JP5629776B2 - 二酸化塩素を製造する方法 - Google Patents

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Description

本発明は、反応容器中の酸性反応媒体中で、アルカリ金属の塩素酸塩又は塩素酸とメタノールとを反応させて二酸化塩素を生成するステップを含む、副生成物を少量しか有さない貯蔵上安定な二酸化塩素を製造する方法に関する。
二酸化塩素の製造について非常に多くの異なる方法が存在する。商業用途でほとんどの大スケールの方法はパルプ工場で実施されており、この方法には、酸性反応媒体中でアルカリ金属の塩素酸塩が、還元剤、例えば過酸化水素、メタノール、塩化物イオン、又は二酸化硫黄と反応して二酸化塩素を形成する連続した反応が関係し、二酸化塩素は反応媒体から気体として抜き出され、次に貯蔵タンクに搬送される水に吸収される。かかる方法の概要は、ウルマン工業化学百科事典、酸化塩素及び塩素酸素酸(Chlorine Oxygen Acid)、DOI: 10.1002/14356007.a06_483.pub2、オンライン投稿日:2010年4月15日、17〜25頁に見出すことができる。
多くの商業的な方法では、還元剤として、例えば米国特許第4081520号、同第4465658号、同第4473540号、同第4770868号、同第4978517号、及び同第5770171号に記載されるようにメタノールを用いる。しかし、メタノールに基づく方法はいずれも、二酸化塩素中の様々な不純物、例えばギ酸並びに未反応のメタノール等の、二酸化塩素の安定性に影響を及ぼすことが判明している副生成物の存在に悩まされている。
US4978517は、準大気圧での方法では、ギ酸を含む凝縮物を、二酸化塩素生成物の流れから反応器に再循環させることにより、副生成物の形態での損失を低減できることを示唆しているが、蒸発負荷が増大し、したがってエネルギー消費も増大することが判明している。
US2004/0228790は、二酸化塩素の製造方法を開示しており、この方法では、生成装置からの二酸化塩素ガスの一部が冷却後に抜き出され、亜塩素酸塩の製造に使用され、一方で、残りの二酸化塩素ガスは、冷却からの凝縮物と共に吸収装置に搬送されて、二酸化塩素最終生成物の水溶液を形成する。
ギ酸及び未反応のメタノール等の副生成物の含有量が低下した二酸化塩素を製造するには、メタノールに基づく方法を提供するのが有利であり、同方法は、貯蔵安定性が向上した二酸化塩素溶液を製造するのに有用である。二酸化塩素は本来、熱力学的に不安定であり、また反応性が高いので、その溶液を貯蔵する際には、化学反応によって二酸化塩素の一部が失われるリスクに曝される。
本発明の目的は、還元剤としてメタノールを用いて二酸化塩素を製造する有効な方法を提供することであり、この方法では、得られる二酸化塩素の貯蔵安定性が高く、副生成物の濃度は低い。上記及びその他の目的は本発明の提供により満たされる。
本発明は、反応容器中の水性反応媒体中でアルカリ金属の塩素酸塩又は塩素酸とメタノールとを反応させて、二酸化塩素を生成するステップと、反応容器から二酸化塩素及び気体状の副生成物を含む気体を抜き出すステップと、抜き出された気体の一部を凝縮させて、凝縮物を得るステップと、凝縮物を、もとの二酸化塩素の製造方法に再循環させることなく、非凝縮気体から取り出すステップとを含む、二酸化塩素の製造方法に関する。
凝縮物を取り出し、また主要な二酸化塩素生成物、すなわち気体の非凝縮部分に含まれる二酸化塩素に凝縮物が混入することを防止することにより、化学反応による二酸化塩素の損失を最小限に抑えることができ、したがって、メタノールに基づく方法の化学収率が改善されることが判明した。またさらに、取り出された凝縮物は、殺生物剤として利用可能、又は漂白用途で利用可能であることが判明した。
上記及びその他の態様及び長所は、下記の記載内容と関連して明らかとなる。
本発明はさらに以下の発明もまた提供する。
[1] 反応容器中の水性反応媒体中で、アルカリ金属の塩素酸塩又は塩素酸とメタノールとを反応させて、二酸化塩素を生成するステップと、
前記反応容器から、二酸化塩素及び気体状の副生成物を含む気体を抜き出すステップと、
抜き出された前記気体の一部を凝縮させて、凝縮物を得るステップと、
前記凝縮物を、もとの二酸化塩素の製造方法に再循環させることなく、非凝縮気体から取り出すステップと
を含む、二酸化塩素の製造方法。
[2] 前記反応媒体を、約15℃〜約100℃の温度に維持する、[1]に記載の方法。
[3] 前記反応媒体を、約2〜約11Nの酸性度に維持する、[1]又は[2]のいずれか一項に記載の方法。
[4] 前記反応媒体を、その沸点に対応する温度及び圧力に維持する、[1]から[3]のいずれか一項に記載の方法。
[5] 前記反応媒体を、約8〜約80kPaの圧力に維持する、[1]から[4]のいずれか一項に記載の方法。
[6] 前記反応媒体中で固体のアルカリ金属硫酸塩を沈殿させるステップをさらに含む、[1]から[5]のいずれか一項に記載の方法。
[7] 前記反応容器から抜き出された前記気体状の副生成物がギ酸を含む、[1]から[6]のいずれか一項に記載の方法。
[8] 前記反応容器から抜き出された前記気体の一部を、約2〜約50℃の温度で凝縮させる、[1]から[7]のいずれか一項に記載の方法。
[9] 前記反応容器から抜き出された前記気体の一部を、約15〜約35℃の温度で凝縮させる、[8]に記載の方法。
[10] 前記取り出された凝縮物の一部又はすべてが漂白プロセスで用いられる、[1]から[9]のいずれか一項に記載の方法。
[11] 前記取り出された凝縮物の一部又はすべてが殺生物剤として用いられる、[1]から[10]のいずれか一項に記載の方法。
[12] 前記凝縮物を取り出された後に、前記非凝縮気体を吸収塔に搬送するステップをさらに含み、前記吸収塔において、前記非凝縮気体を水流と接触させ、二酸化塩素含有水溶液を形成する、[1]から[11]のいずれか一項に記載の方法。
[13] 前記二酸化塩素含有水溶液を貯蔵タンクに搬送するステップをさらに含む、[12]に記載の方法。
[14] 膜分離又は共沸蒸留により前記凝縮物を濃縮するステップをさらに含む、[1]から[13]のいずれか一項に記載の方法。
[15] 前記凝縮物から二酸化塩素を取り出すステップ、及び得られたギ酸又はギ酸溶液を生物処理システムにおいて薬注として使用するステップをさらに含む、[1]から14]のいずれか一項に記載の方法。
本発明の一実施形態を例示する。
二酸化塩素は、例えば上記米国特許第4081520号、同第4465658号、同第4473540号、同第4770868号、及び同第5770171号に記載されるように生成可能である。
二酸化塩素は、好ましくはメタノールを用いて塩素酸イオンを還元することにより生成される。塩素酸イオンは、アルカリ金属の塩素酸塩、塩素酸、又はこれらの混合物に由来し得る。任意のアルカリ金属の塩素酸塩、例えばナトリウム、カリウム又はこれらの混合物の塩素酸塩が利用可能である。通常、塩素酸ナトリウムが好ましい。通常、アルカリ金属の塩素酸塩は反応媒体中に存在し、その濃度は幅広い限界内、例えば約0.15モル/dmから最大飽和するまで、好ましくは約1.5モル/dmから最大飽和するまで、又は約2.5モル/dmから最大飽和するまで変化し得る。
反応容器中の水性反応媒体は、好ましくは酸性であり、例えば約2〜約11N、好ましくは約1〜約10N、又は約1.5〜約7Nの酸性度を有する。酸性度は、任意の適する酸、好ましくは無機酸を供給することにより付与することができる。酸の例として、硫酸、塩酸、リン酸、及び塩素酸が挙げられ、これらの中で硫酸が特に好ましい。好ましくは、反応媒体は約15〜約100℃、最も好ましくは約30〜約85℃の温度で維持される。
本方法は、準大気圧、実質的に大気圧、又は超大気圧で実施し得る。
一実施形態では、反応媒体は、好ましくは非沸騰条件下で、好ましくは大気圧に対して約−5kPa〜約200kPaの圧力で維持する。次に、好ましくは、空気等の不活性な気体が反応媒体に送気され、二酸化塩素を希釈する。
さらなる実施形態では、反応媒体を、好ましくはその沸点に対応する温度及び圧力、好ましくは準大気圧で維持する。次に、圧力及び温度を、水が蒸発し、形成され、反応媒体から抜き出された二酸化塩素を希釈するように設定する。さらに、絶対圧力を、好ましくは約8〜約80kPa、最も好ましくは約8〜約55kPa、又は約10〜約50kPaに維持する。
準大気圧で実施する方法では、反応媒体からの水の蒸発は、通常、この方法で生成されるより多くのエネルギーを消費し、ヒーターを経由して循環導管内を循環する反応媒体に熱を供給することにより均衡が保たれる。あらゆる種類のヒーター、例えば蒸気又は任意のその他の高温流動媒体により加熱される熱交換器が利用可能である。
硫酸を使用する場合には、約30〜約98wt%、最も好ましくは約60〜約85wt%の濃度で供給する。低濃度の硫酸は、より容易に反応媒体と混合されるが、但し、高濃度は、希釈熱を利用でき、過剰の水を蒸発させる必要がないため、有利である。この供給量は、好ましくは、選択された還元剤に適する生成装置内で定常状態の濃度に達するように、塩素酸塩供給量と均衡が保たれる。
メタノールは、好ましくは供給されるアルカリ金属の塩素酸塩1モル当たり約0.2〜約1モル、最も好ましくは供給されるアルカリ金属の塩素酸塩1モル当たり約0.2〜約0.8モル、特に最も好ましくは供給されるアルカリ金属の塩素酸塩1モル当たり約0.2〜約0.4モルの量で供給される。
反応媒体中で固体のアルカリ金属硫酸塩の沈殿物が得られるように、準大気圧の条件下で本方法を実施するのが好ましい。反応媒体の酸性度に応じて、実質的に中性の硫酸塩又は酸性のセスキ硫酸塩が形成され得る。所望であれば、酸性の固体アルカリ金属硫酸塩は、例えばUS5674466又はUS6585950に記載されるように部分的に又は完全に中和可能である。但し、固体アルカリ金属硫酸塩の形成が全く生じないような条件下で方法を実施することも可能である。
形成されたアルカリ金属硫酸塩の少なくとも一部は、好ましくは、例えば従来型のフィルターを用いて取り出すことが可能である、また場合によっては副生成物として利用可能である固体の塩のケーキとして通常抜き出される。しかし、アルカリ金属硫酸塩の一部を電気化学的に酸性化し、硫酸供給物の一部と置換するために反応媒体にこれをリサイクルすることも可能である。かかる電気化学的酸性化は、例えば、米国特許第4129484号、同第5478446号、同第5487881号、同第5858322号、及び同第6322690号に記載されている。
反応容器から抜き出された気体中の気体状副生成物は、通常ギ酸を含む。抜き出された気体は、通常、蒸発した水、未反応のメタノール、及び任意選択的にその他の副生成物、例えば二酸化炭素をさらに含む。抜き出された気体中の二酸化塩素濃度は、好ましくは約1〜約30kPa、又は約2〜約5kPaの分圧に維持する。総圧力は、水蒸気並びに可溶性気体及び不溶性気体の量からも構成される。
反応容器から抜き出された気体は凝縮装置に搬送され、ギ酸、メタノール、及び水、並びにほとんどの場合二酸化塩素の一部も通常含む凝縮物を形成する。当該凝縮物は、当該凝縮物又はその濃縮物をもとの二酸化塩素の製造方法に直接的又は間接的に再循環させることなく、二酸化塩素の主要な部分が存在する非凝縮気体から取り出される。したがって、当該凝縮物は、アルカリ金属塩素酸塩用の溶解装置、メタノール若しくは任意のその他の供給化学薬品用の貯蔵タンク、又は反応媒体加熱用の循環導管に搬送される場合のように、もとの反応容器に直接的又は間接的に再循環されることはない。凝縮物を再循環させることなく取り出し、またこれが最終的な二酸化塩素生成物に混入するのを防止することにより、反応容器内の蒸発負荷を増大させることなく副生成物の量がより低減し、こうしてより高い安定性を有する二酸化塩素が得られることが判明している。
凝縮は、好ましくは約2〜約50℃、又は約15〜約35℃の温度で実施する。温度が低下すれば、より多くの凝縮物が形成され、したがって副生成物がより有効に取り出される。凝縮は、例えば、約12〜約53kPaの絶対圧力で実施可能である。
取り出された凝縮物を、そのまま又はこれから二酸化塩素を取り出した後に利用するためのいくつかの選択肢が存在する。したがって、その一部又はすべてが、漂白プロセスで、又は殺生物剤として利用可能であり、その場合ギ酸は有益な効果を有する。パルプ漂白プロセスでは、凝縮物は、例えば二酸化塩素段階又は過酸化物段階で使用可能であり、過酸化物段階では任意選択的に凝縮物から二酸化塩素を取り出した後に使用される。凝縮物の一部又はすべてを直接使用するのが適当でない場合には、二酸化塩素を、分解又は取り出し、回収することができる。残りの部分は、ギ酸の供給源として利用可能であり、又は従来方式の排水処理プラントに搬送され得る。
所望であれば、二酸化塩素を例えば、空気等の不活性気体でストリッピングすることにより凝縮物から取り出すことができ、次に主要な二酸化塩素生成物と混合することができる。この取り出しは、凝縮物のpHを、例えば約6.5〜約7.8に上げることにより促進され得る。pHの調整は、アルカリ金属の水酸化物等の任意のアルカリ源により実施可能である。得られたギ酸又はギ酸溶液は、次に薬注として、例えば炭素源として生物処理システムにおいて利用可能である。当該凝縮物は、膜分離又は共沸蒸留により濃縮することも可能である。
凝縮物を取り出した後、非凝縮気体は、二酸化塩素量を基準として、好ましくは約8wt%未満、又は約4wt%未満のギ酸含有量を有する。安全措置として、当該凝縮物を冷却及び/又は希釈することができる。
二酸化塩素を含有する非凝縮気体は、凝縮物を取り出した後に吸収塔に搬送することができ、吸収塔で、この気体を水流と接触させ、二酸化塩素を含有する水溶液を形成することができ、この水溶液は、ほとんどの場合最終的な二酸化塩素生成物である。用語「吸収塔」は、本明細書で用いる場合、水に可溶性の化合物が液流中に吸収されるように、気体が当該液流と接触する任意のカラム又は塔等を意味する。気体及び液体は、好ましくは向流的に流れる。吸収塔デバイスの内部、例えばプレート又は充填要素は、好ましくは気体と液体との間で物質移動が起こり得る界面を提供するように配置される。任意の従来型の充填要素及びプレート、例えばラシヒリング(Raschig ring)、バールサドル(Berl saddle)、インタロックスサドル(Intalox saddle)、篩板、及び泡鐘段等が利用可能である。本発明に基づき凝縮物を取り出すことにより、これが二酸化塩素含有水溶液に混入することが防止される。
吸収塔から得られる水溶液中の二酸化塩素の濃度は、好ましくは約2〜約18g/dm、又は約8〜約12g/dmである。その温度は、好ましくは約0〜約35℃、又は約5〜約25℃である。そのpHは、幅広い範囲内で、例えば約1〜約3、又は約1.6〜約2.6で変化し得る。
二酸化塩素含有水溶液は、貯蔵タンクに搬送でき、そのタンク内では二酸化塩素と反応するギ酸の存在量がより低いほど、貯蔵安定性が高まる。
吸収前に凝縮物を取り出すと、吸収塔で用いられる水を冷却するための要求量を低減させることが判明している。
本発明の一実施形態を、その概略的なフロー図を示す添付の図と関連してここで記載する。但し、本発明は示された当該実施形態に限定されない。
本発明の一実施形態を添付の図1でさらに例示する。
図1を参照すると、結晶化条件下での二酸化塩素の製造方法が概略的に示されている。反応容器1は準大気圧下、通常、絶対気圧約8〜約80kPaで反応媒体を保持する。反応媒体は、循環導管2及びヒーター3(一般的に「リボイラー」と呼ばれる)を経由して循環し、反応媒体の温度を沸点、通常約15〜約100℃に保つのに十分な速度でもとの反応容器1に戻る。塩素酸ナトリウム、硫酸、及び還元剤Rとしてのメタノールからなる供給流は、循環導管の様々なポイントに供給されるが、しかるべき場合には反応容器に直接供給することも可能である。反応媒体中で維持される塩素酸塩の濃度は、広い限度内で、例えば約0.25モル/リットルから最大飽和するまで変化し得る。反応媒体の酸性度は、好ましくは約0.5〜約12Nに維持する。反応媒体中では、塩素酸ナトリウム、メタノール及び硫酸が反応して、二酸化塩素、硫酸ナトリウム、ギ酸、二酸化炭素、及び任意選択的にその他の副生成物が形成される。二酸化塩素、ギ酸、未反応のメタノール、及びその他の気体状の生成物は、気体として蒸発した水と共に抜き出される。硫酸ナトリウムは通常酸性の塩として沈殿し、フィルター4を通して反応媒体を循環させることにより、塩のケーキ、通常NaH(SO(s)として抜き出される。反応容器1から抜き出された気体は凝縮装置5に搬送されるが、同装置内では、水が凝縮し、ギ酸及びメタノールの主要部分が、通常、二酸化塩素総量の約0.8%以下であるようなごく一部分の二酸化塩素と共に水の中に溶解するように、条件が制御されている。7で空気を送気し、これにより二酸化塩素を脱着させることにより、凝縮物中の二酸化塩素量はさらに低減できる。次に、当該凝縮物を流れ6として取り出し、例えば漂白プラントに搬送する。二酸化塩素の主要な部分を含有する非凝縮気体8は、吸収塔9に搬送され、冷水中に二酸化塩素が吸収されて二酸化塩素水ClO(aq)が形成され、一方、非溶解気体成分は気体Gとして抜き出される。凝縮装置は、例えば約2〜約40℃、又は約12〜約25℃の温度、及び約12〜約53kPa、又は約15〜約30kPaの絶対圧力に維持され得る。
本発明は上記のように記載されるが、本発明が多くのやり方で変化し得ることは明白である。そのような変形形態は本発明の主旨及び範囲からの逸脱とはみなされず、当業者にとって自明であろうそのような修正形態はすべて、特許請求の範囲内に含まれるように意図されている。本明細書の下記の実施例は、反応のより具体的詳細内容を記載する一方、下記の一般原理が本明細書で開示され得る。下記の実施例は、記載された本発明をその範囲を限定することなくさらに例示する。
試験は、安定な条件で稼動する、図1に示すようなプラント構成において、1日当たり25トンのClOに目標設定して実施した。温度は、吸収装置への機械式給水について10℃、及び流出生成物について12℃であった。試験開始時の生成装置濃度は、NaClOが344g/dm、HSOが313g/dm、10wt%結晶、及び48%生成装置レベルであった。試験終了時には、生成装置濃度は、NaClOが296g/dm、HSOが315g/dm、10wt%結晶、及び48%生成装置レベルであった。
吸収装置の後で採取された二酸化塩素水について3種の安定性試験を実施した。
試験1は、凝縮装置の温度を38℃に設定して従来のモードで稼動したときに得られた二酸化塩素水について実施した。したがって、凝縮物は取り出されずに、吸収装置に搬送され、したがって、二酸化塩素水に混入した。
試験2は、凝縮物が取り出され、吸収装置に搬送されない点を除き、試験1と同様に稼動したときに得られた二酸化塩素について実施した。
試験3は、凝縮装置の温度が25℃であった点を除き、試験2と同様に稼動したときに得られた二酸化塩素について実施した。
各試験について、約5dmの大量の試料を、バルブ付きの「折り畳み可能な」10dmタンク内に採取した。大量の試料から、30ml入りの小さい褐色ガラス瓶約40個をできる限り迅速に100%まで充填した。充填期間中の脱気を避けるために、試験前、小さい試料瓶を冷却状態に保った。充填済みの試料瓶を、比較的一定の温度(8〜11℃)を維持するように冷蔵庫内に8時間保管し、試料は数回分析した。0及び8時間の時点での、各採取ポイントについて5〜8個の瓶からの平均二酸化塩素濃度を表1に示す。
Figure 0005629776
二酸化塩素の安定性は、凝縮物を取り出すことにより改善され、また凝縮装置内の温度を下げることによりさらに改善されることが明らかである。
1反応容器
2循環導管
3ヒーター
4フィルター
5凝縮装置
6流れ
7空気の送気
8非凝縮気体
9吸収塔

Claims (14)

  1. 反応容器中の水性反応媒体中で、アルカリ金属の塩素酸塩又は塩素酸とメタノールとを反応させて、二酸化塩素を生成するステップと、
    前記反応容器から、二酸化塩素及び気体状の副生成物を含む気体を抜き出すステップと、
    抜き出された前記気体の一部を凝縮させて、凝縮物を得るステップと、
    前記凝縮物を、もとの二酸化塩素の製造方法に再循環させることなく、非凝縮気体から取り出すステップと
    を含み、さらに
    前記凝縮物を取り出された後に前記非凝縮気体を吸収塔に搬送し、前記吸収塔において前記非凝縮気体を水流と接触させて二酸化塩素含有水溶液を形成するステップ
    を含む、二酸化塩素の製造方法。
  2. 前記反応媒体を、15℃〜100℃の温度に維持する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記反応媒体を、2〜11Nの酸性度に維持する、請求項1又は2のいずれか一項に記載の方法。
  4. 前記反応媒体を、その沸点に対応する温度及び圧力に維持する、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記反応媒体を、8〜80kPaの圧力に維持する、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記反応媒体中で固体のアルカリ金属硫酸塩を沈殿させるステップをさらに含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記反応容器から抜き出された前記気体状の副生成物がギ酸を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記反応容器から抜き出された前記気体の一部を、2〜50℃の温度で凝縮させる、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記反応容器から抜き出された前記気体の一部を、15〜35℃の温度で凝縮させる、請求項8に記載の方法。
  10. 前記取り出された凝縮物の一部又はすべてが漂白プロセスで用いられる、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記取り出された凝縮物の一部又はすべてが殺生物剤として用いられる、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記二酸化塩素含有水溶液を貯蔵タンクに搬送するステップをさらに含む、請求項11に記載の方法。
  13. 膜分離又は共沸蒸留により前記凝縮物を濃縮するステップをさらに含む、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記凝縮物から二酸化塩素を取り出すステップ、及び得られたギ酸又はギ酸溶液を生物処理システムにおいて薬注として使用するステップをさらに含む、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
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