JP5660965B2 - パチンコシステム - Google Patents

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Description

この発明は、遊技中に停電した場合であっても、大当たりかハズレかなどのCPUの判定結果が記憶保持されるように構成されたパチンコ機が複数台備えられたパチンコシステムに関する。
図31は、従来のパチンコ機の正面説明図であり、図32は、図31に示すパチンコ機の裏面説明図である。
図31に示すように、従来のパチンコ機600は、発射ハンドル601と、遊技盤602と、始動口603と、演出表示器604と、上皿605と、変動入賞装置606とを備える。また、図32に示すように、従来のパチンコ機600の背面には、演出表示器604などを制御する制御基板610と、賞球払出装置などを制御する制御基板611と、大当たり判定や入賞の検出などを行う制御基板612と、RAMクリアスイッチ613とが備えられている。
遊技者が発射ハンドル601を操作して発射された遊技球が始動口603に入賞すると、始動口603に入賞した遊技球を検出するスイッチがオンし、制御基板612に搭載されたマイクロコンピュータが、大当りかハズレかの判定(以下、大当り判定という)を行う。そして、演出表示器604が、複数の図柄の変動表示(スクロール表示ともいう)を開始する。たとえば、連続した異なる数字(たとえば、0〜9)を表現した図柄の配列(以下、図柄列という)を画面上の横方向3箇所の表示領域において、数字の昇順に画面の上から下へ移動するように表示する。また、機種によっては、画面の右から左へ移動するように図柄列を表示する。
そして、演出表示器604が図柄列の変動表示を開始してから所定時間経過すると、各表示領域において図柄列の変動表示が停止し、前述したマイクロコンピュータによる判定結果に対応する図柄が各表示領域に確定表示される。たとえば、大当たり判定の結果が大当りであった場合は、「777」などの同一数字から成る大当り図柄が確定表示され、抽選結果がハズレであった場合は、「767」などのハズレ図柄が確定表示される。なお、確定表示とは、大当り判定の結果を示す図柄が確定した表示状態のことであり、図柄列が再変動することのない表示状態のことである。以下、図柄列の変動表示が開始されてから、大当たり図柄またはハズレ図柄が確定表示されるまでを1回の変動表示と数える。
演出表示器604が大当り図柄を確定表示すると大当りが発生し、変動入賞装置606が開閉部材607を開作動させ、大入賞口608を開口させる。大入賞口608は、普通の入賞口よりも開口面積が大きく、入賞領域が大きいため、入賞が容易になる。そして、大入賞口608に規定数(たとえば、10個)の遊技球が入賞したという条件、あるいは、大入賞口608の開口時間が規定時間(たとえば、30秒)に達したという条件が満足されると、開閉部材607が閉成し、大入賞口608が閉口する。
そして、大入賞口608の開口から閉口までを1ラウンドとし、複数のラウンド(たとえば、最大14ラウンド)が実行され、その間に遊技者は多量の賞球を獲得することができる。以下、第1ラウンドの開始から最終ラウンドの終了までの遊技を大当り遊技という。また、特定の大当り図柄にて大当りが発生した場合は、当該大当りに基づく大当り遊技が終了した以降の遊技状態が、大当りの発生確率の高い遊技状態に変化する。このように大当りの発生確率が低確率から高確率に変化することを確変と呼ぶ。
前述したマイクロコンピュータは、大当たり判定において大当たりと判定したときに、大当たり図柄の種類を抽選により決定し、その決定した大当たり図柄の種類が特定の図柄であるか否かを判定し、特定の図柄であった場合に確変大当りと判定する。将来、確変が発生することになる大当りのことを確変大当りといい、確変大当り以外の大当りのことを通常大当りという。また、確変大当りか否かの判定を確変大当り判定という。さらに、確変に変化した遊技状態を確変遊技状態といい、確変遊技状態以外の遊技状態を通常遊技状態という。機種により、確変遊技状態が、次の大当りが発生するまで継続するものもあり、図柄列の変動表示回数が規定回数に達するまで継続するものもある。
ところで、従来のパチンコ機600は、遊技中に停電などが発生し、パチンコ機600の電源が遮断されると、遊技者が不利益を被るおそれがあるため、電源遮断時に遊技者が獲得していた利益に関係するデータが、パチンコ機600に備えられたRAMにバックアップされるように構成されている。たとえば、大当たり判定における通常大当たりの判定結果を示すデータ、確変大当りを示すデータおよび入賞数を示すデータなどがRAMにバックアップされる。そして、たとえば、確変遊技状態のときに停電した場合であっても、電源が復旧すれば、停電時の確変遊技状態の続きが再現されるようになっている。
しかし、パチンコホールの営業が終了したときに電源を遮断すると、停電時と同様にデータのバックアップ機能が働くため、バックアップされたデータがRAMに残った状態で翌日の営業を迎えることになる。このため、たとえば、確変大当りを示すデータがRAMに残っている台を選択すると、最初から確変遊技状態になるため、そのような遊技者に有利なデータが残っていない台を選択した遊技者との間に不公平が生じる。
そこで、従来は、パチンコホールの開店時に、パチンコ機600を左端を軸にして回動させ、パチンコ機600の背面に配置されたRAMクリアスイッチ613(図32)を操作し、RAMにバックアップされている確変大当り判定の結果を消去することにより、遊技者間に不公平が生じないようにしている。
特開2003−265721号公報(第31〜32段落、図4,図6,図8)
しかし、従来のパチンコ機600では、パチンコ機を一台ずつ回動させてRAMクリアスイッチ613を操作しなければならないため、大変な手間が掛かるし、開店前の準備時間が長くなるという問題がある。つまり、従来のパチンコ機では、RAMにバックアップされている確変大当り判定の結果を消去するための作業効率が悪いという問題がある。
そこでこの発明は、上述の問題を解決するためになされたものであり、RAMなどの記憶手段に記憶されている確変大当り判定の結果を消去するための作業効率を良くすることができるパチンコシステムを実現することを目的とする。
(請求項1に係る発明)
上記の目的を達成するため、この出願の請求項1に係る発明では、遊技球の流下領域が形成された遊技盤(5)と、前記流下領域へ遊技球を発射する発射装置(4,4a〜4g)と、前記遊技盤に設けられた始動口(21,22)および入賞口(17〜20)と、前記遊技盤に設けられており、遊技球が入賞する領域が前記入賞口よりも大きい大入賞口(24a,25a)を有する変動入賞装置(24,25)と、前記発射装置により発射された遊技球が前記始動口、入賞口および大入賞口のいずれかに入賞したときに所定数の遊技球を賞球として払出す賞球払出装置(60,38)と、前記発射装置により発射された遊技球が前記始動口に入賞したときに大当りかハズレかの判定を行うCPU(52)と、前記発射装置により発射された遊技球が前記始動口を通過したときに、複数の画像を配列して成る画像列の変動表示を複数の表示領域においてそれぞれ開始し、その開始から所定時間経過後に前記CPUの判定結果に対応する画像を各表示領域において確定表示する画像表示装置(30)と、を備えており、前記変動入賞装置は、前記CPUの判定結果が大当りであり、その大当りに対応する画像を前記画像表示装置が確定表示した場合に前記大入賞口を所定回数開閉するように構成されており、前記CPUは、判定結果が大当りであった場合に、その大当りに基いて前記大入賞口が所定回数開閉した後の遊技状態が、前記大当りかハズレかの判定において大当りと判定する確率の高い遊技状態に変化するか否かの判定(以下、この判定を確変大当り判定という)を行うように構成されたパチンコ機(1)が複数台備えられており、前記複数台のパチンコ機と通信を行うホールコンピュータ(800)が備えられたパチンコシステム(200)において、
前記複数台のパチンコ機には、パチンコ機に供給されている電源が遮断された場合であっても当該パチンコ機に設けられた前記CPUによる確変大当り判定の結果を記憶保持する記憶手段(54,C2,D2)と、当該パチンコ機の電源が立ち上がったときに前記記憶手段に記憶されている前記確変大当り判定の結果を前記ホールコンピュータへ送信する判定結果送信手段(S1,S2)と、前記ホールコンピュータから送信される消去指令を受信したときに前記記憶手段に消去信号を出力することにより、前記記憶手段に記憶されている前記確変大当り判定の結果を消去する消去手段(76d、S3〜S6)と、がそれぞれ備えられており、
前記ホールコンピュータには、現在時刻が当該パチンコシステムが設置されたパチンコホールの閉店時刻よりも遅く、かつ、開店時刻よりも早い時刻であるか否かを判定する現在時刻判定手段(S11)と、前記複数台のパチンコ機に備えられた各送信手段によって送信される前記確変大当り判定の結果を受信する受信手段(S10)と、前記受信手段により受信された確変大当り判定の結果が肯定判定の結果を示すものであるか否かを判定する受信結果判定手段(S12)と、前記現在時刻判定手段および受信結果判定手段が共に肯定判定した場合に、前記受信結果判定手段が肯定判定をする原因となった確変大当り判定の結果を送信してきたパチンコ機へ前記消去指令を送信する消去指令送信手段(S13)と、が備えられたという技術的手段を用いる。
(請求項2に係る発明)
請求項2に係る発明では、遊技球の流下領域が形成された遊技盤(5)と、前記流下領域へ遊技球を発射する発射装置(4,4a〜4g)と、前記遊技盤に設けられた始動口(21,22)および入賞口(17〜20)と、前記遊技盤に設けられており、遊技球が入賞する領域が前記入賞口よりも大きい大入賞口(24a,25a)を有する変動入賞装置(24,25)と、前記発射装置により発射された遊技球が前記始動口、入賞口および大入賞口のいずれかに入賞したときに所定数の遊技球を賞球として払出す賞球払出装置(60,38)と、前記発射装置により発射された遊技球が前記始動口に入賞したときに大当りかハズレかの判定を行うCPU(52)と、前記発射装置により発射された遊技球が前記始動口を通過したときに、複数の画像を配列して成る画像列の変動表示を複数の表示領域においてそれぞれ開始し、その開始から所定時間経過後に前記CPUの判定結果に対応する画像を各表示領域において確定表示する画像表示装置(30)と、を備えており、前記変動入賞装置は、前記CPUの判定結果が大当りであり、その大当りに対応する画像を前記画像表示装置が確定表示した場合に前記大入賞口を所定回数開閉するように構成されており、前記CPUは、判定結果が大当りであった場合に、その大当りに基いて前記大入賞口が所定回数開閉した後の遊技状態が、前記大当りかハズレかの判定において大当りと判定する確率の高い遊技状態に変化するか否かの判定(以下、この判定を確変大当り判定という)を行うように構成されたパチンコ機(1)が複数台備えられており、前記複数台のパチンコ機と通信を行うホールコンピュータ(800)が備えられたパチンコシステム(200)において、
前記複数台のパチンコ機には、パチンコ機に供給されている電源が遮断された場合であっても当該パチンコ機に設けられた前記CPUによる確変大当り判定の結果を記憶保持するとともに、前記ホールコンピュータから送信される消去信号によって前記確変大当りの判定結果が消去される記憶手段(54,C2,D2)と、当該パチンコ機の電源が立ち上がったときに前記記憶手段に記憶されている前記確変大当り判定の結果を前記ホールコンピュータへ送信する判定結果送信手段(S1,S2)と、がそれぞれ備えられており、
前記ホールコンピュータには、現在時刻が当該パチンコシステムが設置されたパチンコホールの閉店時刻よりも遅く、かつ、開店時刻よりも早い時刻であるか否かを判定する現在時刻判定手段(S11)と、前記複数台のパチンコ機に備えられた各送信手段によって送信される前記確変大当り判定の結果を受信する受信手段(S10)と、前記受信手段により受信された確変大当り判定の結果が肯定判定の結果を示すものであるか否かを判定する受信結果判定手段(S12)と、前記現在時刻判定手段および受信結果判定手段が共に肯定判定した場合に、前記受信結果判定手段が肯定判定をする原因となった確変大当り判定の結果を送信してきたパチンコ機へ前記消去信号を送信し、そのパチンコ機に備えられた記憶手段に記憶されている確変大当りの判定結果を消去する遠隔消去手段(801)と、が備えられたという技術的手段を用いる。
(請求項3に係る発明)
請求項3に係る発明では、請求項1または請求項2に記載のパチンコシステムにおいて、前記記憶手段(54)に前記確変大当り判定の結果として肯定判定の結果が記憶されていることを報知するとともに、前記肯定判定の結果が消去されたことを報知する報知装置(76j)が各パチンコ機(1)の前面にそれぞれ備えられているという技術的手段を用いる。
なお、上記各括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
(請求項1に係る発明)
請求項1に記載のパチンコシステムでは、パチンコ機の電源が立ち上がったときに、記憶手段に記憶されている確変大当り判定の結果がホールコンピュータへ送信され、ホールコンピュータは、パチンコ機から送信された確変大当り判定の結果が肯定判定の結果を示すものである場合に、その肯定判定をする原因となった確変大当り判定の結果を送信してきたパチンコ機へ消去指令を送信し、その消去指令を受信したパチンコ機は、記憶手段に記憶されている確変大当り判定の結果を消去する。
したがって、請求項1に係る発明を実施すれば、パチンコ機の電源を立ち上げたときに記憶手段に記憶されている確変大当り判定の結果を自動的に消去することができるため、確変大当り判定の結果を消去するための作業効率を良くすることができる。
しかも、確変大当り判定の結果として肯定判定の結果が記憶されているパチンコ機のみ確変大当り判定の結果を消去することができるため、パチンコシステムにおける処理負担および消費電力を軽減することもできる。
また、現在時刻が当該パチンコシステムが設置されたパチンコホールの閉店時刻よりも遅く、かつ、開店時刻よりも早い時刻である場合に限って、記憶手段に記憶されている確変大当り判定の結果を消去するため、営業中に停電し、電源が復旧したときに記憶手段に記憶されている確変大当り判定の結果を誤って消去するおそれがない。
(請求項2に係る発明)
請求項2に記載のパチンコシステムでは、パチンコ機の電源が立ち上がったときに、記憶手段に記憶されている確変大当り判定の結果がホールコンピュータへ送信され、ホールコンピュータは、パチンコ機から送信された確変大当り判定の結果が肯定判定の結果を示すものである場合に、その肯定判定をする原因となった確変大当り判定の結果を送信してきたパチンコ機へ消去信号を送信し、そのパチンコ機に備えられた記憶手段に記憶されている確変大当り判定の結果を消去する。
したがって、請求項2に係る発明を実施すれば、パチンコ機の電源を立ち上げたときに記憶手段に記憶されている確変大当り判定の結果を自動的に消去することができるため、確変大当り判定の結果を消去するための作業効率を良くすることができる。
しかも、確変大当り判定の結果として肯定判定の結果が記憶されているパチンコ機のみ確変大当り判定の結果を消去することができるため、パチンコシステムにおける処理負担および消費電力を軽減することもできる。
また、記憶手段に記憶されている確変大当り判定の結果を消去する消去手段を各パチンコ機に設ける必要がないため、パチンコシステムの製造コストを低減することができる。
さらに、現在時刻が当該パチンコシステムが設置されたパチンコホールの閉店時刻よりも遅く、かつ、開店時刻よりも早い時刻である場合に限って、記憶手段に記憶されている確変大当り判定の結果を消去するため、営業中に停電し、電源が復旧したときに記憶手段に記憶されている確変大当り判定の結果を誤って消去するおそれがない。
(請求項3に係る発明)
請求項3に係る発明を実施すれば、記憶手段に確変大当り判定の結果として肯定判定の結果が記憶されていることを報知するとともに、肯定判定の結果が消去されたことを報知することができる。
したがって、確変大当り判定の結果として肯定判定の結果が記憶手段に記憶されているパチンコ機を容易に探し出すことができるとともに、肯定判定の結果が消去されたか否かを容易に認識することもできる。
第1実施形態に係るパチンコシステム200の構成を示す説明図である。 図1に示すパチンコシステム200を構成するパチンコ機1を斜め前方から見た斜視図である。 図2に示すパチンコ機1の平面図である。 図2に示すパチンコ機1を斜め後方から見た斜視図である。 図2に示すパチンコ機1に設けられた遊技盤5の正面図である。 図5に示す遊技盤5を斜め前方から見た斜視図である。 図5に示す遊技盤5に設けられた可動役物40が下降した状態を示す正面図である。 (a)は図5に示す遊技盤5に設けられた第1変動入賞装置24および第2変動入賞装置25を拡大して示す正面図であり、(b)は図5に示す遊技盤に設けられた特別図柄表示装置31などを拡大して示す正面図である。 パチンコ機1の主な電気的構成をブロックで示す説明図である。 パチンコ機1の主な電気的構成をブロックで示す説明図である。 図9に示す電源基板76などの回路図である。 電源の立上がりおよび立下がりと、各基板のシステムリセットおよびNMI処理のタイミングとの関係を示すタイミングチャートである。 図10に示す画像音声制御用ROM73の主な記憶内容を示す説明図である。 変動パターンテーブルの構成を示す説明図である。 (a)は特別図柄保留テーブルの記憶内容を示す説明図であり、(b)は特別図柄保留テーブルに記憶されているデータの記憶順位が繰り上がった状態を示す説明図である。 (a)は演出表示器30において演出図柄が変動表示されている状態を示す説明図であり、(b)は演出図柄がリーチになった状態を示す説明図であり、(c)は大当たり図柄が確定表示された状態を示す説明図である。 図9に示す主制御用CPU52が実行する主な処理の流れを示すメインフローチャートである。 主制御用CPU52が図17のS501において実行する確変大当り判定結果送信処理の流れを示すフローチャートである。 ホールコンピュータ800が実行する消去指令処理の流れを示すフローチャートである。 クリア信号出力回路76dが実行する消去信号出力処理の流れを示すフローチャートである。 主制御用CPU52が図17のS502において実行するRAMクリア処理の流れを示すフローチャートである。 主制御用CPU52が図17のS504において実行する始動口処理の流れを示すフローチャートである。 図22に示す処理の続きを示すフローチャートである。 主制御用CPU52が図17のS506において実行する変動開始処理の流れを示すフローチャートである。 図10に示す画像音声制御用CPU72が実行する主な処理の流れを示すメインフローチャートである。 画像音声制御用CPU72が図25のS601において実行するデータ受信処理の流れを示すフローチャートである。 画像音声制御用CPU72が図25のS602において実行する変動パターン抽選処理の流れを示すフローチャートである。 画像音声制御用CPU72が図25のS605において実行する演出処理の流れを示すフローチャートである。 NMI割込み処理を示すフローチャートである。 第2実施形態に係るパチンコシステム200の構成を示す説明図である。 従来のパチンコ機600の正面図である。 図31に示すパチンコ機600の背面図である。
〈第1実施形態〉
この発明の第1実施形態に係るパチンコシステムについて説明する。
[主要構成]
この実施形態に係るパチンコシステムの主要構成について図を参照して説明する。図1は、この実施形態に係るパチンコシステムの構成を示す説明図である。
パチンコホールには、島設備300が設置されている。島設備300には、パチンコ機1を設置するための複数の設置部材301が備えられている。各設置部材301には、パチンコシステム200を構成するパチンコ機1がそれぞれ取付けられている。各パチンコ機1の前面には、個別報知LED76jがそれぞれ設けられている。個別報知LED76jは、点灯または点滅することにより、確変大当り判定として肯定判定の結果がパチンコ機1の主制御用RAM(図9において符号54で示す)に記憶保持されていることを報知する。また、個別報知LED76jは、消灯することにより、確変大当り判定の結果として記憶されている肯定判定の結果が消去されたことを報知する。
また、各パチンコ機1の背面には、外部端子板503がそれぞれ設けられている。外部端子板503は、主制御用RAM54へ消去信号を出力するクリア信号出力回路(図11において符号76dで示す)と電気的に接続されている。また、外部端子板503は、主制御用MPU(図9において符号51で示す)と電気的に接続されている。
各パチンコ機1に対応する各設置部材301には、外部端子板503と対応する接続端子302がそれぞれ設けられている。外部端子板503と、外部端子板503と対応する接続端子302とは、接続ケーブル(図示省略)を介して電気的に接続されている。接続端子302は、パチンコ機1を設置部材301に設置したときに、パチンコ機1の背面に設けられた外部端子板503と容易に接続することができる位置に設けられている。
各接続端子302は、通信ケーブルL1,L2を介してホールコンピュータ800と電気的に接続されている。ホールコンピュータ800は、通信ケーブルL1,L2を介して各パチンコ機と通信を行う。ホールコンピュータ800は、パチンコシステム200が設置されたパチンコホールの管理室などに配置されている。
主制御用MPU51は、パチンコ機1の電源が立ち上がったときに、主制御用RAM54に記憶されている確変大当り判定の結果を外部端子板503からホールコンピュータ800へ送信する。ホールコンピュータ800は、各パチンコ機1から送信された確変大当り判定の結果を受信し、現在時刻tがパチンコシステム200が設置されたパチンコホールの閉店時刻t1よりも遅く、かつ、開店時刻t2よりも早い時刻であるか否か、つまり、t=t1〜t2であるか否かを判定する。
そして、ホールコンピュータ800は、現在時刻がtがt1〜t2であると判定した場合に、先に受信した確変大当り判定の結果が肯定判定の結果であるか否かを判定し、肯定判定の結果であると判定した場合に、その肯定判定の結果を送信してきたパチンコ機1へ消去指令を送信する。そして、その消去指令を受信したパチンコ機1に備えられたクリア信号出力回路76dは、主制御用RAM54へ消去信号を出力し、主制御用RAM54に記憶されている確変大当り判定の結果を消去する。
つまり、パチンコホールが開店する前に各パチンコ機1の電源を立ち上げれば、確変大当り判定の結果として肯定判定の結果が主制御用RAM54に記憶されているパチンコ機1のみを対象としてホールコンピュータ800から消去指令が送信され、主制御用RAM54に記憶されている確変大当り判定の結果を消去することができる。
したがって、従来のようにパチンコ機毎にRAMクリアスイッチを操作する必要が無く、各パチンコ機1の電源を立上げるだけで、確変大当り判定の結果として残っている肯定判定の結果を自動的に消去することができるため、確変大当り判定の結果を消去する作業効率を良くすることができる。
[パチンコ機の構成]
次に、パチンコ機1の構成について図を参照して説明する。
図2は図1に示すパチンコシステム200を構成するパチンコ機1を斜め前方から見た斜視図である。
パチンコ機1の左側にはプリペイド記録媒体読取装置100が設けられている。パチンコ機1には、外殻を構成する外枠セット8が設けられており、この外枠セット8の前面には前枠セット2が設けられている。その前枠セット2には前述した個別報知LED76jが設けられている。また、前枠セット2には天板1aが備えられており、その天板1aの左端前方には回動軸部材1bが設けられている。前枠セット2には透明なガラス枠セット3が、回動軸部材1bを回動軸にして開閉可能に取付けられている。
ガラス枠セット3の内側には、遊技盤(図5において符号5で示す)が設けられており、前枠セット2の前面右下方には、遊技盤5へ遊技球を発射する発射装置を操作する発射ハンドル4aが取付けられている。発射ハンドル4aには、遊技球の発射強度を調節するための発射レバー4bが発射ハンドル4aに対して回動自在に装着されている。
遊技盤5の下方には、パチンコ機1の内部から払出された賞球や貸球を貯留する上受け皿6が設けられている。上受け皿6には、貸球の払出しを行わせるために操作する貸出ボタン6cと、プリペイド記録媒体読取装置100のカード挿入口108から挿入され、装置内部に装填されているプリペイド記録媒体をカード挿入口108から返却させるために操作する返却ボタン6dと、プリペイド記録媒体に記録されている残り度数(残高)を表示する度数表示部6eとが設けられている。
度数表示部6eは、残り度数を8セグLEDや液晶を使って数字で表示する。たとえば、度数表示部6eは、残り度数を3桁の数字で表示するように構成されており、たとえば、度数の最小表示単位が100円である場合に500円分が残っているときには、005と表示する。
上受け皿6の下方には、上受け皿6の貯留可能数を超えて内部から流下した遊技球を貯留する下受け皿7が設けられている。下受け皿7には、下受け皿7に貯留されている遊技球を下受け皿7の下方に配置された賞球箱へ排出するために操作する球抜きレバー7aが設けられている。上受け皿6には、上受け皿6に貯留されている遊技球を下受け皿7へ排出させるために操作する球抜きレバー6aが設けられている。
前枠セット2には、払出すべき遊技球が無いことを報知する球切れLED13と、遊技球の払出しの異常を報知する払出異常LED14とが設けられている。また、前枠セット2には、効果音を発生する右スピーカ10と、左スピーカ11と、下スピーカ12とが設けられている。また、上受け皿6には、遊技者が演出内容を選択するために操作する演出ボタン9が設けられている。
プリペイド記録媒体読取装置100には、プリペイドカードの利用が可能であることを示す利用ランプ101と、貸出金額の単位(たとえば、100円、200円、300円、500円)の選択を行うための金額設定ボタン102と、金額設定ボタン102により選択した貸出金額を表示する貸出金額表示部103と、100円未満の残高およびメンテナンス情報を度数表示部6eに表示させる場合に押す端数表示ボタン104と、プリペイド記録媒体読取装置100が接続されるパチンコ機1の方向を示す連結台方向表示ランプ105とが設けられている。
また、プリペイド記録媒体読取装置100には、プリペイドカードがパチンコ機1に対応していることを示す表示ランプ106と、プリペイドカードを挿入するカード挿入口108と、カード挿入口108にプリペイドカードが挿入されていることを示すカード挿入中ランプ107とが設けられている。プリペイド記録媒体読取装置100の内部には、カード挿入口108から挿入されたプリペイドカードを装填する装填装置(図示省略)が設けられている。
カード挿入口108から挿入されたプリペイドカードは、その端部がカード挿入口108から突出しない状態で上記の装填装置に装填されるため、装填装置が故障すると、プリペイドカードを返却することができなくなる。そこで、装填装置は、カード挿入口108を含む前面パネルの一部と共に前面に引き出し可能に構成されている。装填装置は、普段はロック機構によって引き出し不能になっているが、プリペイド記録媒体読取装置100に設けられた鍵穴109から鍵を差し込んでロック状態を解除することができるように構成されている。
[背面の構造]
次に、パチンコ機1の背面の構造について図を参照して説明する。
図3は図2に示すパチンコ機1の平面図である。図4は図2に示すパチンコ機1を斜め後方から見た斜視図である。
図3に示すように、パチンコ機1の背面上方には、遊技球を貯留するための球タンク80が設けられている。パチンコ機1が設置されている島の上方には各パチンコ機に遊技球を供給する遊技球供給流路が配置されており、その遊技球供給経路から遊技球が球タンク80に供給される。
図4に示すように、パチンコ機1の背面には、外部端子板503が設けられている。外部端子板503は、パチンコ機1を設置部材301に設置したときに、設置部材301に設けられた接続端子302と容易に接続することができる位置に設けられている。パチンコ機1の背面に設けられたカバー90の内部には、主制御基板(図9において符号50で示す)などが設けられている。
カバー90の下方には、発射制御基板(図9において符号4で示す)が収容された発射制御基板ケース4hと、払出制御基板(図9において符号60で示す)が収容された払出制御基板ケース65とが設けられている。主制御基板ケース57の右方には、賞球を払出す賞球払出装置38が設けられている。また、パチンコ機1の背面には、パチンコ機1にAC24Vを供給するための電源プラグ82が接続されている。
[遊技盤の主要構成]
次に、パチンコ機1に備えられた遊技盤の主要構成について図を参照して説明する。
図5は図2に示すパチンコ機1に設けられた遊技盤5の正面図である。図6は図5に示す遊技盤5を斜め前方から見た斜視図である。図7は図5に示す遊技盤5に設けられた可動役物40が下降した状態を示す正面図である。図8(a)は図5に示す遊技盤5に設けられた第1変動入賞装置24および第2変動入賞装置25を拡大して示す正面図であり、(b)は図5に示す遊技盤に設けられた特別図柄表示装置31などを拡大して示す正面図である。
遊技盤5の盤面には、遊技球が流下する遊技領域が形成されており、遊技球の流下経路は、遊技盤5の盤面に打ち込まれた多数の遊技釘28によって規制されている。遊技盤5の盤面の周囲には、発射ソレノイド(図9において符号4fで示す)などの発射装置によって発射された遊技球を遊技領域に案内するためのレールセット15が設けられている。
遊技盤5の中央には、センター飾り16が設けられている。このセンター飾り16は、図6に示すように盤面から前方へ突出する立体形状に形成されており、遊技領域の中央領域を占有している。センター飾り16には、演出図柄を変動表示したり、各種の演出画像を表示する演出表示器30が設けられている。この実施形態では、演出表示器30は、液晶表示器により構成されている。なお、LEDをドットマトリクス状に配置したドット表示器、7セグメントLED、有機EL表示器などを演出表示器30として用いることもできる。
センター飾り16の左端には、遊技球がセンター飾り16の内部に流入可能な流入口16bが開口形成されている。センター飾り16の下部には、流入口16bからセンター飾り16の内部に流入した遊技球が遊技領域に流出する流出口16cが開口形成されている。盤面の左側には、レールセット15の内周に沿って左サイド飾り36が設けられている。左サイド飾り36とセンター飾り16との間には、遊技球が流下する左寄り遊技領域が形成されている。その左寄り遊技領域には、遊技球の流下経路を変化させる風車35が回転自在に設けられている。
左サイド飾り36には、左袖上入賞口17と、左袖入賞口18と、左下入賞口19とが設けられている。センター飾り16の左外面には、遊技球がセンター飾り16の内部に流入可能な流入口16bが開口形成されている。図7に示すように、センター飾り16の内部には、流入口16bから流入した遊技球を案内するための案内通路16eが設けられている。センター飾り16の左内面には、案内通路16eによって案内された遊技球を流出させるための流出口16cが開口形成されている。
センター飾り16の下部には、流出口16cから流出した遊技球が転動するためのステージ16dが設けられている。流出口16cから流出した遊技球は、ステージ16dの上を流下経路R2にて流下し、流下経路R3〜R5のいずれかに沿って流下する。ステージ16dの直下であって、流下経路R3に沿った箇所には、第1始動口21が設けられている。ステージ16dの上方には、流出口16cから流出した遊技球以外の遊技球がステージ16dに落下しないようにするための防護部材16fが設けられている。センター飾り16の上面には、案内部16aが形成されており、案内部16aに乗った遊技球は、流下経路R1に沿って、センター飾り16の右方に形成された右寄り遊技領域へ案内される。
盤面の右側には、右サイド飾り37が設けられており、その右サイド飾り37には、ゲート23および右肩入賞口20が設けられている。右寄り遊技領域のセンター飾り16には、普通電動役物27が設けられている。普通電動役物27は、翼形状の開閉翼片27cを備えている。開閉翼片27cは、その基部が回動可能に軸支されており、その基部の回動によって先端を外方(図中では右方)へ開いたり内方(図中では左方)へ閉じたりする。
開閉翼片27cが外方へ開くと、その開いた開閉翼片27cとセンター飾り16との間に第2始動口22が形成される。図5は、開閉翼片27cが外方へ開き、第2始動口22が形成された状態を示す。遊技盤5の下方には、どこにも入賞などしなかった遊技球を回収するためのアウト口26が開口形成されている。
演出表示器30の上方であってセンター飾り16の中央には、LEDによって装飾された可動役物40が設けられている。図7に示すように、可動役物40の両端は、支持部材40a,40aによって支持されている。図7に示すように、可動役物40は、所定の演出タイミングになると演出表示器30の前面に自然落下し、図5に示すように、モータ(図10において右リフトモータ40dおよび左リフトモータ40fで示す)などの昇降装置によって上昇して落下前の原点に復帰する。
また、可動役物40は、モータ(図10において家紋モータ40bで示す)およびカム機構(図示せず)などの駆動装置によって振動する。図7に示すように、可動役物40の背面には、LEDによって装飾された可動役物43が設けられている。可動役物43は、モータ(図10において万華鏡モータ43aで示す)などの駆動装置によって回転し、可動役物40が落下すると、その背後から出現する。また、センター飾り16の両側には、可動役物41,42が設けられている。可動役物41,42は、それぞれモータ(図10において左竜モータ41aおよび右竜モータ42aで示す)などの駆動装置によって作動する。
また、図6に示すように、センター飾り16の下部であって、演出表示器30の前面下部には、箱状の収納部材46が設けられている。この収納部材46の内部には、図7に示す可動役物44,45が収納されている。可動役物44,45は、それぞれモータ(図10において扉左モータ44aおよび扉右モータ45aで示す)などの駆動装置によって左右方向へ移動する。可動役物44,45は、合体したときに一つの意匠を構成する。
収納部材46の正面および背面は、透光性材料によって形成されており、遊技者が可動役物44,45の状態を視認できるようになっている。また、相互に離反した可動役物44,45間に形成された空間の奥には、LEDにより装飾された装飾部材(図示省略)が設けられており、可動役物44,45が相互に離反したときに装飾部材の各LEDが点灯または点滅するようになっている。
この実施形態では、可動役物40は、家紋を模した形状に形成されており、可動役物40を装飾しているLEDが点灯することによって家紋が浮き出るように構成されている。また、可動役物43は万華鏡を模した形状に形成されており、可動役物43を装飾しているLEDが点灯または点滅することにより、あたかも万華鏡を覗いているように見える演出を行う。また、可動役物41,42は、それぞれ竜の頭を模した形状に形成されており、前述した駆動装置によって竜が口を開閉する。
図7は、可動役物41,42が作動し、一対の竜がそれぞれ口を開けた状態を示す。また、可動役物41,42の内部には、それぞれLED41c,42cが設けられており、そのLEDが点灯することにより、あたかも竜が火を吹くように見える演出を行う。また、可動役物44,45は、それぞれ扉形状に形成されており、各前面には竜の一部がそれぞれ描かれている。そして、可動役物44,45が合体すると、竜が完成するようになっている。
上述した各可動役物40〜45は、遊技中の所定のタイミングで動作して演出効果を高める。また、各可動役物40〜45は、動作することにより、大当りの発生の予告、大当りの発生の示唆、演出表示器30が大当り発生の確率が高い演出画像を表示することの予告など、各種の予告を行う。
図5において第1始動口21と右肩入賞口20との間(図中において符号Bで示す破線で囲まれた領域)には、図8(a)に示すように、第1変動入賞装置24および第2変動入賞装置25が上下に重ねて設けられている。第1変動入賞装置24は、横長板状の第1開閉部材24dを備えており、この第1開閉部材24dは、ソレノイド(図9において第1大入賞口ソレノイド24bで示す)などの駆動装置によって開閉する。第1開閉部材24dが開放すると、第1大入賞口24aが開口する。
第2変動入賞装置25は、横長板状の第2開閉部材25dを備えており、この第2開閉部材25dは、ソレノイド(図9において第2大入賞口ソレノイド25bで示す)などの駆動装置によって開閉する。第2開閉部材25dが開放すると、第2大入賞口25aが開口する。図8(a)は、第1大入賞口24aおよび第2大入賞口25aがそれぞれ開口した状態を示す。第1大入賞口24aおよび第2大入賞口25aは、大当りが発生したときに開口する。この実施形態では、第1開閉部材24dおよび第2開閉部材25dは、それぞれ横長の板状に形成されており、両側の下端を軸にして前後に開閉するように構成されている。
図5において左サイド飾り36の左袖上入賞口17の左側(図中において符号Aで示す破線で囲まれた領域)には、図8(b)に示すように、特別図柄表示装置31と、普通図柄表示装置33と、特別図柄保留数表示装置32と、普通図柄保留数表示装置34とが設けられている。
この実施形態では、特別図柄表示装置31、普通図柄表示装置33、特別図柄保留数表示装置32および普通図柄保留数表示装置34は、それぞれLEDにより構成されているが、液晶表示装置などにより構成することもできる。
特別図柄表示装置31は複数(たとえば、図8(b)に示すように7個)のLEDにより構成されており、それらのLEDは、遊技球が第1始動口21または第2始動口22に入賞すると所定の点滅パターンで点滅する。それらのLEDが点灯したときの発光色および消灯したときのLEDの地の色が特別図柄を構成し、LEDが点滅している状態が、特別図柄が変動表示している状態である。
特別図柄表示装置31は、各LEDをランダムに点滅させ、その点滅が停止したときに点灯しているLEDおよび消灯しているLEDの組合せが特定の組合せであるときに大当りが発生し、その組合せの種類によって大当りの種類が異なる。大当りの種類は、大当り遊技において実行可能な最大ラウンド数、通常大当り、確変大当りおよび時短のうちの2つ以上を組み合わせて構成されている。
また、大当りの種類によって第1変動入賞装置24および第2変動入賞装置25のどちらかが動作して大当り遊技が行われる。
ここで、時短とは、特別図柄が変動表示を開始したタイミングから変動表示を終了したタイミングまでに要する時間が短縮され、かつ、普通図柄が変動表示を開始してから変動表示を終了するまでに要する時間が短縮された遊技状態をいう。
特別図柄表示装置31が特別図柄を変動表示しているときに遊技球が第1始動口21または第2始動口22に入賞したときは、その入賞に基づく特別図柄の変動表示は直ぐに実行されず、一旦保留される。その保留数は、特別図柄保留数表示装置32によって表示される。この実施形態では、特別図柄保留数表示装置32は4個のLEDによって構成されており、そのLEDの点灯数によって特別図柄保留数を表示する。つまり、この実施形態では、特別図柄保留数は最大4個である。
演出表示器30は、液晶表示器であり、特別図柄表示装置31の演出効果を高める目的で設けられている。つまり、特別図柄表示装置31は、複数のLEDによって構成されており、LEDの点滅のみでは演出効果が乏しいため、演出表示器30が演出図柄を変動表示したり、演出用の動画などの演出画像を表示したりすることによって演出効果を高めている。
なお、演出図柄とは、LEDによって表示される特別図柄に代わって表示する演出用の図柄のことであり、複数の識別情報を表現した図柄である。たとえば、0〜9の数字を表現した図柄であり、演出表示器30は、図柄列を数字の昇順に表示する。また、演出表示器30は、動画および静止画像により構成された演出画像を単独で、あるいは、演出図柄と共に表示する。
演出表示器30は、特別図柄表示装置31が特別図柄の変動表示を開始すると同時に演出画像および演出図柄の表示を開始する。また、演出表示器30は、特別図柄表示装置31が特別図柄の変動表示を終了すると同時に演出画像および演出図柄の表示を終了し、特別図柄表示装置31が確定表示した大当り図柄またはハズレ図柄に対応する演出図柄を確定表示する。
図16(a)は演出表示器30において演出図柄が変動表示されている状態を示す説明図であり、(b)は演出図柄がリーチになった状態を示す説明図であり、(c)は大当たり図柄が確定表示された状態を示す説明図である。
演出表示器30は、横方向に配列された3つの表示領域A,B,Cを有する。各表示領域は、それぞれ数字や英文字などの識別情報を表した演出図柄を変動表示する。この実施形態では、演出表示器30は、0〜9の数字を表した演出図柄を数字の昇順に画面の上から下へ移動するように変動表示する。
図16(a)に示す例は、各表示領域A〜Cにおいてそれぞれ変動表示されている演出図柄のある瞬間を表現したものであり、表示領域Aに演出図柄「7」が表示され、表示領域Bに演出図柄「8」が表示され、表示領域Cに演出図柄「6」が表示されている。また、同図(b)に示す例は、表示領域A,Cに演出図柄「7」が確定表示され、表示領域Bのみにおいて演出図柄が変動表示されている状態のある瞬間を表現したものであり、いわゆるリーチの状態になっている。ここで、リーチとは、複数の表示領域のうち、1つの表示領域のみが演出図柄を変動表示しており、他の表示領域において大当り図柄を構成する演出図柄が確定表示されている状態のことである。
リーチになると、演出表示器30は、大当り図柄が確定表示されるか否か、遊技者をドキドキさせる演出を行う。たとえば、図16(b)に示す例において、表示領域Bにおける変動速度を遅くし、演出図柄6が画面の上端から出現したときに変動速度をより一段と遅くする。また、一旦、演出図柄7で停止するように見せかけて、再度、表示領域Bのみが変動表示を開始したりする。図16(c)に示す例では、表示領域A〜Cによって大当り図柄の一例である「777」が確定表示されている。
普通図柄表示装置33は、複数(たとえば、図8(b)に示すように2個)のLEDにより構成されており、各LEDが点灯したときの発光色および消灯したときのLEDの地の色が普通図柄を構成する。また、普通図柄表示装置33がLEDを点滅させている状態が、普通図柄が変動表示している状態であり、変動表示が終了したときに点灯および消灯しているLEDの組合せによって普通図柄の当りまたはハズレが報知される。当りの普通図柄が確定表示されると、普通電動役物27の開閉翼片27cの開放時間が長くなり、普通電動役物27への入賞確率が高くなる。つまり、単位時間当りに特別図柄が変動表示を開始する回数が多くなり、大当りが発生する確率が高くなる。
遊技球がゲート23を通過すると、普通図柄表示装置33が普通図柄の変動表示を開始する。そして、普通図柄表示装置33が普通図柄を変動表示しているときに遊技球がゲート23を通過したときは、その通過による普通図柄の変動表示が保留され、その保留数は普通図柄保留数表示装置34により表示される。この実施形態では、普通図柄保留数表示装置34は、4個のLEDによって構成されており、そのLEDの点灯数によって保留数を表示する。つまり、この実施形態では、普通図柄保留数は最大4個である。
[パチンコ機の主な電気的構成]
次に、パチンコ機1の主な電気的構成についてそれをブロックで示す図9および図10を参照して説明する。
図9に示すように、主制御基板50には、主制御用MPU51が搭載されている。主制御用MPU51はICチップであり、主制御基板50の基板面に取付けられた半導体ソケットに対して着脱可能に接続されている。主制御用MPU51は、主制御用CPU52と、主制御用ROM53と、主制御用RAM54とを備える。
主制御用CPU52は、大当り判定、主制御用MPU51の識別情報の送信、大当り図柄の抽選、確変大当り判定、ハズレ図柄の抽選、特別図柄変動時間(演出図柄変動時間)の抽選、入賞の検出、ゲート通過の検出、普通図柄の当り判定、賞球の払出命令、主制御用RAM54の記憶内容の消去、主制御用RAM54の記憶内容が消去されたことの検出など、遊技の進行に必要な処理を実行する。また、主制御用MPU51は、バックアップ電源端子VBB(図示省略)と、NMI(Non-Maskable Interrupt)端子とを備える。
主制御用ROM53には、主制御用CPU52が上記の各処理を実行するためのコンピュータプログラム、各制御基板へ送信する制御コマンド、大当り判定を行う際に参照する大当り値、大当たり図柄の抽選の際に参照するテーブル、ハズレ図柄の抽選の際に参照するテーブルなどが読出し可能に記憶されている。また、主制御用ROM53には、このパチンコ機1の主制御用MPU51を他のパチンコ機の主制御用MPUと識別するための識別情報が記憶されている。
主制御用RAM54は、主制御用CPU52が上記のコンピュータプログラムを実行するときに使用するワーク領域を有する。また、主制御用RAM54は、主制御用CPU52が上記のコンピュータプログラムを実行することにより発生する処理結果および判定結果などを読出しおよび書換え可能に記憶する。さらに、主制御用RAM54は、パチンコ機1に供給されている電源が遮断されたときにコンデンサ(図11において符号C2で示す)からバックアップ電源の供給を受け、確変大当り判定の結果などの記憶しているデータを記憶保持する。
また、主制御基板50には、個別報知LED76jと、第1始動口21に入賞した遊技球を検出する第1始動口スイッチ21aと、第2始動口22に入賞した遊技球を検出する第2始動口スイッチ27aと、外部接続端子503とが電気的に接続されている。主制御用CPU52は、大当たりの発生回数、入賞数および特別図柄の変動回数などのデータを外部端子板503を介してホールコンピュータ800へ送信する。また、主制御用CPU52は、パチンコホールの開店準備において電源が立ち上がったときに、主制御用RAM54に記憶保持されている確変大当り判定の結果をホールコンピュータ800へ送信する。ホールコンピュータ800は、パチンコホールの管理室などに配置されている。
また、主制御基板50には、図柄表示基板84が電気的に接続されている。図柄表示基板84には、特別図柄表示装置31と、特別図柄保留数表示装置32と、普通図柄表示装置33と、普通図柄保留数表示装置34とが搭載されている。また、主制御基板50には、払出制御基板60と、セキュリティ中継端子板89と、電源基板76とが電気的に接続されている。
セキュリティ中継端子板89には、不正行為において使用される誘導磁界を検出するための誘導磁界センサ500と、不正行為において使用される磁気を検出するための第1磁気センサ501と、第2磁気センサ502とが電気的に接続されている。
払出制御基板60には、下受け皿7が遊技球で満杯になった状態を検出するための下皿満杯スイッチ7bと、扉開放中継端子板86とが電気的に接続されている。扉開放中継端子板86には、ガラス枠セット3が開放された状態を検出するための扉開放スイッチ87と、外枠セット8が開放された状態を検出するための外枠開放スイッチ88とが電気的に接続されている。
また、払出制御基板60には、払出中継端子板83が電気的に接続されており、払出中継端子板83には、遊技球を上受け皿6へ払出す部材を駆動するための払出モータ38cと、この払出モータ38cによって払出された遊技球を検出するための前部払出センサ38a,後部払出センサ38bと、払出モータ38cによって払出す遊技球が切れていることを検出する前部球切れスイッチ38d,後部球切れスイッチ38eとが電気的に接続されている。これらの前部払出センサ38a〜後部球切れスイッチ38eが賞球払出装置38(図4)を構成している。
払出制御基板60には、払出制御用MPU61が搭載されており、その払出制御用MPU61は、払出制御用CPU62と、払出制御用ROM63と、払出制御用RAM64とを備える。払出制御用CPU62は、主制御用MPU51から送信される払出制御コマンドに従って払出モータ38cを制御し、賞球および貸球の払出しを制御する。また、払出制御用CPU62は、前部払出センサ38aおよび後部払出センサ38bからそれぞれ出力される信号の変化を検出し、払出された賞球数および貸球数を計数する。また、払出制御用MPU61は、バックアップ電源端子VBB(図示省略)と、NMI(Non-Maskable Interrupt)端子とを備える。
払出制御用ROM63には、払出制御用CPU62が実行するコンピュータプログラムなどが読出し可能に記憶されている。払出制御用RAM64は、払出制御用CPU62が上記のコンピュータプログラムを実行するときに使用するワーク領域を有する。また、払出制御用RAM64は、払出制御用CPU62が上記のコンピュータプログラムを実行することにより発生する処理結果および判定結果などを読出しおよび書換え可能に記憶する。さらに、払出制御用RAM64は、未払いの賞球数および貸球数を記憶し、主電源77が遮断されたときに、未払いの賞球数および貸球数を記憶保持する。
また、払出制御基板60には、プリペイドカードなどのプリペイド媒体の残り度数を表示する度数表示基板504が貸出装置接続端子板78を介して電気的に接続されている。貸出装置接続端子板78には、プリペイドカードまたはプリペイドコインなどのプリペイド記録媒体を読取るプリペイド記録媒体読取装置(図示省略)が電気的に接続されている。
さらに、発射制御基板4には、遊技球を発射する発射装置を駆動する発射ソレノイド4fと、遊技球を発射位置へ供給する球供給装置を駆動する球送りソレノイド4gと、発射レバー4bの回動量に応じて発射装置4の発射強度を調節するための発射強度電子ボリューム4cと、遊技者が発射レバー4bに触れたことを検出して発射装置4を駆動させるためのタッチスイッチ4dと、発射レバー4bの回動によってオンまたはオフし、発射ソレノイド4fを駆動する発射スイッチ4eとが電気的に接続されている。
主制御基板50には、盤面中継端子板37が電気的に接続されており、その盤面中継端子板37には、左袖上入賞口17に入賞した遊技球を検出するための左袖上入賞口スイッチ17aと、左袖入賞口18に入賞した遊技球を検出するための左袖入賞口スイッチ18aと、左下入賞口19に入賞した遊技球を検出するための左下入賞口スイッチ19aと、右肩入賞口20に入賞した遊技球を検出するための右肩入賞口スイッチ20aと、第1大入賞口24aに入賞した遊技球を検出するための第1大入賞口スイッチ24cと、ゲート23を通過した遊技球を検出するためのゲートスイッチ23aと、第2大入賞口25aに入賞した遊技球を検出するための第2大入賞口スイッチ25cと、第1変動入賞装置24を駆動するための第1大入賞口ソレノイド24bと、普通電動役物27を駆動するための普通電動役物ソレノイド27bと、第2変動入賞装置25を駆動するための第2大入賞口ソレノイド25bとが電気的に接続されている。
図10に示すように、パチンコ機1には、演出制御基板400が設けられており、その演出制御基板400には、画像音声制御基板70と、盤面演出中継端子板82と、盤面LED中継端子板81と、補助演出駆動基板410と、演出電源基板79とが電気的に接続されている。演出制御基板400には、演出制御用CPU402を備えた演出制御用MPU401が搭載されている。演出制御用CPU402は、主制御用CPU52(図9)から送信された演出制御信号を受信し、その受信した演出制御信号を対応する基板に振り分ける処理などを行う。
画像音声制御基板70には、液晶中継端子板30aを介して演出表示器30が電気的に接続されている。また、画像音声制御基板70には、盤面演出中継端子板82が電気的に接続されており、その盤面中継端子板82には、枠部演出中継端子板85を介して右スピーカ10と、左スピーカ11と、下スピーカ12とが電気的に接続されている。また、枠部演出中継端子板85には、枠部LED駆動基板66を介して照光付演出スイッチ9aが電気的に接続されている。照光付演出スイッチ9aは、演出ボタン9を押圧操作したときにオンし、演出ボタン9に内蔵されているLEDを点灯させるスイッチである。
画像音声制御基板70には、画像音声制御用MPU71および音量調節装置75が搭載されている。画像音声制御用MPU71は、画像音声制御用CPU72と、画像音声制御用ROM73と、画像音声制御用RAM74とを備える。画像音声制御用CPU72は、主制御用CPU52から演出制御基板400を介して送信された演出制御信号に従って演出表示器30を制御し、演出制御信号に対応する画像を演出表示器30に表示させる。また、画像音声制御用CPU72は、主制御用CPU52から演出制御基板400を介して送信された演出制御信号に従って各スピーカ10〜12を駆動し、演出制御信号に対応する効果音などを各スピーカ10〜12から出力させる。
画像音声制御用ROM73には、画像音声制御用CPU72が実行するコンピュータプログラムが読出し可能に記憶されている。また、画像音声制御用ROM73には、画像音声制御用CPU72がコンピュータプログラムを実行するときに参照する各種のテーブルが読出し可能に記憶されている。
また、画像音声制御用ROM73には、特別図柄、普通図柄および演出図柄などの変動パターンを決定するためのテーブルが記憶されている。また、画像音声制御用ROM73には、パチンコ機1に設けられた演出用のLEDの点灯パターンを決定するためのテーブル、効果音や音楽の種類を決定するためのテーブルなど、演出に必要なテーブルやデータなどが記憶されている。
画像音声制御用RAM74は、画像音声制御用CPU72がコンピュータプログラムを実行するときに使用するワーク領域を有する。また、画像音声制御用RAM74は、画像音声制御用CPU72がコンピュータプログラムを実行することにより発生する処理結果および判定結果などを読出しおよび書換え可能に記憶する。音量調節装置75は、各スピーカ10〜12が出力する効果音などの音量を調節する音量調節つまみを備える。
補助演出駆動基板410には、補助演出上中継端子板508と、補助演出右中継端子板68と、補助演出下中継端子板507とが電気的に接続されている。補助演出上中継端子板508には、可動役物40の背面に配置された可動役物43を回転させる万華鏡モータ43aと、その可動役物43が原点に復帰したことを検出する万華鏡原点センサ43bと、可動役物42を駆動する右竜モータ42aと、可動役物42が原点に復帰したことを検出する右竜原点センサ42bと、可動役物41を駆動する左竜モータ41aと、可動役物41が原点に復帰したことを検出する左竜原点センサ41bとが電気的に接続されている。
補助演出右中継端子板68には、可動役物40を振動させる家紋モータ40bと、可動役物40の位置を検出する家紋位置確認センサ40cと、可動役物40を上昇させる右リフト(図示省略)を駆動する右リフトモータ40dと、右リフトが原点に復帰したことを検出する右リフト原点センサ40eとが電気的に接続されている。
補助演出下中継端子板507には、可動役物40を上昇させる左リフト(図示省略)を駆動する左リフトモータ40fと、左リフトが原点に復帰したことを検出する左リフト原点センサ40gと、収納部材46に収納された右側の可動役物45を移動させる扉右モータ45aと、その可動役物が原点に復帰したことを検出する扉右原点センサ45bと、左側の可動役物44を移動させる扉左モータ44aと、その可動役物44が原点に復帰したことを検出する扉左原点センサ44bとが電気的に接続されている。
補助演出駆動基板410には、補助演出制御用MPU420が搭載されている。補助演出制御用MPU420は、補助演出制御用CPU421と、補助演出制御用ROM422と、補助演出制御用RAM423とを備える。補助演出制御用CPU421は、主制御用CPU52から演出制御基板400を介して送信された演出制御信号に従って可動役物40〜45などの動作を制御する。補助演出制御用ROM422には、補助演出制御用CPU421が実行するコンピュータプログラムが読出し可能に記憶されている。また、補助演出制御用ROM422には、補助演出制御用CPU421がコンピュータプログラムを実行するときに参照する各種のテーブル(たとえば、可動役物40〜45などの動作パターン)が読出し可能に記憶されている。
補助演出制御用RAM423は、補助演出制御用CPU421がコンピュータプログラムを実行するときに使用するワーク領域を有する。また、補助演出制御用RAM423は、補助演出制御用CPU421がコンピュータプログラムを実行することにより発生する処理結果および判定結果などを読出しおよび書換え可能に記憶する。
また、パチンコ機1には、主電源(AC/24V)77に接続された電源基板76(図9)が備えられており、電源基板76は、主電源77から供給される電源を主制御基板50と、払出制御基板60と、接続端子板78と、接続端子55と、演出電源基板79(図10)とに供給する。演出電源基板79は、電源基板76から供給される電源を演出電源基板79と電気的に接続された各基板へ分配する。盤面LED中継端子板81には、遊技盤5に設けられた装飾用の各LEDが搭載されている。
[電源基板76の主要構成]
次に、電源基板76の主要構成について図11を参照して説明する。
図11は、電源基板76などの回路図である。
電源基板76には、フューズF1,F2と、整流回路76aと、DC/DCコンバータ76bと、DC/DCコンバータ76cと、クリア信号出力回路76dと、コンデンサC1,C2と、ダイオードD1,D2とが搭載されている。
主電源77から供給された24Vの交流電流は、フューズF1を介して整流回路76aによって32Vの直流電流に変換され、その32Vの直流電流は、主制御基板50、演出電源基板79および払出制御基板60に供給される。主制御基板50に供給された32Vの直流電流は、盤面中継端子板37に供給され、盤面中継端子板37に接続された普通電動役物ソレノイド27b、第1大入賞口ソレノイド24bおよび第2大入賞口ソレノイド25bを駆動する。
また、払出制御基板60に供給された32Vの直流電流は、払出中継端子板83(図9)に接続された払出モータ38cを駆動する。また、払出制御基板60に供給された32Vの直流電流は、発射制御基板4(図9)に接続された発射ソレノイド4fを駆動する。また、演出電源基板79に供給された32Vの直流電流は、演出電源基板79に接続された補助演出駆動基板410を介して補助演出上中継端子板508に供給され、補助演出上中継端子板508に接続された各モータを駆動する。
また、演出電源基板79に供給された32Vの直流電流は、演出電源基板79に接続された補助演出駆動基板410を介して補助演出右中継基板68に供給され、補助演出右中継基板68に接続された各モータを駆動する。演出電源基板79に供給された32Vの直流電流は、演出電源基板79に接続された補助演出駆動基板410を介して補助演出下中継基板507に供給され、補助演出下中継基板507に接続された各モータを駆動する。
つまり、整流回路76aから供給される32Vの直流電流は、ソレノイドおよびモータなどのアクチュエータを駆動するために用いられる。
また、主電源77から供給された24Vの交流電流は、フューズF2から貸出装置接続端子板78に供給され、貸出装置接続端子板78に接続されたプリペイド記録媒体読取装置を駆動する。また、32Vの直流電流は、DC/DCコンバータ76bによって12Vに変圧され、その変圧された12Vの直流電流は、主制御基板50、演出電源基板79、払出制御基板60およびクリア信号出力回路76dへそれぞれ供給される。
主制御基板50に供給された12Vの直流電流は、図柄表示基板84(図9)に供給され、図柄表示基板84に搭載された特別図柄表示装置31、特別図柄保留数表示装置32、普通図柄表示装置33および普通図柄保留数表示装置34を駆動する。また、主制御基板50に供給された12Vの直流電流は、第1始動口スイッチ21aおよび第2始動口スイッチ27a(図9)に供給される。
また、主制御基板50に供給された12Vの直流電流は、盤面中継端子板37に接続された各入賞口スイッチ、大入賞口スイッチおよびゲートスイッチに供給される。演出電源基板79に供給された12Vの直流電流は、画像音声制御基板70と、演出制御基板400と、補助演出駆動基板410とに供給される。画像音声制御基板70に供給された12Vの直流電流は、液晶中継端子板30aを介して演出表示器30を駆動する。また、画像音声制御基板70に供給された12Vの直流電流は、盤面演出中継端子板82を介して枠部演出中継端子板85に供給され、各スピーカを駆動する。
また、枠部演出中継端子板85に供給された12Vの直流電流は、枠部LED駆動基板66を介して照光付演出スイッチ9aに供給される。また、演出制御基板400に供給された12Vの直流電流は、盤面LED中継端子板81に搭載された各LEDを駆動する。また、補助演出駆動基板410に供給された12Vの直流電流は、補助演出上中継端子板508、補助演出右中継端子板68および補助演出下中継端子板507を介して各センサに供給される。
つまり、DC/DCコンバータ76bから供給される12Vの直流電流は、スイッチ、センサ、演出表示器、LEDおよびクリア信号出力回路76dなどを駆動するために用いられる。
また、DC/DCコンバータ76bによって12Vに変圧された直流電流は、DC/DCコンバータ76cによって5Vに変圧され、この5Vの直流電流は、クリア信号出力回路76d、主制御基板50、演出電源基板79および払出制御基板60へそれぞれ供給される。主制御基板50に供給される5Vの直流電流は、主制御用MPU51(図9)を駆動し、払出制御基板60に供給される5Vの直流電流は、払出制御用MPU61(図9)を駆動する。
また、演出電源基板79に供給される5Vの直流電流は、演出制御基板400に搭載された演出制御用MPU401と、画像音声制御基板70に搭載された画像音声制御用MPU71と、補助演出駆動基板410に搭載された補助演出制御用MPU420とを駆動する。
つまり、DC/DCコンバータ76cから供給される5Vの直流電流は、各MPUおよびクリア信号出力回路76dなどを駆動するために用いられる。
また、DC/DCコンバータ76cと主制御基板50とを接続する電源供給ライン76eには、ダイオードD2が直列接続されている。ダイオードD2のカソードと主制御基板50とを接続する電源供給ラインには、コンデンサC2の一端が接続されており、コンデンサC2の他端は接地されている。コンデンサC2は、主電源77が遮断されたときに、5Vの直流電流を主制御基板50へ供給し、主制御用RAM54の記憶内容を保持するバックアップ電源の役割をする。コンデンサC2は、DC/DCコンバータ76cから供給される5Vの直流電流によって充電され、コンデンサC2の放電は、ダイオードD2によって阻止される。
また、DC/DCコンバータ76cと払出制御基板60とを接続する電源供給ライン76hには、ダイオードD1が直列接続されている。ダイオードD1のカソードと払出制御基板60とを接続する電源供給ラインには、コンデンサC1の一端が接続されており、コンデンサC1の他端は接地されている。コンデンサC1は、主電源77が遮断されたときに、5Vの直流電流を払出制御基板60へ供給し、払出制御用RAM64の記憶内容を保持するバックアップ電源の役割をする。コンデンサC1は、DC/DCコンバータ76cから供給される5Vの直流電流によって充電され、コンデンサC1の放電は、ダイオードD1によって阻止される。
この実施形態では、コンデンサC1,C2は、それぞれ電気二重層コンデンサであり、公称静電容量はそれぞれ0.1Fであり、定格電圧はそれぞれ5.5Vである。
主制御用CPU52(図9)は、確変大当り判定の結果として肯定判定の結果が主制御用RAM54に記憶されている場合に個別報知LED76jを点灯または点滅させ、確変大当り判定の結果として肯定判定の結果が主制御用RAM54に記憶されていることを報知する。また、主制御用CPU52(図9)は、確変大当り判定の結果として肯定判定の結果が主制御用RAM54に記憶されていない場合は個別報知LED76jを消灯させ、確変大当り判定の結果として肯定判定の結果が主制御用RAM54に記憶されていないことを報知する。
[NMI処理]
次に、主制御用CPU52および払出制御用CPU62のNMI(Non-Maskable Interrupt)処理について図を参照して説明する。
図12は、電源の立上がりおよび立下がりと、各基板のシステムリセットおよびNMI処理のタイミングとの関係を示すタイミングチャートである。
なお、以下の説明においてサブ化基板とは、主制御基板50および払出制御基板60以外の各基板をいう。また、主電源の立上がり時においてサブ化基板が検出する電圧をサブ化基板上昇検出電圧、払出制御基板が検出する電圧を払出制御基板上昇検出電圧、主制御基板が検出する電圧を主制御基板上昇検出電圧という。また、主電源の立下がり時において主制御基板が検出する電圧を主制御基板下降検出電圧、払出制御基板が検出する電圧を払出制御基板下降検出電圧、サブ化基板が検出する電圧をサブ化基板下降検出電圧という。
(電源の立上げ)
主電源77(図11)を立上げると、DC/DCコンバータ76cから各基板へ5V電源が供給され、総ての基板においてシステムリセット信号(ローレベル)が出力され安定する。続いて5V電源がサブ化基板上昇検出電圧Vusに達してから時間Trs後にサブ化基板のシステムリセット信号が解除され(ローレベル→ハイレベル)、各サブ化基板それぞれの制御が開始される。
そして、DC/DCコンバータ76bから各基板に12V電源が供給され、その12V電源が払出制御基板上昇検出電圧Vuhに達してから時間Trh後に払出制御基板60のシステムリセット信号が解除され、払出制御用CPU62(図9)は、セキュリティチェックを実行する。このセキュリティチェックでは、払出制御用ROM63に記憶されているコンピュータプログラムに異常が存在しないかなどのチェックを行う。続いてセキュリティチェックが終了すると、払出制御用CPU62は動作を開始する。
そして、12V電源が主制御基板上昇検出電圧Vumに達してから時間Trm後に主制御基板50のシステムリセット信号が解除され、主制御基板50の主制御用CPU52はセキュリティチェックを実行した後に動作を開始する。また、主制御用CPU52は、主制御用RAM54に記憶されている確変大当り判定の結果をホールコンピュータ800へ送信する。この段階で、パチンコ機1が遊技可能な状態になる。
以上のように、サブ化基板、払出制御基板60、主制御基板50の順序で制御を開始することができるため、主制御基板50が管理する総ての基板において主制御基板50からのコマンド受信漏れが発生するおそれがない。
(電源の立下げ)
パチンコホールの営業終了時の電源遮断、停電、あるいは電源の異常などにより、主電源77が遮断され、12V電源が主制御基板下降検出電圧Vdm(たとえば10.3V)に達すると(図12)、その電圧降下が主制御用MPU51のNMI端子に現れ、主制御用CPU52においてNMI信号が生成され、主制御用RAM54へのアクセスが禁止される。また、これと同時にバックアップ電源としてのコンデンサC2(図11)から主制御用MPU51のバックアップ電源端子VBBへ電源が供給され、主制御用RAM54の記憶内容が保持される。
つまり、主制御用CPU52が実行した大当り判定の結果、大当り図柄の抽選結果、確変大当り判定の結果、ハズレ図柄の抽選結果、入賞の検出結果、ゲート通過の検出結果および普通図柄の当り判定の結果など、電源が復旧したときに電源遮断時の状態から遊技を再開するために必要なデータの記憶が保持される。
NMI信号が発生してから時間Tnmiが経過したときに主制御基板50にシステムリセット信号が発生し(ハイレベル→ローレベル)、主制御基板50がシステムリセットする。
続いて、12V電源が払出制御基板下降検出電圧Vdhに達すると(図12)、その電圧降下が払出制御用MPU61のNMI端子に現れ、払出制御用CPU62においてNMI信号が生成され、払出制御用RAM64へのアクセスが禁止される。また、これと同時にバックアップ電源としてのコンデンサC1(図11)から払出制御用MPU61のバックアップ電源端子VBBへ電源が供給され、払出制御用RAM64の記憶内容が保持される。つまり、未払いの賞球数および貸球数などを示すデータの記憶が保持される。
NMI信号が発生してから時間Tnmiが経過したときに払出制御基板60にシステムリセット信号が発生し(ハイレベル→ローレベル)、払出制御基板60がシステムリセットする。
続いて、12V電源がサブ化基板下降検出電圧Vdsに達すると(図12)、サブ化基板がシステムリセットする。
[各種テーブル]
次に、画像音声制御用ROM73に記憶されている各種のテーブルの構成について図を参照して説明する。図13は、図10に示す画像音声制御用ROM73の主な記憶内容を示す説明図である。図14は変動パターンテーブルの構成を示す説明図である。
画像音声制御用ROM73には、演出図柄テーブル73a、変動パターンテーブル73b、演出内容テーブル73c、LED点灯パターンテーブル73d、音楽テーブル73e、大当り演出画像テーブル73f、客待ち画像テーブル73g、ボタン演出画像テーブル73hなど、演出に必要なデータが記憶されている。
演出図柄テーブル73aは、演出表示器30がハズレ図柄または大当たり図柄を確定表示するときに画像音声制御用CPU72が参照するテーブルである。変動パターンテーブル73bは、演出表示器30が変動表示する演出図柄の変動パターンを画像音声制御用CPU72が抽選で決定するときに参照するテーブルである。この実施形態では、変動パターンテーブル73bは、図14に示すように、演出図柄の変動パターンを抽選により決定するための乱数A〜乱数Dとを対応付けて構成されている。
乱数A〜乱数Dは、それぞれカウンタがカウントするカウント値であり、各乱数は、カウンタがカウントするカウント値の範囲に等しい。つまり、画像音声制御用CPU72が所定のタイミングでカウンタから取得したカウント値が乱数となる。そのカウンタは、たとえば、複数の連続した数値(たとえば、0〜239)をカウントするリングカウンタである。乱数A〜乱数Dは、それぞれグループ1〜グループnに分けられている。
乱数Aを構成するグループ1にはそれぞれ乱数Bの複数のグループが対応付けられており、乱数Aを構成するグループnには乱数Dのグループnが対応付けられている。乱数Bを構成する各グループにはそれぞれ乱数Cの複数のグループが対応付けられている。乱数Cを構成する各グループにはそれぞれ乱数Dの複数のグループが対応付けられている。また、乱数Dの各グループを構成する各乱数には、それぞれ種類の異なる変動パターンが対応付けられている。
画像音声制御用CPU72は、演出図柄の変動パターンを決定するタイミングになると、乱数A〜乱数Dを発生する各カウンタから乱数(カウント値)を1つずつ取得する。そして、乱数Aを発生するカウンタから取得した乱数が属するグループのうち、乱数Bを発生するカウンタから取得した乱数が属するグループを選択する。続いて、その選択した乱数Bのグループに対応付けられているグループのうち、乱数Cを発生するカウンタから取得した乱数が属するグループを選択する。続いて、その選択した乱数Cのグループに対応付けられているグループのうち、乱数Dを発生するカウンタから取得した乱数が属するグループを選択する。続いて、その選択した乱数Dのグループに対応付けられている変動パターンを選択する。
つまり、乱数A、乱数B、乱数C、乱数Dの順に選択し、最終的に乱数Dに対応付けられている変動パターンを選択する。このように複数の乱数と変動パターンとを対応付けて構成することにより、同じ種類の変動パターンが選択される確率が低くなっているため、遊技者が飽きないように工夫されている。
また、変動パターンのうち、リーチパターンには、複数種類のリーチパターンが設定されている。たとえば、ノーマルリーチパターンおよびスーパーリーチパターンが設定されている。
ノーマルリーチパターンとは、リーチに発展する変動パターンであるリーチパターンの中でも出現確率の高い変動パターンのことであり、スーパーリーチパターンとは、ノーマルリーチパターンよりも出現確率の低い変動パターンのことである。また、大当りは、リーチパターンを経て発生するようになっており、特に、スーパーリーチパターンが出現したときに大当りの発生確率が高くなるように構成されている。
つまり、遊技者から見ると、スーパーリーチパターンが出現したときの大当り発生に対する期待度が最も高くなるように構成されている。
なお、乱数Dのグループnには、演出図柄の変動途中でリーチに発展しない通常変動パターンが対応付けられており、乱数Aのグループnに属する乱数が選択された場合は、通常変動パターンが選択される。
また、図示しないが、画像音声制御用ROM73には、通常遊技状態、確変遊技状態、大当たり判定の結果および特別図柄保留数によって異なる構成の変動パターンテーブルが記憶されており、遊技状態に応じて異なる変動パターンが選択されるように構成されている。
演出内容テーブル73c(図13)は、画像音声制御用CPU72が演出表示器30が表示する演出内容を抽選で決定するときに参照するテーブルである。演出内容とは、遊技者が演出ボタン9を押すことによって一部を変更することができる演出であり、たとえば、物語性を有する動画が演出内容である場合に、演出ボタン9が押されたときに物語の展開を変えることができる演出である。
また、演出内容は、演出図柄の変動パターンと組み合わせて表示されたり、組み合わされないで単独で表示されたりするものが存在する。演出内容テーブル73cは、演出内容の表示時間毎に画像音声制御用ROM73に記憶されている。また、演出内容の表示時間は、特別図柄変動時間と等しいため、演出内容テーブル73cは、少なくとも特別図柄変動時間と同じ数設けられている。
演出内容の抽選は、複数の連続した異なる数値をカウントする演出内容抽選カウンタを用いて行う。演出内容テーブル73cは、演出内容抽選カウンタのカウント値と演出内容とを対応付けて構成されている。また、異なる表示時間毎に各演出内容が設定されており、1つの表示時間には複数種類の演出内容が設定されている。
画像音声制御用CPU72は、演出内容抽選カウンタからカウント値を1つ取得し、主制御用CPU52から指示された変動パターンの変動時間と同じ表示時間の演出内容を演出内容テーブルの中から読出す。
LED点灯パターンテーブル73dは、画像音声制御用CPU72がパチンコ機1に設けられた各種のLEDの点灯パターンを抽選で決定するときに参照するテーブルである。LEDの点灯パターンの抽選は、複数の連続した異なる数値をカウントするLED点灯パターン抽選カウンタを用いて行う。
LED点灯パターンテーブル73dは、LED点灯パターン抽選カウンタのカウント値と、LEDの点灯パターンとを対応付けて構成されている。画像音声制御用CPU72は、LED点灯パターン抽選カウンタからカウント値を1つ取得し、その取得したカウント値と対応付けられているLEDの点灯パターンをLED点灯パターンテーブル73dから読出し、その点灯パターンに従ってLEDを点灯するように演出制御用CPU402に指示する。
音楽テーブル73eは、画像音声制御用CPU72が各スピーカ10〜12が出力する音楽を抽選で決定するときに参照するテーブルである。音楽の抽選は、複数の連続した異なる数値をカウントする音楽抽選カウンタを用いて行う。
音楽テーブル73eは、音楽抽選カウンタのカウント値と、音楽とを対応付けて構成されている。画像音声制御用CPU72は、音楽抽選カウンタからカウント値を1つ取得し、その取得したカウント値と対応付けられている音楽を音楽テーブル73eから読出し、それを出力するように音声出力装置43に指示する。
大当り演出画像テーブル73fは、大当りが発生したときに画像音声制御用CPU72が演出画像を抽選で決定するときに参照するテーブルである。演出画像の抽選は、複数の連続した異なる数値をカウントする大当り演出画像抽選カウンタを用いて行う。大当り演出画像テーブル73fは、大当り演出画像抽選カウンタのカウント値と、大当り演出画像の種類とを対応付けて構成されている。画像音声制御用CPU72は、大当り演出画像抽選カウンタからカウント値を1つ取得し、その取得したカウント値と対応付けられている大当り演出画像の種類を大当り演出画像テーブル73fから読出し、それを表示するように演出表示器30に指示する。
客待ち画像テーブル73gは、パチンコ機1に遊技者が付いていない、いわゆる客待ち状態のときに画像音声制御用CPU72が演出表示器30に客待ち画像の表示を指示するためのデータが記憶されたテーブルである。
ボタン演出画像テーブル73hは、演出ボタン9がオンしたときに画像音声制御用CPU72がボタン演出画像(演出ボタン9を押して選択することが可能な演出画像)の内容を抽選で決定するときに参照するテーブルである。ボタン演出画像の抽選は、複数の連続した異なる数値をカウントするボタン演出画像抽選カウンタを用いて行う。ボタン演出画像テーブル73hは、ボタン演出画像抽選カウンタのカウント値と、ボタン演出画像の種類とを対応付けて構成されている。画像音声制御用CPU72は、演出ボタン9がオンしたときにボタン演出画像抽選カウンタからカウント値を1つ取得し、その取得したカウント値と対応付けられているボタン演出画像の種類をボタン演出画像テーブル73hから読出し、それを表示するように演出表示器30に指示する。
[保留発生時の記憶内容]
次に、特別図柄の保留が発生したときに画像音声制御用RAM74に記憶される内容について図を参照して説明する。
図15(a)は特別図柄保留テーブルの記憶内容を示す説明図であり、(b)は特別図柄保留テーブルに記憶されているデータの記憶順位が繰り上がった状態を示す説明図である。
なお、以下の説明では、確定図柄とは、演出表示器30が確定表示した演出図柄のことであり、通常大当り図柄、確変大当り図柄およびハズレ図柄のいずれかを指す。また、特別図柄保留テーブルは、第1始動口21および第2始動口22に対してそれぞれ設けられているが、ここでは、第1始動口21に対する特別図柄保留テーブルを代表にして説明する。また、第1始動口21および第2始動口22に対する特別図柄保留数の上限はそれぞれ4個であるとする。
特別図柄保留テーブル74aは、遊技球が第1始動口21に入賞したときに発生したデータを記憶する。図中の「保留順位」は、保留が発生した順番を示す。また、特別図柄保留テーブル74aは、特別図柄保留数U1を記憶する。「判定結果」は、遊技球が第1始動口21に入賞したときに主制御用CPU52が行った大当り判定および確変大当り判定の結果である。「確定図柄」は、遊技球が第1始動口21に入賞したときに主制御用CPU52が決定した確定図柄である。「変動パターン」は、画像音声制御用CPU72が決定した演出図柄の変動パターンである。
判定結果および確定図柄は、主制御用CPU52から画像音声制御用CPU72へ送信され、画像音声制御用CPU72によって特別図柄保留テーブル74aに記憶される。
なお、画像音声制御用CPU72は、特別図柄の変動パターンおよび確定図柄、音楽およびLEDの点灯パターンなども抽選により決定し、それらも特別図柄保留テーブルに記憶するが、ここではそれらの説明を省略し、変動パターンおよび確定図柄を代表にして説明する。
図15(a)は、ある遊技状態における特別図柄保留テーブル74aの記憶内容を示す一例である。保留順位3番目(※)には、主制御用CPU52の確変大当り判定の結果として「確変大当り」が記憶されており、変動パターンとして「スーパーリーチパターン」が記憶されている。また、特別図柄保留テーブル74aに記憶されている特別図柄保留数U1は上限の4個に達している。
そして、特別図柄の変動表示が1回終了すると、図15(b)に示すように、特別図柄保留テーブル74aに記憶されている各データは、保留順位が1つずつ繰り上がる。
[遊技の主な流れ]
次に、パチンコ機1における遊技の主な流れについて図を参照して説明する。
(主制御用CPUが実行する主な処理)
最初に、主制御用CPU52が実行する主な処理の流れについて図を参照して説明する。図17は、図9に示す主制御用CPU52が実行する主な処理の流れを示すメインフローチャートである。以下の説明では、CPUが実行する処理のステップをSと略す。
主制御用CPU52は、パチンコ機1が起動したときにセキュリティチェックなどの初期設定を実行する(S500)。次に、主制御用CPU52は、確変大当り判定結果送信処理(S501)、RAMクリア処理(S502)、入賞検出処理(S503)、始動口処理(S504)、ゲート処理(S505)、変動開始処理(S506)、普通電動役物処理(S507)、大入賞口処理(S508)および遊技情報送信処理(S509)などを実行する。
入賞検出処理(S503)では、入賞口スイッチ17a〜20a、始動口スイッチ21a,27aおよび大入賞口スイッチ24c,25c(図9)からの出力信号の変化を検出し、入賞が発生したことを検出する。ゲート処理(S505)では、ゲートスイッチ23a(図9)からの出力信号の変化を検出し、遊技球がゲート23を通過したことを検出し、普通図柄の当り判定を行う。普通電動役物処理(S507)では、ゲート処理(S505)における普通図柄の当り判定が当りであった場合に普通電動役物ソレノイド27b(図9)を作動させ、普通電動役物27の開閉翼片27c(図6)を開放させる。
大入賞口処理(S508)では、通常大当りが発生したときの第1大入賞口24aの開閉制御と、第1または第2確変大当りが発生したときの第2大入賞口25aの開閉制御とを実行する。遊技情報送信処理(S509)では、通常大当りの発生回数、確変大当りの発生回数、特別図柄の変動回数、賞球数の合計(出玉数)などの遊技中に発生する遊技情報をホールコンピュータ800へ送信する。
(確変大当り判定結果送信処理)
次に、主制御用CPU52が実行する確変大当り判定結果送信処理(図17のS501)の流れについて、それを示す図18のフローチャートを参照して説明する。
主制御用CPU52は、初期設定(図17のS500)が終了したか否かを判定し(S1)、終了したと判定すると(S1:Yes)、主制御用RAM54に記憶されている確変大当り判定の結果をホールコンピュータ800へ送信する(S2)。確変大当り判定の結果は、確変大当りであると判定した肯定判定の結果、または、確変大当りではないと判定した否定判定の結果である。また、主制御用CPU52がホールコンピュータ800へ送信する確変大当り判定の結果には、パチンコ機1を他のパチンコ機1と識別するための固有の台番号が付されている。
(消去指令処理)
ここで、ホールコンピュータ800が実行する消去指令処理の流れについて、それを示す図19のフローチャートを参照して説明する。
ホールコンピュータ800は、主制御用CPU52が前述した確変大当り判定結果送信処理のS2(図18)において送信した確変大当りの判定結果を受信する(S10)。続いて、ホールコンピュータ800は、現在時刻tが、パチンコシステム200が設置されたパチンコホールの閉店時刻t1よりも遅く、かつ、開店時刻t2よりも早い時刻であるか否か、つまり、t=t1〜t2であるか否かを判定する(S11)。
そして、ホールコンピュータ800は、現在時刻がtがt1〜t2であると判定した場合に、先に受信した確変大当り判定の結果が肯定判定の結果であるか否かを判定し(S12)、肯定判定の結果であると判定した場合に(S12:Yes)、その肯定判定の結果と一緒に送信されてきた台番号に対応するパチンコ機1へ消去指令を送信する(S13)。
(消去信号出力処理)
次に、クリア信号出力回路76d(図11)が実行する消去信号出力処理の流れについて、それを示す図20のフローチャートを参照して説明する。
クリア信号出力回路76dは、ホールコンピュータ800が前述した消去指令処理のS13(図19)において送信した消去指令を受信したか否かを判定し(S3)、受信したと判定すると(S3:Yes)、主制御用RAM54に記憶されている確変大当り判定の結果の消去を命令する消去信号を主制御用CPU52へ出力する(S4)。
(RAMクリア処理)
次に、主制御用CPU52がS502(図17)において実行するRAMクリア処理の流れについて、それを示す図21のフローチャートを参照して説明する。
主制御用CPU52は、クリア信号出力回路76dが前述した消去信号出力処理のS4(図20)において出力した消去信号を入力したか否かを判定し(S5)、入力したと判定すると(S5:Yes)、主制御用RAM54に記憶されている確変大当り判定の結果を消去する(S6)。
上述したように、パチンコホールが開店する前に各パチンコ機1の電源を立ち上げれば、確変大当り判定の結果として肯定判定の結果が主制御用RAM54に記憶されているパチンコ機1のみを対象としてホールコンピュータ800から消去指令が送信され、主制御用RAM54に記憶されている確変大当り判定の結果を消去することができる。
したがって、従来のようにパチンコ機毎にRAMクリアスイッチを操作する必要が無く、各パチンコ機1の電源を立上げるだけで、確変大当り判定の結果として残っている肯定判定の結果を自動的に消去することができるため、確変大当り判定の結果を消去する作業効率を良くすることができる。
(始動口処理)
次に、主制御用CPU52が実行する始動口処理(図17のS504)の流れについて図を参照して説明する。
図22は、主制御用CPU52が図17のS504において実行する始動口処理の流れを示すメインフローチャートであり、図23は、図22に示す処理の続きを示すフローチャートである。なお、主制御用CPU52は、第1始動口スイッチ21aまたは第2始動口スイッチ27aがオンしたときに始動口処理を実行するが、ここでは、第1始動口スイッチ21aがオンしたときの始動口処理を代表にして説明する。
主制御用CPU52は、第1始動口スイッチ21a(図9)がオンしたか否か、つまり遊技球が第1始動口21(図5)に入賞したか否かを判定する(S20)。ここで、肯定判定すると(S20:Yes)、主制御用RAM54に記憶されている特別図柄保留数U1を参照し(S21)、特別図柄保留数U1が上限の4個未満であるか否かを判定する(S22)。ここで、肯定判定すると(S22:Yes)、このとき大当り抽選カウンタがカウントしたカウント値を1つ取得する(S23)。
ここで、大当り抽選カウンタとは、連続した複数の異なる数値をカウントするカウンタであり、この実施形態では、0〜399の計400個の数値をカウントするリングカウンタである。続いて、主制御用CPU52は、遊技状態が確変遊技状態であるか否かを判定する(S24)。ここで、肯定判定した場合は(S24:Yes)、確変大当り用大当り値テーブルを参照し(S25)、否定判定した場合は(S24:No)、通常大当り用大当り値テーブルを参照する(S26)。確変大当り用大当り値テーブルは、確変遊技状態のときに参照する大当り値が設定されたテーブルであり、通常大当り用大当り値テーブルは、通常遊技状態のときに参照する大当り値が設定されたテーブルである。
確変大当り用大当り値テーブルには、通常大当り用大当り値テーブルよりも多くの大当り値が設定されており、確変遊技状態のときに大当りが発生する確率が高くなっている。
この実施形態では、確変大当り用大当り値テーブルには、7,53,89,113,137,157,197,257,307,359の計10個の大当り値が設定されており、通常大当り用大当り値テーブルには、大当り値7のみが設定されている。
つまり、大当りが発生する確率は、通常時が、1/400であり、確変時が、10/400=1/40であり、確変遊技状態のときに大当りが発生する確率は、通常遊技状態のときよりも10倍高くなっている。
続いて、主制御用CPU52は、大当りか否かを判定する(S27)。ここで、先のS23において大当り抽選カウンタから取得したカウント値と同じ数値の大当り値が確変大当り用大当り値テーブルまたは通常大当り用大当り値テーブルに設定されている場合は大当りと判定し(S27:Yes)、大当り図柄の抽選を実行する(S28)。大当り図柄の抽選は、複数の連続した異なる数値をカウントする大当り図柄抽選カウンタと、大当り図柄テーブルとを用いて行う。大当り図柄テーブルは、大当り図柄抽選カウンタのカウント値と大当り図柄とを対応付けて構成されている。主制御用CPU52は、大当り図柄抽選カウンタからカウント値を1つ取得し、その取得したカウント値と対応付けられている大当り図柄を大当り図柄テーブルから読出す。
たとえば、大当り図柄抽選カウンタは、0〜9をカウントし、大当り図柄テーブルは、0〜9のカウント値と、大当り図柄000・111〜999とを対応付けて構成されている。そして、主制御用CPU52は、大当り図柄抽選カウンタから取得したカウント値が、たとえば7であった場合は、そのカウント値7と対応付けられている大当り図柄「777」を大当り図柄テーブルから読出す。
また、S27において大当りではない、つまりハズレと判定した場合は(S27:No)、ハズレ図柄の抽選を実行する(S29)。ハズレ図柄の抽選は、複数の連続した異なる数値をカウントするハズレ図柄抽選カウンタと、ハズレ図柄テーブルとを用いて行う。ハズレ図柄テーブルは、ハズレ図柄抽選カウンタのカウント値とハズレ図柄とを対応付けて構成されている。主制御用CPU52は、ハズレ図柄抽選カウンタからカウント値を1つ取得し、その取得したカウント値と対応付けられているハズレ図柄をハズレ図柄テーブルから読出す。
また、主制御用CPU52は、大当り図柄を抽選により決定すると、その決定した大当り図柄の種類に応じて通常大当りであるか否かを判定する(図23のS34)。たとえば、抽選により決定した大当り図柄が000や222などの偶数を表した大当り図柄であった場合は、通常大当りであると判定する。ここで、通常大当りであると判定すると(S34:Yes)、通常大当りであると判定したことを示す通常大当りフラグをオンする(S35)。
また、通常大当りではないと判定した場合は(S34:No)、第1確変大当りであるか否かを判定する(S36)。たとえば、抽選により決定した大当り図柄が777であった場合は、第1確変大当りであると判定する。ここで、第1確変大当りであると判定すると(S36:Yes)、第1確変大当りであると判定したことを示す第1確変大当りフラグをオンする(S37)。
また、第1確変大当りではないと判定した場合は(S36:No)、第2確変大当りであるか否かを判定する(S38)。たとえば、抽選により決定した大当り図柄が偶数を表した大当り図柄および777以外の大当り図柄であった場合は、第2確変大当りであると判定する。ここで、第2確変大当りであると判定すると(S38:Yes)、第2確変大当りであると判定したことを示す第2確変大当りフラグをオンする(S39)。
ここで、通常大当りは、第1変動入賞装置24が作動する大当りであり、第1大入賞口24aが開閉するラウンドをn3ラウンド実行する大当りである。また、第1確変大当りは、第2変動入賞装置25が作動する大当りであり、第2大入賞口25aが開閉するラウンドをn1ラウンド実行する大当りである。また、第2確変大当りは、第2変動入賞装置25が作動する大当りであり、第2大入賞口25aが開閉するラウンドをn2(n2<n1)ラウンド実行する大当りである。たとえば、n1=16、n2=2、n3=15である。
また、大当り遊技中に第1大入賞口21または第2大入賞口22に入賞することによって払出される賞球数の総数の平均値を、第1確変大当りがp1個、通常大当りがp3個、第2確変大当りがp2個とすると、p2<p3<p1となるように構成されている。また、p2/p1=rとすると、0.125≦r<1となるように構成されている。
つまり、遊技者が第2確変大当りにおいて獲得可能な賞球数の総数p2が、第1確変大当りにおいて獲得可能な賞球数の総数p1の0.125倍(1/8)未満にならないように構成されている。
そして、主制御用CPU52は、特別図柄保留数U1に1を加算し(S40)、特別図柄保留数U1、大当り判定の結果、大当り図柄、ハズレ図柄および大当りの種類などの抽選結果を示すデータを演出制御基板400を介して画像音声制御用CPU72へ送信する(S41)。
(変動開始処理)
次に、主制御用CPU52が実行する変動開始処理(図17のS506)の流れについて、それを示す図24のフローチャートを参照して説明する。
主制御用CPU52は、特別図柄変動時間を計測中であるか否かを判定し(S50)、計測中ではないと判定した場合は(S50:No)、特別図柄保留数U1を参照する(S51)。そして、特別図柄保留数U1が1個以上であるか否かを判定し(S52)、1個以上であると判定した場合は(S52:Yes)、特別図柄保留数U1から1を減算し(S53)、特別図柄および演出図柄の変動開始を指示する変動開始コマンドと、現在の特別図柄保留数U1を示すデータとを演出制御基板400を介して画像音声制御用CPU72へ送信する(S54)。続いて、特別図柄変動時間(演出図柄変動時間)の計測を開始する(S55)。
なお、図示しないが、主制御用CPU52は、確変遊技状態において変動開始コマンドを演出制御基板400を介して画像音声制御用CPU72へ送信した回数、つまり、演出表示器30が演出図柄を変動表示した回数を計数し、その計数値が所定値に達したときに第1または第2確変大当りフラグをオフにする。たとえば、演出図柄の変動表示の回数が70回に達したときに第1または第2確変大当りフラグをオフにする。換言すると、遊技者が確変の利益を享受できる期間は、演出図柄の変動表示の回数が70回に達するまでの期間である。また、パチンコ機の機種によっては、次の大当たりが発生するまでは、演出図柄の変動回数に制限を設定しないものもある。
(画像音声制御用CPUが実行する主な処理)
次に、画像音声制御用CPU72(図10)が実行する主な処理の流れについて、それを示す図25のフローチャートを参照して説明する。
画像音声制御用CPU72は、パチンコ機1が起動したときに初期設定を実行する(S600)。この初期設定では、セキュリティチェックなどの処理を行う。次に、画像音声制御用CPU72は、データ受信処理(S601)、変動パターン抽選処理(S602)、効果音パターン抽選処理(S603)、LED点灯パターン抽選処理(S604)、演出処理(S605)および可動役物処理(S606)などを実行する。
(データ受信処理)
画像音声制御用CPU72が実行するデータ受信処理(図25のS601)の流れについて、それを示す図26のフローチャートを参照して説明する。
画像音声制御用CPU72は、演出制御基板400を介して主制御用CPU52からデータを受信したか否かを判定し(S200)、受信したと判定すると(S200:Yes)、その受信したデータを解析する(S201)。そして、その解析の結果、受信したデータが変動開始コマンドであるか、あるいは、大当り判定および確変大当り判定などの抽選結果であるかを判定する(S202,S203)。
ここで、変動開始コマンドではない、つまり、受信したデータは抽選結果であると判定すると(S202:No、S203:Yes)、その受信した抽選結果を画像音声制御用RAM74に記憶し(S204)、変動パターン抽選処理を実行する(S205)。受信した抽選結果は、特別図柄保留数U1の発生した順位に対応して画像音声制御用RAM74に記憶される。また、S202において変動開始コマンドであると判定した場合は、演出処理を実行する(S220)。
(変動パターン抽選処理)
次に、画像音声制御用CPU72が実行する変動パターン抽選処理(図25のS602)の流れについて、それを示す図27のフローチャートを参照して説明する。
画像音声制御用CPU72は、特別図柄保留テーブル74a(図15)を参照し(S206)、判定結果および特別図柄保留数などのデータに対応する変動パターンテーブル73b(図14)を参照する(S207)。続いて、画像音声制御用CPU72は、変動パターンテーブル73bについて説明したように、乱数A〜乱数Dを用いて変動パターンを選択し、その選択した変動パターンを画像音声制御用RAM74に記憶する(S208)。
(演出処理)
次に、画像音声制御用CPU72が実行する演出処理(図25のS605)の流れについて、それを示す図28のフローチャートを参照して説明する。
画像音声制御用CPU72は、演出図柄の変動時間を計測中であるか否かを判定し(S221)、計測中ではないと判定した場合は(S221:No)、特別図柄保留テーブル74a(図15)を参照し、特別図柄保留数U1の発生順位の1番目に記憶されている変動パターンを読出し(S222)、その読出した変動パターンに従った演出図柄の変動表示を演出表示器30に開始させる(S223)。続いて、演出図柄変動時間をセットし(S224)、演出図柄変動時間の計測を開始する(S225)。
続いて、特別図柄保留テーブル74aに記憶されている各データの記憶順位を1つずつ繰り上げ(S226)、特別図柄保留数U1から1を減算して特別図柄保留数U1を更新する(S227)。そして、次のサイクルでこの演出処理を実行するときに、S221において変動時間を計測中であると判定した場合は(S221:Yes)、計測している時間がタイムアップしたか否かを判定し(S228)、タイムアップしたと判定した場合は(S228:Yes)、演出表示器30に演出図柄の変動を停止させ(S229)、先のS222において読出した変動パターンに対応付けられている確定図柄を演出表示器30に確定表示させる(S230)。
(NMI割込み処理)
次に、主制御用CPU52および払出制御用CPU62が実行するNMI割込み処理について、それを示す図29のフローチャートを参照して説明する。
主電源77(図11)から主制御基板50へ供給されている電源電圧が、主制御基板下降検出電圧Vdmに低下すると、主制御用MPU51においてNMI信号が生成される。このNMI信号が生成されると、主制御用CPU52は、主制御用RAM54に対するアクセスレジスタにアクセス禁止を設定する(S300)。つまり、主制御用RAM54へのアクセスを禁止することにより、主制御用RAM54に記憶されている大当たり判定の結果、確変大当り判定の結果、大当たりの種類、特別図柄の変動回数および入賞数などの遊技者の利益に関係する各種のデータが書き換えられてしまうのを防止する。
また、主電源77(図11)から払出制御基板60へ供給されている電源電圧が、払出制御基板下降検出電圧Vdhに低下すると、払出制御用MPU61においてNMI信号が生成される。このNMI信号が生成されると、払出制御用CPU62は、払出制御用RAM64に対するアクセスレジスタにアクセス禁止を設定する(S300)。つまり、払出制御用RAM64へのアクセスを禁止することにより、払出制御用RAM64に記憶されている賞球および貸球の未払い数などの遊技者の利益に関係する各種のデータが書き換えられてしまうのを防止する。
このNMI割込み処理は、他の割込み処理よりも最優先で実行される。また、パチンコ機1は、主電源77の電圧低下が停電によるものである場合は、電源が復旧すると、主制御用RAM54および払出制御用RAM64に記憶されているデータに基づき、停電時の遊技状態から遊技を再開する。
[第1実施形態の効果]
(1)上述したように、第1実施形態のパチンコシステム200を使用すれば、パチンコ機1の電源を立ち上げたときに主制御用RAM54に記憶されている確変大当り判定の結果を自動的に消去することができるため、確変大当り判定の結果を消去するための作業効率を良くすることができる。
しかも、確変大当り判定の結果として肯定判定の結果が記憶されているパチンコ機1のみ確変大当り判定の結果を消去することができるため、パチンコシステム200における処理負担および消費電力を軽減することもできる。
(2)また、現在時刻tが当該パチンコシステムが設置されたパチンコホールの閉店時刻t1よりも遅く、かつ、開店時刻t2よりも早い時刻である場合に限って、主制御用RAM54に記憶されている確変大当り判定の結果を消去するため、営業中に停電し、電源が復旧したときに主制御用RAM54に記憶されている確変大当り判定の結果を誤って消去するおそれがない。
(3)さらに、主制御用RAM54に確変大当り判定の結果として肯定判定の結果が記憶されていることを報知するとともに、肯定判定の結果が消去されたことを個別報知LED76jによって報知することができる。
したがって、確変大当り判定の結果として肯定判定の結果が主制御用RAM54に記憶されているパチンコ機1を容易に探し出すことができるとともに、確変大当り判定の結果が消去されたか否かを容易に認識することもできる。
(4)さらに、パチンコ機1の背面に設けられた外部端子板503と、パチンコ機1を並べて設置するための設置部材301に設けられた接続端子302とを電気的に接続すれば、パチンコ機1とホールコンピュータ800とを電気的に接続することができる。
〈第2実施形態〉
この発明の第2実施形態に係るパチンコシステムについて図を参照して説明する。
図30は、この実施形態に係るパチンコシステム200の構成を示す説明図である。
この実施形態のパチンコシステム200は、ホールコンピュータ800に備えられたクリア信号出力回路801からパチンコ機1へ消去信号を送信して主制御用RAM54に記憶されている確変大当り判定の結果を消去することができることを特徴とする。
ホールコンピュータ800には、クリア信号出力回路801が備えられている。各パチンコ機1には、第1実施形態において説明したクリア信号出力回路76dは備えられていない。また、クリア信号出力回路801と、各パチンコ機1に備えられた主制御用CPU52とが電気的に接続されている。
ホールコンピュータ800は、主制御用CPU52が前述した確変大当り判定結果送信処理のS2(図18)において送信した確変大当りの判定結果を受信する。続いて、ホールコンピュータ800は、現在時刻tが、パチンコシステム200が設置されたパチンコホールの閉店時刻t1よりも遅く、かつ、開店時刻t2よりも早い時刻であるか否か、つまり、t=t1〜t2であるか否かを判定する。
そして、ホールコンピュータ800は、現在時刻がtがt1〜t2であると判定した場合に、先に受信した確変大当り判定の結果が肯定判定の結果であるか否かを判定し、肯定判定の結果であると判定した場合は、その肯定判定の結果と一緒に送信されてきた台番号に対応するパチンコ機1へ、クリア信号出力回路801から消去信号を送信する。
[第2実施形態の効果]
上述したように、第2実施形態のパチンコシステム200を使用すれば、パチンコ機1の電源を立ち上げたときに主制御用RAM54に記憶されている確変大当り判定の結果を自動的に消去することができるため、確変大当り判定の結果を消去するための作業効率を良くすることができる。
しかも、確変大当り判定の結果として肯定判定の結果が記憶されているパチンコ機1のみ確変大当り判定の結果を消去することができるため、パチンコシステム200における処理負担および消費電力を軽減することもできる。
また、主制御用RAM54に記憶されている確変大当り判定の結果を消去するクリア信号出力回路76dを各パチンコ機1に設ける必要がないため、パチンコシステム200の製造コストを低減することができる。
さらに、現在時刻tが当該パチンコシステム200が設置されたパチンコホールの閉店時刻t1よりも遅く、かつ、開店時刻t2よりも早い時刻である場合に限って、主制御用RAM54に記憶されている確変大当り判定の結果を消去するため、営業中に停電し、電源が復旧したときに主制御用RAM54に記憶されている確変大当り判定の結果を誤って消去するおそれがない。
1・・パチンコ機(遊技機)、4a・・発射ハンドル(発射装置)、
5・・遊技盤、17・・左袖上入賞口(入賞口)、21・・第1始動口(始動口)、
22・・第2始動口(始動口)、24・・第1変動入賞装置、
24a・・第1大入賞口(大入賞口)、25・・第2変動入賞装置、
25a・・第2大入賞口(大入賞口)、30・・演出表示器(画像表示装置)、
38・・賞球払出装置、52・・主制御用CPU(CPU)、
54・・主制御用RAM(記憶手段)、64・・払出制御用RAM(記憶手段)、
76d・・クリア信号出力回路(消去手段)、
76j・・個別報知LED(報知装置)、200・・パチンコシステム、
800・・ホールコンピュータ、801・・クリア信号出力回路(遠隔消去手段)。

Claims (3)

  1. 遊技球の流下領域が形成された遊技盤と、
    前記流下領域へ遊技球を発射する発射装置と、
    前記遊技盤に設けられた始動口および入賞口と、
    前記遊技盤に設けられており、遊技球が入賞する領域が前記入賞口よりも大きい大入賞口を有する変動入賞装置と、
    前記発射装置により発射された遊技球が前記始動口、入賞口および大入賞口のいずれかに入賞したときに所定数の遊技球を賞球として払出す賞球払出装置と、
    前記発射装置により発射された遊技球が前記始動口に入賞したときに大当りかハズレかの判定を行うCPUと、
    前記発射装置により発射された遊技球が前記始動口を通過したときに、複数の画像を配列して成る画像列の変動表示を複数の表示領域においてそれぞれ開始し、その開始から所定時間経過後に前記CPUの判定結果に対応する画像を各表示領域において確定表示する画像表示装置と、を備えており、
    前記変動入賞装置は、前記CPUの判定結果が大当りであり、その大当りに対応する画像を前記画像表示装置が確定表示した場合に前記大入賞口を所定回数開閉するように構成されており、
    前記CPUは、判定結果が大当りであった場合に、その大当りに基いて前記大入賞口が所定回数開閉した後の遊技状態が、前記大当りかハズレかの判定において大当りと判定する確率の高い遊技状態に変化するか否かの判定(以下、この判定を確変大当り判定という)を行うように構成されたパチンコ機が複数台備えられており、
    前記複数台のパチンコ機と通信を行うホールコンピュータが備えられたパチンコシステムにおいて、
    前記複数台のパチンコ機には、
    パチンコ機に供給されている電源が遮断された場合であっても当該パチンコ機に設けられた前記CPUによる確変大当り判定の結果を記憶保持する記憶手段と、
    当該パチンコ機の電源が立ち上がったときに前記記憶手段に記憶されている前記確変大当り判定の結果を前記ホールコンピュータへ送信する判定結果送信手段と、
    前記ホールコンピュータから送信される消去指令を受信したときに前記記憶手段に消去信号を出力することにより、前記記憶手段に記憶されている前記確変大当り判定の結果を消去する消去手段と、がそれぞれ備えられており、
    前記ホールコンピュータには、
    現在時刻が当該パチンコシステムが設置されたパチンコホールの閉店時刻よりも遅く、かつ、開店時刻よりも早い時刻であるか否かを判定する現在時刻判定手段と、
    前記複数台のパチンコ機に備えられた各送信手段によって送信される前記確変大当り判定の結果を受信する受信手段と、
    前記受信手段により受信された確変大当り判定の結果が肯定判定の結果を示すものであるか否かを判定する受信結果判定手段と、
    前記現在時刻判定手段および受信結果判定手段が共に肯定判定した場合に、前記受信結果判定手段が肯定判定をする原因となった確変大当り判定の結果を送信してきたパチンコ機へ前記消去指令を送信する消去指令送信手段と、が備えられたことを特徴とするパチンコシステム。
  2. 遊技球の流下領域が形成された遊技盤と、
    前記流下領域へ遊技球を発射する発射装置と、
    前記遊技盤に設けられた始動口および入賞口と、
    前記遊技盤に設けられており、遊技球が入賞する領域が前記入賞口よりも大きい大入賞口を有する変動入賞装置と、
    前記発射装置により発射された遊技球が前記始動口、入賞口および大入賞口のいずれかに入賞したときに所定数の遊技球を賞球として払出す賞球払出装置と、
    前記発射装置により発射された遊技球が前記始動口に入賞したときに大当りかハズレかの判定を行うCPUと、
    前記発射装置により発射された遊技球が前記始動口を通過したときに、複数の画像を配列して成る画像列の変動表示を複数の表示領域においてそれぞれ開始し、その開始から所定時間経過後に前記CPUの判定結果に対応する画像を各表示領域において確定表示する画像表示装置と、を備えており、
    前記変動入賞装置は、前記CPUの判定結果が大当りであり、その大当りに対応する画像を前記画像表示装置が確定表示した場合に前記大入賞口を所定回数開閉するように構成されており、
    前記CPUは、判定結果が大当りであった場合に、その大当りに基いて前記大入賞口が所定回数開閉した後の遊技状態が、前記大当りかハズレかの判定において大当りと判定する確率の高い遊技状態に変化するか否かの判定(以下、この判定を確変大当り判定という)を行うように構成されたパチンコ機が複数台備えられており、
    前記複数台のパチンコ機と通信を行うホールコンピュータが備えられたパチンコシステムにおいて、
    前記複数台のパチンコ機には、
    パチンコ機に供給されている電源が遮断された場合であっても当該パチンコ機に設けられた前記CPUによる確変大当り判定の結果を記憶保持するとともに、前記ホールコンピュータから送信される消去信号によって前記確変大当りの判定結果が消去される記憶手段と、
    当該パチンコ機の電源が立ち上がったときに前記記憶手段に記憶されている前記確変大当り判定の結果を前記ホールコンピュータへ送信する判定結果送信手段と、がそれぞれ備えられており、
    前記ホールコンピュータには、
    現在時刻が当該パチンコシステムが設置されたパチンコホールの閉店時刻よりも遅く、かつ、開店時刻よりも早い時刻であるか否かを判定する現在時刻判定手段と、
    前記複数台のパチンコ機に備えられた各送信手段によって送信される前記確変大当り判定の結果を受信する受信手段と、
    前記受信手段により受信された確変大当り判定の結果が肯定判定の結果を示すものであるか否かを判定する受信結果判定手段と、
    前記現在時刻判定手段および受信結果判定手段が共に肯定判定した場合に、前記受信結果判定手段が肯定判定をする原因となった確変大当り判定の結果を送信してきたパチンコ機へ前記消去信号を送信し、そのパチンコ機に備えられた記憶手段に記憶されている確変大当りの判定結果を消去する遠隔消去手段と、が備えられたことを特徴とするパチンコシステム。
  3. 前記記憶手段に前記確変大当り判定の結果として肯定判定の結果が記憶されていることを報知するとともに、前記肯定判定の結果が消去されたことを報知する報知装置が各パチンコ機の前面にそれぞれ備えられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のパチンコシステム。
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