JP5622915B1 - 味噌の製造方法 - Google Patents

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【課題】簡便、かつ容易に味噌を製造する方法を提供する。【解決手段】押出機を使用して、前記押出機のシリンダー内で大豆及び/又は大豆粉を、加圧加熱処理する工程を含む。さらに、前記シリンダー内に糖化酵素、油脂分解酵素又は蛋白質分解酵素を添加する工程を含む。また、前処理として、前記大豆又は大豆粉を加水する工程を含む。さらに、前記シリンダー内で大麦、小麦、米粉又は米粒を圧縮混練し、前記大麦、小麦、米粉又は米粒の澱粉質のα-1、4結合を前記押出機により機械的に切断する工程を含む。【選択図】図1

Description

本発明は、味噌の製造方法に関し、特に、大豆、小麦などの穀物を原料として作られる味噌の製造方法に関するものでる。
通常、味噌の製造方法として利用されているのは、大豆を浸漬し、蒸し、その後、米麹と食塩を混ぜ、発酵、熟成させる方法である。味噌の種類により、煮大豆や、蒸し大豆を用いる。大豆と米を発酵・熟成させた米みそ、大豆と大麦又ははだか麦を発酵・熟成させた麦みそ、大豆を発酵・熟成させた豆みそ、上記各味噌を混合した調合みそなどがある。
一方、これら生産方法以外には、麹の働きを温度管理で調節する味噌の速醸法が知られている。最近では、速醸法等が知られている(特許文献1)。
特公昭56‐9101
しかしながら、これら製造方法は製造設備が非常に大掛かりなものとなり、設置スペースの問題が発生し、かつ大量の水、蒸気、電気を要するものであり、製造コストが非常に高いものとなっていた。更に熟成期間は3か月から最大3年程度必要であり、その間の仕掛品在庫期間の長さが、味噌製造業者にとっての大きな負担となっていた。
また、上記特許文献1等を含め、従来の速醸法は、依然として大量の水を使用する事、またバッチ処理を含む、多くの工程を含む事から連続製造に適しておらず、設備スペースの問題があった。したがって、簡便に味噌を製造し得る方法が望まれていた。
したがって、本発明は、簡便、かつ容易に味噌を製造する方法を提供する事にある。
上記目的を達成するために、本発明者は、味噌の製造方法について鋭意検討を行った結果、本発明を見出すに至った。
すなわち、本発明の味噌の製造方法は、押出機を使用して、前記押出機のシリンダー内で大豆及び/又は大豆粉を、加圧加熱処理する工程と、前記シリンダー内に酵素を添加する工程と、を含む味噌の製造方法であって、前記押出機は、タンデム型押出機であり、かつ、上段シリンダーと、下段シリンダーとからなる2段型であるか、又は上段シリンダーと、中段シリンダーと、下段シリンダーとからなる3段型であり、シリンダー温度は、上段から下段へ行くに従い低下し、前記添加後の酵素は活性であることを特徴とする。
また、本発明の味噌の製造方法の好ましい実施態様において、さらに、前処理として、前記大豆又は大豆粉を加水する工程を含むことを特徴とする。
また、本発明の味噌の製造方法の好ましい実施態様において、前記酵素は、糖化酵素、油脂分解酵素又は蛋白質分解酵素であることを特徴とする。
また、本発明の味噌の製造方法の好ましい実施態様において、前記糖化酵素は、β-アミラーゼ、グルコアミラーゼ、又はトランスグルコシターゼから選択される少なくとも1種であることを特徴とする。
また、本発明の味噌の製造方法の好ましい実施態様において、前記蛋白質分解酵素は、プロテアーゼであることを特徴とする。
また、本発明の味噌の製造方法の好ましい実施態様において、さらに、前記シリンダー内で大麦、小麦、米粉又は米粒を圧縮混練し、前記大麦、小麦、米粉又は米粒の澱粉質のα-1、4結合を前記押出機により機械的に切断する工程と、を含むことを特徴とする。
本発明の味噌の製造方法によれば、味噌の製造工程中に、工業排水が発生しないという有利な効果を奏する。また、本発明の味噌の製造方法によれば、味噌の速醸が可能であり、1週間程度での製造も可能であるという有利な効果を奏し、また製造コスト削減に寄与することができるという有利な効果を奏する。
図1は、本発明の味噌の一実施態様、及び比較例における熟成の様子を示す図である。(a)は、試験ピース0(比較例1)のものを、(b)は、試験ピース1のもの(実施例1)を、(c)は試験ピース2(実施例2)のものを、(d)は試験ピース3(実施例3)のものを、それぞれ示す。
すなわち、本発明の味噌の製造方法は、押出機を使用して、前記押出機のシリンダー内で大豆及び/又は大豆粉を、加圧加熱処理する工程を含むことを特徴とする。本発明で用いられる大豆は粒、粉末共に使用可能であり、また殻つき全粒大豆、ひき割り大豆、脱脂大豆全ての形状が使用可能であるが、前処理として、これら原料に対し20〜200%の加水を行う事が好ましい。
また、本発明の好ましい実施態様において、さらに、前処理として、前記大豆又は大豆粉を加水する工程を含むことを特徴とする。なお、水分の分散を効率よく行うためには、30〜350μ程度の大豆粉末を使用する事が特に好ましい。
また、本発明の味噌の製造方法の好ましい実施態様において、前記シリンダー内に酵素を添加する工程を含む。シリンダー内に酵素を添加する方法、手段等については、特に限定されず、常法を用いることができる。本発明において、好ましくは、前記酵素は、糖化酵素、油脂分解酵素又は蛋白質分解酵素であることを特徴とする。また、本発明の好ましい実施態様において、前記糖化酵素は、甘味を発現させるという観点から、β-アミラーゼ、グルコアミラーゼ、又はトランスグルコシターゼから選択される少なくとも1種である。また、本発明の好ましい実施態様において、前記蛋白質分解酵素は、うま味を発現させるという観点から、プロテアーゼである。油脂分解酵素としては、リパーゼを挙げることができる。また、作業効率、及び収率を良くするという観点から、酵素として、セルラーゼ、ペクチナーゼを添加してもよい。
また、本発明の味噌の製造方法の好ましい実施態様において、さらに、前記シリンダー内で小麦、大麦、米粉又は米粒を圧縮混練し、前記米粉又は米粒の澱粉質のα-1、4結合を前記押出機により機械的に切断する工程と、を含むことを特徴とする。
本発明の好ましい実施態様において、小麦、大麦、米粉又は米粒を押出機を使用して、シリンダー内で圧縮混練し、澱粉質のα-1、4結合を切断する工程と、前記シリンダー内に酵素を添加して、澱粉質のα-1、4結合(前工程等で切断しきれなかったα-1、4結合も含む。)、及び/又は澱粉質のα-1、6結合を切断する工程と、を含むことを特徴とする。本発明で用いられる大麦、小麦、米粉又は米粒は、特に限定されるものではない。例えば、米粉又は米粒として、うるち米、もち米等を原料とする米粉又は米粒を用いることができる。米粒としては、精白米、玄米、屑米、古米などを挙げる。
また、一般に、米粉は、うるち米、もち米を問わず、粳米、糯米の生米を精米し粉砕、粉末化したもので、粉砕する前の生米としては、精白米、玄米、屑米、古米などを挙げることができるが、特に制限されることなく、本発明の組成物等に米粉として用いることができる。
前記大麦、小麦、大豆、又は米粉の製粉方法は、胴搗き製粉、ロール製粉、石臼製粉、気流粉砕製粉、ピンミル製粉のいずれの方法も用いることができる。
また、本発明の好ましい実施態様において、前記大麦、小麦、大豆、又は米粉の粒度としては、米粒でも糖化可能であるので、粒径の上限については特に限定されない。例えば、一般的な篩(メッシュ)の規格である、3.5メッシュから635メッシュを使用することができる。なお3.5メッシュは約5.6mm、635メッシュは約20μmとなる。なお、平均粒度の測定方法については、米粉業界通例で行う「メッシュパス」でおおよその粒子径を測定する方法によるものである。具体的には、ザル状の篩を使用し刷毛でこすり、何メッシュの金網を通ったものが、結果的に何μmであるかによって定めることができる。したがって、より正確には、平均粒度としては、最低150メッシュパス、最高330メッシュパスの平均粒度が30〜80μmとすることができる。
また、本発明の好ましい実施態様において、さらに、前処理として、前記大麦、小麦、大豆、又は米粉(もしくは米粒)を加水する工程を含むことを特徴とする。本発明で用いられる大麦、小麦、大豆、米粒、又は米粉については、シリンダー内での流動性確保という観点から、前処理として、これら原料に対し20〜200%の加水を行う事が好ましい。水分の分散を効率よく行うためには、30〜350μ程度の大麦、小麦、大豆の各粉状物、又は米粉を使用する事が特に好ましい。
また、本発明の味噌の製造方法の好ましい実施態様において、前記押出機は、タンデム型押出機であることを特徴とする。すなわち、本発明において、タンデム型多段押出機と使用酵素を選択的に使用する事が可能である。本発明に使用することが可能なタンデム型多段押出機は、2段から5段までのシリンダー構成が好ましく、混練の均一性、自由度という観点から、各段に存在するスクリュー本数は1〜8本が望ましい。タンデム型押出機は2段以上のシリンダー構成が望ましいが、量産性、メンテナンスの簡易さから、2段から3段の構成が特に好ましい。また、各シリンダー内のスクリュー構成は単軸、2軸が望ましく、量産性、メンテナンスの簡易さから2軸が特に好ましい。また高含油素材である大豆を押し出す為には、スクリュー回転方向は異方向噛み込みが望ましい。さらに、前記タンデム型押出機は正確な酵素添加を行う為に、酵素液、または酵素を各段接合部にフィードできる機構を持つ事が望ましい。
また、本発明の味噌の製造方法の好ましい実施態様において、前記タンデム型押出機は、量産性、メンテナンスの簡易さという観点から、上段シリンダーと、下段シリンダーとからなる2段型であるか、又は上段シリンダーと、中段シリンダーと、下段シリンダーとからなる3段型であり、酵素失活を避け、ダイス部での製品焼けを防止するという観点から、シリンダー温度は、上段から下段へ行くに従い、低下することを特徴とする。また各シリンダー内のスクリュー構成は単軸、2軸が望ましく、量産性、メンテナンスの簡易さから2軸が特に好ましい。前記タンデム型押出機は正確な酵素添加を行う為に、酵素液、または酵素を各段接合部にフィードできる機構を持つ事が望ましい。本発明で用いられる酵素には、グルコアミラーゼ、プロテアーゼ、又はセルラーゼなどを使用する事ができる。この場合、3段タンデム型押出機を利用し、上段シリンダー温度100〜250℃、中段シリンダー温度80〜100℃、下段シリンダー温度40〜60℃とし、中段真空室を利用し、そこから上述の酵素混合液を0.5〜1%溶液を滴下する事が望ましい。また、本発明で用いられる米麹は一般的に購入可能な黄麹菌を含むものならば、特に限定されない。
例えば、本発明において、上述の大麦、小麦、大豆、及び/又は米を添加する場合、3段タンデム型押出機を利用し、α-1,4結合を有効に切断するという観点から上段シリンダー温度100〜250℃、製品を冷却するという観点から中段シリンダー温度80〜100℃、酵素失活を避けるという観点から下段シリンダー温度40〜60℃とし、中段真空室を利用し、そこからβ‐アミラーゼ等の各種酵素の1〜5%溶液を対固形に対し0.5〜1.0%滴下する事が望ましい。
また、本発明において、上述の大麦、小麦、大豆、及び/又は米を添加する場合、2段タンデム型押出機を利用し、α-1,4結合を有効に切断するという観点から上段シリンダー温度100〜250℃、酵素失活を避けるという観点から下段シリンダー温度40〜60℃とし、中段真空室を利用し、そこからβ‐アミラーゼ等の各種酵素の1〜5%溶液を対固形に対し0.5〜1.0%滴下する事が望ましい。
また、本発明の味噌は、本発明の味噌の方法により得られたことを特徴とする。本発明の味噌については、上述の本発明の味噌の説明をそのまま参照することができる。
ここで、本発明の実施例を説明するが、本発明は、下記の実施例に限定して解釈されるものではない。また、本発明の要旨を逸脱することなく、適宜変更することが可能であることは言うまでもない。
実施例1〜3
まず、味噌の製造において、原料として丸大豆を用いて、試験を行った。味噌の製造には、タンデム型多段押出機を使用した。
味噌の製造には、3段タンデム型押出機を利用し、上段シリンダー温度100〜250℃に設定し、中段シリンダー温度80〜100℃に設定し、下段シリンダー温度40〜60℃に設定した。中段真空室を利用し、そこから各種酵素1〜5%溶液を対固形に対し0.5〜1.0%滴下した。これらの工程は、1時間足らずで終了し、目的の味噌試験ピースを短時間で得ることができた。
味噌試験ピースとして、試験ピース1(実施例1)、試験ピース2(実施例2)、及び試験ピース3(実施例3)を試みた。試験ピース1〜3の原料丸大豆下処理については、原料丸大豆を粉砕機を使用して平均粒径40μm に粉砕、丸大豆粉を製造したものを用いた。
試験ピース1は、丸大豆粉に加水(対粉80%)し、押出機で加圧加熱処理し大豆分解物にした場合である(酵素不使用)(実施例1)。試験ピース2は、丸大豆粉に加水(対粉80%)し、押出機で加圧加熱処理し タンパク分解酵素プロテアーゼを使用し大豆タンパク分解物にした場合である(実施例2)。試験ピース3は、丸大豆粉に加水(対粉80%)し、押出機で加圧加熱処理しタンパク分解酵素プロテアーゼ、澱粉糖化酵素グルコアミラーゼを使用し大豆糖化タンパク分解物にした場合である(実施例3)。
なお、比較例として、試験ピース0(比較例1)について、原料丸大豆を一晩浸漬(22時間)後、浸漬に使用した水を捨て新たな水を加え圧力鍋を用いて柔らかくなるまで煮てすり鉢ですり潰したものを準備した(煮つぶし大豆(比較例))。
なお、試験ピース0〜3で製造する味噌の基本配合は「米味噌(やや辛口・コク系・塩分11.5%)」とした(表1参照)。表1は、試験ピースで製造する味噌の基本配合を示す。
試験ピース1〜3を用いての味噌製造時の実質配合は、以下の通りである。
大豆分解物 570g <内訳:丸大豆微粉砕粉300g、対粉加水率80%240g、使用酵素液対粉10%30g>
水 90g
乾燥米麹 150g
水 150g
塩 129g
また、試験ピース1〜3の仕込み状況については、以下の通りである。(1)乾燥米麹に塩を混ぜ込んだ後加水し、しばらく放置する。(水が行き渡る様に工夫する)(2)使用大豆(300g)の2.2倍の重量になるように加水する。(3)(2)に(1)を入れしっかりと混ぜ込み(均一に混ざるようにミキサーを使用すると良い)、容器に入れて表面を平らにしラップを用いて空気に触れないようにする。
また、試験ピース0を用いての味噌製造時の実質配合は以下の通りである。
煮つぶし大豆に加水したもの 660g<使用大豆(300g)の2.2倍の重量>
乾燥米麹 150g
水 150g
塩 129g
また、試験ピース0の仕込み状況は以下の通りである。(1)乾燥米麹に塩を混ぜ込んだ後加水し、しばらく放置する。(水が行き渡る様に工夫する。)(2)加水済み煮つぶし大豆に(1)を入れしっかりと混ぜ込み(均一に混ざるようにミキサーを使用すると良い)、容器に入れて表面を平らにしラップを用いて空気に触れないようにする。
次に、一般的な味噌評価方法を用い評価を行った。比較対象品として味噌の比較として市販品を9月9日に購入した(賞味期限:2014.02.19)。比較対象品を試験ピース5(比較例2)とする。比較例2: メーカー名:マルダイみそ、商品名:無添加 歳月、名称:米みそ、原材料名:大豆(遺伝子組換えでない)、米、食塩。(※出荷前に加熱処理を施している。)
まず、(1)pH検査を行った。pH検査について、一般的味噌の食べ頃のPH値は5.2〜5.0 (澱粉・タンパク質分解度合を示す)であり、原料大豆の一般的pH値は5.8であり、原料米の一般的pH値は5.8である。このpH値よりも値が低くなると分解が進んでいることを示す。すなわち、pH値が低いほど「熟成している」「旨味が増えている」と評価することができる。なお、pH メーターによる測定として、検体各10gに蒸留水各10mlを加え、スパチュールによる撹拌を行い、pHメーターを使用しpH値を求めた。表2は、pH値測定結果を示す。
表2中、検体0は試験ピース0(比較例1)、検体1は試験ピース1(実施例1)、検体2は試験ピース2(実施例2)、検体3は試験ピース3(実施例3)、検体5は試験ピース5(比較例2)である。pH試験の結果、検体<2>、<3>については分解が進んでいて、ここまでの値になっていれば、加熱処理を施すことでpH値を低くすることができることが分かる。検体<1>については大豆、米の通常pH値とあまり差が見られないので、分解が未熟であることを示すことが分かる。検体〈0〉については〈1〉、〈2〉、〈3〉と製造工程及び検体水分値が違うため、比較対象にはそぐわない。
次に、(2)ホルモール窒素検査を行った。ホルモール窒素検査において、ホルモール窒素量が多いほど旨味成分が多いと言える。ホルモール窒素とは、アミノ酸を構成する窒素であり、アミノ酸=旨味成分と認識することができる。これは味噌中のタンパク質分解がアミノ酸まで分解されているかを判断し、数値が0.5%以上になっていると十分に旨味のある味噌と評価することができる。
<ホルモール滴定法>
(1)検体 各10gに蒸留水各50mlを加え、ミキサーを用いて撹拌する。(2)前記(1)が25倍希釈溶液になるように蒸留水を加える。(3)各検体を濾紙による濾過を行い、25倍希釈溶液に10mlの蒸留水を加え、さらにpH値8.3に調整したホルマリン溶液を10mlを加え撹拌し、安定するまで放置する。(4)用意した各検体溶液を撹拌しつつpHメーターを用いてpH値8.5になるまで水酸化ナトリウム溶液を投入する。(5)各検体溶液に投入した水酸化ナトリウム溶液量を滴定値とする。表3は、滴定値測定結果を示す。
また、表4は、ホルモール窒素含有率を示す。
なお、値は、下記のホルモール窒素値を求める計算式 (1mlあたりのホルモール窒素含有率)により求めた。
ホルモール窒素値=A × 25 × 1/10 × 0.0014 × F × 100(%)
A = 滴定数値
25 = 25倍希釈
1/10 = 検体溶液量
0.0014 = ホルマリン溶液量 1/10 の係数
F = 使用した水酸化ナトリウム(NaOH)溶液のファクター値(今回使用のものは0.989)
その結果、検体〈2〉、〈3〉については〈5〉と比較しても遜色なく味噌として評価できる。〈1〉については値が低く味噌としての評価は出来ないが、味噌組成物としての需要に対応することができる。〈0〉については〈1〉、〈2〉、〈3〉と製造工程及び検体水分値が違うため、比較対象にはそぐわない。製造時の水分から判断をすると味噌としての評価は出来ないことが分かった。
これらの結果、pH測定値、ホルモール窒素含有率から、検体No.〈2〉、〈3〉は「味噌である」ということが言える。また、加圧加熱処理した大豆粉に酵素を添加し分解工程を進めた原料を用いることにより、従来の速醸法で製造される味噌よりも早く味噌が製造することが可能であることが証明された。
以上の結果、大豆などの穀物から、タンデム型押出機を利用し、排水を一切発生させず、かつ短時間の発酵で味噌を連続的に製造することが可能であることが判明した。また、本発明において、タンデム型押出機を利用し、シリンダー内に分解酵素を添加するか、もしくは湿熱処理のみ行った味噌原体を連続製造し、その原体に米麹を添加し大幅な速醸が可能となった。さらに本発明は、上述の工程内で必要最低限の水のみ使用し、一切の排水を発生させない方法で有ることが分かった。
したがって、本発明は、従来、製造に膨大な時間を要した、味噌製造を3か月から1週間程度で製造可能であり、製造コスト削減に寄与することができることが判明した。
従来では、長期間を有していた製造工程において、極めて短時間で良好な味噌を提供することが可能であることから、本技術は、広範な分野において応用可能である。

Claims (6)

  1. 押出機を使用して、前記押出機のシリンダー内で大豆及び/又は大豆粉を、加圧加熱処理する工程と、前記シリンダー内に酵素を添加する工程と、を含む味噌の製造方法であって、前記押出機は、タンデム型押出機であり、かつ、上段シリンダーと、下段シリンダーとからなる2段型であるか、又は上段シリンダーと、中段シリンダーと、下段シリンダーとからなる3段型であり、シリンダー温度は、上段から下段へ行くに従い低下し、前記添加後の酵素は活性であることを特徴とする味噌の製造方法。
  2. さらに、前処理として、前記大豆又は大豆粉を加水する工程を含む請求項1記載の方法。
  3. 前記酵素は、糖化酵素、油脂分解酵素又は蛋白質分解酵素である請求項1記載の方法。
  4. 前記糖化酵素は、β-アミラーゼ、グルコアミラーゼ、又はトランスグルコシターゼから選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項3記載の方法。
  5. 前記蛋白質分解酵素は、プロテアーゼである請求項3記載の方法。
  6. さらに、前記シリンダー内で大麦、小麦、米粉又は米粒を圧縮混練し、前記大麦、小麦、米粉又は米粒の澱粉質のα-1、4結合を前記押出機により機械的に切断する工程と、を含む請求項1〜5項のいずれか1項に記載の方法。
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