JP5623305B2 - ズームレンズ及びそれを有する撮像装置 - Google Patents

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Description

本発明はズームレンズ及びそれを有する撮像装置に関し、特にデジタルスチルカメラ、ビデオカメラ、監視用カメラ、TVカメラ、フィルム用カメラ等の撮像装置に用いる撮影レンズに好適なものである。
固体撮像素子を用いたビデオカメラ、監視用カメラ、デジタルスチルカメラ等の撮像装置に用いる撮影光学系には、広画角・高ズーム比で高い光学性能を有したズームレンズであることが要求されている。これらの要求を満足するズームレンズとして、物体側より像側へ順に、正、負、正、正の屈折力の第1〜第4レンズ群より成る4群ズームレンズが知られている。このうち、第2レンズ群を移動させて変倍を行い、第4レンズ群にて変倍に伴う像面変動を補正する4群ズームレンズが知られている。
この第1レンズ群と第3レンズ群を固定とした4群ズームレンズにおいて、広画角化を図ると前玉有効径が大きくなり、ズームレンズ全体の小型化が困難となる。これに対して、広画角化を図ったときの前玉有効径の増大を軽減するため、第1レンズ群を5つ又は6つのレンズより構成したズームレンズが提案されている(特許文献1,2)。特許文献1では第1レンズ群を物体側から像側へ順に、負レンズ、正レンズ、負レンズ、正レンズ、正レンズの5つより構成して、広角端の撮影画角が約78度、ズーム比5〜10倍程度の実施例が開示されている。特許文献2では第1レンズ群を物体側から像側へ順に、負レンズ、正レンズ、正レンズ、負レンズ、正レンズ、正レンズの6つより構成して、広角端の撮影画角が約80度、ズーム比約10倍の実施例が開示されている。
特開2004‐272187号公報 特開2009‐037105号公報
近年ビデオカメラや監視用カメラ等の撮像装置に使用されるズームレンズには、全系が小型で、広画角であり、かつズーム全域において高い光学性能を有していることが要望されている。広画角化を図りつつ、全系の小型化を実現するためには、ズームレンズを構成する各レンズ群の屈折力を強めるのが良い。しかしながら、単に各レンズ群の屈折力を強めると、ズーミングに伴う収差変動が大きくなり、全ズーム範囲にわたり良好な光学性能を得ることが難しくなってくる。
前述した4群ズームレンズにおいて全系の小型化を維持しながら広画角化を図るには、第1レンズ群の屈折力やレンズ構成、そして第1レンズ群と第2レンズ群との光学配置等を適切に配置するのが重要になってくる。特に第1レンズ群のレンズ構成が不適切であると、広画角化を図りつつ全系の小型化を図るのが困難となり、またズーミングに伴う諸収差の変動が増大し高い光学性能を得るのが難しくなる。
本発明は、広画角で、全系が小型で、かつ全ズーム範囲にわたり高い光学性能を有するズームレンズ及びそれを有する撮像装置の提供を目的とする。
本発明のズームレンズは、物体側より像側へ順に、正の屈折力の第1レンズ群、ズーミングに際して移動する負の屈折力の第2レンズ群、正の屈折力の第3レンズ群、ズーミングに際して移動する正の屈折力の第4レンズ群より構成され、
ズーミングに際して隣り合うレンズ群の間隔が変化し、
前記第1レンズ群は最も物体側に配置された負レンズを含む5つ以上のレンズを有し、
前記第1レンズ群と前記第2レンズ群の広角端における主点間隔をh12w、広角端における全系の焦点距離をfw、前記第1レンズ群の焦点距離をf1とするとき、
−5.0<h12w/fw<−1.2
9.0<f1/fw<15.0
なる条件式を満足することを特徴としている。
本発明によれば、広画角で、全系が小型で、かつ全ズーム範囲にわたり高い光学性能を有するズームレンズが得られる。
実施例1のズームレンズの広角端におけるレンズ断面図 (A)、(B)、(C) 実施例1のズームレンズの広角端、中間のズーム位置、望遠端における諸収差図 実施例2のズームレンズの広角端におけるレンズ断面図 (A)、(B)、(C) 実施例2のズームレンズの広角端、中間のズーム位置、望遠端における諸収差図 実施例3のズームレンズの広角端におけるレンズ断面図 (A)、(B)、(C) 実施例3のズームレンズの広角端、中間のズーム位置、望遠端における諸収差図 実施例4のズームレンズの広角端におけるレンズ断面図 (A)、(B)、(C) 実施例4のズームレンズの広角端、中間のズーム位置、望遠端における諸収差図 本発明のズームレンズをビデオカメラに適用したときの要部概略図
以下、本発明のズームレンズ及びそれを有する撮像装置の実施例について説明する。本発明のズームレンズは、物体側より像側へ順に、正の屈折力の第1レンズ群、ズーミングに際して移動する負の屈折力の第2レンズ群、正の屈折力の第3レンズ群、ズーミングに際して移動する正の屈折力の第4レンズ群より構成されている。フォーカスに際しては第4レンズ群が移動する。第1レンズ群の物体側又は第4レンズ群の像側の少なくとも一方にコンバーターレンズ等の屈折力のあるレンズ群が配置される場合もある。
図1は本発明の実施例1のズームレンズの広角端(短焦点距離端)におけるレンズ断面図である。図2(A)、(B)、(C)はそれぞれ実施例1のズームレンズの広角端、中間のズーム位置、望遠端(長焦点距離端)における収差図である。図3は本発明の実施例2のズームレンズの広角端におけるレンズ断面図、図4(A)、(B)、(C)はそれぞれ実施例2のズームレンズの広角端、中間のズーム位置、望遠端における収差図である。
図5は本発明の実施例3のズームレンズの広角端におけるレンズ断面図、図6(A)、(B)、(C)はそれぞれ実施例3のズームレンズの広角端、中間のズーム位置、望遠端における収差図である。図7は本発明の実施例4のズームレンズの広角端におけるレンズ断面図、図8(A)、(B)、(C)はそれぞれ実施例4のズームレンズの広角端、中間のズーム位置、望遠端における収差図である。図9は本発明のズームレンズを備えるビデオカメラ(撮像装置)の要部概略図である。
各実施例のズームレンズはビデオカメラやデジタルカメラ等の撮像装置に用いられる撮影レンズ系である。レンズ断面図において、左方が被写体側(物体側)(前方)で、右方が像側(後方)である。各実施例のズームレンズをプロジェクター等の投射レンズとして用いても良く、このときは、左方がスクリーン、右方が被投射画像となる。レンズ断面図において、L1は正の屈折力(光学的パワー=焦点距離の逆数)の第1レンズ群、L2は負の屈折力の第2レンズ群、L3は正の屈折力の第3レンズ群、L4は正の屈折力の第4レンズ群である。SPは解放Fナンバー(Fno)の光束を決定する開口絞りであり、第3レンズ群L3の物体側に位置している。
GBは光学フィルター、フェースプレート、赤外カットフィルター等に相当する光学ブロックである。IPは像面であり、ビデオカメラやデジタルカメラの撮影光学系として使用する際にはCCDセンサやCMOSセンサ等の固体撮像素子(光電変換素子)の撮像面が、銀塩フィルム用カメラの撮像光学系として使用する際にはフィルム面に相当する。球面収差図においては、d線及びg線について示している。非点収差図において、ΔM、ΔSはメリディオナル像面、サジタル像面を表している。FnoはFナンバー、ωは実トレース値における半画角である。以下の各実施例において広角端と望遠端は変倍用レンズ群(第2レンズ群L2)が機構上光軸上移動可能な範囲の両端に位置したときのズーム位置をいう。
各実施例ではズーミングに際して隣り合うレンズ群の間隔が変化する。具体的には、広角端から望遠端のズーム位置へズーミングに際して矢印の如く第2レンズ群L2を像側へ移動させて変倍を行っている。そして、変倍に伴う像面変動を第4レンズ群L4を物体側に凸状の軌跡の一部を有しつつ移動させて補正している。このように第4レンズ群L4を物体側へ凸状の軌跡とすることで第3レンズ群L3と第4レンズ群L4間の空間の有効利用を図り、レンズ全長の短縮化を効果的に達成している。
また、第4レンズ群L4を光軸上移動させてフォーカシングを行うリアフォーカス式を採用している。第4レンズ群L4の実線の曲線4aと点線の曲線4bは各々無限遠物体と近距離物体にフォーカスしているときの広角端から望遠端のズーム位置へのズーミングの際の像面変動を補正するための移動軌跡である。例えば望遠端のズーム位置において無限遠物体から近距離物体へフォーカスを行う場合には、矢印4Cに示すように第4レンズ群L4を前方に繰り出すことで行っている。
尚、各実施例において第1レンズ群L1と第3レンズ群L3と開口絞りSPはズーミング及びフォーカスのためには不動である。但し収差補正上、必要に応じてこれらを移動させても良い。
各実施例において、第1レンズ群L1は最も物体側に配置された負レンズを含む5つ以上のレンズを有している。第1レンズ群L1と第2レンズ群L2の広角端における主点間隔をh12w、広角端における全系の焦点距離をfw、第1レンズ群L1の焦点距離をf1とする。このとき、
−5.0<h12w/fw<−1.2 ・・・(1)
9.0<f1/fw<15.0 ・・・(2)
なる条件式を満足している。
各実施例のズームレンズは広画角でありながら良好な光学性能を得るために、物体側から像側へ順に、正の屈折力の第1レンズ群L1と、負の屈折力の第2レンズ群L2を配置している。撮影範囲の広画角化のためには第1レンズ群を負の屈折力とするのが有利であるが、望遠端のズーム位置においてFナンバーが暗くなるという傾向がある。このため、第1レンズ群を正の屈折力とした。そして変倍のために第2レンズ群を移動させると共に、変倍により変動する像面を補正のために第4レンズ群を移動させるレンズ構成としている。
このようにズーミングに際して2つのレンズ群を移動させるレンズ構成とすることにより、レンズ群の駆動のためのモータ等の駆動手段の数を必要最小限とし、レンズ鏡筒全体の小型化を図っている。そして第1レンズ群L1の最も物体側に負レンズを配置することにより、広画角化と全系の小型化に有利なレンズ構成としている。
これにより、軸外光束を像面から逆に光線追跡した時に、最も物体側の負レンズで大きく発散させることで負レンズより像側のレンズを小型化している。また、第1レンズ群L1を5つ以上のレンズを有するレンズ構成とすることで、第1レンズ群L1の屈折力を強めたときの収差補正を容易に行っている。そして条件式(1)及び条件式(2)を満足することにより、広画角化かつ全系の小型化を図りつつ、ズーム全域にわたって良好な光学性能を得ている。
条件式(1)は第1レンズ群L1と第2レンズ群L2の広角端における主点間隔を規定したものである。条件式(1)を満たすことで広画角でありながら、前玉有効径を小型化している。条件式(1)の下限値を超えて主点間隔が短くなりすぎると、前玉有効径の小型化には有利であるが、ズーミングに伴う像面湾曲の変動を抑えることが困難となる。一方、条件式(1)の上限値を越えて主点間隔が長くなりすぎると、前玉有効径を小型化することが困難となる。
条件式(2)は第1レンズ群L1の焦点距離を規定したものである。条件式(2)を満たすことで広画角でありながら良好な光学性能を得ることが容易になる。条件式(2)の下限値を超えて第1レンズ群L1の屈折力が強くなりすぎると、望遠端において球面収差、軸上色収差、像面湾曲等の補正が困難となる。一方、条件式(2)の上限値を超えて第1レンズ群L1の屈折力が弱くなりすぎると、球面収差や像面湾曲の補正は容易になるが、レンズ全長が長くなり、その結果レンズ系全体が大型化してしまうため好ましくない。
尚、好ましくは条件式(1)、(2)の数値範囲を次の如く設定するのが良い。
−4.5<h12w/fw<−1.25 ・・・(1a)
8.5<f1/fw<14.0 ・・・(2a)
また、さらに好ましくは条件式(1a)、(2a)の数値範囲を次の如く設定すると、先に述べた各条件式が意味する効果が最大限に得られる。
−4.0<h12w/fw<−1.3 ・・・(1b)
9.0<f1/fw<12.0 ・・・(2b)
各実施例においてより好ましくは、以下の条件のうち1以上を満足するのが良い。第1レンズ群L1の物体側から数えて第2番目の第2レンズの像側のレンズ面の曲率半径をR22、第3番目の第3レンズの物体側のレンズ面の曲率半径をR31とする。第1レンズ群L1は物体側から像側へ順に、負レンズ、正レンズ、負レンズ、正レンズからなる前群L1Fと、2つの正レンズからなる後群L1Rから成る。そして、前群L1Fの焦点距離をff、後群L1Rの焦点距離をfrとする。
第2レンズ群L2の焦点距離をf2とする。このとき、
−8.0<(R31+R22)/(R31−R22)<−1.0 ・・・(3)
−5.0<ff/fr<−1.0 ・・・(4)
−4.0<f2/fw<−1.5 ・・・(5)
−8.0<f1/f2<−2.0 ・・・(6)
なる条件式のうち1以上を満足するのが良い。
次に各条件式の技術的意味について説明する。条件式(3)は第1レンズ群L1の物体側から像側へ数えたときの第2番目の第2レンズと第3番目の第3レンズで形成される、負の屈折力の空気レンズの形状を規定するものである。条件式(3)を満たすことによって、前玉有効径の小型化と良好な光学性能を得ている。条件式(3)の下限値を超えてレンズ面の曲率がきつくなりすぎると広角端において像面湾曲、非点収差の補正が困難となる。一方、条件式(3)の上限値を超えてレンズ面の曲率がゆるくなりすぎると望遠端において球面収差の補正が困難となる。
条件式(4)は第1レンズ群L1を構成する前群L1Fと後群L1Rの焦点距離の比を規定したものである。条件式(4)を満たすことで広画角でありながら、前玉有効径の小型化を容易にしている。条件式(4)の下限値を超えて前群L1Fの屈折力が弱くなりすぎると、前玉有効径が大きくなってしまうため、好ましくない。一方、条件式(4)の上限値を超えて前群L1Fの屈折力が強くなりすぎると、特に広角端において像面湾曲、非点収差の補正が困難となる。
条件式(5)は第2レンズ群L2の焦点距離を規定するものである。条件式(5)を満たすことで、変倍のための第2レンズ群のズームストローク(移動量)を短くし、レンズ全長を短くしている。それとともに前玉有効径も小さくしている。条件式(5)の下限値を超えて第2レンズ群L2の焦点距離が長くなりすぎると、変倍のための第2レンズ群L2のズームストロークが増大し、レンズ全長が長くなってくるので良くない。一方、条件式(5)の上限値を越えて第2レンズ群L2の焦点距離が短くなりすぎるとズーミングに伴う像面湾曲の変動が大きくなるため好ましくない。
条件式(6)は第1レンズ群と第2レンズ群の焦点距離の比を規定するものである。条件式(6)を満たすことで、広画角で全系が小型でありながら、良好な光学性能を得るのを容易にしている。条件式(6)の下限値を超えて第2レンズ群L2の焦点距離が短くなりすぎるとズーミングに伴う像面湾曲の変動が大きくなってくるので良くない。一方、条件式(6)の上限値を超えて第1レンズ群L1の焦点距離が小さくなりすぎると望遠端において球面収差、軸上色収差、像面湾曲等の補正が困難となるため好ましくない。
好ましくは条件式(3)乃至(6)の数値範囲を次の如く設定するのが良い。
−6.0<(R31+R22)/(R31−R22)<−1.5 ・・・(3a)
−4.5<ff/fr<−1.5 ・・・(4a)
−3.6<f2/fw<−1.8 ・・・(5a)
−7.0<f1/f2<−2.5 ・・・(6a)
また更に好ましくは条件式(3a)乃至条件式(6a)の数値範囲を次の如く設定するのが良い。
−5.0<(R31+R22)/(R31−R22)<−2.0 ・・・(3b)
−4.0<ff/fr<−2.0 ・・・(4b)
−3.3<f2/fw<−2.0 ・・・(5b)
−6.0<f1/f2<−3.0 ・・・(6b)
各実施例において第1レンズ群L1は2つ以上の負レンズを含むことが望ましい。第1レンズ群L1の物体側に負レンズを配置すると、第1レンズ群L1の像側主点を第2レンズ群L2に近づけることができる。このため、広画角化に有利なレンズ構成となる。そのため、物体側に2つの負レンズを配置することが望ましい。第1レンズ群L1の前群L1Fは物体側から像側へ順に、物体側の面が凸でメニスカス形状の負レンズ、像側の面が凸形状の正レンズ、物体側の面が凹形状の負レンズ、像側の面が凸形状の正レンズより構成されている。
また後群L1Rは物体側から像側へ順に、両レンズ面が凸形状の正レンズ、物体側の面が凸形状の正レンズより構成されている。レンズ外径が比較的小さく軽量である第4レンズ群L4をフォーカスレンズ群とすることで、駆動力が小さくて済むため、迅速なフォーカシングを容易にしている。
本発明の撮像装置は、ズームレンズによって形成された像を受光する撮像素子を有している。撮像素子としてはCCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などが使用できる。また撮像装置は、ズームレンズで生ずる歪曲収差を電気的な方法によって補正する補正手段を有する。これは、銀塩フィルムとは異なり、デジタルカメラなどでは画像をデジタルデータとして取得できると言う特性を利用し、レンズから得られた画像に対して画像変換処理を施し、諸収差を極力低減させた画像を得るものである。
例えば、歪曲収差や色収差の電気的な補正を行うことにより、従来よりもさらに諸収差が補正された画像を得ることができる。また、非球面や異常分散ガラスを極力使用せずに済むという利点もある。
次に各実施例における第2レンズ群L2乃至第4レンズ群L4のレンズ構成について説明する。第2レンズ群L2は屈折力の絶対値が物体側に比べて像側に強く、像側のレンズ面が凹形状の負レンズ、両凹形状の負レンズ、物体側のレンズ面が凸形状の正レンズで構成している。各実施例のズームレンズでは広角端において広い画角を得ながら第1レンズ群L1の有効径を小型にするために第2レンズ群L2の負の屈折力を強めている。このとき第2レンズ群L2で発生する諸収差、特に広角側において歪曲収差、像面湾曲が多く発生してくる。
各実施例では第2レンズ群L2の負の屈折力を2つの負レンズで分担し、歪曲収差を許容しつつ像面湾曲の発生を低減している。このようなレンズ構成により広画角化を図りながら前玉有効径の小型化と高い光学性能を得ている。第3レンズ群L3は物体側のレンズ面が凸形状の正レンズ、像側のレンズ面が凹形状の負レンズより構成している。各数値実施例のズームレンズではレンズ全長を短縮しつつ、高い
光学性能を得るために第3レンズ群の構成を適切に設定している。すなわち、第3レンズ群L3を正レンズと負レンズの2枚で構成することによって色消しを行い、正レンズを非球面形状とすることで球面収差の補正を行っている。
第4レンズ群L4は正レンズ、正レンズと負レンズとを接合した接合レンズより構成している。各実施例では少ないレンズ枚数で第4レンズ群L4を構成することで薄型化、軽量化を図っている。またズーミング及びフォーカスに伴う色収差の変動を低減している。
以上、各実施例によれば、広角端の撮影画角が85度以上でありながら、全系が小型で全ズーム範囲にわたり高い光学性能のズームレンズが得られる。
次に本発明のズームレンズを撮影光学系として用いたデジタルビデオカメラの実施例を図9を用いて説明する。図9において、10はカメラ本体、11は実施例1〜4で説明したいずれかのズームレンズによって構成された撮影光学系である。12はカメラ本体に内蔵され、撮影光学系11によって形成された被写体像を受光するCCDセンサやCMOSセンサ等の固体撮像素子(光電変換素子)である。13は液晶ディスプレイパネル等によって構成され、固体撮像素子12上に形成された被写体像を観察するためのファインダである。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
次に本発明の実施例1乃至4に各々対応する数値実施例1乃至4を示す。各数値実施例においてiは物体側からの面の順番を示す。riは物体側から第i番目の面の曲率半径、diは物体側から第i番目の面と第i+1番目の面との間の面間隔、niは第i番目のレンズの材料のd線における屈折率、νiは第i番目のレンズのd線におけるアッベ数を示すものとする。また、kを円錐定数、A4,A6,A8,A10を4次、6次、8次、10次の非球面係数とし、光軸からの高さhの位置での光軸方向の変位を面頂点を基準にしてxとするとき、非球面形状は、
x=(h2/R)/[1+[1−(1+K)(h/R)21/2]+A4h4+A6h6+A8h8+A10h10
で表示される。但し、Rは曲率半径であり、「e−X」は「×10-X」を意味している。尚、非球面は各表中の面番号の右側に*印を付している。
画角は半画角の値(度)で示している。バックフォーカス(BF)は、ガラスブロックの最終面から近軸像面までの距離として示している。レンズ全長は、レンズ最前面からガラスブロックの最終面までの距離にバックフォーカス(BF)を加えた値と定義する。長さの単位はmmである。各実施例における上述した条件式との対応を表1に示す。

[数値実施例1]
単位 mm

面データ
面番号 r d nd νd
1 107.068 2.20 2.00069 25.5
2 35.070 8.46
3 -1192.690 4.70 1.48749 70.2
4 -80.519 3.97
5 -35.196 2.00 1.69895 30.1
6 -4022.775 5.26 1.80400 46.6
7 -49.538 0.20
8 82.474 5.12 1.60311 60.6
9 -81.176 0.20
10 32.774 4.14 1.69680 55.5
11 155.749 (可変)
12 35.780 0.70 1.83481 42.7
13 7.479 4.52
14 -30.808 0.70 1.80400 46.6
15 21.273 0.66
16 15.903 1.97 1.95906 17.5
17 76.029 (可変)
18(絞り) ∞ 0.70
19* 9.400 3.31 1.69350 53.2
20* 1048.075 2.17
21 21.485 0.70 1.80610 33.3
22 8.085 (可変)
23 12.681 2.13 1.69680 55.5
24 -34.677 0.30
25 30.396 3.35 1.60311 60.6
26 -9.995 0.70 1.92286 18.9
27 -464.076 (可変)
28 ∞ 4.20 1.51633 64.1
29 ∞
像面

非球面データ
第19面
K =-6.45262e-001
A 3= 6.34587e-005 A 5= 7.85935e-006 A 7= 1.74595e-007 A 9=-2.57266e-010

第20面
K = 0.00000e+000
A 3= 1.10048e-004 A 5= 2.44525e-005 A 7=-1.79303e-007 A 9= 1.49523e-009

各種データ
ズーム比 9.99

広角端 中間 望遠端
焦点距離 3.40 16.51 33.99
Fナンバー 1.65 2.68 3.00
画角 41.41 10.30 5.04
像高 3.00 3.00 3.00
レンズ全長 104.92 104.92 104.92
BF 0.50 0.50 0.50

d11 0.80 22.09 28.81
d17 30.52 9.24 2.51
d22 6.07 3.05 5.13
d27 4.68 7.70 5.62

ズームレンズ群データ
群 始面 焦点距離
1 1 32.19
2 12 -9.55
3 18 29.67
4 23 14.26
5 28 ∞
[数値実施例2]
単位 mm

面データ
面番号 r d nd νd
1 77.600 1.80 1.84666 23.9
2 35.908 9.12
3 -120.693 3.08 1.48749 70.2
4 -60.255 2.51
5 -38.556 1.70 1.80610 33.3
6 -149.767 4.93 1.77250 49.6
7 -47.670 0.20
8 56.584 6.41 1.60311 60.6
9 -111.309 0.15
10 31.613 4.16 1.60311 60.6
11 99.108 (可変)
12 51.558 0.70 1.83481 42.7
13 7.588 4.56
14 -25.580 0.60 1.80400 46.6
15 20.458 0.58
16 16.326 2.73 1.92286 18.9
17 262.277 (可変)
18(絞り) ∞ 0.80
19* 9.103 3.80 1.58313 59.4
20* -200.450 2.04
21 18.423 0.70 1.83400 37.2
22 8.216 (可変)
23 13.608 1.66 1.60311 60.6
24 -28.507 0.17
25 21.864 1.97 1.60311 60.6
26 -13.045 0.60 1.84666 23.9
27 77.145 (可変)
28 ∞ 4.20 1.51633 64.1
29 ∞
像面

非球面データ
第19面
K =-8.31003e-001
A 3= 6.71170e-005 A 5= 1.09709e-005 A 7=-3.20256e-008 A 9= 5.31716e-010

第20面
K = 0.00000e+000
A 3= 8.19723e-005 A 5= 1.95052e-005 A 7=-3.12293e-007 A 9= 2.53983e-009

各種データ
ズーム比 11.53

広角端 中間 望遠端
焦点距離 3.65 18.93 42.02
Fナンバー 1.65 2.68 3.00
画角 39.45 9.00 4.08
像高 3.00 3.00 3.00
レンズ全長 107.92 107.92 107.92
BF 0.50 0.50 0.50

d11 0.70 23.34 30.49
d17 32.31 9.67 2.52
d22 7.81 3.64 5.24
d27 7.43 11.60 10.00

ズームレンズ群データ
群 始面 焦点距離
1 1 37.73
2 12 -8.92
3 18 32.94
4 23 15.12
5 28 ∞
[数値実施例3]
単位 mm

面データ
面番号 r d nd νd
1 76.332 1.80 1.84666 23.9
2 36.157 8.51
3 -121.701 3.39 1.48749 70.2
4 -61.069 2.39
5 -38.575 1.70 1.80610 33.3
6 -417.343 5.90 1.77250 49.6
7 -47.000 0.20
8 59.328 6.28 1.60311 60.6
9 -100.922 0.15
10 30.748 4.08 1.60311 60.6
11 93.476 (可変)
12 65.859 0.70 1.83481 42.7
13 7.655 4.50
14 -25.619 0.60 1.80400 46.6
15 20.380 0.42
16 15.991 2.28 1.92286 18.9
17 266.780 (可変)
18(絞り) ∞ 0.80
19* 9.028 3.72 1.58313 59.4
20* -303.038 1.83
21 17.693 0.70 1.83400 37.2
22 8.225 (可変)
23 12.989 3.19 1.60311 60.6
24 -28.300 0.15
25 22.938 2.81 1.60311 60.6
26 -10.452 0.60 1.84666 23.9
27 75.069 (可変)
28 ∞ 4.20 1.51633 64.1
29 ∞
像面

非球面データ
第19面
K =-8.09567e-001
A 3= 7.14042e-005 A 5= 1.01603e-005 A 7=-4.78829e-008 A 9=-2.63154e-011

第20面
K = 0.00000e+000
A 3= 9.50060e-005 A 5= 1.68164e-005 A 7=-3.07357e-007 A 9= 1.98316e-009

各種データ
ズーム比 14.55

広角端 中間 望遠端
焦点距離 3.64 21.83 53.00
Fナンバー 1.65 2.68 3.00
画角 39.47 7.83 3.24
像高 3.00 3.00 3.00
レンズ全長 108.40 108.40 108.40
BF 0.40 0.40 0.40

d11 0.70 23.81 31.11
d17 32.50 9.39 2.10
d22 7.57 3.45 8.22
d27 6.33 10.45 5.68

ズームレンズ群データ
群 始面 焦点距離
1 1 36.11
2 12 -8.72
3 18 32.61
4 23 15.62
5 28 ∞
[数値実施例4]
単位 mm

面データ
面番号 r d nd νd
1 79.163 1.80 1.84666 23.9
2 36.085 8.93
3 -130.078 3.05 1.48749 70.2
4 -59.523 2.36
5 -39.084 1.70 1.80610 33.3
6 -165.779 1.00
7 -133.101 4.29 1.77250 49.6
8 -46.711 0.20
9 55.726 6.14 1.60311 60.6
10 -119.611 0.15
11 31.791 4.14 1.60311 60.6
12 103.781 (可変)
13 51.010 0.70 1.83481 42.7
14 7.589 4.55
15 -26.077 0.60 1.80400 46.6
16 21.153 0.59
17 16.354 2.70 1.92286 18.9
18 207.300 (可変)
19(絞り) ∞ 0.80
20* 9.088 3.81 1.58313 59.4
21* -148.405 2.04
22 18.997 0.70 1.83400 37.2
23 8.238 (可変)
24 13.621 1.64 1.60311 60.6
25 -27.967 0.18
26 21.806 2.07 1.60311 60.6
27 -12.812 0.60 1.84666 23.9
28 71.718 (可変)
29 ∞ 4.20 1.51633 64.1
30 ∞
像面

非球面データ
第20面
K =-8.37642e-001
A 3= 6.94049e-005 A 5= 1.07499e-005 A 7=-1.69733e-008 A 9= 9.18329e-010

第21面
K = 0.00000e+000
A 3= 8.77406e-005 A 5= 1.98132e-005 A 7=-2.83062e-007 A 9= 2.65667e-009

各種データ
ズーム比 11.36

広角端 中間 望遠端
焦点距離 3.65 18.78 41.40
Fナンバー 1.65 2.68 3.00
画角 39.46 9.08 4.14
像高 3.00 3.00 3.00
レンズ全長 107.65 107.65 107.65
BF 0.47 0.47 0.47

d12 0.70 23.45 30.63
d18 32.43 9.69 2.50
d23 7.85 3.66 5.15
d28 7.28 11.47 9.98

ズームレンズ群データ
群 始面 焦点距離
1 1 37.67
2 13 -9.01
3 19 32.58
4 24 15.20
5 29 ∞
L1:第1レンズ群 L2:第2レンズ群 L3:第3レンズ群
L4:第4レンズ群 SP:絞り又は光量調整装置 GB:ガラスブロック
IP:像面 d:d線 g:g線 Fno:Fナンバー
ω:半画角 ΔS:サジタル像面 ΔM:メリジオナル像面

Claims (9)

  1. 物体側より像側へ順に、正の屈折力の第1レンズ群、ズーミングに際して移動する負の屈折力の第2レンズ群、正の屈折力の第3レンズ群、ズーミングに際して移動する正の屈折力の第4レンズ群より構成され、
    ズーミングに際して隣り合うレンズ群の間隔が変化し、
    前記第1レンズ群は最も物体側に配置された負レンズを含む5つ以上のレンズを有し、
    前記第1レンズ群と前記第2レンズ群の広角端における主点間隔をh12w、広角端における全系の焦点距離をfw、前記第1レンズ群の焦点距離をf1とするとき、
    −5.0<h12w/fw<−1.2
    9.0<f1/fw<15.0
    なる条件式を満足することを特徴とするズームレンズ。
  2. 前記第1レンズ群は2つ以上の負レンズを有することを特徴とする請求項1に記載のズームレンズ。
  3. 前記第1レンズ群の物体側から数えて第2番目の第2レンズの像側のレンズ面の曲率半径をR22、第3番目の第3レンズの物体側のレンズ面の曲率半径をR31とするとき、
    −8.0<(R31+R22)/(R31−R22)<−1.0
    なる条件式を満足することを特徴とする請求項1又は2に記載のズームレンズ。
  4. 前記第1レンズ群は物体側から像側へ順に、負レンズ、正レンズ、負レンズ、正レンズからなる前群と、2つの正レンズからなる後群から成り、前記前群の焦点距離をff、前記後群の焦点距離をfrとするとき、
    −5.0<ff/fr<−1.0
    なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のズームレンズ。
  5. 前記前群は物体側から像側へ順に、物体側の面が凸でメニスカス形状の負レンズ、像側の面が凸形状の正レンズ、物体側の面が凹形状の負レンズ、像側の面が凸形状の正レンズより構成され、前記後群は物体側から像側へ順に、両レンズ面が凸形状の正レンズ、物体側の面が凸形状の正レンズより構成されていることを特徴とする請求項4に記載のズームレンズ。
  6. 前記第2レンズ群の焦点距離をf2とするとき、
    −4.0<f2/fw<−1.5
    なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のズームレンズ。
  7. 前記第2レンズ群の焦点距離をf2とするとき、
    −8.0<f1/f2<−2.0
    なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のズームレンズ。
  8. 請求項1乃至7のいずれか1項に記載のズームレンズによって形成された像を受光する撮像素子を有することを特徴とする撮像装置。
  9. 前記ズームレンズで生ずる歪曲収差を電気的な方法によって補正する補正手段を有することを特徴とする請求項8に記載の撮像装置。
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