JP5632135B2 - ZnO膜の成膜方法 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば太陽電池などに用いられる透明導電膜や、液晶表示装置、エレクトロルミネッセンス表示装置、タッチパネル装置の透明圧電センサーの透明電極、また表示装置を構成するアクティブマトリックス駆動装置、帯電防止導電膜コーティング、ガスセンサー、電磁遮蔽パネル、圧電デバイス、光電変換装置、発光装置、薄膜型二次電池などに用いられる導電膜としてのZnO膜の成膜方法に関するものである。
近年、太陽電池などの光電変換装置などを製造する場合には、透明導電膜が不可欠である。従来の透明導電膜としては、ITO膜(錫をドープしたインジウム酸化物膜)が知られている。ITO膜は、透明性に優れ、低抵抗であるという利点を有する。一方、太陽電池や液晶表示装置等にあっては、その低コスト化が求められている。しかし、インジウムが高価なことからITO膜を透明導電膜として用いると、その太陽電池も必然的に高価なものになってしまうという問題がある。更にInの資源枯渇の問題も指摘されている。また、ITO膜は耐久性に問題があり、熱処理により抵抗増加を生じたり、還元剤やエッチングの際の酸性薬品により変質したりする問題点が指摘されている。例えば、太陽電池などを製造する場合などには、透明導電膜上にアモルファスシリコンをプラズマCVD法により成膜することになるが、その際に、透明導電膜がITO膜であると、プラズマCVD時の水素プラズマにより、ITO膜が劣化するという問題などがある。
これらの点を解消するために、耐久性に優れ一層安価に作製することのできるZnO膜(酸化亜鉛系薄膜)が提案され、Al、B、Si、Ge、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Smなどの導電活性元素をドープした酸化亜鉛系膜を太陽電池等の透明導電膜などに利用する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。酸化亜鉛は安価であるだけでなく、資源枯渇でも心配がない材料である。
ZnO膜の成膜方法としては、rfマグネトロンスパッタリング法、dcマグネトロンスパッタリング法、パルスレーザーディポジッション法、イオンプレーティング法、蒸着法などが挙げられる。この中でdcマグネトロンスパッタリング法により成膜したアルミニウムをドープしたZnO膜では、膜の耐湿性が劣ることが指摘されている。例えば、60℃、90%RHという高温高湿の条件下でこのZnO膜を放置すると、時間の経過とともに薄膜抵抗率が急上昇し、200時間経過後に初期値の2倍以上にも達するという問題がある。このZnO膜の耐湿性を改善する方法として、亜鉛、アルミニウム及び酸素を含む焼結体ターゲットを用いてスパッタリング法により成膜した耐湿性に優れたZnO膜の製造方法が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。
特開2008−088544号公報(請求項1、明細書[0005]〜[0008]) 特開2006−200016号公報(請求項1、明細書[0006]〜[0009])
しかしながら、特許文献2に記載された方法は、ZnO膜の耐湿性を改善するものの、スパッタリング法を用いるため成膜速度が遅く、また原材料となるスパッタリングターゲットの利用効率が低いため成膜コストがかかるという問題がある。即ち、高速で成膜可能であり、原材料の利用効率が高く、耐湿性の高いZnO膜の成膜方法が要求されている。
本発明の目的は、低い体積抵抗率を有しかつ高湿環境下において体積抵抗率の上昇が抑制されるZnO膜を高い生産性で形成することができる成膜方法を提供することにある。
本発明の第1の観点は、ZnO焼結体を蒸着用材料としてアルゴンガスと酸素ガスとの混合ガスを供給しながら、反応性プラズマ蒸着法により基体表面にZnO膜を成膜する方法であって、上記ZnO焼結体は希土類元素を0.1〜15質量%含み、焼結体と基体が収容されたチャンバー内を、ターボ分子ポンプにより到達真空度8×10-4〜1×10-3Paになるまで真空引きした後、アルゴンガスと酸素ガスとの混合ガスをチャンバーに供給し、このチャンバー内の全圧を1.0〜3.5×10-2Paに制御し、蒸着時において、アルゴンガス流量が25sccmに対し、酸素ガス流量が20〜200sccmであり、成膜速度が0.5〜5.0nm/秒であることを特徴とする。
本発明の第2の観点は、第1の観点に基づく発明であって、更に上記希土類元素がSc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm及びSmからなる群より選ばれた1種又は2種以上の元素であることを特徴とする。
本発明の第1ないし第2の観点の方法によれば、希土類元素を含むZnO焼結体を蒸着用材料に用い、反応性プラズマ蒸着法により最適な成膜条件でZnO膜を形成することにより、希土類元素群から選ばれた1種又は2種以上の希土類元素をZnO膜に容易に添加することができ、この希土類元素を含むZnO膜は高湿環境下において体積抵抗率の上昇が抑制され、高い耐湿性が得られる。更に、反応性プラズマ蒸着法による成膜のため、スパッタリング法による成膜に比べて大幅な成膜速度の向上が可能となり、かつ蒸着用材料を無駄なく使用することができるメリットがある。即ち、本発明の成膜方法によれば、耐湿性に優れたZnO膜を高い生産性で成膜することができる。
次に本発明を実施するための形態を説明する。
<反応性プラズマ蒸着法によるZnO膜の形成工程>
一般に、反応性プラズマ蒸着法(以下、RPD法という。)とは、通常の蒸着装置にプラズマガンを設置してアーク放電を起こし、アークプラズマ中を通過する昇華した粒子をイオン化し加速して陰極に蒸着する方法であり、通常の蒸着法に比べて高速の成膜が可能となる。通常の蒸着法の飛来粒子の運動エネルギーは0.1eV、スパッタリング法のそれは100eV程度であるのに対して、RPD法のそれは数十eVであり、蒸着法とスパッタリング法の中間に属する。従って、RPD法は通常の蒸着法に比べ基体との密着性が良好な薄膜を形成することができ、またスパッタリング法に比べ高密度、低欠陥な成膜が可能であり基体温度を上げなくても結晶性の良い膜が得られる。しかしながら、基体が高温のプラズマに晒される場合、温度上昇などで膜がダメージを受ける問題点がある。
次に、本発明で用いる、ZnO成膜に使用するRPD装置について説明する。本発明の装置は、熱電子放出素子にLaB6及びTaを用いたプラズマガンを2個以上有する。例えば、プラズマガンを3個用いる場合は、2個を共蒸着用に用い、1個をプラズマアシスト用として用いることもできる。プラズマガン周囲より磁界を発生させ、アークプラズマを蒸着材側へと導く。蒸着材物質はアークプラズマに晒され昇華すると同時にプラズマ中でイオン化するため、加速されて陰極の基体に高エネルギーで蒸着する。基体を高温にならない位置に配置すれば、樹脂基体を用いる低温成膜も可能である。本発明では、複数個のプラズマガンを用いることにより、プラズマを活性化させることが可能である。本発明に用いるRPD装置は、酸素ガスを導入し酸素分圧を制御して成膜することができるため、酸化性雰囲気での成膜が可能である。よって、酸素欠陥量或いは格子間原子量を制御したZnO膜を形成することが可能である。
次に、本発明のRPD法によるZnO膜の形成工程を説明する。希土類元素を0.1〜15質量%含むZnO焼結体からなる蒸着材をRPD装置に装填する。次に基体保持部に基体を装着する。基体としては、ガラス基板、半導体ウェーハ、樹脂フィルム等が例示される。次に、ターボ分子ポンプにより到達真空度8×10-4〜1×10-3Paになるまで、チャンバー内を真空引きする。その後、アルゴンガスと酸素ガスとの混合ガスをチャンバーに供給し、チャンバー内の全圧を1.0〜3.5×10-2Paに制御する。アルゴンガスの流量は25sccmに定め、酸素ガスを流量20〜200sccm範囲内の指定流量で導入する。酸素ガズ流量を上記の範囲に限定したのは、下限値未満では透過率が80%以下となり、上限値を越えると導電性が悪化するためである。このように、酸素/アルゴン流量比を制御することにより酸素分圧を制御することができる。
次に、プラズマガンの放電電流を20〜180Aにしてアーク放電を行う。投入電力を制御することにより成膜速度0.5〜5.0nm/秒の範囲内の所定値に制御し、成膜時間により膜厚10〜1000nmのZnO膜を形成する。成膜速度を上記0.5〜5.0nm/秒の範囲にしたのは、下限値未満では投入電流が小さく成膜速度が不安定になりやすくなるからであり、上限値を越えると投入電流を増大する必要があり、結果的にプラズマの輻射熱が大きくなり膜へのダメージが発生し易くなるからである。また、膜厚を上記10〜1000nmの範囲にしたのは、下限値未満では膜の成長初期段階であり、膜の緻密性及び導電性に関して不安定な領域となるからであり、上限値を越えると応力の蓄積によりクラックが発生し易くなるからである。
蒸着用材料となるZnO焼結体は希土類元素を0.1〜15質量%含む。上記0.1〜15質量%の範囲は、このZnO蒸着材から成膜されるZnO膜が希土類元素を0.1〜15質量%を含有するために必要なZnO焼結体の組成である。この組成を有する蒸着用材料から成膜されるZnO膜は希土類元素を0.1〜15質量%含有する。膜の希土類元素含有量を0.1〜15質量%の範囲に限定したのは、この下限値未満では添加元素の効果が得られないからであり、上限値を越えると膜の抵抗が上昇し、ZnO膜が絶縁体領域に移行してしまうからである。
希土類元素を0.1〜15質量%含むZnO膜は良好な耐湿性を有する。更には、上記希土類元素がSc、Y又はランタノイド元素のLa、Ce、Pr、Nd、Pm又はSmであるZnO膜は、更に良好な耐湿性を有する。この中で、Ceを含むZnO膜が最も良い耐湿性を有する。
希土類元素酸化物は、水分と反応し水酸化物を形成する性質を有するものが多く、ZnO膜の耐湿性の改善のために添加する元素としてあまり有効ではないと予想された。しかし本発明では、この予想を覆し耐湿性の改善に有効であることを見いだした。耐湿性が改善する理由は、ZnO蒸着膜において原子半径がZnよりも大きな希土類元素を添加することにより、ZnO結晶のZn位置に上記希土類元素が置換してZnO結晶を歪ませ、c軸配向を取りやすいZnO本来の性質をブロックする効果により、水分の浸透などの外部要因の影響を抑制できるためと考えられる。
次に本発明の実施例を比較例とともに詳しく説明する。(なお、以下の記載の「実施例1、4、5、8、9、12、13、16、17及び20〜24」はいずれも「参考例」である。)
<実施例1>
次の表1に示すように、ZnO蒸着材としてCeの濃度が2質量%であるZnO蒸着材を用意した。このZnO蒸着材のサイズは直径20mm、高さ15mmであった。次に、縦100mm、横100mm、厚さ0.7mmのガラス基板の上に上記ZnO蒸着材を用いてRPD法によりZnO膜を形成した。成膜は、基板温度を23℃、蒸発皿−基板間距離を550mm、到達真空度を1×10-3Pa、アルゴンガス流量を25sccmに定め、成膜速度を0.5nm/秒に制御して行った。
<実施例2>
次の表1に示すように、アルゴンガスに酸素ガスを50sccmの流量で流した以外、実施例1と同じ条件でZnO膜を形成した。
<実施例3>
次の表1に示すように、アルゴンガスに酸素ガスを200sccmの流量で流した以外、実施例1と同じ条件でZnO膜を形成した。
<実施例4>
次の表1に示すように、アルゴンガスに酸素ガスを500sccmの流量で流した以外、実施例1と同じ条件でZnO膜を形成した。
<実施例5>
次の表1に示すように、ZnO蒸着材としてCeの濃度が5質量%であるZnO焼結体ペレットを用いた以外、実施例1と同じ条件でZnO膜を形成した。
<実施例6>
次の表1に示すように、ZnO蒸着材としてCeの濃度が5質量%であるZnO焼結体ペレットを用い、アルゴンガスに酸素ガスを50sccmの流量で流した以外、実施例1と同じ条件でZnO膜を形成した。
<実施例7>
次の表1に示すように、ZnO蒸着材としてCeの濃度が5質量%であるZnO焼結体ペレットを用い、アルゴンガスに酸素ガスを200sccmの流量で流した以外、実施例1と同じ条件でZnO膜を形成した。
<実施例8>
次の表1に示すように、ZnO蒸着材としてCeの濃度が5質量%であるZnO焼結体ペレットを用い、アルゴンガスに酸素ガスを500sccmの流量で流した以外、実施例1と同じ条件でZnO膜を形成した。
<実施例9>
次の表1に示すように、ZnO蒸着材としてCeの濃度が5質量%であるZnO焼結体ペレットを用い、成膜速度を1.5nm/秒に制御して成膜した以外、実施例1と同じ条件でZnO膜を形成した。
<実施例10>
次の表1に示すように、ZnO蒸着材としてCeの濃度が5質量%であるZnO焼結体ペレットを用い、アルゴンガスに酸素ガスを50sccmの流量で流し、成膜速度を1.5nm/秒に制御して成膜した以外、実施例1と同じ条件でZnO膜を形成した。
<実施例11>
次の表1に示すように、ZnO蒸着材としてCeの濃度が5質量%であるZnO焼結体ペレットを用い、アルゴンガスに酸素ガスを200sccmの流量で流し、成膜速度を1.5nm/秒に制御して成膜した以外、実施例1と同じ条件でZnO膜を形成した。
<実施例12>
次の表1に示すように、ZnO蒸着材としてCeの濃度が5質量%であるZnO焼結体ペレットを用い、アルゴンガスに酸素ガスを500sccmの流量で流し、成膜速度を1.5nm/秒に制御して成膜した以外、実施例1と同じ条件でZnO膜を形成した。
<実施例13>
次の表1に示すように、ZnO蒸着材としてCeの濃度が5質量%であるZnO焼結体ペレットを用い、成膜速度を5.0nm/秒に制御して成膜した以外、実施例1と同じ条件でZnO膜を形成した。
<実施例14>
次の表1に示すように、ZnO蒸着材としてCeの濃度が5質量%であるZnO焼結体ペレットを用い、アルゴンガスに酸素ガスを50sccmの流量で流し、成膜速度を5.0nm/秒に制御して成膜した以外、実施例1と同じ条件でZnO膜を形成した。
<実施例15>
次の表1に示すように、ZnO蒸着材としてCeの濃度が5質量%であるZnO焼結体ペレットを用い、アルゴンガスに酸素ガスを200sccmの流量で流し、成膜速度を5.0nm/秒に制御して成膜した以外、実施例1と同じ条件でZnO膜を形成した。
<実施例16>
次の表1に示すように、ZnO蒸着材としてCeの濃度が5質量%であるZnO焼結体ペレットを用い、アルゴンガスに酸素ガスを500sccmの流量で流し、成膜速度を5.0nm/秒に制御して成膜した以外、実施例1と同じ条件でZnO膜を形成した。
<実施例17>
次の表1に示すように、ZnO蒸着材としてCeの濃度が15質量%であるZnO焼結体ペレットを用いた以外、実施例1と同じ条件でZnO膜を形成した。
<実施例18>
次の表1に示すように、ZnO蒸着材としてCeの濃度が15質量%であるZnO焼結体ペレットを用い、アルゴンガスに酸素ガスを50sccmの流量で流した以外、実施例1と同じ条件でZnO膜を形成した。
<実施例19>
次の表1に示すように、ZnO蒸着材としてCeの濃度が15質量%であるZnO焼結体ペレットを用い、アルゴンガスに酸素ガスを200sccmの流量で流した以外、実施例1と同じ条件でZnO膜を形成した。
<実施例20>
次の表1に示すように、ZnO蒸着材としてCeの濃度が15質量%であるZnO焼結体ペレットを用い、アルゴンガスに酸素ガスを500sccmの流量で流した以外、実施例1と同じ条件でZnO膜を形成した。
<実施例21>
次の表1に示すように、ZnO蒸着材としてCeの濃度が0.1質量%であるZnO焼結体ペレットを用いた以外、実施例1と同じ条件でZnO膜を形成した。
<実施例22>
次の表1に示すように、ZnO蒸着材としてCeの濃度が0.5質量%であるZnO焼結体ペレットを用いた以外、実施例1と同じ条件でZnO膜を形成した。
<実施例23>
次の表1に示すように、ZnO蒸着材としてYの濃度が2質量%であるZnO焼結体ペレットを用いた以外、実施例1と同じ条件でZnO膜を形成した。
<実施例24>
次の表1に示すように、ZnO蒸着材としてYの濃度が5質量%であるZnO焼結体ペレットを用いた以外、実施例1と同じ条件でZnO膜を形成した。
<比較例1>
次の表1に示すように、ZnO蒸着材として、希土類元素を含まないZnO蒸着材を用意した。このZnO蒸着材のサイズは直径20mm、高さ15mmであった。次に、縦100mm、横100mm、厚さ0.7mmのガラス基板上に上記ZnO蒸着材を用いてRPD法によりZnO膜を形成した。成膜は、基体温度を23℃、蒸発皿−基板間距離を550mm、到達真空度を1×10-3Pa、アルゴンガス流量を25sccmに定め、成膜速度を0.5nm/秒に制御して行った。
<比較例2>
次の表1に示すように、アルゴンガスに酸素ガスを600sccmの流量で流した以外、比較例1と同じ条件でZnO膜を形成した。
<比較例3>
次の表1に示すように、アルゴンガスに酸素ガスを800sccmの流量で流した以外、比較例1と同じ条件でZnO膜を形成した。
<比較例4>
次の表1に示すように、成膜速度を1.5nm/秒に制御して成膜した以外、比較例1と同じ条件でZnO膜を形成した。
<比較例5>
次の表1に示すように、アルゴンガスに酸素ガスを200sccmの流量で流し、成膜速度を1.5nm/秒に制御して成膜した以外、比較例1と同じ条件でZnO膜を形成した。
<比較例6>
次の表1に示すように、成膜速度を6.0nm/秒に制御して成膜した以外、比較例1と同じ条件でZnO膜を形成した。
<比較例7>
次の表1に示すように、アルゴンガスに酸素ガスを800sccmの流量で流し、成膜速度を6.0nm/秒に制御して成膜した以外、比較例1と同じ条件でZnO膜を形成した。
<比較例8>
次の表1に示すように、アルゴンガスに酸素ガスを200sccmの流量で流し、成膜速度を8.0nm/秒に制御して成膜した以外、比較例1と同じ条件でZnO膜を形成した。
<比較例9>
次の表1に示すように、アルゴンガスに酸素ガスを800sccmの流量で流し、成膜速度を10.0nm/秒に制御して成膜した以外、比較例1と同じ条件でZnO膜を形成した。
<比較例10>
次の表1に示すように、ZnO蒸着材としてCeの濃度が20質量%であるZnO焼結体ペレットを用いた以外、実施例1と同じ条件でZnO膜を形成した。
<比較例11>
次の表1に示すように、ZnO蒸着材としてCeの濃度が30質量%であるZnO焼結体ペレットを用いた以外、実施例1と同じ条件でZnO膜を形成した。
<比較例12>
次の表1に示すように、ZnO蒸着材としてYの濃度が20質量%であるZnO焼結体ペレットを用いた以外、実施例1と同じ条件でZnO膜を形成した。
<比較試験1>
実施例1〜24及び比較例1〜12で成膜した、ZnO膜の組成、膜厚及び体積抵抗率の測定を行った。その結果を表1に示す。基体対称位置の膜サンプルを取り出し、組成分析、膜厚、体積抵抗率の各測定を行った。得られたZnO膜中のCe含有量は、SIIナノテクノロジー社製のSPS3100型で定量分析した。ZnO膜の膜厚は、ULVAC社製のDektak6M型接触式膜厚計で測定した。ZnO膜の体積抵抗率は、三菱化学社製のロレスタ(HP型、MCP−T410、プローブは直列1.5mmピッチ)を用い、雰囲気が25℃の所謂常温において定電流印加による4端子4探針法により測定した。体積抵抗の測定可能範囲は1.0×10-6〜1.0×108Ω・cmである。
Figure 0005632135
表1から明らかなように、諸条件で成膜したZnO膜の体積抵抗率測定値は、比較例1〜9において3.15〜45.4×10-2Ω・cm、比較例10では110000×10-2Ω・cm、比較例11及び12では測定範囲外であった。これに対して、実施例1〜24では0.24〜16.3×10-2Ω・cmであった。このことから、本発明の成膜方法によるZnO膜は低い体積抵抗率を有することが判った。
<比較試験2>
ZnO膜の耐湿性:実施例1〜24及び比較例1〜12で成膜したZnO膜の耐湿性を測定した。その結果を表2に示す。耐湿性は、成膜したZnO膜を恒温恒湿槽に入れ、設定温度60℃及び設定湿度90%の条件下、所定時間放置後に取り出して体積抵抗率を測定し、その経時変化を調べた。また、このデータから1000時間保持後の体積抵抗率の上昇率を算出した。
Figure 0005632135
表2から明らかなように、実施例1〜20の、Ceを2〜15質量%含有するZnO膜は、耐湿性試験における1000時間後の体積抵抗率の上昇率が4.39%以下であり、実施例21及び22の、Ceを0.1質量%や0.5質量%含有するZnO膜は、耐湿性試験における1000時間後の体積抵抗率の上昇率が33.2%以下であり、実施例23及び24の、Yを2質量%や5質量%含有するZnO膜は、耐湿性試験における1000時間後の体積抵抗率の上昇率38.3%以下であった。一方、比較例1〜9に示す、希土類元素を添加しないZnO膜の1000時間後の体積抵抗率の上昇率は42.2%であった。このことから、希土類元素の添加によるZnO膜の耐湿性向上の効果は明らかであった。

Claims (2)

  1. ZnO焼結体を蒸着用材料としてアルゴンガスと酸素ガスとの混合ガスを供給しながら、反応性プラズマ蒸着法により基体表面にZnO膜を成膜する方法であって、
    前記ZnO焼結体は希土類元素を0.1〜15質量%含み、
    前記焼結体と基体が収容されたチャンバー内を、ターボ分子ポンプにより到達真空度8×10-4〜1×10-3Paになるまで真空引きした後、前記アルゴンガスと酸素ガスとの混合ガスを前記チャンバーに供給し、このチャンバー内の全圧を1.0〜3.5×10-2Paに制御し、
    蒸着時において、アルゴンガス流量が25sccmに対し、酸素ガス流量が20〜200sccmであり、成膜速度が0.5〜5.0nm/秒であることを特徴とするZnO膜の成膜方法。
  2. 前記希土類元素がSc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm及びSmからなる群より選ばれた1種又は2種以上の元素である、請求項1記載のZnO膜の成膜方法。
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