JP5650778B2 - 藻類の急速増殖培養装置及びその急速増殖培養方法 - Google Patents

藻類の急速増殖培養装置及びその急速増殖培養方法 Download PDF

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Description

本発明は、藻類の急速増殖培養装置およびその方法並びに藻類からの油分の抽出装置および抽出方法に関するものであり、特に、広大な培養面積を要することなく、低コストで、大量生産可能なように短期間の増殖を可能とし、価格競争力があり、培養された藻類の細胞内に存在する油分の抽出を常温でしかも圧搾を必要とせずに低コストで抽出できる藻類の急速増殖培養装置及びその急速増殖培養方法並びに藻類からの油分の抽出方法に関する。
近年の地球温暖化に対する危機意識の高まり、また、原油価格の高騰、更に、2011年3月11日に発生した東日本大震災に起因する原子力発電所の事故による脱原発の動きなどから、将来の代替エネルギーが模索されており、その中でも、藻類を用いて生産するバイオ燃料が注目されている。
藻類は、水中に生息している植物の総称であり、主に光合成によって増殖する。その一部には育成の過程において燃料を生産するものがある。藻類は成長する際にCO2を吸収し、また増殖が速いという特徴を有しているため、原油や食糧の価格高騰と地球温暖化を同時に解決するソリューションとして、藻類を利用したバイオ燃料生産に対する注目が高まっている。
ところで、藻類から得られるバイオ燃料の単位面積当りの生産量は、例えば、大豆が0.5kl/ha・年、サトウキビが4.2kl/ha・年、ヤシが6.1kl/ha・年であるのに対して、藻類から得られるバイオ燃料の場合、その生産量は18.7kl/ha・年以上とされており、食用植物などからの生産量に比較して大きく上回ると報告されている。このため、藻類バイオ燃料の事業化は、将来的に効率的な燃料確保の方法として大きな期待が持たれている。
日本でも、いくつかの藻類バイオ燃料についてのプロジェクトが報告されており、その研究内容は大きく分けると以下の3種類に分けられる。
(1)オーランチオキトリウムを用いた研究
(2)シュードコリシスチス・エリプソイディアを用いた研究
(3)ボトリオコッカス・ブラウニイを用いた研究
このうち、オーランチオキトリウムは、クロロフィルを持たない(光合成を行わない)従属栄養型の藻類で、細胞は球形で直径、数μm程度である。それ自身では光合成ができないのでCO2以外の炭素化合物(つまり他の植物が光合成によって得た有機炭素化合物)を取り込むことで増殖と油脂の生産を行う。
シュードコリシスチス・エリプソイディア(以下、シュードコリシスチスという)は、光合成により二酸化炭素を吸収して増殖するが、窒素が不足すると軽油の主成分と同じ炭化水素を成分とする油を作り細胞内に蓄積する特長を持っている。また、重量の最大3割が軽油留分となり、残渣からバイオエタノール燃料も製造できることから、地球温暖化対策に貢献できる藻として注目されている。
ボトリオコッカス・ブラウニイ(以下、ボトリオコッカスという)は、淡水に生息する藻類で、緑色〜赤色で30〜500μmのコロニーを形成する。光合成により炭化水素を生産し、細胞内およびコロニー内部に乾燥重量の20〜75%の炭化水素を蓄積する。筑波大の報告では、植物油の中でも生産性が高いパーム油と比較して3倍以上の高い生産性である。
オーランチオキトリウムは、ボトリオコッカスと比較して増殖スピードが適切な温度環境下では36倍と速く、オイル生産効率は単純計算でボトリオコッカスの10倍以上となると報告されている。また、シュードコリシスチスは単細胞であるため、コロニーを作るボトリオコッカスと比較して生産効率が高いと報告されている。
光合成を行う藻類を採用したプロジェクト(上記(2)と(3))と、従属栄養型の藻類を採用したプロジェクト(上記(1))を比較すると、光合成藻類採用プロジェクトの方が研究の速度が速いように思われる。
従属栄養型の藻類では一般的な発酵石油エネルギー技術センタータンクを用いて培養を行うが、オーランチオキトリウムの場合は培養温度が15℃なら6時間、20℃なら4時間で倍に増えると報告されており、石油精製会社にとっても、「製油所内に浄水および海水の温排水が多量に存在し温度管理が容易」、「生成したバイオ燃料の改質および精製に従来技術を適用出来る」、「製品の貯蔵や配送に既存の設備が使える」、「光合成藻類と組み合わせる場合は水素製造装置からのCO2を原料として使用可能」など、多くのメリットが考えられている。
一方、動物と植物の中間的性質を持つ単細胞生物である
(4)ミドリムシを用いた研究
も報告されている。
このミドリムシを用いた研究では、ミドリムシを、多量のCO2を含む火力発電所の排ガスを使って培養し、このミドリムシからバイオ燃料を作ることが研究されている。
ミドリムシは体長約0.1ミリで、水田などに住んでおり、光合成によりCO2を吸収する植物の性質を持ちつつ、鞭毛という器官で動物のように動く。光合成能力が高いのが特徴で、排ガス中の豊富なCO2で光合成をし、増殖速度は空気を通した場合の最大20倍に達したことが報告されている。これによると、排ガスのCO2を減らしたうえ、代替燃料を作る新たな温暖化対策としても有効と考えられる。
なお、以下、上記(1)〜(3)の各藻類、(4)のミドリムシを総称して、「藻類」と呼ぶこととし、説明することとする。
しかしながら、このような藻類を用いたバイオ燃料生産方法によれば、以下のような問題がある。
(1)殆どのものが研究開発段階のものであり、藻類の増殖速度が比較的緩やかなため、商業生産のプロセスが確立されておらず、現段階では、価格競争力が無いという問題がある。
(2)光合成型の藻類では、大量生産を行う段階で、培養に広大な面積が必要となり、農地と競合する可能性が高いという問題がある。
(3)従属栄養型の藻類では、培養タンクに大量の栄養素を投入する必要があるため、製品価格が原料(食糧)価格に左右されてしまうと言う問題がある。
(4)油分を細胞内に保有していの藻類から、油分を取り出す方法に、圧搾方法や加熱方法などが知られているが、何れも大きなエネルギーを消費してしまいコスト高になってしまうという問題がある。
従って、本発明の目的は、広大な培養面積を要することなく、低コストで、大量生産可能なように短期間の増殖を可能とし、価格競争力がある藻類の急速増殖培養装置およびその急速増殖培養方法を提供することにある。
また、本発明の目的は、培養された藻類の細胞内に存在する油分の抽出を常温でしかも圧搾を必要とせずに低コストで抽出できる藻類からの油分の抽出方法を提供することにある。
本発明は、藻類を急速に増殖培養するための藻類の急速増殖培養装置であって、塩化カリウムを電解質として水道水又は井戸水を電気分解しアルカリ性水を生成する電解水生成装置と、前記生成されたアルカリ性水が供給される培養槽と、前記培養槽に対して発酵発生させた二酸化炭素を供給する二酸化炭素発酵発生装置と、を有し、前記培養槽は、前記アルカリ性水で前記培養槽内の水道水又は井戸水からなる培養液を希釈して培養原水とし、該培養原水を加温する加温器と、該培養原水への酸素の供給および加温の温度を均一環境にするための攪拌機と、該培養原水に浸漬されて該培養原水に電圧10,000V以上で電流0.1A以下の超高電圧低電流を印加する放電部材と、を備えたことを特徴とする藻類の急速増殖培養装置を提供するものである。
以上の構成において、前記電解水生成装置で生成されるアルカリ性水は、pH9.0以上で還元電位が200mv以下であることが望ましい。
また、前記電解水生成装置は、一隔膜式、二隔膜三室型又は無隔膜式の電解水生成装置であることが望ましい。
また、前記培養原水は、pH7.1以上の弱アルカリ環境で還元電位が650mv以下に調整されていることが望ましい。
また、前記培養原水に、肥料としてアミノ酸又はペプチドが供給されることが望ましい。
また、前記二酸化炭素発酵発生装置は、クエン酸と重曹を1対1で混合した混合物に水を添加して発酵溶解液として二酸化炭素を自然発酵させる発酵槽と、該発酵槽で発酵した二酸化炭素ガスを外部に排出する排出口と、該排出された二酸化炭素ガスを前記培養槽に供給する供給配管と、該供給配管を通じて供給される発酵した二酸化炭素ガスを前記培養槽内で気泡にして発生させるガス気泡発生部と、から構成されることが望ましい。
また、本発明は、藻類を培養槽で培養して急速に増殖培養するための急速増殖培養方法であって、塩化カリウムを電解質として水道水又は井戸水を電解してアルカリ性水を生成して前記培養槽に供給し、前記培養槽に対して発酵発生させた二酸化炭素を供給し、前記供給されたアルカリ性水で前記培養槽内の水道水又は井戸水からなる培養液を希釈して培養原水とし、該培養原水を20度〜30度に加温して攪拌し、前記加温攪拌された培養原水に電圧10,000V以上で電流0.1A以下の超高電圧低電流を印加する、ことを特徴とする藻類の急速増殖培養方法を提供するものである。
以上の構成において、前記アルカリ性水は、pH9.0以上で還元電位が200mv以下であることが望ましい。
また、前記培養原水は、pH7.1以上の弱アルカリ環境で還元電位が650mv以下に調整されていることが望ましい。
本発明によれば、前記のように構成されるので、藻類に対する培養液の性状を確保し、藻類に最適な弱アルカリ性水酸イオン(OH)環境と、還元電位650mv以下で水温20度以上30度以下の環境にし、更に肥料とする有機物は可能な限り動物性たんぱく質を亜臨界方法などでペプチド又はアミノ酸に分子化された有機物を最適肥料として用いるようにしたので、藻類は最も生育促進効果を発揮する装置と環境と肥料にすることで全体の最適化が図れる。
また、油分を取り出すために、電解酸性水により細胞を酸化させて破壊(分解)し抽出するようにしたので、圧縮機械など導入しなくても、急速増殖培養装置のみで増殖から油分抽出まで完結させることができるため、低コストで、かつ、安全に抽出することができる。
本発明の実施の形態に係る藻類の急速増殖培養装置の概略構成を示した模式図である。 図1における二酸化炭素発生発酵装置の模式図である。 成長点に生育した藻類の状態を示す図である。 比重の軽い抽出油分が装置上部に集積する状態を示す図である。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、藻類の急速増殖培養装置の概略構成を示す図であり、図2は、二酸化炭素を発酵発生させてこの急速増殖培養装置に提供する二酸化炭素発生発酵装置の模式図である。
図1に示すように、この急速増殖培養装置1は、ミドリムシ、ボトリオコッカス、オーランチオキトリウム・シュードコリシスチスなどの藻類が培養される培養槽100と、植物(藻類)の呼吸の目的である炭素(C)を大気以外からこの培養槽100に取り込ませるために、二酸化炭素を発酵発生させて供給する二酸化炭素発酵発生装置10と、この培養槽100に電解水を供給する電解水生成装置600とから構成される。なお、電解水生成装置600と二酸化炭素発酵発生装置10は、培養槽100の外に設けられている。
以上の構成において、電解水生成装置600は、水道水又は井戸水500を電解原水とし、塩化カリウム(KCl)を電解質として電解する1隔膜式の電解装置であり、陽イオン透過膜を通過して陰極室内に移動したカリウムイオンが陰極室内で水酸化カリウムイオン(KOH)として生成されるように陰極に電位を印加し、水酸化カリウムイオン(KOH)を含むpH9以上で還元電位(ORP)が200mv以下の塩素(Cl)を含まないアルカリ性水を生成し、培養槽100に供給する。なお、電解水生成装置600の電極母材はチタンを用いるが、ステンレスであっても良い。チタン電極の場合は、白金及びイリジウムメッキを施しても良い。
培養槽100には、培養液内に浸漬され培養液を一定の温度に加熱する加温器300と、藻類や後述する肥料を攪拌するとともに培養液の上部と下部の温度差や酸素量の差や各種肥料分を均等にさせる攪拌機200と、培養液に10,000ボルト以上、0.1アンペア以下の超高電圧低電流を印加する放電部材700と、培養液を外部に排出する排水口400と、が設けられている。
培養槽100内の培養液は、前述した電解水生成装置600から供給されるアルカリ性水を水道水又は井戸水で希釈したものであり、pH7,0から8.0付近で還元電位が650mvから500mv付近に調整される。この培養液は、加温器300によって20度〜30度(望ましくは25度付近)に加温される。
そして、培養槽100には、肥料として、ペプチド又はアミノ酸が供給される。このペプチド又はアミノ酸は、動物性有機物(動物の糞尿や魚の内臓の残渣など)を亜臨界処理することにより生成されるものである。このペプチド又はアミノ酸を肥料として用いるようにしたのは、動物も植物も全ての細胞増殖にタンパク質の合成が不可欠で、そのタンパク質はアミノ酸やペプチド分子から構成されるからである。従って、ペプチド又はアミノ酸は有機物に栄養分として吸収されやすい。そこで、培養槽100内に供給される培養液にこれらを混合させて、吸収させ増殖を加速させる。
培養槽100内に配設した放電部材700は、微生物により消費される電子(e)の補充の為に培養液に電位を印加するものである。前述したアミノ酸はペプチドという段階を踏んでタンパク質になるが、アミノ酸鎖がペプチド鎖になる時に、鎖と鎖を繋ぐのが電子(e−)である。通常は、この電子(e−)を細胞の表面で作り出して合成しているが、細胞の能力には限界が有り、瞬時に沢山の合成が出来ない。
そこで、培養液中に放電部材700を浸漬して、超高電圧低電流(10,000ボルト以上、0.1アンペア以下の超高電圧低電流、出来れば10,000v以上で500,000万v以下で、0.1アンペア以下のミリアンペアの超高電圧低電流とすることが危険が無く望ましい)で印加すると、H2Oから電子(e−)が発生する。この時の培養液の環境は必ず弱アルカリ環境になる。
弱アルカリ環境とは、pHが7.1以上9.0未満のことをいうが、同時に電子(e−)が発生し、還元電位(ORP)は−(マイナス)電位として放電部材700付近に高濃度で650mv以下の500mv方向に生成される。この−(マイナス)電位は水酸イオン(OH−)を発生させる。この水酸イオン(OH−)はたんぱく質の構成要因となり、生育速度の高速化が実現する。
また、一度、培養液に藻類を入れると、生育促進環境の水質から電子(e−)や水酸イオン(OH)が消費されてしまう。その為に放電部材700を培養液内に浸漬して電子(e−)や水酸イオン(OH)を補充し続けるようにしたものである。
なお、培養槽100は、槽内で培養液の温度差が大きくならないようにするために、深さは3m以下で、幅が3m以下で、長さ10m以下の長方形の大きさであることが望ましい。また、培養槽100から培養液を排出する場合に、排水口400のバルブ解放により、排出に不必要なエネルギー使用を防止するため、培養槽100は2%以上の傾斜の付く床面配置が望ましい。なお、図示しないが、放電部材700の制御部は培養槽100の外部に固定されている。
一方、二酸化炭素発酵発生装置10は、電気などのエネルギーを使わないクエン酸と重曹を1対1で混合した混合物20に水を添加して発酵溶解液30とし、これからCO2を自然発酵させ、発酵発生したCO2を外部に供給する装置であり、その発酵を行う発酵槽11と、発酵槽11で発酵したCO2ガスを外部に排出する排出口12と、排出されたCO2を培養槽100に供給する供給配管13と、供給配管13を通じて供給される発酵したCO2ガスを培養槽100内で気泡にして発生させるCO2ガス気泡発生部14とからなる。
以下、この急速増殖培養装置1を用いた急速増殖培養方法を説明する。
電解前の水道水又は普通の井戸水は、Ph7.0付近、還元電位は700mvから650mv付近であり、電子(e−)や水酸イオン(OH)はない。この水を、塩化カリウム(KCl)を電解質として電解水生成装置600で電解する。
この電解水生成装置600による電解により、水酸化カリウムイオン(KOH)とpH9以上で還元電位(ORP)が200mv以下のアルカリ性水が生成される。このアルカリ性水を培養槽100に供給する。
供給されたアルカリ性水は、培養槽100内の水道水又は井戸水と混合されて培養液となり、この培養液がpH7.0から8.0付近で還元電位が650mvから500mv付近に調整される。この培養液を加温器300によって25度付近に加温する。これに、藻類を供給する。そして、肥料として、動物性有機物を亜臨界処理を行うことで製造したアミノ酸又はペプチドを供給し混合する。
更に、二酸化炭素発酵発生装置10から、発酵発生したCO2ガスの圧力で培養槽100の培養液中にCO2ガスを放出する。そして、槽内の培養液を均一化環境にするために攪拌機200で撹拌する。攪拌された培養液は、培養槽100内を緩やかに循環しながら培養槽100内に配設された放電部材700の間を通過する。
放電部材700の間を通過した培養液には超高電圧低電流が印加され、pHは7.1以上9.0未満の弱アルカリ環境に保たれる。同時に電子(e−)が発生し、還元電位(ORP)は−(マイナス)電位として放電部材700付近に高濃度で650mv以下の500mv方向に生成される。この−(マイナス)電位が水酸イオン(OH−)を発生させる。このように、放電部材700による超高電圧低電流の印加で培養液を弱アルカリ環境にし、水酸化イオン(OH−)と電子(e−)を培養液内に継続的に補充し続けることにより、生育速度を高速化することが可能となる。
成長点に生育した藻類から油分を取り出すには、電解酸性水により細胞を酸化させて破壊(分解)し抽出する細胞酸化分解抽出方法を採用する。この抽出方法は、培養された藻類の細胞膜内に存在する油分の抽出を常温でしかも圧搾を必要とせずに抽出する方法である。
具体的には、図3に示すように成長点に生育した藻類50に対して、塩化物(Cl)を電気分解して得られたpH3,0付近で50ppm付近であって還元電位(ORP)が1,000mv付近の次亜塩素酸(HClO)を、既定の濃度に培養された培養槽100内の培養液に1%混合すると、水道水と比較して電子が不足した水になるため、この電子が不足した水が原核細胞(原生生物)の細胞膜(タンパク質)から電子を奪い、細胞膜は酸化されて瞬時に破壊され死滅する。この時、細胞膜内の内容物(油分)は外圧をかけることなく自然に吹き出し、図4に示すように、水(培養液40)に比較して比重の軽い油分30は培養槽100上部に集積する。
そうすると、圧縮機械など導入しなくても、急速増殖培養装置のみで増殖から油分抽出まで完結させることができるため、低コストで、かつ、安全に抽出することができる。
<まとめ>
このように、培養槽に水酸化カリウムイオンを高純度に含んだアルカリ性水を供給するための電解水生成装置を配設し、培養槽内には培養液を加温する加温器と培養液を槽内の均一化環境にするための攪拌機を配設し、微生物により消費される電子(e)の補充の為に培養液に放電部材を配設して電位を印加し、還元電位を650mv以下の電子(e)が通常の水道水及び井戸水より多く含んだ環境にし、微生物が細胞分裂して増殖を行う時に必要な電子(e)を放電部材間を通過した培養液から電子(e)と水酸化イオンを生成し、微生物の生育環境に適した弱アルカリ性環境の水質を生成させることにより、微生物の生育促進を可能にし、二酸化炭素の生成コストを大幅に低減する効果が出来る。
また、培養液にペプチド又はアミノ酸を含んだ有機肥料を混合することで、微生物はタンパク質を分解してアミノ酸やペプチドに一度分解する工程が削減され、微生物の生育速度は急速に促進される効果が有る。
また、ペプチドやアミノ酸は、動物性有機物を亜臨界処理を行うことで製造することができ、微生物にとっては微生物の細胞内で行われる電気分解の作用が省かれたことになるので新しいタンパク質合成が早まる効果が有る。また、アミノ酸とペプチド分子に分解した溶液を藻類の肥料とすることで、還元電位と水酸イオンにより藻類の単細胞の大きさと増殖(タンパク質合成)速度を向上させる生育促進が得られる。
また、培養液に放電部材を配設して電位を印加すると、培養液はアルカリ環境に移行し、電子(e)が豊富に培養液内に存在し、電子(e)はアミノ酸からペプチド合成やペプチドからタンパク質合成に必須の電子(e)が、微生物の細胞の中で合成しなくても供給されるため、細胞増殖は急速に行われる効果が有る。
また、水酸化イオンには塩化カリウムが分解されて、水酸化カリウム(KOH)として微生物に吸収されやすく新たなたんぱく質の合成が行われ易くなる効果が有る。
なお、本実施の形態では、一隔膜式でアルカリ性水生成専用の電解水生成装置を用いた例を示しているが、これに限られるものではなく、藻類の培養槽に水酸化カリウムイオンを生成供給するのであれば、無隔膜式又は二隔膜式のいずれでも良い。
なお、無隔膜式の電解水生成装置の場合、電解質としての塩化カリウム(KCl)を電解し、肥料となる有機物を混合する場合には、藻類にダメージを与えるおそれがあるので、次亜塩素酸(HOCl)を有機物で中和した物を培養液に供給するのが望ましい。
また、油分を取り出すには、電解酸性水により細胞を酸化させて破壊(分解)し抽出するようにしたので、圧縮機械など導入しなくても、急速増殖培養装置のみで増殖から油分抽出まで完結させることができるため、低コストで、かつ、安全に抽出することができる。
10 二酸化炭素発酵発生装置
11 発酵槽
12 排出口
13 供給配管
14 CO2ガス気泡発生部
20 混合物
30 油分
40 培養液
50 成長点に育成した藻
100 培養槽
200 攪拌機
300 加温器
400 排水口
600 電解水生成装置
700 放電部材

Claims (9)

  1. 類を急速に増殖培養するための藻類の急速増殖培養装置であって、
    塩化カリウムを電解質として水道水又は井戸水を電気分解しアルカリ性水を生成する電解水生成装置と、
    前記生成されたアルカリ性水が供給される培養槽と、
    前記培養槽に対して発酵発生させた二酸化炭素を供給する二酸化炭素発酵発生装置と、を有し、
    前記培養槽は、前記アルカリ性水で前記培養槽内の水道水又は井戸水からなる培養液を希釈して培養原水とし、該培養原水を加温する加温器と、該培養原水への酸素の供給および加温の温度を均一環境にするための攪拌機と、該培養原水に浸漬されて該培養原水に電圧10,000V以上で電流0.1A以下の超高電圧低電流を印加する放電部材と、
    を備えたことを特徴とする藻類の急速増殖培養装置。
  2. 前記電解水生成装置で生成されるアルカリ性水は、pH9.0以上で還元電位が200mv以下であることを特徴とする請求項1に記載の藻類の急速増殖培養装置。
  3. 前記電解水生成装置は、一隔膜式、二隔膜三室型又は無隔膜式の電解水生成装置であることを特徴とする請求項1に記載の藻類の急速増殖培養装置。
  4. 前記培養原水は、pH7.1以上の弱アルカリ環境で還元電位が650mv以下に調整されていることを特徴とする請求項1に記載の藻類の急速増殖培養装置。
  5. 前記培養原水に、肥料としてアミノ酸又はペプチドが供給されることを特徴とする請求項1に記載の藻類の急速増殖培養装置。
  6. 前記二酸化炭素発酵発生装置は、クエン酸と重曹を1対1で混合した混合物に水を添加して発酵溶解液として二酸化炭素を自然発酵させる発酵槽と、該発酵槽で発酵した二酸化炭素ガスを外部に排出する排出口と、該排出された二酸化炭素ガスを前記培養槽に供給する供給配管と、該供給配管を通じて供給される発酵した二酸化炭素ガスを前記培養槽内で気泡にして発生させるガス気泡発生部と、から構成されることを特徴とする請求項1に記載の藻類の急速増殖培養装置。
  7. 類を培養槽で培養して急速に増殖培養するための急速増殖培養方法であって、
    塩化カリウムを電解質として水道水又は井戸水を電解してアルカリ性水を生成して前記培養槽に供給し、
    前記培養槽に対して発酵発生させた二酸化炭素を供給し、
    前記供給されたアルカリ性水で前記培養槽内の水道水又は井戸水からなる培養液を希釈して培養原水とし、
    該培養原水を20度〜30度に加温して攪拌し、
    前記加温攪拌された培養原水に電圧10,000V以上で電流0.1A以下の超高電圧低電流を印加する、
    ことを特徴とする藻類の急速増殖培養方法。
  8. 前記アルカリ性水は、pH9.0以上で還元電位が200mv以下であることを特徴とする請求項に記載の藻類の急速増殖培養方法
  9. 前記培養原水は、pH7.1以上の弱アルカリ環境で還元電位が650mv以下に調整されていることを特徴とする請求項に記載の藻類の急速増殖培養方法
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