JP5626701B2 - プロセスガスクロマトグラフ - Google Patents

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Description

本発明は、プロセスガスクロマトグラフに関し、詳しくは省エネルギー化を図ったプロセスガスクロマトグラフに関するものである。
プロセスガスクロマトグラフに用いられ、カラムや検出器等を収納する恒温槽は防爆構造となっており、その構造には耐圧防爆型と内圧防爆型がある。そして内圧防爆型のものは、内部の圧力を上げることで周囲からの危険ガスの侵入を防ぎ、さらに不活性ガス又は空気を恒温槽内に導入して恒温槽内のカラムや検出器等に導入される危険ガスを内部からパージすることにより内圧防爆構造としたものである。
図2は一般的なプロセスガスクロマトグラフの構成を示すもので、各装置が収納された容器の前面の扉を開放した状態を示している。図2において、10は電気回路部であり、マイクロプロセッサが搭載され、信号増幅、波形処理、シーケンス動作及び外部との通信処理などが行われる。
11はターミナル部であり、ガスクロ本体と外部との配線の接続部分である。
12は恒温槽で、槽内の温度は、定値設定されており、温度調節は、PIDにより設定温度±0.03度程度に制御されている。槽内には、各種検出器、カラム、切換えバルブが配置されている。
13は昇温槽で、槽内は、広い温度範囲にわたり昇温プログラムで制御されている。エアバスと攪拌ファン方式で槽内温度は均一に維持されている。
14は流量調節弁で、キャリアガス用の減圧弁、圧力計およびパージ空気用減圧弁を内蔵している。
15はアナライザサンプリング部である。ここにはフィルタ、サンプリング減圧弁、流量計、流路切換え弁等が収納されている。
図3は図2に示すプロセスガスクロマトグラフの内圧防爆室とアナライザサンプリング部(以下、サンプリング部という)の気体循環に関する要部概略構成図である。
図3において、1はカラムや検出器などが収納された内圧防爆室であり、矢印a方向から300kpa程度の計装空気が導入される。
この計装空気は容器1内の加熱手段2で加熱され、図示しない撹拌器で撹拌されて容器1内で循環した後、排気口が形成された矢印b方向から排気温風として排出される。なお、内圧防爆室1内の圧力は392±20Paになるように前記排気口の孔径が形成されている。
3は内圧防爆室に近接して(又は隣り合って)配置されたサンプリング部であり、分析すべきサンプルの前処理が行われる。
サンプリング部3内にはスチームdが大気温度感知式バルブ(スチーム用)5を介して導入される。大気温度感知式バルブ(スチーム用)5はサンプリング部内3の温度を検知して、スチームの出入を開閉するものである。サンプリング部3内には放熱フィン4が配置されており、スチーム排出される熱により、サンプリング部内3の温度は50℃程度または80℃程度に加熱されている。
ここで、サンプリング部内をスチームにより加熱するのは、プロセスガスクロマトグラフを防爆エリアで使用するために、防爆構造でなくても使用可能とするためである
実公昭62−5657号公報 実開平06−65860号公報 特開平04−198841号公報
一般に内圧防爆は耐圧防爆に比較して高圧に耐えるための金属部品が少なくて済み、低価格・低重量という長所がある。また、内圧防爆方式の室内には撹拌器を有しているため室内において温度分布が一様であり、昇温・降温速度が速いという長所がある。その反面、仕様によっては計装空気の使用量が毎分140〜740l(リットル)必要と言う課題があった。このような機構はユーティリティ消費量より防爆性能と部品コストを優先した結果である。
従って本発明は、内圧防爆室から排出される温風を利用することによりサンプリング部内の加熱温調のためのスチーム消費の低減を図ったプロセスガスクロマトグラフを提供することを目的としている。
本発明は上記課題を解決するためになされたもので、請求項1に記載のプロセスガスクロマトグラフにおいては、
内圧防爆室とアナライザサンプリング部を有するプロセスガスクロマトグラフにおいて、前記アナライザサンプリング部内にバルブ付き温度計測手段を配置し、前記内圧防爆室からの排気温風を、前記アナライザサンプリング部に配置されたバルブ付き温度計測手段を介して前記アナライザサンプリング部内に導入する排気温風導入手段を設けるとともに、該排気温風導入手段に前記バルブ付き温度計測手段に接続された側の排出抵抗より高い抵抗の大気排出手段を設け、前記アナライザサンプリング部の温度が所定の温度に達した後は前記バルブを閉として前記高い抵抗の排出手段から前記排気温風を大気排出させ、前記アナライザサンプリング部内への排気温風の導入を中止することを特徴とする。
請求項2においては、請求項1に記載のプロセスガスクロマトグラフにおいて、
前記バルブ付き温度計測手段は大気温度感知式バルブであることを特徴とする。
以上説明したことから明らかなように本発明の請求項1〜4によれば、従来大気中に排気していた排気温風をアナライザサンプリング部の加熱気体として使用するのでアナライザサンプリング部でのスチーム使用量を低減できるという効果がある。
本発明のプロセスガスクロマトグラフの要部断面構成図である。 従来のプロセスガスクロマトグラフの構成を示す図である。 従来のプロセスガスクロマトグラフの排気温風の状態を示す要部構成図である。
図1は本発明のプロセスガスクロマトグラフの要部断面構成図である。図1において、図3と同一要素には同一符号を付して重複する説明は省略する。
本発明では配管7の一端が内圧防爆室1の排気温風bの排気口8に接続され、他端は配管9の途中に接続されている。
配管9の一端は排気温風eの排気口で大気開放とされ、他端は大気温度感知式バルブ(排気温風用)6に接続されている。この大気温度感知式バルブ(排気温風用)6にはワックス封入式アクチュエータが用いられ、高精度の温度制御が可能である。
ワックス封入式アクチュエータに封入されたワックスは温度によって固体⇔液体と状態を変え、その膨張、収縮で生じる強大な力を利用したアクチュエータであり、このようなアクチュエータは市販されている。
このアクチュエータは周囲温度が下がり設定温度に達すると開く(正作動)、周囲温度が上がり設定温度に達すると開く(逆作動)の2種類があり、電気を一切使用せず自力作動式による温度制御が可能なバルブである。
配管7の内径は内圧防爆室1に大きな背圧を生じさせない程度の大きさとされ、配管9の大気温度感知式バルブ(排気温風用)6に接続された側の出口は大気開放側の出口より大きな径とされている(大気開放側の配管抵抗を大気温度感知式バルブ6側の配管抵抗より若干高くしておく)。
図1において、内圧防爆室に計装空気aが供給され所定の温度に加熱されて排気温風bとして配管7側に排出される。サンプリング部3内の温度が大気温度感知式バルブ(排気温風用)6に設定された温度より低い場合、このバルブ6は開状態となる。
そして、排気温風bは配管9の配管抵抗に逆比例した流量でサンプリング部3内に導入され残りは排気温風eとして排出される。サンプリング部3内に導入された温風は自然対流で拡散してサンプリング部3内の温度を上昇させ排気温風cとして排出される。
サンプリング部3内の温度が大気温度感知式バルブ(排気温風用)6の設定温度に達するとバルブ6は閉状態となる。その場合、排気温風bの全量が排気温風eとして排出される。なお、サンプリング部3内の設定温度が高く、サンプリング部3内の設定温度に達しない場合は従来どおりスチームによる加熱が行われるが、その場合もスチームの消費量は従来に比較して少なくすることができる。
なお、以上の説明は、本発明の説明および例示を目的として特定の好適な実施例を示したに過ぎない。従って本発明は、上記実施例に限定されることなく、その本質から逸脱しない範囲で更に多くの変更、変形を含むものである。
1 内圧防爆室
2 加熱手段
3,15 アナライザサンプリング部
4 放熱フィン
5 大気温度感知式バルブ(スチーム用)
6 大気温度感知式バルブ(排気温風用)
7,9 配管
8 配管接続口
10 電気回路部
11 ターミナル部
12 恒温槽
13 昇温槽
14 流量調節弁

Claims (2)

  1. 内圧防爆室とアナライザサンプリング部を有するプロセスガスクロマトグラフにおいて、
    前記アナライザサンプリング部内にバルブ付き温度計測手段を配置し、前記内圧防爆室からの排気温風を、前記アナライザサンプリング部に配置されたバルブ付き温度計測手段を介して前記アナライザサンプリング部内に導入する排気温風導入手段を設けるとともに、該排気温風導入手段に前記バルブ付き温度計測手段に接続された側の排出抵抗より高い抵抗の大気排出手段を設け、前記アナライザサンプリング部の温度が所定の温度に達した後は前記バルブを閉として前記高い抵抗の排出手段から前記排気温風を大気排出させ、前記アナライザサンプリング部内への排気温風の導入を中止することを特徴とするプロセスガスクロマトグラフ。
  2. 前記バルブ付き温度計測手段は大気温度感知式バルブであることを特徴とする請求項1に記載のプロセスガスクロマトグラフ。
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