JP5651098B2 - 射出成形機およびその射出制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、樹脂や金属などの成形材料を流動可能な状態で金型内に射出充填したあと、その金型内でその成形材料を固化させて成形品を得るための、プラスチック射出成形機、ゴム射出成形機、液状樹脂射出成形機、金属射出成形機またはダイカスト成形機などの各種射出成形機およびその射出制御方法に関して、射出工程が充填工程と保圧工程に分けられた各種射出成形機およびその射出制御方法に関する。
一般的に射出成形機は、型締装置と射出装置を備えて、その型締装置で金型の開閉や締め付けを行い、その射出装置で流動可能な状態の成形材料を金型内のスプル部やランナ部やゲート部などの流路を介してキャビティに射出充填を行う。その射出成形機は、例えば1回の成形サイクルで、金型を閉じる型閉工程、金型を締め付ける型締工程、計量された流動可能な状態の成形材料を金型内に射出充填する射出工程、金型内の流動可能な状態の成形材料を固化させる固化工程(例えば、冷却工程)、金型を開く型開工程、そして、金型から成形品を取り出すための取り出し工程(例えば、突き出し工程)を順次行うとともに、前記固化工程を開始したあとから前記射出工程を開始する前までの間に、成形材料に応じて溶融や混合などを行うとともに流動可能な状態の成形材料を計量する計量工程(例えば熱可塑性樹脂材料の場合、可塑化計量工程)を同時に行う。また、使用される成形材料にも、熱可塑性樹脂材料や熱硬化性樹脂材料や金属材料や液状樹脂材料などがある。
例えば、熱可塑性樹脂材料を射出成形するプラスチック射出成形機の射出装置は、1本のインラインスクリュで樹脂材料の可塑化溶融とその溶融樹脂の射出充填とを行うインラインスクリュ式射出装置、または、可塑化スクリュで樹脂材料の可塑化溶融を行う可塑化ユニットとその溶融樹脂を射出プランジャで射出充填を行う射出ユニットを別設したスクリュプリプラ式射出装置に大別される。本明細書中においてはインラインスクリュ及び射出プランジャをまとめて「射出軸」という。なお、スクリュプリプラ式射出装置は、逆流防止用のチェックリングを射出軸に備えている必要がないので、そのリングの閉まり遅れによる溶融樹脂の計量のバラツキがなく、計量精度が良いとされる。
そのような射出成形機の射出装置は、射出シリンダと、その射出シリンダ内に進退自在に備えられる射出軸と、その射出シリンダ前部に射出ノズルと、その射出シリンダのシリンダ孔内であって、その射出軸の先端面の前方に形成される射出室と、を少なくとも備える。それで、その射出装置では、溶融樹脂を、可塑化計量工程において射出軸を後退させるようにして射出室内に計量しながら貯留し、そのあと射出工程において射出軸を前進させて押し出すようにして、射出ノズルから金型内に向けて射出充填する。
その射出工程は、一般的に充填工程と保圧工程に分けられて、充填工程において、1回の成形に必要な量の溶融樹脂のほとんどを金型内に充填したあと、保圧工程において、金型内に充填された溶融樹脂の冷却にともなう熱収縮分も含めその金型内で不足している分の溶融樹脂を充填するとともに、金型内のキャビティ部分に隣接するゲート部分の溶融樹脂が固化するまで金型内の溶融樹脂に保持圧力を付与して逆流を防止する。
さらに、特許文献1(特公平04−41895号公報)では、射出ピストン(前記射出軸に相当)や溶融材料などを移動体として、保圧工程に入る前の充填工程において、その移動体が移動する通路に対して予め一定区間を設定し、その一定区間内を移動体が移動する時間を検出し、その検出された移動時間と予め設定した時間とを比較して、これら時間の大小及び時間差によって、それに見合った圧力分だけ予め設定された保持圧力を加圧または減圧した修正された保持圧力にする射出成形機の保圧制御方法が提案されている。この特許文献1では、充填される直前における溶融された成形材料の状態が1回の成形サイクル毎に変化することなどを原因として、充填量が1回の成形サイクル毎にばらつく問題や、充填不足となってショートやヒケなどの成形不良が発生する問題や、そして、過充填となってバリなどの成形不良が発生する問題を防止して、最終的に成形品の重量や外観寸法のばらつきを防止することを目的としている。
ここで、1回の成形サイクル毎にばらつくとされる流動可能な成形材料の状態(特許文献1では、溶融された成形材料の状態)は、その成形材料が射出装置に供給されてから充填工程が開始される前までに受ける熱や圧力の履歴によって変化する。それによって、例えば、1回の成形サイクル毎に計量された体積は略等しいが、密度にばらつきを生じる場合などが考えられる。
特公平04−41895号公報
しかし、従来技術では、まだ以下のような問題があった。一般的に射出工程は、前述したように射出工程と保圧工程に分けられて、多くの場合において、充填工程では例えば射出軸の前進速度に代表される充填速度を優先して制御し、その充填工程で予め設定したVP切り換え条件になったら充填工程から保圧工程に移行し、その保圧工程では例えば射出軸が流動可能な状態の成形材料に付与する圧力に代表される保持圧力を優先して制御する。なお、そのVP切り換え条件としては、射出軸の位置や充填工程開始からの経過時間や実際に射出圧力の大きさなどによって規定される。
充填工程で充填速度を優先して制御する場合には、移動体が移動する時間が制御の対象であるため、特許文献1のように予め設定した一定区間内を移動体が移動する時間を1回の成形サイクル毎に検出しても、その検出された時間にばらつきが発生しにくい。したがって、特許文献1の保圧制御方法では、充填速度を優先して制御する充填工程を行う場合において、その検出された時間に応じて予め設定された保持圧力を修正することが困難であり、1回の成形サイクル毎の成形品の重量や外観寸法がばらつかないようにするという作用効果が充分に発揮できていない。
そこで、本発明では、このような問題に鑑みて、充填工程で充填速度条件に従って充填速度を優先して制御し、保圧工程で保持圧力条件に従って保持圧力を優先して制御する射出工程でも、1回の成形サイクル毎に成形品の重量や成形品の外観寸法などがばらつかない射出成形機およびその射出制御方法を提案することを目的とする。
本発明の射出成形機の射出制御方法では、流動可能な状態の成形材料を金型内に射出充填する射出工程で、充填速度条件に従って速度制御される充填工程のあと、保持圧力条件に従って圧力制御される保圧工程を行う射出成形機の射出制御方法において、前記充填工程の開始から終了までの全領域またはその一部領域を、時間または射出軸の位置に基づく射出圧力検出区間として、1回の成形サイクル毎に、その射出圧力検出区間内において逐次検出される実際の射出圧力の平均値または積分値のうちの少なくとも一方からなる実測値と、予め基準として設定した前記射出圧力検出区間内における射出圧力の平均値または積分値のうちの少なくとも一方からなる基準値とを比較して、その実測値とその基準値の差またはその実測値とその基準値の大小関係のうちの少なくとも一方に応じて、予め設定されていた前記保持圧力条件を補正して、同じ成形サイクル中の保圧工程のみ、その補正後の前記保持圧力条件に従って圧力制御されることを特徴とする。
また、本発明の射出成形機の射出制御方法では、予め設定されていた前記保持圧力条件が、前記保圧工程を開始してからの各時点での目標保持圧力として規定されて、前記実測値と前記基準値の差またはその実測値とその基準値の大小関係のうちの少なくとも一方に応じて、予め設定されていたその保持圧力条件における保圧工程の開始時点から終了時点までの目標保持圧力の平均値または積分値のうちの少なくとも一方を増減させるように、予め設定されていたその保持圧力条件の時間又は目標保持圧力のうちの少なくとも一方を補正すると良い。
また、本発明の射出成形機の射出制御方法では、前記保圧工程の開始時から終了時までを1つの保圧区間または時系列に2つ以上に分割した複数の保圧区間として設定し、保圧区間毎に目標保持圧力を設定することで、前記保持圧力条件が1段以上の階段状に設定されていて、さらに、少なくとも1つの保圧区間について、当該保圧区間に切り換えられた直後に当該保圧区間の目標保持圧力になるまで圧力制御するための応答区間を設定し、当該応答区間の開始時点の目標保持圧力と終了時点の目標保持圧力の間を結ぶ関数で当該応答区間の目標保持圧力が設定されていて、さらに、その保持圧力条件が前記充填工程の終了時に検出される実際の射出圧力に比べて、最初の保圧区間の目標保持圧力が小さく設定されていて、前記実測値が前記基準値よりも大きい場合には、少なくとも1つの保圧区間の目標保持圧力を、当該保圧区間において予め設定されていた目標保持圧力よりも小さくするか、または、少なくとも1つの保圧区間に設定される応答区間の開始時点における目標保持圧力を、当該応答区間の開始時点において予め設定されていた目標保持圧力よりも小さくするかのどちらか一方またはそれら両方の補正をして、前記実測値が前記基準値よりも小さい場合には、少なくとも1つの保圧区間の目標保持圧力を、当該保圧区間において予め設定されていた目標保持圧力よりも大きくするか、または、少なくとも1つの保圧区間に設定される応答区間の開始時点における目標保持圧力を、当該応答区間の開始時点において予め設定されていた目標保持圧力よりも大きくするかのどちらか一方またはそれら両方の補正をすると良い。
また、本発明の射出成形機の射出制御方法では、前記保圧工程の開始時から終了時までを1つの保圧区間または時系列に2つ以上に分割した複数の保圧区間として設定し、保圧区間毎に目標保持圧力を設定することで、前記保持圧力条件が1段以上の階段状に設定されていて、さらに、その保持圧力条件が前記充填工程の終了時に検出される実際の射出圧力に比べて、最初の保圧区間の目標保持圧力を小さく設定されていて、前記実測値が前記基準値よりも大きい場合には、その保持圧力条件における少なくとも時系列で最初の保圧区間の目標保持圧力を予め設定されていた目標保持圧力よりも小さくなるように補正して、前記実測値が前記基準値よりも小さい場合には、その保持圧力条件における少なくとも時系列で最初の保圧区間の目標保持圧力を予め設定されていた目標保持圧力よりも大きくなるように補正することを特徴とすると良い。
本発明の射出成形機では、射出シリンダと、前記射出シリンダ内に流動可能な状態の成形材料を計量しながら貯めるための射出室と、前記射出室内を少なくとも進退する射出軸と、前記射出軸を少なくとも進退させる射出駆動装置と、前記射出軸の進退方向の位置を逐次検出する位置検出装置と、前記射出軸によって前記成形材料に付与される圧力を逐次検出する圧力検出装置と、充填速度条件に従って前記射出軸が前進する速度を優先して制御する充填工程および保持圧力条件に従ってその射出軸が前記成形材料に付与する圧力を優先して制御する保圧工程を行うように前記射出駆動装置を少なくとも制御する制御装置と、を少なくとも備える射出成形機において、前記制御装置に、前記充填工程の開始から終了までの全領域またはその一部領域を、時間または前記射出軸の位置に基づく射出圧力検出区間として、その射出圧力検出区間における射出圧力の平均値または積分値の基準値を予め設定する手段と、1回の前記射出工程毎に前記射出圧力検出区間内において前記圧力検出装置から逐次検出される実際の射出圧力の平均値または積分値からなる実測値を求める手段と、1回の前記射出工程毎に前記実測値と前記基準値の差またはその実測値とその基準値の大小関係のうちのどちらか一方または両方に応じて、予め設定されていた前記保持圧力条件を補正するとともに、同じ成形サイクル中の保圧工程のみに有効な前記保持圧力条件として設定する手段と、を少なくとも備えることを特徴とする。
本発明の射出成形機およびその射出制御方法では、充填速度を優先して制御する充填工程で、実際に検出される射出圧力に応じて、次工程の保圧工程で用いる保持圧力条件を適宜補正することによって、成形サイクル毎に成形される成形品の重量や外観寸法にばらつきが生じないようにできる。その際に、本発明では、充填工程で主に充填速度を制御対象とし、上限圧を超えるような異常な射出圧力が発生したときなどを除き、射出圧力を制御対象としていないので、成形サイクル毎にばらつく成形材料の状態の変化を射出圧力の変化として確実に検出でき、次工程の保圧工程の保持圧力条件の補正に用いることができる。
充填工程の充填速度条件および保圧工程の保持圧力条件を示す図である。 充填工程で発生する射出圧力波形および保圧工程の保持圧力条件を示す図である。 本発明の実施例として、応答条件の開始時点の目標保持圧力を減圧するようにして、保持圧力条件を補正した場合を示す図である。 本発明の他の実施例として、保圧区間の目標保持圧力を減圧するようにして、保持圧力条件を補正した場合を説明する図である。 本発明の他の実施例として、応答条件の開始時点の目標保持圧力を昇圧するようにして、保持圧力条件を補正した場合を示す図である。 本発明の他の実施例として、保圧区間の目標保持圧力を昇圧するようにして、保持圧力条件を補正した場合を説明する図である。 本発明が採用されたスクリュプリプラ式射出成形機の射出装置の全体の概略図を示す側面断面図である。
以下、本発明の射出成形機およびその射出制御方法が、スクリュプリプラ式射出装置を備える射出成形機に採用された際の実施例に基づき、図1ないし図7とともに説明される。
最初に射出成形機の従来公知の部分が、熱可塑性樹脂材料を射出成形するスクリュプリプラ式射出装置を一例にして、図7に示す概略図によって簡単に説明される。射出成形機は、型締装置(図示省略)と射出装置1とを備えている。その射出装置1では、樹脂材料を可塑化して溶融する可塑化ユニット2と、その溶融樹脂を金型10内のキャビティ空間11に向かって射出充填する射出ユニット3とが別設されており、それらが溶融樹脂の連通路4aを有する連結部材4で接続されている。なお、型締装置に金型10が搭載されているが、その型締装置についての図示および説明は省略される。
可塑化ユニット2は、可塑化シリンダ20と、可塑化シリンダ20内の可塑化スクリュ21と、可塑化スクリュ21を回転させる回転駆動装置22と、可塑化スクリュ21を僅かに進退させる逆止駆動装置23とを有する。符号7は、可塑化シリンダ20の後端側から樹脂材料を供給するためのホッパである。
射出ユニット3は、射出シリンダ30と、射出シリンダ30の射出シリンダ孔30a内の射出プランジャ31と、射出プランジャ31を進退させる射出駆動装置34と、射出シリンダ30の前端にノズルアダプタ32を介して取り付けられる射出ノズル33とを有する。ノズルシリンダ32の射出シリンダ30側端面には、射出プランジャ31の先端面31aと略等しい形状の前壁32bが形成されている。その前壁32bと射出シリンダ30のシリンダ孔30aと射出プランジャ31の先端面31aとで囲まれた空間として射出室35が形成される。そして、射出室35には、連結部材4の連通路4aを介して可塑化シリンダ20内と連通する連通路32aや射出ノズル33の先端にまで連通する射出孔33aが開口している。符号36は、射出プランジャ31と射出駆動装置34の駆動ロッドを連結するカップリングである。
各種駆動装置は、油圧式または空圧式または電動式などで適宜構成される。可塑化シリンダ20、射出シリンダ30、ノズルシリンダ32、連結部材4、射出ノズル33などの外周には、図示省略されるバンドヒータ等の温調装置が適宜設けられている。
制御装置6では、各種駆動装置や各種温度調節装置などの動作をそれぞれ制御する。例えば、制御装置6の射出制御部6aでは、射出プランジャ31が移動した位置や速度を逐次検出するための位置検出装置および射出プランジャ31が射出室35内の溶融樹脂に与える圧力を逐次検出するための圧力検出装置の実際の検出値を読み込み、それら検出値と予め設定された成形条件などとを比較しながら、予め設定された成形条件や動作手順に従って動作するように指令を出して射出駆動装置34を制御する。位置検出装置としては、図7に示すようなリニアスケール61などを用いても良いし、射出駆動装置34がモータであればロータリエンコーダで検出した回転数から算出するようにしても良い。それで、速度の実測値は、例えば、位置検出装置から逐次検出される位置情報を、制御装置6の基準クロックを参照して速度情報に変換して求めることができる。また、圧力検出装置としては、図7に示すように射出プランジャ31後端と射出駆動装置34の駆動ロッド前端との間にロードセル62を用いても良いし、射出駆動装置34が油圧シリンダであれば射出プランジャ31を前進させる側の油室の圧力を検出するようにしても良いし、射出駆動装置34がモータであれば電流計測器やトルク計測器で検出したモータの入力電流や回転トルクから算出するようにしても良い。
そのようなスクリュプリプラ式射出装置1では、まず、計量工程として、ホッパ7から供給された樹脂材料が、可塑化スクリュ21の回転による剪断発熱とバンドヒータによる加熱によって可塑化溶融されながら、可塑化スクリュ21の回転によって連通路4a、32aを通して射出室35内に向けて押し出されるとともに、その溶融樹脂が、射出プランジャ31を後退させることによって所定の背圧を受けながら、射出プランジャ31が後退した距離によって計量される。このとき、逆止駆動装置23は、押し出す溶融樹脂に作用する背圧により可塑化スクリュ21の後退を許容して、可塑化シリンダ20側の連通路4aの開口を開く。つぎに、射出工程として、射出プランジャ31が前進して、その溶融樹脂を、射出ノズル33から金型10内のキャビティ空間11に向かって充填する。なお、その充填の前には、逆止駆動装置23が可塑化スクリュ21を前進させて、可塑化シリンダ20側の連通路4aの開口を閉塞して逆流防止が行われている。また、その逆流防止は、可塑化スクリュ21を後退させて可塑化シリンダ20側の連通路4aを閉じる構成としても良いし、連通路4a、32aの途中にロータリバルブなどを備えてその連通路4a、32aを閉じる構成としても良い。
前述された射出工程は、一般的に充填工程と保圧工程に分けられる。通常、充填工程では、予め設定された充填速度条件に従って、充填速度、例えば射出プランジャ31の前進速度が優先されて制御された状態で、溶融樹脂を金型10内のキャビティ11空間に向けて充填する。そのあとの保圧工程では、保持圧力、例えば射出プランジャ31が溶融樹脂に付与する圧力が優先されて制御された状態で、その金型10内に充填された溶融樹脂の冷却にともなう熱収縮分も含め、金型10内で不足している分の溶融樹脂が充填される。さらに、保圧工程ではキャビティ空間11に隣接する金型10内のゲート部分の溶融樹脂が固化するまでキャビティ空間11内の溶融樹脂に圧力を付与して逆流を防止する。ここで、充填工程と保圧工程の間の切り換えを「VP切り換え」という。そのVP切り換えの時期は、射出プランジャ31などの射出軸の位置や充填工程開始からの経過時間や射出圧力の大きさなどによって規定される。
また、例えば、充填工程では、充填速度が優先して制御される中で、実際に発生する射出圧力が異常に上昇することを防止するため、上限圧が設定されることが多い。発生する射出圧力がその上限圧を超えた場合には、例えば、射出圧力が上限圧を超えて上昇しないように、その時だけ圧力制御に切り換えたり、あるいは、成形機を停止させたりしている。
図1は、そのような射出工程の制御で用いる成形条件となる充填速度条件と保持圧力条件を示す模式図である。図1では、VP切り換えを挟んで右側が充填速度条件の一例を示し、左側が保持圧力条件の一例を示している。
右側の充填速度条件は、射出プランジャ31の移動する位置またはストローク(横軸S)に対する充填速度(縦軸V)で示されて、右端が充填工程を開始する時点での射出プランジャ31の位置を示し、左端がVP切り換え位置、つまりは充填工程が終了する時点での射出プランジャ31の位置を示す。図1では、充填速度条件の速度パターンがN段の階段状に設定されて、各充填区間Snにそれぞれ目標充填速度Vnがそれぞれ設定される(n=1、2、3、・・・、N)。例えば、図1の例では、充填速度条件が3段に設定され、各充填区間S1、S2、S3にそれぞれ目標充填速度V1、V2、V3が設定されている。また、充填の開始時を含め各充填区間Snに切り換えられる際に当該充填区間Snに設定された目標充填速度Vnになるまでの応答条件の速度パターン(関数など)を充填速度条件の速度パターンに含めても良い。例えば、図1の例では、充填区間S2に対して、充填区間S1から充填区間S2に切り換えられた直後に応答区間s2を設定して、その応答区間s2に応答条件の速度パターンを設定している。その応答条件は、その条件設定が必要な充填区間Snに対して設定すれば良い。各応答区間snの長さや各応答条件の速度パターンは、各応答区間snで共通でも別々でもどちらでも良い。充填工程の開始時の充填速度V0は、ゼロとなる。また、充填速度条件の速度パターンは、階段状の設定に限らず、波形や曲線で設定されても良い。射出圧力波形WPは、充填工程において、充填速度条件に従って充填速度Vが制御される中で、実測された射出圧力波形の一例を示している。なお、充填速度条件の横軸は、射出プランジャ31の移動する位置またはストロークだけに限定されるものではなく、その位置またはストロークに基づき算出されるもの、例えば、充填量などであっても良いし、充填工程が開始されてからの時間またはその時間に基づき算出されるものでも良い。
左側の保持圧力条件は、保圧工程が開始されてからの時間(横軸T)に対する保持圧力(縦軸P)で示されて、右端がVP切り換え時点、つまりは保圧工程が開始される時点を示し、左側に保圧工程の終了時点を示す。図1では、保持圧力条件の圧力パターンがM段の階段状に設定されて、各保圧区間Tmに所定の目標保持圧力Pmがそれぞれ設定されている(m=1、2、3、・・・、M)。また、VP切り換え時(保圧工程の開始時)を含め各保圧区間Tmに切り換えられる際に当該保圧区間Tmに設定された目標保持圧力Pmになるまでの応答条件の圧力パターン(関数など)を保持圧力条件の圧力パターンに含んでも良い。例えば、図1の例では、最初の保圧区間T1に対して、VP切り換え時点から保圧区間T1に切り換えられた直後に応答区間t1を設定して、その応答区間t1に応答条件の圧力パターンを設定し、最後の保圧区間T3に対して、保圧区間T2から保圧区間T3に切り換えられた直後に応答区間t3を設定して、その応答区間t3に応答条件の圧力パターンを設定している。その応答条件は、その条件設定が必要な保圧区間Tmに対して設定すれば良い。各応答区間tmの長さや各応答条件のパターンは、各応答区間tmで共通でも別々でもどちらでも良い。なお、VP切り換え時点(保圧工程の開始時点)の目標保持圧力P0は、例えば、応答区間t1の開始時点として設定したVP切り換え時点に実際に発生していた射出圧力の実測値、または、保圧区間T1の目標保持圧力などとなっている。また、充填速度条件の条件パターンは、階段状の設定に限らず、波形や曲線で設定されても良い。なお、保持圧力条件の横軸は、保圧工程が開始されてからの時間だけに限定されるものではなく、その時間に基づき算出されるものであっても良いし、射出プランジャ31の移動する位置またはストロークであっても良いし、その位置またはストロークに基づき算出されるものであっても良い。
図2は、保持圧力条件の圧力パターンに応答条件の圧力パターンを含む。特に、VP切り換え直後の応答条件の圧力パターンには、VP切り換え時点で実測された射出圧力を目標保持圧力P0として、応答区間t1の間にその目標保持圧力P0から保圧区間T1の目標保持圧力P1まで立ち下げる応答条件の圧力パターンが設定されている。
前述したように、充填工程前までに成形材料が受ける熱履歴や圧力履歴は、同じ成形条件のもとでも成形サイクル毎にばらつくことがある。そのため、例えば、計量されたあと充填工程で充填されるのを待つ流動可能な成形材料は、成形サイクル毎にその密度にばらつきを生じることがある。その結果として、図2で示す例のように、充填工程で実測される射出圧力波形WP(実線および点線)が成形サイクル毎にばらついてしまう。
成形サイクル毎に充填工程で生じる射出圧力のばらつきは、充填される成形材料が充填工程の間に受ける圧力履歴をもばらつかせて、保持圧力を優先して制御する保圧工程に移行したあとに、僅かに進退する射出プランジャ31の最終到達位置、つまりは、射出工程で最終的に充填される成形材料の充填量を僅かにばらつかせることになる。なぜなら、保圧工程は、充填工程と違い保持圧力を優先して制御しているため、射出プランジャ31の位置で決まる成形材料の充填量を制御していないからである。
ここからは、本発明特有の射出成形機およびその射出制御方法が実施例をもとに説明される。
本発明の射出成形機の制御装置6は、充填工程の開始から終了までの全領域またはその一部領域を、時間または射出プランジャ31の位置に基づく射出圧力検出区間SPとして、その射出圧力検出区間SPにおける射出圧力の平均値または積分値の基準値を予め設定する手段と、1回の射出工程毎に射出圧力検出区間SP内において圧力検出装置から逐次検出される実際の射出圧力の平均値または積分値からなる実測値を求める手段と、1回の射出工程毎にその実測値とその基準値の差またはその実測値とその基準値の大小関係のうちの、どちらか一方または両方に応じて、予め設定されていた保持圧力条件を補正するとともに、同じ成形サイクル中の保圧工程のみに有効な前記保持圧力条件として設定する手段と、を少なくとも備える。
それで、本発明の射出成形機では、最初に予め充填工程の開始位置からVP切り換え位置までの全域またはその中の一部領域を射出圧力検出区間SPとして設定した上で、1回の成形サイクル毎に、その射出圧力検出区間SPの中で実際に発生する射出圧力を圧力検出装置で所定のサンプリング周期毎(またはサンプリング間隔毎)に逐次検出していき、その逐次検出される射出圧力の平均値またはその積分値のどちらか一方あるいはそれら両方からなる実測値を求める。それで、本発明の制御装置6では、その実測値と、予め設定しておいた基準値とを比較して、それらの差異またはそれらの大小関係のうちのどちらか一方またはその両方に応じて、最終的に射出工程を通して充填される充填量が毎回均一になるように、予め設定されていた前記保持圧力条件を補正して、同じ成形サイクル中の保圧工程のみ、その補正後の前記保持圧力条件に従って圧力制御される。
射出圧力検出区間SPは、充填工程の開始位置からVP切り換え位置までの領域のうちの一部領域を設定する場合に、1つの領域のみを設定しても良いし、または、別々に複数の領域を設定しても良い。また、射出圧力検出区間SPは、充填工程の開始位置からVP切り換え位置までの領域であれば、その途中を領域として設定しても良い。また、射出圧力検出区間SPは、作業者が自由に設定できるようにしても良いし、作業者が自由に変更することはできない一定値が既に設定されているようにしてあっても良い。また、射出圧力検出区間SPは、制御装置6が自動的に設定しても良い。
実測値となる射出圧力の平均値AIPは、射出圧力検出区間SPの中で、所定のサンプリング周期毎に逐次検出される実際の射出圧力IPk(k=1、2、3、・・・、K)の総和IP(=IP1+IP2+IP3+・・・+IPK)を求めるとともに、求めた総和IPを検出回数Kで除算した値(AIP=総和IP/検出回数K)からなる。
実測値となる射出圧力の積分値IIPは、射出圧力検出区間SPの中で、所定のサンプリング周期毎に逐次検出される実際の射出圧力IPk(k=1、2、3、・・・、K)に、同じタイミングで逐次検出される実際の射出プランジャの移動位置から得られるサンプリング周期の間に移動した射出プランジャの移動距離Δsk(k=1、2、3、・・・、K)を乗算した値(=IPk・Δsk)を求めるとともに、求めた乗算値を順に積算した値(IIP=IP1・Δs1+IP2・Δs2+IP3・Δs3+・・・+IPK・ΔsK)からなる。射出プランジャ31の位置は、位置検出装置から検出される。なお、実測値となる射出圧力の平均値AIPや積分値IIPは、時間によるサンプリング周期を用いて求める場合に限らず、射出プランジャの移動距離や位置によるサンプリング間隔を用いて求めても良い。
基準値となる射出圧力の平均値AIPbや積分値IIPbは、例えば、良品が成形できたときの前述された実測値となる射出圧力の平均値AIPや積分値IIPを用いても良い。その際には、1サイクル分を用いても良いし、複数サイクル分を平均した値を用いても良い。また、基準値となる射出圧力の平均値AIPbや積分値IIPbは、実験やオペレータの経験から導き出された値を用いても良い。また、基準値は、量産中に自動的に更新するようにしても良い。
図3から図6を例にして、さらに詳しく説明する。図3から図6では、点線の射出圧力波形WPが良品を成形したときの波形を示し、実線の射出圧力波形WPが成形中の波形を示している。この例では、最初に、射出圧力検出区間SPが、充填工程の完了位置(VP切り換え位置)を含む後半部分の領域に予め設定されている。また、その射出圧力検出区間SPにおいて、例えば実際に良品を成形したとき(点線の射出圧力波形WP)に検出された射出圧力の平均値AIPbまたは積分値IIPbが、基準値として予め求められて設定されている。そのうえで、量産成形を開始してから、繰り返される成形サイクル毎に、保圧工程が開始される前までに、射出圧力検出区間SPで検出される射出圧力の平均値AIPまたは積分値IIPを実測値として求めるとともに、その実測値と予め設定した基準値を比較して、その比較結果に基づき、最終的に射出工程を通して充填される充填量が毎回均一になるように、予め設定されている保持圧力条件を補正する。なお、保持圧力条件の補正は、成形サイクル毎に一時的に行われて、1回の成形サイクル毎に保圧工程が完了したら、補正前の保持圧力条件に戻される。
図3と図4の例では、平均値AIPb(または積分値IIPb)からなる基準値よりも、平均値AIP(またはや積分値IIP)からなる実測値の方が大きくなっている(AIPb<AIP(またはIIPb<IIP))。図3の例では、保圧区間T1の応答区間t1に予め設定され、VP切り換え後の立ち下がり特性を規定した応答条件に対して、その応答条件の開始時点の目標保持圧力P0を、最初の設定である充填工程の完了時点(VP切り換え時点)で実際に発生した射出圧力の実測値から減圧した圧力値に適宜補正して、その応答条件の圧力パターンを補正している。この場合、応答条件の開始時点の目標保持圧力P0を減圧して補正する方法と一緒にまたはその方法に替えて、応答区間t1の時間を短くして応答条件の圧力パターンを補正しても良い。また、図4の例では、最初の保圧区間T1に予め設定された目標保持圧力P1を、減圧した圧力値に適宜補正している。この場合、保圧区間T1の目標保持圧力P1を減圧して補正する方法と一緒にまたはその方法に替えて、保圧区間T1の時間を短くするように補正しても良い。もちろん、保圧区間Tmに応答区間tmを含んでいない場合にも、保圧区間Tmに設定した目標保持圧力Pmを減圧して補正する方法や保圧区間Tmの時間を短くして補正する方法を適用できる。なお、応答条件の圧力パターンの補正は、必要な応答区間tmに対して行えば良いし、保圧区間Tmに設定した目標保持圧力Pmや保圧区間Tmの時間の補正は、必要な保圧区間Tmに対して行えば良い。
また、図5と図6の例では、平均値AIPb(または積分値IIPb)からなる基準値よりも、平均値AIP(またはや積分値IIP)からなる実測値の方が小さくなっている(AIPb>AIP(またはIIPb>IIP))。図5の例では、保圧区間T1の応答区間t1に予め設定され、VP切り換え後の立ち下がり特性を規定した応答条件に対して、その応答条件の開始時点の目標保持圧力P0を、最初の設定である充填工程の完了時点(VP切り換え時点)で実際に発生した射出圧力の実測値から昇圧した圧力値に適宜補正して、その応答条件の圧力パターンを補正している。この場合、応答条件の開始時点の目標保持圧力P0を昇圧して補正する方法と一緒にまたはその方法に替えて、応答区間t1の時間を長くして応答条件の圧力パターンを補正しても良い。また、図4の例では、最初の保圧区間T1に予め設定された目標保持圧力P1を、昇圧した圧力値に適宜補正している。この場合、保圧区間T1の目標保持圧力P1を昇圧して補正する方法と一緒にまたはその方法に替えて、保圧区間T1の時間を長くするように補正しても良い。もちろん、保圧区間Tmに応答区間tmを含んでいない場合にも、保圧区間Tmに設定した目標保持圧力Pmを昇圧して補正する方法や保圧区間Tmの時間を長くして補正する方法を適用できる。なお、応答条件の圧力パターンの補正は、必要な応答区間tmに対して行えば良いし、保圧区間Tmに設定した目標保持圧力Pmや保圧区間Tmの時間の補正は、必要な保圧区間Tmに対して行えば良い。
また、本発明は、図3から図6の例に限定されない。本発明では、射出圧力検出区間SPの中で逐次検出される射出圧力の基準値よりも実測値の方が小さい場合には、例えば、予め設定した保持圧力条件における保圧工程の開始時点から終了時点までの目標保持圧力の平均値または積分値が大きくなるように、予め設定した保持圧力条件の時間又は目標保持圧力のうちの少なくとも一方を補正すれば良い。また、本発明では、その基準値よりも実測値の方が大きい場合には、例えば、予め設定した保持圧力条件における保圧工程の開始時点から終了時点までの目標保持圧力の平均値または積分値が小さくなるように、予め設定した保持圧力条件の時間又は目標保持圧力のうちの少なくとも一方を補正すれば良い。そして、その補正は、例えば、基準値と実測値の大小関係に応じて増加または減少を決定し、充填工程で検出された射出圧力の基準値と実測値との差に比例して、増加量または減少量を決定するようにしても良い。そのような本発明では、保持圧力条件が階段状のパターンに限定されることなく、曲線などの各種関数によるパターンにも適用できる。また、保持圧力条件の横軸は、保圧工程が開始されてからの時間だけに限定されるものではなく、その時間に基づき算出されるものであっても良いし、射出プランジャ31の移動する位置またはストロークであっても良いし、その位置またはストロークに基づき算出されるものであっても良い。
図3から図6までの例は、保圧工程の開始直後の応答特性が立ち下がり特性を示した場合である。その応答特性が立ち上がり特性を示す場合には、つぎのようにしても良い。基準値よりも実測値の方が大きいときには、例えば、予め設定した保持圧力条件における保圧工程の開始時点から終了時点までの目標保持圧力の平均値または積分値が大きくなるように、予め設定した保持圧力条件の時間又は目標保持圧力のうちの少なくとも一方を補正しても良い。その補正は、例えば、応答区間t1の開始時点(VP切り換え時点)の目標保持圧力P0や保圧区間T1の目標保持圧力P1を予め設定された圧力値よりも適宜昇圧したり、応答区間t1の時間や保圧区間T1の時間を予め設定された時間よりも適宜長くするようにしても良い。また、基準値よりも実測値の方が小さいときには、例えば、予め設定した保持圧力条件における保圧工程の開始時点から終了時点までの目標保持圧力の平均値または積分値が小さくなるように、予め設定した保持圧力条件の時間又は目標保持圧力のうちの少なくとも一方を補正しても良い。その補正は、例えば、その目標保持圧力P0やP1を予め設定された圧力値よりも適宜減圧したり、応答区間t1や保圧区間T1の時間を予め設定された時間よりも適宜短くしたりして補正するようにしても良い。なお、応答条件の圧力パターンの補正は、必要な応答区間tmに対して行えば良いし、保圧区間Tmに設定した目標保持圧力Pmや保圧区間Tmの時間の補正は、必要な保圧区間Tmに対して行えば良い。
また、本発明は、スクリュプリプラ式射出成形機やインラインスクリュ式射出成形機など、各種射出成形機に適用できる。また、成形する成形材料は、熱可塑性樹脂材料や熱硬化性樹脂材料や金属材料など、射出成形機で成形できるものであれば良い。
1 射出装置
2 可塑化ユニット
3 射出ユニット
6 制御装置
6a 射出制御部
10 金型
30 射出シリンダ
31 射出プランジャ
33 射出ノズル
34 射出駆動装置

Claims (5)

  1. 流動可能な状態の成形材料を金型内に射出充填する射出工程で、充填速度条件に従って速度制御される充填工程のあと、保持圧力条件に従って圧力制御される保圧工程を行う射出成形機の射出制御方法において、
    前記充填工程の開始から終了までの全領域またはその一部領域を、時間または射出軸の位置に基づく射出圧力検出区間として、1回の成形サイクル毎に、その射出圧力検出区間内において逐次検出される実際の射出圧力の平均値または積分値のうちの少なくとも一方からなる実測値と、予め基準として設定した前記射出圧力検出区間内における射出圧力の平均値または積分値のうちの少なくとも一方からなる基準値とを比較して、
    その実測値とその基準値の差またはその実測値とその基準値の大小関係のうちの少なくとも一方に応じて、予め設定されていた前記保持圧力条件を補正して、同じ成形サイクル中の保圧工程のみ、その補正後の前記保持圧力条件に従って圧力制御されることを特徴とする射出成形機の射出制御方法。
  2. 予め設定されていた前記保持圧力条件が、前記保圧工程を開始してからの各時点での目標保持圧力として規定されて、
    前記実測値と前記基準値の差またはその実測値とその基準値の大小関係のうちの少なくとも一方に応じて、予め設定されていたその保持圧力条件における保圧工程の開始時点から終了時点までの目標保持圧力の平均値または積分値のうちの少なくとも一方を増減させるように、予め設定されていたその保持圧力条件の時間又は目標保持圧力のうちの少なくとも一方を補正することを特徴とする請求項1記載の射出成形機の射出制御方法。
  3. 前記保圧工程の開始時から終了時までを1つの保圧区間または時系列に2つ以上に分割した複数の保圧区間として設定し、保圧区間毎に目標保持圧力を設定することで、前記保持圧力条件が1段以上の階段状に設定されていて、さらに、少なくとも1つの保圧区間について、当該保圧区間に切り換えられた直後に当該保圧区間の目標保持圧力になるまで圧力制御するための応答区間を設定し、当該応答区間の開始時点の目標保持圧力と終了時点の目標保持圧力の間を結ぶ関数で当該応答区間の目標保持圧力が設定されていて、
    さらに、その保持圧力条件が前記充填工程の終了時に検出される実際の射出圧力に比べて、最初の保圧区間の目標保持圧力が小さく設定されていて、
    前記実測値が前記基準値よりも大きい場合には、少なくとも1つの保圧区間の目標保持圧力を、当該保圧区間において予め設定されていた目標保持圧力よりも小さくするか、または、少なくとも1つの保圧区間に設定される応答区間の開始時点における目標保持圧力を、当該応答区間の開始時点において予め設定されていた目標保持圧力よりも小さくするかのどちらか一方またはそれら両方の補正をして、
    前記実測値が前記基準値よりも小さい場合には、少なくとも1つの保圧区間の目標保持圧力を、当該保圧区間において予め設定されていた目標保持圧力よりも大きくするか、または、少なくとも1つの保圧区間に設定される応答区間の開始時点における目標保持圧力を、当該応答区間の開始時点において予め設定されていた目標保持圧力よりも大きくするかのどちらか一方またはそれら両方の補正をすることを特徴とする請求項1または2記載の射出成形機の射出制御方法。
  4. 前記保圧工程の開始時から終了時までを1つの保圧区間または時系列に2つ以上に分割した複数の保圧区間として設定し、保圧区間毎に目標保持圧力を設定することで、前記保持圧力条件が1段以上の階段状に設定されていて、
    さらに、その保持圧力条件が前記充填工程の終了時に検出される実際の射出圧力に比べて、最初の保圧区間の目標保持圧力を小さく設定されていて、
    前記実測値が前記基準値よりも大きい場合には、その保持圧力条件における少なくとも時系列で最初の保圧区間の目標保持圧力を予め設定されていた目標保持圧力よりも小さくなるように補正して、
    前記実測値が前記基準値よりも小さい場合には、その保持圧力条件における少なくとも時系列で最初の保圧区間の目標保持圧力を予め設定されていた目標保持圧力よりも大きくなるように補正することを特徴とする請求項1または2記載の射出成形機の射出制御方法。
  5. 射出シリンダと、前記射出シリンダ内に流動可能な状態の成形材料を計量しながら貯めるための射出室と、前記射出室内を少なくとも進退する射出軸と、前記射出軸を少なくとも進退させる射出駆動装置と、前記射出軸の進退方向の位置を逐次検出する位置検出装置と、前記射出軸によって前記成形材料に付与される圧力を逐次検出する圧力検出装置と、充填速度条件に従って前記射出軸が前進する速度を優先して制御する充填工程および保持圧力条件に従ってその射出軸が前記成形材料に付与する圧力を優先して制御する保圧工程を行うように前記射出駆動装置を少なくとも制御する制御装置と、を少なくとも備える射出成形機において、
    前記制御装置に、前記充填工程の開始から終了までの全領域またはその一部領域を、時間または前記射出軸の位置に基づく射出圧力検出区間として、その射出圧力検出区間における射出圧力の平均値または積分値の基準値を予め設定する手段と、1回の前記射出工程毎に前記射出圧力検出区間内において前記圧力検出装置から逐次検出される実際の射出圧力の平均値または積分値からなる実測値を求める手段と、1回の前記射出工程毎に前記実測値と前記基準値の差またはその実測値とその基準値の大小関係のうちのどちらか一方または両方に応じて、予め設定されていた前記保持圧力条件を補正するとともに、同じ成形サイクル中の保圧工程のみに有効な前記保持圧力条件として設定する手段と、を少なくとも備えることを特徴とする射出成形機。
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