JP5639812B2 - ベーンポンプ - Google Patents

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Description

本発明は、食品材料などの移送物を送り出すベーンポンプに関する。
図9は、従来技術のベーンポンプ1の内部構造を示す正面図である。なお、同図において図解を容易にするため蓋体は省略されている。従来技術のベーンポンプ1は、回転軸2の軸線方向一端部に連結され、回転軸線2Aに直交するベーン溝3が形成されるロータ4と、ベーン溝3に移動自在に嵌り込む一対のベーン5と、前記回転軸線2Aに対して偏心した軸線を有する収容空間6内に、前記ロータ4が回転自在に収容され、ロータ4の周囲には各ベーン5によって仕切られた複数のポンプ室7a〜7dが形成されるとともに、回転軸2の回転によって各ポンプ室7a〜7dに連通する供給孔8と吐出孔9とが形成されるケーシング10と、ロータ4の軸線方向一端部でケーシング10に着脱可能に設けられる図示しない蓋体とを含んで構成される。
ケーシング10は、第1〜第4内周面11a〜11dを有する。第1内周面11aは、回転軸線2Aを中心とする第1半径r1の直円筒面の一部から成り、また第2内周面11bは、回転軸線2Aを中心とする前記第1半径r1よりも小さい第2半径r2の直円筒面の一部から成る。また第3内周面11cは、第1内周面11aと第3内周面11cとの境界位置p1と第3内周面11cと第2内周面11bとの境界位置p2とを結ぶ第3半径r3の直円筒面の一部から成り、さらに第4内周面11dは、第1内周面11aと第4内周面11dと境界位置p3と第4内周面11dと第2内周面11bとの境界位置p4とを結ぶ第4半径r4の直円筒面の一部から成る。各ベーン5は、ロータ4の矢符A方向の回転によって、各先端部を第1〜第4内周面11a〜11dに摺動可能な長さに選ばれている。
特開平6−346859号公報
しかしながら、従来技術のベーンポンプ1では、供給孔8からロータ4の回転方向A下流側の吐出孔9の間に存在するポンプ室7c,7a,7dのうち、供給孔8および吐出孔9間において、各ベーン5によって常に閉鎖された空間に保たれるのは、ポンプ室7a、すなわち第1内周面11aが形成される各境界位置p1,p3間の領域だけであり、この第1内周面11aには、常に1枚のベーン5だけが摺動することになるため、供給孔8および吐出孔9間で高い液密性が得られず、稼動時における吐出孔9内の移送物の押出し圧力と、供給孔8内の移送物の前記押出し圧力よりも低い供給圧力との差圧によって、第1内周面11aとこの第1内周面11aを通過する各ベーン5との間で漏れが生じ、移送物の粘性等の物性によっては、定量安定性が低くなる場合がある。
本発明の目的は、供給孔および吐出孔間で高い液密性を得ることができるベーンポンプを提供することである。
本発明は、回転軸線(33)まわりに予め定める回転方向(A)に回転駆動される回転軸(34)と
前記回転軸(34)の軸線方向一方側の端部(36A)に連結され、直円筒状の外周面を有し、前記回転軸線(33)に直交する3以上のベーン溝(37)が放射状に形成されるロータ(38)と、
前記ロータ(38)の各ベーン溝(37)に、各ベーン溝(37)に沿って移動自在に嵌まり込む3以上のベーン(39)と、
前記ロータ(38)および各ベーン(39)が収容される収容空間(40)を有し、前記回転軸線(33)に関して90°毎に半径の異なる第1〜第4内周面(20,21,22,23)が前記収容空間(40)に臨んで形成されるケーシング(41)とを含み、
前記第1内周面(20)は、前記回転軸線(33)を中心とする予め定める第1半径(R1)の直円筒面の一部から成り、
前記第2内周面(21)は、第1内周面(20)とは前記回転軸線(33)に関して反対側であり、かつ、前記第1半径(R1)よりも小さく、かつ、前記第1半径(R1)との和が各ベーン(39)の長さに等しい第2半径(R2)の直円筒面の一部から成り、
前記第3内周面(22)は、第1内周面(20)の前記回転方向(A)上流側の端部と第2内周面(21)の前記回転方向(A)下流側の端部とに連なり、第3内周面(22)と第2内周面(21)との境界位置(P2)および第1内周面(20)と第3内周面(22)との境界位置(P1)を結んで半径方向外方に凸となる曲面から成り、
前記第4内周面(23)は、第1内周面(20)の前記回転方向(A)下流側の端部と、第2内周面(21)の前記回転方向(A)上流側の端部とに連なり、第1内周面(20)と第4内周面(23)との境界位置(P3)および第4内周面(23)と第2内周面(21)との境界位置(P4)を結んで半径方向外方に凸となる曲面から成り、
前記ケーシング(41)には、第3内周面(22)上で開口し、移送物が供給される供給孔(82A)と、第4内周面(23)上で開口し、移送物を吐出する吐出孔(82B)とが設けられ
前記回転軸(34)は、その軸線方向一方側の端部(36A)に、回転軸部(56)を有し、該回転軸部(56)の軸線方向一方側の端部には、回転軸線(33)と同軸にねじ孔(58)が形成され、
前記ロータ(38)は、その軸線方向一方側に、前記3以上のベーン溝(37)が放射状に形成されるロータ本体(63)を有するとともに、その軸線方向他方側に、前記回転軸部(56)を挿入可能な嵌合孔(64)が回転軸線(33)と同軸に形成された軸部(61)を有し、各ベーン溝(37)の交差部と嵌合孔(64)とは、回転軸線(33)と同軸に形成される挿通孔(66)を介して連通され、
Oリング(68)が装着されたボルト(67)が、前記挿通孔(66)に挿通されて回転軸部(56)に形成される前記ねじ孔(58)に螺着されることにより、回転軸(34)とロータ(38)とが相互に固定されることを特徴とするベーンポンプである。
本発明によれば、第1内周面(20)と第3内周面(22)との変曲点となる境界位置(P1)に1つのベーン(39)が配置されたとき、前記1つのベーン(39)よりも回転方向(A)下流側に隣り合うもう1つの第2のベーン(39)は、第1内周面(20)と第4内周面(23)との変曲点となる境界位置(P3)よりも回転方向(A)上流側に配置され、この第2のベーン(39)が第1内周面(20)と第4内周面(23)との境界位置(P3)に到達するまでの期間は、第1内周面(20)に2つのベーン(39)が摺接し、供給孔(82A)および吐出孔(82B)間の移送路を高い液密性で遮断することができる。
本発明の一実施形態のベーンポンプ31の蓋体32を取り外した正面図である。 図1の切断面線II−IIから見たベーンポンプ31の断面図である。 ロータ38を示す正面図である。 図3の切断面線IV−IVから見た断面図である。 ベーン39Aを示す正面図である。 ベーン39Bを示す正面図である。 ベーン39Cを示す正面図である。 ベーン39Cの側面図である。 従来技術のベーンポンプ1の内部構造を示す正面図である。
図1は、本発明の一実施形態のベーンポンプ31を示す正面図であり、図2は、図1のベーンポンプ31の構成を示す断面図であり、図1の切断面線II−IIから見た断面図である。なお、図1は図解を容易にするため、蓋体32を省略して示されている。
ベーンポンプ31は、回転軸線33まわりに回転方向Aに回転駆動される回転軸34と、回転軸34を回転自在に軸支する軸受け部35と、回転軸34の軸線方向一端部36Aに連結され、回転軸線33に直交する複数(本実施形態では3)のベーン溝37が形成されるロータ38と、ロータ38のベーン溝37に設けられる3つのベーン39A,39B,39Cと、収容空間40内にロータ38を回転自在に収容するケーシング41と、ケーシング41に着脱自在に設けられる蓋体32と、回転軸34とロータ38との連結部に設けられるシール部44とを含む。なお、前述の軸線方向は、回転軸線33に平行である。
以下の説明においては、ベーンポンプ31の前記回転軸34は、図2の左方から見て時計まわりとなる回転方向Aに回転駆動されるものとして説明する。
回転軸34は、第1回転軸部51と、第1回転軸部51の軸線方向一端部に同軸に連なり、第1回転軸部51の外径よりも大きな外径を有する第2回転軸部52と、第2回転軸部52の軸線方向一端部に同軸に連なり第2回転軸部52の外径よりも大きな外径を有する第3回転軸部53と、第3回転軸部53の軸線方向一端部に同軸に連なり、第3回転軸部53の外径よりも小さな外径を有する第4回転軸部54と、第4回転軸部54の軸線方向一端部に同軸に連なり、第4回転軸部54の外径よりも小さな外径を有する第5回転軸部55と、第5回転軸部55の軸線方向一端部に同軸に連なり、第5回転軸部55の外径よりも小さな外径を有する第6回転軸部56とを有する。
回転軸34の軸線方向一端部36Aの第6回転軸部56には、この回転軸34と同軸にロータ38が着脱自在に連結される。第6回転軸部56には、軸線方向に延びるキー溝57が形成され、その軸線方向一端部には、回転軸線33と同軸にねじ孔58が形成される。
ロータ38は、回転軸34に連結される第1軸部61と、第1軸部61の軸線方向一端部に同軸に連なり、第1軸部61の外径よりも大きな外径を有する第2軸部62と、第2軸部62の軸線方向一端部に同軸に連なり、第2軸部62の外径よりも大きな外径を有するロータ本体63とを有する。
ロータ38の第1軸部61には、回転軸線33と同軸に軸線方向他端面から軸線方向一方に延びる嵌合孔64が形成され、この嵌合孔64に臨む内周部には、軸線方向に延びるキー溝65が形成される。
図3は、ロータ38を示す正面図であり、図4は図3の切断面線IV−IVから見た断面図である。ロータ本体63は、大略的に短円柱状であり、その外周面は直円筒面に含まれる。ロータ本体63には、回転軸線33上で交差する断面凹状の3つのベーン溝37A,37B,37Cが放射状に形成され、各ベーン溝37A〜37Cの交差部と、前記嵌合孔64とは、第1軸部61および第2軸部62に回転軸線33と同軸に形成される挿通孔66を介して連通する。
各ベーン溝37A〜37Cは、ベーン溝37Aの幅方向中間部を通る直線であって、ベーン溝37Aの延びる方向に平行で、かつ、回転軸線33と直交する直線L1と、ベーン溝37Bの幅方向中間部を通る直線であって、ベーン溝37Bの延びる方向に平行で、かつ、回転軸線33と直交する直線L2と、ベーン溝37Cの幅方向中間部を通る直線であって、ベーン溝37Cの延びる方向に平行で、かつ、回転軸線33と直交する直線L3とが成す角度θが、いずれも60°となるように形成される。
嵌合孔64には回転軸34の第6回転軸部56が挿入され、第6回転軸部56に形成されるキー57がキー溝65に嵌合され、ロータ38と回転軸34とは相互に回り止めされる。
このようにロータ38と回転軸34とが相互に回り止めされた状態で、ロータ固定ボルト67が、前記挿通孔66に挿通されて第6回転軸部56に形成されるねじ孔58に螺着される。これによってロータ38と回転軸34とが相互に固定される。各ベーン溝37A〜37Cの交差部は、ロータ固定ボルト67が軸線方向に遊通可能に連通するため、直円柱状の空間として形成される。
第6回転軸部56の軸線方向の長さは、ロータ38の第1軸部61に形成される嵌合孔64の軸線方向の長さよりも小さく選ばれ、第6回転軸部56が嵌合孔64に嵌入されたときにロータ38の軸線方向他端部42Bが第5回転軸部55の軸線方向一端部に当接して固定される。
挿通孔66は、軸線方向一端部と他端部とでは内径が異なり、軸線方向一端部の内径は、他端部の内径よりも大きく選ばれ、ロータ固定ボルト67の頭部は、ロータ38の第2軸部62に没入される。また、ロータ固定ボルト67には、Oリング68が装着され、これによってロータ固定ボルト67と挿通孔66との間から移送物が漏れ出すことを防止する。
図5はベーン39Aを示す正面図であり、図6はベーン39Bを示す正面図であり、図7はベーン39Cを示す正面図であり、図8はベーン39Cの右側面図である。
図5および図6に示すように、ベーン39Aおよび39Bは、ステンレス鋼、またはポリエーテルエーテルケトン(Polyetheretherketone、略称PEEK)、ポリテトラフルオロエチレン(Polytetrafluoroethylene、略称PTFE)、その他の樹脂などから成る板状部材の中間部を切り欠いた略コ字形状を有する。ベーン39Aは切欠き部69Aを有し、ベーン39Bは切欠き部69Bを有する。また図7に示すように、ベーン39Cは、ステンレス鋼、またはポリエーテルエーテルケトン、ポリテトラフルオロエチレン、その他の樹脂などから成る長方形の板状部材の長辺方向の中間部を、短辺方向両側から切り欠いた略I字状に形成される。ベーン39Cは、2つの切欠き部69C,69Dを有する。
各ベーン39A,39B,39Cは、回転軸線33に対して短辺方向を平行にした姿勢で配置し、各切欠き部69A,69Bを互いに向かい合わせたベーン39Aとベーン39Bとの間に、ベーン39Cが配置された状態で、ロータ38の互いに交差するベーン溝37A〜37Cに装着される。これによって、各ベーン39A〜39Cは、ロータ38の半径方向に沿ってそれぞれが変位可能となる。
このように各ベーン39A,39B,39Cがロータ38に装着されてケーシング41内で回転方向Aに回転駆動されると、各ベーン39A,39B,39Cの厚み方向の一方表面39A1,39B1,39C1がロータ38の各ベーン溝37A,37B,37Cに回転方向Aの上流側から臨む一方の内面37A1,37B1,37C1に当接して回転方向Aに押圧されるため、各ベーン39A,39B,39Cの厚み方向の他方表面39A2,39B2,39C2とロータ38の各ベーン溝37A,37B,37Cに回転方向Aの下流側から臨む他方の内面37A2,37B2,37C2との間には、各ベーン39A,39B,39Cが移動可能な程度の僅かな隙間が形成される。
各ベーン39A,39B,39Cの長辺方向の長さをL4とし、ロータ本体63の回転軸線Aに平行な短辺方向の長さをL5とし、ケーシング41の前記ロータ本体63が収容される収容空間40の回転軸線Aに平行な軸線方向の長さをL6とすると、各長さL4,L5,L6は、L6>L4>L5の関係に選ばれる。
本発明の他の実施の形態において、ベーン39A,39B,39Cは、たとえばポリテトラフルオロエチレン、ポリエーテルエーテルケトンおよび超高分子量ポリエチレンなどの材料によって形成されてもよい。
再び図1および図2を参照して、前記ケーシング41は、回転軸線33に対して偏心した軸線を有する収容空間40内にロータ本体63を回転自在に収容する。ロータ本体63の周囲には、ケーシング41の内周面80との間に各ベーン39A〜39Cによって仕切られたポンプ室81a〜81f(総称する場合には、「ポンプ室81」と記す場合がある)が形成される。
前記ケーシング41の収容空間40は、第1〜第4内周面20〜23によって外囲される。第1内周面20は、回転軸線33を含み、かつ互いに直交する2つの仮想平面X,Yの成す角度θ1の範囲にわたって前記回転軸線33を中心とする第1半径R1の直円筒面の一部から成る。
また第2内周面21は、前記第1内周面20とは回転軸線33に関して反対側、すなわち軸対称であり、かつ前記第1半径R1よりも小さい第2半径R2の直円筒面の一部から成り、角度θ2の範囲にわたって形成される。したがって第1内周面20と第2内周面21とは同軸である。
前記第3内周面22は、第3半径R3の半径方向外方に凸の曲面である大略的に直円筒面の一部から成り、第1内周面20のロータ38の回転方向A上流側の変曲点P1と第2内周面21のロータ38の回転方向A下流側の変曲点P2とに連なり、角度θ3の範囲にわたって形成される。
第4内周面23は、第4半径R4の半径方向外方に凸の曲面である大略的の直円筒面の一部から成り、第1内周面20のロータ38の回転方向A下流側の変曲点P3と第2内周面21のロータ38の回転方向A上流側の変曲点P4とに連なり、角度θ4の範囲にわたって形成される。これらの角度θ1〜θ4は、それぞれ90°である。
前記第3および第4内周面22,23を決定するにあたっては、回転軸線33を通る仮想平面Yと回転軸線33を含む仮想平面Xとが直交し、これらの仮想平面Y,Xの2等分線24上において、回転軸線33から各ベーン39A〜39Cの長さL4の半分の長さ(=L4/2)の点P5,P6と、各点P5,P6の周方向両側にそれぞれ隣接する各変曲点P1,P2;P3,P4とを通るように、第3および第4内周面22,23の円弧の中心Q1,Q2が設定される。
ケーシング41には、上方に臨んで開口する供給孔82Aと、側方に臨んで開口する吐出孔82Bが形成される。
前記供給孔82Aはポンプ室81e,81fに臨んで開口しており、また吐出孔82Bはポンプ室81b,81cに臨んで開口している。したがって供給孔82Aから供給された移送物は、2つのポンプ室81eおよび81fに供給され、ロータ38が回転軸線33のまわりに回転方向Aに回転駆動されるにつれて、容積を増加させながら回転方向Aに移動する各ポンプ室81e,81f内の移送物は同一方向に順次移送され、図1のポンプ室81aに対応する位置に移る。さらにロータ38が回転方向Aに回転すると、各ポンプ室81は、吐出口82Bよりも回転方向A上流側ポンプ室81aから下流側のポンプ室81bのように容積を減少させながら図1のポンプ室81cの状態に至り、ベーン39A〜39Cが第1内周面20と第4内周面23との間の変曲点P3を回転方向A下流側に通過した直後から、各ポンプ室81内の移送物は吐出孔82Bへ押出される。
各ベーン39A〜39Cが、ポンプ室81dに示される位置に至ると、ロータ38の外周面と第2内周面21とがたとえば約0.3mmの微小な隙間をあけて対向した状態であるため、ポンプ室81dの容積はほぼゼロとなる。このような動作を連続的に繰返すことによって、各ポンプ室81e,81f→81a→81b→81c→81d内の移送物は、顕著な脈動を生じることなしに、ほぼ一定の流量で移送される。
またケーシング41には、軸線方向一端部84Aに、蓋体32が取付けられる開口部85が形成される。また、ケーシング41の軸線方向中間部には、ロータ軸受け部86が形成される。
ケーシング41は、後述するブラケット121に一体的に組み付けられる。供給孔82Aおよび吐出孔82Bが形成されるケーシング41の上部および側部には、継手部87A,87Bがそれぞれ形成される。またケーシング41の軸線方向他端部84Bには、ロータ軸受け部86に連なるスタッフィングボックス部88が一体的に形成される。このスタッフィングボックス部88は、本発明の他の実施形態では、ロータ軸受け部86から軸線方向一端部85にわたるケーシング本体と別体に形成して、ボルトなどの締結部品によって着脱可能に構成されてもよい。スタッフィングボックス部88の詳細については後述する。
ケーシング41の収容空間40内には、水平方向に回転軸線33を有するロータ38のロータ本体63が、その1/4円周区域100でケーシング41の内周面80に対して一定の断面積を持った移送路を保って設けられる。この1/4円周区域100では、ロータ本体63とケーシング41の内周面80とが同軸で、異なる半径の円弧状に設定される。
ケーシング41内において、1/4円周区域100を挟む両側の1/4円周区域101,102には、これらの区域101,102に向けてそれぞれ供給孔82Aおよび吐出孔82Bが形成される。そして、残る1/4円周区域103は、ロータ本体63の外周面に対向して、わずかな空隙を持って形成される。
ケーシング41内のロータ軸受け部86は、回転軸線33と同軸に形成され、円筒状のブシュ89を介してロータ38の第2軸部62を軸支する。ブシュ89は、たとえばポリテトラフルオロエチレン、ステンレス鋼、銅合金、またはPEEKなどの材料によって形成される。
ケーシング41の軸線方向一端部84Aには、開口部85の回転軸線33に垂直な半径方向外方の部位に、Oリング90が嵌入される環状のOリング溝91が形成される。またケーシング41には、前記Oリング溝91の半径方向外方に周方向に間隔をあけて複数のねじ孔92が形成される。
ケーシング41の軸線方向一端部84Aには、アイナット98とねじ孔91とを含む蓋体取付体99によって、円板状の蓋体32が着脱自在に固定され、この蓋体32によってケーシング41の開口部85が塞がれる。
蓋体32の外周部には、周方向に間隔を開けて挿通孔が設けられる。蓋体32は、蓋体32とケーシング41との間に前述したOリング90を挟んで、複数本の蓋体取付ボルトが、前記挿通孔を挿通してケーシング41の軸線方向一端部84Aに設けられるねじ孔92に螺着される。Oリング90は、ケーシング41内の移送物が、ケーシング41と蓋体32との間から漏れることを防止する。
アイナット98は、袋ナットの端部に環状体を一体的に設けたナットである。締め付けおよび取り外しに特別な締め付け工具を使用しなくても、前記環状体に棒部材などを挿入してアイナット98の軸線方向まわりに回転させることによって、容易に締め付けおよび取り外しが可能であるので、作業者が容易に蓋体32をケーシング41に装着し、または取り外すことができる。
ケーシング41に形成されるねじ孔92に埋め込みボルトを螺着しておき、アイナット98を前記埋め込みボルトに螺着して蓋体32を固定する。したがって、蓋体32の挿通孔に埋め込みボルトを挿通させて位置決めを行い、アイナット98を螺着することによって、蓋体32をケーシング41に精度よく固定することができる。
上述した回転軸34は、軸受け部35によって回転自在に軸支される。軸受け部35は、回転軸34を回転自在に軸支する軸受体120a,120b,120cと、この軸受体120a〜120cを支持するブラケット121と、第2回転軸部52に当接して設けられるベリングキャリア122とを含む。
ブラケット121は、中空であって、軸線方向一端部121Aに第1隔壁123を有し、軸線方向中間部に第2隔壁124を有する。ブラケット121の軸線方向一端部121Aとケーシング41の軸線方向他端部84Bとは、突き合わされてブラケットボルト126によって着脱自在に相互に固定される。
第1隔壁123と、第2隔壁124との間には,外部に開放する空間127Aが形成される。第1隔壁123には、挿通孔128が形成される。第2隔壁124には、挿通孔129が形成される。第2隔壁124の回転軸線33方向の他方側には、空間127Bが形成される。
ベリングキャリア122には、軸受体120a,120bが装着される。また、第4回転軸部54には軸受体120cが装着され、これらの軸受体120a〜120cの外輪体130a〜130cは、ブラケット121に固定される。軸受体120a,120bの内輪体131a,131bは、ワッシャ132を介してナット133によってベリングキャリア122に固定されている。軸受体120a,120bは、たとえばアンギュラ玉軸受によって実現されるが、他の軸受によって実現されてもよい。軸受体120cは、たとえばラジアル軸受によって実現されるが、他の軸受によって実現されてもよい。
ブラケット121の軸線方向他端部121Bの開口端部には、軸受体120aを保護する軸受蓋体135が取付ボルト136によって着脱自在に固定される。軸受蓋体135の軸線方向一端部は、前記軸受体120aの外輪体130aに当接する。これによって、各軸受体120a〜120cが軸線方向に移動することが防止される。
軸受蓋体135の中央部には、開口が形成される。前記開口を介して回転軸34の第1回転軸部51がブラケット121の外部に突出する。第1回転軸部51の軸線方向他端部は、たとえば、電動機などの回転駆動源(図示せず)に、キーによって相互に回り止めされた状態で取付けられる。
スタッフィングボックス部88は、内径がロータ38の第1軸部61の外径よりも大きく形成される。スタッフィングボックス部88は、その外周面がブラケット121の第1隔壁123の挿通孔128を介して、空間127Aに突出する。前記外周面は、第1隔壁123に当接する。
スタッフィングボックス88の内部に、ロータ38の第1軸部61が挿通される。また、スタッフィングボックス88と第1軸部61との間には、回転軸線33を中心とする円環状の収容空間200が形成され、この収容空間200にシール部44が嵌り込む。
オイルシール110は、円環形状を有し、その外周面が第2隔壁124に設けられる挿通孔129に装着され、その内周面が挿通孔129に挿通される回転軸34の第4回転軸部54に接触して摺動する。オイルシール110は、第2隔壁124よりも軸線方向他方側に配置される軸受け体120の潤滑油が、軸線方向一方側に漏れ出すことを防止する。
また、第2隔壁124の軸線方向一方側で、第4回転軸部54には、円環状の水切り板が設けられてもよい。水切り板を設けることによって、たとえば水などの液体がオイルシール110に直接接触することが防止され、オイルシール110の劣化を防止することができる。
以上のようなベーンポンプ31を始動させる、つまり回転駆動源(図示せず)によって回転軸34を回転駆動すると、ロータ38が回転する。ロータ38が回転すると、3枚のベーン39A,39B,39Cは、それぞれベーン溝37をロータ38の半径方向に移動しながら、その半径方向両端部70A,70B,70Cが、ケーシング41の収容空間40内でケーシング41の内周面80に接して回転し、移送路内において移送物に押出し力を付与する。
供給孔82Aから移送物が投入されると、移送物は、ポンプ室81内に取り込まれる。ロータ38が回転方向Aに回転すると、供給孔82Aから吐出孔82Bまで移送物が移送される。
以上の実施形態では、ベーン39が3つ設けられる場合について説明したが、本発明はこれに限られることなく、4つ以上のベーンが設けられる構成でもよい。この場合、ロータにはベーン溝をベーンの数に応じた数を形成すればよい。
本発明の他の実施形態では、前記シール部44はメカニカルシール構造によるものだけでなく、グランドパッキンによるシール構造が採用されてもよい。
本実施形態によれば、第1内周面20の上流側の変曲点P1に1つのベーンが配置されたとき、このベーンよりも回転方向A下流側に隣り合うもう1つの第2のベーンは、第1内周面20と第4内周面23との間の変曲点P3よりも回転方向A上流側に配置されることになる。したがって、この第2のベーンが第1内周面20と第4内周面23との間の変曲点P3に到達するまでの期間は、第1内周面20に2つのベーンが摺接し、供給孔82Aおよび吐出孔82B間の移送路を高い液密性で遮断することができる。
これによって、ベーンポンプ31の稼動時における吐出孔82B内の移送物の圧力と、供給孔82A内の移送物の圧力との間の差圧による移送物の漏れを低減することができ、ベーンポンプ31の定量安定性を向上することができる。
20 第1内周面
21 第2内周面
22 第3内周面
23 第4内周面
31 ベーンポンプ
32 蓋体
33 回転軸線
34 回転軸
35 軸受け部
37 ベーン溝
38 ロータ
39A,39B,39C ベーン
40 収容空間
41 ケーシング
44 シール部
61 第1軸部
62 第2軸部
63 ロータ本体
80 内周面
81a,81b,81c,81d,81e,81f ポンプ室
82A 供給孔
82B 吐出孔
88 スタッフィングボックス部

Claims (1)

  1. 回転軸線(33)まわりに予め定める回転方向(A)に回転駆動される回転軸(34)と
    前記回転軸(34)の軸線方向一方側の端部(36A)に連結され、直円筒状の外周面を有し、前記回転軸線(33)に直交する3以上のベーン溝(37)が放射状に形成されるロータ(38)と、
    前記ロータ(38)の各ベーン溝(37)に、各ベーン溝(37)に沿って移動自在に嵌まり込む3以上のベーン(39)と、
    前記ロータ(38)および各ベーン(39)が収容される収容空間(40)を有し、前記回転軸線(33)に関して90°毎に半径の異なる第1〜第4内周面(20,21,22,23)が前記収容空間(40)に臨んで形成されるケーシング(41)とを含み、
    前記第1内周面(20)は、前記回転軸線(33)を中心とする予め定める第1半径(R1)の直円筒面の一部から成り、
    前記第2内周面(21)は、第1内周面(20)とは前記回転軸線(33)に関して反対側であり、かつ、前記第1半径(R1)よりも小さく、かつ、前記第1半径(R1)との和が各ベーン(39)の長さに等しい第2半径の(R2)直円筒面の一部から成り、
    前記第3内周面(22)は、第1内周面(20)の前記回転方向(A)上流側の端部と第2内周面(21)の前記回転方向(A)下流側の端部とに連なり、第3内周面(22)と第2内周面(21)との境界位置(P2)および第1内周面(20)と第3内周面(22)との境界位置(P1)を結んで半径方向外方に凸となる曲面から成り、
    前記第4内周面(23)は、第1内周面(20)の前記回転方向(A)下流側の端部と、第2内周面(21)の前記回転方向(A)上流側の端部とに連なり、第1内周面(20)と第4内周面(23)との境界位置(P3)および第4内周面(23)と第2内周面(21)との境界位置(P4)を結んで半径方向外方に凸となる曲面から成り、
    前記ケーシング(41)には、第3内周面(22)上で開口し、移送物が供給される供給孔(82A)と、第4内周面(23)上で開口し、移送物を吐出する吐出孔(82B)とが設けられ
    前記回転軸(34)は、その軸線方向一方側の端部(36A)に、回転軸部(56)を有し、該回転軸部(56)の軸線方向一方側の端部には、回転軸線(33)と同軸にねじ孔(58)が形成され、
    前記ロータ(38)は、その軸線方向一方側に、前記3以上のベーン溝(37)が放射状に形成されるロータ本体(63)を有するとともに、その軸線方向他方側に、前記回転軸部(56)を挿入可能な嵌合孔(64)が回転軸線(33)と同軸に形成された軸部(61)を有し、各ベーン溝(37)の交差部と嵌合孔(64)とは、回転軸線(33)と同軸に形成される挿通孔(66)を介して連通され、
    Oリング(68)が装着されたボルト(67)が、前記挿通孔(66)に挿通されて回転軸部(56)に形成される前記ねじ孔(58)に螺着されることにより、回転軸(34)とロータ(38)とが相互に固定されることを特徴とするベーンポンプ。
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