JP5656036B2 - 複合構造物 - Google Patents

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Description

本発明の態様は、一般的に、複合構造物に関し、具体的にはノズルから噴射したセラミックスやガラスなどの脆性材料を含む微粒子を基材表面に吹き付けて、基材上に脆性材料を含む構造物を形成した複合構造物に関する。
基材の表面に脆性材料を含む構造物を形成させる方法として、例えばエアロゾルデポジション法やガスデポジション法などがある(特許文献1〜3)。エアロゾルデポジション法やガスデポジション法では、脆性材料を含む微粒子をガス中に分散させたエアロゾルを吐出口から基材に向けて噴射し、金属やガラス、セラミックスやプラスチックなどの基材に微粒子を衝突させる。この衝突の衝撃により脆性材料微粒子に変形や破砕を起させしめてこれらを接合させ、基材上に微粒子の構成材料を含む膜状構造物をダイレクトに形成させる。
この方法によれば、特に加熱手段などを必要とせず、常温で膜状構造物の形成が可能であり、焼成体と比較して同等以上の機械的強度を有する膜状構造物を得ることができる。また、微粒子を衝突させる条件や微粒子の形状、組成などを制御することにより、構造物の密度や機械強度、電気特性などを多様に変化させることが可能である。
しかし、この方法では、微粒子の繰り返し衝突によって衝撃が印加されて緻密な構造物が形成されるため、製膜時には膜状構造物及び基材に応力が残存する。例えば、製膜領域の境界や基材の陵部付近では、局所的に比較的大きい応力がかかる。比較的大きい応力がかかる部分では、膜状構造物の自己崩壊によって膜状構造物が剥離するという問題がある。
また、例えば平面や側面に膜状構造物を形成させる場合においては、製膜領域の境界付近には局所的に比較的大きい応力がかかり、この境界を基点として膜状構造物が剥離するおそれがある。さらに、膜状構造物の形成の対象(基材)の面内に膜状構造物の端部が設けられる場合には、端部付近に応力が集中する。そのため、膜厚が厚くなると膜状構造物の自己崩壊が生ずるおそれがある。膜状構造物の剥離や自己崩壊は、応力による疲労が膜状構造物または基材に蓄積されることで、膜状構造物の形成直後のみならず1日あるいは1週間などの時間が経ってから生ずることがある。
国際公開第01/27348号パンフレット 特開2007−162077号公報 特開2005−2461号公報
本発明は、かかる課題の認識に基づいてなされたものであり、膜状構造物の剥離や自己崩壊の発生を抑えることができる複合構造物を提供することを目的とする。
第1の発明は、基材と、セラミックスの脆性材料微粒子をガス中に分散させたエアロゾルを前記基材に衝突させて前記基材の表面に形成され前記脆性材料微粒子の構成材料を含む膜状構造物と、を備え、前記膜状構造物の端部であって前記表面に存在する端部と、前記膜状構造物の膜厚がその平均膜厚と等しくなる部分のうちで前記端部に最も近い最外部と、の間の距離であって前記表面に対して垂直にみたときの距離は、前記平均膜厚の10倍以上であることを特徴とする複合構造物である。
この複合構造物によれば、膜状構造物の端部の近傍において、基材および膜状構造物にかかる応力を緩和することができる。そのため、膜状構造物の剥離や崩壊あるいは基材の崩壊が生ずることを抑えることができる。膜状構造物の端部と、膜状構造物の膜厚がその平均膜厚と等しくなる部分のうちで端部に最も近い最外部と、の間の距離であって基材の表面に対して垂直にみたときの距離は、平均膜厚の10倍以上であることが好ましく、平均膜厚の20倍以上あるいは50倍以上であることがより好ましく、100倍以上であることがさらに好ましい。また、膜状構造物の端部と、膜状構造物の膜厚がその平均膜厚と等しくなる部分のうちで端部に最も近い最外部と、の間の距離であって基材の表面に対して垂直にみたときの距離を長くすることにより応力の緩和効果を期待することができる。工業製品としてのデザインを考慮すると、その距離を、平均膜厚の10000倍以下程度にすることが好ましい。
第2の発明は、第1の発明において、前記膜状構造物は、前記膜厚が前記最外部から前記端部へ段階的に薄くなる傾斜部を有することを特徴とする複合構造物である。
この複合構造物によれば、膜状構造物の傾斜部を比較的容易に形成することができる。また、所望の精度で膜状構造物の形状(例えば傾斜部の形状)を制御することができる。そのため、比較的簡易的な方法あるいは所望の精度を有する方法により、膜状構造物の端部の近傍において、基材および膜状構造物にかかる応力を緩和することができる。これにより、膜状構造物の剥離や崩壊あるいは基材の崩壊が生ずることを抑えることができる。
第3の発明は、第1の発明において、前記膜状構造物は、前記膜厚が前記最外部から前記端部へ連続的に薄くなる傾斜部を有することを特徴とする複合構造物である。
この複合構造物によれば、粒子のふきつけ角度を調整する、或いは膜外周部を研磨加工で滑らかに加工する等の簡易的な機構により、膜厚が連続的に変化する傾斜部を形成することができる。そのため、簡易的な機構により、膜状構造物の端部の近傍において、基材および膜状構造物にかかる応力を緩和することができる。これにより、膜状構造物の剥離や崩壊あるいは基材の崩壊が生ずることを抑えることができる。
第4の発明は、第1〜3のいずれか1つの発明において、前記基材は、前記端部を含む領域に設けられ前記表面が湾曲したラウンド部を有し、前記ラウンド部の半径は、前記平均膜厚の10倍以上であることを特徴とする複合構造物である。
この複合構造物によれば、ラウンド部上で膜厚の傾斜部を容易に形成することができ、更に、基板端部の近傍にかかる応力をさらに緩和することができる。そのため、基材および膜状構造物にかかる応力をさらに緩和することができる。これにより、膜状構造物の剥離や崩壊あるいは基材の崩壊が生ずることをさらに抑えることができる。
本発明の態様によれば、膜状構造物の剥離や自己崩壊の発生を抑えることができる複合構造物が提供される。
本発明の実施の形態にかかる複合構造物を表す模式的断面図である。 本実施形態の比較例にかかる複合構造物を表す模式的断面図である。 図1(a)に表した領域A1を拡大した模式的断面図である。 本実施形態の膜状構造物の傾斜部を説明する模式的断面図である。 本発明の他の実施の形態にかかる複合構造物を表す模式的断面図である。 本実施形態の傾斜部の他の形状を例示する模式的断面図である。 本実施形態の端部の近傍の他の形状を例示する模式的断面図である。 比較例の端部の形状を例示する模式的断面図である。 酸化イットリウムを含む膜状構造物の剥離の有無の検討結果の一例を例示する表である。 酸化アルミニウムを含む膜状構造物の剥離の有無の検討結果の一例を例示する表である。 膜厚が2段階以上で段階的に変化する膜状構造物の形成方法を説明する模式的平面図である。 膜厚が1段階で段階的に変化する膜状構造物の形成方法を説明する模式的平面図である。 ノズルまたは基材の走査を制御することで膜状構造物の膜厚を段階的に変化させる膜状構造物の形成方法を説明する模式的平面図である。 膜状構造物の膜厚を略連続的に変化させる膜状構造物の形成方法を説明する模式的平面図である。 図9に表した試料(5)の傾斜部の一例を例示する写真および断面プロファイルである。 図10に表した試料(17)の傾斜部の一例を例示する写真および断面プロファイルである。 図9に表した試料(3)の傾斜部の一例を例示する断面プロファイルである。 図9に表した試料(1)の傾斜部の一例を例示する写真および断面プロファイルである。 図9に表した試料(2)の傾斜部の一例を例示する断面プロファイルである。 膜状構造物の端部にかかる応力のシミュレーションの結果の一例を例示する表である。 膜状構造物の傾斜部のモデルを例示する模式的断面図である。 本実施形態の膜状構造物を形成する成膜装置の具体例を例示する概略構成図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1は、本発明の実施の形態にかかる複合構造物を表す模式的断面図である。
図2は、本実施形態の比較例にかかる複合構造物を表す模式的断面図である。
図1(a)および図2(a)は、膜状構造物の端部が基材の面上に設けられた複合構造物を表す模式的断面図である。図1(b)および図2(b)は、膜状構造物の端部が基材の稜部に設けられた複合構造物を表す模式的断面図である。
図1(a)に表した複合構造物100aおよび図1(b)に表した複合構造物100bは、基材110と、基材110の上に設けられた膜状構造物120と、を備える。膜状構造物120は、例えばエアロゾルデポジション法やガスデポジション法などにより、脆性材料を含む微粒子がガス中に分散されたエアロゾルをノズルなどの吐出口から基材110に向けて噴射することで形成される。
図1(a)に表した複合構造物100aでは、膜状構造物120の端部121は、基材110の表面111の上に存在する。言い換えれば、図1(a)に表した複合構造物100aにおける膜状構造物120の端部121は、基材110の稜部113(図1(b)参照)よりも内側の表面111の途中に存在する。
一方、図1(b)に表した複合構造物100bでは、膜状構造物120の端部121は、基材110の稜部113に存在する。言い換えれば、図1(b)に表した複合構造物100bにおける膜状構造物120の端部121は、基材110の稜部113にかかっている。
以下、本実施形態では、膜状構造物120がエアロゾルデポジション法により形成される場合を例に挙げて説明する。
エアロゾルデポジション法の原理について説明する前に、まず、本明細書において用いる用語について説明する。
本明細書において「微粒子」とは、緻密質粒子である場合は、走査型電子顕微鏡などにより同定される平均粒径が0.1マイクロメータ以上10マイクロメータ以下の粒子をいう。また、「一次粒子」とは、微粒子の最小単位(一粒)をいう。走査型電子顕微鏡での平均粒径の同定においては、観察像中、任意に100ヶの微粒子を選択し、その長軸と短軸の平均値を採用して、観察した微粒子全ての平均値から算出することができる。微粒子中の脆性材料粒子は、エアロゾルデポジション法における構造物形成の主体となり、一次粒子の平均粒径は0.01マイクロメータ以上、10マイクロメータ以下、より望ましくは0.1マイクロメータ以上、5マイクロメータ以下である。
本願明細書において「エアロゾル」とは、ヘリウムガスやアルゴンガスのような不活性ガス、窒素ガス、酸素ガス、乾燥空気、水素ガス、有機ガス、フッ素ガス、これらを含む混合ガスなどのガス中に前述の微粒子を分散させた状態をいう。エアロゾルは、一部凝集体を含む場合もあるが、実質的には微粒子が単独で分散している状態をいう。エアロゾルのガス圧力と温度は任意であるが、ガス中の微粒子の濃度は、ガス圧を1気圧、温度を摂氏20度に換算した場合に、ノズルなどの吐出口から噴射される時点において0.0003mL/L〜10mL/Lの範囲内であることが膜状構造物の形成にとって好ましい。
次に、エアロゾルデポジション法の原理について説明する。
エアロゾルデポジション法において利用される微粒子は、セラミックスや半導体などの脆性材料を主体とする。微粒子としては、同一材質の微粒子が単独で用いられたり、あるいは粒径の異なる微粒子が混合され用いられる。または、異種の脆性材料微粒子が混合されたり、あるいは複合され用いられることも可能である。
エアロゾルデポジション法において、微粒子を基材に対して50〜450m/sの速度で衝突させると、微粒子中の脆性材料微粒子の構成材料を含む構造物を得るのに好適である。
エアロゾルデポジション法のプロセスは、通常は常温で実施される。微粒子材料の融点より十分に低い温度、すなわち摂氏数100度以下で膜状構造物の形成が可能である。この点が、エアロゾルデポジション法の特徴のひとつである。
結晶性の脆性材料微粒子が原料として用いられる場合、エアロゾルデポジション法によって形成される複合構造物のうち膜状構造物の部分において、結晶粒子サイズは、原料微粒子サイズに比べて小さい。膜状構造物の部分は、多結晶体となっている。その結晶は、実質的に結晶配向性がない場合が多い。また、脆性材料結晶同士の界面には、ガラス層からなる粒界層が実質的に存在しない。また、多くの場合、膜状構造物の部分において、基材の表面に食い込む「アンカー層」が形成されている。アンカー層が形成されているため、膜状構造物は、基材に対して極めて高い強度で強固に付着して形成される。
エアロゾルデポジション法により形成される膜状構造物は、微粒子同士が圧力によりパッキングされ物理的な付着で形態を保っている状態のいわゆる「圧粉体」とは明らかに異なり、十分な強度を有している。エアロゾルデポジション法により形成された良質な膜状構造物は、その材料を用いて焼成法にて形成されたバルクと同等程度の硬さを有する。
この場合、エアロゾルデポジション法において、飛来してきた脆性材料微粒子が基材の上で破砕・変形を起していることは、原料として用いる脆性材料微粒子の結晶子サイズと、形成された脆性材料構造物の結晶子サイズと、をX線回折法などで測定することにより確認可能である。
エアロゾルデポジション法で形成された膜状構造物の結晶子サイズは、原料微粒子の結晶子サイズよりも小さい。また、微粒子が破砕や変形をすることで形成される「ずれ面」や「破面」には、もともとの微粒子の内部に存在し別の原子と結合していた原子が剥き出しの状態となった「新生面」が形成される。そして、表面エネルギーが高く活性な新生面が、隣接した脆性材料微粒子の表面や、隣接した脆性材料の新生面あるいは基材の表面と接合することにより、膜状構造物が形成されると考えられる。
エアロゾル中の微粒子の表面に水酸基がほどよく存在する場合には、微粒子の衝突時に微粒子同士の間や微粒子と構造物との間に生じる局部のずれ応力などにより、メカノケミカルな酸塩基脱水反応が起き、これら同士が接合することも考えられる。外部から連続した機械的衝撃力が付加されると、これらの現象が継続的に発生し、微粒子の変形、破砕などの繰り返しにより接合の進展、緻密化が行われ、脆性材料からなる膜状構造物が成長すると考えられる。
ここで、膜状構造物120がエアロゾルデポジション法により形成される過程では、外部から連続した機械的衝撃力が印加されることで、基材110および膜状構造物120の少なくともいずれかに応力が加わる。また、膜状構造物120の成長に伴い、歪が増大する。基材110の材料として、ステンレスやアルミニウムなどの延性材料が用いられた場合には、基材110が応力により変形することがある。あるいは、基材110の材料として、ガラスやシリコンウェーハなどの脆性材料が用いられた場合には、基材110が欠けたり陥没したりすることがある。
一般的に、応力は、形状が局所的に尖った部分や、形成された膜状構造物120のうちの端部に集中する傾向を有する。そのため、図2(a)に表した複合構造物200aおよび図2(b)に表した複合構造物200bのように、複合構造物200a、200bを側方からみたときの断面視において、基材110の表面111に対する膜状構造物120の端部の角度が比較的大きい場合には、応力が局所的に集中する箇所が起点となり、膜状構造物120の剥離201や崩壊203あるいは基材110の崩壊205が生ずることがある。
これに対して、本実施形態にかかる複合構造物100a、100bでは、膜状構造物120の端部において傾斜部123が設けられている。図1(a)および図1(b)に表したように、膜状構造物120の傾斜部123における膜厚は、膜状構造物120の内側から端部へ向かって略連続的に薄くなる。傾斜部123の上部は、傾斜部123の下部(基材110との接触部)よりも膜状構造物120の内側へ後退している。これについて、図面を参照しつつさらに説明する。
図3は、図1(a)に表した領域A1を拡大した模式的断面図である。
図3に表したように、膜状構造物120の端部の近傍を拡大してみると、膜状構造物120の表面(上面)は、平坦ではなく凹凸形状を有する。そして、膜状構造物120の膜厚が平均膜厚tと等しくなる部分が存在する。本実施形態では、膜状構造物120の膜厚が平均膜厚tと等しくなる部分のうちで最も外側に位置する点(端部121に最も近い点)を最外部125とする。
ここで、本願明細書において「平均膜厚」とは、基材110と接合してなる膜状構造物120の厚みの平均値をいう。膜状構造物120の厚みにばらつきがある場合には、複数の計測を行った平均によって「平均膜厚」を求める。例えば、一連の膜状構造物120の厚みについて必要十分な点数を計測し、計測した値の平均値から「平均膜厚」を求める。具体的には、膜状構造物120の形状のうちの最長のライン上において、膜厚がゼロとなる両端部を除きその両端部の間を均等間隔で100点を計測した値の平均値を「平均膜厚」とする。例えば、基材110の表面111に対して垂直にみたときに、膜状構造物120の形状が四角形である場合には、その四角形の対角線の上において、膜厚がゼロとなる両端部を除きその両端部の間を均等間隔で100点を計測した値の平均値を「平均膜厚」とする。例えば、基材110の表面111に対して垂直にみたときに、膜状構造物120の形状が円弧を包含する場合には、その円弧を包含する基材の上において、膜厚がゼロとなる両端部を除きその両端部の間を均等間隔で100点を計測した値の平均値を「平均膜厚」とする。
膜状構造物120の厚みは、基材110と膜状構造物120の表面との段差、若しくは断面画像で確認される膜状構造物120の厚みなどから求められる。または、膜状構造物120の厚みは、紫外線、可視光、赤外線、X線、β線などの所謂透過型の膜厚計、静電容量や渦電流を用いた膜厚計、静電容量や電気抵抗を用いた膜厚計、若しくは磁力を用いた電磁式の膜厚計などから求められる。
また、膜状構造物120の比重が既知であり、且つ膜状構造物120の断面情報を算出することが困難である場合には、膜状構造物120の重量から平均膜厚を算出することも可能である。つまり、膜状構造物120の重量と膜状構造物120の比重とから膜状構造物120の体積を算出し、基材110の表面111に対して垂直にみたときの膜状構造物120の面積で膜状構造物120の体積を割ることで平均膜厚を算出することができる。
図1(a)および図1(b)に関して前述したように、膜状構造物120は、端部に設けられた傾斜部123を有する。基材110の表面111に略沿って最外部125から端部121までみたときに、膜状構造物120の傾斜部123における膜厚は、変化している。
例えば、図3に表した第1の傾斜面123aおよび第2の傾斜面123bでは、膜状構造物120の膜厚は、最外部125から端部121へ向かって略連続的に薄くなる。最外部125における第1の傾斜面123aの傾斜角度は、端部121における第1の傾斜面123aの傾斜角度よりも小さい。言い換えれば、最外部125における第1の傾斜面123aは、端部121における第1の傾斜面123aよりも「緩やかな斜面」である。一方で、最外部125における第2の傾斜面123bの傾斜角度は、端部121における第2の傾斜面123bの傾斜角度よりも大きい。言い換えれば、最外部125における第2の傾斜面123bは、端部121における第2の傾斜面123bよりも「急な斜面」である。
あるいは、例えば、図3に表した第3の傾斜面123cでは、膜状構造物120の膜厚は、最外部125から端部121へ向かって略段階的に薄くなる。つまり、図3に表したように、第3の傾斜面123cは、最外部125と端部121との間において階段状部124を有する。これについては、後に詳述する。
本実施形態にかかる複合構造物100aでは、第1〜3の傾斜面123a、123b、123cのいずれにおいても、最外部125と端部121との間の距離D1であって表面111に対して垂直にみたときの距離D1は、平均膜厚tの10倍以上である。
最外部125と端部121との間の距離D1であって表面111に対して垂直にみたときの距離D1を測定する方法としては、表面形状測定器を用いた方法が挙げられる。例えば、表面形状測定器を用いて膜状構造物120の表面および基材110の表面111の形状を計測し、最外部125および端部121を求める。続いて、基材110の表面111に対して垂直に最外部125を投影した部分と、基材110の表面111に対して垂直に端部121を投影した部分と、の間の距離を計測することによって距離D1を求めることができる。
あるいは、距離D1を測定する方法としては、断面写真(例えばSEMなど)を用いた方法が挙げられる。例えば、複合構造物(例えば複合構造物100a)の断面写真を撮影し、その断面写真上において最外部125および端部121を求める。続いて、基材110の表面111に対して垂直に最外部125を投影した部分と、基材110の表面111に対して垂直に端部121を投影した部分と、の間の距離を計測することによって距離D1を求めることができる。
あるいは、距離D1を測定する方法としては、膜厚計を用いた方法が挙げられる。例えば、膜状構造物120の膜厚の測定に用いた膜厚計により、例えば平均膜厚tと同程度の間隔で傾斜部123を直線上に測定する。続いて、膜厚計が測定した直線上の座標から距離D1を求めることができる。
なお、後述する距離D2〜D6についても、同様の方法により距離D2〜D6を測定することができる。
これによれば、膜状構造物120の端部において、基材110および膜状構造物120にかかる応力を緩和することができる。そのため、膜状構造物120の剥離201や崩壊203あるいは基材110の崩壊205が生ずることを抑えることができる。
なお、図1(b)に関して前述した複合構造物100bの膜状構造物120の端部における構造は、前述した複合構造物100aの膜状構造物120の端部における構造と同様である。そのため、図1(b)に関して前述した複合構造物100bにおいても、前述した複合構造物100aの効果と同様の効果が得られる。
ここで、膜状構造物120の傾斜部123は、膜状構造物120の膜厚が変化する部分である。つまり、膜状構造物120の傾斜は、膜状構造物120の膜厚が変化することを意味する。膜状構造物120の傾斜部123は、膜状構造物120の形状に傾斜を設けることで形成されてもよいし、基材110の形状(例えば厚さ)を予め変化させておくことで形成されてもよい。これについて、さらに説明する。
図4は、本実施形態の膜状構造物の傾斜部を説明する模式的断面図である。
図4(a)は、本実施形態の膜状構造物の傾斜部を説明する模式的断面図である。図4(b)は、本実施形態の膜状構造物の他の傾斜部を説明する模式的断面図である。図4(c)は、本実施形態の膜状構造物のさらに他の傾斜部を説明する模式的断面図である。
前述したように、膜状構造物120の傾斜は、膜状構造物120の膜厚が変化することを意味する。そのため、図4(a)〜図4(c)に表したように、膜状構造物120の傾斜部123は、基材110の形状(例えば厚さ)を予め変化させておくことで形成されててもよい。
図4(a)に表した複合構造物100gでは、膜状構造物120の傾斜部123における基材110の厚さtsは、膜状構造物120の中央部から端部121へ向かって略直線的に厚くなる。つまり、基材110の第1の傾斜面117aの傾斜角度は、膜状構造物120の中央部から端部121へ向かって略一定である。
図4(b)に表した複合構造物100hおよび図4(c)に表した複合構造物100iでは、膜状構造物120の傾斜部123における基材110の厚さtsは、膜状構造物120の中央部から端部121へ向かって略連続的に厚くなる。図4(b)に表したように、膜状構造物120の相対的に中央部の側における第2の傾斜面117bの傾斜角度は、膜状構造物120の相対的に端部121の側における第2の傾斜面117bの傾斜角度よりも大きい。図4(c)に表したように、膜状構造物120の相対的に中央部の側における第3の傾斜面117cの傾斜角度は、膜状構造物120の相対的に端部121の側における第3の傾斜面117cの傾斜角度よりも小さい。
図1(a)、図1(b)、図3、図4(a)、図4(b)、図4(c)に表したいずれの傾斜部123においても、緻密な構造物が形成されている。傾斜部123が緻密な構造物を有するか否かについては、傾斜部123の硬さを測定することで判断可能である。本実施形態によれば、膜状構造物120の端部121の近傍に緻密な構造物を形成した場合でも、膜状構造物120の端部121の近傍に傾斜部123が設けられているため、膜状構造物120の剥離201や崩壊203あるいは基材110の崩壊205が生ずることを抑えることができる。また、複合構造物100gの用途によっては、膜状構造物120の端部121の近傍においても機能を要求されることがある。この場合でも、膜状構造物120の端部121の近傍に傾斜部123が設けられているため、膜状構造物120の膜質が一定に保たれる。これにより、膜状構造物120の端部121の近傍においても機能を満たすことができる。なお、傾斜部123が緻密な構造物を有するか否かの詳細については、後述する。
図5は、本発明の他の実施の形態にかかる複合構造物を表す模式的断面図である。
図5(a)は、膜状構造物の端部が基材の面上に設けられた複合構造物を表す模式的断面図である。図5(b)は、膜状構造物の端部が基材の稜部に設けられた複合構造物を表す模式的断面図である。
図5(a)に表した複合構造物100cおよび図5(b)に表した複合構造物100dは、基材110と、基材110の上に設けられた膜状構造物120と、を備える。膜状構造物120は、図1に関して前述したエアロゾルデポジション法などにより形成される。
本実施形態にかかる複合構造物100c、100dでは、膜状構造物120の端部において傾斜部126が設けられている。図5(a)および図5(b)に表したように、膜状構造物120の傾斜部126における膜厚は、膜状構造物120の内側から端部へ向かって略段階的に薄くなる。つまり、膜状構造物120の膜厚は、最外部125(図3参照)から端部121(図3参照)へ向かって段階的に薄くなる。複合構造物100cのその他の構造は、図1(a)に関して前述した複合構造物100aの構造と同様である。また、複合構造物100dのその他の構造は、図1(b)に関して前述した複合構造物100bの構造と同様である。
本実施形態によれば、膜状構造物120の傾斜部126を比較的容易に形成することができる。そのため、比較的簡易的な方法により、膜状構造物120の端部において、基材110および膜状構造物120にかかる応力を緩和することができる。これにより、比較的簡易的な方法により、膜状構造物120の剥離201や崩壊203あるいは基材110の崩壊205が生ずることを抑えることができる。なお、本実施形態の傾斜部126を形成する方法については、後に詳述する。
図6は、本実施形態の傾斜部の他の形状を例示する模式的断面図である。
図6(a)は、膜状構造物の傾斜部における膜厚が連続的に変化する例を例示する模式的断面図である。図6(b)は、膜状構造物の傾斜部における膜厚が局所的に厚くなる例を例示する模式的断面図である。図6(c)は、膜状構造物の傾斜部における膜厚が一部において厚くなる例を例示する模式的斜視図である。
図6(a)に表したように、膜状構造物120の膜厚が膜状構造物120の内側から端部へ向かって略連続的に薄くなる場合には、端部121の近傍において膜状構造物120の膜厚が平均膜厚tとなる点は1つ存在する。その点が、最外部125となる。そして、最外部125と端部121との間の距離D2であって表面111に対して垂直にみたときの距離D2は、平均膜厚tの10倍以上である。
図6(b)に表したように、膜状構造物120の内側から端部へ向かってみたときに、膜状構造物120の膜厚が平均膜厚tよりも一旦薄くなった後に局所的に平均膜厚tよりも厚くなり、再び平均膜厚tよりも薄くなると、端部121の近傍において膜状構造物120の膜厚が平均膜厚tとなる点は3つ存在する(点P1、点P2および点P3)。点P1〜P3のうちで最も外側に位置する点P3が、最外部125となる。そして、最外部125と端部121との間の距離D3であって表面111に対して垂直にみたときの距離D3は、平均膜厚tの10倍以上である。そして、膜状構造物120の膜厚は、最外部125から端部121へ向かって略段階的に薄くなっている。
図6(c)に表したように、膜状構造物120の内側から端部へ向かってみたときに、膜状構造物120の膜厚が平均膜厚tよりも一旦薄くなった後に、一部において厚くなっても平均膜厚tよりも薄い場合には、端部121の近傍において膜状構造物120の膜厚が平均膜厚tとなる点は1つ存在する。その点が、最外部125となる。そして、最外部125と端部121との間の距離D4であって表面111に対して垂直にみたときの距離D4は、平均膜厚tの10倍以上である。
このように、本実施形態の傾斜部123は、種々の形状を取り得る。膜状構造物120の傾斜部がいずれの形状を有していても、最外部125と端部121との間の距離であって表面111に対して垂直にみたときの距離が平均膜厚tの10倍以上である限り、その傾斜部は、本実施形態の傾斜部123の範囲に包含される。
図7は、本実施形態の端部の近傍の他の形状を例示する模式的断面図である。
図8は、比較例の端部の形状を例示する模式的断面図である。
図7(a)は、膜状構造物120の傾斜部123における膜厚が膜状構造物120の内側から端部へ向かって略連続的に薄くなる場合を例示している。図7(b)は、膜状構造物120の傾斜部126における膜厚が膜状構造物120の内側から端部へ向かって略段階的に薄くなる場合を例示している。
図1(b)に関して前述した複合構造物100bでは、膜状構造物120の端部121は、基材110の稜部113にかかっている。これに対して、図7(a)に表した複合構造物100eでは、基材110aは、膜状構造物120の端部121を含む領域においてラウンド部115を有する。図7(a)に表したように、ラウンド部115は、湾曲面111aを有する。湾曲面111aは、基材110aの表面が湾曲した形状を呈する。そのため、複合構造物100eの基材110aは、稜部113を有していない。これにより、図7(a)に表した膜状構造物120の端部121は、基材110aの稜部にはかかっていない。ラウンド部115の半径R1は、平均膜厚tの10倍以上である。最外部125と端部121との間の距離D5であって表面111に対して垂直にみたときの距離D5は、平均膜厚tの10倍以上である。
また、図5(b)に関して前述した複合構造物100dでは、膜状構造物120の端部121は、基材110の稜部113にかかっている。これに対して、図7(b)に表した複合構造物100fでは、基材110aは、膜状構造物120の端部121を含む領域においてラウンド部115を有する。図7(b)に表したように、ラウンド部115は、湾曲面111aを有する。湾曲面111aは、基材110aの表面が湾曲した形状を呈する。そのため、複合構造物100fの基材110aは、稜部113を有していない。これにより、図7(b)に表した膜状構造物120の端部121は、基材110aの稜部にはかかっていない。ラウンド部115の半径R2は、平均膜厚tの10倍以上である。最外部125と端部121との間の距離D6であって表面111に対して垂直にみたときの距離D6は、平均膜厚tの10倍以上である。
これによれば、基材110の端部の近傍にかかる応力をさらに緩和することができる。そのため、基材110および膜状構造物120にかかる応力をさらに緩和することができる。これにより、膜状構造物120の剥離201や崩壊203あるいは基材110の崩壊205が生ずることをさらに抑えることができる。
本実施形態では、ラウンド部115の半径R1は、平均膜厚tの10倍以上である。また、ラウンド部115の半径R2は、平均膜厚tの10倍以上である。これにより、膜状構造物120の剥離201や崩壊203あるいは基材110の崩壊205が生ずることを抑えることができる。つまり、本実施形態によれば、平均膜厚tの10倍以上の半径を有するラウンド部115を利用して膜状構造物120の傾斜部123を形成することができる。ラウンド部115の半径は、平均膜厚tの100倍以上であることがより望ましい。
図8に表したように、基材110の湾曲面111aの途中に膜状構造物120の終端部を設ける場合、湾曲面111aを有する基材110に膜を形成するだけでは、終端部に効果的に傾斜部を形成することができないことがある。そのため、図8に表したように、膜状構造物120の剥離201や崩壊203あるいは基材110の崩壊205が生ずることがある。
このような場合において、本実施形態では、例えば図1(a)に表した複合構造物100aのように、基材110が膜状構造物120の端部121において曲率を有していない場合でも傾斜部123を形成することができる。このように、本実施形態によれば、膜状構造物120の膜厚を意図的に制御する手段を適宜選択することによって、膜状構造物120の崩壊を抑制することができる。
次に、本発明者が実施した検討について、図面を参照しつつ説明する。
図9は、酸化イットリウムを含む膜状構造物の剥離の有無の検討結果の一例を例示する表である。
本発明者は、基材110として酸化アルミニウム(アルミナ)、石英およびステンレス(SUS304)を用い、それぞれの基材110の上にエアロゾルデポジション法により酸化イットリウムの膜状構造物120を形成した。
具体的には、所定の開口面積の開口部を有するノズルを用い、窒素ガスの流量を適宜設定して、酸化イットリウムの膜状構造物120を形成した。また、チャンバー内の圧力についても、適宜設定を行った。膜状構造物120の膜厚、および最外部125と端部121との間の距離であって表面111に対して垂直にみたときの距離については、表面形状測定器SURFCOM130Aにより測定した。
基材110、倍率および剥離の判定の結果は、図9に表した通りである。
図9に表した表の中の「倍率」とは、最外部125と端部121との間の距離であって表面111に対して垂直にみたときの距離の平均膜厚tに対する倍率である。つまり、「倍率」とは、図3に関して前述した複合構造物100aでは「D1/t」を表す。
図9に表した表によれば、倍率が10倍以上であれば、膜状構造物120の剥離が生じないことが分かった。また、本発明者は、倍率が30倍、40倍、60倍、70倍、80倍、150倍、200倍、300倍、および500倍の場合にも膜状構造物120の剥離が生じないことを確認することができた。倍率を大きくすることにより応力の緩和効果を期待することができる一方で、工業製品としてのデザインを考慮すると、倍率を10000倍以下程度にすることが好ましい。
なお、試料(1)〜試料(14)の膜状構造物120の形成方法については、後に詳述する。
図10は、酸化アルミニウムを含む膜状構造物の剥離の有無の検討結果の一例を例示する表である。
本発明者は、基材110としてアルミナを用い、アルミナの基材110の上にエアロゾルデポジション法により酸化アルミニウムの膜状構造物120を形成した。酸化アルミニウムの膜状構造物120の製膜条件については、図9に関して前述した条件と同様である。また、ノズルの開口部と基材110の表面111との間の距離、およびチャンバー内の圧力についても、適宜設定を行った。測定器としては、図9に関して前述した表面形状測定器SURFCOM130Aを使用した。
倍率および剥離の判定の結果は、図10に表した通りである。
すなわち、倍率が10倍以上であれば、膜状構造物120の剥離が生じないことが分かった。
なお、試料(15)〜試料(20)の膜状構造物120の形成方法については、後に詳述する。
次に、図9および図10に関して前述した試料(1)〜試料(20)の膜状構造物120の形成方法の具体例について、図面を参照しつつ説明する。
図11は、膜厚が2段階以上で段階的に変化する膜状構造物の形成方法を説明する模式的平面図である。
図9に表した試料(5)の膜状構造物120は、本具体例の形成方法により形成されている。
図11(a)に表したように、まず、ノズル140の吐出口から基材110の表面111に向けてエアロゾルを噴射することで第1の膜体127を形成する。このとき、図11(a)に表した矢印B1のように、ノズル140あるいは基材110を走査することで、基材110の表面111の略全体に第1の膜体127を形成する。
続いて、図11(a)に表したように、第1の膜体127の上面のうちの端部にマスキングテープ130を設置する。続いて、図11(a)に表した矢印B1のように、ノズル140あるいは基材110を走査することで、マスキングテープ130の部分を除く第1の膜体127の表面(上面)の略全体に第2の膜体128を形成する。
続いて、図11(b)に表したように、マスキングテープ130を取り除く。これにより、膜状構造物120の内側から端部へ向かって膜厚が2段階以上で段階的に変化する膜状構造物120を形成することができる。つまり、膜状構造物120の端部に傾斜部126を形成することができる。
本具体例の形成方法によれば、所望の精度で膜状構造物120の形状(例えば傾斜部126の形状)を制御することができる。
図12は、膜厚が1段階で段階的に変化する膜状構造物の形成方法を説明する模式的平面図である。
図9に表した試料(1)〜試料(3)および図10に表した試料(17)の膜状構造物120は、本具体例の形成方法により形成されている。
図12(a)に表したように、基材110の表面111のうちの端部にマスキングテープ130を設置する。続いて、図12(a)に表した矢印B1のように、ノズル140あるいは基材110を走査することで、マスキングテープ130の部分を除く基材110の表面111の略全体に膜状構造物120を形成する。
続いて、図12(b)に表したように、マスキングテープ130を取り除き、膜状構造物120の端部に対して、いわゆるバフ研磨を施す。すなわち、図12(b)に表した矢印B2のように、例えば研磨輪150に所定の研磨剤を付けて回転させることで、膜状構造物120の端部に傾斜部123を形成する。
本具体例の形成方法によれば、所望の精度で膜状構造物120の形状(例えば傾斜部126の形状)を制御することができるとともに、より安定した傾斜部123を形成することができる。
図13は、ノズルまたは基材の走査を制御することで膜状構造物の膜厚を段階的に変化させる膜状構造物の形成方法を説明する模式的平面図である。
図13(a)は、走査方向を反転させる膜状構造物の形成方法を説明する模式的平面図である。図13(b)は、走査速度を変化させる膜状構造物の形成方法を説明する模式的平面図である。
図9に表した試料(7)および試料(14)の膜状構造物120は、図13(a)に表した具体例の形成方法により形成されている。
図13(a)に表した膜状構造物120の形成方法では、所望の傾斜部126の幅(例えば図3に表した成分D1)と略同じ幅のノズル140を使用する。そして、図13(a)に表した矢印B3および矢印B4のように、所望の端部121でノズル140の走査方向を反転させることで、傾斜部126を形成することができる。
例えば、幅が10mmのノズル140を用いて、1mm刻みの送り量(ステップ量)で、ノズル140の吐出口から基材110の表面111に向けてエアロゾルを噴射する。すると、膜状構造物120の膜厚は、10mmの幅において、10段階で段階的に変化する。つまり、10mmの幅において、10段の階段が形成される。言い換えれば、重ねて噴射を行わない膜状構造物120の端部において、ノズル140の幅の分の傾斜部126が形成される。
これによれば、ノズル140の幅により、傾斜部126の幅を制御することができる。
図13(b)に表した膜状構造物120の形成方法では、ノズル140または基材110の走査速度Vを部分的に変化させる。具体的には、図13(b)に表したように、ノズル140が所望の端部121に近づくと、ノズル140または基材110の走査速度Vを速くする。これにより、傾斜部126を形成することができる。
これによれば、走査プログラムを予め設定しておくことで、膜状構造物120を形成する工程を中断することなく、傾斜部126を形成することができる。
図14は、膜状構造物の膜厚を略連続的に変化させる膜状構造物の形成方法を説明する模式的平面図である。
図9に表した試料(10)の膜状構造物120は、本具体例の形成方法により形成されている。
図14に表した膜状構造物120の形成方法では、ノズル140と基材110との間にマスク160が設けられている。ノズル140の吐出口から基材110の表面111に向けて噴射され、マスク160の端部の近傍を通過したエアロゾルは、図14に表した矢印B6のように、マスク160の下側へ回り込む。これにより、膜厚が略連続的に変化する傾斜部123を形成することができる。
これによれば、マスク160を設けるといったより簡易的な機構により、膜厚が略連続的に変化する傾斜部123を形成することができる。
また、微粒子のふきつけ角度を調整する、或いは膜外周部を研磨加工で滑らかに加工する等の簡易的な機構によっても、膜厚が連続的に変化する傾斜部を形成することができる。
次に、本発明者が測定した傾斜部の形状について、図面を参照しつつ説明する。
図15は、図9に表した試料(5)の傾斜部の一例を例示する写真および断面プロファイルである。
図9に表した試料(5)の膜状構造物120は、図11に関して前述した形成方法により形成されている。
図9および図15(b)に表したように、試料(5)の傾斜部126における倍率は、757μm/13μm≒58倍である。これによれば、図15(a)に表したように、膜状構造物120の剥離201や崩壊203あるいは基材110の崩壊205は、生じていない。
図16は、図10に表した試料(17)の傾斜部の一例を例示する写真および断面プロファイルである。
図10に表した試料(17)の膜状構造物120は、図12に関して前述した形成方法により形成されている。
図10および図16(b)に表したように、試料(17)の傾斜部123における倍率は、540μm/11.1μm≒49倍である。これによれば、図16(a)に表したように、膜状構造物120の剥離201や崩壊203あるいは基材110の崩壊205は、生じていない。
本発明者は、図9に表した試料(5)および図10に表した試料(17)を用いて、傾斜部123、126の任意の点におけるビッカース硬度と、平均膜厚tの部分の任意の点におけるビッカース硬度と、をそれぞれ3回測定した。その結果は、以下の通りである。なお、本発明者は、ビッカース硬度(HV)をギガパスカル(GPa)の単位の値に変換している。
図15(b)に表した第1の測定点122aにおけるビッカース硬度は、8.06GPa(1回目の測定)、8.04GPa(2回目の測定)、7.80GPa(3回目の測定)である。図15(b)に表した第2の測定点122bにおけるビッカース硬度は、7.80GPa(1回目の測定)、7.79GPa(2回目の測定)、8.04GPa(3回目の測定)である。
図16(b)に表した第3の測定点122cにおけるビッカース硬度は、7.82GPa(1回目の測定)、8.03GPa(2回目の測定)、8.03GPa(3回目の測定)である。図16(b)に表した第4の測定点122dにおけるビッカース硬度は、8.02GPa(1回目の測定)、8.00GPa(2回目の測定)、7.83GPa(3回目の測定)である。
これによれば、第1〜4の測定点122a、122b、122c、122dにおける全てのビッカース硬度の平均値は、7.931GPaである。第1〜4の測定点122a、122b、122c、122dにおける全てのビッカース硬度の標準偏差(σ)は、0.129GPaである。第1〜4の測定点122a、122b、122c、122dにおける全てのビッカース硬度の変動係数は、1.6%である。本発明者が得た知見によれば、緻密度の指標として次の条件が満たされると、その構造物は緻密な構造物であると判断することができる。

0.7<(平均値±6σ)/平均値<1.3

これにより、本願明細書において、傾斜部123におけるビッカース硬度が平均膜厚tの部分におけるビッカース硬度の70%よりも大きく130%よりも小さい場合には、傾斜部123において緻密な構造物が形成されていると判断できる。
図17は、図9に表した試料(3)の傾斜部の一例を例示する断面プロファイルである。
図9に表した試料(3)の膜状構造物120は、図12に関して前述した形成方法により形成されている。
図9および図17に表したように、試料(3)の傾斜部における倍率は、354μm/33.6μm≒10倍である。これによれば、膜状構造物120の剥離201や崩壊203あるいは基材110の崩壊205は、生じていない。
図18は、図9に表した試料(1)の傾斜部の一例を例示する写真および断面プロファイルである。
図9に表した試料(1)の膜状構造物120は、図12に関して前述した形成方法により形成されている。
図9および図18(b)に表したように、試料(1)の傾斜部における倍率は、142μm/22.3μm≒7倍であり、10倍未満である。これによれば、図18(a)に表したように、膜状構造物120の剥離201あるいは崩壊203が生じている。
図19は、図9に表した試料(2)の傾斜部の一例を例示する断面プロファイルである。
図9に表した試料(2)の膜状構造物120は、図12に関して前述した形成方法により形成されている。
図9および図19に表したように、試料(2)の傾斜部における倍率は、244μm/26μm≒9倍であり、10倍未満である。これによれば、膜状構造物120の剥離201が生じている。
次に、本発明者が実施したシミュレーションの結果の一例について、図面を参照しつつ説明する。
図20は、膜状構造物の端部にかかる応力のシミュレーションの結果の一例を例示する表である。
図21は、膜状構造物の傾斜部のモデルを例示する模式的断面図である。
本発明者は、酸化イットリウムを含む膜状構造物120を酸化アルミニウムの基材110の上に形成した場合の応力を計算した。図21(a)〜図21(c)に表したように、膜状構造物120の膜厚を12μmに設定した。応力の計算(シミュレーション)においては、Siemens社のNXI-DEAS Ver.5を用いた。また、応力の解析には、次式を用いた。



ここで、式(1)の中の「σ」は、応力を表す。式(1)の中の「E」は、基材のヤング率を表す。式(1)の中の「ν」は、基材110のポアソン比を表す。式(1)の中の「h」は、基材110の厚さを表す。式(1)の中の「t」は、膜状構造物120の膜厚を表す。式(1)の中の「R」は、基材110の変形で生じる屈曲半径を表す。
図20に表したモデル(1)は、図12に関して前述した形成方法により形成されたことに設定した。
図20に表したモデル(2)は、図14に関して前述した形成方法により形成されたことに設定した。
図20に表したモデル(3)は、図13(b)に関して前述した形成方法により形成されたことに設定した。
基材110にかかる最大応力の計算結果の一例は、図20に表した通りである。すなわち、倍率が大きくなると、基材110にかかる応力が小さくなることが分かった。つまり、膜状構造物120の端部に傾斜部123、126を形成すると、基材110にかかる応力を緩和できることが分かった。
次に、本実施形態の膜状構造物120を形成する成膜装置の具体例について、図面を参照しつつ説明する。
図22は、本実施形態の膜状構造物を形成する成膜装置の具体例を例示する概略構成図である。
本具体例の製膜装置300は、ガスボンベ310と、ガス供給機構320と、エアロゾル発生器330と、製膜チャンバー340と、真空ポンプ350と、を備える。エアロゾル発生器330の一端部には、ノズル331が設置されている。ノズル331は、製膜チャンバー340の内部に配置されている。ノズル331の吐出口に対面する位置には、基材110が配置される。基材110は、製膜チャンバー340の内部に設置されたステージ341に支持される。
エアロゾルデポジションに用いられるキャリアガスは、ガスボンベ310からガス供給機構320によって流量が調整されてエアロゾル発生器330に導入される。エアロゾル発生器330には、原料微粒子が充填される。エアロゾルは、エアロゾル発生器330の内部において、ガス供給機構320から導入されたキャリアガスと、原料微粒子と、が混合することで得られる。エアロゾル発生器330の内部で発生したエアロゾルは、圧力差によってノズル331へ搬出され、ノズル331の吐出口より基材110に向けて噴射される。基材110は、ステージ341に支持されている。例えばステージ341をXY軸の2次元に揺動させることで、所望の面積にエアロゾルを噴射させ、微粒子を堆積させて膜状構造物120を形成することができる。製膜環境下では、製膜チャンバー340の内部の空気は、真空ポンプ350によって排気される。
エアロゾル中では、微粒子が一次粒子の状態で分散している状態が望ましい。但し、複数個の一次粒子が凝集し凝集粒の状態でガス中に分散されているものも本願でいうエアロゾルに含まれる。
搬送ガスは、微粒子を分散させてエアロゾルを形成することができればよい。例えば、搬送ガスは、乾燥空気、水素ガス、窒素ガス、酸素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガスなどの不活性ガスの他、メタンガス、エタンガス、エチレンガス、アセチレンガスなどの有機ガス、また、フッ素ガスなどの腐食性のあるガス等でもよく、必要に応じてこれらの混合ガスでもよい。
微粒子としては、粒径が0.1μm〜5μm程度のものが利用可能である。微粒子の原料としては、例えば、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化イットリウム、酸化チタン、酸化珪素、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化ガドリニウム、酸化イッテルビウム等の酸化物の他、窒化物、ホウ化物、炭化物、フッ化物などの脆性材料が利用可能である。

基材110の材質としては、金属、ガラス、セラミックス、樹脂のいずれか、もしくはこれらの複合材料が使用可能である。なお、基材110の表面111の形状は、平面に限定されず、リング形状の内周側面や、円柱の外周といった曲面でもよい。
以上、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、基材110および膜状構造物120などが備える各要素の形状、寸法、材質、配置などや傾斜部123、126の設置形態などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
100a、100b、100c、100d、100e、100f、100g、100h、100i 複合構造物、 110、110a 基材、 111 表面、 111a 湾曲面、 113 稜部、 115 ラウンド部、 117a 第1の傾斜面、117b 第2の傾斜面、117c 第3の傾斜面、 120 膜状構造物、 121 端部、 122a 第1の測定点、 122b 第2の測定点、 122c 第3の測定点、 122d 第4の測定点、 123 傾斜部、 123a 第1の傾斜面、 123b 第2の傾斜面、 123c 第3の傾斜面、 124 階段状部、 125 最外部、 126 傾斜部、 127 第1の膜体、 128 第2の膜体、 130 マスキングテープ、 140 ノズル、 150 研磨輪、 160 マスク、 200a 、200b、200c 複合構造物、 201 剥離、 203、205 崩壊、 300 製膜装置、 310 ガスボンベ、 320 ガス供給機構、 330 エアロゾル発生器、 331 ノズル、 340 製膜チャンバー、 341 ステージ、 350 真空ポンプ

Claims (4)

  1. 基材と、
    セラミックスの脆性材料微粒子をガス中に分散させたエアロゾルを前記基材に衝突させて前記基材の表面に形成され前記脆性材料微粒子の構成材料を含む膜状構造物と、
    を備え、
    前記膜状構造物の端部であって前記表面に存在する端部と、前記膜状構造物の膜厚がその平均膜厚と等しくなる部分のうちで前記端部に最も近い最外部と、の間の距離であって前記表面に対して垂直にみたときの距離は、前記平均膜厚の10倍以上であることを特徴とする複合構造物。
  2. 前記膜状構造物は、前記膜厚が前記最外部から前記端部へ段階的に薄くなる傾斜部を有することを特徴とする請求項1記載の複合構造物。
  3. 前記膜状構造物は、前記膜厚が前記最外部から前記端部へ連続的に薄くなる傾斜部を有することを特徴とする請求項1記載の複合構造物。
  4. 前記基材は、前記端部を含む領域に設けられ前記表面が湾曲したラウンド部を有し、
    前記ラウンド部の半径は、前記平均膜厚の10倍以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の複合構造物。
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