JP5633754B2 - 管体性能比較表示装置 - Google Patents
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Description
詳しくは、簡単な操作で管体の折れや捻れなどを視覚によって比較することが可能な管体性能比較表示装置に関する。
そこで、消費者の前で実際に、保形性に優れた管体と、比較対象となる一般の管体とを同じ条件で曲げるなどして、簡単に両者の保形性を比較できる管体性能比較表示装置(管体性能比較ディスプレイ)の要望がある。
しかし乍ら、前述した従来の管体性能比較装置では、直線状に保持されたホースの中間部を揺動部材によるホース他端の揺動で曲げるため、ホースの中間部が潰れて内部通路を完全に閉塞させるキンク状態となるまで曲げるには、ホース他端の揺動角度が大きく必要で時間も要し、キンク状態となるか否かを速やかに比較する装置として用いるには不向きであった。
さらに、揺動部材の揺動機構としてクランク機構やピストン機構等とその駆動源が必要となるため、装置全体が大掛かりなものとなって、店頭などに配備されるホース性能比較ディスプレイとして使用するには不向きであるという問題があった。
したがって、比較対象となる管体の耐折れ性能や耐捻れ性能などの保形性を簡単で且つ明確に見分けることができる。
その結果、直線状に保持されたホースの中間部を揺動部材によるホース他端の揺動で曲げる従来の管体性能比較装置に比べ、予め曲げてセットされた管体を更に曲げるため、更なる曲げ角度が比較的に小さくても、管体の曲がり部位においてどれかが、折れや捻れに伴い扁平に潰れて内部通路を完全に閉塞させるキンク状態又は該キンクに近い状態になったか否かを速やかに目視で確認して比較可能になる。
さらに、管体において曲げ力が集中し易い中間部だけでなく、第一保持部に保持される一端部近くの部位と、第二保持部に保持される他端部近くの部位においても、折れや捻れによる扁平な潰れ状況を比較することができるため、管体が実際に配管接続される使用現場に近い状態を再現できる。
また、消費者が自由に複数の管体を同時に曲げて、そのうちのどれかが折れや捻れに伴い扁平に潰れて内部閉塞されることを実体験でき、各管体の保形性の違いが理解し易いとともに、装置全体の構造を簡素化できるので、店頭などに配備される管体性能比較ディスプレイとして最適である。
したがって、管体の保形性の優位性を消費者に宣伝できるため、効率的に販売促進させることができる。
本発明の実施形態に係る管体性能比較表示装置Aは、図1〜図3に示すように、耐折れ性能や耐捻れ性能などの保形性に違いがある複数の弾性変形可能な管体がセットされ、これら管体を同じ条件で実際に曲げ変形させて、それぞれの保形性を視覚によって比較するものであり、消費者の前で実際に比較するための管体性能比較ディスプレイとして利用される。
管体性能比較表示装置Aの具体例として、二本の管体B,Cがセットされ、両者の耐折れ性能を比較する場合について説明する。
詳しく説明すると、管体性能比較表示装置Aは、図1(a)(b)及び図2(a)(b)に示すように、同じ長さで且つ保形性が異なる複数の管体B,Cの一端部B1,C1がそれぞれ取り付けられる第一保持部1と、第一保持部1に取り付けられた複数の管体B,Cをそれぞれ同じ曲率で曲げ(湾曲させ)てその他端部B2,C2がそれぞれ取り付けられる第二保持部2と、第一保持部1又は第二保持部2のいずれか一方か若しくは第一保持部1及び第二保持部2の両方を相対的に移動させる移動手段3と、を主要な構成要素として備えている。
第一保持部1の具体例としては、管体B,Cの一端部B1,C1の外周面と着脱自在に嵌り合う円筒や角筒などの筒状に形成するか、又は管体B,Cの一端部B1,C1の内周面と着脱自在に嵌り合う円柱や角柱などの柱状若しくは筒状に形成することが好ましい。さらに必要に応じて、管体B,Cの一端部B1,C1の外周面及び内周面と着脱自在に嵌り合う、同心円となるように配置された二重筒体か或いは円筒状体及び柱状体の組み合わせに形成したり、抜け止め用の凹凸部位を一体形成したりすることも可能である。
第二保持部2の具体例としては、管体B,Cの他端部B2,C2の外周面と着脱自在に嵌り合う円筒や角筒などの筒状に形成するか、又は管体B,Cの他端部B2,C2の内周面と着脱自在に嵌り合う円柱や角柱などの柱状若しくは筒状に形成することが好ましい。さらに必要に応じて、管体B,Cの他端部B2,C2の外周面及び内周面と着脱自在に嵌り合う、同心円となるように配置された二重筒体か或いは円筒状体及び柱状体の組み合わせに形成したり、抜け止め用の凹凸部位を一体形成したりすることも可能である。
移動手段3により第一保持部1と第二保持部2の間隔が離隔するか又は接近した初期状態で、第一保持部1に管体B,Cの一端部B1,C1を取り付けるとともに、他端部B2,C2を第二保持部2にそれぞれ取り付けることにより、管体B,Cの全体がそれぞれ略半円状又は略U字形若しくは略円状などに曲がる(湾曲する)ようにセットされる。
つまり、保形性に違いがある管体B,Cは、移動手段3により管体B,Cの一端部B1,C1と他端部B2,C2を接近移動又は離隔方向させることで、セット状態よりも更に曲げられ、管体B,Cのどこかに折れや捻れによる扁平な潰れが現れるようにしている。
また、その他の変形例として、第一保持部1及び第二保持部2の両方を互いに接近又は離隔するように移動させることにより、管体B,Cが同時にそれぞれの曲がり方向へ更に同じ量ずつ曲がるように変位させるように構成されることも可能である。
その一例として、図1(a)(b)に示されるように、移動手段3が有する直線状の軌道3aと、第一保持部1に対する管体B,Cの一端部B1,C1の取り付け方向及び第二保持部2に対する管体B,Cの他端部B2,C2の取り付け方向とを交差させて配置することが好ましい。それにより、第一保持部1又は第二保持部2のいずれか一方か、若しくは第一保持部1及び第二保持部2の両方が、軌道3aに沿って、管体B,Cの一端部B1,C1及び他端部B2,C2の取り付け方向と交差する方向へ相対的に直線移動する。
また、移動手段3は、第一保持部1又は第二保持部2のいずれか一方か、若しくは第一保持部1及び第二保持部2の両方に設けられる手動操作部3bを有することが好ましい。
つまり、移動手段3が有する手動操作部3bで、第一保持部1又は第二保持部2のいずれか一方か、若しくは第一保持部1及び第二保持部2の両方を相対的に移動させている。
保形性が優れた管体Bの具体例としては、軟質合成樹脂などからなる内層と外層の間にモノフィラメントからなる第一螺旋状補強線材と、マルチフィラメントからなる第二螺旋状補強線材がそれぞれ逆向きに巻き付けられた積層ホースなどの、弾性的に曲げ(湾曲)変形させても管体の一部に部分的に折れや捻れにより扁平な潰れが発生し難いものが用いられる。
比較相手となる管体Bよりも耐折れ性能や耐捻れ性能などに劣る管体Cの具体例としては、軟質合成樹脂などからなる内層と外層の間に合成樹脂製の糸からなる複数の螺旋状補強線材が交差するように巻き付けられた積層ホースなどの、弾性的に曲げ(湾曲)変形させると、その曲げ力が管体の一部に集中して折れや捻れが発生し、扁平に潰れ易いものが用いられる。
また、その他の例として図示しないが、管体B,Cとして、前述した積層ホースとは別の単層構造などのホースやチューブなどをセットするなどの変更も可能である。
このセット状態で、図1(b)或いは図2(b)に示されるように、移動手段3で第一保持部1又は第二保持部2のいずれか一方か若しくは第一保持部1及び第二保持部2の両方を相対的に移動させることにより、管体B,Cの一端部B1,C1と他端部B2,C2が互いに接近又は離隔するように変位されて、管体B,Cの全体が同時にそれぞれの曲がり方向へ更に同じ量ずつ曲げられる。
それによって、管体B,Cのどこかに折れや捻れに伴う潰れが現れる。
例えば、管体B,Cの中間部B3,C3は、曲げ力が集中し易いため、中間部B3,C3のいずれかに折れや捻れが現れることが多い。
更に加えて、管体B,Cの金具接続部に相当する第一保持部1に取り付けられた管体B,Cの一端部B1,C1近くの部位と、第二保持部2に取り付けられた管体B,Cの他端部B2,C2近くの部位にも、曲げ力が作用するため、折れや捻れが現れることもある。
さらに、保形性が優れた管体Bは、第一保持部1に取り付けられた一端部B1近くの部位と、第二保持部2に取り付けられた他端部B2近くの部位においても、折れや捻れによる扁平な潰れが発生せず、その内部通路が完全に閉塞するキンク状態又は該キンクに近い状態になっていないことを速やかに目視で確認できた。
これに対し、耐折れ性能や耐捻れ性能などの保形性に劣る管体Cとして、内層と外層の間に合成樹脂製の糸からなる複数の螺旋状補強線材が交差するように巻き付けられた積層ホースをセットした場合には、その中間部C3を更に曲がり変形させると、その一部に曲げ力が集中して折れや捻れにより扁平に潰れて、その内部通路を完全に閉塞するキンク状態又は該キンクに近い状態になったことを速やかに目視で確認できた。
また、保形性に劣る管体Cにおいて、第一保持部1に取り付けられた一端部C1近くの部位と、第二保持部2に取り付けられた他端部C2近くの部位は、折れたり捻れたりして扁平な潰れが発生せず、その内部通路が完全に閉塞するキンク状態又は該キンクに近い状態になっていないことを速やかに目視で確認できた。
さらに、管体B,Cにおいて曲げ力が集中し易い中間部B3,C3だけでなく、管体B,Cの金具接続部に相当する第一保持部1に保持される一端部B1,C1近くの部位と、第二保持部2に保持される他端部B2,C2近くの部位においても、折れや捻れによる扁平な潰れ状況を比較することができるため、管体B,Cが実際に配管接続される使用現場に近い状態を再現できる。
また、消費者が自由に複数の管体B,Cを同時に曲げて、そのうちのどれかが折れや捻れに伴い扁平に潰れて内部閉塞されることを実体験でき、各管体の保形性の違いが理解し易いとともに、装置全体の構造を簡素化できるので、店頭などに配備される管体性能比較ディスプレイとして最適である。
それにより、簡単な構造で管体B,Cにセット及び交換を容易にすることができる。
その結果、装置全体の構造を更に簡素化できて、コストの低減化が図れる。
それにより、第一保持部1及び第二保持部2に対する管体B,Cの一端部B1,C1及び他端部B2,C2の抜け強度を高く維持することができる。
その結果、管体B,Cの曲げテスト中に、第一保持部1及び第二保持部2から管体B,Cの一端部B1,C1及び他端部B2,C2が抜けることを防止でき、管体B,Cの曲げテストを安全に行える。
それにより、無動力で管体B,Cの曲がり具合を確認しながら保形性の比較を繰り返し行うことができる。
その結果、消費者が納得いくまで実体験することができる。
さらに駆動源が不要ないため、どこでも管体B,Cの保形性を比較でき、且つ軽量化とコンパクト化が可能なので、特に店頭などに配備される管体性能比較ディスプレイとして最適である。
次に、本発明の各実施例を図面に基づいて説明する。
それにより、管体B,Cの一端部B1,C1と他端部B2,C2を接近移動させて、管体B,Cが同時にそれぞれの曲がり方向へ更に同じ量ずつ曲げられる。
さらに、図1(a)(b)に示される例では、固定部材4に対して第一保持部1を固定し、手動操作部3bが一体形成された第二保持部2を手動により軌道3aに沿って往復移動させている。
必要に応じて、嵌合筒1a,2aの内周面には、管体B,Cの一端部B1,C1及び他端部B2,C2の内周面と係合する抜け止め用の凹凸部位(図示しない)を一体形成することも可能である。
軌道3aと固定部材4は、略同じ長さに設定され、図1(a)に示されるセット状態から、第二保持部2を軌道3aに沿って第一保持部1に向けて接近移動させることにより、図1(b)に示されるように、管体B,Cの一端部B1,C1に対して他端部B2,C2がその移動方向と直交する幅方向に並べられる程度まで接近するように構成している。
さらに、第一保持部1及び第二保持部2としては、配管用部品などとして一般販売されている合成樹脂製や金属製のT型分岐管(T型チーズ)6,7を利用し、複数(一対)のT型分岐管6,7を連結したものが用いられている。
軌道3a及び固定部材4としては、配管用部品などとして一般販売されている合成樹脂製や金属製のパイプを利用し、T型分岐管6,7の貫通孔6a,7aを遊嵌状に挿通する、貫通孔6a,7aの内径よりも若干小さい外径のパイプが用いられている。T型分岐管の分岐穴6b,7bには、管体B,Cの一端部B1,C1及び他端部B2,C2を嵌入することで、管体B,Cがそれぞれ着脱自在に保持されている。
また、その他の例として図示しないが、軌道3aを固定部材4よりも長くすることで、管体B,Cの他端部B2,C2が一端部B1,C1の固定位置を通過して更に移動可能にしたり、第一保持部1及び第二保持部2として、T型分岐管6,7に代えて、複数(一対)の筒状体又は柱状体が互いに接近するように並設された部品を作製したりすることも可能である。
それにより、一般販売されている部品が使用できるため、製造コストを大幅に低減できるという利点がある。
図2(a)に示される例では、第一保持部1と第二保持部2が、移動手段3の軌道3aと略平行で互いに逆向きで対向して突出するようにそれぞれ配置され、第一保持部1及び第二保持部2に対して、管体B,Cをそれぞれが全体的に同じ曲率の略円状(筆記体のe字形)に曲がる(湾曲する)ようにセットしている。
さらに、図2(a)(b)及び図3に示される例では、軌道3aに対して第一保持部1を固定し、手動操作部3bが一体的に形成された第二保持部2を手動により軌道3aに沿って往復移動させている。
管体B,Cの一端部B1,C1が嵌入される一対のニップル1bは、第一支持部材8に対して、軌道3aの軸方向と直交する幅方向に所定間隔が空くようにそれぞれ取り付けられている。管体B,Cの他端部B2,C2が嵌入される一対のニップル2bは、第二支持部材9に対して、軌道3aの軸方向と直交する幅方向に所定間隔が空くようにそれぞれ取り付けられている。
また、その他の例として図示しないが、ニップル1b,2bや第一支持部材8及び第二支持部材9や固定手段8b,9bや第一ストッパー8c及び第二ストッパー9cを図示例以外の構造に変更することも可能である。
その後、図3に示されるように、第一保持部1又は第二保持部2の一方を軌道3aの末端近くまで移動させることにより、管体B,Cの全体が同時にそれぞれの曲がり方向へ更に同じ量ずつ曲げられる。それにより、図示例の管体Cは、その中間部C3に部分的な捻れが発生して内部流路が完全に潰れてしまった。これに対し、図示例の管体Bは、全体的に緩やかに捻れるが、どこにも内部流路の潰れは現れなかった。
したがって、図1(a)(b)に示した実施例1よりも管体B,Cを更に大きな曲率で屈曲させることができるという利点がある。
3 移動手段 3a 軌道
3b 手動操作部 B,C 管体
B1,C1 一端部 B2,C2 他端部
Claims (4)
- 同じ長さで且つ保形性が異なる複数の弾性変形可能な管体の一端部がそれぞれ取り付けられる第一保持部と、
前記第一保持部に取り付けられた複数の前記管体を同じ曲率で曲げてその他端部がそれぞれ取り付けられる第二保持部と、
前記第一保持部又は前記第二保持部のいずれか一方か若しくは前記第一保持部及び前記第二保持部の両方を相対的に移動させる移動手段と、を備え、
前記移動手段が直線状の軌道を有し、
前記第一保持部及び前記第二保持部は、前記第一保持部に対する前記管体の前記一端部の取り付け方向及び前記第二保持部に対する前記管体の前記他端部の取り付け方向を、前記軌道の軸方向とそれぞれ交差させて配置するとともに、前記管体の前記一端部及び前記他端部がそれぞれ前記軌道の軸方向に沿って並び、且つ前記管体の曲がり部位が前記軌道の軸方向と交差して同じ向きに突出するように配置し、前記移動手段による前記第一保持部と前記第二保持部の相対的な接近移動に伴って、前記管体を同時にそれぞれの曲がり方向へ更に同じ量ずつ曲げることを特徴とする管体性能比較表示装置。 - 前記第一保持部を、前記管体の前記一端部と着脱自在に嵌り合う筒状又は柱状に形成し、前記第二保持部を、前記管体の前記他端部と着脱自在に嵌り合う筒状又は柱状に形成したことを特徴とする請求項1記載の管体性能比較表示装置。
- 前記軌道に、前記第一保持部又は前記第二保持部のいずれか一方が往復動自在に支持され、前記軌道とは別に、前記第一保持部又は前記第二保持部の他方が移動不能に固定される固定部材を設け、前記第一保持部又は前記第二保持部の一方を前記軌道に沿って、前記第一保持部又は前記第二保持部の他方へ向け往復移動させることを特徴とする請求項1又は2記載の管体性能比較表示装置。
- 前記移動手段は、前記第一保持部又は前記第二保持部のいずれか一方か若しくは前記第一保持部及び前記第二保持部の両方に設けられる手動操作部を有することを特徴とする請求項1、2又は3記載の管体性能比較表示装置。
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