以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳しく説明する。まず、図9〜図11を用いて、本実施形態に係る通信システムの全体像、および無線フレームの構成などについて説明する。次に、図1〜図6を用いて、本実施形態に係る通信システムの構成について説明する。次に、図7〜図8を用いて、本実施形態に係る通信システムの動作処理について説明する。
<通信システムの全体像>
図9は、本発明の実施形態に係る通信システムの全体像についての概略を説明する図である。この図が示す通信システム1は、基地局装置(eNodeB、NodeBとも呼称する。)3と、複数の移動局装置(UEとも呼称する)5A、5B、5Cとが通信を行なう。また、この図は、基地局装置3から移動局装置5A、5B、5Cへの通信方向である下りリンク(DL:Downlinkとも呼称する。)が、下りリンクパイロットチャネル、物理下りリンク制御チャネル(PDCCH:Physical Downlink Control CHannelとも呼称する。)、および物理下りリンク共用チャネル(PDSCH:Physical Downlink Shared CHannelとも呼称する。)を含んで構成されることを示す。また、この図は、移動局装置5A、5B、5Cから基地局装置3への通信方向である上りリンク(UL: Uplinkとも呼称する)が、物理上りリンク共用チャネル(PUSCH:PhysicalUplink Shared CHannelとも呼称する。)、上りリンクパイロットチャネル、および物理上りリンク制御チャネル(PUCCH:Physical Uplink Control CHannelとも呼称する。)を含んで構成されることを示す。チャネルとは、信号の送信に用いられる媒体を意味する。PDSCHは、下りリンクのデータの送受信に用いられるチャネルである。PDCCHは、下りリンクの制御情報の送受信に用いられるチャネルである。PUSCHは、少なくとも上りリンクのデータの送受信に用いられるチャネルである。PUCCHは、上りリンクの制御情報(上りリンク制御情報; Uplink Control Information: UCI)の送受信に用いられるチャネルである。UCIの種類としては、PDSCHの下りリンクのデータに対する肯定応答(Acknowledgement: ACK)、または否定応答(Negative Acknowledgement: NACK)を示す受信確認応答(ACK/NACK)と、リソースの割り当てを要求するか否かを示すスケジューリング要求(Scheduling request: SR)等が用いられる。その他のチャネルの種類としては、下りリンクの同期確立のために用いられる同期チャネル(Synchronization CHannel: SCH)、上りリンクの同期確立のために用いられる物理ランダムアクセスチャネル(Physical Random Access CHannel: PRACH)、下りリンクのシステム情報の送信に用いられる物理報知チャネル(Physical Broadcast CHannel: PBCH)等が用いられる。また、基地局装置3が管轄するエリアのことをセルと呼ぶ。以下、本実施形態において、移動局装置5A、5B、5Cを移動局装置5と呼び、説明を行なう。
<キャリアアグリゲーション>
本発明の実施形態に係る通信システムでは、予め定められた周波数帯域幅の周波数帯域を複数用いて通信を行なう(周波数帯域集約;Spectrum aggregation、キャリアアグリゲーション; Carrier aggregation、Frequency aggregation等とも呼称する。)。ここで、1個の周波数帯域をコンポーネントキャリア(Component Carrier: CC)と呼称する。具体的には、キャリアアグリゲーションを用いた通信では、下りリンクのCC(下りリンクコンポーネントキャリア; DL CCと呼称する。)毎に、下りリンクのチャネルが送受信され、上りリンクのCC(上りリンクコンポーネントキャリア; UL CCと呼称する。)毎に上りリンクのチャネルが送受信される。つまり、キャリアアグリゲーションを用いた本発明の実施形態に係る通信システムは、上りリンクと下りリンクにおいて、基地局装置3と複数の移動局装置5が複数のCCを用いて複数のチャネルで信号を同時に送受信する。キャリアアグリゲーションを用いた本発明の実施形態に係る通信システムにおいて、1つのセルは1つの下りリンクコンポーネントキャリア、または1組の下りリンクコンポーネントキャリアと上りリンクコンポーネントキャリアにより構成される。つまり、キャリアアグリゲーションを用いた本発明の実施形態に係る通信システムでは、複数のセルが存在する。
<下りリンク無線フレームの構成>
図10は、本発明の実施形態に係る基地局装置3から移動局装置5への下りリンクの無線フレーム(下りリンク無線フレームと呼称する。)の概略構成を示す図である。この図において、横軸は時間領域、縦軸は周波数領域を表している。下りリンク無線フレームは、リソース割り当てなどの単位であり、下りリンクの予め決められた幅の周波数帯および時間帯からなるリソースブロック(RB)(物理リソースブロック; PRB: Physical Resource Blockとも呼称する。)のペア(物理リソースブロックペア; PRB pairと呼称する。)から構成される。1個の下りリンクの物理リソースブロックペア(下りリンク物理リソースブロックペアと呼称する。)は下りリンクの時間領域で連続する2個の物理リソースブロック(下りリンク物理リソースブロックと呼称する。)から構成される。
また、この図において、1個の下りリンク物理リソースブロックは、下りリンクの周波数領域において12個のサブキャリア(下りリンクサブキャリアと呼称する。)から構成され、時間領域において7個のOFDM(直交周波数分割多重; Orthogonal Frequency Division Multiplexing)シンボルから構成される。下りリンクのシステム帯域(下りリンクシステム帯域と呼称する。)は、基地局装置3の下りリンクの通信帯域である。下りリンクのシステム帯域幅(下りリンクシステム帯域幅と呼称する。)は、下りリンクの複数の下りリンクコンポーネントキャリアの帯域幅(下りリンクコンポーネントキャリア帯域幅と呼称する。)から構成される。通信システム1において、下りリンクのコンポーネントキャリア(下りリンクコンポーネントキャリアと呼称する。)(DL CC)は予め定められた周波数帯域幅の帯域であり、下りリンクコンポーネントキャリア帯域幅は下りリンクコンポーネントキャリアの周波数帯域幅である。例えば、40MHzの周波数帯域幅の下りリンクシステム帯域は、2個の20MHzの周波数帯域幅の下りリンクコンポーネントキャリアから構成される。
なお、下りリンクコンポーネントキャリアでは下りリンクコンポーネントキャリア帯域幅に応じて複数の下りリンク物理リソースブロックが配置される。例えば、20MHzの周波数帯域幅の下りリンクコンポーネントキャリアは、100個の下りリンク物理リソースブロックから構成される。また、例えば、下りリンクコンポーネントキャリア帯域幅は、LTEに対応した移動局装置5が通信に用いることができる周波数帯域幅であり、下りリンクシステム帯域幅はLTE−Aに対応した移動局装置5が通信に用いることができる周波数帯域幅である。
また、この図が示す時間領域においては、7個のOFDMシンボルから構成されるスロット(下りリンクスロットと呼称する。)、2個の下りリンクスロットから構成されるサブフレーム(下りリンクサブフレームと呼称する。)、10個の下りリンクサブフレームから構成される下りリンク無線フレームがある。なお、1個の下りリンクサブキャリアと1個のOFDMシンボルから構成されるユニットをリソースエレメント(RE)(下りリンクリソースエレメント)と呼ぶ。各下りリンクサブフレームには少なくとも、情報データ(トランスポートブロック; Transport Blockとも呼称する。)の送信に用いられるPDSCH、制御情報の送信に用いられるPDCCHが配置される。この図においては、PDCCHは下りリンクサブフレームの1番目から3番目までのOFDMシンボルから構成され、PDSCHは下りリンクサブフレームの4番目から14番目までのOFDMシンボルから構成される。
この図において図示は省略するが、下りリンクの参照信号(Reference signal: RS)(下りリンク参照信号と呼称する。Cell specific RS、DL RSとも呼称する。)の送信に用いられる下りリンクパイロットチャネルが複数の下りリンクリソースエレメントに分散して配置される。ここで、下りリンク参照信号は、PDSCHおよびPDCCHの伝搬路変動の推定に用いられる、通信システム1において既知の信号である。なお、下りリンク参照信号を構成する下りリンクリソースエレメントの数は、基地局装置3において移動局装置5への通信に用いられる送信アンテナの数に依存する。
なお、1個のPDSCHは同一の下りリンクコンポーネントキャリア内の1個以上の下りリンク物理リソースブロックから構成され、1個のPDCCHは同一の下りリンクコンポーネントキャリア内の複数の下りリンクリソースエレメントから構成される。下りリンクシステム帯域内で複数のPDSCH、複数のPDCCHが配置される。基地局装置3は、LTEに対応した1つの移動局装置5に対して同一の下りリンクサブフレームで同一の下りリンクコンポーネントキャリア内でPDSCHのリソースの割り当てに関する制御情報を含む1個のPDCCHと1個のPDSCHを配置することができ、LTE−Aに対応した1つの移動局装置5に対して同一の下りリンクサブフレームでPDSCHのリソースの割り当てに関する制御情報を含む複数のPDCCHと複数のPDSCHを配置することができる。なお、基地局装置3は、LTE−Aに対応した1つの移動局装置5に対して同一の下りリンクサブフレームで、同一の下りリンクコンポーネントキャリア内で複数のPDSCHのリソースの割り当てに関する制御情報を含む、複数のPDCCHを配置することができるが、同一の下りリンクコンポーネントキャリア内で複数のPDSCHを配置することはできず、各PDSCHを異なる下りリンクコンポーネントキャリアに配置することはできる。
PDCCHは、PDSCHに対する下りリンク物理リソースブロックの割り当てを示す情報、PUSCHに対する上りリンク物理リソースブロックの割り当てを示す情報、移動局識別子(Radio Network Temporary Identifier: RNTIと呼称する。)、変調方式、符号化率、再送パラメータ、マルチアンテナ関連情報、送信電力制御コマンド(TPC command)などの制御情報から生成された信号が配置される。PDCCHに含まれる制御情報を下りリンク制御情報(Downlink Control Information: DCI)と呼称する。PDSCHに対する下りリンク物理リソースブロックの割り当てを示す情報を含むDCIは下りリンクアサインメント(Downlink assignment: DL assignment、またDownlink grantとも呼称する。)と呼称し、PUSCHに対する上りリンク物理リソースブロックの割り当てを示す情報を含むDCIは上りリンクグラント(Uplink grant: UL grantと呼称する。)と呼称する。なお、下りリンクアサインメントは、PUCCHに対する送信電力制御コマンドを含む。なお、上りリンクアサインメントは、PUSCHに対する送信電力制御コマンドを含む。なお、1個のPDCCHは、1個のPDSCHのリソースの割り当てを示す情報、または1個のPUSCHのリソースの割り当てを示す情報しか含まず、複数のPDSCHのリソースの割り当てを示す情報、または複数のPUSCHのリソースの割り当てを示す情報を含まない。
<上りリンク無線フレームの構成>
図11は、本発明の実施形態に係る移動局装置5から基地局装置3への上りリンクの無線フレーム(上りリンク無線フレームと呼称する。)の概略構成を示す図である。この図において、横軸は時間領域、縦軸は周波数領域を表している。上りリンク無線フレームは、無線リソースの割り当てなどの単位であり、上りリンクの予め決められた幅の周波数帯および時間帯からなる物理リソースブロックのペア(上りリンク物理リソースブロックペアと呼称する。)から構成される。1個の上りリンク物理リソースブロックペアは、上りリンクの時間領域で連続する2個の上りリンクの物理リソースブロック(上りリンク物理リソースブロックと呼称する。)から構成される。
また、この図において、1個の上りリンク物理リソースブロックは、上りリンクの周波数領域において12個のサブキャリア(上りリンクサブキャリアと呼称する。)から構成され、時間領域において7個のSC−FDMA(Single-Carrier Frequency Division Multiple Access)シンボルから構成される。上りリンクのシステム帯域(上りリンクシステム帯域と呼称する。)は、基地局装置3の上りリンクの通信帯域である。上りリンクのシステム帯域幅(上りリンクシステム帯域幅と呼称する。)は、上りリンクの複数の上りリンクコンポーネントキャリアの周波数帯域幅(上りリンクコンポーネントキャリア帯域幅と呼称する。)から構成される。通信システム1において、上りリンクのコンポーネントキャリア(上りリンクコンポーネントキャリアと呼称する。)(UL CC)は予め定められた周波数帯域幅の帯域であり、上りリンクコンポーネントキャリア帯域幅は上りリンクコンポーネントキャリアの周波数帯域幅である。例えば、40MHzの周波数帯域幅の上りリンクのシステム帯域(上りリンクシステム帯域と呼称する。)は、2個の20MHzの周波数帯域幅の上りリンクコンポーネントキャリアから構成される。
なお、上りリンクコンポーネントキャリアでは上りリンクコンポーネントキャリア帯域幅に応じて複数の上りリンク物理リソースブロックが配置される。例えば、20MHzの周波数帯域幅の上りリンクコンポーネントキャリアは、100個の上りリンク物理リソースブロックから構成される。また、例えば、上りリンクコンポーネントキャリア帯域幅は、LTEに対応した移動局装置5が通信に用いることができる周波数帯域幅であり、上りリンクシステム帯域幅はLTE−Aに対応した移動局装置5が通信に用いることができる周波数帯域幅である。
また、この図が示す時間領域においては、7個のSC−FDMAシンボルから構成されるスロット(上りリンクスロットと呼称する。)、2個の上りリンクスロットから構成されるサブフレーム(上りリンクサブフレームと呼称する。)、10個の上りリンクサブフレームから構成される上りリンク無線フレームがある。なお、1個の上りリンクサブキャリアと1個のSC−FDMAシンボルから構成されるユニットをリソースエレメント(上りリンクリソースエレメントと呼称する。)と呼ぶ。
各上りリンクサブフレームには、少なくとも情報データの送信に用いられるPUSCH、上りリンク制御情報(UCI: Uplink Control Information)の送信に用いられるPUCCHが配置される。PUCCHは、第一のPUCCHと第二のPUCCHの2種類から構成される。第一のPUCCHは、キャリアアグリゲーションを用いない場合のPDSCHを用いて受信されたデータに対する肯定応答(ACK: Acknowledgement)または否定応答(NACK: Negative Acknowledgement)を示すUCI(ACK/NACK)、上りリンクのリソースの割り当てを要求するか否かを少なくとも示すUCI(SR: Scheduling Request; スケジューリング要求)、下りリンクの受信品質(チャネル品質とも呼称する。)を示すUCI(CQI: Channel Quality Indicator; チャネル品質指標)を送信するために用いられる。第二のPUCCHは、キャリアアグリゲーションを用いた場合のACK/NACK、SRを送信するために用いられる。なお、SRは、キャリアアグリゲーションを用いた場合のACK/NACKと同時に送信される場合に第二のPUCCHで送信され、SRのみで送信される場合に第一のPUCCHで送信される。なお、移動局装置5が上りリンクのリソースの割り当てを要求することを基地局装置3に示す場合に、移動局装置5はSRの送信用の第一のPUCCHで信号を送信するか、または上りリンクのリソースの割り当てを要求することを示すSRを第二のPUCCHで送信する。基地局装置3は、SRの送信用の第一のPUCCHのリソースで信号を検出したという結果から移動局装置5が上りリンクのリソースの割り当てを要求していることを認識するか、第二のPUCCHで送信された信号を復号して得たUCIから移動局装置5が上りリンクのリソースの割り当てを要求していることを認識する。移動局装置5が上りリンクのリソースの割り当てを要求しないことを基地局装置3に示す場合に、移動局装置5は予め割り当てられたSRの送信用の第一のPUCCHのリソースで何も信号を送信しないか、または上りリンクのリソースの割り当てを要求しないことを示すSRを第二のPUCCHで送信する。基地局装置3は、SRの送信用の第一のPUCCHのリソースで信号を検出しなかったという結果から移動局装置5が上りリンクのリソースの割り当てを要求していないことを認識するか、第二のPUCCHで送信された信号を復号して得たUCIから移動局装置5が上りリンクのリソースの割り当てを要求していないことを認識する。
なお、第二のPUCCHがCQIを送信するために用いられてもよい。また、第一のPUCCHおよび/または第二のPUCCHは、下りリンクのチャネル状態を示す制御情報(CSI: Channel State Information; チャネル状態情報)を送信するために用いられてもよい。また、第一のPUCCHは、ACK/NACKからなるUCIが送信される場合と、SRからなるUCIが送信される場合と、CQIからなるUCIが送信される場合とで異なる種類の信号構成が用いられる。また、第二のPUCCHは、キャリアアグリゲーションを用いた場合のACK/NACKのみが送信される場合と、キャリアアグリゲーションを用いた場合のACK/NACKとSRが送信される場合とで同じ種類の信号構成が用いられる。具体的には、第二のPUCCHはDFT−S−OFDM方式が用いられる信号構成である。
なお、1個のPUSCHは同一の上りリンクコンポーネントキャリア内の1個以上の上りリンク物理リソースブロックから構成され、1個の第一のPUCCHは同一の上りリンクコンポーネントキャリア内において周波数領域に対称関係にあり、異なる上りリンクスロットに位置する2個の上りリンク物理リソースブロックから構成され、1個の第二のPUCCHは同一の上りリンクコンポーネントキャリア内の2個の上りリンク物理リソースブロックから構成される。例えば、図11において、最も周波数が低い上りリンクコンポーネントキャリア内の上りリンクサブフレーム内において、1番目の上りリンクスロットの最も周波数が低い上りリンク物理リソースブロックと、2番目の上りリンクスロットの最も周波数が高い上りリンク物理リソースブロックとにより、第一のPUCCHに用いられる上りリンク物理リソースブロックペアの1個が構成される。例えば、図11において、最も周波数が低い上りリンクコンポーネントキャリア内の上りリンクサブフレーム内において、1番目の上りリンクスロットの2番目に周波数が低い上りリンク物理リソースブロックと、2番目の上りリンクスロットの2番目に周波数が低い上りリンク物理リソースブロックとにより、第二のPUCCHに用いられる上りリンク物理リソースブロックペアの1個が構成される。本発明の実施形態では、第二のPUCCHは、1個の上りリンク物理リソースブロックペアで構成されることを想定するが、同一の上りリンクコンポーネントキャリア内において周波数領域に対象関係にあり、異なる上りリンクスロットに位置する2個の上りリンク物理リソースブロックから構成されてもよいし、複数個の上りリンク物理リソースブロックペアから構成されてもよい。
上りリンクシステム帯域内で1個以上のPUSCH、1個以上の第一のPUCCHが配置される。また、キャリアアグリゲーションを用いた通信が基地局装置3と移動局装置5間で行われる場合、上りリンクシステム帯域内で1個以上の第二のPUCCHが配置される。LTEに対応した移動局装置5は、同一の上りリンクコンポーネントキャリア内にPUCCHのリソースとPUSCHのリソースを配置し、送信することができる。なお、基地局装置3は、LTEに対応した移動局装置5に対してキャリアアグリゲーションを用いない場合のACK/NACK、またはSR、またはCQI毎に対して異なる第一のPUCCHのリソースを割り当てることができるが、LTEに対応した移動局装置5は同一の上りリンクサブフレームで1個の第一のPUCCHのリソースしか用いない。また、LTEに対応した移動局装置5は、同一上りリンクサブフレームで第一のPUCCHのリソースとPUSCHのリソースが割り当てられた場合は、PUSCHのリソースのみを用いる。また、基地局装置3は、LTE−Aに対応した1つの移動局装置5に対して上りリンクコンポーネントキャリア毎に1個のPUSCHのリソースを割り当てることができる。LTE−Aに対応した移動局装置5は、同一の上りリンクサブフレームで複数の上りリンクコンポーネントキャリアでPUSCHのリソースが割り当てられた場合、複数のPUSCHのリソースを用いることができる。なお、基地局装置3は、LTE−Aに対応した1つの移動局装置5に対して同一の上りリンクサブフレームで、同一の上りリンクコンポーネントキャリア内で複数のPUSCHのリソースを割り当てることはできず、各PUSCHのリソースを異なる上りリンクコンポーネントキャリアに割り当てることができる。また、基地局装置3は、LTE−Aに対応した1つの移動局装置5に対して1個の上りリンクコンポーネントキャリアに1個以上の第一のPUCCHのリソースを割り当てることができる。LTE−Aに対応した移動局装置5は、同一の上りリンクサブフレームで複数の第一のPUCCHのリソースが割り当てられた場合は、何れか1個のPUCCHのリソースを用いる。このような場合、移動局装置5が何れの第一のPUCCHのリソースを選択するかは決められたルールに従って行なわれる。また、基地局装置3は、LTE−Aに対応した1つの移動局装置5に対して1個の上りリンクコンポーネントキャリアに1個の第二のPUCCHのリソースを割り当てることができる。なお、移動局装置5に対して割り当てられる第一のPUCCHのリソースと第二のPUCCHのリソースは同じ上りリンクコンポーネントキャリア内のリソースにより構成される。
上りリンクパイロットチャネルは、PUSCHと同じ上りリンク物理リソースブロック内に配置される場合と、第一のPUCCHと同じ上りリンク物理リソースブロック内に配置される場合と、第二のPUCCHと同じ上りリンク物理リソースブロック内に配置される場合とで異なるSC−FDMAシンボル、または同じSC−FDMAシンボルに配置される。上りリンクパイロットチャネルは、上りリンク参照信号(UL RS: Uplink Reference Signal)を送信するために用いられる。ここで、上りリンク参照信号とは、PUSCHおよびPUCCHの伝搬路変動の推定に用いられる、通信システム1において既知の信号である。
上りリンクパイロットチャネルは、PUSCHと同じ上りリンク物理リソースブロック内に配置される場合、上りリンクスロット内の4番目のSC−FDMAシンボルに配置される。上りリンクパイロットチャネルは、キャリアアグリゲーションを用いない場合のACK/NACKを含む第一のPUCCHと同じ上りリンク物理リソースブロック内に配置される場合、上りリンクスロット内の3番目と4番目と5番目のSC−FDMAシンボルに配置される。上りリンクパイロットチャネルは、SRを含む第一のPUCCHと同じ上りリンク物理リソースブロック内に配置される場合、上りリンクスロット内の3番目と4番目と5番目のSC−FDMAシンボルに配置される。上りリンクパイロットチャネルは、CQIを含む第一のPUCCHと同じ上りリンク物理リソースブロック内に配置される場合、上りリンクスロット内の2番目と6番目のSC−FDMAシンボルに配置される。上りリンクパイロットチャネルは、第二のPUCCHと同じ上りリンク物理リソースブロック内に配置される場合、上りリンクスロット内の2番目と6番目のSC−FDMAシンボルに配置される。なお、上記で説明した上りリンクパイロットチャネルの配置とは異なり、異なるSC−FDMAシンボルに上りリンクパイロットチャネルが配置されてもよい。例えば、上りリンクパイロットチャネルは、第二のPUCCHと同じ上りリンク物理リソースブロック内に配置される場合、上りリンクスロット内の3番目と4番目と5番目のSC−FDMAシンボルに配置されるような構成でもよい。
図11では、第一のPUCCHが各上りリンクコンポーネントキャリアの最も端の上りリンク物理リソースブロックに配置された場合を示しているが、上りリンクコンポーネントキャリアの端から2番目、3番目などの上りリンク物理リソースブロックが第一のPUCCHに用いられてもよい。また、図11では、第二のPUCCHが最も周波数の低い上りリンクコンポーネントキャリアの上りリンク物理リソースブロックに配置される場合を示しているが、上りリンクシステム帯域の端から2番目、3番目などの上りリンクコンポーネントキャリアの上りリンク物理リソースブロックが第二のPUCCHに用いられてもよい。また、図11では、第二のPUCCHが上りリンクコンポーネントキャリアの端から2番目の上りリンク物理リソースブロックに配置される場合を示しているが、上りリンクコンポーネントキャリアの端から3番目、4番目などの上りリンク物理リソースブロックが第二のPUCCHに用いられてもよい。
なお、第一のPUCCHにおいて周波数領域での符号多重、時間領域での符号多重が用いられる。複数の第一のPUCCHが同一の上りリンク物理リソースブロックに配置され、各第一のPUCCHは異なる符号が割り当てられ、割り当てられた符号により周波数領域、または時間領域において符号多重が実現される。キャリアアグリゲーションを用いない場合のACK/NACKを送信するために用いられる第一のPUCCHにおいては、周波数領域及び時間領域での符号多重が用いられる。SRを送信するために用いられる第一のPUCCHにおいては、周波数領域及び時間領域での符号多重が用いられる。CQIを送信するために用いられる第一のPUCCHにおいては、周波数領域での符号多重が用いられる。また、第二のPUCCHにおいて時間領域での符号多重が用いられる。複数の第二のPUCCHが同一の上りリンク物理リソースブロックに配置され、各第二のPUCCHは異なる符号が用いられ、時間領域において符号多重が実現される。なお、説明の簡略化のため、第一のPUCCHおよび第二のPUCCHの符号多重に係る内容の説明は適宜省略する。
なお、本発明の実施形態に係る通信システム1では、下りリンクにおいてOFDM方式を適用し、上りリンクにおいてNxDFT−Spread OFDM方式を適用する。ここで、NxDFT−Spread OFDM方式とは、上りリンクコンポーネントキャリア単位でDFT−Spread OFDM方式を用いて信号を送受信する方式であり、複数の上りリンクコンポーネントキャリアを用いた通信システム1の上りリンクサブフレームにおいて複数のDFT−Spread OFDM送受信に関する処理部を用いて通信を行なう方式である。
PDSCHのリソースは、時間領域において、そのPDSCHのリソースの割り当てに用いられた下りリンクアサインメントを含むPDCCHのリソースが配置された下りリンクサブフレームと同一の下りリンクサブフレームに配置され、周波数領域において、そのPDSCHのリソースの割り当てに用いられた下りリンクアサインメントを含むPDCCHと同じ下りリンクコンポーネントキャリア、または異なる下りリンクコンポーネントキャリアに配置される。
DCIには、下りリンクアサインメントがいずれの下りリンクコンポーネントキャリアで送信されるPDSCHに対応するか、または上りリンクグラントがいずれの上りリンクコンポーネントキャリアで送信されるPUSCHに対応するかを示す情報(以下、「キャリアインディケータ(carrier indicator)」と呼称する。)が含まれる。下りリンクアサインメントにキャリアインディケータが含まれない場合、下りリンクアサインメントは、下りリンクアサインメントが送信された下りリンクコンポーネントキャリアと同じ下りリンクコンポーネントキャリアのPDSCHに対応する。上りリンクグラントにキャリアインディケータが含まれない場合、上りリンクグラントは、上りリンクグラントが送信された下りリンクコンポーネントキャリアと予め対応付けられた上りリンクコンポーネントキャリアのPUSCHに対応する。なお、キャリアインディケータがDCIに含まれない場合の、上りリンクグラントのリソース割り当ての解釈に用いられる下りリンクコンポーネントキャリアと上りリンクコンポーネントキャリアとの対応付けを示す情報は、情報データの通信が行なわれる前に、基地局装置3から移動局装置5にシステム情報を用いて通知される。
<Cross−CC scheduling>
PDCCHと、そのPDCCHに対応する下りリンクアサインメントが含まれるPDSCHが異なる下りリンクコンポーネントキャリアに配置されることができる(Cross CC schedulingと呼称する。)。PDSCHが配置される下りリンクコンポーネントキャリアを物理下りリンク共用チャネルコンポーネントキャリア(PDSCH CC)と呼称する。PDCCHが配置される下りリンクコンポーネントキャリアを物理下りリンク制御チャネルコンポーネントキャリア(PDCCH CC)と呼称する。なお、キャリアアグリゲーションで用いられる全ての下りリンクコンポーネントキャリアにPDSCHが配置される可能性がある場合、全ての下りリンクコンポーネントキャリアはPDSCH CCとなる。
基地局装置3は、キャリアアグリゲーションに用いる複数の下りリンクコンポーネントキャリアの中で何れの下りリンクコンポーネントキャリアをPDCCH CCとして用いるかを決定する。次に、基地局装置3は、各PDCCH CCを何れのPDSCH CCと対応させるかを決定する。ここで、PDCCH CCとPDSCH CCの対応付けとは、PDSCH CCに配置されるPDSCHのリソースの割り当てに関する制御情報を含むPDCCHがPDSCH CCと対応付けられたPDCCH CCに配置されることを意味する。より詳細には、PDCCH CCとPDSCH CCの対応付けとは、PDSCH CCに配置されるPDSCHに対応する下りリンクアサインメントであって、キャリアインディケータも構成される下りリンクアサインメントを含むPDCCHが、PDSCH CCと対応付けられたPDCCH CCに配置されることを意味する。ここで説明される対応付けは、上記で説明したように、キャリアインディケータを含まないPDCCHに対しての下りリンクコンポーネントキャリアと上りリンクコンポーネントキャリアの対応付けとは異なる。キャリアアグリゲーションに用いられる複数のPDSCH CCのそれぞれが同じPDCCH CCに対応付けられてもよいし、キャリアアグリゲーションに用いられる複数のPDSCH CCのそれぞれが異なるPDCCH CCに対応付けられてもよい。例えば、1個のPDCCH CCに複数のPDSCH CCが対応付けられる場合、そのPDCCH CCで送信されるPDCCHが何れのPDSCH CCのPDSCHのリソースの割り当てを示しているかはキャリアインディケータによって認識される。
基地局装置3は、各PDSCH CCに対してPDCCH CCとして対応付けられた下りリンクコンポーネントキャリアを示す情報を移動局装置5に通知する。なお、この情報は無線リンク制御(RRC)シグナリングを用いて通知される。移動局装置5は、基地局装置3よりRRCシグナリングを用いて通知された情報に基づき、各PDSCH CCのPDSCHのキャリアインディケータ付きの下りリンクアサインメントを含むPDCCHが配置される可能性のある下りリンクコンポーネントキャリアを認識する。なお、RRCシグナリングはPDSCHで通知される。また、Cross−CC schedulingが適用されない場合、PDSCH CCとPDCCH CCの対応付けを示す情報は基地局装置3から移動局装置5に対して通知されない。Cross−CC schedulingが適用されない場合、下りリンクアサインメントにキャリアインディケータは含まれない。
<基地局装置3の全体構成>
以下、図1、図2、図3を用いて、本実施形態に係る基地局装置3の構成について説明する。図1は、本発明の実施形態に係る基地局装置3の構成を示す概略ブロック図である。この図に示すように、基地局装置3は、受信処理部101、無線リソース制御部103、制御部105、および、送信処理部107を含んで構成される。
受信処理部101は、制御部105の指示に従い、受信アンテナ109により移動局装置5から受信した、PUCCH、PUSCHの受信信号を上りリンク参照信号を用いて復調し、復号して、制御情報、情報データを抽出する。受信処理部101は、自装置が移動局装置5にPUCCHのリソースを割り当てた上りリンクサブフレーム、上りリンク物理リソースブロックに対してUCIを抽出する処理を行なう。受信処理部101は、何れの上りリンクサブフレーム、何れの上りリンク物理リソースブロックに対してどのような処理を行なうかを制御部105から指示される。例えば、受信処理部101は、第二のPUCCHの信号に対して時間領域での符号の乗算と合成を行なう検出処理を制御部105から指示される。例えば、受信処理部101は、SR用の第一のPUCCHの信号に対して時間領域での符号の乗算と合成、周波数領域での符号の乗算と合成を行なう検出処理を制御部105から指示される。また、受信処理部101は、PUCCHからUCIを検出する処理に用いる周波数領域の符号および/または時間領域の符号を制御部105から指示される。受信処理部101は、抽出したUCIを制御部105に出力し、情報データを上位層に出力する。例えば、受信処理部101は、キャリアアグリゲーションを用いた場合のACK/NACKとSRを第二のPUCCHの受信信号から抽出する。その際、受信処理部101は共通の符号化(Joint coding)が行なわれたACK/NACKとSRに対して共通の復号化を行なう。受信処理部101の詳細については、後述する。
無線リソース制御部103は、移動局装置5各々のPDCCHに対するリソースの割り当て、PUCCHに対するリソースの割り当て、PDSCHに対する下りリンク物理リソースブロックの割り当て、PUSCHに対する上りリンク物理リソースブロックの割り当て、各種チャネルの変調方式・符号化率・送信電力制御値などを設定する。無線リソース制御部103で設定された情報の一部は送信処理部107を介して移動局装置5に通知され、例えばPUSCHの送信電力に関連する一部のパラメータの値を示す情報、PUCCHの送信電力に関連する一部のパラメータの値を示す情報が移動局装置5に通知される。また、無線リソース制御部103は、受信処理部101においてPUCCHを用いて取得され、制御部105を介して入力されたUCIに基づいてPDSCHの無線リソースの割り当てなどを設定する。例えば、無線リソース制御部103は、第二のPUCCHを用いて取得されたキャリアアグリゲーションを用いた場合のACK/NACKを入力された場合、ACK/NACKでNACKが示されたPDSCHのリソースの割り当てを移動局装置5に対して行なう。例えば、無線リソース制御部103は、第二のPUCCHを用いて取得されたSRを入力され、SRが上りリンクのリソースの割り当てを要求することを示す情報を示していた場合、PUSCHのリソースの割り当てを移動局装置5に対して行なう。
無線リソース制御部103は、キャリアアグリゲーションを用いて通信を行なう場合、移動局装置5に対して複数の下りリンクコンポーネントキャリア、複数の上りリンクコンポーネントキャリアを構成する。また、無線リソース制御部103は、移動局装置5に対してPDCCH CC、PDCCH CCと対応付けるPDSCH CCを設定する。無線リソース制御部103は、送信処理部107を介して各PDSCH CCに対してPDCCH CCとして対応付けられた下りリンクコンポーネントキャリアを示す情報を移動局装置5に通知するように制御部105に出力する。
無線リソース制御部103は、各種制御信号を制御部105に出力する。例えば、制御信号は、PUCCHのリソースの割り当てを示す制御信号や、受信処理部101で受信されたPUCCHの信号に対して行なわれる検出処理を示す制御信号である。例えば、無線リソース制御部103は、第二のPUCCHのリソースとして上りリンクサブフレーム、上りリンク物理リソースブロック、時間領域の符号を示す制御信号を出力する。例えば、無線リソース制御部103は、第二のPUCCHの信号に対して時間領域での符号の乗算と合成を行なう検出処理を示す制御信号を出力する。例えば、無線リソース制御部103は、SR用の第一のPUCCHのリソースとして上りリンクサブフレーム、上りリンク物理リソースブロック、時間領域の符号、周波数領域の符号を示す制御信号を出力する。例えば、無線リソース制御部103は、SR用の第一のPUCCHの信号に対して時間領域での符号の乗算と合成、周波数領域での符号の乗算と合成を行なう検出処理を示す制御信号を出力する。
制御部105は、無線リソース制御部103から入力された制御信号に基づき、PDSCHに対する下りリンク物理リソースブロックの割り当て、PDCCHに対するリソースの割り当て、PDSCHに対する変調方式の設定、PDSCHおよびPDCCHに対する符号化率の設定などの制御を送信処理部107に対して行なう。また、制御部105は、無線リソース制御部103から入力された制御信号に基づき、PDCCHを用いて送信されるDCIを生成し、送信処理部107に出力する。PDCCHを用いて送信されるDCIは、下りリンクアサインメント、上りリンクグラントなどである。また、制御部105は、通信に用いる下りリンクコンポーネントキャリアおよび上りリンクコンポーネントキャリアを示す情報、PDSCH CCとPDCCH CCとの対応付けを示す情報などを送信処理部107を介して移動局装置5にPDSCHを用いて送信するように制御を行なう。
制御部105は、無線リソース制御部103から入力された制御信号に基づき、PUSCHに対する上りリンク物理リソースブロックの割り当て、PUCCHに対するリソースの割り当て、PUSCHおよびPUCCHの変調方式の設定、PUSCHの符号化率の設定、PUCCHに対する検出処理、PUCCHに対する符号の設定などの制御を受信処理部101に対して行なう。また、制御部105は、移動局装置5によってPUCCHを用いて送信されたUCIが受信処理部101より入力され、入力されたUCIを無線リソース制御部103に出力する。
送信処理部107は、制御部105から入力された制御信号に基づき、PDCCH、PDSCHを用いて送信する信号を生成して、送信アンテナ111を介して送信する。送信処理部107は、無線リソース制御部103から入力された、キャリアアグリゲーションを用いた通信に用いる下りリンクコンポーネントキャリアおよび上りリンクコンポーネントキャリアを示す情報、PDSCH CCとPDCCH CCとの対応付けを示す情報、第二のPUCCHのリソースの割り当てを示す情報、PUSCHの送信電力に関連する一部のパラメータの値を示す情報、PUCCHの送信電力に関連する一部のパラメータの値を示す情報、上位層から入力された情報データ等をPDSCHを用いて移動局装置5に対して送信し、制御部105から入力されたDCIをPDCCHを用いて移動局装置5に対して送信する。なお、説明の簡略化のため、以降、情報データは数種の制御に関する情報を含むものとする。送信処理部107の詳細については、後述する。
<基地局装置3の送信処理部107の構成>
以下、基地局装置3の送信処理部107の詳細について説明する。図2は、本発明の実施形態に係る基地局装置3の送信処理部107の構成を示す概略ブロック図である。この図に示すように、送信処理部107は、複数の物理下りリンク共用チャネル処理部201−1〜201−M(以下、物理下りリンク共用チャネル処理部201−1〜201−Mを合わせて物理下りリンク共用チャネル処理部201と表す)、複数の物理下りリンク制御チャネル処理部203−1〜203−M(以下、物理下りリンク制御チャネル処理部203−1〜203−Mを合わせて物理下りリンク制御チャネル処理部203と表す)、下りリンクパイロットチャネル処理部205、多重部207、IFFT(Inverse Fast Fourier Transform; 高速逆フーリエ変換)部209、GI(Guard Interval; ガードインターバル)挿入部211、D/A(Digital/Analog converter; ディジタルアナログ変換)部213、送信RF(Radio Frequency; 無線周波数)部215、および、送信アンテナ111を含んで構成される。なお、各物理下りリンク共用チャネル処理部201、各物理下りリンク制御チャネル処理部203は、それぞれ、同様の構成および機能を有するので、その一つを代表して説明する。
また、この図に示すように、物理下りリンク共用チャネル処理部201は、それぞれ、ターボ符号部219およびデータ変調部221を備える。また、この図に示すように、物理下りリンク制御チャネル処理部203は、畳み込み符号部223およびQPSK変調部225を備える。物理下りリンク共用チャネル処理部201は、移動局装置5への情報データをOFDM方式で伝送するためのベースバンド信号処理を行なう。ターボ符号部219は、入力された情報データを、制御部105から入力された符号化率で、データの誤り耐性を高めるためのターボ符号化を行ない、データ変調部221に出力する。データ変調部221は、ターボ符号部219が符号化したデータを、制御部105から入力された変調方式、例えば、QPSK(四位相偏移変調; Quadrature Phase Shift Keying)、16QAM(16値直交振幅変調; 16 Quadrature Amplitude Modulation)、64QAM(64値直交振幅変調; 64 Quadrature Amplitude Modulation)のような変調方式で変調し、変調シンボルの信号系列を生成する。データ変調部221は、生成した信号系列を、多重部207に出力する。
物理下りリンク制御チャネル処理部203は、制御部105から入力されたDCIを、OFDM方式で伝送するためのベースバンド信号処理を行なう。畳み込み符号部223は、制御部105から入力された符号化率に基づき、DCIの誤り耐性を高めるための畳み込み符号化を行なう。ここで、DCIはビット単位で制御される。また、畳み込み符号部223は、制御部105から入力された符号化率に基づき、畳み込み符号化の処理を行なったビットに対して出力ビットの数を調整するためにレートマッチングも行なう。畳み込み符号部223は、符号化したDCIをQPSK変調部225に出力する。QPSK変調部225は、畳み込み符号部223が符号化したDCIを、QPSK変調方式で変調し、変調した変調シンボルの信号系列を、多重部207に出力する。下りリンクパイロットチャネル処理部205は、移動局装置5において既知の信号である下りリンク参照信号(Cell specific RSとも呼称する。)を生成し、多重部207に出力する。
多重部207は、下りリンクパイロットチャネル処理部205から入力された信号と、物理下りリンク共用チャネル処理部201各々から入力された信号と、物理下りリンク制御チャネル処理部203各々から入力された信号とを、制御部105からの指示に従って、下りリンク無線フレームに多重する。無線リソース制御部103によって設定されたPDSCHに対する下りリンク物理リソースブロックの割り当て、PDCCHに対するリソースの割り当てに関する制御信号が制御部105に入力され、その制御信号に基づき、制御部105は多重部207の処理を制御する。
なお、多重部207は、PDSCHとPDCCHの多重を、図10に示したように時間多重で行なう。また、多重部207は、下りリンクパイロットチャネルと、その他のチャネル間の多重は時間・周波数多重で行なう。また、多重部207は、各移動局装置5宛てのPDSCHの多重を下りリンク物理リソースブロックペア単位で行ない、1つの移動局装置5に対して複数の下りリンク物理リソースブロックペアを用いてPDSCHを多重することもある。また、多重部207は、各移動局装置5宛てのPDCCHの多重を同一の下りリンクコンポーネントキャリア内のリソースを用いて行なう。多重部207は、多重化した信号を、IFFT部209に出力する。
IFFT部209は、多重部207が多重化した信号を高速逆フーリエ変換し、OFDM方式の変調を行ない、GI挿入部211に出力する。GI挿入部211は、IFFT部209がOFDM方式の変調を行なった信号に、ガードインターバルを付加することで、OFDM方式におけるシンボルからなるベースバンドのディジタル信号を生成する。周知のように、ガードインターバルは、伝送するOFDMシンボルの先頭または末尾の一部を複製することによって生成される。GI挿入部211は、生成したベースバンドのディジタル信号をD/A部213に出力する。D/A部213は、GI挿入部211から入力されたベースバンドのディジタル信号をアナログ信号に変換し、送信RF部215に出力する。送信RF部215は、D/A部213から入力されたアナログ信号から、中間周波数の同相成分および直交成分を生成し、中間周波数帯域に対する余分な周波数成分を除去する。次に、送信RF部215は、中間周波数の信号を高周波数の信号に変換(アップコンバート)し、余分な周波数成分を除去し、電力増幅し、送信アンテナ111を介して、移動局装置5に送信する。
<基地局装置3の受信処理部101の構成>
以下、基地局装置3の受信処理部101の詳細について説明する。図3は、本発明の実施形態に係る基地局装置3の受信処理部101の構成を示す概略ブロック図である。この図に示すように、受信処理部101は、受信RF部301、A/D(Analog/Digital converter; アナログディジタル変換)部303、コンポーネントキャリア分離部305、複数の上りリンクコンポーネントキャリア毎受信処理部307−1〜307−M(以下、上りリンクコンポーネントキャリア毎受信処理部307−1〜307−Mを上りリンクコンポーネントキャリア毎受信処理部307と表す)、を含んで構成される。また、この図に示すように、上りリンクコンポーネントキャリア毎受信処理部307は、シンボルタイミング検出部309、GI除去部311、FFT部313、サブキャリアデマッピング部315、伝搬路推定部317、PUSCH用の伝搬路等化部319、PUCCH用の伝搬路等化部321、IDFT部323、データ復調部325、ターボ復号部327、および物理上りリンク制御チャネル検出部329を備える。なお、各上りリンクコンポーネントキャリア毎受信処理部307は、同様の構成および機能を有するので、その一つを代表して説明する。
受信RF部301は、受信アンテナ109で受信された信号を、適切に増幅し、中間周波数に変換し(ダウンコンバート)、不要な周波数成分を除去し、信号レベルが適切に維持されるように増幅レベルを制御し、受信された信号の同相成分および直交成分に基づいて、直交復調する。受信RF部301は、直交復調したアナログ信号を、A/D部303に出力する。A/D部303は、受信RF部301が直交復調したアナログ信号をディジタル信号に変換し、変換したディジタル信号をコンポーネントキャリア分離部305に出力する。コンポーネントキャリア分離部305は、上りリンクシステム帯域幅の上りリンクコンポーネントキャリア毎に受信信号を分離し、各上りリンクコンポーネントキャリア毎受信処理部307に出力する。
上りリンクコンポーネントキャリア毎受信処理部307は、上りリンクコンポーネントキャリア内のPUSCH、PUCCHの復調、復号を行ない、情報データ、UCIを検出する。
シンボルタイミング検出部309は、コンポーネントキャリア分離部305より入力された信号に基づいて、シンボルのタイミングを検出し、検出したシンボル境界のタイミングを示す制御信号を、GI除去部311に出力する。GI除去部311は、シンボルタイミング検出部309からの制御信号に基づいて、コンポーネントキャリア分離部305より入力された信号からガードインターバルに相当する部分を除去し、残りの部分の信号を、FFT部313に出力する。FFT部313は、GI除去部311から入力された信号を高速フーリエ変換し、DFT−Spread−OFDM方式の復調を行ない、サブキャリアデマッピング部315に出力する。なお、FFT部313のポイント数は、後述する移動局装置5のIFFT部のポイント数と等しい。
サブキャリアデマッピング部315は、制御部105から入力された制御信号に基づき、FFT部313が復調した信号を、上りリンクパイロットチャネルの上りリンク参照信号と、PUSCHの信号と、PUCCHの信号とに分離する。サブキャリアデマッピング部315は、分離した上りリンク参照信号を伝搬路推定部317に出力し、分離したPUSCHの信号をPUSCH用の伝搬路等化部319に出力し、分離したPUCCHの信号をPUCCH用の伝搬路等化部321に出力する。
伝搬路推定部317は、サブキャリアデマッピング部315が分離した上りリンク参照信号と既知の信号を用いて伝搬路の変動を推定する。伝搬路推定部317は、推定した伝搬路推定値を、PUSCH用の伝搬路等化部319と、PUCCH用の伝搬路等化部321に出力する。PUSCH用の伝搬路等化部319は、サブキャリアデマッピング部315が分離したPUSCHの信号の振幅および位相を、伝搬路推定部317から入力された伝搬路推定値に基づいて等化する。ここで、等化とは、信号が無線通信中に受けた伝搬路の変動を元に戻す処理のことを表す。PUSCH用の伝搬路等化部319は、調整した信号をIDFT部323に出力する。
IDFT部323は、PUSCH用の伝搬路等化部319から入力された信号を離散逆フーリエ変換し、データ復調部325に出力する。データ復調部325は、IDFT部323が変換したPUSCHの信号の復調を行ない、復調したPUSCHの信号をターボ復号部327に出力する。この復調は、移動局装置5のデータ変調部で用いられる変調方式に対応した復調であり、変調方式は制御部105より入力される。ターボ復号部327は、データ復調部325から入力され、復調されたPUSCHの信号から、情報データを復号する。符号化率は、制御部105より入力される。
PUCCH用の伝搬路等化部321は、サブキャリアデマッピング部315で分離されたPUCCHの信号の振幅および位相を、伝搬路推定部317から入力された伝搬路推定値に基づいて等化する。PUCCH用の伝搬路等化部321は、等化した信号を物理上りリンク制御チャネル検出部329に出力する。
物理上りリンク制御チャネル検出部329は、PUCCH用の伝搬路等化部321から入力された信号を復調、復号し、制御情報を検出する。物理上りリンク制御チャネル検出部329は、周波数領域、および/または周波数領域で符号多重された信号を分離する処理を行なう。物理上りリンク制御チャネル検出部329は、送信側で用いられた符号を用いて周波数領域、および/または時間領域で符号多重された第一のPUCCHの信号からキャリアアグリゲーションを用いない場合のACK/NACK、SR、CQIを検出する。また、物理上りリンク制御チャネル検出部329は、送信側で用いられた符号を用いて時間領域で符号多重された第二のPUCCHの信号からキャリアアグリゲーションを用いた場合のACK/NACK、SRを検出する。具体的には、物理上りリンク制御チャネル検出部329は、周波数領域での符号を用いた検出処理、つまり周波数領域で符号多重された信号を分離する処理として、PUCCHのサブキャリア毎の信号に対して符号を乗算した後、符号を乗算した信号を合成する。具体的には、物理上りリンク制御チャネル検出部329は、時間領域での符号を用いた検出処理、つまり時間領域での符号多重された信号を分離する処理として、PUCCHのSC−FDMAシンボル毎の信号に対して符号を乗算した後、符号を乗算した信号を合成する。なお、物理上りリンク制御チャネル検出部329は、制御部105からの制御信号に基づき、PUCCH(第一のPUCCH、第二のPUCCH)の信号に対する検出処理を設定する。
物理上りリンク制御チャネル検出部329は、第二のPUCCHの信号に対してキャリアアグリゲーションを用いた場合のACK/NACKとSRの2種類のUCIが含まれるものとして復号を行なったり、第二のPUCCHの信号に対してキャリアアグリゲーションを用いた場合のACK/NACKの1種類のUCIのみが含まれるものとして復号を行なう。物理上りリンク制御チャネル検出部329は、ブロック符号化が適用された第二のPUCCHの信号を復号して、キャリアアグリゲーションを用いた場合のACK/NACKとSRを検出したり、キャリアアグリゲーションを用いた場合のACK/NACKのみを検出する。物理上りリンク制御チャネル検出部329において何れの場合を想定して第二のPUCCHの信号に対して復号を行なうかは制御部105から指示される。制御部105は、ある上りリンクサブフレームの第二のPUCCHのリソースのみが割り当てられ、その上りリンクサブフレームでSR用の第一のPUCCHのリソースが割り当てられていない場合、第二のPUCCHの信号に対してキャリアアグリゲーションを用いた場合のACK/NACKの1種類のUCIのみが含まれるものとして復号を行なうように物理上りリンク制御チャネル検出部329を制御し、ある上りリンクサブフレームの第二のPUCCHのリソースが割り当てられ、その上りリンクサブフレームでSR用の第一のPUCCHのリソースも割り当てられている場合、第二のPUCCHの信号に対してキャリアアグリゲーションを用いた場合のACK/NACKとSRの2種類のUCIが含まれるものとして復号を行なうように物理上りリンク制御チャネル検出部329を制御する。
制御部105は、基地局装置3が、移動局装置5にPDCCHを用いて送信した制御情報(DCI)、及びPUSCHを用いて送信した制御情報に基づいて、サブキャリアデマッピング部315、データ復調部325、ターボ復号部327、伝搬路推定部317、および物理上りリンク制御チャネル検出部329の制御を行なう。また、制御部105は、基地局装置3が移動局装置5に送信した制御情報に基づき、各移動局装置5が送信したPUSCH、PUCCHがどのリソース(上りリンクサブフレーム、上りリンク物理リソースブロック、周波数領域の符号、時間領域の符号)により構成されているかを把握している。
<移動局装置5の全体構成>
以下、図4、図5、図6を用いて、本実施形態に係る移動局装置5の構成について説明する。図4は、本発明の実施形態に係る移動局装置5の構成を示す概略ブロック図である。この図に示すように、移動局装置5は、受信処理部401、無線リソース制御部403、制御部405、送信処理部407を含んで構成される。また、制御部405は、管理部4051、および送信電力パラメータ設定部4053、を備える。
受信処理部401は、基地局装置3から信号を受信し、制御部405の指示に従い、受信信号を復調、復号する。受信処理部401は、自装置宛てのPDCCHの信号を検出した場合は、PDCCHの信号を復号して取得したDCIを制御部405に出力する。また、受信処理部401は、PDCCHに含まれるDCIを制御部405に出力した後の制御部405の指示に基づき、自装置宛てのPDSCHを復号して得た情報データを、制御部405を介して上位層に出力する。PDCCHに含まれるDCIの中で下りリンクアサインメントがPDSCHのリソースの割り当てを示す情報を含む。また、受信処理部401は、PDSCHを復号して得た基地局装置3の無線リソース制御部103で生成された制御情報を制御部405に出力し、また制御部405を介して自装置の無線リソース制御部403に出力する。例えば、基地局装置3の無線リソース制御部103で生成された制御情報は、PUCCHのリソースの割り当てを示す情報、PUCCHの送信電力に関連する一部のパラメータの値を示す情報を含む。
また、受信処理部401は、PDSCHに含まれる巡回冗長検査(Cyclic Redundancy Check: CRC)符号を制御部405に出力する。基地局装置3の説明では省略したが、基地局装置3の送信処理部107は情報データからCRC符号を生成し、情報データとCRC符号をPDSCHで送信する。CRC符号は、PDSCHに含まれるデータが誤っているか、誤っていないかを判断するために使われ、予め決められた生成多項式を用いてデータから生成された情報とCRC符号が同じ場合はデータが誤っていないと判断され、予め決められた生成多項式を用いてデータから生成された情報とCRC符号が異なる場合はデータが誤っていると判断される。受信処理部401の詳細については後述する。
制御部405は、管理部4051、送信電力パラメータ設定部4053を備える。制御部405は、PDSCHを用いて基地局装置3から送信され、受信処理部401より入力されたデータを確認し、データの中で情報データを上位層に出力し、データの中で基地局装置3の無線リソース制御部103で生成された制御情報に基づいて、受信処理部401、送信処理部407を制御する。また、制御部405は、無線リソース制御部403からの指示に基づき、受信処理部401、送信処理部407を制御する。例えば、制御部405は、無線リソース制御部403から指示されたリソースのPUCCHでUCIを送信するように送信処理部407を制御する。また、制御部405は、PDCCHを用いて基地局装置3から送信され、受信処理部401より入力されたDCIに基づいて、受信処理部401、送信処理部407を制御する。具体的には、制御部405は検出された下りリンクアサインメントに基づき受信処理部401を制御し、検出された上りリンクグラントに基づき送信処理部407を制御する。また、制御部405は、予め決められた生成多項式を用いて受信処理部401より入力されたデータと受信処理部401より入力されたCRC符号を比較し、データが誤っているか否かを判断し、ACK/NACKを生成する。また、制御部405は、無線リソース制御部403からの指示に基づき、SR、CQIを生成する。実際には、制御部405の管理部4051において、キャリアアグリゲーションを用いない場合のACK/NACK、キャリアアグリゲーションを用いた場合のACK/NACK、SR、CQIの生成が制御される。
管理部4051は、自装置でのUCIの生成を管理する。例えば、管理部4051は、制御部405に対して受信処理部401よりデータとCRC符号が入力された場合、ACK/NACKを生成する。予め決められた生成多項式を用いてデータから生成された情報とCRC符号が同じ場合は、ACK/NACKでACKが示され、生成された情報とCRC符号が異なる場合は、ACK/NACKでNACKが示される。なお、管理部4051は、自装置でキャリアアグリゲーションを用いない通信が行なわれている場合、任意の下りリンクサブフレームのPDSCHに対して1個のACK/NACKのみを生成する。なお、管理部4051は、自装置でキャリアアグリゲーションを用いた通信が行なわれている場合、任意の下りリンクサブフレームの複数のPDSCHに対して複数個のACK/NACKを生成する。例えば、管理部4051は、SR用のPUCCHのリソースが基地局装置3より予め割り当てられた上りリンクサブフレームに対応するタイミングでSRを生成する。ここで、上りリンクサブフレームに対応するタイミングとは、その上りリンクサブフレームで信号を送信することができるように、少なくとも処理遅延の時間分、その上りリンクサブフレームより早いタイミングを意味する。なお、管理部4051は、無線リソース制御部403において上りリンクのリソースが不足していると判断され、リソースの割り当てを要求することを示すSRの生成を要請する制御信号が無線リソース制御部403より入力された場合、リソースの割り当てを要求することを示すSR(Positive SRと呼称する。)を生成する。なお、管理部4051は、リソースの割り当てを要求することを示すSRの生成を要請する制御信号が無線リソース制御部403より入力されていない場合、リソースの割り当てを要求しないことを示すSR(Negative SRと呼称する。)を生成する。なお、無線リソース制御部403において、送信バッファに蓄積されたデータ量が所定の閾値を超えた場合などに、上りリンクのリソースが不足していると判断される。例えば、管理部4051は、CQI用のPUCCHのリソースが基地局装置3より予め割り当てられた上りリンクサブフレームに対応するタイミングでCQIを生成する。
送信電力パラメータ設定部4053は、PUCCH、PUSCH、上りリンクパイロットチャネルなどの送信電力に関連するパラメータの値を設定する。送信電力パラメータ設定部4053において設定された送信電力の値は、制御部405により送信処理部407に対して出力される。なお、PUCCHと同じ上りリンク物理リソースブロック内のリソースより構成される上りリンクパイロットチャネルは、PUCCHと同じ送信電力制御が行なわれる。なお、PUSCHと同じ上りリンク物理リソースブロック内のリソースより構成される上りリンクパイロットチャネルは、PUSCHと同じ送信電力制御が行なわれる。送信電力パラメータ設定部4053は、PUSCHに対して、PUSCHに割り当てられる上りリンク物理リソースブロックの数に基づくパラメータ、予め基地局装置3より通知されたセル固有、および移動局装置固有のパラメータ、PUSCHに用いられる変調方式に基づくパラメータ、推定されたパスロスの値に基づくパラメータ、基地局装置3より通知された送信電力制御コマンドに基づくパラメータなどの値を設定する。送信電力パラメータ設定部4053は、PUCCHに対して、PUCCHの信号構成に基づくパラメータ、予め基地局装置3より通知されたセル固有、および移動局装置固有のパラメータ、推定されたパスロスの値に基づくパラメータ、通知された送信電力制御コマンドに基づくパラメータなどの値を設定する。特に、送信電力パラメータ設定部4053は、第二のPUCCHに対して、PUCCHの信号構成に基づくパラメータの値を、第二のPUCCHで送信されるACK/NACKとSRの情報ビット数に応じて設定する。なお、送信電力に関連するパラメータとして、セル固有、および移動局装置固有のパラメータはPDSCHを用いて基地局装置3より通知され、送信電力制御コマンドはPDCCHを用いて基地局装置3より通知される。PUSCHに対する送信電力制御コマンドは上りリンクグラントに含まれ、PUCCHに対する送信電力制御コマンドは下りリンクアサインメントに含まれる。なお、制御部405は、管理部4051で生成されたUCIの種類に応じてPUCCHの信号構成を制御しており、送信電力パラメータ設定部4053で用いられるPUCCHの信号構成を制御している。例えば、制御部405は、管理部4051でキャリアアグリゲーションを用いた場合のACK/NACKとSRが生成された場合、送信電力パラメータ設定部4053に対して第二のPUCCHの信号構成に基づくパラメータの値を設定するように制御する。また、制御部405は、管理部で生成されたキャリアアグリゲーションを用いた場合のACK/NACKの情報ビット数、SRの情報ビット数を送信電力パラメータ設定部4053で用いる。なお、基地局装置3より通知された、送信電力に関連する各種パラメータは無線リソース制御部403において適宜記憶され、記憶された値が送信電力パラメータ設定部4053に入力される。
無線リソース制御部403は、基地局装置3の無線リソース制御部103で生成され、基地局装置3より通知された制御情報を記憶して保持すると共に、制御部405を介して受信処理部401、送信処理部407の制御を行なう。つまり、無線リソース制御部403は、各種パラメータなどを保持するメモリの機能を備える。例えば、無線リソース制御部403は、PUCCHのリソースの割り当てに関する制御情報を保持し、送信処理部407においてPUCCHの信号を保持したリソースを用いて送信するように制御信号を制御部405に出力する。また、無線リソース制御部403は、PUSCH、PUCCHの送信電力に関連するパラメータを保持し、送信電力パラメータ設定部4053において基地局装置3より通知されたパラメータを用いるように制御信号を制御部405に出力する。
送信処理部407は、制御部405の指示に従い、情報データ、UCIを符号化し、変調した信号をPUSCH、PUCCHのリソースを用いて、基地局装置3に送信アンテナ411を介して送信する。また、送信処理部407は、制御部405の指示に従い、PUSCH、PUCCHの送信電力を設定する。例えば、送信処理部407は、キャリアアグリゲーションを用いた場合のACK/NACKとSRの情報ビットに対して共通の符号化(Joint coding)を適用して信号を生成し、送信電力パラメータ設定部4053より入力された値の送信電力を設定し、第二のPUCCHのリソースを用いて、送信アンテナ411を介して信号を送信する。送信処理部407の詳細については後述する。
<移動局装置5の受信処理部401>
以下、移動局装置5の受信処理部401の詳細について説明する。図5は、本発明の実施形態に係る移動局装置5の受信処理部401の構成を示す概略ブロック図である。この図に示すように、受信処理部401は、受信RF部501、A/D部503、シンボルタイミング検出部505、GI除去部507、FFT部509、多重分離部511、伝搬路推定部513、PDSCH用の伝搬路補償部515、物理下りリンク共用チャネル復号部517、PDCCH用の伝搬路補償部519、および、物理下りリンク制御チャネル復号部521、を含んで構成される。また、この図に示すように、物理下りリンク共用チャネル復号部517は、データ復調部523、および、ターボ復号部525、を備える。また、この図に示すように、物理下りリンク制御チャネル復号部521は、QPSK復調部527、および、ビタビデコーダ部529、を備える。
受信RF部501は、受信アンテナ409で受信した信号を、適切に増幅し、中間周波数に変換し(ダウンコンバート)、不要な周波数成分を除去し、信号レベルが適切に維持されるように増幅レベルを制御し、受信した信号の同相成分および直交成分に基づいて、直交復調する。受信RF部501は、直交復調したアナログ信号を、A/D部503に出力する。
A/D部503は、受信RF部501が直交復調したアナログ信号をディジタル信号に変換し、変換したディジタル信号を、シンボルタイミング検出部505と、GI除去部507と、に出力する。シンボルタイミング検出部505は、A/D部503が変換したディジタル信号に基づいて、シンボルのタイミングを検出し、検出したシンボル境界のタイミングを示す制御信号を、GI除去部507に出力する。GI除去部507は、シンボルタイミング検出部505からの制御信号に基づいて、A/D部503の出力したディジタル信号からガードインターバルに相当する部分を除去し、残りの部分の信号を、FFT部509に出力する。FFT部509は、GI除去部507から入力された信号を高速フーリエ変換し、OFDM方式の復調を行ない、多重分離部511に出力する。
多重分離部511は、制御部405から入力された制御信号に基づき、FFT部509が復調した信号を、PDCCHの信号と、PDSCHの信号とに分離する。多重分離部511は、分離したPDSCHの信号を、PDSCH用の伝搬路補償部515に出力し、また、分離したPDCCHの信号を、PDCCH用の伝搬路補償部519に出力する。また、多重分離部511は、下りリンクパイロットチャネルが配置される下りリンクリソースエレメントを分離し、下りリンクパイロットチャネルの下りリンク参照信号を、伝搬路推定部513に出力する。なお、多重分離部511は、PDCCH CCの信号をPDCC用の伝搬路補償部519に出力し、PDSCH CCの信号をPDSCH用の伝搬路補償部515に出力する。
伝搬路推定部513は、多重分離部511が分離した下りリンクパイロットチャネルの下りリンク参照信号と既知の信号とを用いて伝搬路の変動を推定し、伝搬路の変動を補償するように、振幅および位相を調整するための伝搬路補償値を、PDSCH用の伝搬路補償部515と、PDCCH用の伝搬路補償部519に出力する。PDSCH用の伝搬路補償部515は、多重分離部511が分離したPDSCHの信号の振幅および位相を、伝搬路推定部513から入力された伝搬路補償値に従って調整する。PDSCH用の伝搬路補償部515は、伝搬路を調整した信号を物理下りリンク共用チャネル復号部517のデータ復調部523に出力する。
物理下りリンク共用チャネル復号部517は、制御部405からの指示に基づき、PDSCHの復調、復号を行ない、情報データを検出する。データ復調部523は、伝搬路補償部515から入力されたPDSCHの信号の復調を行ない、復調したPDSCHの信号をターボ復号部525に出力する。この復調は、基地局装置3のデータ変調部221で用いられる変調方式に対応した復調である。ターボ復号部525は、データ復調部523から入力され、復調されたPDSCHの信号から情報データを復号し、制御部405を介して上位層に出力する。なお、PDSCHを用いて送信された、基地局装置3の無線リソース制御部103で生成された制御情報等も制御部405に出力され、制御部405を介して無線リソース制御部403にも出力される。なお、PDSCHに含まれるCRC符号も制御部405に出力される。
PDCCH用の伝搬路補償部519は、多重分離部511が分離したPDCCHの信号の振幅および位相を、伝搬路推定部513から入力された伝搬路補償値に従って調整する。PDCCH用の伝搬路補償部519は、調整した信号を物理下りリンク制御チャネル復号部521のQPSK復調部527に出力する。
物理下りリンク制御チャネル復号部521は、以下のように、PDCCH用の伝搬路補償部519から入力された信号を復調、復号し、制御データを検出する。QPSK復調部527は、PDCCHの信号に対してQPSK復調を行ない、ビタビデコーダ部529に出力する。ビタビデコーダ部529は、QPSK復調部527が復調した信号を復号し、復号したDCIを制御部405に出力する。ここで、この信号はビット単位で表現され、ビタビデコーダ部529は、入力ビットに対してビタビデコーディング処理を行なうビットの数を調整するためにレートデマッチングも行なう。
なお、制御部405は、ビタビデコーダ部529より入力されたDCIが誤りなく、自装置宛てのDCIかを判定し、誤りなく、自装置宛てのDCIと判定した場合、DCIに基づいて多重分離部511、データ復調部523、ターボ復号部525、および送信処理部407、を制御する。例えば、制御部405は、DCIが下りリンクアサインメントである場合、受信処理部401にリソースを割り当てられた下りリンクコンポーネントキャリアでPDSCHの信号を復号するように制御する。なお、PDCCHにおいてもPDSCHと同様にCRC符号が含まれており、制御部405はCRC符号を用いてPDCCHのDCIが誤っているか否かを判断する。
<移動局装置5の送信処理部407>
図6は、本発明の実施形態に係る移動局装置5の送信処理部407の構成を示す概略ブロック図である。この図に示すように、送信処理部407は、複数の上りリンクコンポーネントキャリア毎送信処理部601−1〜601−M(以下、上りリンクコンポーネントキャリア毎送信処理部601−1〜601−Mを合わせて上りリンクコンポーネントキャリア毎送信処理部601と表す)、コンポーネントキャリア合成部603、D/A部605、送信RF部607、および、送信アンテナ411を含んで構成される。また、この図に示すように、上りリンクコンポーネントキャリア毎送信処理部601は、ターボ符号部611、データ変調部613、DFT部615、上りリンクパイロットチャネル処理部617、物理上りリンク制御チャネル処理部619、サブキャリアマッピング部621、IFFT部623、GI挿入部625、および、送信電力調整部627を備える。移動局装置5は、対応する数の上りリンクコンポーネントキャリア分の上りリンクコンポーネントキャリア毎送信処理部601を有する。なお、各上りリンクコンポーネントキャリア毎送信処理部601は、同様の構成および機能を有するので、その一つを代表して説明する。
上りリンクコンポーネントキャリア毎送信処理部601は、情報データ、UCIに対して符号化、変調を行ない、上りリンクコンポーネントキャリア内のPUSCH、PUCCHを用いて送信する信号を生成し、PUSCH、PUCCHの送信電力を調整する。ターボ符号部611は、入力された情報データを、制御部405から指示された符号化率で、データの誤り耐性を高めるためのターボ符号化を行ない、データ変調部613に出力する。データ変調部613は、ターボ符号部611が符号化した符号データを、制御部405から指示された変調方式、例えば、QPSK、16QAM、64QAMのような変調方式で変調し、変調シンボルの信号系列を生成する。データ変調部613は、生成した変調シンボルの信号系列を、DFT部615に出力する。DFT部615は、データ変調部613が出力した信号を離散フーリエ変換し、サブキャリアマッピング部621に出力する。
物理上りリンク制御チャネル処理部619は、制御部405から入力されたUCIを伝送するためのベースバンド信号処理を行なう。物理上りリンク制御チャネル処理部619に入力されるUCIは、キャリアアグリゲーションを用いない場合のACK/NACK、キャリアアグリゲーションを用いた場合のACK/NACK、SR、CQIである。物理上りリンク制御チャネル処理部619は、ベースバンド信号処理を行ない、生成した信号をサブキャリアマッピング部621に出力する。物理上りリンク制御チャネル処理部619は、第一のPUCCH用の信号と第二のPUCCH用の信号とで異なるベースバンド信号処理を行なう。物理上りリンク制御チャネル処理部619は、UCIの情報ビットを符号化して信号を生成する。例えば、物理上りリンク制御チャネル処理部619は、キャリアアグリゲーションを用いた場合のACK/NACKとSRの情報ビットに対してブロック符号化を適用して、第二のPUCCHで送信される信号を生成する。例えば、ブロック符号化はリードマラー符号を用いて行なわれる。また、物理上りリンク制御チャネル処理部619は、キャリアアグリゲーションを用いた場合のACK/NACKのみの情報ビットから信号を生成する場合も、同様のブロック符号化を適用する。例えば、物理上りリンク制御チャネル処理部619は、キャリアアグリゲーションを用いない場合のACK/NACKの情報ビットに対して繰り返し符号化を適用して、第一のPUCCHで送信される信号を生成する。
物理上りリンク制御チャネル処理部619は、第二のPUCCH用の信号に対してDFT−Spread−OFDM方式のベースバンド信号処理を行い、第一のPUCCH用の信号に対してはDFT−Spread−OFDM方式のベースバンド信号処理を行なわない。ここで、DFT−Spread−OFDM方式のベースバンド信号処理とは、UCIの信号に対してDFT処理を行なって周波数領域の信号に変換した後、任意のサブキャリアに信号を配置してIFFT処理を行なうことを意味し、DFT−Spread−OFDM方式のベースバンド信号処理を行わない場合、UCIの信号は任意のサブキャリアに直接的に配置されてIFFT処理が行なわれる。物理上りリンク制御チャネル処理部619は、キャリアアグリゲーションを用いない場合のACK/NACKのみの情報ビットから信号を生成する場合、またはSRのみの情報ビットから信号を生成する場合、またはCQIのみの情報ビットから信号を生成する場合などに、第一のPUCCH用の信号を生成する。物理上りリンク制御チャネル処理部619は、キャリアアグリゲーションを用いた場合のACK/NACKのみの情報ビットから信号を生成する場合、キャリアアグリゲーションを用いた場合のACK/NACKとSRの情報ビットから信号を生成する場合などに、第二のPUCCH用の信号を生成する。
また、物理上りリンク制御チャネル処理部619は、UCIから生成される信号に対して周波数領域の符号多重および/または時間領域の符号多重に関連する信号処理を行なう。物理上りリンク制御チャネル処理部619は、キャリアアグリゲーションを用いない場合のACK/NACKの情報ビット、またはSRの情報ビット、またはCQIの情報ビットから生成される第一のPUCCHの信号に対して周波数領域の符号多重を実現するために制御部405から指示された符号を乗算する。物理上りリンク制御チャネル処理部619は、キャリアアグリゲーションを用いない場合のACK/NACKの情報ビット、またはSRの情報ビットから生成される第一のPUCCHの信号、キャリアアグリゲーションを用いた場合のACK/NACKの情報ビット、またはキャリアアグリゲーションを用いた場合のACK/NACKとSRの情報ビットから生成される第二のPUCCHの信号に対して時間領域の符号多重を実現するために制御部405から指示された符号を乗算する。
上りリンクパイロットチャネル処理部617は、基地局装置3において既知の信号である上りリンク参照信号を制御部405からの指示に基づき生成し、サブキャリアマッピング部621に出力する。
サブキャリアマッピング部621は、上りリンクパイロットチャネル処理部617から入力された信号と、DFT部615から入力された信号と、物理上りリンク制御チャネル処理部619から入力された信号とを、制御部405からの指示に従ってサブキャリアに配置し、IFFT部623に出力する。
IFFT部623は、サブキャリアマッピング部621が出力した信号を高速逆フーリエ変換し、GI挿入部625に出力する。ここで、IFFT部623のポイント数はDFT部615のポイント数よりも多く、移動局装置5は、DFT部615、サブキャリアマッピング部621、IFFT部623を用いることにより、PUSCHを用いて送信する信号に対してDFT−Spread−OFDM方式の変調を行なう。また、移動局装置5は、物理上りリンク制御チャネル処理部619、サブキャリアマッピング部621、IFFT部623を用いることにより、第二のPUCCHを用いて送信する信号に対してDFT−Spread−OFDM方式の変調を実現する。GI挿入部625は、IFFT部623から入力された信号に、ガードインターバルを付加し、送信電力調整部627に出力する。
送信電力調整部627は、GI挿入部625から入力された信号に対して、制御部405からの制御信号に基づき送信電力を調整してコンポーネントキャリア合成部603に出力する。なお、送信電力調整部627では、PUSCH、PUCCH、上りリンクパイロットチャネルの平均送信電力が上りリンクサブフレーム毎に制御される。送信電力調整部627の処理により、第二のPUCCHの信号の送信電力がACK/NACKとSRの情報ビット数に応じて値が設定されたパラメータに基づき制御されることになる。
コンポーネントキャリア合成部603は、各上りリンクコンポーネントキャリア毎送信処理部601より入力された上りリンクコンポーネントキャリア毎の信号を合成し、D/A部605に出力する。D/A部605は、コンポーネントキャリア合成部603から入力されたベースバンドのディジタル信号をアナログ信号に変換し、送信RF部607に出力する。送信RF部607は、D/A部605から入力されたアナログ信号から、中間周波数の同相成分および直交成分を生成し、中間周波数帯域に対する余分な周波数成分を除去する。次に、送信RF部607は、中間周波数の信号を高周波数の信号に変換(アップコンバート)し、余分な周波数成分を除去し、電力増幅し、送信アンテナ411を介して、基地局装置3に送信する。
<送信電力に関連するパラメータの設定>
送信電力パラメータ設定部4053における、第二のPUCCHに対する送信電力に関連するパラメータの値の設定について説明する。送信電力パラメータ設定部4053は、管理部4051でキャリアアグリゲーションを用いた場合のACK/NACKとSRが生成された場合、キャリアアグリゲーションを用いた場合のACK/NACKとSRの情報ビット数に応じてPUCCHの信号構成に基づくパラメータの値を設定する。図7は、本発明の実施形態に係る移動局装置5で用いられる、ACK/NACKとSRの情報ビット数と送信電力に関連するパラメータの値の対応関係を説明する図である。ここで、ACK/NACKはキャリアアグリゲーションを用いた場合のACK/NACKであり、送信電力に関連するパラメータはPUCCHの信号構成に基づくパラメータであり、送信電力に関連するパラメータの値の単位はデシベル[dB]とする。図7では、10種類のACK/NACKとSRの情報ビット数(N1、N2、N3、N4、N5、N6、N7、N8、N9、N10)と、10種類の送信電力に関連するパラメータの値(X1、X2、X3、X4、X5、X6、X7、X8、X9、X10)を用いて説明するが、本発明はこのような場合に限定されない。図7において、ACK/NACKとSRの情報ビット数の大小関係は、N1<N2<N3<N4<N5<N6<N7<N8<N9<N10である。図7において、送信電力に関連するパラメータの値の大小関係は、X1<X2<X3<X4<X5<X6<X7<X8<X9<X10である。送信電力パラメータ設定部4053は、ACK/NACKとSRの情報ビット数がN1の場合、送信電力に関連するパラメータの値をX1に設定する。送信電力パラメータ設定部4053は、ACK/NACKとSRの情報ビット数がN2の場合、送信電力に関連するパラメータの値をX2に設定する。送信電力パラメータ設定部4053は、ACK/NACKとSRの情報ビット数がN3の場合、送信電力に関連するパラメータの値をX3に設定する。送信電力パラメータ設定部4053は、ACK/NACKとSRの情報ビット数がN4の場合、送信電力に関連するパラメータの値をX4に設定する。送信電力パラメータ設定部4053は、ACK/NACKとSRの情報ビット数がN5の場合、送信電力に関連するパラメータの値をX5に設定する。送信電力パラメータ設定部4053は、ACK/NACKとSRの情報ビット数がN6の場合、送信電力に関連するパラメータの値をX6に設定する。送信電力パラメータ設定部4053は、ACK/NACKとSRの情報ビット数がN7の場合、送信電力に関連するパラメータの値をX7に設定する。送信電力パラメータ設定部4053は、ACK/NACKとSRの情報ビット数がN8の場合、送信電力に関連するパラメータの値をX8に設定する。送信電力パラメータ設定部4053は、ACK/NACKとSRの情報ビット数がN9の場合、送信電力に関連するパラメータの値をX9に設定する。送信電力パラメータ設定部4053は、ACK/NACKとSRの情報ビット数がN10の場合、送信電力に関連するパラメータの値をX10に設定する。
図7では、ACK/NACKとSRの情報ビット数と送信電力に関連するパラメータの値の対応関係が表により管理される場合について示したが、数式を用いて表されてもよい。数式の入力の値をACK/NACKとSRの情報ビット数とし、数式の出力の値を送信電力に関連するパラメータの値として送信電力パラメータ設定部4053が用いるようにしてもよい。
送信電力パラメータ設定部4053は、管理部4051でキャリアアグリゲーションを用いた場合のACK/NACKのみが生成された場合、キャリアアグリゲーションを用いた場合のACK/NACKの情報ビット数に応じてPUCCHの信号構成に基づくパラメータの値を設定する。つまり、管理部4051でキャリアアグリゲーションを用いた場合のACK/NACKのみが生成された場合、送信電力パラメータ設定部4053は、SRの情報ビット数を0ビットとして、図7に記載のACK/NACKとSRの情報ビット数と送信電力に関連するパラメータの値の対応関係を用いて送信電力に関連するパラメータの値を設定する。
キャリアアグリゲーションを用いた場合のACK/NACKの情報ビット数は、キャリアアグリゲーションに用いられるDL CC、正確にはPDSCH CCの数に依存する。例えば、3個のPDSCH CCが移動局装置5に構成される場合、移動局装置5は少なくとも1個の自装置宛ての下りリンクアサインメントを含むPDCCHを検出した場合、各PDSCH CCのPDSCHに対してトータルで3ビットのACK/NACKを生成する。ACK/NACKの各ビットは各PDSCH CCのPDSCHと対応する。移動局装置5は、検出したPDCCHによりリソースの割り当てが示されたPDSCH CCのPDSCHに対しては、復号結果に依存してACK、またはNACKを、対応するACK/NACKビットで示し、対応するPDCCHが検出されず、リソースの割り当てが示されなかったPDSCH CCのPDSCHに対しては、NACKを対応するACK/NACKビットで示すようにする。なお、対応するPDCCHが検出されなかったこと(DTXと称す。)を、ACK、またはNACKとは別に示されるようにしてもよく、その場合はACK/NACKのビット数は増える。3個のPDSCH CCが移動局装置5に構成され、ACK、NACK、DTXが別々の情報としてACK/NACKで示される場合、ACK/NACKのビット数は3ビットよりも増える。このように、DTXも示される場合、ACK、NACK、DTXの状態数に応じたビット数が送信電力パラメータ設定部4053で送信電力に関連するパラメータの値の設定に用いられる。また、PDSCHにMIMO(Multi-Input Multi-Output)が適用され、1個のPDSCHで複数のデータ系列が送信される場合、ACK/NACKのビット数は増える。例えば、MIMOを用いて1個のPDSCHで2個のデータ系列が送信される場合、ACK/NACKのビット数はPDSCHで1個のデータ系列が送信される場合と比較して2倍になる。3個のPDSCH CCが移動局装置5に構成され、各PDSCH CCのPDSCHで2個のデータ系列が送信される場合、ACK/NACKのビット数は6ビットになる。なお、一部のPDSCH CCのPDSCHに対してだけMIMOが適用されるような設定がなされてもよく、例えば3個のPDSCH CCが移動局装置5に構成され、2個のPDSCH CCのPDSCHに対してのみMIMOが適用される設定がなされた場合、ACK/NACKのビット数は5ビットになる。このように、PDSCHにMIMOが適用されるか否かに応じてACK/NACKのビット数が設定され、設定されたビット数が送信電力パラメータ設定部4053で送信電力に関連するパラメータの値の設定に用いられる。
また、キャリアアグリゲーションを用いた場合のACK/NACKの情報ビット数は、PDSCH CCの中で移動局装置5の受信動作が行なわれる状態のPDSCH CCの数に基づいて設定されてもよい。基地局装置3より構成された下りリンクコンポーネントキャリアに対して受信動作のオン・オフを制御する技術をCC activation/deactivationと称す。CCをActive状態(受信動作がオンの状態)に設定するか、Deactive状態(受信動作がオフの状態)にするかの設定は、専用のコマンド(Activation command)で明示的になされたり、タイマー制御により暗黙的になされたりすることができる。タイマー制御の一例について説明する。Active状態のCCにおいて、タイマーにより計測される一定期間内にPDCCHが検出されない場合、Deactive状態のCCに遷移し、受信動作はオンからオフに切り替えられる。なお、Active状態のCCをActive CC、Activated CCと呼称する。なお、Deactive状態のCCをDeactive CC、Deactivated CCと呼称する。つまり、キャリアアグリゲーションを用いた場合のACK/NACKの情報ビット数は、Activated CCの数に基づいて設定されてもよい。
例えば、SRは、リソースの割り当てを要求するか否かの情報を示し、1ビットにより構成される。送信電力パラメータ設定部4053は、管理部4051でキャリアアグリゲーションを用いた場合のACK/NACKとSRが生成された場合、SRの情報ビット数を1ビットとして、キャリアアグリゲーションを用いた場合のACK/NACKとSRの情報ビット数に応じたPUCCHの信号構成に基づくパラメータの値を設定する。また、SRがリソースの割り当てを要求するか否かの情報だけでなく、その他の情報も示し、複数ビットにより構成されても本発明を適用することができる。例えば、SRが非常に多くのリソースの割り当てを要求することを示す情報、多くのリソースの割り当てを要求することを示す情報、少ないリソースの割り当てを要求することを示す情報、リソースの割り当てを要求しないことを示す情報を示し、2ビットにより構成されてもよい。つまり、移動局装置5が基地局装置3に要求するリソースの量がSRで示される。送信電力パラメータ設定部4053は、管理部4051でキャリアアグリゲーションを用いた場合のACK/NACKとSRが生成された場合、SRの情報ビット数を2ビットとして、キャリアアグリゲーションを用いた場合のACK/NACKとSRの情報ビット数に応じたPUCCHの信号構成に基づくパラメータの値を設定する。このようなSRの構成の場合、無線リソース制御部403では、送信バッファに蓄積されたデータ量と複数の閾値による比較が行なわれる。例えば、無線リソース制御部403は、送信バッファに蓄積されたデータ量が1番目に大きな値の閾値以上の場合に、非常に多くのリソースの割り当てを要求することを示すSRを生成する旨を示す制御信号を管理部4051に出力し、送信バッファに蓄積されたデータ量が2番目に大きな値の閾値以上で1番目に大きな閾値より小さい場合に、多くのリソースの割り当てを要求することを示すSRを生成する旨を示す制御信号を管理部4051に出力し、送信バッファに蓄積されたデータ量が3番目に大きな値の閾値以上で2番目に大きな閾値より小さい場合に、少ないリソースの割り当てを要求することを示すSRを生成する旨を示す制御信号を管理部4051に出力し、送信バッファに蓄積されたデータ量が3番目に大きな閾値より小さい場合に、リソースの割り当てを要求しないことを示すSRを生成する旨を示す制御信号を管理部4051に出力する。
<PUCCHのリソースの割り当て>
本発明の実施形態に係る通信システム1の、SR用の第一のPUCCHのリソースの割り当てと第二のPUCCHのリソースの割り当てについて説明する。移動局装置5は、周期的な上りリンクサブフレームのリソースがSR用の第一のPUCCH用のリソースとして予め基地局装置3より通知される。SR用の第一のPUCCH用のリソースを示す情報として、上りリンク物理リソースブロックを示す情報、時間領域の符号多重に用いられる符号を示す情報、周波数領域の符号多重に用いられる符号を示す情報、上りリンクサブフレームの周期を示す情報、リソースの割り当てが開始される上りリンクサブフレームを示す情報が通知される。移動局装置5は、各上りリンクサブフレームのリソースが第二のPUCCH用のリソースとして予め基地局装置3より通知される。第二のPUCCH用のリソースを示す情報として、上りリンク物理リソースブロックを示す情報、時間領域の符号多重に用いられる符号を示す情報、リソースの割り当てが開始される上りリンクサブフレームを示す情報が通知される。なお、各種情報は別々の情報フィールドで通知されてもよいし、共通の情報フィールドで通知されてもよい。例えば、第二のPUCCH用のリソースを示す情報として、上りリンク物理リソースブロックを示す情報と時間領域の符号多重に用いられる符号を示す情報が共通の1つの情報フィールドで通知され、リソースの割り当てが開始される上りリンクサブフレームを示す情報が上りリンク物理リソースブロックを示す情報と時間領域の符号多重に用いられる符号を示す情報を含む情報フィールドとは独立な情報フィールドで通知されてもよい。
管理部4051は、SR用の第一のPUCCH用のリソースが割り当てられる上りリンクサブフレームに対応するタイミングでSRを生成する。周期的な上りリンクサブフレームでSR用の第一のPUCCH用のリソースが割り当てられており、管理部4051は周期的にSRを生成する。管理部4051は、キャリアアグリゲーションを用いた通信が行なわれており、1個以上の自装置宛てのPDCCHが自装置で検出された場合、キャリアアグリゲーションを用いた場合のACK/NACKを生成する。
制御部405は、少なくともキャリアアグリゲーションを用いた場合のACK/NACKが管理部4051で生成された場合、第二のPUCCH用のリソースを用いて信号を送信するように送信処理部407を制御する。制御部405は、キャリアアグリゲーションを用いた場合のACK/NACKとSRが管理部4051で生成された場合、またはキャリアアグリゲーションを用いた場合のACK/NACKのみが管理部4051で生成された場合、基地局装置3より予め割り当てられた第二のPUCCH用のリソースで第二のPUCCHの信号を送信するように送信処理部407を制御する。移動局装置5は、SR用の第一のPUCCH用のリソースと第二のPUCCH用のリソースが割り当てられた上りリンクサブフレームで、キャリアアグリゲーションを用いた場合のACK/NACKとSRの情報ビットから生成される信号を第二のPUCCH用のリソースを用いて送信する。移動局装置5は、第二のPUCCH用のリソースが割り当てられているがSR用の第一のPUCCH用のリソースが割り当てられていない上りリンクサブフレームで、キャリアアグリゲーションを用いた場合のACK/NACKの情報ビットから生成される信号を第二のPUCCH用のリソースを用いて送信する。
制御部405は、キャリアアグリゲーションを用いた場合のACK/NACKが管理部4051で生成されず、SRのみが管理部4051で生成された場合、SR用の第一のPUCCH用のリソースを用いて信号を送信するように送信処理部407を制御するか、信号を送信しないように送信処理部407を制御する。制御部405は、管理部4051でリソースの割り当てを要求することを示すSRが生成された場合、SR用の第一のPUCCH用のリソースを用いて信号を送信するように送信処理部407を制御する。制御部405は、管理部4051でリソースの割り当てを要求しないことを示すSRが生成された場合、信号を送信しないように送信処理部407を制御する。移動局装置5は、SR用の第一のPUCCH用のリソースが割り当てられた上りリンクサブフレームで、リソースの割り当てを要求することを示すSRの情報ビットから生成される信号をSR用の第一のPUCCH用のリソースを用いて送信し、リソースの割り当てを要求しない場合は何も信号を送信しない。
図8は、本発明の実施形態に係る移動局装置5の送信電力に関連するパラメータの値の設定に関する処理の一例を示すフローチャートである。なお、説明の簡略化のため、本発明の特徴に関連する、第二のPUCCHに対するPUCCHの信号構成に基づくパラメータの値の設定に関して重点的な説明を行ない、第一のPUCCHに対する送信電力に関連するパラメータの値の設定、PUCCHの信号構成に基づくパラメータとは異なるパラメータの値の設定などに関する詳細な説明は適宜省略する。なお、ここでは、管理部4051において何れかの種類のUCIが生成された場合の処理について説明する。移動局装置5の制御部405は、管理部4051においてキャリアアグリゲーションを用いた場合のACK/NACKが生成されたか否かを判定する(ステップS101)。制御部405は、管理部4051においてキャリアアグリゲーションを用いた場合のACK/NACKが生成されたと判定した場合(ステップS101:YES)、管理部4051においてSRが生成されたか否かを判定する(ステップS102)。制御部405は、管理部4051においてSRが生成されたと判定した場合(ステップS102:YES)、送信電力パラメータ設定部4053においてキャリアアグリゲーションを用いた場合のACK/NACKとSRの情報ビット数に応じてPUCCHの信号構成に基づくパラメータの値を設定する(ステップS103)。制御部405は、管理部4051においてSRが生成されていないと判定した場合(ステップS102:NO)、送信電力パラメータ設定部4053においてキャリアアグリゲーションを用いた場合のACK/NACKのみの情報ビット数に応じてPUCCHの信号構成に基づくパラメータの値を設定する(ステップS104)。一方、制御部405は、管理部4051においてキャリアアグリゲーションを用いた場合のACK/NACKが生成されていないと判定した場合(ステップS101:NO)、送信電力パラメータ設定部4053において第一のPUCCHの送信電力に関連するパラメータの値を設定する(ステップS105)。移動局装置5は、ステップS103、ステップS104の後、設定されたパラメータの値を用いて送信電力調整部627において第二のPUCCHの送信電力を調整し、第二のPUCCHで信号を送信する。移動局装置5は、ステップS105の後、設定されたパラメータの値を用いて送信電力調整部627において第一のPUCCHの送信電力を調整し、第一のPUCCHで信号を送信する。
以上のように、本発明の実施形態では、移動局装置5は、ACK/NACKとSRの情報ビット数に応じて送信電力に関連するパラメータの値を設定し、設定されたパラメータの値を用いてACK/NACKとSRの情報ビットから生成される信号の送信に用いられるPUCCHの送信電力を制御して、PUCCHを送信することにより、基地局装置3は受信したPUCCHから適した受信特性でACK/NACKとSRの情報を得ることができる。より詳細には、本発明の移動局装置5は、キャリアアグリゲーションを用いた場合のACK/NACKとSRが生成された場合、キャリアアグリゲーションを用いた場合のACK/NACKとSRの情報ビット数に応じて、第二のPUCCHの送信電力に関連するパラメータとしてPUCCHの信号構成に基づくパラメータの値を設定し、設定したパラメータの値を用いて第二のPUCCHの送信電力を制御し、キャリアアグリゲーションを用いた場合のACK/NACKとSRの情報ビットから生成した信号を第二のPUCCHで送信することにより、基地局装置3は受信した第二のPUCCHから適した受信特性でキャリアアグリゲーションを用いたACK/NACKとSRの情報を得ることができる。更に、本発明の移動局装置5は、キャリアアグリゲーションを用いた場合のACK/NACKとSRの情報ビットに対して共通の符号化(Joint coding)を適用して信号を生成し、生成した信号を単一の第二のPUCCHで送信することにより、キャリアアグリゲーションを用いた場合のACK/NACKのみの情報ビットから信号を生成する場合と共通の符号化(ブロック符号化)を適用することができるので、キャリアアグリゲーションを用いた場合のACK/NACKの受信特性を適切に維持しつつ、複数の符号化処理を備えた場合に装置の複雑さが上昇することを回避することができ、複数のPUCCHを送信される場合のPAPR(Peak-to-Average Power Ratio; ピーク対平均電力比)の増大を回避することができる。更に、本発明の移動局装置5は、キャリアアグリゲーションを用いた場合のACK/NACKのみが生成された場合、ACK/NACKの情報ビット数に応じて、第二のPUCCHの送信電力に関連するパラメータとしてPUCCHの信号構成に基づくパラメータの値を設定し、設定したパラメータの値を用いて第二のPUCCHの送信電力を制御し、キャリアアグリゲーションを用いた場合のACK/NACKの情報ビットから生成した信号を第二のPUCCHで送信することにより、キャリアアグリゲーションを用いた場合のACK/NACKとSRの情報ビットから生成された信号が第二のPUCCHで送信される場合と比較して小さい値の送信電力を第二のPUCCHに対して設定することが可能となり、基地局装置3は受信した第二のPUCCHから適した受信特性でキャリアアグリゲーションを用いた場合のACK/NACKの情報を得ることができつつ、他の移動局装置5の信号に与える干渉を低減することができる。不必要に高い送信電力が第二のPUCCHに設定された場合、同一の上りリンク物理リソースブロックで時間領域の符号多重に用いられる符号が異なる、他の移動局装置5が用いる第二のPUCCHの信号に与える干渉が大きくなってしまう。本発明の移動局装置5は、そのような干渉が増大することを回避することができる。
また、移動局装置5とは、移動する端末に限らず、固定端末に移動局装置5の機能を実装することなどにより本発明を実現しても良い。
以上説明した本発明の特徴的な手段は、集積回路に機能を実装し、制御することによっても実現することができる。すなわち、本発明の集積回路は、移動局装置5に実装されることにより、移動局装置5に複数の機能を発揮させる集積回路であって、上りリンク制御情報の生成を管理する機能と、下りリンクのデータに対する肯定応答、または否定応答を示す上りリンク制御情報である受信確認応答と、リソースの割り当てを要求するか否かを示す上りリンク制御情報であるスケジューリング要求が生成された場合、前記受信確認応答と前記スケジューリング要求の情報ビット数に応じて送信電力に関連するパラメータの値を設定する機能と、前記受信確認応答と前記スケジューリング要求の情報ビットから生成される信号の送信に用いられる物理上りリンク制御チャネルの送信電力を、設定された値のパラメータを用いて制御する機能と、前記物理上りリンク制御チャネルを送信する機能と、を含む一連の機能を、移動局装置5に発揮させることを特徴とする。
このように、本発明の集積回路を用いた移動局装置5は、ACK/NACKとSRの情報ビット数に応じて送信電力に関連するパラメータの値を設定し、設定されたパラメータの値を用いてACK/NACKとSRの情報ビットから生成される信号の送信に用いられるPUCCHの送信電力を制御して、PUCCHを送信することにより、基地局装置は受信したPUCCHから適した受信特性でACK/NACKとSRの情報を得ることができる。
本発明の実施形態に記載の動作をプログラムで実現してもよい。本発明に関わる移動局装置5および基地局装置3で動作するプログラムは、本発明に関わる上記実施形態の機能を実現するように、CPU等を制御するプログラム(コンピュータを機能させるプログラム)である。そして、これら装置で取り扱われる情報は、その処理時に一時的にRAMに蓄積され、その後、各種ROMやHDDに格納され、必要に応じてCPUによって読み出し、修正・書き込みが行なわれる。プログラムを格納する記録媒体としては、半導体媒体(例えば、ROM、不揮発性メモリカード等)、光記録媒体(例えば、DVD、MO、MD、CD、BD等)、磁気記録媒体(例えば、磁気テープ、フレキシブルディスク等)等のいずれであってもよい。また、ロードしたプログラムを実行することにより、上述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、オペレーティングシステムあるいは他のアプリケーションプログラム等と共同して処理することにより、本発明の機能が実現される場合もある。
また市場に流通させる場合には、可搬型の記録媒体にプログラムを格納して流通させたり、インターネット等のネットワークを介して接続されたサーバコンピュータに転送することができる。この場合、サーバコンピュータの記憶装置も本発明に含まれる。また、上述した実施形態における移動局装置5および基地局装置3の一部、または全部を典型的には集積回路であるLSIとして実現してもよい。移動局装置5および基地局装置3の各機能ブロックは個別にチップ化してもよいし、一部、または全部を集積してチップ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、または汎用プロセッサで実現しても良い。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いることも可能である。
以上、この発明の実施形態を、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も特許請求の範囲に含まれる。