以下、添付図面を参照しつつ本発明の一実施形態について説明する。
<1. 全体構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る自動写真作成装置である遊戯用写真作成装置の外観を示す図である。より詳細には、図1(a)は、この遊戯用写真作成装置を横から見た外観側面図であり、図1(b)は、上から見た外観平面図である。この遊戯用写真作成装置は、利用者が入る撮影室2と、利用者を撮影して撮影画像を取得する撮影ユニット3と、撮影画像に対する利用者による落書き(描画操作)を含む編集操作を受け付け、当該撮影画像に合成した合成画像を生成する編集ユニット4と、合成画像を出力する出力ユニット5とを備えている。図2は、撮影ユニット3の正面図であり、図3は、編集ユニット4の正面図であり、図4は、出力ユニット5の正面図である。以下、図1から図4を参照しつつ、本実施形態に係る遊戯用写真作成装置の全体構成について説明する。
撮影室2は、略直方体形状であって、撮影ユニット3は、内部に入る利用者から見て前の面である撮影室2の前面に沿って配置されている。なお、撮影室2の左右両側面の一部には、それぞれ利用者が出入りするための開口部と、当該開口部の一部または全部を覆う遮光カーテンとが設けられている。また、撮影室2の内部に入る利用者から見て後ろの面である背面にはクロマキー合成処理のための単一の色(ここでは青色または緑色)が付されている。なお、これらの色は、例えば、撮影ユニット3の撮影範囲に含まれる床面等にも付されていてもよい。
撮影ユニット3は、利用者を撮影する撮像手段としてのカメラ10と、当該カメラ10の上下左右の位置に配置され閃光を発するストロボ11,12,13L,13R,14と、当該カメラ10の下方に配置され利用者からの操作の受け付けや撮影画像の表示等を行う撮影操作用タッチパネル20とを備えている。
カメラ10は、典型的には、CCD(電荷結合素子)を利用してデジタル画像信号を生成するデジタルカメラであって、利用者を撮影し、その撮影画像を表す画像信号を出力する。ストロボ11〜14は、撮影のための充分な光を得るために利用者に向かって閃光を発する。撮影操作用タッチパネル20は、撮影の際に利用者による各種操作を受け付けるための操作画面を提供するとともに、上記画像信号に基づく画像をリアルタイムで表示するように構成されている。
図5は、撮影操作用タッチパネル20の表示構成を示す模式図である。図5に示すように、撮影時点において、撮影操作用タッチパネル20には、リアルタイムで撮影画像を表示するためのリアルタイムプレビュー領域201と、ポーズの見本を表示するためのポーズ見本表示領域202と、撮影によって既に得られた落書き対象画像を表示するための落書き対象画像表示領域203とが表示されている。なお、リアルタイムプレビュー領域201には、撮影画像に対してリアルタイムでクロマキー合成された背景画像が合わせて表示される。
また撮影ユニット3は、編集ユニット4内に内蔵されるコンピュータを中心とした構成要素、すなわち各部の制御等を行う制御装置、I/O制御装置、および他のコンピュータと通信を行うためのネットワークアダプタ等によって制御されている。また、撮影ユニット3は、前面下方にコイン投入口26を備えている。
編集ユニット4は、撮影ユニット3を制御するコンピュータとは異なるコンピュータによって制御されている。また、編集ユニット4は、図1(b)に示すように、2組の利用者がプレイ可能なように2つのユニット4a、4bに分かれている。そのうちの一方のユニット4aには、落書き領域や落書きのためのメニュー、ツール等を表示する領域を含みGUI(Graphical User Interface)表示手段として機能する編集操作用タッチパネル400と、当該編集操作用タッチパネル400に対する操作に使用されるポインティングデバイスとしてのタッチペン49L、49Rとが設けられている。なお、他方のユニット4bについても同様の構成となっている。ここで図1(a)において手前に見えるユニット4aを「落書きブースA」と呼び、その反対側(図では裏側)のユニット4bを「落書きブースB」と呼ぶ。
本実施形態における編集操作用タッチパネル400は、各ユニット4a、4bにおいてそれぞれ2人の利用者が同時に落書きを行えるような表示構成となっている。なお、本説明においては、左側の利用者が使用する構成要素には「L」を含む参照符号を付し、右側の利用者が使用する構成要素には「R」を含む参照符号を付している。もっとも、3人以上の利用者がこれらを適宜に使用してもよい。
また、本実施形態における編集操作用タッチパネル400は、複数のタッチペン49L、49Rによる操作位置を同時に検出可能に構成されており、かつ、検出される各操作位置が、タッチペン49L、49Rのうちのいずれの操作に対応するのかも検出可能となっている。例えば、編集操作用タッチパネル400として静電容量方式のタッチパネルを使用した場合には、このような複数の操作位置の同時検出と操作されたタッチペンの識別とが可能である。
出力ユニット5は、図4に示すように、典型的には前面下方に、編集ユニット4で編集操作が行われた合成画像を印刷した写真シールや写真カード等を取り出す取出口33を備えている。また、出力ユニット5は、例えば携帯電話端末に内蔵される赤外線ポートにより、例えばデコメール(登録商標)画像等の素材画像や撮影画像に落書きをした合成画像などを利用者の携帯電話端末に転送する際に利用者によって操作される出力操作用タッチパネル30と、出力操作用タッチパネル30の下方に配置され上記素材画像等を赤外線信号として携帯電話端末に向けて直接送信するための赤外線ポート(非接触通信ポート)31と、上記通信の際に必要な操作方法や効果音などを音声によって利用者に知らせるスピーカ32とを備えている。なおこの構成は一例であってこれらの要素の一部または全部を備えない場合もある。
出力操作用タッチパネル30は、利用者が合成画像を印刷された写真シール等だけでなく携帯電話端末においても見たい場合に、上記素材画像等を上記非接触通信機能を備えた携帯電話端末に送信するのに必要な各種操作を受け付けるための操作画面を提供するように構成されている。なお、当該操作は主に合成画像の写真シール等が印刷されるまでの時間を利用して行われるので、利用者は写真シール等が印刷されるまでの時間を持て余すことなく有効に利用することができる。また、出力ユニット5に出力操作用タッチパネル30を設けずに、当該操作を編集ユニット4の編集操作用タッチパネル400で行うようにすることもできる。
また出力ユニット5は、携帯電話端末装置55を内蔵しており、利用者によって使用される携帯電話端末によってサーバから当該合成画像をダウンロードできるよう、撮影画像を含む合成画像を画像データとして典型的には第3世代型携帯電話(3G)方式の無線通信方式で近傍の無線基地へ送信し、この画像データは当該無線基地局からインターネットを介して図示されない画像サーバに与えられ蓄積される。
このような出力ユニット5も、撮影ユニット3を制御するコンピュータを中心に構成され各部の制御等を行う制御装置および他のコンピュータと通信を行うためのネットワークアダプタ等によって制御されているほか、合成画像を写真シール等として印刷するネットワークプリンタ35を備えている。
以上のような構成において、利用者は、撮影室2において撮影を行った後、編集ユニット4の落書きブースAまたは落書きブースBの編集操作用タッチパネル400を使用することにより、撮影画像に基づいて生成された落書き対象画像に対して落書きを行う。そして、利用者は、落書きによって生成された合成画像をネットワークプリンタによって印刷したり、赤外線通信機能を有する携帯電話端末に画像を送信し、携帯電話端末で受信した画像を端末画面に表示させたりする。
<2. 機能的構成>
図6は、本実施形態に係る遊戯用写真作成装置の要部を機能面から見た構成を示すブロック図である。この図6に示す遊戯用写真作成装置は、機能的には、落書き対象画像に対する利用者の落書き操作に応じて当該落書き対象画像の編集処理を行う編集処理部8と、主として利用者を撮影する処理(撮影処理)を行うとともに、編集処理が行われた落書き対象画像を写真シール等として出力したり、作成された素材画像等を非接触通信を利用して携帯電話端末に出力したりする処理(出力処理)を行う撮影出力処理部7とから構成されている。
撮影出力処理部7は、第1の制御部70と、撮像部71と、第1の表示・操作部72と、I/O制御部73と、照明部74と、第1の通信部75と、第4の表示・操作部91と、印刷出力部92と、音声出力部93と、非接触通信部94と、無線通信部96とによって構成されている。また、編集処理部8は、第2の制御部80と、第2の表示・操作部81と、第3の表示・操作部82と、第2の通信部85とによって構成されている。ネットワークアダプタである第1および第2の通信部75,85は、LAN(Local Area Network)であるネットワーク6を介してそれぞれ相互に通信可能となっている。
撮像部71は、CCD等の撮像素子を用いて構成されるカメラ10に相当し、リアルタイムに画像を取り込んで当該画像(撮影画像)を表す画像信号を出力する。この画像信号は第1の制御部70に入力されて、その内部のメモリに撮影画像データとして一時的に記憶される。また、この撮影画像データは撮影画像信号として第1の制御部70から第1の表示・操作部72に供給され、当該撮影画像信号に基づく撮影画像がリアルタイムに表示される。なお実際には、撮影画像として保存される撮影画像データは高解像度の静止画データであり、リアルタイム表示を行うための撮影画像データ(「スルー画像データ」とも呼ばれる)は低解像度の動画データであるが、撮影対象は同一であるので、以下ではこれらを特に区別しないで説明することがある。
第1の表示・操作部72は、撮影操作用タッチパネル20に相当し、撮影画像に付加されるべき背景画像(および前景画像)を選択する操作やシャッター操作等を受け付ける。これらの操作を示す信号は、操作信号として第1の制御部70に入力される。ここで、利用者を撮影するための(選択された撮影メニューに対応する)所定の処理が開始されると、第1の表示・操作部72に利用者のための案内が表示され、その後の第1の制御部70からの指示に基づき、数秒程度の予め決められた時間の経過後にカメラ10の撮影方向にストロボ11〜14から閃光が放たれる。そのとき、利用者の撮影画像を表す信号として撮像部71から出力される画像信号が第1の制御部70に入力され、第1の制御部70内のメモリまたは補助記憶装置としてのハードディスク装置等に撮影画像データとして格納される。
照明部74は、カメラ10の上下左右の位置に配置されたストロボ11,12,13L,13R,14(図2参照)に相当し、第1の制御部70からの指示に基づきI/O制御部73によって点灯/消灯および調光が制御される。I/O制御部73は、撮影ユニット3に内蔵されるI/O制御装置に相当し、第1の制御部70からの指示に基づき、照明部74を制御する。また、後述のコイン検出部(不図示)からの検出信号等の入力信号を第1の制御部70へ転送する。第1の通信部75は、ネットワークアダプタに相当し、ネットワーク6を介したデータ送受信の際のインタフェースとして機能する。
第1の制御部70は、編集ユニット4に内蔵され、CPU、メモリ、フレームバッファ、タイマー、補助記憶装置等を含むコンピュータを中心に構成される制御装置に相当し、内部メモリに格納された所定プログラムをCPUが実行することにより、上述のようにして入力される操作信号等に基づき各部を制御するために、上述のように各部に指示を出す。また撮影された画像に基づいて落書き対象画像を生成する。生成された落書き対象画像はフレームバッファに書き込まれることにより、第1の表示・操作部72に表示される。さらに、第1の制御部70は、落書き対象画像に所定の背景画像や前景画像を描画した画像である合成画像を生成する。この落書き対象画像には、マスクの作成に使用されるキー色となる背景色が付されており、周知のクロマキー合成処理の手法に基づき、利用者の像のみを含む撮影画像部分を抽出し、当該撮影画像部分が背景画像中に嵌め込まれるように合成する。このように生成された合成画像はフレームバッファに書き込まれることにより第1の表示・操作部72に表示される。
上記の構成要素の他、撮影ユニット3におけるコイン投入口26に投入されたコインを検出するためのコイン検出部(不図示)が更に撮影ユニット3に設けられており、第1の制御部70は、コイン検出部での検出結果に基づき、利用者に所定時間だけ撮影や背景画像および前景画像の選択や落書き等、本遊戯用写真作成装置によるプレイを許容するように各部を制御する。このコイン検出部による検出動作やその検出結果に基づく第1の制御部70による制御動作は、従来の遊戯用写真作成装置と同様であって周知であるので、その詳しい説明を省略する。
次に第2の制御部80は、第1の制御部70とは別に、編集ユニット4に内蔵され、CPU、メモリ、フレームバッファ、タイマー、および補助記憶装置等を含むコンピュータを中心に構成される制御装置に相当し、内部メモリに格納された所定プログラムをCPUが実行することにより、編集ユニット4において行われる編集処理に関する全体の制御を行う。すなわち第2の制御部80は、第2および第3の表示・操作部81,82を制御するGUI制御手段として機能する。また、第2の制御部80は、生成された落書き対象画像(撮影画像を含む画像)に対する落書き処理を行うための操作信号に基づき、その落書き対象画像に所定画像を描画した画像である合成画像を生成する。描画される所定画像としては、例えば、選択されたスタンプ画像や、タッチペンで描かれた線状の画像、選択された2以上のスタンプを所定の順で重ね合わせることにより生成した合成スタンプ画像等を利用することができる。
このような合成画像の生成が終了すると、利用者による分割レイアウトの選択指示を受け付けられ、選択された分割レイアウトを示す情報および生成された合成画像は第1の制御部70に送られる。なお、印刷出力部92が別の合成画像を出力中である場合には、その旨が表示されるとともに終了を待って送られる。なお、これらの情報はネットワーク6を介して送受信される。
第2および第3の表示・操作部81,82は、落書きのためのGUI表示手段として機能する編集操作用タッチパネル400に相当し、タッチペンを用いた利用者の操作を受け付ける。
第2の通信部85は、ネットワークアダプタに相当し、ネットワーク6を介したデータ送受信の際のインタフェースとして機能する。
また第1の制御部70は、上記の撮影処理のほか、出力処理に関する全体の制御を行う。第1の制御部70は、第2の制御部80から送られてきた合成画像を合成画像データとしてメモリに格納する。印刷出力部92は出力ユニットに内蔵されるネットワークプリンタ35に相当し、メモリに格納された合成画像データを(適宜にレイアウトした)写真シール(または写真カード)として印刷する。印刷された写真シール等は、出力ユニット5の正面下方に設けられた取出口33から取り出される。
さらに第1の制御部70は、第2の制御部80から送られてきた分割レイアウト情報および合成画像に基づいて写真シール等の印刷処理を開始すると同時に、利用者の入力操作を受け付けるための後述する操作画面を第4の表示・操作部91に表示する。この第4の表示・操作部91は出力操作用タッチパネル30に相当し、入力手段として機能する。出力操作用タッチパネル30は、液晶ディスプレイまたはCRT(Cathode Ray Tube)等の表示手段として機能するモニタと、その上面に積層され、入力座標を認識することができる1人用のタッチパネルから構成される。モニタは複数の画面に分割された操作画面を表示することができ、タッチパネルは分割された複数の画面ごとに利用者のタッチペンを用いた入力操作を受け付け、受け付けた入力操作を操作信号として第1の制御部70に入力する。
無線通信部96は、出力ユニット5に内蔵される携帯電話端末装置55に相当し、携帯電話端末によって図示されない画像サーバ部から当該合成画像をダウンロードできるように、第1の制御部70により作成された合成画像のデータを3G方式の無線通信方式で無線基地部へ送信する。
ここで、第1の制御部70は、落書きを終えてから操作を始めるまでの間、補助記憶装置に予め記憶されているデモ画像(デモンストレーション用の画像)をフレームバッファに書き込むことにより第4の表示・操作部91に表示する。また音声出力部93は、スピーカ32に相当する。音声出力部93は、第4の表示・操作部91に表示される操作画面と連動して入力操作方法を利用者に説明し、また第4の表示・操作部91にデモ画像が表示されているときにデモ画像に応じた楽曲等を流す。なお、入力操作方法の説明や楽曲等は補助記憶装置としてのハードディス装置等に予め格納されている。
その後、第1の制御部70は、第4の表示・操作部91の表示や音声出力部93による音声や効果音等により合成画像の印刷が完了するまで後述するミニゲームを利用者に提供し続ける。このミニゲームの内容も同様にハードディスク装置等に予め格納されている。
ここで、各制御装置において実行される上記所定プログラムは、例えば、そのプログラムを記録した記録媒体であるDVD−ROMによって提供される。すなわち、上記所定プログラムの記録媒体としてのDVD−ROMが補助記憶装置として制御装置内に内蔵されたDVD−ROM駆動装置に装着され、そのDVD−ROMから所定プログラムが読み出されて補助記憶装置としてのハードディスク装置にインストールされる。また、上記所定プログラムは、DVD−ROM以外の記録媒体(CD−ROM等)や通信回線を介して提供されてもよい。そして、本遊戯用写真作成装置の起動のための操作がなされると、ハードディスク装置にインストールされた所定プログラムは、制御装置内のメモリに転送されてそこに一時的に格納され、制御装置内のCPUによって実行される。これにより、制御装置による上記各部の制御処理が実現される。
なお、上記第1および第2の制御部70,80は、異なるコンピュータを含む装置に相当するものとして説明したが、このような構成は一例であって、上記第1および第2の制御部70,80は、1つまたは3つ以上の装置により実現されてもよいし、どのユニットに内蔵されていてもよい。なお、この場合には各装置において、それぞれ実現されるべき機能に応じたプログラムが実行される。また、撮影ユニット3、編集ユニット4、および出力ユニット5についても、2つ以下または4つ以上のユニットにより構成されてもよい。
<3. 遊戯用写真作成装置における処理手順>
上述したように、この遊戯用写真作成装置には、撮影ユニット3と編集ユニット4と出力ユニット5とが含まれている。撮影ユニット3では撮影処理が行われ、編集ユニット4では後述する落書き編集処理が行われ、出力ユニット5では出力処理が行われる。なお、或る利用者が撮影ユニット3でプレイしている時に他の利用者は編集ユニット4でプレイし、さらに他の利用者は出力ユニット5で合成画像を出力することができるように構成されている。すなわち、この遊戯用写真作成装置は、撮影処理と落書き編集処理と出力処理とを並行して行うことができる。以下に、撮影処理を中心に、落書き編集処理、および出力処理の手順の概要についても説明する。
<3.1 撮影処理>
図7は、本実施形態における撮影処理の手順を示すフローチャートである。この遊戯用写真作成装置が使用されていない時(プレイが行われていない時)には、撮影操作用タッチパネル20にはデモ画像が表示されている。デモ画像の表示中に利用者がコイン投入口26にコインを投入すると、プレイが開始される(ステップS110)。
続いてステップS120において、第1の制御部70は、利用者が望む態様で撮影画像が補正されるように、初回撮影時において撮影画像の補正態様を利用者に選択させる処理(初回撮影処理)を行う。この初回撮影処理は、特徴的な構成であるため、詳しく後述する。この処理では、初回撮影時における撮影画像を、ユーザの補正確認するためだけのサンプル用撮影画像として取得してもよいし、落書き対象の画像として取得してもよい。初回撮影時における撮影画像を落書き対象の画像として取得することで、より多くの編集対象画像を得ることができる。
上記初回撮影処理が終了すると、次回以降を自動で撮影するか手動で撮影するかを選択し、自動で撮影する場合には撮影用テーマの選択が行われる。この場合、第1の制御部70は、予め用意された複数の撮影用テーマの中から1つ以上の撮影用テーマを利用者に選択させるための画面を撮影操作用タッチパネル20に表示し、利用者による選択操作を受け付ける。そして、第1の制御部70は、利用者の選択操作に基づいて選択情報を取得し、選択された撮影用テーマに基づいて、撮影の際に使用するフレームと背景との組み合わせを決定する。また手動で撮影する場合は、上記フレームと背景とを利用者が自由に決定する。
次にステップS130において、第1の制御部70は、図5に示すような操作画面を撮影操作用タッチパネル20に表示する。なお前述したように、リアルタイムプレビュー領域201には、撮影画像に対してリアルタイムでクロマキー合成された背景画像が表示されるが、このクロマキー合成表示処理は、一般的にはクロマキーマスクを作成する処理と、背景画像を合成する処理とを含む。クロマキーマスクとは、例えば周知の合成マスク(アルファチャネル)であって、対象となる撮影画像のうちのキー色(ここでは青色または緑色)を有する領域、すなわち撮影室2の背面の像が占める領域を透明とし、それ以外の領域を非透明とするためのデータである。この合成マスクは一般的には対象となる画像の画素毎に0(完全透明)または255(完全非透明)の透過度を示す値αが設定される。このようなクロマキーマスクを使用することにより、撮影画像の非透明領域(α=255)に相当する背景画像の領域は隠され(マスクされ)、その透明領域(α=0)に相当する背景画像の領域は見えるように合成される。そのため、あたかも対象となる撮影画像の非透明領域の部分が切り取られ、切り取られた当該部分が上記背景画像に対して貼り付けられたような合成画像が得られる。このようにして得られる合成画像は、撮影操作用タッチパネル20に表示される。なお、ここでの撮影画像は実際には撮影画像として保存される(高解像度の)静止画データではなく、リアルタイム表示を行うためのスルー画像データである。このスルー画像データは、撮影処理全体の開始時点から終了時点まで(S100〜S170)、カメラ10から(広義の撮影画像として)連続的に取得される。このようなクロマキー処理によって遊戯性の高い写真作成を行うことができる。
その後、ステップS140に進み、1セット3回の撮影が行われるべき撮影タイミングであるか否かが判定され、撮影タイミングでない場合(ステップS140においてNoの場合)には撮影タイミングとなるまで上記操作画面表示が繰り返され(S140→S130→S140)、撮影タイミングである場合(ステップS140においてYesの場合)には、ステップS150における撮影処理に進む。
ステップS150における撮影処理では、前述したように数秒程度の予め決められた時間の経過後にカメラ10の撮影方向に閃光が放たれ、カメラ10によって取得された撮影画像データが第1の制御部70のメモリに格納される。
次に、ステップS160において、ステップS150において得られた撮影画像に対して、ステップS120において利用者に選択され確定された初回撮影時における撮影画像の補正態様で補正を行い、この補正された撮影画像に対してステップS130において得られる背景画像をクロマキー合成した合成画像、すなわちステップS130においてなされる処理と同様のクロマキー合成処理(厳密には低解像度のスルー画像を上記背景画像にクロマキー合成するのではなく、高解像度の静止画像である撮影画像を上記背景画像にクロマキー合成する処理)により生成される合成画像が、落書き対象画像として撮影操作用タッチパネル20に表示される。
なお、補正された初回撮影画像も落書き対象画像として表示する場合もあるが、具体的にはこの初回撮影画像に対して所定の背景画像をクロマキー合成した合成画像を生成し、生成された合成画像が落書き対象画像として表示される。もちろん初回撮影画像に対してのみクロマキー合成が行われない構成であってもよい。
続いて、ステップS170において、第1の制御部70は、予め定められた枚数(セット数)の撮影が終了したか否かを判定する。判定の結果、当該枚数の撮影が終了していればステップS160に進み、当該枚数の撮影が終了していなければステップS110に戻る。なお、実際には撮影のための制限時間(例えば3分)が設けられており、制限時間よりも(或る程度)早く予定枚数の撮影が終了した場合には、さらに所定枚数だけ撮影が行われる(ボーナスショットと呼ばれる)。
ステップS180では、複数の落書き対象画像の中から実際の落書き対象となる画像の(利用者による)選択が行われる。具体的には、第1の制御部70は、落書きおよび印刷に使用する画像を利用者に選択させるために、落書き対象画像の一覧を撮影操作用タッチパネル20に表示し、利用者による選択操作を受け付ける。そして、第1の制御部70は、利用者によって選択された画像を実際の(最終的な)落書き対象画像とする。なお前述したように、選択される対象としての落書き対象画像として、初回撮影処理において撮影された初回撮影画像を含むようにすることもできるので、この場合、落書き対象画像としての撮影画像を限られた撮影時間内で多く取得することができる。
このステップS180における処理が終了すると、ステップS190の処理に進む。ステップS190では、案内画面の表示が行われる。具体的には、第1の制御部70は、利用者を編集ユニット4のいずれか(4aまたは4b)に導くための画面を撮影操作用タッチパネル20に表示する。これにより、撮影処理が終了する。なお、本実施形態では、上記ステップS120における初回撮影処理の内容に特徴を有するが、この点については図9を参照して後述するものとし、続く落書き編集処理の内容について説明する。
<3.2 落書き編集処理>
図8は、本実施形態における落書き編集処理の手順を示すフローチャートである。第2の制御部80が所定のプログラムに基づき図8に示すように動作することで、この落書き編集処理が実現される。この処理では、上述した撮影処理の終了後、第2の制御部80に内蔵されるタイマーが所定の時間(具体的には、落書きを許可する時間)に設定され、カウントダウンが開始され(ステップS210)、タイマーのカウントダウン開始後、編集ユニット4を構成するユニット4a,4bのそれぞれの編集操作用タッチパネル400において、落書き編集操作画面が表示され、利用者によって前述のように撮影され選択された複数の落書き対象画像に対する利用者による落書き操作(描画操作)が受け付けられる(ステップS220〜S240)。なおこの落書き編集処理時において、編集ユニット4では、撮影画像に基づく落書き対象画像に対する編集操作の他に、デコメール画像等の素材画像を作成するための編集操作が受け付けられてもよい。
上記処理は、具体的には編集操作画面内のボタンやツールなどの1つをタッチペンでタッチすると、その座標値が入力され(S220)、対応する落書き画面処理(S230)が行われる。その後ステップS240においてタイマーの残り時間が0になる(または利用者が終了させる操作を行う)ことにより落書きが終了したかが判定され、終了していない場合(ステップS240においてNoの場合)にはステップS220に戻り、落書きが終了するまで処理が繰り返され、落書きが終了した場合(ステップS240においてYesの場合)には、処理はステップS250に進む。
ステップS250では、出力される写真の分割パターンの選択が行われる。具体的には第2の制御部80は、予め用意された複数の分割パターンの中からいずれかの分割パターンを利用者に選択させるための操作画面を編集操作用タッチパネル400に表示し、利用者による選択操作を受け付ける。そして、第2の制御部80は、利用者の選択操作に基づいて、選択情報を取得する。ステップS250の処理が終了した後、ステップS260の処理に進む。
ステップS260では、案内画面の表示が行われる。具体的には、第2の制御部80は、利用者を出力ユニット5に導くための画面を編集操作用タッチパネル400に表示する。これにより、落書き編集処理が終了する。落書き編集処理が終了すると、出力ユニット5において、第2の制御部80から送られてきた合成画像に基づいて写真シール等の印刷処理が開始されることなどについては前述した通りである。次に、上記ステップS120における初回撮影処理の詳しい内容について図9を参照して説明する。
<3.3 初回撮影処理>
図9は、本実施形態における初回撮影処理の手順を示すフローチャートである。図9に示すステップS121において、第1の制御部70は、通常の撮影とは異なる初回撮影のための説明画面を撮影操作用タッチパネル20に表示する。
図10は、初回撮影のための説明画面例を示す図である。この図10に示されるように、利用者の嗜好に合わせた画質(ここでは後述する目の形や濃さ、顔の輪郭や、肌質などの画像補正態様)を設定するため、初回撮影が行われることが撮影操作用タッチパネル20に表示される。また、上記撮影の他、撮影操作用タッチパネル20にはOKボタン205が表示されており、利用者がこのOKボタン205を押下する操作(具体的には当該位置を指などで触れる操作)を行うことにより、次の操作画面に遷移する。なお、図10に示すように、これから通常の撮影とは異なる初回撮影が行われることを利用者に対して告知することが望ましいが、このような告知は省略することもできる。また、後述する撮影用の操作画面例との関係で、図10に示す説明画面に代えて、またはその後に表示される図示されない画面において、利用者の数を質問する説明文とともに、利用者の数を入力する操作を受け付ける構成であってもよい。
続いてステップS122において、第1の制御部70は、図11に示すような、通常の撮影とは異なる初回撮影のための撮影用の操作画面(撮影画面)を撮影操作用タッチパネル20に表示する。
図11は、初回撮影のための撮影画面例を示す図である。図11に示されるように、撮影操作用タッチパネル20には、通常撮影時と同様の(ここではやや大きい)リアルタイムプレビュー領域201と、このリアルタイムプレビュー領域201内に固定的に(予め定められた位置に)表示される顔位置ガイド206と、OKボタン205とが表示される。この顔位置ガイド206は、通常撮影時には表示されず、また通常撮影時よりも顔が大きく写るように表示されるべき位置が定められている。この顔位置ガイド206が表示されると、この枠内に顔が入るように、かつ枠一杯に顔が写るように、利用者は自然と顔の位置を移動させるので、後述する補正を行う際に好適な撮影画像が得られる。
このような顔位置ガイド206は、証明用写真撮影装置には設けられることがある。しかし、遊戯用写真作成装置には設けられることがない。遊戯用途に使用する場合には、利用者の自由な撮影が望まれるため、顔位置ガイド206は不要であるばかりか、遊戯性を低下させる場合もあるからである。しかし、本実施形態における初回撮影時には、利用者の自由な撮影よりも顔が大きく写るような撮影が行われることが重要であるため、このように顔位置ガイド206を設けることが好ましい。もちろん、顔位置ガイド206が省略される構成であってもよいが、そのような構成においても、正面を向いて撮影するように、さらには顔が大きく写るようカメラ10に近づいて撮影するように、告知文を表示したり、音声による案内を行う構成が好ましい。
また、図11に示される顔位置ガイド206は、2人の利用者によって使用されることが予定されている形状となっているが、利用者の人数は例えば前述したように図10に示す操作画面内またはその前後で利用者の操作入力を受け付けることにより決定される。したがって、利用者が1人または3人以上である場合には、顔位置ガイド206は、決定された利用者の数に応じて、予め定められた当該数の利用者によって使用されることが予定されている形状で表示される。
このようにして利用者の撮影準備が整った後、撮影操作用タッチパネル20に表示されるOKボタン205を押下する操作が行われると撮影が行われる。すなわち、図9に示される以下のような処理が行われる。
まずステップS123において、第1の制御部70は、撮影タイミングであるか否か(ここでは上記OKボタン205が押下されたか否か)が判定され、撮影タイミングでない場合(ステップS123においてNoの場合)、撮影タイミングとなるまで上記操作画面表示が繰り返され(S123→S122→S123)、撮影タイミングである場合(ステップS123においてYesの場合)、ステップS124における撮影処理に進む。
ステップS124における撮影処理では、通常撮影と同様に数秒程度の予め決められた時間の経過後にカメラ10の撮影方向に閃光が放たれ、カメラ10によって取得された撮影画像データが第1の制御部70のメモリに格納される。
続いて、ステップS125では、撮影画像の補正態様を決定するための後述する選択受付画面が撮影操作用タッチパネル20に表示され、ステップS126では、表示された選択受付画面に基づく利用者による操作入力の受付が行われる。このような選択受付画面および当該画面に対する入力例を図12および図13を参照して詳しく説明する。
図12は、利用者による操作入力前の選択受付画面例を示す図であり、図13は、利用者による操作入力後の選択受付画面例を示す図である。まず、利用者による操作入力が行われる前の初期的な選択受付画面として、図12に示されるように、撮影操作用タッチパネル20には、上記ステップS124において撮影された初回撮影時の撮影画像に対する初期補正画像211と、補正態様を選択するための複数の補正態様決定ボタン207と、次の画面に遷移するためのOKボタン205とが表示される。なお、初期補正画像211は、後述するように、初回撮影時の撮影画像とは異なる画像となっている。
ここで補正態様は、図12に示されるように4種類が設定されており、目の形(具体的には、目の大きさや、つり目やたれ目などの形状等、およそ目の輪郭形状に関連する要素)と、目の濃さ(具体的には、目の色や、瞳の大きさ等、およそ目の内部形状や色彩に関連する要素)と、輪郭(具体的には、顎や頬などの特徴的な部分を含む顔の外縁形状や、髪型、髪の毛の色などに関連する要素)と、肌質(具体的には、肌の色や明るさ、ぼかし具合など、およそ肌の見え方に関連する要素)とが選択可能に表示されている。なお、このような補正は、画像の色彩または形状の少なくとも一方に対する、周知のまたは適宜の変更手法または変形手法を用いることにより、容易に実現することができる。また、これらの補正態様は例示であって周知のあらゆる補正態様を適用可能である。これら4つの補正態様は、それぞれAからDまでの4つの典型的な状態(以下「設定状態」という)が補正態様決定ボタン207によって選択可能に表示されている。なお、図12では、これらの設定状態はAからDまでの記号によって表示されているが、このような記号に代えて設定状態を示す説明文や、補正の程度を示す数字などであってもよい。また、スライダー(バー)などを使用することにより、無段階に変化する量を入力可能に表示されてもよく、これらの種類や、数、入力態様などには特に限定はない。よって、周知の様々な入力インタフェースを使用可能である。このように、或る(種類の)補正態様における補正の状態を設定するための上記設定状態を以下では「パラメータ」とも呼び、このパラメータに設定される数値や記号などの情報を以下では「パラメータの値」とも呼ぶ。
また、これらの補正態様の設定状態(パラメータ)には初期値が設定されており、図12に示されるように、オススメと表題が付された点線で囲まれており、「B」と表記された複数の補正態様決定ボタン207に対応する設定状態がそれぞれの補正態様の初期値として設定されている。なお、図中に付された斜線は、当該補正態様決定ボタン207が選択状態(具体的には押下され暗い色に変化して表示されている状態)であることを表している。もちろん、初期的な選択状態であることが示されていればどのような表示態様であってもよい。
このように上記4つの補正態様において、ここではそれぞれ「B」の表記に対応する設定状態が初期的に設定されている。初期補正画像211は、初回撮影時の撮影画像に対して、これら4つの補正態様における設定状態で補正された結果得られる画像である。すなわち、初回撮影時の撮影画像に対して、目の形、目の濃さ、輪郭、および肌質を設定状態「B」(の値であるパラメータ)で補正、具体的には輪郭形状等の変形や画素色の変更などが行われる。このような補正処理は、上記ステップS127において行われる。
なお、このような初期的な設定状態は、多くの利用者が(統計的に)好むような補正態様に基づき設定されることが多いが、必ず初期的に何らかの補正態様を設定する必要はなく、初期補正画像211が補正されていない初回撮影時の撮影画像と同一のものであってもよい。ただし、初期的な設定状態がたとえ当該利用者の嗜好に反する場合であっても、(初期的な設定状態に応じた)何らかの補正が行われていることにより、利用者が好む補正態様に変化させやすくなることも考えられ、また初期的な補正によって意外性などの遊戯性が増大することもあるため、何らかの補正態様を設定する構成が好ましい。
このような初期的な設定状態は、利用者によって適宜の補正態様決定ボタン207が押下されることにより変化し、例えば図13に示すような設定状態に変化させることができる。この場合、補正態様決定ボタン207は、4つの補正態様において同時に押下されることはあまりなく、1つずつ押下されるのが通常であるため、実際には1つの補正態様決定ボタン207が押下されることにより1つの補正態様が変化し、補正態様が(1つ)変化する度に、図13に示す(決定された当該補正態様で)補正された補正画像212が表示される。例えば、図12に示される初期状態から、対応する補正態様決定ボタン207を押下することにより、目の形を設定状態Aに設定すれば、補正画像212は、初期補正画像211に対して目の形が設定状態Aに設定された補正態様に変更した状態で表示され、その後、さらに対応する補正態様決定ボタン207を押下することにより、輪郭を設定状態Cに設定すれば、補正画像212は、初期補正画像211に対して目の形が補正された補正画像212に対して、さらに輪郭が設定状態Cに設定された補正態様に変更された補正画像212が表示される。続いて、さらに対応する補正態様決定ボタン207を押下することにより、肌質を設定状態Aに設定すれば、同様にさらに肌質が設定状態Aに設定された補正態様に変更した補正画像212が表示される。そうして、補正態様の設定状態が決定すれば、図13に示すOKボタン205が押下され、補正態様の設定状態の決定が終了し(パラメータの値を確定し)、初回撮影処理が終了する。したがって、OKボタン205が押下されるまで、同一種類の補正態様の設定状態を決定する(ここでは4つの)補正態様決定ボタン207を試みに押す(例えば1回ずつ全部を押してみる)ことにより、どのように補正されるかを、補正画像212を見ることにより、容易に判断することができる。
以上のような設定状態の入力および反映は、図9に示すステップS126,S127において行われる。すなわちステップS127では、上記ステップS126において受け付けられた撮影画像の補正態様を示す操作入力に応じて、撮影画像に対する補正処理が行われ、補正された撮影画像が直ちに表示される。
続いて、ステップS128では、補正態様の設定状態(を示す補正態様決定ボタン207)の選択が終了したか否かが判定される。具体的には、図12または図13に示すOKボタン205が押下されることにより選択が終了したか否かが判定される。選択が終了した場合(ステップS128においてYesの場合)、図7に示す処理の流れに戻り、選択が終了した場合(ステップS128においてNoの場合)、処理はステップS125の処理に戻り、上記選択が終了するまで上記処理が繰り返される(S128→S125→…→S128)。なお、OKボタン205が押されてなくとも、選択受け付け画面(図12参照)が表示されてから所定時間が経過すると、補正態様の設定状態の決定が終了し、初回撮影処理が終了するようにしてもよい。
以上のように図7に示す初回撮影処理(S120)が終了すると、所定枚数の撮影が終了するまで2回目以降の撮影および落書き画像の生成が繰り返され(S130→S140→…→S170→S130)、落書き対象画像が選択され(S180)、撮影処理が終了する。その後の落書き処理および出力処理についても前述したとおりである。
なおステップS160において、前述したように、補正された初回撮影画像と所定の背景画像が合成され、落書き対象画像として表示する場合は、上記ステップS127(およびステップS125)において表示される補正撮影画像に代えて、この補正撮影画像に対して所定の背景画像をクロマキー合成した合成画像を生成し、生成された合成画像が表示される構成であってもよい。
<4.変形例>
<4.1 第1の変形例>
上記実施形態では、図12および図13に示すように、複数種類(ここでは4つ)の補正態様の設定状態を複数(ここでは合計16個の)の補正態様決定ボタン207を押下することにより決定する構成であるが、1種類ずつ順番に補正態様の設定状態を決定するなど、どのような方式または態様で補正態様の設定状態を決定してもよい。
また、上記実施形態では、図12および図13に示すように、補正態様の設定状態が変更される毎に、変更された設定状態を(重畳的に)反映した補正態様で補正された1つの補正画像212を表示する構成であるが、或る補正態様における(選択されるべき候補である)複数の設定状態をそれぞれ反映した複数の補正画像を表示する図14に示すような構成であってもよい。
図14は、複数の設定状態をそれぞれ反映した複数の補正画像を表示する選択受付画面例を示す図である。図14に示されるように、この撮影操作用タッチパネル20には、初回撮影時の撮影画像に対して、或る補正態様(ここでは目の形)における(ここでは4つの)設定状態をそれぞれ反映した4つの補正画像213と、当該4つの補正画像213の設定状態に対応する4つの補正態様決定ボタン207と、次の画面に遷移するためのOKボタン205とが表示される。
このように各補正態様決定ボタン207に対応する設定状態で補正した補正画像213が全て表示されているので、上記実施形態のように一度押してみるなどして補正結果を確認することなく、補正結果を直感的に判断することができる。そうして当該補正態様の設定状態が決定すると、利用者はOKボタン205を押下することにより、次の補正態様を決定する選択受付画面に移行する。
なお、このOKボタン205を省略し、補正態様決定ボタン207のいずれかが押下されることにより、次の選択受付画面に移行する構成であってもよい。また、OKボタン205に代えて、またはこれとともに、前の補正態様の選択受付画面に戻る「戻るボタン」が備えられる構成であってもよい。
さらに、ここでは1種類の補正態様における選択可能な4つの設定状態が表示されているが、このような表示は一例であって、複数(例えば4つ)の補正態様における複数(例えば16)の補正態様決定ボタン207および対応する補正画像213を表示するなど、表示される設定状態や補正画像の数には特に限定はない。また、次の選択受付画面において表示される補正画像は、現在までに選択された補正態様の設定状態を重畳的に反映していてもよいし、当該画面において選択されるべき設定状態(の候補)のみを反映していてもよい。
また、各補正態様決定ボタン207を省略する代わりに、当該各補正態様決定ボタン207の機能を兼ねる補正画像213を設けることもできる。これに加え、OKボタン205を省略する場合には、OKボタン205の機能をさらに有する補正画像213を備えればよい。
<4.2 第2の変形例>
上記実施形態では、図11に示すように、利用者によってOKボタン205が押下されることにより撮影に移行する構成ではなく、図15に示されるように自動的に撮影が行われる構成であってもよい。
図15は、初回撮影を自動的に行うための撮影画面例を示す図である。図15に示されるように、撮影操作用タッチパネル20には、通常撮影時と同様のリアルタイムプレビュー領域201と、このリアルタイムプレビュー領域201内に固定的に表示される顔位置ガイド206とが表示される。なお、この顔位置ガイド206が表示されると、図11に示される場合と同じくこの枠内に顔が入るように、かつ枠一杯に顔が写るように、利用者は自然と顔の位置を移動させるので、補正を行うための好適な撮影画像が得られる。
ここで上記実施形態では、図9に示すステップS123において、第1の制御部70は、OKボタン205が押下されたか否かを撮影タイミングとして判定するが、本変形例では撮影画像における利用者の顔領域の位置を周知の顔認識処理によって認識することにより、認識された利用者の顔領域の位置が顔位置ガイド206内に(例えばほぼ内接するよう)収まっているか否かを判定することにより、撮影タイミングであるか否かを判定する。そうすれば、自動的に好適な撮影画像が得られるので、利用者の操作を不要とすることができ、かつ利用者に撮影タイミングの決定を委ねる場合よりも、より好適なタイミングで撮影された撮影画像が得られる。
ここで、この顔領域の認識処理は、周知の手法を採用すればよく、例えば予め記憶されたモデル画像を拡大・縮小、回転することによりテンプレート画像を生成し、このテンプレート画像を基準として顔としての特徴を有する画像が撮影画像内に含まれている場合に当該領域を顔領域として認識する手法や、テンプレートを使用しない周知の認識手法、例えば肌色領域の形状に基づき顔領域を認識したり、各種のパターン認識手法を使用した認識手法等を採用可能である。これらの周知の手法についての詳しい説明は省略する。このように顔領域を認識するプログラムを実行することにより、簡単にかつセンサなどを設けることなく安価に利用者の位置を計測することができる。なお、周知の顔検出用LSIチップなどのハードウェアを使用すれば、ソフトウェア処理の場合よりも顔領域の認識を高速化することができる。
また上記顔認識処理は、利用者の位置が検出可能なものであればよいので、利用者を個体識別する必要はないが、識別してもよく、また顔の位置だけでなく顔の向きを検出し、顔の向きがカメラに正対している場合(正面を向いている場合)に撮影を行う構成であってもよい。さらに、上記顔認識処理は、初回撮影前に行われればよいので、上記のようにリアルタイム表示を行うためのスルー画像データに基づいて行われる構成が好適であるが、上記顔認識処理のための(静止画)撮影を断続的に行う構成であってもよい。
さらにまた利用者の位置が検出可能であれば、顔認識処理を使用しない周知の様々な位置検出手法を採用可能であり、例えば利用者の立つ位置を検出するため床に(典型的にはマトリクス状に)配置される圧力センサや、複数の光センサ、超音波センサなどを設ける構成であってもよい。もっとも、これらのセンサを新たに設けるにはコストがかかるため、典型的にはソフトウェアのみの処理で位置検出することができる顔認識処理を使用することが好適である。
<4.3 その他の変形例>
本実施形態では、カメラ10が1つ設けられる構成であるが、2つ以上のカメラが設けられる構成であってもよく、例えば利用者の顔付近を拡大して撮影するアップ撮影用カメラと、利用者の全身から半身程度までの範囲を撮影する全身撮影用カメラとが設けられる構成であってもよい。この構成では、例えば初回撮影処理に使用される撮影画像をアップ撮影用カメラで取得して補正態様の設定状態を決定し、決定された設定状態で全身撮影用カメラによって取得される撮影画像に対する補正を行うことが考えられる。またその逆であってもよい。さらに、アップ撮影用カメラによる初回撮影処理に代えて、またはこれとともに全身撮影用カメラによる初回撮影を行い、全身撮影用カメラによって取得される撮影画像に対して好適な補正態様の設定状態を利用者の操作入力に基づき決定する構成であってもよい。例えば、全身撮影用カメラにより取得された撮影画像に対して足を長くしたり、体を細くするなどの態様で補正を行う構成であってもよい。
また本実施形態では、撮影画像に対する補正は、画像の一部に対する色および形状のうち少なくとも一方の変更を行うものであるが、画像に対する変更処理ではなく、等が変更に相当する2回目以降の撮影における撮影環境を変更する構成であってもよい。例えば、利用者の肌を白くする補正を行う場合フラッシュの光量を大きくし、利用者の肌を黒くする補正を行う場合にはフラッシュの光量を小さくする構成や、カメラ10に対して適宜の色や補正効果を付与する周知の光学フィルタ板を(選択的に適用可能に)設ける構成、図示されない所定色の専用光源の光を照射する構成などが周知の様々な構成が考えられる。このような撮影環境の変更によって、初回撮影画像に対して周知の画像処理手法を用いて行われた補正態様と同様の補正結果を、2回目以降の撮影画像に対する上記画像処理手法を用いることなく実現することができる。
また本実施形態のステップS120において、利用者は、撮影モードの選択、例えば画質(具体的にはコントラストが高いくっきりとした画質、柔らかなふんわりとした画質、または透明感のあるクールな画質のうちのいずれか)を選択し、明るさを選択するといった補正態様の選択を行ってもよい。
さらに、図11および図15に示されるように、顔位置ガイド206は、2人の利用者によって使用されることが予定される形状で表示されるが、前述したように予め利用者の人数を選択させるための利用者による操作入力を受け付けておくことにより、利用者の人数に応じた形状(例えば人数分の枠を有する形状)の顔位置ガイド206を表示させることができる。また、前述した顔認識処理などの周知の手法によれば、利用者によって人数を選択させることなく、利用者の人数に応じた顔位置ガイド206を自動的に表示させることもできる。
また、上述の落書き編集を行う際に、確定されたパラメータの値に応じて変更された複数の落書き対象画像のうちの1つ以上を、確定されたパラメータの値に応じて変更される前の元の状態に個別に(例えば目の形などの補正態様毎に)または一括して戻すことが可能な構成であってもよい。このような構成は、例えば(パラメータ毎の)変更を行う前の各画像を記憶することなどによって容易に実現できる。また、各パラメータの値を個別にまたは一括して再設定する操作入力を受け付け、再設定されたパラメータ値に応じて変更を行う構成であってもよい。なお、複数の落書き対象画像を元の状態に戻す等の上記処理を行う際には、当該複数の落書き対象画像すべてを一括して変更するようにしてもよいし、対象となる落書き対象画像を指定して変更するようにしてもよい。また、落書き対象画像に含まれる利用者ごとに変更を行う構成であってもよい。さらに上記の各構成は、落書き編集処理前や、撮影処理中に適用されてもよい
<5.効果>
以上のように上記実施形態または上記変形例(以下、単に「本実施形態」という)の自動写真作成装置は、カメラ10により一回目の撮影画像を取得した後、当該初回撮影画像に含まれる利用者の像に対する補正態様の設定状態(具体的には画像の少なくとも一部における色または形状の少なくとも一方の変更を行うためのパラメータの値)に対する図14に示されるような予め定められたパラメータの複数の候補値(ここではA〜Dの4つ)それぞれに基づき変更が行われた撮影画像(ここでは各補正画像213)が表示され、これらから1つを選択しパラメータの値とする操作入力が受け付けられ、二回目以降に取得される撮影画像に対しては、確定されたパラメータの値に応じて変更が行われるので、各パラメータに対応する補正結果を一覧することができる。そのため、全体として限られた時間内に取得される撮影画像を多くすることができ、かつ、利用者が撮影画像に対する補正を直感的に(したがって素早く)行うことができる。
また、本実施形態によれば、自動写真作成装置は、カメラ10により一回目の撮影画像を取得した後、当該初回撮影画像に含まれる利用者の像に対する補正態様の設定状態(具体的には画像の少なくとも一部における色または形状の少なくとも一方の変更を行うためのパラメータの値)を設定する操作入力を受け付け、パラメータの値(初期値も含む)に応じて一回目の撮影画像を変更して表示し、二回目以降に取得される撮影画像に対しては、確定されたパラメータの値に応じて変更が行われるので、全体として限られた時間内に取得される撮影画像を多くすることができ、かつ一回目で利用者が設定した態様で補正された補正撮影画像が表示されるので、利用者が撮影画像に対する補正を直感的に(したがって素早く)行うことができる。
さらに、本実施形態によれば、図7に示すステップS180において、変更が行われた撮影画像の全てから、最終的な合成画像に含まれるべき落書き対象となる撮影画像を1つ以上選択する操作入力を受け付けるので、初回撮影画像も落書き対象画像として選択することができる。そのため、全体として限られた時間内に取得される撮影画像を多くすることができる。
また、本実施形態によれば、利用者が所定位置に存在するときに初回撮影画像を取得するので、利用者が撮影(ここではシャッターを切る動作)を行う必要がない。そのため、初回撮影画像を素早く取得することができ、また利用者は撮影操作を省略することができる。
さらに、本実施形態によれば、初回撮影画像を取得する前に、カメラ10によって取得される(典型的にはスルー画像における)利用者の像に含まれる顔領域を認識し、認識された顔領域が(ここでは図15が示す顔位置ガイド206内の)所定位置に存在するときに初回撮影画像の取得が行われる。そのため、初回撮影画像を素早くかつ顔認識によって好適な状態(例えば大きさや位置)で取得することができ、また利用者は撮影操作を省略することができる。
また、本実施形態によれば、図9に示すステップS126において、パラメータの値を設定する操作入力が行われる毎に、今までに設定された全てのパラメータの値に基づき補正された初回撮影画像が表示されるので(S127)、利用者が設定したパラメータで直ちに補正された補正撮影画像が表示される。よって、利用者が撮影画像に対する補正を直感的に(したがって素早く)行うことができる。
さらに、本実施形態によれば、図12に示されるようにパラメータの初期値が設定されており、当該初期値に基づき変更が行われた初回撮影画像がまず表示されるので、当該初期値に応じた補正が行われることにより、たとえ当該利用者の嗜好に反する補正が行われている場合であっても、利用者が好む補正態様に変化させやすくなることも考えられ、また初期的な補正によって意外性などの遊戯性が増大する。