<第1の実施の形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第1の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域PE内の構成を省略している。
図1に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に取り付けられた遊技機主部12とを有している。
外枠11は木製の板材を四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。外枠11を島設備に取り付け固定することにより、パチンコ機10が遊技ホールに設置される。なお、パチンコ機10において外枠11は必須の構成ではなく、遊技場の島設備に外枠11が備え付けられた構成としてもよい。
遊技機主部12は、外枠11によって開閉可能な状態で支持されている。具体的には、図1に示すように、外枠11における上枠部と左枠部との連結部分に上側支持用金具17が固定されており、さらに外枠11における下枠部と左枠部との連結部分に下側支持用金具18が設けられている。これら上側支持用金具17及び下側支持用金具18により支持機構が構成され、当該支持機構により外枠11に対して遊技機主部12がパチンコ機10の正面視で左側を回動基端側、右側を回動先端側としてパチンコ機10の前方へ回動可能とされている。
図2に示すように、遊技機主部12は、ベース体としての内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。なお、遊技機主部12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として内枠13が前方へ回動可能とされている。
内枠13には、前扉枠14が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている。
次に、前扉枠14について説明する。なお、以下の説明では、図1及び図2を参照するとともに、前扉枠14の背面の構成については図3を参照する。図3は前扉枠14の背面図である。
図2に示すように、前扉枠14は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす合成樹脂製の枠体20を主体に構成されており、内枠13における前面のほぼ全域を覆っている。枠体20の中央部分には後述する遊技領域PEのほぼ全域を前方から視認することができるようにした略楕円状の窓部21が形成されており、その窓部21はガラスユニット22によって同前扉枠14の背面側から塞がれている。
ガラスユニット22は、透明性を有するガラスパネル23,24と、それらガラスパネル23,24を保持するガラスホルダ25とを備えている。ガラスホルダ25には、ガラスパネル23,24の保持領域を前後に仕切る仕切り部が形成されており、両ガラスパネル23,24は仕切り部を挟んで前後に相対向している。つまり、ガラスパネル23,24の間に所定の隙間を確保することにより、両ガラスパネル23,24同士の干渉を回避しつつ、それらガラスパネル23,24によって遊技領域PEをパチンコ機10の正面側から2重に覆った状態となっている。
なお、必ずしもガラスパネル23,24をガラスホルダ25を用いてユニット化する必要は無く、ガラスパネル23,24を枠体20に対して個々に取り付ける構成としてもよい。更には、ガラスパネルの枚数は任意であり、1枚としてもよいし、3枚以上としていもよい。但し、安全性及び防犯性向上の観点から、複数のガラスパネルを採用し、それら各ガラスパネルを所定の隙間を挟んで前後に対向させることが好ましい。因みに、ガラスパネルに代えて透明性を有する合成樹脂性のパネル部材を採用することも可能である。
ガラスユニット22(詳しくは窓部21)の周囲には、各種ランプ等の発光手段が設けられている。例えば、窓部21の周縁に沿ってLED等の発光手段を内蔵した環状電飾部26が設けられている。環状電飾部26では、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯や点滅が行われる。また、環状電飾部26の中央であってパチンコ機10の最上部には所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ部27が設けられ、さらにその左右側方には賞球払出中に点灯する賞球ランプ部28が設けられている。また、左右の賞球ランプ部28に近接した位置には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部29が設けられている。
前扉枠14(枠体20)における窓部21の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部31と下側膨出部32とが上下に並設されている。上側膨出部31内側には上方に開口した上皿33が設けられており、下側膨出部32内側には同じく上方に開口した下皿34が設けられている。上皿33は、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する遊技球発射機構側へ導くための機能を有する。また、下皿34は、上皿33内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。
下側膨出部32の右方には、手前側へ突出するようにして遊技球発射ハンドル41が設けられている。遊技球発射ハンドル41が操作されることにより、後述する遊技球発射機構から遊技球が発射される。
前扉枠14の背面には、図2及び図3に示すように、通路形成ユニット50が取り付けられている。通路形成ユニット50は、合成樹脂により成形されており、上皿33に通じる前扉側上皿通路51と、下皿34に通じる前扉側下皿通路52とが形成されている。通路形成ユニット50において、その上側隅部には後方に突出し上方に開放された受口部53が形成されており、当該受口部53を仕切壁54によって左右に仕切ることで前扉側上皿通路51の入口部分と前扉側下皿通路52の入口部分とが区画形成されている。前扉側上皿通路51及び前扉側下皿通路52は上流側が後述する遊技球分配部に通じており、前扉側上皿通路51に入った遊技球は上皿33に導かれ、前扉側下皿通路52に入った遊技球は下皿34に導かれる。
前扉枠14の背面における回動基端側(図3の右側)には、その上端部及び下端部に突起軸61,62が設けられている。これら突起軸61,62は内枠13に対する組付機構を構成する。また、前扉枠14の背面における回動先端側(図3の左側)には、図2に示すように、後方に延びる鉤金具63が上下方向に複数並設されている。これら鉤金具63は内枠13に対する施錠機構を構成する。
次に、図4に基づき内枠13について詳細に説明する。図4は内枠13の正面図である。なお、図4においては図2と同様に便宜上パチンコ機10の遊技領域PE内の構成を省略している。
内枠13は、外形が外枠11と同様に略矩形状をなす樹脂ベース70を主体に構成されている。樹脂ベース70の高さ寸法は、外枠11の高さ寸法よりも若干小さく設定されている。また、樹脂ベース70は外枠11の上側枠部に寄せて配置され、外枠11の下側枠部と樹脂ベース70との間には若干の隙間が形成されている。外枠11にはこの隙間を塞ぐようにして幕板が装着されている。幕板は、樹脂ベース70(詳しくはその下端部)の下方に配置されており、内枠13が外枠11に対して閉じられた状態では樹脂ベース70が幕板の上に載ることとなる。なお、幕板と樹脂ベース70との間に若干のクリアランスを設けてもよい。
樹脂ベース70の前面における回動基端側(図4の左側)には、その上端部及び下端部に支持金具71,72が取り付けられている。図示は省略するが、支持金具71,72には軸孔が形成されており、それら軸孔に前扉枠14の突起軸61,62が挿入されることにより、内枠13に対して前扉枠14が回動可能に支持されている。
樹脂ベース70の前面における回動先端側(図4の右側)には、前扉枠14の背面に設けられた鉤金具63を挿入するための挿入孔73がそれぞれ設けられている。本パチンコ機10では、内枠13や前扉枠14を施錠状態とするための施錠装置75が内枠13の背面側に隠れて配置される構成となっている。したがって、鉤金具63が挿入孔73を介して施錠装置75(詳しくは前扉用鉤受け部材76)に係止されることによって、前扉枠14が内枠13に対して開放不能に施錠される。また、施錠装置75は、内枠13の後方へ延びる内枠用鉤部材77を有している。これら内枠用鉤部材77が外枠11の鉤受け部材19に引っ掛かることにより遊技機主部12が外枠11に対して閉じた状態で施錠される。
樹脂ベース70の右下隅部には、施錠装置75の解錠操作を行うためのシリンダ錠78が設置されている。シリンダ錠78は施錠装置75に一体化されており、シリンダ錠78の鍵穴に差し込んだキーを右に回すと内枠13に対する前扉枠14の施錠が解除され、シリンダ錠78の鍵穴に差し込んだキーを左に回すと外枠11に対する内枠13の施錠が解除されるように施錠装置75が構成されている。
樹脂ベース70の中央部には略楕円形状の窓孔74が形成され、樹脂ベース70に装着された遊技盤80によって同窓孔74が後方から塞がれている。遊技盤80は、木製の合板と同合板における前側の板面を覆うシート材とを有してなり、その前面が上記窓孔74を通じて樹脂ベース70の正面側に露出している。この露出している部位、すなわち遊技盤80の前面には、遊技球が流下する遊技領域PEが形成されている。既に説明したように遊技領域PEはガラスユニット22(詳しくはガラスパネル24)によって覆われている。ガラスユニット22は、ガラスパネル24と遊技盤80の前面との隙間が遊技球の直径よりも僅かに大きくなるように、すなわち遊技領域PEを流下する遊技球が同遊技領域PEの同一箇所にて前後に並ばないように配置されている。これにより、遊技領域PEでの球詰まりを抑制している。なお、遊技盤80は木製に限定されるものではなく、合成樹脂製とすることも可能である。
以下、図5に基づき遊技盤80(特に遊技領域PEに配された各種構成)について説明する。図5は遊技盤80の正面図である。
遊技盤80には、ルータ加工が施されることによって自身の厚さ方向(前後方向)に貫通する大小複数の開口が形成されている。各開口には、一般入賞口81、可変入賞装置82、作動口83,84、スルーゲート85及び可変表示ユニット86等がそれぞれ設けられている。一般入賞口81、可変入賞装置82及び作動口83,84に遊技球が入ると、それら遊技球が後述する検知スイッチにより検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。その他に、遊技盤80の最下部にはアウト口87が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口87を通って遊技領域PEから排出される。以下の説明では、アウト口87への遊技球の入球と明確に区別するために、一般入賞口81、可変入賞装置82、作動口83,84、スルーゲート85への遊技球の入球を、入賞とも表現する。
また、遊技盤80には、遊技球の流下経路を適宜分散,調整等するために多数の釘88が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。これら釘88や風車等の各種構成によって、遊技球の流下経路が分化され、上述した一般入賞口81等への入賞が適度な確立で発生するように調整されている。
可変表示ユニット86には、作動口83,84への入賞をトリガとして図柄を可変表示する図柄表示装置91が設けられている。また、可変表示ユニット86には、図柄表示装置91を囲むようにしてセンターフレーム92が配設されている。センターフレーム92の上部には、第1特定ランプ部93及び第2特定ランプ部94が設けられている。また、センターフレーム92の上部及び下部にはそれぞれ保留ランプ部95,96が設けられている。下側の保留ランプ部95は、図柄表示装置91及び第1特定ランプ部93に対応しており、遊技球が作動口84を通過した回数は最大4回まで保留され保留ランプ部95の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。上側の保留ランプ部96は、第2特定ランプ部94に対応しており、遊技球がスルーゲート85を通過した回数は最大4回まで保留され保留ランプ部96の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
図柄表示装置91は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。図柄表示装置91には、例えば左、中及び右に並べて図柄が表示され、これらの図柄が上下方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。そして、予め設定されている有効ライン上に所定の組合せの図柄が停止表示された場合には、特別遊技状態(以下、大当たりという)が発生することとなる。
第1特定ランプ部93では、作動口83,84への入賞をトリガとして所定の順序で発光色の切り替えが行われ、予め定められた色で停止表示された場合には大当たりが発生する。
作動口83,84は、可変表示ユニット86寄りとなる位置に配置されている。作動口83,84への入賞をトリガとして、大当たりが発生し得るため、遊技者は作動口83,84に入賞するか否かに注目するとともに、大当たりが発生するか否かを把握するため図柄表示装置91や第1特定ランプ部93に注目するものと考えられる。作動口83,84を可変表示ユニット86寄りに設けたことは、遊技者が注目したい箇所を可変表示ユニット86周辺に集中させるための工夫である。
また、作動口83,84は、可変表示ユニット86の下方に上下に並べて配列されている。以下便宜上、上側の作動口を「上作動口83」、下側の作動口を「下作動口84」と称する。
下作動口(抽選契機入球部)84には、開閉式の入球補助装置(入球補助手段)又は開閉部材(開閉手段)としての電動役物89が設けられている。電動役物89は、下作動口84への入球が可能又は容易となる開放状態(補助状態)と、同入球が不可又は困難となる閉鎖状態(非補助状態)とに切替可能となっている。上述した第2特定ランプ部94において遊技球のスルーゲート85の通過をトリガとした発光色の切り替えが所定の順序で行われ予め定められた色が停止表示された場合には、電動役物89が所定時間だけ開放状態となる。
可変入賞装置(特別入球装置又は特別入球手段)82は、開閉部材(開閉手段)としての開閉扉を有しており、遊技球の入球が可能又は容易となる開放状態(補助状態)と、同入球が不可又は困難となる閉鎖状態(非補助状態)とに切替可能となっている。通常時においては、開閉扉は閉鎖状態のまま維持され、大当たりの際には開放状態への切り換えがなされる。可変入賞装置82の開放態様としては、所定時間(例えば30秒間)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとし、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限とした可変入賞装置82の開放が繰り返されるものが一般的である。
再び図4を用いて説明すれば、樹脂ベース70における遊技盤80の下方には、上記遊技球発射ハンドル41の操作に基づいて遊技領域PEへ遊技球を発射する遊技球発射機構110が設けられている。図4に示すように、遊技球発射機構110は、所定の発射待機位置に配置された遊技球を打ち出すソレノイド111と、同ソレノイド111によって打ち出された遊技球の発射方向を規定する発射レール112と、上記発射待機位置に遊技球を供給する球送装置113と、それら各種構成111〜113が装着されているベースプレート114とを主要な構成として備えており、同ベースプレート114が樹脂ベース70に固定されることで、樹脂ベース70に対して一体化されている。
発射レール112は、遊技盤80側に向けて上り傾斜となるように、斜めに傾いた状態でベースプレート114に固定されている。発射レール112の下流側の端部(すなわち下端部)寄りとなる位置には、球送装置113から供給された遊技球を上述した発射待機位置に留める球ストッパが配されている。球ストッパよりも更に下流側となる位置に、上記ソレノイド111が配置されている。
ソレノイド111は、後述する電源・発射制御装置に対して電気的に接続されている。その電源・発射制御装置からの電気的な信号の出力に基づいてソレノイド111の出力軸が伸縮方向に往復動することにより、発射待機位置に置かれた遊技球が遊技盤80側、詳しくは遊技盤80に装着された誘導レール100に向けて打ち出される。
誘導レール100は、遊技領域PEを同遊技領域PEの外形が略円形状となるように区画形成している。また、誘導レール100は、遊技球の直径よりも若干大きな隙間を隔てて対峙するように配置された内レール101及び外レール102からなり、それら両レール101,102によって一条の誘導通路103が区画形成されている。誘導通路103は、発射レール112の先端側(斜め下方)に開放された入口部分と、遊技領域PEの上部に位置する出口部分とを有している。ソレノイド111の動作に基づいて発射された遊技球は、発射レール112→誘導レール100(入口部分→出口部分)の順に移動することにより遊技領域PEに導かれる。なお、遊技盤80において出口部分の先側、詳しくは内レール101の先端付近には、遊技領域PEに到達した遊技球の同誘導通路103内への逆戻りを防止する逆戻り防止部材106が取り付けられており、先んじて遊技領域PEに至った遊技球によって後続する遊技球の打ち出しが妨げられることを抑制している。
誘導レール100を構成している各レール101,102は、遊技領域PEの略中央部分を中心とする円弧状をなしている。このため、誘導通路103を通過する遊技球は、自身に発生する遠心力により外レール102に沿って、すなわち外レール102に接触したまま移動(摺動又は転動)しやすくなっている。
同図5に示すように、誘導レール100及び発射レール112は、同誘導レール100の入口部分と発射レール112の先端部分とが遊技盤80の下端縁を挟んで斜めに対峙するように配置されている。つまり、それら両レール100,112は、同誘導レール100の入口部分と発射レール112の先端部分とが遊技盤80の下端縁近傍にて左右にずれるようにして配置されている。これにより両レール100,112を遊技盤80の下端縁に近づけつつ、誘導レール100の入口部分と発射レール112との間には所定間隔の隙間を形成している。
このようにして形成された隙間よりも下側にはファール球通路55が配設されている。ファール球通路55は前扉枠14の通路形成ユニット50に一体成形されている。仮に遊技球発射機構110から発射された遊技球が遊技領域PEまで至らずファール球として誘導通路103内を逆戻りする場合には、それらファール球が上記隙間を介してファール球通路55内に入ることとなる。ファール球通路55は前扉側下皿通路52に通じており、ファール球通路55に入った遊技球は図1に示した下皿34に排出される。これにより、ファール球と次に発射される遊技球との干渉が抑制される。
樹脂ベース70において発射レール112の左方(詳しくは前扉枠14を支持している側)には樹脂ベース70を前後方向に貫通する貫通孔が形成されており、この貫通孔に通路形成部材121が配設されている。通路形成部材121は、樹脂ベース70に対してネジ止めされており、本体側上皿通路122と本体側下皿通路123とを有している。それら本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123の上流側は、後述する遊技球分配部に通じている。また、通路形成部材121の下方には前扉枠14に取り付けられた通路形成ユニット50の受口部53が入り込んでおり、本体側上皿通路122の下方には前扉側上皿通路51が配置され、本体側下皿通路123の下方には前扉側上皿通路51が配置されている(図2参照)。
樹脂ベース70において通路形成部材121の下方には、本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123を開閉する開閉部材124が取り付けられている。開閉部材124はその下端に設けられた支軸により前後方向に回動可能に支持されており、さらに本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123を閉鎖する前方位置に付勢する付勢部材が設けられている。従って、前扉枠14を内枠13に対して開いた状態では開閉部材124が図示の如く起き上がり、本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123を閉鎖する。これにより、本体側上皿通路122又は本体側下皿通路123に遊技球が貯留されている状態で前扉枠14を開放した場合、その貯留球がこぼれ落ちてしまうといった不都合が防止できる。これに対し、前扉枠14を閉じた状態では、前扉枠14の通路形成ユニット50に設けられた受口部53により付勢力に抗して開閉部材124が押し開けられる。この状態では、本体側上皿通路122と前扉側上皿通路51とが連通し、さらに本体側下皿通路123と前扉側下皿通路52とが連通している。
次に、図6に基づき内枠13(樹脂ベース70及び遊技盤80)の背面構成について説明する。図6はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図である。
樹脂ベース70の背面における回動基端側(図8の右側)には、軸受け金具132が上下に並設されている。軸受け金具132には、上下に離間させて軸受け部が形成されており、これら軸受け部により内枠13に対して裏パックユニット15が回動可能に取り付けられている。
樹脂ベース70の背面には、係止金具135が複数設けられており、これら係止金具135によって上述したように樹脂ベース70に対して遊技盤80が取り付けられている。ここで、遊技盤80の背面の構成を説明する。図7は遊技盤80から主制御装置ユニット160を取り外した状態を示す背面図である。
遊技盤80の中央に配置される可変表示ユニット86には、センターフレーム92を背後から覆う合成樹脂製のフレームカバー141が後方に突出させて設けられており、フレームカバー141に対して後側から上述した図柄表示装置91が取り付けられるとともに、その図柄表示装置91を駆動するための表示制御装置が取り付けられている(図示は省略)。これら図柄表示装置91及び表示制御装置は前後方向に重ねて配置され(図柄表示装置が前、表示制御装置が後)、さらにその後方に音声ランプ制御装置ユニット142が搭載されている。音声ランプ制御装置ユニット142は、音声ランプ制御装置143と、取付台144とを具備する構成となっており、取付台144上に音声ランプ制御装置143が装着されている。
音声ランプ制御装置143は、後述する主制御装置からの指示に従い音声やランプ表示、及び表示制御装置の制御を司る音声ランプ制御基板を具備しており、音声ランプ制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス145に収容されて構成されている。
遊技盤80の背面には、図7に示すように、可変表示ユニット86の下方に集合板150が設けられている。集合板150には、各種入賞口に入賞した遊技球を回収する遊技球回収機構や、各種入賞口等への遊技球の入球を検知する検知機構などが設けられている。
遊技球回収機構について説明すると、集合板150には、一般入賞口81、可変入賞装置82、作動口83,84等の各種入球口に対して個々に対応する回収通路151が設けられている。これら回収通路151は、それら入球口から遊技盤80の背面に沿って下っており、遊技球の落下経路を規定している。各回収通路151は、同遊技盤80の下端付近にて合流しており、一般入賞口81等の入球口を通過した遊技球は何れも回収通路151を介して遊技盤80の下部に集合することとなる。各回収通路151の出口部分は、下方に開放されており、その先側(詳しくは遊技盤80の下方)には後述する排出通路が設けられている。回収通路151により遊技盤80の下方に集合した遊技球は、排出通路へと導出される。なお、アウト口87も同様に排出通路に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球もアウト口87を介して排出通路へ導出される。
検知機構について説明すると、集合板150には、一般入賞口81、可変入賞装置82、作動口83,84に対して個々に対応する検知センサが設けられている。これら各種検知センサは、上記一般入賞口81等の入球口に連なる各回収通路151の途中位置に配置されており、同回収通路151にて遊技球の落下経路が規定された状態にて遊技球の通過を検知する。より詳しくは、各検知センサは、各回収通路151の途中位置に設けられた検知領域を遊技球が通過することで、一般入賞口81等の入球口への入球を検知するものであり、具体的には上記検知領域を遊技球が通過した場合に生じる磁場の変化を把握する磁気センサが採用されている。
これら各種検知センサは、遊技盤80の背面側に設けられた主制御装置ユニット160(詳しくは主制御装置)に電気的に接続されており、それら検知センサにおける検知信号が同主制御装置に対して出力される構成となっている。以下、主制御装置ユニット160及びそれに付随する構成について図11に基づき説明する。図11は主制御装置ユニット160の構成を示す斜視図である。
主制御装置ユニット160は、集合板150を後側から覆うようにして遊技盤80に搭載されており、合成樹脂製の取付台161と、同取付台161に搭載された主制御装置162とによって構成されている。主制御装置162は、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)と、電源を監視する機能(停電監視回路)とを有する主制御基板を具備しており、当該主制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス163に収容されて構成されている。
基板ボックス163は、略直方体形状のボックスベース(表ケース体)とこのボックスベースの開口部を覆うボックスカバー(裏ケース体)とを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印手段としての封印部164によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス163が封印されている。封印部164は、基板ボックス163の長辺部に5つ設けられ、そのうち少なくとも一つが用いられて封印処理が行われる。
封印部164はボックスベースとボックスカバーとを開封不能に結合する構成であれば任意の構成が適用できるが、封印部164を構成する長孔に係止爪を挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開封不能に結合されるようになっている。封印部164による封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開封した後でも再度封印処理を行うこと自体は可能である。すなわち、5つの封印部164のうち、少なくとも一つの長孔に係止爪を挿入することにより封印処理が行われる。そして、収容した主制御基板の不具合発生の際や主制御基板の検査の際など基板ボックス163を開封する場合には、係止爪が挿入された封印部と他の封印部との連結部分を切断する。これにより、基板ボックス163のボックスベースとボックスカバーとが分離され、内部の主制御基板を取り出すことができる。その後、再度封印処理する場合は他の封印部の長孔に係止爪を挿入する。基板ボックス163の開封を行った旨の履歴を当該基板ボックス163に残しておけば、基板ボックス163を見ることで不正な開封が行われた旨が容易に発見できる。
基板ボックス163の一方の短辺部には、その側方に突出するようにして複数の結合片が設けられている。これら結合片は、取付台161に形成された複数の被結合片と1対1で対応しており、結合片と被結合片とにより基板ボックス163と取付台161との間で封印処理が行われる。
次に、図8〜図10に基づき裏パックユニット15について説明する。図8はパチンコ機10の背面図、図9は裏パックユニット15の正面図、図10は裏パックユニット15を主要な構成ごとに分解して示す分解斜視図である。
図8に示すように、内枠13は裏パックユニット15によって後方から覆われている。裏パックユニット15は、裏パック201を備えており、当該裏パック201に対して、払出機構部202、排出通路盤及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。
裏パック201は透明性を有する合成樹脂により成形されており、図9に示すように払出機構部202などが取り付けられるベース部211と、パチンコ機10後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部212とを有する。保護カバー部212は左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも可変表示ユニット86を囲むのに十分な大きさを有する。
図9に示すように、ベース部211には、その右上部に外部端子板213が設けられている。外部端子板213には各種の出力端子が設けられており、これらの出力端子を通じて遊技ホール側の管理制御装置に対して各種信号が出力される。また、ベース部211にはパチンコ機10後方からみて右端部に上下一対の掛止ピン214が設けられており、掛止ピン214を内枠13に設けられた軸受け金具132(詳しくは軸受け部)に挿通させることで、裏パックユニット15が内枠13に対して回動可能に支持されている。また、ベース部211における回動先端部には、内枠13に設けられた被締結孔90に対して締結するための締結具215が設けられており、当該締結具215を被締結孔に嵌め込むことで内枠13に対して裏パックユニット15が固定されている。
ベース部211には、保護カバー部212を迂回するようにして払出機構部202が配設されている。払出機構部202には、裏パック201の最上部に配されているとともに上方に開口したタンク221が設けられており、遊技ホールの島設備から供給される遊技球がそのタンク221に逐次補給される。タンク221の下方には、下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール222が連結され、タンクレール222の下流側には上下方向に延びるケースレール223が連結されている。ケースレール223の最下流部には払出装置224が設けられている。払出装置224より払い出された遊技球は、当該払出装置224の下流側に設けられた図示しない払出通路を通じて、裏パック201のベース部211に設けられた遊技球分配部225に供給される。
遊技球分配部225は、払出装置224より払い出された遊技球を上皿33、下皿34又は後述する排出通路の何れかに振り分けるための機能を有し、内側の開口部が上述した本体側上皿通路122及び前扉側上皿通路51を介して上皿33に通じ、外側の開口部が本体側下皿通路123及び前扉側下皿通路52を介して下皿34に通じるように形成されている(図3及び図7参照)。
図10に示すように、ベース部211の下端部には、当該下端部を前後に挟むようにして排出通路盤及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。排出通路盤には、制御装置集合ユニット204と対向する面に後方に開放された排出通路が形成されており、当該排出通路の開放部は制御装置集合ユニット204によって塞がれている。排出通路は、遊技ホールの島設備等へ遊技球を排出するように形成されており、上述した回収通路等から排出通路に導出された遊技球は当該排出通路を通ることでパチンコ機10外部に排出される。
制御装置集合ユニット204は、横長形状をなす取付台241を有し、取付台241に払出制御装置242と電源・発射制御装置243とが搭載されている。これら払出制御装置242と電源・発射制御装置243とは、払出制御装置242がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置242においては基板ボックス244内に払出装置224を制御する払出制御基板が収容されており、当該払出制御基板に設けられた状態復帰スイッチ245が基板ボックス244外に突出している。例えば、払出装置224における球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ245が押されると、球詰まりの解消が図られるようになっている。
電源・発射制御装置243は、基板ボックス246内に電源・発射制御基板が収容されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電源が生成されて出力され、さらに遊技者による遊技球発射ハンドル41の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。また、電源・発射制御装置243にはRAM消去スイッチ247が設けられている。本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。したがって、例えば遊技ホールの営業終了の場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持されるが、RAM消去スイッチ247を押しながら電源を投入すると、RAMデータが初期化されるようになっている。
(作動口83,84における入賞検知に関する構成)
既に説明したように、一般入賞口81、可変入賞装置82、作動口83,84等の入球部に流入した遊技球が検知センサによって検知されると、その検知情報に基づいて遊技者に遊技球の払い出し等の特典が付与される。本実施の形態においては特に、入球部に流入した遊技球の検知精度(すなわち入賞の検知精度)を向上するための各種工夫がなされている。そこで以下、その一例として作動口83,84における球検知に関する構成を図5及び図11に基づき補足説明する。図11は、図5のA−A線部分断面図である。
図11に示すように、遊技盤80において可変表示ユニット86の下方には上下に並ぶようにして上側開口部98及び下側開口部99が設けられている。それら両開口部98,99は、遊技盤80の厚さ方向(前後方向)に貫通しており、開口断面が略矩形状をなすように形成されている。開口部98,99には、遊技盤80の前面側から作動口形成ユニット250が組み付けられている。
作動口形成ユニット250は、上側開口部98にて上作動口83を形成する上作動口形成部260と、下側開口部99にて下作動口84を形成する下作動口形成部270とが一体化されてなる。なお、上作動口形成部260及び下作動口形成部270を別体で設け、それら各作動口形成部260,270を遊技盤80に対して個別に取り付けることも可能である。
上作動口形成部260は、遊技領域PE内を流下する遊技球を取り込む上側取込部261と、同上側取込部261によって取り込まれた遊技球を遊技盤80の背面側に誘導する上側誘導通路部262とを有している。
上側取込部261は、遊技盤80の前面よりも前方に突出しているとともに、上方に開放されている。これにより、上側取込部261の上方からの遊技球の流入を許容しつつ、他の方向(例えば左右方向)からの遊技球の流入を不可としている。なお、上側取込部261に遊技球が流入する点に着目すれば同上側取込部261を「上側流入部261」と称することも可能である。
上側誘導通路部262は上方に開放されているとともに遊技盤80の厚さ方向に延びる樋状をなしており、上側開口部98に挿入されることで遊技盤80の前面及び背面に跨っている。上側誘導通路部262の底面には、上側取込部261から流入した遊技球を遊技盤80の背面側に導くガイドリブ263が形成されている。ガイドリブ263は、上側誘導通路部262の底面から上方に起立するとともに、上側取込部261から上側誘導通路部262の後端に延びる突条をなしている。
ガイドリブ263の起立先端部分は、遊技盤80の背面側に向けて下り傾斜している。このため、上側取込部261から流入した遊技球は、ガイドリブ263の傾斜に沿って遊技盤80の背面側へ向けて移動する。故に、それら遊技球が上側誘導通路部262内にて滞留することが好適に回避される。
下作動口形成部270は、上作動口形成部260と同様の構成、すなわち遊技領域PE内を流下する遊技球を取り込む下側取込部271と、同下側取込部271によって取り込まれた遊技球を遊技盤80の背面側に誘導する下側誘導通路部272とを有している。
下側取込部271は、遊技盤80の前面よりも前方に突出しているとともに、上方に開放されている。下側取込部271の入口部分の直上には、上作動口形成部260が位置しており、この上作動口形成部260によって直上からの遊技球の流入が妨げられている。また、下作動口形成部270には下側取込部271の入口部分を左右両側から挟むようにして上記電動役物89が配されており、同電動役物89が閉じた状態においては当該電動役物89と上作動口形成部260との隙間寸法が遊技球の直径寸法よりも小さくなっている。このため、電動役物89が開放されない限り下作動口形成部270への遊技球の流入が同電動役物89及び上作動口形成部260によって妨げられることとなる。なお、下側取込部271に遊技球が流入する点に着目すれば同下側取込部271を「下側流入部271」と称することも可能である。
下側誘導通路部272の底面には、上側誘導通路部262と同様に、下側取込部271から流入した遊技球を遊技盤80の背面側に導くガイドリブ273が形成されている。ガイドリブ273は、下側誘導通路部272の底面から上方に起立するとともに、下側取込部271から下側誘導通路部272の後端に延びる突条をなしている。ガイドリブ273の起立先端部分は、遊技盤80の背面側に向けて下り傾斜している。このため、下側取込部271から流入した遊技球は、ガイドリブ273の傾斜に沿って遊技盤80の背面側へ向けて移動する。故に、それら遊技球が下側誘導通路部272内にて滞留することが好適に回避される。
これら各誘導通路部262,272を通じて遊技盤80の後方へ誘導された遊技球は、上記集合板150へ到達する。集合板150には、上側誘導通路部262から流出した遊技球を回収する上側回収通路部311と、下側誘導通路部272から流出した遊技球を回収する下側回収通路部321とが設けられており、これら回収通路部311,321により個々に区画形成された通路によって上記回収通路151の一部が構成されている。
上側回収通路部311及び下側回収通路部321については、通路の取り回し等の構成が若干相違している。以下便宜上、図11及び図12に基づき下側回収通路部321及びそれに付随する構成について説明し、その後、同下側回収通路部321との相違点を踏まえて、上側回収通路部311及びそれに付随する構成について説明する。図12は、図11のB矢視図である。なお、図12においては便宜上、集合板150の一部を破断させることにより回収通路151の一部を視認可能としている。
下側回収通路部321は、下側誘導通路部272によって区画形成された誘導通路275の通路方向と交差する方向、具体的には鉛直方向に延びる縦通路322を有しており、その縦通路322が同誘導通路275に連通している。
縦通路322を区画形成している通路壁部324において誘導通路275の延長上(詳しくは下流側への延長上)に位置する部位には、同誘導通路275から縦通路322に流入した遊技球が衝突する球衝突面325が設けられている。球衝突面325は、誘導通路275の通路方向(詳しくはガイドリブ273の傾斜方向)に対して略垂直に形成されている。つまり、同球衝突面325は、上方を向くように、すなわち上方を向く成分を有するように水平面に対して斜めに傾けて形成されている。
下側取込部271から流入した遊技球は、誘導通路275を通じて縦通路322に流入する。このようにして縦通路322へ流入した遊技球は、誘導通路275の延長方向へ移動し、球衝突面325に衝突する。この際、同遊技球が下側回収通路部321(詳しくは縦通路322)の下流側へ向けて跳ね返ることが抑制されることとなる。つまり、下側回収通路部321へ流入した遊技球は、縦通路322の上流部分にて下向きの速度成分が一時的に所定値(本実施の形態においてはほぼゼロ)となるように調整された後、縦通路322に沿って落下することとなる。
なお、球衝突面325を上方に傾けることにより、上述したように遊技球の落下速度を調整することができる反面、仮に1の遊技球が球衝突面325に衝突したタイミングにて同遊技球に対して複数の遊技球が連なった場合には球詰まり等の不都合が生じやすくなると懸念される。このような不都合は壁面における上方を向く成分が大きくなればなるほど顕著になると想定される。この点、本実施の形態における球衝突面325については、垂直方向を基準とした球衝突面325の傾斜角度ANG1を、水平方向を基準としたガイドリブ273の傾斜角度ANG2(詳しくは誘導通路275の出口部分における傾斜角度ANG2)と同等とすることにより、そのような不都合の発生を抑制している。
因みに、球衝突面325を、左方又は右方に傾けることも可能である。このような変更を行った場合、球衝突面325に衝突した遊技球を誘導通路275の延長上から遠ざかる側へ導くことが可能となり、上述した球詰まりの発生を更に好適に抑制することができる。故に、上記傾斜角度ANG1を大きく設定して減勢機能を高めるとともに、それに起因した球詰まりの発生を抑えることができ、実用上好ましい構成を実現することができる。
また、先行する遊技球に対して後続の遊技球が当接する場合には、同後続の遊技球がガイドリブ273に載ったままとなるように、ガイドリブ273の後端(下側誘導通路部272の出口部)と球衝突面325との位置関係を規定している。これにより、先行する遊技球が後続の遊技球によって上方へ押されることを抑制することができ、上記球詰まり防止機能を一層好適なものとしている。
縦通路322の途中位置、詳しくは下側回収通路部321において球衝突面325よりも下流側となる部位には、当該縦通路322を通過する遊技球を検知可能な検知センサ350が設けられている。検知センサ350は、集合板150に形成されたセンサ収容部326に収容された状態で固定されることで、同集合板150に対して一体化されている(図7参照)。ここで、図11及び図13に基づき検知センサ350について説明する。図13(a)は検知センサ350の斜視図、図13(b)は検知センサ350を主要部品ごとに分解して示す分解斜視図である。
図13に示すように、検知センサ350は、遊技球を検知するセンサ主部360を有している。センサ主部360には、コンデンサ等の電子部品が実装されることで各種回路が形成されたセンサ基板361と、同センサ基板361の一側部に固定された電磁式の球検知部362と、センサ基板361において球検知部362とは反対側の端部に固定されたコネクタベース363とが設けられている。
図11に示すように、球検知部362は縦通路322の通路方向と同一方向に延びる筒状部362aを有しており、検知センサ350が集合板150に組み付けられた状態、すなわちセンサ収容部326に収容された状態では同筒状部362aによって縦通路322の一部が構成されている。より詳しくは、上記センサ収容部326は縦通路322の一部を当該縦通路322の通路方向と交差する方向へ凹ませることで形成されており、検知センサ350が同センサ収容部326に収容された状態では、筒状部362aによってその凹み部分が通路内側から塞がれている。筒状部362aの内周面は縦通路322の通路壁面と略面一となるように形成されており、同筒状部362aの内周面によって通路領域の一部が区画形成されている。
筒状部362aの外周面にはコイル364が巻きつけられており、同コイル364の両端(電気導線の両端)はセンサ基板361に接続されている(13(b)参照)。このコイル364が通電されることで、少なくとも筒状部362aによって囲まれた領域(以下便宜上、検知領域DEと称する)に磁界が発生することとなる。
再び図13を参照して説明すれば、検知センサ350は、センサ主部360を収容するケース体370を備えている。ケース体370は、センサ主部360を挟んで対峙する一対のケース構成体を有してなり、それら各ケース構成体が組み合わせられることで、検知センサ350の内部領域と外部領域とを区画している。ケース体370には電波や静電気等の通過を抑制するシールド機能が付与されており、当該ケース体370によってそれら電波等の影響がセンサ基板361に及ぶことを抑制している。
ケース体370には、コネクタベース363を検知センサ350の外部に露出させる切欠き部372が形成されており、同コネクタベース363に対してハーネスHが接続されている(図13(b)参照)。これにより、検知センサ350と主制御装置162とが電気的に接続され、検知センサ350から出力された検知信号を主制御装置162に伝達することが可能となっている。
また、それらケース体370には、上記球検知部362の筒状部362aに連通する開口部371が形成され、縦通路322を落下する遊技球の検知領域DEの通過が許容されている。遊技球が検知領域DEを通過した際には、同検知領域DEに形成された磁界が変化し、コイル364におけるインピーダンスが変化する。これにより、遊技球の通過が、信号の変化、詳しくは電圧の変化として現れることとなる。
なお、図11に示すように筒状部362aにおける中心軸線方向(縦通路322の通路方向)の長さ寸法L1は、遊技球の直径寸法D1よりも小さく設定されている。このため、同筒状部362aを通過する遊技球は筒状部362a内に埋没することはなく、通過タイミングにおいては同遊技球の少なくとも一部が筒状部362aから突出することとなる。これにより、例えば遊技球が複数連なった状態で検知領域DEを通過した場合での個々の遊技球の識別能力を向上させている。
本実施の形態においては特に、複数の遊技球が連なった状態で検知領域DEを通過することを事前に回避するための工夫が施されており、これにより誤検知の発生を抑制している。
具体的には、ガイドリブ273の上面において上記下側誘導通路部272の途中位置となる部分には、上方へ緩やかに凸となる突部274が形成されている。突部274は上流側部位が上り傾斜しており、下流側部位が下り傾斜している。このため、同突部274を通過する遊技球は、上流側部位分を通過することにより減速した後、下流側部位を通過することにより再び加速することとなる。
仮に複数の遊技球が連なった状態にて、突部274を通過すると、先行する遊技球と後続する遊技球とが接触した状態で上り傾斜部分を通過するため、各遊技球の移動速度は同一となる。一方、先遊技球が下り傾斜部分に達すると、同先行球の移動速度が、未だ上り傾斜部分に存在している後続球の移動速度よりも速くなる。このため、それら両遊技球には速度差が生じ、両者の間に隙間を発生することとなる。このようにして、遊技球同士が接触した状態で流下することを抑えることにより、上述した誤検知の発生を好適に抑制することができる。
次に、再び図11及び図12を参照して上側回収通路部311及びそれに付随する構成について説明する。
上側回収通路部311は、下側回収通路部321との干渉を回避するようにして配設されている。具体的には、上側回収通路部311は、上側誘導通路部262によって区画形成された誘導通路265から流出した遊技球を下側回収通路部321から遠ざかる側へ誘導する横通路312と、同横通路312の下流側の端部に連通し、当該横通路312に交差する方向(詳しくは鉛直方向)に延びる縦通路315とを有しており、この縦通路315に検知センサ350が配されている。
つまり、下作動口84においては、下側誘導通路部272を通過した遊技球が検知センサ350が配設された縦通路322にそのまま流入する構成であったのに対して、上作動口83においては、上側誘導通路部262を通過した遊技球を横通路312を経由させて縦通路315へ流入させる構成が採用されている。
横通路312は、上側誘導通路部262の誘導通路265に連通しており、その連通部分から遠ざかる側へ下り傾斜している。下側回収通路部321において横通路312を形成している底面には、詳しくは同底面において横通路312の途中位置となる部位には、上方に凸となる突部314が形成されている。この突部314には、下側誘導通路部272の突部274と同様の機能が付与されている。つまり、横通路312に複数の遊技球が流入した場合に、それら遊技球が連なって移動することを抑制し、各遊技球を引き離すことが可能となっている。
縦通路315を区画形成している通路壁部316において横通路312の延長上(詳しくは下流側への延長上)に位置する部位には、同横通路312から縦通路322に流入した遊技球が衝突する球衝突面317が設けられている。球衝突面317は、横通路312の通路方向に対して略垂直に形成されている。つまり、同球衝突面317は、上方を向くように、すなわち上方を向く成分を有するように水平面に対して斜めに傾けて形成されている。横通路312から縦通路315に流入した遊技球が球衝突面317に衝突することにより、同遊技球の上下方向の移動成分が所定の低速度(本実施の形態においてはほぼ0)となるように調整されることとなる。
上述の如く上側回収通路部311を下側回収通路部321との干渉を回避するようにして取り回した場合、上作動口83における入口から検知センサ350までの通路距離が、下作動口84における下側取込部271から検知センサ350までの通路距離よりも長くなることで、上作動口83の入賞時における球検知の応答性が低下することが懸念される。すなわち、上側誘導通路部262へ遊技球が流入してから、検知センサ350によって同遊技球が検知されるまでの期間が長くなると想定される。このような応答性の低下は、円滑な遊技進行の妨げとなり得るため好ましくない。
この点、本実施の形態においては、上側誘導通路部262のガイドリブ263については、上側取込部261の入口寄りとなる部位、すなわち同入口の直下に位置する部位にてその傾斜度合いを大きくする構成とした。つまり、上側取込部261は上方からの遊技球の流入を想定しているため、遊技球の落下の勢いを、上側回収通路部311へ向けての移動に転用することで、上側取込部261から上側回収通路部311への到達期間を短縮させている。このようにして、遊技球を勢いよく上側回収通路部311に到達させたとしても、当該上側回収通路部311の横通路312を経由することによりその勢いが弱められることとなる。これにより、遊技球が横通路312と縦通路315との境界部位にて暴れることを抑制し、縦通路315における遊技球の落下速度のばらつきを抑制している。
なお、下側誘導通路部272においては、同下側誘導通路部272から直接縦通路322へ遊技球が流入する。下側誘導通路部272に突部274を配設しているため、遊技球に過度な勢いを与えると、突部274を通過することで、遊技球が浮き上がり、上下位置が安定しないまま、縦通路322へ流入し得る。これでは、遊技球の落下速度を調整することが難しくなると想定される。故に、上述したようにガイドリブの傾斜度合いを受入口周辺で大きくすることで落下の勢いを後方への移動に利用するといった試みは、上側誘導通路部262に留め、下側誘導通路部272への適用は控えたほうがよい。
因みに、上側回収通路部311に配設されている検知センサは、下側回収通路部321に配設されている検知センサと同様の構成を有している。つまり、上側回収通路部311のセンサ収容部326には、検知センサ350が収容されており、筒状部362aによって区画されている検知領域DEを遊技球が通過することにより、当該検知センサ350から出力される信号が変化する構成となっている(図13参照)。
ここで、遊技進行に伴う遊技球検知の流れについて説明する。
遊技球発射機構110から発射された遊技球は誘導レール100を経由して遊技領域PEに到達する。これら複数の遊技球のうち1の遊技球が上作動口83に流入すると、同遊技球は上側誘導通路部262のガイドリブ263に衝突することで落下の勢いを利用してパチンコ機10の後方、すなわち上側回収通路部311に向けて移動する。上側回収通路部311に到達した遊技球は、横通路312の後側壁面に衝突することで、その勢いが弱められ、横通路312の傾斜に沿って縦通路315側へ移動する。横通路312の底面に沿って移動した遊技球は、縦通路315の球衝突面317に衝突することにより、再びその勢いが弱められ、下方への移動速度が所定の低速度(本実施の形態においてはほぼ0)となる。その後、自重により縦通路315に沿って落下することにより、落下速度のばらつきが抑えられた所定の速度(本実施の形態においては凡そ0.3m/s)で検知センサ350の検知領域DEを通過する。言い換えれば、検知領域DEを通過するのに所定の期間(本実施の形態においては凡そ20msec)を要する。遊技球が検知領域DEを通過することによって得られた信号は、センサ基板361→コネクタベース363→ハーネスH(図13参照)を経由して主制御装置162へ出力される。
遊技領域PEに到達した遊技球の一部がスルーゲート85を通過し電動役物89が開放されたタイミングにて下作動口84へ流入した遊技球は、左右方向への移動成分及び上下方向への移動成分を有しているが、下側取込部271へ流入した際に、同遊技球の左右方向への移動成分が下側誘導通路部272の側壁に衝突することで吸収され、下方への移動成分が同下側誘導通路部272のガイドリブ273に衝突することで吸収される。このようにして勢いが弱められた遊技球は、下側誘導通路部272のガイドリブ273に沿って緩やかに後方へと移動する。
下側回収通路部321に到達した遊技球は、縦通路322の球衝突面325に衝突することによりその勢いが弱められ、下方への移動速度が所定の低速度(本実施の形態においてはほぼ0)となる。その後、自重により縦通路322に沿って落下することにより、落下速度のばらつきが抑えられた所定の速度(本実施の形態においては凡そ0.3m/s)で検知センサ350の検知領域DEを通過する。言い換えれば、検知領域DEを通過するのに所定の期間(本実施の形態においては凡そ20msec)を要する。遊技球が検知領域DEを通過することによって得られた信号は、センサ基板361→コネクタベース363→ハーネスHを経由して主制御装置162へ出力される。
次に、パチンコ機10の電気的構成について、図14のブロック図に基づき説明する。図14では、電力の供給ラインを二重線矢印で示し、信号ラインを実線矢印で示す。
主制御装置162に設けられた主制御基板601には、主制御回路602と停電監視回路603とが内蔵されている。主制御回路602には、MPU611が搭載されている。MPU611には、当該MPU611により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM612と、そのROM612内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM613と、割込回路やタイマ回路、データ入出力回路などの各種回路が内蔵されている。
RAM613は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源・発射制御装置243に設けられた電源・発射制御基板621からデータ記憶保持用電力が供給されてデータが保持される構成となっている。
MPU611には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスラインを介して入出力ポートが接続されている。主制御回路602の入力側には、主制御基板601に設けられた停電監視回路603、払出制御装置242に設けられた払出制御基板622及び各種センサ群などが接続されている。この場合に、停電監視回路603には電源・発射制御基板621が接続されており、主制御回路602には停電監視回路603を介して電力が供給される。
センサ群の一部として、作動口83,84用の検知センサ350や、可変入賞装置82等の他の入球部に設けられた複数の検知センサが接続されており、MPU611において入球部の入賞判定が行われる。
ここで、検知センサ350からの検知情報に基づいた入賞判定を行う上での電気的な構成を図15のブロック図を用いて説明する。
図15に示すように、検知センサ350のセンサ基板361には、主回路650及び出力回路680からなる集積回路が設けられている。
主回路650は、上記コイル364及びコンデンサ661を並設接続した発振回路660を有している。発振回路660はコイル364を発振コイルとする回路であって一定の電圧が印加されることにより一定の周波数(本実施の形態においては1MHz)で発振する。発振回路から出力された信号(アナログ信号)は、同発振回路660と共に主回路650を構成する処理回路670に入力される。処理回路670は、発振回路660から入力された信号をHIレベル及びLOWレベルのいずれかに変換する(2値化する)機能を有しており、上記周波数で発振された信号の振幅が所定の閾値を超えている場合(通常時)にはHIレベル信号を出力する。このようにして2値化された信号は、出力回路680を通じて反転された後、主制御基板601へ出力される。
検知センサ350の検知領域DEを遊技球が通過した場合には、同遊技球がコイル364によって形成されている磁界を通過することになる。このようにして遊技球が磁界を通過すると、コイル364におけるインピーダンスが低下することにより、発振回路の発振条件が変化し、発振回路660から出力される信号の振幅が小さくなる。より詳しくは振幅がほぼ0となって発振が一時的に停止することとなる。
上述した閾値は、遊技球の通過に伴って振幅が小さくなった場合に同振幅が当該閾値を下回るように設定されており、このようにして振幅が閾値を下回った場合(すなわち検知時)には、処理回路670から出力回路680へLOWレベル信号が入力される。出力回路680へ入力されたLOWレベル信号は出力回路680を通じて反転された後、主制御基板601へ出力される。
検知センサ350から入力された信号を主制御基板601のMPU611にて分析することにより、後述する入賞判定が実行される。主制御基板601(詳しくは主制御回路602)の出力側には、中継端子板623を介して音声ランプ制御装置143(詳しくは音声ランプ制御基板624)が接続されているとともに、外部端子板213を通じてホールコンピュータが接続されている。仮に、入賞判定にてノイズ等の影響によるエラーが確認された場合には、当該エラーが発生している旨を報知するべく報知コマンドが音声ランプ制御装置143に出力されるとともに、エラー情報がホールコンピュータに伝達されることとなる。
ここで、主制御装置162のMPU611にて入賞判定を行う上での電気的な構成にていて補足説明する。
MPU611のRAM613には、遊技球の入賞を判定する際に用いられる第1検知カウンタエリア613a及びタイマカウンタエリア613bが設けられている。第1検知カウンタエリア613aは、最大値を「2」とするカウンタ(以下便宜上、第1検知カウンタDC1と称する)となっており、所定の条件に応じてその値が「0」,「1」,「2」で変化する構成となっている。具体的には、任意の1回の処理にて遊技球を検知していないことに対応した信号(すなわちLOWレベル信号)の入力を確認することにより「0」にリセットされ、その後、遊技球を検知していることに対応した信号(すなわちHIレベル信号)の入力を2回の処理にて連続して確認した場合に、「0」→「1」又は「1」→「2」となるようにカウントアップされる。このようにして同第1検知カウンタDC1の値が「2」となった場合に、1の遊技球が入賞したと判定される。
タイマカウンタエリア613bは所定の更新条件に応じて、その更新の都度前回値から1ずつ減算されることにより0に戻るカウンタ(以下便宜上、タイマカウンタTCと称する)となっている。このタイマカウンタTCの値は、当該タイマカウンタTCによる測定機関と、検知信号がHIレベルに切り替ってから遊技球が入賞したと判定されるまでの期間との総和が、遊技球が上記検知領域DEを通過する際に要する期間、すなわち検知信号が遊技球の通過に伴ってHIレベルで維持される期間と同等となるように設定されている。
より詳しくは、本実施の形態においては各作動口83,84に流入した遊技球を誘導通路265,275や縦通路315,322を経由させて検知センサ350(詳しくは検知領域DE)に導くことにより、検知領域DEを遊技球が通過するのに要する期間が設計的及び実験的にほぼ20msecであるとしている。更に、入賞判定を実施するタイミングを「2msec」毎に設定することで、2msec毎の連続する2回のHIレベル信号の検知によって入賞判定に要する期間が凡そ2msec〜4msecとなるように構成されている。そこで、タイマカウンタTCの最大値を「9」とし、更新のタイミングを「2msec」毎に設定することにより、少なくとも遊技球が検知領域DEを通過し終えるタイミング、すなわち検知信号がLOWレベルに切り替るよりも前のタイミングにてタイマカウンタTCが「0」になることが回避されている。
また、MPU611のRAM613には、検知センサ350から入力されている検知信号が正常であるか否か、すなわち有害なノイズ等が混入しているか否かを判定する際に用いられる第2検知カウンタエリア613c及びエラーカウンタエリア613dが設けられている。第2検知カウンタエリア613cは、最大値を「2」とするカウンタ(以下便宜上、第2検知カウンタDC2と称する)となっており、所定の条件に応じてその値が「0」,「1」,「2」で変化する構成となっている。具体的には、任意の1回の処理にて遊技球を検知していないことに対応した信号(詳しくはLOWレベル信号)の入力を確認することにより「0」にリセットされ、その後、遊技球を検知していることに対応した信号(詳しくはHIレベル信号)の入力を2回の処理にて連続して確認した場合に、「1」→「2」となるようにカウントアップされる。このようにして同第2検知カウンタDC2が「2」となることに基づいて、誤検知を発生させる可能性があるノイズの混入が把握される。
エラーカウンタエリア613dは、第2検知カウンタエリア613cと同様に、最大値を「2」とするカウンタ(以下便宜上、エラーカウンタECと称する)となっており、所定の条件に応じてその値が「0」,「1」,「2」で変化する構成となっている。具体的には、第2検知カウンタDC2が「1」から「2」にカウントアップされた場合に1ずつカウントアップされる。このようにして、同エラーカウンタECの値が「2」となることにより、検知信号が正常でない旨が把握される。つまり、意図的又は偶発的要因により、検知信号にノイズ等が混入している可能性があることが把握される。
次に、MPU611にて大当たり発生判定を行う上での電気的な構成について図15及び図16を用いて説明する。
MPU611は遊技に際し各種カウンタ情報(詳しくは図15に示すRAM613の各種カウンタエリア613eの情報)を用いて、大当たり抽選、第1特定ランプ部93の発光色の設定や、図柄表示装置91の図柄表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図16に示すように、大当たりの抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、確変大当たりや通常大当たり等の大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置91が外れ変動する際のリーチ抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、第1特定ランプ部93に表示される色の切り替えを行う期間及び図柄表示装置91における図柄の変動表示時間を決定する変動種別カウンタCSとを用いることとしている。さらに、下作動口84の電動役物89を電役開放状態とするか否かの抽選に使用する電動役物開放カウンタC4を用いることとしている。なお、上記各カウンタC1〜C4,CINI,CSは、RAM613の各種カウンタエリア613eに設けられている。
カウンタC1〜C4,CINI,CSは、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM613の抽選カウンタ用バッファ613fに適宜格納される。RAM613には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる保留球格納エリア613g及び電役保留エリアが設けられており、このうち保留球格納エリア613gには、作動口83,84への遊技球の入球履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値が時系列的に格納されるようになっている。
各カウンタについて詳しくは、大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜676の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり676)に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜676)。大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が作動口83,84に入球したタイミングでRAM613の保留球格納エリア613gに格納される。
大当たり種別カウンタC2は、0〜49の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり49)に達した後0に戻る構成となっている。そして、本実施の形態では、大当たり種別カウンタC2によって、大当たりが終了した後に、確変状態とするか通常状態とするかを決定することとしている。大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が作動口83,84に入球したタイミングでRAM613の保留球格納エリア613gに格納される。
リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり238)に達した後0に戻る構成となっている。リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、遊技球が作動口83,84に入球したタイミングでRAM613の保留球格納エリア613gに格納される。
変動種別カウンタCSは、例えば0〜240の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり240)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSによって、第1特定ランプ部93に表示される色の切り替えを行う期間としての切替表示時間が決定される。この切替表示時間は、図柄表示装置91の図柄の変動表示時間に相当する。変動種別カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、第1特定ランプ部93に表示される色の切り替え開始時及び図柄表示装置91による図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して変動種別カウンタCSのバッファ値が取得される。
なお、1遊技回の開始に際しては、主制御基板601のMPU611にて、保留球格納エリア613gに格納されている各カウンタC1〜C3,CSの値を用いて大当たり抽選や第1特定ランプ部93に表示される色の切り替え時間が決定されるが、ここで決定された抽選結果の情報や切り替え時間の情報は遊技回用コマンドとして音声ランプ制御装置143に送信される。音声ランプ制御装置143では、当該遊技回用コマンドに基づいて、図柄表示装置91における変動パターンやリーチ発生の有無といった該当する遊技回の演出内容を決定する。
また、スルーゲート85への入賞が発生したタイミングでその時点での電役開放カウンタC4の値が取得され、その取得した値に基づいて電動役物を開放状態とするか否かの抽選が実行される。
図10の説明に戻り、主制御回路602の出力側には、停電監視回路603、払出制御基板622及び中継端子板623が接続されている。払出制御基板622には、賞球コマンドなどといった各種コマンドが出力される。中継端子板623を介して主制御回路602から音声ランプ制御装置143に設けられた音声ランプ制御基板624に対して上記報知コマンドを含む各種コマンドが出力される。
停電監視回路603は、主制御回路602と電源・発射制御基板621とを中継し、また電源・発射制御基板621から出力される最大電源である直流安定24ボルトの電源を監視する。
払出制御基板622は、払出装置224により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU631は、そのMPU631により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM632と、ワークメモリ等として使用されるRAM633とを備えている。
払出制御基板622のRAM633は、主制御回路602のRAM613と同様に、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源・発射制御基板621からデータ記憶保持用電力が供給されてデータが保持される構成となっている。
払出制御基板622のMPU631には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスラインを介して入出力ポートが接続されている。払出制御基板622の入力側には、主制御回路602、電源・発射制御基板621、及び裏パック基板629が接続されている。また、払出制御基板622の出力側には、主制御回路602及び裏パック基板629が接続されている。
電源・発射制御基板621は、電源部と発射制御部とを備えている。電源部は、二重線矢印で示す経路を通じて、主制御回路602や払出制御基板622等に対して各々に必要な動作電力を供給する。発射制御部は、遊技者による遊技球発射ハンドル41の操作にしたがって遊技球発射機構110の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構110は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
音声ランプ制御基板624は、各種ランプ部26〜28やスピーカ部29、及び表示制御装置625を制御するものである。演算装置であるMPU641は、そのMPU641により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM642と、ワークメモリ等として使用されるRAM643とを備えている。
音声ランプ制御基板624のMPU641にはアドレスバス及びデータバスで構成されるバスラインを介して入出力ポートが接続されている。音声ランプ制御基板624の入力側には中継端子板623に中継されて主制御回路602が接続されており、主制御回路602から出力される各種コマンドに基づいて、各種ランプ部26〜28、スピーカ部29、及び表示制御装置625を制御する。表示制御装置625は、音声ランプ制御基板624から入力する表示コマンドに基づいて図柄表示装置91を制御する。
(主制御装置162にて実行される各種処理について)
次に、主制御装置162のMPU611にて実行されるタイマ割込み処理及び通常処理を説明する。なお、MPU611では、タイマ割込み処理及び通常処理の他に、電源投入に伴い起動されるメイン処理とNMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理とが実行されるが、これらの処理については説明を省略する。
(タイマ割込み処理)
先ず、タイマ割込み処理について、図17のフローチャートを参照しながら説明する。本処理はMPU611により定期的に(例えば2msec周期で)起動される。この周期は任意である。但し、当該タイマ割込み処理には、電断信号や不正検知信号の確認や、各種入賞の確認などといった短い周期で繰り返し実行すべき処理が設定されているため、これら以外の処理が設定されている後述する通常処理の繰り返し周期よりも短く設定されていることが好ましい。
先ずステップS101にて、信号読み込み処理を実行する。信号読み込み処理では、一般入賞口81、可変入賞装置82、作動口83,84及びスルーゲート85に対して個別に設けられた検知センサから入力ポートに入力されている情報を確認し、その確認結果から各入球部への入球の有無を特定する。具体的には、遊技球を検知していないことに対応した信号(例えば、LOWレベル信号)の入力を確認し、遊技球を検知していることに対応した信号(例えば、HIレベル信号)の入力を2回連続して確認した場合に、その検知センサに対応した入球部において遊技球の入球が発生したと特定する。以下、信号判定処理の一部、具体的には作動口83,84に対応した検知センサ350からの信号に基づいた処理について図18のフローチャートを参照して説明する。
(信号読み込み処理)
信号読み込み処理においては、先ずステップS201にて上記タイマカウンタTCの減算処理を実行する。具体的には、タイマカウンタTCが0である場合には同タイマカウンタTCを0のまま維持するとともに、タイマカウンタTCが0でない場合にはタイマカウンタTCの値を1減算する。
ステップS201にて減算処理を行った後は、ステップS202にてタイマカウンタTCの値が0であるか否かを判定する。タイマカウンタの値が「0」である場合には、ステップS203にて検知信号がHIレベルであるか否かを判定する。ステップS203にて否定判定がなされた場合には、すなわち検知信号がLOWレベルである場合には、ステップS204に進み、第1検知カウンタDC1の値を「0」に更新した後、本信読み込み処理を終了する。
一方、ステップS203にて肯定判定がなされた場合には、すなわち検知信号がHIレベルであると判定された場合には、ステップS205に進む。ステップS205では、第1検知カウンタDC1の値が「1」であるか否かを判定する。ステップS205にて否定判定がなされた場合には、すなわち第1検知カウンタDC1の値が「0」又は「2」である場合には、ステップS206にて同第1検知カウンタDC1の値が「2」であるか否かを判定する。ステップS206にて否定判定をした場合には、すなわち第1検知カウンタDC1の値が「0」である場合には、ステップS207にて第1検知カウンタDC1の値を「1」に更新した後、又はステップS206にて肯定判定をした場合には、すなわち第1検知カウンタDC1の値が「2」である場合には、本信号読み込み処理を終了する。
ステップS205にて肯定判定がなされた場合には、すなわち第1検知カウンタDC1の値が「1」である場合には、ステップS208にて第1検知カウンタDC1の値を「2」に更新した後、ステップS209に進む。ステップS205における肯定判定は、信号がLOWレベル→HIレベル→HIレベルの順に入力されていることを示すものであり、このような信号の入力に基づいて、作動口83,84への入賞があったと判定されることとなる。そして、続くステップS209にて入賞検知フラグをセットする。この入賞検知フラグは、作動口83,84への入賞に基づいて大当たりの抽選や遊技球の払出しを実行する際に用いられるフラグである。
ステップS209にて入賞検知フラグをセットした後は、ステップS210にてタイマカウンタTCに「9」(18msecに相当)をセットする。これにより、その後20msecの間は次の遊技球の入賞判定処理(ステップS203〜ステップS208)がキャンセルされることとなる。
その後、ステップS211にて第2検知カウンタDC2の値を「0」に更新した後、本信号読み込み処理を終了する。
以上詳述した、ステップS201〜ステップS211の各種処理は、遊技球の入賞判定を行うものであり、本実施の形態においては、検知センサ350による球検知中にその検知信号が正常であるか否かを判定する信号判定処理を行うことを特徴の一つとしている。以下、図19のフローチャートに基づき信号判定処理について説明する。
(信号判定処理)
ステップS202におけるタイマカウンタTCの判定処理にて、同タイマカウンタTCの値が「0」でないと判定された場合、すなわち入賞が検知されてから18msecが経過していない場合(検知信号がHIレベルに切り替ってから20msecが経過していない場合)には、ステップS212の信号判定処理へ進む。
信号判定処理においては、先ずステップS301にて、検知センサ350から入力されている信号がHIレベルであるか否かを判定する。同ステップS301にて否定判定をした場合、すなわち検知信号がLOWレベルである場合には、ステップS302に進み、第2検知カウンタDC2の値を「2」に更新した後、本信号判定処理を終了する。
タイマカウンタTCによる期間計測中においては、ノイズ等の混入が無い限りLOWレベル信号が入力されることは無い。このため、通常は第2検知カウンタDC2の値が「0」のまま維持される。仮に上述したノイズの混入が発生した場合(検知信号が一時的に立ち下がった場合)、LOWレベル信号が確認されたことを契機として第2検知カウンタDC2を「2」に更新することで、後述する各種判定処理が許可されることとなる。
ステップS301にて肯定判定をした場合には、すなわち検知信号がHIレベルであると判定した場合には、ステップS303に進み、第2検知カウンタDC2の値が「0」であるか否かを判定する。ステップS303にて肯定判定をした場合には、上述したLOWレベル信号の混入が発生していないため、すなわち信号にノイズが混入していないため、そのまま本信号判定処理を終了する。
一方、ステップS303にて否定判定をした場合には、すなわち第2検知カウンタの値が「1」又は「2」である場合には、ステップS304にて第2検知カウンタDC2を1減算した後、ステップS305に進む。
ステップS305においては、減算された結果、第2検知カウンタDC2の値が「0」になっているか否かを判定する。ステップS305にて肯定判定をした場合には、そのまま本信号判定処理を終了する。一方、ステップS305にて否定判定をした場合には、ステップS306に進む。
ステップS306では、エラーカウンタECの値が「2」であるか否かを判定する。ステップS306にて否定判定をした場合には、ステップS307にてエラーカウンタECの値を1加算した後、本信号判定処理を終了する。
ステップS306にて肯定判定をした場合には、すなわちエラーカウンタの値が「2」であると判定した場合には、ステップS309に進みRAM613の各種フラグ格納エリア613hにエラー検知フラグを格納する。
エラー検知フラグは、後述する外部出力処理にて、エラー情報をホールコンピュータへ伝達したり、エラー表示ランプ部27やスピーカ部29を用いてエラーが発生している旨の報知を行ったりするためのフラグである。エラーの発生回数が3回となることで、検知センサ350等に不具合が発生したり、意図的に不正な信号が入力されたりしている可能性があることを報知し、遊技者や遊技ホールに不利益が発生することを抑制することができる。なお、エラーカウンタECの最大値、つまり許容するエラーの発生回数を3回に設定したのは、偶発的なノイズの混入を厳格に監視・報知することで、遊技の進行が妨げられることを回避する意図である。因みに、エラー発生の許容回数は3回に限定されるものではなく、任意である。
ステップS308にてエラー検知フラグをセットした後は、ステップS309に進み、エラーカウンタECの値を「0」に更新して本信号判定処理を終了する。
再び図17を参照してタイマ割込み処理について説明する。以上詳述した信号読み込み処理を実行した後は、ステップS102にて、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。続くステップS103では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4の更新を実行する。具体的には、それぞれの乱数カウンタの値を1ずつ加算するとともに、当該加算した値が上限値になっているか否かを判定する。そして、当該加算した値が上限値を超えている場合には、カウンタの値を初期値に設定する。その後、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM613の該当するバッファ領域に格納する。
ここで、大当たり乱数カウンタC1に関しては、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。乱数初期値カウンタCINIは乱数値であるため、大当たり乱数カウンタC1の初期値は変動している。よって、大当たり乱数カウンタC1の値が当選値と一致するタイミングは、大当たり乱数カウンタC1が1周する毎に異なっているため、大当たり乱数カウンタC1の値が当選値となるタイミングを把握することは困難になっている。
続くステップS104ではスルーゲート85への入賞に伴うスルー用の入賞処理を実行する。スルー用の入賞処理では、スルーゲート85への入賞が発生していた場合には、電役保留エリアに記憶されている役物保留記憶数が上限数(例えば、「4」)未満であることを条件として、前記ステップS103にて更新した電動役物開放カウンタC4の値を電役保留エリアに格納する。また、音声ランプ制御装置143に対して、役物保留記憶数と対応する保留ランプ部96を点灯させるための処理を実行する。
その後、ステップS105にて始動入賞処理を実行する。始動入賞処理では、図20のフローチャートに示すように、先ずステップS401にてRAM613の各種フラグ格納エリア613hにおける入賞検知フラグ格納エリアに作動口用の入賞検知フラグが格納されているか否かを判定することにより、遊技球が作動口83,84に入賞(始動入賞)したか否かを判定する。
遊技球が作動口83,84に入賞したと判定すると、続くステップS402において、第1特定ランプ部93及び図柄表示装置91の作動保留球数Nが上限値(本実施の形態では4)未満であるか否かを判定する。作動口83,84への入賞があり、且つ作動保留球数N<4であることを条件にステップS403に進み、作動保留球数Nを1加算する。なお、ステップS403の処理後に作動口フラグを消去する。続くステップS404では、抽選カウンタ用バッファ613fに格納されている大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を、RAM613の保留球格納エリア613gの空きエリアのうち最初のエリアに格納する。
そして、始動入賞処理の後、MPU611は本タイマ割込み処理を一旦終了する。
(通常処理)
次に、通常処理の流れを図21のフローチャートを参照しながら説明する。通常処理は電源投入に伴い起動されるメイン処理が実行された後に開始される処理であり、通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS501〜S506の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS509,S510のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
通常処理において、ステップS501では、タイマ割込み処理又は前回の通常処理で設定したコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置242に送信する。また、遊技回制御用コマンド又は遊技状態用コマンドが設定されている場合にはそれを音声ランプ制御装置143に送信する。更には、RAM613の各種フラグ格納エリア613hに上記エラー検知フラグが格納されている場合には、音声ランプ制御装置143に報知コマンドを出力することにより、エラー表示ランプ部27やスピーカ部29を用いた旨の報知を実行するとともに、外部端子板213を経由してホールコンピュータへエラー情報を出力する。
続くステップS502では変動種別カウンタCSの更新を実行し、ステップS503では第1特定ランプ部93に表示される色の切り替えを行うための第1特定ランプ部制御処理を実行する。第1特定ランプ部制御処理では、大当たり判定や第1特定ランプ部93に配設されたLEDランプの光源スイッチのオンオフ制御などが行われる。また、第1特定ランプ部制御処理において、図柄表示装置91による第1図柄の変動表示の設定も行われる。
具体的には、大当たり乱数カウンタC1の値に基づいて大当たりか否かを判定する。より詳細には、大当たり乱数カウンタC1の値が予め定めた大当たり当選となる当選値と一致しているか否かを判定する。また、大当たり種別カウンタC2の値に基づいて大当たりの種類を決定する(いわゆる、確変大当たりか否かを決定する)。また、リーチ乱数カウンタC3の値及び変動種別カウンタCSの値に基づいて、第1特定ランプ部93に表示される色の切替表示時間、及び第1図柄の変動表示時間を決定する。なお、当該第1特定ランプ部制御処理にて第1特定ランプ部93のオンオフ制御が開始される毎に作動保留球数Nが1減算され、作動保留球数Nが0の場合にはオンオフ制御が開始されない。
第1特定ランプ部制御処理の後は、ステップS504にて大入賞口開閉処理を実行する。大入賞口開閉処理では、大当たり状態である場合において可変入賞装置82の大入賞口を開放又は閉鎖する。すなわち、大当たり状態のラウンド毎に大入賞口を開放し、大入賞口の最大開放時間が経過したか、又は大入賞口に遊技球が規定数だけ入賞したかを判定する。この規定数だけ入賞したか否かの判定は、RAM613の各種カウンタエリア613eにおける大入賞口用カウンタを確認することにより行われる。そして、これら何れかの条件が成立すると大入賞口を閉鎖する。
その後、ステップS505では、第2特定ランプ部94に表示される色の切り替え処理を行うための第2特定ランプ部制御処理を実行する。第2特定ランプ部制御処理では、スルーゲート85に遊技球が入賞したことを条件に第2特定ランプ部94における表示色の切り換えを開始する。この際、表示色の切り換え時間も設定する。また、スルーゲート85に遊技球が入賞した際に取得された第2特定ランプ乱数カウンタの値に基づいて停止表示する色を設定する。この停止表示される色として所定の色が設定された場合には、その色の停止表示後に、作動口83,84に付随する電動役物89が所定時間開放される。
ステップS505の後は、ステップS506にて、遊技球発射制御処理を実行する。遊技球発射制御処理では、電源・発射制御装置243から発射許可信号を入力していることを条件として、所定期間(例えば、0.6sec)に1回、遊技球が遊技領域PEに向けて打ち出されるように、遊技球発射機構110を駆動させる。詳細には、MPU611は所定期間経過毎に電源・発射制御装置243に発射パルス信号を出力する。電源・発射制御装置243は、発射パルス信号が入力されたことに基づいて、当該発射パルス信号の電圧を増幅させた駆動信号(駆動電圧)を遊技球発射機構に搭載されているソレノイド111へ向けて出力し、ソレノイド111の出力軸を発射位置と収容位置とに移動させることで、遊技球の発射を制御する。
その後、ステップS507にて、RAM613に停電フラグが格納されているか否かを判定する。停電フラグが格納されていない場合には、ステップS508に進み、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始からタイマ割込み処理が複数回数として予め設定された割込み基準回数(具体的には、2回)発生したか否かを判定する。このタイマ割込みの回数の把握として具体的には、RAM613の各種カウンタエリア613eにおける割込み回数カウンタの値を、タイマ割込みが起動される度に1加算するとともに、ステップS501の処理が実行される直前のタイミングで当該カウンタの値が0クリアする(初期化される)。タイマ割込み処理が割込み基準回数発生していない場合には、ステップS509に進む。
ステップS509では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする(初期化する)。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM613の抽選カウンタ用バッファ613fに格納する。また、ステップS510では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値に達した際それぞれ0にクリアする(初期化する)。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM613の抽選カウンタ用バッファ613fに格納する。
その後、ステップS507に進み、前回の通常処理の開始からタイマ割込み処理が割込み基準回数発生するまで上述した処理を繰り返し、割込み基準回数に達した場合にはステップS501の処理に戻る。つまり、停電フラグが格納されていない場合には、ステップS501〜ステップS506の各種処理が4msec周期で繰り返し実行されることとなる。なお、当該周期は、遊技の進行を良好に制御することができるのであれば、4msecに限定されない。
停電フラグが格納されている場合には、ステップS511以降の停電時処理を実行する。つまり、ステップS511では、タイマ割込み処理の発生を禁止し、その後、ステップS512にてRAM判定値を算出、保存し、ステップS513にてRAM613のアクセスを禁止した後に、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
次に、遊技球が検知センサ350(詳しくは検知領域DE)を通過する際の入賞判定及び信号判定の態様の具体例について図22〜図24のタイミングチャートに基づき説明する。図22(a)〜図24(a)は遊技球と検知センサ350との位置関係を示す概略図、図22(b)〜図24(b)は発振回路660によって生成される信号を示す概略図、図22(c)〜図24(c)は検知センサ350から主制御装置162に入力される信号を示す概略図、図22(d)〜図24(d)は第1検知カウンタDC1の値を示す概略図、図22(e)〜図24(e)は第2検知カウンタDC2の値を示す概略図、図22(f)〜図24(f)はタイマカウンタTCの値を示す概略図である。なお、図22(a)については、各概略図の示すタイミングを下向きの矢印を用いて表している。
図22に示すように、t1のタイミングでは、遊技球B1が検知センサ350の上方に位置している。その後、t2のタイミングにて遊技球B1が検知センサ350に達し、同遊技球B1の一部が検知領域DE内へ進入する。但し、遊技球B1は、球形をなしているため、その一部が僅かに検知領域DE内に入っている状態では、発振回路660に生じる信号に目立った変化は生じない。この時点で、タイマカウンタTCの値は「0」であり、主制御装置162のMPUによってLOWレベルの信号が検出される。このため、第1検知カウンタDC1の値は「0」のままとなっている。
t2のタイミングから2msec(タイマ割込み処理が実行される周期)が経過したt3のタイミングでは、遊技球B1が更に落下し、コイル364のインピーダンスが変化することにより、発振回路660に生じる信号の振幅がほぼ0となる(詳しくは予め定められた閾値よりも小さくなる)。これにより、主制御装置162に入力される信号が、LOWレベルからHIレベルに切り替る。このような信号の変化に伴って、第1検知カウンタDC1の値が「0」から「1」に更新される。
t3のタイミングから2msec(タイマ割込み処理が実行される周期)が経過したt4のタイミングでは、発振回路660に生じる信号の振幅が0のまま維持されるとともに、主制御装置162に入力される信号もHIレベルのまま維持される。このように信号がHIレベルで維持さているため、同t4のタイミングにて第1検知カウンタDC1の値が「1」から「2」に更新され、1の遊技球の入賞があったと判定される。この入賞が発生したタイミングにてタイマカウンタTCに「8」がセットされる。
その後、t5のタイミングにて遊技球B1の大部分が検知領域DEを通過することにより、コイル364のインピーダンスの変化が低下する。詳しくは、遊技球B1の一部が僅かに検知領域DEに残っているものの、t2のタイミングの場合と同様に、コイル364のインピーダンスを変化させるのには不十分である。このため、発振回路660に生じる信号の振幅が元の状態に復帰し、予め定められた閾値を超えることとなる。これにより、主制御装置162に入力されている信号は、HIレベルからLOWレベルに切り替る。
また、同t6のタイミングでは、タイマカウンタTCが「0」となることにより、第1検知カウンタDC1の更新が可能となる。つまり、主制御装置162に入力される信号がLOWレベルであることに基づいて第1検知カウンタDC1の値が「0」に更新される。このようにタイマカウンタTCが「0」となるとともに第1検知カウンタDC1が「0」となることで、次の入賞判定が許可される。
t4のタイミングにてタイマカウンタTCに「9」がセットされた後は、2msec毎に同タイマカウンタTCが減算される。このようにタイマカウンタTCが減算されるt4〜t5のタイミングでは、同タイマカウンタTCの減算処理と併せて信号判定処理が実施される。仮に、この期間中にノイズ等の混入している場合には、第2検知カウンタDC2によってノイズの検知が行われるが、図22に示すように、検知信号に対してノイズ等が混入していない場合には、第2検知カウンタは初期値(詳しくは「0」)のまま維持される。
以上詳述した判定例においては1の遊技球が単独で検知センサ350を通過する場合について説明した。次に、図23に基づき2つの遊技球が連なった状態で検知センサ350を通過する場合について説明する。
t10のタイミングでは、上下に連なる2つの遊技球B2,B3が検知センサ350の上方に位置している。その後、t11のタイミングにて先行する遊技球B2(すなわち下側の遊技球B2)が検知センサ350に達し、同遊技球B2の一部が検知領域DE内へ進入する。但し、遊技球B2は、球形をなしているため、その一部が僅かに検知領域DE内に入っている状態では、発振回路に生じる信号に目立った変化は生じない。この時点で、タイマカウンタTCの値は「0」であり、主制御装置162のMPUによってLOWレベルの信号が検出される。このため、第1検知カウンタDC1の値は「0」のままとなっている。
t11のタイミングから2msec(タイマ割込み処理が実行される周期)が経過したt12のタイミングでは、遊技球B2,B3が更に落下し、先行する遊技球B2が更に検知領域DE内に進入することで、コイル364のインピーダンスが変化することとなる。これにより、発振回路660に生じる信号の振幅がほぼ0となり(詳しくは予め定められた閾値よりも小さくなり)、主制御装置162に入力される信号が、LOWレベルからHIレベルに切り替る。このような信号の変化に伴って、第1検知カウンタDC1の値が「0」から「1」に更新される。
t12のタイミングから2msecが経過したt13のタイミングでは、発振回路660に生じる信号の振幅が0のまま維持されるとともに、主制御装置162に入力される信号もHIレベルのまま維持される。このように信号がHIレベルで維持さているため、同t13のタイミングにて第1検知カウンタDC1の値が「1」から「2」に更新され、1の遊技球の入賞があったと判定される。このように入賞が発生したタイミングにて、タイマカウンタTCに「9」がセットされ、タイマカウンタTCが「0」になるまでの期間(本実施の形態においては18msec)は、次の遊技球の入賞判定がキャンセルされる。
その後、t14のタイミングにおいては、先行する遊技球B2の一部と後続する遊技球B3(下側の遊技球B3)の一部とが検知領域DEに入った状態となる。遊技球B2,B3は共に球形をなしているため、それら両遊技球B2,B3が検知領域DE内に入っているとしても、同遊技球B2,B3による上記インピーダンスの変化は微弱なものとなる。これにより、発振回路660に生じる信号の振幅が回復し、予め定められた閾値を超える。この結果、主制御装置162に入力されている信号は、HIレベルからLOWレベルへ一時的に立ち下がる。
またt14のタイミングでは、タイマカウンタTCが「0」となることにより、第1検知カウンタDC1の更新が可能となる。つまり、主制御装置162に入力される信号がLOWレベルであることに基づいて第1検知カウンタDC1の値が「0」に更新される。このようにタイマカウンタTCが「0」となるとともに第1検知カウンタDC1が「0」となることで次の入賞判定が許可される。
その後、t15のタイミングでは、先行する遊技球B2が検知領域DEから離れ、後続の遊技球B3のみが検知領域DE内に残った状態となる。このように後続の遊技球B2が検知領域DE内に進入することにより、コイル364のインピーダンスが再び変化し、発振回路660に生じる信号の振幅が再度ほぼ0となる(詳しくは予め定められた閾値よりも小さくなる)。これにより、主制御装置162に入力される信号が、LOWレベルからHIレベルに切り替る。このような信号の変化に伴って、第1検知カウンタDC1の値が「0」から「1」に更新される。
t15のタイミングから2msecが経過したt16のタイミングでは、発振回路660に生じる信号の振幅が0のまま維持されるとともに、主制御装置162に入力される信号もHIレベルのまま維持される。このように信号がHIレベルで維持さているため、同t16のタイミングにて第1検知カウンタDC1の値が「1」から「2」に更新され、新たな遊技球の入賞があったと判定される。このように入賞が発生したタイミングにて、タイマカウンタTCに「9」がセットされ、タイマカウンタTCが「0」になるまでの期間(本実施の形態においては18msec)は、次の遊技球の入賞判定がキャンセルされる。
その後、t17のタイミングにて後続の遊技球B3の一部が検知領域DEに残っているものの、その大部分が検知領域DEを通過した状態となることにより、コイル364のインピーダンスの変化が小さくなる。これにより、発振回路660に生じる信号の振幅が元の状態に復帰し、予め定められた閾値を超える。この結果、主制御装置162に入力されている信号は、HIレベルからLOWレベルに立ち下がることとなる。
同t17のタイミングでは、タイマカウンタTCが「0」となることにより、第1検知カウンタDC1の更新が可能となる。つまり、主制御装置162に入力される信号がLOWレベルであることに基づいて第1検知カウンタDC1の値が「0」に更新される。このようにタイマカウンタTCが「0」となるとともに第1検知カウンタDC1が「0」となることで次の入賞判定が許可される。
以上詳述した2つの判定例では球検知中において発振回路660に生じる信号にノイズ等が加わっていない正常な状態での判定について説明した。次に、図24に基づき発振回路660に生じる信号にノイズ等が加わった場合での判定例について説明する。
t30のタイミング〜t33のタイミングに関しては、上記t1のタイミング〜t4のタイミングと同様に、検知信号に基づく入賞の判定がなされ、その判定結果に基づいてタイマカウンタTCに「9」がセットされる。これにより、タイマカウンタTCが「0」になるまでの期間(本実施の形態においては18msec)は、次の遊技球の入賞判定がキャンセルされることとなる。
t34のタイミングにて、発振回路660にて生成される信号に同信号と同じ波形(詳しくは同じ周波数且つ同じ振幅の波形)を有するノイズが加わると、その波形の振幅が上記閾値を超えていることを条件として、主制御装置162に入力される信号がHIレベルからLOWレベルに立ち下がる。このタイミングにおいては未だタイマカウンタTCが「0」になっていないため入賞判定が行われることはなく(具体的には図18のS202で否定判定される)、この信号の変化が入賞判定に影響を与えることは無い。
t34のタイミングから2msec(タイマ割込み処理が実行される周期)が経過したt35のタイミングにておいては、タイマカウンタTCが「0」でないため、第2検知カウンタDC2によって、ノイズの検出が行われる。具体的には、検知信号がLOWレベルであることに基づいて第2検知カウンタDC2の値が「0」から「2」に更新される。
t35のタイミングから2msecが経過したt36のタイミングにておいては、ノイズが消失することにより、主制御装置162に入力される信号がLOWレベルからHIレベルに切り替る。この際、タイマカウンタTCが「0」でないため、第2検知カウンタDC2の値が「2」から「1」に更新(減算)される。
t36のタイミングから2msecが経過したt37のタイミングにおいても、検知信号がHIレベルのまま維持されている。これにより、第2検知カウンタDC2の値が「1」から「0」に更新(減算)されるとともにエラーカウンタECが「0」から「1」に更新(加算)される。
t37のタイミングから2msecが経過したt38のタイミングにて、発振回路660にて生成される信号に同波形のノイズが加わると、その波形の振幅が上記閾値を超えていることを条件として、主制御装置162に入力される信号がHIレベルからLOWレベルに立ち下がる。
t38のタイミングから2msecが経過したt39のタイミングにおいては、タイマカウンタTCが「0」でないため、第2検知カウンタDC2によって、ノイズの検出が行われる。具体的には、検知信号がLOWレベルであることに基づいて第2検知カウンタDC2の値が「0」から「2」に更新される。
その後、t39のタイミングから2msecが経過したt40のタイミングにて、t35のタイミングと同様に第2検知カウンタDC2が「2」から「1」に更新(減算)され、続くt41のタイミングにおいて、t36のタイミングと同様に第2検知カウンタDC2の値が「1」から「0」に更新(減算)されるとともに、エラーカウンタECが「1」から「2」に更新(加算)される。これにより、もう一度エラーカウンタECが加算されることによりエラー情報が出力される状態(待機状態)となる。
その後、t32のタイミングから20msecが経過したt42のタイミングにて、タイマカウンタTCの値が「0」になるとともに、遊技球の検知信号がHIレベルからLOWレベルに切り替わる。具体的には、遊技球B4の一部が検知領域DEに残っているものの、その大部分が検知領域DEを通過することにより、コイル364のインピーダンスの変化が低下する。これにより、発振回路660に生じる信号の振幅が元の状態に復帰し、予め定められた閾値を超える。これに伴って主制御装置162に入力されている信号が、HIレベルからLOWレベルに立ち下がる。
このようにしてタイマカウンタTCが「0」となることにより、第1検知カウンタDC1の更新が可能となる。つまり、主制御装置162に入力される信号がLOWレベルであることに基づいて第1検知カウンタDC1の値が「0」に更新される。このようにタイマカウンタTCが「0」となるとともに第1検知カウンタDC1が「0」となることで次の入賞判定が許可される。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
遊技球が検知領域DEを通過するのに要する通過期間(すなわち検知センサ350から遊技球検知の信号が出力される出力期間)を一定になるように調整し、そのように規定された期間と同じ長さの時間内に複数の遊技媒体の通過を示す情報が存在していたとしても、そのような誤った情報に基づいて遊技媒体が通過したと判定されることを回避している。このように、通過期間と同じ長さの時間内にでは1の遊技媒体の通過を示す判定を有効とすることにより、遊技球の入賞判定精度を向上することが可能となる。故に、誤検知による不利益の発生を抑制し、遊技機の信頼性向上に貢献することができる。
検知センサ350から出力される信号に混入するノイズは、偶発的な要因によるものばかりでなく、不正行為者によって意図的に混入される可能性がある。例えば、パチンコ機10の前方から検知センサ350に対して当該検知センサ350の発振回路660にて生成される高周波と同様の高周波が射出されることにより、意図的にノイズが混入され得る。この点、本実施の形態においては、このような不正行為に対する防犯機能を好適に高めることが可能である。
特に、高周波の振幅が減少することにより、遊技球の通過を検知する構成としているため、遊技球が作動口83,84に流入していない場合に、上記不正な高周波を出力したとしても、高周波の振幅を減少させることは困難である。このため、不成行為者は、遊技球が作動口83,84に流入したタイミングを見計らって上記不正な高周波を射出すると想定されるが、この際少なくとも1の遊技球は正規に入賞していることとなる。そこで、穂実施の形態においては、タイマカウンタTCを用いた入賞判定キャンセル期間(詳しくは18msec)の計測開始タイミングを、遊技球の入賞発生と同じタイミングとした。これにより、正規に入球した遊技球については確実に入賞したものと判定することができ、それに付随して発生した不正なノイズを無視することが可能となる。故に、防犯性の向上と、遊技者に利益担保とを好適に両立することができる。
また、先行する遊技球に対応した遊技球検知の信号の出力が停止され、後続する遊技球に対応した遊技球検知の信号の出力が開始されるまでの間に、規制期間が終了するように通過期間を設定した。これにより、ノイズ等の影響を回避しつつ、遊技球が連続して検知領域DEを通過した場合であっても、それら両遊技球の入賞をそれぞれ好適に把握することが可能となり、実用上好ましい構成を実現できる。
検知センサ350から入力される検知信号のエラー判定を行う場合に、エラー判定の判定条件を、入賞判定における判定条件と同一とした。これにより、実質的に無害なノイズと、遊技機進行に影響をおよぼし得る有害なノイズとを区別することができる。無害なノイズについて過敏に反応することは、遊技の円滑な進行を妨げる要因となるため好ましくなく、このようなノイズを無視することで実用上好ましい構成を実現できる。また、上述の如く不正行為者よるノイズの意図的な混入がなされた場合には、このような有害なノイズを好適に識別することができる。これにより、不正行為の発見を容易なものとすることができる。
特に本実施の形態では、検知センサ350から出力される遊技球検知の信号の出力期間を既知の長さの期間としている。このため、同出力期間と同じ長さの時間内において、ノイズ等による遊技球の誤検知を精度よく把握できる。すなわち、検知信号の出力期間が不明であれば、仮に複数の遊技球が検知された場合に、それが正当な検知なのか誤検知なのかを正しく判断することが困難になるが、本特徴によればこうした不都合を解消できる。これにより、誤検知による不利益の発生を抑制し、遊技機の信頼性向上に貢献することができる。
<第2の実施の形態>
上記第1の実施の形態においては、一般入賞口、可変入賞装置、作動口等の入球部に流入した遊技球が検知センサによって検知されると、その検知情報に基づいて遊技者に遊技球の払い出し等の特典が付与される構成が採用されていたが、本実施の形態においては可変入賞装置における球検知に関する構成が上記第1の実施の形態と相違している。そこで以下、図25〜図27に基づき同相違する構成について説明する。図25は第2の実施の形態における遊技盤の構成を示す背面図、図26は図25のC−C線部分断面図、図27は図26のD矢視図である。なお、図27においては便宜上、集合板の一部を破断させることにより同集合板に形成された回収通路の内部を部分的に視認可能としている。また、以下の説明では上記第1の実施の形態と同様の構成に関する説明を簡略化又は省略することとする。
(可変入賞装置1082における入賞検知に関する構成)
図25に示すように、遊技盤1080において下作動口1084の下方となる位置には、横長の矩形状をなす開口部1099が設けられている。開口部1099は遊技盤1080の厚さ方向(前後方向)に貫通しており、開口断面が略矩形状をなすように形成されている。開口部1099には、遊技盤1080の前面側から可変入賞装置1082が組み付けられている。
図26に示すように、可変入賞装置1082は、開口部1099に流入した遊技球を遊技盤1080の背面側へ誘導する誘導通路部1260と、同誘導通路部1260における前方への開放部分(以下、大入賞口1261と称する)に合わせて形成された開閉扉1270を備えている。開閉扉1270は、大入賞口1261を塞ぐことにより同大入賞口1261への遊技球の流入を不可とする閉位置と、同大入賞口1261への遊技球の流入を許容する開位置とに切替可能に設けられている。
具体的には、開閉扉1270は、回動可能に設けられているとともに閉位置に向けて付勢されている。この付勢力によって同開閉扉1270は、閉位置に待機した状態となっている。また、可変入賞装置1082は、主制御装置1162に対して電気的に接続されている駆動部(詳しくはソレノイド)を備えている。大当たりが発生した場合には主制御装置1162から駆動信号が入力されてソレノイドが駆動し、同ソレノイドの出力軸によって開閉扉1270が開位置に向けて押される。これにより、開閉扉1270が上記付勢力に抗して開位置へ移動することとなる(図26の2点鎖線参照)。
このようにして開閉扉1270が開放されている状態では、遊技領域PEを流下する遊技球が開閉扉1270の板面に沿って移動する。これにより、大入賞口1261への入賞が容易化される。つまり、開閉扉1270には大入賞口1261への遊技球の流入をサポートするサポート機能が付与されており、当該開閉扉1270が開位置に配されることで同サポート機能が有効化される。
誘導通路部1260の後方には、同誘導通路部1260から流出した遊技球を回収する大入賞口用回収通路部1310が設けられており、この大入賞口用回収通路部1310によって区画形成された通路により上記回収通路1151の一部が構成されている。
図27に示すように、大入賞口用回収通路部1310は、誘導通路部1260から流出した遊技球が流入する上流側通路部1320と、当該上流側通路部1320に連なる下流側通路部1330とを有している。
上流側通路部1320は、誘導通路部1260の誘導通路1265を後方から覆う前側壁部1321と遊技球の通過領域(以下、上流通路1325と称する)を挟んで同前側壁部1321に対向する後側壁部1322とを有してなり、大入賞口1261と同様に水平方向(詳しくパチンコ機における左右方向)に延びる上流通路1325を区画形成している。
前側壁部1321には、誘導通路部1260側に開放された受入口1323が形成されており、当該受入口1323を通じて誘導通路1265から上流通路1325へ遊技球が流入する。上流通路1325は、受入口1323から遠ざかる側に緩やかに下っており、当該上流通路1325に流入した遊技球は、同上流通路1325に沿って流下することとなる。
本実施の形態においては、誘導通路1265から上流通路1325へ流入する遊技球の勢いを弱めるための工夫が施されている。ここで、遊技球の減勢に関する構成について説明する。
誘導通路部1260は、開口部1099の底面に沿って設けられた長板状の底部1262を有している。図27に示すように、底部1262において受入口1323の前方となる部分には、当該受入口1323に連なるようにして溝部1263が形成されている。より具体的には、底部1262の一側部には、後方へ延びるとともに、受入口1323に連通する溝部1263が形成されている。
また、底部1262の上面は溝部1263へ向けて下り傾斜している。このため、大入賞口1261から流入した遊技球は、底部1262の傾斜に沿って溝部1263へ流入することとなる。溝部1263の底面は、後方へ緩やかに下っており(図26参照)、溝部1263に流入した遊技球は同底面に沿って後方へ移動することにより受入口1323を通じて大入賞口用回収通路部1310へ流入する。このようにして溝部1263を経由させることにより、大入賞口1261から流入した遊技球の上流通路1325の通路方向への移動が抑制されることとなる。
大入賞口用回収通路部1310へ流入した遊技球は、上流側通路部1320の後側壁部1322に衝突する。これにより、前後方向での勢いが弱められる。このようにして流下の勢いが弱められた遊技球は、上流通路1325に沿って下流側へ移動する。
上流通路1325の途中位置には、上流側通路部1320の底部1324から緩やかに突出する突部1324aが形成されている。突部1324aは、上流側部位が上り傾斜しており、下流側部位が下り傾斜している。このため、同突部1324aを通過する遊技球は、上流側部位分を通過することにより減速した後、下流側部位を通過することにより再び加速することとなる。この突部1324aに関しては、上記第1の実施の形態に示した突部274,314と同様の機能が付与されており、遊技球同士が接触した状態で流下することを抑えることにより後述する検知センサ1350での誤検知の発生を抑制している。
下流側通路部1330は同一箇所を遊技球が1つずつ通過可能な下流通路1335を区画形成しており、同下流通路1335は上流通路1325の通路方向と交差する方向、具体的には鉛直方向に延びている。
下流通路1335を区画している通路壁部1331において上流通路1325の延長上(詳しくは下流側への延長上)に位置する部位には、上流通路1325から下流通路1335に流入した遊技球が衝突する球衝突面1332が設けられている。球衝突面1332は、上流通路1325の通路方向に対して略垂直に形成されている。つまり、同球衝突面1332は、僅かに上方を向くように、すなわち上方を向く成分を有するように水平面に対して斜めに傾けて形成されている。
大入賞口1261から流入した遊技球は、誘導通路1265を通じて上流通路1325に流入し、上流通路1325へ流入した同遊技球は、当該上流通路1325の延長方向へ移動して球衝突面1332に衝突する。この際、同遊技球が大入賞口用回収通路部1310の下流側(すなわち下流通路1335の下流側)へ向けて跳ね返ることが抑制されることとなる。つまり、大入賞口用回収通路部1310へ流入した遊技球は、上流通路1325と下流通路1335との境目にて下向きの速度成分が一時的に所定値(本実施の形態においてはほぼゼロ)となるように調整された後、同下流通路1335に沿って落下することとなる。
なお、球衝突面1332に関しては、第1の実施の形態における球衝突面317,325と同様の構成となっているため、詳細な説明は省略する。
下流通路1335の途中位置、詳しくは大入賞口用回収通路部1310において球衝突面1332よりも下流側となる部位には、当該下流通路1335を通過する遊技球を検知可能な検知センサ1350が設けられている。検知センサ1350は、集合板1150に形成されたセンサ収容部1333に収容された状態で固定されることで、同集合板1150に対して一体化されている(図25参照)。
検知センサ1350は、上記第1の実施の形態に示した検知センサ350と同様に、センサ基板1361を有してなるセンサ主部と同センサ主部を収容するケース体とを有してなる。検知センサ1350における各種構成については、検知センサ350における各種構成と同様であるため、詳細な説明を省略する。
ここで、遊技進行に伴う遊技球検知の流れについて説明する。
遊技球発射機構から発射された遊技球は誘導レールを経由して遊技領域PEに到達する。これら複数の遊技球のうち一部の遊技球が作動口に流入すると、主制御装置1162にて大当たりの当否抽選が実行される。この当否抽選の結果、大当たりに当選すると、可変入賞装置1082の開閉扉1270が開放され、大入賞口1261への遊技球の流入が許容される。
このようにして開放された開閉扉1270に遊技領域PEを流下した遊技球が当たると、同遊技球は同開閉扉1270に沿って大入賞口1261へと導かれ、誘導通路1265に沿ってパチンコ機後方へ移動する。そして、大入賞口用回収通路部1310の前側壁部1321に衝突することでその勢いが弱められ、誘導通路1265の底部1262に沿って溝部1263へ流入する。溝部1263に流入した遊技球は、同溝部1263に沿ってパチンコ機後方へ移動し、受入口1323を通じて大入賞口用回収通路部1310の上流通路1325へ流入する。この際、同遊技球は後側壁部1322に衝突することで、再びその勢いが弱められることとなる。
上流通路1325に流入した遊技球は、当該上流通路1325の傾斜に沿って流下し、下流側通路部1330の球衝突面1332に衝突することにより、再びその勢いが弱められ、下方への移動速度が所定の低速度(本実施の形態においてはほぼ0)となる。その後、自重により下流通路1335に沿って落下(自由落下)することにより、落下速度のばらつきが抑えられた所定の速度(本実施の形態においては凡そ0.3m/s)で検知センサ1350の検知領域DEを通過する。このように遊技球が検知領域DEを通過することにより、第1の実施の形態と同様に、凡そ20msecに亘って遊技球検検知の信号(詳しくはHIレベル信号)が主制御装置1162へ出力される。
次に、図28のブロック図に基づき第2の実施の形態におけるパチンコ機の電気的構成について説明する。本実施の形態における電気的構成は、上記第1の実施の形態と類似となっているため、同第1の実施の形態に対する相違点、詳しくは検知センサ1350からの検知情報に基づいて入賞判定を行う上での電気的な構成を中心に説明し、共通の構成については説明を簡略化又は省略する。
主制御装置1162における主制御基板1601のMPU1611(詳しくはRAM1613)には、遊技球の入賞を判定する際に用いられる第1検知カウンタエリア1613a(第1検知カウンタDC1)と、検知センサ1350から入力されている検知信号が正常であるか否か、すなわち有害なノイズの混入等により検知信号に異常が発生していないかを判定する際に用いられる判定タイマカウンタエリア1613b(判定タイマカウンタJTC),第2検知カウンタエリア1613c(第2検知カウンタDC2),エラーカウンタエリア1613dとが設けられている。このうちカウンタエリア1613a〜1613cに関しては、上記第1の実施の形態における各カウンタエリア613a〜613cと同様の構成となっているため、詳細な説明は省略する。
エラーカウンタエリア1613dは、最大値を「3」とするカウンタ(以下便宜上、エラーカウンタECと称する)となっており、所定の条件に応じてその値が「0」,「1」,「2」,「3」で変化する構成となっている。具体的には、第2検知カウンタDC2が「1」から「2」にカウントアップされた場合に1ずつカウントアップされる。このようなカウントアップによって同エラーカウンタECの値が「3」となることにより、検知信号が正常でない旨が把握される。つまり、意図的又は偶発的要因によって検知信号にノイズが混入する等して検知信号に異常が発生した可能性があることが把握される。
また、MPU1611には、大当たりの抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、確変大当たりや通常大当たり等の大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置が外れ変動する際のリーチ抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、第1特定ランプ部に表示される色の切り替えを行う期間及び図柄表示装置における図柄の変動表示時間を決定する変動種別カウンタCSと、下作動口2084の電動役物89を電役開放状態とするか否かの抽選に使用する電動役物開放カウンタC4とを有してなる各種カウンタエリア1613eが設けられている。各種カウンタエリア1613eに設けられたこれら各カウンタC1,C2,C3,CINI,C4を用いて大当たり発生判定等を行う構成となっている。カウンタC1〜C4,CINI,CSは、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM1613の抽選カウンタ用バッファ1613fに適宜格納される。なお、これらカウンタC1,C2,C3,CINI,C4及び抽選カウンタ用バッファ1613fについては、上記第1の実施の形態と同様の構成であるため、詳細な説明を省略する。
RAM1613には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる保留球格納エリア1613g及び電役保留エリアが設けられており、このうち保留球格納エリア1613gには、作動口1083,1084への遊技球の入球履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値が時系列的に格納されるようになっている。
ここで、大当たり発生時の各種処理にて利用される電気的構成について補足説明する。
上述した内部抽選の結果が大当たりに当選していると判定された場合には、上記可変入賞装置1082が開放状態へ切り換られる。可変入賞装置1082の開放態様としては、所定時間(例えば30秒間)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとし、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限とした開放が繰り返される。
各種カウンタエリア1613eには、大当たり中のラウンドをカウントするラウンドカウンタRCと、入賞数をカウントする入賞カウンタPCと、各ラウンド中の開放期間をカウントする開放タイマカウンタOTCと、ラウンド間の閉鎖期間をカウントする閉鎖タイマカウンタCTCとが設けられている。
ラウンドカウンタRCは、最大値を「15」とするカウンタとなっており、1のラウンドが経過する毎に1ずつ減算される。そして、このラウンドカウンタが「0」となった場合には、大当たりに伴う可変入賞装置2082の開放モードが終了する。入賞カウンタPCは最大値を「10」とするカウンタとなっており、第1検知カウンタによって遊技球が入賞したと判定される毎に1ずつ減算される。また、開放タイマカウンタOTCは最大値を「15000」とするカウンタとなっており、後述するタイマ割込み処理が行われるごとに1ずつ減算される。これら入賞カウンタPC及び開放タイマカウンタOTCの一方が「0」となることにより、1ラウンドが終了する。また、閉鎖タイマカウンタCTCは最大値を「2000」とするカウンタとなっており、後述するタイマ割込み処理が行われる毎に1ずつ減算され、同閉鎖タイマカウンタCTCが「0」となることで、次のラウンドへ移行され、可変入賞装置1082の開閉扉2270が開放されることとなる。
(主制御装置1162にて実行される各種処理について)
次に、主制御装置1162のMPU1611にて実行されるタイマ割込み処理及び通常処理を説明する。なお、MPU1611では、タイマ割込み処理及び通常処理の他に、電源投入に伴い起動されるメイン処理とNMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理とが実行されるが、これらの処理については説明を省略する。
(タイマ割込み処理)
先ず、タイマ割込み処理について、図29のフローチャートを参照しながら説明する。本処理はMPU1611により定期的に(例えば2msec周期で)起動される。この周期は任意である。但し、当該タイマ割込み処理には、電断信号や不正検知信号の確認や、各種入賞の確認などといった短い周期で繰り返し実行すべき処理が設定されているため、これら以外の処理が設定されている後述する通常処理の繰り返し周期(例えば4msec周期)よりも短く設定されていることが好ましい。
先ずステップS1101にて、信号読み込み処理を実行する。信号読み込み処理では、一般入賞口、可変入賞装置1082、作動口1083,1084及びスルーゲートに対して個別に設けられた検知センサから入力ポートに入力されている情報を確認し、その確認結果から各入球部への入球の有無を特定する。具体的には、任意の1回の処理にて遊技球を検知していないことに対応した信号(例えば、LOWレベル信号)の入力を確認し、その後の2回の処理にて遊技球を検知していることに対応した信号(例えば、HIレベル信号)の入力を連続して確認した場合に、その検知センサに対応した入球部において遊技球の入球が発生したと特定する。以下、信号判定処理の一部、具体的には可変入賞装置1082(大入賞口1261)に対応した検知センサ1350からの信号に基づく信号読み込み処理について図30〜図32のフローチャートを参照して説明する。
(信号読み込み処理)
図30に示すように、同信号読み込み処理においては先ずステップS1201にて各種フラグ格納エリア1613hに大当たり発生用のフラグが格納されているか否かを判定する。ステップS1201にて否定判定をした場合、すなわち大当たり中でない場合には、そのまま本信号読み込み処理を終了する。つまり、本実施の形態における可変入賞装置1082(大入賞口1261)への入賞判定は、大当たり発生中において実行される構成となっている。
一方、ステップS1201にて肯定判定をした場合、すなわち大当たり中であると判定した場合には、ステップS1202に進む。ステップS1202では、各種フラグ格納エリア1613hに読み込みモード切替フラグが格納されているか否かを判定する。ステップS1202にて否定判定をした場合には、第1信号読み込みモードを選択し、すなわちステップS1203に進んで第1信号読み込み処理を実行した後、本信号読み込み処理を終了する。一方、ステップS1202にて肯定判定をした場合には、第2信号読み込みモードを選択し、すなわちステップS1204に進んで第2信号読み込み処理を実行した後、本信号読み込み処理を終了する。つまり、読み込みモード切替フラグの有無によって異なる2種の信号の読み込みモードが選択される構成となっている。各信号読み込みモードにおいて実行される処理には、両モードで共通する処理と、一方にのみ設けられた処理とが存在し、後者の処理には検知信号が正常であるか否かの監視機能が付与されている。このため、第1信号読み込みモード及び第2信号読み込みモードのうちどちらを選択するかによって、検知信号の監視状態と非監視状態とが切り替わる構成となっている。
ここで、図31及び図32を参照して、各読み込みモードにおける処理内容について説明する。
(第1信号読み込み処理)
図31に示すように、第1信号読み込み処理においては、先ずステップS1301にて検知センサ1350からの検知信号がHIレベルであるか否かを判定する。ステップS1301にて否定判定をした場合には、すなわち検知信号がLOWレベルである場合には、ステップS1302に進み、第1検知カウンタDC1の値を「0」に更新した後、本第1信読み込み処理を終了する。
一方、ステップS1301にて肯定判定がなされた場合には、すなわち検知信号がHIレベルであると判定した場合には、ステップS1303に進む。ステップS1303では、第1検知カウンタDC1の値が「1」であるか否かを判定する。
ステップS1303にて否定判定がなされた場合には、すなわち第1検知カウンタDC1の値が「0」又は「2」である場合には、ステップS1304にて同第1検知カウンタDC1の値が「2」であるか否かを判定する。ステップS1304にて否定判定をした場合には、すなわち第1検知カウンタDC1の値が「0」である場合には、ステップS1305にて第1検知カウンタDC1の値を「1」に更新した後、本第1信号読み込み処理を終了し、ステップS1304にて肯定判定をした場合には、すなわち第1検知カウンタDC1の値が「2」である場合には、そのまま本第1信号読み込み処理を終了する。
一方、ステップS1303にて肯定判定をした場合には、すなわち第1検知カウンタDC1の値が「1」である場合には、ステップS1306にて第1検知カウンタDC1の値を「2」に更新した後、ステップS1307に進む。ステップS1303における肯定判定は、信号がLOWレベル→HIレベル→HIレベルの順に入力されていることを示すものであり、このような信号の入力に基づいて、可変入賞装置1082(大入賞口1261)への入賞があったと判定されることとなる。そして、続くステップS1307にて第1入賞検知フラグをセットした後、本第1信号判定処理を終了する。なお、この第1入賞検知フラグは、可変入賞装置1082への入賞に基づいて遊技球の払出し等を実行する際に用いられるフラグである。
以上詳述した、第1信号読み込み処理におけるステップS1301〜S1307の各種処理は、遊技球の入賞判定を行うものであり、これに対して第2信号読み込み処理においては、遊技球の入賞判定に加え、検知センサ1350による球検知中にその検知信号に異常が発生しているか否かを監視するための準備処理、すなわち検知信号が正常であるか否かを判定する信号判定を行うための準備処理が付加されている。以下、図32を参照して第2信号読み込みモードにおける各処理について説明する。
(第2信号読み込み処理)
第2信号読み込み処理においては、先ずステップS1401にて上記判定タイマカウンタJTCの更新処理を実行する。判定タイマカウンタJTCは上記第1の実施の形態に示したタイマカウンタTCと同様の構成となっており、検知領域DEを遊技球が通過した際に遊技球検知の信号(詳しくはHIレベル信号)が消失するタイミングを計るのに用いている。本更新処理においては、判定タイマカウンタJTCが0である場合には同判定タイマカウンタJTCを0のまま維持するとともに、判定タイマカウンタJTCが0でない場合には判定タイマカウンタJTCの値を1減算する。
ステップS1401にて更新処理を行った後は、ステップS1402にて判定タイマカウンタJTCの値が0であるか否かを判定する。判定タイマカウンタJTCの値が「0」である場合には、ステップS1403にて検知信号がHIレベルであるか否かを判定する。ステップS1403にて否定判定をした場合には、すなわち検知信号がLOWレベルである場合には、ステップS1404に進み、第1検知カウンタDC1の値を「0」に更新した後、本第2信読み込み処理を終了する。
一方、ステップS1403にて肯定判定がなされた場合には、すなわち検知信号がHIレベルであると判定された場合には、ステップS1405に進む。ステップS1405では、第1検知カウンタDC1の値が「1」であるか否かを判定する。ステップS1405にて否定判定がなされた場合には、すなわち第1検知カウンタDC1の値が「0」又は「2」である場合には、ステップS1406にて同第1検知カウンタDC1の値が「2」であるか否かを判定する。ステップS1406にて否定判定をした場合には、すなわち第1検知カウンタDC1の値が「0」である場合には、ステップS1407にて第1検知カウンタDC1の値を「1」に更新した後、本第2信号読み込み処理を終了し、ステップS1406にて肯定判定をした場合には、すなわち第1検知カウンタDC1の値が「2」である場合には、そのまま本第2信号読み込み処理を終了する。
ステップS1405にて肯定判定がなされた場合には、すなわち第1検知カウンタDC1の値が「1」である場合には、ステップS1408にて第1検知カウンタDC1の値を「2」に更新した後、ステップS1409に進む。ステップS1405における肯定判定は、信号がLOWレベル→HIレベル→HIレベルの順に入力されていることを示すものであり、このような信号の入力に基づいて、可変入賞装置1082(詳しくは大入賞口1261)への入賞があったと判定されることとなる。そして、続くステップS1409にて第1入賞検知フラグをセットする。この第1入賞検知フラグは、可変入賞装置1082への入賞に基づいて遊技球の払出し等を実行する際に用いられるフラグである。
ステップS1409にて第1入賞検知フラグをセットした後は、ステップS1410にて判定タイマカウンタJTCに「9」(18msecに相当)をセットする。これにより、その後18msecに亘って次の遊技球の入賞判定処理(ステップS1403〜ステップS1408)がキャンセルされることとなる。その後、ステップS1411にて第2検知カウンタDC2の値を「0」に更新した後、本信号読み込み処理を終了する。
以上詳述した、ステップS1403〜S1409の各種処理は、遊技球の入賞判定を行うものであり、上記第1信号判定処理におけるステップS1301〜S1307と類似のものとなっている。ここで、第2信号判定処理においては、検知センサ1350による球検知中にその検知信号が正常であるか否かを判定する信号判定準備処理を行うことを特徴の一つとしている。以下、図33のフローチャートに基づき信号判定準備処理について説明する。
(信号判定準備処理)
ステップS1402における判定タイマカウンタJTCの判定処理にて、同判定タイマカウンタJTCの値が「0」でないと判定された場合、すなわち入賞が検知されてから18msecが経過していない場合(検知信号がHIレベルに切り替ってから20msecが経過していない場合)には、ステップS1412の信号判定準備処理へ進む。
信号判定準備処理においては、先ずステップS1501にて、検知センサ1350から入力されている信号がHIレベルであるか否かを判定する。同ステップS1501にて否定判定をした場合、すなわち検知信号がLOWレベルである場合には、ステップS1502に進み、第2検知カウンタDC2の値を「2」に更新した後、本信号判定準備処理を終了する。
判定タイマカウンタJTCによる期間計測中においては、ノイズ等の混入が無い限りLOWレベル信号が入力されることは無い。このため、通常は第2検知カウンタDC2の値が「0」のまま維持される。仮に上述したノイズの混入が発生した場合(検知信号が一時的に立ち下がった場合)、LOWレベル信号が確認されたことを契機として第2検知カウンタDC2を「2」に更新することで、後述する各種判定処理が許可されることとなる。
ステップS1501にて肯定判定をした場合には、すなわち検知信号がHIレベルであると判定した場合には、ステップS1503に進み、第2検知カウンタDC2の値が「0」であるか否かを判定する。ステップS1503にて肯定判定をした場合には、上述したLOWレベル信号の混入が発生していないため、すなわち信号にノイズが混入していないため、そのまま本信号判定処理を終了する。
一方、ステップS1503にて否定判定をした場合には、すなわち第2検知カウンタの値が「1」又は「2」である場合には、ステップ1504にて第2検知カウンタDC2を1減算した後、ステップS1505に進む。
ステップS1505においては、減算された結果、第2検知カウンタDC2の値が「0」になっているか否かを判定する。ステップS1505にて肯定判定をした場合には、そのまま本信号判定準備処理を終了する。一方、ステップS1505にて否定判定をした場合には、ステップS1506に進み、エラーカウンタ更新処理を実行する。
エラーカウンタ更新処理においては、先ずエラーカウンタECの値が「3」であるか否かを判定し、同エラーカウンタECの値が「3」である場合にはエラーカウンタECの値を保持し、当該エラーカウンタECの値が「3」でない場合にはエラーカウンタECの値を1加算する。
なお、エラーカウンタECの最大値を変更し、同最大値を1のラウンド中に発生し得る誤検知数の最大値よりも大きく設定した場合には、本エラーカウンタ更新処理を簡略化し、更新の都度1加算する構成とすることも可能である。このような変更を行うことにより、エラーカウンタの更新処理を簡略化することができる。
ステップS1506のエラーカウンタ更新処理を実行した後、ステップS1507にて第2入賞検知フラグをRAM1613の各種フラグ格納エリア1613hに格納し、本信号判定準備処理を終了する。この第2入賞検知フラグについては、後述する大入賞口1261での入賞数のカウントに使用される一方で、遊技球の払い出しには適用されない構成となっているが、詳細については後述する。
なお、判定タイマカウンタJTCが「0」である場合と、「0」でない場合とで異なる種の入賞検知フラグを格納する構成としたが、第2入賞検知フラグの代わりに第1入賞検知フラグを格納する構成とすることも可能である。また、判定タイマカウンタJTCが「0」である場合にステップS1403〜S1409に示した入賞判定に関する各種処理をキャンセルする必要は必ずしもなく、同判定タイマカウンタJTCが「0」でない場合にもステップS1403〜S1409に示す各種処理を実行する構成とし、第2検知カウンタDC2による判定結果に基づいた入賞検知フラグの格納を省略することも可能である。更には、第2検知カウンタDC2を省略し、第1検知カウンタDC1にエラー判定機能を付与することも可能である。つまり、信号判定準備処理にて第1検知カウンタDC1を使用することも可能である。
再び図29を参照してタイマ割込み処理について説明する。以上詳述した信号読み込み処理を実行した後は、ステップS1102にて、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。続くステップS1103では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4を更新し、各カウンタC1〜C4の更新値をRAM613の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS1104ではスルーゲートへの入賞に伴うスルー用の入賞処理を実行する。なお、これらステップS1102〜S1104の各種処理は、上記第1の実施の形態に示すステップS102〜S104の各種処理と同様であるため、詳細な説明は省略する。
その後、ステップS1105にて始動入賞処理を実行する。始動入賞処理では、RAM1613の各種フラグ格納エリア1613hにおける入賞検知フラグ格納エリアに作動口用の入賞検知フラグが格納されているか否かを判定することにより、遊技球が作動口1083,1084に入賞(始動入賞)したか否かを判定する。遊技球が作動口1083,1084に入賞したと判定すると、第1特定ランプ部及び図柄表示装置の作動保留球数Nが上限値(本実施の形態では4)未満であるか否かを判定する。作動口1083,1084への入賞があり、且つ作動保留球数N<4である場合に作動保留球数Nを1加算する。その後、抽選カウンタ用バッファ1613fに格納されている大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を、RAM1613の保留球格納エリア1613gの空きエリアのうち最初のエリアに格納する。そして、始動入賞処理の後、MPU1611は本タイマ割込み処理を一旦終了する。
(通常処理)
次に、通常処理の流れを図34のフローチャートを参照しながら説明する。通常処理は電源投入に伴い起動されるメイン処理が実行された後に開始される処理であり、同通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS1601〜S1606の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS1609,S1610のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
通常処理において、ステップS1601では、タイマ割込み処理又は前回の通常処理で設定したコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンド(例えば入賞検知フラグ)の有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置に送信する。また、遊技回制御用コマンド又は遊技状態用コマンドが設定されている場合にはそれを音声ランプ制御装置1143に送信する。更には、RAM1613の各種フラグ格納エリア1613hに後述するエラー検知フラグが格納されている場合には、音声ランプ制御装置1143に報知コマンドを出力することにより、エラー表示ランプ部やスピーカ部を用いてその旨の報知を実行するとともに、外部端子板1213を経由してホールコンピュータへエラー情報を出力する。
ここで、上述した信号読み込み処理にて格納される第1入賞検知フラグ及び第2入賞検知フラグについて補足説明する。ステップS1601にて第1入賞検知フラグ有りと判定した場合には、払出制御装置に賞球コマンドが送信され、このコマンドに基づいて払出装置による遊技球の払い出しが実行される。一方、ステップS1601においては第2入賞検知フラグの有無に関しての判定は行われない。第2入賞検知フラグに関しては、検知信号の異常による誤判定に基づいたものであり、このフラグに基づく遊技球の払い出しを行わないことで遊技ホールにおける損害の発生を抑制している。
続くステップS1602では変動種別カウンタCSの更新を実行し、その後ステップS1603では第1特定ランプ部に表示される色の切り替えを行うための第1特定ランプ部制御処理を実行する。これらステップS1602の更新処理及びステップS1603の制御処理は、第1の実施の形態におけるステップS502の更新処理及びステップS503の制御処理と同様であるため、詳細な説明は省略する。
第1特定ランプ部制御処理の後は、ステップS1604にて大入賞口開閉処理を実行する。大入賞口開閉処理では、大当たり状態である場合において可変入賞装置1082の大入賞口を開放又は閉鎖する。すなわち、大当たり状態のラウンド毎に大入賞口を開放し、大入賞口の最大開放時間が経過したか、又は大入賞口に遊技球が規定数だけ入賞したかを判定する。なお、この大入賞口開閉処理についての詳細は後述する。
その後、ステップS1605にて第2特定ランプ部制御処理を実行し、続くステップS1606にて遊技球発射制御処理を実行する。これらステップS1605の制御処理及びステップS1606の制御処理は、第1の実施の形態に示したステップS505の制御処理及びステップS506の制御処理と同様であるため、詳細な説明は省略する。
その後、ステップS1607にて、RAM1613に停電フラグが格納されているか否かを判定する。停電フラグが格納されていない場合には、ステップS1608に進み、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始からタイマ割込み処理が複数回数として予め設定された割込み基準回数(具体的には、2回)発生したか否かを判定する。このタイマ割込みの回数の把握として具体的には、RAM1613の各種カウンタエリア1613eにおける割込み回数カウンタの値を、タイマ割込みが起動される度に1加算するとともに、ステップS1601の処理が実行される直前のタイミングで当該カウンタの値が0クリアする(初期化される)。タイマ割込み処理が割込み基準回数発生していない場合には、ステップS1609に進む。
ステップS1609では乱数初期値カウンタCINIの更新を実行し、続くステップS1610では変動種別カウンタCSの更新を実行する。これらステップS1609,S1610の各更新処理についても、上記第1の実施の形態におけるステップS509,S510の更新処理と同様であるため、詳細な説明は省略する。
その後、ステップS1607に進み、前回の通常処理の開始からタイマ割込み処理が割込み基準回数発生するまで上述した処理を繰り返し、割込み基準回数に達した場合にはステップS1601の処理に戻る。つまり、停電フラグが格納されていない場合には、ステップS1601〜ステップS1606の各種処理が4msec周期で繰り返し実行されることとなる。なお、当該周期は、遊技の進行を良好に制御することができるのであれば、4msecに限定されない。
停電フラグが格納されている場合には、ステップS1611以降の停電時処理を実行する。つまり、ステップS1611では、タイマ割込み処理の発生を禁止し、その後、ステップS1612にてRAM判定値を算出、保存し、ステップS1613にてRAM1613のアクセスを禁止した後に、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
(大入賞口開閉処理)
ここで、図35及び図36のフローチャートを参照してステップS1604に示した大入賞口開閉処理について補足説明する。
大入賞口開閉処理においては、先ずステップS1701にて大当たりが発生しているか否かを判定する。具体的には、RAM1613の各種フラグ格納エリア1613hに大当たりを示すフラグが格納されているか否かを判定する。同ステップS1701にて否定判定をした場合には、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。一方、ステップS1701にて肯定判定をした場合にはステップS1702に進む。
ステップS1702では、大入賞口1261(開閉扉1270)が開放中であるか否かを判定する。具体的には、可変入賞装置1082の駆動状態に基づいてかかる判定を行う。
ステップS1702にて肯定判定をした場合、すなわち大入賞口1261が開放中である場合には、ステップS1703に進み開放タイマカウンタOTCの値が「0」か否かを判定する。開放タイマカウンタOTCの値が「0」でない場合、ステップS1704にて大入賞口1261に遊技球が入賞したか否かを、各種フラグ格納エリア1613hに第1検知フラグ又は第2検知フラグが格納されているか否かをもって判定する。入賞が発生していない場合にはそのまま本大入賞口開閉処理を終了する。
一方、入賞が発生している場合、すなわち各種フラグ格納エリア1613hに第1検知フラグ又は第2検知フラグが格納されている場合には、ステップS1705にて入賞カウンタPCの値を1減算した後にステップS1706にて入賞カウンタPCの値が「3」か否かを判定する。つまり、今回のラウンド中に入賞したと想定される遊技球の数が「7」個となっているか否かを判定する。
ステップS1706にて肯定判定をした場合、すなわち入賞カウンタPCの値が「3」である場合には、続くステップS1707にてRAM1613の各種フラグ格納エリア1613hに読み込みモード切替フラグを格納した後、ステップS1708にて各検知フラグを消去して本大入賞口開閉処理を終了する。これにより、タイマ割込み処理(図27参照)にて実行される可変入賞装置1082用の信号読み込み処理が第1読み込みモードから第2読み込みモードに切り替わることとなる。つまり、防犯機能が一時的に強化されることとなる。
ステップS1706にて否定判定をした場合には、ステップS1709に進む。ステップS1709にて入賞カウンタPCの値が「0」か否かを判定し、「0」でない場合には、ステップS1708にて各検知フラグを消去した後、本大入賞口開閉処理を終了する。
ステップS1703にて開放タイマカウンタOTCの値が「0」であると判定した場合、又はステップS1709にて入賞カウンタPCの値が「0」であると判定した場合には、大入賞口閉鎖条件が成立したことを意味する。かかる場合にはステップS1710にて大入賞口1261を閉鎖すべく可変入賞装置1082のソレノイドを非励磁状態とする。
続くステップS1711ではラウンドカウンタRCの値を「1」減算し、ステップS1712にてラウンドカウンタRCの値が「0」か否かを判定する。ラウンドカウンタRCの値が「0」でない場合にはステップS1713にて閉鎖タイマカウンタCTCの値を「2000」に更新し、続くステップS1714にて閉鎖コマンドを設定する。
この設定された閉鎖コマンドは、通常処理(図34)におけるステップS1601にて、音声ランプ制御装置1143に送信される。音声ランプ制御装置1143は、受信した閉鎖コマンドに基づいて、1ラウンド分の大入賞口1261の開放が終了したことを特定する。また、音声ランプ制御装置1143は、上記閉鎖コマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置に送信する。表示制御装置では、受信した閉鎖コマンドに基づいて、1ラウンド分の大入賞口1261の開放が終了したことを特定するとともに、それに対応した処理を実行する。
ステップS1712にて肯定判定をした場合(ラウンドカウンタRCが「0」である場合)、又はステップS1714にて閉鎖コマンドを設定した後は、ステップS1708にて各検知フラグを消去し、本大入賞口開閉処理を終了する。
次に、ステップS1702にて否定判定をした場合、すなわち大入賞口1261が閉鎖されている場合について説明する。
ステップS1702にて否定判定をした後は、ステップS1715にて閉鎖タイマカウンタCTCが「500」であるか否かを判定する。すなわち、各ラウンド間にて大入賞口1261が閉鎖されてから2secが経過したか否かを判定する。
ステップS1715にて肯定判定をした場合にはステップS1716のエラー判定処理を実行した後、ステップS1717に進み、ステップS1715にて否定判定をした場合にはステップS1716を経由することなくステップS1717に進む。なお、ステップS1716のエラー判定処理については後述する。
ステップS1717ではラウンドカウンタRCが「0」か否かを判定する。ステップS1717にて肯定判定をした場合にはステップS1718にて大当たり用フラグを消去し、その後ステップS1708にて各検知フラグを消去した後、本大入賞口開閉処理を終了する。
一方、ステップS1717にて否定判定をした場合、すなわち大当たりが継続中である場合には、続くステップS1719にて閉鎖タイマカウンタCTCが「0」であるか否か、すなわち大入賞口1261を開放するタイミングか否かを判定する。
ステップS1719にて否定判定をした場合には、ステップS1708にて各検知フラグを消去した後、本大入賞口開閉処理を終了する。一方、ステップS1719にて肯定判定をした場合には、続くステップS1720へ進み、大入賞口開放処理を実行する。具体的には、大入賞口1261を開放すべく可変入賞装置1082のソレノイドを励磁状態とし、開閉扉1270を開位置へ移動させる。
続くステップS1721では、各ラウンド用の設定処理を実行する。各ラウンド用の設定処理では、開放タイマカウンタOTCに、「15000」(すなわち30sec)をセットする。ここでセットされたカウント値は、タイマ割込み処理(図29)が起動される都度、すなわち2msec周期で1減算される。また、大入賞口1261への遊技球の入賞数をカウントするために、RAM1613の各種カウンタエリア1613eに設けられた入賞カウンタPCに「10」をセットする。
その後、ステップS1722にて開放コマンドを設定し、続くステップS1708にて各検知フラグを消去した後、本大入賞口開閉処理を終了する。開放コマンドは、通常処理(図34)におけるステップS1601にて、音声ランプ制御装置1143に送信される。音声ランプ制御装置1143は、受信した開放コマンドに基づいて、前扉枠に設けられた表示ランプ部やスピーカ部における演出内容を変更する。また、音声ランプ制御装置1143は、上記開放コマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置に送信する。表示制御装置では、受信した開放コマンドに基づいて、図柄表示装置における演出を切り換える。
(エラー判定処理)
ここで、図36に基づき上記ステップS1716のエラー判定処理について説明する。
エラー判定処理においては、先ずステップS1801にて各種カウンタエリア1613eのエラーカウンタECが2より大きいか否かを判定する。
ステップS1801にて否定判定をした場合には、ステップS1802に進みRAM1613の各種フラグ格納エリア1613hにエラー報知フラグを格納する。このようにしてエラー報知フラグが格納されている場合には、通常処置(図34)におけるステップS1601にて音声ランプ制御装置1143に報知コマンドを出力することにより、エラー表示ランプ部やスピーカ部を用いてその旨の報知を実行するとともに、外部端子板1213を経由してホールコンピュータへエラー情報を出力する。
ステップS1802にてエラー報知フラグを格納した後は、続くステップS1803にてエラーカウンタECを「0」に更新する。
ステップS1803にてエラーカウンタECを更新した後、又はステップS1801にて肯定判定をした場合には、ステップS1804に進む。
ステップS1804では第2検知カウンタDC2をリセット(「0」をセット)し、その後、ステップS1805にて判定タイマカウンタJTCをリセット(「0」をセット)する。そして、ステップS1806にて読み込みモード切替フラグを消去した後、本エラー判定処理を終了する。このように、読み込みモード切替フラグが消去されることにより、タイマ割込み処理(図29)にて実行される可変入賞装置1082用の信号読み込み処理が第2信号読み込みモードから第1信号読み込みモードに切り替わることとなる。
次に、遊技球が検知センサ1350(詳しくは検知領域DE)を通過する際の入賞判定及びエラー判定の態様の具体例について図37〜図39のタイミングチャートに基づき説明する。図37は大入賞口開放中に常時ノイズが発生している状態を示し、図38及び図39は大入賞口開放時の途中にて局所的にノイズが発生している状態を示している。なお、図37(a)〜図39(a)はノイズを示す概略図、図37(b)〜図39(b)は検知センサ1350の発振回路1660によって生成される信号を示す概略図、図37(c)〜図39(c)は検知センサ1350から主制御装置1162に入力される信号を示す概略図、図37(d)〜図39(d)は大入賞口へ入賞したと判定された遊技球の数を示す概略図、図37(e)〜図39(e)は可変入賞装置1082の状態を示す概略図、図37(f)〜図39(f)は主制御装置1162における検知信号の読み込みモードを示す概略図、図37(g)〜図39(g)は判定タイマカウンタJTCの値を示す概略図、図37(h)〜図39(h)はエラーカウンタECの値を示す概略図である。
先ず、図37を参照して、可変入賞装置1082の開放期間に合わせるようにして常時ノイズが発生している場合について説明する。詳しくは、検知センサ1350の発振回路1660にて生成される高周波と同じ周波数且つ同じ振幅のノイズが周期的に発生し、同ノイズが発振回路1660にて生成された高周波に混入した場合について説明する。
大当たりに当選し、可変入賞装置1082が開放状態に切り替わった後のta1のタイミングにおいては、遊技球が検知領域DEに達することにより、検知センサ1350の発振回路1660にて生成される高周波が減衰する。これにより、検知センサ1350から出力される検知信号がLOWレベルからHIレベルに立ち上がる。
その後、上記タイマ割込み処理(詳しくは信号読み込み処理)にて、同検知信号がLOWレベル→HIレベル→HIレベルであることがta2のタイミングにて確認され、遊技球が検知領域DEを通過した、すなわち大入賞口1261において入賞が発生したと判定される。これにより、入賞カウンタPCの値が「1」加算され、「0」から「1」に変更される。
ta2のタイミングから4msecが経過したta3のタイミングにて、ノイズが混入すると、その混入したノイズに反応して検知信号がHIレベルからLOWレベルに立ち下がる。これにより、上記検知カウンタによる通過判定が有効化され、次のHIレベル信号の入力待ちの状態となる。
その後、2msec以上の期間を経たta4のタイミングにてノイズが消失すると、検知センサ1350から出力される検知信号がLOWレベルからHIレベルに復帰し、第1検知カウンタDC1を用いた入賞判定が実行され、続くta5のタイミングにて遊技球の入賞が発生したと誤判定される。つまり、実際には1の遊技球に対応している検知信号がノイズによって分化されることにより、2つ目の遊技球の入賞が発生していると誤判定される。これにより、入賞カウンタPCの値が「1」加算され、「1」から「2」に変更される。
続くta6のタイミングにて再びノイズが混入すると、ta3のタイミングと同様に検知信号が一時的にLOWレベルに立ち下がり、ta7のタイミングにてノイズが消失することで検知信号がHIレベルに復帰する。そして、ta8のタイミングにて、再び遊技球の入賞が発生したと誤判定されることで、入賞カウンタPCの値が「1」加算され、「2」から「3」に変更される。
なお、以降のta9〜ta11については、既に説明したta4〜ta6と同様の事象が発生し、その結果、入賞カウンタPCの値が更に加算され「3」から「4」に変更される。
続くta12のタイミングにて、遊技球が検知センサ1350の検知領域DEを通過し終えると、発振回路1660にて生成されている高周波がもとの状態に復帰し、検知センサ1350から出力される検知信号がLOWレベルに立ち下がることとなる。
その後、上記ノイズは、次の遊技球が検知センサ1350(詳しくは検知領域DE)に達する前まで継続して発生するが、この期間においては同ノイズによって検知信号が変化することは無い。
後続して可変入賞装置1082に流入した2つ目の遊技球が検知領域DEに到達したta13のタイミングでは、検知センサ1350の発振回路1660にて生成される高周波が減衰する。これにより、検知センサ1350から出力される検知信号がLOWレベルからHIレベルに立ち上がる。
その後、上記タイマ割込み処理(詳しくは信号読み込み処理)にて、同検知信号がLOWレベル→HIレベル→HIレベルであることがta14のタイミングにて確認され、遊技球が検知領域DEを通過した、すなわち大入賞口1261において入賞が発生したと判定される。これにより、入賞カウンタPCの値が「1」加算され、「4」から「5」に変更される。
以降のta15〜ta17の期間及びta18〜ta20の期間では、既に説明したta4〜ta6の期間と同様の事象が発生し、その結果、入賞カウンタPCの値が「5」→「6」→「7」の順に加算される。
ta20のタイミングにおいては、入賞カウンタPCの値が「7」となることで、検知信号の読み込みモードが第1信号読み込みモードから第2信号読み込みモードに切り替わる。これにより、防犯機能が一時的に強化される。
ta20のタイミングから2msecが経過したta21のタイミングにて、ノイズが混入すると、その混入したノイズに反応して検知信号がHIレベルからLOWレベルに立ち下がる。これにより、上記検知カウンタによる通過判定が有効化され、次のHIレベル信号の入力待ちの状態となる。
その後、2msec以上の期間を経たta22のタイミングにてノイズが消失すると、検知センサ1350から出力される検知信号がLOWレベルからHIレベルに復帰し、第1検知カウンタDC1を用いた入賞判定が実行され、続くta23のタイミングにて、遊技球の入賞が発生したと誤判定される。これにより、入賞カウンタPCの値が「1」加算され、「7」から「8」に変更される。
このta23のタイミングでは検知信号の読み込みモードが第2読み込みモードに切り替わっている。このため、第1検知カウンタDC1による入賞判定に基づいて、判定タイマカウンタJTCに「9」がセットされる。これにより、ta23のタイミングから18msecの間は、検知信号に異常が発生しているか否かが監視可能な監視状態となり、例えばノイズの混入による誤検知の発生を把握可能となる。
続くta14のタイミングにて、遊技球が検知センサ1350の検知領域DEを通過し終えると、発振回路1660にて生成されている高周波がもとの状態に復帰し、検知センサ1350から出力される検知信号がLOWレベルに立ち下がることとなる。
その後、上記ノイズは、次の遊技球が検知センサ1350(詳しくは検知領域DE)に達する前まで継続して発生するが、この期間においては同ノイズによって検知信号がLOWレベルに立ち下がることは無い。つまり、これらノイズによって入賞判定が行われることはなく、エラーカウンタECは0のまま維持される。
続くta25のタイミングにおいては、3つ目の遊技球が検知領域DEに到達し、検知センサ1350の発振回路1660にて生成される高周波が減衰する。これにより、検知センサ1350から出力される検知信号がLOWレベルからHIレベルに立ち上がる。このタイミングにおいては、判定タイマカウンタJTCが再び「0」に復帰しており、検知信号の異常を監視しない非監視状態のまま、次の入賞発生まで待機した状態となっている。
その後、上記タイマ割込み処理(詳しくは信号読み込み処理)にて、同検知信号がLOWレベル→HIレベル→HIレベルであることがta26のタイミングにて確認され、遊技球が検知領域DEを通過した、すなわち大入賞口1261において入賞が発生したと判定される。これにより、入賞カウンタPCの値が「1」加算され、「8」から「9」に変更される。これによって判定タイマカウンタJTCに再度「9」がセットされ、その後18msecに亘って検知信号に異常が発生しているか否かが監視可能な監視状態となり、例えばノイズの混入による誤検知の発生を把握可能となる。
ta26のタイミングから2msecが経過したta27のタイミングにてノイズが混入すると、その混入したノイズに反応して検知信号がHIレベルからLOWレベルに立ち下がる。これにより、上記検知カウンタによる通過判定が有効化され、次のHIレベル信号の入力待ちの状態となる。
その後、2msec以上の期間を経たta28のタイミングにてノイズが消失すると、検知センサ1350から出力される検知信号がLOWレベルからHIレベルに復帰し、第1検知カウンタDC1を用いた入賞判定が実行され、続くta29のタイミングにて、遊技球の入賞が発生したと誤判定される。つまり、実際には1の遊技球に対応している検知信号がノイズによって分化されることにより、2つ目の遊技球の入賞が発生していると誤判定される。これにより、入賞カウンタPCの値が「1」加算され、「9」から「10」に変更される。
入賞カウンタPCの値が「10」に達することで、今回のラウンドが終了したと判定され、可変入賞装置1082が閉鎖状態に切り替えられる。これにより、大入賞口1261への遊技球の流入が不可となる。また、この際、第2検知カウンタDC2を用いたエラー判定が併せて実行され、この結果、エラーの発生が確認されることで、エラーカウンタECが「1」加算される。詳しくは、エラーカウンタECが「0」から「1」に更新される。
以降のta30〜ta32の期間及びta33〜ta35の期間では、既に説明したta27〜ta29の期間と同様の事象が発生し、その結果、入賞カウンタPCの値が「10」→「11」→「12」の順に加算される。
上述した判定タイマカウンタJTCはta26〜ta35の期間にて「0」に戻ることはなく、同期間においては検知信号の監視が継続されることとなる。このため、エラーカウンタECの値は、入賞カウンタPCと同様に、ta32のタイミング及びta35のタイミングで1ずつ加算され、同ta35のタイミングにて「3」となり、エラー報知の閾値としての「2」を超えることとなる。
続くta36のタイミングにて、遊技球が検知センサ1350の検知領域DEを通過し終えると、発振回路1660にて生成されている高周波がもとの状態に復帰し、検知センサ1350から出力される検知信号がLOWレベルに立ち下がることとなる。これにより、ノイズの混入が回避される。
ta36のタイミングの後のta37のタイミング、詳しくはta29のタイミング(可変入賞装置1082が閉鎖されたタイミング)から2secが経過したta37のタイミングにおいては、次のラウンドへの移行準備期間であり、このタイミングにてエラー判定が実行される。つまり、エラーカウンタECの値が「2」を超えているか否かが判定される。今回の具体例においては、エラーカウンタECの値が「3」となっており、閾値を超えている。このため、エラー表示ランプ部やスピーカ部を用いて有害なノイズが混入した可能性がある旨の報知が実行されるとともに、外部端子板1213を経由してホールコンピュータへエラー情報が出力されることとなる。
次に、図38を参照して、可変入賞装置1082の開放期間中に局所的にノイズが発生している場合について説明する。詳しくは、検知センサ1350の発振回路1660にて生成される高周波と同じ周波数且つ同じ振幅のノイズが周期的に発生し、同ノイズが発振回路1660にて生成された高周波に混入した場合について説明する。
大当たりに当選し、可変入賞装置1082が開放状態に切り替わった後のtb1のタイミングにおいては、遊技球が検知領域DEに達することにより、検知センサ1350の発振回路1660にて生成される高周波が減衰する。これにより、検知センサ1350から出力される検知信号がLOWレベルからHIレベルに立ち上がる。
その後、上記タイマ割込み処理(詳しくは信号読み込み処理)にて、同検知信号がLOWレベル→HIレベル→HIレベルであることがtb2のタイミングにて確認され、遊技球が検知領域DEを通過した、すなわち大入賞口1261において入賞が発生したと判定される。これにより、入賞カウンタPCの値が「1」加算され、「0」から「1」に変更される。
その後、tb3のタイミングにて、遊技球が検知センサ1350の検知領域DEを通過し終えると、発振回路1660にて生成されている高周波がもとの状態に復帰し、検知センサ1350から出力される検知信号がLOWレベルに立ち下がることとなる。
以降、可変入賞装置1082に流入した遊技球が検知領域DEを通過する毎に入賞カウンタPCの値が「1」ずつ加算され、6つ目の遊技球が検知領域DEに達した際には同入賞カウンタPCの値が「6」に変更される。
その後、tb4のタイミングにて遊技球が検知領域DEに達することにより、検知センサ1350の発振回路1660にて生成される高周波が減衰する。これにより、検知センサ1350から出力される検知信号がLOWレベルからHIレベルに立ち上がる。
そして、上記タイマ割込み処理(詳しくは信号読み込み処理)にて、同検知信号がLOWレベル→HIレベル→HIレベルであることがtb5のタイミングにて確認され、遊技球が検知領域DEを通過した、すなわち大入賞口1261において入賞が発生したと判定される。これにより、入賞カウンタPCの値が「1」加算され、「6」から「7」に変更される。
tb5のタイミングにおいては、入賞カウンタPCの値が「7」となることで、検知信号の読み込みモードが第1信号読み込みモードから第2信号読み込みモードに切り替わる。これにより、防犯機能が一時的に強化される。
その後、tb6のタイミングにて、遊技球が検知センサ1350の検知領域DEを通過し終えると、発振回路1660にて生成されている高周波がもとの状態に復帰し、検知センサ1350から出力される検知信号がLOWレベルに立ち下がることとなる。この後、ノイズが発生するが、少なくとも次の遊技球が検知領域に到達するまでの期間においては同ノイズによって検知信号が変化することは無い。
tb7のタイミングにて8個目の遊技球が検知領域DEに達すると、検知センサ1350の発振回路1660にて生成される高周波が減衰する。これにより、検知センサ1350から出力される検知信号がLOWレベルからHIレベルに立ち上がる。
そして、上記タイマ割込み処理(詳しくは信号読み込み処理)にて、同検知信号がLOWレベル→HIレベル→HIレベルであることがtb8のタイミングにて確認され、遊技球が検知領域DEを通過した、すなわち大入賞口1261において入賞が発生したと判定される。これにより、入賞カウンタPCの値が「1」加算され、「7」から「8」に変更される。
このtb8のタイミングでは検知信号の読み込みモードが第2読み込みモードに切り替わっている。このため、第1検知カウンタDC1による入賞判定に基づいて、判定タイマカウンタJTCに「9」がセットされる。これにより、tb8のタイミングから18msecの間は、検知信号に異常が発生しているか否かが監視可能な監視状態となり、例えばノイズの混入による誤検知の発生を把握可能となる。
tb8のタイミングから2msecが経過したtb9のタイミングにてノイズが混入すると、その混入したノイズに反応して検知信号がHIレベルからLOWレベルに立ち下がる。これにより、上記検知カウンタによる通過判定が有効化され、次のHIレベル信号の入力待ちの状態となる。
その後、2msec以上の期間を経たtb10のタイミングにてノイズが消失すると、検知センサ1350から出力される検知信号がLOWレベルからHIレベルに復帰し、第1検知カウンタDC1を用いた入賞判定が実行され、続くtb11のタイミングにて、遊技球の入賞が発生したと誤判定される。つまり、8個目の遊技球に対応している検知信号がノイズによって分化されることにより、9個目の遊技球の入賞が発生していると誤判定される。これにより、入賞カウンタPCの値が「1」加算され、「8」から「9」に変更される。また、この際、第2検知カウンタDC2を用いたエラー判定が併せて実行され、この結果、エラーの発生が確認されることで、エラーカウンタECが「1」加算される。詳しくは、エラーカウンタECが「0」から「1」に更新される。
tb11のタイミングから2msecが経過したtb12のタイミングにて再びノイズが混入すると、その混入したノイズに反応して検知信号がHIレベルからLOWレベルに立ち下がる。これにより、上記検知カウンタによる通過判定が有効化され、次のHIレベル信号の入力待ちの状態となる。
その後、2msec以上の期間を経たtb13のタイミングにてノイズが消失すると、検知センサ1350から出力される検知信号がLOWレベルからHIレベルに復帰し、第1検知カウンタDC1を用いた入賞判定が実行され、続くtb14のタイミングにて、遊技球の入賞が発生したと誤判定される。つまり、8個目の遊技球に対応している検知信号がノイズによって分化されることにより、10個目の遊技球の入賞が発生していると誤判定される。これにより、入賞カウンタPCの値が「1」加算され、「9」から「10」に変更される。また、この際、第2検知カウンタDC2を用いたエラー判定が併せて実行され、この結果、エラーの発生が確認されることで、エラーカウンタECの値が「1」加算される。詳しくは、エラーカウンタECの値が「1」から「2」に更新される。
また、tb14のタイミングにおいては、入賞カウンタPCの値が「10」に達することで、今回のラウンドが終了したと判定され、可変入賞装置1082が閉鎖状態に切り替えられる。これにより、大入賞口1261への遊技球の流入が不可となる。
以降のtb15〜tb17の期間においては、上述した判定タイマカウンタJTCはtb8〜tb17の期間にて「0」に戻ることはなく、同期間においてはエラー発生の監視が継続されることとなる。このため同期間にて、既に説明したtb9〜tb11の期間と同様の事象が発生し、その結果、入賞カウンタPCの値が「10」→「11」に加算されるとともに、エラーカウンタECの値が「2」から「3」に更新される。これにより、エラーカウンタECの値は、エラー報知の閾値としての「2」を超えることとなる。
続くtb18のタイミングにて、遊技球が検知センサ1350の検知領域DEを通過し終えると、発振回路1660にて生成されている高周波がもとの状態に復帰し、検知センサ1350から出力される検知信号がLOWレベルに立ち下がることとなる。これにより、ノイズの混入が回避される。
tb18のタイミングの後のtb19のタイミング、詳しくはtb14のタイミング(可変入賞装置1082が閉鎖されたタイミング)から2secが経過したtb19のタイミングにおいては、次のラウンドへの移行準備期間であり、このタイミングにてエラー判定が実行される。つまり、エラーカウンタECの値が「2」を超えているか否かが判定される。今回の具体例においては、エラーカウンタECの値が「3」となっており、閾値を超えている。このため、エラー表示ランプ部やスピーカ部を用いて有害なノイズが混入した可能性がある旨の報知が実行されるとともに、外部端子板1213を経由してホールコンピュータへエラー情報が出力されることとなる。
次に、図39を参照して、可変入賞装置1082の開放期間中、特に10個目の遊技球が可変入賞装置1082に流入するタイミングを見計らうようにして局所的にノイズが発生している場合について説明する。詳しくは、検知センサ1350の発振回路1660にて生成される高周波と同じ周波数且つ同じ振幅のノイズが周期的に発生し、同ノイズが発振回路1660にて生成された高周波に混入した場合について説明する。
大当たりに当選し、可変入賞装置1082が開放状態に切り替わった後のtc1のタイミングにおいては、遊技球が検知領域DEに達することにより、検知センサ1350の発振回路1660にて生成される高周波が減衰する。これにより、検知センサ1350から出力される検知信号がLOWレベルからHIレベルに立ち上がる。
その後、上記タイマ割込み処理(詳しくは信号読み込み処理)にて、同検知信号がLOWレベル→HIレベル→HIレベルであることがtc2のタイミングにて確認され、遊技球が検知領域DEを通過した、すなわち大入賞口1261において入賞が発生したと判定される。これにより、入賞カウンタPCの値が「1」加算され、「0」から「1」に変更される。
その後、tc3のタイミングにて、遊技球が検知センサ1350の検知領域DEを通過し終えると、発振回路1660にて生成されている高周波がもとの状態に復帰し、検知センサ1350から出力される検知信号がLOWレベルに立ち下がることとなる。
以降、可変入賞装置1082に流入した遊技球が検知領域DEを通過する毎に入賞カウンタPCの値が「1」ずつ加算され、6つ目の遊技球が検知領域DEに達した際には同入賞カウンタPCの値が「6」に変更される。
その後、tc4のタイミングにて遊技球が検知領域DEに達することにより、検知センサ1350の発振回路1660にて生成される高周波が減衰する。これにより、検知センサ1350から出力される検知信号がLOWレベルからHIレベルに立ち上がる。
そして、上記タイマ割込み処理(詳しくは信号読み込み処理)にて、同検知信号がLOWレベル→HIレベル→HIレベルであることがtc5のタイミングにて確認され、遊技球が検知領域DEを通過した、すなわち大入賞口1261において入賞が発生したと判定される。これにより、入賞カウンタPCの値が「1」加算され、「6」から「7」に変更される。
tc5のタイミングにおいては、入賞カウンタPCの値が「7」となることで、検知信号の読み込みモードが第1信号読み込みモードから第2信号読み込みモードに切り替わる。これにより、防犯機能が一時的に強化される。
その後、tc6のタイミングにて、遊技球が検知センサ1350の検知領域DEを通過し終えると、発振回路1660にて生成されている高周波がもとの状態に復帰し、検知センサ1350から出力される検知信号がLOWレベルに立ち下がることとなる。この後、ノイズが発生するが、少なくとも次の遊技球が検知領域に到達するまでの期間においては同ノイズによって検知信号が変化することは無い。
tc7のタイミングにて10個目の遊技球が検知領域DEに達すると、検知センサ1350の発振回路1660にて生成される高周波が減衰する。これにより、検知センサ1350から出力される検知信号がLOWレベルからHIレベルに立ち上がる。
そして、上記タイマ割込み処理(詳しくは信号読み込み処理)にて、同検知信号がLOWレベル→HIレベル→HIレベルであることがtc8のタイミングにて確認され、遊技球が検知領域DEを通過した、すなわち大入賞口1261において入賞が発生したと判定される。これにより、入賞カウンタPCの値が「1」加算され、「9」から「10」に変更される。
同tc8のタイミングにおいては、入賞カウンタPCの値が「10」に達することで、今回のラウンドが終了したと判定され、可変入賞装置1082が閉鎖状態に切り替えられる。これにより、大入賞口1261への遊技球の流入が不可となる。
また、このtc8のタイミングでは検知信号の読み込みモードが第2読み込みモードに切り替わっている。このため、第1検知カウンタDC1による入賞判定に基づいて、判定タイマカウンタJTCに「9」がセットされる。これにより、tc8のタイミングから18msecに亘っては、検知信号に異常が発生しているか否かが監視可能な監視状態となり、例えばノイズの混入による誤検知の発生を把握可能となる。
tc8のタイミングから2msecが経過したtc9のタイミングにてノイズが混入すると、その混入したノイズに反応して検知信号がHIレベルからLOWレベルに立ち下がる。これにより、上記検知カウンタによる通過判定が有効化され、次のHIレベル信号の入力待ちの状態となる。
その後、2msec以上の期間を経たtc10のタイミングにてノイズが消失すると、検知センサ1350から出力される検知信号がLOWレベルからHIレベルに復帰し、第1検知カウンタDC1を用いた入賞判定が実行され、続くtc11のタイミングにて、遊技球の入賞が発生したと誤判定される。つまり、10個目の遊技球に対応している検知信号がノイズによって分化されることにより、11個目の遊技球の入賞が発生していると誤判定される。これにより、入賞カウンタPCの値が「1」加算され、「10」から「11」に変更される。また、この際、第2検知カウンタDC2を用いたエラー判定が併せて実行され、この結果、エラーの発生が確認されることで、エラーカウンタECが「1」加算される。詳しくは、エラーカウンタECが「0」から「1」に更新される。
以降のtc12〜tc14の期間及びtc15〜tc17の期間においては、上述した判定タイマカウンタJTCは「0」に戻ることはなく、両期間においては検知信号の監視が継続されることとなる。このため各期間にて、既に説明したtc9〜tc11の期間と同様の事象が発生し、その結果、入賞カウンタPCの値が「11」→「12」→「13」の順に加算されるとともに、エラーカウンタECの値が「1」→「2」→「3」に更新される。これにより、エラーカウンタECの値は、エラー報知の閾値としての「2」を超えることとなる。
続くtc18のタイミングにて、遊技球が検知センサ1350の検知領域DEを通過し終えると、発振回路1660にて生成されている高周波がもとの状態に復帰し、検知センサ1350から出力される検知信号がLOWレベルに立ち下がることとなる。これにより、ノイズの混入が回避される。
tc18のタイミングの後のtc19のタイミング、詳しくはtc8のタイミング(可変入賞装置1082が閉鎖されたタイミング)から2secが経過したtc19のタイミングにおいては、次のラウンドへの移行準備期間であり、このタイミングにてエラー判定が実行される。つまり、エラーカウンタECの値が「2」を超えているか否かが判定される。今回の具体例においては、エラーカウンタECの値が「3」となっており、閾値を超えている。このため、エラー表示ランプ部やスピーカ部を用いて有害なノイズが混入した可能性がある旨の報知が実行されるとともに、外部端子板1213を経由してホールコンピュータへエラー情報が出力されることとなる。
以上詳述した第2の実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
遊技領域PEを流下する遊技球が大入賞口1261に流入し、検知領域DEを通過することで検知センサ1350から所定の検知信号が出力される。この検知信号に基づいて検知領域DEにおける遊技球の通過判定が実行され、同検知領域DEを遊技球が通過したと判定された場合には、遊技者に特典(詳しくは遊技球の払い出し)が付与される。通過判定された遊技球の数が所定数(本実施の形態においては10個)に達すると、可変入賞装置1082(詳しくは開閉扉1270)が開放状態から閉鎖状態に切り替えられる。これにより、更なる遊技球の入賞が妨げられることとなる。このように検知信号に基づいて特典付与の有無を決定する遊技機においては、仮に検知信号に有害なノイズ等が混入すると誤判定が発生すると、特典が過剰に付与されるといった不都合が生じ得る。これは遊技機の信頼性を低下させる要因となり得るため好ましくない。
このようなノイズ等の混入に関しては、偶発的に混入する場合と、検知信号を改ざんしようとして意図的に混入される場合とがあると想定される。この点、本実施の形態によれば、主制御装置1162のMPU1611にて実行される信号判定準備処理(S1412)及びエラー判定処理(S1716)によって上記ノイズの混入等による検知信号の異常を監視することにより、同異常の発生を早期に把握し、当該異常に起因した不利益の発生を好適に抑制することができる。これにより、遊技機の信頼性向上及び防犯性向上に貢献することができる。
また、不正を目的とした信号の改ざんが行われる場合には、少しでも多くの利得を効率的に得ようとすることで同不正が行われやすいタイミングに偏りが生じ得ると考えられる。特に、入賞判定された遊技球の数が所定数に達することで更なる遊技球の入賞が阻またげられる構成においては、同偏りが顕著になりやすいと想定される。ノイズ等を上記検知信号に混入させて同検知信号を複数に分化することにより、1の遊技球が検知領域DEを通過した際にあたかも複数の遊技球が同検知領域DEを通過したかのように見せかけるといった不正行為が行われる可能性がある。仮にこのように1の検知信号を複数に分化可能であるならば、分化され得る上限数を前記所定数から減算した数に1加算した特定数の遊技球が検知領域DEを通過した後に、後続の遊技球を標的として上記分化を行うことで、所定数よりも多くの遊技球が検知領域DEを通過したように見せかけて、特典が過剰に取得される可能性がある。つまり、大入賞口1261に入賞する所定数の遊技球においては標的としての狙われやすさに差が生じやすいと想定される。
ここで、上記第2の実施の形態においては特に、標的として狙われやすい遊技球が入賞するタイミングにおいては、すなわち上記不正行為等によって検知信号に異常が発生しやすいと想定されるタイミングにおいては、信号判定準備処理(S1412)及びエラー判定処理(S1716)による監視を有効化することにより防犯機能を高めることが可能となっている。つまり、不正が行われることで、その被害が発生しやすいと想定される期間や同不正行為による被害が大きくなりやすいと想定される期間にて防犯機能を高めることで、不正抑制効果を好適に享受することができる。
例えば、上述した検知信号の監視を常時行う構成とすることも可能であるが、この場合、防犯性の向上が期待できる反面、それに起因した制御負荷の増大が顕著になると想定される。そこで、上述の如く監視状態と非監視状態とを切り替え可能な構成とし、不正等による異常発生の可能性が高くなる期間においては監視を行う構成とすることで、上述した防犯性を担保しつつ、それに起因した制御負荷の増大を抑制することが可能となっている。
上述した不正(検知信号の分化)が行われる場合には、各ラウンドにて最後に入賞する遊技球を狙うことが効果的であると想定される。しかしながら、遊技領域に配設された釘等により遊技球の流下経路が多様化されており、更には大入賞口1261が横長状をなしており、同大入賞口1261においては同時に複数の遊技球が流入し得るため上記最後の遊技球のみを狙って信号の分化を試みることは難しいと想定される。故に、不正の対象となる遊技球を複数設定することで不正な遊技球の取得を効率的に行うといった対策がなされると想定される。つまり、検知信号を分化した結果、入賞判定される遊技球の数が所定数を上回るように、ある程度不正の対象を拡げるといった対策がなされると想定される。
この点、本実施の形態によれば、開閉扉1270の開放状態への切り替え後に検知領域DEを通過したと判定された遊技球の数が、検知センサ1350から所定の検知信号が出力されている期間にて検知領域DEを通過したと判定され得る遊技球の上限数を上記所定数から減算した数に1加算した特定数に達した場合に、信号判定準備処理(S1412)及びエラー判定処理(S1716)による監視を有効化する構成とした。これにより、上記不正行為によって通常得ることができる特典を超えた特典の取得がなされる可能性がある期間においては、同不正行為に対する防御機能を好適に発揮することができ、防犯機能の担保と制御負荷の抑制とを好適に両立することが可能となっている。
<第3の実施の形態>
上記第1の実施の形態においては、一般入賞口、可変入賞装置、作動口等の入球部に流入した遊技球が検知センサによって検知されると、その検知情報に基づいて遊技者に遊技球の払い出し等の特典が付与される構成が採用されていたが、本実施の形態においては可変入賞装置における球検知に関する構成が上記各実施の形態と相違している。そこで以下、同相違する構成について、図40、図41及び図42に基づき補足説明する。図40は第3の実施の形態における遊技盤の構成を示す背面図、図41は図40のE−E線部分断面図、図42は図40のF矢視図である。なお、図42においては便宜上、集合板の一部を破断させることにより同集合板に形成された回収通路の内部を部分的に視認可能としている。また、以下の説明では上記第1の実施の形態と同様の構成に関する説明を簡略化又は省略することとする。
(可変入賞装置における入賞検知に関する構成)
遊技盤2080において下作動口2084の下方となる位置には、横長の矩形状をなす開口部2099が設けられている。開口部2099は遊技盤2080の厚さ方向(前後方向)に貫通しており、開口断面が略矩形状をなすように形成されている。開口部2099には、遊技盤2080の前面側から可変入賞装置2082が組み付けられている。
可変入賞装置2082は、開口部2099に流入した遊技球を遊技盤2080の背面側へ誘導する誘導通路部2260と、同誘導通路部2260における前方への開放部分(以下、大入賞口2261と称する)に合わせて形成された開閉扉2270を備えている。開閉扉2270は、大入賞口2261を塞ぐことにより同大入賞口2261への遊技球の流入を不可とする閉位置と、同大入賞口2261への遊技球の流入を許容する開位置とに切替可能に設けられている。具体的には、開閉扉2270は、回動可能に設けられているとともに閉位置に向けて付勢されている。この付勢力によって同開閉扉2270は、閉位置に待機した状態となっている。
また、可変入賞装置2082は、主制御装置2162に対して電気的に接続されている駆動部(詳しくはソレノイド)を備えている。大当たりが発生した場合には主制御装置2162から駆動信号が入力されてソレノイドが駆動し、同ソレノイドの出力軸によって開閉扉2270が開位置へ押される。これにより、開閉扉2270が上記付勢力に抗して開位置へ移動することとなる(図41の2点鎖線参照)。
このようにして開閉扉2270が開放されている状態では、遊技領域PEを流下する遊技球が開閉扉2270の板面に沿って移動する。これにより、大入賞口2261への入賞が容易化される。つまり、開閉扉2270には大入賞口2261への遊技球の流入をサポートするサポート機能が付与されており、当該開閉扉2270が開位置に配されることで同サポート機能が有効化される。
誘導通路部2260の後方には、同誘導通路部2260から流出した遊技球を回収する大入賞口用回収通路部2310が設けられており、この大入賞口用回収通路部2310によって区画形成された通路により上記回収通路2151の一部が構成されている。
図42に示すように、大入賞口用回収通路部2310は、誘導通路部2260から流出した遊技球が流入する上流側通路部2320と、当該上流側通路部2320に連なる下流側通路部2330とを有している。
上流側通路部2320は、大入賞口2261と同様に水平方向(詳しくパチンコ機における左右方向)に延びている。上流側通路部2320は、誘導通路部2260の誘導通路2265を後方から覆う前側壁部2321と遊技球の通過領域(以下、上流通路2325と称する)を挟んで同前側壁部2321に対向する後側壁部2322とを有してなる。
前側壁部2321には、誘導通路部2260側に開放された受入口2323が形成されており、当該受入口2323を通じて誘導通路2265から上流通路2325へ遊技球が流入する。
本実施の形態においては、誘導通路2265から上流通路2325へ流入する遊技球の勢いを弱めるための工夫が施されている。ここで、遊技球の減勢に関する構成について説明する。
誘導通路部2260は、開口部2099の底面に沿って設けられた長板状の底部2262を有している。図42に示すように、底部2262において回収通路部2311の受入口2323の前方となる部分には、当該受入口2323に連なるようにして溝部2263が形成されている。より具体的には、底部2262の一側部には、後方へ延びるとともに、受入口2323に連通する溝部2263が形成されている。
また、底部2262の上面は溝部2263へ向けて下り傾斜している。このため、大入賞口2261から流入した遊技球は、底部2262の傾斜に沿って溝部2263へ流入することとなる。溝部2263の底面は、後方へ緩やかに下っており、溝部2263に流入した遊技球は同底面に沿って後方へ移動することにより受入口2323を通じて大入賞口用回収通路部2310へ流入する。このようにして溝部2263を経由させることにより、大入賞口2261から流入した遊技球の上流通路2325の通路方向への移動が抑制されることとなる。
大入賞口用回収通路部2310へ流入した遊技球は、上流側通路部2320の後側壁部2322に衝突する。これにより、前後方向での勢いが弱められる。
このようにして流下の勢いが弱められた遊技球は、上流通路2325に沿って下流側へ移動する。
図42に示すように、下流側通路部2330には、複数の検知センサ2350が配設されている。検知センサ2350は、集合板2150に形成されたセンサ収容部に収容された状態で固定されることで、同集合板2150に対して一体化されている(図40参照)。これら検知センサ2350によって遊技球の通過が検知されることとなる。このように、下流側通路部2330にて遊技球の検知が行われる点に着目すれば、同下流側通路部2330を球検知通路部2330と称することも可能である。
下流側通路部2330は、同一箇所を遊技球が1つずつ通過可能な下流通路2335を区画形成している。下流通路2335は、遊技盤2080の背面に沿って水平方向(パチンコ機における左右方向)に複数回折れ曲がるクランク状をなしている。具体的には、下流通路2335は、鉛直方向に延びる第1縦通路2336及び第2縦通路2338と、それら両縦通路2336,2338を繋ぐ横通路2337とによって構成されており、それら各通路2336〜2338の境界部分にて通路方向が鉛直方向→略水平方向→鉛直方向の順に変化している。このように、複数の折れ曲がり箇所を有することにより、同通路2335を通過する遊技球の流下速度のばらつきが抑えられる構成となっている。言い換えれば、下流通路2335には各遊技球の流下速度を一定化する機能が付与さている。
第1縦通路2336は、上記上流通路2325に連通しており、その上流部分に上記検知センサ2350が取り付けられている。第1縦通路2336には下流側から横通路2337が連なっており、第1縦通路2336から当該横通路2337に移った遊技球は、その流下方向が略水平となるように誘導される。
横通路2337は第2縦通路2338に向けて僅かに傾いており、その下流側には第2縦通路2338が連なっている。第2縦通路2338の途中位置には上記検知センサ2350が取り付けられている。
なお、検知センサ2350については、上記第1の実施の形態に示した検知センサ350と同様の構成を有しているため、詳細な説明を省略する。
以下、図42に基づき、各検知センサ2350と下流通路2335との関係について補足説明する。なお、以下の説明においては便宜上、第1縦通路2336に配された検知センサ2350を「第1検知センサ2350A」、第2縦通路2338に配された検知センサ2350を「第2検知センサ2350B」として区別する。
第1検知センサ2350Aは第1縦通路2336の上流部分に配されており、第2検知センサ2350Bは第2縦通路2338の下流部分に配されている。上流通路2325を区画形成している底部2324から第1検知領域DE1までの距離L1は、横通路2337を区画形成している底部2331から第2検知領域DE2までの距離L2よりも小さく設定されている。より具体的には、距離L1が距離L2の凡そ1/4となるように設定されている。
上流通路2325から第1縦通路2336へ流入する遊技媒体の上下方向の移動成分は、ほぼ0となるように設定されているとともに、横通路2337から第2縦通路2338へ流入する遊技媒体の上下方向の移動成分についてもほぼ0となるように設定されている。このため、各縦通路2336,2338に流入した遊技球は自重によって加速して、各検知領域DE1,DE2を通過することとなる。このため、第1検知領域DE1を通過する際の遊技球の移動速度は、第2検知領域DE2を通過する際の遊技球の移動速度の凡そ半分となる。言い換えれば、遊技球が第1検知領域DE1を通過するのに要する期間及び第1検知センサ2350Aから検知信号が出力される期間は、遊技球が第2検知領域DE2を通過するのに要する期間及び第2検知センサ2350Bから検知信号が出力される期間の凡そ2倍となる。
なお、遊技球を上流通路2325や横通路2337を経由させて縦通路2336,2338に流入させる構成としたのは、以下の理由からである。すなわち、上述した遊技球の自由落下に基づく速度のばらつきは小さく、検知領域DEを通過する際の通過速度にばらつきを生じさせる要因とはなりにくい。一方、各縦通路2336,2338に流入する遊技球の初速ばらつきはそのまま、上記通過速度のばらつきを生じさせる要因となり得る。落下距離を大きく設定することができれば、上記初速のばらつきを無視することも可能となるが、回収通路2151の配設領域が限られていることを考慮すれば、そのような対応は困難であると想定される。そこで、略水平に延びる通路を経由させた後、縦通路2336,2338へと遊技球を流入させることで、検知領域DEを通過する遊技球の初速をほぼ0としている。これにより、初速ばらつきが支配的となって、検知領域DEを通過する際の遊技球の移動速度が大きくばらつくことを回避している。
ここで、遊技進行に伴う遊技球検知の流れについて説明する。
遊技球発射機構から発射された遊技球は誘導レールを経由して遊技領域PEに到達する。これら複数の遊技球のうち1の遊技球が上作動口83に流入すると、大当たりの抽選がなされ、その結果大当たりに当選すると、可変入賞装置2082の開閉扉2270が開放され、大入賞口2261への遊技球の流入が許容される。
このようにして開放された開閉扉2270に当たった遊技球は、同開閉扉2270に沿って大入賞口2261へと導かれ、誘導通路2265に沿って後方へ移動する。そして、大入賞口用回収通路部2310の前側壁部2321に衝突することでその勢いが弱められ、誘導通路部2260の底部2262に沿って溝部2263へ流入する。溝部2263に流入した遊技球は、同溝部2263に沿って後方へ移動し、受入口2323を通じて回収通路2151へ流入する。この際、同遊技球は後側壁部2322に衝突することで、再びその勢いが弱められることとなる。
回収通路2151(詳しくは上流通路2325)に流入した遊技球は、上流通路2325に沿って流下し、第1縦通路2336へ流入する。この際、上流通路2325の延長上に位置する通路壁面に衝突することにより、再びその勢いが弱められるととなる。その後、遊技球は、第1縦通路2336を自由落下することにより、第1検知センサ2350Aの検知領域DE1を通過する。遊技球が検知領域DE1を通過することによって得られた信号は、センサ基板→コネクタベース→ハーネスを経由して主制御装置2162へ出力される。
第1縦通路2336を流下した遊技球は、同第1縦通路2336の延長上に位置する通路壁面(詳しくは底部2331)に衝突し、自由落下で得た落下速度がほぼ0となるように減勢される。その後、遊技球は、横通路2337の傾斜に沿って第2縦通路2338側へ移動する。
第2縦通路2338へ到達した遊技球は、第2縦通路2338に沿って自由落下することにより、所定の速度となるまで加速された後、第2検知センサ2350Bの検知領域DE2を通過する。遊技球が検知領域DE2を通過することによって得られた信号は、センサ基板→コネクタベース→ハーネスを経由して主制御装置2162へ出力される。
(電気的な構成)
第3の実施の形態におけるパチンコ機の電気的構成については、上記第1の実施の形態と類似となっているため、同第1の実施の形態に対する相違点、詳しくは検知センサ2350からの検知情報に基づいた入賞判定を行う上での電気的な構成を中心に説明し、共通の構成については説明を簡略化又は省略する。
主制御装置2162における主制御基板2601のMPU2611には、遊技球の入賞を判定する際に用いられる第1検知カウンタエリア2613a及び第2検知カウンタエリア2613bが設けられている。第1検知カウンタエリア2613aは、最大値を「2」とするカウンタ(以下便宜上、第1検知カウンタDC1と称する)となっており、所定の条件に応じてその値が「0」,「1」,「2」で変化する構成となっている。具体的には、任意の1回の処理にて遊技球を検知していないことに対応した信号(すなわちLOWレベル信号)の入力を確認することにより「0」にリセットされ、その後、遊技球を検知していることに対応した信号(すなわちHIレベル信号)の入力を2回の処理にて連続して確認した場合に、「0」→「1」又は「1」→「2」となるようにカウントアップされる。このようにして同第1検知カウンタDC1の値が「2」となった場合に、1の遊技球が入賞したと判定される。
第2検知カウンタエリア2613bは、最大値を「2」とするカウンタ(以下便宜上、第2検知カウンタDC2と称する)となっており、所定の条件に応じてその値が「0」,「1」,「2」で変化する構成となっている。具体的には、任意の1回の処理にて遊技球を検知していないことに対応した信号(詳しくはLOWレベル信号)の入力を確認することにより「0」にリセットされ、その後、遊技球を検知していることに対応した信号(詳しくはHIレベル信号)の入力を2回の処理にて連続して確認した場合に、「1」→「2」となるようにカウントアップされる。このようにして同第2検知カウンタDC2が「2」となることに基づいて、1の遊技球が入賞したと判定される。
チェックカウンタエリア2613cは、最大値を「200」且つ初期値を「100」とするカウンタ(以下便宜上、チェックカウンタCCと称する)となっており、所定の条件に応じてその値が加算又は減算される構成となっている。具体的には、第1検知カウンタDC1によって遊技球が入賞したと判定された場合に「1」ずつ加算され、第2検知カウンタDC2によって遊技球が入賞したと判定された場合に「1」ずつ減算される。つまり、遊技球が正常に入賞している場合には、一時的な変動を経由してチェックカウンタCCの値が初期値に落ち着くこととなる。一方、チェックカウンタCCの値が初期値から外れたままとなった場合には、検知信号が正常でない旨が把握される。つまり、意図的又は偶発的要因により、いずれかの検知センサ2350A,2350Bから出力される検知信号にノイズ等が混入している可能性があることが把握される。
また、MPU2611のRAM2613には、検知センサ2350から入力されている検知信号が正常であるか否か、すなわち有害なノイズ等が混入しているか否かを判定する際に用いられるエラーカウンタエリア2613d及び判定タイマカウンタ2613eが設けられている。エラーカウンタエリア2613dは、最大値を「3」とするカウンタ(以下便宜上、エラーカウンタECと称する)となっており、所定の条件に応じてその値が「0」,「1」,「2」で変化する構成となっている。具体的には、上記チェックカウンタCC用の判定処理にて同チェックカウンタCCの値が初期値から外れていると判定された場合に、「0」→「1」→「2」→「3」の順に1ずつカウントアップされる。このようにして、同エラーカウンタECの値が「3」となることにより、検知信号が正常でない旨が把握される。つまり、意図的又は偶発的要因により、検知信号にノイズ等が混入している可能性があることが把握される。
また、判定タイマカウンタ2613eは、所定の更新条件に応じて、その更新の都度前回値から1ずつ減算されることにより0に戻るカウンタ(以下便宜上、判定タイマカウンタJTCと称する)となっている。この判定タイマカウンタJTCの値は、上述したエラーカウンタECの更新処理を実行するタイミングを図るものである。具体的には、可変入賞装置2082の開閉扉2270が閉じた際にカウントを開始し、開閉扉2270が閉じた際に大入賞口2261に流入した遊技球が第2検知センサ2350Bの検知領域DE2を通過し終えるのに十分な値(本実施の形態においては「2000」すなわち4sec)がセットされる。
なお、MPU2611には、大当たりの抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、確変大当たりや通常大当たり等の大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置が外れ変動する際のリーチ抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、第1特定ランプ部に表示される色の切り替えを行う期間及び図柄表示装置における図柄の変動表示時間を決定する変動種別カウンタCSと、下作動口2084の電動役物89を電役開放状態とするか否かの抽選に使用する電動役物開放カウンタC4とが設けられており、これら各カウンタを用いて大当たり発生判定等を行う構成となっている。これら各種カウンタC1,C2,C3,CINI,C4に関しては上記第1の実施の形態におけるカウンタC1,C2,C3,CINI,C4と同様であるため、詳細な説明を省略する。
再び図43を用いて、大当たり発生時の各種処理にて利用される電気的構成について説明する。
上述した内部抽選の結果大当たりに当選していると判定された場合には、上記可変入賞装置2082が開放状態へ切り換られる。可変入賞装置2082の開放態様としては、所定時間(例えば30秒間)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとし、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限とした開放が繰り返される。
各種カウンタエリア2613fには、大当たり中のラウンドをカウントするラウンドカウンタRCと、入賞数をカウントする入賞カウンタPCと、各ラウンド中の開放期間をカウントする開放タイマカウンタOTCと、ラウンド間の閉鎖期間をカウントする閉鎖タイマカウンタCTCとが設けられている。
ラウンドカウンタRCは、最大値を「15」とするカウンタとなっており、1のラウンドが経過する毎に1ずつ減算される。そして、このラウンドカウンタが「0」となった場合には、大当たりに伴う可変入賞装置2082の開放モードが終了する。入賞カウンタPCは最大値を「10」とするカウンタとなっており、第1検知カウンタによって遊技球が入賞したと判定される毎に1ずつ減算される。また、開放タイマカウンタOTCは最大値を「15000」とするカウンタとなっており、後述するタイマ割込み処理が行われるごとに1ずつ減算される。これら入賞カウンタPC及び開放タイマカウンタOTCの一方が「0」となることにより、1ラウンドが終了する。また、閉鎖タイマカウンタCTCは最大値を「2000」とするカウンタとなっており、後述するタイマ割込み処理が行われる毎に1ずつ減算され、同閉鎖タイマカウンタCTCが「0」となることで、次のラウンドへ移行され、可変入賞装置2082の開閉扉2270が開放されることとなる。
(主制御装置2162にて実行される各種処理について)
次に、主制御装置2162のMPU2611にて実行されるタイマ割込み処理及び通常処理を説明する。なお、MPU2611では、タイマ割込み処理及び通常処理の他に、電源投入に伴い起動されるメイン処理とNMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理とが実行されるが、これらの処理については説明を省略する。
(タイマ割込み処理)
先ず、タイマ割込み処理について、図44のフローチャートを参照しながら説明する。本処理はMPU2611により定期的に(例えば2msec周期で)起動される。この周期は任意である。但し、当該タイマ割込み処理には、電断信号や不正検知信号の確認や、各種入賞の確認などといった短い周期で繰り返し実行すべき処理が設定されているため、これら以外の処理が設定されている後述する通常処理の繰り返し周期よりも短く設定されていることが好ましい。
先ずステップS2101にて、信号読み込み処理を実行する。信号読み込み処理では、一般入賞口、可変入賞装置2082、作動口2083,2084及びスルーゲートに対して個別に設けられた検知センサから入力ポートに入力されている情報を確認し、その確認結果から各入球部への入球の有無を特定する。具体的には、任意の1回の処理にて遊技球を検知していないことに対応した信号(例えば、LOWレベル信号)の入力を確認し、その後の2回の処理にて遊技球を検知していることに対応した信号(例えば、HIレベル信号)の入力を連続して確認した場合に、その検知センサに対応した入球部において遊技球の入球が発生したと特定する。以下、信号判定処理の一部、具体的には可変入賞装置2082に対応した検知センサ2350A,2350Bからの信号に基づいた処理について図45のフローチャートを参照して説明する。
(信号読み込み処理)
信号読み込み処理においては、先ず第1検知センサ2350Aから入力される検知信号の読み込み処理(ステップS2201〜ステップS2207)を行い、その後、第2検知センサ2350Bから入力される検知信号の読み込み処理(ステップS2208〜ステップS2214)を行う。なお、これら各検知信号の読み込み処理の順序は、これに限定されるものではなく、先に第2検知センサ2350Bから入力される検知信号の読み込み処理を行ってもよい。
ステップS2201では、第1検知センサ2350Aから入力されている検知信号がHIレベルであるか否かを判定する。ステップS2203にて否定判定がなされた場合には、すなわち検知信号がLOWレベルである場合には、ステップS2202に進み、第1検知カウンタDC1の値を「0」に更新した後、第2検知センサ2350B用の信号読み込み処理に進む。
一方、ステップS2201にて肯定判定がなされた場合には、すなわち検知信号がHIレベルである場合には、ステップS2203に進む。ステップS2203では、第1検知カウンタDC1の値が「1」であるか否かを判定する。
ステップS2203にて肯定判定がなされた場合には、すなわち第1検知カウンタDC1の値が「1」である場合には、ステップS2204にて第1検知カウンタDC1の値を「2」に更新(1加算)した後、ステップS2205に進む。ステップS2204における肯定判定は、検知信号がLOWレベル→HIレベル→HIレベルの順に入力されていることを示すものであり、このような信号の入力に基づいて、検知領域DE1を遊技球が通過した、すなわち大入賞口2261への入賞があったと判定されることとなる。そして、続くステップS2205にて第1入賞検知フラグをセットする。この第1入賞検知フラグは、大入賞口2261への入賞に基づいて遊技球の払出し等を実行する際に用いられるフラグである。
ステップS2205にて入賞検知フラグをセットした後は、第1検知センサ2350A用の信号読み込み処理を終了して、第2検知センサ2350B用の信号読み込み処理に進む。
一方、ステップS2203にて否定判定をした場合には、すなわち第1検知カウンタDC1の値が「0」又は「2」であるには、ステップS2206にて第1検知カウンタDC1の値が「2」であるか否かを判定する。ステップS2206にて肯定判定をした場合、すなわち第1検知カウンタDC1の値が「2」である場合には、第1検知センサ2350A用の信号読み込み処理を終了して、第2検知センサ2350B用の信号読み込み処理に進む。
ステップS2206にて否定判定をした場合、すなわち第1検知カウンタDC1の値が「0」である場合には、ステップS2207に進み第1検知カウンタDC1の値を「1」に更新(1加算)した後、第2検知センサ2350B用の信号読み込み処理に進む。
次に、第2検知センサ2350B用の信号読み込み処理について説明する。
ステップS2202,S2205,S2207の各処理を実行した後は、ステップS2208に進み、第2検知センサ2350Bから入力されている検知信号がHIレベルであるか否かを判定する。ステップS2208にて否定判定がなされた場合には、すなわち検知信号がLOWレベルである場合には、ステップS2209に進み、第1検知カウンタDC1の値を「0」に更新した後、信号読み込み処理を終了する。
一方、ステップS2208にて肯定判定がなされた場合には、すなわち検知信号がHIレベルである場合には、ステップS2210に進む。ステップS2210では、第2検知カウンタDC2の値が「1」であるか否かを判定する。
ステップS2210にて肯定判定がなされた場合には、すなわち第2検知カウンタDC2の値が「1」である場合には、ステップS2211にて第2検知カウンタDC2の値を「2」に更新(1加算)した後、ステップS2212に進む。ステップS2210における肯定判定は、検知信号がLOWレベル→HIレベル→HIレベルの順に入力されていることを示すものであり、このような信号の入力に基づいて、検知領域DE2を遊技球が通過した、すなわち大入賞口2261への入賞があったと判定されることとなる。そして、続くステップS2212にて第2入賞検知フラグをセットする。この第2入賞検知フラグは、大入賞口2261への入賞に基づいて遊技球の払出し等を実行する際に用いられるフラグである。
ステップS2212にて入賞検知フラグをセットした後は、本信号読み込み処理を終了する。
一方、ステップS2210にて否定判定をした場合には、すなわち第2検知カウンタDC2の値が「0」又は「2」であるには、ステップS2213にて第2検知カウンタDC2の値が「2」であるか否かを判定する。ステップS2213にて肯定判定をした場合、すなわち第2検知カウンタDC2の値が「2」である場合には、信号読み込み処理を終了する。
ステップS2213にて否定判定をした場合、すなわち第2検知カウンタDC2の値が「0」である場合には、ステップS2214に進み第2検知カウンタDC2の値を「1」に更新(1加算)した後、本信号読み込み処理を終了する。
再び図44を参照してタイマ割込み処理について説明する。以上詳述した信号読み込み処理を実行した後は、ステップS2102にて、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。続くステップS2103では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4の更新を実行する。具体的には、それぞれの乱数カウンタの値を1ずつ加算するとともに、当該加算した値が上限値になっているか否かを判定する。そして、当該加算した値が上限値を超えている場合には、カウンタの値を初期値に設定する。その後、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM2613の該当するバッファ領域に格納する。
ここで、大当たり乱数カウンタC1に関しては、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。乱数初期値カウンタCINIは乱数値であるため、大当たり乱数カウンタC1の初期値は変動している。よって、大当たり乱数カウンタC1の値が当選値と一致するタイミングは、大当たり乱数カウンタC1が1周する毎に異なっているため、大当たり乱数カウンタC1の値が当選値となるタイミングを把握することは困難になっている。
続くステップS2104ではスルーゲートへの入賞に伴うスルー用の入賞処理を実行する。スルー用の入賞処理では、スルーゲートへの入賞が発生していた場合には、電役保留エリアに記憶されている役物保留記憶数が上限数(例えば、「4」)未満であることを条件として、前記ステップS2103にて更新した電動役物開放カウンタC4の値を電役保留エリアに格納する。また、音声ランプ制御装置2143に対して、役物保留記憶数と対応する保留ランプ部を点灯させるための処理を実行する。
その後、ステップS2105にて始動入賞処理を実行する。始動入賞処理では、RAM2613の各種フラグ格納エリア2613iにおける入賞検知フラグ格納エリアに作動口用の入賞検知フラグが格納されているか否かを判定することにより、遊技球が作動口2083,2084に入賞(始動入賞)したか否かを判定する。遊技球が作動口2083,2084に入賞したと判定すると、第1特定ランプ部及び図柄表示装置の作動保留球数Nが上限値(本実施の形態では4)未満であるか否かを判定する。作動口2083,2084への入賞があり、且つ作動保留球数N<4である場合に作動保留球数Nを1加算する。その後、抽選カウンタ用バッファ2613gに格納されている大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を、RAM2613の保留球格納エリア2613hの空きエリアのうち最初のエリアに格納する。
そして、始動入賞処理の後、MPU2611は本タイマ割込み処理を一旦終了する。
(通常処理)
次に、通常処理の流れを図46のフローチャートを参照しながら説明する。通常処理は電源投入に伴い起動されるメイン処理が実行された後に開始される処理であり、通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS2301〜S2306の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS2309,S2310のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
通常処理において、ステップS2301では、タイマ割込み処理又は前回の通常処理で設定したコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置に送信する。また、遊技回制御用コマンド又は遊技状態用コマンドが設定されている場合にはそれを音声ランプ制御装置2143に送信する。更には、RAM2613の各種フラグ格納エリア2613iに後述するエラー検知フラグが格納されている場合には、音声ランプ制御装置2143に報知コマンドを出力することにより、エラー表示ランプ部やスピーカ部を用いてその旨の報知を実行するとともに、外部端子板2213を経由してホールコンピュータへエラー情報を出力する。
続くステップS2302では変動種別カウンタCSの更新を実行し、ステップS2303では第1特定ランプ部に表示される色の切り替えを行うための第1特定ランプ部制御処理を実行する。第1特定ランプ部制御処理では、大当たり判定や第1特定ランプ部に配設されたLEDランプの光源スイッチのオンオフ制御などが行われる。また、第1特定ランプ部制御処理において、図柄表示装置による第1図柄の変動表示の設定も行われる。
具体的には、大当たり乱数カウンタC1の値に基づいて大当たりか否かを判定する。より詳細には、大当たり乱数カウンタC1の値が予め定めた大当たり当選となる当選値と一致しているか否かを判定する。また、大当たり種別カウンタC2の値に基づいて大当たりの種類を決定する(いわゆる、確変大当たりか否かを決定する)。また、リーチ乱数カウンタC3の値及び変動種別カウンタCSの値に基づいて、第1特定ランプ部に表示される色の切替表示時間、及び第1図柄の変動表示時間を決定する。なお、当該第1特定ランプ部制御処理にて第1特定ランプ部のオンオフ制御が開始される毎に作動保留球数Nが1減算され、作動保留球数Nが0の場合にはオンオフ制御が開始されない。
第1特定ランプ部制御処理の後は、ステップS2304にて大入賞口開閉処理を実行する。大入賞口開閉処理では、大当たり状態である場合において可変入賞装置2082の大入賞口を開放又は閉鎖する。すなわち、大当たり状態のラウンド毎に大入賞口を開放し、大入賞口の最大開放時間が経過したか、又は大入賞口に遊技球が規定数だけ入賞したかを判定する。なお、この大入賞口開閉処理についての詳細は後述する。
その後、ステップS2305では、第2特定ランプ部に表示される色の切り替え処理を行うための第2特定ランプ部制御処理を実行する。第2特定ランプ部制御処理では、スルーゲートに遊技球が入賞したことを条件に第2特定ランプ部における表示色の切り換えを開始する。この際、表示色の切り換え時間も設定する。また、スルーゲートに遊技球が入賞した際に取得された第2特定ランプ乱数カウンタの値に基づいて停止表示する色を設定する。この停止表示される色として所定の色が設定された場合には、その色の停止表示後に、作動口2083,2084に付随する電動役物が所定時間開放される。
ステップS2305の後は、ステップS2306にて、遊技球発射制御処理を実行する。遊技球発射制御処理では、電源・発射制御装置から発射許可信号を入力していることを条件として、所定期間(例えば、0.6sec)に1回、遊技球が遊技領域PEに向けて打ち出されるように、遊技球発射機構110を駆動させる。詳細には、MPU2611は所定期間経過毎に電源・発射制御装置に発射パルス信号を出力する。電源・発射制御装置は、発射パルス信号が入力されたことに基づいて、当該発射パルス信号の電圧を増幅させた駆動信号(駆動電圧)を遊技球発射機構に搭載されているソレノイドへ向けて出力し、ソレノイドの出力軸を発射位置と収容位置とに移動させることで、遊技球の発射を制御する。
その後、ステップS2307にて、RAM2613に停電フラグが格納されているか否かを判定する。停電フラグが格納されていない場合には、ステップS2308に進み、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始からタイマ割込み処理が複数回数として予め設定された割込み基準回数(具体的には、2回)発生したか否かを判定する。このタイマ割込みの回数の把握として具体的には、RAM2613の各種カウンタエリア2613fにおける割込み回数カウンタの値を、タイマ割込みが起動される度に1加算するとともに、ステップS2301の処理が実行される直前のタイミングで当該カウンタの値が0クリアする(初期化される)。タイマ割込み処理が割込み基準回数発生していない場合には、ステップS2309に進む。
ステップS2309では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする(初期化する)。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM2613の抽選カウンタ用バッファ2613gに格納する。また、ステップS2310では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値に達した際それぞれ0にクリアする(初期化する)。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM2613の抽選カウンタ用バッファ2613gに格納する。
その後、ステップS2307に進み、前回の通常処理の開始からタイマ割込み処理が割込み基準回数発生するまで上述した処理を繰り返し、割込み基準回数に達した場合にはステップS2301の処理に戻る。つまり、停電フラグが格納されていない場合には、ステップS2301〜ステップS2306の各種処理が4msec周期で繰り返し実行されることとなる。なお、当該周期は、遊技の進行を良好に制御することができるのであれば、4msecに限定されない。
停電フラグが格納されている場合には、ステップS2311以降の停電時処理を実行する。つまり、ステップS2311では、タイマ割込み処理の発生を禁止し、その後、ステップS2312にてRAM判定値を算出、保存し、ステップS2313にてRAM2613のアクセスを禁止した後に、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
(大入賞口開閉処理)
ここで、図47及び図48のフローチャートを参照してステップS2304に示した大入賞口開閉処理について補足説明する。
大入賞口開閉処理においては、先ずステップS2401にて大当たりが発生しているか否かを判定する。具体的には、RAM2613の各種フラグ格納エリア2613iに大当たりを示すフラグが格納されているか否かを判定する。同ステップS2401にて否定判定をした場合には、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。一方、ステップS2401にて肯定判定をした場合には、ステップS2402のエラー判定準備処理に進む。
エラー判定準備処理においては、図48(a)に示すように、先ずS2501にてRAM2613の各種フラグ格納エリア2613iに検知領域DE1を遊技球が通過したことを示す第1入賞検知フラグが格納されているか否かを判定する。ステップS2501にて肯定判定をした場合には、続くステップS2502にてチェックカウンタCCの値を更新する、詳しくは「1」加算する。同ステップS2502にてチェックカウンタCCの値を更新した後、又はステップS2501にて否定判定をした場合には、ステップS2503に進む。
ステップS2503では、RAM2613の各種フラグ格納エリア2613iに検知領域DE2を遊技球が通過したことを示す第2入賞検知フラグが格納されているか否かを判定する。ステップS2503にて肯定判定をした場合には、チェックカウンタCCの値を更新する、詳しくは「1」減算する。ステップS2503にてチェックカウンタCCの値を更新した後、又はステップS2503にて否定判定をした場合には、本エラー判定準備処理を終了する。
再び図47を参照して説明すれば、ステップS2402にてエラー判定準備処理を行った後は、ステップS2403に進み、大入賞口2261(開閉扉2270)が開放中であるか否かを判定する。具体的には、可変入賞装置2082の駆動状態に基づいてかかる判定を行う。
ステップS2403にて否定判定がなされた場合には、ステップS2404に進み、エラー判定処理を実行する。
エラー判定処理では、図48(b)に示すように、先ずステップS2601にて判定タイマカウンタJTCの更新処理を行う。具体的には、判定タイマカウンタJTCの値を「1」減算する。続くステップ602においては、判定タイマカウンタJTCの値が「0」であるか否かを判定する。つまり、開閉扉2270が閉鎖されてからエラー判定を実行するタイミングとなったか否かを判定する。
ステップS2602に否定判定がなされた場合、すなわち以下のエラー判定に関する各種処理を行うタイミングになっていないと判定された場合には、本エラー判定処理を終了する。一方、ステップS2602にて肯定判定がなされた場合、すなわち、開閉扉2270が閉じた時点で大入賞口2261に流入した遊技球が検知領域DE2を通過し終えたであろう場合には、続くステップS2603にてチェックカウンタの値が正常値であるか否かを判定する。詳しくはチェックカウンタCCの値が所定の範囲、詳しくは「99」〜「101」を外れているか否かが判定される。既に説明したように、ノイズ等の混入がない場合、加算及び減算が繰り返されたチェックカウンタCCの値は「100」のまま維持される。チェックカウンタCCの値が「100」から外れている場合には、ノイズ等の混入した可能性があるが、本実施の形態においては、閾値に幅を持たせることにより、2以内の誤差を許容している。これは、本エラーチェックを実行する時点で、両検知領域DE1,DE2の間を遊技球が通過している可能性を考慮するとともに、偶発的なノイズの混入に対する過敏な反応を抑制するための工夫である。
ステップS2603にて、チェックカウンタCCの値が正常値、すなわち「99」〜「101」内であると判定された場合には、本エラー判定処理を終了する。一方、チェックカウンタCCの値が正常値でないと判定された場合には、ステップS2604のエラーカウンタ更新処理に進む。エラーカウンタ更新処理においては、エラーカウンタECの値を「1」加算する。その後、ステップS2605にて同エラーカウンタECの値が「3」に達しているか否かが判定される。
ステップS2305にて否定判定をした場合、すなわちエラーカウンタECの値が「3」に達していない場合には、本エラー判定処理を終了する。一方、ステップS2306にて肯定判定をした場合には、ステップS2606にてRAM2613の各種フラグ格納エリア2613iにエラー報知フラグを格納し、続くステップS2607にてエラーカウンタECを「0」に更新した後、本エラー判定処理を終了する。
図47に示すように、ステップS2404のエラー判定処理を終了した後は、ステップ405に進み、ラウンドカウンタRCの値が「0」か否かを判定する。
ステップS2405にて否定判定をした場合には、ステップS2406に進み、閉鎖タイマカウンタCTCの値が「0」であるか否かを判定する。ステップ406にて肯定判定をした場合には、ステップS2407にて大入賞口開放処理を実行する。具体的には、大入賞口2261を開放すべく可変入賞装置2082のソレノイドを励磁状態とし、開閉扉2270を開位置へ移動させる。
続くステップS2409では、各ラウンド用の設定処理を実行する。各ラウンド用の設定処理では、開放タイマカウンタOTCに、「15000」(すなわち30sec)をセットする。ここでセットされたカウント値は、タイマ割込み処理(図44)が起動される都度、すなわち2msec周期で1減算される。また、大入賞口2261への遊技球の入賞数をカウントするために、RAM2613の各種カウンタエリア2613fに設けられた入賞カウンタPCに、「10」をセットする。
その後、ステップS2409にて開放コマンドを設定し、続くステップS2412にて第1検知フラグ及び第2検知フラグを消去した後、本大入賞口開閉処理を終了する。開放コマンドは、通常処理(図46)におけるステップS2301にて、音声ランプ制御装置2143に送信される。音声ランプ制御装置2143は、受信した開放コマンドに基づいて、前扉枠に設けられた表示ランプ部やスピーカ部における演出内容を変更する。また、音声ランプ制御装置2143は、上記開放コマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置に送信する。表示制御装置では、受信した開放コマンドに基づいて、図柄表示装置における演出を切り換える。
ステップS2405にて肯定判定をした場合、すなわちラウンドカウンタRCが「0」である場合には、ステップS2410にてエラーカウンタECの値を「0」に更新するとともに、続くステップS2411にて各種フラグ格納エリア2613iに格納された大当たり用のフラグを消去し、ステップS2412にて各検知フラグを消去した後、本大入賞口開閉処理を終了する。
また、ステップS2406にて否定判定をした場合、すなわち閉鎖タイマカウンタCTCが「0」でない場合には、ステップS2412にて各検知フラグを消去した後、本大入賞口開閉処理を終了する。
ステップS2403にて肯定判定をした場合、すなわち大入賞口が開放中である場合には、ステップS2413に進み開放タイマカウンタOTCの値が「0」か否かを判定する。開放タイマカウンタOTCの値が「0」でない場合、ステップS2414にて大入賞口2261に遊技球が入賞したか否かを、第1検知フラグが格納されているか否かをもって判定する。入賞が発生していない場合には、ステップS2412にて各検知フラグを消去して、本大入賞口開閉処理を終了する。一方、入賞が発生している場合には、ステップS2415にて入賞カウンタPCの値を1減算した後にステップS2416にて入賞カウンタPCの値が「0」か否かを判定し、「0」でない場合には、ステップS2412にて各検知フラグを消去した後、本大入賞口開閉処理を終了する。
ステップS2413にて開放タイマカウンタOTCの値が「0」であると判定した場合、又はステップS2416にて入賞カウンタPCの値が「0」であると判定した場合には、大入賞口閉鎖条件が成立したことを意味する。かかる場合にはステップS2417にて大入賞口2261を閉鎖すべく可変入賞装置2082のソレノイドを非励磁状態とする。
続くステップS2418ではラウンドカウンタRCの値を「1」減算し、ステップS2419にてラウンドカウンタRCの値が「0」か否かを判定する。ラウンドカウンタRCの値が「0」でない場合には閉鎖タイマカウンタCTCの値を「2000」に更新し、続くステップS2421にて閉鎖コマンドを設定する。
この設定された閉鎖コマンドは、通常処理(図46)におけるステップS2301にて、音声ランプ制御装置2143に送信される。音声ランプ制御装置2143は、受信した閉鎖コマンドに基づいて、1ラウンド分の大入賞口2261の開放が終了したことを特定する。また、音声ランプ制御装置2143は、上記閉鎖コマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置に送信する。表示制御装置では、受信した閉鎖コマンドに基づいて、1ラウンド分の大入賞口2261の開放が終了したことを特定するとともに、それに対応した処理を実行する。
ステップS2419にて肯定判定をした場合(ラウンドカウンタRCが「0」である場合)、又はステップS2421にて閉鎖コマンドを設定した後は、ステップS2412にて各検知フラグを消去し、本大入賞口開閉処理を終了する。
次に、遊技球が検知センサ2350A,2350B(詳しくは検知領域DE1,DE2)を通過する際の入賞判定及び信号判定の態様の具体例について図49〜図51のタイミングチャートに基づき説明する。図49はノイズが混入していない状態を示し、図50,図51はノイズが混入している状態を示している。なお、図49(a)〜図51(a)はノイズを示す概略図、図49(b)〜図51(b)は第1検知センサ2350A(詳しくは種回路2650A)の発振回路2660Aによって生成される信号を示す概略図、図49(c)〜図51(c)は第2検知センサ2350B(詳しくは主回路2650B)の発振回路2660Bによって生成される信号を示す概略図、図49(d)〜図51(d)は第1検知センサ2350Aから主制御装置2162に入力される信号を示す概略図、図49(e)〜図51(e)は第2検知センサ2350Bから主制御装置2162に入力される信号を示す概略図、図49(f)〜図51(f)はチェックカウンタCCの値を示す概略図である。
先ず、図49を参照して、検知信号にノイズが混入していない場合について説明する。
ta1のタイミングにおいては、遊技球が検知領域DE1に達することにより、第1検知センサ2350Aの発振回路2660Aにて生成される高周波が減衰する。これにより、第1検知センサ2350Aから出力される検知信号がLOWレベルからHIレベルに立ち上がる。
その後、上記タイマ割込み処理(詳しくは信号読み込み処理)にて、同検知信号がLOWレベル→HIレベル→HIレベルであることがta2のタイミングにて確認され、遊技球が検知領域DE1を通過した、すなわち大入賞口2261において入賞が発生したと判定される。これにより、チェックカウンタCCの値が「1」加算され、「100」から「101」に変更される。
その後,ta3のタイミングにて、遊技球が検知領域DE1を通過し、減衰されていた高周波が元の状態に復帰する。これにより、第1検知センサ2350Aから出力される検知信号がHIレベルからLOWレベルに立ち下がる。
検知領域DE1を通過した遊技球は、上記下流通路2335を流下し、ta4のタイミングにて第2検知センサ2350Bの検知領域DE2に到達する。これにより、第2検知センサ2350Bの発振回路2660Bにて生成される高周波が減衰し、第2検知センサ2350Bから出力される検知信号がLOWレベルからHIレベルに立ち上がる。
その後、上記タイマ割込み処理(詳しくは信号読み込み処理)にて、同検知信号がLOWレベル→HIレベル→HIレベルであることがta5のタイミングにて確認され、遊技球が検知領域DE2通過した、すなわち大入賞口2261において入賞が発生したと判定される。これにより、チェックカウンタCCの値が「1」減算され、「101」から「100」に戻る。
ta5のタイミングにて入賞が発生したと判定された後、詳しくはta4のタイミングから凡そ30msecが経過したta6のタイミングにおいては、遊技球が検知領域DE2を通過し、減衰されていた高周波が元の状態に復帰する。これにより、第2検知センサ2350Bから出力される検知信号がHIレベルからLOWレベルに立ち下がることとなる。
第1検知センサ2350Aからの検知信号に基づいて大入賞口2261へ入賞したと判定された遊技球の数が、「10」に達すると可変入賞装置2082の開閉扉2270が閉位置へ復帰する。このタイミングから4secが経過したta7のタイミングにてチェックカウンタCCの値に基づいたエラー判定が行われる。今回は、ノイズ等の混入が無く、チェックカウンタCCの値が「100」となっているため、エラーカウンタECが更新されることはない。
次に、図50を参照し、両検知センサ2350A,2350Bから出力される検知信号のうち一方にのみノイズが混入した場合について説明する。詳しくは、検知センサ2350Aの発振回路2660Aにて生成される高周波と同じ周波数且つ同じ振幅のノイズが周期的に発生し、同ノイズが発振回路2660Aにて生成された高周波に混入した場合について説明する。
tb1のタイミングにおいては、遊技球が検知領域DE1に達することにより、第1検知センサ2350Aの発振回路2660Aにて生成される高周波が減衰する。これにより、第1検知センサ2350Aから出力される検知信号がLOWレベルからHIレベルに立ち上がる。
その後、上記タイマ割込み処理(詳しくは信号読み込み処理)にて、同検知信号がLOWレベル→HIレベル→HIレベルであることがtb2のタイミングにて確認され、遊技球が検知領域DE1を通過した、すなわち大入賞口2261において入賞が発生したと判定される。これにより、チェックカウンタCCの値が「1」加算され、「100」から「101」に変更される。
tb2のタイミングから4msecが経過したtb3のタイミングにて、ノイズが混入すると、その混入したノイズに反応して検知信号がHIレベルからLOWレベルに立ち下がる。これにより、上記検知カウンタによる通過判定が有効化され、次のHIレベル信号の入力待ちの状態となる。
その後、2msec以上の期間を経たtb4のタイミングにてノイズが消失すると、第1検知センサ2350Aから出力される検知信号がLOWレベルからHIレベルに復帰し、第1検知カウンタDC1を用いた入賞判定が実行され、続くtb5のタイミングにて、遊技球の入賞が発生したと誤判定される。つまり、実際には1の遊技球に対応している検知信号がノイズによって分化されることにより、2つ目の遊技球の入賞が発生していると誤判定される。これにより、チェックカウンタCCの値が「1」加算され、同チェックカウンタの値は「102」となる。
続くtb6のタイミングにて再びノイズが混入すると、tb3のタイミングと同様に検知信号が一時的にLOWレベルに立ち下がり、tb7のタイミングにてノイズが消失することで検知信号がHIレベルに復帰する。そして、tb8のタイミングにて、再び遊技球の入賞が発生したと誤判定されることで、チェックカウンタCCの値が「1」加算される。これにより、同チェックカウンタの値は「103」となる。
なお、以降のtb9〜tb11の期間については、既に説明したtb4〜tb6の期間と同様の事象が発生し、その結果チェックカウンタCCの値が「104」に加算される。
続くtb12のタイミングにて、遊技球が第1検知センサ2350Aの検知領域DE1を通過し終えると、発振回路2660Aにて生成されている高周波がもとの状態に復帰し、第1検知センサ2350Aから出力される検知信号がLOWレベルに立ち下がることとなる。
その後、上記ノイズは、遊技球が第2検知センサ2350B(詳しくは検知領域DE2)に達する前まで継続して発生するが、この期間においては同ノイズによって検知信号がLOWレベルに立ち下がることは無い。
検知領域DE1を通過した遊技球は、上記下流通路2335を流下し、tb13のタイミングにて第2検知センサ2350Bの検知領域DE2に到達する。これにより、第2検知センサ2350Bの発振回路2660Bにて生成される高周波が減衰し、第2検知センサ2350Bから出力される検知信号がLOWレベルからHIレベルに立ち上がる。
その後、上記タイマ割込み処理(詳しくは信号読み込み処理)にて、同検知信号がLOWレベル→HIレベル→HIレベルであることがtb15のタイミングにて確認され、遊技球が検知領域DE2通過した、すなわち大入賞口2261において入賞が発生したと判定される。これにより、チェックカウンタCCの値が「1」減算され、「104」から「103」に更新される。
tb14にて入賞したと判定された後、詳しくはtb13のタイミングから凡そ30msecが経過したtb15のタイミングにおいては、遊技球が検知領域DE2を通過し、減衰されていた高周波が元の状態に復帰する。これにより、第2検知センサ2350Bから出力される検知信号がHIレベルからLOWレベルに立ち下がることとなる。
なお、tb13〜tb15の期間においては、上述したノイズは既に消失しているため、第1検知センサ2350Aから出力された信号のように、ノイズによる検知信号の分化が発生することはない。
第1検知センサ2350Aからの検知信号に基づいて大入賞口2261へ入賞したと判定された遊技球の数が、「10」に達すると可変入賞装置2082の開閉扉2270が閉位置へ復帰する。このタイミングから4secが経過したtb16のタイミングにてチェックカウンタCCの値に基づいたエラー判定が行われる。チェックカウンタCCの値は「103」となっているため、上述した閾値(詳しくは「99」〜「101」)を外れている。このため、今回のラウンドにおいては、ノイズの影響により誤判定が発生していることとなり、エラーカウンタECが更新される。ここで、仮に、エラーカウンタECの値が「3」となった場合には、すなわち少なくとも3つのラウンドにてノイズ混入に起因する誤判定が発生したと認識された場合には、上述したエラー報知が実行されることとなる。
次に、図51を参照し、両検知センサ2350A,2350Bから出力される検知信号のう両方にノイズが混入した場合について説明する。詳しくは、検知センサ2350A,2350Bの発振回路2660A,2660Bにて生成される高周波と同じ周波数且つ同じ振幅のノイズが周期的に発生し、同ノイズが発振回路2660A,2660Bにて生成された高周波に混入した場合について説明する。
tc1のタイミング〜tc12のタイミングについては、上記tb1のタイミング〜tb12のタイミングと同様に、1の遊技球の入賞を示す検知信号が4つに分化されることで4度の入賞が発生したと判定され、その判定結果に基づいてチェックカウンタCCの値が「100」→「104」に加算される。
本具体例においては、ノイズが両検知センサ2350A,2350Bの検知信号出力期間を包括するようにして発生しているため、第2検知センサ2350Bからの検知信号についてもノイズによる変化が生じる。
具体的には、検知領域DE1を通過した遊技球は、上記下流通路2335を流下し、tc13のタイミングにて第2検知センサ2350Bの検知領域DE2に到達する。これにより、第2検知センサ2350Bの発振回路2660Bにて生成される高周波が減衰し、第2検知センサ2350Bから出力される検知信号がLOWレベルからHIレベルに立ち上がる。
その後、上記タイマ割込み処理(詳しくは信号読み込み処理)にて、同検知信号がLOWレベル→HIレベル→HIレベルであることがta5のタイミングにて確認され、遊技球が検知領域DE2通過した、すなわち大入賞口2261において入賞が発生したと判定される。これにより、チェックカウンタCCの値が「1」減算され、「104」から「103」に更新される。
その後、tc14のタイミングから2msecが経過したtc15のタイミングにて、ノイズが混入すると、その混入したノイズに反応して検知信号がHIレベルからLOWレベルに立ち下がる。これにより、上記検知カウンタによる通過判定が有効化され、次のHIレベル信号の入力待ちの状態となる。
その後、2msec以上の期間を経たtb16のタイミングにてノイズが消失すると、第2検知センサ2350Bから出力される検知信号がLOWレベルからHIレベルに復帰し、第2検知カウンタDC2を用いた入賞判定が実行され、続くtc17のタイミングにて、遊技球の入賞が発生したと誤判定される。つまり、実際には1の遊技球に対応している検知信号がノイズによって分化されることにより、2つ目の遊技球の入賞が発生していると誤判定される。これにより、チェックカウンタCCの値が「1」減算され、同チェックカウンタの値は「102」となる。
tc17のタイミングにて入賞が発生したと判定された後、詳しくはtc13のタイミングから凡そ30msecが経過したtc18のタイミングにおいては、遊技球が検知領域DE2を通過し、減衰されていた高周波が元の状態に復帰する。これにより、第2検知センサ2350Bから出力される検知信号がHIレベルからLOWレベルに立ち下がることとなる。
第1検知センサ2350Aからの検知信号に基づいて大入賞口2261へ入賞したと判定された遊技球の数が、「10」に達すると可変入賞装置2082の開閉扉2270が閉位置へ復帰する。このタイミングから、4secが経過したtc19のタイミングにてチェックカウンタCCの値に基づいたエラー判定が行われる。チェックカウンタCCの値は「102」となっているため、上述した閾値(詳しくは「99」〜「101」)を外れている。このため、今回のラウンドにおいては、ノイズの影響により誤判定が発生していることとなり、エラーカウンタECが更新される。ここで、仮に、エラーカウンタECの値が「3」となった場合には、すなわち少なくとも3つのラウンドにてノイズ混入に起因する誤判定が発生したと認識された場合には、上述したエラー報知が実行されることとなる。
以上詳述した第3の実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
大入賞口2261に流入した遊技球を2つの検知センサ2350A,2350Bによって個別に検知し、それら各検知センサ2350A,2350Bから出力される検知信号に基づいて入賞判定を行う構成とし、入賞判定精度の向上を図っている。これにより、誤検知による不利益の発生を抑制し、遊技機の信頼性向上に貢献することができる。
検知センサ2350A,2350Bから出力される信号に混入するノイズは、偶発的な要因によるものばかりでなく、不正行為者によって意図的に混入される可能性がある。例えば、パチンコ機10の前方から検知センサ2350A,2350Bに対して当該検知センサ2350A,2350Bの発振回路2660A,2660Bにて生成される高周波と同様の高周波が射出されることにより、意図的にノイズが混入され得る。この点、本実施の形態においては、それら両検知センサ2350A,2350Bから出力される検知信号の出力期間を相違させることで、上記不正行為に対する防犯機能を好適に高めることが可能である。
具体的には、高周波の振幅が減少することにより、遊技球の通過を検知する構成としているため、遊技球が大入賞口2261に流入していない場合に、上記不正な高周波を出力したとしても、高周波の振幅を減少させることは困難である。このため、不成行為者は、遊技球が大入賞口2261に流入したタイミングを見計らって上記不正な高周波を射出すると想定される。このようにして、検知信号にノイズが混入すると、1の遊技球を検知したことを示す信号が複数に分化され、あたかも複数の遊技球を検知したかのように変化し得る。上述の如く、検知信号の出力期間を相違させることにより、検知信号が分化される数を相違させることができる。その後、各検知センサ2350A,2350Bによって検知された遊技球の数を比較することにより、上述したノイズの混入を容易に発見することが可能となる。
本実施の形態においては特に、検知センサ2350A,2350Bから入力される検知信号に基づいて入賞判定を行う場合に、それら各判定の判定条件をと同一とした。これにより、実質的に無害なノイズと、遊技機進行に影響をおよぼし得る有害なノイズとを区別することができる。無害なノイズについて過敏に反応することは、遊技の円滑な進行を妨げる要因となるため好ましくなく、このようなノイズを無視することで実用上好ましい構成を実現できる。また、上述の如く不正行為者よるノイズの意図的な混入がなされた場合には、このような有害なノイズを好適に識別することができる。これにより、不正行為の発見を容易なものとすることができる。
また、入賞に基づく遊技球の払い出しを、上流側に配置された第1検知センサ2350Aの検知結果に基づいて実行し、第2検知センサ2350Bによる検知結果を払い出しに反映しない構成とした。これにより、入賞時の特典付与を迅速に行うことが可能となっている。
<第4の実施の形態>
上記第1の実施の形態においては、一般入賞口、可変入賞装置、作動口等の入球部に流入した遊技球が検知センサによって検知されると、その検知情報に基づいて遊技者に遊技球の払い出し等の特典が付与される構成が採用されていたが、本実施の形態においては作動口における球検知に関する構成が第1の実施の形態と異なっている。そこで以下、かかる相違する構成について、図52〜図54に基づき補足説明する。図52は第4の実施の形態における遊技盤の構成を示す背面図、図53は図52のG−G線部分断面図、図54は図53のH矢視図である。なお、図54においては便宜上、集合板の一部を破断させることにより同集合板に形成された回収通路の内部を部分的に視認可能としている。また、以下の説明では上記第1の実施の形態と同様の構成に関する説明を簡略化又は省略することとする。
(作動口における入賞検知に関する構成)
図52に示すように、遊技盤3080において可変表示ユニット3086の下方には上下に並べて上側開口部3098及び下側開口部3099が設けられている。両開口部3098,3099は、遊技盤3080の厚さ方向(前後方向)に貫通しているとともに開口断面が略矩形状をなすように形成されており、同開口部3098,3099には遊技盤3080の前面側から作動口形成ユニット3250が組み付けられている(図53参照)。
図53に示すように、作動口形成ユニット3250は、上側開口部3098にて上作動口3083を形成する上作動口形成部3260と、下側開口部3099にて下作動口3084を形成する下作動口形成部3270とが一体化されてなる。なお、上作動口形成部3260及び下作動口形成部3270を別体で設け、それら各作動口形成部3260,3270を遊技盤3080に対して個別に取り付けることも可能である。
上作動口形成部3260は、遊技領域PE内を流下する遊技球を取り込む上側取込部3261と、同上側取込部3261によって取り込まれた遊技球を遊技盤3080の背面側に誘導する上側誘導通路部3262とを有している。
上側取込部3261は、遊技盤3080の前面よりも前方に突出しているとともに、上方に開放されている。これにより、上側取込部3261の上方からの遊技球の流入を許容しつつ、他の方向(例えば左右方向)からの遊技球の流入を不可としている。なお、上側取込部3261に遊技球が流入する点に着目すれば同上側取込部3261を「上側流入部3261」と称することも可能である。
上側誘導通路部3262は上方に開放されているとともに遊技盤3080の厚さ方向に延びる樋状をなしており、上側開口部3098に挿入されることで遊技盤3080の前面及び背面に跨っている。上側誘導通路部3262の底面には、上側取込部3261から流入した遊技球を遊技盤3080の背面側に導くガイドリブ3263が形成されている。ガイドリブ3263は、上側誘導通路部3262の底面から上方に起立するとともに、上側取込部3261から上側誘導通路部3262の後端に延びる突条をなしている。
ガイドリブ3263の起立先端部分は、遊技盤3080の背面側に向けて下り傾斜している。このため、上側取込部3261から流入した遊技球は、ガイドリブ3263の傾斜に沿って遊技盤3080の背面側へ向けて移動する。故に、それら遊技球が上側誘導通路部3262内にて滞留することが好適に回避される。
下作動口形成部3270は、上作動口形成部3260と同様の構成、すなわち遊技領域PE内を流下する遊技球を取り込む下側取込部3271と、同下側取込部3271によって取り込まれた遊技球を遊技盤3080の背面側に誘導する下側誘導通路部3272とを有している。
下側取込部3271は、遊技盤3080の前面よりも前方に突出しているとともに、上方に開放されている。下側取込部3271の入口部分の直上には、上作動口形成部3260が位置しており、この上作動口形成部3260によって直上からの遊技球の流入が妨げられている。また、下作動口形成部3270には下側取込部3271の入口部分を左右両側から挟むようにして電動役物3089が配されており、同電動役物3089が閉じた状態においては当該電動役物3089と上作動口形成部3260との隙間寸法が遊技球の直径寸法よりも小さくなっている。このため、電動役物3089が開放されない限り下作動口形成部3270への遊技球の流入が同電動役物3089及び上作動口形成部3260によって妨げられることとなる。なお、下側取込部3271に遊技球が流入する点に着目すれば同下側取込部3271を「下側流入部3271」と称することも可能である。
下側誘導通路部3272の底面には、上側誘導通路部3262と同様に、下側取込部3271から流入した遊技球を遊技盤3080の背面側に導くガイドリブ3273が形成されている。ガイドリブ3273は、下側誘導通路部3272の底面から上方に起立するとともに、下側取込部3271から下側誘導通路部3272の後端に延びる突条をなしている。ガイドリブ3273の起立先端部分は、遊技盤3080の背面側に向けて下り傾斜している。このため、下側取込部3271から流入した遊技球は、ガイドリブ3273の傾斜に沿って遊技盤3080の背面側へ向けて移動する。故に、それら遊技球が下側誘導通路部3272内にて滞留することが好適に回避される。
これら各誘導通路部3262,3272を通じて遊技盤3080の後方へ誘導された遊技球は、集合板3150へ到達する。集合板3150には、上側誘導通路部3262から流出した遊技球を回収する上側回収通路部3311と、下側誘導通路部3272から流出した遊技球を回収する下側回収通路部3321とが設けられており、これら回収通路部3311,3321により個々に区画形成された通路によって上記回収通路3151の一部が構成されている。
上側回収通路部3311及び下側回収通路部3321については、通路の取り回し等の構成が若干相違している。以下便宜上、図53及び図54に基づき下側回収通路部3321及びそれに付随する構成について説明し、その後、同下側回収通路部3321との相違点を踏まえて、上側回収通路部3311及びそれに付随する構成について説明する。
下側回収通路部3321は、下側誘導通路部3272によって区画形成された誘導通路3275の通路方向と交差する方向、具体的には鉛直方向に延びる縦通路3322を有しており、その縦通路3322が同誘導通路3275に連通している。
下側取込部3271から流入した遊技球は、誘導通路3275を通じて縦通路3322に流入し、当該縦通路3322に沿って落下することとなる。
図54に示すように、縦通路3322の途中位置には、複数の検知センサ3350が配設されている。具体的には、縦通路3322に沿うようにして2つの検知センサ3350が並べて配置されている。それら各検知センサ3350は、集合板3150に形成されたセンサ収容部3326に収容された状態で固定されることにより同集合板3150に対して一体化されている(図52参照)。これら検知センサ3350によって遊技球の通過が検知されることとなる。このように、下側回収通路部3321にて遊技球の検知が行われる点に着目すれば、同下側回収通路部3321を「球検知通路部3321」と称することも可能である。
検知センサ3350については、センサ基板3361,球検知部,コネクタベースを有するセンサ主部と、同センサ主部を収容するケース体とを備えているが、これら各種構成については上記第1の実施の形態に示した構成と同様であるため、詳細な説明を省略する。なお、センサ基板3361には、コンデンサとコイルとを有してなる発振回路が形成されている。以下便宜上、発振回路におけるコイルとコイル3364とを区別するため、後者を「検知コイル3364」と称する。
ここで、図53に基づき、各検知センサ3350と縦通路3322との関係について補足説明する。なお、以下の説明においては便宜上、両検知センサ3350のうち上流側に配された検知センサ3350を「第1検知センサ3350A」、下流側に配された検知センサ3350を「第2検知センサ3350B」として区別する。
既に説明したように第1検知センサ3350Aと第2検知センサ3350Bとは、縦通路3322に沿って並べて配置されている。特に、両検知センサ3350A,3350Bにおいては、共に磁界の変化を利用して遊技球を検知する構成が採用されているため、各検知センサ3350A,3350Bに生じる磁界の相互干渉を回避すべく若干の隙間を隔てて配設されている。このため、第1検知センサ3350Aによって検知された遊技球が第2検知センサ3350Bによって検知されるまでにはタイムラグが生じ得る。
第1検知センサ3350A(詳しくはその検知領域DE1)と第2検知センサ3350B(詳しくは検知領域DE2)との隙間寸法L2は、上記タイムラグによって生じる検知数の差が最大で2つまでとなるように設定されている。検知数の差をどのように設定するかは任意であるが、後述するノイズ検知の応答性の向上を考慮すれば、なるべく小さく設定することが好ましい。この設定数についての詳細は後述する。
次に、再び図53及び図54を参照して上側回収通路部3311及びそれに付随する構成について説明する。
上側回収通路部3311は、下側回収通路部3321との干渉を回避するようにして配設されている。具体的には、上側回収通路部3311は、上側誘導通路部3262によって区画形成された誘導通路3265から流出した遊技球を下側回収通路部3321から遠ざかる側へ誘導する横通路3312と、同横通路3312の下流側の端部に連通し、当該横通路3312に交差する方向(詳しくは鉛直方向)に延びる縦通路3315とを有しており、この縦通路3315に検知センサ3350が配されている。
つまり、下作動口3084においては、下側誘導通路部3272を通過した遊技球が検知センサ3350が配設された縦通路3322にそのまま流入する構成であったのに対して、上作動口3083においては、上側誘導通路部3262を通過した遊技球を横通路3312を経由させて縦通路3315へ流入させる構成が採用されている。
横通路3312は、上側誘導通路部3262の誘導通路3265に連通しており、その連通部分から遠ざかる側へ下り傾斜している。下側回収通路部3321において横通路3312を形成している底面には、詳しくは同底面において横通路3312の途中位置となる部位には、上方に凸となる突部3314が形成されている。この突部3314には、下側誘導通路部3272の突部3274と同様の機能が付与されている。つまり、横通路3312に複数の遊技球が流入した場合に、それら遊技球が連なって移動することを抑制し、各遊技球を引き離すことが可能となっている。
上述の如く上側回収通路部3311を下側回収通路部3321との干渉を回避するようにして取り回した場合、上作動口3083における入口から検知センサ3350までの通路距離が、下作動口3084における下側取込部3271から検知センサ3350までの通路距離よりも長くなることで、上作動口3083の入賞時における球検知の応答性が低下すると懸念される。すなわち、上側誘導通路部3262へ遊技球が流入してから、検知センサ3350によって同遊技球が検知されるまでの期間が長くなると想定される。このような応答性の低下は、円滑な遊技進行の妨げとなり得るため好ましくない。
この点、本実施の形態においては、上側誘導通路部3262のガイドリブ3263の傾斜度合いを、上側取込部3261の入口寄りとなる部位、すなわち同入口の直下に位置する部位にて大きくする構成とした。つまり、上側取込部3261は上方からの遊技球の流入を想定しているため、遊技球の落下の勢いを、上側回収通路部3311へ向けての移動に転用することで、上側取込部3261から上側回収通路部3311への到達期間を短縮させている。このようにして、遊技球を勢いよく上側回収通路部3311に到達させたとしても、当該上側回収通路部3311の横通路3312を経由することによりその勢いが弱められることとなる。これにより、遊技球が横通路3312と縦通路3315との境界部位にて暴れることを抑制し、縦通路3315における遊技球の落下速度のばらつきを抑制している。
なお、下側誘導通路部3272においては、同下側誘導通路部3272から直接縦通路3322へ遊技球が流入する。下側誘導通路部3272に突部3274を配設しているため、遊技球に過度な勢いを与えると、突部3274を通過することで、遊技球が浮き上がり、上下位置が安定しないまま、縦通路3322へ流入し得る。これでは、遊技球の落下速度を調整することが難しくなると想定される。故に、上述したようにガイドリブの傾斜度合いを受入口周辺で大きくすることで落下の勢いを後方への移動に利用するといった試みは、上側誘導通路部3262に留め、下側誘導通路部3272への適用は控えたほうがよい。
因みに、上側回収通路部3311に配設されている検知センサは、下側回収通路部3321に配設されている検知センサと同様の構成を有している。つまり、上側回収通路部3311のセンサ収容部318は、複数の検知センサ3350が収容されており、センサ主部の筒状部3362aによって区画されている検知領域DEを遊技球が通過することにより、当該検知センサ3350から出力される信号が変化する構成となっている(図54参照)。より詳しくは、縦通路3315に沿って第1検知センサ3350A及び第2検知センサ3350Bが、前者が後者よりも上流側に位置するように並べて配置されているが、これら各検知センサ3350A,3350Bに関する詳細な説明は省略する。
ここで、遊技進行に伴う遊技球検知の流れについて説明する。
遊技球発射機構から発射された遊技球は誘導レールを経由して遊技領域PEに到達する。これら複数の遊技球のうち1の遊技球が上作動口3083に流入すると、同遊技球は上側誘導通路部3262のガイドリブ3263に衝突することで落下の勢いを利用してパチンコ機10の後方、すなわち上側回収通路部3311に向けて移動する。
上側回収通路部3311に到達した遊技球は、横通路3312の後側壁面に衝突することで、その勢いが弱められ、横通路3312の傾斜に沿って縦通路3315側へ移動する。横通路3312の底面に沿って移動した遊技球は、縦通路3315の通路壁面に衝突することにより、再びその勢いが弱められた後、自重により縦通路3315に沿って落下する。
このようにして縦通路3315を落下する遊技球は、先ず第1検知センサ3350Aの検知領域DE1を通過する。遊技球が検知領域DE1を通過することによって得られた信号は、センサ基板3361A→コネクタベース→ハーネスを経由して主制御装置3162へ出力される。
検知領域DE1を通過した遊技球は、第2検知センサ3350Bの検知領域DE2を通過する。遊技球が検知領域DE2を通過することによって得られた信号は、センサ基板3361B→コネクタベース→ハーネスを経由して主制御装置3162へ出力される。
また、遊技領域PEに到達した遊技球の一部がスルーゲートを通過すると内部抽選が実行され、その結果抽選に当選すると、電動役物3089が所定期間開放される。こようにして電動役物3089が開放されたタイミングにおいて下作動口3084へ流入した遊技球は、左右方向への移動成分及び上下方向への移動成分を有しているが、下側取込部3271へ流入した際に、同遊技球の左右方向への移動成分が下側誘導通路部3272の側壁に衝突することで吸収され、下方への移動成分が同下側誘導通路部3272のガイドリブ3273に衝突することで吸収される。このようにして勢いが弱められた遊技球は、下側誘導通路部3272のガイドリブ3273に沿って緩やかに後方へと移動する。下側回収通路部3321に到達した遊技球は、縦通路3322の通路壁面に衝突することによりその勢いが弱められた後、自重により縦通路3322に沿って落下する。
このようにして縦通路3322を落下する遊技球は、先ず第1検知センサ3350Aの検知領域DE1を通過する。遊技球が検知領域DE1を通過することによって得られた信号は、センサ基板3361A→コネクタベース→ハーネスを経由して主制御装置3162へ出力される。
検知領域DE1を通過した遊技球は、第2検知センサ3350Bの検知領域DE2を通過する。遊技球が検知領域DE2を通過することによって得られた信号は、センサ基板3361B→コネクタベース→ハーネスを経由して主制御装置3162へ出力される。
第4の実施の形態におけるパチンコ機の電気的構成については、上記第1の実施の形態と同様となっているため、同第1の実施の形態に対する相違点、詳しくは検知センサ3350からの検知情報に基づいた入賞判定を行う上での電気的な構成を中心に説明し、共通の構成については説明を省略する。
先ず、検知センサ3350A,3350Bからの検知情報に基づいた入賞判定を行う上での電気的な構成を図55のブロック図を用いて説明する。
図55に示すように、第1検知センサ3350Aのセンサ基板3361Aには、主回路3650A及び出力回路3690Aからなる集積回路が設けられている。
主回路3650Aは、高周波を発振する発振回路3660Aを有している。発振回路3660Aは、コイル及びコンデンサを有してなり、一定の電圧が印加されることにより一定の周波数(本実施の形態においては1MHz)で発振する。また、主回路3650Aは、発振回路3660Aにて生成された高周波が入力される検知回路3670Aを有している。
検知回路3670Aは、球通過に伴う同検知回路3670Aのインピーダンスの変化により高周波出力をON/OFFし、それにより球通過を検知するものであり、具体的には、検知コイル3364A及びコンデンサ3671Aを並列接続したLC回路となっている。この検知回路3670Aを経由した信号(アナログ信号)は、発振回路3660Aや検知回路3670Aと共に主回路3650Aを構成している処理回路3680Aに入力される。処理回路3680Aは、検知回路3670Aから入力された信号をHIレベル及びLOWレベルのいずれかに変換する(2値化する)機能を有しており、上記周波数で発振された信号の振幅が所定の閾値を超えている場合(球非通過時)にはHIレベル信号を出力する。このようにして処理回路3680Aを経由することで2値化された信号は、出力回路3690Aを通じて主制御基板3601へ出力される。
また、第2検知センサ3350Bのセンサ基板3361Bには、第1検知センサ3350Aと同様に、主回路3650B及び出力回路3690Bからなる集積回路が設けられている。
主回路3650Bは、高周波を発振する発振回路3660Bを有している。発振回路3660Bは、コイル及びコンデンサを有してなり、一定の電圧が印加されることにより一定の周波数(本実施の形態においては1MHz)で発振する。また、主回路3650Bは、発振回路3660Bにて生成された高周波が入力される検知回路3670Bを有している。
検知回路3670Bは球通過に伴う同検知回路3670Bのインピーダンスの変化により高周波出力をON/OFFし、それにより球通過を検知するものであり、具体的には、検知コイル3364B及びコンデンサ3671Bを並列接続したLC回路となっている。この検知回路3670Bを経由した信号(アナログ信号)は、発振回路3660Bや検知回路3670Bと共に主回路3650Bを構成している処理回路3680Bに入力される。処理回路3680Bは、検知回路3670Bから入力された信号をHIレベル及びLOWレベルのいずれかに変換する(2値化する)機能を有しており、上記周波数で発振された信号の振幅が所定の閾値を超えている場合(球通過時)にはHIレベル信号を出力する。このようにして処理回路3680Bを経由することで2値化された信号は、出力回路3690Bを通じて主制御基板3601へ出力される。
これら第1検知センサ3350Aと第2検知センサ3350Bとは検知回路3670に設けられた各種構成が相違している。そして、これら相違する構成を併用することによって、遊技球の検知精度の向上を図っている。ここで、図55及び図56に基づき、第1検知センサ3350A及び第2検知センサ3350Bの特徴的な構成(両者の相違点)について説明する。図56(a)群は第1検知センサ3350Aにおける検知態様を示す概略図、図56(b)群は第2検知センサ3350Bにおける検知態様を示す概略図、図56(1)群は検知回路3670における周波数とインピーダンスとの関係を示す概略図、図56(2)群は処理回路3680に入力される高周波を示す概略図である。
先ず、第1検知センサ3350Aについて説明する。図56(a1)に示すように、発振回路3660Aでは、予め定められた所定周波数F1(1MHz)の高周波信号が出力されており、検知回路3670Aの検知コイル3364A及びコンデンサ3671Aによって定まる共振周波数f1は、上記所定周波数F1と同等になっている。このため、検知領域DE1を遊技球が通過していない場合(以下便宜上、「通常時」と称する)には、検知回路3670AのインピーダンスZの値が最大となり、検知回路3670Aから出力される高周波の振幅(電圧)についても最大となる。
検知領域DE1を遊技球が通過する場合には、同遊技球が検知コイル3364Aによって形成された磁界を通過することになる。このようにして遊技球が磁界を通過すると、検知コイル3364Aにおけるインダクタンスが増大し、検知回路3670Aにおける共振周波数f1が低下する。具体的には、図56(a1)に示すように、検知回路3670Aにおける周波数fに対するインピーダンスZの特性波形が低周波数側にシフトする(同図の2点鎖線参照)。この場合、1MHzの高周波に対するインピーダンス(抵抗)が小さくなるとともに、高周波の振幅が小さくなる。より詳しくは、図56(a2)におけるt1のタイミング〜t2のタイミングに示すように、高周波の振幅がほぼ0となってあたかも発振が一時的に停止したかのように変化する。
このように高周波の振幅が小さくなって予め定められた閾値を下回ると、その変化が処理回路3680Aによって2値信号に反映される。つまり、第1検知センサ3350Aの検知コイル3364A及びコンデンサ3671Aは、検知領域DE1を遊技球が通過した場合の共振周波数の変化が、処理回路3680Aから出力される信号に反映されるように設定されている。言い換えれば、上述した処理回路3680Aの上記閾値は、遊技球の通過に伴って高周波の振幅が小さくなった場合に同振幅が当該閾値を下回るように設定されており、このようにして振幅が閾値を下回った場合(すなわち検知時)には、処理回路3680Aから出力回路3690AへLOWレベル信号が入力される。
その後、遊技球が検知領域DE1を通過したt2のタイミングでは、検知回路3670Aにおける共振周波数が元の値に復帰することにより、再び検知回路3670Aのインピーダンスが最大となり、検知回路3670Aから出力される高周波の振幅(電圧)は最大となる。これにより、一時的に抑えられていた高周波の発振が再開され、振幅が閾値を再び上回ることで処理回路3680から出力回路3690へHIレベル信号が入力されることとなる。
なお、第1検知センサ3350Aの出力回路3690Aを経由した2値信号は、HI/LOWが反転された後、主制御装置3162へ出力される。
一方、第2検知センサ3350Bについては、上記第1検知センサ3350Aとは逆の構成となっている。具体的には、図56(b1)に示すように、第2検知センサ3350Bの検知回路3670Bを構成している検知コイル3364B及びコンデンサ3671Bは、当該検知回路3670Bにおける共振周波数f2が発振回路3660Aから入力される高周波の周波数F2よりも大きく(例えば1.2MHz)設定されている。このため、検知領域DE2を遊技球が通過していない場合(以下便宜上、「通常時」と称する)には、インピーダンスZの値が小さく抑えられ、検知回路3670Aから出力される高周波の振幅(電圧)がほぼ0となる。
検知領域DE2を遊技球が通過する場合には、同遊技球が検知コイル3364Bによって形成された磁界を通過することになる。このようにして遊技球が磁界を通過すると、検知コイル3364Bにおけるインダクタンスが増大し、検知回路3670Bにおける共振周波数f2が低下する。そして、同共振周波数f2が周波数F2と同等となる。より具体的には、
図56(b1)に示すように、検知回路3670Bにおける周波数fに対するインピーダンスZの特性波形が低周波数側にシフトする(同図の2点鎖線参照)。この場合、1MHzの高周波に対するインピーダンス(抵抗)が大きく(最大に)なるとともに、高周波の振幅が大きく(最大に)なる。
結果として、図56(b2)におけるt3のタイミング〜t4のタイミングに示すように、遊技球の通過に合わせて高周波(振幅が上記閾値よりも大きな高周波)が発振される。このように高周波の振幅が大きくなり、予め定められた閾値を上回ると、その変化が処理回路3680Bによって2値信号に反映される。つまり、第2検知センサ3350Bの検知コイル3364B及びコンデンサ3671Bは、検知領域DE2を遊技球が通過した場合の共振周波数の変化が、処理回路3680Bから出力される信号に反映されるように設定されている。言い換えれば、上述した処理回路3680Bの閾値は、遊技球の通過に伴って振幅が大きくなった場合に同振幅が当該閾値を上回るように設定されており、このようにして振幅が閾値を上回った場合(すなわち検知時)には、処理回路3680Bから出力回路3690BへHIレベル信号が入力される。
その後、遊技球が検知領域DE2を通過したt4のタイミングでは、共振周波数が元の値に復帰することにより、再び検知回路3670Bのインピーダンスが小さくなり、検知回路3670Bから出力される高周波の振幅(電圧)は小さくなる。これにより、高周波の発振が抑えられた状態となり、振幅が閾値を再び下回ることで処理回路3680Bから出力回路3690BへLOWレベル信号が入力されることとなる。
なお、第2検知センサ3350Bの出力回路3690Bを経由した2値信号は、HI/LOWが維持されたまま主制御装置3162へ出力される。
このようにして各検知センサ3350A,3350Bから入力された信号を主制御基板3601のMPU3611にて分析することにより、後述する入賞判定が実行される。主制御基板3601(詳しくは主制御回路3602)の出力側には、中継端子板3623を介して音声ランプ制御装置3143(詳しくは音声ランプ制御基板3624)が接続されているとともに、外部端子板3213を通じてホールコンピュータが接続されている。仮に、入賞判定にてノイズ等の影響によるエラーが確認された場合には、当該エラーが発生している旨を報知するべく報知コマンドが音声ランプ制御装置3143に出力されるとともに、エラー情報がホールコンピュータに伝達されることとなる。
ここで、主制御装置3162のMPU3611にて入賞判定を行う上での電気的な構成にていて補足説明する。
MPU3611のRAM3613には、遊技球の入賞を判定する際に用いられる第1検知カウンタエリア3613a及び第2検知カウンタエリア3613bが設けられている。より詳しくは、第1検知センサ3350Aからの検知信号判定用として第1検知カウンタエリア3613aが設けられ、第2検知センサ3350Bからの検知信号判定用として第2検知カウンタエリア3613bが設けられている。
第1検知カウンタエリア3613aは、最大値を「2」とするカウンタ(以下便宜上、第1検知カウンタDC1と称する)となっており、所定の条件に応じてその値が「0」,「1」,「2」で変化する構成となっている。具体的には、任意の1回の処理にて遊技球を検知していないことに対応した信号(すなわちLOWレベル信号)の入力を確認することにより「0」にリセットされ、その後、遊技球を検知していることに対応した信号(すなわちHIレベル信号)の入力を2回の処理にて連続して確認した場合に、「0」→「1」又は「1」→「2」となるようにカウントアップされる。このようにして同第1検知カウンタDC1の値が「2」となった場合に、1の遊技球の入賞が発生したと判定される。
第2検知カウンタエリア3613bは、最大値を「2」とするカウンタ(以下便宜上、第2検知カウンタDC2と称する)となっており、所定の条件に応じてその値が「0」,「1」,「2」で変化する構成となっている。具体的には、任意の1回の処理にて遊技球を検知していないことに対応した信号(詳しくはLOWレベル信号)の入力を確認することにより「0」にリセットされ、その後、遊技球を検知していることに対応した信号(詳しくはHIレベル信号)の入力を2回の処理にて連続して確認した場合に、「1」→「2」となるようにカウントアップされる。このようにして同第2検知カウンタDC2が「2」となることに基づいて、1の遊技球が入賞したと判定される。
なお、第1検知カウンタDC1及び第2検知カウンタDC2のカウント数は任意であり、例えば検知信号がLOWレベル→HIレベル→HIレベル→HIレベルの順に変化することで遊技球の入賞が発生したと判定する構成においては最大値を「3」に変更するとよい。
チェックカウンタエリア3613cは、最大値を「200」且つ初期値を「100」とするカウンタ(以下便宜上、チェックカウンタCCと称する)となっており、所定の条件に応じてその値が加算又は減算される構成となっている。具体的には、第1検知カウンタDC1によって遊技球が入賞したと判定された場合に「1」ずつ加算され、第2検知カウンタDC2によって遊技球が入賞したと判定された場合に「1」ずつ減算される。つまり、遊技球が正常に入賞している場合には、一時的な変動を経てチェックカウンタCCの値が初期値に落ち着くこととなる。一方、チェックカウンタCCの値が初期値から外れたままとなった場合には、検知信号が正常でない旨が把握される。つまり、意図的又は偶発的要因により、いずれかの検知センサ3350A,3350Bから出力される検知信号にノイズ等が混入している可能性があることが把握される。
次に、MPU3611にて大当たり発生判定を行う上での電気的な構成について図55を用いて説明する。
MPU3611は遊技に際し各種カウンタ情報(詳しくは図55に示すRAM3613の各種カウンタエリア3613dの情報)を用いて、大当たり抽選、第1特定ランプ部の発光色の設定や、図柄表示装置の図柄表示の設定などを行うこととしている。具体的には、上記第1の実施の形態と同様に、大当たりの抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、確変大当たりや通常大当たり等の大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置が外れ変動する際のリーチ抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、第1特定ランプ部に表示される色の切り替えを行う期間及び図柄表示装置における図柄の変動表示時間を決定する変動種別カウンタCSとを用いることとしている。さらに、下作動口3084の電動役物3089を電役開放状態とするか否かの抽選に使用する電動役物開放カウンタC4を用いることとしている。なお、上記各カウンタC1〜C4,CINI,CSは、RAM3613の各種カウンタエリア3613dに設けられている。これら各種カウンタC1,C2,C3,CINI,C4に関しては上記第1の実施の形態におけるカウンタC1,C2,C3,CINI,C4と同様であるため、詳細な説明を省略する。
(主制御装置3162にて実行される各種処理について)
次に、主制御装置3162のMPU3611にて実行されるタイマ割込み処理及び通常処理を説明する。なお、MPU3611では、タイマ割込み処理及び通常処理の他に、電源投入に伴い起動されるメイン処理とNMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理とが実行されるが、これらの処理については説明を省略する。
(タイマ割込み処理)
先ず、タイマ割込み処理について、図57のフローチャートを参照しながら説明する。本処理はMPU3611により定期的に(例えば2msec周期で)起動される。この周期は任意である。但し、当該タイマ割込み処理には、電断信号や不正検知信号の確認や、各種入賞の確認などといった短い周期で繰り返し実行すべき処理が設定されているため、これら以外の処理が設定されている後述する通常処理の繰り返し周期よりも短く設定されていることが好ましい。
先ずステップS3101にて、信号読み込み処理を実行する。信号読み込み処理では、一般入賞口、可変入賞装置3082、作動口3083,3084及びスルーゲートに対して個別に設けられた検知センサから入力ポートに入力されている情報を確認し、その確認結果から各入球部への入球の有無を特定する。具体的には、遊技球を検知していないことに対応した信号(例えば、LOWレベル信号)の入力を確認し、遊技球を検知していることに対応した信号(例えば、HIレベル信号)の入力を2回連続して確認した場合に、その検知センサに対応した入球部において遊技球の入球が発生したと特定する。以下、信号読み込み処理の一部、具体的には作動口3083,3084に対応した検知センサ3350からの信号に基づいた処理について図58のフローチャートを参照して説明する。なお、本実施の形態においては、作動口3083用の検知センサ3350から出力される信号の読み込み処理と、作動口3084用の検知センサ3350から出力される信号の読み込み処理とが同様であるため、以下の説明では、作動口3083用の信号読み込み処理について説明し、作動口3084用の信号読み込み処理については説明を省略する。
(信号読み込み処理)
信号読み込み処理においては、先ず第1検知センサ3350Aから入力される検知信号の読み込み処理(ステップS3201〜ステップS3208)を行い、その後、第2検知センサ3350Bから入力される検知信号の読み込み処理(ステップS3209〜ステップS3215)を行い、最後に検知結果に基づく信号判定処理(ステップS3216〜ステップS3218)を行う。なお、各検知信号の読み込み処理の順序は、これに限定されるものではなく、先に第2検知センサ3350Bから入力される検知信号の読み込み処理を行ってもよい。
ステップS3201では、第1検知センサ3350Aから入力されている検知信号がHIレベルであるか否かを判定する。ステップS3201にて否定判定がなされた場合には、すなわち検知信号がLOWレベルである場合には、ステップS3202に進み、第1検知カウンタDC1の値を「0」に更新した後、第2検知センサ3350B用の信号読み込み処理に進む。
一方、ステップS3201にて肯定判定がなされた場合には、すなわち検知信号がHIレベルである場合には、ステップS3203に進む。ステップS3203では、第1検知カウンタDC1の値が「1」であるか否かを判定する。
ステップS3203にて肯定判定がなされた場合には、すなわち第1検知カウンタDC1の値が「1」である場合には、ステップS3204にて第1検知カウンタDC1の値を「2」に更新(1加算)した後、ステップS3205に進む。ステップS3204における肯定判定は、検知信号がLOWレベル→HIレベル→HIレベルの順に入力されていることを示すものであり、このような信号の入力に基づいて、検知領域DE1を遊技球が通過した、すなわち作動口3083への入賞があったと判定されることとなる。そして、続くステップS3205にてチェックカウンタCCの値を更新(詳しくは「1」加算)した後、ステップS3206にてRAM3613の各種フラグ格納エリア3613gに第1入賞検知フラグをセットする。この第1入賞検知フラグは、作動口3083への入賞に基づいて遊技球の払出し等を実行する際に用いられるフラグである。
ステップS3206にて第1入賞検知フラグをセットした後は、第1検知センサ3350A用の信号読み込み処理を終了し、第2検知センサ3350B用の信号読み込み処理に進む。
一方、ステップS3203にて否定判定をした場合には、すなわち第1検知カウンタDC1の値が「0」又は「2」であるには、ステップS3207にて第1検知カウンタDC1の値が「2」であるか否かを判定する。ステップS3207にて肯定判定をした場合、すなわち第1検知カウンタDC1の値が「2」である場合には、第1検知センサ3350A用の信号読み込み処理を終了して、第2検知センサ3350B用の信号読み込み処理に進む。
ステップS3207て否定判定をした場合、すなわち第1検知カウンタDC1の値が「0」である場合には、ステップS3208に進み第1検知カウンタDC1の値を「1」に更新(1加算)した後、第2検知センサ3350B用の信号読み込み処理に進む。
次に、第2検知センサ3350B用の信号読み込み処理について説明する。
ステップS3202,S3206,S3208の各処理を実行した後は、ステップS3209に進み、第2検知センサ3350Bから入力されている検知信号がHIレベルであるか否かを判定する。ステップS3209にて否定判定がなされた場合には、すなわち検知信号がLOWレベルである場合には、ステップS3210に進み、第2検知カウンタDC2の値を「0」に更新した後、信号判定処理に進む。
一方、ステップS3209にて肯定判定がなされた場合には、すなわち検知信号がHIレベルである場合には、ステップS3211に進む。ステップS3211では、第2検知カウンタDC2の値が「1」であるか否かを判定する。
ステップS3211にて肯定判定がなされた場合には、すなわち第2検知カウンタDC2の値が「1」である場合には、ステップS3212にて第2検知カウンタDC2の値を「2」に更新(1加算)した後、ステップS3213に進む。ステップS3211における肯定判定は、検知信号がLOWレベル→HIレベル→HIレベルの順に入力されていることを示すものであり、このような信号の入力に基づいて、検知領域DE2を遊技球が通過した、すなわち作動口3083への入賞があったと判定されることとなる。そして、続くステップS3213にてチェックカウンタCCの値を更新(詳しくは「1」減算)し、信号判定処理に進む。
一方、ステップS3211にて否定判定をした場合には、すなわち第2検知カウンタDC2の値が「0」又は「2」であるには、ステップS3214にて第2検知カウンタDC2の値が「2」であるか否かを判定する。ステップS3214にて肯定判定をした場合、すなわち第2検知カウンタDC2の値が「2」である場合には、信号判定処理へ進む。
ステップS3214にて否定判定をした場合、すなわち第2検知カウンタDC2の値が「0」である場合には、ステップS3215に進み第2検知カウンタDC2の値を「1」に更新(1加算)した後、信号判定処理に進む。
ステップS3210,S3213,S3215の各処理を実行した後は、ステップS3216〜ステップS3218の信号判定処理に進み、各検知センサ3350A,3350Bから入力されている検知信号が正常であるか否かを判定する。
信号判定処理においては、先ずステップS3216にてチェックカウンタCCの値が正常値であるか否かを判定する。具体的には、チェックカウンタCCの値が「97」〜「103」の範囲内であるか否かを判定する。チェックカウンタCCの値が正常値の範囲内であると判定した場合、すなわちチェックカウンタCCが「97」,「98」,「99」,「100」,「101」,「102」,「103」である場合(中央値「100」からの差分が「3」以内である場合)には、そのまま本信号読み込み処理を終了する。
一方、ステップS3216にて否定判定をした場合、すなわちチェックカウンタCCの値が正常でないと判定した場合には、続くステップS3217に進みRAM3613の各種フラグ格納エリア3613gにエラー報知フラグを格納し、ステップS3218に進む。ステップS3218では、チェックカウンタCCの更新処理を実行する。具体的には、チェックカウンタCCの値を「100」に更新する。そして、ステップS3218にてチェックカウンタCCの値を更新した後、本信号読み込み処理を終了する。
再び図57を参照してタイマ割込み処理について説明する。以上詳述した信号読み込み処理を実行した後は、ステップS3102にて、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。続くステップS3103では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4の更新を実行する。具体的には、それぞれの乱数カウンタの値を1ずつ加算するとともに、当該加算した値が上限値になっているか否かを判定する。そして、当該加算した値が上限値を超えている場合には、カウンタの値を初期値に設定する。その後、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM3613の該当するバッファ領域に格納する。
ここで、大当たり乱数カウンタC1に関しては、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。乱数初期値カウンタCINIは乱数値であるため、大当たり乱数カウンタC1の初期値は変動している。よって、大当たり乱数カウンタC1の値が当選値と一致するタイミングは、大当たり乱数カウンタC1が1周する毎に異なっているため、大当たり乱数カウンタC1の値が当選値となるタイミングを把握することは困難になっている。
続くステップS3104ではスルーゲートへの入賞に伴うスルー用の入賞処理を実行する。スルー用の入賞処理では、スルーゲートへの入賞が発生していた場合には、電役保留エリアに記憶されている役物保留記憶数が上限数(例えば、「4」)未満であることを条件として、前記ステップS3103にて更新した電動役物開放カウンタC4の値を電役保留エリアに格納する。また、音声ランプ制御装置3143に対して、役物保留記憶数と対応する保留ランプ部を点灯させるための処理を実行する。
その後、ステップS3105にて始動入賞処理を実行する。始動入賞処理では、図59のフローチャートに示すように、先ずステップS3401にてRAM3613の各種フラグ格納エリア3613gにおける入賞検知フラグ格納エリアに作動口用の入賞検知フラグが格納されているか否かを判定することにより、遊技球が作動口3083,3084に入賞(始動入賞)したか否かを判定する。
遊技球が作動口3083,3084に入賞したと判定すると、続くステップS3402において、第1特定ランプ部及び図柄表示装置の作動保留球数Nが上限値(本実施の形態では4)未満であるか否かを判定する。作動口3083,3084への入賞があり、且つ作動保留球数N<4であることを条件にステップS3403に進み、作動保留球数Nを1加算する。なお、ステップS3403の処理後に作動口フラグを消去する。続くステップS3404では、抽選カウンタ用バッファ3613eに格納されている大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を、RAM3613の保留球格納エリア3613fの空きエリアのうち最初のエリアに格納する。
そして、始動入賞処理の後、MPU3611は本タイマ割込み処理を一旦終了する。
(通常処理)
次に、通常処理の流れを図60のフローチャートを参照しながら説明する。通常処理は電源投入に伴い起動されるメイン処理が実行された後に開始される処理であり、通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS3501〜S3506の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS3509,S3510のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
通常処理において、ステップS3501では、タイマ割込み処理又は前回の通常処理で設定したコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置に送信する。また、遊技回制御用コマンド又は遊技状態用コマンドが設定されている場合にはそれを音声ランプ制御装置3143に送信する。更には、RAM3613の各種フラグ格納エリア3613gに上記エラー報知フラグが格納されている場合には、音声ランプ制御装置3143に報知コマンドを出力することにより、エラー表示ランプ部やスピーカ部を用いてその旨の報知を実行するとともに、外部端子板3213を経由してホールコンピュータへエラー情報を出力する。
続くステップS3502では変動種別カウンタCSの更新を実行し、ステップS3503では第1特定ランプ部に表示される色の切り替えを行うための第1特定ランプ部制御処理を実行する。第1特定ランプ部制御処理では、大当たり判定や第1特定ランプ部に配設されたLEDランプの光源スイッチのオンオフ制御などが行われる。また、第1特定ランプ部制御処理において、図柄表示装置による第1図柄の変動表示の設定も行われる。
具体的には、大当たり乱数カウンタC1の値に基づいて大当たりか否かを判定する。より詳細には、大当たり乱数カウンタC1の値が予め定めた大当たり当選となる当選値と一致しているか否かを判定する。また、大当たり種別カウンタC2の値に基づいて大当たりの種類を決定する(いわゆる、確変大当たりか否かを決定する)。また、リーチ乱数カウンタC3の値及び変動種別カウンタCSの値に基づいて、第1特定ランプ部に表示される色の切替表示時間、及び第1図柄の変動表示時間を決定する。なお、当該第1特定ランプ部制御処理にて第1特定ランプ部のオンオフ制御が開始される毎に作動保留球数Nが1減算され、作動保留球数Nが0の場合にはオンオフ制御が開始されない。
第1特定ランプ部制御処理の後は、ステップS3504にて大入賞口開閉処理を実行する。大入賞口開閉処理では、大当たり状態である場合において可変入賞装置3082の大入賞口を開放又は閉鎖する。すなわち、大当たり状態のラウンド毎に大入賞口を開放し、大入賞口の最大開放時間が経過したか、又は大入賞口に遊技球が規定数だけ入賞したかを判定する。この規定数だけ入賞したか否かの判定は、RAM3613の各種カウンタエリア3613dにおける大入賞口用カウンタを確認することにより行われる。そして、これら何れかの条件が成立すると大入賞口を閉鎖する。
その後、ステップS3505では、第2特定ランプ部に表示される色の切り替え処理を行うための第2特定ランプ部制御処理を実行する。第2特定ランプ部制御処理では、スルーゲートに遊技球が入賞したことを条件に第2特定ランプ部における表示色の切り換えを開始する。この際、表示色の切り換え時間も設定する。また、スルーゲートに遊技球が入賞した際に取得された第2特定ランプ乱数カウンタの値に基づいて停止表示する色を設定する。この停止表示される色として所定の色が設定された場合には、その色の停止表示後に、作動口3083,3084に付随する電動役物3089が所定時間開放される。
ステップS3505の後は、ステップS3506にて、遊技球発射制御処理を実行する。遊技球発射制御処理では、電源・発射制御装置から発射許可信号を入力していることを条件として、所定期間(例えば、0.6sec)に1回、遊技球が遊技領域PEに向けて打ち出されるように、遊技球発射機構を駆動させる。詳細には、MPU3611は所定期間経過毎に電源・発射制御装置に発射パルス信号を出力する。電源・発射制御装置は、発射パルス信号が入力されたことに基づいて、当該発射パルス信号の電圧を増幅させた駆動信号(駆動電圧)を遊技球発射機構に搭載されているソレノイドへ向けて出力し、ソレノイドの出力軸を発射位置と収容位置とに移動させることで、遊技球の発射を制御する。
その後、ステップS3507にて、RAM3613に停電フラグが格納されているか否かを判定する。停電フラグが格納されていない場合には、ステップS3508に進み、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始からタイマ割込み処理が複数回数として予め設定された割込み基準回数(具体的には2回)発生したか否かを判定する。このタイマ割込みの回数の把握として具体的には、RAM3613の各種カウンタエリア3613dにおける割込み回数カウンタの値を、タイマ割込みが起動される度に1加算するとともに、ステップS3501の処理が実行される直前のタイミングで当該カウンタの値が0クリアする(初期化される)。タイマ割込み処理が割込み基準回数発生していない場合には、ステップS3509に進む。
ステップS3509では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする(初期化する)。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM3613の抽選カウンタ用バッファ3613eに格納する。また、ステップS3510では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値に達した際それぞれ0にクリアする(初期化する)。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM3613の抽選カウンタ用バッファ3613eに格納する。
その後、ステップS3507に進み、前回の通常処理の開始からタイマ割込み処理が割込み基準回数発生するまで上述した処理を繰り返し、割込み基準回数に達した場合にはステップS3501の処理に戻る。つまり、停電フラグが格納されていない場合には、ステップS3501〜ステップS3506の各種処理が4msec周期で繰り返し実行されることとなる。なお、当該周期は、遊技の進行を良好に制御することができるのであれば、4msecに限定されない。
停電フラグが格納されている場合には、ステップS3511以降の停電時処理を実行する。つまり、ステップS3511では、タイマ割込み処理の発生を禁止し、その後、ステップS3512にてRAM判定値を算出、保存し、ステップS3513にてRAM3613のアクセスを禁止した後に、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
次に、検知センサ3350A,3350B(詳しくは検知領域DE1,DE2)を遊技球が通過する際の入賞判定及び信号判定の態様の具体例について図61〜図64のタイミングチャートに基づき説明する。図61はノイズが混入していない状態を示し、図62〜図64はノイズが混入している状態を示している。図61(a)〜図64(a)はノイズを示す概略図、図61(b)〜図64(b)は第1検知センサ3350Aの処理回路3680Aに入力される信号を示す概略図、図61(c)〜図64(c)は第2検知センサ3350Bの処理回路3680Bに入力される信号を示す概略図、図61(d)〜図64(d)は第1検知センサ3350Aから主制御装置3162に入力される信号を示す概略図、図61(e)〜図64(e)は第2検知センサ3350Bから主制御装置3162に入力される信号を示す概略図、図61(f)〜図64(f)はチェックカウンタCCの値を示す概略図である。なお、図61〜図64については、発振回路3660A,3660Bにて生成された信号と混入しているノイズとを区別するために、便宜上ノイズの混入部分に矢印を付与している。
なお、本実施の形態においては、作動口3083での入賞判定及び信号判定に関する構成と、作動口3084での入賞判定及び信号判定に関する構成とが同様であるため、以下の説明では、上作動口3083における入賞判定及び信号判定の態様ついて説明し、下作動口3084における入賞判定及び信号判定の態様については説明を省略する。
先ず、図61を参照して、検知信号にノイズが混入していない場合について説明する。
ta1のタイミングにおいては、遊技球が第1検知センサ3350Aの検知領域DE1に達することにより、第1検知センサ3350Aにおける検知回路3670から処理回路3680への高周波の出力が停止する。これにより、第1検知センサ3350Aから出力される検知信号がLOWレベルからHIレベルに切り替る。
その後、上記タイマ割込み処理(詳しくは信号読み込み処理)にて、同検知信号がLOWレベル→HIレベル→HIレベルであることがta2のタイミングにて確認され、遊技球が検知領域DE1を通過した、すなわち作動口3083において入賞が発生したと判定される。これにより、チェックカウンタCCの値が「1」加算され、「100」から「101」に更新される。
その後,ta3のタイミングにて、遊技球が検知領域DE1を通過し、抑えられていた高周波の振幅が元の状態に復帰する。これにより、第1検知センサ3350Aから出力される検知信号がHIレベルからLOWレベルに切り替る(立ち下がる)。
検知領域DE1を通過した遊技球は、上記縦通路3315を流下し、ta4のタイミングにて第2検知センサ3350Bの検知領域DE2に到達する。これにより、第2検知センサ3350Bにおける検知回路3670から処理回路3680への高周波の出力が開始され、同第2検知センサ3350Bから出力される検知信号がLOWレベルからHIレベルに切り替る(立ち上がる)。
その後、上記タイマ割込み処理(詳しくは信号読み込み処理)にて、第2検知センサ3350Bから出力されている検知信号がLOWレベル→HIレベル→HIレベルであることがta5のタイミングにて確認され、遊技球が検知領域DE2通過した、すなわち作動口3083において入賞が発生したと判定される。これにより、チェックカウンタCCの値が「1」減算され、「101」から初期値の「100」に戻る。
ta5のタイミングにて入賞が発生したと判定された後のta6のタイミングにおいては、遊技球が検知領域DE2を通過し終え、処理回路3680への高周波の出力が停止する。これにより、第2検知センサ3350Bから出力される検知信号がHIレベルからLOWレベルに切り替ることとなる。
このようにチェックカウンタCCの値が正常値の範囲内で推移している場合には、各検知センサ3350A,3350Bからの検知信号に含まれる検知情報が正常であり、それら検知信号へのノイズ等の混入が認められないと認識されることとなる。
なお、既に説明したように両検知センサ3350A,3350Bを通路に沿って並べて配置している。このため、第1検知センサ3350Aを通過した遊技球が第2検知センサ3350Bによって検知されるまでには一定のタイムラグ(すなわち上述したta3のタイミングからta5のタイミングまでの期間)が生じる。例えば、多数の遊技球が連続して作動口3083に流入し、それら遊技球が連なった状態で回収通路を流下した場合には、上記タイムラグにて、第1検知センサ3350Aにおいて更に2つの遊技球の入賞を示す信号(LOWレベル→HIレベル→HIレベル)が発生し得る。つまり、第1検知センサ3350Aからの検知信号に基づいて判定される入賞数と、第2検知センサ3350Bからの検知信号に基づいて判定される入賞数とには、最大で「3」の差が生じ得る。この点、上記チェックカウンタCCの正常値の範囲はこのような最大差分を許容するように設定されている。これにより、ノイズの混入が発生していないにも関わらず、過度にエラー報知が行われることを回避している。
次に、図62を参照し、第1検知領域DE1を遊技球が通過するタイミングを含んだ期間にノイズが発生した場合について説明する。詳しくは、検知センサ3350Aの発振回路3660Aにて生成される高周波と同じ周波数且つ同じ振幅のノイズが周期的に発生し、同ノイズが発振回路3660Aにて生成された高周波に混入した場合について説明する。
作動口3083に流入した遊技球が検知領域DE1,DE2に到達していない場合には、第1検知センサ3350Aの処理回路3680Aには高周波が入力され、同第1検知センサ3350AからはLOWレベル信号が出力されている。また、第2検知センサ3350Bの処理回路3680Bへの高周波の入力は停止され、同第2検知センサ3350BからはHIレベル信号が出力されている。
tb1のタイミングにて各発振回路3660A,3660Bにて生成される高周波と同様の波形を有するノイズ(高周波)が発生すると、同ノイズは検知コイル3364A,3364B等を通じて主回路3650A,3650Bに混入することとなる。本実施の形態においては特に、両検知センサ3350A,3350Bを隣接して配置している。このため、ノイズの発生要因が偶発的・作為的であるに関わらず、同図62に示すように同じノイズが両主回路3650A,3650Bに混入しやすいと想定される。
但し、第1検知センサ3350Aの処理回路に入力されている信号には高周波が存在しているため、ノイズが混入したとしてもそれによって同第1検知センサ3350Aから出力される信号が変化することはない。一方、第2検知センサ3350Bの処理回路に入力されている信号には高周波が存在していない。このため、ノイズが混入することにより第2検知センサ3350Bから出力される信号が一時的にLOWレベルからHIレベルに切り替ることとなる。
続くtb2のタイミングにおいては、ノイズが消失することにより、第2検知センサ3350Bから出力されている信号がLOWレベルに復帰する。本具体例に示しているノイズの幅は2msec(タイマ割り込み処理の周期と同じ期間)となっており、ノイズ混入に基づく信号の変化によって遊技球の入賞が発生したと判定されることはない。つまり、このノイズは無害であり、同ノイズの混入によってチェックカウンタCCの値が更新されることは無い。
同tb2のタイミングでは、遊技球が検知領域DE1に達することにより、第1検知センサ3350Aにおける検知回路3670から処理回路3680への高周波の出力が停止する。これにより、第1検知センサ3350Aから出力される検知信号がLOWレベルからHIレベルに切り替る。
その後、上記タイマ割込み処理(詳しくは信号読み込み処理)にて、同検知信号がLOWレベル→HIレベル→HIレベルであることがtb3のタイミングにて確認され、遊技球が検知領域DE1を通過した、すなわち作動口3083にて入賞が発生したと判定される。これにより、チェックカウンタCCの値が更新される。詳しくは、同チェックカウンタCCが「1」加算され、「100」から「101」にカウントアップされる。
続くtb4のタイミングでは、詳しくはtb2のタイミングから2度のタイマ割込み処理実行されるのに要する期間よりも長い期間(本具体例においては5msec)が経過したt4のタイミングでは、処理回路3680に入力される信号にノイズ(高周波)が混入し、第1検知センサ3350Aから出力される検知信号がHIレベルからLOWレベルに切り替る。
また、同tb4のタイミングにて発生したノイズは、第2検知センサ3350Bの処理回路3680Bに入力される信号に混入し、tb1のタイミングと同様に第2検知センサ3350Bから出力される検知信号がLOWレベルからHIレベルに切り替る。同tb4のタイミングにおいては、第2検知カウンタDC2が「0」→「1」に更新された状態にて信号が第2検知センサ3350Bからの検知信号がLOWレベルに切り替ることとなる。このため、第2検知カウンタDC2は「2」にカウントアップされる前に再び「0」に更新され、混入したノイズに基づいて入賞が発生したと判定されることは無い。つまり、第2検知センサ3350Bからの出力信号に混入したノイズは遊技球の入賞示す有害なものではなく無害なノイズとして扱われることとなる。故に、このようなノイズの混入によってチェックカウンタCCの値が更新されることが回避される。
tb4のタイミングからタイマ割り込み処理の周期と同じ期間(具体的には2msec)が経過したtb5のタイミングでは、ノイズが消失することにより、第1検知センサ3350Aから出力される検知信号がLOWレベルからHIレベルに復帰する。この際、検知信号が一時的にLOWレベルとなることで、上記第1検知カウンタDC1が「0」にリセットされ、HIレベル信号の入力待ちの状態となる。
その後、上記タイマ割込み処理(詳しくは信号読み込み処理)にて、同検知信号がHIレベル→HIレベルであることがtb6のタイミングにて確認され、遊技球が検知領域DE1を通過した、すなわち作動口3083において入賞が発生したと判定される。これにより、チェックカウンタCCの値が更新される。詳しくは、同チェックカウンタCCの値が「1」加算され、「101」から「102」にカウントアップされる。
続くtb7のタイミング、詳しくはtb5のタイミングから5msec(詳しくは2度のタイマ割込み処理実行されるのに要する期間よりも長い期間)が経過したタイミングでは、処理回路3680Aに入力される信号に再びノイズ(高周波)が混入し、第1検知センサ3350Aから出力される検知信号がHIレベルからLOWレベルに切り替る。
なお、同tb7のタイミングにおいては、第2検知センサ3350Bからの出力信号に対してもノイズが混入するが、同ノイズはtb4のタイミング混入したノイズと同様に無害なノイズであるため、このようなノイズの混入によってチェックカウンタCCの値が更新されることはない。
tb7のタイミングから2msec(タイマ割り込み処理の周期と同じ期間)が経過したtb8のタイミングでは、ノイズが消失することにより、第1検知センサ3350Aから出力される検知信号がLOWレベルからHIレベルに復帰する。この際、検知信号が一時的にLOWレベルとなることで、上記第1検知カウンタDC1が「0」にリセットされ、HIレベル信号の入力待ちの状態となる。
その後、上記タイマ割込み処理(詳しくは信号読み込み処理)にて、同検知信号がHIレベル→HIレベルであることがtb9のタイミングにて確認され、遊技球が検知領域DE1を通過した、すなわち作動口3083において入賞が発生したと判定される。これにより、チェックカウンタCCの値が更新される。詳しくは、同チェックカウンタCCの値が「1」加算され、「102」から「103」にカウントアップされる。
続くtb10のタイミングでは、詳しくは2度のタイマ割込み処理実行されるのに要する期間よりも長い期間(本具体例においては5msec)が経過したtb10のタイミングでは、処理回路3680に入力される信号に再びノイズ(高周波)が混入し、第1検知センサ3350Aから出力される検知信号がHIレベルからLOWレベルに切り替る。
なお、同tb10のタイミングにおいては、第2検知センサ3350Bからの出力信号にノイズが混入するが、同ノイズはtb4のタイミング混入したノイズと同様に無害なノイズであるため、このノイズによってチェックカウンタCCの値が更新されることはない。
tb10のタイミングからタイマ割り込み処理の周期と同じ期間(具体的には2msec)が経過したtb11のタイミングでは、ノイズが消失することにより、第1検知センサ3350Aから出力される検知信号がLOWレベルからHIレベルに復帰する。この際、検知信号が一時的にLOWレベルとなることで、上記第1検知カウンタDC1が「0」にリセットされ、HIレベル信号の入力待ちの状態となる。
その後、上記タイマ割込み処理(詳しくは信号読み込み処理)にて、同検知信号がHIレベル→HIレベルであることがtb12のタイミングにて確認され、遊技球が検知領域DE1を通過した、すなわち作動口3083において入賞が発生したと判定される。これにより、チェックカウンタCCの値が更新される。詳しくは、同チェックカウンタCCの値が「1」加算され、「103」から「104」にカウントアップされる。この際、同タイマ割込み処理にてチェックカウンタCCの値が正常値の範囲を外れていると判定されることにより、エラー報知が指示されるとともに、チェックカウンタCCの値が再度更新される(詳しくは「104」までカウントアップされたチェックカウンタCCは、初期値「100」にリセセットされる)。これにより、検知信号に異常が発生している旨が、エラー表示ランプ部によって報知されるとともに、外部端子板3213を通じてホールコンピュータに報知されることとなり、更には、チェックカウンタCCが初期値に復帰することにより、次の異常発生の判定準備が整うこととなる。
続くtb13のタイミングにおいては、遊技球が検知領域DE1を通過し終え、処理回路3680Aへの高周波の出力が再開される。これにより、第1検知センサ3350Aから出力される検知信号がHIレベルからLOWレベルに切り替ることとなる。
なお、同tb13のタイミングにおいては、第2検知センサ3350Bからの出力信号にノイズが混入するが、同ノイズはtb4のタイミング混入したノイズと同様に無害なノイズであるため、このようなノイズの混入によってチェックカウンタCCの値が更新されることはない。
また、tb13のタイミング以降暫くの期間、詳しくは遊技球が第2検知領域DE2に到達するまでの期間には、上記ノイズが周期的に発生している。この際、第1検知センサ3350Aの処理回路3680Aには継続して高周波が入力されるため、混入したノイズにより同第1検知センサ3350Aからの出力信号が変化することはない。一方、第2検知センサ3350Bの処理回路3680Bには発振回路3660Bにて生成された高周波が入力されていないため、ノイズの混入によって第2検知センサ3350Bから出力される信号が変化する。但し、既に説明したようにノイズは遊技球の入賞を示すのに十分な幅を有していないため、同変化によって遊技球が入賞したと誤判定されることはない。
その後、tb14のタイミングにて遊技球(検知領域DE1を通過した遊技球)が第2検知領域DE2に到達することにより第2検知センサ3350Bの処理回路3680Bへ高周波が出力される。これにより、第2検知センサ3350Bから出力される検知信号がLOWレベルからHIレベルに切り替ることとなる。上記タイマ割込み処理(詳しくは信号読み込み処理)により、同検知信号がHIレベル→HIレベルであることが、続くtb15のタイミングにて確認され、遊技球が検知領域DE2を通過した、すなわち作動口3083において入賞が発生したと判定される。これにより、チェックカウンタCCの値が「1」減算され、「100」から「99」に変更される。
以上、図62に示した具体例においては、第1検知センサ3350A及び第2検知センサ3350Bへのノイズの混入が発生した場合について説明したが、同ノイズが第1検知センサ3350Aにのみ混入するとともに第2検知センサ3350Bに混入しない場合であっても、同様の結果となる。つまり、第1検知センサ3350Aから出力される信号に基づいて判定された入賞数と、第2検知センサ3350Bから出力される信号に基づいて判定された入賞数とに差が生じ、その差が許容範囲を超えることによりエラー報知が実施される。
次に、図63を参照し、混入するノイズが両検知センサ3350A,3350Bからの検知信号に基づく入賞判定に影響を与え得る場合、すなわち各検知センサ3350A、3350Bからの検知信号に有害なノイズが混入した場合について説明する。なお、本具体例におけるノイズは、図62を参照して説明した具体例におけるノイズと同様に、検知センサ3350A,3350Bの発振回路3660A,3660Bにて生成される高周波と同じ周波数且つ同じ振幅を有している。但し、本具体例に示すノイズは、図62を参照して説明した具体例とは異なり、各ノイズが発生する期間の長さ(幅)が、2度のタイマ割込み処理実行されるのに要する期間よりも長い期間(詳しくは5msec)となっている。
作動口3083に流入した遊技球が検知領域DE1,DE2に到達していない場合には、第1検知センサ3350Aの処理回路3680Aには高周波が入力されているとともに、同第1検知センサ3350AからはLOWレベル信号が出力されている。また、第2検知センサ3350Bの処理回路3680Bへの高周波の入力は停止されているとともに、同第2検知センサ3350BからはHIレベル信号が出力されている。
tc1のタイミングにて各発振回路3660A,3660Bにて生成される高周波と同様の波形を有するノイズ(高周波)が発生すると、同ノイズは検知コイル3364A,3364B等を通じて主回路3650A,3650Bに混入することとなる。この際、第1検知センサ3350Aの処理回路に入力されている信号には高周波が存在しているため、ノイズが混入したとしてもそれによって同第1検知センサ3350Aから出力される信号が変化することはない。一方、第2検知センサ3350Bの処理回路に入力されている信号には高周波が存在していない。このため、ノイズが混入することにより第2検知センサ3350Bから出力される信号がLOWレベルからHIレベルに切り替ることとなる。
その後、上記タイマ割込み処理(詳しくは信号読み込み処理)にて、第2検知センサ3350Bからの検知信号がLOWレベル→HIレベル→HIレベルであることがtc2のタイミングにて確認されると、遊技球が検知領域DE2を通過していないにも関わらず作動口3083において入賞が発生したと判定される。これにより、チェックカウンタCCの値が更新される。詳しくは、同チェックカウンタCCの値が「1」減算され、「100」から「99」にカウントダウンされる。但し、第2検知センサ3350Bからの検知信号は、遊技球の払い出し等の特典付与には利用されていないため、この誤判定によって不利益が生じることはない。
このように遊技球が入賞したと誤判定された後は、ノイズが消失することにより、第2検知センサ3350Bから出力される信号がLOWレベルに切り替ることとなる。これにより、第2検知カウンタDC2の値が「0」に更新され、次のHIレベル信号の入力待ちの状態となる。
その後、tc3のタイミングでは再びノイズが発生することにより、第2検知カウンタDC2の値が「0」→「1」→「2」の順に加算され、tc4のタイミングにて遊技球の入賞が発生したと誤判定される。これにより、チェックカウンタCCの値が更に「1」減算され、「99」から「98」にカウントダウンされる。
なお、tc3のタイミングでは、第1検知センサ3350Aの処理回路3680Aには発振回路660にて生成された高周波が絶えず入力されており、発生したノイズによって第1検知センサ3350Aから出力される検知信号が切り替ることはない。つまり、同第1検知センサ3350Aから出力される検知信号はLOWレベルのまま維持される。
このように遊技球が入賞したと誤判定された後は、ノイズが消失することにより、第2検知センサ3350Bから出力される信号がLOWレベルに切り替ることとなる。これにより、第2検知カウンタDC2の値が「0」に更新され、次のHIレベル信号の入力待ちの状態となる。
続くtc5のタイミングにおいては、作動口3083に流入した遊技球が検知領域DE1に達する。これにより、検知回路3670Aから処理回路3680Aへの高周波の出力が停止し、第1検知センサ3350Aから出力される検知信号がLOWレベルからHIレベルに切り替る。
その後、上記タイマ割込み処理(詳しくは信号読み込み処理)にて、第1検知センサ3350Aから出力される検知信号がLOWレベル→HIレベル→HIレベルであることがtc7のタイミングにて確認され、遊技球が検知領域DE1を通過した、すなわち作動口3083において入賞が発生したと判定される。これにより、チェックカウンタCCの値が「1」加算され、「98」から「99」にカウントアップされるとともに、遊技球の払い出し等の特典が遊技者に対して付与される。
特典付与実行後のtc7のタイミングでは、第1検知センサ3350Aの処理回路3680Aに入力されている信号と、第2検知センサ3350Bの処理回路3680Bに入力されている信号との両信号には高周波が存在していない。このtc7のタイミングにおいて再びノイズが発生すると、同ノイズは、各検知センサ3350A,3350Bの主回路3650A,3650Bに混入して、各検知センサ3350A,3350Bから出力される検知信号に影響を与えることとなる。つまり、第1検知センサ3350Aから出力されている検知信号は遊技球が検知領域DE1を通過中であるにも関わらずLOWレベルに切り替り、第2検知センサ3350Bから出力される信号についてはtc1のタイミングやtc3のタイミングと同様にLOWレベルからHIレベルに切り替る。
tc7のタイミングの後、2度のタイマ割込み処理が実行されたtc8のタイミングでは、先のタイマ割込み処理(詳しくは信号読み込み処理)にて「0」に更新された第1検知カウンタDC1が「0」のまま維持され、次のHIレベル信号の入力待ちの状態となる。一方、それらタイマ割込み処理(詳しくは信号読み込み処理)にて、第2検知センサ3350Bからの検知信号がLOWレベル→HIレベル→HIレベルであることが同tc8のタイミングにて確認されると、遊技球が検知領域DE2を通過していないにも関わらず作動口3083において入賞が発生したと判定される。これにより、チェックカウンタCCの値が「1」減算され、「99」から「98」にカウントダウンされる。但し、第2検知センサ3350Bからの検知信号は遊技球の払い出し等の特典付与には利用されていないため、この誤判定によって不利益が生じることはない。
その後、tc9のタイミングにてノイズが消失すると、同tc9のタイミングにおいては未だ遊技球が検知領域DE1を通過中であるため第1検知センサ3350Aからの検知信号がHIレベルに復帰する。また、同遊技球が検知領域DE2に達していないため第2検知センサ3350Bからの検知信号がLOWレベルに復帰する。
tc9のタイミングの後、2度のタイマ割込み処理が実行されたtc10のタイミングでは、同タイマ割込み処理(詳しくは信号読み込み処理)にて、第1検知センサ3350Aからの検知信号がLOWレベル→HIレベル→HIレベルであることが確認される。このため、他の遊技球が検知領域DE1を通過していないにも関わらず作動口3083において入賞が発生したと判定される。つまり、現実には1の遊技球が検知領域DE1を通過中であるにも関わらずあたかも別の遊技球が検知領域DE1を通過したかのように誤判定される。これにより、チェックカウンタCCの値が「1」加算され、「98」から「99」にカウントアップされる。この際、第2検知カウンタDC2は「0」に更新されたまま維持され、次のHIレベル信号の入力待ちの状態となる。
tc10のタイミングの後のtc11のタイミングでは、第1検知センサ3350Aの処理回路3680Aに入力されている信号と、第2検知センサ3350Bの処理回路に入力されている信号とには高周波が存在していない。このため、同tc11のタイミングで発生したノイズは、各検知センサ3350A,3350Bの主回路3650A,3650Bに混入することとなる。この結果、第1検知センサ3350Aから出力されている検知信号は遊技球が検知領域DE1を通過中であるにも関わらずLOWレベルに切り替ることとなる。また、第2検知センサ3350Bから出力される信号についてはtc1のタイミングやtc3のタイミングと同様にLOWレベルからHIレベルに切り替ることとなる。
tc11のタイミングの後、2度のタイマ割込み処理が実行されたtc12のタイミングでは、先のタイマ割込み処理(詳しくは信号読み込み処理)にて「0」に更新された第1検知カウンタDC1が「0」のまま維持され、次のHIレベル信号の入力待ちの状態となる。一方、それらタイマ割込み処理(詳しくは信号読み込み処理)により第2検知センサ3350Bからの検知信号がLOWレベル→HIレベル→HIレベルであることが同tc12のタイミングにて確認されると、遊技球が検知領域DE2を通過していないにも関わらず作動口3083において入賞が発生したと判定される。これにより、チェックカウンタCCの値が「1」減算され、「99」から「98」にカウントダウンされる。但し、第2検知センサ3350Bからの検知信号は、遊技球の払い出し等の特典付与には利用されていないため、この誤判定によって不利益が生じることはない。
その後tc13のタイミングにてノイズが消失すると、同tc13のタイミングにおいては未だ遊技球が検知領域DE1を通過中であるため第1検知センサ3350Aからの検知信号がHIレベルに復帰する。また、同遊技球が検知領域DE2に達していないため第2検知センサ3350Bからの検知信号がLOWレベルに復帰する。
tc13のタイミングの後、2度のタイマ割込み処理が実行されたtc14のタイミングでは、同タイマ割込み処理(詳しくは信号読み込み処理)により第1検知センサ3350Aからの検知信号がLOWレベル→HIレベル→HIレベルであると判定され、他の遊技球が検知領域DE1を通過していないにも関わらず作動口3083において入賞が発生したと判定される。つまり、現実には1の遊技球が検知領域DE1を通過中であるにも関わらずあたかも別の遊技球が検知領域DE1を通過したかのように誤判定される。これにより、チェックカウンタCCの値が「1」加算され、「98」から「99」にカウントアップされる。この際、第2検知カウンタDC2は「0」に更新されたまま維持され、次のHIレベル信号の入力待ちの状態となる。
続くtc15のタイミングにおいては、遊技球が検知領域DE1を通過し終え、処理回路3680への高周波の出力が再開される。これにより、第1検知センサ3350Aから出力される検知信号がHIレベルからLOWレベルに切り替ることとなる。
このように遊技球が検知領域DE1を通過している最中に、すなわち第1検知センサ3350Aにおいて処理回路3680Aに発振回路3660Aにて生成された高周波が入力され同第1検知センサ3350Aから遊技球を検知していることを示す信号(具体的にはHIレベル信号)が出力されている最中に、ノイズが混入した場合には、そのHIレベル信号が複数に分化されることとなる。これにより、1の遊技球しか入賞していないにも関わらずあたかも複数の遊技球が入賞したかのように誤判定され得る。この場合、同期間中に第2検知センサ3350Bからの検知信号に基づいて入賞したと判定される遊技球の数は、第2検知センサ3350Bからの検知信号に基づいて入賞したと判定される遊技球の数と相違することとなる。詳しくは1つ少なくなる。このような差は、第1検知センサ3350Aにおいては検知信号がノイズによって分化された信号が誤判定の対象となるのに対して、第2検知センサ3350Bにおいては検知信号に混入したノイズがそのまま誤判定の対象となることによって生じるものである。
なお、上記期間中の入賞数の差に基づいて検知信号の異常判定を行う構成とすることも可能である。これにより、上記期間中のみを狙って故意にノイズを混入させるといった不正行為を発見することが可能となる。
但し、現実的には、仮に意図的にノイズを混入させる場合、遊技球が検知領域DE1を通過するタイミングをピンポイントで狙ってノイズを発生させることは困難であると想定される。特に検知センサ3350A,3350B(詳しくは検知領域DE1,DE2)が遊技盤3080の背後に配されている点に着目すれば、上記タイミングを見計らうことが難しくなり、同不正行為は極めて困難になると想定される。故に、意図的にノイズを混入させることで不正に利益を得ようとした場合、上述したHIレベル信号の出力期間を包括するようにして、すなわち同出力期間の前後にゆとりを持たせるようにしてノイズを発生させることにより、不正行為の効率化が図られると想定される。つまり、本具体例に示すように、tc15のタイミングにて遊技球が検知領域DE1を通過し終えた後も、上記ノイズの発生が継続され得る。例えば、同図63に示すように、tc15のタイミングの後、tc16のタイミング及びtc17のタイミングにてノイズが発生する。これらノイズによって第2検知センサ3350Bから出力される信号が変化すると、それによって誤判定が生じることとなる。これにより、チェックカウンタCCの値がその都度「1」ずつ減算され「99」→「98」→「97」に更新される。
その後、tc18のタイミングにて遊技球(検知領域DE1を通過した遊技球)が第2検知領域DE2に到達することにより第2検知センサ3350Bの処理回路3680Bへ高周波が出力される。これにより、第2検知センサ3350Bから出力される検知信号がLOWレベルからHIレベルに切り替ることとなる。上記タイマ割込み処理(詳しくは信号読み込み処理)により、同検知信号がHIレベル→HIレベルであることが、続くtc19のタイミングにて確認され、遊技球が検知領域DE2を通過した、すなわち作動口3083において入賞が発生したと判定される。これにより、チェックカウンタCCの値が「1」減算され、「97」から「96」にカウントダウンされる。
この際、同タイマ割込み処理にてチェックカウンタCCの値が正常値の範囲を外れていると判定されることにより、エラー報知が指示されるとともに、チェックカウンタCCの値が再度更新される(詳しくは「96」までカウントダウンされたチェックカウンタCCは、初期値「100」にリセセットされる)。これにより、検知信号に異常が発生している旨が、エラー表示ランプ部27によって報知されるとともに、外部端子板3213を通じてホールコンピュータに報知されることとなり、更には、チェックカウンタCCが初期値に復帰することにより、次の異常発生の判定準備が整うこととなる。
次に、図64を参照し、作動口3083に流入した遊技球が検知領域DE1を通過した後のタイミングにてノイズが混入した場合について説明する。なお、本具体例におけるノイズは、図63を参照して説明した具体例におけるノイズと同様に、検知センサ3350A,3350Bの発振回路3660A,3660Bにて生成される高周波と同じ周波数且つ同じ振幅を有し、各ノイズが発生する期間の長さ(幅)について、2度のタイマ割込み処理実行されるのに要する期間よりも長い期間(詳しくは5msec)となっている。
td1のタイミング〜td3のタイミングにおいては、上記ta1のタイミング〜ta3のタイミングと同様に、第1検知センサ3350Aの検知領域DE1を遊技球が通過したと判定され、その判定結果に基づいて遊技者に対して遊技球の払い出し等の特典が付与されるとともに、チェックカウンタCCの値が「1」加算される。つまり、同チェックカウンタCCの値は「100」から「101」に更新される。
遊技球が第1検知領域DE1を通過した後、第2検知センサ3350Bの検知領域DE2に到達する前のtd4のタイミングにおいては、第1検知センサ3350Aの処理回路3680Aには高周波が入力されているとともに、同第1検知センサ3350AからはLOWレベル信号が出力されている。また、第2検知センサ3350Bの処理回路3680Bへの高周波の入力は停止されているとともに、同第2検知センサ3350BからはLOWレベル信号が出力されている。
同td4のタイミングにて上記ノイズ(高周波)が発生すると、同ノイズは検知コイル3364A,3364B等を通じて主回路3650A,3650Bに混入することとなる。第1検知センサ3350Aの処理回路に入力されている信号には高周波が存在しているため、ノイズが混入したとしてもそれによって同第1検知センサ3350Aから出力される信号が変化することはない。一方、第2検知センサ3350Bの処理回路に入力されている信号には高周波が存在していない。このため、ノイズが混入することにより第2検知センサ3350Bから出力される信号がLOWレベルからHIレベルに切り替ることとなる。
その後、上記タイマ割込み処理(詳しくは信号読み込み処理)により第2検知センサ3350Bからの検知信号がLOWレベル→HIレベル→HIレベルであることがtd5のタイミングにて確認されると、遊技球が検知領域DE2を通過していないにも関わらず作動口3083において入賞が発生したと判定される。これにより、チェックカウンタCCの値が「1」減算され、「101」から「100」にカウントダウンされる。
その後、ノイズが消失することにより、第2検知センサ3350Bから出力される検知信号はLOWレベルに復帰する。これにより、第2検知カウンタDC2の値が「0」に更新され、次のHIレベル信号の入力待ちの状態となる。
続くtd6のタイミングにおいてはtd4のタイミングと同様にノイズが混入し、その後td7のタイミングにて、入賞が発生していないにも関わらずあたかも入賞が発生したかのように誤判定がなされる。これにより、チェックカウンタCCの値が「1」減算され、「100」から「99」にカウントダウンされる。但し、第2検知センサ3350Bからの検知信号は、遊技球の払い出し等の特典付与には利用されていないため、td5のタイミング及びtd7のタイミングにおける誤判定によってホール側に不利益が生じることはない。
検知領域DE1を通過した遊技球は、上記縦通路3315を流下し、続くtd8のタイミングにて第2検知センサ3350Bの検知領域DE2に到達する。これにより、第2検知センサ3350Bにおける検知回路3670から処理回路3680への高周波の出力が開始され、同第2検知センサ3350Bから出力される検知信号がLOWレベルからHIレベルに切り替る。
その後、上記タイマ割込み処理(詳しくは信号読み込み処理)により第2検知センサ3350Bから出力されている検知信号がLOWレベル→HIレベル→HIレベルであることがtd9のタイミングにて確認され、遊技球が検知領域DE2通過した、すなわち作動口3083において入賞が発生したと判定される。これにより、チェックカウンタCCの値が「1」減算され、「99」から「98」にカウントダウンされる。
このように判定処理が行われている最中、すなわち第2検知センサ3350Bの処理回路3680Bに高周波が入力されている最中においてもノイズが発生しているが、同ノイズが混入したとしても第2検知センサ3350Bから出力される信号に変化が生じることは無い。つまり、第2検知センサ3350Bにおいては高周波が処理回路3680Bに入力されることにより、検知領域DE2での遊技球の通過を示すHIレベル信号が出力される構成であるため、高周波に対して更にノイズが加わったとしてもHIレベル信号がLOWレベル信号に切り替ることはなく、ノイズの影響が回避される。
td9のタイミングにて入賞が発生したと判定された後、td10のタイミングにおいては、遊技球が検知領域DE2を通過し終え、処理回路3680への高周波の出力が停止する。これにより、第2検知センサ3350Bから出力される検知信号がHIレベルからLOWレベルに切り替ることとなる。
続くtd11のタイミングにてノイズが発生すると、同ノイズは検知コイル3364A,3364B等を通じて主回路3650A,3650Bに混入することとなる。第1検知センサ3350Aの処理回路に入力されている信号には高周波が存在しているため、ノイズが混入したとしてもそれによって同第1検知センサ3350Aから出力される信号が変化することはない。一方、第2検知センサ3350Bの処理回路に入力されている信号には高周波が存在していない。このため、ノイズが混入することにより第2検知センサ3350Bから出力される信号がLOWレベルからHIレベルに切り替ることとなる。
その後、上記タイマ割込み処理(詳しくは信号読み込み処理)にて、第2検知センサ3350Bからの検知信号がLOWレベル→HIレベル→HIレベルであることがtd12のタイミングにて確認されると、遊技球が検知領域DE2を通過していないにも関わらず作動口3083において入賞が発生したと判定される。これにより、チェックカウンタCCの値が「1」減算され、「98」から「97」にカウントダウンされる。
その後、ノイズが消失することにより、第2検知センサ3350Bから出力される検知信号はLOWレベルに復帰する。これにより、第2検知カウンタDC2の値が「0」に更新され、次のHIレベル信号の入力待ちの状態となる。
続くtd13のタイミングにおいてはtd11のタイミングと同様にノイズが混入し、その後td14のタイミングにて、入賞が発生していないにも関わらずあたかも入賞が発生したかのように誤判定がなされる。これにより、チェックカウンタCCの値が「1」減算され、「97」から「96」にカウントダウンされる。この際、同タイマ割込み処理にてチェックカウンタCCの値が正常値の範囲を外れていると判定されることにより、エラー報知が指示されるとともに、チェックカウンタCCの値が再度更新される(詳しくは「96」までカウントダウンされたチェックカウンタCCは、初期値「100」にリセセットされる)。これにより、検知信号に異常が発生している旨が、エラー表示ランプ部によって報知されるとともに、外部端子板3213を通じてホールコンピュータに報知されることとなり、更には、チェックカウンタCCが初期値に復帰することにより、次の異常発生の判定準備が整うこととなる。
以上詳述した第4の実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
遊技球が作動口3083,3084に流入すると第1検知センサ3350A及び第2検知センサ3350Bから個々に検知信号が出力され、それら検知信号に基づいて入賞判定が行われる。第1検知センサ3350Aから出力される検知信号に基づいて入賞したと判定された遊技球の数と、第2検知センサ3350Bから出力された検知信号に基づいて入賞したと判定された遊技球の数とを比較して異常判定を行うことにより、入賞検知精度を向上させることができる。故に、誤検知による不利益の発生を抑制し、遊技機の信頼性向上に貢献することができる。
また、検知センサ3350A,3350Bから出力される信号に混入するノイズは、偶発的な要因によるものばかりでなく、不正行為者によって意図的に混入される可能性がある。例えば、パチンコ機10の前方から検知センサ3350に対して検知センサ3350A,3350Bの発振回路3660A,3660Bにて生成される高周波と同様の高周波が射出されることにより、意図的にノイズが混入され得る。この点、本実施の形態においては、このような不正行為に対する防犯機能を好適に高めることが可能である。
上記実施の形態においては特に、各検知センサ3350A,3350Bにおける検知方式が異なっているため、外的要因(例えばノイズ,汚れ,振動)等に対して一方の検知手段が過剰に反応するような場合であっても、同要因に対する他方の検知手段の過剰な反応を抑えることが可能となっている。具体的には、遊技球非検知時においては、第1検知センサ3350Aの処理回路3680Aに入力される高周波の振幅が閾値よりも大きく設定されているとともに、第2検知センサ3350Bの処理回路3680Bに入力される高周波の振幅が遊技球非検知時には閾値よりも小さく設定されている。このため、遊技球非検知時にノイズが混入すると、第1検知センサ3350Aにおいては、高周波にノイズが紛れ込み同第1検知センサ3350Aから出力される検知信号に特段の変化は生じない。一方で、第2検知センサ3350Bにおいては、ノイズによって同第2検知センサ3350Bから出力される検知信号が変化する(詳しくは一時的にLOWレベルからHIレベルに切り替る)。このように、検知信号への影響に違いが生じるため、各検知信号での入賞判定の結果には差が生じ得ることとなる。そして、エラー判定によってその差が正常値の範囲内か否かを見極めることにより、ノイズの混入事実を把握することが可能となる。故に、上記検知精度の向上効果を一層好適なものとすることができる。
遊技者に対する特典付与用の第1検知センサ3350Aにおいては、遊技球検知時に高周波の振幅が小さくなることで遊技球の通過を検知する構成としている。遊技球が作動口3083,3084に流入していない場合に、上記不正な高周波を出力したとしても、高周波の振幅を減少させることは困難であるため、不正行為者は、遊技球が作動口3083,3084に流入したタイミングを見計らって上記不正な高周波を射出すると想定される。そこで、本実施の形態においては、遊技球検知時においてノイズの混入が発生した場合であっても、各検知信号への影響に差違が生じる工夫がなされている。具体的には、第1検知センサ3350Aから出力される検知信号においてはノイズの混入により複数に分化されるのに対して、第2検知センサ3350Bから出力される検知信号においてはノイズそのものが遊技球の通過を示す信号であるかのように変換される。つまり、ノイズが混入することで生じる擬似的な検知信号には差が生じることとなる。
特に、検知信号がLOWレベル→HIレベル→HIレベルであることにより入賞があったと判定される。LOWレベルは1度確認されればよいのに対して、HIレベルは2度確認される必要が生じる。仮に効率よく不正行為を行うとすれば、作動口3083,3084への入球に合わせて複数のノイズを混入させることが好ましく、更には、上記分化される信号の数を最大とするには、個々のノイズの出力期間を極力短くすることが好ましい。ここで、ノイズの出力期間が極端に短くなると、第2検知センサ3350Bから出力される検知信号にノイズを示すHIレベル部分が現れるものの、同HIレベル信号によって入賞判定がなされることが回避される。つまり、ノイズの出力期間が入賞判定実行の満たないレベルまで小さくなることで、第1検知センサ3350Aにおける入賞判定数と、第2検知センサ3350Bにおける入賞判定数と差が大きくなる。これにより、上述したような効率的な不正行為を困難なものとし、不正行為の抑制効果を高めることができる。
第1検知センサ3350Aと第2検知センサ3350Bは共に高周波発振式の近接センサであり、検知コイル3364A,3364Bに生じる磁界を遊技球が通過することで、同遊技球を検知する構成とした。このように、磁界の変化を利用する構成においては、各検知センサ3350A,3350Bに生じる磁界が互いに干渉すると検知時の安定性が低下し得る。そこで、両検知センサ3350A,3350Bを通路に沿って並べて配置することで、上記干渉を抑制している。
複数の検知センサを併用することで検知精度の向上を図った場合、それに起因して特典付与時の応答性が低下する(特典付与の待ち時間が長くなる)ことは好ましくない。この点、上流側に位置する第1検知センサ3350Aを特典付与用として活用し、下流側に位置する第2検知センサ3350Bをエラーチェック用に特化して活用することで、そのような応答性の低下を好適に回避している。
また、既に説明したように、各検知センサ3350A,3350Bにおいては検知方式を相違させているため、両者を近づけて配置することによる防犯機能の低下を好適に抑制することができる。具体的には、不正行為者が意図的にノイズを混入させようとした場合、ガラスパネル23の前方に高周波発振装置を配置し、同高周波発振装置から検知コイル3364A,3364Bに向けて高周波を発振させるといった行為が想定される。2つの検知センサを離して配置する構成においては、両検知センサにおける検知信号の出力タイミングがずれることとなる。つまり、エラー判定を行う場合には、このような検知タイミングのずれを考慮する必要が生じる。このようなずれを利用して、入賞判定数のずれの帳尻を合わせるといった行為がなされると、エラー検知機能が十分に機能しなくなると想定される。各検知センサを近づけて配置することで不正な高周波をまとめて照射しやすくなるとことから、このような不都合が生じやすくなると考えられる。
この点、2つの検知センサの検知方式を異なるものとし、第1検知センサ3350Aにおいては遊技球検知時以外にてノイズの影響をうけにくくするとともに、第2検知センサ3350Bにおいては第1検知センサ3350Aにおける遊技球検知時及びのそ前後にてノイズの影響を受けやすくしておくことで上述した入賞判定数の帳尻合わせを困難なものとすることができる。これにより、両検知センサを近づけて配置することを好適に許容することができ、センサの配置自由度向上に貢献することができる。
<その他の実施の形態>
なお、上述した各実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。因みに、以下の別形態の構成を、上記各実施の形態における構成に対して、個別に適用してもよく、相互に組み合わせて適用してもよい。
(a1)上記第1の実施の形態では、遊技球が入賞したと判定されたタイミングから18msec、具体的には遊技球が検知領域DEを通過することによりHIレベル信号が出力される期間(詳しくは20msec)から遊技球の入賞判定に要する期間(2msec)を減算した期間が経過するまでの間は、次の遊技球の入賞判定処理がキャンセルされる構成としたが、これに限定されるものではない。検知領域を遊技球が通過することにより検知信号がHIレベルで維持される期間中の判定結果が遊技の進行に影響をもたらすことを回避できるのであれば、その回避手法は任意である。
例えば、上述したようにHIレベルの信号が出力される期間中も引き続き遊技球の入賞判定を行う構成とし、仮にその期間中に次の遊技球が入賞したと判定された場合には、その判定結果を無効化する構成、すなわち同判定結果に基づいた遊技球の払い出しや大当たりの抽選を不可とする構成としてもよい。
また、上記第1の実施の形態及び第2の実施の形態におけるタイマカウンタTCや判定タイマカウンタJTCによって計測する期間(詳しくは18msec)と検知信号の出力期間(詳しくは20msec)とは必ずしも相違させる必要はない。例えば検知信号のHIレベルへの立ち上がりによって遊技球の入賞が発生したと判定する構成においては、HIレベル信号の立ち上がりから判定が完了するまでのタイムラグを減縮することができる。この場合、タイマカウンタTCによってカウントする期間を20msecとするとよい。
更には、タイマカウンタTCや判定タイマカウンタJTCが「0」となるタイミングと、検知信号がLOWレベルに立ち下がるタイミングと、は必ずしも一致させる必要はない。例えば、タイマカウンタTCや判定タイマカウンタJTCが「0」となるタイミングを検知信号がLOWレベルに立ち下がるタイミングよりも遅れる構成としてもよい。但し、このような構成を採用する場合には、遊技球を連続して検知する際に、先行する遊技球に対応したタイマカウンタTCや判定タイマカウンタJTCによる判定規制が、後続の遊技球の判定に影響をおよぼすことは好ましくない。故に、先行する遊技球の通過を示す検知信号と後続する遊技球の通過を示す検知信号との間にて、タイマカウンタTCや判定タイマカウンタJTCの値が「0」となるようにタイマカウンタTCや判定タイマカウンタJTCによって計測する期間を設定するとよい。
なお、上記第1の実施の形態及び第2の実施の形態においては「期間計測手段」としてタイマカウンタTCや判定タイマカウンタJTCを設け、それらタイマカウンタTCや判定タイマカウンタJTCを減算することによって規制期間を計測する構成としたが、これを変更し、タイマカウンタTCや判定タイマカウンタJTCが所定の値となるまで加算することにより上記計測を行う構成とすることも可能である。
(a2)上記第1の実施の形態では、「遊技媒体」としての遊技球が作動口83,84に流入した場合に検知センサ350から出力される検知信号に基づいて入賞の判定を行う構成とした。つまり、「検知手段」としての検知センサ350や「通過判定手段」としての信号読み込み処理(詳しくはS201〜S210の各処理)を「入球部」としての作動口83,84に適用したが、これに限定されるものではない。同第1の実施の形態に示した検知精度向上に関する技術的思想を入賞判定以外に適用することも可能である。
例えば、スロットマシン等においては所定数の遊技媒体(メダル)を投入することにより、大当たり等の抽選が可能となるが、この遊技媒体を「検知手段」によって検知するとともに、その検知情報を「判定手段」によって判定することで投入の可否を判定する構成とすることも可能である。これにより、ノイズ等の影響により遊技媒体を投入していないにも関わらずあたかも遊技媒体が投入されたかのような判定がなされることを回避することが可能となる。
(a3)上記第1の実施の形態に示した検知精度向上に関する技術的思想を作動口83,84入賞判定以外に適用することも可能である。すなわち、「入球部」として一般入賞口81や可変入賞装置82等を採用することも可能である。
例えば一般入賞口81を通過した遊技球が一般入賞口81用の検知センサ(詳しくは検知領域)を通過する際に、その通過速度が規定値となるように調整する「期間調整手段」を設けるとともに、その通過期間と同じ長さの時間内にて、複数の遊技球が検知されることを規制するとよい。
特に、可変入賞装置82(大入賞口)のように、入賞可能な遊技球の数に上限が定められており、その上限に達することでそれ以上の遊技球の入賞が困難となるように制限されている構成においては、同可変入賞装置82が閉鎖状態に切り替る間際、すなわち上限に達する最後の遊技球が入賞したタイミングにて、検知信号を不正に改ざんするといった行為が行われると想定される。このような構成においては、上記入賞検知に関する構成を適用し、入賞の監視を行うことで実用上好ましい構成を実現できる。
例えば、各ラウンド間にて可変入賞装置82が閉鎖されている期間にて、エラー判定を行い、その結果、エラーが発生していると判定された場合には、次回の可変入賞装置82の開放処理を不可とすればよい。
(a4)上作動口83用の検知センサ350及び上側回収通路部311と、下作動口84用の検知センサ350及び下側回収通路部321とを共用してもよい。つまり、上作動口83及び下作動口84に流入した遊技球が通過する共用通路を設け、その共用通路に検知センサを配設してもよい。
但し、第1の実施の形態に示した技術的特徴の一つである「通過速度,通過期間」の一定化を考慮すると、複数のルートから遊技球が合流する構成を採用した場合、遊技球の合流の態様によってそれら遊技球の流下速度がばらつきやすくなると想定される。このようなばらつきは、通路の合流部分から「遊技媒体検知位置」としての検知領域までの通路長を長く設定し、その間に「壁部」に相当する構成を配することによって低減可能である。しかしながら、このような対策を講じた場合、「入球部」の入口から「遊技媒体検知位置」までの距離が嵩み、検知時の応答性が低下すると懸念される。故に、好ましくは、上記第1の実施の形態に示したように1の「入球部」に対して1の「案内通路」及び1の「検知手段」を設けるとよい。
(a5)上記第1の実施の形態では、遊技球の入賞が発生したと判定されたタイミングを起算点としてタイマカウンタTCによる期間(詳しくは18msec)の計測を行う構成とした。言い換えれば、複数の遊技球の入賞判定を規制する「規制期間」を遊技球の入賞タイミングに関連付けて設定する構成とした。これを以下のように変更することも可能である。規制期間の計測が遊技球の入賞判定タイミングとは無関係に、定期的に行われる構成としてもよい。
例えば、上記第1の実施の形態に示すように、遊技球が検知領域DEを通過することにより20msecの間、入賞を示す検知信号(詳しくはHIレベル信号)が出力される構成においては、ループカウンタ等を用いることにより20msecを1つの区間として繰り返し上記期間を計測する構成とし、各区間毎に1の遊技球の入賞が発生したとする判定結果を許容するとともに、1の区間中に他の入賞が発生したとする判定がなされた場合にはその結果を無効とする構成を採用することも可能である。
但し、このような変更を行った場合、遊技球の入賞を示す検知信号(詳しくはHIレベル信号)が、複数の区間に跨るようにして出力され、更にその信号がノイズ等により区間毎に分化されると、各区間にて個々に入賞が発生したと誤認され得る。故に、検知精度の向上及び防犯性向上の観点から、遊技球が入賞したと判定されたタイミングを起算点として期間の計測を開始することが好ましい。
(a6)上記第1の実施の形態では、定期的に行われる信号読み込み処理にて検知センサ350から入力された信号がLOWレベル→HIレベル→HIレベルと認識されることにより、遊技球の入賞が発生したと判定する構成としたが、この判定条件は任意である。例えば、LOWレベル→HIレベル→HIレベル→HIレベルと認識されることにより遊技球の入賞が発生したと判定する構成としてもよいし、LOWレベル→HIレベルと認識されることにより、遊技球の入賞が発生したと判定する構成としてもよい。
(a7)上記第1の実施の形態では、「下流側通路部」としての縦通路315,322を鉛直方向に延びるように形成したが、これに限定されるものではない。「下流側通路部」を水平面に対して斜めに傾くように形成することも可能である。つまり、「下流側通路部」を通過する遊技球を垂直に落下させるのではなく、「下流側通路部」の傾斜方向に移動させることも可能である。但し、このような変更を行った場合には、遊技盤80の位置精度やパチンコ機10の設置ばらつき等の影響により、「遊技媒体検知位置」としての検知領域DEを通過する遊技球の通過速度と、タイマカウンタTCによって計測される「規制期間」との間にずれが生じやすくなる。故に、望ましくは「下流側通路部」を鉛直方向に延びる構成とし、同「下流側通路部」を通過する遊技球を垂直に落下させるとよい。
(a8)上記第1の実施の形態では、「規制期間」中のエラー判定回数が3回となった場合に報知を行う構成とした。より詳しくは、「規制期間」中にノイズが混入されることにより擬似的に遊技球の入賞と同様の信号が生成され得る数において、予め想定される最大数(同第1の実施の形態においては2回)よりも多く設定したが、報知を行うためのエラー判定回数の設定数は任意である。例えば、同設定数を上記最大数と同等としてもよい。
不正行為者によって不正にノイズが混入される場合、通過期間中に1のノイズのみを載せるのは困難になると想定される。つまり、通過期間中は少なくともその間中ノイズの混入が継続されると想定される。そこで、「規制期間,出力期間」を長く設定し、その期間中に混入する数を多くするように工夫することで、偶発的なノイズと意図的なノイズ(不正に混入されたノイズ)とを容易に区別することが可能となり、防犯機能の強化に貢献できる。
(a9)上記第1の実施の形態及び第2の実施の形態では、信号判定処理におけるエラー(ノイズ)判定の判定条件を、通常の入賞判定の判定条件と同一とした。すなわち、検知センサ350から入力される信号がLOWレベル→HIレベル→HIレベルと認識することにより、エラーが発生していると判定する構成とした。このエラー判定の判定条件は任意であり、必ずしも入賞判定の判定条件と同一にする必要はない。但し、両判定条件を同一とすれば、無害なノイズと、有害なノイズとを区別することが可能となり、防犯性の向上が期待できる点で優れている。故に、望ましくは両判定条件を統一するとよい。
(a10)上記第1の実施の形態では、「案内通路」を構成する下側誘導通路部272及び下側回収通路部321の通路形状を工夫することにより検知領域DEを通過する遊技球の通過速度が一定となるように調整する構成とした。つまり、下側誘導通路部272及び下側回収通路部321に「期間調整手段」としての機能を付与する構成とした。これを変更し、「期間調整手段」を下側誘導通路部272及び下側回収通路部321とは別に設けることも可能である。以下、図65に基づきその具体例について説明する。図65は、期間調整手段の変形例を示す概略図である。
図65に示すように、上側回収通路部801の途中位置(詳しくは検知センサ350よりも上流側となる位置)には球送り機構810が設けられている。球送り機構810には誘導通路275から流出した遊技球を所定の速度で検知センサ350側へ送る機能が付与されている。
具体的には、球送り機構810は、回転体811と、同回転体811を駆動する駆動部としての駆動モータとを有している。詳しくは、回転体811は略円板状をなしており、その中心が駆動モータの出力軸に固定されている。
駆動モータは、ステッピングモータにより構成されており、電源・発射制御装置243から供給される電力によって、常時一定の速度で回転する。このように駆動モータが駆動することで、回転体811はその所定方向に一定速度で回転する。
回転体811の周縁には、複数個所(本変形例においては180°間隔で2箇所)に、凹部812が形成されている。これら凹部812に入り込んだ遊技球のみが下流側へ案内される。
つまり、遊技球の移動速度が回転体811よりも上流側にてどのようにばらついたとしても、同回転体811を介して検知センサ830側へ移動することにより、その移動速度が一定となるように調整される。これにより、検知センサ830の検知領域DE3を通過する際の通過速度のばらつきが抑えられることとなる。
このような球送り手段を有する構成を採用した場合には、併せて以下の構成を採用することにより、更なる検知精度の向上及び防犯性の向上が期待できる。上記変形例においては球送り速度を駆動モータの回転速度によって調整し、検知センサから検知信号(HIレベル信号)が出力される期間を定期的に又は不定期的に変化させることが可能である。このような期間の変化に応じてタイマカウンタに入力される値を変化させるとよい。例えば、駆動モータへ印加する電圧をHI,LOWで切り替え可能とするとともに、同電圧がHIレベルである場合には検知信号の出力期間を20msec、LOWレベルである場合には検知信号の出力期間を30msecとなるように設定する。そして、出力期間が20msec(すなわち印加電圧=HIレベル)である場合にはタイマカウンタTCに「9」をセットするとともに、30msec(すなわち印加電圧=LOWレベル)が選択された場合にはタイマカウンタTCに「14」をセットする構成とする。このように、出力期間及びカウント期間を切り替える構成とすることにより、検知信号の出力期間の把握を難しくすることができる。
更には、出力期間の切り替え条件を、ノイズの検知に関連付けることも可能である。例えば、ノイズの混入が確認されていない通常状態では出力期間を20msecとなるように設定するとともに、ノイズの混入が確認された場合には出力期間を20msecから30msecに切り替えるように設定する。これにより、ノイズの混入を好適に把握することが可能となる。また、検知時の応答性を考慮した場合には球送り速度が速いほうが好ましいと想定される。故に、上述の如くノイズを検知した場合に一時的に出力期間を延長する構成とすることで、ノイズの検知機能を強化しつつ遊技進行の円滑さを妨げにくくすることが可能となり、実用上好ましい構成を実現できる。
(a11)上記第1の実施の形態では、誘導通路275及び縦通路322によって「案内通路」を構成し、それら誘導通路275及び縦通路322がクランク状となるようにして連なる構成とすることにより、遊技球の流下の勢いを弱める構成としたがこれに限定されるものではない。以下、案内通路の変形例について図66(a)を参照して説明する。
図66(a)に示すように、案内通路850は、入賞口に通じる減速通路部861と、その減速通路部861の下流側に接続され、検知センサ880が配設された球検知通路部852とを有している。
減速通路部861は、遊技球が移動することによって生じる遠心力を利用して、遊技球が通過する際に遊技球と通路内壁とで摩擦力を発生させ、それにより遊技球の速度を低下させるための通路形成部である。具体的には、減速通路部861は、円弧状に延びるように形成され、遊技球は減速通路部内を通路内壁に接触したまま通過するため効果的に減速できるようになっている。通路内壁面を高摩擦部とすることで減速効果を更に高めることも可能である。例えば、通路内壁の側方部のみを高摩擦部とし、通路内壁の底部を高摩擦部としていない構成では、球詰まりの発生を好適に抑制することが可能となる。
特に、遠心力によって通路壁面部における遊技球の通過位置を相違させることが可能となる。言い換えれば、減速通路部861に流入した際の遊技球の初速ばらつきによって通路壁面部における通過位置が変化することとなる。故に通路壁面部の摩擦レベルを、初速が高い遊技球が通過する部位では高く、初速が低い遊技球が通過する部位では低くなるように設定することが好ましい。これにより、遊技球の速度に応じて減速の度合いを変えることができ、遊技球が減速通路部861から球検知通路部852へ移るまでに上述した初速ばらつきを抑えることが可能となる。
以下、案内通路850についてより具体的に説明する。案内通路850は、通路断面が円形状をなすように形成されているとともに、その内径寸法が遊技球の直径寸法よりも僅かに大きくなるように設定されている。つまり、案内通路850は、同案内通路850における同一箇所を遊技球が1つずつ通過するように構成されている。
減速通路部861は、鉛直方向に延びる縦通路部862と、水平面に沿って延びる横通路部863と、それら縦通路部862及び横通路部863を滑らかに繋ぐ連結通路部864とを有してなる。横通路部863及び連結通路部864は、緩やかに湾曲しており、縦通路部862の通路方向から見て円弧状をなすように形成されている。なお、それら横通路部863及び連結通路部864の曲率は、下流側にて小さくなるように形成されていることが望ましい。また、減速通路部861の円弧部分(すなわち横通路部863及び連結通路部864)の半円状の長さで形成されているが、1周分又は2周分以上の長さで形成することも可能である、円弧部分が長いほど高い減速効果を期待できる。
案内通路850に流入した遊技球は、縦通路部862から連結通路部864に移る際に、同連結通路部864の内壁面のうち湾曲方向外側となる部位に沿って移動することで、案内通路850内での暴れが抑制される。そして、連結通路部864から横通路部863に移る過程でも、案内通路850の内壁面に当接した状態で移動することで、流下経路のばらつきが抑えられる。特に連結通路部864及び横通路部863は、縦通路部862よりも高低差が小さく抑えられているため、それら連結通路部864及び横通路部863を通過することにより上下方向の移動成分がほぼ0となるように制限される。また、連結通路部864及び横通路部863は下流側へ向けて曲率が徐々に小さくなっているため、下流側通路部871への入口部分に到るまでに、水平方向の移動成分も低減されやすくなっている。
上記第1の実施の形態に示した下側誘導通路部272においては、遊技球の自重に依存して、同遊技球を下側誘導通路部272のガイドリブ273からの浮き上がりを抑制する構成としたが、本変形例においては、遊技球の勢いを利用して、浮き上がりを抑えることができるため、下流側通路部871へ遊技球が流入する際の上下位置のばらつきを好適に抑えることができる。これにより、下流側通路部871へ流入する際に、遊技球が下流側へ飛び込むことを抑制することができる。故に、下流側通路部871の途中位置に設けられた検知センサ880(詳しくは検知領域)を通過する際の通過速度のばらつきを好適に抑制することができる。
(a12)上記第1の実施の形態では、「案内通路」をクランク状となるように形成することにより、遊技球の流下速度を一定化する構成とした。つまり、「案内通路」の通路壁部に遊技球を衝突させることにより、流下の勢いを弱める構成とした。これを変更し、変形例(a11)に示した技術的思想と同様に、摩擦によって遊技球の勢いを弱め、検知領域を通過する遊技球の通過速度を一定化することも可能である。以下、図66(b)に基づきその具体例について説明する。図66(b)は、「案内通路」及び「期間調整手段」の変形例を示す概略図である。
図66(b)に示すように、案内通路900は上流側通路部911と下流側通路部921とに分断されている。下流側通路部921は鉛直方向に延びており、その入口部分には、当該下流側通路部921の放射方向に拡がる球受け部923が形成されている。球受け部923は、上方に開口するお椀状をなしており、その中央部分に下流側通路部921への入口部分が形成されている。
上流側通路部911は斜めに傾けて形成されており、その出口部分が球受け部923の端部上方に位置している。このため、上流側通路部911から流出した遊技球は、球受け部923の周方向に向けて移動しながら、徐々に入口部分922に向けて近づくこととなる。球受け部923上を転動する遊技球は、その勢いが十分に弱められた後、入口部分922に流入し、下流側通路部921の途中位置に設けられた検知センサ930(詳しくは検知領域)を通過することとなる。上述の如く、流下の勢いが十分に弱められた後、入口部分に流入することにより、検知領域を通過する際の通過速度のばらつきを好適に抑えることができる。
なお、以上詳述した(a10)〜(a12)の変形例を第2の実施の形態に適用することも可能である。
(a13)上記第1の実施の形態及び第2の実施の形態では、球衝突面325,1332に遊技球が衝突することにより、検知センサ350,1350側への移動速度を低減(詳しくはほぼ0)とする構成を採用した。この球衝突面325,1332にシリコンパッド等の緩衝部材を取り付けることも可能である。また、必ずしも球衝突面325を有する必要はなく、同球衝突面325,1332が形成されている部位に緩衝部材を配設してもよい。通路に沿って流下した遊技球が緩衝部材に衝突することにより、その勢いを弱めることができ、実用上好ましい構成を実現できる。なお、緩衝部材としては、低反発性の材料を用いることで、遊技球の跳ね返りを抑えることが好ましい。
(a14)タイマカウンタTCや判定タイマカウンタJTCにセットされる値(詳しくは「9」)を固定値とするのではなく、変更可能としてもよい。検知センサ350,1350から出力される検知信号、詳しくはHIレベル信号の出力期間に応じてタイマカウンタTCにセットされる値を調整することにより、更なる検知精度の向上が期待できる。
具体的には、検知センサ350,1350から出力される遊技球検知の信号(HIレベル信号)の出力期間の長さの実測値が、出力期間の長さの初期設定値、又は現状把握されている出力期間の長さ(現状把握値)に対して差がある場合、その差分に相当する変更幅にて規制期間の長さを変更する。この場合、出力期間の長さ実測値が初期設定値又は現状把握値よりも長ければ、その相当分だけ規制期間を長くする。
より詳細には、遊技球の入賞が発生したと判定された場合に、その判定タイミングから検知信号がLOWレベルに立ち下がるまでの期間を計測する計測手段(タイマカウンタ等)を設けるとともに、同計測結果を記憶する記憶手段を設け、記憶手段に記憶された上記期間を新しい順に複数選択するとともに、それら測定された期間を平均することで算出された値に基づいてタイマカウンタTCや判定タイマカウンタJTCにセットされる値を決定する構成とするとよい。
また、前回の平均値の算出で算出された値を基に閾値を設定し、上記選択時にその閾値から大きく外れているものを除外して平均値を算出する構成(平滑化処理等)を採用すれば、ノイズの混入等が発生した場合であっても、そのノイズの影響により平均値の信頼性が低下することを回避することが可能となる。なお、上述した計算手法は平均に限定されるものではなく任意である。
(a15)上記第1の実施の形態及び第2の実施の形態では、「検知手段」としての検知センサ350,1350からの検知情報を主制御装置162,1162に入力し、「通過判定手段」を構成する信号読み込み処理や信号判定処理を主制御装置162,1162のMPU611,1611にて実行する構成としたが、これを以下のように変更することも可能である。すなわち、検知センサ350,1350からの検知情報を払出制御装置242,1242等の他の制御装置に入力し、同制御装置にて上記信号読み込み処理や信号判定処理を実行する構成とすることも可能である。更には、信号入力処理と信号判定処理を同一の制御装置にて実行する必要は必ずしもなく、両処理を別々の制御装置で実行することも可能である。
(a16)上記第1の実施の形態では、「報知手段」としてエラー表示ランプ部27、スピーカ部29及びホールコンピュータにエラー情報を伝達する機能を有する構成とし、エラーが発生した際の把握を容易化したが、これに限定されるものではない。例えば、パチンコ機10において行われるエラー表示ランプ部27やスピーカ部29を用いた報知を行わない構成とし、エラー発生時にはその情報をホールコンピュータにのみ伝達する構成とすることも可能である。
更には、エラーの発生頻度が大きくなった場合に遊技進行を中断させるロック手段を設け、状態復帰スイッチ245等の操作に基づいて同ロック手段によるロック状態が解除されることにより遊技が再開される構成とすることも可能である。
(a17)上記第1の実施の形態及び第2の実施の形態では、「検知手段」として高周波発振式の磁気センサを採用したが、これに限定されるものではない。例えば、フォトセンサ等の光学式の近接センサを採用してもよいし、プッシュセンサ等の接触式のセンサを採用してもよい。
(a18)上記第1の実施の形態では、「検知手段」としての検知センサ350(詳しくは筒状部362a)によって「案内通路」を構成する縦通路315,322の一部を区画形成する構成としたが、これに限定されるものではない。すなわち、検知センサによって案内通路の一部を区画形成する必要はない。第1の実施の形態においては特に、検知センサ350が磁気センサであるため、案内通路の通路壁を隔てた外側に検知センサを配置することも可能である。
(a19)エラーカウンタECを省略するとともに、検知信号へのノイズが混入していると判定された場合にエラー検知フラグをセットする構成とすることも可能である。
(a20)上記第1の実施の形態及び第1の実施の形態では、遊技球の通過が検知された場合に検知センサからHIレベル信号が出力される構成としたが、遊技球の通過が検知された場合にLOWレベル信号が出力される構成としてもよい。
(b1)上記第2の実施の形態では、「入球部」としての大入賞口1261に入賞したと判定された遊技球の数が特定の数(詳しくは7個)に達した場合に、「異常監視手段」を構成する信号判定準備処理を実行する構成としたが、同信号判定準備処理の実行条件は遊技球の「数」に限定されるものではない。例えば「可変手段」としての開閉扉1270が開放されてから所定の「期間」が経過した場合に信号判定準備処理を実行する構成とすることも可能である。このように、「期間」を実行条件とする場合、その期間に起算タイミングに関しては任意であるが、好ましくは、上述の如く開閉扉1270の開放タイミングに合わせるとよい。
また、例えば開閉扉1270が開放されてから特定の数の遊技球が入賞するまでの期間を予め算出し、その算出された期間を上記実行条件とするとよい。但し、このような変更を行う場合には、以下の点を考慮することが望ましい。遊技領域PEを流下する遊技球は遊技球発射機構から発射される最小間隔(詳しくは0.6msec)が予め設定されているが、遊技領域PEには多数の釘等が設けられており各遊技球の流下経路が多様なものとなるため、遊技球が可変入賞装置1082(詳しくは大入賞口1261)に到達するタイミングについても多様なものとなり得る。このような多様性を許容しようとすれば、上述の如く遊技球の「数」によって実行条件を定める場合と比較して、「期間」を実行条件とした場合のほうが所望とする防犯効果を得るために必要となる監視期間を長く設定する必要が生じる。これは制御負荷の増大を招く要因となり得る。
故に、防犯性の担保と制御負荷の抑制との両立に鑑みれば、異常監視の実行条件として遊技球の「数」を用いることが好ましい。
(b2)上記第2の実施の形態では、大入賞口1261の閉鎖契機となる遊技球の入賞数(10個)から検知信号の出力期間中に入賞したと判定され得る遊技球の上限数(4個)を減算した数に1を加算した特定の数(7個)を信号判定準備処理(S1412)の実行条件としたが、これに限定されるものではない。例えば、大入賞口1261の閉鎖契機となる遊技球の入賞数(10個)から検知信号の出力期間中に入賞したと判定され得る遊技球の上限数(4個)を減算した数を信号判定準備処理(S1412)の実行条件としてもよい。
また、遊技球の払い出しを多く受けようとすれば、10個目の遊技球が不正の対象とすることが好ましいと想定される。そこで、このように被害が最も大きくなると想定される遊技球の入球タイミングに鑑みて、例えば入賞数が閉鎖契機となる「所定数」を信号判定準備処理(S1412)の実行条件とすることも可能である。
但し、この10個目の遊技球だけを不正の対象として狙うことは難しい可能性がある。そこで、不正行為の効率化を考慮して入賞数が上記所定数の半数を超えた後のタイミングから不正行為が実行される可能性がある。このような場合を念頭に置けば、入賞数が「所定数」の半数を超えた場合に、信号判定準備処理を実行に移す構成とすることも可能である。このような変更を行った場合であっても、大入賞口1261開放初期から信号判定準備処理を実行する構成と比較して、防犯性を担保しつつ制御負荷の増大を好適に抑制することが可能となる。
(b3)上記第2の実施の形態では、大入賞口1261への入賞数が所定数(10個)に達する途中にて信号判定準備処理が有効化される構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、信号判定準備処理を開閉扉1270の開放状態への切り替えタイミングに合わせて有効化し、同開閉扉1270の閉鎖状態への切り替えにタイミングに合わせて無効化してもよい。
遊技球発射機構から発射された遊技球の一部が大入賞口1261から外れた位置へと到達しアウト口を介して排出される点に着目すれば、これら外れ球は無駄な投資になる。この点を考慮すれば、大入賞口1261へ入賞した全ての遊技球を対象にして上述した検知信号の分化を行うことによっていち早く所定数の遊技球を入賞させることが可能となり、無駄な投資を減らすことが可能となる。言い換えれば、本来必要となる投資を抑えることにより、実質的に多くの遊技球を得ることが可能となる。ここで、上述した変更を行うことによりこのような不正行為を抑制することができる。
(b4)上記第2の実施の形態では、「検知手段」としての検知センサ1350から出力される検知信号に対して、ノイズ混入等による異常発生の監視をON/OFFで切り替える設定としたが、これに限定されるものではない。例えば監視レベルを段階的に切り替える設定とすることも可能である。異常発生の可能性が高くなる場合には、制御負荷の増大を許容して監視レベルを高めるとともに、異常発生の可能性が低くなる場合には監視レベルを下げることで制御負荷の増大を抑える構成とすることで防犯機能の担保と制御負荷の抑制とを好適に両立することができる。
例えば、上記各変形例と組み合わせることにより以下の構成とすればよい。入賞数が上記所定数の半数に満たない場合には監視を行わない設定とし、検知信号の出力期間中に入賞したと判定され得る遊技球の上限数(4個)を上記所定数(10個)から減算した数に1を加算した数(7個)に達した場合に監視レベルを「低」とし、入賞数が上記所定数に達した場合に監視レベルを「高」とするとよい。この際、監視レベル「低」における判定タイマカウンタの値を監視レベル「高」における判定タイマカウンタの値よりも小さくすることで、監視レベル「低」における制御負荷の低減が実現される。
(b5)上記第2の実施の形態では、入賞判定を行う際に使用する第1検知カウンタDC1と異常判定を行う際に使用する第2検知カウンタDC2とを併用する構成としたが、第2検知カウンタDC2を省略して、第1検知カウンタDC1による検知結果を異常監視(詳しくはエラー判定)に反映することも可能である。
(b6)上記第2の実施の形態では、「入球部」としての大入賞口1261に配設された検知センサ1350からの検知信号を監視する構成としたが、作動口1083等の他の入球部に設けられた検知センサからの検知信号を監視する構成とすることも可能である。但し、大入賞口1261については「可変手段」としての開閉扉1270によって入賞数が制限される構成であるため、不正等が行われやすいと想定される期間を推測することが可能であり、それに合わせて監視期間を監視することが可能であった。これに対して、作動口1083等においては、どのタイミングで不正が行われやすいかが不明確になりやすい。そこで、これら作動口1083においては、定期的に又は不定期に監視状態と非監視状態とを切り替える構成とするとよい。これにより少なくとも、常時監視状態を維持する構成と比較して、制御負荷の増大を抑制することができる。特に、監視状態と非監視状態とを不定期的に切り替える構成とし、その切り替えタイミングを把握しにくい構成とすることで、不正行為の抑制効果を好適に発揮させることができる。
また、上記第2の実施の形態では、「遊技媒体」としての遊技球が大入賞口1261に流入した場合に検知センサ1350から出力される検知信号に基づいて入賞の判定を行う構成とした。つまり、「検知手段」としての検知センサ1350と、「通過判定手段」としての信号読み込み処理と、「異常監視手段」としての信号判定準備処理等を「入球部」としての大入賞口1261に適用したが、これに限定されるものではない。同第2の実施の形態に示した検知信号の信頼性向上に関する技術的思想を入賞判定以外に適用することも可能である。
例えば、スロットマシン等においては所定数の遊技媒体(メダル)を投入することにより、大当たり等の抽選が可能となるが、この遊技媒体を「検知手段」によって検知するとともに、その検知信号を「判定手段」によって判定することで投入の可否を判定し、更には同検知信号の異常を「監視手段」によって監視する構成とすることも可能である。これにより、ノイズ等の影響により遊技媒体を投入していないにも関わらずあたかも遊技媒体が投入されたかのような判定がなされることを回避することが可能となる。特に、「監視手段」を監視状態と非監視状態とで切替可能とすることにより、信頼性向上に伴う制御負荷の増大を好適に抑制することができる。
(b7)上記第2の実施の形態では、開閉扉1270が閉鎖状態に切り替えられた後、2secが経過することで監視状態から非監視状態に切り替わる構成としたが、これに限定されるものではない。例えば開閉扉1270の閉鎖期間計測用の閉鎖タイマカウンタCTCが0となるタイミングで監視状態から非監視状態に切り替わる構成とすることも可能である。
(b8)上記第2の実施の形態では、エラー報知の閾値をノイズの混入による検知信号の分化時に誤検知が生じ得る最大値(詳しくは3回)に合わせて設定した。具体的には、第2検知カウンタDC2によって検知された誤検知の回数が3回に到達することによりエラー報知を行う構成とした。このエラー報知の閾値については任意であるが、偶発的なノイズの混入を許容しつつ、意図的なノイズの混入を積極的に看破する構成とするには、閾値の設定に関して上記第2の実施の形態に示した工夫を適用することが好ましい。
また、エラーカウンタECの値はエラー報知が実行されることで「0」にリセットされる構成としたが、これに限定されるものではない。例えば同エラーカウンタECの値が各ラウンド間でクリアされる構成とすることも可能である。
更には、ラウンド間にてエラー判定を実行する構成としたが、エラー判定の実行タイミングは任意である。例えば、エラーカウンタECが更新されたタイミングにてエラー判定を実行する構成とすることも可能である。
(b9)上記第2の実施の形態では、定期的に行われる信号読み込み処理にて検知センサ1350から入力された信号がLOWレベル→HIレベル→HIレベルと認識されることにより、遊技球の入賞が発生したと判定する構成としたが、この判定条件は任意である。
例えば、LOWレベル→HIレベルと認識されることにより遊技球の入賞が発生したと判定する構成としてもよいし、LOWレベル→HIレベル→HIレベル→HIレベルと認識されることにより遊技球の入賞が発生したと判定する構成としてもよい。但し、後者のように判定条件を厳しくする方向に変更した場合には、ノイズの混入機会を増やし、同ノイズの混入によって遊技球検知の信号が無効なものとなる可能性が高まると想定される。これは遊技者に不利益が生じる可能性を高める要因となり得るため好ましくない。一方、前者のように判定条件を緩くする方向に変更した場合には、ノイズ等を意図的に混入させる機会を増やし、ノイズの混入による不正効果を高める要因となり得るため好ましくない。そこで、第2の実施の形態に示すように、検知信号の異常判定機能を付与する構成とすれば、このような不都合の発生を抑制し、遊技者及び遊技ホールの双方に不利益が生じることを好適に抑制しつつ判定条件の自由度を向上することが可能となる。
(b10)上記第2の実施の形態では、大入賞口1261における入賞判定を、大当たり発生時にのみ行う構成としたが、大当たりが発生していない通常時においても同様に入賞判定を行う構成とすることも可能である。
(b11)上記第2の実施の形態では、各ラウンドにおいて開閉扉1270が閉鎖される条件を同一としたが、これを以下のように変更することも可能である。つまり、各ラウンドにおいて開閉扉1270を閉鎖する契機となる入賞数を相違させてもよい。但し、このような変更を行う場合には併せて以下の変更を行うことが望ましい。すなわち、各ラウンドの閉鎖条件(詳しくは入賞数)に対応させて信号判定準備処理の実行条件を変更することが望ましい。
(c1)上記第3の実施の形態では、「入球部」としての大入賞口2261に、「第1検知手段」としての第1検知センサ2350A、「第2検知手段」としての第2検知センサ2350B及びそれら検知センサ2350A,2350Bに付随する構成を適用し、各検知センサ2350A,2350Bの検知結果を比較することにより、入賞判定精度の向上を図った。「検知手段」を3つ以上設けることも可能である。この場合、各検知手段からの検知信号に基づく判定結果(例えば入賞したと判定された遊技球の数)を個別に記憶する記憶手段を採用し、それら各判定結果を比較する構成とすればよい。例えば、検知センサを3つ有する構成とした場合には、各検知センサからの出力信号に基づいて個別に判定結果を出し、それら判定結果のうち1つが他の2つと相違している場合に、ノイズが発生したと判定する構成とするとよい。
(c2)上記第3実施の形態では、「判定手段」の判定結果に基づいて、遊技球の入賞が発生したことを把握する構成としたが、これに限定されるものではない。同第3の実施の形態に示した検知精度向上に関する技術的思想を入賞判定以外に適用することも可能である。
例えば、スロットマシン等においては所定数の遊技媒体を投入することにより、大当たり等の抽選が可能となるが、この遊技媒体を「検知手段」によって検知するとともに、その検知情報を「判定手段」によって判定することで投入の可否を判定する構成とすることも可能である。これにより、ノイズ等の影響により遊技媒体を投入していないにも関わらずあたかも遊技媒体が投入されたかのような判定がなされることを回避することが可能となる。
(c3)上記第3の実施の形態に示した検知精度向上に関する技術的思想を作動口2083,2084や一般入賞口2081等に適用することも可能である。すなわち、「入球部」として一般入賞口2081や作動口2083,2084等を採用することも可能である。更には、「入球部」は必ずしも遊技球を遊技領域PEから離脱させるものである必要はなく、スルーゲートのように、入球した遊技球が遊技領域PEから離脱しない構成を含む。このような変更を行った場合、エラー判定を行うタイミングは任意であり、例えば、何れか一方の検知センサの検知信号に基づいて入賞が発生したと判定されたタイミングにて、他方の検知センサの判定結果を参照することにより、エラー判定を行うことも可能である。
大入賞口2261においては開放期間と閉鎖期間とが設定されていたため、遊技球が「案内通路」としての下流通路2335内に滞留していないタイミング、つまり両検知センサ2350A,2350Bの検知領域DE1,DE2を通りすぎたタイミングにて、エラー判定を行うことが可能であった。しかしながら、作動口2083,2084等においては、常に遊技球が流入する可能性がある。このため、エラー判定を行うタイミングによっては、ノイズが発生していないにも関わらず、判定結果(入賞したと判定された遊技球の数)が相違し得る。故に、このような構成を採用する場合、併せて以下の変更を行うとよい。
すなわち、第1検知センサ2350Aの検知領域DE1から第2検知センサ2350Bの検知領域DE2までの通路に滞留可能な遊技球の数を閾値とし、両検知センサ2350A,2350Bにおける判定結果の差(入賞したと判定された遊技球の数の差)が、その閾値を超えた場合にエラーが生じたと判定する構成とするとよい。なお、このような構成を採用する場合、検知領域DE1と検知領域DE2との間に滞留可能な遊技球の数を減らすことにより、エラー判定の閾値を厳し目に設定することが可能である。また、エラー報知のパターンは1に限定されるものではない。例えば、閾値を2段階で設定し、1段階の閾値を超えた場合には、たくさんの遊技球が一気に流入している可能性を交流して、「GOOD JOB」等遊技者を称えるようなメッセージを表示させる構成とし、2段階面の閾値(すなわち上述した現実的な最大値)を超えた場合には「係員を呼んでください」等の不具合が生じていることを示唆するメッセージを表示させる構成としてもよい。
更には、判定結果を比較する場合には、必ずしも同じタイミングでの判定結果同士を比較対象とする必要はない。例えば、遊技球が検知領域DE1から検知領域DE2まで期間を一定化する一定化手段を設け、下流側に位置する検知領域DE2にて入賞が発生したと判定されたタイミングから上記一定化手段によって規定された期間を遡った検知領域DE1での過去の判定結果と、検知領域DE2における現在の判定結果を比較対象とすることも可能である。
(c4)上記第3の実施の形態では、第1検知センサ2350Aから出力される検知信号の出力期間が、第2検知センサ2350Bから出力される検知信号の出力期間よりも長くなる構成としたが、これを逆にすることも可能である。この場合、第1検知センサ2350A(詳しくは検知領域DE1)における遊技球の通過速度を速くすることができ、入賞判定の応答性向上が期待できる。
(c5)上記第3の実施の形態では、第1検知センサ2350Aからの検知信号に基づく入賞判定結果に応じて、遊技者に特典の付与(詳しくは遊技球の払い出し)を行う構成とし、第2検知センサ2350Bをエラー判定用のセンサとして活用したが、これに限定されるものではない。例えば、第2検知センサ2350Bからの検知信号に基づく入賞判定結果に応じて、遊技者に特典の付与を行う構成とし、第1検知センサ2350Aをエラー判定用のセンサとして活用することも可能である。また、両検知センサ2350A,2350Bの検知信号に基づいた入賞判定結果が一致した場合にのみ、上記特典の付与を行う構成とすることも可能である。
但し、これらの変形例を採用した場合には、遊技者が目視にて入賞を確認してから、特典が付与されるまでの待機期間が長くなると想定される。つまり、入賞時の応答性が低下すると懸念される。故に、好ましくは上流側に位置する第1検知センサ2350Aを特典付与用のセンサとし、下流側に位置する第2検知センサ2350Bをエラー検知用のセンサとするとよい。
(c6)上記第3の実施の形態では、第1検知センサ2350Aを第1縦通路2336に配設するとともに、第2検知センサ2350Bを第2縦通路2338に配設した。つまり、両検知センサ2350A,2350Bの間にて「案内通路」を構成する下流通路2335の通路方向が変化する構成とした。これを変更し、1の方向に延びる通路に両検知センサ2350A,2350Bを配設することも可能である。
(c7)上記第3の実施の形態では、大入賞口用回収通路部2310によって区画形成された各通路2325,2335を遊技球が通過することにより、その移動速度を一定化し、各検知領域での通過速度に差を生じさせた。出力期間の調整方法は、これに限定されるものではない。例えば、検知領域DE1,DE2の幅(通路方向の長さ寸法)を相違させることにより、出力期間に差を生じさせてもよいし、検知センサ2350A,2350Bの制御回路2670A,2670Bに出力期間を調整する調整回路を設けてもよい。
(c8)上記第3の実施の形態では、検知領域DE2を通過する遊技球の通過速度を一定化する構成としたが、これを任意に変更可能な構成とすることも可能である。以下、図67に基づき具体例について説明する。図67は、出力期間調整手段の変形例を示す概略図である。
図67に示すように、大入賞口用回収通路部2801によって区画されている流下通路2802の途中位置(詳しくは第1検知センサ2350Aと第2検知センサ2350Bとの間となる位置)には、には球送り機構2810が設けられている。球送り機構2810には誘導通路2265から流出した遊技球を所定の速度で第2検知センサ2350B側へ送る機能が付与されている。
具体的には、球送り機構2810は、回転体2811と、同回転体2811を駆動する駆動部としての駆動モータとを有している。詳しくは、回転体2811は略円板状をなしており、その中心が駆動モータの出力軸に固定されている。
駆動モータは、ステッピングモータにより構成されており、電源・発射制御装置243から供給される電力によって、常時一定の速度で回転する。このように駆動モータが駆動することで、回転体2811はその所定方向に一定速度で回転する。
回転体2811の周縁には、複数個所(本変形例においては180°間隔で2箇所)に、凹部2812が形成されている。これら凹部2812に入り込んだ遊技球のみが下流側へ案内される。
つまり、遊技球の移動速度が回転体2811よりも上流側にてどのようにばらついたとしても、同回転体2811を介して第2検知センサ2350B側へ移動することにより、その移動速度が一定となるように調整される。つまり、球送り機構2810を採用することにより第2検知センサ2350B(検知領域DE4)を通過する際の通過速度を任意の速度となるよう調整することができ、上記出力期間の調整が可能となる。
また、このような球送り手段を有する構成を採用した場合には、併せて以下の構成を採用することにより、更なる防犯性の向上が期待できる。上記変形例においては球送り速度を駆動モータの回転速度によって調整し、検知センサから検知信号(HIレベル信号)が出力される期間を定期的に又は不定期的に変化させることが可能である。このような期間の変化に応じてタイマカウンタに入力される値を変化させるとよい。例えば、駆動モータへ印加する電圧をHI,LOWで切り替え可能とするとともに、同電圧がHIレベルである場合には検知信号の出力期間を20msec、LOWレベルである場合には検知信号の出力期間を30msecとなるように設定する。そして、出力期間の切り替え条件を、ノイズの検知に関連付けることとする。例えば、ノイズの混入が確認されていない通常状態では出力期間を20msecとなるように設定するとともに、ノイズの混入が確認された場合には出力期間を20msecから30msecに切り替えるように設定する。これにより、ノイズの混入を好適に把握することが可能となる。また、検知時の応答性を考慮した場合には球送り速度が速いほうが好ましいと想定される。故に、上述の如くノイズを検知した場合に一時的に出力期間を延長する構成とすることで、ノイズの検知機能を強化しつつ遊技進行の円滑さを妨げにくくすることが可能となり、実用上好ましい構成を実現できる。
(c9)上記第3の実施の形態においては、遊技球を自由落下させることにより、同遊技球が検知領域DEを通過する際の速度ばらつきを抑える構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、略水平方向に延びる通路に沿って遊技球が流下する構成とし、その通路の途中位置に検知領域DEを設けることも可能である。
(c10)上記第3の実施の形態では、検知領域DE1から検知領域DE2に到達するまでの移動期間を固定式としたが、両移動期間を可変式とすることも可能である。この場合、例えば通路長を変更することにより移動期間を変化させることも可能であるが、このような構成とした場合、遊技球の円滑な流下を担保することが困難になり得る。そこで、例えば、横通路2337の上面にコンベアを設け、このコンベアによって遊技球が第2縦通路2338に輸送される構成とするとよい。コンベアによる輸送速度を調整することによって、上記移動期間を相違させることが可能となる。これにより、遊技球が検知領域を通過するタイミングを見計らってノイズを混入させるといった行為を難しくすることができる。
(c11)上記第3の実施の形態では、定期的に行われる信号読み込み処理にて検知センサ2350から入力された信号がLOWレベル→HIレベル→HIレベルと認識されることにより、遊技球の入賞が発生したと判定する構成としたが、この判定条件は任意である。例えば、LOWレベル→HIレベル→HIレベル→HIレベルと認識されることにより遊技球の入賞が発生したと判定する構成としてもよいし、LOWレベル→HIレベルと認識されることにより、遊技球の入賞が発生したと判定する構成としてもよい。
(c12)上記第3の実施の形態では、信号判定処理におけるエラー(ノイズ)判定の判定条件を、通常の入賞判定の判定条件と同一とした。すなわち、検知センサ2350,450から入力される信号がLOWレベル→HIレベル→HIレベルと認識することにより、エラーが発生していると判定する構成とした。このエラー判定の判定条件は任意であり、必ずしも入賞判定の判定条件と同一にする必要はない。但し、両判定条件を同一とすれば、無害なノイズと、有害なノイズとを区別することが可能となり、防犯性の向上が期待できるてんで優れている。故に、望ましくは両判定条件を統一するとよい。
(c13)上記第3の実施の形態では、「検知手段」としての検知センサ2350からの検知情報を主制御装置2162に入力し、「通過判定手段」を構成する信号読み込み処理や信号判定処理を主制御装置2162のMPU2611にて実行する構成としたが、これを以下のように変更することも可能である。すなわち、検知センサ2350からの検知情報を払出制御装置等の他の制御装置に入力し、同制御装置にて上記信号読み込み処理や信号判定処理を実行する構成とすることも可能である。更には、信号入力処理と信号判定処理を同一の制御装置にて実行する必要は必ずしもなく、両処理を別々の制御装置で実行することも可能である。
(c14)上記第3の実施の形態では、「報知手段」としてエラー表示ランプ部、スピーカ部及びホールコンピュータにエラー情報を伝達する機能を有する構成とし、エラーが発生した際の把握を容易化したが、これに限定されるものではない。例えば、パチンコ機において行われるエラー表示ランプ部やスピーカ部を用いた報知を行わない構成とし、エラー発生時にはその情報をホールコンピュータにのみ伝達する構成とすることも可能である。
更には、エラーの発生頻度が大きくなった場合に遊技進行を中断させるロック手段を設け、状態復帰スイッチ等の操作に基づいて同ロック手段によるロック状態が解除されることにより遊技が再開される構成とすることも可能である。
(c15)上記第3の実施の形態では、「検知手段」として高周波発振式の磁気センサを採用したが、これに限定されるものではない。例えば、フォトセンサ等の光学式の近接センサを採用してもよいし、プッシュセンサ等の接触式のセンサを採用してもよい。
(c16)上記第3の実施の形態では、「検知手段」としての検知センサ2350(詳しくは筒状部2362a)によって「案内通路」を構成する縦通路2336,2338の一部を区画形成する構成としたが、これに限定されるものではない。すなわち、検知センサによって案内通路の一部を区画形成する必要はない。同第3の実施の形態においては特に、検知センサ2350が磁気センサであるため、案内通路の通路壁を隔てた外側に検知センサを配置することも可能である。
(c17)上記第3の実施の形態では、各検知センサ2350による遊技球の検知数同士を比較することにより異常判定を行う構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、第1検知センサ2350Aにて検知信号がHIレベルであると検知された回数と、第2検知センサ2350Bにて検知信号がHIレベル信号であると検知された回数とを比較することにより異常判定を行う構成としてもよい。但し、このような変更を行う場合、検知信号の出力期間が相違しているため検知回数に差違が生じると想定される。この差違は、遊技球の通過速度のばらつきによって大きくなったり小さくなったりすると想定される。そこで、このようなばらつきを考慮して、異常判定にはある程度の誤差を許容する余裕代を設定することが好ましい。
また、遊技球検知の信号が出力されている期間中に第1検知センサ2350Aにて検知信号がLOWレベルであると検知された回数と、第2検知センサ2350Bにて検知信号がLOWレベル信号であると検知された回数とを比較する構成としてもよい。この場合、HIレベル信号の検知回数を参照する場合と比較して、上記余裕代を小さくすることができ、実用上好ましい構成を実現できる。
(c18)上記第2の実施の形態に示した検知信号の異常監視に関する構成、詳しくは「異常監視手段」を「監視状態」と「非監視状態」とを切り替える構成を第3の実施の形態に適用することも可能である。このような変更を適用する際には、第1検知センサ2350Aから出力される検知信号に基づいて判定された入賞数が「特定数」となった場合に、第2検知センサ2350Bを利用した監視状態への切り替えを行う構成とするとよい。なお、「特定数」に関しては、上記第2の実施の形態や、同第2の実施の形態に示した変形例を参照して設定するとよい。
(d1)上記第4の実施の形態では、「第1検知手段」としての第1検知センサ3350Aと「第2検知手段」としての第2検知センサ3350Bとに高周波発振式の近接センサを採用した。そして、第1検知センサ3350Aにおいては遊技球非検知時に最大振幅の高周波が「第1出力部」としての処理回路3680Aに入力され、遊技球検知時に高周波の振幅が抑えられる構成とするとともに、第2検知センサ3350Bにおいては遊技球検知時に最大振幅の高周波が「第2出力部」としての処理回路3680Bに入力され、遊技球非検知時に高周波の振幅が抑えられる構成としたが、これを反対にすることも可能である。すなわち、第1検知センサ3350Aにおいては遊技球検知時に最大振幅の高周波が「第1出力部」としての処理回路3680Aに入力され、遊技球非検知時に高周波の振幅が抑えられる構成とするとともに、第2検知センサ3350Bにおいては遊技球非検知時に最大振幅の高周波が「第2出力部」としての処理回路3680Bに入力される構成としたが、これを反対にすることも可能である。
また、「第1検知手段」としての第1検知センサ3350Aと、「第2検知手段」としての第2検知センサ3350Bとの検知方式を、それら両検知センサ3350A,3350Bにおける処理回路3680A,680Bへの高周波の入力態様を逆とすることで相違させたが、これを以下のように変更することも可能である。
一方の検知センサとして接触式のセンサ(例えばプッシュセンサ)を採用するとともに、他方の検知センサとして非接触式のセンサ(例えばフォトセンサ)を採用することで検知方式を相違させることも可能である。また、両検知センサに非接触式の近接センサを採用することも可能であるが、このような変更を行う場合、それら検知センサのうち一方を光学式のセンサとし、他方を光学式ではないセンサ(例えば高周波発振式のセンサ)を採用するとよい。このような検知方式の変更を行った場合には、各検知センサの配置自由度を向上することが可能である。
例えば光学式センサと高周波発振式センサとを併用した場合には、高周波発振式の検知センサによって生じる磁界が光学式センサによる球検知時に影響を受けることを抑制することが可能となる。この場合、両検知センサにおける検知領域を同一箇所に配し、検知信号の出力タイミングが同期するように設定することで、実用上好ましい構成を実現できる。具体的には、上記第4の実施の形態においては、両検知センサ3350A,3350Bを共に高周波発振式のセンサとしたため、磁界の相互干渉を回避すべく両検知センサ3350A,3350Bの検知位置を通路方向でずらす構成とした。このため、各検知センサ3350A,3350Bによって遊技球が検知されるタイミングがずれて通過判定にタイムラグが生じていた。この場合、遊技球の通過判定結果(詳しくは遊技球の入賞個数)に差が生じることとなり、エラー判定を行うための閾値に上記差を許容する余裕代を設定していた。この点、上述の如く検知位置を揃えることができれば、閾値に余裕代を設定する必要がなくなり、ノイズの混入が発生したタイミングからエラー判定がなされるまでのタイムラグを小さくし、エラー判定の応答性向上に貢献することが可能となる。
既に説明したように、入賞判定に影響をおよぼし得る有害なノイズは、偶発的に発生するのみならず意図的に発生し得る。このようにノイズが意図的に生成される場合には、上記差を利用して入賞判定数の帳尻合わせが行われると、エラー検知が困難になり得る。この点、上述の如く同一のタイミングで検知信号が出力される構成とすれば、このような帳尻合わせを困難なものとし、防犯機能の更なる向上が期待できる。
なお、既に説明したように複数の高周波発振式検知センサの検知位置を揃えることは、それら各検知センサに生じる磁界が相互干渉する要因となり得るため、遊技球の検知機能を安定化することが難しいと想定される。しかしながら、防犯機能強化の観点から鑑みれば、そのような構成を採用することも可能である。以下、図68のタイミングチャートに基づいて、この変形例を採用した場合のエラー判定の態様について説明する。
遊技球が検知領域に達すると、te1のタイミングにて第1検知センサの処理回路に入力される高周波の振幅がほぼ0となり、予め定められた閾値を下回ることで、同第1検知センサから出力される検知信号がLOWレベルからHIレベルに切り替る。また同te1のタイミングでは、第2検知センサの処理回路に入力される高周波の振幅が最大となり、予め定められた閾値を上回ることで、同第2検知センサから出力される検知信号がLOWレベルからHIレベルに切り替る。
その後、タイマ割込み処理が2度実行されたte2のタイミングにて第1検知センサから出力されている検知信号がLOWレベル→HIレベル→HIレベルとなっていることで、同検知信号に基づいて遊技球の入賞が発生したと判定される。これにより、チェックカウンタの値が「1」加算され、「100」から「101」にカウントアップされる。
同じくte2のタイミングにて第2検知センサから出力されている検知信号がLOWレベル→HIレベル→HIレベルとなっていることで、同検知信号に基づいて遊技球の入賞が発生したと判定される。これにより、チェックカウンタの値が「1」減算され、「101」から「100」にカウントダウンされる。この後、チェックカウンタの値が「100」であるか否かが判定される。この時点では、チェックカウンタの値は「100」に戻っているため、検知信号が正常であると判定される。
その後、検知領域を遊技球が通過している最中のte3のタイミングにてノイズが発生し、同ノイズが検知コイル等を介して処理回路へ混入すると、両検知センサから出力される検知信号のうち一方に変化が生じる。具体的には、第1検知センサの処理回路に入力されている高周波については振幅がほぼ0に抑えられているため、上記ノイズの混入により、同第1検知センサから出力される検知信号が一時的にHIレベルからLOWレベルに切り替る。一方、第2検知センサの処理回路に入力されている高周波については振幅が最大に保持されているため、上記ノイズによって第2検知センサから出力されている検知信号が変化する(LOWレベルに切り替る)ことは無い。
続くte4のタイミングにて上記ノイズが消失すると、第1検知センサから出力されている検知信号はHIレベルに切り替る。その後、タイマ割込み処理が2度実行されたte5のタイミングにて第1検知センサから出力されている検知信号がLOWレベル→HIレベル→HIレベルとなっていることで、同検知信号に基づいて遊技球の入賞が発生したと判定される。これにより、チェックカウンタの値が「1」加算され、「100」から「101」にカウントアップされる。この際、第2検知センサからの出力信号には、ノイズによる変化が生じていないため、チェックカウンタの値は減算されることなく「101」のまま維持される。そして、同タイマ割込み処理にてチェックカウンタの値が「101」、すなわち初期値「100」から外れている旨が確認されると、検知信号に異常が発生したと判定され、エラー報知が実行される。つまり、有害なノイズが1つでも混入していれば、即座にエラー報知が実行されることとなる。
その後、遊技球が検知領域を通過し終えたte6のタイミングでは、第1検知センサの処理回路に入力されている高周波の振幅が最大となり上記閾値を上回ることで、第1検知センサから出力される検知信号がHIレベルからLOWレベルに切り替る。また、同te6のタイミングでは、第2検知センサの処理回路に入力されている高周波の振幅がほぼ0に抑えられ上記閾値を下回ることで、第2検知センサから出力される検知信号がHIレベルからLOWレベルに切り替る。
遊技球が検知領域を通過した後のte7のタイミングにて再びノイズが発生し、同ノイズが各処理回路に入力される信号に混入すると、両検知センサから出力される検知信号のうち一方に変化が生じる。具体的には、第1検知センサの処理回路に入力されている高周波については振幅が最大に保持されているため、上記ノイズにより、同第1検知センサから出力される検知信号が変化することは無い。一方、第2検知センサの処理回路に入力されている高周波については振幅がほぼ0に保持されているため、上記ノイズの混入によって第2検知センサから出力されている検知信号が一時的にHIレベルからLOWレベルに切り替る。
その後、タイマ割込み処理が2度実行されたte8のタイミングにて第2検知センサから出力されている検知信号がLOWレベル→HIレベル→HIレベルとなっていることで、同検知信号に基づいて遊技球の入賞が発生したと判定される。これにより、チェックカウンタの値が「1」減算され、「100」から「99」にカウントダウンされる。この際、第1検知センサからの出力信号には、ノイズによる変化が生じていないため、チェックカウンタの値は加算されることなく「99」のまま維持される。そして、同タイマ割込み処理にてチェックカウンタの値が「99」、すなわち初期値「100」から外れている旨が確認されると、検知信号に異常が発生したと判定され、エラー報知が実行される。つまり、有害なノイズが1つでも混入していれば、即座にエラー報知が実行されることとなる。続くte9のタイミングにてノイズが消失すると、第2検知センサから出力されている検知信号がLOWレベルに切り替る。
以上、図68に基づいて説明した変形例においては、どのタイミングにおいても必ず一方の検知センサにおける高周波の振幅が検知信号切替用の閾値を上回った状態で保持されるとともに、他方の検知センサにおける高周波の振幅が検知信号切替用の閾値を下回った状態で保持される。つまり、どのタイミングでノイズの混入が発生したとしても、必ず両検知信号に差が生じることとなり、同ノイズの混入を迅速に発見することが可能となる。
(d2)上記第4の実施の形態では、「第1検知手段」としての第1検知センサ3350Aと、「第2検知手段」としての第2検知センサ3350Bとを別体であ設けたが、これに限定されるものではない。例えば1の検知センサが第1検知手段及び第2検知手段を有する構成とすることも可能である。
このような変更を行う場合には、併せて以下の変更を行うとよい。すなわち、発振回路を統合し、1の発振回路にて生成される高周波を各検知手段に供給する構成としてもよい。
(d3)上記第4の実施の形態では、検知センサ3350A,3350Bが「発振部」としての発振回路3660A,3660Bを有する構成としたが、「発振部」を検知センサの外部に設けることも可能である。例えば、一般的に遊技機には交流が供給されることに鑑みれば、この交流の周波数を変換する変換部を個別に設け、同変換部によって変換された高周を検知センサに供給する構成としてもよい。
また、高周波の生成に関しては必ずしもLC回路を採用する必要はない。例えば、水晶振動子等を有する回路を採用することも可能である。
(d4)各検知センサ3350A,3350Bの出力回路3690A,3690Bから出力される検知信号は、遊技球検知時と非検知時とでことなる2値信号であれば足りる。すなわち、必ずしも遊技球検知時にHIレベル信号を出力する必要はなく、同遊技球検知時にLOWレベル信号を出力する構成とすることも可能である。
また、上記第4の実施の形態においては、遊技球検知時に両検知センサ3350A,3350Bから出力される信号をともにHIレベルとしたが、これを変更し、何れか一方は遊技球検知時にLOWレベル信号を出力する構成とし、遊技球検知時に各検知センサ3350A,3350Bから出力される検知信号をHIレベル/LOWレベルで相違させることも可能である。
(d5)「第1検知手段」としての第1検知センサ3350Aにおいては検知回路3670Aの共振周波数を変化させることにより、高周波の振幅を変化させる構成としたが、これに限定されるものではない。遊技球非通過時に高周波の振幅を閾値よりも大きくし、遊技球通過時に高周波の振幅を閾値よりも小さくする場合、コイルに対して遊技球が近づくことで生じるコイルの損失変化を利用して、高周波の振幅を一時的に抑えることも可能である。この場合、発振回路のコイルに生じる磁界を遊技球が通過する構成とすればよい。
(d6)上記第4の実施の形態では、「第1検知手段」としての第1検知センサ3350Aから出力される検知信号に基づいて、遊技者に遊技球の払い出し等の特典を付与する構成としたが、これに限定されるものでない。例えば、第1検知センサ3350Aよりも下流側に位置する第2検知センサ3350Bの検知信号に基づいて上記特典の付与を行う構成としてもよいし、両検知センサ3350A,3350Bから出力される両検知信号に基づいて上記特典の付与を行う構成としてもよい。
但し、これらの変更を行った場合、作動口3083に遊技球が流入してから遊技球が払い出されるまでの期間が間延びし、特典付与の応答性が低下し得る。故に、好ましくは、上流側の検知センサを特典付与用とし、下流側の検知センサをエラーチェック用とすることで、各検知センサに付与する機能の差別化を図ることが好ましい。これにより、検知精度の向上と応答性の向上とを好適に両立することができる。
(d7)上記第4の実施の形態では、「遊技媒体」としての遊技球が作動口3083,3084に流入した場合に検知センサ3350A,3350Bから出力される検知信号に基づいて入賞の判定を行う構成とした。つまり、「検知手段」としての検知センサ3350A,3350Bや「通過判定手段」としての信号読み込み処理(詳しくはS3201〜S3215の各処理)を「入球部」としての作動口3083,3084に適用したが、これに限定されるものではない。同第4の実施の形態に示した検知精度向上に関する技術的思想を入賞判定以外に適用することも可能である。
例えば、スロットマシン等においては所定数の遊技媒体(メダル)を投入することにより、大当たり等の抽選が可能となるが、この遊技媒体を「検知手段」としての2つの検知センサによって検知するとともに、それら検知センサから出力される検知信号を「判定手段」によって判定することで投入の可否を判定する構成とすることも可能である。これにより、ノイズ等の影響により遊技媒体を投入していないにも関わらずあたかも遊技媒体が投入されたかのような判定がなされることを回避することが可能となる。
また、上記第4の実施の形態に示した検知精度向上に関する技術的思想を作動口3083,3084入賞判定以外に適用することも可能である。すなわち、「入球部」として一般入賞口81や可変入賞装置3082等を採用することも可能である。
例えば一般入賞口81を通過した遊技球が一般入賞口81用の検知センサ(詳しくは検知領域)を通過する際に、その通過速度が規定値となるように調整する「期間調整手段」を設けるとともに、その通過期間と同じ長さの特定期間内にて、複数の遊技球が検知されることを規制するとよい。
(d8)上作動口3083用の検知センサ3350及び上側回収通路部3311と、下作動口3084用の検知センサ3350及び下側回収通路部3321とを共用してもよい。つまり、上作動口3083及び下作動口3084に流入した遊技球が通過する共用通路を設け、その共用通路に各検知センサを配設してもよい。
(d9)上記第4の実施の形態では、定期的に行われる信号読み込み処理にて検知センサ3350A,3350Bから入力された信号がLOWレベル→HIレベル→HIレベルと認識されることにより、遊技球の入賞が発生したと判定する構成としたが、この判定条件は任意である。例えば、LOWレベル→HIレベル→HIレベル→HIレベルと認識されることにより遊技球の入賞が発生したと判定する構成としてもよいし、LOWレベル→HIレベルと認識されることにより、遊技球の入賞が発生したと判定する構成としてもよい。
(d10)上記第4の実施の形態では、「案内通路」を構成する縦通路3315,3322に各検知センサ3350A,3350Bを配設したが、検知センサ3350A,3350Bの配設箇所は任意である。例えば、略水平方向に延びる通路を有する構成においては、同通路に各検知センサ3350A,3350Bを配設することも可能である。
(d11)上記第4の実施の形態では、第1検知センサ3350Aと第2検知センサ3350Bとを上下に並べて配置したが、これに限定されるものではない。例えば第1検知センサ3350Aと第2検知センサ3350Bとを前後に並べて配置することも可能である。
(d12)上記第4の実施の形態では、各検知センサ3350A,3350Bの発振回路3660A,3660Bにて生成される高周波の周波数を統一するとともに、第1検知センサ3350Aの処理回路3680AにおけるHI/LOW切り替えの閾値と第2検知センサ3350Bの処理回路3680BにおけるHI/LOW切り替えの閾値とを統一したが、各発振回路3660A,3660Bにて生成される高周波の周波数と、各処理回路3680A,3680Bにおける閾値は任意である。
(d13)上記第4の実施の形態では、1のチェックカウンタCCを用いて、各検知センサ3350A,3350Bからの検知信号に基づいて入賞したと判定された遊技球の個数を比較する構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、第1検知センサ3350Aによって検知された入賞数をカウントする第1入賞カウンタと、第2検知センサ3350Bによって検知された入賞数をカウントする第2入賞カウンタとを設け、それら各入賞カウンタの値を比較することにより異常判定を行う構成とすることも可能である。
(d14)上記第4の実施の形態では、検知回路3670A,3670BとしてLC並列回路を採用したが、これに限定されるものではない。少なくともコイルを有し、同コイルに対して遊技球が近づくことで共振周波数を変化させることが可能な回路であれば任意の回路を採用してよい。例えばLC直列回路や、LCR並列回路等を採用することも可能である。
(d15)上記第4の実施の形態では、「検知手段」としての検知センサ3350A,3350Bからの検知情報を主制御装置3162に入力し、「通過判定手段」を構成する信号読み込み処理や信号判定処理を主制御装置3162のMPU3611にて実行する構成としたが、これを以下のように変更することも可能である。すなわち、検知センサ3350A,3350Bからの検知情報を払出制御装置242等の他の制御装置に入力し、同制御装置にて上記信号読み込み処理や信号判定処理を実行する構成とすることも可能である。更には、信号入力処理と信号判定処理を同一の制御装置にて実行する必要は必ずしもなく、両処理を別々の制御装置で実行することも可能である。
(d16)上記第4の実施の形態では、「報知手段」としてエラー表示ランプ部、スピーカ部及びホールコンピュータにエラー情報を伝達する機能を有する構成とし、エラーが発生した際の把握を容易化したが、これに限定されるものではない。例えば、パチンコ機において行われるエラー表示ランプ部やスピーカ部を用いた報知を行わない構成とし、エラー発生時にはその情報をホールコンピュータにのみ伝達する構成とすることも可能である。
更には、エラーの発生頻度が大きくなった場合に遊技進行を中断させるロック手段を設け、状態復帰スイッチ等の操作に基づいて同ロック手段によるロック状態が解除されることにより遊技が再開される構成とすることも可能である。
(d17)上記第4の実施の形態では、「検知手段」としての検知センサ3350(詳しくは筒状部3362a)によって「案内通路」を構成する縦通路3315,3322の一部を区画形成する構成としたが、これに限定されるものではない。すなわち、検知センサによって案内通路の一部を区画形成する必要はない。本実施の形態においては特に、検知センサ3350が磁気センサであるため、案内通路の通路壁を隔てた外側に検知センサを配置することも可能である。
(d18)上記第2の実施の形態に示した検知信号の異常監視に関する構成、詳しくは「異常監視手段」を「監視状態」と「非監視状態」とを切り替える構成を第4の実施の形態に適用することも可能である。このような変更を適用する際には、検知センサ3350からの出力信号に基づいて判定される入賞数が「特定数」となった場合に非監視状態から監視状態への切り替えを行う構成とするとよい。なお、「特定数」に関しては、上記第2の実施の形態や同第2の実施の形態に示した変形例を参照して設定するとよい。
(e1)上記各実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されるか所定時間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組み合わせが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
更に、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも本発明を適用できる。
<上記各実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した各実施の形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
特徴A1.遊技媒体を案内する案内通路(例えば下側誘導通路部272や下側回収通路部321)と、
前記案内通路における遊技媒体検知位置を通過する遊技球を検知して所定の検知信号を出力する検知手段(検知センサ350)と、
前記遊技媒体検知位置を遊技媒体が通過したか否かを前記検知信号に基づいて判定する通過判定手段(主制御装置162のMPU611において信号読み込み処理のステップS203〜ステップS208を実行する機能)と
を備え、
前記通過判定手段により前記遊技媒体検知位置を遊技媒体が通過したと判定された場合に、その判定結果に基づいて所定処理(主制御装置162のMPU611における通常処理のステップS501)を実行する遊技機において、
前記遊技媒体検知位置における各遊技媒体の通過速度を一定になるように調整することにより、前記検知信号として遊技媒体検知の信号が出力される出力期間を、予め定められた所定の期間とする期間調整手段(例えば下側誘導通路部272のガイドリブ273や縦通路322の球衝突面325)と、
前記出力期間と同じ長さの時間内における前記通過判定手段による2個目以降の遊技媒体の通過判定と、同2個目以降の遊技媒体の通過判定結果に基づく前記所定処理の実行と、の少なくともいずれかを規制する規制手段(主制御装置162のMPU611において信号読み込み処理を実行する機能)と
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴A1によれば、案内通路を移動する遊技媒体が同案内通路における遊技媒体検知位置を通過すると、同遊技媒体が検知手段によって検知される。そして、検知手段からの検知信号に基づいて遊技媒体検知位置における遊技媒体の通過判定が実行される。通過判定手段により遊技媒体検知位置を遊技媒体が通過したと判定された場合には、所定の処理が実行される。例えば、この処理によって、遊技者に遊技媒体の払い出しや大当たり等の抽選権等の特典を付与する構成とすればよい。
検知手段からの検知信号にノイズ等が混入している場合には、そのようなノイズ等によって誤判定が発生すると想定される。例えば、ノイズが検知信号に混入することにより、1の遊技媒体が遊技媒体検知位置を通過した場合に、あたかも同遊技媒体検知位置を複数の遊技媒体が通過したかのように判定され得る。
この点、本特徴においては、遊技媒体検知の信号が出力される期間を所定の期間となるように調整し、そのように調整された出力期間と同じ長さの時間内における通過判定手段による2個目以降の遊技媒体の通過判定と、同2個目以降の遊技媒体の通過判定結果に基づく所定処理の実行と、の少なくともいずれかを規制することによりノイズの影響を抑制することができる。つまり、検知信号に複数の遊技媒体の通過を示すノイズが混入していたとしても、そのような誤った信号に基づいて遊技媒体が通過したと判定されることを規制したり、上述した所定処理が実行されることを規制したりすることができる。このように、出力期間と同じ長さの時間内では1の遊技媒体の通過のみを有効とすることにより、判定精度を向上することが可能となる。特に本特徴では、検知信号の出力期間を既知の長さの期間とすることができるため、同出力期間と同じ長さの時間内において、ノイズ等による遊技媒体の誤検知を精度よく把握できる。すなわち、検知信号の出力期間が不明であれば、仮に複数の遊技媒体が検知された場合に、それが正当な検知なのか誤検知なのかを正しく判断することが困難になるが、本特徴によればこうした不都合を解消できる。これにより、誤検知による不利益の発生を抑制し、遊技機の信頼性向上に貢献することができる。
特徴A2.遊技媒体を案内する案内通路(例えば下側誘導通路部272や下側回収通路部321)と、
前記案内通路における遊技媒体検知位置を通過する遊技球を検知して所定の検知信号を出力する検知手段(検知センサ350)と、
前記遊技媒体検知位置を遊技媒体が通過したか否かを前記検知信号に基づいて判定する通過判定手段(主制御装置162のMPU611において信号読み込み処理のステップS203〜ステップS208を実行する機能)と、
前記通過判定手段によって前記遊技媒体検知位置を遊技媒体が通過したと判定された場合に、その判定結果に基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段(例えば主制御装置162のMPU611において通常処理のステップS501を実行する機能)と、
前記遊技媒体検知位置における各遊技媒体の通過速度を一定になるように調整することにより、前記検知信号として遊技媒体検知の信号が出力される出力期間を、予め定められた所定の期間とする期間調整手段(例えば下側誘導通路部272のガイドリブ273や縦通路322の球衝突面325)と、
前記出力期間と同じ長さの時間内における2個目以降の遊技媒体の通過を示す検知信号に基づいた前記特典の付与を規制する規制手段(主制御装置162のMPU611において信号読み込み処理を実行する機能)と
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴A2によれば、案内通路を移動する遊技媒体が同案内通路における遊技媒体検知位置を通過すると、同遊技媒体が検知手段によって検知される。検知手段からの検知信号に基づいて遊技媒体検知位置を遊技媒体が通過したと判定された場合には、遊技者に対して特典(例えば遊技媒体の払い出しや大当たり等の抽選権等)が付与される。
検知手段からの検知信号にノイズ等が混入している場合には、そのようなノイズ等によって誤判定が発生すると想定される。例えば、ノイズが検知信号に混入することにより、1の遊技媒体が遊技媒体検知位置を通過した場合に、あたかも同遊技媒体検知位置を複数の遊技媒体が通過したかのように判定され得る。仮にこのような誤判定が行われると、遊技者に対して不当に特典が付与されることとなり、遊技の健全性が損なわれると想定される。
この点、本特徴においては、遊技媒体検知の信号が出力される期間を所定の期間となるように調整し、そのように調整された出力期間と同じ長さの時間内における2個目以降の遊技媒体の通過を示す検知信号に基づいた特典付与を規制する構成とした。仮に検知信号に複数の遊技媒体の通過を示すノイズが混入していたとしても、そのような誤った信号に基づく特典の付与を回避し、遊技媒体の通過判定精度を向上することができる。特に本特徴では、検知信号の出力期間を既知の長さの期間とすることができるため、同出力期間と同じ長さの時間内において、ノイズ等による遊技媒体の誤検知を精度よく把握できる。すなわち、検知信号の出力期間が不明であれば、仮に複数の遊技媒体が検知された場合に、それが正当な検知なのか誤検知なのかを正しく判断することが困難になるが、本特徴によればこうした不都合を解消できる。これにより、誤検知による不利益の発生を抑制し、遊技機の信頼性向上に貢献することができる。
例えば、出力期間と同じ長さの時間内に複数の遊技媒体が通過したと判定された場合には、1の遊技媒体の通過のみを有効とするとともに他の遊技媒体の通過を無効化し、1の遊技媒体の通過に応じた特典の付与を行うとよい。
特徴A3.前記検知手段から遊技媒体検知の信号が出力される場合に前記検知信号が遊技媒体検知の信号から遊技媒体非検知の信号に変化するまでを規制期間として設定する規制期間設定手段(主制御装置162のMPU611において信号読み込み処理のステップS210を実行する機能)を備え、
前記規制手段は、前記規制期間設定手段により設定した規制期間内において前記規制を実行することを特徴とする特徴A1又は特徴A2に記載の遊技機。
特徴A3に示すように、遊技媒体検知の信号から遊技媒体非検知の信号に変化するまでを規制期間として設定し、その規制期間内において上記規制を行う構成とすれば、特徴A1又は特徴A2に示した構成を好適に実現することができる。
特徴A4.前記通過判定手段によって前記遊技媒体検知位置を遊技媒体が通過したと判定されたタイミングにて、前記出力期間と同じ長さの時間内における前記規制を行うための規制期間を設定する規制期間設定手段(主制御装置162のMPU611において信号読み込み処理のステップS210を実行する機能)を備え、
前記規制手段は、前記規制期間設定手段により設定した規制期間内において前記規制を実行することを特徴とする特徴A1又は特徴A2に記載の遊技機。
特徴A1等に示した構成においては、規制期間に相当する期間が遊技媒体の通過判定とは無関係に周期的に更新される構成とすることも可能である。しかしながら、このような構成を採用した場合には、複数の期間に跨るようにして検知信号が出力された際にノイズの影響を払拭することが困難となり得る。例えば、各期間の境となるタイミングに合わせてノイズが混入することで、両期間にてそれぞれ個別の検知信号が出力されたと誤認され得る。
この点、本特徴に示すように遊技媒体が通過したと判定された場合に規制期間を設定する構成とすれば上述した不都合の発生を好適に抑制することができ、信頼性の更なる向上が期待できる。
特徴A5.前記検知手段から遊技媒体検知の信号が出力される場合に前記検知信号が遊技媒体検知の信号から遊技媒体非検知の信号に変化するまでを規制期間とし、前記通過判定手段によって前記遊技媒体検知位置を遊技媒体が通過したと判定されたタイミングにて同規制期間を設定する規制期間設定手段(主制御装置162のMPU611において信号読み込み処理のステップS210を実行する機能)を備え、
前記規制手段は、前記規制期間設定手段により設定した規制期間内において前記規制を実行することを特徴とする特徴A1又は特徴A2に記載の遊技機。
本特徴に示すように遊技媒体が通過したと判定された場合に規制期間を設定し、検知信号が遊技媒体検知の信号から遊技媒体非検知の信号に変化するまで規制手段による規制を行う構成とすれば特徴A1等に示した構成を好適に実現することができる。
特徴A6.前記規制期間は、前記出力期間から、前記遊技媒体検知の信号が出力されてから前記通過判定手段により遊技媒体の通過が判定されるまでの所要期間を差し引いた期間となるように設定されていることを特徴とする特徴A3乃至特徴A5のいずれか1つに記載の遊技機。
通過判定手段による判定を行う場合には、その判定精度の向上等を目的として、判定条件を複数設定することも可能である。このように判定精度を向上しようとすれば、遊技媒体検知の信号が出力されてから、判定が完了するまでにタイムラグが生じ得る。このような構成においては、出力期間から1の遊技媒体の通過判定に要する期間を除いた期間を規制期間として設定することで実用上好ましい構成を実現できる。
なお、前記規制手段が、前記規制期間内での前記通過判定手段による遊技媒体の通過判定について規制を実行する実行手段(主制御装置162のMPU611にて信号読み込み処理のステップS202を実行する機能)を有する構成とするとよい。これにより、検知結果を用いた処理を規制する場合と比較して、制御負荷の低減を図ることができる。更には、規制手段を有することに起因して上記処理を実行するタイミングの自由度が低下することを抑制できる。
特徴A7.前記出力期間は、遊技媒体が前記遊技媒体検知位置に到達しその後通過し終わるまでの実際の通過所要時間よりも短い期間で設定されていることを特徴とする特徴A3乃至特徴A6のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A3等に示したように規制期間設定手段を有する構成によれば、ノイズ等の混入による検知精度の低下を抑制することができる。しかしながら、規制期間の設定パターン(開始・終了タイミング及び同期間の長さ)によっては、実際に遊技媒体が遊技媒体検知位置を通過したにも関わらず同遊技媒体が通過したとみなされない可能性が生じる。これは、遊技者が不利益を被る要因となり得え、更には上記規制期間設定手段による期間設定が難しくなるため好ましくない。特に、このような不都合は、1の検知情報に対して複数の要件をチェックすることにより判定精度の向上を図った遊技機において、複数の遊技媒体が連なるようにして遊技媒体検知位置を通過した場合に発生しやすいと想定される。
この点、本特徴によれば、個々の遊技球の通過判定を容易化し、上記不都合の発生を好適に抑制することが可能となり、実用上好ましい構成を実現できる。
例えば、遊技媒体が遊技媒体検知位置に到達した直後又は通過し終える直前の少なくともいずれかにて検知手段にる遊技媒体の検知が不可となる構成とするとよい。
特徴A8.前記検知信号における前記出力期間の長さを計測する計測手段を備え、
前記規制期間設定手段は、前記計測手段による計測結果に基づいて、前記規制期間の長さを可変設定することを特徴とする特徴A4乃至特徴A7のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A4等に示した構成においては、期間調整手段によって定められた出力期間と規制期間とを併用することにより、検知精度の向上を図っている。出力期間は遊技機の個体や使用期間に応じた劣化等様々な要因によって変化し得る。そこで、本特徴に示すように、測定手段によって実際の出力期間の長さを測定し、その結果に応じて規制期間を可変設定する構成とすれば、検知精度を好適に担保することが可能となる。
特徴A9.前記規制期間設定手段は、前記計測手段による計測結果に基づいて前記規制期間の長さを可変設定する場合に、当該規制期間の長さに平滑化処理を行って新たな規制期間の長さを設定することを特徴とする特徴A8に記載の遊技機。
実際の出力期間の長さ(長さ実測値)に応じて規制期間を可変に設定する場合、演算処理上で認識している出力期間の長さと、実際の出力期間の長さとの差異を減らすことができる。ただし、出力期間の長さ実測値は、計測の都度多少なりとも変動したり、ノイズ等の影響により一時的に大きく変動したりすることが考えられる。この点、特徴A9によれば、平滑化処理を行いつつ規制期間の長さを可変設定するため、出力期間の長さ実測値のばらつきやノイズ等の影響を受けずに好適に規制期間を設定できる。
特徴A10.前記検知信号に基づいて、前記出力期間と同じ長さの時間内に2個目以降の遊技媒体の通過を検知したことを判定する信号判定手段(例えば主制御装置162のMPU611にて信号判定処理のS301〜S305を実行する機能)と、
前記信号判定手段による判定結果に基づいて異常診断を行う異常診断手段(例えば主制御装置162のMPU611にて信号判定処理のS306〜S308を実行する機能)と
を備えていることを特徴とする特徴A1乃至特徴A9のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A8によれば、検知信号の異常(例えばノイズ等の混入)を診断することにより、検知手段の不具合等を早期に発見することが可能となる。これにより、検知精度の低下を好適に抑えることが可能となる。
特徴A11.前記異常診断手段は、前記出力期間と同じ長さの時間内に2個目以降の遊技媒体が通過したと判定された判定回数を算出するものであり、
前記判定回数が予め定められた回数に達した場合に異常報知を実行する報知手段(例えば主制御装置162のMPU611にて通常処理のS501を実行する機能やエラー表示ランプ部27)を備えていることを特徴とする特徴A10に記載の遊技機。
特徴A9によれば、ノイズ等の混入を報知手段によってホール管理者等に知らせることで、遊技機の機能保全に貢献することができる。このような報知機能を付与した遊技機においては、報知が過度に行われることにより、遊技進行が妨げられやすくなると想定される。この点、本特徴に示すように2個目以降の遊技媒体が通過したと判定された判定回数(例えば異常の発生回数)が予め定められた数に達した場合に報知を実行する構成とすれば、遊技機の保全機能を向上しつつ、遊技の円滑な進行を担保することができる。
特徴A12.前記遊技媒体としての遊技球が流下する遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤80)と、
前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球の入球が可能となる入球部(作動口83,84等)と
を備え、
前記案内通路は、前記入球部に入球した遊技球を少なくとも前記遊技盤の背面側へ案内するものであり、
前記遊技媒体検知位置は、前記案内通路において前記遊技盤の背面側に位置する部分に配されており、
前記検知手段は、高周波発振式の近接センサであり、前記遊技媒体検知位置における遊技媒体の通過時に一時的に高周波の発振を抑え、それにより前記遊技媒体の検知時と非検知時とで異なる二値信号を出力するものであることを特徴とする特徴A1乃至特徴A11のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A12によれば、遊技領域を流下する遊技球が入球部に入球すると、同遊技球は案内通路によって遊技盤の背面側に案内される。その後、同遊技球が遊技媒体検知位置を通過することにより高周波の発振が抑えられ、遊技球の通過時と非通過時とで異なる二値信号を出力される。高周波を利用して遊技球の通過検知を行う場合、遊技機外部から検知手段に対して高周波が出力されると、そのような遊技機外部からの高周波が検知情報に混入すると想定される。
そこで、本特徴においては、遊技媒体検知位置を遊技盤の背面側に配することにより、遊技機前方から遊技媒体検知位置を見えにくくすることができる。これにより、例えば不正行為者が意図的に高周波を混入させようととしても、どのタイミングで遊技球が遊技媒体検知位置を通過するかを把握することが困難となる。
このように遊技媒体検知位置が遊技盤の背面側に配されている遊技機にて不正行為を効率よく行うには、不正な高周波の出力周期を上記検知手段にて高周波の発振が抑えられている期間よりも短く設定するとともに、遊技球が遊技媒体検知位置を通過する前のタイミングから通過し終えるタイミングまである程度の期間継続して高周波の出力を継続する必要が生じる。この場合、1の遊技球の通過検知の信号が多数に分化されやすくなる。つまり、ノイズが偶発的に混入する場合と、意図的に検知信号を改ざんしようとしてノイズが混入される場合とには、ノイズ混入の発生頻度に差が生じ得る。
そこで、特徴A11との組み合わせにおいては、異常診断に基づいて異常報知を実行する場合の異常発生回数の閾値を好適に設定することができる。具体的には、偶発的なノイズの発生に対しては過敏になることなく、不正を目的としてノイズの混入に対しては敏感に対応することができる。故に、遊技進行の円滑化に貢献しつつ、防犯性を好適に向上させることができる。
特徴A13.前記期間調整手段は、前記遊技媒体検知位置における各遊技媒体の通過速度を変更可能な速度可変部を備えており、当該速度可変部による速度変更により、前記出力期間の長さが変更されることを特徴とする特徴A1乃至特徴A12のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A1等に示したノイズは、検知信号に対して偶発的に混入する場合と、不正行為者によって意図的に混入される場合とがある。そこで、遊技媒体検知の信号の出力期間及び規制期間を変更可能とし、ノイズ等の混入が把握された場合に速度可変部によって出力期間及び規制期間を一時的に拡張すれば、ノイズの有無を好適に把握することが可能となる。確かに、常時出力期間及び規制期間を長めに設定しておくことも可能であるが、これでは、遊技球を検知の応答性が低下し得る。故に、本特徴に示す構成を適用することにより、ノイズの把握機能を向上しつつ、それに起因した応答性の低下を好適に抑制することができる。
特徴A14.前記期間調整手段は、前記案内通路に設けられており、同案内通路において通路方向が変化している折曲部(例えば下側誘導通路部272と下側回収通路部321との境界部位)を有してなることを特徴とする特徴A1乃至特徴A13のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A14によれば、案内通路を移動する遊技媒体は、折曲部を経由することにより、遊技媒体検知位置へ向けての移動速度が抑えられることとなる。つまり、案内通路に流入する前の段階にて、遊技媒体が取得した勢いを遊技媒体検知位置に到達する前に弱めることができ、同遊技媒体検知位置における通過速度(出力期間)のばらつきを好適に抑制することができる。例えば、案内通路を折り返したり蛇行させたりするとよい。
特徴A15.前記案内通路は、
前記遊技媒体検知位置を有する下流側通路部(例えば下側誘導通路部272)と、
前記下流側通路部の上流側に連通するとともに、同下流側通路部の通路方向とは異なる方向に延びる上流側通路部(例えば下側回収通路部321)と
を有し、
前記期間調整手段は、前記上流側通路部の下流側への延長上に位置し、前記上流側通路部を流下した遊技媒体が衝突する壁部(例えば球衝突面325)を有し、
前記壁部は、当該壁部に衝突した遊技媒体の前記遊技媒体検知位置側への跳ね返りを規制することを特徴とする特徴A1乃至特徴A14のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A15によれば、案内通路を移動する遊技媒体は、上流側通路部から下流側通路部へ移動する際に壁部に当たることで、下流側通路部の通路方向における移動速度が抑えられることとなる。つまり、案内通路に流入する前に遊技媒体が取得した勢いを、遊技媒体検知位置に到達する前に弱めることができ、遊技媒体検知位置における通過速度(遊技媒体検知の信号の出力期間)のばらつきを好適に抑制することができる。
また、上流側通路部から流出した遊技媒体が壁部に衝突した際、同遊技媒体は遊技媒体検知位置側への跳ね返りが規制される。これにより、案内通路への流入時の勢いに起因した上記通過速度のばらつきを一層好適に抑えることができる。故に、遊技媒体検知位置における各遊技媒体の通過速度を好適に揃えることができる。
特徴A16.前記下流側通路部は、鉛直方向又は略鉛直方向に延びていることを特徴とする特徴A15に記載の遊技機。
特徴A16に示した構成においては、下流側通路部を、水平面から僅かに傾ける構成とし、その傾斜に沿って遊技媒体を移動させる構成とすることも可能である。しかしながら、このように通路の傾きに依存して遊技媒体の通過速度を決定する構成とした場合、遊技機の設置ばらつき等の影響が強まると想定される。つまり、通路の傾きによって遊技媒体の通過速度を規定する構成においては、同通路の傾きに対する設置ばらつきの影響が顕著になり、出力期間と規制期間との関係が崩れやすくなると想定される。
この点、本特徴によれば、遊技媒体を自重によって落下させることで、遊技機の設置ばらつきの影響を抑え、出力期間と規制期間との関係を一層好適なものとすることができる。
特徴A17.遊技盤(遊技盤80)の前面に形成された遊技領域(遊技領域PE)に設けられ、遊技球が入球する入球部(例えば作動口84)と、
前記入球部に入球した遊技球を少なくとも前記遊技盤の背面側へ案内する案内通路(例えば下側誘導通路部272や下側回収通路部321)と、
前記案内通路における遊技球検知位置(検知領域DE)を通過する遊技球を検知して所定の検知信号を出力する検知手段(検知センサ350)と、
前記検知信号に基づいて前記遊技球検知位置を遊技球が通過したか否かを判定する通過判定手段(主制御装置162のMPU611において信号読み込み処理のステップS203〜ステップS208を実行する機能)と、
前記通過判定手段によって前記遊技球検知位置を遊技球が通過したと判定された場合に、遊技者に対して特典を付与する特典付与手段(例えば主制御装置162のMPU611において通常処理のステップS501を実行する機能)と、
前記遊技媒体検知位置における各遊技球の通過速度を一定になるように調整することにより、前記検知信号として遊技球検知の信号が出力される出力期間を、予め定められた所定の期間とする期間調整手段(例えば下側誘導通路部272のガイドリブ273や縦通路322の球衝突面325)と、
前記出力期間と同じ長さの時間内における2個目以降の遊技球の通過を示す検知信号に基づいた前記特典の付与を規制する規制手段(主制御装置162のMPU611において信号読み込み処理を実行する機能)と
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴A17によれば、案内通路を移動する遊技球が同案内通路における遊技球検知位置を通過すると、同遊技球が検知手段によって検知される。そして、検知手段からの検知信号に基づいて遊技球検知位置における遊技球の通過判定が実行される。通過判定手段により遊技球検知位置を遊技球が通過したと判定された場合には、遊技者に対して特典(例えば遊技媒体の払い出しや大当たり等の抽選権等)が付与される。
検知手段からの検知信号にノイズ等が混入している場合には、そのようなノイズ等によって誤判定が発生すると想定される。例えば、ノイズが検知信号に混入することにより、1の遊技球が遊技球検知位置を通過した場合に、あたかも同遊技球検知位置を複数の遊技球が通過したかのように判定され得る。仮にこのような誤判定が行われると、遊技者に対して不当に特典が付与されることとなり、遊技の健全性が損なわれると想定される。
この点、本特徴においては、遊技球検知の信号が出力される期間を所定の期間となるように調整し、そのように調整された出力期間と同じ長さの時間内における2個目以降の遊技球の通過を示す検知信号に基づいた特典付与を規制する構成とした。仮に検知信号に複数の遊技球の通過を示すノイズ等が混入していたとしても、そのような誤った信号に基づく特典の付与を回避し、遊技球の通過判定精度を向上することができる。特に本特徴では、検知信号の出力期間を既知の長さの期間とすることができるため、同出力期間と同じ長さの時間内において、ノイズ等による遊技球の誤検知を精度よく把握できる。すなわち、検知信号の出力期間が不明であれば、仮に複数の遊技球が検知された場合に、それが正当な検知なのか誤検知なのかを正しく判断することが困難になるが、本特徴によればこうした不都合を解消できる。これにより、誤検知による不利益の発生を抑制し、遊技機の信頼性向上に貢献することができる。
例えば、出力期間と同じ長さの時間内に複数の遊技球が通過したと判定された場合には、1の遊技球の通過のみを有効とするとともに他の遊技球の通過を無効化し、1の遊技球の通過に応じた特典の付与を行うとよい。
特徴A18.遊技媒体を案内する案内通路(例えば下側誘導通路部272や下側回収通路部321)と、
前記案内通路における遊技媒体検知位置を通過する遊技球を検知して所定の検知信号を出力する検知手段(検知センサ350)と、
前記遊技媒体検知位置を遊技媒体が通過したか否かを前記検知信号に基づいて判定する通過判定手段(主制御装置162のMPU611において信号読み込み処理のステップS203〜ステップS208を実行する機能)と
を備え、
前記通過判定手段により前記遊技媒体検知位置を遊技媒体が通過したと判定された場合に、その判定結果に基づいて所定処理(主制御装置162のMPU611における通常処理のステップS501)を実行する遊技機において、
前記遊技媒体検知位置における各遊技媒体の通過速度を一定になるように調整することにより、前記検知信号として遊技媒体検知の信号が出力される出力期間を、予め定められた所定の期間とする期間調整手段(例えば下側誘導通路部272のガイドリブ273や縦通路322の球衝突面325)と
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴A18によれば、案内通路を移動する遊技媒体が同案内通路における遊技媒体検知位置を通過すると、同遊技媒体が検知手段によって検知される。そして、検知手段からの検知信号に基づいて遊技媒体検知位置における遊技媒体の通過判定が実行される。通過判定手段により遊技媒体検知位置を遊技媒体が通過したと判定された場合には、所定の処理が実行される。例えば、この処理によって、遊技者に遊技媒体の払い出しや大当たり等の抽選権等の特典を付与する構成とすればよい。
検知手段からの検知信号にノイズ等が混入している場合には、そのようなノイズ等によって誤判定が発生すると想定される。例えば、ノイズが検知信号に混入することにより、1の遊技媒体が遊技媒体検知位置を通過した場合に、あたかも同遊技媒体検知位置を複数の遊技媒体が通過したかのように判定され得る。
この点、期間調整手段によって遊技媒体検知の信号の出力期間を予め定められた所定の期間とすれば、同所定の期間に基づいて信号の異常を察知することが可能となる。これにより遊技媒体検知の信号の信頼性を好適に向上することができる。
なお、本特徴に特徴A1乃至特徴A17に記載の技術的特徴を適用することも可能である。
上記特徴A群は以下の課題に対して適用すると効果的である。
パチンコ機等の遊技機には、遊技媒体を案内する案内通路の遊技媒体検知位置にて遊技媒体を検知する検知手段(例えば近接センサ)と、検知手段から入力される制御装置とを備えているものがある。制御装置にて検知手段から入力された検知情報に基づいて、遊技媒体検知位置を遊技媒体が通過したか否かが判定される。例えば、パチンコ機においては入賞口等に入球した遊技球が検知手段によって検知され、その検知情報に基づいて遊技球の入賞が発生したと判定された場合には、遊技者に対して遊技球の払い出し等の特典が付与される。
上述の如く遊技媒体の通過判定に関しては利益等の発生が絡むことが多く、仮に遊技媒体の通過判定精度が低下すると遊技者や遊技ホールに対して不利益が生じ得るため好ましく、検知精度の向上には未だ改善の余地がある。
特徴B1.遊技媒体を案内する案内通路(例えば誘導通路1265、上流通路1325及び下流通路1335)と、
前記案内通路における遊技媒体検知位置(下流通路1335における検知領域DE)を通過する遊技媒体を検知して所定の検知信号を出力する遊技媒体検知手段(検知センサ1350)と、
前記遊技媒体検知位置を遊技媒体が通過したか否かを前記検知信号に基づいて判定する通過判定手段(主制御装置1162のMPU1611において信号読み込み処理のステップS1301〜S1307やステップS1403〜S1409を実行する機能)と
を備え、
前記通過判定手段により前記遊技媒体検知位置を遊技媒体が通過したと判定された場合に、その判定結果に基づいて所定処理(主制御装置1162のMPU1611における通常処理のステップS1601)を実行する遊技機において、
前記検知信号における異常を監視する監視状態及び同異常を監視しない非監視状態に切替可能な異常監視手段(主制御装置1162のMPU1611において信号読み込み処理のステップS1412等を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴B1によれば、案内通路を移動する遊技媒体が同案内通路における遊技媒体検知位置を通過すると、同遊技媒体が検知手段によって検知される。そして、検知手段からの検知信号に基づいて遊技媒体検知位置における遊技媒体の通過判定が実行される。通過判定手段により遊技媒体検知位置を遊技媒体が通過したと判定された場合には、所定の処理が実行される。例えば、この処理によって遊技者に遊技媒体の払い出しや大当たり等の抽選権等の特典を付与する構成とすればよい。
検知手段からの検知信号に異常が発生している場合には(例えばノイズ等が混入している場合には)、そのような検知信号の異常によって誤判定が発生し得ると懸念される。これは遊技機の信頼性を低下させる要因となり得るため好ましくない。この点、本特徴によれば、異常監視手段によって検知信号におけるノイズ混入等の異常を監視することにより、同異常の発生を早期に把握し、当該異常に起因した不利益の発生を好適に抑制することができる。これにより、遊技機の信頼性向上に貢献することができる。
特に、異常監視手段を監視状態と非監視状態とで切替可能とすることにより、同異常監視手段を遊技状況等に応じて有効化又は無効化することが可能となる。これにより、遊技機の信頼性向上に貢献しつつ、遊技媒体の検知信号の監視処理等に起因した制御負荷の増大を抑制することができる。
例えば、ノイズの混入等によって異常が発生しやすいと想定されるタイミングや期間にて異常監視手段による検知信号の監視を行うとよい。
特徴B2.遊技媒体を案内する案内通路(例えば誘導通路1265、上流通路1325及び下流通路1335)と、
前記案内通路における遊技媒体検知位置(下流通路1335における検知領域DE)を通過する遊技媒体を検知して所定の検知信号を出力する遊技媒体検知手段(検知センサ1350)と、
前記遊技媒体検知位置を遊技媒体が通過したか否かを前記検知信号に基づいて判定する通過判定手段(主制御装置1162のMPU1611において信号読み込み処理のステップS1301〜S1307やステップS1403〜S1409を実行する機能)と
前記通過判定手段によって前記遊技媒体検知位置を遊技媒体が通過したと判定された場合に、その判定結果に基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段(例えば主制御装置1162のMPU1611において通常処理のステップS1601を実行する機能)と、
前記遊技媒体検知位置への遊技媒体の移動が困難又は不可となる第1状態、及び同第1状態よりも同遊技媒体検知位置への遊技媒体の移動が容易となる第2状態に切替可能である可変手段(可変入賞装置1082の開閉扉1270)と、
前記可変手段が前記第1状態から前記第2状態に切り替えられた後に所定条件が成立するまで当該第2状態を継続し、同所定条件が成立した場合に前記第1状態に切り替える制御手段(主制御装置1162のMPU1611において大入賞口開閉処理のステップS1710等を実行する機能)と、
前記検知信号における異常を監視する監視状態及び同異常を監視しない非監視状態に切替可能な異常監視手段(主制御装置1162のMPU1611において信号読み込み処理のステップS1412等を実行する機能)と、
前記可変手段が前記第2状態に切り替えられた後、前記異常監視手段を前記非監視状態から前記監視状態に切り替える切替手段(主制御装置1162のMPU1611において大入賞口開閉処理のステップS1706,S1707を実行する機能)と
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴B2によれば、案内通路を移動する遊技媒体が同案内通路における遊技媒体検知位置を通過すると、同遊技媒体が検知手段によって検知される。そして、検知手段からの検知信号に基づいて遊技媒体検知位置における遊技媒体の通過判定が実行される。通過判定手段により遊技媒体検知位置を遊技媒体が通過したと判定された場合には遊技者に特典(例えば遊技媒体の払い出しや大当たり等の抽選権等)が付与される。
検知手段からの検知信号に異常が発生している場合には(例えばノイズ等が混入している場合には)、そのような検知信号の異常によって誤判定が発生し得ると懸念される。このような誤判定発生の要因となり得るノイズ等に関しては、偶発的に混入する場合と、検知信号を改ざんしようとして意図的に混入される場合とがあると想定される。特に可変手段によって遊技媒体検知位置への遊技媒体の移動が制限される構成においては、少しでも多くの特典(すなわち通常取得可能と想定される特典を上回る特典)を得ようとすることで上記不正が行われやすいタイミングや期間に偏りが生じ得る。この点、可変手段が第2状態に切り替えられた後、監視手段を非監視状態から監視状態に切り替えることにより、不正行為等によって生じる遊技媒体の過カウント(上記所定数を超えたカウント)を好適に監視することが可能となる。また、可変手段の第2状態への切替後(例えば直後)の期間にて監視手段を非監視状態とすることで、遊技媒体の過カウントが生じる以前(言い換えれば過カウントが生じにくい期間)における制御負荷の低減に貢献することができる。すなわち、監視手段を非監視状態とする期間を設けることで、監視手段を常時監視状態とする場合と比較して、検知信号の監視に起因した制御負荷の増大を好適に抑制することができる。
例えば、可変手段が第2状態に切り替えられた後、予め設定された条件(具体的には第2状態に切り替えられてからの経過期間や、遊技媒体の通過判定数に基づいて設定された条件)が成立することで異常監視手段を非監視状態から監視状態に切り替える構成とするとよい。上述した過カウント等が生じやすいタイミングや期間等に合わせて防犯機能を有効化すれば、防犯性の向上を図りつつ検知信号の監視に起因した制御負荷の増大を好適に抑制することが可能となる。
なお、特徴B1及び特徴B2に示した「検知信号における異常」は、例えば遊技媒体検知位置を遊技媒体が通過していないにも関わらずあたかも同遊技媒体検知位置を遊技媒体が通過したかのように検知信号が変化する場合を含む。特にそのような検知信号の変化によって通過判定手段による誤判定が生じ得る場合に、そのような検知信号の変化は遊技機にとって有害なものであるといえる。また、例えば検知信号がHI/LOWの2値信号であり、遊技媒体検知時にHI/LOWが一時的に切り替わる構成においては、「検知信号における異常」は遊技媒体を検知していないにも関わらずHI/LOWが切り替わることを含む。
因みに、「可変手段」については、例えば案内通路の通路入口部に設けるとともに、同案内通路への遊技媒体の進入を困難又は不可とする第1状態、及び同第1状態よりも同案内通路への進入が容易となる第2状態に切替可能とすることも可能である。
特徴B3.前記制御手段は、予め設定された所定数の遊技媒体が前記遊技媒体検知位置を通過したと前記通過判定手段によって判定されることにより前記所定条件が成立し、前記可変手段を前記第2状態から前記第1状態に切り替えるものであり、
前記切替手段は、前記可変手段の前記第2状態への切り替え後に前記通過判定手段によって前記遊技媒体検知位置を通過したと判定された遊技媒体の数が前記所定数に達する途中にて、又は同遊技媒体の数が前記所定数に達した場合に、前記異常監視手段を前記非監視状態から前記監視状態に切り替えることを特徴とする特徴B2に記載の遊技機。
所定数の遊技媒体の通過判定に基づいて可変手段が第2状態から第1状態に切り替わる構成においては、所定数を超えた遊技媒体が遊技媒体検知位置を通過する可能性は低くなる。この種の遊技機においては、例えば第2状態への切替の契機となる所定の検知信号を標的として同検知信号を複数に分化するといった不正行為が行われることにより、本来遊技媒体検知位置を通過する可能性の低い上記所定数を超えた遊技媒体があたかも同検知位置を通過したかのように改ざんされ、本来得られる特典以上の特典が不正に取得されると懸念される。
例えば可変手段が第2状態に切り替えられたタイミングから予め設定された期間が経過した場合に異常監視手段を監視状態に切り替える構成とすることも可能である。しかしながら、このように時間的要素によって異常監視手段の切替条件を構築した場合には、上記所定個数と上記期間との関係を一義的に定めることが難しくなると想定される。このような個数と時間との関係を考慮すれば異常監視手段を監視状態にて待機させる期間に相当の余裕代を付与する必要が生じやすい。この点、本特徴に示すように、通過判定された遊技媒体の数に応じて非監視状態から監視状態への切り替えを行う構成とすれば、上述した余裕代を減縮でき、実用上好ましい構成を実現できる。
また、上述した不正行為の特性を考慮すれば、検知信号の意図的な改ざんが行われるタイミングに偏りが生じ得ると想定される。この点、本特徴においては、通過判定手段によって遊技媒体検知位置を通過したと判定された遊技媒体の数が所定数に達する途中にて又は同所定数に達した場合に異常監視手段を非監視状態から監視状態に切り替える構成とした。これにより、不正行為が行われやすい期間に合わせて異常監視手段を有効とすることができ、遊技機の防犯機能を好適に向上させることができ、更には不正行為が行われにくいと想定される期間においては異常監視手段を無効化することにより制御負荷の増大を好適に抑制することができる。
特徴B4.前記制御手段は、予め設定された所定数の遊技媒体が前記遊技媒体検知位置を通過したと前記通過判定手段によって判定されることにより前記所定条件が成立し、前記可変手段を前記第2状態から前記第1状態に切り替えるものであり、
前記切替手段は、前記可変手段の前記第2状態への切り替え後に前記通過判定手段によって前記遊技媒体検知位置を通過したと判定された遊技媒体の数が、前記遊技媒体検知手段から前記所定の検知信号が出力されている期間にて前記通過判定手段により前記遊技媒体検知位置を通過したと判定され得る遊技媒体数の上限数を前記所定数から減算した数に達してから同所定数に達するまでの間にて、前記異常監視手段を非監視状態から監視状態に切り替えることを特徴とする特徴B2に記載の遊技機。
特徴B2に示したように遊技媒体の通過判定結果に基づいて特典を付与するタイプの遊技機においては、上述したように切替手段の第2状態への切替契機となる所定の検知信号等を標的として不正行為が行われることで上記特典が過剰に取得される可能性がある。
具体的には、ノイズ等を上記所定の検知信号に混入させて同検知信号を複数に分化することにより、1の遊技媒体が遊技媒体検知位置を通過した際にあたかも複数の遊技媒体が同遊技媒体検知位置を通過したかのように見せかけるといった不正行為が行われる可能性がある。仮にこのように1の検知信号を複数に分化することで複数回の通過判定が可能であるならば、その判定され得る上限数を前記所定数から減算した数と同数の遊技媒体が遊技媒体検知位置を通過した後に、後続する遊技媒体を標的とすることで、所定数よりも多くの遊技媒体が遊技媒体検知位置を通過したように見せかけて、特典を過剰に取得される可能性が高くなる。
この点、本特徴によれば、このような特典の過剰取得に関する不正が行われやすいと想定される期間においては、異常監視手段を有効化することにより防犯機能を高めることが可能となっている。つまり、不正が行われることで、その被害が大きくなりやすい期間を重点的に守ることで、制御負荷の増大を抑えつつ、不正抑制効果を好適に享受することが可能となっている。
なお、本特徴に示す「前記遊技媒体検知手段から前記所定の検知信号が出力されている期間にて前記通過判定手段により前記遊技媒体検知位置を通過したと判定され得る遊技媒体数の上限数を前記所定数から減算した数」を以下のように設定することで、上述した効果の更なる向上が期待できる。すなわち、切替手段の切替条件として設定される数(以下便宜上、「特定数」と称する)を「前記遊技媒体検知手段から前記所定の検知信号が出力されている期間にて前記通過判定手段により前記遊技媒体検知位置を通過したと判定され得る遊技媒体数の上限数を前記所定数から減算した数に1加算した数」とするとよい。
特徴B5.前記遊技媒体検知位置における各遊技媒体の通過速度を一定になるように調整することにより、前記遊技媒体検知手段から前記所定の検知信号が出力される出力期間を、予め定められた所定の期間とする期間調整手段(例えば下側誘導通路部272のガイドリブ273や縦通路322の球衝突面325)を有し、
前記通過判定手段は、前記出力期間よりも短く設定された所定周期で前記遊技媒体の通過判定を繰り返し実施するように設定されていることを特徴とする特徴B4に記載の遊技機。
特徴B4に示したように、前記遊技媒体検知手段から前記所定の検知信号が出力されている期間にて前記通過判定手段により前記遊技媒体検知位置を通過したと判定され得る遊技媒体数の上限数に基づいて異常監視手段の切り替えを行う構成においては、上述した検知信号の分化にって通過判定され得る数が都度変わることは好ましくない。この点、本特徴に示すように、通過判定手段による通過判定が出力期間よりも短く設定された所定周期で繰り返し実施される構成を採用し、期間調整手段によって遊技媒体検知の信号が出力される出力期間を調整すれば、そのような不都合の発生を抑制し、実用上好ましい構成を実現できる。
特徴B6.前記異常監視手段は、前記出力期間と同じ長さの時間内にて2個目以降の遊技媒体が通過したとする判定結果に基づき前記異常が発生したと判定する異常判定手段を有していることを特徴とする特徴B4又は特徴B5に記載の遊技機。
特徴B4に示したように遊技媒体検知位置を通過したと判定された遊技媒体の数が、上記特定数に達してから所定数に達するまでの間にて、異常監視手段を非監視状態から監視状態に切り替える構成においては、出力期間と同じ長さの時間内における2個目以降の遊技媒体の通過判定結果に基づいて前記異常が発生したと判定する構成を採用することで、上述したような検知信号の分化による特典の不正取得を好適に把握することができる。
特徴B7.前記切替手段は、前記可変手段の前記第2状態への切り替え後に前記通過判定手段によって前記遊技媒体検知位置を通過したと判定された遊技媒体の数が前記所定数に達した場合に前記異常監視手段を前記非監視状態から前記監視状態に切り替えるように設定されていることを特徴とする特徴B3に記載の遊技機。
特徴B4等に示した不正行為を想定した場合、同行為によって取得可能な特典が最も大きくなるのは、所定数の遊技媒体の最後の1つを標的として検知信号の分化を行った場合であると考えられる。そこで、本特徴に示すように、遊技媒体検知位置を通過したと判定された遊技媒体の数が所定数に達した場合に異常監視手段を非監視状態から監視状態に切り替える構成とすれば、防犯機能を確保しつつ、それに伴う制御負荷の増大を好適に抑制することができる。
特徴B8.前記切替手段は、前記可変手段の前記第2状態への切り替え後に前記通過判定手段によって前記遊技媒体検知位置を通過したと判定された遊技媒体の数が前記所定数の半数を上回った数となった場合に前記異常監視手段を前記非監視状態から前記監視状態に切り替えるように設定されていることを特徴とする特徴B3に記載の遊技機。
特徴B4等に示した不正行為を想定した場合、遊技媒体検知位置を通過する所定数の遊技媒体のうち前半と後半とを比較すれば、後半のほうが不正の対象として狙われやすいと想定される。そこで、本特徴に示すように、遊技媒体検知位置を通過したと判定された遊技媒体の数が所定数の半数を上回った数となった場合に異常監視手段を非監視状態から監視状態に切り替える構成とすれば、防犯機能を確保しつつ、それに伴う制御負荷の増大を好適に抑制することができる。
特徴B9.前記制御手段は、前記可変手段の前記第2状態への切り替え後に前記通過判定手段によって前記遊技媒体検知位置を通過したと判定された遊技媒体の数が前記所定数に達してから所定の期間が経過するまで前記可変手段を前記第1状態とするように設定されており、
前記切替手段は、前記所定の期間が経過する前に前記異常監視手段を前記監視状態から前記非監視状態に復帰させるように設定されていることを特徴とする特徴B3乃至特徴B8のいずれか1つに記載の遊技機。
本特徴に示すように遊技媒体検知位置を通過したと判定された遊技媒体の数が上記所定数に達してから所定の期間が経過するまで可変手段を第1状態とする構成においては、同可変手段が第1状態へ切り替わることで遊技媒体の遊技媒体検知位置への移動が妨げられることとなる。このため、特徴B3等に示したような検知信号の分化による不正行為は、その対象たる検知信号が出力されなくなることで、困難になると想定される。そこで、本特徴に示すように遊技媒体の数が前記所定数に達してから上記所定の期間が経過する前に異常監視手段を非監視状態に復帰させる構成とすれば、防犯機能を担保しつつ、同防犯機能の享受に起因した制御負荷の増大を好適に抑制することができる。
特徴B10.遊技領域(遊技領域PE)が形成されている遊技盤(遊技盤1080)と、
前記遊技領域を流下する遊技球が流入する入球部(例えば誘導通路1265,上流通路1325,下流通路1335)と、
前記入球部における遊技球検知位置(下流通路1335における検知領域DE)を通過する遊技球を検知して所定の検知信号を出力する球検知手段(検知センサ1350)と、
前記遊技球検知位置を遊技球が通過したか否かを前記検知信号に基づいて判定する通過判定手段(主制御装置1162のMPU1611において信号読み込み処理のステップS1101を実行する機能)と
前記通過判定手段によって前記遊技球検知位置を遊技球が通過したと判定された場合に、その判定結果に基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段(例えば主制御装置1162のMPU1611において通常処理のステップS1601を実行する機能)と、
前記遊技盤に設けられ、前記入球部への遊技球の流入が困難又は不可となる第1状態及び同第1状態よりも遊技球の流入が容易となる第2状態に切替可能な可変入球手段(可変入賞装置1082の開閉扉1270)と、
前記可変入球手段が前記第1状態から前記第2状態に切り替えられた後に予め定められた所定数の遊技球が前記遊技球検知位置を通過したと前記通過判定手段によって判定されるまで当該第2状態を継続し、同通過判定がなされた場合に前記可変入球手段を前記第2状態から前記第1状態に切り替える入球制御手段(主制御装置1162のMPU1611において大入賞口開閉処理のステップS1710等を実行する機能)と、
前記検知信号における異常を監視する監視状態及び同異常を監視しない非監視状態に切替可能な異常監視手段(主制御装置1162のMPU1611において信号読み込み処理のステップS1204等を実行する機能)と、
前記可変手段が前記第2状態に切り替えられた後、前記異常監視手段を前記非監視状態から前記監視状態に切り替える切替手段(主制御装置1162のMPU1611において大入賞口開閉処理のステップS1706,S1707を実行する機能)と
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴B10によれば、遊技領域を流下する遊技球が入球部に流入し、遊技球検知位置を通過することで検知手段から所定の検知信号が出力される。この検知信号に基づいて遊技球検知位置における遊技球の通過判定が実行される。通過判定手段により遊技球検知位置を遊技球が通過したと判定された場合には、遊技者に遊技球の払い出しや大当たり等の抽選権等の特典が付与される。通過判定された遊技球の数が所定数に達すると、入球制御手段によって可変入球手段が第2状態から第1状態に切り替えられる。これにより、他の遊技球の入球が妨げられることとなる。
検知信号に基づいて特典付与の有無を決定する遊技機においては、仮に検知手段からの検知信号にノイズ等が混入すると、そのようなノイズ等によって誤判定が発生すると想定される。これは過剰な特典の取得等を招来し、遊技機の信頼性を低下させる要因となり得るため好ましくない。
このようなノイズ等の混入に関しては、偶発的に混入する場合と、検知信号を改ざんしようとして意図的に混入される場合とがあると想定される。この点、本特徴によれば、異常監視手段によって上記ノイズ等の混入による検知信号の異常を監視することにより、同異常の発生を早期に把握し、当該異常に起因した不利益の発生を好適に抑制することができる。これにより、遊技機の信頼性向上及び防犯性向上に貢献することができる。
また、不正を目的とした信号の改ざんが行われる場合には、少しでも多くの利得を得ようとすることで同不正が行われやすいタイミングに偏りが生じ得ると考えられる。特に、上述の如く通過判定された遊技球の数が所定数に達することで可変入球手段により後続の遊技球の入球が阻またげられる構成においては、同偏りが顕著になりやすいと想定される。
この点、可変手段が第2状態に切り替えられた後、監視手段を非監視状態から監視状態に切り替えることにより、不正行為等によって生じる遊技媒体の過カウント(上記所定数を超えたカウント)を好適に監視することが可能となる。特に、可変手段が第2状態に切り替えられた後に監視手段を非監視状態とする期間を設けることで、監視手段を常時監視状態とする場合と比較して、検知信号の監視に起因した制御負荷の増大を好適に抑制することができる。特に、不正が行われやすいタイミングにて防犯機能を向上させる構成とすれば、防犯性の向上を図りつつ、それに起因した制御負荷の増大を好適に抑制することが可能となる。
例えば、ノイズの混入等によって異常が発生しやすいと想定されるタイミングや期間にて異常判定手段による検知信号の監視を行うとよい。
なお、特徴B3乃至特徴B9に示した各技術的思想を本特徴に適用することも可能である。特に、特徴B4や特徴B8との組み合わせによれば実用上好ましい構成を実現できる。すなわち、上述した遊技領域においては釘等の各種遊技部品が配設されることで同遊技領域を流下する遊技球の流下経路が多様化されている。このため、複数の遊技球が入球部に同じタイミングで到達する可能性があり、最後に入球部へ流入する遊技球のみを狙うことは困難であると想定される。故に、不正行為を効率的に行う場合には、不正の標的とする遊技球にある程度の幅(不正による特典の過剰取得が可能な程度の余裕)を加味する必要があると想定される。そこで、特徴B4や特徴B8との組み合わせによって、監視状態への切替タイミングを設定すれば、防犯機能を好適に享受しつつ、検知信号の監視に起因した制御負荷の増大を好適に抑制することができる。
特徴B11.遊技媒体を案内する案内通路と、
前記案内通路における遊技媒体検知位置を通過する遊技球を検知して所定の検知信号を出力する検知手段と、
前記遊技媒体検知位置を遊技媒体が通過したか否かを前記検知信号に基づいて判定する通過判定手段と
前記通過判定手段によって前記遊技媒体検知位置を遊技媒体が通過したと判定された場合に、その判定結果に基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段と、
前記遊技媒体検知位置への遊技媒体の移動が困難又は不可となる第1状態、及び同第1状態よりも同遊技媒体検知位置への遊技媒体の移動が容易となる第2状態に切替可能に設けられた可変手段と、
前記可変入球手段が前記第1状態から前記第2状態に切り替えられた後に予め定められた所定数の遊技球が前記遊技球検知位置を通過したと前記通過判定手段によって判定されるまで当該第2状態を継続し、同通過判定がなされた場合に前記可変入球手段を前記第2状態から前記第1状態に切り替える入球制御手段と、
前記遊技媒体検知位置における各遊技媒体の通過速度を一定になるように調整することにより、前記検知信号として遊技媒体検知の信号が出力される出力期間を予め定められた所定の期間とする期間調整手段と、
前記出力期間と同じ長さの時間内における前記通過判定手段による2個目以降の遊技媒体の通過判定と、同2個目以降の遊技媒体の通過判定結果に基づく前記所定処理の実行と、の少なくともいずれかを規制する規制状態と、同規制を行わない非規制状態とに切替可能に設けられた規制手段と、
前記可変手段が前記第2状態に切り替えられた後、前記規制手段を前記非規制状態から前記規制状態に切り替える切替手段と
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴B11によれば、案内通路を移動する遊技媒体が同案内通路における遊技媒体検知位置を通過すると、同遊技媒体が検知手段によって検知される。検知手段からの検知信号に基づいて遊技媒体検知位置を遊技媒体が通過したと判定された場合には、遊技者に対して特典(例えば遊技媒体の払い出しや大当たり等の抽選権等)が付与される。
検知手段からの検知信号にノイズ等が混入している場合には、そのようなノイズ等によって誤判定が発生すると想定される。例えば、ノイズが検知信号に混入することにより、1の遊技媒体が遊技媒体検知位置を通過した場合に、あたかも同遊技媒体検知位置を複数の遊技媒体が通過したかのように判定され得る。仮にこのような誤判定が行われると、遊技者に対して不当に特典が付与されることとなり、遊技の健全性が損なわれると想定される。
この点、本特徴においては、遊技媒体検知の信号が出力される期間を所定の期間となるように調整し、そのように調整された出力期間と同じ長さの時間内における2個目以降の遊技媒体の通過を示す検知信号に基づいた特典付与を規制する構成とした。仮に検知信号に複数の遊技媒体の通過を示すノイズが混入していたとしても、そのような誤った信号に基づく特典の付与を回避し、遊技媒体の通過判定精度を向上することができる。特に本特徴では、検知信号の出力期間を既知の長さの期間とすることができるため、同出力期間と同じ長さの時間内において、ノイズ等による遊技媒体の誤検知を精度よく把握できる。すなわち、検知信号の出力期間が不明であれば、仮に複数の遊技媒体が検知された場合に、それが正当な検知なのか誤検知なのかを正しく判断することが困難になるが、本特徴によればこうした不都合を解消できる。これにより、誤検知による不利益の発生を抑制し、遊技機の信頼性向上に貢献することができる。
例えば、出力期間と同じ長さの時間内に複数の遊技媒体が通過したと判定された場合には、1の遊技媒体の通過のみを有効とするとともに他の遊技媒体の通過を無効化し、1の遊技媒体の通過に応じた特典の付与を行うとよい。
検知手段からの検知信号に異常が発生している場合には(例えばノイズ等が混入している場合には)、そのような検知信号の異常によって誤判定が発生し得ると懸念される。このような誤判定発生の要因となり得るノイズ等に関しては、偶発的に混入する場合と、検知信号を改ざんしようとして意図的に混入される場合とがあると想定される。特に可変手段によって遊技媒体検知位置へ到達可能な遊技媒体の数が制限される構成においては、少しでも多くの特典(すなわち通常取得可能と想定される特典を上回る特典)を得ようとすることで上記不正が行われやすいタイミングや期間に偏りが生じ得る。
そこで、本特徴に示すように、可変手段が第2状態に切り替えられた後、規制手段を非規制状態から規制状態に切り替える構成とすることにより、不正行為等によって生じる遊技媒体の過カウント(上記所定数を超えたカウント)を好適に規制することが可能となる。特に、可変手段が第2状態に切り替えられた後に規制手段を非規制状態とする期間を設けることで、同規制手段を常時規制状態とする場合と比較して、同規制に起因した制御負荷の増大を好適に抑制することができる。
例えば、予め設定された条件が成立することで規制手段を非規制状態から規制状態に切り替える構成とし、不正が行われやすいタイミングや期間等に合わせて防犯機能を有効化する構成とすれば、防犯性の向上を図りつつそれに起因した制御負荷の増大を好適に抑制することが可能となる。
なお、本特徴に上記特徴A3乃至特徴A18に示した各技術的思想を適用することも可能である。この場合、特徴A群に示す「規制手段」を本特徴に示す「規制手段」と置き換えるとよい。
上記特徴B群は以下の課題に対して適用すると効果的である。
パチンコ機等の遊技機には、遊技媒体を案内する案内通路の遊技媒体検知位置にて遊技媒体を検知する検知手段(例えば近接センサ)と、検知手段から入力される制御装置とを備えているものがある。制御装置にて検知手段から入力された検知信号に基づいて、遊技媒体検知位置を遊技媒体が通過したか否かが判定される。例えば、パチンコ機においては入賞口等に入球した遊技球が検知手段によって検知され、その検知信号に基づいて遊技球の入賞が発生したと判定された場合には、遊技者に対して遊技球の払い出し等の特典が付与される。
仮に検知手段からの検知信号に異常が発生すると(例えばノイズ等が混入すると)そのような検知信号の異常によって誤判定が発生し得ると懸念される。これは遊技機の信頼性を低下させる要因となり得るため好ましくない。特に、上述したように遊技媒体の通過判定に関しては利益等の発生が絡むことが多く、このような誤判定の発生は遊技者や遊技ホールに対して不利益が生じ得るため好ましくない。
ここで、検知信号を監視する監視手段等を採用することで検知信号ひいては遊技機の信頼性を向上することが可能である。しかしながら、このように監視手段等を採用することで遊技機の信頼性向上の向上を図ったとしても、遊技媒体の検知信号の監視処理等に起因した制御負荷が増大することは好ましくない。
特徴C1.遊技媒体を案内する案内通路(例えば誘導通路2265、上流通路2325及び下流通路2335)と、
前記案内通路における第1検知位置を通過する遊技媒体を検知して所定の検知信号を出力する第1検知手段(第1検知センサ2350A)と、
前記案内通路において前記第1検知位置よりも下流側の第2検知位置を通過する遊技媒体を検知して所定の検知信号を出力する第2検知手段(第2検知センサ2350B)と、
前記案内通路における第1検知位置を遊技媒体が通過したか否かを、前記第1検知手段から出力される前記検知信号に基づいて判定する第1判定手段(主制御装置2162のMPU2611において信号読み込み処理のステップS2201〜ステップS2207を実行する機能)と、
前記案内通路における前記第2検知位置を遊技媒体が通過したか否かを、前記第2検知手段から出力される前記検知信号に基づいて判定する第2判定手段(主制御装置2162のMPU2611において信号読み込み処理のステップS2208〜ステップS2214を実行する機能)と、
前記第1検知手段からの前記検知信号として遊技媒体検知の信号が出力される出力期間の長さと、前記第2検知手段からの前記検知信号として遊技媒体検知の信号が出力される出力期間の長さと、を相違させる出力期間調整手段(例えば誘導通路2265、上流通路2325及び下流通路2335)と、
前記第1判定手段によって前記第1検知位置を通過したと判定された遊技媒体の数と、前記第2判定手段によって前記第2検知位置を通過したと判定された遊技媒体の数と、に基づいて異常判定を行う異常判定手段(主制御装置2162のMPU2611においてエラー判定処理のステップS2603を実行する機能)と
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴C1によれば、案内通路によって案内される遊技球が第1検知手段及び第2検知手段によって検知されると、それら第1検知手段及び第2検知手段から検知信号が出力され、それら各検知信号に基づいて遊技媒体の通過判定が行われる。そして、第1検知位置を通過したと判定された遊技媒体の数と第2検知位置を通過したと判定された遊技媒体の数とに基づいて(例えば比較して)異常判定を行うことにより、検知信号の異常(例えばノイズ等の混入)の発生を見つけることができる。これにより、例えば、誤った判定結果に基づき遊技者に対して不当に特典が付与されることを抑制し、遊技の健全性の担保に貢献することができる。
上述した不都合は、偶発的な要因や人為的な要因によって発生し得る。検知信号としての遊技媒体検知の信号の出力期間中に同遊技媒体検知の信号に連続して繰り返し発生するノイズが混入した場合を想定すると、例えば検知信号が部分的に遊技媒体非検知の信号に切り替ることにより1の遊技媒体検知の信号が複数の遊技媒体検知の信号に分化され得る。つまり、ノイズの混入によって、あたかも複数の遊技媒体の通過が検知されたかのように1の遊技媒体検知の信号が変化する可能性がある。このようなノイズが、第1検知手段からの検知信号と第2検知手段からの検知信号とに同じように混入すると、以下の不都合が生じ得る。つまり、各判定手段によって判定される遊技媒体の数が同数となり、それら両遊技媒体数に基づく異常判定が回避され、異常判定手段によるノイズの把握が困難になると想定される。
特に上述したノイズが人為的に混入される場合、不正行為を効率に行うために遊技媒体の通過タイミング(すなわち検知信号の出力タイミング)を見計らって複数のノイズを混入させることにより、1の遊技媒体の通過に対応する検知信号を多数の遊技媒体の検知信号に分化されると想定される。仮に、このような不正行為の発見が困難になると、遊技ホール等における損害が甚大なものになり得る。この点、本特徴においては、各検知手段から出力される遊技媒体検知の信号の出力期間の長さを相違させることにより、上記不都合を好適に抑制することができる。つまり、上述の如く1の検知信号に複数のノイズが混入される場合、各検知信号の出力期間の長さが相違することにより、分化される数が相違しやすくなる。より具体的には、連続して複数のノイズが繰り返し混入する場合、2つの出力期間内では、検知信号が分化される数が相違することとなる。これにより、各検知信号に基づいて通過したと判定される遊技媒体の数が相違することとなる。
このため、異常判定手段によって判定結果を比較することにより、上述した不正行為を好適に見つけることが可能となる。
以上、詳述したように期間調整手段及び異常判定手段によってノイズの混入等による誤判定を抑制することで、判定精度を向上することが可能となる。故に、誤検知による不利益の発生を抑制し、遊技機の信頼性向上に貢献することができる。
なお、本特徴に特徴B1乃至特徴B10に示した各技術的思想を適用することも可能である。例えば、特徴B1に示した「異常監視手段」が本特徴に示す「異常判定手段」を有し、「異常監視手段が前記監視状態」である場合に「前記第1判定手段によって前記第1検知位置を通過したと判定された遊技媒体の数と、前記第2判定手段によって前記第2検知位置を通過したと判定された遊技媒体の数と、に基づいて異常判定を行う」構成とすればよい。
特徴C2.前記出力期間調整手段は、前記第1検知位置における遊技媒体の通過速度を、前記第2検知位置における同遊技媒体の通過速度とは相違するようにして調整することにより、前記第1検知手段における前記出力期間の長さと、前記第2検知手段における前記出力期間の長さとを相違させるものであることを特徴とする特徴C1に記載の遊技機。
特徴C1等に示した構成を実現するには、出力期間調整手段によって各検知位置における遊技媒体の通過速度を相違させるとよい。
特徴C3.前記出力期間調整手段は、前記第1検知位置における遊技媒体の通過速度が前記第2検知位置における遊技媒体の通過速度よりも遅くなるように調整するものであることを特徴とする特徴C1又は特徴C2に記載の遊技機。
特徴C1等に示したように、各検知手段から出力される遊技媒体検知の信号の出力期間を相違させる構成においては、それら各出力期間の長さの差が小さくなると、判定精度の向上機能が低下し得る。例えば、案内通路内で遊技媒体の流下が滞る等した場合には、遊技媒体同士が干渉して各検知位置における通過速度が安定しない可能性がある。これは、第1検知手段から出力される遊技媒体検知の信号の出力期間の長さと、第2検知手段から出力される遊技媒体検知の信号の出力期間の長さと、の差を縮める要因となり得るため好ましくない。
この点、本特徴に示すように、案内通路を移動する遊技球の移動速度を、第1検知位置側で遅く、第2検知位置側で早くすることが可能であれば、案内通路内での遊技媒体の移動を円滑なものとすることができ、上述したような遊技媒体同士の干渉を好適に抑制することができる。これにより、出力期間の差が縮まるといった不都合の発生を抑えることが可能となる。
特に、第2検知位置においては、仮に後続の遊技媒体が先行する遊技媒体に当たって先行する遊技媒体が加速された場合、第2検知位置における先行する遊技媒体の通過速度が速くなることはあっても遅くなることはない。第2検知手段から出力される検知信号の出力期間が、第1検知手段から出力される検知信号の出力期間よりも短く設定されているため、上述の如く遊技媒体が加速した場合には、両出力期間の差が拡大されることとなる。故に、上記不都合を一層好適に回避することができる。
特徴C4.前記第1判定手段によって前記第1検知位置を遊技媒体が通過したと判定された場合に、その判定結果に基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段(例えば主制御装置2162のMPU2611において通常処理のステップS2301を実行する機能)を備え、
前記出力期間調整手段は、前記第2検知位置における遊技媒体の通過速度が前記第1検知位置における遊技媒体の通過速度よりも遅くなるように調整するものであることを特徴とする特徴C1又は特徴C2に記載の遊技機。
例えば、第2検知位置を遊技媒体が通過したと判定された場合に上記特典(例えば遊技媒体の払い出し等)の付与を行う構成や、第1検知位置及び第2検知位置の両検知位置を遊技媒体が通過したと判定された場合に上記特典の付与を行う構成を採用することも可能である。しかしながら、これらの構成においては、第2検知位置を通過したと判定されるまで特典付与が行われないため、案内通路に遊技媒体が流入してから特典が付与されるまでの期間が間延びすると想定される。つまり、上記例示した構成においては、検知精度の向上を図ることができる反面、特典付与の応答性の向上が困難になり得る。
この点、本特徴によれば、案内通路に流入した遊技媒体が第2検知位置よりも上流側の第1検知位置を通過し、第1判定手段によって同第1検知位置を同遊技媒体が通過したと判定されることにより、遊技者に特典が付与される。これにより、検知精度の向上を図りつつ、それに起因した特典付与時の応答性の低下を抑制することができる。
また、第1検知位置を第2検知位置よりも案内通路における上流側に配置するとともに、同第2検知位置における遊技媒体の通過速度を第1検知位置における遊技媒体の通過速度を遅くすることにより、第2検知位置における遊技媒体の通過速度を第1検知位置における遊技媒体の通過速度を速くする場合と比較して、遊技媒体が案内通路に流入してから特典が付与されるまでの期間を短縮し、上述した特典付与時の応答性を向上することができる。すなわち、実際に遊技媒体が第1検知位置を通過してから特典が付与されるまでの期間が間延びすることを抑制し、遊技進行の円滑化に貢献することができる。
なお、本特徴に特徴B1乃至特徴B10に示した各技術的思想を適用する場合には、以下のようにすることも可能である。すなわち、「異常監視手段が前記非監視状態」である場合に、第2判定手段による通過判定と、第1判定手段によって通過判定された遊技媒体数及び前記第2判定手段によって通過判定された遊技媒体数に基づく異常判定とを行わない構成を採用することも可能である。
特徴C5.前記出力期間調整手段は、前記案内通路において前記第1検知位置と前記第2検知位置との間となる部位に、遊技媒体の通過速度を調整する速度調整部が設けられていることで構成されていることを特徴とする特徴C2乃至特徴C4のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴C1に示したように案内通路に流入した遊技球を検知手段によって検知する場合には、遊技媒体の通過判定結果を用いて各種処理が実行されると想定される。本特徴に示すように、第1検知位置と第2検知位置との間に速度調整部(出力期間調整手段)を配すれば、第1検知位置を案内通路における上流寄りに配置することが可能となり、遊技媒体が案内通路に流入してから上記処理が行われるまでの期間が間延びすることを抑え、同処理の応答性の向上に貢献することができる。例えば、特徴C4との組み合わせにおいては、特典付与時の応答性を向上することにより、円滑な遊技の進行に貢献することができる。
特徴C6.前記第1検知手段の検知信号により遊技媒体の通過判定がなされた場合、又は前記第2検知手段の検知信号により遊技媒体の通過判定がなされた場合において、そのいずれか一方では、通過判定結果に基づく前記遊技媒体の検知数を検知数差分カウンタ(チェックカウンタCC)に加算し、他方では、通過判定結果に基づく前記遊技媒体の検知数を前記検知数差分カウンタから減算する差分値算出手段(主制御装置2162のMPU2611においてエラー判定準備処理のステップS2501〜S2504を実行する機能)を備え、
前記異常判定手段は、前記検知数差分カウンタの初期値からの変化量に基づいて、前記第1判定手段によって通過判定された遊技媒体の数と前記第2判定手段によって通過判定された遊技媒体の数とを比較して前記異常の判定を行うこと特徴とする特徴C1乃至特徴C5のいずれか1つに記載の遊技機。
ノイズ等の混入が無く、検知信号に基づいた通過判定が正常に行われている場合には、第1検知位置を通過したと判定された遊技媒体の数と、第2検知位置を通過したと判定される遊技媒体の数とが一致する。このため、記憶手段に記憶されている遊技媒体の数は一時的に増加したり減少したりするものの、初期の値と同じ値に保持されることとなる。一方、検知信号にノイズ等が混入した場合には、第1検知位置を通過したと判定された遊技媒体の数と、第2検知位置を通過したと判定される遊技媒体の数とが相違することとなる。これにより、検知差分数カウンタに記憶されている数は初期の値から外れたままとなる。このような検知差分数カウンタの初期値からの外れに基づいて、第1判定手段によって通過判定された遊技媒体の数と第2判定手段によって通過判定された遊技媒体の数とを比較して異常判定を行うことにより、検知信号に異常が発生した旨の判定がなされる。例えばその比較結果を報知手段等を用いてホール管理者等に伝えることにより、ノイズ等の発生を容易に把握することが可能となる。
本特徴においては特に、各判定手段による判定結果を1のカウンタによってまとめて取り扱うことが可能であり、判定精度の向上を図りつつ、それによる構成の煩雑化を抑制することが可能となっている。
特徴C7.前記第1検知位置及び前記第2検知位置が遊技機前方から視認困難又は不可となるように前記案内通路を遮蔽する遮蔽手段(例えば遊技盤2080)を備え、
前記期間調整手段は、前記第1検知手段における前記出力期間の長さと、前記第2検知手段における前記出力期間の長さと、の少なくとも一方を変更する出力期間変更手段を有していることを特徴とする特徴C1乃至特徴C6のいずれか1つに記載の遊技機。
既に説明したように、判定結果に影響を与え得るノイズの混入は、偶発的に生じるのものに限られず、不正行為者によって意図的に行われる可能性がある。このような不正なノイズの混入がなされる場合を想定すれば、第1検知手段に混入させるノイズと、第2検知手段に混入させるノイズとが調整されること、例えば各検知手段に混入させるノイズの数や出力期間等を各検知手段から出力される遊技媒体検知の信号の数が同一となるように調整されることにより、各判定手段によって通過判定される遊技媒体の数に差違が生じなくなる。これにより、上記異常判定手段による異常の発見が困難になり得る。
そこで、本特徴においては、先ず遮蔽手段によって各検知位置を視認困難又は不可とし、更に検知信号の出力期間の長さを変化させる構成とした。これにより、上述の如く意図的に混入させるノイズの数等を調整することにより両判定手段にて通過判定された遊技媒体の数を揃えることを難しくすることができる。故に、更なる防犯性の向上が期待できる。
例えば、特徴C2との組み合わせにおいては、遊技媒体の通過速度を変更することにより、本特徴に示した構成を好適に実現することが可能である。
特徴C8.前記出力期間変更手段は、前記異常判定手段によって、前記第1判定手段により通過判定された遊技媒体の数と、前記第2判定手段により通過判定された遊技媒体の数との数が相違していると判断された場合に、前記出力期間の長さの変更を実行することを特徴とする特徴C7に記載の遊技機。
特徴C7に示したように出力期間変更手段を有する構成においては、逐次、出力期間の長さを変更する構成とすることにより、防犯機能の向上効果を享受することができる。しかしながら、出力期間の長さを逐次変更する構成を採用した場合、防犯機能の向上が期待できる反面、それに起因した制御不可の増大が顕著になると想定される。この点、本特徴に示すように、第1判定手段により第1検知位置を通過したと判定された遊技媒体の数と、第2判定手段により第2検知位置を通過したと判定された遊技媒体の数との数が相違していると判断された場合に出力期間の長さの変更を行う構成とすれば、上記制御不可の増大を好適に抑制することができ、実用上好ましい構成を実現できる。
特徴C9.前記異常判定手段は、前記第1判定手段によって通過判定された遊技媒体の数と、前記第2判定手段によって通過判定された遊技媒体の数とを比較し、それら遊技媒体の数の差が予め定められた異常判定値に達した場合に異常が発生したと判定するものであり、
前記異常判定値は、前記第1検知位置及び前記第2検知位置の間を遊技媒体が移動するのに要する移動期間の長さに基づいて、同移動期間内において前記第1判定手段による通過判定が可能な遊技媒体の最大数よりも大きく設定されていることを特徴とする特徴C1乃至特徴C8のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴C9によれば、ノイズ等の混入により検知位置を通過したと判定された遊技媒体の数に差違が生じた場合、その差が予め定められた異常判定値に達した場合に異常判定がなされる。第1検知位置と第2検知位置とを離して配した場合、各判定手段による通過判定には必ずタイムラグが生じる。このため、第1判定手段によって第1検知位置を通過したと判定された遊技媒体の数と、第2判定手段によって第2検知位置を通過したと判定された遊技媒体の数とには一時的に差違が生じ得る。そこで、遊技媒体の数の差が異常判定値に達した場合に異常が発生したと判定する構成とするともに、同異常判定値を第1検知位置及び第2検知位置の間を遊技媒体が移動するのに要する移動期間の長さに基づいて、同移動期間内において第1判定手段による通過判定が可能な遊技媒体の最大数よりも大きく設定されていることにより、そのような正常な差違に対して異常判定手段が過敏に反応することを回避でき、実用上好ましい構成を実現できる。
ここで、上述の如く遊技媒体の数の差が異常判定値に達した場合に異常が発生したと判定する構成を採用する場合、異常判定値に過度にゆとりを与えると異常の発見が遅れる可能性がある。例えば、異常判定値を上記最大値に近づけて(具体的には最大値よりも1大きい数等)設定することにより、異常判定に関する比較精度を高めることができ、異常判定手段の信頼性の更なる向上に貢献できる。
特徴C10.前記第1検知位置及び前記第2検知位置が遊技機前方から視認困難又は不可となるように前記案内通路を遮蔽する遮蔽手段(例えば遊技盤2080)を備え、
前記出力期間調整手段は、前記第1検知位置及び前記第2検知位置の間を遊技媒体が移動するのに要する期間を変更する移動期間変更手段を備えていることを特徴とする特徴C1乃至特徴C9のいずれか1つに記載の遊技機。
既に説明したように、判定結果に影響を与え得るノイズの混入は、偶発的に生じるのものに限られるものではなく、不正行為者によって意図的に行われる可能性を払拭できない。仮に不正行為者が第1検知手段に混入させるノイズと、第2検知手段に混入させるノイズとを差別化することが可能であれば、上記異常判定手段によるノイズ混入形跡の把握が困難になり得る。例えば、第1検知手段から出力される検知信号の出力期間と、第2検知手段から出力される検知信号の出力期間のうち、短い一方に合わせて混入させるノイズの数が調整されると、上記異常判定手段によるノイズ混入形跡の把握が困難になり得る。
この点、本特徴によれば、第1検知位置〜第2検知位置を移動するのに要する期間を変更手段によって延長したり短縮したりすることにより、一方の検知手段から検知信号が出力されるタイミングを基準として他方の検知手段から検知信号が出力されるタイミングを見定めることを困難なものとすることができる。これにより、上述した不正行為を抑制しし、更なる防犯性の向上が期待できる。
特徴C11.前記遊技媒体としての遊技球が流下する遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤2080)と、
前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技媒体の入球が可能となる入球部(大入賞口2261等)と
を備え、
前記案内通路は、前記入球部に入球した遊技媒体を少なくとも前記遊技盤の背面側へ案内するものであり、
前記遊技媒体検知位置は、前記案内通路において前記遊技盤の背面側に位置する部分に配されており、
前記第1検知手段は、高周波発振式の近接センサであり、前記第1検知位置における遊技媒体の通過時に一時的に高周波の発振を抑え、それにより前記遊技媒体の通過時と非通過時とで異なる二値信号を出力するものであり、
前記第2検知手段は、高周波発振式の近接センサであり、前記第2検知位置における遊技媒体の通過時に一時的に高周波の発振を抑え、それにより前記遊技媒体の通過時と非通過時とで異なる二値信号を出力するものであることを特徴とする特徴C1乃至特徴C10のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴C11によれば、遊技領域を流下する遊技球が入球部に入球すると、同遊技球は案内通路によって遊技盤の背面側に案内される。その後、同遊技球が検知位置を通過することにより高周波の発振が抑えられ、遊技球の通過時と非通過時とで異なる二値信号を出力される。高周波を利用して遊技球の通過検知を行う場合、遊技機外部から検知手段に対して高周波が出力されると、そのような遊技機外部からの高周波が検知信号に混入すると想定される。
そこで、本特徴においては、検知位置を遊技盤の背面側に配することにより、遊技機前方から検知位置を見えにくくすることができる。これにより、例えば不正行為者が意図的に高周波を混入させようととしても、どのタイミングで遊技球が検知位置を通過するかを把握することが困難となる。このため、不正行為を効率よく行うには、不正な高周波の出力周期を上記出力期間よりも短く設定するとともに、遊技球が遊技媒体検知位置を通過する前のタイミングから通過し終えるタイミングまである程度の期間継続して高周波の出力を継続する必要が生じる。この場合、1の遊技球の通過に対応する検知信号が多数に分化されやすくなる。
第1検知手段と、第2検知手段とを近づけて配置したとしても、両検知手段から出力される検知信号には差が生じやすくなる。つまり、出力期間が相違する各検知信号は、それぞれ分化される数が相違し、ノイズの混入を容易に把握することが可能となる。このように、各検知手段を近づけて配置したとしてもそれに起因した検知精度や防犯機能の低下を抑制することができるため、それら検知手段の配置自由度を向上することができる。
特徴C12.前記第1判定手段によって前記第1検知位置を遊技媒体が通過したと判定された場合に、その判定結果に基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段(例えば主制御装置2162のMPU2611において通常処理のステップS2301を実行する機能)を備え、
前記第1検知位置は、前記遊技盤の背面側にて前記遊技領域と前後に重なる位置に配されており、
前記第2検知位置は、前記遊技盤の背面側にて前記遊技領域と前後に重ならない位置に配されていることを特徴とする特徴C11に記載の遊技機。
特徴C11に示したように、高周波発振式の検知手段を採用している場合、各検知手段に向けて高周波が出力されることで、ノイズが混入しやすくなる。本特徴においては、第1検知位置を遊技領域の後方に配することにより、入球部への入球に対する遊技球検知の応答性向上に貢献することができる。また、第2検知位置を遊技領域と前後に重ならない位置に配することにより、第1検知位置及び第2検知位置の両位置に向けて外部から高周波を射出することを困難なものとすることができる。これにより、ノイズの混入が生じた場合であっても、各検知信号での差を明確なものとすることができ、異常判定手段によるノイズの発見を容易化することができる。
特徴C13.前記遊技領域に設けられ、前記案内通路へ遊技球が流入し易い第1状態と当該第1状態よりも遊技球が流入しにくい又は不可となる第2状態とに切替可能な可変入球手段(可変入賞装置2082)を備え、
前記可変入球手段は、前記第1判定手段によって前記第1検知位置を通過したと判定された遊技球の数が予め定められた数に達した場合に、前記第1状態から前記第2状態に切り替えられるものであることを特徴とする特徴C11又は特徴C12に記載の遊技機。
特徴C13によれば、遊技領域を流下した遊技球が案内通路へ入り、その数が予め定められた数に達することで、可変入球手段が第2状態に切り替る。第1判定手段による判定結果に基づいて第1状態から第2状態に切り替る構成において、第2検知位置よりも第1検知位置が通路上流側に配されていることにより、入球部への遊技球の流入に対する可変入球手段の状態切替の応答性を高めることができる。
例えば、第1検知手段を可変入球手段の切り替えに用いるとともに第2検知手段をノイズ判定に用いる構成とすることにより、判定精度の向上と遊技進行の円滑化とを好適に両立することができる。
特徴C14.前記異常判定手段は、前記可変入球手段が前記第2状態に切り替えられた後、同可変入球手段が前記第1状態に保持されている期間中に前記第1判定手段によって通過判定された遊技媒体の数と当該保持されている期間中に前記第2判定手段によって通過判定された遊技媒体の数とに基づいて前記異常判定を実行することを特徴とする特徴C13に記載の遊技機。
特徴C13に示したように可変入球手段を有する構成においては、同可変入球手段が第1状態となることにより、多数の遊技球が一気に案内通路へ流入し得る。第1検知位置と第2検知位置とが同一箇所に配されていない構成においては、各判定手段による判定結果に一時的に大きな差が生じ得る。このような構成においては、可変入球手段が第2状態に切り替えられた後に遊技媒体の数(例えば通過判定手段による通過判定に基づく遊技媒体の検知数)に基づいて異常判定を行うことにより、一時的な差を考慮する必要がなくなり、比較結果を用いたノイズの判別を容易化することができる。
特徴C15.前記第1判定手段は、定期的に実行される定期処理にて、前記第1検知手段から出力される遊技媒体検知の信号に基づいた通過判定を実行するものであり、
前記第2判定手段は、前記定期処理にて、前記第2検知手段から出力される遊技媒体検知の信号に基づいた通過判定を実行するものであり、
前記第1検知手段から遊技媒体検知の信号が出力された場合に前記第1判定手段においてその信号に基づく通過判定を行う際に必要な判定期間と、前記第2検知手段から遊技媒体検知の信号が出力された場合に前記第2判定手段においてその信号に基づく通過判定を行う際に必要な判定期間と、が同一となるように設定されていることを特徴とする特徴C1乃至特徴C14のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴C1等に示したように第1判定手段によって第1検知位置を通過したと判定された遊技媒体の数と第2判定手段によって第2検知位置を通過したと判定された遊技媒体の数とを比較することで、ノイズ等の混入に基づく異常の発生を把握可能な構成に対して本特徴に示す構成を適用することにより、実用上好ましい構成を実現できる。すなわち、第1判定手段と第2判定手段とが定期処理によって実行されるとともに、通過判定に要する期間が同一となることにより、上記比較の容易化を図りつつ、比較結果の信頼性を好適に高めることができる。
特徴C16.前記期間調整手段は、前記第1判定手段における前記出力期間の長さと、前記第2検知手段における前記出力期間の長さとの差が、少なくとも前記判定期間よりも大きくなるように調整するものであることを特徴とする特徴C15に記載の遊技機。
特徴C1等に示した構成を実現するには、各検知手段から出力される検知信号の出力期間の差を判定期間よりも大きくすることが望ましい。
特徴C17.前記出力期間調整手段は、前記案内通路に流入した遊技媒体を減速させる減速部であり、遊技媒体を減速させることで前記各出力期間の長さを相違させるものであることを特徴とする特徴C1乃至特徴C16のいずれか1つに記載の遊技機。
案内通路における遊技媒体の流下速度がばらつが生じている場合には、同ばらつきの影響が各検知位置を通過する際の遊技媒体の通過速度に影響を与え得る。仮に第1検知位置と第2検知位置との通過速度差が小さくなるようなばらつきが生じると、上記出力期間の長さの差が小さくなり、当該差を利用した異常判定が困難になると懸念される。そこで、本特徴に示すように、出力期間調整手段によって遊技媒体を減速させる構成とすれば、流下速度のばらつきを抑制し、上記差を好適に担保することができる。具体的には、案内通路に沿って遊技球が流下する場合には、検知位置を通過する前の速度(以下便宜上、初速と称する)を小さく抑えた状態で遊技球を自重落下させることにより、通過速度における初速の寄与度を小さくし、上記速度ばらつきを好適に抑制することができる。
例えば、第1検知位置の直上流となる位置及び第2検知位置の直上流となる位置にそれぞれ減速部を配するとよい。
特徴C18.前記出力期間調整手段は、前記案内通路に流入した遊技媒体の流下速度を当該案内通路の途中位置にてほぼ0となるように減速させるものであることを特徴とする特徴C17に記載の遊技機。
特徴C18によれば、遊技媒体の流下速度をほぼ0となるように減速させることにより、特徴C17に示した速度ばらつきを好適に抑えることができる。つまり、出力調整機関に到る前の速度がいかようであったとしても、ほぼ0となるように減速させることで、初速のばらつきによる影響を払拭することができる。これにより、検知位置を通過する際の通過速度のばらつきを抑えることが可能となり、実用上好ましい構成を実現できる。
特徴C19.遊技媒体を案内する案内通路(例えば誘導通路2265、上流通路2325及び下流通路2335)と、
前記案内通路における第1検知位置を通過する遊技媒体を検知して所定の検知信号を出力する第1検知手段(第1検知センサ2350A)と、
前記案内通路において前記第1検知位置よりも下流側の第2検知位置を通過する遊技媒体を検知して所定の検知信号を出力する第2検知手段(第2検知センサ2350B)と、
前記第1検知手段から出力される前記検知信号に基づいて判定を行う第1判定手段(主制御装置2162のMPU2611において信号読み込み処理のステップS2201〜ステップS2207を実行する機能)と、
前記第2検知手段から出力される前記検知信号に基づいて判定を行う第2判定手段(主制御装置2162のMPU2611において信号読み込み処理のステップS2208〜ステップS2214を実行する機能)と、
前記第1検知手段からの前記検知信号として遊技媒体検知の信号が出力される出力期間の長さと、前記第2検知手段からの前記検知信号として遊技媒体検知の信号が出力される出力期間の長さと、を相違させる出力期間調整手段(例えば誘導通路2265、上流通路2325及び下流通路2335)と、
前記第1判定手段の判定結果と前記第2判定手段の判定結果とに基づいて異常判定を行う異常判定手段(主制御装置2162のMPU2611においてエラー判定処理のステップS2603を実行する機能)と
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴C19によれば、案内通路によって案内される遊技球が第1検知手段及び第2検知手段によって検知されると、それら第1検知手段及び第2検知手段から検知信号が出力され、それら各検知信号に基づいて各判定手段による判定が行われる。そして、第1判定手段による判定結果と第2判定手段による判定結果とに基づいて(例えば比較して)異常判定を行うことにより、検知信号の異常(例えばノイズ等の混入)の発生を見つけることができる。これにより、例えば、誤った判定結果に基づき遊技者に対して不当に特典が付与されることを抑制し、遊技の健全性の担保に貢献することができる。
上述した不都合は、偶発的な要因や人為的な要因によって発生し得る。検知信号としての遊技媒体検知の信号の出力期間中に同遊技媒体検知の信号に連続して繰り返し発生するノイズが混入した場合を想定すると、例えば検知信号が部分的に遊技媒体非検知の信号に切り替ることにより1の遊技媒体検知の信号が複数の遊技媒体検知の信号に分化され得る。つまり、ノイズの混入によって、あたかも複数の遊技媒体の通過が検知されたかのように1の遊技媒体検知の信号が変化する可能性がある。このようなノイズが、第1検知手段からの検知信号と第2検知手段からの検知信号とに同じように混入すると、以下の不都合が生じ得る。つまり、各判定手段によって判定される遊技媒体の数が同数となり、それら両遊技媒体数に基づく異常判定が回避され、異常判定手段によるノイズの把握が困難になると想定される。
特に上述したノイズが人為的に混入される場合、不正行為を効率に行うために遊技媒体の通過タイミング(すなわち検知信号の出力タイミング)を見計らって複数のノイズを混入させることにより、1の遊技媒体の通過に対応する検知信号を多数の遊技媒体の検知信号に分化されると想定される。仮に、このような不正行為の発見が困難になると、遊技ホール等における損害が甚大なものになり得る。この点、本特徴においては、各検知手段から出力される遊技媒体検知の信号の出力期間の長さを相違させることにより、上記不都合を好適に抑制することができる。つまり、上述の如く1の検知信号に複数のノイズが混入される場合、各検知信号の出力期間の長さが相違することにより、分化される数が相違しやすくなる。より具体的には、連続して複数のノイズが繰り返し混入する場合、2つの出力期間内では、検知信号が分化される数が相違することとなる。これにより、各検知信号に基づいて通過したと判定される遊技媒体の数が相違することとなる。
このため、異常判定手段によって判定結果を比較することにより、上述した不正行為を好適に見つけることが可能となる。
以上、詳述したように期間調整手段及び異常判定手段によってノイズの混入等による誤判定を抑制することで、判定精度を向上することが可能となる。故に、誤検知による不利益の発生を抑制し、遊技機の信頼性向上に貢献することができる。
なお、「検知手段から出力される前記検知信号に基づいて判定を行う」は、例えば検知信号がHI/LOWの2値信号である場合、信号がHIレベル信号又はLOWレベルの何れであるかの判定ことを含み、「前記第1判定手段の判定結果と前記第2判定手段の判定結果とに基づいて異常判定を行う」は、各判定手段においてHIレベル信号であると判定された回数や、LOWレベル信号が出力された回数の比較により異常判定を行うことを含む。
特徴D1.遊技媒体を案内する案内通路(例えば下側誘導通路部3272や下側回収通路部3321)と、
前記案内通路を通過する遊技媒体を検知して所定の検知信号を出力する複数の検知手段(検知センサ3350)と、
前記案内通路を遊技媒体が通過したか否かを、前記複数の検知手段からそれぞれ出力される前記検知信号に基づいて判定する通過判定手段(主制御装置3162のMPU3611において信号読み込み処理のステップS3201〜ステップS3215を実行する機能)と、
前記通過判定手段による前記各検知信号の判定結果に基づいて異常判定を行う異常判定手段(主制御装置3162のMPU3611において信号読み込み処理のステップS3216を実行する機能)と
を備え、
前記複数の検知手段は、前記遊技媒体が通過する際の検知部(検知回路3670)のインピーダンス変化により同遊技媒体の通過時と非通過時とのいずれかで所定周波数の高周波信号の交流変化を減衰させ、その交流変化の減衰に基づき前記所定の検知信号として遊技媒体検知及び遊技媒体非検知の信号を生成するものであり、
当該複数の検知手段として、前記遊技媒体の通過時に前記高周波信号の交流変化を減衰させることで遊技媒体検知の信号を生成する第1検知手段(第1検知センサ3350A)と、前記遊技媒体の非通過時に前記高周波信号の交流変化を減衰させることで遊技媒体非検知の信号を生成する第2検知手段(第2検知センサ3350B)とを備えていることを特徴とする遊技機。
特徴D1によれば、遊技媒体が案内通路を通過すると第1検知手段及び第2検知手段から個々に遊技媒体検知の信号が出力され、それら各信号に基づいて通過判定手段による通過判定が行われる。第1検知手段から出力される検知信号に基づく通過判定の結果と、第2検知手段から出力される検知信号に基づく通過判定の結果とに基づいて異常判定を行うことにより、検知精度を向上させることができる。
第1検知手段においては遊技媒体の通過時に高周波信号の交流変化を減衰させるようにして遊技媒体検知の信号を生成している。このため、第1検知手段から出力される検知信号においては、遊技媒体の通過時にはノイズの影響を受けやすくなるものの、遊技媒体の非通過時にはノイズの影響が抑えられることとなる。一方、第2検知手段においては、遊技媒体の非通過時に高周波信号の交流変化を減衰させるようにして遊技媒体非検知の信号を生成している。このため、第2検知手段から出力される検知信号においては、遊技媒体の非通過時にはノイズの影響を受けやすくなるものの、遊技媒体の通過時にはノイズの影響が抑えられることとなる。このように異なる検知方式の検知手段を併用する構成とすることにより、各検知信号におけるノイズ混入による影響を相違させることができる。つまり、ノイズ混入時において一方の検知手段の検知信号にはノイズの影響を許容し、他方の検知手段の検知信号にはノイズの影響を抑えることで、結果として通過判定手段による判定結果に差違を生じさせることができる。これにより検知信号にノイズ混入等の要因により異常が発生していることを察知することが可能となり、上述した検知精度の更なる向上が期待できる。
なお、本特徴に特徴B1乃至特徴B10に示した各技術的思想を適用することも可能である。例えば、特徴B1に示した「異常監視手段」が本特徴に示す「異常判定手段」を有し、「異常監視手段が前記監視状態」である場合に「前記通過判定手段による前記各検知信号の判定結果に基づいて異常判定を行う」構成とすることも可能である。
特徴D2.前記検知部は、発振部(発振回路3660)から出力されている前記高周波信号を遊技媒体の通過時と非通過時とのいずれかで減衰させるものであり、
前記第1検知手段は、前記検知部として、前記遊技媒体の通過時に前記高周波信号の交流変化を減衰させる第1検知部(検知回路3670A)を有し、
前記第2検知手段は、前記検知部として、前記遊技媒体の非通過時に前記高周波信号の交流変化を減衰させる第2検知部(検知回路3670B)を有していることを特徴とする特徴D1に記載の遊技機。
本特徴に示すように、発振部(高周波出力部)から出力されている高周波信号の交流変化を遊技媒体の通過時に減衰させる第1検知部と、高周波信号の交流変化を遊技媒体の非通過時に減衰させる第2検知部とを採用することにより、特徴D1に示した構成を好適に実現することができる。
特徴D3.前記第1検知手段及び前記第2検知手段は、前記第1検知部及び前記第2検知部として、前記遊技媒体の通過場所に近接配置された検知コイル(検知コイル3364)と同検知コイルに接続されたコンデンサ(コンデンサ3671)とを有する共振回路をそれぞれ備え、
前記第1検知手段は、前記遊技媒体の通過時において、同遊技媒体の非通過時に比して前記高周波信号の周波数に対する前記共振回路の共振周波数の差が大きくなることで前記高周波信号の交流変化を減衰させるものであり、
前記第2検知手段は、前記遊技媒体の非通過時において、同遊技媒体の通過時に比して前記高周波信号の周波数に対する前記共振回路の共振周波数の差が大きくなることで前記高周波信号の交流変化を減衰させるものであることを特徴とする特徴D2に記載の遊技機。
高周波信号と同じ周波数の高周波ノイズが混入する場合であって、そのノイズの混入が各検知手段にて遊技媒体が検知される位置を遊技媒体が通過する場合(通過時)に生じることを想定すると、第1検知手段では遊技媒体の通過時において本来生じる筈のない高周波信号の変化(高周波信号の交流変化の擬似的な増幅)が生じる。また、同ノイズの混入が上記検知される位置を遊技媒体が通過していない場合(非通過時)に生じることを想定すると、第2検知手段では遊技媒体の非通過時において本来生じる筈のない高周波信号の変化(高周波信号の交流変化の擬似的な増幅)変化が生じる。つまり、遊技媒体の通過時及び非通過時のいずれにおいても、第1検知手段と第2検知手段とのいずれか一方にのみ、本来生じることのない高周波信号の変化が生じることとなり、それに伴い検知信号の出力態様が変化するから好適なる異常判定を実施することができる。これにより、ノイズ等に起因する遊技媒体通過の誤判定を抑制できる。
特徴D4.前記第1検知手段及び前記第2検知手段は、前記共振回路における検知コイルの巻き数及びコンデンサの容量値の少なくともいずれかが相違するものであることを特徴とする特徴D3に記載の遊技機。
特徴D4に示す構成を採用することにより、特徴D2に示した構成を好適に実現することができる。
なお、本特徴に示すように第1検知手段及び第2検知手段においてコイルの巻き数やコンデンサの容量値を相違させる構成を採用した場合、発振部から発振される高周波信号の交流変化(例えば周波数)を一致させることができ、発振部の共通化や共用化の実現に貢献することができる。
なお、上記効果を享受するには、少なくとも遊技媒体の非通過時(初期時)にて各共振回路のコイルのインダクタンスが相違すればよく、コイルの巻き数を相違させる以外の方法を採用することも可能である。但し、検知手段にて一定の感受性を担保しつつ案内通路における円滑な遊技媒体の案内を実現しようとすれば、本特徴に示す構成を採用することが好ましい。
特徴D5.前記第1検知手段及び前記第2検知手段は、前記高周波信号を生成し出力する発振部(発振回路3660)をそれぞれ備え、
前記第1検知手段が備える第1発振部から出力されている高周波信号と、前記第2検知手段が備える第2発振部から出力されている高周波信号とはその発振周波数が各々相違するものであることを特徴とする特徴D3に記載の遊技機。
特徴D5に示す構成を採用することにより、特徴D2に示した構成を好適に実現することができる。
なお、本特徴に示すように各検知手段が発振部を個別に有する構成とすることにより、各検知手段の配置自由度向上に貢献することができる。
特徴D6.前記第1検知手段は、前記検知部として、前記遊技媒体の通過場所に近接配置された発振コイルと同発振コイルに接続されたコンデンサとを有してなる発振回路を備え、前記遊技媒体の通過時において前記発振回路での発振を抑えることで同高周波信号の交流変化を減衰させるものであり、
前記第2検知手段は、前記検知部として、前記遊技媒体の通過場所に近接配置された検知コイルと同検知コイルに接続されたコンデンサとを有する共振回路を備え、前記遊技媒体の非通過時において、同遊技媒体の通過時に比して前記高周波信号の周波数に対する前記共振回路の共振周波数の差が大きくなることで前記高周波信号の交流変化を減衰させるものであることを特徴とする特徴D1に記載の遊技機。
特徴D6によれば、遊技媒体通過時には、同遊技媒体が発振コイルの傍を通過することにより発振回路における発振条件が変化して、高周波信号の振幅が減少して高周波信号の交流変化が減衰することとなる。これにより、第1検知手段から遊技媒体検知の信号が出力される。また、遊技媒体が検知コイルの傍を通過すると共振回路における共振周波数が変化して高周波信号の周波数に対する共振回路の共振周波数の差が大きくなり、高周波信号の交流変化が減衰することとなる。これにより、第2検知手段から遊技媒体検知の信号が出力される。このような異なるタイプの検知手段を採用することにより、特徴D1に示した構成を好適に実現することができる。
特徴D7.前記案内通路において互いが上流側及び下流側となる2つの検知位置のうち一方で前記第1検知手段が前記遊技媒体の通過を検知し、他方で前記第2検知手段が前記遊技媒体の通過を検知することを特徴とする特徴D1乃至特徴D6のいずれか1つに記載の遊技機。
案内通路においては通路幅等にある程度のゆとりを設定することで、遊技媒体を円滑に案内することが可能となる。しかしながら、このようなゆとりの設定は、遊技媒体の流下経路をばらつかせる要因となり得る。また、複数の遊技媒体が連なった状態で案内通路を流下する場合には、それら各遊技媒体に対して個別に対応する検知信号を出力する必要がある。そこで、高周波発振式(磁界を利用した)検知手段を採用することで、案内通路の遊びを許容しつつ、連なって流下する個々の遊技媒体の識別することが可能となる。
このような高周波発振式の検知手段を採用する場合には、各検知手段が遊技媒体の検知に際して相互に干渉することは好ましくない。そこで、本特徴に示すように、各検知手段によって案内通路の別々の位置にて遊技媒体の検知を行う構成とすれば、上記相互干渉を抑え、実用上好ましい構成を実現できる。
特徴D8.前記案内通路を遊技媒体が通過した場合に遊技者に特典を付与する特典付与手段(例えば主制御装置3162のMPU3611において通常処理のステップS3501を実行する機能)を備え、
前記特典付与手段は、前記複数の検知手段からの各検知信号に基づく遊技媒体の通過判定結果のうち、前記第1検知手段の検知信号による遊技媒体の通過判定結果に基づいて前記特典の付与を実行するものであることを特徴とする特徴D1乃至特徴D7のいずれか1つに記載の遊技機。
第1検知手段では、実際の遊技媒体の通過時以外には高周波信号の交流変化が保持されるため、仮に高周波ノイズが混入しても高周波信号の交流変化に影響はない。故に、遊技媒体の通過時以外の期間における遊技媒体通過の誤判定を抑制できる。遊技中においては、遊技媒体の通過が検知される検知期間とそれ以外の非検知期間とを比べると後者の方が大幅に長い期間であり、特典付与を不正に得ようとする不正行為者は、遊技媒体の通過時以外の期間においてノイズを混入させ、その混入ノイズによる遊技媒体通過の誤判定を生じさせようとすると考えられる。この点、本特徴によれば、遊技媒体の非検知期間における遊技媒体通過の誤判定を抑制し、同期間での不正な特典付与を抑制できる。
なお、本特徴に特徴B1乃至特徴B10に示した各技術的思想を適用する場合には、以下のようにすることも可能である。すなわち、「異常監視手段が前記非監視状態」である場合に第2検知手段からの検知信号に基づく通過判定及び通過判定結果の比較を行わない構成を採用することも可能である。
特徴D9.前記第1検知手段は、前記案内通路において互いが上流側及び下流側となる2つの検知位置のうち前記上流側の検知位置にて前記遊技媒体の通過を検知し、
前記第2検知手段は、前記下流側の検知位置にて前記遊技媒体の通過を検知することを特徴とする特徴D8に記載の遊技機。
検知手段を複数有する構成を採用することで検知精度の向上を図った場合に、それによる上記応答性が低下することは好ましくない。この点、本特徴によれば、特典付与に関連する第1検知手段による検知位置を第2検知手段による検知位置よりも上流側に配することにより、案内通路へ遊技媒体が流入してから、特典付与が実行されるまでのタイムラグを減らすことができる。これにより、検知精度の向上を図りつつ、それに起因した特典付与の応答性の低下を抑制することができる。
特徴D10.前記第1検知手段の検知信号により遊技媒体の通過判定がなされた場合、及び前記第2検知手段の検知信号により遊技媒体の通過判定がなされた場合において、そのいずれか一方では、通過判定結果に基づく前記遊技媒体の検知数を検知数差分カウンタ(チェックカウンタCC)に加算し、他方では、通過判定結果に基づく前記遊技媒体の検知数を前記検知数差分カウンタから減算する差分値算出手段(主制御装置3162のMPU3611において信号読み込み処理のステップS3205,S3213を実行する機能)を備え、
前記異常判定手段は、前記検知数差分カウンタの初期値からの変化量に基づいて、前記第1検知手段及び前記第2検知手段の各検知結果を比較して前記異常判定を行うことを特徴とする特徴D1乃至特徴D9のいずれか1つに記載の遊技機。
ノイズ等の混入が無く、各検知手段からの検知信号に基づいた通過判定が正常に行われている場合には、第1検知手段からの検知信号に基づいて通過判定された遊技媒体の検知数と、第2検知手段からの検知信号に基づいて通過判定された遊技媒体の検知数とが一致する。このため、検知差分カウンタの値は一時的に増加したり減少したりするものの、初期値(検知差分カウンタに予め設定されている値)と同じ値に保たれることとなる。一方、検知信号にノイズ等が混入した場合には、上記各検知数が相違し、検知差分カウンタの値が初期値から外れたままとなる。検知差分カウンタの値と当該カウンタの初期値とを比較して前記異常判定を実行することにより、特徴D1等に示した検知精度向上効果を好適に享受できる。
特に特徴D9に示したように、各検知手段を互いに上流側及び下流側となるように配した場合、各検知位置での通過検知にタイムラグが生じることとなる。このため、例えば同一タイミングにてその時点での判定結果同士を比較する場合、異常判定の信頼性を向上させることが難しくなり得る。この点、本特徴に示すようにカウンタを用いて初期値との比較を行う構成とすれば、上記タイムラグを許容し、異常判定の信頼性向上に貢献することができる。
また、各判定手段による判定結果を1の記憶手段によってまとめて取り扱うことが可能である。これにより、検知精度の向上に伴う構成の煩雑化を抑制することができる。
特徴D11.遊技媒体を案内する案内通路(例えば下側誘導通路部3272や下側回収通路部3321)と、
前記案内通路を通過する遊技媒体を検知して所定の検知信号を出力する複数の検知手段(検知センサ3350)と、
前記案内通路を遊技媒体が通過したか否かを、前記複数の検知手段から出力される前記検知信号に基づいて判定する通過判定手段(主制御装置3162のMPU3611において信号読み込み処理のステップS3201〜ステップS3215を実行する機能)と、
前記判定手段による前記各検知信号の判定結果に基づいて異常判定を行う異常判定手段(主制御装置3162のMPU3611において信号読み込み処理のステップS3216を実行する機能)と
を備え、
前記複数の検知手段として、前記遊技媒体が通過する際の検知部(検知回路3670)のインピーダンス変化により、同遊技媒体の通過時と非通過時とのいずれかで所定周波数の高周波信号の交流変化を減衰させる高周波式検知部を有するとともに当該高周波式検知部の出力に基づき前記検知信号として遊技媒体検知の信号を生成する第1検知手段と、前記高周波式検知部を備えずに構成され前記遊技媒体の通過検知により前記検知信号として遊技媒体検知の信号を生成する第2検知手段と、を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴D11によれば、遊技媒体が案内通路を通過すると第1検知手段及び第2検知手段から個々に遊技媒体検知の信号が出力され、それら各信号に基づいて通過判定手段による通過判定が行われる。第1検知手段から出力される検知信号に基づく通過判定の結果と、第2検知手段から出力される検知信号に基づく通過判定の結果とに基づいて異常判定を行うことにより、検知精度を向上させることができる。
第1検知手段においては遊技媒体の通過時に高周波信号の交流変化を減衰させるようにして遊技媒体検知の信号を生成している。このため、第1検知手段から出力される検知信号においては、遊技媒体の通過時にはノイズの影響を受けやすくなるものの、遊技媒体の非通過時にはノイズの影響が抑えられることとなる。一方、第2検知手段においては、高周波式検知部を備えていないため、当該第2検知手段にて生成される検知信号に高周波ノイズの影響がおよぶことを抑制することができる。つまり、ノイズ混入時において一方の検知手段の検知信号にはノイズの影響を許容し、他方の検知手段の検知信号にはノイズの影響を抑えることで、結果として通過判定手段による判定結果に差違を生じさせることができる。これにより検知信号にノイズ混入等の要因により異常が発生していることを察知することが可能となり、上述した検知精度の更なる向上が期待できる。
なお、異常判定手段によって検知信号が異常であると判定された場合には、例えば報知手段(エラー表示ランプ部27)等を用いてその事実をホール管理者等に伝える構成とすればよい。これにより、信号の異常による不利益の発生を抑えることができ、異常の早期解決に貢献できる。
特徴D12.前記第1検知手段及び前記第2検知手段は、遊技媒体が近づいたことを検知する近接センサであり、
前記第2検知手段は、遊技媒体の検知に磁界の変化を利用しない光学式の近接センサであり、前記遊技媒体の通過時と非通過時とで異なる二値信号を出力するものであることを特徴とする特徴D11に記載の遊技機。
特徴D12によれば、第1検知手段を高周波発振式の近接センサとし、第2検知手段を光学式の近接センサとすることにより、両検知手段(詳しくは検知信号)の相互干渉を抑制できる。これにより、案内通路における同一位置にて遊技媒体の通過検知を行うことが可能となる。このように検知位置を揃えることが可能となれば、各検知手段から検知信号が出力されるタイミング、言い換えれば各判定手段による通過判定を実行するタイミングを揃えることができる。この場合、各判定手段による通過判定に生じるタイムラグを払拭でき、検知信号に異常がある場合の異常判定の応答性を向上することが可能となる。
特徴D13.前記案内通路を遊技媒体が通過した場合に、遊技者に特典を付与する特典付与手段(例えば主制御装置3162のMPU3611において通常処理のステップS3501を実行する機能)を備え、
前記特典付与手段は、前記複数の検知手段からの各検知信号に基づく遊技媒体の通過判定結果のうち、前記第1検知手段の検知信号による遊技媒体の通過判定結果に基づいて前記特典の付与を実行するものであることを特徴とする特徴D11又は特徴D12に記載の遊技機。
特徴D13によれば、特典付与の有無は、第1検知手段からの検知信号によって左右される。高周波発振式のセンサは、光学式のセンサと比較して、案内通路における通路幅等のゆとり(遊技媒体の流下経路のばらつき)の許容レベル向上や複数の遊技媒体が連なって流下している場合の個々の遊技媒体の識別能力向上が容易である点で優れている。つまり、遊技媒体の検知精度向上効果が顕著である。この高周波発振式のセンサを特典付与用として活用することにより、実用上好ましい構成を実現できる。なお、第2検知手段に光学式のセンサを採用し、通過判定結果の比較用(すなわちエラーチェック用)として活用するとよい。
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル41)と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路(誘導レール100)と、遊技領域内に配置された各遊技部品(釘88等)とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部(一般入賞口81等)を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにした遊技機。
球使用ベルト式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにし、さらに、球受皿を設けてその球受皿から遊技球を取り込む投入処理を行う投入装置と、前記球受皿に遊技球の払出を行う払出装置とを備え、投入装置により遊技球が投入されることにより前記始動用操作手段の操作が有効となるように構成した遊技機。