JP5647040B2 - 発電機出力推定方法、及びそのシステムとプログラム - Google Patents
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Description
このような状況において、分散型電源の出力(発電量)を把握する必要があるが、分散型電源は主として需要家内に設置されるため、電力会社が直接その出力を常時計測し続けることは難しい。そこで、電力会社の設備を用いて常時計測することができる電気量等を用いて、分散型電源の出力を精度良く推定することができる技術が求められている。
また、非特許文献2には、引込線ではなく配電線の逆相電流を測定する方法が開示されている。
しかし、経年的・季節的な負荷変動により、発電機停止中の区間正相電流、すなわち区間負荷電流の正相分の算出に誤差が生じてしまい、結果として、発電機出力推定精度が悪化するという問題がある。
図5は、同区間において2010年6月23日のデータを用いて前記と同様に表示したものである。
これらデータから、2008年と2010年では、区間負荷電流の分布に明らかな差があるため、これが発電機出力推定に影響を及ぼす。すなわち、2008年のデータで作成した回帰式を用いて、2010に発電機出力推定を行うと、精度が大きく悪化してしまうという問題がある。
前記の例で示したように、経年的・季節的な負荷変動に対し、回帰式を適切に変更する手法が必要となる課題がある。
本発明の第1実施形態を、以下に説明する。
図1は、本発明の第1実施形態の発電機出力推定システムの構成を示す図である。
電力系統に連系される発電機の出力を、配電線区間における電圧、電流、力率等の電気量を測定することにより、発電機出力推定計算システム(第1〜第7手段)と回帰式補正システムを用いて、推定する。
図1において、上流側の区間開閉器101、及び下流側の区間開閉器103に挟まれた配電線区間102について説明する。上流側の区間開閉器101、及び下流側の区間開閉器103は、電圧、電流、力率等の要素を含む電気量を測定し、光通信等の通信方式でこれらの測定量110、111を発電機出力推定計算システム109に送信する機能を持つ開閉器である。また、電気量の測定の際、時刻はGPS等を用いて同期している。また、このような開閉器をIT開閉器と称している。
需要家負荷108は発電機を有していない負荷である。発電機106は需要家112が保有している。引込線105は配電線区間102から需要家112に接続されている。負荷107は需要家112の負荷である。
また、発電機出力推定計算システム109は、配電線区間102における電圧、電流、力率等の電気量を測定することにより、発電機106の発電機出力を推定するシステム機能を備えている。
なお、発電機出力推定計算システム109の詳細については、後記する。
また、信号114は区間電流の正相分を回帰式補正システム(1)113に渡すためのものである。信号115はβの補正分Δβを発電機出力推定計算システム109に渡すものである。
なお、回帰式補正システム(1)113は、回帰式補正手段、及び回帰式補正器でもある。
また、回帰式補正システム(1)113の詳細については、後記する。
まず、発電機出力推定計算システム109について図2、図3で説明する。
配電線区間102に設置されたセンサ内蔵の区間開閉器(101、103、図1)の情報を用いて、当該区間に設置された発電機(106、図1)の発電量を推定する手法について、以下に示す。
なお、以下に説明する手法においては、配電線区間102における正相電流と逆相電流に着目して推定している。ちなみに、配電線区間(配電系統)102において、三相がバランスのよい場合には、正相電流のみである。しかし、負荷や分散電源等により、三相に不均衡が生じた場合には、逆相電流が生ずる。このときの正相電流と逆相電流の関係を、発電機の発電量の推定において、重要な要素のひとつとしている。
図2は、発電機停止時の負荷特性の導出の仕方の概要を図示したものである。
まず、発電機停止時において、配電系統に設置された区間開閉器101、103(図1)で電圧、電流、及び力率の要素を含む電気量を測定する(第1手段、第1ステップ)。
なお、測定値から、正相電流、逆相電流を計算する方法については、後述する。
I1=α・I2+β ・・・(式1)
なお、ここで、α、βは回帰式の係数であり、また、I1、I2、α、βはすべて複素数である。また、(式1)の回帰式の傾きの係数α及び切片の係数βは、所定期間の前記正相電流と逆相電流に基いて最小二乗法によって計算され、決定される。
また、αの単位は無次元であり、βの単位は電流のA(アンペア)である。
また、発電機106が常時稼働している場合は、発電端の出力正相電流と逆相電流を測定し、これを差し引けばよい。なお、各電流(I1、I2)は力率角を用いて複素ベクトル化している。
以上のようにして、図2にも示した回帰式(式1)が得られる。
図3は、発電機稼働時の発電量推定の仕方を図示したものである。以下のようにして、発電機稼働時の発電量が推定される。
なお、前記した(第2手段、第2ステップ)とは発電機106が停止時か稼動時かの相違があるのみであるので、区間情報の取得と区間正相電流の求め方は、前記の(第2手段、第2ステップ)と同様である。
なお、図3では、区間正相電流I1の推定値を、単に「(2)発電機停止時の区間正相電流」と表記している。また、区間正相電流を「(1)区間正相電流」と表記している。
前記したように、発電量推定の方法で用いられる回帰式は、前記配電線区間における負荷の特性を表す正相電流(区間正相電流)I1と逆相電流(区間逆相電流)I2の関係を表すものであり、前記した(式1)の回帰式の傾きの係数α、及び切片の係数βは、所定期間の前記正相電流と逆相電流に基いて最小二乗法によって計算されるものである。
したがって、配電線区間の電気量を測定する期間によって、回帰式の傾きの係数α及び切片の係数βは、変化してしまう可能性がある。その変化がある度に、発電機を停止して再計測をするのは望ましくない。次に発電機を停止しての再計測をせずに、回帰式を適切に変更する方法について説明する。
図11は、経年的・季節的な負荷変動の一例を示すものであって、2008年(■、▲)と2010年(●、◆)の平日と休日の各数日間のデータから、測定日毎に作成した回帰式の傾きの係数αを複素平面上にプロットした図である。
図11、図12を見ると、αは第3象限、βは第4象限にほぼ直線状に分布しており、傾向としてα、βとも2010年の方が、ノルム(ベクトル長)が大きい。
これは2008年の測定時期が秋で軽負荷であったのに対し、2010年度の測定時期は初夏であり、重負荷であったことが影響していると考えられる。特にβはノルムの変化分が大きく、負荷状態に大きく関係していると考えられることから、負荷状態に合わせてβを補正できればよいと思われる。
図6は、α(2008)×I2(=2008/11/20当時の係数αを使って、2010/6/23にどのような軌跡になるか描いたもの)とα(2010)×I2(=2010/6/23時の係数αを使って、2010/6/23にどのような軌跡になるか描いたもの)を比較した図であり、概ね10A(アンペア)程度の差がある。
したがって、経年的・季節的な変動はα×I2よりもβの方が支配的であり、βを補正できれば、発電機停止中の区間正相電流を(=区間負荷電流の正相分)精度よく推定できると思われる。
すなわち、αI2は時間変動するのに対し、βは時間に対し一定。大きさにおいても、β>αI2である。
また、発電機停止中の区間正相電流は(=区間負荷電流の正相分)は、I1=αI2+βで求める
Δβ = (ある時点aの区間負荷電流の正相分の平均値)―(ある時点bの区間負荷電流の正相分の平均値)
= L1_a − L1_b ・・・(式2)
となる。
図8は、以上の回帰式補正システム(1)113が図1に示すように備えられたときの機能動作を説明するために、関連する要素を表記した図である。図8において、変電所220から上流側配電線200を経て、配電線区間202があり、その下流に下流側配電線204がある。配電線区間202には負荷208と発電機206が接続されている。
また、図8の配電線区間202において、区間負荷電流L(t)、分散電源発電機出力電流G(t)、区間電流I(t)が図に示すように流れているとする。
I(t) = L(t) − G(t) ・・・(式3)
次に、それぞれの正相分を、区間負荷電流L1(t)、発電機出力電流G1(t)、区間電流(区間正相電流)I1(t)とすると、同様に次式が成り立つ。
I1(t) = L1(t) − G1(t) ・・・(式4)
I1(ta) = L1(ta) − G1(ta) ・・・(式5)
I1(tb) = L1(tb) − G1(tb) ・・・(式6)
(式5)−(式6)を計算すると、
I1(ta)−I1(tb) = L1(ta)−L1(tb) − G1(ta)+ G1(tb)
・・・(式7)
(式7)について、1日の時間平均値について考え、(式8)を得る。
I1_a −I1_b = L1_a −L1_b − G1_a + G1_b ・・・(式8)
なお、1日の時間平均値の表現を、例えば、I1(ta)に対しては、I1_aと表記するものとして、(式8)の表記となっている。
したがって、以上の仮定と(式8)から次式が成り立つ。
L1_a − L1_b = I1_a − I1_b ・・・(式9)
(式9)は、季節等による区間負荷電流の正相分の平均値の差分(式9の左辺)は、区間電流の正相分の平均値の差分(式9の右辺)より求めることができることを示している。(式9)の右辺は、配電線に設置されたセンサ内蔵の開閉器があれば、求めることができるので、容易にβの補正量(=Δβ、式10)を求めることができる。
Δβ = L1_a − L1_b = I1_a − I1_b ・・・(式10)
図9は、以上の第1実施形態(発電機出力推定システム)の全体の出力推定フローを各ステップ(各手段)に整理して示した図である。したがって、前述のものと重複するものもあるが、以下にあらためて説明する。
この、経年的・季節的な負荷変動に対して、回帰式を適切に変更することにより、誤差の少ない推定値が得られる。また、発電機を停止して、配電線区間の電気量の再測定を、繰り返す必要もなくなる。
なお、測定する時点の少し前の時点、例えば前日の正相電流平均値の値を用いるのは、前日のデータであれば、当日の正相電流平均値の推定値と大きく変化していないことが期待できるからである。したがって、当日の正相電流平均値の推定値と大きく変化していないことが期待できる根拠があれば、前日でなくとも、もっと以前の日の正相電流平均値を用いてもよい。
また、第3ステップS3のブロックについては、二重の長方形のブロックで表現している。これは、第3ステップS3の中で用いられる回帰式が変更される工程が、第1ステップS1〜第7ステップS7の一連の工程とは別にあることを強調するものである。
次に、図10〜図19を参照して、本発明の第2実施形態について述べる。
図10は、本発明の第2実施形態の発電機出力推定システムの構成を示す図であり、図1における回帰式補正システム(1)113を回帰式補正システム(2)116に置き換えたものである。
また、信号117は、後述する補正されたRe(α)、Im(α)、Re(β)、Im(β)を回帰式補正システム(2)116から発電機出力推定計算システム109に渡すためのものである。
以上のように、回帰式補正システム(2)116と信号117以外は、図1と同じであるので、同じものについての説明は省略する。
以下に回帰式補正システム(2)116について説明する。
回帰式補正システム(2)116は、経年的・季節的な負荷変動に対して、回帰式を適切に変更する第2の手段である。
以下に、回帰式補正システム(2)116の機能、原理について説明する。なお、図11、図12を再度、参照する。
図12は、βの2008年の平日(■)、2008年の休日(▲)、2010年の平日(●)、2010年の休日(◆)の測定データである。横軸は実部Re(β)、縦軸は虚部Im(β)である。
また、図12のβの測定データから、βの実部Re(β)と虚部Im(β)についても1次式に回帰できる可能性があることが期待される。
なお、図13は、回帰式のαにおけるRe(α)とIm(α)との1次回帰を示す図であり、横軸にIm(α)、縦軸にRe(α)をとっている。
同様にRe(β)とIm(β)の1次回帰を求めると、図14のようになる。
なお、図14は、回帰式のβにおけるRe(β)とIm(β)との1次回帰を示す図であり、横軸にRe(β)、縦軸にIm(β)をとっている。
図13と図14に示した1次回帰においては、両方とも決定係数R2が0.8前後(0.822(図13)、0.7905(図14))あるので、α、βともその実部と虚部の間には強い相関があるといえる。
なお、決定係数R2は相関係数Rの二乗に相当している。したがって、相関係数Rは0.8よりも更に大きい(略0.901〜0.889)。
そこで、区間正相電流I1及び区間逆相電流I2の実部、虚部、絶対値、位相角の日毎の平均値とαの実部、虚部及びβの実部、虚部の間に強い相関があるかどうかを調べた。その結果、区間正相電流I1の絶対値とβ実部のRe(β)との間(図15)、そして区間正相電流I1の実部とRe(β)との間(図16)に決定係数R2が0.9以上という強い相関が見られた。
なお、図15は、区間正相電流I1の絶対値とβ実部のRe(β)との1次回帰を示す図であり、横軸にI1の絶対値、縦軸にRe(β)をとっている。
また、図16は、区間正相電流I1の実部とβ実部のRe(β)との1次回帰を示す図であり、横軸にI1の実部Re(I1)、縦にRe(β)をとっている。
なお、図17は、Im(β)とIm(α)との1次回帰を示す図であり、横軸にIm(β)、縦軸にIm(α)をとっている。
また、図18は、Im(β)とRe(α)との1次回帰を示す図であり、横軸にIm(β)、縦軸にRe(α)をとっている。
このようにすることで、経年的・季節的な負荷変動に対して、回帰式を適切に変更することができる。
図19は、|I1|の平均値から、Re(α)、Im(α)、Re(β)、Im(β)を順次求めるためのフローである。
前述したように、|I1|の平均値、Re(α)、Im(α)、Re(β)、Im(β)の間に高い相関が得られる関係から、|I1|の平均値から、Re(α)、Im(α)、Re(β)、Im(β)を順次、求めることができる。
また、ステップS22〜ステップS25において、各計算式の係数の値は、それぞれ図15、図14、図17、図13の場合の数値を用いている。
なお、以上の|I1|、Re(α)、Im(α)、Re(β)、Im(β)の一連の関係式のデータは回帰式補正システム(2)116がデータベースとして事前に所有している。そして、発電機出力を推定するときに、例えば前日に測定した正相電流|I1|によって、ステップS22〜ステップS25を回帰式補正システム(2)116が前記データベースを参照して、測定当日の発電機出力を推定する。
また、図15、図14、図17、図13の関係と関係式は一例であるので、他の関係と関係式の場合もある。その際には、ステップS22〜ステップS25における各計算式の係数の値は、それに応じて異なる値をとることもある。
なお、第1実施形態や第2実施形態において、発電量推定を行う際の正相電流の平均値は、「発電量推定を行う日の前日の平均値や、これに気象データ等を用いて補足した値を用いることにより、推定を行う当該日の平均値に相当する値をあらかじめ容易することができる。」としたが、データに変化のあまりないと推定される場合には、一作日やさらにその前のデータを用いることも可能である。
したがって、回帰式補正システム、あるいは発電機出力推定計算システムの計算、演算処理はコンピュータのプログラムでなくとも、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等を用いてもよい。
本発明の大きな特徴は、第1実施形態と第2実施形態に示したように、回帰式補正システムによって、一度、回帰式(発電機停止中の負荷特性αとβ)を求めることができれば、あとは配電線に設置されたセンサ内蔵の開閉器の測定値から回帰式を適切に変更することにより、日々更新された回帰式による区間負荷電流の正相分の精度の高い推定が、経年的・季節的な負荷変動にかかわらず可能になることである。すなわち発電機を停止しての測定(発電機停止中の負荷特性αとβ)を何度も繰り返すことなく、容易に、高い精度で発電機出力を推定できることである。
これは、図1、図10に示した配電系統(配電線区間)においては、零相電流が流れる経路が存在しない、あるいは零相電流に係るインピーダンスが非常に大きいために、零相電流は事実上、無視できるからである。
配電線区間(配電系統)における電圧、電流は三相交流であり、大きさと位相の情報を持った量である。この三相をU、V、W相とする。このとき、U相電流Iuは、(式101)のような複素ベクトルで表すことができる。
Iu=|Iu|・exp(−jθu) ・・・(式101)
V相電流Iv、W相電流Iwについても同様に考えて、(式102)、(式103)のような複素ベクトルで表すことができる。
Iv=|Iv|・a2・exp(−jθv) ・・・(式102)
Iw=|Iw|・a・exp(−jθw) ・・・(式103)
ここで、θu、θv、θwは、U、V、W相のそれぞれの力率角であり、また、a=exp(j2π/3)である。なお、jは虚数単位であり、πは円周率である。
このとき、正相電流をI1、逆相電流をI2、零相電流をI0として、次の(式104)を計算することにより、求めることができる。ただし、配電線区間では、前記したように零相電流I0は基本的に0となる。
101、103 区間開閉器、開閉器、IT開閉器
102、202 配電線区間
104、204 下流側配電線
105 引込線
106、206 発電機
107、108、208 負荷、需要家負荷
109 発電機出力推定計算システム(第1〜第7手段)
110、111 測定量
112 需要家
113、116 回帰式補正システム(回帰式補正手段、回帰式補正器)
114、115、117 信号
220 変電所
Claims (11)
- 発電機を持つ需要家を含む配電線区間における電気量を測定し、前記発電機の出力を推定する発電機出力推定方法であって、
前記配電線区間の電気量を測定する第1ステップと、
前記発電機の停止中又は運転中の前記電気量の測定情報に基いて、前記発電機の停止中における前記配電線区間の正相電流と逆相電流を計算する第2ステップと、
所定期間の前記正相電流と前記逆相電流に基いて、前記配電線区間における負荷の特性を表す正相電流と逆相電流の回帰式を求める第3ステップと、
前記発電機の運転中の前記電気量の測定情報に基いて、前記配電線区間の前記発電機の運転中の逆相電流を求める第4ステップと、
当該逆相電流と前記回帰式とに基いて、前記発電機の停止中の正相電流の推定値を演算する第5ステップと、
前記発電機の運転中の前記電気量の測定情報に基いて、前記配電線区間の前記発電機の運転中の正相電流を求める第6ステップと、
前記発電機の停止中の正相電流の推定値と前記発電機の運転中の正相電流とを用いて、前記発電機の出力電流となる電流偏差を演算する第7ステップと、
を備え、
測定する時点より前の時点の前記配電線区間に係る情報を用いて得られる当日の正相電流平均値相当の値を用いて、前記第3ステップで求める正相電流と逆相電流の前記回帰式を、経年的・季節的な負荷変動に対して、変更することを特徴とする発電機出力推定方法。 - 前記電気量の測定情報には、電圧、電流の要素を含むことを特徴とする請求項1に記載の発電機出力推定方法。
- 前記測定する時点より前の時点が、測定する時点の前日であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の発電機出力推定方法。
- 前記配電線区間に係る情報には、前記測定する時点より前の時点における正相電流平均値や、気象データや前記配電線区間に係るデータベースが含まれることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の発電機出力推定方法。
- 前記回帰式を、経年的・季節的な負荷変動に対して、変更する際に、
経年的、季節的な時間間隔を持つ第1時点の区間負荷電流の正相分の平均値と、第2時点の区間負荷電流の正相分の平均値との差分によって、前記回帰式の切片の係数の補正分を算出することを特徴とする請求項1至請求項4のいずれか一項に記載の発電機出力推定方法。 - 前記回帰式を、経年的・季節的な負荷変動に対して、変更する際に、
区間正相電流の絶対値の平均値を求めるステップと、
前記区間正相電流の絶対値の平均値から、前記回帰式の切片の係数の実部を求めるステップと、
前記回帰式の切片の係数の実部から、前記回帰式の切片の係数の虚部を求めるステップと、
前記回帰式の切片の係数の虚部から、前記回帰式の傾きの係数の虚部を求めるステップと、
前記回帰式の傾きの係数の虚部から、前記回帰式の傾きの係数の実部を求めるステップと、
を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の発電機出力推定方法。 - 発電機を持つ需要家を含む配電線区間における電気量を測定し、前記発電機の出力を推定する発電機出力推定システムであって、
前記配電線区間の電気量を測定する第1手段と、
前記発電機の停止中又は運転中の前記電気量の測定情報に基いて、前記発電機の停止中における前記配電線区間の正相電流と逆相電流を計算する第2手段と、
所定期間の前記正相電流と前記逆相電流に基いて、前記配電線区間における負荷の特性を表す正相電流と逆相電流の回帰式を求める第3手段と、
前記発電機の運転中の前記電気量の測定情報に基いて、前記配電線区間の前記発電機の運転中の逆相電流を求める第4手段と、
当該逆相電流と前記回帰式とに基いて、前記発電機の停止中の正相電流の推定値を演算する第5手段と、
前記発電機の運転中の前記電気量の測定情報に基いて、前記配電線区間の前記発電機の運転中の正相電流を求める第6手段と、
前記発電機の停止中の正相電流の推定値と前記発電機の運転中の正相電流とを用いて、前記発電機の出力電流となる電流偏差を演算する第7手段と、
を備え、
測定する時点より前の時点の前記配電線区間に係る情報を用いて得られる当日の正相電流平均値相当の値を用いて、前記第3手段で求める正相電流と逆相電流の前記回帰式を、経年的・季節的な負荷変動に対して、変更する回帰式補正手段をさらに備えることを特徴とする発電機出力推定システム。 - 前記電気量の測定情報には、電圧、電流の要素を含むことを特徴とする請求項7に記載の発電機出力推定システム。
- 前記測定する時点より前の時点が、測定する時点の前日であることを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の発電機出力推定システム。
- 前記配電線区間に係る情報には、前記測定する時点より前の時点における正相電流平均値や、気象データや前記配電線区間に係るデータベースが含まれることを特徴とする請求項7乃至請求項9のいずれか一項に記載の発電機出力推定システム。
- 請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の発電機出力推定方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
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