JP5641213B2 - 連続的2次元粒子分離装置および粒子分離方法 - Google Patents

連続的2次元粒子分離装置および粒子分離方法 Download PDF

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Description

本発明は、連続的2次元粒子分離装置及び粒子分離方法に関する。
一般に、複雑な細胞集団の中から特定の細胞を分離・選抜する技術は、生化学等の研究分野や医療の現場において重要なプロセスである。
また、環境中の微粒子や合成微粒子などを、それらの性質の違いに基づいて正確に分離するプロセスは、工業生産や環境モニタリングなどの幅広い分野において重要である。
たとえば細胞を正確に分離・選抜するための従来技術として、フローサイトメトリーと呼ばれる手法が広く利用されている(例えば下記非特許文献1参照)。フローサイトメトリーとは、溶液中に懸濁した細胞を連続的にフローセルに導入し、蛍光マーカー等で標識した個々の細胞を光学的に分析する手法である。細胞を分析した後、微小な液滴中に閉じ込め、その液滴をソーティングすることで、特定の細胞を分離・回収することも可能であり、そのような分取機能を有する装置は、FACS(Fluorescence Activated Cell Sorter)と呼ばれている。フローサイトメトリーに用いられる装置はフローサイトメーターとばれ、一般的にフローセル、送液装置、光源、検出器、シグナル増幅システム、アナログデジタル変換システムから構成される。
フローサイトメトリーの利点として、高速(数千個/秒)かつ高精度な細胞分離が可能であり、複数の種類の蛍光物質や抗体を用いることで、複数の要因に基づいた細胞の分離・選抜が可能となる、という点があげられる。
また、細胞を正確に分離・選抜するための従来技術として、磁気細胞分離(MACS:Magnetic activated cell sorter)と呼ばれる細胞分離手法も利用されている(例えば下記非特許文献2参照)。MACSは、細胞表面に存在する特定の抗原分子に対する抗体を用いて、磁気粒子による標識を行い、磁場を利用することで標識された細胞のみを分離する手法である。磁場を印加できるカラム装置に対し細胞懸濁液を導入すると、磁気粒子で標識された細胞のみがカラム内にトラップされるため、磁場の印加を止め、溶液を導入することで、磁気標識された細胞のみを個別に回収することができる。
磁気細胞分離の利点としては、簡易な操作で特定の表面抗原を有する細胞を分離できる点、処理量も多く、装置も比較的安価である点などがあげられる。
一方近年、微細加工技術を用いて作製された、幅が数ミクロン〜数百ミクロンの微小な流路構造(マイクロ流路)を用いることで、微粒子や細胞を正確に分離する研究が多数報告されている。一般的に、マイクロ流路内では安定な層流が形成され、その流れのプロファイルをマイクロメートルオーダーで任意に制御できるため、そのような特徴を利用することで細胞を正確に分離できる。
例えば、下記非特許文献3乃至5に、大きさによって正確かつ連続的に細胞・微粒子を分離する手法や、磁場や電場を印加することで磁気や電荷の強弱によって細胞・微粒子を分離する手法等が報告されている。
これらの手法の利点としては、前記FACSで必要となる光学系・情報処理系などの複雑な機器・装置を必要とせず、連続的な細胞分離を容易に可能とする点、一つの要因を利用した分離ではあるものの複数のフラクションへの分離が可能である、つまり、たとえば大きさで分離する場合、大きいものと小さいものという2段階だけではなく、大きさによる3グループ以上の集団へと分離することができる点、さらに、流路の並列化などを行うことで、大量・高速な細胞の分離が可能である点などがあげられる。
「フローサイトメトリー:手技と実際」、蟹書房,1988,5 「サイトメトリー(Cytometry)」11,231-238 ,1990 「アナリティカルケミストリー(Analytical Chemistry)76,5465-5471,2004. 「ラボ・オン・ア・チップ(Lab on a chip)」5,1233-1239,2005. 「ラボ・オン・ア・チップ(Lab on a chip)」6,974-980,2006.
しかしながら、上記フローサイトメトリーは、フローセル内を流れている細胞に対し、レーザーを照射し、蛍光の検出・解析、およびソーティングを行うため、精密かつ非常に高価な装置が必要となる。そのため、通常、ソーティング機能を有するFACS装置は数千万円と非常に価格が高くなり、実用性が高いとは言い難い。また、光軸の調整など、操作に熟練の技術を要するものがほとんどである、といった問題点がある。
また、上記磁気細胞分離では、「磁性粒子の付着の有無」という単一の要因によって細胞分離を行う為、一度の操作では二つの画分への分離のみが可能であり、正確な分離が不可能である、という欠点がある。
また、上記非特許文献3乃至5のマイクロ流路を用いる技術では、大きさや磁気の強弱による分離など、単一の要因による分離であるため、同時に複数の要因によって細胞や微粒子を分離することは不可能であるという点があげられる。
そこで本発明は、従来の技術が有する、上記したような種々の問題点に鑑みてなされたものであり、粒子の分離において、「大きさ」および「比重、磁性、電荷、あるいは表面状態のいずれか1つ」の2つの要因を同時に利用することで、多種類の粒子の混合物であっても、その中から目的とする粒子を精度よく分離・回収することを可能とする装置を提供しようとするものである。
また、本発明の目的とするところは、粒子の分離および回収を行う際に、複雑な操作や高価な機器を必要としない装置を提供しようとするとともに、ディスポーザブルな装置を提供しようとするものである。
また、本発明の目的とするところは、粒子の分離および回収を連続的に行うことで、比較的大量の粒子・細胞であっても効率的な処理を可能とする装置を提供しようとするものである。
上記目的を達成するために、本発明の第一の観点に係る発明は、粒径がR1〜R2μm(R1<R2、R2は1000以下)である粒子を分離するための、ポリマー、ガラス、あるいは金属材料によって構成された連続的2次元粒子分離装置であり、その連続的2次元粒子分離装置が、(1)外部からの溶液の連続的な導入を可能とする、少なくとも1つの導入口Iと、(2)溶液の連続的な回収を可能とする、少なくとも1つの回収口Oを有する流路構造Cを有しており、さらにその流路構造Cが(3)流路構造Cにおけるある地点Pにおける流路断面S1において、流路構造Cを流れる粒子の中心位置が、流路断面S1におけるある一点X1を中心とした直径3×R2の円の内部を通過するような、地点Pを少なくとも一箇所有し、(4)また、地点Pと、地点Pより下流の地点Qとの間に、大きさによって粒子を分離するための構造Eを有することによって、地点Qにおける流路断面S2において流路構造Cを流れる粒子の中心位置の差が、流路断面S1における粒子の中心位置の差と比較して、流路断面S2におけるある方向Aに、大きさによって増幅され、(5)また、地点Pと地点Qの間に、粒子の磁性、電荷、比重のうち、少なくとも1つの要因に応じて粒子を分離するための流路部分Fを有することによって、地点Qにおける流路断面S2において流路構造Cを流れる粒子の中心位置の差が、流路断面S1における粒子の中心位置の差と比較して、流路断面S2における方向Aとは異なる方向Bに、粒子の磁性、電荷、比重のうち、少なくとも1つの要因に応じて増幅される、連続的2次元粒子分離装置を用いる、というものである。これにより、流路内の断面において、異なる方向にそれぞれ、「大きさ」と「磁性、電荷、比重のうち、少なくとも1つ」の2つに応じた粒子の分離が同時に可能となるため、2次元的な粒子の分離が可能となる。
また、本観点において、限定されるわけではないが、点X1は、流路断面S1における流路壁面に存在することが好ましい。これにより、粒子が分離される前に、地点Pにおいて流路壁面に粒子が効率的に押し付けられるため、粒子が地点Pを通過する位置を流路断面S1における一定の範囲に収束することで、分離の精度を向上することが可能となる。
また、本観点において、限定されるわけではないが、流路断面S1の形状は矩形であり、点X1は、矩形の頂点の一つであることが好ましい。これにより、粒子が分離される前に、地点Pにおいて流路壁面に粒子がより効率的に押し付けられるため、粒子が地点Pを通過する位置を流路断面S1における片隅に収束することで、分離の精度を向上することが可能となる。
また、本観点において、限定されるわけではないが、流路構造Cは、地点Pより上流における地点Mにおいて分岐し、地点Pと地点Mの間における地点Nにおいて再合流する分岐流路CBを、少なくとも1つ有していることが好ましい。このようにすることで、分岐流路CB中に粒子が導入されないことを利用することで、粒子を流路断面S1における流路壁面に効率的に押し付けることが可能になる。
また、本観点において、限定されるわけではないが、流路構造Cにおいて、それぞれ独立した導入口I1とI2に接続されている粒子導入流路CI1と溶液導入流路CI2が、地点Pより上流における合流点Gにおいて合流している、というものである。このようにすることで、2つの導入口から、粒子懸濁液と粒子を含まない溶液を連続的に導入することで、流路内を流れる粒子を流路壁面S1に効率的に押し付けることが可能となる。
また、上記において合流点Gの直前における、粒子導入流路CI1の幅・深さ・直径等のうちのいずれかの値が、合流点Gにおける、溶液導入流路CI2の幅・深さ・直径等の値のいずれかの値に対して、2分の1以下であることがより好ましい。このようにすることで、粒子を、粒子を含まない溶液によって流路壁面に押し付ける際、流路断面S1における片隅に効率的に押し付けることが可能となる。
また、本観点において、限定されるわけではないが、流路構造Cは、地点Pより上流において、流路構造Cの断面積が徐々にあるいは段階的に縮小する部分Hを有している、というものである。このようにすることで、粒子の流れる位置がより効率的に収束されるため、流路断面S1において、粒子を、点X1を中心とした半径3×R2の円の内部を効率的に通過させることが可能である。
また、本観点において、限定されるわけではないが、構造Eは、流路構造Cの断面積が徐々にあるいは段階的に増加する構造E1であることが好ましい。このようにすることで、流路断面S1における粒子の流れる位置の差が、粒子の大きさに応じて増幅されるため、流路断面S2において、効率的に粒子を大きさに応じて分離することが可能となる。
また、本観点において、限定されるわけではないが、構造Eは、粒子が導入される分岐流路CD1と、導入されない分岐流路CD2からなる分岐構造E2であることが好ましい。このようにすることで、流路内を流れる溶液を2つの流路に分配することにより、流路断面S2において、粒子を大きさに応じてより効率的に分離することが可能となる。
また、本観点において、限定されるわけではないが、構造Eは、流路構造Cの断面積が徐々にあるいは段階的に増加する構造E1と、粒子が導入される分岐流路CD1と導入されない分岐流路CD2からなる分岐構造E2を組み合わせた構造E3であることが好ましい。このようにすることで、分岐構造E2と構造E3を組み合わせることで、流路断面S2において、粒子を大きさに応じてより効率的に分離することが可能となる。
また、本観点において、限定されるわけではないが、構造Eは、流路構造C内に2次元的に規則的に配置された障害物構造を有する構造E4であることが好ましい。このようにすることで、障害物構造を有する構造E4が存在することにより、粒子が大きさに応じて、異なる経路を流れるため、流路断面S2において、粒子を大きさに応じて分離することが可能となる。
また、本観点において、限定されるわけではないが、流路構造C近傍に永久磁石を配置することで、流路部分Fにおいて磁場を作用させることを可能とすることが好ましい。このようにすることで、流路構造Cにおける流路部分F内を流れる粒子に対して磁場を印加することが可能となり、流路断面S2において、粒子を磁性に応じて分離することが可能となる。
また、本観点において、限定されるわけではないが、流路構造Cの周囲にコイル状電極を配置し、電流を発生させることで、流路部分Fにおいて磁場を作用させることを可能とすることが好ましい。このようにすることで、流路構造Cにおける流路部分F内を流れる粒子に対して電磁石による磁場を印加することが可能となり、流路断面S2において、粒子を磁性に応じて分離することが可能となる。
また、本観点において、限定されるわけではないが、流路構造Cの上下あるいは左右に電極を配置し、電圧を印加することで、流路部分Fにおいて電場を作用させることを可能とすることが好ましい。このようにすることで、流路構造Cにおける流路部分F内を流れる粒子に対して電場を印加することが可能となり、流路断面S2において、粒子を内部および表面の電荷に応じて分離することが可能となる。
また、本観点において、限定されるわけではないが、流路部分Fにおいて、粒子に対し重力あるいは遠心力を作用させることを可能とすることが好ましい。このようにすることで、流路構造Cにおける流路部分F内を流れる粒子に対し、遠心力を作用させる、あるいは重力による沈降を行うことで、流路断面S2において、粒子を比重に応じて分離することが可能となる。
また、本観点において、限定されるわけではないが、流路構造Cの断面形状は少なくとも部分的に矩形であり、方向Aと方向Bは矩形の縦あるいは横方向であり、それらは直交することが好ましい。このようにすることで、2つの要因による分離の方向を直交させることで、流路断面S2においてより効率的な粒子の分離が可能となるほか、分離した粒子を効率よく、個別の回収口から回収することが可能となり分離精度が高まる、といった効果が得られる。
また、本観点において、限定されるわけではないが、流路構造Cは、点Qより下流における分岐点BXにおいて、独立した回収口O1〜On(n≧2)に接続されるn個の出口分岐流路OC1〜OCnに分岐していることが好ましい。このようにすることで、流路断面S2において複数の要因に応じて分離された粒子を、それぞれ異なる回収口から回収することが可能となる。
また、上記において、h×i=j(h、i≧2)個の分岐流路が2次元的に配置されている、というものであることがより好ましい。このようにすることで、流路断面S2において複数の要因に応じて分離された粒子を、それぞれ異なる回収口から2次元的に回収することが可能となる。
また、本観点において、限定されるわけではないが、流路構造Cは、点Qより下流において、流路構造Cにおけるある側面SKに分岐点群BX1〜BXm(m≧2)を有しており、また流路構造Cは、それぞれの分岐点BX1〜BXmにおいて、あるいはそれぞれの分岐点BX1〜BXmよりさらに下流における分岐点BY1〜BYmにおいて、k個(k≧1)の出口分岐流路OC11〜OCmkに分岐していることが好ましい。このようにすることで、流路断面S2において複数の要因に応じて分離された粒子を、それぞれ異なる回収口から2次元的に回収することが可能となる。
また、本観点において、限定されるわけではないが、粒子とは、動植物細胞、ウイルス、バクテリア等の生体粒子であることが好ましい。このようにすることで、動植物細胞、ウイルス、バクテリア等の生体粒子を分離・回収することが可能となる。
また、本観点において、限定されるわけではないが、動植物細胞、ウイルス、バクテリア等の生体粒子に対し、磁気微粒子を結合させた粒子複合体であることが好ましい。このようにすることで、動植物細胞、ウイルス、バクテリア等の生体粒子を分離する際に、特定の抗体を利用した磁気標識を行うことで、特定の表面抗原を有する生体粒子を効率的に分離・回収することが可能となる。
また、本観点において、限定されるわけではないが、アクリル樹脂、ポリジメチルシロキサン、ポリカーボネート等の平板状の樹脂基板上に形成された溝構造が、別の基板と物理的あるいは化学的に張り合わせられることによって形成されていることが好ましい。このようにすることで、アクリル樹脂、ポリジメチルシロキサン、ポリカーボネート等の樹脂を用いて流路を作製する事で、比較的安価かつ容易に流路構造を作製することが可能となり、ディスポ―サブルな装置を提供することが可能となる。
また、本発明の他の一観点に係る粒子分離方法は、上記第一の観点の連続的2次元粒子分離装置に対し、粒子を含む溶液を連続的に導入することで粒子を分離する、粒子分離方法である。本観点は、このような連続的2次元粒子分離装置を利用した粒子の分離方法を用いることで、複雑な粒子集団の中から、目的の粒子のみを、連続的かつ迅速かつ正確に分離・回収することが可能となる。
本発明は、以上に述べられたように構成されているため、粒子懸濁液を、特定の形状を持つ微細な流路構造に連続的に導入し、同時に流路の特定部に磁場、電場、あるいは遠心力を作用させるだけで、複雑な粒子集団に含まれる粒子を、2つの要因によって分離することができ、必要に応じて目的の粒子のみを回収する事ができる、という優れた効果を発揮する。
また本発明は、以上に述べられたように構成されているため、複雑な操作や機器を必要としない、という優れた効果を発揮する。
また本発明は、以上に述べられたように構成されるため、粒子の分離および回収を連続的に行うことが可能であり、バッチ処理の分離技術と比較して、大量の細胞を処理できる可能性がある、という優れた効果を発揮する。
最も基本的な連続的2次元粒子分離装置の概略図例であり、図1(a)は平面的に構成された連続的2次元粒子分離装置および流路構造Cを上面から観察した様子を示した概略図であり、図1(b)および図1(c)は、それぞれ、図1(a)に示す流路構造における、地点Pおよび地点Qにおける流路断面S1および流路断面S2を模式的に示した図である。 実施形態に係る連続的2次元粒子分離装置の第2の概略図であり、図2(a)は連続的2次元粒子分離装置および流路構造Cを上面から観察した模式図を示し、図2(b)〜(e)はそれぞれ、図2(a)におけるW0−W1線、W2−W3線、W4−W5線、W6−W7線における、連続的2次元粒子分離装置の断面図を表している。 実施形態に係る連続的2次元粒子分離装置における、分離対象となる粒子の概略図および、図2に示す連続的2次元細胞分離装置における流路構造C内を流れる粒子の位置を示した概略図であり、図3(a)は粒子の大きさの大小および磁気の強弱を示した説明図であり、図3(b)は粒子の位置を上面から観察した様子を示した概略図であり、図3(c)〜(j)は、それぞれ図3(b)における、A−A’線、B−B’線、C−C’線、D−D’線、E−E’線、F−F’線、G−G’線、H−H’線における断面と、粒子の位置を示した概略図である。なお、図3(f)および(h)は、それぞれ流路断面S1およびS2に相当する。 実施形態に係る連続的2次元粒子分離装置における、地点M1〜Mnにおいて分岐した流路が、地点N1〜Nnおいて再び合流する流路構造の概略図である。 実施形態に係る連続的2次元粒子分離装置における、粒子を大きさに応じて分離するための構造E4の、他の概略図例が示されており、図5(a)および(b)には、流路内に斜めに規則的に配置された凹凸状の障害物構造を有する構造E4の概略図および大きさの異なる粒子の流れの様子が示されており、図5(a)は図5(b)におけるA矢視図であり、図5(b)は、図5(a)のX0−X1線における流路断面図である。また図5(c)は、2次元的に配置されたピラー状の障害物構造を有する構造E4の概略図である。 実施形態に係る連続的2次元粒子分離装置における、図2に示す出口構造とは異なる形態を有する出口構造を示した概略図であり、図6(a)は、出口分岐流路および回収口の概略図であるとともに、図6(b)〜(f)におけるF矢視図であり、また、図6(b)〜(f)はそれぞれ、図6(a)におけるA―A´線〜E―E´線における断面図である。なお、図6(a)〜(f)における着色部は基板部分を表し、非着色部は流路内の空間を表している。 実施例に係る連続的2次元粒子分離装置および粒子分離方法の実施例のための装置概略図である。 実施例に係る連続的2次元粒子分離装置を用いた、JM細胞の分離結果例を示したグラフであり、図8(a)および図8(b)は、それぞれ磁場非印加時および磁場印加時における、4x4の出口分岐流路を通過したJM細胞の割合を示した棒グラフである。 実施例に係る連続的2次元粒子分離装置を用いた、直径9.9mmのポリスチレン蛍光微粒子の分離結果例を示したグラフであり、図9(a)および図9(b)は、それぞれ磁場非印加時および磁場印加時における、4x4の出口分岐流路を通過したポリスチレン蛍光微粒子の割合を示した棒グラフである。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を用いて詳細に説明する。但し本発明は多くの異なる形態による実施が可能であり、以下に示す実施形態、実施例の零時にのみ限定されるものでは無い。
図1は、本実施形態において、最も基本的な連続的2次元粒子分離装置の例の概略図である。図1(a)は平面的に構成された連続的2次元粒子分離装置および流路構造Cを上面から観察した様子を示した概略図であり、図1(b)および図1(c)は、それぞれ、図1(a)に示す流路構造における、地点Pおよび地点Qにおける流路断面S1および流路断面S2を模式的に示した図である。
図1における流路構造Cは、どの地点においても断面形状が矩形であり、流路深さは均一である。断面形状は、粒子を断面において2つの要因によって分離するために、また、流路構造の作製上の容易さから、矩形であることが望ましいが、部分的に矩形以外の形状を有する断面であっても良く、また、部分的に深さが異なっていても良い。
図1に示した流路構造Cにおける導入口Iから連続的に導入された溶液中の粒子は、地点Pにおいてある一定の範囲内、つまり、図1(b)に示す着色部内を通過する必要がある。粒子の大きさと流路構造の関係から、粒子の径が十分に大きい場合、あるいは流路構造の内径が十分に小さい場合は、流路構造Cが導入口Iと地点Pの間の範囲に特定の構造を有さなくても良いが、粒子を効率的に図1(b)に示す着色部内を通過させるために、流路構造Cが導入口Iと地点Pの間の範囲に特定の構造を有するものである方が好ましい。
そして、導入口Iから連続的に導入され、地点Pを通過した溶液中の粒子は、構造Eによって、断面における横方向に大きさによって分離されるため、地点Qにおける流路断面S2において、方向Aに、大きさによって分離される。
さらに、流路部分Fにおいて流路構造の上下方向に磁場、電場、重力場等を作用させることにより、連続的に導入された溶液中の粒子は、断面における縦方向に磁気、電場、比重の大小あるいは強弱という要因によって分離されるため、地点Qにおける流路断面S2において、方向Bに、これらの要因のうちの一つによって分離される。
地点Qの近傍あるいは下流において、粒子が流路構造Cの断面において通過する位置を計測することで、どのような性質を有する粒子がどの程度含まれるかを測定することが可能である。
なお、図1に示す流路構造Cにおいて、構造Eと流路部分Fは別々に存在するため、粒子が2つの要因によってそれぞれ分離される位置が異なるが、流路部分Fが構造Eを含んでいても良く、また、流路部分Fが構造Eよりも上流に存在していても良い。
図2は、本実施形態における連続的2次元粒子分離装置の他の概略図である。図2(a)は連続的2次元粒子分離装置および流路構造Cを上面から観察した模式図を示し、図2(b)〜(e)はそれぞれ、図2(a)におけるW0−W1線、W2−W3線、W4−W5線、W6−W7線における、連続的2次元粒子分離装置の断面図を表している。
図2における流路構造Cは、「大きさ」および「磁気の強弱」の2つの要因によって粒子を2次元的に分離し、さらに分離された粒子を、それぞれ個別の出口から分離し回収することを可能とするものであり、微小な流路構造が加工された平板状の基板2枚と、流路構造が加工されていない平板状の基板1枚を積層することによって形成されている。また、最上部の基板は、他の基板に比べて小さいため、図2に示す連続的2次元粒子分離装置は、2枚の基板によって構成された部分と3枚の基板によって構成された部分によって構成されている。
図2における流路構造Cにおいて、流路の深さは部分的に異なっているが、流路の深さは均一でも良く、さらに、径の同じ、あるいは異なる円管が少なくとも部分的に接続された構造であっても良い。ただし、流路構造が少なくとも部分的に平面的に構成されているものの方が、流路設計における抵抗値の設定が容易になり、また、流路構造の作製が容易になる、という点においてより好ましい。
なお、図1および図2に示す連続的2次元粒子分離装置を作製する場合に用いる技術としては、例えば、モールディングやエンボッシングといった鋳型を用いる作製技術は、流路構造を正確かつ容易に作製可能であるという点において好ましいが、その他にも、ウェットエッチング、ドライエッチング、レーザー加工、電子線直接描画、機械加工等の作製技術を用いることも可能である。
また、流路構造を作製する場合の、マイクロ流体システムの材質としては、PDMS(ポリジメチルシロキサン)、アクリル等の各種ポリマー材料、ガラス、シリコン、セラミクス、ステンレスなどの各種金属、などを用いることができ、また、これらの材料のうち、任意の2種類の基板を組み合わせて用いることも可能である。ただし、流路自体を安価に作製し、ディスポーザブルな装置を提供するためには、少なくとも部分的にポリマー材料を用いることが好ましい。
図2(a)に示す流路構造Cにおいて、それぞれ独立した導入口I1、I2、I3に接続されている粒子導入流路CI1、溶液導入流路CI2、溶液導入流路CI3が、地点Pより上流における合流点GおよびG’において段階的に合流しており、導入口I1から導入された粒子懸濁液(溶液A)の流量と、導入口I2および導入項I3から導入された溶液Bの流量をそれぞれ調整する事で、流路断面S1内を流れる粒子を効率的にフォーカシングすることが可能になる。なお、このような導入口および導入流路は、3つ以上存在していても良く、また、溶液導入流路CI2およびCI3が共通した導入口I2に接続されていても良い。
また、図2(a)に示す流路構造Cは、地点Pより上流において断面積が段階的に縮小する部分Hを有しているため、流路内径と粒子径の関係から、地点Pにおいて、粒子を流路断面S1における片隅近傍の、より狭い範囲にフォーカシングすることが可能となる。
さらに、合流点Gの直前における、粒子導入流路CI1の深さが、合流点Gにおける、溶液導入流路CI2の深さに対して、2分の1以下であるため、粒子を流路断面S1における片隅近傍の、より狭い範囲にフォーカシングすることが可能となる。
さらに、図2(a)に示す流路構造Cは、粒子を大きさによって分離するための構造Eとして、流路幅が拡大しさらに分岐する構造E3を有しており、一方の分岐は、ドレインに接続された、粒子が導入されない分岐流路CD2であり、もう一方の分岐は、粒子が導入される分岐流路CD1であり、流路部分F方向に延長されている。
また、流路部分Fは、2枚の基板によって形成された部分に存在しており、その上部に永久磁石を設置することにより、流路の深さ方向に磁場を印加することができ、粒子を深さ方向に磁気の強弱によって分離することが可能である。
また、図2(a)に示す流路構造Cは、地点Qにおいて流路の幅方向に大きさによって、深さ方向に磁気の強弱によって分離した粒子を、それぞれ個別に回収するために、4つの分岐点BX1〜BX4においてそれぞれ垂直方向に分岐する分岐流路を有しており、それらの流路は、さらに下流の、最上段の基板の下面に形成された流路構造部に存在する分岐点BY1〜BY4において、それぞれ4つの出口分岐流路に分岐しているため、結果として、合計17の回収出口、つまり回収口O11〜O44と回収口O5に接続される17の分岐流路を有している。なお、これらの分岐点、出口分岐流路および回収口の数は、対象となる粒子および求められる分離の精度によって、任意の値に設定することが可能である。
図3は、分離対象となる粒子の概略図および、図2に示す連続的2次元細胞分離装置における流路構造C内を流れる粒子の位置を示した概略図である。図3(a)は粒子の大きさの大小および磁気の強弱を示した説明図であり、図3(b)は粒子の位置を上面から観察した様子を示した概略図であり、図3(c)〜(j)は、それぞれ図3(b)における、A−A’線、B−B’線、C−C’線、D−D’線、E−E’線、F−F’線、G−G’線、H−H’線における断面と、粒子の位置を示した概略図である。なお、図3(f)および(h)は、それぞれ流路断面S1およびS2に相当する。
まず、導入口I1から粒子懸濁溶液を、導入口I2およびI3から粒子を含まない溶液を連続的に導入すると、まず、合流点G’において、粒子は導入口I3より導入された溶液Bによって、流路壁面近傍に押し付けられる。そして、合流点Gにおいて、粒子導入流路CI1の深さが溶液導入流路CI2よりも浅く、また、部分Hにおいて流路構造Cは幅・深さともに縮小するため、地点Pを含むピンチ部において、粒子は流路断面S1における片隅に押し付けられる。
なお図4に示すような、地点M1〜Mnにおいて分岐した流路が、地点N1〜Nnおいて再び合流する流路構造を利用することも可能であり、分岐された溶液の流れの合流によって粒子が押しつけられつつ流れることで、粒子を地点Pにおいてフォーカシングすること、粒子を角近傍に押しつけることが可能となる。そのための手法としては、分岐の流れの抵抗を調節し、ある一定の大きさ以上の粒子が分岐に導入されないようにするための手法である、水力学的フィルトレーション手法を利用することが可能である。この技術は、例えば、“「マイクロフルイディクス・アンド・ナノフルイディクス(Microfluidics and Nanofluidics)」6,571−576(2009)“を参照して実行することができる。
地点Pにおいて流路断面S1における一定の位置範囲を通過した粒子は、構造E3が分岐を有し、また、流路幅が拡大しているために、流路の幅方向に大きさによって分離される。なお、流路が深さ方向に拡大していても良く、その場合は、粒子は大きさによって深さ方向に分離される。また、分岐を有さずに、単に流路幅が拡大されている構造E1、あるいは、流路幅が拡大されずに分岐を有するだけの構造E2でも、大きさによる分離が達成されるが、これらの組み合わせである構造E3が、分離効率の観点からもより望ましい。
なお、粒子を大きさによって分離する構造E3において、導入された粒子を全て分岐流路CD1へ導入することが可能であり、その原理としては、「非対称ピンチドフローフラクショネーション(Asymmetric Pinched Flow Fractionation(AsPFF))」と呼ばれる手法を用いる事ができる。より具体的には、水力学的フィルトレーション手法と同じく、流路の抵抗値を適切に設計し、また、ピンチ部(地点P)の流路幅および粒子径の関係から、ある特定のサイズの粒子を、特定の分岐にのみ導入できる、という原理である。なお、分岐流路CD2の終端において、溶液を排出する為の、流路と外部を接続している貫通孔および排出口(ドレイン)の存在が必要である。この技術は、例えば、“「ラボ・オン・ア・チップ(Lab on a chip)」5,778−784,2005.”を参照して実行することができる。
図5は、粒子を大きさに応じて分離するための構造Eの、他の概略図例である。図5(a)および(b)には、流路内に斜めに規則的に配置された凹凸状の障害物構造を有する構造E4の概略図および大きさの異なる粒子の流れの様子が示されており、図5(a)は流路構造図5(b)におけるA矢視図であり、図5(b)は、図5(a)のX0−X1線における流路断面図である。また図5(c)には、2次元的に配置されたピラー状の障害物構造を有する構造E4の概略図が示されている。
図5(a)に示された着色部および斜線部はそれぞれ、図5(b)における上段基板下面および下段基板上面に存在する障害物であり、境界部の上流と下流で流路の深さが変化する。図5(b)に示すように、流路深さが深い方から順にそれぞれ2Hおよび2h(H>h)であり、障害物の高さが高い方から順にそれぞれHおよびhであり、また、導入する最大の粒子の直径と最小の粒子の直径がそれぞれDおよびd(D≧d)である時、d<h<D<Hであり、また、w>Dであれば、これらの粒子が大きさによって分離される。なお、流路深さあるいは幅が段階的に異なる流路を直列に接続することによって、より精度の高い大きさによる分離が達成される。
また、図5(c)に示した構造E4は、2次元的に配置された障害物構造を有しているため、粒子の大きさに応じて粒子の流れる軌跡が変化するため、大きさによる粒子の分離を可能とするものである。このような分離構造は、決定論的横方向変位(deterministic lateral displacement)と呼ばれる原理を利用するものである。この技術は、例えば、“「サイエンス(Science)」304,987−990,2004.”を参照することが好ましい。
図3に示すように、構造Eによって流路幅方向に粒子が分離された後、下流における流路部分Fにおいて、流路上部に配置された磁石によって磁場を発生することにより、より磁性の強い粒子は、流路の縦方向に移動することによって、分離される。この場合、方向Aは矩形断面を有する流路の幅方向、方向Bは深さ方向であり、これらは直交している。なお、流路部分Fにおける滞留時間、流路構造Cと磁石の距離、また、磁石による磁場の強さなどを調節することで、磁場による最適な分離を達成することが望ましい。
図6は、図2に示す出口構造とは異なる形態を有する出口構造を示した概略図であり、図6(a)は、出口分岐流路および回収口の概略図であるとともに、図6(b)〜(f)におけるF矢視図であり、また、図6(b)〜(f)はそれぞれ、図6(a)におけるA−A’線〜E−E’線における断面図である。なお、図6(a)〜(f)における着色部は基板部分を表し、非着色部は流路内の空間を表している。
図6に示すような、単一の分岐点BXにおいて2次元的に分岐する分岐流路群を利用することによっても、2次元的に分離された粒子を個別に回収することが可能となる。なお、図6に示した出口構造において、h=4、i=4、j=16であるため、最大16のフラクションへの分離が可能であるが、これは分離対象となる粒子の性質、および求められる分離の精度に応じて、任意に設定することができる。なお、hおよびiが2以上であれば、出口分岐流路はいくつ存在しても良く、また、いくつかの出口分岐流路が統合されていても良い。
なお、図2に示すように、複数の回収口を有する連続的2次元粒子分離装置の場合、流路ネットワーク全体を抵抗回路のアナロジーとしてみなし、適切な設計を行うことで、任意の流量分配比を達成することができるため、そのような考えに基づいた設計を行うことが望ましい。
そして、流路内部におけるこれらの流量条件を達成するための導入量の調節方法として、導入口からシリンジポンプ等を用いて溶液を導入することが操作上簡便であり好ましいが、ペリスタポンプ等の他のポンプを用いる手法、ボンベ、圧力装置等を用いた定圧送液方法、電気浸透流や遠心力等を用いた送液方法などを用いることも可能である。
なお、粒子の安定的かつ効率的な分離を達成するためには、流路内で安定な層流が保たれることが好ましく、具体的には、レイノルズ数が1000以下になる条件下で送液操作を行うことが好ましい。ただし、直径1mm以下の流路構造を用いる場合、乱流を形成することは比較的困難であり、そのような条件を達成することは容易である。
上記した連続的2次元粒子分離装置を用いて、分離を行う対象となる粒子としては、目的に応じて、ポリスチレン等のポリマー粒子、金属微粒子、セラミックス粒子、またはそれらの表面に物理的あるいは化学的な処理を施した粒子を用いることができる他、動植物細胞、細菌、バクテリア、ウイルスやそれらの構成要素であるオルガネラ等の生物粒子を用いることができる。なお、それらの生物粒子の場合、表面に存在する抗原分子に特異的な抗体を利用し、あらかじめ磁気微粒子を付着させることによって、磁気微粒子の付着の多少、つまり、表面抗原分子の多少を利用して、粒子を分離することが可能となる。
粒子懸濁液および押付液としては、目的に応じて様々な溶液を用いることができ、例えば粒子としてポリマー粒子や金属粒子を用いる場合には、各種化学物質を含む水溶液の他、有機溶液、イオン性流体等を用いることができる。さらに、粒子として細胞等の生物粒子を用いる場合には、細胞培養液や緩衝液などの細胞と等張の水溶液を用いるのが好ましい。ただし、たとえばバクテリアや植物細胞のような比較的低張あるいは高張溶液に対し耐性をもつ細胞の場合には、必ずしも等張である必要はない。また、操作の都合上、溶液の密度と粒子の密度の差が大きくない系がより好ましい。
粒子懸濁液、押付液の粘度に関しては、これらの粘度における差が小さい系がより好ましいが、粒子の処理を可能とするシステムであれば、粘度に差があっても構わない。
また、導出口から流出する、粒子を含むあるいは含まない溶液を回収するために、導出口に、回収のためのチューブ構造を接続することが可能であるが、回収口の体積を十分に大きくすることによって、ある程度多量の溶液を回収口中に保持し、一定時間の分離操作後に、分離された粒子を溶液ごと回収することも可能である。
以上のような流路構成および流量調整により、導入口I1より導入された粒子は、粒子の「大きさ」と「磁性」の2つの要因によって分離され、異なる回収口より回収される。
つまり、粒子懸濁液を導入口I1から、押付液を導入口I2から、それぞれ連続的に導入し、流路部分Fが存在する部分に、磁場を印加するだけで、複雑な装置を用いることなく、連続的かつ簡便に、同時に2要因による粒子の分離および回収を達成することが可能となる。
なお、磁場を利用せずに、流路部分Fの上下あるいは左右に電極を形成し、電場を印加することで、表面の電荷に応じた分離も可能となるほか、流路部分Fにおける滞留時間を長くし、流路下面方向に粒子に印加される重力を用いることで、比重による分離も可能となる。
以下、本発明に係る連続的2次元粒子分離装置および粒子分離方法の具体的な実施例を詳細に説明する。
図7には、本実施例に係る連続的2次元粒子分離装置および粒子分離方法の実施例のための装置概略図が示されている。
この連続的2次元粒子分離装置は、磁気粒子で標識された細胞を、まず構造Eによって大きさに応じて分離し、さらに、流路部分Fにおいて、流路部分Fの上部に設置された磁石によって磁場を発生し、磁気粒子によって標識された細胞を磁場印加方向、つまり流路深さ方向に分離することで、粒子を2次元的に分離することを可能とするものである。
この連続的2次元粒子分離装置は、溝構造を有さない平板状の基板(ガラス板)と、微細な溝構造を有する2枚の平板状のポリマー基板(PDMS;ポリジメチルシロキサン)を積層し貼り合わせることにより形成された、3段構造であり、図2に示す流路構造と類似の構成となっている。全体の大きさは、50x50x4mm程度である。
上段および中段のポリマー基板の下面には、それぞれ微小な流路構造が形成されており、上段および中段における貫通孔として導入口I1〜I3、中段下面にピンチ部(地点P)、構造E3、流路部分Fおよび分岐点BX1〜BX4を含む流路構造C、上段における貫通孔として回収口O1〜O4、上段下面に分岐点BY1〜BY4および出口分岐流路OC11〜OC44を含む流路構造Cが、それぞれ形成されている。また、分岐点BX1〜BX4において分岐した流路は、中段基板に形成された貫通孔によって、上段下面に形成された流路構造に接続されている。
上段基板、中段基板、および下段基板の厚さは、それぞれ約2.0mm、0.7mm、1.1mmであった。また、上段基板において、流路部分Fに相当する部分に、長方形の貫通孔が形成されている。
上段基板下面に存在する流路の深さは30μm、中段基板下面に存在する流路構造の深さは、導入流路I3が約380μm、その他の部分が約30μmである。これらの値に関しては、用いる対象の大きさに応じて、1μmから1cmまでの任意の値の流路構造を採用することが可能であり、また、下段の基盤の上面にも同様の加工が施されていても良い。また、流路構造Cにおける流路幅は、地点Pを含むピンチ部は約30μm、導入流路I3は約300μm、構造E3における幅広い分岐流路CD1およびCD2は約1mmである。
また、構造E3において、ピンチ部においてフォーカシングされた粒子は、分岐流路CD1へと導入され、粒子が導入されない分岐流路CD2(ドレイン流路)へは、地点Pを通過する流量のうち、約70%が導入されるように設計されている。ドレイン流路の長さは約80mmである。
流路部分Fは、図7に示すようにターンしている。このような折り返し構造によって、粒子の滞留時間を増加させ、磁場印加の時間を長くすることができ、より効率的な磁場の印加が可能となる。なお、流路部分Fの長さは約110mmであり、幅は1mmであるが、これらの値は、印加する磁場の強さや、分離対象となる粒子の性質等によって、最適化することが望ましい。
導入口I1は粒子懸濁液の導入口であり、導入口I2およびI3は、粒子を含まない溶液の導入口であり、回収口O1、O2、O3、O4は粒子および/あるいは溶液の排出口である。導入口からそれぞれの溶液を連続的に供給するために、各導入口における貫通孔に対して、外径2mm、内径1mmのシリコーンチューブが接続されている。
以上の構成を有する連続的2次元粒子分離装置に対し、フォーカシングの効率を確認するため、直径1mmの蛍光微粒子懸濁液を導入口I1から、粒子を含まない溶液を導入口I2,I3から、それぞれ連続的に導入し、地点Pにおける蛍光粒子の存在位置を、共焦点レーザー顕微鏡を用いて観察したところ、流量比が約1:30:1の場合には、蛍光粒子が流路断面S1における片隅近傍、より具体的には、片隅を近傍とする半径10μmの1/4円の領域内にのみ存在することが確認され、効果的なフォーカシングが達成されていることが確認された。なお、流路断面S1において蛍光粒子が流れる位置範囲は、各導入口からの流量を調整することで、調整可能である。つまり、粒子を含まない溶液の流量が相対的に増加すると、フォーカシング効率が上がり、蛍光粒子の通過範囲が狭まる、という様子が観察された。なお、この結果から、上記の流量条件であれば、導入口I1から導入された直径約10μm以上の粒子あるいは細胞は、ほぼ完全に流路断面S1における片隅を通過しつつ流れる、ということが想定された。
以上の流路構成を有する連続的2次元粒子分離装置を用いた、細胞および粒子の2次元的分離と回収操作について説明する。
まず、導入口I1から導入する細胞懸濁溶液における溶液としては、PBS(リン酸緩衝生理食塩水)を用い、導入口I2およびI3から導入する粒子を含まない溶液としてPBSを用いた。
また細胞としては、モデルとして、ヒト白血球細胞株(T細胞株)であるJM細胞(直径9―20μm、平均直径13.2μm)を、CD3抗体付き磁気粒子(直径50nm)で磁気標識したものを用いた。同時に対照として、磁気標識されない粒子として、ポリスチレン標準蛍光微粒子(直径9.9μm)を用いた。これらの細胞および粒子を、PBSに懸濁した後に、40μmのフィルターを通して、大きな細胞塊や粉塵等の除去を行った。以下、これらの細胞、粒子を、それぞれ「JM細胞」、「蛍光粒子」と記述する。
流路部分Fにおいて粒子に磁場を印加するための磁石として、直方体のネオジム磁石(表面磁束密度380mT)を用いており、具体的には、中段基板の流路部分F上かつ、上段基板に形成された長方形の貫通孔部分に、当該ネオジム磁石を設置することで、流路に対して垂直に磁場を印加した。なお、細胞および粒子の分離挙動の検証における、磁場非印加時とは、磁石を取り外し、磁場を印加しなかった状態を示すものである。
調製した細胞懸濁液および粒子を含まない溶液を、導入口I1,I2,I3から、シリンジポンプを用いてそれぞれ連続的に導入した。なお、導入口I1,I2,I3からの導入流量はそれぞれ、50μL/h、50μL/h、3000μL/hであった。この流量条件では、流路部分Fにおける平均滞留時間は、約43秒である。
上記の流量条件で、各溶液を導入したところ、ピンチ部(地点P)において、導入したJM細胞および蛍光粒子は流路片隅に押し付けられ、ブロード部において、流路壁面から異なる距離を流れていた粒子の粒子間距離が増幅され、粒子が大きさごとに分離される様子が観察された。
図8および図9にはそれぞれ、磁場印加時および磁場非印加時の、JM細胞および蛍光粒子の分離結果が示されており、それぞれのグラフにおいて、x軸およびy軸は4x4の出口分岐流路番号、z軸はそれぞれの出口分岐流路を通過した細胞あるいは粒子の割合を示したものである。
磁場の印加による分離位置の違いを観察したところ、磁場非印加時には、JM細胞は約62%が出口分岐流路OC31〜OC34を通過したが、磁場印加時には、約60%が出口分岐流路OC21〜OC24を通過したため、磁場による分離位置の違いを観察することができ、磁気およびサイズによる細胞の分離が達成されていることが確認された。
一方、蛍光粒子は、磁場印加の有無にかかわらず、OC33から主に回収されたため、この結果によっても、磁性を有する粒子によって標識された細胞が2次元的に分離されていることが示された。
なお、以上の実施例においては、細胞・粒子としてJM細胞とポリスチレン標準蛍光微粒子を用いたが、他の細胞・粒子等を目的とした分離・回収を行う事も可能である。例えば、血球細胞の分画、分化の程度の異なる幹細胞集団の純化、環境中の特定バクテリアの単離など、多岐に及ぶ医学・生物学的応用が可能である他、合成微粒子や磁気ナノ粒子の精製などの応用も可能である。
また以上の実施例においては、流路部分Fに磁場を印加することで、粒子の磁性による分離を行ったが、流路部分Fにおいて、電場の印加あるいは、遠心力および重力を作用させる事によって、大きさという要因と同時に、粒子の電荷状態や、粒子の比重という要因の2つの要因による細胞・粒子の分離・回収を行うことも可能である。
また以上の実施例においては、BY1〜BY4において分岐した出口分岐流路は、それぞれ共有の回収口O1〜O4に接続されていたため、2次元的に分離された細胞および粒子を個別に回収することは不可能であった。細胞・粒子集団の性質を解析する目的であれば、回収口を共有していても構わないが、それぞれ個別に回収する必要がある場合は、図2に示すように、出口分岐流路はそれぞれ個別の回収口に接続されていることが望ましい。
本発明は、以上に説明したように構成されているため、たとえば、生細胞と死細胞の選別、抗原特異性T細胞の選抜、iPS細胞・ES細胞・造血幹細胞等の肝細胞の高度選抜、癌細胞等の特殊な細胞や、循環血液中の腫瘍細胞等の希少細胞を、簡便かつ効率的に分離・回収する有効な手段となりうるため、それらのプロセスを必要とする医療の現場や生化学の研究分野において、効果的でかつ比較的安価な装置を提供することができ、産業上の利用可能性も大きいものと考えられる。
また、本発明は、以上に説明したように構成されているため、例えば、細胞核、ミトコンドリア、葉緑体やリソソーム等の細胞小器官の分画を行う上でも有効な手段となりうる。
さらに、本発明は、以上に説明したように構成されているため、例えばフローサイトメトリーに用いる、複雑な操作を必要とする機器や高価な機器を必要としない、粒子の分離・回収手段として、幅広い利用が期待される。

Claims (22)

  1. 粒径がR1〜R2μm(R1<R2、R2は1000以下)である粒子を分離するための、ポリマー、ガラス、あるいは金属材料によって構成された連続的2次元粒子分離装置であって、
    (1)外部からの溶液の連続的な導入を可能とする、少なくとも1つの導入口Iと、
    (2)溶液の連続的な回収を可能とする、少なくとも1つの回収口Oと、を有する流路構造Cを有しており、
    前記流路構造Cは、
    (3)前記流路構造Cにおけるある地点Pにおける流路断面S1において、前記流路構造Cを流れる粒子の中心位置が、前記流路断面S1におけるある一点X1を中心とした直径3×R2の円の内部を通過するような、地点Pを少なくとも一箇所有し、
    (4)また、前記地点Pと、前記地点Pより下流の地点Qとの間に、大きさによって粒子を分離するための構造Eを有することによって、前記地点Qにおける流路断面S2において前記流路構造Cを流れる粒子の中心位置の差が、流路断面S1における粒子の中心位置の差と比較して、流路断面S2におけるある方向Aに、大きさによって増幅され、
    (5)また、前記地点Pと前記地点Qの間に、粒子の磁性、電荷、比重のうち、少なくとも1つの要因に応じて粒子を分離するための流路部分Fを有することによって、前記地点Qにおける流路断面S2において前記流路構造Cを流れる粒子の中心位置の差が、前記流路断面S1における粒子の中心位置の差と比較して、流路断面S2における方向Aとは異なる方向Bに、粒子の磁性、電荷、比重のうち、少なくとも1つの要因に応じて増幅され
    (6)また、点Qより下流における分岐点BXにおいて、独立した回収口O1〜On(n≧2)に接続されるn個の出口分岐流路OC1〜OCnに分岐している連続的2次元粒子分離装置。
  2. 前記点X1は、前記流路断面S1における流路壁面に存在する請求項1に記載の連続的2次元粒子分離装置。
  3. 前記流路断面S1の形状は矩形であり、前記点X1は、矩形の頂点の一つである請求項1に記載の連続的2次元粒子分離装置。
  4. 前記流路構造Cは、前記地点Pより上流における地点Mにおいて分岐し、地点Pと地点Mの間における地点Nにおいて再合流する分岐流路CBを、少なくとも1つ有している請求項1乃至3のいずれか1項に記載の連続的2次元粒子分離装置。
  5. 粒径がR1〜R2μm(R1<R2、R2は1000以下)である粒子を分離するための、ポリマー、ガラス、あるいは金属材料によって構成された連続的2次元粒子分離装置であって、
    (1)外部からの溶液の連続的な導入を可能とする、少なくとも1つの導入口Iと、
    (2)溶液の連続的な回収を可能とする、少なくとも1つの回収口Oと、を有する流路構造Cを有しており、
    前記流路構造Cは、
    (3)前記流路構造Cにおけるある地点Pにおける流路断面S1において、前記流路構造Cを流れる粒子の中心位置が、前記流路断面S1におけるある一点X1を中心とした直径3×R2の円の内部を通過するような、地点Pを少なくとも一箇所有し、
    (4)また、前記地点Pと、前記地点Pより下流の地点Qとの間に、大きさによって粒子を分離するための構造Eを有することによって、前記地点Qにおける流路断面S2において前記流路構造Cを流れる粒子の中心位置の差が、流路断面S1における粒子の中心位置の差と比較して、流路断面S2におけるある方向Aに、大きさによって増幅され、
    (5)また、前記地点Pと前記地点Qの間に、粒子の磁性、電荷、比重のうち、少なくとも1つの要因に応じて粒子を分離するための流路部分Fを有することによって、前記地点Qにおける流路断面S2において前記流路構造Cを流れる粒子の中心位置の差が、前記流路断面S1における粒子の中心位置の差と比較して、流路断面S2における方向Aとは異なる方向Bに、粒子の磁性、電荷、比重のうち、少なくとも1つの要因に応じて増幅され、
    (6)また、それぞれ独立した導入口I1とI2に接続されている粒子導入流路CI1と溶液導入流路CI2が、地点Pより上流における合流点Gにおいて合流している連続的2次元粒子分離装置。
  6. 前記合流点Gの直前における、粒子導入流路CI1の幅、深さ及び直径等のうちのいずれかの値が、合流点Gにおける、溶液導入流路CI2の幅、深さ及び直径等の値のいずれかの値に対して、2分の1以下である請求項5に記載の連続的2次元粒子分離装置。
  7. 前記流路構造Cは、前記地点Pより上流において、前記流路構造Cの断面積が徐々にあるいは段階的に縮小する部分Hを有している請求項1乃至6のいずれか1項に記載の連続的2次元粒子分離装置。
  8. 前記構造Eは、前記流路構造Cの断面積が徐々にあるいは段階的に増加する構造E1である請求項1乃至7のいずれか1項に記載の連続的2次元粒子分離装置。
  9. 前記構造Eは、粒子が導入される分岐流路CD1と、導入されない分岐流路CD2からなる分岐構造E2である請求項1乃至7のいずれか1項に記載の連続的2次元粒子分離装置。
  10. 前記構造Eは、流路構造Cの断面積が徐々にあるいは段階的に増加する構造E1と、粒子が導入される分岐流路CD1と導入されない分岐流路CD2からなる分岐構造E2を組み合わせた構造E3である請求項1乃至7のいずれか1項に記載の連続的2次元粒子分離装置。
  11. 前記構造Eは、流路構造C内に2次元的に規則的に配置された障害物構造を有する構造E4である請求項1乃至7のいずれか1項に記載の連続的2次元粒子分離装置。
  12. 前記流路構造C近傍に永久磁石を配置することで、前記流路部分Fにおいて磁場を作用させることを可能とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の連続的2次元粒子分離装置。
  13. 前記流路構造Cの周囲にコイル状電極を配置し、電流を発生させることで、前記流路部分Fにおいて磁場を作用させることを可能とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の連続的2次元粒子分離装置。
  14. 前記流路構造Cの上下あるいは左右に電極を配置し、電圧を印加することで、前記流路部分Fにおいて電場を作用させることを可能とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の連続的2次元粒子分離装置。
  15. 前記流路部分Fにおいて、粒子に対し重力あるいは遠心力を作用させることを可能とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の連続的2次元粒子分離装置。
  16. 前記流路断面S2の形状は矩形であり、方向Aと方向Bは矩形の縦あるいは横方向であり、それらは直交する、請求項1乃至15のいずれか1項に記載の連続的2次元粒子分離装置。
  17. 前記分岐点BXにおいて、h×i=j(h、i≧2)個の分岐流路が2次元的に配置されている、請求項に記載の連続的2次元粒子分離装置。
  18. 前記流路構造Cは、前記点Qより下流において、前記流路構造Cにおけるある側面SKに分岐点群BX1〜BXm(m≧2)を有しており、また前記流路構造Cは、それぞれの分岐点BX1〜BXmにおいて、あるいはそれぞれの分岐点BX1〜BXmよりさらに下流における分岐点BY1〜BYmにおいて、k個(k≧1)の出口分岐流路OC11〜OCmkに分岐している請求項1乃至16のいずれか1項に記載の連続的2次元粒子分離装置。
  19. 前記粒子は、動植物細胞、ウイルス、バクテリア等の生体粒子である請求項1乃至18のいずれか1項に記載の連続的2次元粒子分離装置。
  20. 前記粒子は、動植物細胞、ウイルス、バクテリア等の生体粒子に対し、磁気微粒子を結合させた粒子複合体である請求項1乃至19のいずれか1項に記載の連続的2次元粒子分離装置。
  21. 前記流路構造Cは、アクリル樹脂、ポリジメチルシロキサン、ポリカーボネート等の平板状の樹脂基板上に形成された溝構造が、別の基板と物理的あるいは化学的に張り合わせられることによって形成されている、請求項1乃至20のいずれか1項に記載の連続的2次元粒子分離装置。
  22. 請求項1乃至21のいずれか1項に記載の連続的2次元粒子分離装置に対し、粒子を含む溶液を連続的に導入することで粒子を分離する、粒子分離方法。
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