JP5623919B2 - 非晶質シリカの純化方法を利用した無機硬化性組成物の製造方法および無機硬化体の製造方法 - Google Patents

非晶質シリカの純化方法を利用した無機硬化性組成物の製造方法および無機硬化体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、物殻からの非晶質シリカの純化方法を利用した無機硬化性組成の製造方法および無機硬化体の製造方法に関する。
近年、二酸化炭素(CO2)排出による地球温暖化が急速に進行し、社会問題化している。その中で、セメント産業におけるCO2排出量も大きな割合を占めている。
大規模に工業生産されているセメントの主原料は石灰石である。石灰石は炭酸カルシウム(CaCO3)を主成分とし、燃焼されると約900℃で酸化カルシウム(CaO)に分解され、同時にCO2を排出する。
そのため、CO2排出量の低減と産業廃棄物の有効活用を目的に、ポルトランドセメントを使わないコンクリート様のジオポリマーを製造する技術が注目されている。
その一例として、アルカリ金属珪酸塩およびメタカオリン、フライアッシュなどの珪酸アルミニウムを用いた方法が、耐久性が高いジオポリマーの製造方法として知られている。
メタカオリン、フライアッシュ等の珪酸アルミニウムが水と接するとアルミニウムが溶出され、このアルミニウムが非晶質シリカを含むアルカリ金属珪酸塩の水溶液(水ガラス)と接することで、珪酸錯体を架橋する反応を起こす。
特許文献1には珪酸ナトリウムとフライアッシュの混合物を養生する方法が提案されている。
特開平8−301639号
しかしながら、珪酸ナトリウムの水溶液は非常に粘性が高いため、流動性が低く取り扱いにくい問題がある。
また、珪酸アルミニウムは市販品(天然物を焼成や粉砕により加工したもの、石炭灰のような副生物)の種類により成分が異なるため、例えば目的のジオポリマーを製造する際には、その種類に応じて珪酸アルミニウムと反応させる水ガラスの成分、具体的にはシリカ(SiO2)とアルカリ金属酸化物(M2O)のモル比(SiO2:M2O)を調整する必要があるが、殆どの場合において高粘度の珪酸ナトリウムの水溶液と低粘度のアルカリ金属水酸化物の水溶液とを混合して調整することとなるため、両者が混ざりにくい等、調整の際にも上記問題が発生する。
さらに、珪酸アルミニウムの粉体と混合する際、アルカリ金属珪酸塩水溶液が高粘度であると、混合が困難であり、またその混合物はその流動性が低下するため、成形体を得る工程において、その取り扱い性が著しく低下する。また、粘性の低い珪酸カリウム等はコスト高である。
そのため、アルカリ金属珪酸塩の水溶液の流動性の問題を発生させず低コストでシリカ源を確保することが望まれる。
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、上記流動性の問題を発生させずに反応性の高い非晶質シリカの供給源を低コストで確保するための物殻からの非晶質シリカの純化方法を利用した無機硬化性組成物の製造方法および無機硬化体の製造方法の提供を目的とする。
本発明における非晶質シリカの純化方法は、物殻を燃焼することを特徴とする。
前記物殻は粒径200μm以下に粉砕してもよく、前記純化工程の物殻の燃焼を700〜950℃で行ってもよい。さらに前記燃焼の時間は10秒以下であってもよいし、前記物殻は稲の籾殻であってもよい。
本発明に係る無機硬化性組成物の製造方法は、上記いずれか1つの非晶質シリカの純化方法により非晶質シリカを純化する工程、純化した非晶質シリカとアルカリ金属水酸化物の水溶液とを混合する工程、この混合物に珪酸アルミニウム及び水を加える工程を有することを特徴とする。
本発明に係る無機硬化体の製造方法は、上記無機硬化性組成物の製造方法で製造された無機硬化性組成物を用いて形成することを特徴とする。
なお、物殻、その灰には、それらの粉砕物も含むものも含まれる。
本発明によれば、物殻の燃焼によって物殻に含まれるシリカ以外の他の成分が除去され、大部分がシリカである物殻の灰が得られる。この灰は珪酸ナトリウムの水溶液に比べてシリカ源として非常に取扱いやすく、上記流動性の問題が発生しない。
また、粒径100μm以下に粉砕した物殻であれば、燃焼時に効率良く燃焼しシリカ以外の不純物が除去されやすい。このため、ジオポリマーを製造する場合に不純物によりジオポリマーの形成反応が阻害されにくい。
さらに、物殻の燃焼温度が700〜950℃であれば、物殻中の不純物がより確実に除去され、物殻中のシリカが結晶化しにくく、得られる非晶質シリカの割合が高いものとなる。また、物殻の燃焼時間が10秒以下であれば、得られる非晶質シリカの割合が高まる。さらに、物殻が稲の籾殻であれば、入手しやすく、より効率的に非晶質シリカを純化することができる。
上記穀物殻の灰とアルカリ金属水酸化物との混合により、この灰が溶解して水ガラスとなることから、物殻由来のシリカを利用でき、低コストでシリカを調達できることとなる。また、物殻由来の灰はアルカリ金属を含まないほぼ非晶質シリカのみの粉体であるので、水ガラスのモル比(SiO2:Na2O)を高める方向に調整することも可能である。
さらに、非晶質シリカに珪酸アルミニウム及び水を加えることにより、流動性の問題なく低コストで無機硬化性組成物の調製、これを用いた無機硬化体の形成が可能となる。
珪酸アルミニウムをメタカオリンとした場合の各籾殻の粒径別の燃焼条件、無機硬化性組成物の流動性及び硬化体の強度を表した表である。 珪酸アルミニウムをフライアッシュI種とした場合の各籾殻の粒径別の燃焼条件、無機硬化性組成物の流動性及び硬化体の強度を示した表である。 一般的な試薬を用いて得られる硬化体の強度を示した表である。 平均粒度20μmの籾殻の燃焼条件と硬化体の強度を示す図である。 平均粒度100μmの籾殻の燃焼条件と硬化体の強度を示す図である。 平均粒度300μmの籾殻の燃焼条件と硬化体の強度を示す図である。
本発明における非晶質シリカの純化方法は、物殻を所定の条件で燃焼することを特徴とする。
物殻>
物殻は、稲から玄米を取り出す際に得られる籾殻や、大麦、小麦、ライ麦、稗、粟又は雑穀等の殻である。物殻の主成分は非晶質シリカとセルロースであることが知られているが、本発明では、この非晶質シリカを取り出して、利用するものである。これまでも物の殻のシリカ分の利用について検討が行われてきているが、有用な非晶質のままでシリカを取り出すこと、取り出したとしても、その実用化が困難であった。
物殻の粉砕>
物殻は、燃焼前に粉砕する方が高い燃焼効率となり、非晶質のシリカを取り出しやすい。燃焼後に粉砕すると非晶質シリカの取り出しが不十分となりやすい。
物殻の粉砕は、任意の方法を用いることが可能だが、物殻は繊維質が多く、微粉に粉砕する必要があるため、ハンマーミル等の強い衝撃と磨砕の両方の作用のある粉砕機を用いると効果的である。
この際、物殻の平均粒度は20〜200μmが好ましい。平均粒度が20μm未満であるとその取扱いが困難となるとともに、この粒度とするための粉砕自体も困難となる。逆に、平均粒度200μmを超えるものであると、物殻の燃焼に時間がかかる、又はセルロース等の他の成分の燃焼が不十分となりやすい。
燃焼が不十分であると、物殻を燃焼して得られる灰に不純物としてセルロースの網目状構造が多く残るため、灰と無機硬化性組成物の原料を混合した際に、不必要に大量の水分を吸収してしまい混合しにくくなる。
<燃焼>
物殻の燃焼温度は、シリカが結晶化しにくく物殻中の不純物が好適に燃焼除去される点から700〜950℃が好ましく、800〜900℃がより好ましい。この範囲の温度で焼成することで物殻から非晶質シリカを多く含む灰を調製できる。
物殻の燃焼温度が700℃未満であると、前述の場合と同様に物殻が完全に燃焼するまで時間がかかる。また燃焼が不十分となりやすく、これによりセルロース等の他の物殻成分の一部が多く残留すると、例えばこの灰を用いて後述するように無機硬化体を製造する場合、不純物によりジオポリマー形成反応が阻害され、低強度のジオポリマーしか得られない。
逆に、物殻の燃焼温度が950℃を超えると物殻が短時間で完全に燃焼するが、燃焼により物殻中のシリカの多くが結晶化して反応性が低下するため、ジオポリマーを製造する場合にジオポリマーを形成する反応が阻害され、低強度のジオポリマーしか得られない。また上記のことから、得られた非晶質シリカの割合はジオポリマーの強度が指標となる。
シリカは、一般的に約1,400℃まで加熱しないと結晶化しないが、物殻にはシリカ以外にカリウムやナトリウム等の他の元素が含まれているため、燃焼条件によっては、700〜950℃の燃焼温度でも、物殻に含まれるシリカが結晶化する場合がある。
このため、物殻を700〜950℃で燃焼させる場合、燃焼時間はシリカの結晶体(クリストバライト)が生成されにくい10秒以下とすることが好ましい。
このような燃焼をさせるためには、予め700〜800℃程度とした加熱雰囲気中に、物殻と空気を噴出させ、その燃焼灰を回収する方法が有効である。物殻の燃焼は例えば浮遊燃焼式ボイラーで好適に行うことができる。
粉砕した物殻を700〜800℃の加熱雰囲気に吹き込むことで、実質的に800〜900℃の燃焼をすることができる。これは加熱雰囲気に投入された物殻が自己着火し、その燃焼熱で燃焼温度が上昇することによる。
物殻の灰>
上記燃焼で得られた物殻の灰に含まれるシリカの大部分は非晶質である。この物殻の灰を、苛性ソーダや苛性カリ等のアルカリ金属水酸化物の水溶液に混合すると、物殻の灰中の非晶質のシリカが水溶液に溶解し、アルカリ金属珪酸塩水溶液が得られる。これは、いわゆる水ガラスと同一の性質を有する。物殻の灰の使用量を調節することで、任意のモル比(SiO2:Na2O)のアルカリ金属珪酸塩水溶液を得ることが可能である。
穀物殻の燃焼条件によっては、非晶質シリカの純度20〜100%の穀物殻の灰が得られるが、後述するジオポリマーを作成する上で使用可能な穀物殻の灰としては、非晶質シリカの純度が60〜100%のものである。非晶質シリカの純度が60%未満の場合には、実質上、ジオポリマーを製造することが困難となる。
アルカリ金属水酸化物の水溶液は、不純物が少なく純度が比較的高いものであればよく、苛性ソーダ等の顆粒を溶解して調製したもの、工業的によく使用される48%程度の水溶液のいずれでもよい。物殻の灰のシリカの溶解に好適なアルカリ金属水酸化物の濃度範囲は20〜60重量%である。
物殻の灰は取扱い易いため、物殻の灰をシリカ源とすることで、従来からシリカ源として使用してきた粘性の高い珪酸ナトリウム等の溶液を取扱う必要がない。例えば、混練機に物殻の灰を投入して上記のアルカリ処理をすれば、混練機内でアルカリ金属珪酸塩水溶液が得られるので、そのまま無機硬化性組成物の調製に使用することができる。
また、無機硬化性組成物の組成分として物殻の灰と混合するアルカリ金属水酸化物の水溶液や水も粘性が低く調製時に粘性の問題が生じず、結果として無機硬化性組成物やジオポリマーの製造における作業効率が向上する。
<無機硬化性組成物の調製>
本発明に係る無機硬化性組成物は、上記の方法で純化した非晶質シリカ、珪酸アルミニウム、水等を含む。
珪酸アルミニウムとしては、一般的にはメタカオリン、フライアッシュ、スラグなどのアルミニウムを含む原料を用いることができる。アルカリ金属水酸化物の水溶液に接したときにシリカやアルミナが溶出するものであれば、基本的に用いることができる。
珪酸アルミニウムの原料については、その粉砕度合によって無機硬化性組成物が硬化してジオポリマーができるまでの時間が大きく変わることから、平均粒径が数μmのものを用いることが好ましい。
具体的には、メタカオリンについては平均粒度1.4μm程度のものが好ましい。フライアッシュについては平均粒度3.1μm程度のものを用いるのが好ましい。
上述のように、得られる物殻の灰のシリカ純度は60〜100%となることから、ジオポリマーを製造する際の無機硬化性組成物の各組成分については、物殻の灰100重量部に対し、アルカリ金属水酸化物約20〜400重量部、水約80〜1,900重量部、骨材約60〜1,900重量部とすることで好適にジオポリマーを製造することができる。
また、珪砂、ワラスナイト等の骨材、ビニロン等の補強繊維、軽量化材、発泡剤等の任意の添加物を加えることができる。この場合、腐食耐性のあるものが望ましい。
<ジオポリマーの製造>
無機硬化性組成物を調製して、所定の条件で養生することによりジオポリマー(硬化体)が形成される。
養生に必要な時間や温度は、材料(珪酸アルミニウムの粒度等)や反応開始から終了までの温度にも依存するが、ジオポリマー形成反応に適した50〜100℃の温度で行うことで、好適にジオポリマーを製造することができる。養生としては自然養生が好ましく、加熱下での促進養生の方法を用いてもよい。養生の時間は大抵数時間〜十数時間であるが、珪酸アルミニウムの粒径と高い相関があることから、適宜調整する必要がある。
また、養生の後に蒸気、電気ヒーター等の任意の手段により、ジオポリマー形成反応に用いられずに残存した水を乾燥させることで余分な水分を除去することが好ましい。
以下、本発明に係る実施例について図面を参照しながら説明する。
[実施例1]
以下のものを用意した。
(A1)籾殻(稲)
(B)水酸化ナトリウム溶液(NaOH:27重量%)・・・280g
(C)メタカオリン(BASF社Satintone SP-33) ・・・380g
(D)珪砂(9号)・・・380g
(粉砕)
ハンマーミルで籾殻(A1)を平均粒度20μmに粉砕した。
(燃焼)
粉砕した籾殻を浮遊燃焼式ボイラーで600℃の雰囲気下、5秒間燃焼し、籾殻灰(A2)を得た。
(無機硬化性組成物の調製)
水酸化ナトリウム溶液(B)280gと所定の籾殻灰(A2)100gを均一になるまで混合し、この混合物に対しメタカオリン(C)380gと珪砂(D)380gとを均一になるまで混合して無機硬化性組成物を調製した。
また、この無機硬化性組成物の流動性を以下の方法で調べた(図1参照)。なお、図1中「○」は液状、「△」は泥状、「×」は粒状(固体の状態)であることを示す。
流動性は、混合物50mlを入れた100mlビーカーを下向き45°に傾けて、すぐに流れ落ち始める物を「○」、流れ落ちるまでに3秒以上要する物を「△」、明らかに粉体の形状が残る物を「×」としている。
(ジオポリマーの製造工程)
調製した無機硬化性組成物を型枠(内寸:250mm×75mm×20mm)に流し込み、均一になるまでタッピングした後、60℃の雰囲気中に12時間保持した。その後、この中間成型物を型枠からはずし、60℃で12時間乾燥した。乾燥したものをスパン200mm、荷重速度2mm/分で曲げ強度を計測した。この結果を図1に示す。
[実施例2,3]
籾殻の燃焼時間を600秒(実施例2)、3,600秒(実施例3)とした以外は、実施例1と同様とした。
[実施例4〜12]
籾殻の燃焼温度を800℃(実施例4〜6)、900℃(実施例7〜9)および1000℃(実施例10〜12)として、各燃焼温度のそれぞれで燃焼時間を変えて実施例1〜3と同様に行った(図1参照)。
[実施例13〜24、25〜36]
粉砕後の籾殻の平均粒度を100μm(実施例13〜24)、300μm(実施例25〜36)とした以外は、図1に示すように燃焼温度、燃焼時間を変化させる等、それぞれ実施例1〜12と同様に試験を行った。
なお、実施例1〜36のモル比(SiO2:Na2O)は1.5付近となっている。
[参考例1]
市販品で高純度の珪酸ナトリウムをシリカ源としてジオポリマーを製造した場合のジオポリマーの曲げ強度を調べた。
以下のものを用意した。
(A)珪酸ナトリウム水溶液(固形分濃度44%、モル比(SiO2 / Na2O))=1.5)・・・365g
(C)メタカオリン(BASF社Satintone SP-33) ・・・380g
(D)珪砂(9号)・・・380g
なお、珪酸ナトリウム水溶液(A)は、市販の珪酸ナトリウム1号と48重量%の水酸化ナトリウム水溶液と蒸留水とを混合してモル比1.5で固形分濃度44%の珪酸ナトリウム溶液を調製した。
シリカ源として珪酸ナトリウムを用いた以外は、珪酸ナトリウム水溶液(A)365gとメタカオリン(C)380gと珪砂(D)380gとを混合して無機硬化性組成物を調製する等、実施例1と同じ条件で流動性の計測、ジオポリマーの製造工程と曲げ強度の計測を行った。各結果を図3に示す。
[実施例37〜39]
未粉砕の籾殻を燃焼温度900℃の条件下、燃焼時間5秒(実施例37)、600秒(実施例38)、3,600秒(実施例39)で燃焼させた後、得られた籾殻灰をハンマーミルで平均粒度20μmに粉砕した。その後、粉砕した籾殻灰を用いて実施例7〜9と同様に無機硬化性組成物を調製し、その流動性を計測した。さらに、調製した無機硬化性組成物を用いてジオポリマーの製造工程を行い、得られたものの曲げ強度を計測した。各結果を図1に示す。
[実施例40]
未粉砕の籾殻を燃焼温度1,000℃で燃焼し、得られた籾殻灰を粉砕せず無機硬化性組成物の調製に用いたこと以外は、実施例39と同様にジオポリマーの製造工程等を行った。各結果を図1に示す。
[実施例41〜43]
実施例41〜43では、メタカオリンの代わりにフライアッシュ(I種)を用いたこと以外は、それぞれ実施例4、実施例7および実施例8と同様に無機硬化性組成物の調製、ジオポリマーの製造工程等を行った。各結果を図2に示す。
(結果と考察)
<平均粒度20μmの場合>
図4に、平均粒度20μmの籾殻から燃焼条件(焼成温度、焼成時間)を変えて取り出した非晶質シリカを用いて形成した実施例1〜12のジオポリマーの曲げ強度のグラフを示す。
なお、参考のために市販されている高純度の珪酸ナトリウムをシリカ源に用いた場合(参考例1)のジオポリマーの曲げ強度(23.1MPa)を高い曲げ強度の基準値として破線で示す。これは、籾殻から得られた非晶質シリカの量を計測するための基準にもなる。
ここで、ジオポリマーの曲げ強度が10MPa以上の場合に、実質的に十分なジオポリマーを形成する硬化反応が起こっているものと判断できる。また、曲げ強度が20MPa以上であると、工場生産された珪酸カリウムと同等の反応性(非晶質シリカの量と質)があると判断できる。
図4に示すように、燃焼時間5秒、燃焼温度800〜900℃の燃焼条件とした場合(実施例4、7)、曲げ強度20MPa以上のジオポリマーが得られた。これらのジオポリマーは高純度の珪酸ナトリウムをシリカ源に用いた参考例1より高い曲げ強度を有し、この条件で籾殻を燃焼させることが特に好ましい。
これは、平均粒度20μmの籾殻を上記燃焼条件で燃焼させることで、他の燃焼条件より多く非晶質シリカが得られ、その結果ジオポリマーの形成反応が進んで、高い曲げ強度のジオポリマーが形成されたことによる。
なお、籾殻の平均粒度が20μmの場合に、ジオポリマーの曲げ強度が10MPaを超える条件は、燃焼時間5秒では燃焼温度が約700〜980℃、燃焼時間600秒では燃焼温度が約600〜920℃、燃焼時間3,600秒では燃焼温度が約600〜870℃の範囲となる。
例えば燃焼設備によっては600℃程度にしか燃焼温度を調節できない場合でも、燃焼時間の調整により、20MPa以上の高い曲げ強度のジオポリマーが得られる(実施例3参照)。しかし、燃焼コストの面等から、短い燃焼時間で籾殻を燃焼させることが好ましい。
また無機硬化性組成物の流動性については各例で高く、市販の珪酸ナトリウムをシリカ源として調製した無機硬化性組成物の流動性と同程度でほぼ液状であった(図1、図3参照)。
<平均粒度100μmの場合>
図5に、平均粒度100μmの籾殻から燃焼条件(焼成温度、焼成時間)を変えて取り出した非晶質シリカを用いて形成した実施例13〜24のジオポリマーの曲げ強度のグラフを示す。
平均粒度100μmの籾殻を燃焼させた場合は、平均粒度20μmの籾殻を用いた場合と比較して燃焼効率が低く、得られる非晶質シリカの量が少ない。そのため、ジオポリマーの形成反応がその分進まず、ジオポリマーの曲げ強度が低くなる(図4と図5を比較して参照)。
それでも燃焼時間5秒、燃焼温度800〜900℃の燃焼条件とした場合では、曲げ強度が約17MPaのジオポリマーが得られる(実施例16、19)。また、燃焼時間600秒の場合でも、燃焼温度800〜850℃の燃焼条件で、約15MPaのジオポリマーが得られる(実施例17)。
これらのジオポリマーは、高純度の珪酸ナトリウムをシリカ源に用いた参考例1の曲げ強度23.1MPaに近い曲げ強度を有し、このことからも燃焼温度800〜900℃で籾殻を燃焼させることが特に好ましいことが分かる。
なお、籾殻の平均粒度が100μmの場合に、ジオポリマーの曲げ強度が10MPa以上となる条件は、燃焼時間5秒では燃焼温度が約700〜980℃、燃焼時間600秒では約700〜920℃、燃焼時間3,600秒では約700〜840℃の範囲となる。
図5から分かるように、籾殻の平均粒度が100μmの場合では、平均粒度が20μmの場合と比較して、狭い燃焼温度範囲でしか十分な曲げ強度のジオポリマーが得られない。そのため、籾殻を平均粒度100μm未満に粉砕することが非晶質シリカの取り出しに
有効であることが分かる(図4と図5を比較して参照)。
また無機硬化性組成物の流動性については一部を除いて各例で高く、市販の珪酸ナトリウムをシリカ源として調製した無機硬化性組成物の流動性と同程度でほぼ液状であった(図1、図3参照)。
<平均粒度300μmの場合>
図6に、平均粒度300μmの籾殻から燃焼条件(焼成温度、焼成時間)を変えて取り出した非晶質シリカを用いて形成した実施例25〜36のジオポリマーの曲げ強度のグラフを示す。
図6に示すように、各燃焼時間の条件で、籾殻の燃焼に好適な燃焼温度のピークが高温度側にシフトしている。平均粒度300μmのように高い平均粒度の籾殻の場合、肉厚が多い分、籾殻の外部から内部の中心部にわたり燃焼処理に差が生じ、そのため、籾殻内部のある部分では好適な燃焼条件となり、非晶質シリカの状態の維持と不純物の除去がなされていると考えられる。
しかし、その部分より外側は高温により不純物が除去されるがシリカが結晶化し、逆にその部分より中心部側では非結晶が維持されるが不純物が残存するため、燃焼処理にムラが生じることとなり、好ましくない。
また無機硬化性組成物の流動性については各例で低〜中程度の流動性を呈し、市販の珪酸ナトリウムをシリカ源として調製した無機硬化性組成物の流動性より劣り、粒状または泥状であった(図1、図3参照)。
<他の条件変更>
未粉砕の籾殻を燃焼した後に平均粒度20μmに粉砕した場合(実施例37〜40)では、燃焼温度900℃、燃焼時間3,600秒の燃焼条件(実施例39)でのみジオポリマーが得られ、20MPaに近い曲げ強度を示した(図4の破線の円記号を参照)。よって、籾殻は燃焼前に粉砕することが望ましい。
さらに、ジオポリマー製造の観点から、高い曲げ強度のジオポリマーが得られた実施例4、7及び8について、メタカオリンをフライアッシュ(I種)に変更した場合(実施例41〜43)、曲げ強度がいずれも低下した(図1、2および4参照)。
具体的には、ジオポリマーの曲げ強度は、23.2MPa(実施例4)から13.2MPa(実施例41)に低下し、23.4MPa(実施例7)から15.3MPa(実施例42)に低下し、13.9MPa(実施例8)から9.5MPa(実施例43)に低下した。
このことから、ジオポリマーの原料としてフライアッシュ(I種)よりメタカオリンの方が好適であると分かる(実施例41〜43順に図4の菱形、四角、三角の破線記号を参照)。
以上、実施の形態および実施例に基づいて、本発明の非晶質シリカの純化方法を利用した無機硬化性組成物の製造方法および無機硬化体の製造方法について説明してきたが、本発明に逸脱しない限り変更することができる。
実施例では稲の籾殻を使用したが、稲の籾殻以外にも他の穀物殻でも同様にして非晶質シリカを抽出できる。
上述した非晶質シリカの純化方法は、セメント等のポゾラン物質の調製等に利用することができる。

Claims (6)

  1. 穀物殻を燃焼することを特徴とする非晶質シリカの純化方法により前記物殻の非晶質シリカを純化する工程と、
    純化した非晶質シリカとアルカリ金属水酸化物の水溶液とを混合する工程
    この混合物に珪酸アルミニウム及び水を加える工程とを有することを特徴とする無機硬化性組成物の製造方法。
  2. 前記物殻は粒径200μm以下に粉砕したものであることを特徴とする請求項1に記載の無機硬化性組成物の製造方法
  3. 前記物殻の燃焼を700〜950℃で行うことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の無機硬化性組成物の製造方法
  4. 前記燃焼の時間は10秒以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の無機硬化性組成物の製造方法
  5. 前記物殻は稲の籾殻であることを特徴とする請求項1〜4いずれか1項に記載の無機硬化性組成物の製造方法
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の無機硬化性組成物の製造方法で製造された無機硬化性組成物を用いて形成することを特徴とする無機硬化体の製造方法。
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