JP5625986B2 - Multi-link piston-crank mechanism for internal combustion engine, control shaft for multi-link piston-crank mechanism, or method for manufacturing control shaft for multi-link piston-crank mechanism - Google Patents
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Description
本発明は、内燃機関の複リンク式ピストン−クランク機構、複リンク式ピストン−クランク機構の制御軸、及び複リンク式ピストン−クランク機構の制御軸の製造方法に関する。 The present invention relates to a multi-link piston-crank mechanism for an internal combustion engine, a control shaft for a multi-link piston-crank mechanism, and a method for manufacturing a control shaft for a multi-link piston-crank mechanism.
例えば、特許文献1には、ピストンに揺動自由に連結された第1リンクと、この第1リンクに回動自在に連結されると共に、クランクシャフトのクランクピンに回転自由に装着された第2リンクと、偏心軸部を有するコントロールシャフトと、第2リンクに連結ピンを介して回転自由に連結されると共に、コントロールシャフトの偏心軸部に揺動可能に連結された第3リンクと、を備え、機関運転状態に応じてコントロールシャフトを回転して偏心軸部を位置を変更して内燃機関の圧縮比を可変制御する内燃機関の可変圧縮比機構において、各気筒毎に独立して圧縮比を調整可能な調整手段が前記第3リンクの下部に設けられたものが開示されている。
For example,
この特許文献1においては、第3リンクの下部に、ネジ溝が形成されたボルト穴が設けられ、そのボルト穴に調整ボルトが螺合していると共に、第3リンクの下部に一対の半割構造の偏心スリーブ軸受が設けられている。そして、この偏心スリーブ軸受の外周と調整ボルトの先端が係合しており、調整ボルトを回転させて前進後退させることて偏心スリーブ軸受が回転するので、第3リンクと第2リンクとを連結する連結ピンと、第3リンクの下部の揺動中心間の距離の微調整が可能となり、圧縮比の微調整が可能となっている。
In
しかしながら、この特許文献1に開示された可変圧縮比機構においては、偏心スリーブ軸受(軸受メタル)が一対の半割構造となっているため、偏心スリーブ軸受の割り面による分割線が圧縮比の調整によって回転移動し、相対的に大きな荷重である燃焼荷重に基づく荷重が第3リンクとの間に伝わる際に、荷重ベクトル線(第3リンクと第2リンクとを連結する連結ピン中心と第3リンク下部の揺動中心とを結ぶ直線)付近における偏心スリーブ軸受と偏心軸部との摺動面上に、上記分割線が存在する可能性が生じ、潤滑性能が不利になってしまう虞がある。
However, in the variable compression ratio mechanism disclosed in
そこで、本発明は、ピストンとクランクシャフトとを連結する複数のリンク部材と、これら複数のリンク部材の動きを規制するコントロールリンクと、前記コントロールリンクの一端が揺動可能に連結される偏心軸部を有する制御軸と、を有し、前記制御軸の回転により前記偏心軸部の位置を変化させることによって前記ピストンの上死点位置が変化して圧縮比が変化する内燃機関の複リンク式ピストン−クランク機構を前提としている。そして、前記偏心軸部に圧入された筒状の偏心スリーブを有し、前記偏心スリーブを前記偏心軸部に対して回転させることで、各気筒毎にピストンの上死点位置が調整可能になっている。偏心スリーブは、制御軸の偏心軸部とは別部品となっており、偏心スリーブを偏心軸部に対して相対回転させることで、各気筒毎にピストンの上死点位置の微調整が可能となる。 Accordingly, the present invention provides a plurality of link members that connect a piston and a crankshaft, a control link that restricts the movement of the plurality of link members, and an eccentric shaft portion that is pivotally connected to one end of the control link. A multi-link type piston of an internal combustion engine in which the top dead center position of the piston changes and the compression ratio changes by changing the position of the eccentric shaft portion by rotation of the control shaft -Assumes a crank mechanism. A cylindrical eccentric sleeve press-fitted into the eccentric shaft portion is provided, and the top dead center position of the piston can be adjusted for each cylinder by rotating the eccentric sleeve relative to the eccentric shaft portion. ing. The eccentric sleeve is a separate part from the eccentric shaft part of the control shaft, and the top dead center position of each piston can be finely adjusted for each cylinder by rotating the eccentric sleeve relative to the eccentric shaft part. Become.
本発明によれば、筒状の偏心スリーブの回転によって圧縮比の調整を行なうようにしたので、偏心スリーブの外周側の軸受メタルが半割り構造であってもその割り面で生じる分割線は、圧縮比の調整によって回転移動することが無い。従って、相対的に大きな荷重としての燃焼荷重が第3リンク側から加わる際に、荷重ベクトル線(コントロールリンク一端の揺動中心とコントロールリンク他端の揺動中心とを結ぶ直線)付近におけるコントロールリンクと制御軸との連結部分の摺動面上に、分割線が存在する可能性が排除され、半割りされた2部材から偏心スリーブを構成する場合に比べて潤滑性能が向上する。つまり、偏心スリーブとコントロールリンクとの間の摺動面の潤滑性能を悪化させることなく、かつ複リンク式ピストン−クランク機構を分解することなく各気筒間の圧縮比の微調整を実施することが可能となる。 According to the present invention, since the compression ratio is adjusted by the rotation of the cylindrical eccentric sleeve, even if the bearing metal on the outer peripheral side of the eccentric sleeve has a half structure, the dividing line generated on the split surface is There is no rotational movement by adjusting the compression ratio. Therefore, when a combustion load as a relatively large load is applied from the third link side, the control link near the load vector line (a straight line connecting the swing center at one end of the control link and the swing center at the other end of the control link). The possibility that a parting line exists on the sliding surface of the connecting portion between the control shaft and the control shaft is eliminated, and the lubrication performance is improved as compared with the case where the eccentric sleeve is constituted by two halved members. In other words, it is possible to finely adjust the compression ratio between the respective cylinders without deteriorating the lubrication performance of the sliding surface between the eccentric sleeve and the control link and without disassembling the multi-link piston-crank mechanism. It becomes possible.
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1及び図2は、本発明が適用される複リンク式ピストン−クランク機構の基本的な構成の一例を示すものであって、直列4気筒の内燃機関への適用された場合を示している。図1は内燃機関の複リンク式ピストン−クランク機構の概略構成を示す説明図であり、図2は制御軸6(後述)付近の構成を示す側面図である。 Hereinafter, an embodiment of the present invention will be described in detail with reference to the drawings. 1 and 2 show an example of a basic configuration of a multi-link type piston-crank mechanism to which the present invention is applied, and shows a case where it is applied to an in-line four-cylinder internal combustion engine. . FIG. 1 is an explanatory diagram showing a schematic configuration of a multi-link piston-crank mechanism of an internal combustion engine, and FIG. 2 is a side view showing a configuration in the vicinity of a control shaft 6 (described later).
複リンク式ピストン−クランク機構は、ピストン1とクランクシャフト2とを連結するアッパリンク3及びロアリンク4と、アッパリンク3及びロアリンク4の動きを規制するコントロールリンク5と、コントロールリンク5の一端が揺動可能に連結される偏心軸部7を有する制御軸6と、から大略構成されている。
The multi-link type piston-crank mechanism includes an
ピストン1は、シリンダブロック9に形成されたシリンダ10内を摺動可能に配置されており、アッパリンク3の一端(図1における上端)にピストンピン11を介して揺動可能に連結されている。
The
アッパリンク3は、他端(図1における下端)が、第1連結ピン12を介してロアリンク4の一端部に回転可能に連結されている。
The other end (the lower end in FIG. 1) of the
ロアリンク4は、その中央部においてクランクシャフト2のクランクピン13に回転可能に取り付けられている。
The lower link 4 is rotatably attached to the
クランクシャフト2は、複数のジャーナル部14とクランクピン13とを備えており、シリンダブロック9のクランク軸受ブラケット15によってシリンダブロック9にジャーナル部14が回転可能に支持されている。クランクピン13は、ジャーナル部14から所定量偏心しており、ここにロアリンク4が回転自在に連結されている。
The
ロアリンク4の運動を拘束するコントロールリンク5は、一端(図1における上端)が第2連結ピン16を介してロアリンク4の他端部に回動可能に連結され、他端(図1おける下端)が内燃機関本体の一部となるシリンダブロック9に揺動可能に支持されている。コントロールリンク5の他端は、内燃機関の圧縮比の変更のために、その揺動支点17の位置が内燃機関本体に対して変位可能となっている。具体的には、クランクシャフト2と平行に延びた制御軸6を備え、この制御軸6に偏心して設けられた偏心軸部7にコントロールリンク5の他端が回転可能に嵌合している。
One end (upper end in FIG. 1) of the
制御軸6は、図1〜図4に示すように、クランク軸受ブラケット15と制御軸軸受ブラケット18との間に回転可能に支持される主軸部8と、この主軸部8に対して所定量e0だけ偏心した偏心軸部7と、有している。偏心軸部7は、主軸部8よりも大径となるよう設定されていて、偏心軸部7と主軸部8の間は偏心軸部7及び主軸部8のどちらよりも径が細い接続部26となっている。制御軸6の一端には、電気モータ等のアクチュエータ19が取り付けられている。本実施形態において、制御軸6は、4箇所に偏心軸部7が形成され、これらの偏心軸部7に4つの気筒のコントロールリンク5がそれぞれ連結されている。
As shown in FIGS. 1 to 4, the
従って、圧縮比の変更のために、アクチュエータ19により制御軸6を回転駆動すると、コントロールリンク5の揺動支点17となる偏心軸部7の中心位置が機関本体に対して移動する。これにより、コントロールリンク5によるロアリンク4の運動拘束条件が変化して、クランク角に対するピストン1の行程位置が変化し、ひいては圧縮比が変更されることになる。
Therefore, when the
尚、本発明は、図示したような特定の形式の複リンク式可変圧縮比装置に限定されるものではなく、複リンク式ピストン−クランク機構を利用した種々の形式の可変圧縮比装置に適用することが可能である。 The present invention is not limited to a specific type of multi-link variable compression ratio device as shown in the figure, but can be applied to various types of variable compression ratio devices using a multi-link type piston-crank mechanism. It is possible.
ここで、本発明の要部である制御軸6の偏心軸部7の周囲(外周)には、図5及び図6に示すように、略円筒状の継ぎ目の無い偏心スリーブ20が圧入されている。偏心スリーブ20は、機関運転中に偏心軸部7に対して相対回転することなく、十分な圧入代に基づく圧入によって固定される。従って本発明によれば、従来技術のようにコントロールリンクの連結ピン孔(軸受メタルの内周)の中心位置が調整される代わりに、制御軸6の偏心軸部7(軸側の外周)の中心位置が調整される。
Here, as shown in FIGS. 5 and 6, an
この偏心スリーブ20は、偏心軸部7に圧入される筒状部21と、筒状部21の一端に形成された回転角度調整部22と、を有している。筒状部21は、偏心軸部7の外周面と対向する内周面23に対して、コントロールリンク5の他端側に取り付けられたすべり軸受(メタル)24と回転可能に嵌合する外周面25が、所定量eだけ偏心するよう形成されている。回転角度調整部22は、筒状部21の一端の全周に鍔状に形成された凸部であって、偏心スリーブ20を軸方向から見て、外形が6角形となるように形成されている。
The
ここで、偏心スリーブ20は、制御軸6の偏心軸部7に圧入されているため、偏心スリーブ20の筒状部21の内周面23と、偏心軸部7の外周面とが直接接触する部分が必ず存在することになる。すなわち、偏心スリーブ20の筒状部21の内周面23と、偏心軸部7の外周面との間は、少なくとも流体潤滑状態とはならないように設定されている。
Here, since the
尚、本実施形態における制御軸6は、図3に示すように、4つの偏心軸部7を有しており、偏心軸部7a、7bについては図3における右側から、偏心軸部7c、7dについては図3における左側からそれぞれ偏心スリーブ20が組み付けられている。これは、偏心軸部7a、7dの外径が、偏心軸部7b、7cの外径よりも(例えば1mmほど)小さく設定されているからである。但し、偏心軸部7a、7dに圧入される偏心スリーブ20の筒状部21の内径は、偏心軸部7b、7cに圧入される偏心スリーブ20の筒状部21の内径よりも小さく設定され、圧入代δ(偏心軸部7の外径と、偏心スリーブ20の筒状部21の内径との差)は全気筒同一となるよう設定されている。また、偏心スリーブの外径は全気筒で同一となるように構成され、コントロールリンク5は全気筒で共通のものを用いることができるようになっている。
As shown in FIG. 3, the
偏心スリーブ20の外径中心と内径中心のずれに相当する偏心量eは、全気筒で等しく、気筒間の圧縮比のバラツキ調整に必要な最小限の偏心量に設定されたものであって、制御軸6における偏心軸部7の主軸部8に対する偏心量e0よりも小さく設定されている。
The eccentric amount e corresponding to the deviation between the center of the outer diameter and the center of the inner diameter of the
また、偏心スリーブ20の偏心軸部7に対する圧入代δは、偏心スリーブ20の筒状部21の内周面23と、偏心軸部7の外周面との間に生じる静止摩擦係数の期待値μeが実際の静止摩擦係数μaよりも小さくなるように設定されている。
Further, the press-fit allowance δ with respect to the
ここで、静止摩擦係数の期待値μeは、次式(1)を用いて算出されるものである。
[数1]
Here, the expected value μe of the static friction coefficient is calculated using the following equation (1).
[Equation 1]
尚、式(1)中のTは、偏心スリーブ20に加わるトルクであり、コントロールリンク5側から偏心スリーブ20に加わる荷重F(例えば燃焼荷重が加わる場合など最も大きな荷重を想定したもの)と偏心スリーブ20の偏心量eとを用いて表すと、T=F×eである。式(1)中のAは、偏心スリーブ20の内周面積であり、偏心スリーブ20の筒状部21内径の半径bと、偏心スリーブ20の筒状部21の長さlとを用いて表すと、A=2πblである。また、式(1)中のaは、偏心スリーブ20の筒状部21外径の半径、υBは、制御軸6のポアソン比、υHは偏心スリーブ20のポアソン比、EBは制御軸6の縦弾性係数、EHは偏心スリーブ20の縦弾性係数である。
T in the formula (1) is a torque applied to the
この式(1)から静止摩擦係数の期待値μeを実際の静止摩擦係数μaよりも小さくなるように設定するにあたって、圧入代δを大きくしたくない場合には、例えば偏心スリーブ20の内周面積Aを大きくすることで、圧入代δを相対的に小さくなるよう設定すればよいことがわかる。つまり、式(1)を用いて静止摩擦係数の期待値μeの値が実際の静止摩擦係数μaよりも小さくなるように、偏心スリーブ20の各部位の寸法は適宜設定することが可能である。
In setting the expected value μe of the static friction coefficient to be smaller than the actual static friction coefficient μa from this equation (1), if it is not desired to increase the press-fitting allowance δ, for example, the inner peripheral area of the
実際の静止摩擦係数μaは、流体潤滑状態とはならないよう、混合潤滑状態または境界潤滑状態となる0.01以上とする。図7に示すように、偏心スリーブ20の筒状部21の内周面23と、偏心軸部7の外周面との間が流体潤滑状態となる場合は、偏心スリーブ20の筒状部21の内周面23と、偏心軸部7の外周面との間に生じる静止摩擦係数μ(μa)が0.01以下の場合である。つまり、偏心スリーブ20が制御軸6の偏心軸部7に圧入された状態とは、偏心スリーブ20の筒状部21の内周面23と、偏心軸部7の外周面との間に生じる静止摩擦係数μ(μa)が0.01よりも大きくなるように設定されている状態であり、混合潤滑状態または境界潤滑状態のいずれかである。
The actual static friction coefficient μa is set to 0.01 or more so that the mixed lubrication state or the boundary lubrication state is obtained so as not to be in the fluid lubrication state. As shown in FIG. 7, when a fluid lubrication state exists between the inner
この複リンク式ピストン−クランク機構おいて、例えば、内燃機関の組み立て工程中に圧縮比の調整を行う場合には、全てのリンク部品(アッパリンク3、ロアリンク4、コントロールリンク5)を組み付けた後、制御軸6を回転しないように固定し、各気筒のピストン1の高さを測定し、測定した高さと、その時の制御軸6の角度に対応する所定のピストン高さとの比較から各気筒の偏心スリーブ20の必要回転角度を算出し、治具を偏心スリーブ20の回転角度調整部22に係合させて、各気筒の偏心スリーブ20を回転させ、ピストン1の高さを調整する。
In this multi-link type piston-crank mechanism, for example, when adjusting the compression ratio during the assembly process of the internal combustion engine, all link parts (
このような本発明の第1実施形態においては、偏心スリーブ20は機関運転中に偏心軸部7に対して相対回転することがなく、一方で圧縮比の調整は偏心スリーブ20を偏心軸部7に対して相対回転させることで、各気筒毎にピストン1の上死点位置の微調整が可能となり、各気筒間の圧縮比の微調整を、複リンク式ピストン−クランク機構を分解することなく簡単に実施することが可能となる。
In the first embodiment of the present invention, the
特に、偏心スリーブ20と偏心軸部7の間は、上述の通り境界潤滑状態あるいは場合によっては混合潤滑状態であっても良く、極端に圧入代を大きくしなくても十分に偏心軸部7に対する偏心スリーブ20の回転を抑制することが可能である。これにより筒状の偏心スリーブ20の圧入という極めて単純な構成によって圧縮比の微調整を可能にしつつ、荷重ベクトル線の近傍におけるメタル軸受と偏心軸部との摺動面上に、軸受メタルの分割線が存在する可能性を排除することで、潤滑性能を向上させることができる。そして、極端に圧入代を大きくしなくても良いことから、圧縮比の微調整を行なう際の偏心スリーブ20に与える回転トルクは小さなもので済み、圧縮比の調整が容易なものとなる。
In particular, the
このような利点に基づけば、偏心スリーブ20の筒状部21の一端に形成された回転角度調整部22に治具を係合させることで、偏心スリーブ20を偏心軸部7に対して相対回転させることができるので、コントロールリンク5と制御軸6の偏心軸部7との連結部分における部品点数を増加させることなく、偏心軸部7に圧入された偏心スリーブ20を偏心軸部7に対して回転させることができる。そのため、コントロールリンク5と制御軸6の偏心軸部7との連結部分の構成が大型化することや、コントロールリンク5と制御軸6の偏心軸部7との連結部分の部品点数が増加して、重量増やコストが増加してしまうことを抑制することができる。
Based on such advantages, the
そして、筒状の偏心スリーブ20が偏心軸部7に圧入され、偏心スリーブ20と偏心軸部7との間にガタが生じない構造となっているので、内燃機関の運転時に偏心スリーブ20と偏心軸部7との間で異音が発生してしまうことを防止することができる。しかも、軸受メタルを偏心させて製作する必要がなく、軸受メタルの製作が難しくなったり、軸受メタルの性能確保が難しくなるようなこともない。
Since the cylindrical
また、偏心スリーブ20が偏心軸部7に圧入され、偏心スリーブ20の筒状部21の内周面23と、偏心軸部7の外周面との間に生じる静止摩擦係数μが0.01よりも大きくなる状態に設定されているので、偏心軸部7の外周面と偏心スリーブ20の筒状部21の内周面23との間の潤滑が、少なくとも流体潤滑とはならず、境界潤滑もしくは偏心軸部7の外周面と偏心スリーブ20の筒状部21の内周面23が全周に亙って接触した状態となる。つまり、偏心軸部7の外周面に対して偏心スリーブ20の筒状部21の内周面23が、少なくとも部分的には接触(固体表面同士が接触)しているので、偏心軸部7に偏心スリーブ20を固定する上で有利となっている。
Further, the
特に、ピストン1に作用する燃焼圧力により、偏心スリーブ20が偏心軸部7に対して動かないように、偏心スリーブ20の筒状部21の内周面23と、偏心軸部7の外周面との間に生じる静止摩擦係数μを設定すれば、圧縮比の経時変化を抑制することができると共に、気筒間の圧縮比のバラツキの発生を抑制することができる。また、偏心軸部7周方向の動きが規制されるように、偏心スリーブ20を偏心軸部7に圧入しても、圧縮比の経時変化を抑制することができると共に、気筒間の圧縮比のバラツキの発生を抑制することができる。
In particular, the inner
また、偏心スリーブ20の偏心量eは、気筒間の圧縮比のバラツキを調整できる程度に設定されたものであり、偏心軸部7の偏心量e0に比べて小さく、気筒間の圧縮比のバラツキ調整に必要な最小限の偏心量に設定されているので、偏心スリーブ20に加わる燃焼圧力や慣性力の影響が低減され、ひいては偏心軸部7に圧入された偏心スリーブ20を偏心軸部7に対して回転させようとするトルクを低減させる効果がある。
The eccentric amount e of the
尚、この第1実施形態における回転角度調整部22は、偏心スリーブ20が圧入された偏心軸部7にコントロールリンク5の他端側が組み付けられた状態において、所定の治具と係合可能な形状であれば、その外形状は6角形に限定されるものではない。
Note that the rotation
以下、本発明の他の実施形態について説明していくが、上述した第1実施形態と同一の構成要素については同一の符号を付し、重複する説明を省略する。 Hereinafter, although other embodiments of the present invention will be described, the same components as those in the first embodiment described above are denoted by the same reference numerals, and redundant description will be omitted.
図8〜図10を用いて、本発明の第2実施形態について説明する。この第2実施形態は、第1実施形態の複リンク式ピストン−クランク機構と略同一構成となっているが、この第2実施形態においては、コントロールリンク5と制御軸6の偏心軸部31との連結部分の構成が異なっており、偏心軸部31のスラスト方向に作用する力によって偏心スリーブ32を偏心軸部31に対して固定する固定手段33を有している。
A second embodiment of the present invention will be described with reference to FIGS. The second embodiment has substantially the same configuration as the multi-link piston-crank mechanism of the first embodiment, but in the second embodiment, the
詳述すると、この第2実施形態においては、図8に示すように、偏心軸部31の一端に鍔状に突出した突起34が形成されている。
Specifically, in the second embodiment, as shown in FIG. 8, a
また、偏心スリーブ32は、その外径は全長に亙って一定の円筒形状を呈しているが、その内周面が段付き状に形成され、一端側の内径が相対的に小径となるよう形成されている。すなわち、偏心スリーブ32は、内径が相対的に小さい小径部35と、内径が相対的に大きい大径部36とを有し、小径部35が制御軸6の偏心軸部31に圧入されている。また、偏心スリーブ32は、コントロールリンク5の他端と連結されている部分の外側の外周面に、回転角度調整部としての雌ネジ37が、偏心スリーブ32の軸直角方向(図8における紙面垂直方向)に沿って形成されている。この雌ネジ37は、圧縮比の調整を行う際に、作業者が回転角度調整用ボルト38を螺合させるために設けられている。尚、小径部35と大径部36は同心状に形成されており、両者とも偏心スリーブ32の軸心に対して所定量偏心している。
Further, the
固定手段33は、制御軸6の偏心軸部31に挿入される筒状のテーパネジ39と、テーパネジ39を偏心軸部31に対して固定するテーパネジ固定用ナット40と、テーパネジ39の外周に螺合すると共に、締め込むことによって偏心スリーブ32の他端側の端面に押し付けられる偏心スリーブ固定用ナット41と、から構成されている。
The fixing means 33 is screwed onto the outer periphery of the
テーパネジ39は、図8及び図9に示すように、偏心スリーブ32の大径部36の内周面と偏心軸部31の外周面との間に空間に挿入される円筒形状のストレート部42と、軸方向に沿って延びるスリット43が3箇所に形成されたテーパ部44と、を有している。ストレート部42の外周には、偏心スリーブ固定用ナット41と螺合する雄ネジ45が形成されている。テーパ部44の外周には、テーパネジ固定用ナット40と螺合する雄ネジ46が形成されている。
As shown in FIGS. 8 and 9, the
この第2実施形態においては、偏心軸部31に偏心スリーブ32を圧入した後、テーパネジ39を偏心軸部31に挿入し、テーパネジ固定用ナット40を締め込むことでスリット43が形成されたテーパ部44を圧縮して、テーパネジ39を偏心軸部31に固定する。そして、この状態で偏心スリーブ固定用ナット41を締め込み、偏心スリーブ固定用ナット41と偏心軸部31の突起34とによって偏心スリーブ32を挟持することで、偏心軸部31のスラスト方向に作用する力を利用して偏心スリーブ32が偏心軸部31に対して固定する。
In the second embodiment, after the
また、図10に示すように、偏心スリーブ32を偏心軸部31に対して回転させ、圧縮比の調整を行う場合には、制御軸6を固定し、偏心スリーブ固定用ナット41を緩め、偏心スリーブ32外周面の雌ネジ37に作業者が回転角度調整用ボルト38を螺合させ、作業者が回転角度調整用ボルト38を回転させ、偏心スリーブ32を所望の角度回転させ、圧縮比を調整する。
Further, as shown in FIG. 10, when the
このような第2実施形態においても、上述した第1実施形態と略同一の作用効果を得ることができる。 In the second embodiment as described above, substantially the same operational effects as those of the first embodiment described above can be obtained.
また、この第2実施形態においては、偏心軸部31のスラスト方向に作用する力によっても偏心スリーブ32が偏心軸部31に対して固定されることになるので、偏心スリープ32と偏心軸部31の間を確実に固定することができるようになる。従って第2実施例では、偏心スリーブ32の内周面23(小径部35の内周面)と、偏心軸部31の外周面との間が、圧入によってのみ固定されるものに限られない。
In the second embodiment, since the
本発明の第3実施形態について説明する。この第3実施形態は、上述した第1実施形態の複リンク式ピストン−クランク機構と略同一構成となっているが、この第3実施形態における制御軸51は、鍛造や鋳造等によって、単一の部材から構成されているのではなく、複数の部材によって構成されている。
A third embodiment of the present invention will be described. The third embodiment has substantially the same configuration as the multi-link type piston-crank mechanism of the first embodiment described above, but the
この第3実施形態における制御軸51は、図11に示すように、クランク軸受ブラケット15と制御軸軸受ブラケット18との間に回転可能に支持される主軸部52と、この主軸部52に対して所定量e0だけ偏心した偏心軸部53と、制御軸51を駆動するアクチュエータ(図示せず)と連結される連結部54と、制御軸51のスラスト方向(軸方向)の位置決めを行う位置決め部55と、を有している。
As shown in FIG. 11, the
この第3実施形態において、制御軸51には、4つの偏心軸部53と5つの主軸部52とが形成され、その軸方向に沿って主軸部52と偏心軸部53とが交互に設けられた構成となっている。つまり、偏心軸部53は、制御軸51の軸方向に沿って見た場合に、一対の主軸部52の間に位置している。各偏心軸部53には、4つの気筒のコントロールリンク5がそれぞれ連結されている。
In the third embodiment, the
連結部54及び位置決め部55は、制御軸51の軸方向の略中央位置、すなわち内燃機関の気筒列方向の略中央に位置している。位置決め部55は、制御軸51の回転量、すなわち制御軸51の回転角度範囲の上下限位置を規定するメカニカルストッパーとしての機能も有している。
The connecting
そして、この第3本実施形態においては、制御軸51が、主軸部52となる主軸部材61と、偏心軸部53となる偏心軸部材62と、連結部54となる連結部材63と、位置決め部55となる位置決め部材64と、こららの互いに別体の部材61、62、63、64を貫通し、連結する細長い円管状の基本軸部材67と、によって大略構成されている。
In the third embodiment, the
主軸部材61は、図12に示すように、円管状を呈し、基本軸部材67が貫通する主軸穴61aに対して、クランク軸受ブラケット15と制御軸軸受ブラケット18との間に回転可能に支持される円筒面である外周面61bが、偏心するように形成されている。
As shown in FIG. 12, the
偏心軸部材62は、図13に示すように、円管状を呈し、基本軸部材67が貫通する偏心軸穴62aに対して、偏心スリーブ20が圧入される円筒面である外周面62bが同心状となるように形成されている。
As shown in FIG. 13, the
連結部材63は、図14に示すように、板状を呈し、基本軸部材67が貫通する連結部材穴63aと、制御軸51の駆動源となる図示せぬアクチュエータ側と係合する係合穴63bと、を有するよう形成されている。
As shown in FIG. 14, the connecting
位置決め部材64は、図15に示すように、円板状の基部65と、円弧状の先端側が基部65よりも外側に突出するよう形成された略扇形状の扇形部66と、基本軸部材67が貫通する位置決め部材穴64aと、を有するよう形成されている。位置決め部材穴64aは、基部65及び扇形部66を貫通するものである。尚、この位置決め部材64は、基部65がクランク軸受ブラケット15に突き当てられることによって、制御軸51のスラスト方向(軸方向)の位置決めを行い、制御軸51の回転に伴い扇形部66の側面66a、66bが図示せぬストッパに付き当てられることで、制御軸51の回転角度範囲の上下限位置を規定している。
As shown in FIG. 15, the positioning
主軸部材61の主軸穴61a、偏心軸部材62の偏心軸穴62a、連結部材63の連結部材穴63a及び位置決め部材64の位置決め部材穴64aの内径は、本実施形態では同一径となるよう形成されている。
The inner diameters of the
基本軸部材67は、図16に示すように、細長い円管状の部材であり、主軸部材61の主軸穴61a、偏心軸部材62の偏心軸穴62a、連結部材63の連結部材穴63a及び位置決め部材64の位置決め部材穴64aに対して、挿入または圧入可能となるようにその外径が設定されている。本実施形態では、基本軸部材67の外径は、前記各穴61a、62a、63a、64aの穴径と同一となるよう設定されているが、前記各穴61a、62a、63a、64aの穴径よりも小さく設定することも可能である。
As shown in FIG. 16, the
そして、制御軸51は、これらの部材61、62、63、64、67を用いて、図17に示すような手順で組み立てられている。
The
まず、第1の工程では、図17(a)に示すように、偏心軸部材62を基本軸部材67に組み付ける前に、偏心スリーブ20を予め圧入しておく。
First, in the first step, as shown in FIG. 17A, before the
次に、第2の工程では、図17(b)に示すように、基本軸部材67に、主軸部材61、偏心スリーブ20が圧入された偏心軸部材62、連結部材63、位置決め部材64(図示省略)を順番に挿入していく。換言すれば、これらの部材61、62、63、64の各穴61a、62a、63a、64aに、基本軸部材67を挿入する。
Next, in the second step, as shown in FIG. 17B, the
そして、第3の工程では、各部材61、62、63、64を基本軸部材67の所定位置に所定の角度となるよう配置して、図17(c)に示すように、基本軸部材67を拡管する。基本軸部材67に行う拡管加工は、例えば、基本軸部材67の内部に気体あるいは液体を充填し、基本軸部材67の内部の気体あるいは液体を高圧にすることで、基本軸部材67の外径を全長に亙って拡大させるものである。基本軸部材67を拡管することで、各部材61、62、63、64は、基本軸部材67に固定される。尚、基本軸部材67は、全長に拡管するのではなく、各部材61、62、63、64が配置されている部分のみを拡管するようにしてもよい。
In the third step, the
次に、第4の工程では、図17(d)に示すように、拡管した基本軸部材67の前後端にそれぞれプラグ68を打ち込み、基本軸部材67の前後端を閉塞する。
Next, in the fourth step, as shown in FIG. 17D, plugs 68 are driven into the front and rear ends of the expanded
その結果、図17(e)に示すように、偏心スリーブ20が既に偏心軸部53に圧入された状態の制御軸51が得られることになる。
As a result, as shown in FIG. 17E, the
ここで、図18に示す比較例の制御軸71は、上述した第3実施形態の制御軸51と同一形状の主軸部52、偏心軸部53、連結部54、位置決め部55を有し、上述した第3実施形態の制御軸51と同一の外形状となっているが、鍛造もしくは鋳造等により、単一の部材から構成されたものである。各部の形状は、上述した第3実施形態の制御軸51を同一形状であるので、同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
Here, the
このような制御軸71においては、制御軸71の偏心軸部53に偏心スリーブ20を組み付ける際に、図18における左側の2つの偏心軸部53a、53bについては図18における左側から、図18における右側の2つの偏心軸部53c、53dについては図18における右側から、それぞれ偏心スリーブ20が圧入されることになる。つまり、制御軸71の端部から所定の偏心軸部53まで偏心スリーブ20を制御軸71の軸方向に移動させることになる。
In such a
例えば、偏心軸部53bに圧入される偏心スリーブ20は、図19に示すように、制御軸71の一方の端部(図19における左側の端部)から、制御軸71の軸方向に沿ってクランク状に動きながら偏心軸部53bまで移動することになり、偏心軸部53aと、偏心軸部53aの両側の位置する2つの主軸部52、52を通過して偏心軸部53bに圧入されることになる。
For example, as shown in FIG. 19, the
そのため、制御軸71の端部から所定の偏心軸部53まで偏心スリーブ20を制御軸71の軸方向に移動させることができるようにするために、制御軸71の設計上の自由度が制限されてしまうことになる。
Therefore, in order to allow the
具体的には、図20に示すように、偏心軸部53の外径R1が、主軸部52の外径R2よりも小さければ、偏心スリーブ20が主軸部52を通り抜けられなくなるため、偏心スリーブ20を制御軸71の軸方向に移動させることはできず、偏心スリーブ20を所定の偏心軸部53に対して圧入することはできない。従って、比較例の制御軸71においては、偏心軸部53の外径R1を主軸部52の外径R2よりも大きくする必要がある。
Specifically, as shown in FIG. 20, if the outer diameter R1 of the
また、比較例の制御軸71においては、偏心軸部53の外径が、主軸部52の外径よりも大きかったとしても、制御軸71の端部側に位置する偏心軸部53aの外径よりも、偏心軸部53bの外径が小さい場合には、偏心軸部53bに対して偏心スリーブ20を圧入することはできない。これは、偏心軸部53bに取り付けられる偏心スリーブ20は、偏心軸部53aを通過する必要があるため、偏心スリーブ20の内径を偏心軸部53aの外径より大きくする必要があるからである。そのため、制御軸71の端部側に位置する偏心軸部53aよりもその内側に位置する偏心軸部53bの外径を大きくする必要がある。
Further, in the
さらに、比較例の制御軸71においては、図21に示すように、主軸部52とこれに隣接する偏心軸部53との間隔L1が、偏心スリーブ20の軸方向に沿った長さL2よりも短くなると、偏心スリーブ20が主軸部52を通過しきらない状態で、偏心スリーブ20の先端が偏心軸部53に突き当たることになり、偏心スリーブ20を所望の偏心軸部53の位置まで、制御軸71上を移動させることができなくなる。従って、比較例の制御軸71においては、偏心スリーブ20の長さL2よりも、主軸部52とこれに隣接する偏心軸部53との間隔L1を長くする必要がある。
Furthermore, in the
しかしながら、この第3実施形態においては、制御軸51が、主軸部材61、偏心軸部材62、連結部材63、位置決め部材64及び基本軸部材67から構成され、主軸部材61、偏心スリーブ20が予め圧入された偏心軸部材62、連結部材63及び位置決め部材64に挿入した基本軸部材67を拡管することで、基本軸部材67に対して主軸部材61、偏心軸部材62、連結部材63、位置決め部材64が固定された構成となっている。
However, in the third embodiment, the
つまり、第3実施形態では、制御軸51を組み立てる際に、偏心スリーブ20を予め偏心軸部材62に予め圧入しておくことが可能であり、偏心軸部材62に偏心スリーブ20を予め圧入しておけば、制御軸51の端部から所定の偏心軸部53まで偏心スリーブ20を制御軸51の軸方向に移動させる必要がなくなるため、制御軸51の設計自由度を向上させることができる。
That is, in the third embodiment, when assembling the
具体的には、偏心軸部53の外径が、主軸部52の外径よりも大きかったとしても、偏心スリーブ20が予め偏心軸部材62に圧入されていれば、制御軸51の端部から所定の偏心軸部53まで偏心スリーブ20を制御軸51の軸方向に移動させる必要がないので、偏心軸部53の外径を主軸部52の外径よりも大きく設定したり、偏心軸部53の外径と主軸部52の外径とを同一径に設定することも可能となる。そのため、制御軸51を支持する主軸部52の外径を大きくすることが可能となり、主軸部52の強度を向上させることができる。
Specifically, even if the outer diameter of the
また、偏心スリーブ20が予め偏心軸部材62に圧入されていれば、制御軸51の端部側に位置する偏心軸部53ほどその外径を小径とし(偏心軸部53bの外径に比べて偏心軸部53aの外径を小径とし)、制御軸51の端部側に位置する偏心軸部53に圧入される偏心スリーブ20ほどその内径を小径と設定する必要性もなくなるので、同一寸法の偏心スリーブ20が使用可能となり、偏心スリーブ20の設計自由度が向上すると共に、内径違いの偏心スリーブ20を用意する必要がなくなり、偏心スリーブ20の種類を削減することで、製造コストの低減を図ることができる。さらに、同一寸法の偏心スリーブ20を使用しても、偏心スリーブ20は予め偏心軸部材62に圧入されているため、偏心スリーブ20が所定の偏心軸部53に圧入されるまでに制御軸51の端部側の偏心軸部53を通過することもないので、制御軸51の端部側の偏心軸部53を通過させる際に偏心スリーブ20の筒状部21の内周面23が傷ついてしまうこともない。
Further, if the
そして、偏心スリーブ20が予め偏心軸部材62に圧入されていれば、主軸部52とこれに隣接する偏心軸部53との間隔を、偏心スリーブ20の軸方向に沿った長さよりも大きく設定する必要性もなくなるため、制御軸51の軸方向に沿った主軸部52及び偏心軸部53の長さを大きくすることが可能となる。そのため、主軸部52及び偏心軸部53の軸受け幅の拡大が可能となり、主軸部52や偏心軸部53に荷重が作用した際に、主軸部52や偏心軸部53の倒れ込みを抑制でき、また主軸部52や偏心軸部53における面圧を低減できるため、主軸部52や偏心軸部53における軸受け性能を向上させることができる。
If the
また、偏心スリーブ20が予め偏心軸部材62に圧入されていれば、制御軸71の端部から所定の偏心軸部53まで偏心スリーブ20を制御軸51の軸方向に移動させてから該偏心軸部53に圧入する場合に比べ、偏心スリーブ20の圧入作業性を向上させることができる。すなわち、長尺の制御軸51に対して偏心スリーブ20を圧入するのではなく、偏心軸部材62に対して偏心スリーブ20が圧入されているので、偏心スリーブ20の圧入作業性を向上させることができる。
Further, if the
尚、この第3実施形態の制御軸51においては、偏心スリーブ20に代えて、上述した第2実施形態の偏心スリーブ32を用いることも可能である。
In the
5…コントロールリンク
6…制御軸
7…偏心軸部
20…偏心スリーブ
21…筒状部
22…回転角度調整部
23…内周面
25…外周面
DESCRIPTION OF
Claims (13)
前記偏心軸部に圧入された筒状の偏心スリーブを有し、
前記偏心スリーブを前記偏心軸部に対して回転させることで、各気筒毎にピストンの上死点位置が調整可能なことを特徴とする内燃機関の複リンク式ピストン−クランク機構。 A control having a plurality of link members for connecting pistons and crankshafts of an internal combustion engine, a control link for restricting movement of the plurality of link members, and an eccentric shaft portion to which one end of the control link is swingably connected A multi-link type piston-crank mechanism for an internal combustion engine in which the position of the eccentric shaft portion is changed by the rotation of the control shaft and the top dead center position of the piston is changed to change the compression ratio. In
A cylindrical eccentric sleeve press-fitted into the eccentric shaft portion;
A multi-link piston-crank mechanism for an internal combustion engine, wherein the top dead center position of each piston can be adjusted for each cylinder by rotating the eccentric sleeve relative to the eccentric shaft portion.
前記偏心スリーブが前記偏心軸部に圧入された状態で、当該偏心スリーブを前記偏心軸部に対して回転させることが可能なことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の複リンク式ピストン−クランク機構。 On the outer periphery of the eccentric sleeve, a rotation angle adjusting portion that is engaged with a jig when the eccentric sleeve is rotated with respect to the eccentric shaft portion is formed,
2. The multi-link piston for an internal combustion engine according to claim 1, wherein the eccentric sleeve can be rotated with respect to the eccentric shaft portion in a state where the eccentric sleeve is press-fitted into the eccentric shaft portion. -Crank mechanism.
[数1]
The torque applied to the eccentric sleeve is T, the inner peripheral area of the eccentric sleeve is A, the press-fitting allowance of the eccentric sleeve to the eccentric shaft portion is δ, the radius of the outer diameter of the cylindrical portion of the eccentric sleeve is a, the eccentric sleeve The inner diameter of the cylindrical portion is b, the Poisson's ratio of the control shaft is υ B , the Poisson's ratio of the eccentric sleeve is υ H , the longitudinal elastic modulus of the control shaft is E B , and the longitudinal elastic modulus of the eccentric sleeve is Assuming E H , the expected value μe of the static friction coefficient between the inner peripheral surface of the eccentric sleeve and the outer peripheral surface of the eccentric shaft portion calculated by the following equation (1) is the actual inner peripheral surface of the eccentric sleeve. The multi-link piston-crank mechanism for an internal combustion engine according to any one of claims 1 to 6, wherein the coefficient is set smaller than a static friction coefficient between the outer peripheral surface of the eccentric shaft portion and the outer peripheral surface of the eccentric shaft portion.
[Equation 1]
前記偏心軸部には、前記偏心軸部に対して回転させることで、各気筒毎にピストンの上死点位置が調整可能な筒状の偏心スリーブが圧入され、
前記制御軸は、前記主軸部となる主軸部材と、前記偏心軸部となる偏心軸部材とに細長い管状の基本軸部材を挿入し、前記基本軸部材を拡管することで該基本軸部材に対して前記主軸部材と前記偏心軸部材とが固定された構造となっていることを特徴する複リンク式ピストン−クランク機構の制御軸。 A control shaft connected to a control link for restricting movement of a plurality of link members connecting a piston and a crankshaft of the internal combustion engine, the main shaft portion being rotatably supported by the internal combustion engine, and the control One end of the link is swingably connected, and has an eccentric shaft portion that is eccentric with respect to the main shaft portion, and the position of the eccentric shaft portion is changed by the rotation of the control shaft. In the control shaft of the multi-link piston-crank mechanism that changes the dead center position and changes the compression ratio of the internal combustion engine,
By rotating the eccentric shaft portion with respect to the eccentric shaft portion, a cylindrical eccentric sleeve capable of adjusting the top dead center position of the piston for each cylinder is press-fitted,
The control shaft inserts an elongated tubular basic shaft member into a main shaft member serving as the main shaft portion and an eccentric shaft member serving as the eccentric shaft portion, and expands the basic shaft member so that the basic shaft member is expanded. A control shaft for a multi-link piston-crank mechanism, wherein the main shaft member and the eccentric shaft member are fixed.
前記主軸部とこれに隣接する前記偏心軸部との間隔が、前記偏心スリーブの軸方向に沿った長さよりも短くなるよう設定されていることを特徴とする請求項8〜10のいずれかに記載の内燃機関の複リンク式ピストン−クランク機構または複リンク式ピストン−クランク機構の制御軸。 The control shaft has a configuration in which the main shaft portion and the eccentric shaft portion are provided alternately along the axial direction,
The distance between the main shaft portion and the eccentric shaft portion adjacent to the main shaft portion is set to be shorter than the length along the axial direction of the eccentric sleeve. The control shaft of the multi-link piston-crank mechanism or the multi-link piston-crank mechanism of the internal combustion engine described.
前記制御軸は、前記主軸部を構成する円管状の主軸部材と、前記偏心軸部を構成する円管状の偏心軸部材と、前記主軸部材と前記偏心軸部材を連結する細長い管状の基本軸部材と、を有し、
前記偏心軸部材の外周に、該偏心軸部に対して回転させることで各気筒毎にピストンの上死点位置が調整可能な筒状の偏心スリーブを圧入する工程と、
前記主軸部材と前記偏心スリーブが圧入された状態の前記偏心軸部材に、前記基本軸部材を挿入し、前記主軸部材と前記偏心軸部材をそれぞれ基本軸部材の所定位置に配置する工程と、
前記基本軸部材を拡管し、前記主軸部材と前記偏心軸部材を前記基本軸部材に固定する工程と、を含んでなることを特徴とする複リンク式ピストン−クランク機構の制御軸の製造方法。 A control shaft to which a control link for restricting movement of a plurality of link members that connect a piston and a crankshaft of an internal combustion engine is connected, the main shaft portion being rotatably supported by the internal combustion engine, and the control link An eccentric shaft portion that is pivotably coupled to one end of the piston, and the top dead center position of the piston is changed by changing the position of the eccentric shaft portion by rotation of the control shaft. In the manufacturing method of the control shaft of the multi-link type piston-crank mechanism that changes the compression ratio,
The control shaft includes a cylindrical main shaft member constituting the main shaft portion, a circular eccentric shaft member constituting the eccentric shaft portion, and an elongated tubular basic shaft member connecting the main shaft member and the eccentric shaft member. And having
A step of press-fitting a cylindrical eccentric sleeve whose top dead center position can be adjusted for each cylinder by rotating the eccentric shaft member with respect to the eccentric shaft portion on the outer periphery of the eccentric shaft member;
Inserting the basic shaft member into the eccentric shaft member in which the main shaft member and the eccentric sleeve are press-fitted, and disposing the main shaft member and the eccentric shaft member respectively at predetermined positions of the basic shaft member;
Expanding the basic shaft member, and fixing the main shaft member and the eccentric shaft member to the basic shaft member. A method of manufacturing a control shaft for a multi-link piston-crank mechanism, comprising:
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