JP5658171B2 - 内部観察装置 - Google Patents

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Description

本発明は、光散乱性を有する対象物、例えば生体による後方散乱光を計測することにより生体内部を観測する装置に関するものである。
光散乱性を有する対象物の内部を光学的に観察することは一般に容易ではない。多くは、生体内部を観測するための様々な方法論が提案されているにすぎない。その一つである光を用いた観測は、用いる光の波長を選択することにより特定の対象を観測できるという利点を有している。この手法では、特定の被観察対象(例えば、異質部分)に吸収される波長の光を生体に照射し、その後方散乱光強度を計測し、それにより、生体内部に存在する異質部分の位置情報を得ることができる。後方散乱光は、照射位置と計測位置との距離が大きくなるほど、生体などの散乱体のより深部を通ってきた光である。
またさらに、異質部分の位置情報を得るだけでなく、異質部分の深度情報を得ることもできる。更に、照射位置と計測位置との距離が同じである後方散乱光のデータを集めることにより、その分布画像(即ち、二次元データ)を作製することができる。特許文献1には、1つの光照射部と、複数の光検出部とを具備する生体光観測装置が開示されている。複数の光検出部は、1つの光照射部の位置から順次遠ざかる位置に配置される。また、該装置による計測結果に基づいて、生体の断層画像(即ち、三次元データ)を再構成する技術が開示されている。
特許文献2には、1つの光照射部と、複数の光検出部を具備する生体光計測装置が開示されている。複数の光検出部は、光照射部から所定の間隔をおいて、例えば、同心円上になどに配置される。
特開2006−200943号公報 特開2007−20735号公報
本発明の1つの目的は、従来よりも良好に生体内部を観察できる装置を提供することである。
上記問題に鑑み、本発明は、光散乱性を有する対象とその深部に存在し得る被観察物体とにおいて前記対象から前記物体の存在を観察する内部観察装置であって、前記対象と前記物体とで光学特性の異なる波長を少なくとも含む光を前記対象に照射するように構成された照明部(すなわち光照射部)と、前記照明部により照射された照明光の後方散乱光のうち、特定の検出領域からの光を検出し光強度データを取得するように構成された検出部と、前記取得された光強度データを解析し画像を構成するように構成された画像化部と、前記画像を表示するように構成された表示部と、を備え、前記特定の検出領域の面積が前記照明光の前記対象の表面における照明領域よりも大きく、前記検出領域からの後方散乱光を単一の検出素子に入射させる光学系と、前記照明部による照明位置と前記検出部による検出位置とを、前記対象に対して走査するように構成された走査部と、を更に備え、前記画像化部は、前記走査に対応させた画像を構成するように構成され、前記検出部において、前記走査部を通して導光された前記後方散乱光のうち、前記検出領域からの後方散乱光のみを抽出するためのアパーチャを配置したことを特徴とする内部観察装置を提供する。
本発明の態様によれば、従来よりも良好に生体内部を観察できる装置が提供される。
図1は、生体内部観察装置の構成を表したブロック図である。 図2は、本発明の観察手法の原理を表した模式図である。 図3は、照明領域と検出領域の中心間距離と、観察深さを説明する図である。 図4は、検出対象である第2の生体組織と検出領域との大きさの関係と、そのときの光量変化を説明する図である。 図5は、走査部を付加した生体内部観察装置の構成を表したブロック図である。 図6は、走査部を付加した際の、本発明の観察手法の原理を表した模式図である。 図7は、走査をした際の、第1の生体組織の表面と構成される画像の模式図である。 図8は、第1の実施形態の構成図である。 図9は、第2の実施形態の構成図である。 図10は、分離光学系の構成を説明する図である。 図11は、本態様に従う観察装置の1例を示す構成図である。 図12は、ヘモグロビンのモル吸光係数の波長依存性のグラフである。 図13は、水の吸収係数の波長依存性のグラフである。 図14は、第3の実施形態に係る散乱体内部計測装置のブロック構成図である。 図15は、本発明に係る散乱体内部計測装置の動作を表したフローチャートである。 図16は、散乱体内部の光の伝搬の様子を表す概念図である。 図17は、第3の実施形態に係る散乱体内部計測装置により得られる2次元画像データの模式図である。 図18は、照射位置を変えて測定したときの2次元画像データの模式図である。 図19は、第4の実施形態に係る散乱体内部計測装置のブロック構成図である。 図20は、第5の実施形態に係る散乱体内部観測装置のブロック構成図である。 図21は、第3の側面に従う散乱体内部観測装置を適用した硬性鏡の模式図及び散乱体内部及び表面における光の伝搬の様子を表す概念図である。 図22は、照明の走査の様子を表す概念図である。 図23Aは、照射位置の走査による等深度領域の軌跡を示す模式図である。 図23Bは、照射位置の走査による等深度領域の軌跡を示す模式図である。 図24は、ノイズ除去方法の第1の方法を示す概念図である。 図25は、ノイズ除去方法の第2の方法を示す概念図である。 図26は、ノイズ除去方法の第3の方法を示す概念図である。 図27は、第7の実施形態の1例である内部観察装置を示す 図28は、第8の実施形態の1例である内部観察装置を示す 図29は、第9の実施形態の1例である内部観察装置を示す。 図30は、観察装置の被写体側末端の1例を模式的に示す図である。 図31は、観察装置末端と被写体との関係の例を示す模式図である。 図32Aは、各光路と、照射領域および検出領域とを示す模式図である。 図32Bは、撮像方法の1例を示すフローチャートである。 図33は、距離d2と撮影距離WDと画像の明るさの関係を示す図である。 図34は、距離d2と撮影距離WDと画像の明るさの関係を示す図であるである。 図35は、距離d2と撮影距離WDと画像の明るさの関係を示す図であるである。 図36は、距離d2と撮影距離WDと画像の明るさの関係を示す図であるである。 図37は、第10の実施形態の1例を示すフローチャートである。 図38は、フィルタリング処理を行う補正方法の1例を示すフローチャートである。 図39は、フィルタリング処理を行う補正方法の1例を示すフローチャートである。 図40は、フィルタリング処理を行う補正方法の1例を示すフローチャートである。 図41は、制御ユニットの構成の1例を示すブロック図である。
以下、本発明の散乱体内部計測装置について説明する。本発明において、散乱体とは、散乱媒質で構成される任意のものを意味し、その例として生体が挙げられる。本発明の散乱体内部計測装置は、散乱体内部の散乱媒質中に存在する測定対象について計測するものである。本発明における測定対象とは、例えば血管などであってよいがこれに限定されない。ここにおいて、「光散乱性を有する対象の内部観察装置」とは、上述の対象となる散乱体の内部を観察するための装置をいう。また、「散乱体内部計測装置」および「生体内部観察装置」とは、光散乱性を有する対象のうち、特に、生体についてその内部を観察するための装置をいい、これらの同義であり、交換可能に使用することが可能である。また、「内部観察用内視鏡」は、上記のような観察装置のうち、特に内視鏡の形態を有する装置をいう。
以下、本発明の実施形態を図面に従って説明する。なお、以下の説明において、略同一の機能及び構成を有する構成要素については、同一符号を付し、重複説明は必要な場合にのみ行う。
<第1の側面>
以下、本発明の実施の形態を、光散乱性を有する観察対象として生体組織を例にした内部観察装置について図を参照して説明する。
図1は、本実施形態のブロック構成図を示している。本観察装置101は、図に示したように、照明部(図中、照明手段)102、検出部(図中、検出手段)103、画像化部(図中、画像化手段)104、表示部(図中、表示手段)105、及びそれらを制御するように構成された制御部(図中、制御手段)106を備えている。
照明部102は、制御部からの制御に基づいて光107を生体組織へ向けて照射するものである。検出部103は、その照明光107によって生じる後方散乱光108を検出して電気信号へ変換するものである。この照明と検出は第1の生体組織109内での第2の生体組織(生体内部における散乱特性が異質である被観察対象)110の有無を判定するためのものである。そのため、照明光107は第1の生体組織109と第2の生体組織110とで光学特性の異なる波長を少なくとも含む光を用いる。画像化部104は、検出部103で検出した光強度の2次元分布を、濃淡画像やカラー画像として生成し、表示部105にて表示する。
第1の生体組織109内に存在する第2の生体組織110を光学的に観察する場合、生体組織内にまで入り込んだ光を活用した観察を行う必要がある。しかしながら、生体組織は、無数の細胞及びそのオルガネラ等で構成された媒質である。そのため、眼球など一部の生体組織を除いては、生体組織は光学的に散乱性を有する。また、吸収されてしまう光もある。そのため、生体組織内部にまで入りさらに後方にまで戻ってくる光、すなわち後方散乱光108の光量は大幅に減衰し、表面における反射光や表面拡散光と比較して非常に弱くなる。弱い光の検出を、SN比を高く行う方法としては、露光時間を長くする方法や高感度検出器を用いる方法がある。しかしながら、前者は撮影時間が長くなるという問題があり、後者では検出器の高額化という問題がある。
図2に検出領域の模式図を示す。照明領域201は、照明光107が第1の生体組織109の表面に当たったときの円形の領域を表している。検出領域202は、第1の生体組織109の表面で前記検出部103が検出する円形の領域を表している。すなわち、前記後方散乱光108のうち検出領域202から出てきた光のみが検出される。照明領域201と検出領域202の形状は、必ずしも円形である必要は無い。例えば、当該形状は、正方形、長方形、多角形、正円形、楕円および円弧状ブロック形状等であってもよい。
ここで、検出領域202の面積を大きくすれば、それだけ多くの後方散乱光108を検出することができ、且つ非常に弱くなった後方散乱光108でもSN比を上げて検出することができる。一般的な散乱光検出では、照明領域201と同程度の面積の検出領域202が用いられる。しかしながら、本態様では、検出領域202を照明領域201よりも広くすることにより、簡便な構成でSN比を上げている。
第1の生体組織109内に存在する第2の生体組織110を光学的に観察する場合、生体組織内部にまで入って後方に戻ってくる後方散乱光108は、前期の通り非常に弱い光である。そのため、どんなにSN比を上げて検出しても、表面における反射光や拡散光の信号の中に埋もれてしまうため、後方散乱光108の変化を読み出すことが難しい。
図3に、照明領域201と検出領域202の配置の模式図を示す。図のように照明領域201と検出領域202を一定の距離301だけ間隔を開けることにより、反射光や拡散光を避けた検出が可能である。このとき、第1の生体組織109内部では、検出領域202にて検出される光は図示した領域302を通る光が支配的となる。そのため、距離301が変化すると異なる深さ303の内部情報が検出されることとなる。よって、距離301が一定となるように照明部102と検出部103を設計することにより、一定の深さの情報を画像化することが可能となる。
一方、距離301を規定しながらも、検出領域202のサイズを大きくしすぎると、検出領域202内に照明領域201が入ってしまう。その結果、反射光や拡散光を同時に検出してしまうことになる。そのため、検出領域202の大きさと距離301は、このような事情を考慮して、検出領域202内に照明領域201が入らないように、設計する必要がある。
生体組織における散乱特性は、部位や個体差によって異なる。しかしながら、いずれの場合でも距離301と検出される深さ303との間は、実験から図中のグラフ304のように、概ね、比例関係となることが分かった。このときの比例係数は、生体組織の場合ではおおよそx=2.8×zであった(xは距離301、zは検出される深さ303を表す)。
このことから、ある深さにある第2の生体組織110を検出するためには、距離301を一定距離以上大きくする必要がある。具体的には、深さzの第1の生体組織109内部の信号を得るためには、距離301を、
x ≧ 2.8 × z
とすればよいことが分かった。とくに従来の光学的観察では難しかった3mm以上の深さの情報を得るためには、距離301を約8mm以上に設定すればよいことが判明した。
図5に、走査部501を付加した観察装置のブロック構成図を示す。
本検出手法を用いると、第2の生体組織110の有無による光量変化を、照明領域201と検出領域202の間の領域について検出することができる。よって、この照明部102と検出部103に走査部501を加え、距離301を規定したままで走査することにより、第2の生体組織110の2次元的分布を検出することが可能となる。このとき、走査の方向は直線方向に限らない。また、2点以上の複数点を同時に照明し検出するように照明領域201と検出領域202の組を2組以上設けてもよい。それにより、観察をより広範囲に行うことが可能である。この場合、各組同士の離間距離は任意であり、隣接していてもよいし、互いに距離が離れた照明領域および/または検出領域に配置するようにしてもよい。
画像化部104では、各走査点にて検出した光強度信号を、走査点と表示画像内での画素位置とを対応付けて表示させることによって、第2の生体組織110の2次元的分布を2次元画像として表示させることができる。このとき、光強度信号は色の濃淡情報に変換して表示してもよいし、色情報に変換して表示してもよい。
図6および図7に、走査した際の照明領域201と検出領域202の動きの模式図を示す。走査点の配置に従い、画像化部104で構成する画像の画素702を配置する。すなわち、隣接走査点の間隔701が、画素702の間隔に相当することとなる。
このとき、検出領域202の大きさを走査点間隔よりも大きくすると、隣接走査点での検出領域との間に交わり部703が生じさせることができる。こうすることにより、隣接する検出領域との間の光量変化が滑らかになり、画像上でスムージング処理をしたときと同じノイズ低減効果が得られる。
このとき、検出領域202の大きさに関わらず走査点の間隔で画像を構成することにより、検出領域202を拡大することによる画像化部104への影響を避けることができる。
このとき、ノイズ低減効果と検出光量増大効果を目論むと検出領域202のサイズをより大きくしていくこととなる。しかしながら、検出領域202内に照明領域201が入ると、反射光や拡散光を同時に検出してしまう。そのため、後方散乱光の検出が困難になる。従って、上記検出領域202のサイズは、照明領域201が入らない範囲で収めなければならない。
弱い後方散乱光108でも第2の生体組織110を光学的に検出できるようにするために、どこまで検出面積(S)を大きくすればよいかは、観察系と被検体と検出系の全体の特性により決まる。照明光107の帯域幅をBWLHz、検出領域202での光密度をPW/cm2、検出器の光電変換効率をGV/W、検出器の持つノイズ特性をNV、第2の生体組織110の有無による光強度の変化率をr、検出する露光時間をtsとおくと、前記検出面積Sは次の関係式を満たす必要がある。さもなければ、第2の生体組織110の有無の情報はノイズに埋もれることとなる。
図4に、検出領域が第2の生体組織403の存在位置上を横切った際の模式図を示す。第2の生体組織として、図中のような形状で検出したい大きさがWであるとする。図に2種類の検出領域401、402を示す。簡単のために検出領域は正方形を仮定し、両者を走査する方向は図のx軸方向とする。小さい方の検出領域401は1辺の長さがD1<Wであり、大きい方の検出領域402は1辺の長さがD2>Wである。また、第2の生体組織403上で検出される光量は0で、それ以外の位置では1とする。
この仮想状態で計算をすると、検出される光量の変化は図4aと図4bとなる。この2つの光量比の変化404、405を見ると、検出領域401、402の大きさが第2の生体組織Wより大きくなると、光量比の変化率が低下することがわかる。すなわち信号コントラストが低下する。コントラストが低下すると、第2の生体組織は検出しにくくなる。
上記の仮想モデルによる推論からも分かるように、検出光量を増やすために検出領域202を大きくする際に、検出領域202が第2の生体組織110の中に納まる大きさにすることにより、より検出能力を高く保つことができる。
(第1の実施形態)
図8に、走査部501を組み込んだ装置の1例を示す。
照明光としてレーザー光を使用し、その照明部102として、LD803とそれを駆動するLDドライバ802により構成した。レーザー光を使用することにより、生体組織109の表面での照明領域201の大きさを、簡便に小さくすることができる。照明光は光ファイバ804により伝送し、NA調整光学系805を介してスキャナーミラー806へ当たる。スキャナーミラー806へ当たった光は、照明用光学系813を経て、生体組織109表面へ照射される。前記NA調整光学系805を介することにより、光ファイバからの出射光を、ロスを最小限にして所望のNAの照明光、例えば平行光に変換して、生体組織109表面へ照射することができる。
検出部103は、フォトダイオード809とプリアンプ810とAD変換器811により、光強度をデジタル信号へ変えている。ここでフォトダイオード809は、APDや光電子増倍管などでもよい。フォトダイオード809へ入射する光は、生体組織109表面から検出用光学系814を経てきた後方散乱光108である。このとき、この後方散乱光108は、検出領域202から出てきた光でなくてはならず、また、照明光108とともに走査されなければならない。よって、この後方散乱光108は、検出用光学系を通った後、走査部であるスキャナーミラー806へ当たり、検出領域202からの光のみが通過するような大きさや形状の開口部を形成したアパーチャ808を通ってからフォトダイオード809へ入射する。検出領域202以外からの光は、すべてこのアパーチャ808にて遮光カットされる。走査部は、本実施例ではスキャナーミラーを採用しているが、光ファイバを振動させる方式や複数の光源と検出器を切り替える方式など、光軸を変化させる手段であればよい。
このとき、倍率調整光学系807(例えばビーム拡大用の対物レンズ)を配して、取得した検出光をアパーチャー808の開口部のサイズにほぼ一致するようにビーム径を調整するようにすれば、高い精度での遮光を容易にすることができるので好ましい。
さらに前記アパーチャ808を、検出用光学系814において検出領域202と共役な位置に配置することにより、高い精度での遮光を容易にすることができる。本検出系の構成により、検出領域202と照明領域201の位置関係を簡便に設計することが可能となる。検出領域202と照明領域201との位置関係は、前述の通りである。
スキャナミラー806は、スキャナドライバー812からの信号により動作し、これらは制御部801により制御される。制御部801では、スキャナー位置と光強度信号とを関係付けた画像を構成し、表示部105に表示させる。表示部は画像表示可能な装置で、本実施形態では液晶画面やブラウン管を想定している。
本実施形態の構成により、簡便な構成でありながら、高感度に高精度な後方散乱光108を検出することが可能となり、第1の生体組織109内部にある第2の生体組織110の分布を2次元画像として、高速に撮影することができる。高速に撮影できるため、動画撮影も可能となる。また簡便な構成であるため、装置全体の軽量化も容易になる。
(第2の実施形態)
図9に、実施例の1つとして、照明光107と後方散乱光108を同一光学系に通す構成のブロック図を示す。
照明部102と検出部103の側に分離光学系901を配することにより、1つの走査部902にて照明光107と後方散乱光108を走査する。走査部902の側には導光光学系903を配し、第1の生体組織109表面へ照明光107を照射し、後方散乱光108を取り込んでくる。この構成にすることにより、走査部と導光光学系を1つだけにすることが可能となり、小型かつ安価に作ることができる。
図10に分離光学系901を組み込んだ、装置の具体的構成を示す。導光光学系903で取り込まれた後方散乱光108を、倍率調整光学系807とアパーチャ808を通して検出部103に入射させることにより検出領域202から出てきた光のみを検出する構成は、前記図8の構成と同様である。分離光学系901の内部には、照明光107と後方散乱光108の光軸を分離するための光学素子1001が配してあり、この素子により照明光107と後方散乱光108の距離301を規定できる。光学素子1001は、例えばミラーやプリズムのように光軸を制御する素子である。本実施例では照明光107の光軸を制御して後方散乱光108の光軸に合流させているが、逆に後方散乱光108の光軸を制御してもよいし、両方を制御してもよい。
図11は、図10に示した光学系を備えた観察装置101の全体構成の例を示す図である。本構成により、走査部902は1つのみとなり、導光光学系903は1本の光学軸となるので、装置全体の軽量小型化が可能となる。
図12にヘモグロビンのモル吸光係数、図13に水の吸収係数を示す。
第2の生体組織110としてヘモグロビンを主成分とする赤血球を主に含む血液を対象とした場合、血液の存在する位置を通過した光のみが吸収されれば、血液の存在位置を影絵のように描写することが可能である。よって、照明光107として、血液の成分であるヘモグロビンや水分の吸収係数が大きい波長を含む光を採用すれば、血液の存在位置が影絵のように描写される。具体的には、図中のように400〜600nmの範囲の波長1201または800〜1000nmの範囲の波長1202または1350〜1550nmの範囲の波長1301を少なくとも含む光を採用すればよい。
このとき、第1の生体組織109も水分を多く含んでいる場合は、1350〜1550nmの範囲の波長1301の光では第2の生体組織110の検出は困難である。さらに第2の生体組織110が3mm以上の深い位置に存在する場合は、第1の生体組織109による光散乱の影響の少なめな赤外光の方が好ましい。よって、第2の生体組織110として血液または血管を対象とする場合は、900〜1000nmの範囲の波長1203の光を用いるのが好ましい。
本実施形態では、このように波長を限定した照明光107を用い、小さな照明領域202を照明する。このような場合、波長が限定的であり、かつ微細な平行光を生成するには、レーザー光を用いるのがもっとも簡便である。レーザー光で微細な平行光の照明光107とすることにより、光学系813,903と第1の生体組織109表面との距離が変化しても、つねに照明領域201の大きさを一定に保つことが可能となる。また、そのレーザー光を、光ファイバーを用いて導光すれば、多様な光学系の態様における配置が容易となり構成の自由度が増えるだけでなく、軟性内視鏡を設計することも可能となる点で好ましい。
これらの構成により、本発明によれば、光散乱を有する対象内部の観察を高感度に行うことが可能となり、生体深部における異質部分の分布画像を、効率的に取得することが可能な生体内部観測装置を提供するができる。
効率的に画像取得できるということは、1つの画像を生成するために要する時間が短くなるため、動く被写体に対して撮影を行なう場面や観察装置そのものが動き易い撮影場面での内部(深部)観察にも対応することが可能となる。したがって、本発明によれば、動く生体を対象とした撮影装置、例えば医療用内視鏡、手術用硬性鏡(硬性内視鏡)、カプセル内視鏡、in vivo(またはex vivo)観察用顕微鏡に対し生体内部観測の機能を提供することができる。
本発明によれば、上述した装置以外にも、上述した観察の原理を実行するような内部観察方法も提供できる。また、かかる方法を実行するように種々の観察装置を実行するためのソフトウェアや、該装置による観察操作を実行するための制御用プログラムも提供される。
更に、第1の側面において、各態様は、以下に示すように表現される発明であると解されてもよい。各態様(A1)〜(A24)をその効果と共に記載する。
(A1) 当該内部観察装置は、対象の表面に照明光を照射し、その後方散乱光を検出する観察手法において、特定の検出領域の面積を照明領域の面積よりも大きくすることを特徴とする。
このような態様によれば、光散乱性を有する対象内部の被観察物体の観察について、簡便かつ安価な構成で検出光量を増やし、検出に要する時間を短縮することが可能になる。
(A2) 当該内部観察装置は、前記照明領域と前記検出領域の距離を規定するように配置された照明部と検出部とを具備することを特徴とする。
このような態様によれば、一定の深さの情報を画像化することが可能となる。
(A3) 当該内部観察装置は、前記検出領域に、少なくとも前記照明領域が含まれないように配された前記照明部と前記検出部とを具備することを特徴とする。
このような態様によれば、反射光や拡散光を検出する恐れがなくなり、後方散乱光のみを検出することができる。
(A4) 当該内部観察装置は、第1の生体組織と第2の生体組織を含む対象を観察するための装置であって、前記照明領域と前期検出領域の中心間距離 x を、前記第2の生体組織が存在すると予測されるおおよその深さ z に対して、
x ≧ 2.8 × z
となるように規定したことを特徴とする。
このよな態様によれば、対象内部の所望の深さに対する信号を得ることができる。 (A5) 当該内部観察装置は、前記照明と前記検出の位置とを第1の生体組織の表面に2組以上配し、それぞれの位置に対応させた画像を構成することを特徴とする。
このような態様によれば、対象内部にある物体の分布を検出することが可能となる。
(A6) 当該内部観察装置は、前記照明と前記検出の位置とを走査するように構成された走査部を備え、それに対応させた画像を構成する画像化することを特徴とする。
このような態様によれば、対象内部にある物体の分布を検出し、画像化することが可能となる。
(A7) 当該内部観察装置は、前記検出領域の大きさを隣接検出領域との中心間距離よりも大きくし、検出領域の間で交わりが生じるようにしたことを特徴とする。
このような態様によれば、隣接する検出領域との間の光量変化が滑らかになり、画像上でのスムージング処理と同じノイズ低減効果を実現できる。
(A8) 当該内部観察装置は、前記検出領域に前記照明領域が入らないように検出領域の大きさを決めたことを特徴とする。
このような態様によれば、対象の表面からの反射光と拡散光を除外し、後方散乱光のみを検出することが可能となる。
(A9) 当該内部観察装置は、走査時の間隔に対応させて画像を構成するようにしたことを特徴とする。
このような態様によれば、検出領域を拡大することによる画像化部への影響を避けることが可能となる。
(A10) 当該内部観察装置は、前記検出領域の大きさを、以下の数式をみたすようにしたことを特徴とする;
D ≦ W
(前記検出領域の1方向の大きさをD、前記第2の生体組織の把握したい大きさをWとした)。
このような態様によれば、前記検出領域からの光のみを検出器へ入射させることが実現される。
(A11) 当該内部観察装置は、前記検出領域からの後方散乱光のみを抽出するためのアパーチャを前記検出部に配置したことを特徴とする。
このような1態様によれば、前記検出領域以外からの光を、高い精度で遮光することが可能となる。
(A12) 当該内部観察装置は、アパーチャの位置を、前記第1の生体組織の表面からの後方散乱光を前記検出部まで導光してくる光学系において、前記検出領域と共役な位置に配置することを特徴とする。
このような1態様によれば、前記検出領域以外からの光を、高い精度で遮光することが容易になる。
(A13) 当該内部観察装置は、前記走査部と前記アパーチャとの間に倍率調整光学系を備えたことを特徴とする。
このような1態様によれば、前記走査部と導光光学系を1つにすることが可能となり、小型化でき、かつ安価に製造可能となる。
(A14) 当該内部観察装置は、前記照明光と前記後方散乱光を同一の光学系へ導光する導光光学系と、照明光を前記導光光学系へ入射させて前記検出領域からの後方散乱光のみを抽出する分離光学系とを備えたことを特徴とする。
このような態様によれば、照明光の波長帯域を限定し、照明領域を小さく絞ることが簡便に実現される。
(A15) 当該内部観察装置は、照明光源としてレーザー光源を用いたことを特徴とする。
このような態様によれば、装置の構成の自由度を向上することが可能になる。
(A16)当該内部観察装置は、照明光の導光に光ファイバを用いたことを特徴とする。
このような態様によれば、観察距離に依存せずに、照明領域の大きさを一定に保つことが実現される。
(A17) 当該生体内部観察装置は、前記対象が第1の生体組織であり、前記物体が第2の生体組織であることを特徴とする。
このような態様によれば、対象としての生体組織内部の3mm以上の深さについても、被観察物体を観察できる。
(A18) 当該生体内部観察装置は、前記照明領域と前期検出領域の中心間距離を、8 mm以上となるように規定したことを特徴とする。
このような態様によれば、生体組織内部の3mm以上の深さについても、信号を得ることが可能となる。
(A19) 当該生体内部観察装置は、前記検出領域の面積Sを、以下の数式をみたすようにしたことを特徴とする。
(前記照明光の帯域幅をBWL、前記検出領域での検出光密度を P 、前期検出光を前記光強度データへ変換する変換係数を G 、前記検出部のノイズフロアをN、前記検出の際の露光時間をt、前記第2の生体組織の有無による前記光強度データの変化率をrとした)
このような1態様によれば、第2の生体組織の有無の情報を、ノイズに埋もれることなく検出することが可能となる。 (A20)当該内部観察装置は、前記第1の生体組織への(照明部の出射から組織の入射までの)照射端において前記照明光が平行光となるように、NA調整光学系を備えたことを特徴とする。
このような態様によれば、検出能力を低下させずに、範囲での前記検出領域の拡大が可能となる。
(A21)当該生体内部観察装置は、前記照明光の波長が400〜600nmまたは800〜1000nmまたは1350〜1550nmを少なくとも含む光であることを特徴とする。
このような態様によれば、血液の存在位置を描写することが可能となる。
(A22)当該生体内部観察装置は、前記照明光の波長が900〜1000nmを少なくとも含む光であることを特徴とする。
このような態様によれば、前記第1の生体組織が水分を多く含んでいる場合でも、深さ3mm以上に存在する血液または血管を検出することが可能となる。
(A23)当該内視鏡は、医療用内視鏡に組み込んだことを特徴とする。
このような態様によれば、生体内部観測を医療現場に応用することが可能となる。
(A24)当該内視鏡は、手術用硬性内視鏡に組み込んだことを特徴とする。
このような態様によれば、生体内部観測を医療現場に応用することが可能となる。
また更に、上述のような態様により以下のような従来の問題も解決することが可能である。
断層画像を得るためには、多くの測定点で測定を行わなければならない。従来の装置では、装置本体が複数の検出素子を配したものである。使用者はそのような装置を各測定点へ移動させながら測定する。そのため、従来の装置および方法では、測定において多くの時間が必要であるという問題がある。
また、特許文献1に記載の方法および装置は、光源と検出素子とを生体表面に接触させ、測定を行う。従って、そのような方法および装置では、各測定点への移動を行うたびにそれらを接触させ、画像を得る必要がある。従って、さらに多くの時間が必要であるという問題がある。
このような問題も、本発明に従う上述した態様により解決される。そのような態様により、異質部分の分布画像を効率的に取得することが可能な内部観測装置が提供される。更に、これらの態様により、対象内部の特定の深さ領域について、従来よりも高感度に観察可能な内部観察装置が提供される。さらに、これらの態様により、対象内部を、従来よりも深い領域においても観察できる内部観察装置が提供される。
また、このような態様により、光散乱性を有する対象物の内部に含まれる異質部分が存在する深度における、断層画像を効率的に取得できる方法および装置を提供することが可能になる。
このような態様により、照射位置を移動させることにより、多くの情報を簡便且つ短時間に取得でき、且つ容易に断層画像を作成できる方法および装置を提供することが可能である。
このような態様により、対象内部の特定の深さ領域ついて、従来よりも高感度に観察できる方法および内部観察装置を提供することが可能になる。
またこのような態様により、対象内部について、従来よりもより深い領域を観察できる方法および内部観察装置が提供される。
従って、このような態様により、従来よりも良好に生体内部を観察できる方法および装置を提供することが可能となる。
<第2の側面>
以下に説明する本発明の第2の側面の1または1以上の態様は、上述した第1の側面の1または1以上の態様と組み合わせて使用されてもよい。また、第2の側面に示される1の態様が単独で、または1または1以上の態様が組み合わされて使用されてもよい。
(第3の実施形態)
図14は本発明の第3の実施形態に係る散乱体内部計測装置1401のブロック構成図である。同図に示すように、散乱体内部計測装置1401は、可動性の光照射部1410、検出部1411、制御/解析部1412、メモリ1413、表示部1414、入力部1415を具備している。
光照射部1410は、散乱体1408内部の測定対象1407とその周囲の散乱媒質1406とで光学特性の異なる光を照射する照明手段である。光照射部には例えばLDなどを用いることができるがこれらに限定されない。この光照射部1410から照射される光には、例えば、測定対象には吸収されるが散乱媒質には吸収されない波長の光を使用することができる。光照射部1410は、制御/解析部1412からの制御信号に基づいて光を散乱体1408に向けて照射する。
検出部1411は、光照射部1410によって照射された光が、散乱体1408の散乱媒質1406と測定対象1407により、反射、散乱、吸収され、散乱体表面から出射された後方散乱光強度を検出するものである。検出部1411は、制御/解析部1412からの制御に基づいて後方散乱光を検出する。
上記の光照射部1410、検出部1411、表示部1414及び入力部1415は、電気信号が伝送される信号回路によって制御/解析部1412に接続される。
制御/解析部1412は、光照射部1410、検出部1411の動作を制御すると共に、検出部1411によって検出されたデータを解析し、測定対象1407が散乱体1408の内部に存在しているか否かを確認する。散乱体1408の内部に測定対象1407が存在している場合、光の照射位置と測定対象1407が確認された位置との距離などから、散乱体1408において測定対象1407が実際に存在する位置や深度が解析される。また制御/解析部1412は、検出されたデータを記憶するメモリ1413を備える。
撮像素子の光学系の画角の観点から、検出部1411が散乱体1408に接触せずに離れているほうが広い領域を計測できる。そこで、本実施形態における光照射部1410及び検出部1411は、散乱体に接触せずに一定距離を隔てて照射及び検出を行う。これにより、検出部1411は散乱体の広い領域を一度に計測することができる。この検出部1411により一度に検出される領域をここでは計測領域と称する。
次に、本実施形態に係る散乱体内部計測装置1401の作用を説明する。
図15は本発明に係る散乱体内部計測装置1401の動作を表したフローチャートである。S1において、散乱体に光を照射する位置を決定する。S2において、光照射部1410により散乱体に光を照射する。S3において、検出部1411により、散乱体1408内部の散乱媒質1406により反射、散乱、吸収され、再度散乱体表面に戻ってきた後方散乱光強度を検出する。検出されたデータはS4においてメモリ1413中に記憶される。S5において、測定が終了か否か判断し、終了でなければS1に戻って測定を続ける。終了の場合はS6へ移行する。
S6において、制御/解析部1412がメモリ1413に記憶されたデータを解析する。解析結果はS7において表示部1414に表示される。S8において計測を終了するか否かを判断し、終了でなければ、S1に戻って計測を続けるかS6に戻って解析を続ける。
S6における解析は、以下のような解析手法により行われる。
一つの解析方法として、得られたデータから、測定対象の位置と深度が解析される。
図16は散乱体内部の光の伝搬の様子を表す概念図である。一般的に散乱体に照射された光は、散乱体内部で散乱を繰り返すうちに散乱の異方性が失われて等方散乱に近づく。この結果、平均的な光経路の断面はバナナ状になることが知られている。
図16において、光の照射位置から近い位置I1では散乱体の表面近くを伝搬してきた光が多く検出される。一方、照射位置から離れた位置I2では散乱体のより深部を伝搬してきた光が多く検出される。このように、光の照射位置から検出位置までの距離に応じて、検出された光が伝播してきた深度が変化する。この性質を利用して、測定対象が散乱体内部のいずれの深度に存在するかを解析する。
例えば、図16(a)において測定対象は検出位置I1とI2の間の表面近くにある。この場合、検出位置I1とI2における検出光には変化が見られない。一方、図16(b)において測定対象は検出位置I1とI2の間のより深い位置にある。このとき、検出位置I1における検出光には変化が見られないが、検出位置I2における検出光は減弱する。これによって、測定対象の位置と深度が決定される。
このように、後方散乱光強度の弱いポイントが見出された場合、そのポイントと光照射位置との距離を基に解析を行い、深度と位置を算出する。
また他の解析方法として、得られた後方散乱光強度のデータから、一定深度での断層画像が作成される(すなわち画像構築)。
図17に、計測領域で計測される後方散乱光の模式図を示した。光照射部1710から散乱体上に光が照射された位置をバツ印で示し、検出部1711によって走査される計測領域1740を点線で示した。散乱体1708によって反射、散乱、吸収され、散乱体表面から出射された後方散乱光は、図に示すように照射位置を中心とする同心円状になる。ここで、図17(a)に示すように、同心円の直径が大きくなるほど、散乱体のより深部を通ってきた光である。図17(b)においては同心円領域1741、1742及び1743は、それぞれが略同じ深度の情報を有すると見なすことができる。またその深度は照射位置からその同心円までの距離に対応するため、同心円領域1741、1742及び1743の順に深度が深い。よって、走査の際に、検出部1711が同心円領域の少なくとも1部から、後方散乱光強度のデータを抽出することにより、一定の深度における画像データを選択的に取り出すことができ、選択されたデータから該深度での断層画像を作成することができる。
なお、上記の解析方法は、光照射部1710の位置を変化させて計測を行うことにより、解析に使用できる情報を簡便により多く取得することができる。
図18は、光照射部1810による照射位置を変化させて測定した様子を示す。検出部1811は固定されており、計測領域1850も移動しない。しかし、光照射部1810によって照射する位置を変動させることにより、上述したような同心円領域が移動する。
さらに他の解析方法として、検出する領域を1851、1852、1853と変化させることにより、所望の位置の任意の深度における情報を得ることができる。
上述したように、所望の位置と前記照射位置との間の距離と等しい距離だけ前記所望の位置から離れた位置におけるデータを取得するように光照射部1810と検出部1811を走査させ、解析することにより、前記所望の位置の任意の深度における情報を簡便に得ることができる。この場合、情報を得たい深度に応じて、所望の位置と、照射位置並びに解析するデータの位置との距離が決定される。
なお、上述した各解析方法においては、図15のデータ解析工程S6において、照射位置と検出位置との距離を求める際、検出部1411、1711または1811の光学系の焦点距離や倍率などを考慮に入れる。
以上説明したように、本実施形態では、照射位置及び検出位置の自由度が高いため、所望の位置の任意の深度における情報を容易に得ることができる。
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態を説明する。図19は、第4の実施形態に係る散乱体内部計測装置1900のブロック構成図である。本散乱体内部計測装置1900においては、光照明部1909及び検出部1910が可動可能に備えられる。
このような第4の実施形態に係る散乱体内部計測装置1900によれば、光照射部1909と検出部1910を可動させ、所望の位置を中心として、等距離となる位置にそれぞれを配置する。これにより、所望の位置における任意の深度の情報を得ることができる。得られる情報の深度は、所望の位置と光照射部1909及び検出部1910との距離を適宜調節することによって容易に変化させることができる。
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において様々な変形や変更が可能である。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜組合せることも可能である。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
上述の態様は、次のように発明であると解されてもよい;
散乱体内部の測定対象(すなわち観察対象)の情報を取得する散乱体内部計測装置(すなわち散乱体内部観察装置)であって、前記測定対象と前記散乱体とで光学特性の異なる光を前記散乱体に照射するように構成された照明部(すなわち光照射部)と、前記照明部により照射された光の後方散乱光を検出するように構成された検出部と、前記検出部により取得されたデータにおいて前記測定対象の存在の有無を確認し、前記照射位置と前記測定対象が確認された位置との距離から、前記散乱体における前記測定対象の深度を含めた位置情報を求めるように構成された解析部とを備え、前記照明部と前記検出部が前記散乱体に非接触で計測が行われることを特徴とする散乱体内部計測装置並びに該装置を用いた計測方法。
このような上述のような態様は、次のような従来の問題点も解決することが可能である。
従来の装置では、光照射部と光検出部が一体に構成されているために、照射位置と検出位置との距離が固定されている。従って、照射位置から任意の距離の位置で検出を行うことができない。
また更に、計測される後方散乱光は、照射位置と検出位置との間の中点の位置において最も深部を通る。即ち、観察される情報のうち、最深部の情報は、照射位置と検出位置との中間点の位置におけるものである。特許文献2おいて開示される、検出部が、光照射部から順次離れた位置に配置された装置の場合、計測される最深部のx、y方向の位置は、光照射部と検出部の間の距離が大きくなるにつれて照射位置から遠くなる。従って、ある特定の位置において、深度(z方向)を変化させた情報を得ることができないという問題がある。
これらの問題も上述の態様により解決することが可能である。
また、上述の態様は、これらの問題を解決し、後方散乱光を検出することにより、照射位置から所望の距離に位置するデータを任意に解析することができる。よって、所望の位置及び深度の情報を容易に取得することができる。
さらに照射位置を移動させることにより、多くの情報を簡便且つ短時間で取得することができ、容易に断層画像を作成することができる。
このような態様により、照射位置から所望の距離に位置する対象に関する情報を解析できる方法および内部観察装置を提供することが可能となる。
これにより、従来よりも良好に生体内部を観察できる方法および装置を提供することが可能となる。
<第3の側面>
本発明は、更に、散乱体による後方散乱光を計測することにより散乱体内部を観測する装置及び方法に関する。以下に説明する本発明の第3の側面の1または1以上の態様は、上述した第1の側面および/または第2の側面の1または1以上の態様と組み合わせて使用されてもよい。また、第3の側面に示される1の態様が単独で、または1または1以上の態様が組み合わされて使用されてもよい。
第3の側面において、散乱体とは、主に散乱媒質から構成される物体を指し、例として生体が挙げられる。散乱媒質とは、少なくとも光を散乱する性質を示し、吸収よりも散乱のほうが支配的であるものである。
第3の側面の散乱体内部観測装置は、散乱体内部の散乱媒質中に存在する異質部分を観測するための装置である。第3の側面において異質部分とは、透過率、屈折率、反射率、散乱係数、吸収係数などの光学特性が散乱媒質と異なるものである。例として血管が挙げられるが、これに限定されない。
以下、第3の側面の実施形態を図面に従って説明する。
(第5の実施形態)
図20は第3の側面の一つの実施形態に係る散乱体内部観測装置2001のブロック構成図である。同図に示すように、散乱体内部観測装置2001は、光照射部2010、検出部2011、制御部2012、表示部2014、入力部2015を具備している。
光照射部2010は、散乱体2008内部の異質部分2007とその周囲の散乱媒質2006とで光学特性の異なる波長を少なくとも含む光を照射する照明手段である。光照射部には例えばLDなどを用いることができるがこれらに限定されない。この光照射部2010から照射される光には、例えば、異質部分には吸収されるが散乱媒質には吸収されない波長を少なくとも含む光を使用することができる。光学特定の異なる波長を少なくとも含む光は、例えば、生体中の散乱特性が異なる異質物質が血管の場合、ヘモグロビンに吸収を持つ近赤外領域の波長を含む光が好適に用いられる。光照射部2010は、制御部2012からの制御信号に基づいて光を散乱体2008に向けて照射する。
検出部2011は、光照射部2010によって照射された光が、散乱体2008の散乱媒質2006と異質部分2007により、反射、散乱、吸収され、散乱体表面から出射された後方散乱光強度を検出し、該後方散乱光の光強度データを取得するものである。検出部2011は、制御部2012からの制御に基づいて後方散乱光を検出する。
制御部2012は、光照射部2010、検出部2011の動作を制御すると共に、検出部2011によって検出されたデータを解析し、それぞれ深度が異なる複数の断層画像を作製する画像化部2016と、作製された複数の断層画像から、異質部分が表示された断層画像を選択する解析部2017とを含む。解析部によって選択された断層画像は、表示部2014によって表示されることができる。
上記の光照射部2010、検出部2011、表示部2014及び入力部2015は、電気信号が伝送される信号回路によって制御部2012に接続される。
次に、本実施形態に係る散乱体内部観測装置2001の作用を説明する。
まず、光照射部2010により散乱体2008に光が照射される。次いで、散乱体2008内部の散乱媒質2006により反射、散乱、吸収され、再度散乱体表面に戻ってきた後方散乱光強度が、検出部2011により検出される。
次に、画像化部2016において、得られたデータが解析され、それぞれ深度が異なる断層画像が作製される。ここで、断層画像の作製原理について説明する。
図21(a)は、第3の側面の散乱体内部観測装置を適用した硬性鏡2100の模式図である。硬性鏡2100は、照明部2102及び検出部2101を備え、また図示されない制御部及び表示部を備える。図21(b)は散乱体の断面模式図を示し、図21(c)は散乱体の表面を上面から見た模式図である。図21(c)では、光照射部2102から散乱体2108上に光が照射された位置をバツ印で示し、検出部2101によって後方散乱光が検出される検出範囲2150を点線で示した。
光照射部2102から散乱体2108に照射された光の後方散乱光は、図21(b)に示すように伝播する。これを散乱体表面上からみると図21(c)に示すように照射位置を中心とした同心円状となる。この同心円の直径が大きいほど、散乱体のより深部を通ってきた後方散乱光である。例えば符号2151、2152及び2153で示されるリング状領域のように、同心円領域はそれぞれが略同じ深度を通ってきた後方散乱光である。その同心円領域での光強度データを抽出することにより、その深度における断層画像を作製することができる。
また、照射位置から同心円領域までの距離は、深度に対応するために、照射位置から同心円領域までの距離を変化させることにより、所望の深度の断層画像を得ることができる。
さらに、第3の側面の一つの態様における走査可能な照明部を具備する散乱体内部観測装置の場合、図22に示すように、検出範囲2250中で照明点が移動される。このとき、照明点の移動に伴って同心円内の領域も移動する。そのため、常に照明点から一定距離にある同心円領域での光強度データを抽出することにより、同じ深度の情報を得ることができる。これについて図23を参照して説明する。
図23Aの(a)および(a’)は、各走査点における同心円領域2351、2352及び2353に含まれる一部の領域を重ね合わせた図である。換言すれば、同心円領域2351、2352及び2353のそれぞれの一部分が移動した軌跡を示す図である。同心円領域の一部分は領域内をどのように区切ってもよい。それぞれの同心円領域は同じ深度の情報を有している。従って、複数の検出結果を図23Aの(a)に示すように重ね合わせることにより、図23Bの(b)に示すように、その深度での断層画像を作製することができる。
なお、データを重ね合わせる際に重複する部分が生じるが、重複するデータから任意のデータを選択的に用いるか、重複するデータの平均値を用いればよい。
図22及び図23AおよびBに示すように、照明を走査して検出を行うことにより、多くの光強度データを取得することができ、より精度の高い断層画像を得ることができる。
上記で説明した原理に基づいて、深度の異なる複数の断層画像が作製されると、次に、解析部2017により、例えば図23Bの(c)に示すように、異質部分が表示された断層画像が選択される。この選択は、所定のコントラスト条件を満たす断層画像を決定することにより行われる。
図23A(a)では、各同心円領域の一部分の弧に対応する部分によって規定される領域を受光領域として採用する例である。図23A(a’)では、各同心円領域の一部分の弧に対応する部分によって規定される領域であって、更にこの領域の一部、例えば、略正方形で規定される領域を受光領域として採用する例である。
断層画像に異質部分が存在する場合、画像中の光強度に変化が生じる。即ち、画像が均質でなくなり、コントラストが生じる。このとき、画面上にコントラストが生じたと判定する条件を「コントラスト条件」と称する。解析部2017は、各断層画像がコントラスト条件を満たすかどうかを判断し、コントラスト条件を満たす断層画像を異質部分が存在する断層画像であると決定する。
断層画像がコントラスト条件を満たすかどうかを判断する方法には、次の(1)〜(4)の方法を用いることができるが、これらに限定されず、種々の方法を用いることができる。
(1)断層画像の画面をいくつかに分割し、それぞれの区分で平均強度を算出する。次いで、この区分間の平均強度に一定以上の相違があるかどうかを判断する。この場合、相違があると見なす条件がコントラスト条件である。
(2)断層画像の画面における各画像の光強度を比較し、画素間で光強度に一定以上の相違があるかどうかを判断する。この場合、相違があると見なす条件がコントラスト条件である。
(3)深度の異なる断層画像同士を比較し、光強度が異なる部分を検出する。各断層画像間で強度変化が同じ箇所はノイズと見なすことができる。断層画像間で、光強度の変化に相違がある場合は、異質部分が存在すると見なすことができる。この場合、断層画像間で光強度の変化に相違があると見なす条件がコントラスト条件である。
(4)取得された光強度データから、空間的な光強度分布データ画像を作製し、光強度の変化をみる。例えば、画像上の任意の点を通るライン上において、光強度が大きく減少した箇所は異質部分であるとみなすことができる。また、光強度の減少の程度が小さければ、ノイズであると判断できる。
以上に説明した何れかの方法によって、異質部分が表示された断層画像が選択されると、その断層画像は表示部2014によって表示される。このとき、選択された断層画像のみを表示してもよく、選択された断層画像を他の画像より大きく表示するなどして他の断層画像とともに表示してもよい。
なお、上記した一連の工程は、散乱体の観測の間、繰り返し連続的に行われ、表示される断層画像は逐次更新される。
以上説明したように、第3の側面の態様によれば、光照射部2010と検出部2011を操作して、光強度データを取得することにより、任意の深度の断層画像を容易に得ることができ、さらに、異質部分が存在する深度における断層画像を自動で選択することにより、簡便且つ効率的に、散乱体内部を観測することができる。
次に、第3の側面の他の態様について説明する。本態様における散乱体内部観測装置は、画像化部により作製された複数の断層画像を表示し、使用者が所望の断層画像を選択することができる構成を有する。
本態様における散乱体内部観測装置は、前記散乱体を構成する散乱媒質と前記異質部分とで光学特性の異なる波長を少なくとも含む光を前記散乱体に照射するように構成された照明部と、前記照明部により照射された光の後方散乱光を検出し、該後方散乱光の光強度データを取得するように構成された検出部と、前記取得された光強度データを解析し、それぞれ深度が異なる複数の断層画像を作製するように構成された画像化部と、作製された断層画像を表示するように構成された表示部と、前記表示された複数の断層画像から、所望の断層画像を選択して表示させるように構成された入力部とを備える。本態様で用いられる照明部及び検出部は、上記の散乱体内部観測装置2001と同様である。
表示部は、画像化部により作製された複数の断層画像を同時に表示することができ、さらに、使用者によって選択された断層画像を拡大して表示するか、或いは選択された断層画像のみを拡大して表示することができる。例えばモニター画面などが好適に用いられるがこれに限定されない。
入力部は、表示された複数の断層画像から使用者が所望の断層画像を選択し、その結果を入力するためのものである。例えば、選択画像を指示するキーボードなどであってもよく、或いは、表示された画像にタッチしたり、入力ペンで囲むなどして指示したりする、タッチパネルを用いたモニターなどであってもよいが、これらに限定されず、種々の入力手段が用いられ得る。
本態様における散乱体内部観測装置を用いる場合、
照明部によって、散乱体に光を照射し、検出部によって該照射された光の後方散乱光を検出し、後方散乱光の光強度データを取得する。次いで、画像化分によって、取得された光強度データが解析され、それぞれ深度が異なる複数の断層画像が作製される。
次いで、表示部によって、作製された複数の断層画像を表示される。複数の断層画像の全てを同時に表示してもよく、或いは幾つかを同時に表示してもよい。
次いで、表示された複数の断層画像から、使用者が所望の画像を選択し、その結果を入力部を用いて入力する。表示部は、入力された指示に基づいて、選択された断層画像を表示する。
上記した一連の工程は、散乱体の観測の間、繰り返し連続的に行われ、表示される断層画像は逐次更新される。断層画像の選択は使用者が定期的に行ってもよいが、使用者により選択された断層画像の条件を記憶し、その後の選択は該条件に従って自動で行ってもよい。ここで、断層画像の条件とは、例えば深度などである。
以上に説明した各態様における散乱体内部観測装置は、さらに、画像化部に、照明部によって照射される照明範囲の形状を認識する照明範囲認識部と、該照明範囲認識部によって認識された照明範囲の形状に基づいて、断層画像を作製するための光強度データの抽出位置を決定する抽出位置決定部とを含むことができる。
以上説明したように、第3の側面によれば、散乱体の断層画像を効率的且つ高精度に取得することができる。また、異質部分が存在する断層画像を簡便に選択、表示することができ、実用の際の便宜を向上させることができる。
当該散乱体内部観測装置は、前記照明部によって照射される照明範囲(すなわち照射範囲)の形状を認識する照明範囲認識部(すなわち照射範囲認識部)と、前記照明範囲認識部によって認識された照明範囲の形状に基づいて、断層画像を作製するための光強度データの抽出位置を決定する抽出位置決定部とを含む画像化部を具備する。
第3の側面は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において様々な変形や変更が可能である。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜組合せることも可能である。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
また更に、第3の側面は以下に示す(B1)〜(B12)のように表現される発明であると解されてもよい。
このような第3の側面は、次の(B1)〜(B14)のように表される発明であると解されてもよい。
(B1) 散乱体内部の異質部分(すなわち観察対象)の情報を取得する散乱体内部観測装置(すなわち散乱体内部観察装置)であって、前記散乱体を構成する散乱媒質と前記異質部分とで光学特性の異なる波長を少なくとも含む光を前記散乱体に照射するように構成された照明部(すなわち光照射部)と、前記照明部により照射された光の後方散乱光を検出し、該後方散乱光の光強度データを取得するように構成された検出部と、前記取得された光強度データを解析し、それぞれ深度が異なる複数の断層画像を作製するように構成された画像化部(すなわち画像構築部)と、前記作製された複数の断層画像から、前記異質部分が表示された断層画像を選択するように構成された解析部(すなわち選択部)と、前記選択された断層画像を表示するように構成された表示部を備えることを特徴とする散乱体内部観測装置。
(B2) 前記(B1)の散乱体内部観測装置を用いた散乱体内部観測方法。
(B3) 散乱体内部の異質部分の情報を取得する散乱体内部観測装置であって、前記散乱体を構成する散乱媒質と前記異質部分とで光学特性の異なる波長を少なくとも含む光を前記散乱体に照射するように構成された照明部と、前記照明部により照射された光の後方散乱光を検出し、該後方散乱光の光強度データを取得するように構成された検出部と、前記取得された光強度データを解析し、それぞれ深度が異なる複数の断層画像を作製するように構成された画像化部と、作製された断層画像を表示するように構成された表示部と、前記表示された複数の断層画像から、所望の断層画像を選択して表示させるように構成された入力部とを備えることを特徴とする散乱体内部観測装置。
(B4) 前記(B3)の散乱体内部観測装置を用いた散乱体内部観測方法。
(B5) 前記(B2またはB4)に記載の散乱体内部観測装置であって、前記照明部によって照射される照明範囲(すなわち照射範囲)の形状を認識するように構成された照明範囲認識部(すなわち照射範囲認識部)と、前記照明範囲認識部によって認識された照明範囲の形状に基づいて、断層画像を作製するための光強度データの抽出位置を決定するように構成された抽出位置決定部とを含む画像化部を更に具備する散乱体内部観測装置。
(B6) 散乱体内部の異質部分(即ち、観察対象)の情報を取得する散乱体内部観測装置(即ち、観察対象)であって、
前記散乱体を構成する散乱媒質と前記異質部分とで光学特性の異なる波長を少なくとも含む光を前記散乱体に照射するように構成された照明部(即ち、光照射部)と、
前記照明部により照射された光の後方散乱光を検出し、該後方散乱光の光強度データを取得するように構成された検出部と、
前記取得された光強度データを解析し、それぞれ深度が異なる複数の断層画像を作製するように構成された画像化部(即ち、画像構築部)と、
前記作製された複数の断層画像から、前記異質部分が表示された断層画像を選択するように構成された解析部(即ち、選択部)と、
前記選択された断層画像を表示するように構成された表示部を備えることを特徴とする、散乱体内部観測装置。
(B7) 前記異質部分が表示された断層画像が、所定のコントラスト条件を満たす断層画像である、前記(B6)に記載の散乱体内部観測装置。
(B8) 散乱体内部の異質部分の情報を取得する散乱体内部観測装置であって、
前記散乱体を構成する散乱媒質と前記異質部分とで光学特性の異なる波長を少なくとも含む光を前記散乱体に照射するように構成された照明部と、
前記照明部により照射された光の後方散乱光を検出し、該後方散乱光の光強度データを取得するように構成された検出部と、
前記取得された光強度データを解析し、それぞれ深度が異なる複数の断層画像を作製するように構成された画像化部と、
作製された断層画像を表示するように構成された表示部と、
前記表示された複数の断層画像から、所望の断層画像を選択して表示させるように構成された入力部とを備えることを特徴とする、散乱体内部観測装置。
(B9) 前記光学特定の異なる波長を少なくとも含む光が、ヘモグロビンに吸収を持つ近赤外領域の波長を含む光である、前記(B6)〜(B8)の何れか一に記載の散乱体内部観測装置。
(B10) 散乱体内部の異質部分を観測する散乱体内部観測方法であって、
(a) 前記散乱体を構成する散乱媒質と前記異質部分とで光学特性の異なる波長を少なくとも含む光を前記散乱体に照射する工程と、
(b) 前記照射された光の後方散乱光を検出し、該後方散乱光の光強度データを取得する工程と、
(c) 前記工程により取得された光強度データを解析し、それぞれ深度が異なる複数の断層画像を作製する工程と、
(d) 前記作製された複数の断層画像から、前記異質部分が表示された断層画像を選択する工程と、
(e) 前記工程により選択された断層画像を表示する工程と、
を含むことを特徴とする方法。
(B11) 前記工程(d)が、作製された断層画像が所定のコントラスト条件を満たすかどうかを判定する工程を含み、所定のコントラスト条件を満たす断層画像を異質部分が表示された断層画像として選択することを特徴とする、前記(B10)に記載の方法。
(B12) 前記工程(a)〜(e)が繰り返し行われ、表示される断層画像が更新されることを特徴とする前記(B10)又は(B11)に記載の方法。
(B13) 散乱体内部の異質部分を観測する散乱体内部観測方法であって、
(a) 前記散乱体を構成する散乱媒質と前記異質部分とで光学特性の異なる波長を少なくとも含む光を前記散乱体に照射する工程と、
(b) 前記照射された光の後方散乱光を検出し、該後方散乱光の光強度データを取得する工程と、
(c) 前記工程により取得された光強度データを解析し、それぞれ深度が異なる複数の断層画像を作製する工程と、
(d) 前記作製された断層画像を表示する工程と、
(e) 前記表示された複数の断層画像から、所望の画像を選択して表示させる工程と、
を含むことを特徴とする方法。
(B14) 前記工程(a)〜(d)が繰り返し行われ、
前記工程(e)において選択された断層画像と同じ条件の断層画像が選択されて表示が更新されることを特徴とする前記(B13)に記載の方法。
以上のような第3の側面によれば、次のような従来の問題点を解決することが可能である。
従来の装置では、光照射部と光検出部が一体に構成されているために、照射位置と検出位置との距離が固定されている。そのため、観測できる深度が決まっており、一定の深度でしか断層画像を作製できないという問題がある。
また、断層画像を得るためには、多くの測定点で測定を行わなければならず、断層画像を取得するのに多くの時間を要するという問題がある。
このような問題についても、本願発明の第3の側面において解決することが可能である。
このような側面によれば、異質部分が存在する深度における断層画像を、効率的に取得することが可能な方法および散乱体内部観測装置が提供される。
従って、このような態様により、従来よりも良好に生体内部を観察できる方法および装置を提供することが可能となる。
<第4の側面>
本発明に従う第4の側面において、散乱体の表層付近から生じるノイズを除去する機能を備えた散乱体内部観測装置が提供される。以下に説明する本発明の第4の側面の1または1以上の態様は、上述した第1の側面、第2の側面および/または第3の側面の1または1以上の態様と組み合わせて使用されてもよい。また、第4の側面に示される1の態様が単独で、または1または1以上の態様が組み合わされて使用されてもよい。
(第6の実施形態)
本態様における散乱体内部観測装置は、散乱体の表面や表層付近によるノイズを除去した、深部処理画像を作製するものである。検出部によって検出される後方散乱光には、散乱体の表面からの反射光も含まれている。散乱体の表面には、微小な凹凸が存在するため、反射光が散乱して強弱を生じ、断層画像を作製する際のノイズとなり得る。また、検出される後方散乱光には比較的浅い深度からの後方散乱光も含まれており、深部からの後方散乱光によって断層画像を作製する際にはこれもノイズとなる。
そこで、本態様における散乱体内部観測装置は、ノイズが除去された断層画像を提供することを可能にするものである。
ノイズが除去された断層画像は、以下の(1)〜(3)のいずれかの方法によって作製することができる。
(1)表層断層画像と深部断層画像を別々に作製し、深部断層画像から表層断層画像を減算する。ここで、表層断層画像とは、散乱体の比較的浅い部分からの後方散乱光と、散乱体の表面からの反射光とから作製される断層画像である。一方、深部断層画像とは、所望の深度の断層画像であるが、これには表層からの後方散乱光も含まれている。
表層断層画像と深部断層画像を別々に作製するために、本方法では、図24に示すように、照明部と検出部の距離を変化させる。表層断層画像を作製する際には、図24(a)に示すように、αの位置で検出する。すると、図24(b)に示すような表層断層画像Xが得られる。また、深部断層画像を作製する際には、図24(c)に示すように、βの位置で検出する。すると、図24(d)に示すような深部断層画像Yが得られる。
なお、図24(a)及び(c)では、説明のために、照明部と検出部の距離を変化させたが、これに限定されず、検出部によって取得された光強度データを解析する際、表層画像を作製するためにデータを抽出する点の距離を、深部断層画像を作製するためにデータを抽出する点の距離よりも短くすることにより簡便にそれぞれの断層画像を得ることができる。
次に、図24(e)に示すように、深部断層画像Yから表層断層画像Xを減算する。これにより、表層のノイズが除去された深部処理画像Zを得ることができる。なお、表層断層画像Xは、深部断層画像Yよりも光強度が大きいため、表層断層画像Xに定数nを掛けて光強度を調節する。定数nは、表層断層画像Xと深部断層画像Yの光強度の平均が同程度になるように決定すればよい。
演算方法は、例えば作製された画像上の画素毎に、光強度を演算することにより行うことができる。また複数の画素の光強度の平均を算出し、その平均値を用いて演算してもよいが、これらに限定されず、適切な方法を選択することができる。
(2)上記(1)の方法と同様に、表層断層画像と深部断層画像を別々に作製する。本方法では、各断層画像を作製するために、異なる波長の光を照明として用いる。例えば、図25(a)に示すように、表層断層画像を作製する場合は、波長λ1の光を照射する光源1を用いる。すると、図25(b)に示すような表層断層画像Xが得られる。また、深部断層画像を作製する際には、図25(c)に示すように、波長λ2の光を照射する光源2を用いる。すると、図25(d)に示すような深部断層画像Yが得られる。表層断層画像を作製する際には、より散乱の強い光、即ち、波長の短い光を用いる。反対に、深部断層画像を作製する際には、より散乱の弱い光を用いる。
次いで、図25(e)に示すように、深部断層画像Yから表層断層画像Xを減算する。断層画像の演算方法は上記方法(1)と同様である。これにより、表層のノイズが除去された断層画像Zを得ることができる。
(3)図26(a)に示すように、通常の通りに後方散乱光の検出を行い、図26(b)に示すような深部断層画像Yを作製する。この深部断層画像Yを2次元フーリエ変換すると、図26(c)に示すような、横軸に深部断層画像Yの水平方向周波数、縦軸に深部断層画像Yの垂直方向周波数をとり、フーリエ変換後の振幅スペクトルを輝度値として表した画像が得られる。なお、ここでの周波数とは、画像上の周波数であり、これは空間周波数とも称する。
図26(c)に示す画像において、深部断層画像Yの空間周波数の低周波成分は図26(c)に示す画像の中心部に対応し、高周波成分は図26(c)に示す画像の周辺部に対応する。画像において、高周波数部分は、散乱体の表面及び表層から得られるノイズ成分に対応する。反対に、低周波数部分は、散乱体の深部から得られる成分に対応する。
このフーリエ変換後の画像において、低周波数部分のみを選択し、逆フーリエ変換することにより、ノイズが除去された深部処理画像Zを得ることができる。
また或いは、図26(d)に示すように、深部断層画像Yから、高周波数成分を逆フーリエ変換して得られた表層断層画像Xを減算することによって、深部処理画像Zを得ることもできる。
なお、高周波数と低周波数を区切る閾値は、観察対象の異質部分のサイズや位置によって、適宜設定することができる。
以上に説明した方法は、上記第1〜4実施形態にかかる散乱体内部観測装置によって実施することができる。例えば、深部断層画像および表層断層画像の作成は、画像処理部によって行い、各演算は解析/処理部によって行うことができる。
或いは、画像化部、演算部を含む制御部を備えてもよく、構成は適宜選択することができる。
第4の側面は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において様々な変形や変更が可能である。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜組合せることも可能である。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
以上の説明によれば、第4の側面は以下に示す(C1)〜(C4)ように表現される発明であると解されてもよい。
(C1) 散乱体内部の異質部分を観測する散乱体内部観測方法であって、
前記散乱体を構成する散乱媒質と前記異質部分とで光学特性の異なる波長を少なくとも含む光を前記散乱体に照射する工程と、
前記照射された光の後方散乱光を検出し、該後方散乱光の光強度データを取得する工程と、
前記工程により取得された光強度データを解析し、散乱体表面における検出領域を決定する工程と、
前記工程により決定された検出領域の後方散乱光を検出し、光強度データを取得する工程と、
前記工程により取得された光強度データから、前記散乱体の断層画像を作製する画像処理工程を含むことを特徴とする方法。
(C2) 前記後方散乱光の検出が行われる検出範囲に、前記決定された検出領域が含まれるように調節する工程を含む、前記(C1)に記載の方法。
(C3) 前記散乱体に光が照射される照明範囲と、前記検出範囲を、散乱体表面上で一定の位置関係を維持したまま走査させて後方散乱光を検出し、光強度データを取得する工程をさらに含む、前記(C2)に記載の方法。
(C4) 前記検出領域を決定する工程が自動で行われることを特徴とする、前記(C1)〜(C3)の何れか一に記載の方法。
第4の側面に従う方法および装置は、生体を観測する方法および/または装置として利用することができ、特に内視鏡や硬性鏡などにおいて利用することができる。
このような態様により、散乱体の表面付近から生じるノイズを除去することが可能になり、それにより、従来よりも良好に生体内部を観察できる方法および装置が提供することが可能になる。
<第5の側面>
第5の側面によれば、後方散乱光を良好に画像化する方法およびそれを利用する生体内部を観察する装置が提供される。
例えば、光を点照射し、そこから一定距離だけ離れた点からの後方散乱光を検出する機能を内部観察装置に搭載する場合、照明光と検出光の光路が平行ではない。そのため、照明点と検出点との間の距離(以下、「SD」と記載する)は観察距離により変化する。
観察距離が長いと、SD距離が離れて、光量が減少する。そのため、ノイズに対する信号の割合(以下、「SNR」と記載する)が低くなる。また、観察距離が短いと、SD距離が近づき、表面拡散光が増加する。そのため、散乱体内部からの散乱光が埋もれて検出できなくなる。
第5の側面によれば、このような問題を解決することの可能な方法および生体内部を観察する装置が提供される。
以下に説明する本発明の第5の側面の1または1以上の態様は、上述した第1の側面、第2の側面、第3の側面および/または第4の側面の1または1以上の態様と組み合わせて使用されてもよい。また、第5の側面に示される1の態様が単独で、または1または1以上の態様が組み合わされて使用されてもよい。
以下において使用される「被写体」の語は、「観察対象」または「測定対象」と交換可能に使用される。また、これらの語は何れも「対象」とも記載されてよい。
最初に、第5の側面において使用できる内部観察装置の基本的な構成および撮像方法について説明する。
(第7の実施形態)
図27に、第5の側面において使用できる第7の実施形態の1例である内部観察装置を示す。図27は、本実施形態の装置全体の構成を示すブロック構成図である。本観察装置は、オペレータが数値および測定条件などの所望の情報を入力するように構成された入力部と、被写体を照射するための光源と、前記光源からの照射光からの光を被写体表面に対して照射口を通して照射するように構成された照明用光学系と、被写体表面から出てくる後方散乱光を捉えるように構成された検出用光学系と、前記後方散乱光を電気信号に変換するように構成された検出器と、前記被写体表面上における照射位置と検出位置を走査させるように構成された走査機構と、前記光源と前記走査機構を制御するように構成された制御部と、前記検出器からの電気信号の強度を測定するように構成された計測部と、前記走査した際に、測定された電気信号の強度に基づいて画像を生成するように構成された画像化部と、前記走査の経路と調整内容を演算するように構成された演算部と、前記生成された画像を表示するように構成された表示部と、を備える。
所望に応じてオペレータにより入力された情報に応じて、光源から照射された光は、照明用光学系を通って照射口を経てから被写体に照射される。このと、照射光は、被写体表面の所定の位置の点および/または領域に対して照射されるように走査機構により制御される。走査機構による走査は、制御部により制御される。走査機構による制御は、照射用光学系および/または照射口の位置を変更することにより行う。被写体からの検出されるべき光は、検出用光学系の検出口で捉えられ、検出用光学系を通り検出器に送られる。検出用光学系および/または検出口は、制御部により制御された走査機構により所望の位置の光を受けるように走査される。検出口で捉えられた光は、検出用光学系を通り検出器に送られ、検出器において、電気信号に変換される。変化された電気信号の強度が計測部により測定される。計測部は、得られた複数の電気信号強度から画像を生成する。更に、演算部は、走査の経路と調整内容を演算する。
入力部は、表示された複数の断層画像から使用者が所望の断層画像を選択し、その結果を入力するために使用されてもよい。例えば、選択画像を指示するキーボードなどであってもよく、或いは、表示された画像にタッチしたり、入力ペンで囲むなどして指示したりする、タッチパネルを用いたモニターなどであってもよいが、これらに限定されず、種々の入力手段が用いられ得る。
ここにおいて、「光源」、「照明用光学系」および「照射口」を総じて「照射部」と称してもよい。「検出用光学系」、「検出口」および「検出器」を総じて「検出部」と称してもよい。「計測部」は画像を生成する側面から「画像化部」と呼ばれてもよい。
制御部、計測部および演算部は、それぞれ独立して構成され配置されてもよく、それらの1以上が組み合わされて1つのユニットとして構成されてもよく、それらの全てが1つのユニットとして構成されてもよい。また、制御部は、走査機構、検出器での光から電気信号への変換、計測部における測定および画像の生成、並びに演算部における各種演算を全て制御してもよく、それらの一部を制御するように複数の制御部が配されてもよく、それらの各々について対応する制御部が複数配置されてもよい。
光源は、照明用光学系に接続されている。第1の走査機構は、制御部からの指示に従って照明用光学系を走査するように構成されている。同様に第2の走査機構は、制御部からの指示に従って検出用光学系を走査するように構成されている。検出器は、検出用光学系に接続され、検出用光学系に入った後方散乱光を検出するように構成されている。
このような図27の構成により、内部観察装置は、光学系を動かすことにより走査を可能にする。
更に当該観察装置は、記憶部を備えてもよい。記憶部には、ルックアップテーブル、画像作成プログラムおよび/または走査プロトコールなどの情報を格納することが可能である。これらの情報に基づき、および/またはこれらの情報を参照することにより制御部が、所望の構成要素に対して所望の制御を行ってよい。また、更に当該観察装置は、記録部を備えてもよい。記録部は、一時的に情報を格納させるように構成されてもよく、また、得られた画像の一部および/または全体を格納するように構成されてよい。
更に、また第7の実施形態は、更に、第1の側面、並びに第1の実施形態および第2の実施形態において記載した構成および部材と同様の構成および部材を利用してもよい。
第3の側面は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において様々な変形や変更が可能である。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜組合せることも可能である。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
(第8の実施形態)
図28に、第5の側面において使用できる第8の実施形態の1例である内部観察装置を示す。図28は、本実施形態の装置全体の構成を示すブロック構成図である。
本観察装置は、光軸の途中に、走査機構を配することにより、光軸を直接に動かすことにより走査を行うように構成されている。この点を除いて、図27に記載した第7の実施形態と同様である。
従って、光源と、光源からの光を照明用光学系に導くように構成された第1の導光光学系と、前記第1の導光光学系からの光を受けて被写体表面に対して光を照射するように構成された照明用光学系と、前記第1の導光光学系からの光を前記照明用光学系に導く光路上で、光軸を変更し、照射される光を走査するように構成された少なくとも1の第1の走査機構と、検出用光学系に入った光を検出器に導くための第2の導光光学系と、前記第2の導光光学系からの光を検出器に導く光路上で、光軸を変更し、検出されるべき光を走査するように構成された少なくとも1の第2の走査機構とを具備する。
(第9の実施形態)
図29に第5の側面において使用できる第9の実施形態の1例である内部観察装置を示す。図29は、本実施形態の装置全体の構成を示すブロック構成図である。
本観察装置は、第1の走査機構と第2の走査機構が、1つの走査機構によって構成されること、および走査機構に接続され、照射される光の光軸と、検出されるべき光の光軸との位置関係を調整するように構成された中心間距離調整光学系を備えること以外は、図28に記載の第8の実施形態と同様である。
中心間距離調整光学系は、当該走査機構とは独立して構成されてもよく、中心間距離調整光学系と当該走査機構とが1つのユニットとして構成されてもよい。また、中心間距離調整光学系は、当該走査機構よりも光源および検出器側に配置されてもよく、当該走査機構よりも照明用光学系および検出用光学系側に配置されてもよい。
<被写体側末端>
図30は、第7の実施形態〜第9の実施形態の観察装置の被写体側末端を模式的に示す図である。観察装置の被写体側末端には、被写体に光を照射する照射用光学系の照射口と、被写体からの光を受け取る検出用光学系の検出口が円で示される。照明口と検出口のそれぞれの中心の間の距離を、中心間距離といい、d1で示される。
図31は、第7の実施形態〜第9の実施形態の観察装置から照射された光と、被写体から出て検出用光学系に含まれる検出口に捉えられる光と、各部位との関係を示す図である。
上記の通り、観察装置の照明口と検出口の中心間距離をd1とし、更に、被写体表面上における照明領域と検出領域との中心の間の距離、即ち、中心間距離をd2とする。このとき、照明口と検出口は隣接しているため、d1<d2となる。被写体表面から観察装置末端、即ち、照明口および検出口までの距離は、撮影距離(WD)である。
図32Aは、図31を斜め上方から見たときの模式図であり、且つ照射用光学系および検出用光学系を走査したときの図である。図32Aでは、照射用光学系および検出用光学系を走査した場合の各光についての光路と、照射領域と検出領域とを模式的に示した。
このように照射用光学系および検出用光学系を走査することにより、第1の組織と、そこにおいて分布する第2の組織とを含む被写体について観察することが可能である。即ち、第2の組織の存在または不在に依存した光量変化を、照明領域と検出領域の間の領域について検出することができる。これにより、第1の組織における第2の組織の分布について、観察することが可能である。照明部と検出部に走査部を加え、距離d2を規定したままで走査することにより、第2の生体組織の2次元的分布を検出することが可能となる。このとき、走査の方向は直線方向に限らない。また、2点以上の複数点を同時に照明し検出するように照明領域と検出領域の組を2組以上設けてもよい。それにより、観察をより広範囲に行うことが可能である。この場合、各組同士の離間距離は任意であり、隣接していてもよいし、互いに距離が離れた照明領域および/または検出領域に配置するようにしてもよい。
第7の実施形態〜第9の実施形態の観察装置は、更に画像化部を備えてもよい。それにより、走査により得られた複数の電気信号は画像化部において画像化される。画像化部では、各走査点にて検出した光強度信号を、走査点と表示画像内での画素位置とを対応付けて表示させることによって、2次元的分布を2次元画像として表示させることができる。このとき、光強度信号は色の濃淡情報に変換して表示してもよいし、色情報に変換して表示してもよい。また、更にまた観察装置は、画像処理部を備えてもよい。それにより、深部断層画像および表層断層画像が作成されてもよく、任意の画像処理が行われてもよい。
図32Aに、走査した際の照明領域と検出領域の動きの模式図を示す。走査点の配置に従い、画像化部で構成する画像の画素を配置する。すなわち、隣接走査点の間隔が、画素の間隔に相当することとなる。
このとき、検出領域の大きさを走査点間隔よりも大きくすると、隣接走査点での検出領域との間に交わり部が生じさせることができる。こうすることにより、隣接する検出領域との間の光量変化が滑らかになり、画像上でスムージング処理をしたときと同じノイズ低減効果が得られる。
(第10の実施形態)
<撮像方法>
第5の側面に従う検出方法の1例を図32Bに示したフローチャートを用いて説明する。
S321では、オペレータが当該観察装置の照明光を点灯して、S322に進む。
S322では、制御部が、検出点の座標nに初期値「n=0」を与え、S323に進む。
S323では、制御部が照明するための第n走査点の座標を、記憶部に格納されたルックアップテーブル(以下、「LUT」と記載する)から読み出し、S324に進む。
S324では、制御部が、S323において読み出された座標に基づいて、照明用の走査機構を制御して、照明用光学系を移動して当該座標の位置に配置し、S325に進む。
S325では、制御部が検出するための第n走査点の座標を、記憶部に格納されたLUTから読み出し、S326に進む。
S326では、制御部が、S325において読み出された座標に基づいて、検出用の走査機構を制御して、検出光学系を移動して当該座標の位置に配置し、S327に進む。
S327では、制御部が、当該座標に配置された照明用光学系の照射口から光を照射させ、当該座標に配置された検出用光学系の検出口で捉えた光を検出器で電気信号に変換させ、それにより第n走査点についての検出信号を読み出し、記録部に格納する。S328に進む。
S328では、制御部が、検出点の座標について「n=n+1」の演算を行い、S329に進む。
S329では、制御部が、S328において与えられた検出点の座標nが終結値Nと等しいか(n=N)否かを判断し、等しくない場合には、S323に進み、n=Nになるまで走査検出ループを回す。等しい場合には、S330に進む。
S330では、制御部が、n=1〜Nの全座標について得て、記録部に格納した検出信号の強度を、制御部が画像化部に指示し、対応座標に配することによって画像を生成させ、S322に進む。
S330において生成された画像は、記録部に格納されてもよく、および/または表示部に表示されてもよい。
走査されるべき照明位置と検出位置は、一連の座標データであるLUTとして当該組成物観察装置の記憶部および/または記録部などに保持される。走査実行時には、制御部が各座標をLUTから座標を読み出して、走査機構を制御して照明部と検出部の位置を移動し、座標に対応する所望の位置に配置することにより、位置制御を行う。
LUTは、被写体表面上での位置の座標データを保持してもよく、照明光と検出光の振り角度のデータを保持してもよく、走査機構が制御のために使用する電気信号(電圧値/電流値)のデータを保持してもよい。更に、LUTは、照明と検出の位置関係(例えば、d2の値)を別に保持してもよく、それにより、照明と検出のために1つのLUTが利用されてもよい。
<観察距離の分布についての調整>
上述したように、一般的な観測装置では、図33(a)に示すように、d1<d2である。従って、観察距離(WD)が小さいか(即ち、近いか)、大きいか(即ち、遠いか)によりd2の大きさは変化する。従って、被写体表面と、照射口および検出口との観察距離(WD)が、近い場合には背景を含む画像がより明るくなり、当該距離が遠くなると背景を含む画像全体が暗くなる(図33(a)右側図、図33(b)を参照)。
一方、後方散乱光の強度は、被写体表面上の照明領域と、検出領域が近いほど強くなる。従って、d2が小さいほど検出強度は大きくなる(図33(c)を参照)。
よって、WDが小さいほど検出光量は大きくなり、WDが大きいほど検出光量は小さくなる。即ち、WDが小さい位置で観察すると画像は明るくなり、WDが大きい位置で観察すると画像は暗くなる。
深部観察において、画像の明るさが変化すると、全体の画像が明るすぎれば、そこに存在する深度情報も薄くなって見えづらくなる。反対に暗すぎると深度情報は背景画像に埋もれて見えづらくなる。
図34(a)および(b)に示すように、WDが変化してもd2が変化しないように、照明位置と検出位置を変化させれば、常にほどよい明るさの画像を得ることが可能になる。
例えば、血管をより明確に観察できる適切な明るさは、予め距離d2と画像の明るさの関係を実験的に得ることが必要である。図35(a)〜(c)に示すように、距離d2と撮影距離WDとの関係(図35(a))を合わせて考えることにより、画面の明るさから撮影距離WDを推定できる(図35(b))。また、画面の明るさを適切な明るさの範囲内に収まるように、距離d2に施す補正値も算出できる(図35(c))。
また更に、このような内部観察装置を走査型の撮像装置として使用すると、同一画面内でも、観察距離が一定せずに、異なる距離について分布が生じる。そのため、画面の一部分においてのみしか、深部情報が見えないという現象が生じることを見出した。
このような分布の例は図36(a)〜(c)に示す。画面の明るさは、画面内の明るさが均一であれば、画面全体の輝度値の平均値を画面の明るさとして捉えることが可能である。しかし、実際には、図36(a)〜(c)のように1つの画面内でも明るさが異なる。即ち、1つの画面内でも、血管の見え易い箇所と見え難い箇所が生じる。このような状態は、同一画面内において、各撮影点での距離d2を調整することによって改善されることが見出された。そのような調整によって画面全体において血管を見え易くすることが可能である(図37(a)〜(c))。
(第11の実施形態)
第11の実施形態は、次のように、同一画面内において、各撮影点での距離d2を調整する方法である。
まず、1つ画面を撮像する。次に、前記画像全体にフィルタリング処理を行う。このフィルタリング処理は、画像内に存在する血管などの構造体像を消去し、背景の検出強度の分布のみを得るような処理である。例えば、この処理は、ローパスフィルタを用いて行えばよい。また、フィルタリングする空間周波数の閾値は、対象となる被写体の構造物に合わせた値を予め実験的に得ておけばよい。
上記のフィルタリング処理結果における各撮影点(画像上では各ピクセル)の輝度値から、各撮影点におけるWDが算出でき、そのWDからd2に施す補正値を算出することができる。予め輝度値とWDとを対応付ける、および/またはWDとd2とを対応付けるデータを記憶部に記憶しておいてもよい。また、予め輝度値とd2の補正値とを対応付けるデータを記憶部に記憶しておいてもよい。演算部および/または制御部がそれらのデータを参照して、所望の処理を行ってもよい。
最後に、得られた補正値により補正したd2を用いて再撮影を行い、表示部に画像を表示する。
この方法は、上記の何れの側面における何れの実施形態に記載した観察装置においても実施することが可能である。また第10の実施形態である撮像方法と組み合わせて使用されることも好ましい。以下に幾つかの例を挙げて説明する。これらの方法は、静止画像の撮像について用いられても、動画の撮像について行われてもよい。
例1
図38を用いて、第11の実施形態の1例である撮像方法を説明する。
オペレータの指示に従い、制御部が、観察装置における撮影を開始し、S381に進む。
S381では、制御部の指示に従い、図32Bに記載のS321〜S330を繰り返すことにより画像を得て、S382に進む。
S382では、制御部の指示により、画像処理部が画像全体にフィルタリング処理をして、S383に進む。
S383では、制御部の指示により、演算部が、フィルタリング処理された画像全体について、走査点毎の輝度値に基づいて、WDを算出し、S384に進む。
S384では、演算部が、WDに応じて、走査点毎の距離d2の補正値を決定し、S385に進む。
S385では、制御部が、演算部から補正値を受け取り、この補正値を基に各走査点における距離d2を設定して、S386に進む。
S386では、制御部が、中心間距離調整光学系および走査機構に指示して、補正された距離d2を維持するように照明用光学系および検出用光学系を移動して配置した状態で、図32Bに記載のS321〜S330を繰り返すことにより画像を得て、S387に進む。
S387では、制御部が、再補正が必要か否かを判断し、補正が必要でない場合には、S386に進み、補正が必要である場合には、S381に進み、再度、各工程を繰り返す
S386では、制御部が、中心間距離調整光学系および走査機構に指示して、補正された距離d2を維持するように照明用光学系および検出用光学系を移動して配置した状態で、撮像を行う。更に、制御部が、表示部に得られた画像を表示させる。
ここで、再補正の必要を判断する必要がない場合には、S382からS3841に進み、S3844までの工程を行えばよく、そのようにプログラムされればよい。
また、再補正の判断の例は次の通りである。
(1)前回の補正時刻からの経過した時間長さによって、再補正が必要であるか、否かの判断を行う。例えば、この場合、制御部が、「前回の補正時刻から100ms経過したか」を判断すればよい。この判断の実行は、例えば、制御部が、補正を行う毎にタイマーをリセットするように、プログラムされてもよい。
(2)前回の補正時から後に撮像した画像の枚数によって、再補正が必要であるか、否かを判断する。例えば、この場合、制御部が、「前回の補正時から10枚撮像したか」を判断すればよい。この判断の実行は、例えば、制御部が、補正する毎に撮影カウンターをリセットするように、プログラムされてもよい。
ここで、演算部による、WDに応じた走査点毎の距離d2の補正値の決定は、例えば、演算部が記憶部に予め格納された情報、例えば、WDと補正値とを対応付けたLUTなどを参照すること、または予め格納された計算式に基づいて演算すること、或いは記録部に格納されたそれ以前の測定により得られた情報を利用すること、またはこれらの組み合わせることにより行われればよい。
例2
例2は、動画撮影時により適切な例1の変形例である。動画撮影時には、画像を取得するためにフィルタリング処理を行い、それにより背景の強度分布を算出し、その値から、距離d2に必要な補正値Δを算出すればよい。その際、予め、背景分布の強度と補正値Δとの関係を対応付けるデータをLUTとして記憶部に記憶しておくことも可能である。それにより、撮影時に参照することが可能である。
また、Δが微小である場合、例えば、0.1mm以下などの場合、補正処理を省略して、前回設定時のd2をそのまま流用するようにプログラムされてもよい。
撮影枚数を経る毎に初期のd2の値とは異なる値となっていくが、観察装置にリセットボタンを備える構成とすることにより、任意のタイミングで、オペレータが初期のd2に戻すことが可能なようにプログラムされてもよい。
図39(a)に動画撮影時に画像を取得する度にフィルタリング処理を行う補正方法をフローチャートにより示す。
オペレータの指示に従い、制御部が、観察装置における撮影を開始し、S391に進む。
S391では、制御部の指示に従い、図32Bに記載のS321〜S330を繰り返すことにより画像を得て、S392に進む。
S392では、画像処理部が画像全体に対してフィルタリング処理を行い、S393に進む。
S393では、制御部の指示により、演算部が、走査点毎の輝度値に基づいて、距離d2の補正値Δを決定して、S394に進む。
S394では、制御部が演算部より補正値Δを受け取り、各走査点での距離d2をS395に進む。
S395では、制御部が、中心間距離調整光学系および走査機構に指示して、補正された距離d2を維持するように照明用光学系および検出用光学系を移動して配置した状態で、画像を得て、S392に進む。
S392では、制御部が、入力部への撮影終了の指示の有無または予め設定された条件を満たしたか否かを判断し、その結果に応じて、制御部が、S392〜S395の撮影ループを繰り返し、制御部が撮影終了の指示を認める、または予め設定された条件を満たしたと判断した場合には、撮影ループを出て操作を終了する。
距離d2に施す補正距離Δと画像の明るさ(即ち、画像背景の輝度値)との関係を示すグラフを図39(b)に示す。適切な明るさが得られるように距離d2に施す補正距離が決定されればよい。
例3
例3は、更なる例1の変形例であり、背景の検出強度の分布を計測するための撮影において、走査点の間引きを行う構成とすることにより、短時間で補正値を得ることが可能である。図40を参照して説明する。
オペレータの指示に従い、制御部が、観察装置における撮影を開始し、S401に進む。
S401では、制御部の指示に従い、予め設定され、記憶部に記憶された座標に従い特定の走査点のみについて、図32Bに記載のS321〜S330を繰り返すことにより画像を得て、S382に進む。
S402では、制御部の指示により、画像処理部が画像全体にフィルタリング処理をして、S403に進む。
S403では、制御部の指示により、画像処理部が、フィルタリング処理された画像について補間処理を行い、S404に進む。
S404では、演算部が、補間された画像について、走査点毎の輝度値に基づいて、WDを算出し、WDに応じて、走査点毎の距離d2の補正値を決定した後、制御部が、演算部から補正値を受け取り、この補正値を基に各走査点における距離d2を設定して、S405に進む。
S405では、制御部が、中心間距離調整光学系および走査機構に指示して、補正された距離d2を維持するように照明用光学系および検出用光学系を移動して配置した状態で、図32Bに記載のS321〜S330を繰り返すことにより画像を得て、S406に進む。
S406では、制御部が、再補正が必要か否かを判断し、補正が必要でない場合には、S405に進み、補正が必要である場合には、S401に進み、再度、各工程を繰り返す。
405では、制御部が、中心間距離調整光学系および走査機構に指示して、補正された距離d2を維持するように照明用光学系および検出用光学系を移動して配置した状態で、撮像を行う。更に、制御部が、表示部に得られた画像を表示させる。S401に戻る。
S401〜S406を含むループの終了は、オペレータによる入力および/または予め設定され格納された条件などに従って、制御部が、ループ中の操作の中断および/または一連の撮影工程の終了を判断し、終了または中断のための制御を行うようにプログラムされればよい。
間引いた走査点の検出強度分布の値についての補間処理は、最近接法や線形補間法など、それ自身公知の何れかの方法により行えばよい。
再補正の判断の例は例1に記載と同様に行ってよい。また、間引きを行うこと以外は、例1と同様な条件および手続が利用してよい。
例4
制御ユニットの構成の1例を図41を参照しながら以下に説明する。
図41の構成は、制御部、計測部および演算部が1つのユニットに含まれる例である。
この制御ユニットは、各情報を対応付けるテーブルなどのデータを格納する記憶部(図示せず)と、記憶部とデータの受け渡し可能に接続された調整座標データ生成部と、前記データ生成部とデータの受け渡し可能に接続されたd2の補正処理部と、前記データ生成部および前記d2の補正処理部とデータの受け渡し可能に接続された画像データ生成部と、画像データ生成部とデータ受け渡し可能に接続された画像処理部と、前記画像処理部は、表示部に接続されており、前記調整座標データ生成部および画像データ生成部は、タイミング制御部に接続され、任煮のD/A変換器を介して、照明側操作機構、検出側走査機構に接続されている。また、検出器は、アンプ、D/A変換器を介してタイミング制御に接続され、タイミング制御部は、画像データ生成部に接続される。
ここにおいて、走査時に使用する一連の走査点のデータは、原座標ファイルに格納される。原座標ファイルは、調整座標データ生成部にて、検出強度分布に基づく距離d2の補正を加えた調整座標データに変化される。
調整データに基づいて、照明側の走査機構と検出側の走査機構へ駆動信号が送られる。走査機構がアナログ制御である場合は、図41のように変換機(D/A)を介して制御されればよい。
照明の走査点制御と、検出の走査点制御と、検出器の露光時間のタイミングは正しく制御される必要がある。例えば、照明開始と同時に検出するために、照明と検出の走査点制御は同時に行われ、一定時間の露光時間を得るために、検出器からの信号はその露光時間経過後に取得される。そして、信号取得後、次に制御動作に移行する。従って、走査機構への制御信号の送信と、検出器からの検出器信号の取得のために、図41のようにタイミング制御機構が介された構成が利用されてもよい。
検出された強度信号は、画像データ生成部において、走査点の座標データと組み合わせることにより画像データとなる。その後、画質調整のための各種画像処理が行われ、表示部にて画像が映し出される。
画像データは、更にd2補正処理部にも送られ、そのデータに基づいて背景強度分布の算出およびd2の補正値の計算が行われる。
このような第5の側面の方法および観察装置により、より良好な画像を得ることが可能になる。
別途測距機構を搭載することによって、観察距離に応じてSD距離を調整するなどの他の手段を利用する方法に比べて、本側面に従う方法によれば、観察装置の小型化が可能であり、且つ装置の構成をより単純にすることが可能である。
101 生体内部観察装置、107 照明光、108 後方散乱光、109 第1の生体組織、110 第2の生体組織、201 照明領域、202 検出領域、301 照明領域と検出領域の中心間の距離、302 深部を通った光の領域、303 検出される深さ、401 第2の生体組織内に納まる大きさの検出領域、402 第2の生体組織からはみ出す大きさの検出領域、404 検出領域401が第2の生体組織を横切った際の光量変化、405 検出領域402が第2の生体組織を横切った際の光量変化、701 隣接する走査点の間の距離(間隔)、702 表示する画像の画素、703 隣接する検出領域間の重なり部分、804 光ファイバ、805 NA調整光学系、806 スキャナーミラー、807 倍率調整光学系、808 アパーチャ、809 フォトダイオード、901 分離光学系、903 導光光学系、1001 光軸を分離するための光学素子

Claims (22)

  1. 光散乱性を有する対象とその深部に存在し得る被観察物体とにおいて前記対象から前記物体の存在を観察する内部観察装置であって、
    前記対象と前記物体とで光学特性の異なる波長を少なくとも含む光を前記対象に照射するように構成された照明部と、
    前記照明部により照射された照明光の後方散乱光のうち、特定の検出領域からの光を検出し光強度データを取得するように構成された検出部と、
    前記取得された光強度データを解析し画像を構成するように構成された画像化部と、
    前記画像を表示するように構成された表示部と、
    を備え、
    前記特定の検出領域の面積が前記照明光の前記対象の表面における照明領域よりも大きく、
    前記検出領域からの後方散乱光を単一の検出素子に入射させる光学系と、
    前記照明部による照明位置と前記検出部による検出位置とを、前記対象に対して走査するように構成された走査部と、
    を更に備え、
    前記画像化部は、前記走査に対応させた画像を構成するように構成され、
    前記検出部において、前記走査部を通して導光された前記後方散乱光のうち、前記検出領域からの後方散乱光のみを抽出するためのアパーチャを配置したことを特徴とする内部観察装置。
  2. 前記照明領域と前記検出領域の距離を規定するように、前記照明部と前記検出部とを配した請求項1に記載の内部観察装置。
  3. 前記照明領域と前記検出領域の距離において、前記検出領域に少なくとも前記照明領域は含まれないように前記照明部と前記検出部とを配した請求項2に記載の内部観察装置。
  4. 前記照明光の前記対象の表面における位置と前記検出部が検出する後方散乱光の前記対象の表面における位置との中心間距離 x が、前記物体が存在する位置の前記対象の表面からのおおよその深さ z に対して、
    x ≧ 2.8 × z
    となるように規定された、請求項2または3に記載の内部観察装置。
  5. 前記照明部による照明位置と前記検出部による検出位置とを、前記対象の表面にそれぞれ2個以上に配する複数照明検出部を備え、前記照明位置と前記検出位置に対応させた画像を構成するように構成された画像化部とを備える、請求項1〜4の何れか1項に記載の内部観察装置。
  6. 前記検出領域の大きさが隣接検出領域との中心間距離よりも大きく、隣接する検出領域の間で交わりが生じるようにした請求項またはに記載の内部観察装置。
  7. 前記検出領域の大きさを前記検出領域に少なくとも前記照明領域は含まれないようにした、請求項1〜の何れか1項に記載の内部観察装置。
  8. 前記画像化部において、検出した前記光強度データを、前記走査時の間隔に対応させて画像を構成するようにした請求項1、5〜の何れか1項に記載の内部観察装置。
  9. 前記検出部において、走査部を通して導光された前記後方散乱光のうち、前記検出領域からの後方散乱光のみを抽出するためのアパーチャを導光する光学系における前記検出領域と共役な位置に配置した請求項に記載の内部観察装置。
  10. 前記検出部において、走査部を通して導光された前記後方散乱光のうち、前記検出領域からの後方散乱光のみの切り出しを容易にするために、前記走査部と前記アパーチャとの間に倍率調整光学系を備えた、請求項またはに記載の内部観察装置。
  11. 前記照明光と前記後方散乱光とを、同一の光学系へ導光する導光光学系と、前記照明部からの照明光を前記導光光学系へ入射させ、前記導光光学系からの前記後方散乱光より前記検出領域からの後方散乱光のみを抽出する分離光学系とを備える、請求項1、8〜10の何れか1項に記載の内部観察装置。
  12. 前記照明部において、光源としてレーザー光源を用いた、請求項1〜11の何れか1項に記載の内部観察装置。
  13. 前記レーザー光源を前記照明部の後段へ導光するために光ファイバを用いた、請求項12に記載の内部観察装置。
  14. 前記照明光を導光する際に、少なくとも照明部から出射した照明光が対象内部へ入射するまでの光路における照射端において、前記照明光が平行光となるように、NA調整光学系を備えた請求項1、9〜13の何れか1項に記載の内部観察装置。
  15. 前記光散乱性を有する対象は第1の生体組織であり前記被観察物体は前記第1の生体組織の深部に分布する第2の生体組織であり前記特定の検出領域は、前記第1の生体組織の表面の検出領域であり、第1の生体組織表面から第2の生体組織の分布を観察する生体内部観察装置として機能するように構成されたことを特徴とする請求項1〜14の何れか1項に記載の内部観察装置。
  16. 前記照明光の第1の生体組織の表面における位置と前記検出部が検出する後方散乱光の前記第1の生体組織の表面における位置との中心間距離が、8mm以上となるように規定された請求項15に記載の内部観察装置。
  17. 前記検出領域の面積をS、前記照明光の帯域幅をBWL、前記検出領域での検出光密度をP、前期検出光を前記光強度データへ変換する変換係数をG、前記検出部のノイズフロアをN、前記検出の際の露光時間をt、前記第2の生体組織の有無による前記光強度データの変化率をrとしたとき、
    をみたすようにした、請求項16に記載の内部観察装置。
  18. 前記検出領域の1方向の大きさをD、前記第2の生体組織の把握したい大きさをWとしたとき、D≦Wをみたすように前記検出領域の大きさを決めた、請求項1517の何れか1項に記載の内部観察装置。
  19. 前記第2の生体組織がヘモグロビンを含有し、前記第1の生体組織が血管以外の生体組織で、前記照明光の波長が400〜600nmまたは800〜1000nmまたは1350〜1550nmを少なくとも含む光である、請求項1518の何れか1項に記載の内部観察装置。
  20. 前記第2の生体組織が血管であり、前記第1の生体組織が血管以外の生体組織であり、前記照明光の波長が900〜1000nmを少なくとも含む光である、請求項1518の何れか1項に記載の生体内部観察装置。
  21. 医療用内視鏡として機能するように構成されたことを特徴とする請求項15〜20の何れか1項に記載の内部観察装置。
  22. 硬性内視鏡として機能するように構成されたことを特徴とする請求項15〜20の何れか1項に記載の内部観察装置。
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