JP5660354B1 - 水中作業システム及び水中作業方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】重機のアーム先端に取り付けた施工機具を用いて、水中作業を高精度で効率よく行う水中作業システムを提供する。【解決手段】水中作業システム10は、傾斜測定手段72で測定した回収ヘッド12の傾斜角度に基づき、外部制御装置74により、重機14のバケットシリンダ14bを制御して、回収ヘッド12を水平な状態に調整する。又、これと並行して、運転支援手段42の台船位置表示システム46と施工機具位置表示システム50とにより、重機14及び回収ヘッド12の位置を三次元データとして把握し、作業者に対してその位置をリアルタイムで表示する。これにより、外部制御装置74によって回収ヘッド12を水平に維持した状態で、作業者が、回収ヘッド12を、水底GLからの高さを一定にして水底GLに沿って移動させる操作に専念することができるため、浮泥の回収作業の精度及び効率を向上できる。【選択図】図1

Description

本発明は、水中作業システム及び水中作業方法に関するものである。
例えば、重金属、ダイオキシン類等の有害物質や放射性物質で汚染された懸濁物質は、閉鎖性水域に流入すると、水中を沈降して水底に広く薄く堆積する。この結果、水底土砂の表層が、有害物質や放射性物質等で高濃度に汚染される。又、閉鎖性水域では、生息する水生生物の死骸や排泄物等の有機物が、水底土砂の表面に堆積し、水域環境を悪化させることがある。このような水底土砂に堆積した有害物質、放射性物質、或いは、有機物等を、バックホウを搭載した浚渫船により、水底土砂から除去する方法が開示されている(例えば、特許文献1、2参照)。
特開2008−208529号公報 特開2007−308904号公報
ここで、上述したような水底土砂に堆積した有害物質、放射性物質、或いは、有機物等を、水底土砂から除去する場合は、除去物処分量の抑制の観点から、高濃度に濃縮した表層部を、薄層で水平に取り除くことが求められる。しかしながら、特許文献1の発明では、バックホウの旋回に伴い船体の重心が移動し、バックホウのバケットが移動した方向に船体が沈み込むため、バックホウの操縦者の制御により、表層部を薄層で水平に取り除くようにバケットを移動させることは、極めて困難であると思料される。一方、特許文献2の発明は、バックホウのアーム先端のグラブバケットを、自動制御により刃先の高さを一定にして閉じることができるため、表層部を薄層で水平に取り除くことができる。しかしながら、グラブバケットを閉じる度に水面上に揚げて、バケット内の堆積物を放出する必要があるため、連続して除去作業を行うことができず、効率的に作業を行うことが困難である。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、重機のアーム先端に取り付けた施工機具を用いて、水中作業を高精度で効率よく行うことにある。
(発明の態様)
以下の発明の態様は、本発明の構成を例示するものであり、本発明の多様な構成の理解を容易にするために、項別けして説明するものである。各項は、本発明の技術的範囲を限定するものではなく、発明を実施するための最良の形態を参酌しつつ、各項の構成要素の一部を置換し、削除し、又は、更に他の構成要素を付加したものについても、本願発明の技術的範囲に含まれ得るものである。
(1)重機のアーム先端に取り付けた施工機具を用いて水中作業を行うシステムであって、施工機具と、該施工機具を着脱可能に保持する重機と、前記施工機具に設置される傾斜測定手段と、該傾斜測定手段の測定結果に基づき、前記施工機具の姿勢制御に係る前記重機のアクチュエータを制御する外部制御装置と、前記施工機具の水底からの高さを一定にして、水底に沿って施工機具を移動させるための運転支援手段とを含む水中作業システム(請求項1)。
本項に記載の水中作業システムは、例えば、後述する回収ヘッドや水平均し手段等の施工機具を、船上や陸上にある重機のアーム先端に取り付け、重機により施工機具を水中で移動させることで、水中作業を行うものである。外部制御装置は、傾斜測定手段により測定される施工機具の傾斜角度に基づいて、重機の複数のアクチュエータのうち、施工機具の姿勢制御に係るアクチュエータを制御することで、施工機具を、例えば、水平な状態に調整するものである。又、運転支援手段は、施工機具の水底からの高さを一定にして、水底に沿って施工機具を移動させることができるような情報を、作業者に提供するものであり、例えば、施工機具や重機の位置を三次元データとして把握し、作業者に対してその位置をリアルタイムで知らせるものである。
従って、本水中作業システムは、水中作業を行う際の複数の重機制御のうち、施工機具の姿勢制御を外部制御装置により行うものであるため、重機を操縦する作業者の負担を軽減し、水中作業の施工精度及び施工能力を向上させるものである。又、施工機具の姿勢制御のみを、外部制御装置により行うものであるため、例えば、水中作業を行う際の全ての重機制御を、外部から制御する場合と比較して、システム構成が単純であり、設備コストの増加を抑制するものである。
なお、施工機具を着脱可能に保持する重機については、保持した施工機具の姿勢を一定(例えば水平一定状態)に維持したまま、任意の三次元方向へと移動させることが可能な、汎用重機を用いることができる。
(2)上記(1)項において、前記重機がバックホウ、前記アクチュエータがバケットシリンダであり、該バケットシリンダに接続されている、前記バックホウの運転台からの制御に係る油圧配管から、前記外部制御装置へ接続される外部油圧配管が分岐している水中作業システム(請求項2)。
本項に記載の水中作業システムは、施工機具がバックホウのアーム先端に取り付けられ、又、外部制御装置により、バックホウのバケットシリンダの油圧制御を行うものである。バケットシリンダには、バックホウの運転台からの制御のために接続されている油圧配管から分岐して、外部制御装置に接続された外部油圧配管が接続される。すなわち、バケットシリンダは、バックホウの運転台からの制御と外部制御装置による制御との、2通りの制御が可能な状態であり、必要に応じて適宜、制御手段が切り替えられるものである。そして、外部制御装置は、バケットシリンダを制御する際、施工機具の傾斜角度に基づき、施工機具を目的とする姿勢(例えば水平状態)にするための油量等を算出し、必要な油量をバケットシリンダに送ることで、施工機具を目的とする姿勢になるように制御する。このように、本水中作業システムは、複雑な油圧制御システムを構築することなく、水中作業の施工精度及び施工能力の向上を図るものである。又、本水中作業システムは、バックホウに標準に搭載されているバケットシリンダを活用して、施工機具の姿勢を制御するものであるため、専用の重機を必要とせず、汎用のバックホウを利用するものである。
(3)上記(1)(2)項において、前記施工機具が浮泥を回収する回収ヘッドであって、該回収ヘッドは、少なくとも浮泥回収方向前側の側面に開口し、回収ヘッド内部に浮泥を取り込む掻き込み口と、掻き込み口から掻き込まれた浮泥を回収ヘッド外部へと吸引する吸引口とを備えるケーシングを備え、該ケーシングには、前記掻き込み口を介して前記ケーシング内部へと浮泥を掻き込む掻き込み手段と、ケーシング内部に掻き込まれた浮泥を前記吸引口へと案内する案内手段とを含み、前記回収ヘッドが、対向する二方向の浮泥回収方向の各々に対して浮泥を回収可能となるように、前記重機に装着されている水中作業システム(請求項3)。
本項に記載の水中作業システムは、施工機具である回収ヘッドの、少なくとも浮泥回収方向前側の側面に開口する掻き込み口から、水と共に浮泥を回収ヘッド内部へと取り込むものである。この際、掻き込み手段によって、浮泥を回収ヘッド内部へと強制的に掻き込み、ケーシングの吸引口から、回収ヘッド外部へと浮泥を吸引することで、浮泥を回収するものである。又、掻き込み手段によってケーシング内部に掻き込まれた浮泥を、案内手段によって吸引口へと案内することで、ケーシング内部に掻き込まれた浮泥の回収を促すものである。しかも、回収ヘッドが、対向する二方向の浮泥回収方向の各々に対して浮泥を回収可能となるように、重機に装着されていることから、重機によって対向する二方向に回収ヘッドを往復移動させる間、回収ヘッドにより連続して浮泥の回収を行うものである。更に、運転支援手段により、水底からの高さを一定にして水底に沿って施工機具を移動させるための情報を提供しながら、外部制御装置により回収ヘッドの掻き込み口を水平に保持した状態で、連続的に浚渫するものであるため、高い精度で薄層浚渫を行うものであると供に、効果的に浚渫を行うものである。
(4)上記(3)項において、前記回収ヘッドの前記重機に対する装着部分は、回転機構を備える水中作業システム。
本項に記載の水中作業システムは、回収ヘッドの対向する二方向への往復動作のうち、一方向の動作に際しては、移動方向前方から、掻き込み口、掻き込み手段、案内手段の順で並ぶように、回収ヘッドの重機に対する装着部分に設けられた回転機構によって、回収ヘッドを回転させ、位置決めする。そして、一方向へと回収ヘッドが移動する間、掻き込み手段と案内手段とによって、回収ヘッドの掻き込み口から、水と共に浮泥を回収ヘッド内部へと取り込み、浮泥を回収する。当該一方向の動作を終了した時点で、回転機構を動作させて、回収ヘッドを対向するもう一方の方向に対して、移動方向前方から掻き込み口、掻き込み手段、案内手段の順で並ぶように、回収ヘッドを回転させる。そして、対向するもう一方の方向へと回収ヘッドが移動する間、同様に、掻き込み手段と案内手段とによって、回収ヘッドの掻き込み口から、水と共に浮泥を回収ヘッド内部へと取り込み、浮泥を回収する作業を繰り返すものである。
(5)上記(3)(4)項において、前記掻き込み手段は、複数のパドルが螺旋状かつ不連続に配置されたパドルシャフトであり、前記案内手段は螺旋状に連続する案内板を有するスクリューコンベアであり、各々、独立した駆動手段を備える水中作業システム。
本項に記載の水中作業システムは、複数のパドルが螺旋状かつ不連続に配置されたパドルシャフトであることから、これを回転させて水と共に浮泥を掻きこむ際、不連続に配置されたパドルが受ける抵抗は小さくなる。このため、パドルシャフトの回転に伴う動圧抵抗が小さくなり、パドルシャフトの駆動に必要なトルクも小さく抑えられる。そして、パドルシャフトの強度、パドルシャフトの駆動手段の出力、ケーシングの強度を低く抑えることで、回収ヘッドの小型軽量化が図られる。なお、不連続に配置されたパドルにより構成される螺旋の条数は、基本的には一条で足りるが、この数を増やすこととすれば、浮泥をより多く掻き込みできる。一方、パドルにより構成される螺旋の条数を増やすと、パドルシャフトを回転させるための、駆動トルクの増大を来たすことから、諸条件を勘案して螺旋の条数を定めることとする。
又、案内手段は螺旋状に連続する案内板を有するスクリューコンベアであるが、案内手段はケーシング内部に掻き込まれた浮泥を吸引口へと案内するものであることから、スクリューコンベヤの回転に伴う同圧抵抗は元々小さく、スクリューコンベヤの駆動手段の出力は低く抑えられる。
そして、パドルシャフト及びスクリューコンベヤの各々に独立した駆動手段を備えることで、各駆動手段の動力負担を抑え、動力手段の小型化が図られる。
(6)上記(5)項において、前記パドルシャフトは、異なる形状のパドルを着脱可能に構成されている水中作業システム。
本項に記載の水中作業システムは、施工場所における、浮泥、固結土、植物の根が張った土である等の性状に応じて、パドルシャフトのパドルを、最適形状のパドルへと適宜交換するものである。そして、施工場所の性状の如何に関わらず、掻き込み手段によりケーシング内部へと、浮泥を効率的に掻き込むものである。
(7)上記(3)から(6)項において、前記ケーシングには、前記ケーシングの後方に生じる濁りを抑え、前記吸引口へと向う水流を形成するためのカバーを備える水中作業システム。
本項に記載の水中作業システムは、回収ヘッドを移動させて、掻き込み口から水と共に浮泥を回収ヘッド内部へと取り込む際に、ケーシングの後方に生じる濁りの発生をカバーによって抑え、濁りが拡散することを防ぐものである。又、カバーによって、ケーシングの後方の濁りを吸引口へと向うように水流を形成することでも、濁りが拡散することを防ぐものである。更に、サブケーシングの壁部に開口を設けることで、カバーとサブケーシングとの間に発生する濁りを、開口を介して吸引口へと流すものである。従って、浮泥と濁りとの双方を、吸引口から効率よく回収するものとなる。
(8)上記(3)から(7)項において、前記重機と、前記回収ヘッドの前記ケーシングに設けられた前記吸引口から浮泥を吸引するためのポンプとが、台船に搭載されている水中作業システム。
本項に記載の水中作業システムは、回収ヘッドのケーシングに設けられた吸引口から浮泥を吸引するためのポンプが、重機と共に台船に搭載されることで、回収ヘッドの重量の増大を回避するものである。そして、台船に搭載した重機により、水底から所定の高さに保持した回収ヘッドを、対向する二方向への往復動作させる間、台船上のポンプによって、連続して浮泥の回収を行うものである。更に、浮泥の回収作業の進行に併せて台船を移動させ、広範囲に渡る浮泥の回収を行うものである。又、上記(7)項に記載したように、サブケーシングの壁部に開口を設けることとすれば、カバーとサブケーシングとの間に発生する濁りを、台船に搭載されたポンプの吸引力を利用して、開口を介して吸引口へと流すものとなるため、濁りを吸引口へと導くための専用のポンプを必要とせず、コストの増加を抑制するものとなる。
(9)上記(1)(2)項において、前記施工機具が水平均し手段である水中作業システム(請求項4)。
本項に記載の水中作業システムは、施工機具として、排土板等の水平均し手段を用いることで、水平均し手段を、外部制御装置により水平に維持した状態で、水底から一定の高さで水底に沿って移動させるものとなるため、施工後の仕上がり面を水平に均す必要がある水中土木作業を、高精度で効率よく行うものである。
(10)上記(1)から(9)項の水中作業システムを用いる水中作業方法であって、前記傾斜測定手段により前記施工機具の傾斜を常時測定し、測定結果に基づいて、前記外部制御装置により、前記施工機具の姿勢を制御すると供に、前記運転支援手段を利用しながら作業者により前記重機を操縦して、水底からの高さを一定にして前記施工機具を移動させる水中作業方法(請求項5)。
本項に記載の水中作業方法は、傾斜測定手段により施工機具の傾斜を常時測定し、この測定結果に基づいて、外部制御装置により、施工機具の姿勢を、例えば水平になるように制御する。又、これと並行して、運転支援手段により表示される情報を確認しながら、作業者が重機を操縦して、水底からの高さを一定にして水底に沿って施工機具を移動させる。従って、外部制御装置により施工機具を目的とする姿勢に維持した状態で、重機を操縦する作業者が、施工機具の姿勢制御に気を取られることなく、運転支援手段を利用して、施工機具の位置調整に専念することとなるため、水中作業の精度及び効率を高めるものとなる。
(11)上記(10)項において、前記回収ヘッドを水底の上方の所定高さで、水底に沿って対向する二方向に交互に移動させ、この際、移動方向前方に対し、前記掻き込み口、前記掻き込み手段及び前記案内手段の順で並ぶように回収ヘッドの向きを設定して、浮泥を回収する水中作業方法(請求項6)。
本項に記載の水中作業方法は、重機によって、対向する二方向に回収ヘッドを移動させることで、対向する二方向への往復動作の間、回収ヘッドにより連続して浮泥の回収を行う。この際、回収ヘッドの移動方向前方に対し、掻き込み口、掻き込み手段及び案内手段の順で並ぶように回収ヘッドの向きを設定して、対向する二方向の浮泥回収方向の各々に対して、浮泥を回収するものである。
(12)上記(11)項において、水底の性状に応じて異なる形状のパドルを前記掻き込み手段に装着して、浮泥を回収する水中作業方法。
本項に記載の水中作業方法は、施工場所における、浮泥、固結土、植物の根が張った土である等の性状に応じたパドルを、掻き込み手段に装着することで、施工場所の性状の如何に関わらず、ケーシング内部へと浮泥を、効率的に掻き込むものである。
本発明はこのように構成したので、重機のアーム先端に取り付けた施工機具を用いて、水中作業を高精度で効率よく行うことが可能となる。
本発明の実施の形態に係る水中作業システムの、全体構成を示す模式図である。 図1に示したバックホウの、バケットシリンダの油圧配管の接続状態を示す概略図である。 図1に示した水中作業システムの、回収ヘッドを示すものであり、(a)は側面図、(b)は裏面図である。 図3に示した回収ヘッドの、(a)は平面図、(b)は正面図である。 図1に示した水中作業システムを利用する、本発明の実施の形態に係る水中作業方法の手順を、簡易的に示すフロー図である。 図1に示した水中作業システムにより、浚渫作業を行う様子を示すイメージ図である。
以下、本発明を実施するための形態を、添付図面に基づき説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る水中作業システム10の構成を示している。図示のように、水中作業システム10は、水中作業に用いる施工機具70と、施工機具70を着脱可能に保持する重機14と、施工機具70の傾斜を測定する傾斜測定手段72とを含むものである。
図1の例では、施工機具70を保持する重機14には、バックホウが用いられており、バックホウのアーム14aに、施工機具70として、浮泥M(図3(a)にのみ示す)を回収する回収ヘッド12が着脱可能に装着されている。又、重機14は台船16に搭載されており、後述のごとく回収ヘッド12から浮泥Mを吸引、回収するためのポンプ18についても、台船16上に配置されている。なお、図示の重機14は、バックホウの旋回台を台船16に直接的に据付けたものであるが、適宜、クローラを備える汎用のバックホウを、台船16上に載置、固定して用いることとしても良い。又、傾斜測定手段72には、水中で回収ヘッド12の傾斜を測定可能な、様々な傾斜計が利用される。
更に、水中作業システム10は、傾斜測定手段72により測定した施工機具70の傾斜角度に基づいて、施工機具70の姿勢を制御する外部制御装置74を含んでいる。外部制御装置74は、各種のコンピュータや油圧制御手段により構成されるものであり、傾斜測定手段72から施工機具70の傾斜角度データを取得できる。又、外部制御装置74から延びる外部油圧配管82、82が、施工機具70の姿勢制御に係る重機14のアクチュエータ76(図1の例ではバックホウのバケットシリンダ14b)に接続されている。より詳しくは、図2に示すように、外部油圧配管82、82は、バケットシリンダ14bに標準で接続されている、バックホウの運転台からの制御のための油圧配管84、84から、各々、分岐管78を介して分岐され、油圧制御弁80を介して接続されている。すなわち、バケットシリンダ14bには、バックホウの運転台からの制御に係る標準の油圧系統と、外部制御装置74からの制御に係る油圧系統とが接続されている。
又、本発明の実施の形態に係る水中作業システム10は、図1に示すように、施工機具70の水底GLからの高さを一定にして、水底に沿って施工機具70を移動させるための、運転支援手段42を備えている。図1の例では、運転支援手段42として、重機14を搭載する台船16の位置を、台船上管理室44に三次元座標系で表示するための、台船位置表示システム46と、重機14に装着された施工機具70の位置を、重機14の運転台48に三次元座標系で表示するための、施工機具位置表示システム50とを備えている。
台船位置表示システム46は、GPS52、台船16に設けられた喫水計54、重機14のアーム14aの先端部等に装着された音響測定器56、地上に設置された潮位伝送器からの情報を受ける潮位計58等の情報を適宜利用して、台船16の位置を割り出し、表示するものである。又、施工機具位置表示システム50は、GPS52、重機14のアーム14aの適所に配置した傾斜計60等の情報や、台船位置表示システム46と相互通信を行って得られる台船位置情報等を適宜利用して、施工機具70の位置を割り出し、表示するものである。なお、台船位置表示システム46や施工機具位置表示システム50に、計画された施工位置(平面方向の範囲、深度等)を予め入力しておき、台船位置表示システム46により、台船16を計画範囲に誘導する情報を表示し、施工機具位置表示システム50により、施工機具70を計画高さPL(図3(a)参照)の計画位置に誘導する情報を表示してもよい。
続いて、図1の水中作業システム10において、施工機具70として用いられている回収ヘッド12について、詳細に説明する。回収ヘッド12は、図3、図4に示されるように、ケーシング20を備えている。このケーシング20は、全体的には直方体の箱状をなし、少なくとも浮泥回収方向前側の側面に開口し、回収ヘッド12内部に浮泥Mを取り込むための、掻き込み口20aが形成されている。又、ケーシング20には、掻き込み口20aから掻き込まれた浮泥Mを、回収ヘッド12の外部へと吸引するための吸引口20bが、浮泥回収方向の後側に形成されている。図示の例では、ケーシング20の後方壁面から、サブケーシング20cが後方へと突出しており、このサブケーシング20cに吸引口20bが開口している。
そして、ケーシング20の内部には、掻き込み手段22と、案内手段24とが配置されている。掻き込み手段22は、掻き込み口20aを介してケーシング20の内部へと浮泥Mを掻き込むためのものであり、掻き込み口20aの近くに配置されている。一方、案内手段24は、ケーシング内部に掻き込まれた浮泥Mを吸引口20bへと案内するものであり、吸引口20bの近くに配置されている。なお、図示の例では、掻き込み口20aは、浮泥回収方向前側の側面からケーシング20の底面にまで広がっている。そして、ケーシング20の底面には、必要に応じて案内手段24の近傍付近から後方へと延び、更にサブケーシング20cの底面を覆うようにして、平板状の底板20d(図3(a)参照)を設けることとしても良い(なお、図3(b)では、便宜上、底板20dの図示を省略している。)。
本実施の形態における掻き込み手段22は、複数のパドル22aが螺旋状かつ不連続に配置されたパドルシャフトが用いられ、その両端部がケーシング20に軸支されたものである。このパドルシャフトは、パドル22aを、必要に応じて異なる形状のものと交換できるよう、着脱可能に構成されている。パドル22aの着脱構造は、ボルト止め等適切な手段によるものである。又、案内手段24には、螺旋状に連続する案内板24aを有するスクリューコンベアが用いられ、その両端部がケーシング20に軸支されたものである。又、案内板24aの螺旋は、吸引口20bへ向けて浮泥Mを案内することが可能な方向に形成されている。図示の例では、案内手段24の全長の中央部分が、吸引口20bに最も近い位置にあることから、案内板24aの螺旋も、案内手段24の全長の中央部分を基準として対称形をなしている。そして、案内手段24が回転することで、案内手段24の両端から中央部分へと浮泥を案内し、吸引口20bへと浮泥を集めるものである。
更に、掻き込み手段22及び案内手段24は、各々、独立した駆動手段26、26を備えている。これらの駆動手段26、26は、図示の例では油圧モータが用いられている。又、図示の例では、駆動手段26、26は、掻き込み手段22及び案内手段24の軸線と同軸に配置されるのではなく、ケーシング20の上方にオフセットするように配置されている。そして、駆動手段26、26は、ベルト、チェーン、ギヤ等の動力伝達機構28、28を介して、掻き込み手段22及び案内手段24の一端部に動力を伝達するように構成されている。この構成により、回収ヘッド12の平面視(図4(a))で、ケーシング20の巾方向に駆動手段26、26が突出する突出量を抑える。そして、駆動手段26、26によって水底GL近傍の水流が乱れることにより、水底GL近くに浮遊する浮泥M(図3(a)参照)を巻き上げてしまうことを、防ぐものである。
又、回収ヘッド12の重機14に対する装着部分は、垂直軸周りに回転する回転機構30を備えている。図示の例では、回転機構30は、回収ヘッド12のケーシング20に固定されたブラケット32と、重機14に装着されるアタッチメント34との間に配置されている。そして、油圧シリンダ36を動力源として、鉛直軸C周りに回転可能な軸受により、アタッチメント34に対してブラケット32を、180°の範囲で水平回転させるものである。この回転機構30によって、回収ヘッド12が、対向する二方向の浮泥回収方向の各々に対して、浮泥Mを回収可能となるように、重機14に装着された状態となっている。
更に、回収ヘッド12には、カバー38が設けられている。このカバー38は、浮泥Mの回収作業時に、ケーシング20の後方に生じる濁りmの発生を抑え、吸引口20bへと向う水流を形成するためのものである。図示の例では、カバー38はケーシング20の浮泥回収方向後側を囲むように、帯状の金属板を固定してなるものである。又、図示の例では、カバー38と、サブケーシング20cとの間に発生する濁りmを、吸引口20bへと流すための開口20e(図3(a)参照)が、サブケーシング20cの壁部に形成されている。
図中、サブケーシング20cに連結された配管40は、吸引口20bと台船16上に配置されたポンプ18とを連結するベント管である。又、配管40とポンプ18とは、フレキシブルホース等を介して接続されている。
次に、上述した水中作業システム10を用いて実行される、本発明の実施の形態に係る水中作業方法について、図5に示すフロー図の流れに沿って概略的に説明する。なお、水中作業システム10の構成については、適宜、図1を参照されたい。
S10(作業開始):施工準備完了後に、水中作業を開始する。図1の水中作業システム10の場合は、重機14(バックホウ)に装着された施工機具70としての回収ヘッド12を、水中に沈めた状態で、バックホウの旋回動作を開始して、水底GLから所定高さの計画高さPLの位置にある浮泥M(図3(a)参照)の回収作業を開始する。
ここで、本水中作業方法は、回収ヘッド12の姿勢制御に係る処理手順S20〜S50と、回収ヘッド12の深度及び平面方向の位置制御に係る処理手順S60〜S80とを、並行して行うものであることに留意されたい。
S20(回収ヘッドの傾斜測定):傾斜測定手段72により、回収ヘッド12の傾斜角度をリアルタイムで測定する。測定したデータは、外部制御装置74に送信される。
S30(傾斜角度判定):外部制御装置74により、回収ヘッド12の傾斜角度が0度であるか否か、換言すれば、回収ヘッド12が水平であるか否かを判定する。そして、回収ヘッド12の傾斜角度が0度である場合(YES)は、S20へ復帰する。すなわち、回収ヘッド12が水平に維持されている間は、回収ヘッド12の傾斜角度の監視を続けながら、回収ヘッド12の姿勢制御は行わずに、浮泥Mの回収作業を続行する。一方、回収ヘッド12の傾斜角度が0度でない場合(NO)は、S40へ移行する。
S40(演算・制御信号送信):外部制御装置74を構成するコンピュータ等により、回収ヘッド12の傾斜角度に基づいて、回収ヘッド12を水平状態にするために必要な油量等を算出する。そして、外部制御装置74を構成する油圧制御手段等に対して、算出した油量をバケットシリンダ14bに送るための制御信号を送信する。
S50(バケットシリンダ制御):外部制御装置74を構成する油圧制御手段から、外部油圧配管82、82を介して、回収ヘッド12を水平状態にするために必要な油量をバケットシリンダ14bに送り、回収ヘッド12が水平になるようにバケットシリンダ14bを制御する。これにより、回収ヘッド12の姿勢制御を行い、回収ヘッド12を水平な状態にする。
S60(回収ヘッドの位置測定):運転支援手段42により、回収ヘッド12の深度及び平面方向の位置をリアルタイムで測定する。そして、測定したデータに基づいて、運転支援手段42の台船位置表示システム46により、重機14を搭載した台船16の位置及び誘導情報を、台船上管理室44に表示すると供に、運転支援手段42の施工機具位置表示システム50により、重機14に装着された回収ヘッド12の位置及び誘導情報を、重機14の運転台48に表示する。
S70(回収ヘッドの位置判定):重機14を操縦する作業者により、施工機具位置表示システム50に表示される回収ヘッド12の位置及び誘導情報を確認し、回収ヘッド12が誘導位置(計画高さPL、計画した平面方向の位置)にあるか否かを判定する。そして、回収ヘッド12が誘導位置にある場合(YES)は、S60へ復帰する。すなわち、回収ヘッド12が施工の計画位置にある間は、作業者による回収ヘッド12の位置監視を続けながら、回収ヘッド12の位置制御は行わずに、浮泥Mの回収作業を続行する。一方、回収ヘッド12が誘導位置にない場合(NO)は、S80へ移行する。
S80(回収ヘッドの位置制御):施工機具位置表示システム50に表示される回収ヘッド12の位置及び誘導情報に基づき、作業者により、回収ヘッド12の位置が誘導位置になるように、重機14のブーム及びアームを制御する。これにより、回収ヘッド12の位置制御を行い、回収ヘッド12を計画高さPLの誘導位置へと移動させる。
S90(作業継続判定):施工の進捗状況等に基づいて、浮泥Mの回収作業を続けるか否かを判定する。そして、浮泥Mの回収作業を続ける場合(YES)は、S20及びS60へ復帰し、回収ヘッド12の姿勢制御及び位置制御を行いながら、浮泥Mの回収作業を続行する。一方、浮泥Mの回収作業を続けない場合(NO)は、S100へ移行する。
S100(作業終了):バックホウの旋回動作を終了して、浮泥Mの回収作業を終了する。
さて、上記構成をなす本発明の実施の形態によれば、次のような作用効果を得ることが可能である。
すなわち、本発明の実施の形態に係る水中作業システム10は、図1の例において、施工機具70としての回収ヘッド12を、台船16に搭載された重機14(バックホウ)のアーム14a先端に取り付け、重機14により回収ヘッド12を水中で移動させることで、浮泥M(図3(a)参照)の回収作業を行うものである。外部制御装置74は、傾斜測定手段72により測定される回収ヘッド12の傾斜角度に基づいて、重機14の複数のアクチュエータのうち、回収ヘッド12の姿勢制御に係るアクチュエータ76であるバケットシリンダ14bを制御することで、回収ヘッド12を、水平な状態に調整するものである。又、運転支援手段42は、回収ヘッド12の水底GLからの高さを一定(計画高さPL)にして、水底GLに沿って回収ヘッド12を移動させることができるような情報を、作業者に提供するものであり、図1の例では、台船位置表示システム46と施工機具位置表示システム50とにより、重機14及び回収ヘッド12の位置を三次元データとして把握し、作業者に対してその位置をリアルタイムで知らせるものである。
従って、本水中作業システム10は、水中作業を行う際の複数の重機制御のうち、回収ヘッド12の姿勢制御を外部制御装置74により行うものであるため、重機14を操縦する作業者の負担を軽減し、浮泥Mの回収作業の施工精度及び施工能力を向上させることができる。又、回収ヘッド12の姿勢制御のみを、外部制御装置74により行うものであるため、例えば、回収作業を行う際の全ての重機制御を、外部から制御する場合と比較して、システム構成が単純であり、設備コストの増加を抑制することができる。
又、本発明の実施の形態に係る水中作業システム10は、回収ヘッド12がバックホウのアーム14a先端に取り付けられ、又、外部制御装置74により、バックホウのバケットシリンダ14bの油圧制御を行うものである。バケットシリンダ14bには、図2に示すように、バックホウの運転台48からの制御のために接続されている油圧配管84、84から、分岐管78、78により分岐して、外部制御装置74に接続された外部油圧配管82、82が、油圧制御弁80、80を介して接続される。すなわち、バケットシリンダ14bは、バックホウの運転台48からの制御と外部制御装置74による制御との、2通りの制御が可能な状態であり、必要に応じて適宜、制御手段が切り替えられるものである。そして、外部制御装置74は、バケットシリンダ14bを制御する際、回収ヘッド12の傾斜角度に基づき、回収ヘッド12を水平状態にするための油量等を算出し、必要な油量をバケットシリンダ14bに送ることで、回収ヘッド12を水平になるように制御する。このように、本発明の実施の形態に係る水中作業システム10は、複雑な油圧制御システムを構築することなく、浮泥Mの回収作業の施工精度及び施工能力の向上を図るものである。又、本水中作業システム10は、バックホウに標準に搭載されているバケットシリンダ14bを活用して、回収ヘッド12の姿勢を制御するものであるため、専用の重機を必要とせず、汎用のバックホウが利用可能である。
又、本発明の実施の形態に係る水中作業システム10は、図3及び図4に示すように、回収ヘッド12を構成するケーシング20の、少なくとも浮泥回収方向前側の側面に開口する掻き込み口20aから、水と共に浮泥Mを回収ヘッド12の内部へと取り込むものである。この際、掻き込み手段22によって、浮泥Mを回収ヘッド12のケーシング20の内部へと強制的に掻き込み、ケーシング20の吸引口20bから、回収ヘッド12の外部へと浮泥Mを吸引することで、浮泥Mを回収するものである。又、掻き込み手段22によってケーシング20の内部に掻き込まれた浮泥Mを、案内手段24によって吸引口20bへと案内することで、ケーシング20の内部に掻き込まれた浮泥Mの回収を促すものである。更に、回収ヘッド12が、対向する二方向の浮泥回収方向の各々に対して浮泥Mを回収可能となるように、重機14に装着されていることから、重機14によって対向する二方向に回収ヘッド12を往復移動させる間、回収ヘッド12により連続して浮泥Mの回収を行うことが可能である。
更に、本発明の実施の形態に係る水中作業システム10は、運転支援手段42により、水底GLからの高さを一定にして水底GLに沿って、回収ヘッド12を移動させるための情報を提供しながら、外部制御装置74により回収ヘッド12の掻き込み口を水平に保持した状態で、連続的に浚渫するものである。このため、高い精度で薄層浚渫を行うことができると供に、効果的に浚渫を行うことが可能である。
なお、回収ヘッド12を対向する二方向に往復動作させる間は、ポンプ18における吸引可能最大密度(濃度)を予め設定し、その密度を上回らないよう、ポンプ18の運転制御、回収ヘッド12の水底GLからの高さ制御、回収ヘッド12の移動速度制御、加水希釈による密度調整等を行うことで、任意の層厚で浮泥Mの吸引回収を、高能率に行うことが可能となる。
又、本水中作業システム10は、回収ヘッド12の重機14に対する装着部分である、ブラケット32及びアタッチメント34の間に設けられた、垂直軸C周りに回転する回転機構30によって、重機14に対して回収ヘッド12が回転可能に構成されている。このため、回収ヘッド12の対向する二方向への往復動作のうち、一方向の動作に際して、移動方向前方から、掻き込み口20a、掻き込み手段22、案内手段24の順で並ぶように、回収ヘッド12を回転させ、位置決めすることができる。そして、一方向へと回収ヘッド12が移動する間、掻き込み手段22と案内手段24とによって、回収ヘッド12のケーシング20の掻き込み口20aから、水と共に浮泥Mを回収ヘッド12のケーシング20内部へと取り込み、浮泥Mを回収することができる。又、当該一方向の動作を終了した時点で、回転機構30を動作させて、対向するもう一方の方向に対して、移動方向前方から掻き込み口20a、掻き込み手段22、案内手段24の順で並ぶように、回収ヘッド12を回転させることができる。そして、対向するもう一方の方向へと回収ヘッド12が移動する間、同様に、掻き込み手段22と案内手段24とによって、回収ヘッドのケーシング20の掻き込み口20aから、水と共に浮泥Mを回収ヘッド12内部へと取り込み、浮泥Mを回収する作業を繰り返すことが可能となる。
更に、本発明の実施の形態に係る水中作業システム10で用いる、回収ヘッド12の掻き込み手段22には、複数のパドル22aが螺旋状かつ不連続に配置されたパドルシャフトが用いられていることから、これを回転させて水と共に浮泥Mを掻きこむ際、不連続に配置されたパドル22aが受ける抵抗は小さくなる。このため、パドルシャフトの回転に伴う動圧抵抗が小さくなり、パドルシャフトの駆動に必要なトルクも小さく抑えられる。このため、パドルシャフトの強度、パドルシャフトの駆動手段26の出力、ケーシング20の強度を低く抑えることで、回収ヘッド12の小型軽量化が図られるものである。
又、案内手段24は螺旋状に連続する案内板を有するスクリューコンベアであるが、案内手段24はケーシング20の内部に掻き込まれた浮泥Mを吸引口20bへと案内するものであることから、スクリューコンベヤの回転に伴う同圧抵抗は元々小さく、スクリューコンベヤの駆動手段26の出力は低く抑えられる。そして、パドルシャフト及びスクリューコンベヤの各々に独立した駆動手段26を備えることで、各駆動手段26の動力負担を抑え、駆動手段26の小型化が図られるものである。
又、本発明の実施の形態に係る水中作業システム10は、施工場所における浮泥Mの滞留状態のみならず、固結土、植物の根が張った土である等の性状に応じて、掻き込み手段22であるパドルシャフトのパドル22aを、最適形状のパドルへと適宜交換することで、施工場所の性状の如何に関わらず、ケーシング20の内部へと、浮泥Mをより効率的に掻き込むことが可能となる。
更に、本水中作業システム10は、回収ヘッド12を移動させて、ケーシング20の掻き込み口20aから、水と共に浮泥Mを回収ヘッド12内部へと取り込む際に、ケーシング20の後方に生じる濁りmの発生をカバー38によって抑え、濁りmが拡散することを防ぐものである。又、カバー38によって、ケーシング20の後方の濁りmを吸引口20bへと向かうように水流を形成することで、より確実に、濁りmが拡散することを防ぐことが可能となる。更に、サブケーシング20cの壁部に開口20eを設けることで、カバー38とサブケーシング20cとの間に発生する濁りmを、図3(b)に示すように開口20eを介して吸引口20bへと流すことができる。従って、浮泥Mと濁りmとの双方を、吸引口20bから効率よく回収することが可能となる。
又、本発明の実施の形態に係る水中作業システム10は、回収ヘッド12のケーシング20に設けられた吸引口20bから浮泥Mを吸引するためのポンプ18が、重機14と共に台船16に搭載されることで、回収ヘッド12の重量の増大を回避することが可能となる。このため、回収ヘッド12の小型軽量化と併せて、重機14に、本実施の形態に係るバックホウのごとく汎用重機を流用することも可能となる。そして、台船16に搭載した重機14により、水底GLから所定の高さに保持した回収ヘッド12を、対向する二方向への往復動作させる間、ポンプ18によって連続して浮泥Mの回収を行うことが可能となる。更に、浮泥Mの回収作業の進行に併せて台船16を移動させ、広範囲に渡る浮泥Mの回収を行うことが可能となる。又、上術したように、サブケーシング20cの壁部に開口20eを設けることとすれば、カバー38とサブケーシング20cとの間に発生する濁りmを、台船16に搭載されたポンプ18の吸引力を利用して、開口20eを介して吸引口20bへと流すことができるため、濁りmを吸引口20bへと導くための専用のポンプを必要とせず、コストの増加を抑制することが可能となる。
又、本発明の実施の形態に係る水中作業システム10は、施工機具70として、排土板等の水平均し手段を用いることとすれば、水平均し手段を、外部制御装置74により水平に維持した状態で、水底GLから一定の高さで水底GLに沿って移動させるものとなるため、施工後の仕上がり面を水平に均す必要がある水中土木作業を、高精度で効率よく行うことが可能となる。
一方、本発明の実施の形態に係る水中作業方法は、図5に示されているように、傾斜測定手段72により回収ヘッド12の傾斜を常時測定し(S20)、この測定結果に基づいて、外部制御装置74により、回収ヘッド12の姿勢を、水平になるように制御する(S30〜S50)。又、これと並行して、運転支援手段42により表示される情報を確認しながら、作業者が重機14を操縦して、計画高さPLにおいて水底GLに沿って回収ヘッド12を移動させる(S60〜S80)。従って、外部制御装置74により回収ヘッド12を水平に維持した状態で、重機14を操縦する作業者が、回収ヘッド12の姿勢制御に気を取られることなく、運転支援手段42を利用して、回収ヘッド12の位置調整に専念することができるため、浮泥Mの回収作業の精度及び効率を高めることが可能となる。更に、図6に示すように、台船16上での重機14の旋回動作に伴い、台船16が沈み込む場合には、外部制御装置74により、回収ヘッド12を水平な状態に調整し、作業者の重機14の操縦により、回収ヘッド12を水底GLから一定の高さの計画高さPLに移動することができる。従って、台船16が沈み込む場合であっても、高精度で効率よく浮泥Mの回収作業を行うことができる。なお、計画高さPLは、施工箇所に応じて適切な高さを設定することができ、図3(a)や図6の例では、水底GLから所定距離離れた高さを、計画高さPLとしているが、例えば、水底GLを計画高さPLに設定することもできる。
10:水中作業システム、12:回収ヘッド、14:重機(バックホウ)、14a:アーム、14b:バケットシリンダ、16:台船、20:ケーシング、20a:掻き込み口、20b:吸引口、22:掻き込み手段、24:案内手段、42:運転支援手段、48:運転台、70:施工機具、72:傾斜測定手段、74:外部制御装置、76:アクチュエータ、82:外部油圧配管、84:油圧配管、GL:水底、M:浮泥

Claims (6)

  1. 重機のアーム先端に取り付けた施工機具を用いて水中作業を行うシステムであって、
    施工機具と、該施工機具を着脱可能に保持する重機と、前記施工機具に設置される傾斜測定手段と、該傾斜測定手段の測定結果に基づき、前記施工機具の姿勢制御に係る前記重機のアクチュエータを制御する外部制御装置と、前記施工機具の水底からの高さを一定にして、水底に沿って施工機具を移動させるための運転支援手段とを含むことを特徴とする水中作業システム。
  2. 前記重機がバックホウ、前記アクチュエータがバケットシリンダであり、
    該バケットシリンダに接続されている、前記バックホウの運転台からの制御に係る油圧配管から、前記外部制御装置へ接続される外部油圧配管が分岐していることを特徴とする請求項1記載の水中作業システム。
  3. 前記施工機具が浮泥を回収する回収ヘッドであって、
    該回収ヘッドは、少なくとも浮泥回収方向前側の側面に開口し、回収ヘッド内部に浮泥を取り込む掻き込み口と、掻き込み口から掻き込まれた浮泥を回収ヘッド外部へと吸引する吸引口とを備えるケーシングを備え、
    該ケーシングには、前記掻き込み口を介して前記ケーシング内部へと浮泥を掻き込む掻き込み手段と、ケーシング内部に掻き込まれた浮泥を前記吸引口へと案内する案内手段とを含み、
    前記回収ヘッドが、対向する二方向の浮泥回収方向の各々に対して浮泥を回収可能となるように、前記重機に装着されていることを特徴とする請求項1又は2記載の水中作業システム。
  4. 前記施工機具が水平均し手段であることを特徴とする請求項1又は2記載の水中作業システム。
  5. 請求項1から4記載の水中作業システムを用いる水中作業方法であって、
    前記傾斜測定手段により前記施工機具の傾斜を常時測定し、測定結果に基づいて、前記外部制御装置により、前記施工機具の姿勢を制御すると供に、
    前記運転支援手段を利用しながら作業者により前記重機を操縦して、水底からの高さを一定にして前記施工機具を移動させることを特徴とする水中作業方法。
  6. 前記回収ヘッドを水底の上方の所定高さで、水底に沿って対向する二方向に交互に移動させ、この際、移動方向前方に対し、前記掻き込み口、前記掻き込み手段及び前記案内手段の順で並ぶように回収ヘッドの向きを設定して、浮泥を回収することを特徴とする請求項5記載の水中作業方法。
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