まず、本実施例に係る台間カード処理機10の概念について説明する。図1は、本実施例に係る台間カード処理機10の概念を説明するための説明図である。ここでは説明の便宜上、リーダライタ部15bに所在する最先に排出されるカードのカード種別がカード種別データ10eとして事前に記憶部10cに格納されているものとする。なお、このカード種別データ10eは、一般カードを意味する「1」又は会員カードを示す「2」のいずれかとなる。
図1に示す台間カード処理機10は、遊技客自身の操作によって持玉を分割できる装置である。例えば、遊技客が保有する持玉「4000玉」のうちの「1000玉」を持玉分割処理して第三者に譲渡したい場合には、遊技客は持玉分割操作を行う。具体的には、図1(a)に示すように、台間カード処理機10に設けられた持玉数表示部18aに「4000玉」と表示されている状況下で表示操作部13に「1000」と入力し、遊技機20に設けられたカード返却ボタン21aを押下操作する。
かかる持玉分割操作が行われたならば、台間カード処理機10は、図1(b)に示すように、カード種別に応じて、持玉分割処理を変える。具体的には、カード種別データ10eが一般カードを意味する「1」である場合には、図1(c)に示すように、持玉数「1000玉」が関連付けられた一般カードを分割先カードとして排出する。このため、遊技客は、この分割先カードを第三者に譲渡することで、持玉数の一部を第三者に譲り渡すことができるとともに、残余の持玉数を用いて遊技を継続することができる。なお、本実施例では、分割元カードと分割先カードの2枚のカードを排出するのではなく、分割先カードのみを排出することとしているので、遊技客が分割元カードと分割先カードを取り違えることはない。
これに対して、カード種別データ10eが会員カードを意味する「2」である場合には、図1(d)に示すように、持玉数「3000玉」が関連付けられた会員カードを分割元カードとして排出した後、持玉数「1000玉」が関連付けられた一般カードを分割先カードとして排出する。この場合、分割元カードである会員カードと分割先カードである一般カードの2枚のカードが排出されるが、通常会員カードと一般カードは異なる態様の印刷等がなされているため、第三者に譲渡すべき一般カードを容易に把握することができる。このため、遊技客が分割元カードと分割先カードを取り違えることはない。
このように、本実施例では、台間カード処理機10から最先に排出されるカードの種別が一般カードであるか会員カードであるかを判定し、一般カードである場合には、分割数を関連付けた一般カードのみを分割先カードとして排出し、会員カードである場合には、持玉数から分割数を減算した値を関連付けた会員カードを分割元カードとして排出した後に、分割数を関連付けた一般カードを分割先カードとして排出することで、持玉数を分割処理することとしたので、遊技客は分割先カードと分割元カードの2枚の一般カードを取得することがなくなり、その結果として分割先カードと分割元カードの取り違えを防止することができる。
次に、本実施例に係る遊技媒体処理システムのシステム構成について説明する。図2は、本実施例に係る遊技媒体処理システムのシステム構成を示す図である。同図に示すように、この遊技媒体処理システムでは、複数の遊技機20と、各遊技機20にそれぞれ対応して設けられた台間カード処理機10と、カード管理装置40と、会員管理装置50と、複数の島端計数機60と、精算機70と、景品管理装置80とが通信回線90を介して接続されている。なお、複数の遊技機20及び台間カード処理機10は、島コントローラ30を介して通信回線90に接続されている。
遊技機20は、パチンコ玉を遊技領域に打ち込んで遊技客がパチンコ遊技を行うパチンコ機等の装置である。台間カード処理機10は、遊技機20に対する玉貸し処理、遊技機20で獲得したパチンコ玉の計数処理、計数したパチンコ玉を持玉として再投出する処理、貯玉の再プレイ処理などを行う装置である。
この台間カード処理機10には、あらかじめ複数枚の一般カード1が収納部に収納されており、遊技客が遊技を終えてカード返却ボタン21aを押下操作すると、該一般カード1にプリペイド価値並びに持玉数が関連付けた後に返却される。具体的には、このプリペイド価値及び持玉数がカード1に書き込まれるとともに、カード管理装置40で管理されるカード情報40eの内容が更新される。また、一般カード1を受け入れたならば、この一般カード1のプリペイド価値並びに持玉数をカード管理装置40から取得し、取得したプリペイド価値並びに持玉数に基づいてパチンコ玉の貸出処理並びに持玉の投出処理を行う。かかる一般カード1と同様に、会員カード2を受け入れた場合にも、この会員カード2のプリペイド価値並びに持玉数をカード管理装置40から取得し、取得したプリペイド価値並びに持玉数に基づいてパチンコ玉の貸出処理並びに持玉の投出処理を行う。なお、一般カード1又は会員カード2自体にプリペイド価値並びに持玉数を書き込んだ理由は主にオフライン運用を考慮したためであり、通常運用ではカード管理装置40で管理されるカード情報40eが正として取り扱われる。
また、この台間カード処理機10は、持玉が存在する状況下で持玉の分割数を入力する持玉分割操作が行われると、カード種別データ10eを参照してリーダライタ部15bに所在する最先に排出されるカードのカード種別を判定し、このカード種別が一般カードを示す「1」である場合と、会員カードを示す「2」である場合とで異なる持玉分割処理を行うこととしている。
具体的には、リーダライタ部15bに所在する最先に排出されるカードが一般カードである場合には、分割数が関連付けられた1枚の一般カードのみを分割先カードとして排出し、会員カードである場合には、持玉数から分割数を減算した値を関連付けた会員カードを分割元カードとして排出した後、分割数が関連付けられた一般カードを分割先カードとして排出する。分割先カードと分割元カードの取り違えを防止するためである。
島コントローラ30は、遊技島に設けられた一群の遊技機20及び台間カード処理機10を束ねる中継装置である。カード管理装置40は、一般カード1及び会員カード2のプリペイド価値及び持玉数等をカード情報40eとして管理する管理装置である。なお、その詳細な説明は後述するが、かかるカード情報40eには、カードID、プリペイド価値及び持玉数等が含まれる。
会員管理装置50は、遊技店に会員登録された会員の会員データを管理する管理装置である。具体的には、会員に対して発行した会員カードIDに対応づけて、会員の氏名及び住所等の会員データ並びに貯玉データ等を管理する。なお、本実施例では貯玉の分割処理についての説明を省略するが、持玉分割処理と同様に行うことができる。
島端計数機60は、遊技島端等に設けられ、遊技客が獲得したパチンコ玉数を計数し、計数値を一般カード1又は会員カード2に関連付けるか、レシートへ印字して発行する。精算機70は、紙幣挿入部42に挿入された各種紙幣のプリペイド価値が関連付けられた一般カード1又は会員カード2が挿入されると、このプリペイド価値に相当する現金の払出を行う。景品管理装置80は、遊技店内の景品交換カウンターに併設された景品交換用の端末装置であり、貯玉及び持玉の景品交換処理を行う。
次に、図2に示した台間カード処理機10の外観構成について説明する。図3は、図2に示した台間カード処理機10の外観構成を示す図である。同図には、台間カード処理機10が併設される遊技機20が破線で図示されている。また、同図には紙幣のみを受け付ける台間カード処理機10を図示したが、硬貨受け付け用のユニットを設けることもできる。
図3に示すように、台間カード処理機10は、台間カード処理機10の装置の状態を所定色のランプの点灯あるいは点滅で表示する状態表示部11と、パチンコ玉を貸し出す際の各種紙幣を受け付ける紙幣挿入部12とを有する。また、台間カード処理機10は、ディスプレイなどの表示部並びにテンキーや各種ボタンを含む操作部からなる表示操作部13と、遊技機20の上皿21に遊技媒体を供給するノズル14と、カードID、プリペイド価値、貯玉データ及び持玉データが記憶されたカード1を受け付けるカードユニット部15と、携帯端末の識別子であるIDmを読み取る携帯読取部16とが設けられている。
また、台間カード処理機10は、遊技客が獲得したパチンコ玉数を持玉数として計数する計数部17と、獲得玉を貯留する持玉貯留部18とを有する。遊技機20の下皿22から落下した遊技媒体は、持玉貯留部18を経て計数部17へと導かれる。この持玉貯留部18には、持玉数を表示する持玉数表示部18aが設けられている。この持玉数表示部18aは、7セグメント(7SEG)のLCD等で構成され、後述する台間カード処理機10の制御部10fにより表示制御される。
なお、遊技機20には、パチンコ玉を貯留する上皿21及び該上皿21の貯留量が増えたパチンコ玉を貯留する下皿22が設けられている。この上皿21には、カードを返却するカード返却ボタン21aが設けられている。その詳細な説明は後述するが、表示操作部13から所定のパチンコ玉数を入力してカード返却ボタン21aが押下操作されると、持玉分割処理が行われる。なお、このカード返却ボタン21aは、持玉貯留部18に設けることもできる。
次に、図3に示した台間カード処理機10のカードユニット部15について、さらに詳細に説明する。図4は、図3に示したカードユニット部15の概略図である。同図(a)には、カードユニット部15を前面側(同図のZ軸の負方向)からみた概略前面図を示し、同図(b)には、カードユニット部15を側面側(同図のYZ平面で切断しX軸の正方向)からみた概略側断面図を示している。
同図(b)に示したように、カードユニット部15は、カード搬送部15aと、リーダライタ部15bと、収納部15dとを備えている。また、リーダライタ部15bは、アンテナ部15cを有する。このリーダライタ部15bは、図7に示したR/W部10aと同一のものである。なお、カードユニット部15が取り扱う一般カード1及び会員カード2は、ICチップを内蔵するいわゆるICカードであり、あらかじめカードIDが記録されるとともに、持玉数、プリペイド価値などのデータが記録されている。そして、持玉数やプリペイド価値は、カード管理装置40のカード情報40eに記憶される。
カード搬送部15aは、一般カード1又は会員カード2が挿入された場合に、これらのカードを同図のZ軸の正方向へと搬送する。また、一般カード1又は会員カード2を排出する場合には、これらのカードを同図のZ軸の負方向へと搬送する。
リーダライタ部15bは、一般カード1又は会員カード2とのデータ送受信を行うアンテナ部15cを有している。また、リーダライタ部15bは、かかるデータ送受信に際して、一般カード1又は会員カード2をアンテナ部15c上に保持する。したがって、台間カード処理機10が、一般カード1又は会員カード2に関連付けられた持玉数を分割する場合には、かかるリーダライタ部15bの位置までカードを搬送する必要がある。
収納部15dは、遊技店の非会員である一般客に主に利用されるいわゆる一般カード1の収納領域である。所定枚数の一般カード1が、遊技店の開店前にあらかじめ収納部15dに収納される。また、持玉データが関連付けられた一般カード1が挿入口から挿入された場合には、リーダライタ部15bにて持玉データを読み取って関連付けを解消する。関連付けが解消された一般カード1は、収納部15dへ収納される。なお、台間カード処理機10が持玉の分割処理を行う場合には、収納部15dに収納された所定枚数の一般カード1のうち、常に最上位に位置する一般カード1がリーダライタ部15bの位置に搬送されることになる。
次に、図3に示した台間カード処理機10から一般カード1を排出する場合の処理について説明する。図5は、図3に示した台間カード処理機10から一般カード1を排出する場合の処理を説明するための説明図である。
図5(a)に示すように、カードユニット部15の収納部15dには、複数枚の一般カード1が収納されており、この収納部15dに収納した最上部の一般カード1aはリーダライタ部15bに所在している。遊技客が、遊技を開始する前の時点では、台間カード処理機10の記憶部10cに記憶する持玉数10dは「0玉」であるが、遊技客が大当たり等でパチンコ玉を獲得し、計数部17で玉数を計数すると、計数結果が持玉数となる。ここでは、持玉数10dが「4000玉」である場合を示している。
ここで、遊技客がカード返却ボタン21aを押下操作すると、図5(b)に示すように、記憶部10cに記憶した持玉数10dの「4000玉」が一般カード1aに関連付けられるとともに、記憶部10cの持玉数10dが「0玉」に更新され、一般カード1aが排出される。具体的には、一般カード1a内に「4000玉」を示すデータが書き込まれるとともに、台間カード処理機10からカード管理装置40に対してカードIDと持玉数「4000玉」が通知される。なお、かかる一般カード1aを排出したならば、収納部15dに収納した最上部のカード1bがリーダライタ部15bの位置まで搬送される。
このように、遊技客によりカード返却操作がなされると、台間カード処理機10内の持玉数が一般カード1aに関連付けて排出されることになる。なお、ここでは一般カード1aを排出する場合を示したが、会員カード2を排出する場合も同様の処理となる。
次に、図3に示した台間カード処理機10へ一般カード1を挿入した場合の処理について説明する。図6は、図3に示した台間カード処理機10へ一般カード1を挿入した場合の処理を説明するための説明図である。
図6(a)に示すように、遊技客が遊技を開始する前に、カードユニット部15の収納部15dには、複数枚の一般カード1が収納されるとともに、一般カード1bがリーダライタ部15bに所在しており、台間カード処理機10の記憶部10cに記憶する持玉数10dは「0玉」であるとする。
ここで、遊技客が、持玉数「4000玉」が関連付けられた一般カード1aをカード挿入口へ挿入すると、まずリーダライタ部15bの位置に所在する一般カード1bが収納部15dに搬送され、収納部15dに収納した最上部の一般カード1cの上に収納される。そして、リーダライタ部15bの位置が空き状態になったならば、カード挿入口に挿入された一般カード1aが装置内部に取り込まれ、リーダライタ部15bの位置に搬送される。
その後、リーダライタ部15bのアンテナ部15cを介して一般カード1aのカードIDを読み取ってカード管理装置40に送信し、カード管理装置40から該カードIDに対応する持玉数「4000玉」を受け取ったならば、この「4000玉」を記憶部10c内の持玉数10dとして記憶する。
このように、遊技客によりカード挿入操作がなされると、一般カード1aに関連付けられた持玉数が台間カード処理機10内の持玉数10dに移行されることになる。なお、ここでは一般カード1aを挿入する場合を示したが、会員カード2を挿入する場合も同様の処理となる。
次に、図2に示した台間カード処理機10及びカード管理装置40の内部構成について説明する。図7は、図2に示した台間カード処理機10及びカード管理装置40の内部構成を示す機能ブロック図である。
同図に示すように、台間カード処理機10は、R/W部10aと、通信I/F部10bと、記憶部10cと、制御部10fとを有する。この制御部10fには、表示操作部13、計数部17及び持玉数表示部18aが接続されている。
R/W部10aは、受け入れた一般カード1又は会員カード2へのデータの読み書きを行う処理部である。具体的には、一般カード1又は会員カード2が挿入された場合には、該一般カード1又は会員カード2のカードID、プリペイド価値及び持玉数を読み込んで制御部10fに出力する。一般カード1又は会員カード2を返却する場合には、この一般カード1又は会員カード2にプリペイド価値及び持玉数を書き込む処理を行う。なお、一般カード1又は会員カード2にプリペイド価値及び持玉数を書き込む理由は、カード管理装置40との通信が途絶した状況下でもオフライン運用を可能にするためであり、通常はカード管理装置40で管理されたプリペイド価値及び持玉数が正として運用される。
通信I/F部10bは、カード管理装置40とデータ通信を行うためのインタフェース部である。記憶部10cは、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等の記憶デバイスであり、遊技客が保持する持玉を示す持玉数10dと、リーダライタ部15bに所在し最先に排出されるカードが一般カードであるか会員カードであるかの種別を示すカード種別データ10eとを記憶する。具体的には、このカード種別データ10eは、リーダライタ部15bに所在するカードのカード種別を示しており、一般カードである場合には「1」となり、会員カードである場合には「2」となる。
制御部10fは、台間カード処理機10の全体制御を行う制御部であり、持玉管理部10g、持玉分割処理部10h及び払出処理部10iを有する。この制御部10fは、R/W部10aからカードID、プリペイド残高及び持玉数を受け取った場合に、このカードIDを利用して記憶部10c内のカード種別データ10eを更新する。例えば、カードID「10002」のように該カードIDの最上位の数値が「1」である場合には、一般カードであると判定してカード種別データ10eを「1」とし、カードID「00002」のように該カードIDの最上位の数値が「0」である場合には、会員カードであると判定してカード種別データ10eを「2」とする。
持玉管理部10gは、記憶部10cに記憶した持玉数10dを用いて遊技客の持玉数を管理する管理部である。具体的には、新たな持玉が計数された場合には計数値を持玉数に加算処理し、持玉の払い出しが行われた場合には払い出し数を持玉数から減算処理する。一般カード1又は会員カード2を返却する場合には、カード管理装置40に対して持玉数を通知してカード管理装置40により管理されるカード情報40eの更新指示を行う。
持玉分割処理部10hは、持玉の分割処理を行う処理部である。具体的には、表示操作部13を介して持玉を分割するため持玉分割操作を受け付けたならば、記憶部10c内のカード種別データ10eを参照して最新に排出されるカードのカード種別を判定し、このカード種別が一般カードである場合には、該一般カード1に分割数を関連付けて排出する。これに対して、カード種別が会員カードである場合には、該会員カード2に対して持玉数10dから分割数を減算した値を関連付けて分割元カードとして排出した後、分割数を関連付けた一般カード1を分割先カードとして排出する処理を行う。
払出処理部10iは、図示しない持玉払出ボタンが押下操作された場合に、ノズル14を介して持玉数のうちの所定数(例えば、125玉)を遊技機20の上皿21に投出するとともに、貸出ボタンが押下操作された場合には、カード1にプリペイド価値があることを条件に所定数の遊技媒体を払い出すよう遊技機20に指示する処理部である。なお、貯玉の再プレイを行う場合には、ノズル14を介して貯玉数のうちの所定数(例えば、125玉)を遊技機20の上皿21に投出することになる。
次に、カード管理装置40は、入力部40aと、表示部40bと、通信I/F部40cと、記憶部40dと、制御部40fとを有する。入力部40aは、キーボードやマウス等の入力デバイスであり、表示部40bは、液晶パネルやディスプレイ装置等の表示デバイスである。通信I/F部40cは、台間カード処理機10とデータ通信するためのインタフェース部であり、記憶部40dは、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等の記憶デバイスである。
図8に示すように、この記憶部40dには、カードID、プリペイド残高及び持玉数等が対応づけられたカード情報40eが記憶されている。図8は、プリペイド残高「0円」、持玉数「1500玉」がカードID「00001」に対応づけられ、プリペイド残高「0円」、持玉数「500玉」がカードID「00002」に対応づけられた状況を示している。このカードID「00001」及び「00002」は、会員カード2を示すものであるために最上位の数値が「0」とされている。ここでは図示省略するが、このカード情報40eには、「10001」、「10002」等の最上位の数値が「1」となる一般カードのプリペイド残高及び持玉数も管理されている。
制御部40fは、カード管理装置40を全体制御する制御部であり、カード情報管理部40gを有する。カード情報管理部40gは、記憶部40dに記憶したカード情報40eを用いて各カードの持玉数やプリペイド価値を管理する。
次に、図7に示した台間カード処理機10による持玉分割処理時の処理手順について説明する。図9は、図7に示した台間カード処理機10による持玉分割処理時の処理手順を示すフローチャートである。ここでは説明の便宜上、台間カード処理機10に所定数の持玉数10dが記憶されていることとする。
図9に示すように、台間カード処理機10は、まず表示操作部13に操作メニューを表示しつつ所定の持玉分割操作を受け付ける(ステップS101)。具体的には、図10(a)に示すように、表示操作部13に「情報参照」、「ワゴン呼出」、「貯玉」、「持玉分割」の選択メニューを表示する。遊技客が、「持玉分割」を選択操作したならば、テンキーを表示して分割持玉数(分割数)を入力させる。そして、例えば「1000玉」の分割数が入力されたならば、分割結果確認メニューを表示する。
このようにして、持玉分割操作を受け付けたならば、現持玉数10d(A)と分割数(B)から分割後の分割元カードの持玉数(C)を「C=A−B」の算定式を用いて算定する(ステップS102)。その後、記憶部10c内のカード種別データ10eを参照して最新に排出されるカードのカード種別を判定する(ステップS103)。具体的には、このカード種別データ10eが「1」であれば一般カード1であると判定し、カード種別データ10eが「2」であれば会員カード2であると判定する。
そして、会員カードであると判定された場合には(ステップS103:Yes)、分割元カードの持玉数(C)を関連付けた会員カード2を分割元カードとして排出する(ステップS104)。具体的には、この分割元カードの持玉数(C)をカード管理装置40に送信してカード情報40eの書き換え指示を行い、カード情報40eの書き換え完了後に持玉数(C)を会員カード2に記録し、記録完了後に会員カード2を排出する。
その後、分割数(B)を関連付けた一般カード1を分割先カードとして排出する(ステップS105)。なお、一般カードであると判定された場合には(ステップS103:No)、ステップS105に移行して、分割数(B)を関連付けた一般カード1(分割先カード)のみを排出する。かかる場合には、分割元カードは排出しない。分割先カードと分割元カードの取り違えを防止するためである。したがって、かかる場合には、分割元カードの持玉数(C)は、記憶部10c内の持玉数10dとして記憶されたままの状態となるため、遊技客は継続して持玉を用いた遊技を行うことができる。
そして、収納部15dに収納した一般カード1のカード枚数が所定枚数以上あるか否かを確認し(ステップS106)、所定枚数未満となった場合には(ステップS106:No)、表示操作部13にカード枚数不足「NO CARD」を表示して(ステップS107)、遊技客にカード不足を通知する。なお、所定枚数以上が存在する場合には(ステップS106:Yes)、そのまま処理を終了する。
上記一連の処理を行うことにより、リーダライタ部15bに所在し最先の排出されるカードが一般カード1である場合には、分割先カードのみが排出されることになるので、分割元カードと分割先カードの取り違えを未然に防止することができる。かかる場合には、図10(b)に示すように、「このカードをお渡し下さい」と表示することで、円滑な持玉共有を行うことができる。一方、リーダライタ部15bに所在し最先に排出されるカードが会員カード2である場合には、まず分割元カードである会員カード2が排出されるので、図10(c)に示すように「次に出てくるカードを渡した後に、引き続きご利用頂けます」と表示操作部13に表示し、引き続き分割先カードが排出された時点で「このカードを渡して下さい」と表示操作部13に表示することで、分割元カードと分割先カードの取り違えを未然に防止することができる。ここで、会員カード2であると判定された場合には、分割元カードである会員カード2と分割先カードである一般カード1の2枚のカードが排出されるが、会員カード2と一般カード1は印字等が異なるので、カードの取り違えを防止することができる。
次に、リーダライタ部15bに所在し最先に排出されるカードが会員カードであると判定された場合の持玉分割処理についてさらに具体的に説明する。図11は、リーダライタ部15bに所在し最先に排出されるカードが会員カードであると判定された場合の持玉分割処理を説明するための説明図である。ここでは説明の便宜上、持玉の取り扱いについて説明することとし、プリペイド残高についての説明を省略する。
図11(a)は、遊技客が台間カード処理機10に会員カード2を挿入して持玉遊技を行っている時点の状態を示している。記憶部10cの持玉数10dには「4000玉」が記憶され、カードユニット部15のリーダライタ部15bの位置には会員カード2が所在している。また、収納部15dには複数枚の一般カード1が収納されており、その最上部には一般カード1bが存在する。
ここで、分割数「1000玉」の持玉分割操作が行われると、図11(b)に示すように、その時点の持玉数10dの「4000玉」から分割数「1000玉」を減算した「3000玉」が会員カード2に関連付けられた後に、該会員カード2が分割元カードとして台間カード処理機10から排出される。この際、記憶部10cに記憶した持玉数10dが「1000玉」に減算される。
その後、図11(c)に示すように、収納部15dの最上部に収納した一般カード1bが、リーダライタ部15bの位置に搬送され、記憶部10cに記憶した持玉数10d「1000玉」を一般カード1bに関連付ける。そして、図11(d)に示すように、記憶部10cに記憶した持玉数10dを「0玉」に更新し、一般カード1bを分割先カードとして台間カード処理機10から排出する。なお、この時点で収納部15dの最上部に収納した一般カード1cは、リーダライタ部15bの位置に搬送され、収納部15dに収納される複数の一般カード1の最上部には一般カード1dが所在することになる。
このようにして、リーダライタ部15bに所在し最先に排出されるカードが会員カードである場合には、持玉数から分割数を減算した値を関連付けた会員カード2が分割元カードとして排出された後に、分割数を関連付けた一般カード1bが分割先カードとして排出されることになる。
次に、リーダライタ部15bに所在し最先に排出されるカードが一般カードであると判定された場合の持玉分割処理についてさらに具体的に説明する。図12は、リーダライタ部15bに所在し最先に排出されるカードが一般カードであると判定された場合の持玉分割処理を説明するための説明図である。ここでも図11と同様に、持玉の取り扱いについて説明することとし、プリペイド残高についての説明を省略する。
図12(a)は、遊技客が会員カード2ではなく一般カード1を用いて持玉遊技を行っている時点の状態を示している。記憶部10cの持玉数10dには「4000玉」が記憶され、カードユニット部15のリーダライタ部15bの位置には一般カード1aが所在している。また、収納部15dには複数枚の一般カード1が収納されており、その最上部には一般カード1bが存在する。
ここで、分割数「1000玉」の持玉分割操作が行われると、図12(b)に示すように、分割数「1000玉」が一般カード1aに関連付けられた後に、該一般カード1aが分割先カードとして台間カード処理機10から排出される。この際、記憶部10cに記憶した持玉数10dが「3000玉」に更新される。
その後、図12(c)に示すように、収納部15dの最上部に収納した一般カード1bが、リーダライタ部15bの位置に搬送され、収納部15dに収納される複数の一般カード1の最上部には一般カード1cが所在することになる。このようにして、リーダライタ部15bに所在し最先に排出されるカードが一般カードである場合には、分割数を関連付けた一般カード1aのみが排出されることになる。
次に、分割先カードが外部から挿入された場合の持玉分割処理について説明する。図13は、分割先カードが外部から挿入された場合の持玉分割処理を説明するための説明図である。なお、ここでは説明の便宜上、持玉数「0玉」の一般カード1aを外部から挿入する場合を説明することとするが、会員カード2を外部から挿入する場合も同様の処理となる。ここでも図11と同様に、持玉の取り扱いについて説明することとし、プリペイド残高についての説明を省略する。
図13(a)は、一般カード1aを挿入する直前の状態を示している。同図に示すように、この時点では、記憶部10cの持玉数10dに「4000玉」が記憶され、カードユニット部15のリーダライタ部15bの位置には一般カード1bが所在している。また、収納部15dには複数枚の一般カード1が収納されており、その最上部には一般カード1cが存在する。
ここで、分割数「1000玉」の持玉分割操作時に一般カード1aを外部から挿入すると、図13(b)に示すように、リーダライタ部15bの位置に所在する一般カード1bが収納部15dの位置に搬送された後に、外部から挿入された一般カード1aがリーダライタ部15bの位置に搬送される。
そして、図13(c)に示すように、分割数「1000玉」が一般カード1aに関連付けられた後に、該一般カード1aが分割先カードとして台間カード処理機10から排出される。この際、記憶部10cに記憶した持玉数10dが「3000玉」に更新される。また、収納部15dの最上部に収納した一般カード1bが、リーダライタ部15bの位置に搬送され、収納部15dに収納される複数の一般カード1の最上部には一般カード1cが所在することになる。
このようにして、持玉分割操作時に一般カード1aを外部から挿入した場合には、分割数を関連付けた一般カード1aのみを排出することになる。なお、リーダライタ部15bに所在し最先に排出されるカードのカード種別が一般カード1である場合にのみ一般カード1又は会員カード2を外部から受け付けるよう構成することができるが、最先に排出されるカードのカード種別を問わず、一般カード1又は会員カード2を外部から受け付けるよう構成することもできる。
上述してきたように、本実施例では、持玉の分割数を含む所定の持玉分割操作を受け付けた場合に、記憶部10cに記憶したカード種別データ10eを参照してリーダライタ部15bに所在し最先に排出されるカードのカード種別を判定し、一般カードであると判定された場合には、分割数を関連付けた一般カード1を分割先カードとして排出するとともに、会員カードであると判定された場合には、持玉数から分割数を減算した値を関連付けた会員カード2を分割元カードとして排出した後、分割数を関連付けた一般カード1を排出するよう構成したので、持玉分割を行う際の遊技客による分割元カードと分割先カードの取り違えを未然に防止することができる。
なお、本実施例では、リーダライタ部15にカードを保持する例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、リーダライタ部15にはカードの読み書きのみを行わせてカードを保持させず、該カードを収納部15dで保持させるようにしても良い。この場合は、カードを排出する際に保持部15dに保持したカードをリーダライタ部15に搬送して該リーダライタ部15の位置でカードの読み書きを行い、読み書き終了後にカードを排出することになる。また、装置外部から分割先カードを挿入する場合であれば、分割先カードが挿入された際にリーダライタ部15に保持したカードを収納部15dに移動させる必要がなくなり、分割先カードに対してリーダライタ部15で分割数を書き込めば良いことになるので、操作性が向上する。
また、本実施例では、一般カード1又は会員カード2の持玉数をこれらのカードに書き込むとともに併せてカード管理装置40で管理する場合を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、カード内又はカード管理装置40のいずれか一方で管理する場合に適用することもできる。
また、本実施例では、持玉を分割処理する場合を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、貯玉等を分割処理する場合に適用することもできる。さらに、上記実施例では、台間カード処理機10からノズルを介して持玉を払い出す場合を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、台間カード処理機10から遊技機20に対して払出指示を行い、遊技機20の内部からパチンコ玉を払い出す場合に適用することもできる。
また、本実施例では、カード管理装置40と会員管理装置50を別装置とする場合を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、カード管理装置40と会員管理装置50を一体化した場合に適用することもできる。
また、本実施例では、台間カード処理機10で分割処理を行う場合を示したが、機能の一部を島コントローラ30やカード管理装置40に持たせて、システムとして同様の機能を達成するようにしても良い。なお、機能の一部を島コントローラ30やカード管理装置40以外の機器に持たせることもできる。
また、いわゆるダブルサンドと呼ばれる台間カード処理機(CRユニット)と各台計数機が分離されたものの場合は、計数機能や持玉分割機能を、貸出機能を持つ台間カード処理機(CRユニット)とは別体の装置に持たせても良い。さらに、本実施例では、本発明をカードに適用した場合を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、コインや携帯電話等の他の記録媒体を用いる場合に適用することもできる。