栓体11の筒部12の端部12aと操作部8の係止部13との間に、端部12aと係止部13との間の間隔を調整する補助筒体32を介在させるようにしてもよい。補助筒体32は、外径をシリンダーホルダー2の内径より小径に、内径を操作部8の外径より大径に形成し、シリンダーホルダー2で操作部8の基部8a側に移動自在に嵌合させる。そして、補助筒体32の一端を操作部8の係止部13と係止させ、他端を栓体11の筒部12の端部12aと係止可能としている。このように形成された筒の長さの異なる複数の補助筒体32を複数用意し、補助筒体32を取り替えて筒の長さを変えることにより、ピストン7のストローク量が変わり、液体の吸引量を調整できる。
また、図示しないが、シリンダーホルダー2の基端内周には、ピストン7の後退位置を定める後退位置設定手段9が設けられている。本例では、後退位置設定手段9として、シリンダーホルダー2の基端の内周に雌ねじを形成し、栓体11の筒部12の外周に雄ねじを形成して、栓体11の筒部12をシリンダーホルダー2の基端の内周にねじ着する構造とし、シリンダーホルダー2に対する栓体11の筒部12のねじ込み量を調整して、シリンダーホルダー2内における栓体11の筒部12の長さを変えるようにすることもできる。
また、図示しないが、液体吸引量調整手段21として、シリンダーホルダー2内に嵌合した筒部12の端部12aに係止可能な係止部13を設けた操作部8を利用し、係止部13の長さ方向の位置の異なる操作部8を複数用意し、ピストン7のストローク量を変えるようにすることもできる。
前記したシリンダー1の外周には、シリンダーホルダー2の小径筒状部2aに跨がるようにしてリリースチューブ22が軸方向に移動自在に嵌合している。リリースチューブ22は、先端側へ移動したとき、その先端がシリンダー1の先端部1aに嵌合するピペットチップ3の基端に当接し、ピペットチップ3をシリンダー1の先端部1aから押し出すようになっている。リリースチューブ22の基端外周にフランジ部23が形成されている。
また、ピストン7を操作する操作部8には、ピストン7と一体となって移動するリリース部24が設けられている。シリンダーホルダー2には、小径筒状部2aと大径筒状部2bとの境界から小径筒状部2a側にガイド溝25が軸方向に設けられており、操作部8に設けられたリリース部24はガイド溝25からシリンダーホルダー2外に突出し、ピストン7の移動に伴ってガイド溝25を移動するようになっている。そして、ピストン7の前進が所定寸法を超えた後、操作部8に設けられたリリース部24がリリースチューブ22の基端のフランジ部23に当接し、リリースチューブ22を先端側へ押し出すようになっている。
このとき、リリース部24により押されたリリースチューブ22がシリンダー1から抜け落ちることを防止するため、シリンダー1の外周面とリリースチューブ22の内周面に、それぞれ相互に係止する環状突部26、27が形成されている。
操作部8に設けたリリース部24にあっては操作部8と一体に設けられており、本例では、操作部8に設けた複数の板状部8bのうちの、当接部20として利用していない他の板状部8bを利用し、この板状部8bの先端側の端部をリリース部24としている。
また、本例では、操作部8に設けられたリリース部24がリリースチューブ22の基端のフランジ部23に当接し、リリースチューブ22を先端側へ押し出した後、それ以上の前進を規制する前進規制手段28が設けられている。
本例では、前進規制手段28は、操作部8の外周に係止部29を設け、リリース部24がリリースチューブ22を先端側へ押し出した位置で、この係止部29がシリンダーホルダー2の小径筒状部2aと大径筒状部2bとの境界段部30に係止し、ピストン7のそれ以上の前進ができない構成となっている。
操作部8に設けた係止部29にあっては、本例では、操作部8に設けた複数の板状部8bのうちの、当接部20として利用した板状部8bを利用し、この板状部8bの先端側の端部を係止部29としている。
また、本例では、リリースチューブ22の基端に形成されたフランジ部23には、ガイド溝25からシリンダーホルダー2外に突出し、ピストン7の移動に伴ってガイド溝25を移動するリリース部24を包囲する筒状のガード部31が設けられている。
上記のように構成されたピペットは、未使用時は、ピストン7はスプリング15に付勢されて後退位置にある。そして、使用の際は、シリンダー1の先端部1aに嵌合しているピペットチップ3の先端部を採取しようとする液体中に挿入し、シリンダーホルダー2の基端から外部に突出している操作部8の基部8aをスプリング15の弾発力に抗して先端側へ押し込む。
ピストン7を前進させた後、操作部8の押し込みを解くと、スプリング15の弾発力によりピストン7が後退位置に復帰し、ピストン7の吸引作用により、液体がシリンダー1の先端部1aに嵌合しているピペットチップ3に吸引されて液体収容部4に収容される。このとき、ピストン7が後退位置から所定寸法だけ前進した後、後退位置まで後退したときのピストン7の移動による液体の吸引量は、液体収容部4の収容量未満に設定されているので、液体の吸引の際、シリンダー室6内に液体が入ることを防止できる。
ピストン7を前進させる移動量は予め設定されている所定寸法を超えないことが望まれる。本例では、ピストン7の前進が所定寸法に達したことを伝達する位置確認手段18が設けられているので、ピストン操作者にピストン7の前進が所定寸法に達したことを知らせ、液体の定量的吸引・吐出を促すことができる。
位置確認手段18として、本例では、シリンダーホルダー2の大径筒状部2bの内周面に形成した突段部19に、操作部8に設けた当接部20が当接した抵抗感をピストン操作者が受けることによりピストン7の前進が所定寸法に達したことを確認できるようになっているので、ピストン7の前進が所定寸法に達したことをピストン操作者に確実に伝達できる。
仮に、ピストン7の前進が所定寸法を超えても、ピストン7の外周に、ピストン7の前進が所定寸法を超えたときシリンダー室6の内外を連通させる連通溝17を設けたので、シリンダー室6内が大気と同圧になり、吸引・吐出作用が消滅する。これにより、ピストン7の進退による液体の最大吸引・吐出量は、ピストン7の先端から連通溝17までの寸法で規制されることになり、ピストン7の前進が所定寸法を超えても所定量以上の液体の吸引・吐出を確実に防ぐことができる。
図6乃至図8の一点鎖線で示す位置が連通溝17によりシリンダー室6とピストン7のシールが解かれるシールブレイクラインBLであり、このシールブレイクラインBL上に連通溝17が達するとシリンダー室6の内外が連通する。
また、本例では、ピストン7の後退位置を調整する液体吸引量調整手段21が設けられているので、液体の吸引量を容易に且つ確実に調整することができる。本例では、液体吸引量調整手段21として、後退位置設定手段9となる栓体11が利用され、筒部12の長さの異なる栓体11を複数用意することにより、これを液体吸引量調整手段21としているので、栓体11を交換するといった簡単な操作により液体の吸引量を調整することができる。
このようにしてピペットチップ3内の液体収容部4に収容した液体は、シリンダーホルダー2の基端から外部に突出している操作部8の基部8aを先端側へ押し込むことによりピペットチップ3から吐出させ、所定の容器等に分注する。
液体の分注が済んだ後におけるシリンダー1の先端部1aからのピペットチップ3の分離にあっては、液体の吸引・吐出と同様に、ピストン7を操作する操作部8の基部8aをシリンダーホルダー2内に押し込み、ピストン7を所定寸法を超えるまで前進させる。ピストン7の前進が所定寸法を超えたとき、操作部8と一体となって移動するリリース部24は、リリースチューブ22の基端のフランジ部23に当接し、リリースチューブ22を先端側へ押し出し、押し出されたリリースチューブ22の移動によりシリンダー1の先端部1aに嵌合するピペットチップ3が押し出される。このようにして、ピペットチップ3に手を触れることなく、ピペットチップ3をシリンダー1の先端部1aから容易に分離することができる。
このピペットチップ3を分離するための操作は、ピストン7を液体の吸引・吐出操作と同様の一連のストロークのみの操作で行える。
また、本例では、リリースチューブ22の基端に形成されたフランジ部23には、ガイド溝25からシリンダーホルダー2外に突出し、ピストン7の移動に伴ってガイド溝25を移動するリリース部24を包囲する筒状のガード部31が設けられているので、シリンダー1からピペットチップ3を分離する際に、リリース部24とリリースチューブ22の基端に形成されたフランジ部23との間に、ピペット操作者の手指或いはピペット操作者が嵌めた手袋が挟み込まれたり巻き込まれることを防止することができる。
また、ピストン7の外周には、ピストン7の前進が所定寸法を超えたときシリンダー1の内外を連通させる連通溝17を設けたので、ピペットチップ3をシリンダーの先端部1aから押し出すためにピストン7を所定寸法を超えるまで前進させたとき、連通溝17によりシリンダー室6とピストン7のシールが解かれ、シリンダー室6内が大気と同圧になるので、ピペットチップ3に液体が残存していても、ピペットチップ3の分離の際、液体を飛散させるといった事態を防止することができる。
さらに、本例では、ピストン7と、ピストン7の進退を操作する棒状の操作部8と、リリースチューブ22に当接してリリースチューブ22を先端方向へ移動させるリリース部24が一体となっているので、部品点数が少なくでき、構成も簡単になるので、製造が容易であり低コストで得ることができる。
1 シリンダー
1a 先端部
2 シリンダーホルダー
2a 小径筒状部
2b 大径筒状部
3 ピペットチップ
3a 基部
3b 先端部
4 液体収容部
5 フィルター
6 シリンダー室
7 ピストン
8 操作部
8a 基部
8b 板状部
8c 長片
9 後退位置設定手段
10 フランジ部
11 栓体
12 筒部
12a 端部
13 係止部
14 スプリング室
15 スプリング
16 シールリング
17 連通溝
18 位置確認手段
19 突段部
20 当接部
21 液体吸引量調整手段
22 リリースチューブ
23 フランジ部
24 リリース部
25 ガイド溝
26、27 環状突部
28 前進規制手段
29 係止部
30 境界段部
31 ガード部
32 補助筒体
BL シールブレイクライン

Claims (7)

  1. 先端部にピペットチップを着脱自在に装着するシリンダーと、シリンダー室内に進退自在に嵌合するピストンを備え、前記ピストンを後退させて液体を吸引し前進させて吸引した液体を吐出するピペットであって、
    前記シリンダー室の上部には前記ピストンを後退させるスプリングを組み込んだスプリング室が設けられ、前記シリンダー室と前記スプリング室との間には、前記ピストンと前記シリンダー室との間をシールするシールリングが設けられ、また、前記ピストンの外周面には連通溝が設けられ、
    前記ピストンが後退位置にあるとき前記連通溝が前記シリンダー室の外に存在して、前記シリンダー室と前記ピストンとの間のシールが確保され、前記ピストンの前進が所定寸法を超えたとき、前記連通溝が前記シリンダー室と前記スプリング室に跨り、前記シールリングが前記連通溝上に位置し、前記シリンダー室と前記ピストンの間のシールが解かれ前記シリンダー室の内外が連通することを特徴とするピペット。
  2. 前記ピストンが後退位置から所定寸法だけ前進した後、後退位置まで後退したときの前記ピストンの移動による液体の吸引量は、前記ピペットチップ内の液体の収容量未満に設定されていることを特徴とする請求項1に記載のピペット。
  3. 前記ピペットには、前記ピストンの前進が所定寸法に達したことを伝達する位置確認手段が設けられていることを特徴とする請求項1または2のいずれか1に記載のピペット。
  4. 前記ピペットには、前記ピストンの後退位置を調整する液体吸引量調整手段が設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1に記載のピペット。
  5. 前記シリンダーの外周には、リリースチューブが軸方向に移動自在に嵌合し、先端方向への移動により前記リリースチューブが前記シリンダーの先端部に装着された前記ピペットチップに当接可能とし、また、前記ピストンを操作する操作部には、前記ピストンと一体となって移動するリリース部が設けられ、前記ピストンの前進が所定寸法を超えた後、前記リリース部が前記リリースチューブに当接して前記リリースチューブを先端方向へ移動させ、前記リリースチューブを介して前記シリンダーの先端部に嵌合するピペットチップを前記シリンダーから押し出すように構成したことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1に記載のピペット。
  6. 前記リリースチューブの基端には、前記リリース部が当接するフランジ部が形成され、前記フランジ部には、前記リリース部を包囲する筒状のガード部が設けられていることを特徴とする請求項5に記載のピペット。
  7. 前記ピストンと前記操作部と前記リリース部が一体となっていることを特徴とする請求項5または6のいずれか1に記載のピペット。
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