JP5648122B2 - 切断性が改善され、軟性組織及び薄い骨の詰まりが軽減される回転切断処置具 - Google Patents

切断性が改善され、軟性組織及び薄い骨の詰まりが軽減される回転切断処置具 Download PDF

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Description

細長い内側部材(例えば、硬質シャフト又はチューブ)が細長い外側チューブ部材の内部で回転する外科用切断機器は、狭いポート又は通路を通って外科手術場所に到達させる外科処置において、利用される。一般に、外側チューブ部材は、切断窓又は切断ポートを規定する開口が形成される先端部を備え、内側部材は、窓で生体組織を切断する切断チップが形成される先端部を備える。内側部材及び外側部材の基端部は、共通のハブに固定され、ハブは、内側部材を外側チューブ部材に対して回転及び/又は振動させる電動ハンドピースに、取付けられている。内側部材の切断チップは、疑わしい部位での外科処置(例えば、切断、切除、剥離、シェービング等)に特有の様々な構成を有し、切断窓は、協働する特定の構成の切断チップに適合する構成である。
大抵の場合、内側部材は、硬質ではないがチューブ状であり、切断、切除又は剥離処置によって生じた遊離組織(loose tissue)は、内側部材の中空ルーメンを通って吸収可能である。洞外科手術、アデノイド切除術、喉頭部外科手術等のENT(すなわち、耳、鼻、咽喉)処置への適用を特に参照とすると、極度に鋭いマイクロ切除ブレード又は切断チップが、所望の処置を行うことに用いられる。
このような外科用切断機器の使用では、一般的に、目標場所に切断チップ/切断窓が配置され、切断チップが所望の組織に“接触する”状態に切断窓が位置決めされる。所望の組織が処置された後に、その他の組織が扱われ、切断チップがその他の組織に接触する状態に切断窓が位置決めされる。様々な種類の組織が、ある外科処置の被検体となっている。このように、目標場所での最初の位置決めでは、切断窓は処置の最初の段階における最適な設計となっているが、異なる場所の組織によって抜脱が必要となり、このような組織は、先行して扱った組織と種類が同一だったり、同一でなかったりする。抜脱を行わない場合、機器が新たに扱う種類の組織に対して、機器が最適な設計とならない。
また、組織の種類に関係なく、外科用切断機器での閉塞(obstruction)が明確な問題となる。特に、ある種類の組織(例えば、薄い骨)によって、このような外科機器で、その他の種類の組織より頻繁に詰まりが発生し易く、(おそらくより重要であるが、)術者の期待(すなわち、決して詰まりが起こらないという期待)より頻繁に詰まりが発生し易い。このような詰まりによって、目標場所からの切断窓/切断チップの抜脱が必要となり、窓の洗浄、又は、器具の一部又は全ての取替えが、行われる。これにより、外科処置が長くなり、このことは、望ましくない。
外科用切断機器が画像誘導外科手術(IGS)システムと伴に用いられる場合、さらなる問題が発生する。特に、IGSでは、目標場所に一旦配置された切断窓/切断チップの記録が、一般に行われる。そして、切断機器を再び挿入した後に、切断窓/切断チップをIGSシステムに対して再び記録しなければならず、外科処置がさらに長くなる。
詰まりの問題に含まれることとして、異なる種類の組織は器具に詰まる傾向が異なるという現実が、ある。ある外科処置において、扱う組織の種類より多い切断チップ/切断窓の構成の使用が、術者にとって必要となることは、一般的に望ましくない。同様に、ENT外科手術の分野の範囲内で扱う可能性のある処置(前述した様々な範囲の処置)の種類より多い切断チップ/切断窓の構成の使用が、術者にとって必要となることは、一般的に望ましくない。
このように、外科用切断機器が有効に用いられる一方で、特に、様々な範囲の組織の種類及び処置を扱う場合に、切断窓での詰まりを防止する必要性は、十分に扱われていない。したがって、様々な組織の種類及び/又は様々な処置が扱われるとともに、詰まりが軽減される設計の外科用切断機器が、非常に必要となる。
一般に、外科用切断機器は、2つの同軸に配置されるチューブ部材を備える。前記第1のチューブ部材は、切断チップを有し、前記第2のチューブ部材の内部に同軸に配置され、前記第2のチューブ部材は、切断窓を有し、前記切断チップは、前記切断窓を通して組織及び骨に接触する。前記チューブ部材の互いに対する移動により、前記切断窓を向く軟性組織及び薄い骨が切除される。(外側の)前記第2のチューブ部材は、全体として前記切断チップの詰まりの軽減に寄与する1以上の特徴を、有する。
ある実施形態では、外科用切断機器は、2つの同軸に配置されるチューブ部材を備える。前記第1のチューブ部材は、切断チップを有し、前記第2のチューブ部材の内部に同軸に配置され、前記第2のチューブ部材は、切断窓を有し、前記切断チップは、前記切断窓を通して組織及び骨に接触する。前記チューブ部材の互いに対する移動(一方又は両方が、中心軸を中心に回転するか、又は、このような軸に沿って長手方向に移動するか)により、前記切断窓を向く軟性組織及び薄い骨が切除される。(外側の)前記第2のチューブ部材は、切断動作に寄与する一対の切断歯を有する。前記歯の幾何学形状により、全体として切断チップの詰まりが軽減され、特に、前記切断窓は、互いに反対方向を向いた前記一対の歯によって、互いに対して分離される第1及び第2の開口断面を備える。前記歯が占める面積、前記歯でなければ開口する前記切断窓となる面積により、前記切断窓に入る(及び貼付く)組織粒子(特に軟骨の一片)のサイズが小さくなり、前記切断窓の詰まりが軽減される。
別のある実施形態では、外科用切断機器は、2つの同軸に配置されるチューブ部材を備える。前記第1のチューブ部材は、切断チップを有し、前記第2のチューブ部材の内部に同軸に配置され、前記第2のチューブ部材は、切断窓を有し、前記切断チップは、前記切断窓を通して組織及び骨に接触する。前記チューブ部材の互いに対する移動(一方又は両方が、中心軸を中心に回転するか、又は、このような軸に沿って長手方向に移動するか)により、前記切断窓を向く軟性組織及び薄い骨が切除される。外側の前記第2のチューブ部材は、必ずしも一対の歯を有する必要はなく、代わりに、前記切断窓は、単に第1及び第2の開口断面を備え、前記切断窓の前記第1の開口断面は、Aと示す面積を有し、中空の前記第1の部材は、Bと示す断面積を有し、AとBとの比率は、おおよそ、1:1と2:1との間である。
別のある実施形態では、外科用切断機器は、2つの同軸に配置されるチューブ部材を備える。前記第1のチューブ部材は、切断チップを有し、前記第2のチューブ部材の内部に同軸に配置され、前記第2のチューブ部材は、切断窓を有し、前記切断チップは、前記切断窓を通して組織及び骨に接触する。前記チューブ部材の互いに対する移動(一方又は両方が、中心軸を中心に回転するか、又は、このような軸に沿って長手方向に移動するか)により、前記切断窓を向く軟性組織及び薄い骨が切除される。寸法とは関係なく、前記切断窓は、基端側の台形状“ベース”部と、略半円状の先端側部と、を備える。
ある実施形態の外科用切断機器の斜視図。 図1の機器の先端部を、明瞭性のために拡大して、一部断面で示す概略図。 ある実施形態の外科用切断機器の先端部の側面図。 ある実施形態の外科用切断機器の先端部の平面図。 詳細構成を省略することによって単純化された図3Aに対応する側面図であり、必ずしも図3Aに示される実際の構成ではない側面図。 詳細構成を省略することによって単純化された図3Bに対応する平面図であり、必ずしも図3Bに示される実際の構成ではない平面図。
発明の詳細な説明
以下の記載と大体が同様である初期型の外科用切断機器は、米国特許出願公開2005/0277970号明細書に開示され、ここでの記載は、参照として本願に含まれる。一般に、このような機器は、基端側ハンドピースと、基端側ハンドピースから先端方向へ延設される処置具と、を備える。ここでは、改良された外科用切断機器30の好ましいある実施形態が、図1に示されている。外科用切断機器30は、第1のブレード部材又はブレードアセンブリ32と、第2のブレード部材又はブレードアセンブリ34と、ハンドピース36と、を備える。これらの構成要素は、周知であり、以下でさらに詳細に説明する。しかし、一般に、第1のブレードアセンブリ32は、切断チップ42を有する第1のチューブ部材40を備える。第2のブレードアセンブリ34は、切断窓46を有する第2のチューブ部材44を備える。第1のチューブ部材40は、第2のチューブ部材44の内部に同軸に配置され、切断チップ42は、切断機器30の先端部230に設けられる切断窓46で、露出している。
先端部230の一般的な構成は、図2でより詳細に示されており、図2は、実際の切断表面の構成を限定するものではなく、図2では、このような特徴は概略的に示されている(切断表面の詳細は、図3A及び図3Bに示され、以下で説明する。)。先端部230は、第1のチューブ部材40の先端側部を備え、先端側部は、先端側部分54まで延設される中心ルーメン56を備える。先端側部分54は、所望の切断処置を適切に行う構成の切断チップ42を形成している。切断チップ42は、ルーメン56の先端開口62を囲む鋸歯状縁60を備える。第1のチューブ部材40は、304ステンレス鋼(SUS304)等の硬質材料から形成されてもよく、直線状に長手方向に延設されてもよい。また、ここでは詳細には示さない周知の原理のように、第1のチューブ部材40は、直線状ではなく、湾曲可能な構成であってもよい。
第2のチューブ部材44は、基端側領域92と、先端側領域94と、2つの領域を接続するルーメン96と、を有する。先端側領域94は、ルーメン96に流体的に接続される切断窓46を、一体に形成している。切断窓46は、鋸歯状縁98を備える。一対のチューブ部材は、硬質で、長手方向に真直ぐ又は直線状であってもよい。別の実施形態では、ここでは詳細に示さないが、チューブ部材が、1以上の湾曲部を含んでもよく、1以上の湾曲部と含むとみなしてもよい。
真直ぐか、又は、湾曲している(又は湾曲可能)かに関係なく、第2のチューブ部材44、そして特にルーメン96は、第1のチューブ部材40を同軸に受けるサイズであり、内部灌注に用いられる経路が提供される状態で、第1のチューブ部材40は、第2のチューブ部材44に対して回転及び/又は振動する。このように、第2のチューブ部材44のルーメン96は、第1のチューブ部材40の対応する部分の外径より僅かに大きい径を有することが好ましく、これにより、灌注経路が規定されている。
また、ハウジング130は、内部吸引経路、及び、分離された内部灌注経路(いずれも図示しない)を、規定している。吸引経路は、第1のチューブ部材40(図2)に(直接的に又は間接的に)流体的に接続され、切断チップ42から物質を吸引する。このため、ある実施形態では、ハンドピース26は、ハウジング130に取付けられ、吸引経路と流体的に連通する吸引ポートを、さらに備える。代わりに、吸引ポート142が、ハウジング130と一体に形成されてもよい。前述の吸引ポート142の構成に関係なく、吸引ポート142には、チューブ(図示しない)が接続され、そして、チューブは吸引源(図示しない)に接続され、吸引源によって、吸引経路に、そして(直接的に又は間接的に)第1のチューブ部材40に、吸引が適用される。同様に、灌注経路は、ハウジング130の内部に形成され、灌注ポート144から延設されている。そして、灌注ポート144には、チューブ(図示しない)が流体的に接続され、チューブの他端は流体源(図示しない)に接続されている。このように、ハンドピース36では、内部灌注が提供される。ある実施形態では、灌注経路は、ハウジング130の内部に延設されるチューブによって、規定されている。また、別体のチューブを設けることなく、内穴(bore)が灌注経路を規定してもよい。また、周知技術を用いた外部灌注を、外科用切断機器に適用してもよい。
周知技術のように、ハンドピース36はモータを支持してもよく、この場合、ハウジン部130の内部に様々なカップリングが必要となり、また、モータが離れて位置してもよく、この場合、モータは適切に器具に連結される。モータがハウジング130の内部に位置する場合、モータによって回転駆動される駆動シャフトが設けられ、駆動シャフトは、様々なカップリングを介して、器具のその他の部分に必要に応じて接続される。モータは、電動モータ、又は、(例えば空気圧等の)その他の設計であってもよい。
前述のように、第1のチューブ部材40に設けられる切断チップ42は、切断窓46を通して、組織に選択的に接触する。例えば、2つの構成要素が互いに対して移動可能な場合、回転によって切断チップ42が、切断窓を通して組織に選択的に接触する。第2のチューブ部材44に対する第1のチューブ部材40の移動によって、又は、その逆もまた同様にして、切断チップ42及び切断窓46のそれぞれの鋸歯状縁が協働して、外科切断を行う。
外科用切断機器によって機能する特定の外科技術について、以下に説明する。しかし、一般的には、使用時おいて、使用者(図示しない)はハンドピース36を、特にハウジン部130を把持し、ハンドピース36を操作することにより、先端部230を目標位置に到達させる。そして、外科用切断機器30が操作されることにより、1以上の目標場所のそれぞれから1種類以上の組織を切除する。例えば、疑わしい部位での外科処置では、様々な種類の軟性組織又は薄い骨の目標位置からの切除が、必要となる。
図3A、図3B及び図4A、図4Bに示すように、切断窓46は、少なくとも基端側の第1の開口46aと、先端側の第2の開口46bと、を備える複数の断面開口であり、2つの開口は互いに対して連続している。これらの開口は、2つの点の間で連続し、2つの点のそれぞれには、2つの点の中間を向き、互いに反対方向を向く歯47a,47bが位置している(すなわち、それぞれの歯は、中心に向かい、他方の歯に対して反対方向に向かう。)。歯は、第1及び第2の開口46a,46bの形状によって、形成される。
図4A及び図4Bは、それぞれ図3A及び図3Bに対応するが、明確性のために詳細は省略され、幾何学的関係のみを示す設計となっており、必ずしも実際の構成ではない。しかし、これらの図を一緒に参照にすることにより、2つの平面図(図3B及び図4B)から、好ましい実施形態の切断窓は、基端側の台形状の“ベース(base)”部と、略半円状の先端側部と、を備える。
特に、基端側開口46aは、歯の間の距離Dより大きい横方向幅C(特に図4B参照)を有し、距離D及び幅Cはそれぞれ、基端側開口46aと先端側開口46bとの接続部で計測される。同様に、先端側開口46bは、歯の間の距離Dより大きい横方向幅Bを有する。一般に、幅Cと幅Bとの間に直接的な関係はないが、D<C<Bの関係が成り立つことが好ましく、これにより先端側の第2の開口46bの容積が増加し、開口が、軟性組織及び薄い骨を切除する機器の全体容量に主に影響を与える。
先端側部46bについて、ここでは好ましい実施形態として略半円状であるが、これは単にある1つの例として示している。一般に、先端側開口は、前述のように幅Dを有し、図4Bに示すように長さFを有する。好ましい実施形態の略半円状では、長さFの値は幅Dの値の略2倍であるが、一般に先端側開口は、切断機器の径に対応して所望な限り細長ければよい(選択された材料の厚さ、製造誤差及びクリアランス等の要素と伴に、切断機器の径によって、幅Dのおおよその値を決定する。)。
第1及び第2のチューブ部材は、互いに協働して外科切断を行うが、一般的に、第2のチューブ部材の基端側領域46aの面積が、軟性組織及び骨による詰まりへの抵抗性に、関係する。このように、横方向寸法C、Dに加えて、長手方向の長さE(好ましい実施形態では、台形の高さに相当する。)を有し、パラメータC〜Eを用いて、周知の公式により基端側領域46aの面積が決定されてもよい。同様に、先端側領域46bの面積が、周知の公式によって計算されてもよい。また、商用的な実施形態のサンプルでは、周知の技術によって面積が決定されてもよい。
もちろん、パラメータA〜Eは、寸法の端点を示し、寸法の計測自体は、適切であれば、このような点の間で、直線に従って、又は、これらの点の間に位置する切断チップの縁又は表面に従って、直接的に行われてもよい。したがって、ここでの議論は、好都合な事項及び単なる一例として、3次元的な要素を2次元的に表示していると、理解される。
前述の切断チップは、組織の処置量を増加させる(すなわち、詰まりを減少し、又は、単位時間辺りの組織の量を増加させる)適切な構成であり、これは、機器の寸法を増加させることなく達成され、これにより、所定の寸法の組織粒子が機器に詰まる可能性が減少する。なお、間接的ではあるが、吸引経路(すなわち、チューブの内径[又はID])の寸法に対して小さい切断窓を有する機器では、より詰まりの減少が達成される。
また、ある実施形態で適用される独立的な要素によって、第1のチューブ部材のルーメンの面積が増加し、これは様々な方法で達成される。例えば、クリアランス(及び前述の適切な灌注に)影響を与える第1及び第2のチューブ部材の間のスペースに(単純に)関係することなく、第2のチューブ部材の外径及び内径、及び、第1のチューブ部材の外径を変化させることなく、第1のチューブ部材の材料の厚さを減少させることにより、第1のチューブ部材の内径を増加させてもよく、これによりルーメンの径が増加する。また、第1のチューブ部材の厚さを一定に保ち、そして、第2のチューブ部材の厚さを減少させることによって、第1のチューブ部材の外径(及び第2のチューブ部材の内径)を増加させてもよく、これにより、第1のチューブ部材の内径が増加する。もちろん、状況に関連する幾何学的及び材料的制約に影響を与えるいかなる比率において、これらの2つのアプローチを組合せてもよい。いかなる事項においても、切断窓は第1及び第2の開口を備え、第1の開口はAと示す面積を有し、中空の第1の部材はBと示す断面積を有し、AとBとの比率は、1:1と2:1との間である。これは、3:1と4:1との間に略一致する比率を有する従来の機器に比べ小さく、従来の機器は、本実施形態の開示に比べ、詰まりの可能性が高くなる。
前述した特定の実施形態に限定することなく、外科用切断機器及び関連する使用方法によって、先行の設計及び方法に対して、実質的に改善される。特に、切断窓を適切な構成にする(すなわち、切断窓の物理的構成において、形状、サイズ、向き等を最適化する)ことにより、詰まりを減少するとともに、処置時に術者が器具を交換することなく、単一の装置で複数の目標組織(軟性組織、薄い骨等)を扱うことが可能となる。
外科用切断機器、特に、ここで示すような複数断面の切断窓が設けられる外科用切断機器30及びその他の同様の設計は、多くの外科処置において、有効に用いられる。例えば、外科用切断機器は、(ハンドピースの明白な動作及び/又は目標部位からの切開処置具の抜脱を行うことなく)切断窓が再位置決めされる鉤切除術(uncinectomy)及び上顎洞切開術に容易に使用され、洞切開において上方向、下方向及び後方方向から接近する。同様に、本発明の外科用切断機器は、上顎洞切開術又は前方上顎頭蓋開口術を行ってからの、上顎ポリープ切除術又は上顎洞での菌類、嚢胞又は他の病理の切除に、適している。外科用切断機器は、切断窓によって外方向、内方向及び後方方向から切断が行われる外方向から及び内方向からの前頭洞切開処置にも、有効に用いられる。本発明の外科用切断機器が有効に用いられるその他の外科処置には、聴神経腫、喉頭、気管、及び気管支での病巣の減量術、及び椎間板空間核開口術が、僅かであるが一部として含まれる。
以上のように、本発明は好ましい実施形態を参照して説明したが、当業者は、以下の請求項の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形状及び詳細を変形可能である。

Claims (19)

  1. 軟性組織及び骨の少なくとも一方を含む組織を処置する外科用切断機器であって、
    基端側部分と、切断チップを規定する鋸歯状縁を有する先端側部分と、を有する中空で細長い第1の部材と、
    基端側領域と、切断窓を形成する先端側領域と、を有し、前記切断窓は鋸歯状縁を有するチューブ状の第2の部材と、
    前記第1の部材及び前記第2の部材を互いに対して共通の軸回りに移動させ、前記切断チップによって前記組織を繰り返し処置させる手段と、
    を具備し、
    細長い前記第1の部材は、前記切断チップが前記切断窓で露出する状態に、チューブ状の前記第2の部材の内部に同軸に配置され、
    前記切断窓は、基端側の第1の開口と、先端側の第2の開口とを備えており、
    前記第1の開口及び前記第2の開口は、2つの点の間で連続しており、
    前記2つの点のそれぞれには、2つの点の中間を向き、互いに距離Dを空けて反対方向を向く歯が位置しており、
    前記歯は、前記第1の開口及び前記第2の開口の形状によって形成されており、
    前記切断窓の寸法を増大させることなく、前記切断窓の、前記軟性組織及び前記骨による詰まりに対する抵抗性を高め、前記組織の処理量を増大させるように、前記第1の開口は、前記距離Dよりも大きい横方向幅Cを有しており、前記第2の開口は、前記横方向幅Cよりも大きい横方向幅Bを有している、
    機器。
  2. 前記切断窓の前記第1の開口は、Aと示す面積を有し、中空の前記第1の部材は、Bと示す断面積を有し、AとBとの比率は、1:1と2:1との間である、請求項1の外科用切断機器。
  3. ハンドピースをさらに具備する、請求項1の外科用切断機器。
  4. 前記第2の部材に接続される灌注経路をさらに具備する、請求項1の外科用切断機器。
  5. 前記第1の部材に接続される吸引経路をさらに具備する、請求項1の外科用切断機器。
  6. チューブ状の細長い前記第2の部材は、チューブ状の前記第1の部材以外のアセンブリに対して固定されている、請求項1の外科用切断機器。
  7. 軟性組織及び骨の少なくとも一方を含む組織を処置する外科用切断機器であって、
    基端側部分と、切断チップを規定する鋸歯状縁を有する先端側部分と、を有する中空で細長い第1の部材と、
    基端側領域と、切断窓を形成する先端側領域と、を有し、前記切断窓は鋸歯状縁を有するチューブ状の第2の部材と、
    前記第1の部材及び前記第2の部材を互いに対して共通の軸回りに移動させ、前記切断チップによって前記組織を繰り返し処置させる手段と、
    を具備し、
    細長い前記第1の部材は、前記切断チップが前記切断窓で露出する状態に、チューブ状の前記第2の部材の内部に同軸に配置され、
    前記切断窓は、第1及び第2の開口断面を備え、前記切断窓の前記第1の開口断面は、Aと示す面積を有し、中空の前記第1の部材は、Bと示す断面積を有し、
    前記Bと示す断面積は、前記第1の部材のルーメンの面積であり、
    前記切断窓の寸法を増大させることなく、前記切断窓の、前記軟性組織及び前記骨による詰まりに対する抵抗性を高め、前記組織の処理量を増大させるように、AとBとの比率は、1:1と2:1との間であり、
    前記第1の開口断面は基端側の断面であり、前記第2の開口断面は先端側の断面であり、
    前記第1の開口断面及び前記第2の開口断面は、2つの点の間で連続しており、
    前記2つの点のそれぞれには、2つの点の中間を向き、互いに距離Dを空けて反対方向を向く歯が位置しており、
    前記歯は、前記第1の開口断面及び前記第2の開口断面の形状によって形成されている、
    機器。
  8. 前記距離Dは、前記第1の開口断面の最大幅寸法より小さい、請求項の外科用切断機器。
  9. ハンドピースをさらに具備する、請求項7の外科用切断機器。
  10. 前記第2の部材に接続される灌注経路をさらに具備する、請求項7の外科用切断機器。
  11. 前記第1の部材に接続される吸引経路をさらに具備する、請求項7の外科用切断機器。
  12. チューブ状の細長い前記第2の部材は、チューブ状の前記第1の部材以外のアセンブリに対して固定されている、請求項7の外科用切断機器。
  13. 軟性組織及び骨の少なくとも一方を含む組織を処置する外科用切断機器であって、
    基端側部分と、切断チップを規定する鋸歯状縁を有する先端側部分と、を有する中空で細長い第1の部材と、
    基端側領域と、切断窓を形成する先端側領域と、を有し、前記切断窓は鋸歯状縁を有するチューブ状の第2の部材と、
    前記第1の部材及び前記第2の部材を互いに対して共通の軸回りに移動させ、前記切断チップによって前記組織を繰り返し処置させる手段と、
    を具備し、
    細長い前記第1の部材は、前記切断チップが前記切断窓で露出する状態に、チューブ状の前記第2の部材の内部に同軸に配置され、
    前記切断窓の寸法を増大させることなく、前記切断窓の、前記軟性組織及び前記骨による詰まりに対する抵抗性を高め、前記組織の処理量を増大させるように、前記切断窓は、第1及び第2の開口断面を備え、前記切断窓の前記第1の開口断面は、基端側台形状部を備え、前記切断窓の前記第2の開口断面は、略半円状の先端側部を備え、
    前記第1及び前記第2の開口断面は、2つの点の間で連続しており、
    前記2つの点のそれぞれには、2つの点の中間を向き、互いに距離Dを空けて反対方向を向く歯が位置しており、
    前記歯は、前記第1の開口断面及び前記第2の開口断面の形状によって形成されている、
    機器。
  14. 前記距離Dは、前記第1の開口断面の最大幅寸法より小さい、請求項13の外科用切断機器。
  15. 前記切断窓の第1の開口は、Aと示す面積を有し、中空の前記第1の部材は、Bと示す断面積を有し、前記Bと示す断面積は、前記第1の部材のルーメンの面積であり、AとBとの比率は、1:1と2:1との間である、請求項13の外科用切断機器。
  16. ハンドピースをさらに具備する、請求項13の外科用切断機器。
  17. 前記第2の部材に接続される灌注経路をさらに具備する、請求項13の外科用切断機器。
  18. 前記第1の部材に接続される吸引経路をさらに具備する、請求項13の外科用切断機器。
  19. チューブ状の細長い前記第2の部材は、チューブ状の前記第1の部材以外のアセンブリに対して固定されている、請求項13の外科用切断機器。
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