JP5636571B2 - 軽量気泡コンクリートパネルの製造方法 - Google Patents
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Description
スプレーノズルより噴出した撥水剤を拡散して軽量気泡コンクリートパネル外表面に塗布するので、撥水剤に所定以上の圧力を加えることなく、撥水剤を広範囲に散布できる。また、軽量気泡コンクリートパネル外表面に付着しなかった撥水剤を回収し、回収された撥水剤を循環して再利用するので、たとえ、軽量気泡コンクリートパネル外表面以外に撥水剤を散布したとしても、この撥水剤を回収して繰返し再利用できる。
よって、簡単な構造のスプレー機構であっても、撥水剤の歩留まりが良く、生産効率が高く、設備投資費を抑えることができる、撥水剤の塗布層を備えた軽量気泡コンクリートパネルの製造方法を提供できる。
しかしながら、エマルジョン化した撥水剤を循環して繰返し高圧環境下にてスプレーすると、撥水剤に加わるせん断力によってエマルジョンが壊れて油分が分離してしまう。
油分が分離した撥水剤が塗布された軽量気泡コンクリートパネルは、全面に均一な撥水性能は発現せず、外表面において、水を弾く箇所と弾かない箇所がまだらになる。このような軽量気泡コンクリートパネルは、外表面において濡れ色がまだらに発生し見栄えが悪くなり、製品として実用に適さない。
通常の高圧エアレス塗装を行う装置は、撥水剤を高圧高速で噴出すため、より細かいALC粉が高圧高速でオリフィスを通過する際にオリフィスに磨耗が生じてしまい、耐久性が低下するため実用に適さない。
一般的には、ノズルから噴出する液体を広範囲に拡散させるためには、直径がより小さなオリフィスからより高圧で液体を吐出させる必要がある。
例えば、前記(2)及び(3)の構成において、オリフィスを多数開けた配管を上下左右に配して、その内側に軽量気泡コンクリートパネルを通すことでも、軽量気泡コンクリートパネル外表面の全面に撥水剤を付着させることができるかもしれないが、撥水剤の必要流量が増大してポンプの容量や配管直径の増加など設備投資費の増大を招く。
また、バッフル板によって撥水剤の吐出方向を制御するので、スプレーノズル内部で撥水剤に過大な圧力をかける必要がなくなり、撥水剤に加わるせん断力を抑えることで、エマルジョンが壊れて油分が分離してしまうのを防止でき、撥水剤の繰返し利用が可能となる。
本実施形態の軽量気泡コンクリート製造方法により製造される軽量気泡コンクリートパネル(以下、「ALCパネル」ということがある。)には、その表面に撥水剤を塗布して撥水性及び防水性を有する撥水剤の塗布層を備える。
本実施形態の軽量気泡コンクリート製造方法は、コイルに巻かれた補強用鉄筋を直線し所定の長さに切断する直線工程と、切断された補強用鉄筋をALCパネルの曲げ強度に必要な本数を縦筋と横筋に別け、これらの縦筋と横筋を溶接機で互いに溶接し補強用鉄筋マットを作製する溶接工程と、補強用鉄筋マットを防錆剤に浸漬させ、防錆剤に浸漬させた補強用鉄筋マットを乾燥させ防錆皮膜を形成する防錆処理工程と、防錆皮膜を形成した補強用鉄筋マットを複数枚モールドにセットするモールドセット工程と、複数枚の補強用鉄筋マットをセットしたモールドにスラリーを注入するスラリー注入工程と、モールドに注入したスラリーが発泡し半硬化体へと硬化して生ケーキとなった後に脱型する生ケーキ製造工程と、脱型された生ケーキをピアノ線で所定の寸法で切断する切断工程と、切断された生ケーキをオートクレーブにおいて高温高圧水蒸気養生しALCパネルとする養生工程と、ALCパネルの外表面に撥水剤の塗布層を形成する撥水剤塗布層形成工程と、を備える。
撥水剤塗布層形成工程は、撥水剤塗布層形成装置100にALCパネルAを通過させることで、ALCパネルAの外表面に撥水剤Eの塗布層Cを形成する。
撥水剤塗布層形成装置100は、撥水剤Eをスプレーするスプレーノズル1と、スプレーノズル1から噴出され、ALCパネルAの外表面に付着しなかった撥水剤Eを受ける撥水材タレ受け2と、撥水材タレ受け2で受けた撥水剤Eを貯留する撥水剤槽3と、ALCパネルAの外表面の余分な撥水剤Eをカットするエアブローノズル4と、モータ(図示なし)などの原動機によって回転し、ALCパネルAを搬送する搬送ローラ5と、撥水剤槽3に貯留された撥水剤Eをスプレーノズル1に送出するポンプPと、を供える。
スプレーノズル1は、ALCパネルAの外表面全面に対して撥水剤Eが塗布されうる位置に、必要な数量配置されている。
スプレーノズル1は、略円注状体に形成され撥水剤の送出方向(図2中点線矢印)に延出し、撥水剤の送出方向の下流側端部に設けられ、ポンプP(図1参照)から撥水剤が送出される配管20と接続する接続部11と、撥水剤の送出方向の上流側に設けられ、撥水剤の送出方向と直交する方向(図2中RL方向)に沿って形成された溝部12と、撥水剤の送出方向に沿ってスプレーノズル1の略中心を溝部12まで貫通するオリフィス13と、を備える。
溝部12は、断面略コの字状に形成され、撥水剤の送出方向において、オリフィス13の下流であって、オリフィス13に対向し、開口方向(図2中矢印O方向)に向けてオリフィス13から離れる方向に傾斜するバッフル板12aを有する。
オリフィス13は、直径φ2.0mm以上φ10mm以下の貫通孔である。
これにより、スプレーノズル1に送出された撥水剤は、オリフィス13より噴出し、バッフル板12aに衝突することで、図2中ROL方向を含む範囲に拡散する。
撥水剤塗布層形成工程は、撥水剤槽3に貯留された撥水剤EをポンプPにて配管20を介してスプレーノズル1に送出する撥水剤送出工程と、平置きした状態のALCパネルAを搬送ローラ5により矢印F方向に搬送する搬送工程と、撥水剤Eをスプレーするスプレーノズル1のオリフィス13(図2参照)より噴出し、噴出した撥水剤Eを、バッフル板12a(図2参照)により拡散して、搬送されているALCパネルAの外表面に塗布する塗布工程と、エアブローノズル4により、ALCパネルAの外表面にエアを吹き付け、ALCパネルAの外表面の余分な撥水剤Eをカットする撥水剤カット工程と、塗布工程においてALCパネルAの外表面に付着しなかった撥水剤Eを撥水材タレ受け2により受けて、撥水剤槽3に回収する回収工程と、を備える。
塗布工程では、搬送されているALCパネルAが撥水剤Eをスプレーするスプレーノズル1に対して相対移動することで、ALCパネルAの外表面に撥水剤Eが塗布される。
撥水剤カット工程は、省略することもできるが、撥水剤Eを余剰に使用することを防止するため行うことが望ましい。
回収工程では、ALCパネルAの外表面に付着しなかった撥水剤Eが撥水材タレ受け2に落ちて、配管(図示なし)を通って撥水剤槽3に回収される。なお、回収工程において、ふるいやロフなどによって撥水剤Eに含まれる粗いALC粉を回収しても良い。
回収された撥水剤Eは、再び、撥水剤送出工程によりスプレーノズル1に送出される。すなわち、撥水剤塗布層形成工程では、撥水剤Eを循環して再利用する。
本実施形態の撥水剤塗布層形成工程は、撥水剤塗布層形成工程より噴出した撥水剤Eを拡散してALCパネルAの外表面に塗布するので、撥水剤Eに所定以上の圧力を加えることなく、撥水剤Eを広範囲に散布できる。また、ALCパネルAの外表面に付着しなかった撥水剤Eを回収し、回収された撥水剤Eを循環して再利用するので、たとえ、ALCパネルAの外表面以外に撥水剤Eを散布したとしても、この撥水剤Eを回収して繰返し再利用できる。
よって、簡単な構造のスプレー機構であっても、撥水剤の歩留まりが良く、生産効率が高く、設備投資費を抑えることができる、撥水剤の塗布層を備えた軽量気泡コンクリートパネルの製造方法を提供できる。
また、スプレーノズル1のオリフィス13の直径をφ2.0mm以上としたので、ノズルにALC粉が詰まることを防止できる。また、オリフィス13の直径をφ10mm以下としたので、圧力低下によりノズルからの撥水剤の拡散が縮小すること防止し、又撥水剤を必要範囲まで拡散させるために撥水剤の必要流量が増加してポンプが大型化することを防止できる。
2 撥水剤タレ受け
3 撥水剤槽
4 エアブローノズル
5 搬送ローラ
11 接続部
12 溝部
12a バッフル板
13 オリフィス
20 配管
100 撥水剤塗布層形成装置
A ALCパネル
C 塗布層
E 撥水剤
P ポンプ
Claims (3)
- エマルジョン化した撥水剤を、該撥水剤に加えた圧力により1流体タイプのスプレーノズルから噴霧することによって、軽量気泡コンクリートパネルの外表面に塗布して、該撥水剤の塗布層を備えた軽量気泡コンクリートパネルを製造する製造方法において、
前記スプレーノズルより、前記撥水剤を噴出し、噴出した前記撥水剤を拡散して軽量気泡コンクリートパネル外表面に塗布する塗布工程と、
前記塗布工程において軽量気泡コンクリートパネル外表面に付着しなかった前記撥水剤を回収する回収工程と、を備え、
前記塗布工程におけるスプレーしている時の前記スプレーノズル内部における前記撥水剤の圧力を0.01MPa以上0.1MPa以下とし、
前記回収工程において回収された前記撥水剤を循環して再利用することを特徴とする、撥水剤の塗布層を備えた軽量気泡コンクリートパネルの製造方法。 - 前記スプレーノズルは直径φ2.0mm以上φ10mm以下のオリフィスを有するスプレーノズルであることを特徴とする、請求項1に記載の撥水剤の塗布層を備えた軽量気泡コンクリートパネルの製造方法。
- 前記スプレーノズルは、前記オリフィスの下流に設けたバッフル板を有し、前記バッフル板により噴出した前記撥水剤を広角に拡散することを特徴とする、請求項2に記載の撥水剤の塗布層を備えた軽量気泡コンクリートパネルの製造方法。
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JP2011042637A JP5636571B2 (ja) | 2011-02-28 | 2011-02-28 | 軽量気泡コンクリートパネルの製造方法 |
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