以下の詳細な説明全体にわたり、同様の参照符号は、図面のすべての数字において同様のエレメントを指す。
本発明は、凸版印刷フォームの上に改良された凸構造をもたらす感光性エレメント(すなわち前駆体)から凸版印刷フォームを作製するための方法および装置である。本発明は、化学線への感光性エレメントの露光の際の酸素濃度を調整する、修正されたデジタルワークフロープロセスである。本発明は、特に感光性エレメント用のin−situマスクの形成について、従来のデジタルワークフロープロセスの容易性および利点を有しつつ、従来のデジタルワークフロープロセスの欠点、特に化学線への露光の際に大気酸素が存在することによって生じる欠点を緩和する。また、本発明は、アナログワークフロープロセスにより作製される印刷フォームと同様のまたはより優れた凸構造を有する印刷フォームを提供する。
本発明の概略的な方法
修正されたデジタルワークフロープロセスにおいては、凸版印刷フォームは、in−situマスクを有する感光性エレメントから構成される。感光性エレメントは、結合剤、エチレン性不飽和化合物および光開始剤を含む光重合性組成物の層を支持体の上に有する光重合性印刷エレメントである。凸版印刷フォームは、不活性ガスおよび190,000ppm(百万分率)から100ppmの間の酸素濃度を有する環境内において化学線に感光性エレメントを像様露光させることにより形成される、印刷区域のパターンを有する。不活性ガスおよび特定の酸素含有量を有する環境内における感光性エレメントの像様露光により、複数の浮出し面を有する印刷フォームが形成されるが、該浮出し面はそれぞれ、インクを担持するための頂面区域、側壁面区域および、該頂面区域と該側壁面区域との間の移行部であるショルダ面区域を有し、該頂面区域および該ショルダ面区域の和である全印刷区域を有する。
驚くべきことには、および予期しなかったことには、酸素濃度の調整により、浮出し印刷面の全印刷区域に対するショルダ面区域の量的寄与を間接的に制御することが可能となることが判明した。この制御は、いくつかのプロセス上の利点を有する。例えば、段ボール板紙などの被印刷体上へのフレキソ印刷においては、驚くべきことには、および予期しなかったことには、ショルダ面区域の頂部印刷面区域の半径を約10%以下だけ増大させると、凸版印刷フォームによって段ボール板紙上に印刷される像のフルーティング効果またはバンディング効果が、少なくとも最小限に抑えられることが判明した。驚くべきことには、および予期しなかったことには、ショルダ面区域が頂部印刷面区域の半径を約10ミクロン以下だけ(155ミクロン直径の網点浮出し面について)増大させると、凸版印刷フォームによって段ボール板紙上に印刷される像のフルーティング効果またはバンディング効果が低減されることが判明した。驚くべきことには、および予期しなかったことには、本発明の方法により作製される印刷フォームは、ショルダ面区域の頂部印刷面区域の半径を約2.5%以下だけ増大させると、その凸版印刷フォームにより段ボール板紙上に印刷される像のフルーティング効果またはバンディング効果を大幅に低減させる、浮出し面の印刷区域を提供することが判明した。色調スケールの中間調領域内で印刷された網点について、ショルダ面区域面積が全印刷区域面積の30%未満、好ましくは10%未満、および最も好ましくは2%未満に相当する場合には、凸版印刷フォームによって段ボール板紙上に印刷される像のフルーティング効果またはバンディング効果は、少なくとも最小限に抑えられることが判明した。驚くことには、このショルダ面区域は、大気中濃度未満の酸素濃度ではあるが、完全な無酸素状態の環境よりは高く、または完全に不活性ガスから構成される環境よりは高い酸素濃度を有する環境内においてデジタルプレートを生成する場合に、実現することが可能である。
本発明は、デジタルワークフローの従来の方法および、らにはアナログワークフローの従来の方法により作製される凸版印刷フォームと比較して、段ボール板紙上の印刷像品質を改良することが可能な凸版印刷フォームを提供する。本発明は、平坦なまたは実質的に頂部の印刷面と浮出しエレメントの側壁へのシャープなショルダ移行部とを有する浮出し面エレメントを有する凸構造を有する凸版印刷フォームを提供する。また、本発明は、アナログワークフローに付随するコストおよび製造に関する欠点を回避し、デジタルワークフローの効率性を利用しつつ、完全不活性環境を確立する困難さを回避する。また、本発明は、網点チッピング(dot chipping)、すなわち印刷フォームから浮出し印刷面が摩滅するまたは折れて取れる可能性を低減させることによる、長期間の印刷運転に対する印刷フォームの印刷性能の向上を実現し得る。
in−situマスク
感光性エレメントから凸版印刷フォームを形成するための方法は、光重合性層に隣接するin−situマスクを形成するステップと、不活性ガスおよび190,000ppmから100ppm(百万分率)の間の酸素濃度を有する環境内において該マスクを介して光重合性層を化学線に露光させるステップと、印刷区域のパターンを有する凸版印刷フォームを形成するように処理するステップとを含む。不活性ガスおよび100ppm未満の酸素濃度を有する環境は、実現可能であり、印刷フォームの印刷面に所望の成果をもたらすことが可能であるが、パージし、不活性ガスおよび100ppm未満の酸素濃度を有する環境を生成するために必要となる時間によって、製造時間が著しく延長されるおそれがあるため、市場的な観点から考えて実用的ではない。大気環境は、約21%の酸素、約78%の窒素および約1%の他のガスを含む。殆どの実施形態においては、一般的に感光性エレメントを取り巻く大気環境は、不活性ガスでパージされ、または実質的にパージされ、結果的に不活性ガスおよび190,000ppmから100ppm(百万分率)の間の酸素濃度を有する環境(感光性エレメントの像様露光のための)になる。
感光性エレメントは、少なくとも結合剤、エチレン性不飽和化合物および光開始剤から構成される光重合性材料の層を含み、該層は支持体の上またはそれに隣接する。本発明において使用するための感光性エレメントは、それが光重合性層の上にまたは隣接してin−situマスクを有することが可能である限りにおいては、限定されない。in−situマスクは、化学線への像様露光のための、感光性エレメントと一体である、または実質的に一体である、不透過性区域および透過性区域からなる像であり、光重合性層へのマスクの接触を確実にするための真空を必要としない。in−situマスクは、凸版印刷フォームを製造する際に、独立したフォトツールを生成すること、および感光性層へのフォトツールの接触を確実にするために真空を使用することに付随する欠点を回避する。本明細書においては、不活性ガスおよび190,000ppmから100ppm(百万分率)の間の酸素濃度を有する環境内における、in−situマスクを有する感光性エレメントの露光を、「修正されたデジタルワークフロー」と呼ぶ場合がある。
該in−situマスク像は、支持体の反対側の光重合性層の面の上に形成またはその上に配設される。該マスクは、不透過性区域および、透過性または「透明」区域を含む像である。該マスクの不透過性区域は、下の光重合性材料が放射線に露光されることを防ぎ、したがって、この暗域によって覆われた光重合性層の区域は重合しない。該マスクの「透明」区域は、光重合性層を化学線に露光させて、重合または架橋させる。最終的に、感光性エレメントのマスク像は、凸版印刷フォーム用の印刷区域のパターンを生成する。該in−situマスクは、任意の適切な方法により生成することが可能であり、レーザ放射を使用するデジタル式対プレート直接法(digital direct−to−plate method)(しばしばデジタル法またはデジタルワークフローと呼ばれる)や、感光性エレメントを化学線に像様露光させる前に実施されるインクジェット塗布を含む。デジタル式対プレート直接像形成技法(digital direct−to−plate image technology)においては、レーザ放射を使用して、感光性エレメント用のin−situマスクの像を形成する。一般的には、デジタル法のin−situマスク形成は、レーザ放射を使用して、支持体の反対側の感光性エレメントの面から放射線不透過性層を選択的に除去する、または支持体の反対側の感光性エレメントの面に放射線不透過性層を選択的に転写する。殆どの実施形態においては、感光性エレメント上に存在するin−situマスクは、光重合性層にとっての酸素に対するバリアの役割を果たさない。一実施形態においては、感光性エレメントは、酸素環境に対するバリア層を含まない。
一実施形態においては、感光性エレメントは初めに、支持体の反対側の光重合性層の面の上にまたは上方に配設される化学線不透過性層を含み、レーザ放射が、放射線不透過性層を像様除去して、すなわち融除または気化させて、in−situマスクを形成する。感光性エレメントから除去されなかった放射線不透過性層の部分のみが、エレメント上に残り、マスクを生成する。別の実施形態においては、感光性エレメントは初めには、化学線不透過層を含まない。放射線不透過性層を担持する独立したエレメントは、放射線不透過性層が支持体の反対側の感光性エレメントの面に隣接するように、感光性エレメントと共に組合せ材を形成する。この組合せ材は、レーザ放射で像様露光されて、放射線不透過性層の接着バランスを選択的に変質または選択的に変更し、光重合性層の上にマスクを形成するか、または光重合性層の上方で処理されたマスクを形成する。この実施形態においては、放射線不透過性層の変質された部分のみが感光性エレメント上にあり、in−situマスクを形成する。別の実施形態においては、感光性エレメントの上にインクジェットインクの形態の放射線不透過性材料を像様塗布することにより、デジタルマスク形成を達成することが可能である。インクジェットインクの像様塗布は、光重合性層の上に直接行うことが可能であり、または感光性エレメントの別の層の上の光重合性層の上方で処理されて行うことが可能である。デジタルマスク形成を達成することが可能な別の意図される方法は、独立した担体の上に放射線不透過性層のマスク像を生成することによるものである。いくつかの実施形態においては、独立した担体が、放射線不透過性材料を選択的に除去して像を形成するために、レーザ放射に像様露光される放射線不透過性層を含む。次いで、担体上のマスク像は、支持体の反対側の光重合性層の面に熱および/または圧力を加えることによって転写される。
いくつかの実施形態においては、マスクを形成するために使用されるレーザ放射は、赤外レーザ放射である。赤外レーザ露光は、750から20,000nmまでの範囲内で放射する様々なタイプの赤外レーザを使用して実施することが可能である。780から2,000nmまでの範囲内で放射するダイオードレーザ、および1064nmで放射するNd:YAGレーザを含む赤外レーザが好ましい。感光性エレメントから化学線不透過性層を像様除去する赤外レーザ露光のための好ましい装置および方法が、特許文献12および特許文献13においてFanらにより開示されている。in−situマスク像は、化学線への全露光(および処理)という後続ステップのために、感光性エレメント上に残る。
酸素調整される環境
凸版印刷フォームを作製するための方法の次のステップは、in−situマスクを介して感光性エレメントを化学線に全露光させること、すなわちエレメントの像様露光である。感光性エレメントの化学線への像様露光は、不活性ガスおよび190,000ppmから100ppm(百万分率)の間の酸素濃度の存在を含む環境内において実施される。不活性ガスとは、感光性エレメントに対する反応率がゼロであり、または低い反応率を示し(すなわち、重合反応に対して不活性であり)、露光環境(すなわち密閉露光チャンバ)内において酸素と置き換わることが可能なガスのことである。適切な不活性ガスとしては、アルゴン、ヘリウム、ネオン、クリプトン、キセノン、窒素、二酸化炭素およびそれらの組合せが含まれるがそれらに限定されない。不活性ガスおよび不活性ガスの組合せまたは混合物は、少量の酸素を含み得るが、少量の酸素が存在しても、不活性ガスがチャンバ内の大気と入れ代わる性能、またはチャンバ内の所望の酸素濃度を維持する性能に著しい変化を生じさせることはない。一実施形態においては、不活性ガスは、窒素である。
不活性ガスおよび190,000ppmから100ppmの間の酸素濃度からなる特定の環境内における感光性エレメントの像様露光によって、印刷フォーム中に、複数の浮出し面からなる凸構造が生成されるが、この浮出し面はそれぞれ、アナログワークフローにより作製された印刷フォーム中に生成されるインク担持頂面区域と構造的に同様であるインク担持頂面区域を有する。すなわち、本方法により作製される凸版印刷フォーム中の浮出し面の頂面区域は、平坦または実質的に平坦であり、大気酸素が存在する中でエレメントが露光される従来のデジタルワークフローに特有の丸みを帯びていない。従来のデジタルワークフロー法は、78%の窒素、〜21%の酸素、それぞれ<1%のアルゴンおよび二酸化炭素、ならびに微量の他のガスからなる通常の大気条件下の空気中において、感光性エレメントを化学線に露光させる。換言すれば、空気中で像様露光が行われる場合には、酸素濃度は約210,000ppmである。一実施形態においては、感光性エレメントは、in−situマスクの上面上に、像様露光される面に対して環境に対するバリアとしての役割を果たし得るいかなる追加層も含まない。
密閉露光チャンバ
一実施形態においては、本発明は、大気酸素濃度未満の酸素濃度を有する環境内において感光性エレメントを化学線に露光させるためのデバイスまたは装置である。このデバイスは、密閉露光チャンバ、化学線源、密閉露光チャンバに導入されるガス源および、密閉露光チャンバ内の酸素濃度を測定するための手段を含む。
密閉露光チャンバは、密閉露光チャンバ内にガスまたはガスの混合物を導入するための入口と、密閉露光チャンバから酸素および/またはガスを除去するための出口と、密閉露光チャンバの外部環境から密閉露光チャンバをシールするための手段とを含む。化学線源は、感光性エレメントが密閉露光チャンバ内にある際に、in−situマスクを有する感光性エレメントの面に化学線を当てることが可能である。化学線源は、感光性エレメントに隣接して配置することが可能である。いくつかの実施形態においては、化学線源は、密閉露光チャンバに隣接して配置される。ガス源は、ガスの混合物を含むことが可能であるが、密閉露光チャンバの入口に連結される。密閉露光チャンバ内の酸素濃度を測定するための手段は、出口または密閉露光チャンバに連結される少なくとも1つの酸素メータを含む。
密閉露光チャンバが露光の最中には密閉露光チャンバの外部環境とは異なる内部環境を有するように、感光性エレメントは、感光性エレメントの像様露光の際に密閉露光チャンバ内に閉じ込められ、または実質的に閉じ込められる。密閉露光チャンバ内の内部環境は、特定のガスまたは複数のガス環境であり、すなわち、不活性ガスおよび190,000ppmから100ppmの間の酸素濃度である。密閉露光チャンバは、露光チャンバ内の酸素濃度を調整または維持するために、露光中に内部環境内に感光性エレメントを密閉する。密閉露光チャンバは、ガスケットおよび接着テープなどのシーリング手段によって外部環境からシールすることが可能である。しかし、シーリングは、気密シール(airtight seal)または密閉シール(hermetic seal)を必ずしも意味しない。気密シールおよび密閉シールは、本発明の実施形態に含まれるが、密閉露光チャンバをシールするための手段は、密閉露光チャンバの内部環境が、不活性ガスと共に、190,00ppmから100ppmの間の酸素濃度を有するように調整または維持されることを条件として、外部環境からチャンバを十分にシールする。また、チャンバは、ガス源からチャンバ内にガスまたはガスの混合物を導入するための少なくとも1つの入口と、チャンバから、酸素および、導入されたガスまたは複数のガスを含む空気を除去するための少なくとも1つの出口とを含む。密閉露光チャンバは、既存の露光装置に付加または設置される独立した筐体であることが可能であり、または露光装置のフレームに組み込むことが可能であり、またはハウジングなどの、露光装置に組み込まれる既存の構造体から形成することが可能である。一実施形態においては、密閉露光チャンバは、露光装置の不可欠の部分であり、そのため露光装置は、すべてのワークフロー、すなわち真空下における露光を用いるアナログワークフロープロセス、空気中での露光を用いる従来のデジタルワークフローならびに、不活性ガスおよび190,000から100ppmの間の酸素濃度からなる環境内での露光を用いる修正されたデジタルワークフローに対応することが可能となる。
一実施形態においては、密閉露光チャンバは、少なくとも1つの壁および少なくとも1つの壁に装着されるルーフを含む。別の実施形態においては、密閉露光チャンバは、4つの壁および1つの下部フロアおよび1つの上部ルーフを備える。別の実施形態においては、密閉露光チャンバは、4つの壁および上部ルーフを含み、上部ルーフは、チャンバのフロアまたは底を形成する化学線源を有する露光装置内の平坦な支持体、すなわち露光版盤(exposure bed)と結合、又はその上に設置可能である。少なくとも1つの壁は、ルーフがin−situマスクに感光性エレメントの面を接触させない、または実質的に接触させないように、チャンバ内に感光性エレメントを収容するのに十分な高さを有する。いくつかの実施形態においては、壁の高さは、in−situマスクの上方に内部環境のオープンスペースを生成し、ガス(または複数のガス)および調整された濃度の酸素の覆いをin−situマスクに隣接して生成するのに十分なものであるべきである。いくつかの実施形態においては、密閉露光チャンバは、様々なサイズ、形状および厚さのすべての感光性印刷エレメントを収容するのに十分なサイズに設定される。他の実施形態においては、密閉露光チャンバは、1つまたはいくつかのサイズ、形状または厚さの感光性印刷エレメントのみを収容するのに適するようにサイズ設定される。いくつかの実施形態においては、密閉露光チャンバは、平坦である感光性エレメントまたは印刷プレートを形成する感光性エレメントを収容するための箱様形状を有する。しかし、密閉露光チャンバの形状は限定されず、シリンダ形状などの他の形状を含む。
感光性エレメント、特に平坦形状の感光性エレメントを収容するために必要な密閉露光チャンバのサイズ、ならびに密閉露光チャンバのルーフを形成するために使用される材料のタイプおよび厚さに応じて、密閉露光チャンバのルーフがチャンバの内部環境内の方に屈曲しないことを確実にすることが必要となる場合がある。露光チャンバのルーフは、それ自体の重量により、チャンバの内部環境内の方に屈曲する、すなわち撓曲するまたは湾曲する場合がある。内部環境の方へのルーフの屈曲は、エレメント上のin−situマスクの上方のオープンスペースを制限し、チャンバを通るおよびチャンバ内へのガスの流れを妨げ、感光性エレメントの全体または複数部分、特にin−situマスクに隣接する部分が受ける酸素濃度を場合によっては変化させ得ることが予期される。いくつかの場合では、密閉露光チャンバのルーフは、ルーフがチャンバの内部に密閉された感光性エレメントに接触する程度にまで屈曲する、撓曲するまたは湾曲することができる。この場合には、ルーフに接触している感光性エレメントの一部分/複数部分が、ルーフに接触していない感光性エレメントの一部分/複数部分と同一の酸素濃度を内部環境から受けられず、結果的に印刷の凸構造が不均一になることが予想される。密閉露光チャンバのルーフが密閉露光チャンバの内部環境内に屈曲する、湾曲するまたは撓曲する可能性を取り除くために、感光性エレメントの上方に丸天井(vault)を形成するような任意の態様により、ルーフを反対方向に曲げることができる。丸天井形ルーフは、限定されず、1つまたは複数のドーム、アーチ、または感光性エレメントの平面の上方に曲げられるキャンバ(camber)さえも含むことが可能である。丸天井の形状は、限定されず、例えば円形ドーム、円筒形ドーム、長円形ドーム、1つまたは複数の半円筒形ドームまたはアーチなどを含むことが可能である。いくつかの実施形態においては、丸天井形ルーフは、1つより多いドーム、アーチまたはキャンバを有することが可能であり、これは、ルーフが薄い(シート)材料で形成される場合には特に有効である。丸天井形ルーフの曲げ度合は限定されない。丸天井形ルーフは、1つまたは複数のドームを形成してよく、例えば少なくとも1つの壁に対するルーフの交差部分に形成され、該少なくとも1つの壁に垂直な平面の、約0.125インチから約1.5インチ(約3.175mmから約3.81cm)までの上方に形成してよい。丸天井形ルーフを有する密閉露光チャンバは、チャンバの全体的な剛性が高まり、その強度は、丸天井の曲げを大きくすることにより高めることが可能である。化学線源が密閉露光チャンバの外側にあり、ルーフが化学線に対して十分な透過性を有する殆どの実施形態では、チャンバ内に密閉された感光性エレメント上に当たる化学線が、ルーフが丸天井形であることによって影響を受けず、または密閉露光チャンバのルーフを曲げることによって影響を受けないことが観察される。一実施形態においては、密閉露光チャンバは、対応する壁の長さよりも長い長さを有するルーフの平行側部を形成すること、ならびにルーフの平行側部に対応する壁に合致するようにルーフの平行側部を制限ことによって、ルーフが半シリンダ形ドーム形状を有するように製造することができる。
化学線源は、それがin−situマスクを有する感光性エレメントの面上に化学線を当てることが可能であるという条件において、密閉露光チャンバの内側または外側に配置することが可能である。化学線源は、密閉露光チャンバに隣接して配置されており、または配置することが可能であり、特に、感光性エレメントに隣接して配置されている、または配置することが可能である。特に、化学線源は、感光性エレメントがチャンバ内に密閉されている際に、化学線源がin−situマスクを介して感光性エレメントを露光することが可能となるように、配置される、位置決めされ、または位置決め可能であるべきである。化学線源は、感光性エレメントから、1.5インチから60インチ(3.81cmから152.4cm)までの距離に位置することが可能である。
一実施形態においては、化学線源は、密閉露光チャンバの内側に配置される。したがって、密閉露光チャンバの壁/複数の壁およびルーフは、化学線に対して透過性である必要はない。換言すれば、ソース・アセンブリ(sauce assembly)、すなわち化学線源の全部分またはある部分、ならびに凸版印刷フォーム前駆体(感光性エレメント)が、密閉露光チャンバ内に配置される。この特定の実施形態は、化学線に対して透過性であるか、または実質的に透過性である材料または複数の材料から密閉露光チャンバまたはそのパーツを造り上げる必要性と、露光時間を調節する、すなわち延長または短縮することによって密閉露光チャンバを形成する材料による化学線の減衰または吸収を補償する必要性とを省く。例えば、一実施形態においては、Fanらによる特許文献12において開示されるような、レーザ放射によるin−situマスクのデジタルイメージングのためのレーザ露光装置において使用されるハウジングまたはカバーが、不活性ガスおよび190,000から100ppmの酸素濃度からなる環境内における像様露光のための密閉露光チャンバとしての役割を果たすことも可能である。市販されている適切なレーザ露光装置の一例は、CYREL(登録商標)Digital Imagerである。この実施形態においては、化学線源は、ハウジング内に配置することが可能であり、感光性エレメントは、回転可能なシャフトまたはドラムの上に設置することが可能である。ハウジング内に配置される化学線源は、感光性エレメントに対して定置型または可動型のものが可能である。
別の実施形態においては、化学線源は、密閉露光チャンバの外側に配置される。この実施形態においては、in−situマスクを有する感光性エレメントの側部に隣接する少なくとも壁またはルーフは、化学線がかなりの程度の拡散または吸収を伴わずに感光性エレメントの方へと貫通して透過可能となるように、化学線に対して透過性、または実質的に透過性でなければならない。「透過性の」とは、十分な量の化学線が、チャンバの面、すなわち壁またはルーフを貫通して透過し、感光性エレメントに当たるおよび露光することが可能であることを意味する。いくつかの実施形態においては、密閉露光チャンバの材料は、少なくとも4%の化学線がチャンバの面を貫通透過して、感光性エレメントに当たり露光すれば、透過性または実質的に透過性である。他の実施形態においては、チャンバを形成する材料は、少なくとも45から65%の化学線が、チャンバの面を貫通透過して、感光性エレメントに当たり露光すれば、透過性または実質的に透過性である。さらに他の実施形態においては、チャンバを形成する材料は、少なくとも65から99%の化学線が、チャンバの面を貫通透過して、感光性エレメントに当たり露光すれば、透過性または実質的に透過性である。露光チャンバによる化学線の減衰または吸収を補償するために、露光時間を調節する、すなわち延長する必要があり得ることに留意されたい。露光時間の適切な調節の決定は、当業者の一般的な技術の範囲内に十分含まれる。化学線源が密閉露光チャンバの外側に配置されるこの実施形態においては、通常は、密閉露光チャンバのルーフが、化学線に対して透過性である。いくつかの実施形態においては、密閉露光チャンバの上部ルーフおよび下部ルーフが共に、化学線に対して透過性である。使用に適しており、例えば紫外線などの化学線に対して透過性の、実質的に透過性の、または部分的に透過性の材料としては、Lexan(登録商標)の商標名で販売されるポリカーボネートなどのポリカーボネート、Plexiglas(登録商標)およびAcrylite(登録商標)の商標名で販売されるアクリル樹脂などのアクリル樹脂、Teflon(登録商標)FEPの商標名で販売されるフッ化炭素樹脂などのフッ化炭素樹脂、ならびにガラスが含まれるが、それらに限定されない。材料の厚さは限定されない。
また、密閉露光チャンバは、密閉露光チャンバ内の酸素濃度を測定するための手段を含む。酸素濃度を測定するための手段は、出口または密閉露光チャンバに連結される少なくとも1つの酸素メータであることが可能である。190,000ppm(百万分率)から100ppmまでの全範囲にわたる酸素濃度を監視するために、1つより多い酸素メータが必要となる場合がある。酸素メータは、本発明に適した酸素濃度の、可能性のある範囲の一部分のみを測定することが可能であってよい。別の実施形態においては、大気酸素濃度未満の酸素濃度を有する環境内において、感光性エレメントを露光するための装置は、酸素メータとガス源との間にフィードバック制御装置をさらに含み、それにより酸素濃度が自動的に監視され調整される。酸素チャンバの出口での酸素濃度の測定が、密閉露光チャンバの内部環境内の酸素濃度を表すことが予想される。
図1および図2は、感光性エレメントを化学線に露光させるために、感光性エレメントが、装置125の密閉露光チャンバ100内に配置され、化学線源が密閉露光チャンバ100の外側にある、一実施形態を示す。密閉露光チャンバ100は、化学線に対して透過性であるルーフ115を有し、露光装置125の版盤(bed)の上に配置されるようになされる。図1は、密閉露光チャンバ100の一実施形態の上面概略図を示し、図2は、露光版盤120の上に設置された密閉露光チャンバ100の断面概略図を示す。
図1および図2に図示されるように、密閉露光チャンバ100は、上面またはルーフ115を有する壁からなる4面ボックス110を含み、これは、標準的な平版盤式(flat−bed)露光フレーム装置125の露光版盤120の上に設置することが可能である。露光版盤120により、密閉露光チャンバ100の筐体は完成され、これによって、版盤120の上に位置しチャンバ100内に包入される感光性エレメントのための所望の内部環境を生成することが可能になる。ルーフ115は、透明材料、すなわち化学線に対して透過性の材料から構成することが可能であり、壁は、ルーフ115を支持するのに適した任意の材料から構成することが可能である。一実施形態においては、ルーフ115は、FEP Teflon(登録商標)から構成され、壁は、管状金属である。別の実施形態においては、ルーフ115および壁は、Lexan(登録商標)ポリカーボネートから構成される。別の実施形態においては、ルーフ115は、Acrylite(登録商標)OP−4紫外線透過性アクリル(Cyro Industries社、オレンジ、コネチカット州)から構成され、壁は、ステンレス鋼である。
化学線130(図1には図示しないが、これは紙面に対して垂直となる)が貫通して感光性エレメント135に当たるルーフ115は、化学線130に対して透過性である。化学線の少なくとも4%が、ルーフ115を貫通透過する。密閉露光チャンバ100の内および露光版盤120の上には、化学線130を受光する感光性エレメント135が配置される。感光性エレメント135は、in−situマスクを有するエレメントの面が化学線130の光源に対面するように版盤120の上に位置決めされる。
密閉露光チャンバ100を形成するのに適した材料に応じて、化学線130の露光時間を延長して(または短縮して)、密閉露光チャンバ100を構成するために使用される種々の材料間の透過性における差を補償することができる。例えば、露光時間を延長して、Lexan(登録商標)材料の紫外線吸収特性を補償する。密閉露光チャンバ100の側壁110は、プラスチックまたは金属または木材など、密閉露光チャンバ100に構造的安定性を与え、密閉露光チャンバ100をシールしやすい任意の材料から構成することが可能である。側壁110は、化学線130に対して透過性であることが可能であるが、必須ではない。密閉露光チャンバ100は、シーリングガスケット132により外部環境(すなわち室内条件)からシールすることが可能であり、シーリングガスケット132は、露光版盤120に隣接するまたは接触する壁の端部に固定される。密閉露光チャンバ100は、ガス供給マニホルド150を通り密閉露光チャンバ100内にガス145を導入するための入口ポート140を含む。一実施形態においては、シール132は、気密シールではない。図1では、ガス145の流れは矢印により表される。
一実施形態においては、ガス145は、不活性ガスまたは不活性ガスの混合物である。不活性ガス145は、不活性ガス源155からガス供給マニホルド150中に供給され、そこから、不活性ガス145は、ガス供給ホール160を通り密閉露光チャンバ100に進入する。また、密閉露光チャンバ100は、密閉露光チャンバ100の内部環境に190,000から100ppmの間の酸素濃度を提供するために、密閉露光チャンバ100内に初めに存在する幾分かのまたは殆どの空気をパージするためのガス排出マニホルド170に装着される出口ポート165を有する。別の実施形態においては、密閉露光チャンバ100の内部環境内に導入されるガス145は、不活性ガスまたは不活性ガスの混合物、および酸素である。この実施形態においては、酸素濃度を、190,000から100ppmの範囲内のある特定の設定ポイントまたは定常状態に維持することが望ましい場合があり、これは、不活性ガスで空気中の酸素をパージすることのみによってよりも、不活性ガス/複数の不活性ガスと共に酸素を導入することによって、より容易に達成することが可能である。密閉露光チャンバ100内の酸素濃度を測定するための酸素メータ175を、出口ポート165に配置することができる。酸素メータ175は、ガス出口ホール180を通ってガス排出マニホルド170を出て出口ポート165内に進むガス145中の酸素濃度を提示する。酸素メータ175の読取値に基づき、ガス145の流れを手動式に監視することが可能である。また、密閉露光チャンバ100内の酸素濃度を所望の濃度に調整するために、酸素メータ175を自動フィードバック機構においてガス入口ポート140にループさせる(looped)ことが可能である。
好ましい実施形態においては、化学線源185は、密閉露光チャンバ100の外側に配置される。感光性エレメント135は、透過性ルーフ115を貫通する放射線130に露光される。図2においては、化学線源185から始まる矢印が、ルーフ115を通過して感光性エレメント135に当たる化学線130を表す。一実施形態においては、化学線源185は、密閉露光チャンバに装着される。別の実施形態においては、化学線源185は、密閉露光チャンバ100に装着されない。別の実施形態においては、第2のオプションの化学線源190が装置125内の露光版盤120の下部に配置される。このオプションの化学線源190は、バックフラッシュまたは感光性エレメント135におけるフロア(floor)の生成のために使用することが可能である。オプションの化学線源190は、露光フレーム125に装着させることが可能であり、または露光フレーム125に装着しなくてもよい。オプションの化学線源190が使用される場合には、露光版盤120は、化学線に対して透過性のものである。
いくつかの実施形態においては、密閉露光チャンバの内部環境内の酸素濃度は、190,000ppmから100ppmの間の酸素濃度範囲内の固定の低減率で調整される。他の実施形態においては、密閉露光チャンバの内部環境内の酸素濃度は、190,000ppmから100ppmの間の酸素濃度範囲内の可変的な低減率で調整される。殆どの実施形態においては、チャンバ内の酸素濃度が約190,000ppm以下になるまで、密閉露光チャンバの内部環境からは、210,000ppmの標準酸素濃度を有する空気が、不活性ガス/複数の不活性ガスで初めにパージされ、チャンバ内の酸素濃度の調整を要する。一実施形態においては、約190,000ppmから始まり100ppmまでの酸素濃度で、固定の低下率または可変的な低下率で、密閉露光チャンバから酸素濃度を低減させることによって、酸素濃度が調整される。別の実施形態においては、210,000ppmの酸素濃度から始まり、190,000ppmから約100ppmの間の酸素濃度を維持するように、固定の低減率または可変的な低減率で密閉露光チャンバから酸素濃度を低減させることによって、酸素濃度が調整される。酸素濃度(密閉露光チャンバ内の酸素の分圧の観点による)は、先に説明されたように、不活性ガスまたは不活性ガスの混合物を導入することによって低減される。
いくつかの実施形態においては、化学線に対する感光性エレメントの露光は、密閉露光チャンバ内が定常状態レベルの酸素濃度に達した後に開始され、光重合性層の露光区域を架橋または硬化させるために特定の時間の間、継続される。他の実施形態においては、化学線に対する感光性エレメントの露光は、密閉露光チャンバ内が定常状態レベルの酸素濃度に達する前に開始され、定常状態に達した後に特定の時間の間、継続される。密閉露光チャンバ内の定常状態の酸素濃度は、約190,000ppmから約100ppmまでの範囲内に維持される。例えば、定常状態の酸素濃度は、ppm(百万分率)において測定される以下の数値が可能である。また、定常状態の酸素濃度は、以下のppm数値の中の任意の2つにより定められる範囲内であることが可能である。すなわち、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000、10,000、15,000、20,000、25,000、30,000、35,000、40,000、45,000、50,000、55,000、60,000、65,000、70,000、75,000、80,000、85,000、90,000、95,000、100,000、105,000、110,000、115,000、120,000、125,000、130,000、135,000、140,000、145,000、150,000、155,000、160,000、165,000、170,000、175,000、180,000、185,000および190,000の数値である。別の実施形態においては、酸素濃度は、上記の数値により定められる1より多い定常状態に維持される。
本発明の他の実施形態においては、露光チャンバの内部環境内の酸素濃度は、約190,000ppmから約100ppmまでに継続的に低減される。化学線に対する感光性エレメントの露光は、190,000ppmから100ppmまでの範囲内の酸素濃度の任意の中間ポイントで開始され、密閉露光チャンバ内の酸素濃度を低減させつつ継続される。化学放射は、ppmにおいて測定される以下の数値の中の任意の数値によって定められる酸素濃度で開始することが可能である。すなわち、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000、10,000、15,000、20,000、25,000、30,000、35,000、40,000、45,000、50,000、55,000、60,000、65,000、70,000、75,000、80,000、85,000、90,000、95,000、100,000、105,000、110,000、115,000、120,000、125,000、130,000、135,000、140,000、145,000、150,000、155,000、160,000、165,000、170,000、175,000、180,000、185,000および190,000の数値である。
酸素濃度が190,000ppmで開始され継続的に低減される内部環境内において像様露光される感光性エレメントにおいては、浮出し面エレメントの形状に対する改善された効果、すなわち平坦頂部およびシャープなショルダによるよりアナログ様の網点が認められる。しかし、浮出し面エレメントの形状に対する改善された効果は、約20,000ppmから100ppm未満の酸素濃度である内部環境内において像様露光される感光性エレメントにおいて、特に著しい。いくつかの実施形態では、内部環境が約20,000ppm未満の酸素濃度を有するときに像様露光が開始され、酸素濃度が継続的に低減される、または約20,000ppm未満の定常状態に維持される感光性エレメントにおいて、浮出し面エレメントの形状に対する改善された効果を認めることが可能である。別の実施形態では、全像様露光時間の少なくとも約30%が20,000ppm未満の、特に1000ppm未満の酸素濃度を有する内部環境内において実施される感光性エレメントにおいて、浮出し面エレメントの形状に対する改善された効果を認めることが可能である。さらに他の実施形態では、全像様露光時間の少なくとも約65%が20,000ppm未満の酸素濃度を有する内部環境内において実施される感光性エレメントにおいて、浮出し面エレメントの形状に対する改善された効果を認めることが可能である。さらに他の実施形態では、全像様露光時間の少なくとも約45%が5000ppm以下の酸素濃度を有する内部環境内において実施される感光性エレメントにおいて、浮出し面エレメントの形状に対する改善された効果を認めることが可能である。
いくつかの実施形態においては、密閉露光チャンバ内の酸素濃度が190,000ppm以下に達した後に、像様露光中に、密閉露光チャンバ内に不活性ガスを連続的に導入することによって、酸素濃度を連続的に低減させる。像様露光を、酸素濃度が190,000ppm(19%)となる、またはそれを下回るときに開始し、酸素濃度を5000ppm以下に低減させつつ継続させることが可能である。他の実施形態においては、像様露光を、酸素濃度が1000ppmであるときに開始し、酸素濃度が約100ppmに達するまで継続させることが可能である。
いくつかの実施形態においては、露光中の感光性エレメントのための内部環境が、像様露光の開始時の酸素濃度と像様露光の終了時の酸素濃度との平均である酸素濃度を有する。
他の実施形態においては、像様露光中の感光性エレメントのための内部環境は、全露光時間からの時間のパーセンテージに基づく酸素濃度の加重平均となる酸素濃度を有する。
いくつかの実施形態においては、内部環境は、80,000ppm以下の平均酸素濃度を有する。他の実施形態においては、この環境は、30,000ppm以下の平均酸素濃度を有する。さらに別の実施形態においては、平均酸素濃度は、以下のppm数値の中の任意の数値以下である。すなわち、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000、10,000、15,000、20,000、25,000、30,000、35,000、40,000、45,000、50,000、55,000、60,000、65,000、70,000、75,000および80,000の数値である。
先に説明されたように、いくつかの実施形態においては、密閉露光チャンバ内の酸素濃度が190,000ppm以下に達した後、密閉露光チャンバ内の酸素濃度が、入口ポートおよび出口ポートを閉鎖することによって維持または実質的に維持される。酸素濃度は、混合ガスを入口ポート中に供給するマニホルド中にガスを供給し混合させる2つのガス源を有することによって、調整することが可能である。
化学線
本発明の感光性エレメントは、適切な線源からの化学線にマスクを介して露光される。化学線露光時間は、放射線の強度およびスペクトルエネルギー分布、感光性エレメントからの距離、所望の像解像度ならびに、光重合性組成物の性質および量に応じて、数秒から数分にわたって様々であることが可能である。露光温度は、周囲温度または若干それよりも高い温度、すなわち約20℃から約35℃であると好ましい。露光は、露光区域を支持体まで、または背面露光層(back exposed layer)すなわちフロアまで架橋させるのに十分な時間行われる。一般的には、像様露光時間は、バックフラッシュ露光時間よりもはるかに長く、数分から数十分に及ぶ。
化学線源は、紫外波長領域および可視波長領域を包含する。特定の化学線源の適合性は、開始剤と、フレキソ印刷プレートの作製において使用される少なくとも1つのモノマーの感光性により決定される。最も一般的なフレキソ印刷プレートの好ましい感光性は、UV区域および遠UV区域のスペクトル内のものであるが、これは、そのスペクトルが比較的優れた室内光安定性を実現するためである。適切な可視光源およびUV光源の例としては、カーボンアーク、水銀蒸気アーク、コンテント蛍光ランプ(content fluorescent lamp)、電子閃光ユニット、電子ビームユニット、レーザおよび写真用投光ランプが含まれる。業界標準放射源の例としては、Sylvania 350 Blacklight蛍光ランプ(FR48T12/350 VL/VHO/180、115w)およびPhilips UV−A「TL」−seriesの低圧水銀蒸気蛍光ランプが含まれる。いくつかの実施形態においては、水銀蒸気アークまたは太陽灯を使用することが可能である。他の実施形態においては、高紫外線コンテント蛍光ランプを、感光性エレメントから約1から約10インチ(約2.54から約25.4cm)の距離の位置で使用することが可能である。これらの放射源は、一般的には310〜400nmの間の長波UV線を発光する。
いくつかの実施形態においては、凸版印刷フォームを作製するための方法が、背面露光またはバックフラッシュのステップを含む。これは、支持体を介した化学線へのブランケット露光(blanket exposure)である。これは、光重合性層の支持体側の重合される材料の層、すなわちフロアを生成し、光重合性層に感光性を与えるために使用される。フロアは、光重合性層と支持体との間の接着性を向上させ、網点解像度を強調するのに有用であり、またプレートの凸部の高さを規定する。バックフラッシュ露光は、他のイメージングステップの前に、その後に、またはその最中に実施することが可能である。全(像様)化学線露光ステップのための上述の従来の放射源の任意のものを、バックフラッシュ露光ステップのために使用することが可能である。一般的には、露光時間は、数秒から数分までの範囲に及ぶ。いくつかの実施形態においては、感光性エレメントを生成する場合に、感光性エレメント中にフロアを含んでよく、それにより、別個のバックフラッシュ露光が不要になる場合がある。
マスクを介したUV線への全露光の後に、感光性印刷エレメントは処理されて、光重合性層中の重合されなかった区域を除去し、それにより凸像を形成する。この処理ステップは、少なくとも化学線に露光されなかった区域の光重合性層、すなわち光重合性層の非露光区域または非硬化区域を除去する。エラストマーキャッピング層を除き、典型的には、光重合性層上に存在し得る追加層が、光重合性層の重合される層から除去または実質的に除去される。in−situマスクを有する感光性エレメントのいくつかの実施形態においては、この処理ステップは、(化学線に露光された)マスク像および、その下層の光重合性層の非露光区域をも除去する。
現像プロセス−処理
感光性エレメントの処理には、(1)非重合区域をウォッシュアウトするために適切な現像剤溶液に光重合性層を接触させる「ウェット」現像、および/または、(2)現像温度まで感光性エレメントを加熱することで、光重合性層の非重合区域を融解、軟化、または溶解させて、非重合区域を除去する「ドライ」現像が含まれる。また、ドライ現像は、熱現像とも呼ばれることがある。また、ウェット処理およびドライ処理の組合せを使用して、凸部を形成することが可能であることも意図されている。
ウェット現像は、室温で実施することが可能であるが、通常は約80から100°F(26.7から37.8℃)で実施される。現像剤は、有機溶剤、水溶液または半水溶液、および水が可能である。現像剤の選択は、除去すべき光重合性材料の化学特性に主に左右される。適切な有機溶剤現像剤としては、芳香族炭化水素または脂肪族炭化水素溶剤、および、脂肪族ハロ炭化水素または芳香族ハロ炭化水素溶剤、あるいは適切なアルコールとそれらの溶剤との混合物が含まれる。他の有機溶剤現像剤は、公開された特許文献14に開示されている。通常は、適切な半水溶性現像剤は、水および水混和性有機溶剤およびアルカリ性材料を含む。通常は、適切な水溶性現像剤は、水およびアルカリ性材料を含む。他の適切な水溶性現像剤の組合せは、特許文献15において説明される。
現像時間は、光重合性材料の厚さおよびタイプ、使用される溶剤、ならびに設備およびその運転温度に基づき様々であることが可能であるが、約2から25分の範囲内が好ましい。現像剤は、浸漬、噴霧および、ブラシ塗布またはローラ塗布を含む任意の好都合な態様において適用することが可能である。ブラッシング補助器具を使用して、エレメントの非重合部分を除去することが可能である。現像剤および機械式ブラッシング運動を利用して、プレートの非硬化部分を除去し、露光された像およびフロアを構成する凸部を残す自動加工ユニットにおいて、ウォッシュアウトを実施することが可能である。
一般的には、溶液中での現像による処理の後に、凸版印刷プレートは、吸い取られて乾燥され、または拭き取られて乾燥され、次いで、強制空気または赤外線オーブンの中でより完全に乾燥される。乾燥時間および温度は、設備設計、空気流、プレート材料に基づいて様々であってよいが、典型的には、プレートは、60℃で60から120分間乾燥される。高温は、支持体が縮小する可能性があり、これにより位置合わせ上の問題が生じる可能性があるため、推奨されない。
エレメントを熱処理することには、光重合性層の非硬化部分を液化させて、すなわち軟化、融解、または溶解させて非硬化部分を除去するのに十分な温度まで、少なくとも1つの光重合性層(および追加層/複数の追加層)を有する感光性エレメントを加熱することが含まれる。感光性組成物の層は、熱現像の際に、部分的に液化することが可能である。すなわち、熱現像中に、非硬化組成物は、適当な加工または現像温度で軟化または融解するはずである。感光性エレメントが、光重合性層の上に1つまたは複数の追加層を含む場合には、1つまたは複数の追加層もまた、光重合性層のための許容可能な現像温度の範囲内において除去可能であることが望ましい(しかし必要である)。光重合性層の重合区域(硬化部分)は、非重合区域(非硬化部分)よりも高い融解温度を有し、したがって熱現像温度では融解しないか、軟化しないか、または溶解しない。非硬化部分は、特許文献16において説明される加圧下での空気流または液体流、特許文献17において説明される真空、ならびに特許文献18、特許文献19、特許文献20、特許文献21、特許文献22、特許文献23および特許文献24において説明される吸収体材料との接触を含む任意の手段によって、組成物層の硬化部分から除去することが可能である。非硬化部分の除去のための好ましい方法は、現像媒体などの吸収体表面にエレメントの最外面を接触させて、融解部分を吸収する、または吸出し去る、または吸い取ることによるものである。
「融解する」という語は、吸収体材料による吸収が可能になるように軟化し粘度を低下させる高温にさらされた組成層の非照射(非硬化)部分の挙動を述べるために使用される。しかし、この明細書全体にわたり、「融解」、「軟化」および「液化」という語は、組成物が固相と液相との間に明確な転移温度を有し得るか否かにかかわらず、組成物層の加熱された非照射部分の挙動を述べるために使用される場合がある。広範な温度範囲を使用して、本発明のために、組成物層を「融解」することができる。吸収は、このプロセスが順調に実施されている間は、より低い温度ではより遅くなり、より高い温度ではより速まり得る。
感光性エレメントの加熱と、現像媒体へのエレメントの最外面の接触とからなる熱処理ステップは、光重合性層の非硬化部分が現像媒体に接触される際に依然として軟質であるまたは融解状態であるという条件においては、同時または連続して実施することが可能である。少なくとも1つの光重合性層(および追加層/複数の追加層)は、伝熱法、対流法、輻射法または他の加熱法により、非硬化部分の融解を行うのに十分な、しかし層の硬化部分に歪みをもたらすほどには高くない温度に加熱される。また、光重合性層の上方に配設される1つまたは複数の追加層が、現像媒体によって軟化、または融解、または流動して、吸収されてよい。感光性エレメントは、光重合性層の非硬化部分の融解または流動を行うために、約40℃超の、好ましくは約40℃から約230℃(104〜446°F)の表面温度に加熱される。非硬化領域が溶融される光重合性層への現像媒体の密着を、おおよそ維持することによって、光重合性層から現像媒体への非硬化感光性材料の移動が生じる。依然として加熱された状態にある間に、現像媒体は、支持体層に接触している硬化された光重合性層から分離されて、凸構造を出現させる。光重合性層の加熱と、現像媒体への溶融(部分)層の接触とからなるステップのサイクルは、非硬化材料を十分に除去し、十分な凸高さを生成するために、必要な回数だけ繰り返すことが可能である。しかし、適切なシステム性能のためにサイクル数を最小限に抑えることが好ましく、典型的には、光重合性エレメントは、5から15サイクルにわたり熱処理される。(非硬化部分が融解されている間の)光重合性層への現像媒体の密着は、この層と現像媒体とを一体に押し付けることによって維持することができる。
感光性エレメントを熱現像するのに適した装置は、Petersonらにより特許文献23において、またJohnsonらにより特許文献24において開示される。感光性エレメントは、熱処理を実施するために、ドラムまたは平面の上に配置してよい。
すべての実施形態において、感光性エレメントは、プレートの形態である。しかし、当業者が、シリンダまたはスリーブの形態の感光性エレメントの設置に適合させるために、開示される装置をそれぞれ修正することが可能であることを理解されたい。
現像媒体は、放射線硬化性組成物の非照射部分または非硬化部分の融解温度、または軟化温度、または液化温度を超過する融解温度を有するように、ならびに同一の実施温度での良好な引裂抵抗を有するように選択される。選択される材料は、加熱中に感光性エレメントを加工するために必要な温度に耐えるものである。また、本明細書においては、現像媒体は、現像材料、吸収体材料、吸収体ウェブおよびウェブと呼ばれる場合がある。現像媒体は、有する容量のおおよそかなりの部分が空隙容量として含まれる、不織材料、紙料(paper stock)、繊維織成材料、連続気泡発泡体材料、多孔性材料から選択される。現像媒体は、ウェブまたはシートの形態であることが可能である。また、現像媒体は、現像媒体の平方センチメートル当たりで吸収可能なエラストマー組成物のミリグラム数によって測定される、溶融エラストマー組成物に対する高い吸収率を有するものであるべきである。いくつかの実施形態においては、現像媒体は、ナイロンの不織ウェブ、またはポリエステルの不織ウェブである。
また、感光性エレメントは、非硬化部分を十分に除去して凸部を形成するために、1つまたは複数の処理ステップを経る場合があることが予期される。感光性エレメントは、凸部を形成するために、任意の順序でウェット現像およびドライ現像の両方を経る場合がある。光重合性層の上方に配設される1つまたは複数の追加層が、ウォッシュアウト溶液により、および/または加熱により除去不能な場合には、これらの追加層を除去するために現像前処理ステップが必要な場合がある。
処理ステップ後に、光重合プロセスを確実に完了し、このように形成されたフレキソ印刷プレートの印刷中および保管中の安定性を確実に保つために、感光性エレメントを均一に後露光することが可能である。この後露光ステップは、像様主露光と同一の放射源を使用することが可能である。さらには、フレキソ印刷プレートの表面が依然として粘着質である場合には、非粘着化処理を適応することができる。「仕上げ」とも呼ばれるこのような方法は、当技術においてよく知られている。例えば、臭素溶液または塩素溶液を用いてフレキソ印刷プレートを処理することにより、粘着性を除去することが可能である。好ましくは、非粘着化は、300nmよりも長くない波長を有するUV線源に露光させることによって達成される。このいわゆる「光仕上げ(light−finishing)」は、特許文献25および特許文献26において開示される。様々な仕上げ方法を組み合わせてもよい。典型的には、後露光および仕上げ露光は、2つの照射源を有する露光デバイスを使用して、感光性エレメント上に同時に実施される。
凸版印刷フォーム
凸版印刷フォームは、フロアからの複数の浮出し面を含む凸構造(relief structure)を形成し、浮出し面はそれぞれ、インク担持頂面区域を有する。不活性ガスおよび190,000ppmから100ppmの間の酸素濃度を有する環境内において修正されたデジタルワークフフローにより生成される凸版印刷フォームは、従来のアナログワークフロー、すなわち真空により接触状態に保たれるフォトツール・フィルムを介する像様露光により生成される浮出し面の形状と同様の形状を浮出し面に与える。感光性エレメントが,不活性ガスおよび190,000ppmから100ppmの酸素濃度が存在する中においてin−situマスクを介して像様露光される、修正されたデジタルワークフローの本方法は、「アナログ様」構造、すなわち平坦頂部およびシャープなショルダを有する浮出し面となる形状を浮出し面に生成する。いくつかの実施形態においては、修正されたデジタルワークフローは、段ボール板紙などの被印刷体の上に印刷するために使用される際のフルーティング効果をも最小限に抑える形状を浮出し面に与える。浮出し面の形状は、インク担持頂面区域、側壁面区域および、頂面区域と側壁面区域との間の移行部であるショルダ面区域により決定される。各浮出し面について、インクを転写するために被印刷体に接触することが可能な全印刷区域は、頂面区域およびショルダ面区域の和となり、被印刷体と凸版印刷フォームとの間の圧力に関係する。
本発明においては、(像のスクリーン解像度に基づく)全画素区域面積の約30%の網点区域面積を有する浮出し面については、該浮出し面の形状は、ショルダ面区域により加圧下で被印刷体に転写されるインクが全印刷区域面積の30%以下になるような形状である。全印刷区域に対するショルダ区域の寄与が低減されるため、フルーティング効果は低減される。いくつかの実施形態においては、ショルダ面区域により被印刷体に転写されるインクは、全印刷区域面積の25%以下である。他の実施形態においては、ショルダ面区域により被印刷体に転写されるインクは、全印刷区域面積の20%以下である。いくつかの実施形態においては、ショルダ面区域により被印刷体に転写されるインクは、全印刷区域面積の15%以下である。いくつかの実施形態においては、ショルダ面区域により被印刷体に転写されるインクは、全印刷区域面積の10%以下である。いくつかの実施形態においては、ショルダ面区域により被印刷体に転写されるインクは、全印刷区域面積の5%以下である。
浮出し面の形状が、アナログワークフローにおいて作製される凸版印刷フォーム中の浮出し面の形状とある程度同様である、すなわちショルダを経由し側壁面区域にかけてシャープに移行する比較的平坦なインク担持頂面区域を有する概して円錐形の形状である一方で、本発明の凸版印刷フォームによる全印刷区域に対するショルダ面区域による寄与は、印刷像におけるフルーティングレベルの低減が認められる点に関しては大幅に異なるものとなる可能性がある。
顕微鏡または光学デバイスなどの通常のイメージング技術が、観察される網点区域を判定するために使用される。適切な光学デバイスの一例は、Beta Industries社(Carlstadt、ニュージャージー州)によるBetaflex flexo analyzer unitであり、これは、凸版印刷フォームの浮出し面を、網点区域、スクリーン線数(screen ruling)および網点品質などの凸特性の測定および分析のための像として記録する。図3に図示されるように、前述の光学デバイスを使用する場合には、浮出し面15の凸構造12を有するプレート10が、プレートの底面18から光源22を用いて照明され、該光が、プレート10を貫通し、顕微鏡対物レンズまたは光学デバイス検出器24に進む。典型的には網点構造と呼ばれる浮出し面15は、平坦部分15a、ショルダ部分15bおよび側壁部分15cを含む。浮出し面15の幾何学的形状により、光は、ベクトル(または複数のベクトル)Aとして示されるように、浮出し面の平坦部分15aを貫通して進み、検出器24により収集される。凸構造12の浮出し面15のショルダ部分15bおよび側壁部分15cに当たる光は、ベクトル(または複数のベクトル)Bとして示されるように、対物レンズまたは検出器24から離れるように屈折される。その結果、観察または測定される浮出し面15の網点サイズは、網点構造の平坦部分15aに相関する。他の光学デバイスが、逆の態様で照明し、検出してよい、すなわちプレートの上面から照明し、プレートの反対側で透過した光を検出してよいが、測定される網点サイズは、依然として網点構造の平坦部分である。図3Aは、浮出し面15の平坦部分15aの光学デバイスにより撮像された像を表し、観察される網点区域15fを示す。これらのタイプの光学測定は、凸版印刷面の平坦部分15aの判定においては正確であるが、浮出し面のショルダ部分15bを正確に記録しない。
共通の譲受人の特許文献27が、段ボール板紙などの被印刷体に対する修正されたデジタルワークフローの効果を説明する。本発明は、酸素濃度が調整されるデジタルワークフロープロセスの使用の結果を実証するために、単なる一例として段ボール板紙被印刷体に関して説明する点に留意されたい。本発明は、他の被印刷体上への印刷も含めて容易に使用することが可能である。
段ボール板紙被印刷体においては、浮出し面15の印刷面は、網点の平坦部分15aだけでなく、網点ショルダ15bの少なくとも一部分を含む。したがって、有効網点区域は、観察される網点区域だけでなく、印刷中に被印刷体と接触状態となる可能性のある網点ショルダのある部分を含む。平坦部分15aから側壁部分15cへの移行部である網点ショルダ15bの形状は、被印刷体に接触する可能性のある部分に影響を及ぼす。
プレートのデュロメーター硬度、刷圧(impression pressure)および被印刷体の適合性(compliance)が同一であると仮定した場合、印刷フォームに加えられる圧力が上昇する際の、印刷面における増大を考慮することによって、段ボール板紙被印刷体の上への、丸みを帯びたショルダを有する浮出し面を有する凸版印刷フォームを使用した印刷を、非常にシャープなショルダを有する浮出し面を有する凸版印刷フォームを使用した印刷に対して比較判定することが可能である。
図4は、丸い網点ショルダ15bを有する浮出し面15を有し、2つのライナ層32、33の間にフルート層31を有する段ボール板紙被印刷体30に押圧される、凸版印刷プレート10を示す。位置Xで、フルート層31は、上部ライナ層32に接触し、上部ライナ層32に追加的な支持を与える。フルート層31のこの支持が印刷構造に対して追加的な圧力を加えることから、より多くの網点ショルダ区域によるインクの追加の転写を生じさせ、網点面の平坦部分15aよりも広い区域のインク領域を段ボール紙被印刷体上に生成させる。図4Aは、フラット部分15aおよび丸みを帯びたショルダ部分15bが、位置Xで、段ボール板紙被印刷体30の上にインク部分35aおよび35bを転写した、浮出し部分15のインク像35を表す。観察されるインク像35は、15bの網点サイズである。上部ライナ層32がフルート層31により支持されない位置Yでは、より低い圧力が印刷構造に加えられ、段ボール板紙被印刷体30の上のインク領域35aは、印刷面の平坦部分15aに一層直接的に対応する。図4Bは、平坦部分15aが、位置Yで、(非被支持領域の)段ボール板紙被印刷体の上にインク部分35aを転写した、浮出し部分15のインク像35を表す。この段ボール板紙への印刷の場合には、フルート層により支持される領域および支持されない領域に相関した著しい濃度差を観察および測定することが可能であり、一般的にフルーティングと呼ばれる印刷アーチファクト(printing artifact)がもたらされる。
図5は、シャープな網点ショルダ15bを有する浮出し面15を有し、2つのライナ層32、33の間にフルート層31を有する段ボール板紙被印刷体30などの被印刷体上に押し付けられる、凸版印刷プレート10を示す。フルート層31が上部ライナ層32に追加的な支持を与える位置Xでは、印刷構造に対して追加的な圧力が加えられる。網点ショルダ15bもまた、インクを転写するが、ショルダは、はるかに小さく、インク領域35もこれに応じてより小さいものとなる。段ボール板紙被印刷体の上のインク像35は、網点面15aの平坦部分よりも若干広いだけである。図5Aは、フラット部分15aおよびシャープなショルダ部分15bが、位置Xで、段ボール板紙被印刷体30の上にインク部分35aおよび35bを転写した、浮出し部分15のインク像35を表す。上部ライナ層32がフルート層31により支持されない位置Yでは、より低い圧力が加えられ、段ボール板紙被印刷体30の上のインク領域35は、印刷面の平坦部分15aに一層直接的に対応する。図5Bは、フラット部分15aが、位置Yで、(非被支持領域の)段ボール板紙被印刷体の上にインク部分35aを転写した、浮出し部分15のインク像35を表す。段ボール板紙被印刷体の支持された領域と支持されない領域との間の(浮出し部分15により生成される)濃度差が、はるかにより小さくなるため、フルーティング印刷アーチファクトは、最小限に抑えられ、またはいくつかの場合においては排除される。
一般的には、フルーティング印刷アーチファクトは、1%網点[ここでは、該インク塗布区域がベタ被印刷区域(solid printed areas)に対する全区域の一部となっている]から、全被印刷色調範囲スケールにわたって、段ボール板紙被印刷体の上に多かれ少なかれ観察することができる。しかし、いくつかの実施形態においては、約30から約70%の被印刷網点区域面積をなす諧調(tonal scale)である被印刷中間調領域(printed mid−tone region)が、フルーティングを最も効果的に示す傾向がある。他の実施形態においては、約10から約30%の被印刷網点区域面積をなす被印刷四分調領域(printed quarter−tone region)が、フルーティングを効果的に示すことが可能である。そのような被印刷中間調領域および被印刷四分調領域に相当する諧調パーセンテージは、一般的には当業者に許容されるが、確立されたまたは拘束力のある基準とは見なされない範囲であることを理解されたい。
光重合(すなわち、制約された酸素濃度内における像様露光)およびその後の加工ステップの際に形成される印刷プレートの浮出し面の形状は、印刷プレートの製版のために使用されるプロセスに基づき異なることが示されている。特に、本願プロセスにより生成される浮出し面の形状は、従来のアナログプロセスおよび従来のデジタルプロセスにより生成される浮出し面の形状とは異なる。印刷プレートの浮出し面の形状を評価し、具体的には印刷プロセスの最中に被印刷体と接触状態になる印刷面の(全区域におけるパーセントとして表される)区域を定量化するための方法が確立されている。
上述のように観察される網点区域を判定するために使用される一般的なイメージング技術が、凸構造の有効印刷網点区域を示すのに十分なものではない場合には、より正確な方法を使用して、段ボール板紙の上に印刷するための適切な網点構造を判定する。この方法は、観察される網点区域(平坦部分)だけでなく、網点ショルダ区域およびある程度の網点側壁区域も記録するはずである。浮出し面15の形状を評価するためのこの方法は、表面形状測定法(surface profilimetry)、光学干渉分光法、3次元光学顕微鏡検査法、または、材料の代表サンプルの所与の表面区域にわたる表面形状を十分な解像度での測定を実現させるような任意の方法を含む、多数の方法の中の任意の1つによる印刷プレート面の測定を伴う。特に、この測定プロセスは、興味をひく領域におけるすべてのX位置およびY位置についてのZ軸データ(高さ)を生成する。この情報を利用して、プレートの最上領域からフロア領域までの、浮出し部分などの印刷プレート面の区域の累積和を生成することが可能である。
図6は、種々のワークフロープロセスにより作製された3つの印刷フォームのそれぞれについての、凸構造の浮出し面の高さ(z軸位置)に対する、パーセント区域面積の累積和の曲線を示す。曲線Aは、アナログワークフロープロセス(真空下におけるフォトツールを介した像様露光)により作製されたプレート中に生成される浮出し部分の累積和を示す。曲線Bは、デジタルワークフロープロセス(大気酸素が存在する中におけるin−situマスクを介した像様露光)により作製されたプレート中に生成される浮出し部分の累積和を示す。曲線Cは、不活性ガスおよび190,000から100ppmの間の酸素の雰囲気内におけるin−situマスクを介した像様露光の本願ワークフロープロセスにより作製されたプレート中に生成される浮出し部分の累積和を示す。図6に図示される曲線を利用して、印刷エレメント構造を説明することが可能であり、すなわち浮出し部分、具体的には印刷面の平坦部分は、区域面積が急激に増大する曲線の領域によって示され、印刷エレメントの側壁部分は、累積区域面積があまり急激には増大しない曲線の直線部分によって示される。これら2つの領域の間の移行領域は、印刷エレメントのショルダを示す。示される最終領域は、浮出し面構造がバルクプレート材料(bulk plate material)に装着される、フロアと呼ばれる非印刷区域である。図6においては、曲線Aおよび曲線Cは類似しているが、曲線Aは、印刷エレメント構造(浮出し部分)の平坦部分から側壁部分へのより緩やかな移行により特徴付けられる。曲線Bは、印刷面の平坦部分と側壁部分との間の延びた移行領域を有する、非常に異なる印刷エレメント構造(浮出し部分)を表す。
この分析を利用して、刷圧が、印刷プロセス中にアニロックス・ローラ(anilox roller)または被印刷体と接触状態になる印刷エレメントの表面区域の上に有する影響を評価することが可能となる。表面区域は、デュロメーター硬度などの物理的プレート特性、プレート装着材料、アニロックス特性および他の印刷条件を含む、複数の変数によって影響を受ける。これらの因子は、最小限に減らすまたは除去することが可能であるため、浮出し面の本願3次元分析は、有効印刷面区域への刷圧の影響を評価するための方法を提供する。最小の刷圧では、浮出し網点面の平坦部分のみが、被印刷体に接触し、過度の刷圧では、ショルダ部分の幾分かまたはすべてを含む、平坦部分よりも広い浮出し網点面の表面区域が、被印刷体に接触する。そのため、刷圧における同一の変化に対しては、印刷プロセス中に接触状態になる累積表面区域面積は、曲線Aによって特徴付けられる材料についてよりも、曲線Bによって特徴付けられる材料について、著しくより広いものとなる。また、刷圧における同じ同一の変化により、印刷プロセス中に接触状態になる累積表面区域面積は、曲線Cにより特徴付けられる材料については最も狭くなる。
凸構造の浮出し部分のそれぞれについての重要なエレメントは、面積百分率の累積和の曲線によって説明することが可能であるため、浮出し面およびその結果得られる印刷区域は、他の記述子によって決定することが可能である。最大傾斜点(一次導関数が最大に達する、または二次導関数がゼロを越えるとき)が、最上部(uppermost)印刷面を示す点を表す。曲線の平坦線部分(二次導関数がゼロに接近する−この分析については、これは一次導関数の最大化後に、二次導関数がゼロから0.0005以内にある点として同定された)が、網点構造のショルダを表す。二次導関数は、加圧下における有効網点区域を表す。
顕微鏡により測定される網点径の百分率としてショルダ区域を表す代わりに、網点の頂面区域からの網点の半径(または直径)における増加率としてショルダ区域を表すこともまた可能である。頂面区域または浮出し網点面の直径は、上述のように光学顕微鏡を用いた測定により判定することが可能である。上述のような表面形状測定法、光学干渉分光法または3次元光学顕微鏡検査法により測定される、浮出し網点面の加圧下における有効印刷区域面積(網点区域面積)は、スクリーン解像度により判定される全画素区域面積に基づいて、ショルダ部分を含む網点径に変換することが可能である。浮出し網点面の半径の加圧下における(印刷中のショルダ部分の作用による)増大または増加が約10ミクロン未満の場合には、印刷フォームは、許容可能な印刷性能を、すなわち許容可能な度合のフルーティングを段ボール板紙の上に有することが判明している。いくつかの実施形態においては、浮出し網点面の半径の加圧下における(印刷中のショルダ部分の作用による)増大または増加が約8ミクロン未満の場合には、印刷フォームは、低レベルのフルーティングを有する像を段ボール板紙の上に印刷した。いくつかの実施形態においては、浮出し網点面の半径の加圧下における(印刷中のショルダ部分の作用による)増大または増加が約5ミクロン未満の場合には、印刷フォームは、非常に低い度合のフルーティングを有する像、またはフルーティングの程度にない像を段ボール板紙の上に印刷した。いくつかの実施形態においては、浮出し網点面の半径の加圧下における(印刷中のショルダ部分の作用による)増大または増加がが約2ミクロン未満の場合には、印刷フォームは、非常に低い度合のフルーティングを有する像、またはフルーティングの程度にない像を段ボール紙の上に印刷した。
印刷方法
印刷機に凸版印刷フォームを設置するステップ、印刷フォームの印刷区域(すなわち凸面の浮出し部分)にインク塗布するステップ、および被印刷体の上にインクのパターンを転写するために被印刷体にインク塗布された印刷区域を接触させるステップは、限定されず、フレキソ印刷の当業者に知られているような、印刷のための、設置、インク塗布および接触についての様々な在来型および非在来型の実施法を含む。非特許文献1および非特許文献2が、フレキソ印刷の多数の態様における知識分野を代表する適切な情報源である。特に、設置および校正刷り(proofing)、印刷機、インク、フレキソ印刷プレートおよび被印刷体についての章は、本発明に対して最も応用可能である。
感光性エレメント
フレキソ印刷フォームを作製するために使用される感光性エレメントは、少なくとも1つの光重合性組成物層を含む。「感光性」という語は、少なくとも1つの感光性層が、化学線への露光と同時に、反応または複数の反応、特に光化学反応を開始することが可能である任意の仕組みを含む。いくつかの実施形態においては、感光性エレメントは、光重合性層のための支持体を含む。いくつかの実施形態においては、光重合性層は、結合剤、少なくとも1つのモノマーおよび光開始剤を含むエラストマー層である。いくつかの実施形態においては、感光性エレメントは、支持体の反対側に、光重合性層に隣接する化学線不透過性材料の層を含む。他の実施形態においては、感光性エレメントは、光重合性層に隣接するin−situマスクとして使用するのに適した化学線不透過材料の像を含む。
特に指示しない限り、「感光性エレメント」という語は、印刷に適した面を形成するために化学線に対し露光および処理を受けることが可能な印刷前駆体を含む。特に指示しない限り、「感光性エレメント」および「印刷フォーム」は、印刷に適するようになる、または印刷に適している任意の形態のエレメントまたは構造を含み、これにはフラットシート、プレート、シームレス連続フォーム、シリンダ形フォーム、スリーブ上プレート(plates−on−sleeves)およびキャリア上プレート(plates−on−carriers)を含むが、それらに限定されない。感光性エレメントから得られる印刷フォームは、フレキソ印刷および活版印刷(letterpress printing)などの凸版印刷のための最終使用印刷用途を有することが予期される。凸版印刷は、印刷フォームの像区域により印刷され、印刷フォームの像区域が浮出し状であり、非像区域が凹状である印刷方法である。
感光性エレメントは、少なくとも1つの光重合性組成物層を含む。本明細書において使用されるように、「光重合性の」という語は、光重合性の、光架橋性の、またはその両方の性質の仕組みを含む。光重合性層は、結合剤、少なくとも1つのモノマーおよび光開始剤を含む組成物から形成される固体エラストマー層である。光開始剤は、化学線に対する感光性を有する。この明細書全体を通して、化学光は、紫外線照射および/または可視光を含む。光重合性組成物の固体層は、1つまたは複数の溶液を用いて処理され、および/または、フレキソ印刷に適する凸部を形成するために加熱される。本明細書において使用されるように、「固体」という語は、一定の体積および形状を有し、その体積または形状を変えようとする力に対して抵抗する層の物理的状態を指す。光重合性組成物の層は、約5℃から約30℃の間の温度である室温では固体である。光重合性層の固体層は、重合されても(光硬化されても)よいし、または重合させなくてもよいし、またはそれらを併用してもよい。
結合剤は、限定されず、単一のポリマーまたはポリマーの混合物であることが可能である。いくつかの実施形態においては、結合剤は、エラストマー結合剤である。他の実施形態においては、結合剤は、化学線に露光されるとエラストマーになる。結合剤としては、ポリイソプレン、1,2−ポリブタジエン、1,4−ポリブタジエン、ブタジエン/アクリロニトリルおよびジエン/スチレン熱可塑性−エラストマーブロックコポリマーを含む、共役ジオレフィン炭化水素の天然ポリマーまたは合成ポリマーが含まれる。いくつかの実施形態においては、結合剤は、A−B−Aタイプのブロックコポリマーのエラストマーブロックコポリマーであり、ここでAは非エラストマーブロックを表し、Bはエラストマーブロックを表す。非エラストマーブロックAは、例えばポリスチレンなどのビニルポリマーであることが可能である。エラストマーブロックBの例としては、ポリブタジエンおよびポリイソプレンが含まれる。いくつかの実施形態においては、エラストマー結合剤としては、ポリ(スチレン/イソプレン/スチレン)ブロックコポリマーおよびポリ(スチレン/ブタジエン/スチレン)ブロックコポリマーが含まれる。A−B−Aタイプのブロックコポリマーのエラストマーに対する非エラストマーの比率は、10:90から35:65の範囲内であることが可能である。結合剤は、水溶液、半水溶液、水または有機溶剤ウォッシュアウト溶液の中で、可溶性、膨潤性または拡散性であることが可能である。水溶性現像剤または半水溶性現像剤の中での処理によりウォッシュアウト可能なエラストマー結合剤は、Proskowによる特許文献28、Proskowによる特許文献29、Wornsによる特許文献30、Suzukiらによる特許文献31、Suzukiらによる特許文献32およびSakuraiらによる特許文献33において開示されている。Chenの特許文献34、Heinzらの特許文献35およびTodaらの特許文献36に開示されるブロックコポリマーは、有機溶剤溶液中での処理によってウォッシュアウト可能である。一般的には、ウォッシュアウト現像に適するエラストマー結合剤は、光重合性層の非重合区域を加熱と同時に軟化、融解または溶解させる熱処理における使用にも適する。結合剤が感光性組成物の少なくとも50重量%の量において存在することが好ましい。
本明細書において使用されるように、結合剤という語は、Frydらの特許文献37およびQuinnらの特許文献38において開示されるものなどの、コアシェルミクロゲルと、ミクロゲルおよび予め形成された(performed)高分子ポリマーのブレンドとを含む。
光重合性組成物は、透明で曇りのない感光性層が生成される程度まで結合剤に対して相溶性である、付加重合が可能な少なくとも1つの化合物を含む。付加重合が可能な少なくとも1つの化合物は、モノマーと呼ばれる場合もある。光重合性組成物において使用することが可能なモノマーは、当技術においてよく知られており、少なくとも1つの末端エチレン基を有する付加重合エチレン性不飽和化合物を含むが、これに限定されない。一般的には、モノマーは、比較的低い分子量(約30,000未満)を有する。いくつかの実施形態においては、モノマーは、約5000未満の比較的低い分子量を有する。特に指摘しない限り、分子量は、加重平均分子量である。付加重合化合物は、オリゴマーであってもよく、単一のオリゴマーまたはオリゴマーの混合物であることが可能である。いくつかの実施形態が、1000を上回る分子量を有するポリアクリロールオリゴマーを含む。この組成物は、単一のモノマーまたはモノマーの組合せを含むことが可能である。モノマー化合物は、組成物の少なくとも5重量%において存在し、いくつかの実施形態では10から20重量%において存在する。
適切なモノマーとしては、アルコールおよびポリオールのアクリル酸モノエステル、アルコールおよびポリオールのアクリル酸ポリエステル、アルコールおよびポリオールのメタクリレートモノエステル、ならびにアルコールおよびポリオールのメタクリレートポリエステルが含まれるがそれらに限定されず、適切なアルコールおよびポリオールには、アルカノール、アルキレングリコール、トリメチロールプロパン、エトキシ化トリメチロールプロパン、ペンタエリトリトールおよびポリアクリロールオリゴマーが含まれる。他の適切なモノマーとしては、イソシアン酸塩、エステル、エポキシドなどのアクリレート誘導体およびメタクリレート誘導体が含まれる。単官能アクリレート、多官能アクリレート、単官能メタクリレート、および/または多官能メタクリレートの組合せを使用してよい。適切なモノマーの他の例としては、イソシアン酸塩、エステル、エポキシドなどの、アクリレート誘導体およびメタクリレート誘導体が含まれる。いくつかの最終使用印刷フォームにおいては、エレメントにエラストマー特性を与えるモノマーを使用することが望ましい場合がある。エラストマーモノマー(elastomeric monomer)の例としては、アクリレート化液体ポリイソプレン、アクリレート化液体ブタジエン、高ビニル含有の液体ポリイソプレン、ならびに高ビニル含有の(すなわち、1−2ビニル基の含有量が約20重量%よりも高い)液体ポリブタジエンが含まれるがそれらに限定されない。
モノマーの他の例は、特許文献39、Chenの特許文献34、Frydらの特許文献40、Frydらの特許文献41およびFeinbergらの特許文献42に見出すことが可能である。
光開始剤は、化学線に対して感光性であり、過度の停止を伴わずにモノマーまたは複数のモノマーの重合を開始するフリーラジカルを生成する、任意の単一の化合物または化合物の組合せであることが可能である。任意の既知の種類の光開始剤、特にキノン、ベンゾフェノン、ベンゾインエーテル、アリールケトン、過酸化物、ビイミダゾール、ベンジルジメチルケタール、ヒドロキシルアルキルフェニルアセトフェノン、ジアルコキシアセトフェノン、トリメチルベンゾイルホスフィンオキシド誘導体、アミノケトン、ベンゾイルシクロヘキサノール、メチルチオフェニルモルホリノケトン、モルホリノフェニルアミノケトン、アルファハロゲノアセトフェノン、オキシスルホニルケトン、スルホニルケトン、オキシスルホニルケトン、ベンゾイルオキシムエステル、チオキサントン(thioxanthrone)、ケトクマリンおよびミヒラーケトン(Michler’s ketone)などのフリーラジカル光開始剤を使用してよい。代替としては、光開始剤は、化合物の中の1つが、放射線により活性化された増感剤によって促された際にフリーラジカルを生成する、化合物の混合物であってよい。好ましくは、主露光(ならびに後露光およびバックフラッシュ)のための光開始剤は、310から400nmの間の、好ましくは345から365nmの間の可視放射または紫外線に対して感光性を有する。220から300nmの間の、好ましくは245から265nmの間の放射線に対して感光性を有する第2の光開始剤が、光重合性組成物の中に適宜存在してよい。処理後に、プレートに、凸面を非粘着化するために220から300nmの間の放射線で仕上げを行うことが可能である。第2の光開始剤により、プレートの非粘着化に必要な仕上げ露光時間が短縮される。一般的には、光開始剤は、光重合性組成物の重量に基づく0.001%から10.0%までの量において存在する。
光重合性組成物は、所望の最終特性に応じて他の添加剤を含むことが可能である。光重合性組成物への他の添加剤には、増感剤、可塑剤、流動性改質剤、熱重合抑制剤、着色剤、加工助剤、酸化防止剤、オゾン劣化防止剤、染料および賦形剤(filler)が含まれる。
可塑剤は、エラストマーのフィルム形成特性を調節するために使用される。適切な可塑剤の例としては、ナフテンオイルおよびパラフィンオイルなどの脂肪族炭化水素オイル、液体ポリブタジエンなどの液体ポリジエン、液体ポリイソプレン、ポリスチレン、ポリ−アルファ−メチルスチレン、アルファ−メチルスチレン−ビニルトルエンコポリマー、水素化ロジン(rosin)のペンタエリトリトールエステル、ポリテルペン樹脂ならびにエステル樹脂が含まれる。一般的には、可塑剤は、約5000未満の分子量を有する液体であるが、約30,000までの分子量を有するものも可能である。低分子量を有する可塑剤は、約30,000未満の分子量を含む。
光重合性層の厚さは、所望の印刷フォームのタイプに応じて広範囲にわたり様々であることが可能である。一実施形態においては、感光性層は、約0.015インチから約0.250インチまたはそれ以上(約0.038から約0.64cmまたはそれ以上)の厚さを有することが可能である。別の実施形態においては、感光性層は、約0.107インチから約0.300インチ(約0.27から約0.76cm)の厚さを有することが可能である。いくつかの実施形態においては、感光性層は、約0.020から約0.067インチ(約0.5mmから約1.7mm)の厚さを有することが可能である。さらに他の実施形態においては、感光性層は、約0.002インチから0.025インチ(0.051から0.64mm)の厚さを有することが可能である。
感光性エレメントは、光重合性組成物層に隣接する支持体を任意に含んでよい。支持体は、印刷フォームを作製するための使用される感光性エレメントと共に従来より使用される任意の材料または材料の組合せから構成することが可能である。いくつかの実施形態においては、支持体は、支持体を貫通する「バックフラッシュ」露光に対応するように、化学線に対して透過性である。適切な支持体材料の例としては、付加重合体および線状縮合ポリマーにより形成されるものなどのポリマーフィルム、透過性発泡体ならびに、繊維ガラスなどの繊維が含まれる。金属製の支持体は放射線に対して不透過性であるが、ある最終使用条件の下では、アルミニウム、鋼およびニッケルなどの金属を支持体として使用してもよい。いくつかの実施形態においては、支持体はポリエステルフィルムである。一実施形態においては、支持体はポリエチレンテレフタレートフィルムである。支持体は、シート形態またはスリーブなどのシリンダ形態であってよい。スリーブは、印刷用のスリーブの形成において従来より使用される任意の材料または材料の組合せより形成することが可能である。スリーブは、単層構造、多層構造、複合構造または単体構造を有することが可能である。スリーブは、典型的には化学線に対して透過性であり、したがってシリンダ形印刷エレメント中にフロアを造り上げるためのバックフラッシュ露光に対応するポリマーフィルムから構成することが可能である。多層スリーブは、特許文献43において開示されるような、可撓性材料の層間に接着層またはテープを含んでよい。また、スリーブは、ニッケルまたはガラスエポキシなどの不透過性の化学線遮断材料から構成することができる。スリーブは、樹脂組成物の1つまたは複数の層から構成することができ、これらは同一のものまたは異なるものが可能であり、賦形剤および/または繊維を中に含むものが可能である。樹脂組成物として適する材料は、限定されず、その例としては、エポキシ樹脂、ポリ塩化ビニルおよびポリ酢酸ビニルなどのポリスチレン樹脂ならびにポリビニル樹脂、フェノール樹脂、ならびに芳香族アミン硬化エポキシ樹脂が含まれる。樹脂組成物中で使用される繊維は、限定されず、例えばガラス繊維、アラミド繊維、炭素繊維、金属繊維およびセラミック繊維などが含まれることが可能である。スリーブに混合される繊維には、連続材料、織成(woven)材料および/または巻(wound)材料が含まれることが可能である。繊維により強化された樹脂組成物から形成される支持体が、複合スリーブの一例である。いくつかの実施形態においては、支持体は、0.002から0.050インチ(0.0051から0.127cm)の厚さを有する。スリーブは、約0.01から約6.35mmまたはそれより大きい壁厚を有することが可能である。いくつかの実施形態においては、スリーブは、約0.25から3mmの間の壁厚を有する。いくつかの実施形態においては、スリーブは、約10から80ミル(0.25から2.0mm)の間の、および他の実施形態においては10から40ミル(0.25から1.0mm)の間の壁厚を有する。
任意には、エレメントが、支持体と光重合性層との間に接着層を含んでいるか、または、光重合性層に隣接する支持体の面が、接着促進面を有して、支持体と光重合性層との間に強力な接着性を与える。
光重合性層自体は、結合剤、モノマー、開始剤および他の材料を混合することによって、多数の方法において作製することが可能である。光重合性混合物は、熱融解物(hot melt)に形成され、次いで所望の厚さに圧延される(calendered)と好ましい。押出成形機を使用して、組成物の融解、混合、脱気および濾過を行うことが可能である。均一な厚さを実現するために、支持体および仮カバーシートなどの2つのシートの間で、またはフラット・シートとリリース・ロール(release roll)との間で加熱混合物を圧延する圧延ステップに、押出成形ステップを組み合わせることが有利となりえる。交互に、材料を仮支持体の上に押出成形/圧延し、その後、積層して所望の最終支持体にすることが可能である。また、エレメントは、適切な混合デバイス中で成分を混合させ、次いで適切な型で材料を所望の形状に圧縮形成することによって作製することが可能である。一般的には、材料は、支持体とカバーシートとの間で圧縮される。成形ステップは、圧縮および/または加熱を伴うことが可能である。カバーシートは、感光性エレメントを形成する際に光重合性層に転写される1つまたは複数の追加層を含んでよい。シリンダ形状の光重合性エレメントは、任意の適切な方法によって作製することができる。一実施形態においては、シリンダ形状エレメントは、光重合性印刷プレートから形成することが可能であり、該光重合性印刷プレートは、担体またはシリンダ形支持体、すなわちスリーブ上に巻きつけられ、プレートの両端部が、シリンダ形状を形成するように合わせられる。また、シリンダ形状光重合性エレメントは、特許文献44においてCushnerらにより開示される方法および装置により作製することも可能である。
感光性エレメントは、少なくとも1つの光重合性層を含み、したがって二層構成または多層構成であることが可能である。感光性エレメントは、感光性層の上にまたはそれに隣接して1つまたは複数の追加層を含んでよい。殆どの実施形態においては、1つまたは複数の追加層は、支持体の反対側の感光性層の面側にある。追加層の例としては、保護層、キャッピング(capping)層、エラストマー層、バリア層およびそれらの組合せが含まれるが、それらに限定されない。1つまたは複数の追加層は、処理の際にすべてまたは部分的に除去可能なものが可能である。1つまたは複数の追加層は、感光性組成物層を覆って、または部分的にのみ覆ってよい。
保護層は、組成物層の表面を保護し、感光性エレメントの像様露光のために使用されるマスク材料の容易な除去を可能にすることが可能である。感光性エレメントは、少なくとも1つの光重合性層の上にエラストマーキャッピング層を含んでよい。典型的には、エラストマーキャッピング層は、光重合性層の圧延工程の間、感光印刷エレメントの一部となる多層カバーエレメントの一部である。エラストマーキャッピング層として適する多層カバーエレメントおよび組成物は、Gruetzmacherらの特許文献2および特許文献45に開示される。いくつかの実施形態においては、エラストマーキャッピング層の組成物は、エラストマー結合剤、ならびに任意にはモノマーおよび光開始剤および他の添加剤を含み、これらはすべて、バルク光重合性層(bulk photopolymerizable layer)において使用されるものと同一のまたは異なるものであることが可能である。エラストマーキャッピング層は、光反応性化合物を必ずしも含まなくてもよいが、該層は、下層のバルク光重合性層に接触する際に最終的には光反応性になる。そのため、化学線への像様露光時に、エラストマーキャッピング層は、重合および架橋が生じた硬化部分と、非重合のままの、すなわち架橋されない非硬化部分とを有する。処理により、エラストマーキャッピング層の非重合部分は、凸面を形成するために、光重合性層と共に除去される。化学線に露光されたエラストマーキャッピング層は、光重合性層の重合区域の面の上に残り、印刷プレートの実際の印刷面となる。
化学線不透過性層は、デジタル式対プレート直接(direct−to−plate)像形成技術において使用され、これは、レーザ放射、典型的には赤外レーザ放射を使用して、感光性エレメントのための像のマスクを形成するものである[従来の像透明陽画 (image transparency)またはフォトツールの代替として]。化学線不透過性層は、光重合性材料の感光性に対応する化学線に対して実質的に不透過性である。デジタル法により、レーザ放射を用いて光重合性層の上にまたは上方に配設されるマスクがその場で(in−situ)生成される。マスク像を生成するデジタル法は、像様露光の前に感光性エレメントを作製するための1つまたは複数のステップを要する。一般的には、in−situマスク形成のデジタル法は、支持体の反対側の感光性エレメントの面から放射不透過性層を選択的に除去する、または支持体の反対側の感光性エレメントの面に放射線不透過性層を転写する。また、化学線不透過性層は、不透過性層を選択的に除去または転写することが可能なレーザ放射に対して感光性である。一実施形態においては、化学線不透過性層は、赤外レーザ放射に対して感光性である。感光性エレメントの上に放射線不透過性層によりマスクを形成する方法は、限定されない。
一実施形態においては、感光性エレメントは、支持体の反対側の光重合性層の上方に配設され、その光重合性層の全面を覆う、または実質的に覆う化学線不透過性層を含んでよい。この実施形態においては、Fanによる特許文献3、Fanによる特許文献4、Fanによる特許文献7、Fanによる特許文献46、ならびにVan Zoerenによる特許文献47および特許文献48に開示されるように、赤外レーザ放射が、放射線不透過性層を像様除去し、すなわち融除させまたは気化させ、in−situマスクを形成する。Van Zoerenによる特許文献48に開示されるように、感光性エレメントから材料を除去する際に該材料を捕捉するために、レーザ露光の際に放射線不透過性層に隣接する材料捕捉シートがあってよい。感光性エレメントから除去されなかった放射線不透過性層の部分だけが、エレメント上に残り、in−situマスクを形成する。
いくつかの実施形態においては、化学線不透過性層は、放射線不透過性材料、赤外線吸収材料および任意の結合剤を含む。一般的には、カーボンブラックおよびグラファイトなどの暗色非有機顔料、顔料の混合物、金属および金属合金が、赤外感光性材料および放射不透過性材料の両方の役割を果たす。任意の結合剤は、自己酸化性ポリマー、非自己酸化性ポリマー、熱化学分解性ポリマー、スチレンおよび/またはオレフィンを有するブタジエンおよびイソプレンからなるポリマーならびにコポリマー、熱分解性ポリマー、両性共重合体(amphoteric interpolymers)、ポリエチレンワックス、放出層として従来より使用されるポリアミド、ポリビニルアルコール、ヒドロキシアルキルセルロース、エチレンおよび酢酸ビニルからなるコポリマー、ならびにそれらの組合せなどの材料、を含むがそれらに限定されないポリマー材料である。化学線不透過性層の厚さは、感光性および透過性の両方を最適化する範囲内であるべきであり、概してこの範囲は、約20オングストロームから約50マイクロメートルまでである。化学線不透過性層は、化学線および下層の光重合性層の重合を効果的に防ぐために、2.0より大きい透過光学濃度を有するべきである。
in−situマスクをデジタル方式で形成するための別の実施形態においては、感光性エレメントは、化学線不透過性層を初めは含まない。化学線不透過性層を担持する独立したエレメントが、感光性エレメントと共に組合せ材を形成し、もって放射線不透過性層が、通常は光重合性層である支持体の反対側の感光性エレメントの面に隣接するようにする。(感光性エレメントに関連付けされるカバーシートがある場合には、これは通常は組合せ材の形成の前に除去される)。独立したエレメントは、デジタル露光プロセスを補助するために、放出層または発熱層などの1つまたは複数の層を含んでよい。これに関して、放射線不透過性層もまた、赤外放射に対して感光性である。Fanらによる特許文献5、およびBlanchettによる特許文献49、および特許文献50において開示されるように、組合せ材は、赤外レーザ放射を用いて像様露光されて、放射線不透過性層の接着バランスを選択的に変質させ、または選択的に変更し、光重合性層の上にまたは上方に配設される像を形成する。像様転写プロセスにより、放射線不透過性層の転写された部分のみが、感光性エレメントの上に残り、in−situマスクを形成する。
別の実施形態においては、デジタルマスク形成は、感光性エレメントの上に、インクジェットインクの形態の放射線不透過性材料を像様塗布することによって、達成することが可能である。インクジェットインクの像様塗布は、光重合性層の上に直接行うことが可能であり、または感光性エレメントの別の層の上の光重合性層の上方に割り当てることが可能である。デジタルマスク形成を達成することが可能な別の予期される方法は、独立した担体の上への放射線不透過性層のマスク像の生成によるものである。いくつかの実施形態においては、独立した担体は、放射線不透過性材料を選択的に除去し像を形成するためにレーザ放射に対して像様露光される放射線不透過性層を含む。次いで、担体上のマスク像は、支持体の反対側の光重合性層の面に熱および/または圧力を加えることにより転写される。一般的には、光重合性層は、粘着性であり、転写された像を保持する。次いで、独立した担体は、像様露光の前にエレメントから除去される。
また、感光性印刷エレメントは、エレメントの最上層の上面に仮カバーシートを含んでもよく、これは、印刷フォームの作製の前には除去される。カバーシートの1つの目的は、保管および取扱いの際に感光性印刷エレメントの最上層を保護することである。カバーシート用の適切な材料の例としては、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、フッ素重合体、ポリアミドまたはポリエステルからなる薄フィルムが含まれ、これは、放出層に下塗りすること(subbed)が可能である。カバーシートは、Mylar(登録商標)ポリエチレンテレフタレートフィルムなどのポリエステルから作製されると好ましい。
印刷フォームは、感光性エレメントの露光(および処理)の後には、約20から約85ショアAのデュロメーター硬度を有する。ショア・デュロメーター硬度は、圧入に対する材料の抵抗の測定値である。ショアAのデュロメーター硬度は、軟性ゴムまたはエラストマー材料に対して一般的に使用される尺度であり、値がより高いほど、貫通力に対する抵抗がより大きい。一実施形態においては、印刷フォームは、約50から約20未満のショアA・デュロメーター硬度を有する。別の実施形態では、印刷フォームは、約40から約25未満のショアA・デュロメーター硬度を有する。別の実施形態では、印刷フォームは、約35から約30未満のショアA・デュロメーター硬度を有する。約40未満のショアA・デュロメーター硬度を有する印刷フォームが、段ボール板紙の上への印刷に特に適する。印刷フォームのデュロメーター硬度は、DIN53,505またはASTM D2240−00に記載される基準化された手順に従って測定することが可能である。いくつかの実施形態においては、印刷フォームは、該印刷フォームと同一のまたは異なる弾性を有する担体の上に設置することが可能である。担体の弾性は、印刷フォームパッケージ全体(すなわち担体および印刷フォーム)の全体の弾性に影響を与える可能性があり、印刷フォームとは異なるデュロメーター硬度をパッケージにもたらす。
用語説明
「マスク開口」は、化学線に対する下層の光重合性材料の露光を可能にするための、一体型マスクの「透明」区域である。(ある実施形態においては、透明区域は、エレメントから化学線不透過性材料を除去することによって生成される。他の実施形態においては、透明区域は、エレメントへの化学線不透過性材料の非転写により生成される。)マスク開口は、測定用顕微鏡により測定される。有効マスク開口区域面積は、開口区域面積を測定し、インチ当たりのラインにおける(LPI)スクリーン解像度により規定される全画素区域面積で割ることにより計算される。全画素区域面積は、式(1/LPI)2を使用して計算され、有効マスク開口は、(開口区域面積)/(1/LPI)2として定義される。典型的には、マスク開口は、(全画素区域面積の)パーセンテージとして表される。
「フォトツール開口」は、化学線に対して透過性であり、全画素区域面積のパーセンテージとして表される区域面積であり、上述のマスク開口区域面積と同様に計算される。
「光学濃度」または単に「濃度」は、像の暗度(吸光度または不透明度)であり、以下の関係、すなわち
濃度=log10(1/反射率)
から決定することが可能であり、ここで
反射率は、(反射光強度/入射光強度)である。
「プレート上網点サイズ」は、一般的には目盛付顕微鏡または専用光学装置を使用して評価される網点の直径の測定値である。一般的には、測定値は、プレートの上の網点構造の平坦部分を正確に表す。
「プレート上網点区域」または「プレート網点区域」は、普通はパーセンテージで表され、一般的には網点サイズを面積(面積=πr2)に変換し、スクリーン解像度により規定される全画素区域面積で割ることにより計算される。
「有効被印刷網点区域」は、ティント区域(tint area)と呼ばれる均一サイズの網点の規則的な配列(array)により印刷された領域の濃度測定値と、完全なインク被覆[100%被覆またはベタ被覆(solid coverage)とも呼ばれる]を有する被印刷領域の濃度測定値とに基づいて計算される量である。使用される式は、Murray Davies式と呼ばれ、以下のように表される。
有効被印刷網点区域=(1−10-Dt)/(1−10-Ds)
ここで、Dt=ティント濃度であり、Ds=ベタ濃度である。
「加圧下における有効印刷区域面積(網点区域面積)」は、全区域面積のパーセンテージで表され、プレートと被印刷体とが互いに密着するとき、ならびにプレート/被印刷体が互いに圧力を加え合うときに、印刷されるべき被印刷体と密接な接触状態となるプレートの上の網点区域面積である。
「プレート対プリント網点ゲイン(Plate to Print Dot Gain)」は、被覆パーセンテージで表される有効印刷網点区域面積に対する、全画素区域面積のパーセンテージとして表されるプレートの上の網点区域により印刷された網点区域面積の増加(growth)に相当する。これは、単純にそれら2つの差である。
CYREL(登録商標)光重合性印刷プレートまたは印刷エレメント、CYREL(登録商標)Digital Imager、CYREL(登録商標)露光ユニット、CYREL(登録商標)ECLF露光ユニット、CYREL(登録商標)プロセッサおよびCYREL(登録商標)Cylosol現像液はすべて、The Du Pont Company社(Wilmington、独国)より入手可能である。
試験されたすべてのプレートは、125ミル(3.175mm)の全厚を有し(光重合性層および支持体の厚さを含む)、フレキソ印刷プレートとして使用するのに適するCYREL(登録商標)光重合性印刷エレメントであった。光重合性印刷エレメントは、Mylar(登録商標)(5ミル)の支持体とカバーシート(7ミル)との間に、エラストマー結合剤、少なくとも1つのモノマーおよび光開始剤を含む光重合性組成物の層を含むものであった。アナログプレートについては、カバーシートは、光重合性層に隣接するポリアミドの放出層を含むものだった。デジタルプレートについては、カバーシートは、光重合性層に隣接する、33重量%のカーボンブラックおよび67重量%のポリアミドからなる赤外感光性の化学線不透過性層を含むものであった。
フロアを形成するために、CYREL(登録商標)露光ユニットで、85秒間の間(17.6mJ/cm2/秒)、UV光(365nm)に対して各エレメントをバックフラッシュ露光した。像様露光の後に、非露光区域を除去し、凸版印刷プレートを形成するために、CYREL(登録商標)1000Pタイププロセッサで、8.9分間の間、有機溶剤であるCYREL(登録商標)Cylosolウォッシュアウト溶液中で各エレメントを現像した。次いで、対流式オーブンで2時間の間、プレートを乾燥させた。乾燥の後に、プレートを光仕上げしてすべての残留粘着性を除去するために、5分間の間、露光ユニットで、UV光(254nm)に対してプレートをさらに露光した。
以下に説明するように、UV光(365nm)に対して、試験目標(test target)像を介して各エレメントを像様露光した。試験目標像は、アナログワークフローにおいて使用されるフォトツールについてと、デジタルワークフローにおいて使用される光重合性層に隣接して形成されたin−situマスクについてとが実質的に同一になるように設計した。試験目標像は、2%から100%までのインク・ティントパーセンテージに相当する様々なパーセントの印刷区域の複数の十分な広さのパッチ(patch)を含み、プレート製版ワークフローにかかわらずプレートの上の同一網点サイズのパッチが確実に使用可能となり、フルーティング成績を定量化するのに十分な区域を確実に与えるようにした。また、試験目標像は、プレス(被印刷)シートの上への印刷均一性を保証するための前縁部(leading edge)と交差するベタ・インク濃度バー(solid ink density bar)、露光均一性を評価するための複数のパッチ、ポジタイプおよび白抜き文字(reverse type)、ならびにライン・ターゲット(line target)を含むものであった。
プレートA−アナログワークフロー
プレートAについては、アナログワークフローを利用して、上述のように、CYREL(登録商標)光重合体印刷エレメント、タイプTDRを露光し、加工した。裏露光(back exposure)については、85秒の代わりに、17.6mjoules/cm2/秒で113秒とした。像様露光については、カバーシートを除去し、像担持ネガ(すなわち先に説明した試験目標を有するフォトツール)を、支持体の反対側のエレメントの面の上に配置し、真空引きし、露光ユニットで15分間の間(17.6mjoules/cm2/秒)、UV線に露光させた。
プレートB−デジタルワークフロー
プレートBもまた、CYREL(登録商標)光重合体印刷エレメント、タイプTDRであり、(放出層の代わりに)赤外感光性の化学線不透過性層を含むものであった。プレートは、デジタルワークフローを利用して、上述のように露光し、加工した。カバーシートを除去し、ESKO Graphics Imaging GmbH社(イツェオー、独国)によるCYREL(登録商標)Digital Imager、Model SPARK 4835 Optics 40で、赤外レーザ放射を用いて赤外感光性の化学線不透過性層を像様融除(imagewise ablating)することによって、感光性エレメントの上に試験目標のin−situマスクを形成した。マスク像のデジタルファイルを調節して、典型的にはデジタルワークフロープレートに関連する酸素阻害および被印刷網点ゲインを補償することが可能であることが、デジタルプレート製版の当業者に知られている。プレートB上にマスク像を生成するために、そのようなものとして適切な「バンプ」(bump)および補償カーブ(compensation curve)をマスク像のデジタルファイルに適用した。プレートBについては、マスク像のデジタルファイルを約4%だけ適切にバンプ加工した。
プレートBの像様露光については、感光性エレメントを露光ユニットに配置し、空気、すなわち21%(210,000ppm)である大気中酸素濃度中において、約16分間の間(33.9mjoules/cm2/秒)、in−situマスクを介してUV線に露光させた。
プレートC−修正されたデジタルワークフロー−調整された酸素環境
プレートCも、CYREL(登録商標)光重合体印刷エレメント、タイプTDRであり、(放出層の代わりに)赤外感光性の化学線不透過性層を含むものであった。デジタルワークフローを使用してプレートを露光し、加工した。カバーシートを除去し、CYREL(登録商標)Digital Imagerで、赤外レーザ放射を用いて赤外感光性の化学線不透過性層を像様融除することによって、該エレメントの上に試験目標のin−situマスクを形成した。マスク像のデジタルファイルを調節して、典型的にはデジタルワークフローにより作製されるプレートに関連する酸素阻害および被印刷網点ゲインを補償することが可能であることが、デジタルプレート製版の当業者に知られている。しかし、プレートBとは異なり、露光環境、すなわち修正されたデジタルワークフロー環境のため、プレートCについてはバンプおよび補償カーブを用いたマスク像のデジタルファイルの調節をしなかった。
プレートCの像様露光については、CYREL(登録商標)ECLF露光ユニットが、ユニットの露光ベッドの上にあり、像様露光の際にエレメントのための筐体内の所望の条件を実現するために、筐体の周縁部に沿ってシールされるUV透過性筐体を含むように修正された。入口ポートにより、テーパ状ホース具を通りチャンバ内に窒素(不活性ガス)が導入され、出口ポートにより、初期空気がチャンバからパージされた。出口ポートに、あるいは出口ポートに隣接して設置されたAlpha Omega Series 3000 Trace Oxygen Analyzer(Alpha Omega Instruments社製、カンバーランド、ロードアイランド州)によって、チャンバ内に存在する酸素濃度を測定した。UV露光中には、主に幾分かの酸素を含む窒素からなるチャンバ環境において、チャンバ内に、かつ露光版盤の上にプレートCをUV露光中、密閉した。
密閉された露光チャンバのルーフをFEPテフロン(登録商標)により構成し、4つの壁を管状金属より作製した。チャンバ内に感光性エレメントを挿入し、窒素を送出してチャンバ内の空気を排出した。これは、露光ユニットの版盤の上に感光性エレメントを配置し、版盤の上のエレメントを覆う密閉された露光チャンバを配置し、窒素ガスを導入することにより大気をパージすることによって行った。次いで、このように窒素で一面を覆いながら像露光を行った。実際には、UV吸収度のより低い材料を使用することが可能であり、これだと同様の補償を必要としない。
この例においては、主に窒素からなる、酸素濃度を連続的に低下させる環境内において、約20分間の間(33.9mjoules/cm2/秒)、in−situマスクを介してUV線にプレートCを露光させた。密閉された露光チャンバ内の酸素濃度が約1,000ppm(酸素0.1%)のときに露光を開始し、露光終了時に約100ppm未満まで酸素濃度を低減させるように密閉露光チャンバ内に窒素を連続的に導入しながら露光を継続した。
プレートAからプレートCのそれぞれについては、測定用顕微鏡[Nikon Measurescope、model MM−11、NIKON(USA)製(メルヴィル、ニューヨーク州)]を使用して、プレートのパッチ区域内の網点サイズを測定した。印刷プレートの凸構造は、浮出し部分と凹部分とを含むものであった。マスク内における特定%の印刷区域に相当する各パッチは、同一サイズの複数の浮出し部分を含むものであった。印刷される被印刷体にインクを運ぶ浮出し部分は、一般的には網点と呼ばれる。顕微鏡分析により、インチ当たり100ラインのラインスクリーン線数に基づき、30%の区域被覆に最も近いパッチ、すなわち各網点について約157ミクロンの直径を有する平坦浮出し面を提供するパッチを判定した。この実施例のために、3つのプレートAからプレートCについての比較基準として、30%のプレート網点区域面積を選択した。これは、ティント・スケールの中間色調区域が、非常に効果的にフルーティングを示す傾向があるためである。プレートAからプレートCの比較分析結果は、他の選択によるプレート網点区域でのものと実質的に同一となることが予想された。
プレートの印刷
プレートAからプレートCを、両面テープを用いて、ポリエステル強化されたクッション付担体[R/bak foam、タイプSF、0.060インチ、Rogers Corp社製(ロジャース、コネチカット州)に装着した。このポリエステル強化されたクッション付担体には、装着用前縁ストリップがその前縁に装着されている。次いで、Bobst Flexo 160印刷機において、装着用前縁ストリップを印刷シリンダ中の溝に固定し、担体の後縁を該シリンダに固定することによって、担体を印刷シリンダの上に配置した。60度で平方インチ当たり3.0ビリオン立方ミクロン(BCMI)の体積を有する500ラインスクリーンであるアニロックス・ロール(anilox roll)にプレートを連結した。使用されたインクは、9.5pHおよび、4DINカップで15.4秒の粘度を有する、水を主成分とするBCMインクであった。プレートが、Kemiart B−flute 200#で被覆された段ボール板紙の上に、凸像に応じたインクのパターンを印刷されたインクを印刷した。印刷の間に+0.010インチおよび+0.020インチの最小(キス型、kiss)接触の印刷設定で印刷するようにプレートを設定した。
評価および分析
プレートAからプレートCのそれぞれについて、30%の印刷ティント区域(すなわちプレートの上の網点区域)に対応するパッチと、印刷された被印刷体の上の0.40+/−0.03に等しい濃度に対応するパッチとを分析した。次いで、印刷された段ボール板紙の上でこれらの区域を同定し、X−RITE,Inc.社製[グランビル(Grandville)、ミシガン州]X−RITE Spectrodensitometer、モデル528での濃度測定解析のために、3.5インチ平方のサンプルを段ボール板紙から切り離した。多数の測定を行い、印刷像中のフルート(fluted)領域および非フルート(non−fluted)領域の両方にわたる濃度読取値を確かなものにするように間隔をあけた。Murray Daviesの式を利用して濃度測定値を%網点区域被覆に変換して、実網点ゲイン(actual dot gain、被印刷網点区域−プレート網点区域)を計算できるようにした。
段ボール板紙の上に印刷された像を、明印刷領域、すなわち下層フルーティング(underlying fluting)に相当する、比較的低いインク濃度読取値をもたらす比較的低い(または高被覆でない)被覆バンドと交互して、暗印刷領域、すなわち比較的高い濃度読取値となる比較的インク被覆が高いバンドとして現れるというフルーティング効果について評価した。10人の精通した観察者の一団に、ラベルを付されていないサンプルを与え、各人に別々にフルーティング性能を、1から10のスケールに基づき(1が最高のフルート性能に相当し、10が最低のフルート性能に相当する)最高から最低まで階層分けを実施させることにより、階層を決定した。(網点径の顕微鏡分析結果に基づく)ほぼ均等なプレート網点区域に相当するパッチと、(濃度測定値に基づく)ほぼ均等な濃度値に相当するパッチとに基づいて、平均フルーティング階層を算出した。プレート対プリントゲイン(Plate to Print gain)は、プレート網点区域(この実施例においてはほぼ30%の相当プレート網点区域面積)から、段ボール板紙被印刷体の上に有効に印刷された網点区域への網点サイズの増大を表す。
プレートAにより印刷された像において現れるフルーティングは、段ボール板紙上への印刷についてフレキソ印刷業界で許容可能と見なされるフルーティング性能レベルに一致し、それを代表するものである。プレートBが、プレートAと同一の物理的特性を有するのに対して、プレートBは、デジタルワークフローを使用して作製するという点において異なる。プレートBと均等のプレートが、段ボール板紙印刷市場において評価を受けてきたが、そのフルーティング性能の悪さから、受け入れられてこなかった。そのため、プレートBにより印刷された像において現れるフルーティングは、段ボール板紙印刷業界において許容されるものとはならない。プレートCは、プレートBと同一の材料であるが、プレートCは、露光の際に特定の環境を利用して、上述のように本発明の修正されたデジタルワークフローを使用して作製した。プレートCにより印刷される像中に現れるフルーティングは、段ボール板紙の支持領域と非支持領域との間のインク濃度差が最も低いプレートAおよびプレートBのそれと比較した場合に、最も低いフルーティング効果を有し、フルーティングレベルの低減に関して現行で業界において許容されているプレートAにより印刷される像から著しく改善され、ならびにデジタルワークフローにより作製されるプレートBにより印刷される像からは、さらに大きく改善された。修正されたデジタルワークフローにおいて露光されたプレートCにより、従来のアナログワークフローにより作製されたプレートAと、従来のデジタルワークフロー(空気中での露光)であるプレートBとの両方よりも著しく低い、プレート対プレス網点ゲインが得られた。
Hirox−USA[リバーエッジ(River Edge)、ニュージャージー州]製のHirox顕微鏡、モデルKH−770を使用して、3次元(3D)構造分析をプレートAからプレートCのそれぞれに実施した。3次元顕微鏡は、画素当たり0.517ミクロンの寸法の、1600×1200ミクロン(X×Y)の像を生成する。網点の「印刷領域」を特徴付けするために、各X−Y位置についてZ軸(網点高さ)のデータを記録した。このデータを表計算ソフトウェアパッケージにロードして、上面からマイナスZ方向にかけてプレート構造の連続層を効果的にスライスするZ軸データの累積和(高さ×区域面積)を得た。
3次元分析により、3つのプレートのすべてが比較的平坦な印刷区域を有する一方で、プレートAおよびプレートCは、プレートBとは著しく異なる凸構造を有することが明らかになった。プレートAおよびプレートCの浮出し部分または網点は、比較的平坦な頂面区域と、網点の頂面区域から網点の支持側面にかけてシャープに移行するショルダ区域とを有していた。プレートBの浮出し部分または網点は、網点の側壁へとはるかにより緩やかに移行する網点の頂部印刷面およびショルダを有していた。
全表面区域面積のパーセントとしてのプレートの浮出し面の表面区域面積を、深さ(Z軸位置)の関数として計算したが、これは、被印刷体と印刷プレートとの間に圧力が加えられる際に、被印刷体と接触状態になるプレートの表面区域面積(加圧下における有効網点印刷区域面積)に相関した。さらに、プレートAからプレートCのそれぞれについての、浮出し面、すなわち網点のパーセント表面区域面積の累積和の二次導関数を求めて、加圧下における有効網点印刷区域面積を決定した。上述のプレート構造における違いにより、加圧下において被印刷物に接触状態となる有効プレート区域面積は、激的に変化した。段ボール板紙印刷業界においてフルーティングについて大いに許容可能なものとして一般的に見なされているプレートAは、加圧下における有効印刷区域面積が38%であった。これは、顕微鏡を使用して測定した8.6%の区域面積を上回る増大率に相当し、この増大率は、原版サイズから約29%上回るものに相当するものであった。フルーティング性能が低いと見なされるプレートBは、加圧下において60%の有効印刷区域面積を呈する。これは、顕微鏡を使用して測定した印刷区域面積に対する約29%の増加、すなわち増大率に相当し、原版サイズに対する約96%の増加に相当する。フルーティングについてはるかにより良く階層付けられるプレートCは、加圧下において32%の有効網点区域面積を呈する。これは、顕微鏡を使用して測定した印刷区域面積に対して2%未満の増加(すなわち増大率)に相当し、原版サイズに対する5.6%の増加に相当する。
これらの結果は、上述の被印刷像の階層付けに一致する。
顕微鏡により測定された網点径のパーセンテージとしてショルダ区域を表すというよりむしろ、網点の半径(または直径)における網点の実質的に平坦な頂部印刷面区域からの増加として、ショルダ区域を表してもよい。Hirox顕微鏡により測定された加圧下における有効印刷区域面積(網点区域面積)を、ショルダ部分を含む網点直径に変換した(累積表面区域面積の曲線を使用した、ショルダ部分から側壁部分への移行部の二次導関数計算に基づく)。この実施例は、網点の半径が約2ミクロン未満増加した(プレートC)場合に性能が最高となり、すなわちフルーティングを低減させ、半径が最大で約10ミクロンまで増加する(プレートA)と効果は許容可能であるが、100ライン/インチ解像度で30%の印刷区域面積に相当する155から160ミクロの間の網点サイズについて半径が30ミクロンを上回って増大した(プレートB)場合には、性能は明らかに不満足なものとなることを明らかにした。それぞれが色調範囲の異なるパーセント印刷区域面積を呈する他の網点サイズについて、同一の、または実質的に同一の結果が観察された。
実施例1においてプレートCについて説明された修正されたデジタルワークフロープロセスが、以下の例外を除いて、実施例2についても使用された。それぞれ異なる酸素濃度範囲を測定する2つの酸素メータ、すなわちAlpha Omega Series 2000およびAlpha Omega Series 3000を使用した。種々の条件下において、修正されたECLF露光ユニットで複数のプレートを作製、すなわち露光し、密閉された露光チャンバ(図1および図2を参照)内における酸素濃度が、190,000ppm、150,000ppm、100,000ppm、20,000ppm、10,000ppmに達したときに、化学線への露光を開始した。露光中は、チャンバから酸素をパージし続けた。パージおよび化学線への感光性エレメントの露光の際に、分ごとに酸素濃度を記録した。
表5は、化学放射を開始したときの密閉露光チャンバ内における酸素濃度を示し、種々の濃度におけるプレートのワイヤフレーム像の顕微鏡観察(Hirox 3D)を記録した。目視観察による定量指標を作成し、低い網点構造性能および許容不能な網点構造には、観察番号0を割り当てた。その後の印刷用途について許容可能であると考えられた、非常に良好(very good)から卓越(superior)までにわたる網点構造には、観察番号4〜5を割り当てた。
図7は、窒素ガスのパージ/導入中に種々の開始ポイントで化学線露光を開始することにより、種々の酸素濃度の下で露光したプレートの上の網点構造のワイヤフレーム像を示す。Hirox 3Dシステムで像を展開した。開始ポイントが190,000から10,000ppmまでのすべてのプレートが、大気条件で作製されたプレートに比べて網点構造の著しい改善を示すことを、この像は示した。酸素が調整された環境の下において作製された網点構造は、完全に形成された。他方では、大気条件(酸素21%)の下での網点構造は、完全には形成されなかった。
IRレーザ放射感光性層(すなわちデジタルプレート)を有する2つの感光性エレメントであるCYREL(登録商標)光重合体印刷エレメント タイプDPC−155を、同一のパターンを用いてEsko Sparkプレート−セッターでイメージングして、2%、10%および30%の区域被覆率を含む網点区域の範囲に相当する網点の領域を有するin−situマスクを形成した。1つのプレートを、標準的な従来のデジタルワークフローを使用して紫外線に対して露光し、実施例1のプレートBについて上述したように加工した。修正されたECLF露光ユニット内にプレートを配置することにより、第2のプレートを、修正された(不活性環境)ワークフローを使用して紫外線に対して露光した。修正されたECLF露光ユニットは、露光ユニットの版盤の上に置かれたLexanから構成したルーフおよび4つの壁からなるチャンバを含むものであった。壁が版盤に接触するチャンバの周縁部に沿ってテープを貼ることによって外部環境からチャンバをシールし、入口ポートを介してチャンバ内に窒素(10ppm未満の酸素を含む窒素ガス)の連続流を供給し、出口ポートを介して押し出されるガスの酸素濃度を監視することによってチャンバから大気をパージした。出口ポートで監視されている酸素濃度が1000ppmに達したときに、露光を開始した。修正された環境内における露光の後に、実施例1において説明される条件を使用して、第1のプレートに実施したものと同一の標準的な加工処理および加工後処理をプレートに実施した。
次いで、顕微鏡の下にプレートを検査し、以下のように2つの異なる環境内において露光したプレートの(それぞれ2%、10%および30%の網点区域面積に一致する)凸構造において異なる特徴が示されることを発見した。
この実施例による結論は、露光中の酸素環境の完全なパージ(1000ppm未満まで)によって、精通した観察者には明瞭な、(大気中酸素の存在する中における露光と比較して)著しく異なる浮出し網点凸構造がもたされる、というものであった。
マスクの形成のための赤外レーザ放射感光性層を有する、複数のCYREL(登録商標)光重合体印刷エレメント、タイプDPC−155プレートを、同一のパターンを使用してEsko Sparkプレート−セッターでイメージングして、2%、20%、30%、40%および50%の区域被覆率を含む網点区域の範囲に相当する網点の領域をin−situマスク上に形成した。マスクイメージングの後に、[Teflon(登録商標)FEPルーフを有する管状金属壁から構成される]実施例1において説明したような密閉可能露光チャンバ内にプレートを配置し、CYREL(登録商標)ECLF 2000露光フレーム内に置いた。(10ppm未満の酸素を含む)窒素の供給器を、チャンバの入口ポートに取り付け、チャンバ内に存在する大気ガスとの混合および大気ガスのパージを可能にした。チャンバから出るガスを、酸素センサを用いて監視し、経時的に酸素濃度を記録した。酸素濃度が予め規定されたポイントに達すると、紫外線への露光を開始した。図8は、設計された試験のそれぞれについて、紫外線による像様露光中の時間に対する酸素濃度のプロットを示す。試験E1については、チャンバ内の酸素濃度が7500ppmに達したときに、プレートの露光を開始した。試験E2については、チャンバ内の酸素濃度が5000ppmに達したときに、紫外線へのプレートの露光を開始した。試験E3については、チャンバ内の酸素濃度が2500ppmに達したときに、プレートの露光を開始した。試験E4については、チャンバ内の酸素濃度が1000ppmに達したときに、プレートの露光を開始した。試験E5については、チャンバ内の酸素濃度が500ppmに達したときに、プレートの露光を開始した。試験E6については、チャンバ内の酸素濃度が100ppmに達したときに、プレートの露光を開始した。
露光の後に、実施例1において説明されるような標準的な加工条件に従って、試験プレートのそれぞれを加工し、形成された網点構造について視覚的に評価した。すべての場合において、形成された網点構造は、アナログ式のプレート作製方法を使用して形成された構造と比べて勝るとも劣らず、不活性環境内において露光したプレートの結果的に得られた網点形状は、平坦な頂面およびシャープなショルダを有するアナログ網点と同様であった。
この実施例の結果は、低酸素濃度時にある最小限量の露光を達成し、浮出し凸エレメント、すなわち網点がシャープなショルダ移行部を有する所望の凸構造を依然として実現することが可能である限りにおいては、露光中に存在する比較的高い酸素レベルで像様露光を実施することが可能であることを示唆する。実施例3の試験E1からは、像様露光中に大気酸素が存在する場合には、かなりの量の「酸素阻害」が観察されるということが判明した。本実施例においては、網点印刷面についての理論値は、141.3ミクロンと計算され、試験E1から試験E6についての結果的に得られた網点は、理論値と実質的に等しいものであった。実施例4のプレートの上に形成された網点の顕微鏡写真より求められる測定値は、試験E2から試験E6により実証される種々の露光条件下における網点サイズ(<4ミクロン)の変化が、7,500ppm未満の酸素を有する不活性環境内におけるものに対する大気酸素の存在する中で実施した露光と比較して、変化の大きさが著しく小さいことを示唆している。
また、顕微鏡写真の検査は、実施例4(試験E2から試験E6)において作製されたすべての浮出しエレメント(すなわち網点)構造の上の画素化の徴候を示唆し、該兆候は大気酸素の環境(試験E1)内において露光したプレートの上には現れないものであった。特に、7,500ppm以下の酸素濃度で露光を開始する試験E2から試験E6についての網点構造の像中に画素化アーチファクトが検出された。画素化の徴候は、網点縁部のぎざぎざ状特性により特徴付けられ、正四方形像エレメントを有する湾曲構造の形成を示唆する。酸素の存在する中で作成された構造は、実施例3において説明したように緩やかに湾曲した網点縁部を形成する傾向を有することに注目すべきである。
実施例4に概説したものと同一の手順に従い、7,500、5,000、2,500、1,000、および100ppmの酸素濃度で開始する露光を利用して、第2の試験を実施した。それぞれの網点サイズについて2%、20%、30%、40%、50%の印刷区域面積被覆のサイズにわたって網点の印刷表面の光学顕微鏡測定を行い、理論サイズ(100LPIスクリーン線数に基づく)と比較した。
これらの結果は、上記の表に示され、網点サイズにおいては、露光開始時の露光濃度にかかわらず、予測値と実質的に差がないことを示唆する。
この実施例によって、像様露光を比較的高い初期酸素濃度(すなわち7,500ppm超から190,000ppmまで)で開始した場合に、光重合性印刷エレメント中に所望の網点構造を形成することが本発明により可能であることを実証した。
この実施例を実施するために、比較的高い範囲の酸素感度で作動する第2の酸素メータを要した。これを実現するために、露光チャンバの出口側に、Alpha Omegaシリーズ2000酸素メータを、Alpha Omegaシリーズ3000メータに直列配置した。両機器を使用して、パージ時間中および露光時間中に、分ごとに酸素濃度を監視した。酸素濃度測定値が218,000ppm(試験プレート D1)である通常の大気条件下において、ならびに大気を露光チャンバからパージし、以下の酸素濃度、すなわち190,000ppm、170,000ppm、150,000ppm、100,000ppm、50,000ppm、20,000ppm、10,000ppm、5,000ppmおよび1,000ppmで像様露光を開始する不活性環境内(それぞれ試験プレート MD1から試験プレート MD9)において像様露光を実施した。CYREL(登録商標)光重合体印刷エレメント、タイプ125DPC(デジタルワークフローによるマスクの作製のために赤外レーザ放射感光性層を有する)を試験プレートのために使用した。紫外線への像様露光は、2000ECLF露光ユニットにおいて実施した。不活性環境露光は、UV透過頂面としてTeflon(登録商標)FEPを有する金属フレーム側部からなる、露光ユニットの版盤の上に置かれた密閉露光チャンバ内で実施した。実施例1において説明されるように、露光の後に標準的な溶剤加工を実施した。
30%網点面積の頂部印刷面直径(the top printing surface dimension)の測定を、単一視野(a single field of view)において3つの異なる網点について行った。頂面の平面上で互いに対して基本的に直交し、一方の配向は頂面平面の東西に水平であり、他方の配向は頂面平面の南北に垂直である2つの異なる配向で、頂面の測定を行い、上記の表において報告するように平均を求めた。インチ当たり100ラインで30%被覆の網点についての理論上網点サイズは、事実上は157ミクロン(156.98)である。大気酸素内において露光したプレート、すなわち従来のデジタルワークフローにより作製した試験プレートD1によって、119.35ミクロンの網点、すなわち理論上のものから37ミクロン超の縮小がもたらされたことに注目してほしい。不活性ガス内において作製したすべての他の網点、すなわち試験プレートMD1から試験プレートMD9は、実質的には理論上網点サイズの+/−5ミクロンの範囲に及んだ。
従来のデジタルワークフロー(大気酸素内における露光)を使用して作製したプレート(試験プレート D1)の顕微鏡写真、および190,000ppmの酸素濃度で開始される修正されたデジタルワークフロー(不活性環境における露光)において作製したプレート(試験プレート MD1)の顕微鏡写真を撮影し、画像を比較した。それぞれの写真中の画像の比較によって、データにより証明されるような印刷面のサイズの著しい差が示された。さらに、従来のデジタルワークフローにより作製したプレート、すなわち試験プレート D1は、明瞭な画素化を欠き、他方においては、すなわち190,000ppmの酸素濃度で開始される環境内において修正されたデジタルワークフローにより作製したプレートである試験プレート MD1は、明らかな画素化を有した。これらの実施例において述べられる画素化は、印刷される像の機能的な問題とはならないが、このプレートシステムが、マスク上に存在するような非常に高い度合の解像度にまで正確な像を精密に複写することが可能であることを示唆する。
表6Aは、様々な測定される酸素濃度で開始される露光について、1つまたは2つの酸素濃度メータ(Alpha Omega Series 2000またはSeries 3000のメータ)により測定されるような露光の際のリストにある酸素濃度内に各プレート(試験プレート MD1から試験プレート MD9)が存在する、全露光時間のパーセンテージのリストである。指示記号「M2」は、10,000ppmを上回る酸素濃度に対して最も感度のよいAlpha Omega Series 2000酸素メータを表し、指示記号「M3」は、10,000ppm未満の酸素濃度に対して最も感度のよいAlpha Omega Series 3000酸素メータを表す。
表6Aの一番右の列は、「アナログ様」網点構造、すなわち平坦頂部およびシャープなショルダを有する網点が生成される所与の酸素濃度での、またはそれ未満での、パーセントとして表される露光時間の最少量を示す。表6Aにおけるデータからは、全露光の少なくとも33%(35%、51%、48%など)を、露光チャンバ内の1000ppm未満の酸素に相当する環境内において実施した場合に、許容可能な結果が観察された。同様に、全露光の少なくとも50%(52%、60%)を、露光チャンバ内の2500ppm未満の酸素に相当する環境内において実施した場合に、許容可能な結果が達成されたことが注目される。同様に、全露光の少なくとも46%(52%、61%)を、露光チャンバ内の5000ppm未満の酸素に相当する環境内において実施した場合に、許容可能な結果が達成されたことが注目される。さらに、全露光の少なくとも58%(67%)を、露光チャンバ内の10,000ppm未満の酸素に相当する環境内において実施した場合に、許容可能な結果が達成されたことが注目される。
これらの結果に基づく結論は、アナログ様網点形状、すなわち平坦頂面およびシャープなショルダ移行部を有する浮出し印刷エレメントを依然として提供する十分な重合が、予期せぬほどのおよび驚くほどの高いレベルの酸素が露光プロセスの一部分の間に露光チャンバ内に残留しているときに生じる、というものである。
以下、本明細書に記載の発明を列挙する。
1.
(a)感光性エレメント中の光重合性層に隣接するin−situマスクを形成するステップであって、前記光重合性層は、結合材、エチレン性不飽和化合物および光開始剤を含むステップと、
(b)密閉露光チャンバ内に前記感光性エレメントを密閉するステップと、
(c)190,000ppmから100ppmの間の範囲内に、前記密閉露光チャンバ内の酸素濃度を調整するステップと、
(d)前記in−situマスクを介して化学線に前記感光性エレメントを露光させるステップと
を含むことを特徴とする感光性エレメントから凸版印刷フォームを作製するための方法。
2.
前記調整するステップは、不活性ガスを導入するステップと、
(i)190,000ppmの酸素濃度から初めて、固定の低減率で、若しくは可変的な低減率で、密閉露光チャンバ内の酸素濃度を低減させるステップ、または
(ii)190,000ppmから約100ppmの間に酸素濃度を維持するステップと
によって実施されることを特徴とする前記1.に記載の方法。
3.
ステップb)の後に、前記密閉露光チャンバの内部環境が190,000ppm以下の酸素濃度を有するまで、前記内部環境から不活性ガスを用いて約210,000ppmの酸素濃度を有する大気をパージするステップをさらに含むことを特徴とする前記1.に記載の方法。
4.
前記パージするステップの後に、前記露光させるステップを開始し、前記調整するステップは、酸素濃度を連続的に低減させることを特徴とする前記3.に記載の方法。
5.
前記露光させるステップは、酸素濃度が190,000ppm以下であるときに開始することを特徴とする前記1.に記載の方法。
6.
前記露光させるステップの間に、酸素濃度を連続的に低減させるステップをさらに含むことを特徴とする前記1.に記載の方法。
7.
前記露光させるステップは、酸素濃度が5000ppm以下であるときに完了されることを特徴とする前記6.に記載の方法。
8.
前記露光させるステップは、酸素濃度が20,000ppmから100ppmの間であるときに開始することを特徴とする前記1.に記載の方法。
9.
前記感光性エレメントを露光させるステップは、前記光重合性層の部分を光重合するのに十分な時間の間行われ、前記露光時間の少なくとも30%は、約20,000ppm未満の酸素濃度で実施されることを特徴とする前記1.に記載の方法。
10.
前記密閉露光チャンバは、内部環境を有し、前記露光させるステップは、80,000ppm以下の平均酸素濃度を有する前記内部環境内において行われることを特徴とする前記1.に記載の方法。
11.
前記密閉露光チャンバは、内部環境を有し、前記露光させるステップは、30,000ppm以下の平均酸素濃度を有する前記内部環境内において行われることを特徴とする前記1.に記載の方法。
12.
浮出し面エレメントのパターンを有する凸面を形成するために、前記露光させるステップにより得られた前記感光性エレメントを処理するステップをさらに含むことを特徴とする前記1.に記載の方法。
13.
前記凸面は、複数の前記浮出し面エレメントを含み、前記浮出し面エレメントはそれぞれ、インク担持頂面区域、側壁面区域およびショルダ面区域を有し、前記ショルダ面区域は、前記頂面区域と前記側壁面区域との間の移行区域となっており、前記浮出し面エレメントはそれぞれ、前記頂面区域および前記ショルダ面区域の和である全印刷区域を有し、各前記ショルダ面区域により被印刷体に転写されるインクが、前記全印刷区域面積の30%以下を提供することを特徴とする前記12.に記載の方法。
14.
各前記ショルダ面区域による被印刷体に転写されるインクは、前記全印刷区域面積の5%以下を提供することを特徴とする前記13.に記載の方法。
15.
(a)密閉露光チャンバ内に不活性ガスを導入するための入口、および前記密閉露光チャンバから少なくとも酸素を除去するための出口を備え、前記密閉露光チャンバの外部環境から前記密閉露光チャンバをシールするための手段を有する密閉露光チャンバと、
(b)前記密閉露光チャンバに隣接して配置される化学線源と、
(c)前記入口に連結される不活性ガス源と、
(d)前記密閉露光チャンバ内の酸素濃度を測定するための手段と
を備えることを特徴とする大気酸素未満の酸素濃度を有する環境内において化学線に感光性エレメントを露光させるための装置。
16.
前記密閉露光チャンバは、少なくとも1つの壁、および前記少なくとも1つの壁に装着されるルーフを備えることを特徴とする前記15.に記載の装置。
17.
前記化学線源は前記密閉露光チャンバの内部に配置されることを特徴とする前記15.に記載の装置。
18.
前記化学線源は前記密閉露光チャンバの外部に配置されることを特徴とする前記15.に記載の装置。
19.
前記密閉露光チャンバの前記ルーフは化学線に対して透過性であることを特徴とする前記16.に記載の装置。
20.
前記ルーフの材料は、ポリカーボネート、アクリル樹脂、フッ化炭素樹脂およびガラスからなる群より選択されることを特徴とする前記19.に記載の装置。
21.
前記密閉露光チャンバは、前記化学線源を有する露光ユニットの平坦な支持体の上に配置されることを特徴とする前記15.に記載の装置。
22.
前記平坦な支持体は、前記ルーフの反対側で、前記密閉露光チャンバの底部を形成することを特徴とする前記21.に記載の装置。
23.
前記平坦な支持体は化学線に対して透過性であることを特徴とする前記21.に記載の装置。
24.
前記密閉露光チャンバは、露光ユニットのフレームの上に配置されることを特徴とする前記15.に記載の装置。
25.
酸素濃度を測定するための前記手段は、前記出口または前記密閉露光チャンバに連結される少なくとも1つの酸素メータを備えることを特徴とする前記15.に記載の装置。
26.
前記酸素メータと前記ガス源との間にフィードバック制御装置をさらに備え、前記酸素濃度の制御は、自動的に調節されることを特徴とする前記25.に記載の装置。
27.
前記ルーフは丸天井形であることを特徴とする前記15.に記載の装置。
28.
前記丸天井形ルーフは、前記チャンバの底部支持体の上方に曲げられる1つまたは複数のドーム、アーチまたはキャンバを形成することを特徴とする前記27.に記載の装置。
29.
前記密閉露光チャンバは、4つの壁を備え、前記ルーフは、前記壁に対する前記ルーフの交差部分で前記壁に対して垂直に形成される面の約0.125から約1.5インチ(約3.175mmから約3.81cm)上方に丸天井を形成することを特徴とする前記15.に記載の装置。