JP5663010B2 - ピペット - Google Patents
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Description
このようなピペットにあっては、液体によるシリンダー内の汚染の防止や、液体の飛散を防ぐため、例えば、液体が感染性試料である場合、ピペット操作者への感染や検査環境の汚染を防止するため、液体の吸引・吐出に際し定量操作を安全に行えることが求められる。また、液体を吸引したピペットチップにあっては、液体を吐出した後は手を触れることなくピペットから分離し除去できることが望ましい。
また、液体の吸引・吐出に際し定量操作を行えることが求められる。また、液体を吸引したピペットチップから液体を吐出した後、手を触れることなくピペットからピペットチップを分離し除去する手段として、特許文献1に記載のピペットは、独立したピペットチップ分離機構を備えており、このため構成が複雑であり、高コストになるといった問題がある。
本発明の他の目的は、シリンダー室に液体が入ることを防止できるピペットを提供することにある。
本発明の他の目的は、液体の吸引量を調整できるピペットを提供することにある。
本発明の他の目的は、液体の吸引・吐出とピペットチップの分離を一連の操作で行うことができるピペットを提供することにある。
本発明の他の目的は、液体の吐出の際、また、シリンダーからピペットチップを分離する際に、ピペットチップ内の残液が飛散するのを防ぐことができるピペットを提供することにある。
本発明の他の目的は、シリンダーからピペットチップを分離する際に、ピペット操作者の手指或いはピペット操作者が嵌めた手袋の挟み込みや巻き込みを防ぐことができるピペットを提供することにある。
本発明の他の目的は、構成が簡単で低コストで得ることができるピペットを提供することにある。
また、液体の吸引・吐出の定量操作が確実に行えるので、シリンダー室内への液体の入り込みや、また液体の吐出の際の液体を飛散を防止することができる。
このピペットチップを分離するための操作は、ピストンを液体の吸引・吐出操作と同様の一連のストロークのみの操作で行えるので、操作が容易であり、液体の吸引・吐出と一連の操作で行えることから、液体の吸引・吐出の構成とピペットチップを分離する構成は共通の構成要素を利用できるので部品点数も少なくでき、製造が容易であり低コストで得ることができる。
また、ピストンの外周には、ピストンが後退位置にあるときシリンダー室の外に存在し、ピストンの前進が所定寸法を超えたときシリンダー室の内外を連通させる連通溝を設けることにより、リリースチューブを先端方向へ押圧移動させ、シリンダーの先端部に嵌合しているピペットチップをシリンダーから押し出すためにピストンを所定寸法を超えるまで前進させたとき、連通溝によりシリンダー室とピストンのシールが解かれ、シリンダー室内が大気と同圧になるので、ピペットチップに液体が残存していても、ピペットチップの分離の際、液体を飛散させるといった事態を防止することができる。
請求項6に記載のピペットによれば、請求項5または6のいずれか1に記載の、前記リリースチューブの基端には、前記リリース部が当接するフランジ部が形成され、前記フランジ部には、前記リリース部を包囲する筒状のガード部が設けられているので、シリンダーからピペットチップを分離する際に、前記リリース部と前記リリースチューブの基端に形成されたフランジ部との間に、ピペット操作者の手指或いはピペット操作者が嵌めた手袋が挟み込まれたり巻き込まれることを防止することができる。
図1は本発明に係るピペットの実施の一例を示す一部切り欠き正面図、図2は図1の一部切り欠き側面図、図3は図1のA−A線断面図、図4は図2のB−B線断面図、図5は液体吸飲量調整手段の他例を示す要部断面図、図6はピストンを所定寸法前進させた状態を示す断面説明図、図7はピストンが所定寸法を超え、シリンダーの内外が連通した状態を示す断面説明図、図8はピストンが所定寸法を超え、リリースチューブが先端方向へ押圧移動し、ピペットチップが押し出され、ピストンのそれ以上の前進が阻止された状態を示す断面説明図、図9はシリンダーの先端部からピペットチップを分離した状態を示す説明図である。
係止部13にあっては、本例では、操作部8の外周に、操作部8の長さ方向に複数の板状部8bを放射状に設け、板状部8bの基端側の端部を係止部13としている。
また、本例では、ピストン7の前進が所定寸法に達したことを伝達する位置確認手段18が設けられている。本例の位置確認手段18は、シリンダーホルダー2の大径筒状部2bの内周面上、ピストン7の後退位置から前進方向に所定寸法の位置に突段部19を形成し、操作部8には、後退位置から所定寸法前進したときに突段部19に当接する当接部20を設け、ピストン7を前進させたとき、操作部8の当接部20が突段部19に当接した抵抗感をピストン操作者が受けることによりピストン7の前進が所定寸法に達したことを確認できるようになっている。操作部8に設けられた当接部20は、弾性を有し、弾性変形して突段部19を乗り越えピストン7の更なる前進を可能にしている。
操作部8に設けた当接部20にあっては、本例では、操作部8に設けた複数の板状部8bのうちの一部を利用し、この板状部8bの外側縁に先端側から基端側へ長溝を形成して可撓可能な長片8cを形成し、長片8cの先端に膨出部を形成して、この膨出部を当接部20としている。
また、液体吸引量調整手段21の他例として、図5に示すように、栓体11の筒部12の端部12aと操作部8の係止部13との間に、端部12aと係止部13との間の間隔を調整する補助筒体32を介在させるようにしてもよい。補助筒体32は、外径をシリンダーホルダー2の内径より小径に、内径を操作部8の外径より大径に形成し、シリンダーホルダー2で操作部8の基部8a側に移動自在に嵌合させる。そして、補助筒体32の一端を操作部8の係止部13と係止させ、他端を栓体11の筒部12の端部12aと係止可能としている。このように形成された筒の長さの異なる複数の補助筒体32を複数用意し、補助筒体32を取り替えて筒の長さを変えることにより、ピストン7のストローク量が変わり、液体の吸引量を調整できる。
また、図示しないが、シリンダーホルダー2の基端内周には、ピストン7の後退位置を定める後退位置設定手段9が設けられている。本例では、後退位置設定手段9として、シリンダーホルダー2の基端の内周に雌ねじを形成し、栓体11の筒部12の外周に雄ねじを形成して、栓体11の筒部12をシリンダーホルダー2の基端の内周にねじ着する構造とし、シリンダーホルダー2に対する栓体11の筒部12のねじ込み量を調整して、シリンダーホルダー2内における栓体11の筒部12の長さを変えるようにすることもできる。
また、図示しないが、液体吸引量調整手段21として、シリンダーホルダー2内に嵌合した筒部12の端部12aに係止可能な係止部13を設けた操作部8を利用し、係止部13の長さ方向の位置の異なる操作部8を複数用意し、ピストン7のストローク量を変えるようにすることもできる。
このとき、リリース部24により押されたリリースチューブ22がシリンダー1から抜け落ちることを防止するため、シリンダー1の外周面とリリースチューブ22の内周面に、それぞれ相互に係止する環状突部26、27が形成されている。
操作部8に設けたリリース部24にあっては操作部8と一体に設けられており、本例では、操作部8に設けた複数の板状部8bのうちの、当接部20として利用していない他の板状部8bを利用し、この板状部8bの先端側の端部をリリース部24としている。
本例では、前進規制手段28は、操作部8の外周に係止部29を設け、リリース部24がリリースチューブ22を先端側へ押し出した位置で、この係止部29がシリンダーホルダー2の小径筒状部2aと大径筒状部2bとの境界段部30に係止し、ピストン7のそれ以上の前進ができない構成となっている。
操作部8に設けた係止部29にあっては、本例では、操作部8に設けた複数の板状部8bのうちの、当接部20として利用した板状部8bを利用し、この板状部8bの先端側の端部を係止部29としている。
また、本例では、リリースチューブ22の基端に形成されたフランジ部23には、ガイド溝25からシリンダーホルダー2外に突出し、ピストン7の移動に伴ってガイド溝25を移動するリリース部24を包囲する筒状のガード部31が設けられている。
位置確認手段18として、本例では、シリンダーホルダー2の大径筒状部2bの内周面に形成した突段部19に、操作部8に設けた当接部20が当接した抵抗感をピストン操作者が受けることによりピストン7の前進が所定寸法に達したことを確認できるようになっているので、ピストン7の前進が所定寸法に達したことをピストン操作者に確実に伝達できる。
図6乃至図8の一点鎖線で示す位置が連通溝17によりシリンダー室6とピストン7のシールが解かれるシールブレイクラインBLであり、このシールブレイクラインBL上に連通溝17が達するとシリンダー室6の内外が連通する。
このようにしてピペットチップ3内の液体収容部4に収容した液体は、シリンダーホルダー2の基端から外部に突出している操作部8の基部8aを先端側へ押し込むことによりピペットチップ3から吐出させ、所定の容器等に分注する。
このピペットチップ3を分離するための操作は、ピストン7を液体の吸引・吐出操作と同様の一連のストロークのみの操作で行える。
また、本例では、リリースチューブ22の基端に形成されたフランジ部23には、ガイド溝25からシリンダーホルダー2外に突出し、ピストン7の移動に伴ってガイド溝25を移動するリリース部24を包囲する筒状のガード部31が設けられているので、シリンダー1からピペットチップ3を分離する際に、リリース部24とリリースチューブ22の基端に形成されたフランジ部23との間に、ピペット操作者の手指或いはピペット操作者が嵌めた手袋が挟み込まれたり巻き込まれることを防止することができる。
1a 先端部
2 シリンダーホルダー
2a 小径筒状部
2b 大径筒状部
3 ピペットチップ
3a 基部
3b 先端部
4 液体収容部
5 フィルター
6 シリンダー室
7 ピストン
8 操作部
8a 基部
8b 板状部
8c 長片
9 後退位置設定手段
10 フランジ部
11 栓体
12 筒部
12a 端部
13 係止部
14 スプリング室
15 スプリング
16 シールリング
17 連通溝
18 位置確認手段
19 突段部
20 当接部
21 液体吸引量調整手段
22 リリースチューブ
23 フランジ部
24 リリース部
25 ガイド溝
26、27 環状突部
28 前進規制手段
29 係止部
30 境界段部
31 ガード部
32 補助筒体
BL シールブレイクライン
Claims (7)
- 先端部にピペットチップを着脱自在に装着するシリンダーと、シリンダー室内に進退自在に嵌合するピストンを備え、前記ピストンを後退させて液体を吸引し前進させて吸引した液体を吐出するピペットであって、
前記シリンダー室の上部には前記ピストンを後退させるスプリングを組み込んだスプリング室が設けられ、前記シリンダー室と前記スプリング室との間には、前記ピストンと前記シリンダー室との間をシールするシールリングが設けられ、また、前記ピストンの外周面には連通溝が設けられ、
前記ピストンが後退位置にあるとき前記連通溝が前記シリンダー室の外に存在して、前記シリンダー室と前記ピストンとの間のシールが確保され、前記ピストンの前進が所定寸法を超えたとき、前記連通溝が前記シリンダー室と前記スプリング室に跨り、前記シールリングが前記連通溝上に位置し、前記シリンダー室と前記ピストンの間のシールが解かれ前記シリンダー室の内外が連通することを特徴とするピペット。 - 前記ピストンが後退位置から所定寸法だけ前進した後、後退位置まで後退したときの前記ピストンの移動による液体の吸引量は、前記ピペットチップ内の液体の収容量未満に設定されていることを特徴とする請求項1に記載のピペット。
- 前記ピペットには、前記ピストンの前進が所定寸法に達したことを伝達する位置確認手段が設けられていることを特徴とする請求項1または2のいずれか1に記載のピペット。
- 前記ピペットには、前記ピストンの後退位置を調整する液体吸引量調整手段が設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1に記載のピペット。
- 前記シリンダーの外周には、リリースチューブが軸方向に移動自在に嵌合し、先端方向への移動により前記リリースチューブが前記シリンダーの先端部に装着された前記ピペットチップに当接可能とし、また、前記ピストンを操作する操作部には、前記ピストンと一体となって移動するリリース部が設けられ、前記ピストンの前進が所定寸法を超えた後、前記リリース部が前記リリースチューブに当接して前記リリースチューブを先端方向へ移動させ、前記リリースチューブを介して前記シリンダーの先端部に嵌合するピペットチップを前記シリンダーから押し出すように構成したことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1に記載のピペット。
- 前記リリースチューブの基端には、前記リリース部が当接するフランジ部が形成され、前記フランジ部には、前記リリース部を包囲する筒状のガード部が設けられていることを特徴とする請求項5に記載のピペット。
- 前記ピストンと前記操作部と前記リリース部が一体となっていることを特徴とする請求項5または6のいずれか1に記載のピペット。
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