JP5626019B2 - 発光装置 - Google Patents

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Description

本発明は、発光装置に関し、特に、基体に発光素子が載置される発光装置に関する。
従来、基体に発光素子が載置される発光装置において、銀めっきが施されたリードフレームを、その銀めっきを保護するためにゾルゲルガラスで被覆する発明が提案された(特許文献1参照)
特開2007−324256号公報
しかしながら、上記従来の発光装置では、ゾルゲルガラスを厚く形成するとこれにクラックが入って銀めっきが露出してしまい、他方、ゾルゲルガラスを薄く形成するとゾルゲルガラスが薄くなりすぎたり形成されなかったりする部分が生じてしまうため、銀めっきが十分に保護されないという問題があった。
そこで、本発明は、配線上に形成された銀部材を十分に保護することができる発光装置を提供することを目的とする。
本発明によれば、上記課題は、次の手段により解決される。
本発明は、配線を有する基体に発光素子が載置される発光装置であって、前記配線上に形成された銀部材と、前記銀部材を被覆する絶縁性部材と、前記銀部材を被覆するシリコーンオイルが変性したシリコーンオイル変性部材と、を備えたことを特徴とする発光装置である。
また、本発明は、前記シリコーンオイル変性部材は、前記絶縁性部材を被覆する上記の発光装置である。
また、本発明は、前記シリコーンオイル変性部材は、ジメチルシリコーンオイル及びメチルシリコーンオイルの少なくとも一つを含むシリコーンオイルが変性した部材であることを特徴とする上記の発光装置である。
また、本発明は、前記絶縁性部材は、空隙を有する上記の発光装置である。
また、本発明は、前記絶縁性部材は、SiO、Al、TiO、ZrO、ZnO、Nb、MgO、SrO、In、TaO、HfO、SeO、Y、SiN、AlN、AlON、MgFから選択される少なくとも1種を含む上記の発光装置である。
本発明によれば、配線上に形成された銀部材を十分に保護することができる発光装置を提供することができる。
本発明の実施形態に係る発光装置の概略断面図である。
以下に、添付した図面を参照しつつ、本発明を実施するための形態を説明する。
[発光装置]
図1は、本発明の実施形態に係る発光装置の概略断面図である。
図1に示すように、本発明の実施形態に係る発光装置1は、配線11を有する基体10に発光素子12が載置される発光装置であり、配線11上に形成された銀部材13と、銀部材13の一部が露出するよう被覆する絶縁性部材14と、銀部材13のうち絶縁性部材14により被覆されていない部分(露出部)を被覆するシリコーンオイル変性部材15と、発光素子12を銀部材13に固定する固定部材16と、発光素子12と銀部材13を導通させるワイヤ17と、発光素子12を封止する封止部材18と、を備える。
銀部材13上に、スパッタ等を用いて粒子状の絶縁性部材14を設ける場合、構造的に粒子が入り込みにくい領域があると(例えばワイヤの下方など)、銀部材13の表面を十分に被覆(保護)することが難しい。
しかしながら、本発明の実施形態に係る発光装置1によれば、シリコーンオイル変性部材15を用いるため、上記部分でも被覆することが可能となる。これは、変性(硬化)させる前が液状であるシリコーンオイルを用いることで、絶縁性部材が設けられず銀部材が露出している領域に入り込ませる(浸漬させる)ことができるためである。
シリコーンオイルを硬化させるためには紫外線を照射する必要があり、その照射時間はシリコーンオイルの組成や膜厚に依存する。膜厚を厚くし過ぎると、内部の硬化が不十分になるため、薄い膜を複数層形成する必要がある。ここで、本実施の形態のように、粒子状の絶縁性部材を併用することによって、その硬化時間を短縮できるとともに、粒子状の絶縁性部材によって光取り出し効率を向上させることも可能である。
したがって、本発明の実施形態に係る発光装置1によれば、銀部材13のうち絶縁性部材14で被覆できる部分については絶縁性部材14で保護し、銀部材13のうち絶縁性部材14で被覆し難い部分についてはシリコーンオイル変性部材15により保護することにより、配線11上に形成された銀部材13を十分に保護することができる。
[各部材]
以下、各部材を詳細に説明する。
(発光素子)
発光素子12としては、例えば、発光ダイオードを用いる。なお、本発明の実施形態では、発光素子12が表面実装される形態について説明するが、発光素子12はフリップチップ実装してもよい。
(基体)
基体10としては、例えば凹部を有するものを用いる。この場合、発光素子12は、基体10が有する凹部に収容される。
(配線)
配線11としては、例えば、銅、アルミニウム、金、銀、タングステン、鉄、ニッケル等の金属、鉄―ニッケル合金、りん青銅、鉄入り銅、モリブデン等を用いる。なお、基体10と配線11を同一の部材で構成してもよい。
(銀部材)
銀部材13としては、銀単体を用いることもできるし、銅、金、アルミニウム、ロジウム等の光反射率の高い金属と銀との合金または多層膜等を用いることもできる。
銀部材13は、配線11上の一部に形成されていればよいが、配線11上の全部に形成されていることが好ましい。なお、銀部材13は、配線11上に加えて、基体10が有する凹部の側壁などの配線11が形成されていない部分に形成することもできる。この場合、配線11が形成されていない部分に形成された銀部材13は、絶縁性部材14やシリコーンオイル変性部材15により被覆して保護することが好ましい。
(絶縁性部材)
絶縁性部材14は、例えば、スパッタ法、蒸着法等の乾式法により形成することができる。なお、スパッタ法によれば、発光素子12等の陰となる部分などの一般に被覆が難しい部分にもある程度絶縁性部材14を形成することができるため、発光素子12からの光がより一層反射されるようになり、好ましい。
ただし、発光素子12や基体10の形状などによっては、このようにしても絶縁性部材14により銀部材13の全面を被覆し難い場合がある。
そこで、本発明の実施形態に係る発光装置1は、上述したように、シリコーンオイル変性部材15を用いることにより、絶縁性部材14により被覆し難かった部分を被覆し、当該部分を保護する。
絶縁性部材14としては、例えば、SiO、Al、TiO、ZrO、ZnO、Nb、MgO、SrO、In、TaO、HfO、SeO、Y等の酸化物や、SiN、AlN、AlON等の窒化物、MgF等のフッ化物を用いる。これらは、単独で用いてもよいし、混合して用いてもよい。あるいは、積層させるようにしてもよい。スパッタなどの方法によって形成する際、粒子状のものが堆積するように形成されており、粒子間に空隙を有するような絶縁性部材が形成される。後述のシリコーンオイルは、この空隙を充填するように設けられる。
絶縁性部材14の膜厚は、約1nm〜100nmであるのが好ましい。多層とする場合は、層全体の膜厚が約1nm〜100nmであるのが好ましい。このようにすれば、封止部材18/絶縁性部材14/銀部材13などの各部材の界面での多重反射で光の損失を防止することができる一方、硫黄等のガスの通過を防止することもできる。
(シリコーンオイル変性部材)
シリコーンオイル変性部材15は、シリコーンオイルが変性(硬化や石英化など)した部材である。シリコーンオイル変性部材15は、シリコーンオイルの変性途中で生成された中間生成物(半硬化物など)や未変性のシリコーンオイルが混在しているものを含んでいてもよい。
シリコーンオイル変性部材15は、例えば、流動性のある液状又はゾル状のシリコーンオイルに真空紫外〜紫外領域に波長がある光を照射することによって、該シリコーンオイルを活性酸素と反応させて変性させることにより、形成する。
シリコーンオイルとしては、[SiO(CHを含むシリコーンオイルが好ましく、特にnが2000以下程度で常温において流動性を有するものが好ましい。
このようなシリコーンオイルとしては、例えば、ジメチルシリコーンオイル及びメチルシリコーンオイルの少なくとも一つを含むシリコーンオイルを一例として挙げることができる。
シリコーンオイル中に、拡散材や波長変換部材等を混入させてもよい。また、上述の絶縁性部材を、シリコーンオイル中に混入させてもよい。
シリコーンオイル変性部材15の膜厚は、絶縁性部材14上において2μm程度とし、銀部材13上において同様に2μm程度とすることが好ましい。これにより、シリコーンオイルの内部にも光が到達し易くなり、硬化状態が安定し易い。また、シリコーンオイル変性部材を更に厚く設けたい場合は、2μm程度の厚みのシリコーンオイルを変性(硬化)後、同様の作業を繰り返すことで2層構造とし、総膜厚を4μm程度とするなど、厚く形成することができる。膜厚を厚くすることで硫黄等のガスの透過を抑制する効果を高くすることができる。
(固定部材)
固定部材16としては、発光素子12や基体10の材料に応じて、例えば、エポキシ樹脂やシリコーン樹脂等の熱硬化性樹脂などの絶縁性の固定部材や、銀、金、パラジウム等を樹脂に混合した導電性ペーストや、Au−Sn共晶等の半田、低融点を有する金属等のろう材などの導電性の固定部材を用いることができる。
(ワイヤ)
ワイヤ17としては、例えば、金、銅、白金、アルミニウム、銀等の種々の金属およびそれらの合金を用いる。
なお、発光素子12をフリップチップ実装する場合は、Au等の金属バンプやAuSn等により発光素子12を銀部材13に導通させる。
(封止部材)
封止部材18としては、例えば、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ユリア樹脂等を用いることができる。封止部材18には、例えば、着色剤、光拡散剤、フィラー、波長変換部材(蛍光部材)等を含有させることもできる。
実施例1として、本発明の実施形態に係る発光装置について検討する。
実施例1に係る発光装置では、Cuを母体とする配線上に形成された銀部材と、銀部材の一部が露出するよう被覆するAlからなり、厚さ約60nmの絶縁性部材と、銀部材のうち絶縁性部材により被覆されていない部分(露出部)を被覆する厚さ約2μmのシリコーンオイル変性部材と、発光素子を銀部材に固定する固定部材と、発光素子と銀部材を導通させるワイヤと、発光素子を封止する封止部材と、を備える。シリコーンオイル変性部材により、銀部材のうち絶縁性部材によって被覆し難い部分、すなわち、露出部が被覆される。
したがって、実施例1に係る発光装置によれば、銀部材13のうち絶縁性部材14で被覆できる部分は絶縁性部材14で保護され、銀部材13のうち絶縁性部材14で被覆し難い部分はシリコーンオイル変性部材15で保護される。このとき、光の取り出し効率は約90.5%であり、絶縁性部材を用いずにシリコーンオイルを重ね塗りした場合の光取り出し効率87.5%に比して、高い光取り出し効率を得ることができる。
[比較例2]
比較例2として、銀部材をゾルゲルガラスで厚く被覆する発光装置について検討する。
比較例2に係る発光装置では、ゾルゲルガラスにクラックが入り易いため、銀部材を十分に保護することができない。
[比較例3]
比較例3として、銀部材をゾルゲルガラスで薄く被覆する発光装置について検討する。
比較例3に係る発光装置では、ゾルゲルガラスが薄くなりすぎたり形成されなかったりする部分が生じるため、銀部材を十分に保護することができない。
[比較]
以上から明らかなように、実施例1に係る発光装置によれば、比較例1〜3に係る発光装置と比較して、銀部材を十分に保護することが可能となる。
以上、本発明の実施形態及び実施例について説明したが、これらの説明は、本発明の一例に関するものであり、本発明は、これらの説明によって何ら限定されるものではない。
1 発光装置
10 基体
11 配線
12 発光素子
13 銀部材
14 絶縁性部材
15 シリコーンオイル変性部材
16 固定部材
17 ワイヤ
18 封止部材

Claims (5)

  1. 配線を有する基体に発光素子が載置される発光装置であって、
    前記配線上に形成された銀部材と、
    前記銀部材を被覆する絶縁性部材と、
    前記銀部材を被覆するシリコーンオイルが変性したシリコーンオイル変性部材と、
    を備え
    前記シリコーンオイル変性部材は、真空紫外〜紫外領域に波長がある光を照射することによってシリコーンオイルが活性酸素との反応により少なくとも一部が石英化されたものである、
    ことを特徴とする発光装置。
  2. 前記シリコーンオイル変性部材は、前記絶縁性部材を被覆する請求項1記載の発光装置。
  3. 前記シリコーンオイル変性部材は、ジメチルシリコーンオイル及びメチルシリコーンオイルの少なくとも一つを含むシリコーンオイルが変性した部材であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の発光装置。
  4. 前記絶縁性部材は、空隙を有する請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の発光装置。
  5. 前記絶縁性部材は、SiO、Al、TiO、ZrO、ZnO、Nb、MgO、SrO、In、TaO、HfO、SeO、Y、SiN、AlN、AlON、MgFから選択される少なくとも1種を含む請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の発光装置。
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