JP5656504B2 - 真空処理装置およびプラズマ処理方法 - Google Patents

真空処理装置およびプラズマ処理方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5656504B2
JP5656504B2 JP2010178110A JP2010178110A JP5656504B2 JP 5656504 B2 JP5656504 B2 JP 5656504B2 JP 2010178110 A JP2010178110 A JP 2010178110A JP 2010178110 A JP2010178110 A JP 2010178110A JP 5656504 B2 JP5656504 B2 JP 5656504B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ridge
plasma
discharge chamber
power supply
filling material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2010178110A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2012038942A (ja
Inventor
真島 浩
浩 真島
竹内 良昭
良昭 竹内
禎子 中尾
禎子 中尾
笹川 英四郎
英四郎 笹川
宮園 直之
直之 宮園
大坪 栄一郎
栄一郎 大坪
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Heavy Industries Ltd filed Critical Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority to JP2010178110A priority Critical patent/JP5656504B2/ja
Publication of JP2012038942A publication Critical patent/JP2012038942A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5656504B2 publication Critical patent/JP5656504B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Plasma Technology (AREA)
  • Chemical Vapour Deposition (AREA)

Description

本発明は、真空処理装置に関し、特にプラズマを用いて基板に処理を行う真空処理装置およびプラズマ処理方法に関する。
一般的に、薄膜太陽電池の生産性を向上させるためには、高品質なシリコン薄膜を、高速に、かつ、大面積で製膜することが重要である。このような高速かつ大面積な製膜を行う方法としては、プラズマCVD(化学気相成長)法による製膜方法が知られている。
プラズマCVD法による製膜を行うためには、プラズマを発生させるプラズマ生成装置(真空処理装置)が必要であり、効率良く製膜を行うプラズマ生成装置として、例えば特許文献1に開示されているリッジ導波管を利用したプラズマ生成装置が知られている。この種のプラズマ生成装置は、特許文献1の図10に示されるように、高周波電源(RF電源)を強い電界に変換させる左右一対の変換器(分配室40)と、これらの変換器の間に接続される放電室(有効空間1)とを備えて構成されている。
変換器は、互いに対向する上下一対の平板状のリッジ部を有するリッジ導波管からなる。また、放電室も、互いに対向する上下一対の平坦なリッジ電極板を有するリッジ導波管であり、変換器に連結されている。このように構成されたプラズマ生成装置において、変換器と放電室の内部を減圧し、この中に、プラズマの生成と薄膜の形成に必要な母ガスを供給し、電源から高周波電力を供給すると、放電室内にて近接対向するリッジ電極板の間にプラズマを発生させることができる。そして、このプラズマを利用してガラス基板等に製膜処理を施すことができる。基板は、放電室におけるリッジ電極板の間に配置されるのが一般的である。具体的には、上下のリッジ電極が水平になるように装置全体を設置し、上下の電極の間に基板を搬入して、この基板を下側のリッジ電極の上面に載置する。
従来のこのようなプラズマ生成装置では、リッジ導波管に対して、横方向からマイクロ波電力を供給する構造になっていて、リッジ導波管に沿った長手方向における電界強度分布に偏りが生じていた。即ち、リッジ導波管に沿った長手方向における電界強度分布は、分配室と称されるリッジ導波管に併設された部分および分配室からリッジ導波管にマイクロ波を供給するための結合穴の構成により定まる。そのため、リッジ導波管と分配室は同じ長さが必要であり、かつ分配室や結合穴における取りうる構成が制限されると、電界強度分布の均一性も制限されることからプラズマの均一化が困難になるという問題があった(特許文献1参照)。
特表平4−504640号公報
変換器には高周波電源から同軸ケーブルを介して高周波電力が導入され、変換器は供給された高周波電力を放電室側に伝送する役割を担っている。即ち、変換器のリッジ部には、電源ラインが接続されて、高周波電力の伝送モードを同軸伝送モードであるTEMモードから方形導波管の基本伝送モードであるTEモードに変換して放電室(プロセス室)に伝送する。この変換部分で特性インピーダンス値が減少または増加する場合には、インピーダンス不整合に伴う反射波の発生が懸念される。
また、変換器におけるリッジ部の対向間隔は凡そ50〜200mm程度に設定され、放電室におけるリッジ電極板の対向間隔は凡そ3〜30mm程度に設定されるため、変換器のリッジ部と放電室のリッジ電極板との接続部には数十〜百数十mmのリッジ段差が存在する。このように、放電室におけるリッジ電極板の対向間隔が、変換器におけるリッジ部の対向間隔よりも狭く設定されており、変換器から放電室へと移行する境界部に大きなリッジ段差が存在するため、変換器から放電室にかけての特性インピーダンスが急激に減少または増加する傾向が生じ、インピーダンス不整合に伴う反射波発生が懸念されていた。従来は、高周波電源系統の整合器で調整する対応が実施されていたが、インピーダンス不整合に伴う反射波発生の抑制は十分ではなかった。
さらに、製膜処理等でプラズマ発生付近に膜が付着成長し始めると、特性インピーダンスがさらに変動し、これによって変換器の特性インピーダンス変動箇所からの反射波の発生が増加することが懸念されていた。また、変換器内で局所的な電界が増加した部分にはプラズマが発生し、変換器内部に膜が付着して変換器の特性が経時変化する懸念がある。特に、1mを越える大きな面積の製膜を行うにあたっては、1mあたり1kWを越える大電力が投入されるため、反射波に起因して高周波電源系統の変調、故障の発生、場合によっては高周波電源系統の一部の焼損に至る場合があり、このような反射波の抑制対策の確立は非常に重要な課題である。一方では、電源周波数の高高周波化に伴い、反射波は極短時間に急速に大きくなることがあり、この反射波の発生を抑制するような電気的な構成をプラズマ生成装置に付加することは、技術的にも難しいだけでなく、装置構成の複雑化および価格上昇を招来するため、好ましくない。
ここで、変換器の内部において対向するリッジ部の間に、真空や空気中よりも誘電率の高いアルミナセラミックス等の充填材を充填することにより、変換器の内部における反射波の発生防止、および局所的な電界増加を抑制し、変換器内でのプラズマの発生を防止することが検討されている。これによれば、充填材を設置しない場合と比較して、変換器のリッジ部の高周波電力を放電室側に伝送する方向の寸法を小さくすることができ、プラズマ生成装置のコンパクト化にも貢献することができる。
ところが、例えば、対向するリッジ部の間隔が100mmである場合、この間にアルミナセラミックスを隙間なく充填すると、アルミナセラミックスの比重が3.9であることから、1m当たり390kgの重量となり、これが一対の変換器の両方に設けられるため、充填材だけで780kgもの高重量となる。このため、プラズマ生成装置(真空処理装置)の重量が極端に重くなってしまい、装置の各部の剛性、強度を大幅に増強させなければならず、装置の搬送や据え付け等の作業にも困難が伴うという問題があった。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、リッジ導波管を利用した放電室と変換器とを有し、放電室でプラズマを発生させる真空処理装置において、軽量かつコンパクトで簡素な構造により、変換器の内部における反射波とプラズマの発生を防止して、放電室において安定したプラズマを発生させることのできる真空処理装置およびプラズマ処理方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、以下の手段を提供する。
即ち、本発明に係る真空処理装置は、互いに平行に対向して配置され、その間にプラズマが生成される一方および他方のリッジ電極を有したリッジ導波管からなる放電室と、前記放電室の両端に隣接して配置され、互いに平行に対向して配置された一対の平板状のリッジ部を有したリッジ導波管からなり、高周波電源から供給された高周波電力を方形導波管の基本伝送モードに変換して前記放電室に伝送し、前記一方および他方のリッジ電極の間にプラズマを発生させる一対の変換器と、高周波電力を前記リッジ部に供給する電源手段と、前記電源手段と前記リッジ部との間を電気的に接続する電源ラインと、前記放電室および前記変換器の内部の気圧を減圧させる排気部と、を有し、前記変換器における前記リッジ部の対向間隔よりも、前記放電室における前記リッジ電極の対向間隔の方が狭く設定されて前記リッジ電極間でプラズマを発生させるように構成され、さらに、前記変換器の内部において、対向する前記リッジ部の間に充填される充填材を備え、該充填材は前記電源ラインが前記変換器に接続される電源導入部の周囲を取り囲む同心円状に構成されているとともに、前記充填材の比重は、前記電源導入部の近傍の範囲に比べて、その外周側の範囲の方が低く設定されていることを特徴とする。
本発明によれば、前記変換器の内部において対向するリッジ部の間で電源導入部と同心円状に充填された充填材により、変換器の内部における特性インピーダンスの変化を緩やかにして反射波の発生を抑制するとともに、局所的な電界増加による変換器内でのプラズマの発生を抑制することができる。同時に、変換器の内部における誘電率が高くなるため、変換器の長さ方向の寸法を小さくして真空処理装置をコンパクト化することができる。
また、上記充填材は、前記電源導入部の近傍の範囲では高比重であるため誘電率が高く、その外周側の範囲では低比重であるため誘電率が低い。充填材の誘電率が高いほど特性インピーダンスを同軸伝送部分に近い値にすることができる。また、充填材の誘電率が高いほど、特性インピーダンスの変化が緩やかになり反射波を抑制できるとともに、プラズマの発生抑止効果が高い。そのため、反射波とプラズマの発生率が最も高い電源導入部の近傍の範囲では、高比重かつ高誘電率の充填材によって確実に反射波とプラズマの発生が抑制される。
しかも、電源導入部から離れるにつれて反射波とプラズマの発生率が低下するため、この部位に位置する充填材は低比重かつ低誘電率でもよい。このため、対向するリッジ部の間の空間全てに高比重な充填材を充填した場合に比べ、大幅な軽量化を果たすことができる。こうして、軽量かつ簡素な構成により、変換器における反射波とプラズマの発生を防止して、放電室において安定したプラズマを発生させることができる。
さらに、本発明に係る真空処理装置は、前記充填材が、前記電源導入部の近傍の範囲に設けられる高比重な充填素材と、この高比重な充填素材の外周側を取り巻く低比重な充填素材とが組み合わされたものであることを特徴とする。これにより、高比重な充填素材と低比重な充填素材とを容易に組み立て可能にして、充填材の全体構造をより簡素かつ安価なものにすることができる。
また、本発明に係る真空処理装置は、前記充填素材のうち、前記電源導入部の近傍の範囲に設けられる充填素材がアルミナセラミックスであることを特徴とする。アルミナセラミックスは誘電率が高くて安価な素材であるため、充填材として好適である。
また、本発明に係る真空処理装置は、前記電源ラインが、外部導体と内部導体とを有する同軸ケーブルであり、前記外部導体は、前記電源導入部において、対向する一方の前記リッジ部に電気的に接続され、前記内部導体は、前記一方のリッジ部と前記変換器の内部空間を貫通して他方の前記リッジ部に電気的に接続され、前記充填材は、前記変換器の内部において前記内部導体の周囲を取り囲むように設けられていることを特徴とする。
上記構成によれば、反射波とプラズマの発生率が最も高い電源導入部において、高比重で誘電率の高い充填材により、電源ライン(同軸ケーブル)の内部導体の周囲が取り囲まれるため、変換器の内部における反射波とプラズマの発生を確実に防止することができる。
そして、本発明に係るプラズマ処理方法は、前記各態様における真空処理装置を用いて基板にプラズマ処理を施すことを特徴とする。これにより、高品質なプラズマ処理を行うことができる。
以上のように、本発明に係る真空処理装置およびプラズマ処理方法によれば、リッジ導波管を利用した放電室と変換器とを有し、放電室でプラズマを発生させる真空処理装置において、軽量かつ簡素な構造により、変換器の内部における反射波の発生および局所的な電界増加によるプラズマの発生を抑制し、放電室において安定したプラズマを発生させ、高品質なプラズマ処理を行うことができるという効果を奏する。
本発明に係るダブルリッジ型の製膜装置の概略構成を説明する模式図である。 図1の放電室の構成を示すII-II断面視図である。 本発明の第1実施形態に係る変換器を示す図1のIII-III断面視図である。 本発明の第2実施形態に係る変換器を示す図1のIII-III断面視図である。 図1のV-V線に沿う横断面図である。 シングルリッジ型の製膜装置の放電室を示す斜視図である。
〔第1実施形態〕
以下、本発明の第1実施形態について、図1〜図3を参照して説明する。本実施形態においては、本発明を、一辺が1mを越える大面積な基板に対して、アモルファス太陽電池や微結晶太陽電池等に用いられる非晶質シリコン、微結晶シリコン等の結晶質シリコン、窒化シリコン等からなる膜の製膜処理をプラズマCVD法によって行うことが可能な製膜装置(真空処理装置)1に適用した場合について説明する。
図1は製膜装置1の概略構成を説明する模式図である。製膜装置1は、放電室(プロセス室)2と、この放電室2の両端に隣接して配置された変換器3A,3Bと、これらの変換器3A,3Bに一端が接続される同軸ケーブル4A,4B(電源ライン)と、これらの同軸ケーブル4A,4Bの他端に接続される高周波電源5A,5B(電源手段)と、同軸ケーブル4A,4Bの中間部に接続されたサーキュレータ7A,7Bを介して接続された整合器6A,6Bと、放電室2に接続される排気部9およびガス供給部10を主な構成要素として備えている。サーキュレータ7Aおよびサーキュレータ7Bは、それぞれ高周波電源5A,5Bから供給された高周波電力を放電室(プロセス室)2に導くとともに、高周波電源5A,5Bに対して進行方向が違う高周波電力が入力されることを防止するものである。
図1に示すように、放電室2および変換器3A,3Bは、函状の真空容器8に収納されている。真空容器8には排気部9が接続され、真空容器8および放電室2、変換器3A,3Bの内部が排気部9により0.1kPaから10kPa程度の真空状態とされる。このため、放電室2および変換器3A,3Bならびに真空容器8は内外の圧力差に耐え得る構造とされる。排気部9としては、本発明において特に限定されることはなく、たとえば公知の真空ポンプ、圧力調整弁と真空排気配管等を用いることができる。
真空容器8の材質としては、例えばステンレス鋼(JIS規格におけるSUS材)や、一般構造用圧延材(JIS規格におけるSS材)等から形成し、リブ材等で補強された構成を用いることができる。また、放電室2は、非磁性または弱磁性を有し、且つ導電性を有する、アルミニウム合金材料等の材料から形成された容器状の部品であって、所謂ダブルリッジ型の導波管状に形成されたものである。
図1〜図3に示すように、放電室2には、上下方向(後述のE方向)に配列された上下一対のリッジ電極21a(一方のリッジ電極)とリッジ電極21b(他方のリッジ電極)が設けられている。これら一対のリッジ電極21a,21bは、ダブルリッジ導波管である放電室2における主要部分となるリッジ形状を構成するものであり、互いに平行に対向配置された平板状の部分である。そして、この放電室2に、プラズマ製膜処理が施される基板Sが収容される。この基板Sは、例えば下側のリッジ電極21bの上に載置される。
また、下側のリッジ電極21bにおいて、上側のリッジ電極21aと反対側の面にあたるリッジ電極21bの外側面には、図示しない均熱温調器を設けて、基板Sの温度を制御してもよい。なお、基板Sは必ずしも一対の放電用のリッジ電極21a,21bの間に配置する必要はなく、例えば下側のリッジ電極21bに製膜種が通過できる多数の通気孔を設け、この下側のリッジ電極21bの下面から所定の間隔を空けて上述の均熱温調器を設け、その上面に基板Sを載置して、基板Sの温度を制御しながら製膜処理を行ってもよい。
本実施形態では、放電室2が延びる方向をL方向(図1における左右方向)とし、リッジ電極21a,21bの面に直交してプラズマ放電時の電界が生じる方向をE方向(図1における上下方向)とし、一対のリッジ電極21a,21bに沿い、かつE方向と直交する方向をH方向(図1における紙面に対して直交する方向)とする。さらに、図2に示すように、一方のリッジ電極21aから他方のリッジ電極21bまでの距離がリッジ電極対向間隔d1(mm)と定められる。このリッジ電極対向間隔d1は、高周波電源5A,5Bの周波数、基板Sの大きさやプラズマ製膜処理の種類等に応じて、凡そ3〜30mm程度の範囲に設定される。
基板Sとしては透光性ガラス基板を例示することができる。例えば、太陽電池パネルに用いられるものでは、縦横の大きさが1.4m×1.1m、厚さが3.0mmから4.5mmのものを挙げることができる。
図3は、変換器3A,3Bの構成を説明する模式図である。変換器3A,3Bは、放電室2と同様に、アルミニウム合金材料等の導電性を有し非磁性または弱磁性を有する材料から形成された容器状の部品であって、放電室2と同様にダブルリッジ導波管状に形成されている。
図1に示すように、変換器3A,3Bは、それぞれ高周波電源5A,5Bから同軸ケーブル4A,4Bを介して供給される高周波電力が導入される部分であって、供給された高周波電力を放電室2側に伝送する役割を担っている。これらの変換器3A,3Bは、放電室2の、L方向の端部に連結され、電気的に接続されている。なお、変換器3A,3Bを放電室2に対して一体的に設けてもよい。
変換器3A,3Bには、図1および図3に示すように、それぞれ上下一対の平板状のリッジ部31a,31bが設けられている。これらのリッジ部31a,31bは、ダブルリッジ導波管である変換器3A,3Bにおけるリッジ形状を構成するものであり、互いに平行に対向して配置されている。変換器3A,3Bは、リッジ導波管の特性を利用して、高周波電力の伝送モードを同軸伝送モードであるTEMモードから方形導波管の基本伝送モードであるTEモードに変換して、放電室(プロセス室)2に伝送する。
変換器3A,3Bにおける一方のリッジ部31aから他方のリッジ部31bまでの距離がリッジ部対向間隔d2(mm)と定められる(図3参照)。このリッジ部対向間隔d2は、高周波電源5A,5Bの周波数、基板Sの大きさやプラズマ製膜処理の種類等に応じて、凡そ50〜200mm程度の範囲に設定される。
図1および図3に示すように、同軸ケーブル4A,4Bが変換器3A,3Bに接続される部分が電源導入部Cとなっている。同軸ケーブル4A,4Bは、外部導体41および内部導体42を有しており、電源導入部Cにおいて外部導体41が例えば上側のリッジ部31aに電気的に接続され、内部導体42が上側のリッジ部31aと変換器3の内部空間を貫通して下側のリッジ部31bに電気的に接続されている。同軸ケーブル4A,4Bは、それぞれ、高周波電源5A,5Bから供給された高周波電力を変換器3A,3Bに導くものである。なお、高周波電源5A,5Bとしては、公知のものを用いることができる。
本発明において、高周波電源5A,5Bは、周波数が13.56MHz以上、好ましくは30MHzから400MHz(VHF帯からUHF帯)に設定されている。これは、13.56MHzよりも周波数が低いと、ダブルリッジ導波管である放電室2と変換器3A,3Bのサイズが基板Sのサイズに対して大型化するために装置設置スペースが増加し、逆に周波数が400MHzより高いと、放電室(プロセス室)2が延びる方向(L方向)に生じる定在波の影響が増大してプラズマの均一性が低下するためである。さらに、リッジ導波管の特性により、リッジ電極21a,21bの間ではリッジ電極に沿う方向(H方向)の電界強度分布がほぼ均一になる。そして、リッジ電極21a,21bの間ではプラズマを生成可能な程度の強い電界強度を得ることができる。
その一方で、放電室2には、高周波電源5Aから供給された高周波電力と、高周波電源5Bから供給された高周波電力により、定在波が形成される。このとき、電源5Aおよび電源5Bから供給される高周波電力の位相が固定されていると、定在波の位置(位相)が固定され、リッジ電極21a,21bにおける放電室2の長さ方向(L方向)の電界強度の分布に偏りが生じる。そこで、高周波電源5Aおよび高周波電源5Bの少なくとも一方から供給される高周波電力の位相を調節することにより、放電室2に形成される定在波の位置の調節が行われる。これにより、リッジ電極21a,21bにおけるL方向の電界強度の分布が時間平均的に均一化される。
具体的には、定在波の位置が、時間の経過に伴いL方向に、sin波状や、三角波状や、階段(ステップ)状に移動するように高周波電源5Aおよび高周波電源5Bから供給される高周波電力の位相が調節される。定在波が移動する範囲や、定在波を移動させる方式(sin波状、三角波状、階段状等)や、位相調整の周期の適正化は、電力の分布や、プラズマからの発光の分布や、プラズマ密度の分布や、製膜された膜に係る特性の分布等に基づいて行われる。膜に係る特性としては、膜厚や、膜質や、太陽電池等の半導体としての特性等を挙げることができる。リッジ部を形成したリッジ導波管の特性と、高周波電源5A,5Bから供給された高周波電力の位相変調により、基板Sに対してH方向とL方向のいずれの方向にも均一なプラズマを広い範囲に生成することができ、大面積基板へ製膜するにあたり、高品質な膜を均一に製膜することができる。
一方、ガス供給部10は、放電室2等から離れた位置に配置され、基板Sの表面にプラズマ製膜処理を施すのに必要な原料ガスを含む母ガス(例えば、SiHガス等)を、放電室2の内部においてリッジ電極21a,21bの間に供給するものである。
図2および図3に示すように、変換器3A,3Bにおけるリッジ部31a,31b間のリッジ部対向間隔d2(凡そ50〜200mm)よりも、放電室2におけるリッジ電極21a,21b間のリッジ電極対向間隔d1(凡そ3〜30mm)の方が狭く設定されているため、リッジ部31a,31bとリッジ電極21a,21bとの境界部に数十〜百数十ミリのリッジ段差D(図1参照)が存在している。
そして、図3に示すように、変換器3A,3Bの内部において、対向するリッジ部31a,31bの間の空間に充填材35が充填されている。この充填材35は、変換器3A,3Bの内部空間における電源導入部Cの誘電率を増加させてリッジ部31a,31b間に反射波およびプラズマが発生することを防止する機能を持つ。
充填素材35は、変換器3A,3Bの内部空間において、電源導入部Cの近傍の範囲に設けられ、同軸ケーブル4A,4Bの内部導体42の周囲を密に取り囲む同心円の円柱形状に形成されて、その上下両面がリッジ部31a,31bに接している。充填素材35aの素材としてはアルミナセラミックスが適用されている。アルミナセラミックスの比重は3.9と比較的軽量であり、誘電率が凡そ9.4と高い値であり、製造も容易なことから安価で一般的な素材であるため、充填材として用いるには好適である。もちろん、アルミナセラミックス以外の物質でもよいが、誘電率が真空や空気中よりも高いもの(真空の誘電率=1)である必要がある。
以上のように構成された製膜装置1において、放電室2の内部に設置された基板Sには、以下の手順によりプラズマ製膜処理が施される。
まず、図1および図3に示すように、図示しない基板搬送装置により、基板Sが、放電室2におけるリッジ電極21bの上に配置される。その後、図1に示す排気部9により真空容器8、放電室2、変換器3A,3Bの内部から空気等の気体が排気される。
さらに、高周波電源5A,5Bから、周波数が13.56MHz以上、好ましくは30MHzから400MHzの高周波電力が同軸ケーブル4A,4Bと変換器3A,3Bを経て放電室2のリッジ電極21a,21bに供給されるとともに、ガス供給部10からリッジ電極21a,21bの間に、例えばSiHガス等の母ガスが供給される。この時、真空容器8内を排気する排気部9の排気量が制御されて、放電室2等の内部、即ちリッジ電極21a,21bの間の気圧が0.1kPaから10kPa程度の真空状態に保たれる。
一方、高周波電源5A,5Bから供給された高周波電力は、同軸ケーブル4A,4Bと整合器6A,6Bを介して変換器3A,3Bに伝送される。整合器6A,6Bでは高周波電力を伝送する系統におけるインピーダンス等の値が調節される。そして、変換器3A,3Bにおいて、高周波電力の伝送モードが、同軸伝送モードであるTEMモードから方形導波管の基本伝送モードであるTEモードに変換され、変換部3A,3Bから放電室2のリッジ電極21a,21bに伝送される。リッジ電極21a,21bでは、そのリッジ電極対向間隔d1が狭く設定されたことで強い電界が発生し、このリッジ電極21a,21bの間に母ガスを導入することで母ガスが電離されてプラズマが生成される。
このような状態において、リッジ電極21a,21bの間で材料ガスが分解や活性化して製膜種が発生する。材料ガスにSiHとHを主成分に用い、このプラズマを基板Sの面内において均一に形成することにより、基板Sの上に均一な膜、例えばアモルファスシリコン膜や結晶質シリコン膜が形成される。
放電室2は、リッジ部(リッジ電極21a,21b)を形成したリッジ導波管であるため、その特性により、リッジ電極21a,21bの間ではH方向の電界強度分布がほぼ均一になる。さらに、高周波電源5Aおよび高周波電源5Bの少なくとも一方から供給される高周波電力の位相を時間的に変調することにより、放電室2に形成される定在波の位置を変化させ、リッジ電極21a,21bにおけるL方向の電界強度の分布が時間平均的に均一化される。リッジ導波管を用いることにより、伝送損出が小さい効果も加わり、H方向とL方向ともに電界強度分布がほぼ均一化された領域を容易に大面積化できる。
そして、先述した通り、変換器3A,3Bにおけるリッジ部31a,31b間のリッジ対向間隔d2(凡そ50〜200mm)よりも、放電室2におけるリッジ電極21a,21b間のリッジ電極対向間隔d1(凡そ3〜30mm)の方が狭く設定されていて、リッジ部31a,31bとリッジ電極21a,21bとの境界部に数十〜百数十ミリのリッジ段差D(図1参照)が存在しているため、このリッジ段差Dの影響で変換器3A,3Bから放電室2にかけて特性インピーダンスが急激に大きく減少あるいは増加して特性インピーダンス不整合となっており、変換器3A,3Bの内部空間における反射波発生の原因となっている。
これに対し、変換器3A,3Bの内部空間の一部に充填材35が充填されていて、さらにその形状が内部導体42の周囲を取り囲む同心円の円柱形状に形成されているため、同軸伝送モードであるTEMモードから方形導波管の基本伝送モードであるTEモードに変換にあたっての特性インピーダンス不整合を抑制することができる。充填材35の誘電率が高いほど特性インピーダンスを同軸伝送部分に近い値にすることができるので、特性インピーダンスの変化が緩やかになり反射波を抑制できる。また、充填材35の誘電率が1(真空の値)よりも高いために局所的な電界増加が抑制され、プラズマの発生抑止効果が高い。
従って、変換器3A,3Bの内部空間における特性インピーダンスの不整合部分を緩和し、反射波およびプラズマの発生を防止することができる。また、変換器3A,3Bの内部空間において、充填材35は誘電率が1(真空の値)よりも高いために、充填材35を設けない場合に比べて変換器3A,3BのL方向の寸法を短縮することができ、製膜装置1のコンパクト化に貢献することができる。なお、本実施形態において、充填材35は内部導体42の周囲を取り囲む同心円の円柱状としたが、円柱状に変えて球状等に形成してもよい。
例えば、リッジ部31a,31bのリッジ対向間隔d2が100mmであり、充填材の外形寸法が1m×1mの角型であるとすると、この充填材を全てアルミナセラミックスからなる高比重な充填素材で形成した場合には、アルミナセラミックスの比重が3.9であることから、充填材の全体重量が390kgとなる。しかし、本実施形態のように、電源導入部C近傍の範囲のみに高比重な充填素材35を円柱状に設けた場合には、その直径を上記の角型の充填材の一辺(1m)の約半分の500mmで構成した場合は、アルミナセラミックスからなる充填素材35の重量は片側で77kgとなり、片側の約313kgの軽量化になる。これを両側の変換器3A,3Bに適用すれば、倍の約626kgの軽量化を実現することができる。
このように、本発明によれば、軽量かつ簡素な構成により、変換器3A,3Bにおける特性インピーダンスの急な減少または増加による反射波の発生防止と、局所的な電界増加を抑制しプラズマの発生を防止することができる。その結果、高周波電源5A,5Bの系統における変調や故障、焼損等を有効に防止するとともに、リッジ電極21a,21b間の、放電室2の長さ方向(L方向)の電界の伝送の減衰を抑制し時間平均的に均一化することができ、基板Sに対してプラズマを均一かつ広範囲に分布させて、大面積基板へ製膜するにあたり、均一かつ高品質なプラズマ製膜処理を行うことができる。
また、充填素材35が、誘電率が高くて安価な素材であるアルミナセラミックスとされているため、変換器3A,3Bにおける反射波とプラズマの発生を良好に防止するとともに、製膜装置1の製造を容易にすることができる。
しかも、本実施形態における製膜装置1では、高周波電源5A,5Bとリッジ部31a,31bの電源導入部Cとの間を電気的に接続する電源ラインを、外部導体41と内部導体42とを有する同軸ケーブル4A,4Bとし、その外部導体41を一方のリッジ部31aに接続し、内部導体42を、一方のリッジ部31aと変換器3A,3Bの内部空間を貫通させて他方のリッジ部31bに接続し、変換器3A,3Bの内部において、充填素材35aにより内部導体42の周囲を取り囲むように構成したため、反射波とプラズマの発生率が高い電源導入部C付近、特に変換器3A,3Bの内部における内部導体42の周囲近傍において、反射波とプラズマの発生を確実に防止することができる。
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態について、図4、図5を参照して説明する。本実施形態において、図1から図3に示す第1実施形態の構成と異なるのは、充填材35が、変換器3A,3Bにおけるリッジ部31a,31b間の空間のほぼ全域に亘って充填されており、この充填材35の比重が、同軸ケーブル4A,4Bがリッジ部31a,31bに接続される電源導入部Cの近傍の範囲に比べて、その外周側の範囲の方が低く設定されている点であり、他の部分の構成は第1実施形態と同一である。
具体的には、充填材35は2種類の比重の異なる充填素材35aと充填素材35bとが組み合わされて構成されている。充填素材35aは、変換器3A,3Bの内部空間において、平面視(図5参照)で電源導入部Cの近傍の範囲に設けられ、同軸ケーブル4A,4Bの内部導体42の周囲を密に取り囲む同心円の円柱形状に形成されて、その上下両面がリッジ部31a,31bに接している。充填素材35aの素材は第1実施形態と同様にアルミナセラミックスが適用されている。
一方、充填素材35bは、その中央部に充填素材35aが密に嵌り込む嵌合穴36(図5参照)を有する矩形状(直方体状)に形成されており、嵌合穴36に充填素材35aが嵌合されることによって充填素材35aの外周側を取り巻くようになっており、その上下両面がリッジ部31a,31bに接している。充填素材35bの素材としては、アルミナセラミックスよりも比重の小さなもの、例えばSiO(比重2.4)やステアタイト(MgO・SiO:比重2.7)が適用されている。もちろん、これら以外の物質でもよいが、その比重がアルミナセラミックスよりも格段に低く、かつその誘電率が真空や空気中よりも高いもの(真空の誘電率=1)である必要がある。なお、例えば充填素材35aを固体状の素材(例えばアルミナセラミックス)とし、充填素材35bを充填素材35aと同一素材の粉体を、互いに空間を有して圧縮結合(焼結等)させて充填素材35aよりも比重の小さい固体となるように形成し、これらを組み合わせて充填材35を構成してもよい。
本実施形態では、充填材35の比重が、変換器3A,3Bの電源導入部C近傍の範囲(充填素材35aの部分)における比重に比べて、その外周側の範囲(充填素材35bの部分)における比重が低く設定されているため、反射波とプラズマの発生率が最も高い電源導入部C近傍の範囲では高比重かつ高誘電率の充填素材35aによって反射波とプラズマの発生を確実に防止することができる。
また、電源導入部Cから離れるにつれて反射波とプラズマの発生率が低下するため、電源導入部Cの周囲に位置する充填素材35bは低比重かつ低誘電率でも問題がなく、充填素材35bを設置しない第1実施形態よりも、より確実に反射波とプラズマの発生を防止できる。このため、対向するリッジ部31a,31bの間の空間全てに高比重な充填素材35aを充填した場合に比べ、大幅な軽量化を果たすことができ、電源導入部C近傍の範囲のみに高比重かつ高誘電率の充填素材35aを設置した場合(第1実施形態)よりも、反射波とプラズマの発生をさらに確実に防止することができる。
例えば、リッジ部31a,31bのリッジ対向間隔d2が100mmであり、充填材35の外形寸法が1m×1mであるとすると、充填材35を全てアルミナセラミックスからなる高比重な充填素材35aで形成した場合には、アルミナセラミックスの比重が3.9であることから、充填材35の全体重量が390kgとなる。しかし、本実施形態のように、電源導入部C近傍の範囲のみを高比重な充填素材35aで形成し、その外周側の範囲を、例えばステアタイトからなる低比重な充填素材35bで形成した場合には、充填素材35aの直径を100mmにしたとして、ステアタイトの比重が2.7であることから、アルミナセラミックスからなる充填素材35aと併せて充填材35の全体重量は271kgとなり、片側の約119kgの軽量化になる。これを両側の変換器3A,3Bに適用すれば、倍の約238kgの軽量化を実現することができる。
このように、本発明によれば、軽量かつ簡素な構成により、変換器3A,3Bにおける特性インピーダンスの急激な減少または増加による反射波の発生を防止するとともに、局所的な電界増加を抑制して変換器3A,3Bの内部におけるプラズマの発生を防止することができる。その結果、高周波電源5A,5Bの系統における変調や故障、焼損等を有効に防止するとともに、リッジ電極21a,21b間の、放電室2の長さ方向(L方向)の電界の伝送の減衰を抑制し、時間平均的に均一化することができ、基板Sに対してプラズマを均一かつ広範囲に分布させて、大面積基板へ製膜するにあたり、均一かつ高品質なプラズマ製膜処理を行うことができる。
また、充填材35が、電源導入部Cの近傍の範囲に設けられる高比重な充填素材35aと、この充填素材35aの外周側を取り巻く低比重な充填素材35bとが組み合わされたものであるため、充填素材35aと充填素材35bとを容易に組み立て可能にして、充填材35の全体構造をより簡素かつ安価なものにし、その製造を容易にすることができる。
なお、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。例えば、上記の実施形態においては、本発明をダブルリッジ導波管状に形成された放電室2および変換器3A,3Bを備えた製膜装置1に適用した例について説明したが、図6に示すように、所謂シングルリッジ導波管状に形成された放電室および変換器を備えた製膜装置にも本発明を適用することができる。
また、上記の実施形態においては、基板Sを水平に設置する横型の製膜装置1に適用した構成例を説明したが、基板Sを鉛直上下方向に傾斜させて設置する縦型の製膜装置にも適用することができる。基板Sを傾斜させて設置する場合は、基板Sは鉛直方向からθ=7°〜12°傾斜させることで、基板自重のsin(θ)成分により基板を安定して支持させるとともに、基板搬送時のゲート弁通過幅や製膜装置の設置床面積を少なく出来るので、好ましい。
また、上記の実施形態においては、本発明をプラズマCVD法による製膜装置1に適用して説明したが、この発明は製膜装置に限られることなく、プラズマエッチング等のプラズマ処理を行う装置等、その他各種の装置にも広範囲に適用可能なものである。
1 製膜装置(真空処理装置)
2 放電室(プロセス室)
3A,3B 変換器
4A,4B 同軸ケーブル(電源ライン)
5A,5B 高周波電源(電源手段)
9 排気部
21a,21b リッジ電極
31a,31b リッジ部
35 充填材
35a 高比重な充填素材
35b 低比重な充填素材
41 外部導体
42 内部導体
d1 リッジ電極対向間隔
d2 リッジ部対向間隔
C 電源導入部
S 基板

Claims (5)

  1. 互いに平行に対向して配置され、その間にプラズマが生成される一方および他方のリッジ電極を有したリッジ導波管からなる放電室と、
    前記放電室の両端に隣接して配置され、互いに平行に対向して配置された一対の平板状のリッジ部を有したリッジ導波管からなり、高周波電源から供給された高周波電力を方形導波管の基本伝送モードに変換して前記放電室に伝送し、前記一方および他方のリッジ電極の間にプラズマを発生させる一対の変換器と、
    高周波電力を前記リッジ部に供給する電源手段と、
    前記電源手段と前記リッジ部との間を電気的に接続する電源ラインと、
    前記放電室および前記変換器の内部の気圧を減圧させる排気部と、を有し、
    前記変換器における前記リッジ部の対向間隔よりも、前記放電室における前記リッジ電極の対向間隔の方が狭く設定されて前記リッジ電極間でプラズマを発生させるように構成され、
    さらに、前記変換器の内部において、対向する前記リッジ部の間に充填される充填材を備え、
    該充填材は前記電源ラインが前記変換器に接続される電源導入部の周囲を取り囲む同心円状に構成されているとともに、前記充填材の比重は、前記電源導入部の近傍の範囲に比べて、その外周側の範囲の方が低く設定されていることを特徴とする真空処理装置。
  2. 前記充填材は、前記電源導入部の近傍の範囲に設けられる高比重な充填素材と、この高比重な充填素材の外周側を取り巻く低比重な充填素材とが組み合わされたものであることを特徴とする請求項1に記載の真空処理装置。
  3. 前記充填素材のうち、前記電源導入部の近傍の範囲に設けられる充填素材はアルミナセラミックスであることを特徴とする請求項1または2に記載の真空処理装置。
  4. 前記電源ラインは、外部導体と内部導体とを有する同軸ケーブルであり、前記外部導体は、前記電源導入部において、対向する一方の前記リッジ部に電気的に接続され、前記内部導体は、前記一方のリッジ部と前記変換器の内部空間を貫通して他方の前記リッジ部に電気的に接続され、前記充填材は、前記変換器の内部において前記内部導体の周囲を取り囲むように設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の真空処理装置。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の真空処理装置を用いて基板にプラズマ処理を施すことを特徴とするプラズマ処理方法。
JP2010178110A 2010-08-06 2010-08-06 真空処理装置およびプラズマ処理方法 Expired - Fee Related JP5656504B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010178110A JP5656504B2 (ja) 2010-08-06 2010-08-06 真空処理装置およびプラズマ処理方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010178110A JP5656504B2 (ja) 2010-08-06 2010-08-06 真空処理装置およびプラズマ処理方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012038942A JP2012038942A (ja) 2012-02-23
JP5656504B2 true JP5656504B2 (ja) 2015-01-21

Family

ID=45850606

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010178110A Expired - Fee Related JP5656504B2 (ja) 2010-08-06 2010-08-06 真空処理装置およびプラズマ処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5656504B2 (ja)

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6016424A (ja) * 1983-07-08 1985-01-28 Fujitsu Ltd マイクロ波プラズマ処理方法及びその装置
JP4967107B2 (ja) * 2006-02-20 2012-07-04 国立大学法人名古屋大学 マイクロ波導入器、プラズマ発生装置及びプラズマ処理装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2012038942A (ja) 2012-02-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6338462B2 (ja) プラズマ処理装置
JP4944198B2 (ja) プラズマ処理装置および処理方法
US7728251B2 (en) Plasma processing apparatus with dielectric plates and fixing member wavelength dependent spacing
JP5213150B2 (ja) プラズマ処理装置及びプラズマ処理装置を用いた製品の製造方法
JP5631088B2 (ja) プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法
KR101751200B1 (ko) 마이크로파 방사 안테나, 마이크로파 플라즈마원 및 플라즈마 처리 장치
KR102469576B1 (ko) 플라즈마 처리 장치
US20120090782A1 (en) Microwave plasma source and plasma processing apparatus
JP2006310794A (ja) プラズマ処理装置と方法
WO2010084655A1 (ja) プラズマ処理装置
US20090152243A1 (en) Plasma processing apparatus and method thereof
WO2008119687A1 (en) Apparatus for generating a plasma
JP5199962B2 (ja) 真空処理装置
JP2013045551A (ja) プラズマ処理装置、マイクロ波導入装置及びプラズマ処理方法
JP5572019B2 (ja) プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法
JP5523977B2 (ja) 真空処理装置およびプラズマ処理方法
JP4426632B2 (ja) プラズマ処理装置
JP5656504B2 (ja) 真空処理装置およびプラズマ処理方法
JP2006286705A (ja) プラズマ成膜方法及び成膜構造
JP5916467B2 (ja) マイクロ波放射アンテナ、マイクロ波プラズマ源およびプラズマ処理装置
JP5286733B2 (ja) プラズマ処理装置
KR101858867B1 (ko) 챔버 내부에서 전자파를 방출하여 플라즈마를 생성하는 플라즈마 처리 장치
KR101129675B1 (ko) 플라즈마 발생 장치 및 변압기
JP2005259633A (ja) マイクロ波プラズマ放電処理装置
JP5822658B2 (ja) 真空処理装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20121220

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130926

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20131001

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20131202

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140415

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140613

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20141028

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20141125

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5656504

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees