JP5661368B2 - X線発生装置 - Google Patents

X線発生装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5661368B2
JP5661368B2 JP2010175717A JP2010175717A JP5661368B2 JP 5661368 B2 JP5661368 B2 JP 5661368B2 JP 2010175717 A JP2010175717 A JP 2010175717A JP 2010175717 A JP2010175717 A JP 2010175717A JP 5661368 B2 JP5661368 B2 JP 5661368B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrode
electron
ray
ray generator
potential
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2010175717A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2012038475A (ja
Inventor
上田 和幸
和幸 上田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2010175717A priority Critical patent/JP5661368B2/ja
Publication of JP2012038475A publication Critical patent/JP2012038475A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5661368B2 publication Critical patent/JP5661368B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Common Detailed Techniques For Electron Tubes Or Discharge Tubes (AREA)

Description

本発明は、X線発生装置に関するものである。特に、電子源から電子を放出させるための電界を発生させる引出し電極と、引出し電極により放出された電子をターゲット電極に照射して、X線を発生する小型のX線発生装置に関するものである。
従来、X線発生装置には熱電子源を電子源に用いたものが知られている。このような熱電子源は、高温度に加熱したフィラメントから放出される熱電子の一部を、ウエネルト電極、引出し電極、加速電極およびレンズ電極を通し、電子束として高エネルギーに加速させる。同時に所望の形状の電子束を成形した後、タングステン等の金属から構成されたターゲット電極に照射させてX線を発生させている。このような熱電子源には、ブラウン管用の電子源として含浸型熱陰極電子放出素子等、小型のものもある。
近年、この熱電子源に代わる電子源として、冷陰極電子源が開発され、フラットパネルディスプレイ(FPD)への応用も含めて広く研究されている。冷陰極電子源の代表的なものとして、数10nmの針の先端に高電界を掛けて電子を取り出すスピント(Spindt)型タイプの冷陰極電子源が知られている。さらに、カーボンナノチューブ(CNT)を材料とした電子放出エミッタや、ガラス基板の表面にnmオーダの微細構造を形成して、電子を放出する表面伝導型電子源等もある。
これらの冷陰極電子源の応用として、スピント型電子源やカーボンナノチューブ型電子源を用いて単一の電子ビームを形成してX線を取り出す小型X線源が、特許文献1に提案されている。しかしながら、冷陰極電子源の製品への搭載は電界放射型走査電子顕微鏡(FE−SEM)等に限られ、広く展開されていない。その要因として、冷陰極電子源の電子放出特性の不安定さや、劣化の速さに起因しているものと考えられる。そして、その原因として考えられているものの一つが、冷陰極電子源が電子放出した際の真空度の変動や低下である。
真空度が劣化に及ぼす影響は、冷陰極電子源に限った問題ではない。熱電子源を用いた製品でも、真空度の低下を防ぐため、ゲッタ等の真空ポンプを搭載している。特にX線発生装置に関しては、フラットパネルディスプレイ(FPD)等に比べ、大幅に電流値(約100〜1000倍)、アノード電圧(2〜5倍)が高いため、人体透視撮影に用いるX線発生装置において、真空度を維持する機能は重要である。
特許文献1に開示されたX線管の上部蓋構造は、真空ポンプであるゲッタを上部蓋の凹部に配置している。このように配置することで、ゲッタがターゲットから直接X線および放射熱を受けることがないが、X線発生の際、ターゲット周辺は高温となり、熱伝導によりゲッタ温度が上昇してしまう。したがって、ゲッタの吸着したガスを放出してしまい、真空度が低下して電子放出特性が変化する可能性がある。さらに、ゲッタが電位勾配の高い部分に面しているため異常放電の原因となる可能性があった。
また、特許文献2は、X線発生装置において、アノードの溶融による真空度劣化が熱電子源の劣化要因になることを防ぐため、熱電子源とアノードの区画を設け各区画に各真空排気口を設置し、X線発生時には常時、真空ポンプで排気することが開示されている。
特許文献2では、ターゲット温度によらず真空ポンプ(不図示)によって、真空度を維持し、真空ポンプがX線照射の影響を受けないところに配置されているため、真空ポンプはターゲットからのX線および放射熱の影響を受けない。したがって、真空ポンプの排気能力が低下することはない。しかしながら、対陰極室と陰極室との両方に真空ポンプを配置する必要がある上、回転体陰極から離れた部分に真空ポンプを配置するために、排気コンダクタンスが高くなり、排気の能力の高い真空ポンプが必要となり、比較的大型のX線源となってしまう。
特開2005−56592号公報 特開平11−339704号公報
X線発生装置では、電子源周辺の真空度を維持することが、X線発生装置の安定性向上、劣化防止および放電防止を実現する上で求められている。そこで、真空を保持する手段である真空ポンプ等を引出し電極付近に配置しようとすると、次のような問題がある。
ターゲット電極から発生するX線は全方向に放射されるため、電子軌道側にもX線は放出される。X線が化学吸着型の真空ポンプに照射されると、真空ポンプに吸着されていたガスが放出されてしまい、真空ポンプの排気能力が低下する。
また、ターゲット電極に衝突する電子のエネルギーのうち約1%がX線、残りの約99%以上が熱となることから、発熱が真空中であるため、この熱量の大部分は、ターゲット電極から放射熱として放熱される。したがって、真空ポンプを電子源付近に配置すると、真空ポンプはターゲット電極からの放射熱を受けて温度上昇する。そのため、真空ポンプ本来のガス吸着機能が低下あるいは吸着したガスを放出してしまい、排気機能が低下してしまう。
このように、真空度が低下し、電子源の性能が低下および劣化する上に40〜120kVもの高い電界中に設置されることとなるため、真空ポンプが異常放電を生じる可能性が
高かった。
本発明は、上述したような問題点に鑑みてなされたものであり、X線発生装置内における真空度を維持して、X線発生装置の安定性向上、劣化防止および放電防止を図ることを目的とする。
本発明のX線発生装置は、電子を放出する電子源と、前記電子源から放出される電子の量を制御する電子量制御電極と、電子の照射によりX線を発生するターゲット電極とを備えるX線発生装置であって、前記電子量制御電極と前記ターゲット電極との間に設けられる中間電極と、前記電子量制御電極と前記中間電極との間であって、前記電子量制御電極に配置されている真空保持部材とを有することを特徴とする。
本発明によれば、X線の発生において、真空保持部材の排気能力が低下することがないので、引出し電極周辺の真空度を維持することが可能となる。したがって、小型のX線発生装置の安定性向上、劣化防止および放電防止を図ることができる。
X線撮影装置の概略構成を示す図である。 X線発生装置の概略図である。 第1の実施形態に係るX線発生装置の構成を示す断面図である。 素子アレイの模式図である。 引出し電極を透過型ターゲット電極側から見た拡大図である。 X線発生装置の構成を示す断面図である。 図6のB−B´断面において矢印方向から見た引出し電極の拡大図である。 第2の実施形態に係るX線発生装置の構成を示す断面図である。 図8のC−C´断面において矢印方向から見たレンズ電極の拡大図である。
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態に係るX線発生装置を備えたX線撮影装置の概略構成を示す図である。図1に示すように、X線撮影装置1は、X線発生装置10、X線検出器31、X線検出信号処理部32、X線撮影装置制御部33を備えている。
X線発生装置10は、X線源であって、X線検出器31に対向する面にX線透過窓25が配置され、このX線透過窓25を通してX線をX線検出器31に向かって放射状に放出する。X線検出器31は、被検体(不図示)を透過したX線を検出する。X線検出器31は、X線検出信号処理部32を介してX線撮影装置制御部33に接続されている。
X線検出信号処理部32は、X線検出器31が検出した被検体のX線透過画像を処理する。X線撮影装置制御部33は、X線検出信号処理部32、高電圧制御部34、電圧制御部35、36、電子放出素子駆動回路37を制御することで、X線発生装置10およびX線検出器31を制御する。
次に、X線発生装置10について、図2および図3を参照して説明する。図2は、X線発生装置10の概略図である。図3は、図2に示すA平面における断面模式図であり、模式図の上方には各電極における電圧値の変位をグラフで示している。
図2に示すように、X線発生装置10には、上述したX線透過窓25が複数、配置されている。また、X線発生装置10の側面には、X線発生装置10を制御するための複数の端子、具体的には駆動信号部17、引出し電極導入部20、レンズ電極導入部22、ターゲット電極導入部23の4つが配置されている。なお、図1に示すように、駆動信号部17、引出し電極導入部20、レンズ電極導入部22およびターゲット電極導入部23は、それぞれ電子放出素子駆動回路37、電圧制御部36、電圧制御部35および高電圧制御部34に接続されている。
図3に示すように、X線発生装置10の内部である真空室11には、電子ビーム発生部12、透過型ターゲット電極13が配置されている。また、電子ビーム発生部12は、素子基板14、電子源としての素子アレイ16により構成されている。素子アレイ16の上には、電子放出素子15が搭載されている。
真空室11の真空度は、電子放出のために10-4〜10-8Pa以下にする必要があり、真空度を高くするほど電子放出素子15の寿命が長くなり、放電現象等の問題が少なくなる。
図4は、素子アレイ16を拡大した斜視図である。素子アレイ16は、例えば直径Φ5mmとするモリブデン等の高融点金属材料から形成され、頭頂部に電子放出素子15が搭載されている。素子アレイ16の底部は、素子基板14の駆動配線に接続されている。したがって、電子放出素子15は、駆動信号部17の入力信号を介して電子放出量が制御される。すなわち、駆動信号部17の入力信号でX線ビームのオン/オフを制御することができる。
本実施形態では、電子放出素子15として冷陰極電子放出素子であるカーボンナノチューブを用いている。カーボンナノチューブは、数10nmの微細な構造体からなっている。なお、電子放出素子15としては、その他にグラファイトナノファイバー、カーボンナノファイバー等を用いることができる。また、電子放出素子15は、上述した冷陰極電子放出素子以外に含浸型熱陰極電子放出素子等を用いてもよい。
図3に戻り、X線発生装置10の真空室11には、電子放出素子15に加わる電界を制御するために、電子放出素子15から数百μmの間隔をあけた位置に引出し電極19が配置されている。引出し電極19は、電子ビームが放出される方向に対して略直交して配置された板状に形成されている。具体的には、引出し電極19は、素子基板14上に設けられた間隔規定部材18上に固定されることで、所定の位置に配置される。引出し電極19は、素子アレイ16と電気的に絶縁されていて、引出し電極導入部20から電圧が供給されている。
図5は、引出し電極19において電子放出素子15が位置する部分を透過型ターゲット電極13側から見た拡大図である。図5に示すように、引出し電極19には、電子放出素子15が位置する部分に複数の格子状の貫通孔38が形成されている。本実施形態では、貫通孔38は約0.40mm×0.40mmの孔形状であって、隣り合う貫通孔38の間隔は約0.1mmである。複数の貫通孔38が形成された貫通孔形成部39は、各電子放出素子15のそれぞれに対応する位置に複数、設けられている。なお、貫通孔38は、電子放出素子15に均一な電界が加わるものであれば、上述した孔形状、孔サイズおよび配置に限定されるものではない。
引出し電極19の材料には、約1.0mm厚のタングステンが用いている。また、引出し電極19の面上には、後述するゲッタ用に絶縁層または配線等を配置することができる。
引出し電極19の電圧Vgと素子アレイ16の電圧Vcとの間に電位差が生じると、電子放出素子15に電界が発生する。この電界が電子放出素子15の閾値電界を超えると、電子放出素子15の先端から電界放出現象によって電子が放出される。ここでは、引出し電極19の電圧Vg=0kv、素子アレイ16の電圧Vc=−1kv〜−8kv程度である。
次に、電子放出素子15の先端から放出された電子は、引出し電極19を通過した後、中間電極としてのレンズ電極21で発生する電界により収束する。レンズ電極21は、中間電極導入部としてのレンズ電極導入部22に加わる電圧Vmにより制御される。レンズ電極21の電圧Vmは、0〜10kv程度である。電子ビームは、レンズ電極21によりΦ0.3mm〜2mm程度のサイズに収束されて透過型ターゲット電極13に衝突する。
レンズ電極21は、電子ビームが放出される方向に対して略直交して配置された板状の金属板であって、具体的には板厚2mmのステンレスが用いられている。レンズ電極21は、導電性の金属であればよく、モリブデン、タングステン、タンタル等の原子番号の高い金属であって、X線遮蔽能力が90%以上であることが好ましい。
次に、ターゲット電極としての透過型ターゲット電極13は、タングステン、モリブデン等の金属薄膜で形成されている。このような金属薄膜では一般的に熱放散が低いため、大きな電力投入が難しいとされている。本実施形態の透過型ターゲット電極13は、電子が照射されてX線ビームを取り出す領域以外が真空内X線遮蔽板24により覆われている。具体的には、X線ビームを取り出す領域以外では、透過型ターゲット電極13と真空内X線遮蔽板24とが機械的かつ熱的に接着されている。したがって、真空内X線遮蔽板24を通して熱伝導により透過型ターゲット電極13の熱が放熱されるので、被検体を透過させることができるX線量の電力投入が可能である。
透過型ターゲット電極13は、ターゲット電極導入部23と接続され、ターゲット電極導入部23に加わる高電圧Vaにより制御される。ターゲット電極導入部23に加わる高電圧Vaは、約40〜120kv程度である。
透過型ターゲット電極13は、X線発生層とX線発生支持層との2層で構成され、X線の発生効率が高く、機能性に優れている。X線発生層は、X線ビームが透過型ターゲット電極13を透過する際に生ずる吸収を軽減するために、数10nm〜数μm程度の重金属により形成されている。X線発生支持層は、X線発生層の薄膜層を支持すると共に、電子の照射により加熱されたX線発生層の冷却効率を高め、X線の吸収により強度減衰を軽減するために、軽元素からなる基板により形成されている。一般的に、X線発生支持層は基板材料として金属ベリリウムが有効とされているが、本実施形態では、0.1mm〜数mm程度の厚さのAl、AlN、SiCを単一にまたは組み合せて用いている。この材料は熱伝導性が高くX線透過性に優れ、X線ビームの低エネルギー領域でX線透過像の像質への寄与が少ないX線ビームを50%以下に有効に吸収し、X線の線質を変えるフィルタ機能を有する。
透過型ターゲット電極13に電子ビームが衝突すると、X線が発生する。X線は透過型ターゲット電極13を透過し、図3に示すように、真空内X線遮蔽板24によって必要なX線放射角に遮蔽された後、X線透過窓25からX線41として外部に放射される。なお、X線透過窓25は、アルミニウムやベリリウム銅合金、ガラス等で構成することができる。
一方、X線は、電子ビームが入射する側にも照射される。図6は、X線が電子ビームの入射する側にも照射されている状態を示すX線発生装置の断面模式図である。真空内X線遮蔽板24によって、電子ビーム入射口形状に遮蔽されたX線は、図6に示すように、後方X線42としてレンズ電極21側に向かって照射される。その後、後方X線42はレンズ電極21に衝突する。
本実施形態では、引出し電極19とレンズ電極21との間であって、引出し電極19上に、真空保持部材としてのゲッタ26が配置されている。
図7は、図6に示すB−B´断面を矢印方向から見た引出し電極19の拡大図である。図7に示すように、本実施形態では、ゲッタ26としての蒸発型ゲッタ27および非蒸着ゲッタ28が配置されている。各ゲッタ26は、隣接する複数の貫通孔形成部39から略同距離に離間した位置に配置されている。
蒸発型ゲッタ27は、通電、誘導加熱により蒸発させ、レンズ電極21に蒸着させることが可能である。なお、レンズ電極21には、電子放出素子15の配置に合わせて直径Φ4mmの電子通過孔29が加工されている。
レンズ電極21に放射された後方X線42は、レンズ電極21の電子通過孔29を通過し、図6に示すように、通過X線43として、そのまま電子放出素子15付近に照射され、電子放出素子15、間隔規定部材18および素子基板14によって吸収される。
レンズ電極21の電子通過孔29以外に照射された後方X線42の約90%以上はX線遮蔽能力を有するレンズ電極21によって吸収される。
上述したように構成されるX線発生装置10によれば、後方X線42がレンズ電極21によって遮蔽され、ゲッタ26に照射されるX線量が10%ほどに低下する。したがって、ゲッタ26が受けるX線照射が減少することにより、吸着したガスの放出を減少させることができる。すなわち、ゲッタ26の排気性能をより向上させ、真空室11内の真空度を維持することができるので、異常放電等が発生する可能性を低下させることができる。
また、X線発生装置10を駆動させることで、透過型ターゲット電極13の温度が上昇するが、真空内X線遮蔽板24により冷却される熱量以外は透過型ターゲット電極13から放射される。この放射熱がゲッタ26に吸収され、ゲッタ26の温度が上昇するとゲッタ26本来のガス吸着機能が低下するだけでなく、吸着したガスを再び放出する可能性がある。しかしながら、上述したX線発生装置10によれば、ゲッタ26は引出し電極19とレンズ電極21との間に配置されているため、透過型ターゲット電極13からの放射熱をレンズ電極21が遮蔽するので、ゲッタ26のガス吸着機能を維持することができる。
また、図2の真空室内の電圧差を示すグラフでも理解できるように、引出し電極19の電圧Vgとレンズ電極の電圧Vmとの電圧値の差が僅かであり、引出し電極19とレンズ電極21との間の電圧差が比較的少ない。
すなわち、素子アレイ16の電圧値をVcとし、引出し電極19の電圧値をVgとし、レンズ電極21の電圧値をVmとし、透過型ターゲット電極13の電圧値をVaとしたとき、各電極における電圧値の電位関係は、
Vc<Vg≦Vm<Vaであり、
さらに、Vm−Vg<Va−Vmである。
このように電圧差が少ない引出し電極19とレンズ電極21との間にゲッタ26等の金属物を配置することで、他の真空室11内に比べて放電を防止することができる。
このように、本実施形態のX線発生装置によれば、電子源周辺の真空度を維持することが可能となり、X線発生装置の安定性向上、劣化防止および放電防止を実現することが可能となる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態に係るX線発生装置について説明する。本実施形態では、第1の実施形態と相違する点について説明し、同一の部分はその説明を省略する。
図8は、本実施形態に係るX線発生装置の断面模式図である。
図8に示すように、本実施形態に係るX線発生装置50は、引出し電極19とレンズ電極21との間であって、レンズ電極21上に、真空保持部材としてのゲッタ26が配置されている。
図9は、図8に示すC−C´断面を矢印方向から見たレンズ電極21の拡大図である。本実施形態のレンズ電極21には、板厚1mmのモリブデンが用いられている。図9に示すように、レンズ電極21には、電子放出素子15の位置に対応させて、電子通過孔29が配置されている。電子通過孔29は、直径Φ2〜8mm程度の貫通孔であり、本実施形態では、Φ3mmの貫通孔が形成されている。図9に示すように、本実施形態では、ゲッタ26としての蒸発型ゲッタ27および非蒸着ゲッタ28が配置されている。各ゲッタ26は、隣接する複数の電子通過孔29から略同距離に離間した位置に配置されている。蒸発型ゲッタ27は、通電、誘導加熱により蒸発させ、引出し電極19に蒸着させることが可能である。
本実施形態では、蒸発型ゲッタ27をレンズ電極21に配置させているので、引出し電極19から放出された蒸発型ゲッタの吸着可能ガスを速やかに吸着できる。
レンズ電極21に放射された後方X線42は、レンズ電極21の電子通過孔29を通過する。図8に示すように、電子通過孔29を通過したX線は、通過X線43として、そのまま電子放出素子15付近に照射され、電子放出素子15、間隔規定部材18および素子基板14により吸収される。
レンズ電極21の電子通過孔29以外に照射された後方X線42の約90%以上はX線遮蔽能力を有するレンズ電極21によって吸収される。
上述したように構成されるX線発生装置50によれば、後方X線42がレンズ電極21によって遮蔽され、ゲッタ26に照射されるX線量が10%ほどに低下する。したがって、ゲッタ26が受けるX線照射が減少することにより、吸着したガスの放出を減少させることができる。すなわち、ゲッタ26の排気性能がより向上させ、真空室11内の真空度を維持することができるので、異常放電等が発生する可能性を低下させることができる。
また、X線発生装置50を駆動させることで、透過型ターゲット電極13の温度が上昇するが、真空内X線遮蔽板24により冷却される熱量以外は透過型ターゲット電極13から放射される。この放射熱がゲッタ26に吸収され、ゲッタ26の温度が上昇するとゲッタ26本来のガス吸着機能が低下するだけでなく、吸着したガスを再び放出する可能性がある。しかしながら、上述したX線発生装置50によれば、ゲッタ26は引出し電極19とレンズ電極21との間に配置されているため、透過型ターゲット電極13からの放射熱をレンズ電極21が遮蔽するので、ゲッタ26のガス吸着機能を維持することができる。
また、本実施形態の各電極間における電圧差は、図2の真空室内の電圧差を示すグラフと同様であり、図2に示すように、引出し電極19とレンズ電極21との間の電圧差が比較的少ない。このように電圧差が少ない引出し電極19とレンズ電極21との間にゲッタ26等の金属物を配置することで、他の真空室11内に比べて放電を防止することができる。
このように、本実施形態のX線発生装置によれば、引出し電極周辺の真空度を維持することが可能となり、X線発生装置の安定性向上、劣化防止および放電防止を実現することが可能となる。
以上、本発明を種々の実施形態と共に説明したが、本発明はこれらの実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲内で変更等が可能である。例えば、本実施形態では引出し電極19またはレンズ電極21にゲッタ26を配置する場合について説明したが、この場合に限られない。すなわち、排気能力を向上させるために、引出し電極19とレンズ電極21との間であって、引出し電極19およびレンズ電極21の両方の面上にゲッタ26を配置してもよい。また、蒸発型ゲッタ27と非蒸着ゲッタ28とを配置する場合について説明したが、何れか一方であってもよく、他のゲッタを配置してもよい。
10:X線発生装置 11:真空室 12:電子ビーム発生部 13:透過型ターゲット電極 14:素子基板 15:電子放出素子 16:素子アレイ 17:駆動信号部 18:間隔規定部材 19:引出し電極 20:引出し電極導入部 21:レンズ電極 22:レンズ電極導入部 23:ターゲット電極導入部 24:真空内X線遮蔽板 25:X線透過窓 26:ゲッタ 27:蒸発型ゲッタ 28:非蒸発型ゲッタ 29:電子通過孔 31:X線検出器 32:X線検出信号処理部 33:X線撮影装置制御部 34:高電圧制御部 35:電圧制御部 36:電圧制御部 37:電子放出素子駆動回路 38:貫通孔 39:貫通孔形成部 41:X線 42:後方X線 43通過X線

Claims (8)

  1. 電子を放出する電子源と、前記電子源から放出される電子の量を制御する電子量制御電極と、電子の照射によりX線を発生するターゲット電極とを備えるX線発生装置であって、
    前記電子量制御電極と前記ターゲット電極との間に設けられる中間電極と、
    前記電子量制御電極と前記中間電極との間であって、前記電子量制御電極に配置されている真空保持部材とを有することを特徴とするX線発生装置。
  2. 前記電子源を複数、備え、
    前記電子量制御電極は、記複数の電子源それぞれに対応する位置に複数の貫通孔有した板状の電極であり、
    前記真空保持部材は、前記真空保持部材に隣接する複数の前記貫通孔から等距離に位置していることを特徴とする請求項に記載のX線発生装置。
  3. 前記電子源の電位をVcとし、前記電子量制御電極の電位をVgとし、前記中間電極の電位をVmとし、前記ターゲット電極の電位をVaとしたとき、
    Vc<Vg≦Vm<Va
    の電位関係で動作されることを特徴とする請求項1または2に記載のX線発生装置。
  4. 前記電子量制御電極の電位をVgとし、前記中間電極の電位をVmとし、前記ターゲット電極の電位をVaとしたとき、
    Vm−Vg<Va−Vm
    の電位関係で動作されることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のX線発生装置。
  5. 前記中間電極は、X線遮蔽能力が90%以上である金属板で形成されていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載のX線発生装置。
  6. 前記真空保持部材は、ゲッタであることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載のX線発生装置。
  7. 前記ターゲット電極は、透過型ターゲット電極であることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載のX線発生装置。
  8. 前記電子源は、外部から電気的に電子放出量を制御可能な冷陰極電子源または熱陰極電子源であることを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載のX線発生装置。
JP2010175717A 2010-08-04 2010-08-04 X線発生装置 Expired - Fee Related JP5661368B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010175717A JP5661368B2 (ja) 2010-08-04 2010-08-04 X線発生装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010175717A JP5661368B2 (ja) 2010-08-04 2010-08-04 X線発生装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012038475A JP2012038475A (ja) 2012-02-23
JP5661368B2 true JP5661368B2 (ja) 2015-01-28

Family

ID=45850295

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010175717A Expired - Fee Related JP5661368B2 (ja) 2010-08-04 2010-08-04 X線発生装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5661368B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5580843B2 (ja) * 2012-03-05 2014-08-27 双葉電子工業株式会社 X線管
JP6099938B2 (ja) 2012-11-13 2017-03-22 キヤノン株式会社 マルチx線発生管及びそれを用いたx線撮影システム

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002203494A (ja) * 2000-10-25 2002-07-19 Matsushita Electric Ind Co Ltd 電子銃および陰極線管および陰極線管の製造方法
DE60311440T2 (de) * 2003-06-30 2007-08-23 Nucletron B.V. Miniaturröntgenquelle
JP4878311B2 (ja) * 2006-03-03 2012-02-15 キヤノン株式会社 マルチx線発生装置
JP5294653B2 (ja) * 2008-02-28 2013-09-18 キヤノン株式会社 マルチx線発生装置及びx線撮影装置
JP2009283169A (ja) * 2008-05-20 2009-12-03 Hokkaido Univ 小型x線発生装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2012038475A (ja) 2012-02-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5645449B2 (ja) X線源及びx線撮影装置
US9508524B2 (en) Radiation generating apparatus and radiation imaging apparatus
EP2740332B1 (en) Radiation generating apparatus and radiation imaging apparatus
JP5796990B2 (ja) X線発生装置及びそれを用いたx線撮影装置
US7388944B2 (en) Device for generation of x-ray radiation with a cold electron source
US9570264B2 (en) X-ray generator and X-ray imaging apparatus
JP4878311B2 (ja) マルチx線発生装置
JP5825892B2 (ja) 放射線発生装置及びそれを用いた放射線撮影装置
JP5580288B2 (ja) パッシブイオン集電極を持つx線管
US9530528B2 (en) X-ray tube aperture having expansion joints
JP2007265981A5 (ja)
US7778391B2 (en) Field emission cathode and x-ray tube embodying same
US7715529B1 (en) X-ray tube
US20080267354A1 (en) High-Dose X-Ray Tube
US20140362972A1 (en) X-ray generator and x-ray imaging apparatus
US20140177796A1 (en) X-ray tube
JP5661368B2 (ja) X線発生装置
US20160290936A1 (en) Transparent type flat panel x-ray generation apparatus and x-ray imaging system
JP2005243331A (ja) X線管
JP5436131B2 (ja) X線管およびx線発生装置
JP2017054768A (ja) X線管
JP5312555B2 (ja) マルチx線発生装置
JP2011504647A (ja) 管端部に近接した焦点位置を有するx線管

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130731

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140109

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140121

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140318

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20141104

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20141203

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5661368

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees