JP2005188586A - 感温動作弁 - Google Patents

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雅彦 金原
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Abstract

【課題】 弁体駆動を伴う弁へのバイメタルの用途拡大を図る。
【解決手段】 感温動作弁10は、弁体14の一端側に感温部20を備え、感温部20のバイメタル22を収納凹所24に収納する。バイメタル22は、外気に接しており、大気温度の上昇により、弁体14と反対側に凸の凸姿勢から、その逆の凹姿勢に姿勢変化を起こす。こうして姿勢変化を起こすバイメタル22は、弁体14を押し下げ、流路の連通状態をARポート連通からAPポート連通に切り換える。つまり、感温動作弁10によれば、流路の開閉のみならず、流路の連通状態を弁体14の摺動により切り換える切換弁にもバイメタル22を利用できる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、温度に応じて駆動する感温動作弁に関する。
流路の開閉や流路の連通状態の切換を行う弁は、その多くが弁駆動力にソレノイド等を利用している(例えば、特許文献1)。
特開2001−165345号公報
こうした弁の用途は多種多様であるが、弁を取り巻く環境温度が所定温度となると弁動作を行うような要望がある。こうした要望に応えるべく、上記した特許文献に記載の弁を利用するには、温度検出のためのセンサやスイッチが必要となる。温度に応じて駆動する簡易なセンサ・スイッチとして、バイメタルを利用したものが提案されている(例えば、特許文献2)。
特開平9−310823号公報
このため、この特許文献1と2によれば、環境温度が所定温度となるとソレノイドへの通電により弁動作を行うことができるが、弁動作にソレノイドへの通電を伴うことから、停電等の通電障害発生時への対処も必要となり、煩雑であった。例えば、停電時でも電力を得ることができるよう、電力線とは独立した電源(例えば、バッテリや発電機)を設置する必要があった。
その一方、温度に感応した弁動作をバイメタルを利用して起こす弁も提案されている(例えば、特許文献3、4)。
特開2000−55296号公報 実開平6−56583号公報
こうした弁では、温度をバイメタルで直接感知して弁動作を起こすので、通電が不要となり停電時であっても作動するため好都合である。
しかしながら、バイメタルは、流路を開閉する弁動作への利用に限られているのが現状であり、その用途拡大が求められるに至った。
上記した課題の少なくとも一部を解決するため、本発明の感温動作弁は、温度に応じて凸状態の姿勢と凹状態の姿勢との間で姿勢変化を起こす感温素子を備え、該感温素子の姿勢変化で起きる変位に基づいて、切換弁機構の弁体の摺動に関与し、この弁体の摺動により流路の連通状態の切換を行う。よって、本発明の感温動作弁によれば、流路の開閉のみならず、流路の連通状態を弁体の摺動により切り換える切換弁にも感温素子を利用でき、その用途を拡大できる。こうした感温素子としては、バイメタルを用いることが簡便である。この他、形状記憶合金でも適用できる。
この場合、バイメタルを有する感温部を切換弁機構を収納した弁本体に装着し、バイメタルにより弁体を直接摺動するようにでき、こうすれば、弁を小型化できる。
また、バイメタルを、凸状態から凹状態への姿勢変化とその逆の姿勢変化を起こす温度が相違するヒステリシス特性を持つようにすることもできる。こうすれば、次の利点がある。
説明を簡便とするため、バイメタルが凸状態の姿勢(凸姿勢)を取っているときに切換弁機構は切換前の原位置にあり、凹状態の姿勢(凹姿勢)に姿勢変化すると、切換弁機構は流路の連通状態を切り換える切換位置となるとする。今、温度が上昇しつつあると仮定する。そうすると、バイメタルは、この温度上昇に伴い、ある温度T1で凸姿勢から凹姿勢に姿勢変化を起こすので、切換弁機構は、この温度T1で原位置から切換位置に切りかわり、流路の連通状態を切り換える。
次に、流路の連通状態の切換後に温度が変化しある温度T2になると、バイメタルは凹姿勢から凸姿勢に姿勢変化を起こすので、この温度T2で、切換弁機構は温度T1の時の切換位置から原位置に復帰し、流路の連通状態も元に復帰する。つまり、流路の連通状態を切り換える温度と元の連通に復帰させる温度を意図して変えることができる。例えば、温度T1が温度T2より高ければ、温度上昇の過程で温度T2を越えて温度T1に達すると流路の連通状態の切換が行われ、その後に、温度が降下しても温度T1より低い温度T2まで温度が下がらないと、流路の連通状態は復帰しないようにできる。よって、所定のある温度を境に姿勢変化を起こすバイメタルと利用した弁機構とは異なり、流路の連通状態の切換と復帰を異なる温度で行うようにできるという機能を実現できるので、切換弁機構自体の用途が拡大して好ましい。温度T1が温度T2より低い温度でも同様である。
なお、既存のバイメタルにあっては、通常、上記したヒステリシス特性における上下の温度差が極力小さくなるようにされているのに対し、本願では、こうしたヒステリシス特性を利用しているのである。
また、バイメタルを有する感温部を第1感温部と第2感温部の二つとし、両感温部を弁体を挟んで備えようにした上で、次のように構成することもできる。まず、第1、第2の感温部が有する第1バイメタルと第2バイメタルとを、弁体を他のバイメタル側にそれぞれ直接摺動可能にし、第1、第2のバイメタルは、ヒステリシス特性を呈する温度範囲がずれて重なるようにする。そして、第1、第2のバイメタルは、一方のバイメタルが弁体を摺動するよう姿勢変化を起こす際には、他方のバイメタルが弁体摺動を許容するよう弁体と離間する側に姿勢変化した状態にあり、他方のバイメタルが弁体を摺動するよう姿勢変化を起こす際には、一方のバイメタルが弁体摺動を許容するよう弁体と離間する側に姿勢変化した状態にある。こうすれば、次の利点がある。
説明を簡便とするため、切換弁機構が切換前の原位置にあるとき、第1バイメタルは弁体を摺動できる姿勢(例えば、凹姿勢)にあることとし、第2バイメタルは弁体を摺動した後の姿勢(例えば、凸姿勢)にあるとする。また、第1バイメタルは、そのヒステリシス特性が低温側から温度T11を通過すると凹姿勢から凸姿勢に、高温側から温度T12(<T11)を通過すると凸姿勢から凹姿勢に姿勢変化を起こすものであり、第2バイメタルは、低温側から温度T21(T12<T21<T11)を通過すると凸姿勢から凹姿勢に、高温側から温度T22(<T12)を通過すると凹姿勢から凸姿勢に姿勢変化を起こすものとする。
今、第1、第2の感温部付近の温度が上記の温度T22以下にあるとする。そうすると、第1バイメタルは、T22<T12であることから、凹姿勢を取り、第2バイメタルは凸姿勢を取る。このとき、切換弁機構は原位置にある。この状態から温度が上昇してT21に達すると、第2バイメタルは、弁体を摺動した後の凸姿勢から凹姿勢に姿勢変化を起こすので、弁体は、第2バイメタルから離間し第1バイメタルによる摺動ができる状態になる。
更に温度が上昇してT11に達すると、第1バイメタルは、凹姿勢から凸姿勢に姿勢変化を起こして弁体を摺動する。このとき、これより以前に第2バイメタルは上記のように弁体摺動を許容するよう凹姿勢に姿勢変化済みであるので、弁体は、第2バイメタルの側に摺動する。これにより、切換弁機構は、原位置から切換位置に切りかわり、流路の連通状態を切り換える。
こうして流路の連通状態の切換後に温度が更に上昇しても、第1、第2のバイメタルは共に姿勢変化後の姿勢を維持するので、流路の連通状態の切換もそのまま維持される。ところが、温度が降下を始めT12になると、それまで弁体の摺動に関与していた第1バイメタルは、凸姿勢から凹姿勢に姿勢変化するので、弁体は、第1バイメタルから離間し第2バイメタルによる摺動ができる状態になる。
更に温度が降下してT22に達すると、第2バイメタルは、凹姿勢から凸姿勢に姿勢変化を起こして弁体を摺動する。このとき、これより以前に第1バイメタルは上記のように弁体摺動を許容するよう凹姿勢に姿勢変化済みであるので、弁体は、第1バイメタルの側に摺動する。これにより、切換弁機構は、切換位置から原位置に復帰し、流路の連通状態も元に復帰する。つまり、上記したように第1、第2の感温部を有するものにあっても、流路の連通状態を切り換える温度と元の連通に復帰させる温度を意図して変えることができる。よって、所定のある温度を境に流路の連通状態の切換・復帰を行うという既存の切換弁機構とは異なり、流路の連通状態の切換と復帰を異なる温度で行うようにできるという機能を実現できるので、切換弁機構自体の用途が拡大して好ましい。しかも、第1、第2の感温部を有するものでは、両バイメタルのヒステリシス特性の上下限温度やその重なりを変えることで、流路の連通状態の切換と復帰とを行う温度設定の自由度を高めることができる。例えば、流路の連通状態の切換と復帰とを行う温度の隔たりを広くしたり、狭くしたりできる。
また、感温部を、弁機構を収納した弁本体とは別体に構成された感知部としてこれにバイメタルを内蔵させると共に、この感知部と弁本体とを、液体が充填された流路を有する流路部で連結した上で、感知部におけるバイメタルの姿勢変化を、流路部における流路内での液体の変位に変換し、該液体変位により弁本体の弁体を摺動するようにすることもできる。こうすれば、弁本体から離れた場所での温度推移に応じて、流路の連通状態を切り換えることができる。
このように感知部を設けるに当たっては、感知部を複数備え、その複数の感知部に流路部から分岐した分岐流路を連結するようにすることもできる。こうすれば、感知部設置のそれぞれの場所の一箇所で感知部のバイメタルが姿勢変化を起こす温度推移が発現すれば、流路の連通状態を切り換えできる。
次に、本発明に係る感温動作弁の実施の形態を実施例に基づき説明する。
A:第1実施例;
図1は第1実施例の感温動作弁を図記号で表した説明図、図2は第1実施例の感温動作弁10を(a)定常時と(b)作動時を併せて示す説明図である。
図示するように、感温動作弁10は、3ポート2位置切換弁であり、弁本体12に、弁体14を摺動可能に備え、この弁体14の摺動により上記ポート間の流路(APポート、ARポート)の連通状態を切り換える。より詳しくは、この感温動作弁10は、その設置個所の外気温が所定の温度(この温度を切換温度という)まで上昇すると作動し、定常状態の流路の連通状態(ARポート連通)を作動時の連通状態(APポート連通)に切り換える。なお、弁体14の構造、例えば、Oリング装着、溝形状等は既存のものと同一である。
感温動作弁10は、弁体14の一端側に、感温部20を有する。この感温部20は、凹凸が反転可能なディスク型のバイメタル22を、蓋体26で図中上下方向の動きを規制して弁本体端部の収納凹所24に収納する。この収納凹所24の底部分には、複数の貫通孔27が形成されているので、バイメタル22は、凹所内で外気に接することができる。この場合、蓋体26を通気性を有するものとすれば、バイメタル22をより外気に接することができるので好ましい。
バイメタル22は、感温動作弁10が図示する定常時にある状態の温度では、図示するように弁体14側に凹の凹姿勢を取る。弁体14は、スプリング28の付勢力をバイメタル22の側に受け、凹姿勢のバイメタル22と上端で当接する。そして、バイメタル22は、外気温が上記の切換温度に上昇すると、上記の凹姿勢から反転して弁体14の側に凸の凸姿勢となり、この凸姿勢に姿勢を変化させる。このバイメタル22の姿勢変化により、弁体14はその上端を押され、スプリング28の付勢力に抗して摺動し、流路の連通状態をARポート連通からAPポート連通に切り換える。この場合、スプリング28の収納室は、外気導入孔29により外気解放されているので、弁体14は、エアー圧縮に伴う抵抗を受けることなく円滑に摺動する。
以上説明したように、本実施例の感温動作弁10によれば、流路の開閉のみならず、流路の連通状態を弁体14の摺動により切り換える切換弁にもバイメタル22を利用でき、その用途を拡大できる。また、本実施例では、バイメタル22を有する感温部20を弁本体12の一端に装着し、バイメタル22により弁体14を直接摺動するので、感温動作弁10自体を小型化できる。
また、弁体14の摺動に電気的な構成を必要としないので、感温動作弁10は、防爆仕様を備えた切換弁として利用できる。
本実施例の感温動作弁10は、既述したように、外気温が上記の切換温度に上昇すると、バイメタル22の姿勢変化を経て流路の連通状態を切り換えるので、次のような用途に用いることができる。図3は感温動作弁10の適用例を示す説明図である。
図3に示すように、工場等の建物の天窓TWをエアーシリンダASにて自動開閉できるよう構成し、そのエアー回路に感温動作弁10を組み込む。そうすると、建物内の温度が換気が求められる切換温度に達すれば、感温動作弁10のバイメタル22の姿勢変化を経た感温動作弁10に夜流路切換により、エアーシリンダASを駆動して天窓TWを開放駆動し、換気を行うようにできる。また、切換温度を火災が発生したときの温度としておけば、火災発生による温度上昇を感温動作弁10のバイメタル22で感知して、天窓TWを自動的に解放できるので、火災に伴う煙を天窓TWから速やかに排煙できる。
また、上記したバイメタル22を、凹姿勢から凸姿勢への姿勢変化を起こす温度と、この逆の凸姿勢から凹姿勢への姿勢変化を起こす温度とが相違するヒステリシス特性を有するものとすることができる。こうすれば、例えば上記した天窓TWの自動開閉装置では、次の利点がある。
バイメタル22が凹姿勢から凸姿勢となる温度を、建物内の温度が換気が求められる温度T1とし、凸姿勢から凹姿勢に戻る温度をこの切換温度T1より低い温度T2とする。そうすると、建物内温度が上昇してT1になると、上記したように天窓TWが自動解放して換気が実行される。その後は、建物内温度が温度T1を越えても天窓TWは解放されたままで換気が継続され、この換気は、建物内温度が温度T1より低い温度T2に下がるまで続くことになる。
ところが、上記した温度T1を境に凹凸間の姿勢変化を起こすバイメタルを利用した弁機構では、建物内温度がT1に戻れば天窓TWが閉鎖されてしまう。よって、ヒステリシス特性を有するバイメタル22を組み込んだ上記構成によれば、天窓TWの解放時間を長く取れ換気効果が高まるという利点がある。
上記したヒステリシス特性は、2種の金属を貼り合わせて制作したバイメタルの両金属の組み合わせや、ディスク形状の変更、両金属の厚み等を種々調整することで、発現させることができる。
B:第2実施例;
第2実施例は、二つの感温部20を弁体14を挟んで弁本体12の両端に備える点に特徴がある。図4は第2実施例の感温動作弁30を説明するための説明図、図5はこの感温動作弁30の弁動作を説明するための説明図である。
図示するように、この感温動作弁30にあっても、既述した感温動作弁10と同様、3ポート2位置切換弁であり、弁本体12に、弁体14を摺動可能に備える。そして、弁本体12の上端に、既述した感温部20と同一の感温部20Aを備え、下端に感温部20Bを備える。感温部20Bは、感温部20と同様、ディスク型のバイメタル22Bを備えるが、感温動作弁30が図示する原位置にあるとき、バイメタル22Bは、弁体14の側に凸な凸姿勢を取る。
感温部20Aのバイメタル22Aと感温部20Bのバイメタル22Bは、それぞれ、弁体14の側に凸の姿勢となることで、他方のバイメタル側に弁体14をそれぞれ直接摺動可能である。図4では、バイメタル22Bが凸姿勢となって弁体14が摺動した状態であり、弁体14は、両バイメタルに上下端を当接させている。この状態から、バイメタル22Aが凸姿勢となって弁体14を摺動しようとすると、バイメタル22Bがその摺動を妨げる。ところが、以下に説明する両バイメタルのヒステリシス特性により、弁体14は、次のように摺動する。
この感温動作弁30では、感温部20Aのバイメタル22Aは、図示する凹姿勢から弁体14の側に凸となった凸姿勢には、45℃で姿勢変化し、この凸姿勢から弁体14と反対側に凸の凹姿勢には、30℃で姿勢変化するヒステリシス特性を有する。一方、感温部20Bのバイメタル22Bは、図示する弁体14の側に凸の凸姿勢から弁体14と反対側に凸となった凹姿勢には、40℃で姿勢変化し、その逆に、凹姿勢から図示する凸姿勢には、25℃で姿勢変化するヒステリシス特性を有する。
こうしたヒステリシス特性の相違により、感温動作弁30は、次のように動作する。今、感温動作弁30の設置場所の温度が20℃であるとする。このような温度の時刻t0では、感温動作弁30は、図4に示す原位置にある。この状態から温度が上昇して時刻t1で40℃に達すると、バイメタル22Bだけがこうした温度推移により凸姿勢から凹姿勢に変化するので、弁体14の下端には、バイメタル22Bとの間に隙間ができる。こうして隙間ができても、バイメタル22Aは、姿勢変化を起こす状態にないので、弁体14は摺動せず、感温動作弁30は原位置のままである。
ところが、温度が更に上昇し、時刻t2で45℃に達すると、バイメタル22Aだけがこうした温度推移により弁体14の側に凸の凸姿勢に変化するので、弁体14は、バイメタル22Aの姿勢変化により押されて下方に摺動し、ポートの連通を切り換える。つまり、時刻t0から時刻t2まで温度が上昇する間において、温度が45℃になる手前の状態(時刻t1〜t2)で、バイメタル22Bは、予め弁体14がバイメタル22Aによる摺動を許容するよう、姿勢変化を起こしておき、温度が45℃になって時点で感温動作弁30は流路を切り換えることになる。更に温度が上昇しても、両バイメタルはそれぞれの姿勢変化後の姿勢を維持するので、感温動作弁30は、流路を切り換えた状態を維持する。
その一方、45℃を越えて一端上昇した温度が下がり始め、時刻t3で温度が30℃まで降下すると、今度は、それまで弁体14の上端に当接した凸姿勢であったバイメタル22Aだけが姿勢を反転して凹姿勢に変化する。よって、弁体14の上端には、バイメタル22Bとの間に隙間ができる。こうして隙間ができても、バイメタル22Bは、上記の温度推移では凹姿勢から姿勢変化を起こす状態にないので、弁体14は摺動せず、感温動作弁30は切り換え位置のままである。
温度が更に降下し、時刻t4で25℃に達すると、バイメタル22Bだけがこうした温度推移により弁体14の側に凸の凸姿勢に変化するので、弁体14は、バイメタル22Bの姿勢変化により押されて上方に摺動し、ポートの連通を切り換える。つまり、時刻t3から時刻t4まで温度が降下する間において、温度が25℃になる手前の状態(時刻t3〜t4)で、バイメタル22Aは、予め弁体14がバイメタル22Bによる摺動を許容するよう、姿勢変化を起こしておき、温度が25℃になって時点で感温動作弁30は流路を切り換えて原位置に復帰することになる。更に温度が降下しても、両バイメタルはそれぞれの姿勢変化後の姿勢を維持するので、感温動作弁30は、流路を原位置のまま状態に維持する。
以上説明したように、感温部20Aと感温部20Bを両端に有する感温動作弁30によれば、ポートの連通状態を切り換える温度と元の連通に復帰させる温度を意図的に変えることができる。本実施例では、温度が45℃に達するとポートの切換を、25℃に復帰するとポートの復帰とを行うことができる。よって、本実施例によれば、所定の温度を境にポートの切換・復帰を行う既存のものとは異なり、ポートの連通状態の切換と復帰を異なる温度で行うようにできるという新たな機能を実現できるので、切換弁機構自体の用途が拡大して好ましい。しかも、両バイメタルのヒステリシス特性の上下限温度やその重なりを変えることで、ポートの連通状態の切換と復帰とを行う温度設定の自由度を高めることができる。例えば、ポートの切換を行う温度とポートの復帰を行う温度とを上記した温度から変更することで、ポートの復帰流路の連通状態の切換と復帰とを行う温度の隔たりを広くしたり、狭くしたりできる。
また、本実施例では、バイメタル22Aとバイメタル22Bを弁本体12の両端に設けたので、上記した新たな機能を有する感温動作弁を小型化できる。
C:第3実施例;
第3実施例は、感温部と弁本体を離間して備える点に特徴がある。図6は第3実施例の感温動作弁40の構成をその弁動作と合わせて説明するための説明図である。
図示するように、この感温動作弁40は、弁体14を摺動自在に有する弁本体12と、これとは別体に構成された感温部50とを備える。弁本体12は、既述した実施例と同様、3ポート2位置切換弁であり、弁体14の摺動により上記ポート間の流路(APポート、ARポート)の連通状態を切り換える。
感温部50は、ケース51を有し、ケース内の収納室に、バイメタル52をシール部材53で液密に収納して備え、柔軟なパイプからなる流路体54を介して、弁本体12と連結されている。バイメタル52は、ケース上面の開口を経て外部に露出して外気と接触し、外気温に応じて、外部の側に凸の凸姿勢とその逆の凹姿勢との間で姿勢変化を起こす。
流路体54は、感温部50におけるバイメタル下面の液室55と、弁本体12における弁体一端側の液室56とを内部のパイプ流路で連結する。感温部50側の液室55と弁本体12側の56および流路体54のパイプ流路とは、その内部が液体で充填されている。よって、バイメタル52が凹凸姿勢の姿勢変化を起こすと、その姿勢変化は、液室55にて液体の変位に変換され、当該変位は、流路体54を経て弁本体12の液室56に伝わる。つまり、図における定常時の凸姿勢にあるバイメタル52が凹姿勢に変化すると、液室55の液体は押され、液室56には液体が押し込まれる。液室56に押し込まれた液体は、弁体14を押し上げて摺動させるので、この弁体14の摺動により、ポート間の連通状態が切り換えられる。この逆に、バイメタル52が凹姿勢から凸姿勢に変化(復帰)すると、液室55の液体は引き上げられ、液室56からは液体が流路体54の側に戻される。そうすると、弁体14は、スプリング28の付勢力を受けて元の位置に戻る。
流路体54や液室55、液室56に充填する液体としては、水、オイル(例えば、シリコーンオイル)等の種々のものが利用できる。オイルを利用した場合は、凍結温度が低いので、寒冷地での感温動作弁40の使用に適している。
上記構成の感温動作弁40では、弁体14から離れた箇所に設置した感温部50がその場所での温度推移に応じて上記したように姿勢変化を起こすので、流路の連通切換を遠隔操作できる。よって、図3に示した天窓開閉装置にこの感温動作弁40を適用すれば、建物内の作業環境近くに設置した感温部50により、作業環境近くの温度に応じて天窓TWを自動開閉できる。なお、この感温動作弁40についても、そのバイメタル52を上記したヒステリシス特性を有するものとできる。
上記した感温動作弁40は、天窓TWの開閉装置等として、次のように変形した上で適用できる。図7は感温動作弁40の変形例を説明するための説明図である。
この変形例では、感温動作弁40を図3の感温動作弁10に替えて設置し、感温動作弁40は感温部50を複数備える。それぞれの感温部50は、流路体54から分岐した流路を有する分岐流路57で連結されており、各感温部の液室55は弁本体12の液室56と流体を介在させて連結されている。この変形例によれば、種々の場所に設置した感温部50の一つでも外気温の変化に応じてそのバイメタル52が姿勢変化を起こせば、感温動作弁40を上記したように作動させて、ポートの連通状態の切換・復帰を図ることができる。
D:第4実施例;
第4実施例は、ガス容器やガス流路といった高圧のガス設備に装着され、温度変化によるバイメタルの姿勢変化を利用してガス設備内のガスを外部に放出する点に特徴がある。図8は第4実施例の感温動作弁60を(a)定常時と(b)作動時と(c)作動後の弁状態を併せて示す説明図である。
第4実施例の感温動作弁60によるガス放出は、後述するようにバイメタル74の姿勢変化を契機として起こすのであるが、この感温動作弁60の設置個所周辺の温度上昇に伴ってガスを放出する用途とすることも、ガス設備内のガス温度の上温に伴ってガスを放出する用途とすることもできる。まず、前者の用途の場合について説明する。なお、周辺温度の上昇に伴うガス放出の用途の場合と、ガス温度の上昇に伴うガス放出の用途の場合とでは、上記したバイメタル74が姿勢変化を起こす温度は相違し、前者の用途では後者の用途でのバイメタル74の姿勢変化は起きないとして説明する。後者の用途の説明の場合も同様である。
図示するように、この感温動作弁60は、図示しないガス設備にねじ込み装着される弁本体62と、この弁本体62に組み込まれガス放出に際して摺動する弁体64とを備える。弁本体62は、ガス設備へのねじ込みに際して、シール部材63にて気密に装着される。
弁体64は、弁本体内の収納室66で気密に摺動し、ガス設備内から収納室66にガスを導き入れるガス流路68をその開口で開閉する。収納室66の底面には、ガス流路68の開口を取り囲むようシール部材69が配設され、収納室底面に弁体64端面が当接した場合の気密性が高められている。
収納室66はその上端が蓋体70で閉鎖され、この蓋体70は、後述するバイメタルの弁座として機能すると共に、スプリング71の支えとしても、また、弁体64のストッパとしても機能する。スプリング71は、その付勢力を弁体64に及ぼして弁体下端をガス流路68の開口に当接させ、ガス流路68を弁体64により閉鎖させる。このようにガス流路68が閉鎖された状態において、収納室66における弁体64より上の収納室上部領域67には、パイロット流路72を経てガス設備内のガスが導かれる。
感温動作弁60は、弁本体62の上端に、ディスク型のバイメタル74を収納して備える。バイメタル74は、蓋体70の側に凸の凸姿勢を通常取り、蓋体70にあけられた貫通孔76をその開口で後述するように開閉する。バイメタル74は、ガス設備内のガスに、パイロット流路72、収納室上部領域67および貫通孔76を経由して接触すると共に、弁本体62の上端開口側で大気と接触している。
この場合、感温動作弁60の用途は、周辺温度の上昇に伴うガス放出であることから、バイメタル74は、上記の大気温度に依存して姿勢変化を起こし、大気温度(環境温度)の上昇により、蓋体70から離れるよう凹姿勢に姿勢変化を起こす。また、この凹姿勢からは、大気温度の低下に伴い元の凸姿勢に復帰する。つまり、バイメタル74の姿勢変化は、大気温度のみに依存して起きることになり、貫通孔76を介してバイメタル74に接触するガス温度では起きない。なお、貫通孔76の開口にはシール部材が配設されており、バイメタル74の当接の際の気密性が確保されている。
この他、感温動作弁60は、収納室66を大気解放するためのガス放出孔78と、バイメタル74で塞がれた領域を大気解放するための大気貫通孔79とを有する。ガス放出孔78は、弁体64がスプリング71に抗して蓋体70の側に摺動することで、収納室66と連通され、弁体64がガス流路68を閉鎖するよう摺動した状態では、収納室66との連通が遮断されるようになっている。つまり、弁体64は、その摺動により、収納室66とガス放出孔78との連通状態を連通・遮断するという弁機能を果たす。
上記構成の感温動作弁60は、次のようにしてガス設備内の高温ガスを大気に放出する。この感温動作弁60にあっては、バイメタル74が上記した凸姿勢から凹姿勢に姿勢変化する切換温度は、大気温度が上昇して設備内ガスを放出すべき温度となるよう設定されている。
図8(a)に示す定常時では、大気温度は低く、ガス設備内のガスは、パイロット流路72を経由して弁体64より上の収納室上部領域67に入り込む。このとき、弁体64は、その下端ではガス流路68の開口面積でガス圧を受け、上端側では収納室66の断面積でガス圧を受け、上下の受圧面積の相違から、ガス流路68の側に摺動して、ガス流路68を閉鎖している。この際、弁体64はスプリング71の付勢力も受けているので、この流路閉鎖はより確実となる。
今、大気温度が上昇して上記したバイメタル74の切換温度に達すると、この大気に接触しているバイメタル74は、こうした温度推移により、蓋体70側に凸の凸姿勢から姿勢を反転し、図8(b)に示すように、凹姿勢となる。これにより、貫通孔76は解放されるので、収納室66のガスは、貫通孔76および大気貫通孔79を経て大気放出される。この場合、パイロット流路72は小径なため、そのガス放出は、感温動作弁60に求められる大流量での放出とはならない。
しかしながら、収納室上部領域67内のガス放出により、弁体64を挟んだ圧力バランスが崩れ、弁体64は、ガス流路68からの流入ガスに押されることになり、スプリング71に抗して蓋体70の側に摺動する。この状態は、図8(b)に示されている。こうなると、ガス放出孔78が収納室66を経てガス流路68に連通するので、ガス設備内のガスは、径の大きなこれらガス流路68とガス放出孔78から大流量で大気放出される。大気温度が上記の切換温度以上に上昇しても、バイメタル74はこの高温の大気に直接接しているので依然として図8(b)に示す凹姿勢である。よって、大流量でのガス放出は継続される。
その一方、大気温度が所定の温度、即ちバイメタル74が凸姿勢に反転復帰する温度まで低下すると、バイメタル74は、図8(c)に示すように、凸姿勢に復帰し、貫通孔76を閉鎖する。この状態では、パイロット流路72は弁体64の周壁で塞がれているので、収納室66へのガス流入は、ガス流路68からに限られる。よって、大気温度が低下しても、ガス流路68からのガス流入による弁体64の押圧力がスプリング71の付勢力に勝るほど、ガス圧が高い状態では、収納室66に流入するガスにより、弁体64はスプリング71に抗して押圧されたままである。このため、ガス放出孔78とガス流路68の連通は維持され、大流量でのガス放出は継続される。つまり、大気温度が下がってもガス圧が高い状況下では、大流量でのガス放出は継続されることになる。
そして、ガス設備内のガス放出が完了すると、弁体64は、スプリング71の付勢力を受けてガス流路68の側に摺動復帰する。こうなると、弁体64より上部の収納室上部領域67へのガス流入も起きて既述したように、弁体64はガス流路68を閉鎖する。加えて大気温が低下すると、大気温度の上昇に伴って作動してガス放出を行った感温動作弁60は、定常状態に復帰する。
以上説明したように、本実施例によれば、上記した実施例と同様に、バイメタル74の姿勢変化を通して弁体64を摺動させ、この弁体摺動を介して流路の連通状態を切り換えることができる。しかも、本実施例の感温動作弁60は、当該弁の設置個所の温度(大気温度・環境温度)が上昇すると、ガス設備内のガスを大流量で放出するという機能をバイメタルを利用して果たすことができる。よって、バイメタルの用途をこうした弁の分野にまで拡大できる。
しかも、本実施例の感温動作弁60は、高圧ガスをガス設備から大気放出させる既存の弁、即ち溶融合金を利用したいわゆる溶栓と同一の機能(大流量での高温ガス放出)を果たすことができる。よって、バイメタルの用途をこうした弁の分野にまで拡大できる。加えて、既存の溶栓は合金溶融を伴うので一旦作動すると機能を回復できないのに対し、本実施例の感温動作弁60によれば、ガス温・ガス圧の低下後には、その機能を回復できるので、繰り返し利用が可能となる。
次に、上記した感温動作弁60を、ガス設備内のガス温度の上温に伴ってガスを放出する用途とした場合について説明する。なお、こうした用途であっても、感温動作弁60の構成は変わるものではないので、ガス温度と弁動作の関係について説明する。
この用途であれば、バイメタル74はガス設備内のガス温度によって弁本体62を介して温度が上昇し、蓋体70から離れるよう凹姿勢に姿勢変化を起こす。また、この凹姿勢からは、ガス設備内のガス温度の低下に伴い元の凸姿勢に復帰する。つまり、バイメタル74が上記した凸姿勢から凹姿勢に姿勢変化する切換温度は、ガス温度が上昇して設備内ガスを放出すべき温度となるよう設定されているので、バイメタル74の姿勢変化は、ガスの温度に依存して起きることになる。
そして、ガス設備内のガス放出が完了したり、ガス温・ガス圧の上昇原因が解消されると、弁体64は、スプリング71の付勢力を受けてガス流路68の側に摺動復帰する。こうなると、弁体64より上部の収納室66へのガス流入も起きて既述したように、弁体64はガス流路68を閉鎖する。これにより、ガス温度上昇に伴って作動してガス放出を行った感温動作弁60は、定常状態に復帰する。
以上説明したように、本実施例によれば、上記した実施例と同様に、バイメタル74の姿勢変化を通して弁体64を摺動させ、この弁体摺動を介して流路の連通状態を切り換えることができる。
E:第5実施例;
第5実施例にあっても、大気温度或いはガス温度の上昇に伴うバイメタルの姿勢変化を利用してガス設備内のガスを外部に放出する点に特徴がある。図9は第5実施例の感温動作弁80を(a)定常時と(b)作動時と(c)作動後の弁状態を併せて示す説明図である。図示するように、この感温動作弁80は、スプリング71を有しない点以外では、上記した感温動作弁60と同一の構成を有する。なお、説明の簡便化のため、ガス放出を大気温度の上昇に伴い行う場合についてのみ説明するが、ガス放出をガス温度の上昇に伴って行うことができることはもちろんである。
この感温動作弁80での高温ガス放出は、次の通りである。
図9(a)に示す定常時では、ガス温度は低く、当該ガスは、パイロット流路72を経由して弁体64より上の収納室上部領域67に入り込む。このとき、弁体64は、その下端ではガス流路68の開口面積でガス圧を受け、上端側では収納室上部領域67の断面積でガス圧を受け、上下の受圧面積の相違から、ガス流路68の側に摺動して、ガス流路68を閉鎖している。
今、大気温度が上昇して上記したバイメタル74の切換温度に達すると、貫通孔76を経てガスに晒されているバイメタル74は、こうした温度推移により、蓋体70側に凸の凸姿勢から姿勢を反転し、図9(b)に示すように、凹姿勢となる。これにより、貫通孔76は解放されるので、収納室上部領域67のガスは、貫通孔76および大気貫通孔79を経て大気放出される。しかしながら、パイロット流路72は小径なため、そのガス放出は、感温動作弁60に求められる大流量での放出とはならない。
しかしながら、収納室上部領域67内のガス放出により、弁体64を挟んだ圧力バランスが崩れ、弁体64は、ガス流路68からの流入ガスに押されるので、蓋体70の側に摺動する。この状態は、図9(b)に示されている。こうなると、ガス放出孔78が収納室66を経てガス流路68に連通するので、ガス設備内のガスは、径の大きなこれらガス流路68とガス放出孔78から大流量で大気放出される。大気温度が上記の切換温度以上に上昇しても、バイメタル74はこの高温大気に直接晒されるので依然として図9(b)に示す凹姿勢である。よって、大流量でのガス放出は継続される。
その一方、こうしたガス放出等により大気温度が所定の温度、即ちバイメタル74が凸姿勢に反転復帰する温度まで低下すると、バイメタル74は、図9(c)に示すように、凸姿勢に復帰し、貫通孔76を閉鎖する。この状態では、パイロット流路72は弁体64の周壁で塞がれているので、収納室66へのガス流入はガス流路68からに限られる。本実施例では、図8の感温動作弁60と異なりスプリング71を有しないので、スプリング71の付勢力による弁体64の押し下げは起きない。よって、収納室66にガス流路68からガス流入が起きている限り、弁体64は蓋体70の側に押されて摺動しない。つまり、本実施例の感温動作弁80は、大気温度が低下してもガス放出孔78とガス流路68の連通を維持して、大流量でのガス放出を継続することができるので、高温ガスをガス設備から大気放出させる既存の溶栓の代用品とすることができる。
なお、図9では、ガス温度低下時にパイロット流路72を弁体64の周壁で塞ぐようにしたが、次のように変形することもできる。図10は感温動作弁80の変形例を図9(c)に相当する状態で説明する説明図である。
図示するように、この変形例では、弁体64は、その下端側周壁に切欠65を有する。この切欠65は、弁体64が蓋体70の側に一旦摺動すると、パイロット流路72を弁体下端のガス流路68の側で収納室66に連通させる。よって、収納室66には、パイロット流路72とガス流路68からガスが流入するが、このガスは総てガス放出孔78から大気放出される。一方、弁体64は、こうして弁体下端側の収納室66に流入するガスのガス圧だけを受けるので、蓋体70の側に摺動したままとなる。つまり、この変形例の感温動作弁80にあっても、大気温度が低下してもガス放出孔78とガス流路68の連通を維持して、大流量でのガス放出を継続することができるので、既存の溶栓の代用品とすることができる。
F:第6実施例;
第6実施例にあっても、ガス温度或いは大気温度の上昇に伴うバイメタルの姿勢変化を利用してガス設備内のガスを外部に放出する点に特徴がある。図11は第6実施例の感温動作弁90を(a)定常時と(b)作動時と(c)作動後の弁状態を併せて示す説明図である。図示するように、この感温動作弁90は、収納室66の弁体に蓋体70の側から背圧をかけるよう構成した点以外では、上記した図8の感温動作弁60と同一の構成を有する。
この感温動作弁90が有する弁体92は、蓋体70の側の上端周壁に小径部94を有する。この小径部94は、弁体92が蓋体70の側に摺動した場合でも、パイロット流路72からガスが蓋体70と弁体92との間の収納室上部領域67に入り込むようにする。これにより、弁体92には、ガス流路68の側のガス圧に対する背圧がかかることになる。
この感温動作弁90での高温ガス放出は、次の通りである。
図11(a)に示す定常時では、大気温度は低く、ガスはパイロット流路72を経由して弁体92より上の収納室上部領域67に入り込む。このとき、弁体92は、その下端ではガス流路68の開口面積でガス圧を受け、上端側では収納室上部領域67の断面積でガス圧を受け、上下の受圧面積の相違から、ガス流路68の側に摺動して、ガス流路68を閉鎖している。この際、弁体92はスプリング71の付勢力も受けているので、この流路閉鎖はより確実となる。
今、大気温度が上昇して上記したバイメタル74の切換温度に達すると、貫通孔76を経てガスに晒されて接触しているバイメタル74は、こうした温度推移により、蓋体70側に凸の凸姿勢から姿勢を反転し、図11(b)に示すように、凹姿勢となる。これにより、貫通孔76は解放されるので、収納室上部領域67のガスは、貫通孔76および大気貫通孔79を経て大気放出される。しかしながら、パイロット流路72は小径なため、そのガス放出は、感温動作弁60に求められる大流量での放出とはならない。
しかしながら、収納室上部領域67内のガス放出により、弁体92を挟んだ圧力バランスが崩れ、弁体92は、ガス流路68からの流入ガスに押されるので、蓋体70の側に摺動する。この状態は、図11(b)に示されている。こうなると、ガス放出孔78が収納室66を経てガス流路68に連通するので、ガス設備内のガスは、径の大きなこれらガス流路68とガス放出孔78から大流量で大気放出される。大気温度が上記の切換温度以上に上昇しても、バイメタル74はこの高温大気に直接晒されるので依然として図11(b)に示す凹姿勢である。よって、大流量でのガス放出は継続される。
その一方、こうしたガス放出等により大気温度が所定の温度、即ちバイメタル74が凸姿勢に反転復帰する温度まで低下すると、バイメタル74は、図11(c)に示すように、凸姿勢に復帰し、貫通孔76を閉鎖する。この状態となっても、パイロット流路72は、蓋体70と弁体92との間の収納室上部領域67に小径部94を介して連通していることから、パイロット流路72からガスが流入し、弁体92には、蓋体70の側から背圧がかかることになる。この背圧は収納室上部領域67の断面積で弁体92に作用する。そうすると、弁体92には、ガス流路68の側からのガス圧と、蓋体70の側からのガス圧(背圧)とスプリング71の付勢力が作用するので、そのバランスに基づいて弁体92は摺動する。この場合、弁体92を挟んでかかるガス圧は、その受圧面積が収納室66(収納室上部領域67)の断面積で同じであることから、弁体92は、スプリング71の付勢力の分だけ勝る力で蓋体70の側から押されることになる。よって、弁体92は、ガス流路68の側に押されて摺動し、このガス流路68を閉鎖する。これにより、大気温度上昇に伴って作動してガス放出を行った感温動作弁90は、定常状態に復帰する。
つまり、本実施例の感温動作弁90によれば、既存の溶栓と同一の機能を果たすことができ、バイメタルの用途を拡大できるばかりか、大気温度が低下すれば機能を回復できるので、繰り返し利用が可能となる。しかも、機能回復は、大気温度の低下が起きれば良く、ガス圧の高低に影響されないので、ガス放出後の温度低下により速やかにガス放出を停止できる。
G:第7実施例;
この第7実施例は、大気温度の上昇に伴うバイメタルの姿勢変化を利用してガス設備内のガスを外部に放出する点に特徴がある。図12は第7実施例の感温動作弁100を(a)定常時と(b)作動時の弁状態を併せて示す説明図である。
図示するように、この感温動作弁100は、図示しないガス設備にねじ込み装着される弁本体102と、この弁本体102に組み込まれガス放出に際して摺動する弁体104とを備える。弁本体102は、ガス設備へのねじ込みに際して、シール部材103にて気密に装着される。
弁体104は、Oリングを介して弁本体内の収納室106で気密に摺動し、小径の中間部位と収納室106内壁との間に連通室112を形成する。弁体104は、定常時では、ガス設備内から収納室106にガスを導き入れるガス流路108と、収納室106からガスを放出するガス放出孔110との連通を遮断し(図12(a)参照)、この位置よりも上方に摺動することで、ガス流路108とガス放出孔110を連通室112を介して連通させる(図12(b)参照)。弁体104の摺動の様子については後述する。
感温動作弁100は、弁本体102の上端に、ディスク型のバイメタル114を収納して備える。バイメタル114は、弁体104の側に凸の凸姿勢を通常取り、この弁体104を収納室106のスプリング116に抗して押し下げる。この状態では、バイメタル114は、弁体104を貫通する貫通孔118を閉鎖せず、収納室106の圧力は常に大気圧に解放されている。バイメタル114は、弁本体102上端の開口で大気と接触しており、大気温度(環境温度)の上昇により、弁体104から離れるよう凹姿勢に姿勢変化を起こす。また、この凹姿勢からは、大気温度の低下に伴い元の凸姿勢に復帰する。
上記構成の感温動作弁100は、次のようにしてガス設備内の高温ガスを大気に放出する。この感温動作弁100にあっては、バイメタル114が上記した凸姿勢から凹姿勢に姿勢変化する切換温度は、大気温度が上昇して設備内ガスを放出すべき温度となるよう設定されている。
図12(a)に示す定常時では、大気温が低いために、バイメタル114は、凸姿勢を取って弁体104を押し下げる。この状態では、弁体104は、その周壁でガス放出孔110を閉鎖しているので、ガス設備内のガスは、ガス流路108を経て連通室112に流入しているに過ぎない。連通室112に流入したガスは、弁体104に対して上下の向きにそのガス圧力(1次圧)を及ぼすので、弁体104の摺動には関与しない。
今、大気温度が上昇して上記したバイメタル114の切換温度に達すると、このバイメタル114は、こうした温度推移により、弁体104の側に凸の凸姿勢から姿勢を反転し、図12(b)に示すように、凹姿勢となる。これにより、弁体104は、下端のスプリング116の付勢力を受けて摺動し、ガス流路108とガス放出孔110を連通室112を介して連通させる。よって、ガス設備内のガスは、ガス放出孔110から大気放出される。大気温度が上記の切換温度以上に上昇しても、バイメタル114は依然として図12(b)に示す凹姿勢であるので、ガス放出は継続される。
その一方、大気温度が所定の温度、即ちバイメタル114が凸姿勢に反転復帰する温度まで低下すると、バイメタル114は、図12(a)に示す凸姿勢に復帰する。こうした凸姿勢への姿勢変化の際、バイメタル114は、弁体104をスプリング116に抗して押し下げ摺動させるので、弁体104は、ガス放出孔110を閉鎖する。これにより、大気温度上昇に伴って作動してガス放出を行った感温動作弁100は、定常状態に復帰する。なお、弁体押し下げの際、収納室106底部領域のエアーは、弁体104の貫通孔118を経て大気放出さえるので、弁体124はスムースに押し下げ摺動される。
つまり、本実施例の感温動作弁100によっても、上記した実施例と同様に、バイメタル114の姿勢変化を通して弁体104を摺動させ、この弁体摺動を介して流路の連通状態を切り換えることができる。しかも、本実施例の感温動作弁100は、当該弁の設置個所の温度(大気温度・環境温度)が上昇すると、ガス設備内のガスを放出するという機能をバイメタルを利用して果たすことができる。よって、バイメタルの用途をこうした弁の分野にまで拡大できる。加えて、本実施例の感温動作弁100によれば、大気温の低下後には、その機能を回復できるので、繰り返し利用が可能となる。
また、感温動作弁100では、次のような利点がある。
ガス設備内のガスはガス流路108を経て連通室112に流入するが、連通室112が弁体104の中央部位にあるため、ガス圧(1次圧)は弁体摺動に関与しない。つまり、連通室112に流入したガスは、その1次圧を、弁体104と当接しているバイメタル114についても及ぼさない。このため、バイメタル114は、ガス設備内のガス圧が高い場合であっても、上記した姿勢変化に伴って弁体104をスプリング116に抗して押し下げ摺動させれば良い。この結果、感温動作弁100は、ガス圧の高低に拘わらず使用できることから、その用途が拡大する。
H:第8実施例;
この第8実施例にあっても、大気温度或の上昇に伴うバイメタルの姿勢変化を利用してガス設備内のガスを外部に放出する点に特徴がある。図13は第8実施例の感温動作弁120を(a)定常時と(b)作動時と(c)作動後の弁状態を併せて示す説明図である。
図示するように、この感温動作弁120は、図示しないガス設備にねじ込み装着される弁本体122と、この弁本体122に組み込まれガス放出に際して摺動する弁体124とを備える。弁本体122は、ガス設備へのねじ込みに際して、シール部材123にて気密に装着される。
弁体124は、Oリングを介して弁本体内の収納室126で気密に摺動し、小径の中間部位と収納室126内壁との間に連通室128を形成して備える。弁体124は、定常時では、ガス設備内から収納室126にガスを導き入れるガス流路130と、収納室126からガスを放出するガス放出孔132との連通を遮断し(図13(a)参照)、この位置よりも下方に摺動することで、ガス流路130とガス放出孔132を連通室128を介して連通させる(図13(b)参照)。弁体104の摺動の様子については後述する。
また、感温動作弁120は、この弁体124を図13(a)、(b)に示すそれぞれの位置で停止保持するための節度機構を有する。この節度機構は、弁体124において、弁体の軸と交差して貫通する貫通孔134の両側に鋼球136を配し、両鋼球をスプリング138にて押し出すようにして構成される。その一方、収納室126の内周壁にあっては、鋼球136が入り込むテーパ状の節度溝140、141を有する。そして、節度溝140に鋼球136が入り込むことで、弁体124は、図13(a)に示す位置(閉鎖位置)で停止保持される。この場合、節度溝140はガス流路130の開口端に設けられているので、ガス流路130は、閉鎖位置にある弁体124の上下のOリングで閉鎖されている。一方、節度溝141に鋼球136が入り込むと、弁体124は、図13(b)に示す位置(解放位置)で停止保持される。
感温動作弁120は、弁本体122の上端に、ディスク型のバイメタル144を収納して備える。バイメタル144は、弁体124と反対の側に凸の凸姿勢を通常取り、弁体124は、既述した節度機構により図13(a)に示す閉鎖位置で停止している。なお、弁体124がこの位置にある場合、弁体124はバイメタル144と当接していても良いし、若干の隙間を残してバイメタル凹面に対向していてもよい。
バイメタル144は、弁本体122上端の開口で大気と接触しており、大気温度(環境温度)の上昇により、弁体124の側に凸となるよう凹姿勢に姿勢変化を起こす。また、この凹姿勢からは、大気温度の低下やガス放出に伴う弁自体の冷却に伴い元の凸姿勢に復帰する。
上記構成の感温動作弁120は、次のようにしてガス設備内の高温ガスを大気に放出する。この感温動作弁120にあっては、バイメタル144が上記した凸姿勢から凹姿勢に姿勢変化する切換温度は、大気温度が上昇して設備内ガスを放出すべき温度となるよう設定されている。
図13(a)に示す定常時では、大気温が低いために、バイメタル144は凸姿勢を取っており、弁体124には何の力も及ぼさず、弁体124は、既述したように、節度機構により図13(a)に示す閉鎖位置で停止している。この状態では、弁体124は、その上下のOリングでガス流路130を閉鎖しているので、ガス設備内のガスは、ガス流路130および貫通孔134に流入しているに過ぎない。なお、当該ガスは、弁体124に対して上下の向きにそのガス圧力(1次圧)を及ぼすので、弁体124の摺動には関与しない。
今、大気温度が上昇して上記したバイメタル144の切換温度に達すると、このバイメタル144は、こうした温度推移により、弁体124と反対の側に凸であった凸姿勢から姿勢を反転し、図13(b)に示すように、弁体124の側に凸の凹姿勢となる。これにより、弁体124は、バイメタル144に直接押し下げられて、下方に摺動する。この場合、バイメタル144の上記した姿勢変化に基づく弁体押し下げ力は、節度溝140に入り込んだ鋼球136をスプリング138に抗して引き込ませることができるようにされている。
このように弁体124が押し下げられると、弁体124は、鋼球136が節度溝141に入り込むまで摺動して、図13(b)の解放位置に停止する。この場合、収納室126のエアーは、エアー放出孔139を経て大気放出されるので、弁体124はスムースに解放位置まで摺動し当該位置に停止する。
弁体124が解放位置に停止すると、ガス流路130は、連通室128を経てガス放出孔132と連通するので、ガス設備内のガスは、ガス放出孔132から大気放出される。大気温度が上記の切換温度以上に上昇しても、バイメタル144は依然として図13(b)に示す凹姿勢であるので、ガス放出は継続される。
その一方、大気温度が所定の温度、即ちバイメタル144が凸姿勢に反転復帰する温度まで低下すると、バイメタル144は、大気温度の降下推移により図13(c)に示すように凸姿勢に復帰する。ところで、ガス設備のガスが高圧であると、ガス放出孔132からのガス放出に際して断熱膨張を起こして感温動作弁120、延いてはバイメタル144自体を冷却することも起き得る。こうした冷却を受けた場合でも、バイメタル144は、大気温度降下の場合と同様、図13(c)に示すように凸姿勢に復帰する。
バイメタル144は、こうした凸姿勢への復帰に際して弁体124を摺動させないので、弁体124は、図示する解放位置に留まったままである。よって、ガス設備内のガスは、ガス流路130と連通室128を経てガス放出孔132から放出され続ける。つまり、大気温度上昇に伴って作動してガス放出を行った感温動作弁120は、バイメタル144が元の姿勢に復帰しても、ガス放出を継続する。
以上説明したように、本実施例の感温動作弁120によれば、上記した実施例と同様に、バイメタル144の姿勢変化を通して弁体124を摺動させ、この弁体摺動を介して流路の連通状態を切り換えることができる。しかも、本実施例の感温動作弁120は、当該弁の設置個所の温度(大気温度・環境温度)が上昇すると、ガス設備内のガスを放出するという機能をバイメタルを利用して果たすことができる。なお、感温動作弁120にあっても、設備内のガス圧(1次圧)は弁体摺動に関与しないので、上記した感温動作弁100と同様、ガス圧の高低に拘わらず使用できるという利点がある。
I:第9実施例;
この第9実施例は、ガス温度の上昇に伴うバイメタルの姿勢変化を利用してガス設備内のガスを外部に放出する点に特徴がある。図14は第9実施例の感温動作弁150を(a)定常時と(b)作動時と(c)作動後の弁状態を併せて示す説明図である。
図示するように、この感温動作弁150は、図示しないガス設備にねじ込み装着される弁本体152と、この弁本体152に組み込まれガス放出に際して摺動する弁体154とを備える。なお、ガス設備への弁本体のねじ込みに際して、図示しないシール部材を装着して気密とすることもできる。
感温動作弁150は、収納室156に気密に摺動可能に組み込んだ弁体154の一端側に、ディスク収納室158を備え、当該収納室にディスク型のバイメタル160を収納する。このディスク収納室158は、蓋体161で閉鎖され、外気から遮蔽されている。
弁体154は、Oリングを介して弁本体内の収納室156で気密に摺動する。弁体154は、定常時では、ガス設備内からディスク収納室158にガスを導き入れるガス流路162と、収納室156からガスを放出するガス放出孔164との連通を遮断する(図14(a)参照)。また、弁体154は、軸方向に貫通する軸方向貫通孔166と、軸に交差して貫通する軸交差貫通孔168を備え、図14(a)に示す位置(原位置)よりも図中右方に摺動することで、ガス流路162とガス放出孔164とを、ディスク収納室158と軸方向貫通孔166および軸交差貫通孔168を介して連通させる(図14(b)参照)。弁体154の摺動の様子については後述する。
ディスク収納室158に収納されたバイメタル160は、弁体154と反対の側に凸の凸姿勢を通常取る。弁体154が上記した原位置(図14(a)参照)にある場合、弁体154はバイメタル160と当接していても良いし、若干の隙間を残してバイメタル凹面に対向していてもよい。
バイメタル160は、弁体154の軸方向貫通孔166と対向するよう、その中央に貫通孔170を備え、ディスク収納室158において、当該収納室にガス流路162から流入するガス設備内のガスに直接晒されている。よって、バイメタル160は、ガス設備内のガス温度の上昇により、弁体154の側に凸となるよう凹姿勢に姿勢変化を起こす。また、バイメタル160は、この凹姿勢から、ガス温度の低下やガス放出に伴う弁自体の冷却に伴い元の凸姿勢に復帰する。
弁本体152は、ディスク収納室158を形成する凹状の面に凹所171を備えるので、バイメタル160が上記の凹姿勢となっても、ガス流路162からガス設備内のガスを導き入れる。よって、バイメタル160は、凹姿勢となってもガス設備内のガスに直接晒される。
上記構成の感温動作弁150は、次のようにしてガス設備内の高温ガスを大気に放出する。この感温動作弁150にあっては、バイメタル160が上記した凸姿勢から凹姿勢に姿勢変化する切換温度は、ガス温度が上昇して設備内ガスを放出すべき温度となるよう設定されている。
図14(a)に示す定常時では、ガス温度が低いために、バイメタル160は図示する凸姿勢を取っており、弁体154には何の力も及ぼさず、弁体154は、図14(a)に示す位置(原位置)で停止している。この状態では、弁体154は、その周壁でガス放出孔164を閉鎖しているので、ガス設備内のガスは、ガス流路162からディスク収納室158に流入するものの、放出される状態にはない。
こうしてディスク収納室158に流入したガスは、軸交差貫通孔168と軸方向貫通孔166を経て弁体154右方側の収納室156にも入り込むので、弁体154の左右両端に、ガス設備内のガス圧(1次圧)がかかることになる。このため、1次圧の高低に拘わらず、弁体154は、定常時において、原位置を維持し、ガス放出を起こさない。
今、ガス温度が上昇して上記したバイメタル160の切換温度に達すると、このバイメタル160は、こうした温度推移により、弁体154と反対の側に凸であった凸姿勢から姿勢を反転し、図14(b)に示すように、弁体154の側に凸の凹姿勢となる。これにより、弁体154は、バイメタル160に直接押されて、右方に摺動する。この場合、バイメタルの姿勢変化による弁体摺動距離は、弁本体152の軸交差貫通孔168がガス放出孔164にほぼ一致するようなものとされているので、弁体154摺動により、軸交差貫通孔168はガス放出孔164と重なることになる(図14(b)参照)。なお、弁体154右方のガスは、弁体154を挟んだ圧力がバランスされていることから、弁体154の摺動を阻害しない。
弁体154が収納室156端部側に摺動すると、ガス流路162は、図14(b)に示すように、ディスク収納室158、軸方向貫通孔166および軸交差貫通孔168を経てガス放出孔164と連通するので、ガス設備内のガスは、ガス放出孔164から大気放出される。ガス温度が上記の切換温度以上に上昇しても、バイメタル160は依然として図14(b)に示す凹姿勢であるので、ガス放出は継続される。
その一方、ガス温度が所定の温度、即ちバイメタル160が凸姿勢に反転復帰する温度まで低下すると、バイメタル160は、ガス温度の降下推移により図14(c)に示すように凸姿勢に復帰する。ところで、ガス設備のガスが高圧であると、ガス放出孔164からのガス放出に際して断熱膨張を起こして感温動作弁150、延いてはバイメタル160自体を冷却することも起き得る。こうした冷却を受けた場合でも、バイメタル160は、ガス温度降下の場合と同様、図14(c)に示すように凸姿勢に復帰する。
バイメタル160は、こうした凸姿勢への復帰に際して弁体154を摺動させないので、弁体154は、図示する位置に留まったままである。よって、ガス設備内のガスは、ガス流路162とディスク収納室158と軸方向貫通孔166および軸交差貫通孔168を経てガス放出孔164から放出され続ける。つまり、ガス温度上昇に伴って作動してガス放出を行った感温動作弁150は、バイメタル160が元の姿勢に復帰しても、ガス放出を継続する。
以上説明したように、本実施例の感温動作弁150によれば、上記した実施例と同様に、バイメタル160の姿勢変化を通して弁体154を摺動させ、この弁体摺動を介して流路の連通状態を切り換えることができる。しかも、本実施例の感温動作弁150は、ガス設備内のガス温度が上昇すると、ガス設備内のガスを放出するという機能をバイメタルを利用して果たすことができる。なお、感温動作弁150にあっても、設備内のガス圧(1次圧)は弁体摺動に関与しないので、上記した感温動作弁100と同様、ガス圧の高低に拘わらず使用できるという利点がある。
この感温動作弁150は、ガス温度の推移に応じてガス設備内のガス放出を停止するよう変形することができる。図15は変形例の感温動作弁150を(a)定常時と(b)作動時と(c)作動後の弁状態を併せて示す説明図である。
図示するように、この変形例では、弁本体152Aは、収納室156をガス流路162に軸方向に連通して備え、この収納室156に弁体154を上下に摺動可能に有する。そして、定常時には、弁体154の有する軸交差貫通孔168が弁本体152Aのガス放出孔164とほぼ一致するようにされ、ガス設備内のガスは、ガス流路162、収納室156、軸方向貫通孔166および軸交差貫通孔168を経てガス放出孔164から放出されている。この状態で、バイメタル160は、ガス流路162と軸方向貫通孔166を経てガス設備内のガスに直接晒され、弁体154とは反対側に凸の凸姿勢を取る(図15(a)参照)。そして、このバイメタル160は、ガス設備内のガス温度の上昇により、弁体154の側に凸となるよう凹姿勢に姿勢変化を起こす。また、バイメタル160は、この凹姿勢から、ガス温度の低下やガス放出に伴う弁自体の冷却に伴い元の凸姿勢に復帰する。
図15(a)に示す定常時では、バイメタル160は図示する凸姿勢を取っており、弁体154には何の力も及ぼさず、弁体154は、図15(a)に示す位置(原位置)で停止している。この状態では、弁体154は、その軸交差貫通孔168をガス放出孔164と一致させているので、既述したように、ガス設備内のガスは、ガス放出孔164から放出されている。
今、ガス温度が上記したバイメタル160の切換温度に達すると、このバイメタル160は、こうした温度推移により、弁体154と反対の側に凸であった凸姿勢から姿勢を反転し、図15(b)に示すように、弁体154の側に凸の凹姿勢となる。これにより、弁体154は、バイメタル160に直接押し下げられて、下方に摺動する。この場合、バイメタルの姿勢変化による弁体摺動距離は、弁本体152の軸交差貫通孔168がガス放出孔164からずれるようなものとされているので、弁体154摺動により、ガス放出孔164は弁体周壁で塞がれ、ガスの放出は停止する(図15(b)参照)。ガス温度が上記の切換温度以上に上昇しても、バイメタル160は依然として図15(b)に示す凹姿勢であるので、ガス放出は停止されたままである。
その一方、ガス温度が所定の温度、即ちバイメタル160が凸姿勢に反転復帰する温度まで低下すると、バイメタル160は、ガス温度の降下推移により図15(c)に示すように凸姿勢に復帰する。バイメタル160は、こうした凸姿勢への復帰に際して弁体154を摺動させないので、弁体154は、図示する位置に留まったままである。よって、ガス設備内のガス放出は停止されたままとなる。つまり、ガス温度上昇に伴って作動してガス放出の停止を行った感温動作弁150は、バイメタル160が元の姿勢に復帰しても、ガス放出を停止したままとする。
以上説明したように、この変形例によれば、上記した実施例と同様に、バイメタル160の姿勢変化を通して弁体154を摺動させ、この弁体摺動を介して流路の連通状態を切り換えることができる。しかも、この変形例の感温動作弁150は、ガス設備内のガス温度が上昇すると、それまで継続していたガス設備内のガス放出を停止するという機能をバイメタルを利用して果たすことができる。
また、上記した変形例の感温動作弁150に、感温動作弁120で説明した節度機構を組み込み、ガス温度の推移に応じてガス設備内のガス放出するよう変形することができる。図16は別の変形例の感温動作弁150を(a)定常時と(b)作動時と(c)作動後の弁状態を併せて示す説明図である。
図示するように、この変形例では、ガス流路162と軸方向に連通した収納室156に弁体154を上下に摺動可能に備え、定常時には、弁体154周壁で弁本体152Aのガス放出孔164を閉鎖する。この状態にあるときに、弁体154に組み込み設置された左右の鋼球136は、スプリング138の付勢力を受けて、収納室156内周壁の節度溝140に入り込んでいる。また、バイメタル160は、ガス流路162と軸方向貫通孔166を経てガス設備内のガスに直接晒され、弁体154とは反対側に凸の凸姿勢を取る(図16(a)参照)。そして、このバイメタル160は、大気温度或いはガス設備内のガス温度の上昇により、弁体154の側に凸となるよう凹姿勢に姿勢変化を起こす。また、バイメタル160は、この凹姿勢から、大気温度またはガス温度の低下やガス放出に伴う弁自体の冷却に伴い元の凸姿勢に復帰する。
図16(a)に示す定常時では、バイメタル160は図示する凸姿勢を取っており、弁体154には何の力も及ぼさず、弁体154は、図16(a)に示す位置(原位置)で停止している。そして、この停止状態は、節度溝140への鋼球136の入り込みにより、確実に維持され、弁体154周壁でのガス放出孔164の閉鎖により、ガス設備内のガス放出は起きない。
今、大気温度またはガス温度が上記したバイメタル160の切換温度に達すると、このバイメタル160は、こうした温度推移により、弁体154と反対の側に凸であった凸姿勢から姿勢を反転し、図16(b)に示すように、弁体154の側に凸の凹姿勢となる。これにより、弁体154は、バイメタル160に直接押し下げられて、下方に摺動する。この場合、バイメタルの姿勢変化による弁体に及ぼす力は、鋼球136が節度溝140から出て弁体154を押し下げることができるようにされている。また、姿勢変化による弁体摺動は、弁本体152の軸交差貫通孔168がガス放出孔164とほぼ一致すると共に、鋼球136が節度溝141に入り込むことができるようにさえている。こうした弁体154摺動により、ガス放出孔164は軸交差貫通孔168、軸方向貫通孔166およびガス流路162と連通するので、ガス設備内のガスは、ガス放出孔164から放出される(図16(b)参照)。大気温度またはガス温度が上記の切換温度以上に上昇しても、バイメタル160は依然として図16(b)に示す凹姿勢であるので、ガス放出は停止されたままである。
その一方、大気温度またはガス温度が所定の温度、即ちバイメタル160が凸姿勢に反転復帰する温度まで低下すると、バイメタル160は、大気温度またはガス温度の降下推移により図16(c)に示すように凸姿勢に復帰する。バイメタル160は、こうした凸姿勢への復帰に際して弁体154を摺動させないので、弁体154は、ガス放出孔164と軸交差貫通孔168が一致し、鋼球136が節度溝141に入り込んだ図示する位置に留まったままである。よって、ガス設備内のガス放出は継続されたままとなる。つまり、大気温度またはガス温度の上昇に伴って作動してガス放出を行った感温動作弁150は、バイメタル160が元の姿勢に復帰しても、ガス放出を継続する。
以上説明したように、この変形例によれば、上記した実施例と同様に、バイメタル160の姿勢変化を通して弁体154を摺動させ、この弁体摺動を介して流路の連通状態を切り換えることができる。しかも、この変形例の感温動作弁150は、ガス設備内のガス温度が上昇すると、ガス設備内のガスの放出を開始するという機能をバイメタルを利用して果たすことができる。そして、ガス温度の低下等が起きても、ガスを継続して放出できる。
J:第10実施例;
この第10実施例は、ガス温度の上昇に伴うバイメタルの姿勢変化を利用してガス設備内のガスを外部に放出する点と、弁体へのパイロット圧の作用にバイメタルの姿勢変化を利用した点に特徴がある。図17は第10実施例の感温動作弁180を(a)定常時と(b)作動時と(c)作動後の弁状態を併せて示す説明図である。
図示するように、この感温動作弁180は、図示しないガス設備にねじ込み装着される弁本体182と、この弁本体182に組み込まれガス放出に際して摺動する弁体184とを備える。弁本体182は、ガス設備へのねじ込みに際して、シール部材183にて気密に装着される。
感温動作弁150は、弁本体182に収納室186を水平に形成し、弁体184は、当該収納室に気密に摺動可能に組み込まれる。弁体184は、小径の中間部位と収納室186内壁との間に連通室188を形成する。この弁体184は、定常時では、収納室186右端に埋設されたマグネット187に収納室右端に吸着されており、ガス設備内から収納室186にガスを導き入れるガス流路190と、収納室186からガスを放出するガス放出孔192との連通を遮断する(図17(a)参照)。そして、弁体184は、収納室左端に摺動することで、ガス流路190とガス放出孔192を連通室188を介して連通させる(図17(b)参照)。また、弁体184は、その両端周縁をテーパ状としている。弁体184の摺動の様子については後述する。
感温動作弁180は、弁体184の上記した収納室左端側への摺動を行うためのパイロット流路194を備える。このパイロット流路194は、弁本体182を上下に貫いて形成され、収納室186との関係では、収納室186右端に吸着した弁体184のテーパ状周縁部にガス設備内のガスを流入できるようにされている。そして、感温動作弁180は、このパイロット流路194の下端側に、ディスク型のバイメタル196を有する。
バイメタル196は、パイロット流路194の開口側に凸の凸姿勢を通常取り、この凸姿勢で、パイロット流路194の開口を閉鎖する。この場合、バイメタル196は、ガス設備内のガス圧をこの凸姿勢のまま受けるので、上記開口の閉鎖状態は確実なものとなる。バイメタル196は、ガス設備内のガスに直接晒され、ガス温度の上昇により、パイロット流路194の開口から離れるよう凹姿勢に姿勢変化を起こす。また、この凹姿勢からは、ガス温度の低下に伴い元の凸姿勢に復帰する。
上記構成の感温動作弁180は、次のようにしてガス設備内の高温ガスを大気に放出する。この感温動作弁180にあっては、バイメタル114が上記した凸姿勢から凹姿勢に姿勢変化する切換温度は、ガス温度が上昇して設備内ガスを放出すべき温度となるよう設定されている。よって、大気温度が上昇し、弁本体182が昇温してもバイメタル114が上記の切換温度に到達すれば、設備内ガスを放出できることは言うまでもない。
図17(a)に示す定常時では、ガス温度が低いために、バイメタル196は、凸姿勢を取ってパイロット流路194を閉鎖する。この状態では、弁体184は、収納室186の右端でマグネット187に吸着されており、ガス放出孔192とガス流路190の連通を弁体左端周壁で絶っている。このため、ガス設備内のガスは、ガス流路190を経て連通室188に流入しているに過ぎない。連通室188に流入したガスは、弁体184に対して左右の向きにそのガス圧力(1次圧)を及ぼすので、弁体184の摺動には関与しない。
今、ガス温度が上昇して上記したバイメタル196の切換温度に達すると、このバイメタル196は、こうした温度推移により、パイロット流路194の開口の側に凸の凸姿勢から姿勢を反転し、図17(b)に示すように、凹姿勢となる。これにより、パイロット流路194は解放され、当該流路を経て、ガス設備内のガスが収納室186右端に吸着した弁体184のテーパ状周縁部に流入する。そうすると、弁体184の左右では、右端側がガス設備内のガス圧(1次圧)で左端側が大気圧となるので、圧力バランスが崩れ、弁体184は、収納室186の左端側に摺動する。この場合、収納室186のエアーは、収納室左端側のエアー放出孔198を経て大気放出されるので、弁体184はスムースに収納室左端位置まで摺動し当該位置に停止する。
こうして摺動した弁体184は、ガス流路190を連通室188を介してガス放出孔192に連通させる。よって、ガス設備内のガスは、ガス放出孔192から大気放出される。ガス温度が上記の切換温度以上に上昇しても、バイメタル196は依然として図17(b)に示す凹姿勢であるので、ガス放出は継続される。
その一方、ガス温度が所定の温度、即ちバイメタル196が凸姿勢に反転復帰する温度まで低下すると、バイメタル196は、図17(a)に示す凸姿勢に復帰し、パイロット流路194を閉鎖する。こうなると、収納室186の右端側は、大気圧となるものの、ガス流路190からの流入ガスは既述したように弁体摺動に関与しないので、弁体184は(b)の作動時の位置に留まったままである。よって、ガス設備内のガスは、ガス流路190と連通室188を経てガス放出孔192から放出され続ける。つまり、ガス温度上昇に伴って作動してガス放出を行った感温動作弁180は、バイメタル196が元の姿勢に復帰しても、ガス放出を継続する。
以上説明したように、本実施例の感温動作弁180によっても、上記した実施例と同様に、バイメタル196の姿勢変化を通して弁体184を摺動させ、この弁体摺動を介して流路の連通状態を切り換えることができる。しかも、本実施例の感温動作弁180は、ガス温度が上昇するとガス設備内のガスを放出するという機能をバイメタルを利用して果たすことができる。なお、感温動作弁180にあっても、設備内のガス圧(1次圧)は弁体摺動に関与しないので、上記した感温動作弁100と同様、ガス圧の高低に拘わらず使用できるという利点がある。
以上本発明の実施例について説明したが、本発明は上記の実施例や実施形態になんら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる態様で実施し得ることは勿論である。例えば、上記実施例では、大気温やガス温度が上昇したときにバイメタルの姿勢変化を起こし、この姿勢変化により弁体摺動を起こしてガス放出等をするようにしたが、大気温やガス温度が降下したときにバイメタルの姿勢変化を起こし、これによりガス放出等を行うように構成することもできる。
また、図6で説明した感温部50は、感温動作弁40の構成機器として利用するほか、他の用途にも適用できる。図18は感温部50を温度感知式のアクチュエータとして利用した形態を説明する説明図である。
図示するように、このアクチュエータ200は、既述した感温部50とピストン210を備え、この両者を、流路体54で連結する。連結に際しては、感温部50におけるバイメタル下面の液室55と、ピストン210におけるピストンピン収納室212とを流路体54のパイプ流路で連結する。このアクチュエータ200では、感温部50のバイメタル52が大気温に応じて凹凸姿勢の姿勢変化を起こすと、その姿勢変化をピストン210のピストンピン214の前進後退に変換できる。ピストンピン214の後退は、バイメタル52の凹姿勢から凸姿勢への姿勢復帰による液室55の液体の引き上げと、スプリング216の付勢力によりなされる。
このように感温部50を適用したアクチュエータ200では、アクチュエータの駆動対象機器、例えば監視カメラ等を、当該機来から離れた箇所に設置した感温部50により遠隔操作できる。
また、このアクチュエータ200は、複数箇所の温度状況により駆動するよう変形することもできる。図19は変形例のアクチュエータ200を説明するための説明図である。図示するように、この変形例のアクチュエータ200は、複数の感温部50を流路体54からの分岐流路57で連結して備える。よって、このアクチュエータ200によれば、種々の場所に設置した感温部50の一つでも外気温の変化に応じてそのバイメタル52が姿勢変化を起こせば、ピストンピン214の前進駆動を介して監視カメラ等のアクチュエータの被駆動機器を遠隔操作することができる。
また、上記各実施例とその変形例では、ディスク型のバイメタルを用いたが、凹凸の姿勢変化を起こすものであれば、板状のバイメタルとすることもできる。また、凹凸の姿勢変化を起こすよう温度により形状を記憶させた形状記憶合金を用いることもできる。
第1実施例の感温動作弁を図記号で表した説明図である。 第1実施例の感温動作弁10を(a)定常時と(b)作動時を併せて示す説明図である。 感温動作弁10の適用例を示す説明図である。 第2実施例の感温動作弁30を説明するための説明図である。 この感温動作弁30の弁動作を説明するための説明図である。 第3実施例の感温動作弁40の構成をその弁動作と合わせて説明するための説明図である。 感温動作弁40の変形例を説明するための説明図である。 第4実施例の感温動作弁60を(a)定常時と(b)作動時と(c)作動後の弁状態を併せて示す説明図である。 第5実施例の感温動作弁80を(a)定常時と(b)作動時と(c)作動後の弁状態を併せて示す説明図である。 感温動作弁80の変形例を図9(c)に相当する状態で説明する説明図である。 第6実施例の感温動作弁90を(a)定常時と(b)作動時と(c)作動後の弁状態を併せて示す説明図である。 第7実施例の感温動作弁100を(a)定常時と(b)作動時の弁状態を併せて示す説明図である。 第8実施例の感温動作弁120を(a)定常時と(b)作動時と(c)作動後の弁状態を併せて示す説明図である。 第9実施例の感温動作弁150を(a)定常時と(b)作動時と(c)作動後の弁状態を併せて示す説明図である。 変形例の感温動作弁150を(a)定常時と(b)作動時と(c)作動後の弁状態を併せて示す説明図である。 別の変形例の感温動作弁150を(a)定常時と(b)作動時と(c)作動後の弁状態を併せて示す説明図である。 第10実施例の感温動作弁180を(a)定常時と(b)作動時と(c)作動後の弁状態を併せて示す説明図である。 感温部50を温度感知式のアクチュエータとして利用した形態を説明する説明図である。 変形例のアクチュエータ200を説明するための説明図である。
符号の説明
10...感温動作弁
12...弁本体
14...弁体
20...感温部
20A...感温部
20B...感温部
22...バイメタル
22A...バイメタル
22B...バイメタル
24...収納凹所
26...蓋体
27...貫通孔
28...スプリング
29...外気導入孔
30...感温動作弁
40...感温動作弁
50...感温部
51...ケース
52...バイメタル
53...シール部材
54...流路体
55...液室
56...液室
57...分岐流路
60...感温動作弁
62...弁本体
63...シール部材
64...弁体
65...切欠
66...収納室
67...収納室上部領域
68...ガス流路
69...シール部材
70...蓋体
71...スプリング
72...パイロット流路
74...バイメタル
76...貫通孔
78...ガス放出孔
79...大気貫通孔
80...感温動作弁
90...感温動作弁
92...弁体
94...小径部
100...感温動作弁
102...弁本体
103...シール部材
104...弁体
106...収納室
108...ガス流路
110...ガス放出孔
112...連通室
114...バイメタル
116...スプリング
118...貫通孔
120...感温動作弁
122...弁本体
123...シール部材
124...弁体
126...収納室
128...連通室
130...ガス流路
132...ガス放出孔
134...貫通孔
136...鋼球
138...スプリング
139...エアー放出孔
140...節度穴
141...節度穴
144...バイメタル
150...感温動作弁
152...弁本体
152A...弁本体
154...弁体
156...収納室
158...ディスク収納室
160...バイメタル
161...蓋体
162...ガス流路
164...ガス放出孔
166...軸方向貫通孔
168...軸交差貫通孔
170...貫通孔
171...凹所
180...感温動作弁
182...弁本体
183...シール部材
184...弁体
186...収納室
187...マグネット
188...連通室
190...ガス流路
192...ガス放出孔
194...パイロット流路
196...バイメタル
198...エアー放出孔
200...アクチュエータ
210...ピストン
212...ピストンピン収納室
214...ピストンピン
216...スプリング
AS...エアーシリンダ
TW...天窓

Claims (7)

  1. 温度に応じて駆動する感温動作弁であって、
    温度を感知する感温部と、
    弁体を摺動可能に備え、該弁体の摺動により流路の連通状態の切換を行う切換弁機構とを有し、
    前記感温部は、
    温度に応じて凸状態の姿勢と凹状態の姿勢との間で姿勢変化を起こす感温素子を備え、該感温素子の姿勢変化で起きる変位に基づいて、前記弁体の摺動に関与する
    感温動作弁。
  2. 請求項1記載の感温動作弁であって、
    前記感温素子は、バイメタルである
    感温動作弁。
  3. 請求項2記載の感温動作弁であって、
    前記感温部は、前記切換弁機構を収納した弁本体に装着され、前記バイメタルにより前記弁体を直接摺動する
    感温動作弁。
  4. 請求項3記載の感温動作弁であって、
    前記感温部が有するバイメタルは、前記凸状態から前記凹状態への姿勢変化を起こす温度と、前記凹状態から前記凸状態への姿勢変化を起こす温度とが相違するヒステリシス特性を持つよう形成されている
    感温動作弁。
  5. 請求項4記載の感温動作弁であって、
    前記感温部は、
    前記姿勢変化を起こす第1バイメタルを有する第1感温部と、前記姿勢変化を起こす第2バイメタルを有する第2感温部とを、前記弁体を挟んで備え、
    前記第1感温部の第1バイメタルと、前記第2感温部の第2バイメタルとは、前記弁体を他のバイメタル側にそれぞれ直接摺動可能とされ、
    前記第1、第2のバイメタルは、前記ヒステリシス特性を呈する温度範囲がずれて重なるよう形成され、
    一方のバイメタルが弁体を摺動するよう前記姿勢変化を起こす際には、他方のバイメタルが弁体摺動を許容するよう前記弁体と離間する側に前記姿勢変化した状態にあり、
    前記他方のバイメタルが弁体を摺動するよう前記姿勢変化を起こす際には、前記一方のバイメタルが弁体摺動を許容するよう前記弁体と離間する側に前記姿勢変化した状態にある
    感温動作弁。
  6. 請求項2記載の感温動作弁であって、
    前記感温部は、
    前記弁機構を収納した弁本体とは別体に構成され、前記バイメタルを内蔵する感知部と、
    液体が充填された流路を有し、該流路を該感知部から前記弁本体との間に亘って形成するよう前記感知部と前記弁本体に連結された流路部とを備え、
    前記感知部における前記バイメタルの姿勢変化を、前記流路部における流路内での液体の変位に変換し、該液体変位により前記弁本体の前記弁体を摺動する
    感温動作弁。
  7. 請求項6記載の感温動作弁であって、
    前記感温部は、
    前記感知部を複数備え、該複数の感知部には、前記流路部から分岐した分岐流路を有する
    感温動作弁。
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