JP5622509B2 - 電動車両用バッテリ - Google Patents

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Description

本発明は、電動車両用のバッテリに関し、特に、スイングアームを備えた電動車両に対してバッテリを配置する場合に、バッテリに接続される電圧モニタ用の配線部分を含んだ接続構造に関する。
電気自動二輪車、燃料電池自動二輪車、ハイブリッド自動二輪車等の電動車両におけるバッテリの固定構造としては、例えば特許文献1に示されるように、スイングアームの一端を揺動軸に連結し、スイングアームの他端が後輪を支持し、スイングアームの他端側に後輪を駆動する電動モータを設置し、スイングアームの揺動軸近傍位置にバッテリを配置した構造が開示されている。
また、特許文献2には、バッテリを車体の前方に、駆動源となるモータを制御する制御部を車体の後方に配置し、両者をハーネスで接続する構成が開示されている。
また、特許文献3には、複数のバッテリセルを直列接続して所定の電圧を得るようにしたバッテリモジュールにおいて、各バッテリセルを、軟質の柔軟性のあるラミネートフィルムで包んで密閉した板状のラミネートセルとしたうえ、このラミネートセルを1枚ずつ所定のケースに収納したものを積層してバッテリモジュールを構成する方法が開示されている。
特開2008−221976号公報 特開2006−182315号公報 特開2005−108693号公報
特許文献1においては、スイングアームの揺動軸近傍位置にバッテリを配置することは記載されているものの、バッテリに対するモータを制御する制御部との電気的な接続についての具体的な開示はなく、揺動するスイングアームにバッテリを配置する場合の電気的な接続構造について改善する余地が残されていた。
特許文献2に開示された構成の場合、バッテリと制御部の配置位置が離れているため、両者を接続するハーネスの長さが長くなり、ノイズ等の影響が懸念されるという問題点があった。
電動車両においては、モータ制御を行う場合に、バッテリの状態を把握することが重要な要素であり、制御部によるモータ制御に大きな影響を与えることになる。
ところで、特許文献1に記載された技術のように、バッテリをスイングアーム内に収納する構成では、その確保できる収納スペースに限度があり、さらに、特許文献3に記載されたようなケース入りバッテリセルでは、ケース部分の占有スペースも必要なため、バッテリ容量を大きくすることが難しいという課題がある。
そこで、この課題に対応する方法として、スイングアームの外壁で囲まれた収納スペースに複数のラミネートセルを直接収納した後に、ラミネートセルの周囲にポッティング剤を流し込んで、このポッティング剤が硬化することでラミネートセルを固定する「ポッティング処理」の適用が考えられる。しかしながら、液状のポッティング剤をバッテリの固定に必要な箇所にのみ流し込むことは難しく、かつ必要でない箇所にもポッティング剤が充填されてしまうと、スイングアームの重量増加を招くと共に、各ラミネートセルから放出されるガスの流動が妨げられてしまう可能性があった。
本発明は上記事情に鑑みて提案されたもので、モータ制御を行う制御部に対してバッテリの状態を伝達するに際し、ノイズを抑えながら、部品点数を減らして軽量化が可能な構造とした電動車両用バッテリを提供することを目的としている。
上記目的を達成するため請求項1の発明は、電動車両の駆動輪(WR)を駆動する電動モータ(M)へ電力を供給する電動車両用バッテリにおいて、前記バッテリには、複数のバッテリセル(56a)の集合体で構成されるバッテリ(56)に対して接続される一つの基板(50c)を備え、前記各バッテリセル(56a)には、前記基板(50c)側に接続される正電極(56b)及び負電極(56c)を有し、前記基板(50c)には、前記各セルの電極に対応して各セル情報を収集するための複数のセル接続部(603)を前記バッテリセルの個数に関係なく予め複数設けており、前記セル接続部(603)により、前記各バッテリセル(56a)の個数分のみ前記基板(50c)と前記各セルの各電極とをセンサ配線(602)にてそれぞれ接続して成ることを特徴としている。
請求項2の発明は、請求項1の電動車両用バッテリにおいて、前記基板(50c)には、各バッテリセル(56a)を直列に接続した場合の集合体端部となる正電極及び負電極からの出力配線(604)に接続する各出力線接続部(600,601)を設けた
ことを特徴としている。
請求項3の発明は、請求項1の電動車両用バッテリにおいて、前記基板(50c)の近傍に、前記電動モータ(M)を制御する制御回路の構成部品、及び、前記バッテリセル(56a)を充電する充電回路の構成部品を配置した制御部(50a、50b)を設け、前記基板(50c)と制御部(50a、50b)を一体化したパワーモジュール(50)としたことを特徴としている。
請求項4の発明は、請求項1の電動車両用バッテリにおいて、前記パワーモジュール(50)は、主に前記電動モータ(M)を制御する制御基板(50a)と、主に前記バッテリセル(56a)の充電を行う充電回路を有する発熱素子基板(50b)と、前記基板(50c)とから成り、前記基板(50c)のセル接続部(603)を前記制御基板(50a)に接続したことを特徴としている。
請求項5の発明は、請求項1の電動車両用バッテリにおいて、前記バッテリセル(56a)は、セル毎にパッキングされたラミネートタイプであることを特徴としている。
請求項6の発明は、請求項5の電動車両用バッテリにおいて、前記バッテリセル(56a)の集合体と前記基板(50c)との間に発砲体(501)を介在させて、前記駆動輪(WR)を支持するスイングアーム(30)に設けた収納空間(35)に収納し、前記収納空間(35)に充填する流動性樹脂剤(59)にて前記バッテリセル(56a)と前記基板(50c)を含むパワーモジュールとを一体結合することを特徴としている。
請求項1に記載の発明によれば、バッテリセル(56a)の情報を出力するセンサ配線(602)を1つの基板(50c)に接続する際に、セル接続部(603)を事前に複数形成しておくことにより、バッテリセル数(バッテリモジュールの容量)毎に専用の基板を設ける必要がなく、必要な数だけ接続させるだけの汎用性のある基板で対処することができる。
請求項2に記載の発明によれば、バッテリセル(56a)の基板(50c)側にセル接続部(603)を設けることにより、最短距離でセンサ配線を結線することができ、発生するノイズを小さくすることができる。
請求項3に記載の発明によれば、バッテリ(56)と制御部を近接配置することで一体化でき、汎用性の高いパワーモジュールとすることができる。また、バッテリ(56)に対して制御部を一体化することで、制御部に関する専用固定部材を削減することができる。
請求項4に記載の発明によれば、発熱量の大きいものと発熱量の小さいものを別々の基板に集約させることで、発熱量の大きい素子から発熱量の小さい素子への熱負荷影響を小さくすることができる。
請求項5の記載の発明によれば、セルの厚みが小さくなり、基板の接続間隔を小さくでき、基板について汎用性を確保するために大きくする必要がなくなる。
請求項6に記載の発明によれば、バッテリセル(56a)と基板(50c)とを発砲体(501)を介在させて一体結合することで、バッテリセル(56a)と基板(50c)とを近接配置して結合でき、ポッティング剤の使用量を低減することができるとともに、固定のための専用部品を廃止しながら軽量化を図ることもでき、更には、発砲体(501)によりバッテリ56から排出されるガスの通り道を確保することができる。
本発明の電動車両用バッテリが搭載された電動二輪車の左側面図である。 本発明の電動車両用バッテリの実施形態の一例を示すもので、電動車両用バッテリが配置されたスイングアーム部分の左側面図である。 図2の電動車両用バッテリが配置されたスイングアーム部分の上面図である。 スイングアームの分解斜視図である。 複数のバッテリセルの集合体を示す平面図である。 (a)〜(c)は複数のバッテリセルの集合体と基板との位置関係を示すもので、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は側面図である。 バッテリセルと基板間のセンサ配線の接続状態を示すモデル図である。 ポッティング処理後の状態を示すスイングアームの上面図である。 電動二輪車に適用される電気系統の全体構成を示すブロック図である。 電動二輪車に適用される電気系統の充電器部分の構成を示すブロック図である。 車体左側から見た状態のバッテリの正面図である。 車体後方から見た状態のバッテリの側面図である。 アルミ基板を取り外した状態のバッテリの正面図である。 スポンジラバーの拡大図である。 バッテリの防爆弁から排出されたガスの流れを示すスイングアームの上面図である。 バッテリの防爆弁から排出されたガスの流れを示すバッテリの正面図である。 収納空間に収納されたバッテリを収納側から見た状態のバッテリの正面図である。
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る電動二輪車1の側面図である。
電動二輪車1は、低床フロア16を有するスクータ型の鞍乗型車両であり、スイングアーム(ユニットスイング)30に収納された電動モータMによって後輪WRを駆動する。車体フレーム2の前部には、ステムシャフト(不図示)を回転自在に軸支するヘッドパイプ3が結合されている。ステムシャフトの上部には、ハンドルカバー11で覆われる操向ハンドル8が結合されており、一方の下部には、車軸7によって前輪WFを回動自在に軸支する左右一対のフロントフォーク6が結合されている。
車体フレーム2は、ヘッドパイプ3の後部から下方に延びるメインパイプ4と、該メインパイプ4の後端部に連結されて車体後部上方へ延びるリヤフレーム5とを備える。低床フロア16の下部に位置するメインパイプ4には、低床フロア16を支持するフロアフレーム15が取り付けられている。また、メインパイプ4とリヤフレーム5との結合部には、左右一対のピボットプレート17が取り付けられている。
スイングアーム30は、車幅方向左側のみにアーム部を有する片持ち式であり、ピボットプレート17に取り付けられたリンク18を貫通する揺動軸19を介して、車体フレーム2に揺動自在に軸支されている。スイングアーム30は、アルミ等の金属からなる一部中空構造体であり、車軸32の近傍に電動モータMが収納されると共に、電動モータMの車体前方には、制御装置としての基板(制御部)50が配設されている。電動モータMに電力を供給するバッテリ56(図3参照)は、基板(制御部)50の車幅方向右側に配設されている。
後輪WRは、車軸32によってスイングアーム30に回転自在に軸支されており、スイングアーム30の後端部は、リヤクッション26を介してリヤフレーム5に吊り下げられている。また、シート20の下部には、ヘルメットや荷物入れスペースとなる収納ボックス21が、左右一対のリヤフレーム5に挟まれるように配設されている。
車体フレーム2のメインパイプ4は、車体前方側のフロントカウル13および車体後方側のレッグシールド12で覆われている。ハンドルカバー11の上部には、メータ装置9が配設されており、メータ装置9の車体前方側には前照灯10が取り付けられている。フロントフォーク6の上部には、前輪WFを覆うフロントフェンダ14が固定されている。
リヤフレーム5の車幅方向外側はシートカウル23で覆われており、シートカウル23の後端部には尾灯装置24が取り付けられている。尾灯装置24の上方には、リヤフレーム5に結合されたリヤキャリア22が突出しており、尾灯装置24の下方には、後輪WRの後方上方を覆うリヤフェンダ25が設けられている。
図2は、電動車両用バッテリを搭載するスイングアーム30の拡大側面図である。また、図3はスイングアーム30の上面図であり、図4は、スイングアーム30の分解斜視図である。前記と同一符号は、同一または同等部分を示す。前記したように、スイングアーム30は、アルミ等の金属からなる一部中空構造体であり、後輪WRを車幅方向左側のアーム部39で支持する片持ち式とされる。スイングアーム30の車体前方側下部には、揺動軸19(図1参照)の貫通孔19aが形成された左右一対のピボットフランジ36が設けられている。
ピボットフランジ36の車体上方側には、複数のバッテリセル56が挿入される収納空間35が形成されており、この収納空間35の外殻部を形成する幅広ケース部38とアーム部39とは、湾曲部40を介して連続的に形成されている。収納空間35およびアーム部39の車幅方向左側には、基板(制御部)50および電動モータMを一体的に覆う薄板状のスイングアームカバー57が取り付けられている。
アーム部39の後端部には、電動モータMの回転を減速する減速機が収納された減速機ケース33,41が取り付けられている。車軸32は、減速機ケース41から車幅方向右側に向けて突出しており、この車軸32の端部に、後輪WRのホイール34がナット32aによって固定されている。後輪WRにはチューブレスタイヤが使用され、ホイール34にはエアバルブ42が設けられている。また、減速機ケース33には、リヤクッション26(図1参照)を取り付けるための貫通孔26aが形成された取付フランジ37が設けられている。
スイングアーム30の一端側の揺動軸近傍には、内部に方形状の収納空間35が一体的に形成されている。収納空間35は、スイングアーム30を電動車両に装着した場合に、電動車両の側方に収納空間35の開口側(開口部)が位置し、この開口側からバッテリ56を挿入可能なようになっている。
次に、本実施形態に係る電動車両用バッテリ56の構造について、図5〜図7を参照しながら詳細に説明する。
図5は、模式的に表示した複数(16個)のバッテリセル56aの集合体から構成されるバッテリ56を表すもので、図6(a)〜(c)は、バッテリ56と、バッテリ56が接続される基板との配置関係を示している。
すなわち、バッテリ56は、複数のバッテリセル56aを接続した集合体とすることで所定の高電圧を得るようにしたモジュール構造を有している。各バッテリセル56aは、平面板状に形成され、上面に設けた一対のフレキシブルな板状体により正電極56b及び負電極56cが形成されている。正電極56b及び負電極56cは、上面における長手側の一辺側に偏った位置に配置されている。そして、各バッテリセル56aは、図5に示すように、平面部が対向した積層状態となるよう配置させ、隣接する正電極56bと負電極56c同士が接続される(接続部分を点線で示す)。すなわち、各バッテリセル56aは、正電極56bと負電極56cとがそれぞれ対向するように配置され、正電極側の板状体と負電極側の板状体とを当接させて接続することで板状端子(バッテリ端子)500を構成するとともに(図6(c))、各バッテリセル56aが直列に接続される。
また、各バッテリセル56aは、軟質のラミネートシートで1セル毎にパッキングされたラミネート型(ラミネートセル)を使用する。
複数のバッテリセル56aの集合体で構成されるバッテリ56に対しては、図6(c)に示すように、その上部近傍位置に一つのアルミ基板50cが配置される。アルミ基板50cには、図6(a)に示すように、各バッテリセル56aの正電極56b及び負電極56cに対応して各セルのセル情報を伝達するための複数のセル接続部603が形成されている。隣接する電極56b,56c同士が結合された板状端子(バッテリ端子)500と各セル接続部603は、センサ配線602によりそれぞれ接続されている。
そして、センサ配線602を介して、セル接続部603に各バッテリセル56aの情報として例えばセル電圧値等が入力され、この値を制御部内で処理することで各バッテリセル56aの充電容量を検知して把握することが可能となる。
この際、図7に示すように、センサ配線602は、直列に接続されたバッテリセル56a間に流れる電流(矢印方向)による放射ノイズが相殺される位置にあるため、放射ノイズ除去のためのフィルタ回路を簡素化することができる。その結果、電圧モニタ値の精度を高くするとともに、電池残量予測の精度を高くすることができる。
また、アルミ基板50cに、複数のセル接続部603を形成しておくことにより、バッテリセル数(バッテリモジュールの容量)毎にセンサ配線602接続用の専用基板を設ける必要がなく、汎用性のある基板で対処することが可能となる。
アルミ基板50cの両端側には、プラス側全体端子(出力線接続部)600,マイナス側全体端子(出力線接続部)601がそれぞれ形成され、各バッテリセル(56a)を直列に接続した場合の集合体端部となる正電極56b及び負電極56c(図6(c))との間を出力配線604によりそれぞれ接続し、バッテリ56電源が外部に供給されるようになっている。
バッテリ56をアルミ基板50cの近傍位置に配置する構成により、出力配線604を最短とするとともに、出力配線604のループを最小とすることができる。その結果、発生するインダクタンスも小さくすることができる。
上述した電動車両用バッテリは、基板(制御部)50に対してバッテリ56を一体的に組みつけられ、組みつけられた状態でスイングアーム30の収納空間35に挿入固定されることで、専用ケースを用いることなくスイングアーム30に直接的に装着されることで電動二輪車に搭載される。
バッテリ56は、上述したように、複数のバッテリセルを接続することで所定の高電圧を得るようにしたモジュール構造を有する。板状のバッテリセル56aは、その平面部を車体前後方向に指向させて積層された状態で、幅広ケース部38に形成された略直方体形状の収納空間35に収められる。これにより、重量物としてのバッテリ56がスイングアーム30の揺動軸19に近接配置されることとなり、スイングアーム30の揺動時の慣性モーメントを低減してスムーズな揺動動作が可能となる。また、バッテリセル56aをラミネート型バッテリとしたことで、高いエネルギ密度や放熱性能の向上が期待できるほか、スイングアーム30への取付作業やバッテリの交換作業が容易になる。
制御装置としての基板(制御部)50は、図3及び図4に示すように、バッテリ56の車幅方向左側に近接配設されている。基板(制御部)50は、制御基板50aと発熱素子基板50bとアルミ基板50cとからなり、それぞれの平面部が車幅方向に指向するように配置されている。制御基板50aは、バッテリ56の車幅方向左側に近接配置されており、発熱素子基板50bは、制御基板50aの車体後方側に連結されている。アルミ基板50cは、バッテリ56の車幅方向左側に近接配置されている。そして、各基板に分散配置された回路・素子等(サーミスタ51、充電器用の入出力フィルタ群52、充電器力率改善用コンデンサ53、充電器DC変換用コンデンサ54、各種トランス群55)により充電器が構成されている。部品を各基板に分散配置して充電器200を構成してスイングアーム30に内蔵することで、電気系の接続をダイレクトに行うことができ、可撓性配線(ハーネス)類の簡素化を行うことで部品点数の削減を行うことができる。
バッテリ56とアルミ基板50cとの間には、図3及び図8に示すように、所定の厚みを有するスポンジラバー501が配設されている。スポンジラバー501には、各バッテリセルの図示左端部に設けられた板状端子(バッテリ端子)500を差し込むための複数のスリットが形成されている。板状端子(バッテリ端子)500を各スリットに挿入することで、板状端子の位置が規定されることとなる。また、スポンジラバー501によれば、後述するポッティング処理時のポッティング剤59の使用量を低減して、スイングアーム30の軽量化を図ることができる。アルミ基板50cは、このスポンジラバー501に近接配置されている。
制御基板50aには、制御信号用のほとんど発熱しない素子が実装されている。これに対し、大電流が流れて発熱する素子は、発熱素子基板50b及びアルミ基板50cに実装されている。そして、発熱素子の内、熱容量が大きいサーミスタ51、充電器用の入出力フィルタ群52、充電器力率改善用インダクタ53、充電器力率改善用コンデンサ54、DC出力用平滑コンデンサ55等は発熱素子基板50bに実装し、発熱素子の内、熱容量が小さい電子部品がアルミ基板50cに実装されている。
このように、発熱量の大きい発熱素子のみを集中配置した発熱素子基板50bを設けることで、発熱素子基板50bに実装された発熱素子の発熱が他の素子へ与える熱負荷を低減することが可能となる。また、発熱素子の配設位置と他の制御素子との配設位置を分けたことにより、ピボットフランジ39および貫通孔19a等のレイアウトの自由度を高めることが可能となる。
すなわち、基板(制御部)50において、ほとんど発熱しない部品を制御基板50aに集約し、制御基板50aのスイングアーム30の前端側の発熱素子基板50bに熱容量の大きい部品をモジュール化して配置することで、機能別に最適な配置を可能とし、省スペース化を図ることができる。
バッテリ56を構成する各バッテリセルは、アルミ基板50cに対してそれぞれ固定され、制御部50がスイングアームの前端側に配置するように構成されている。
制御部50の回路と各バッテリセルとは電気的に接続されることで、バッテリ56への充電や、バッテリ56からの電圧が制御基板50aに供給されて電動モータMの駆動を制御するようになっている。
また、制御基板50aの車体後方側に発熱素子基板50bを配置することにより、車体進行方向の上流側に位置する制御基板50aに発熱素子の熱影響が及ぶことを防ぐことができる。さらに、バッテリ56の車幅方向外側に制御基板50aが配置されることで、車幅方向の厚みを小さくできる。そして、発熱基板50bは、車体側面視で後輪WRとオーバーラップする位置に配設されているので、バッテリ56と電動モータMとの間に形成されるスペースを有効活用して発熱素子を配設することができ、スイングアーム長が長くなりすぎることを防止できる。
また、図4に示すように、バッテリ56は、車体前後方向に所定枚数が積層されることにより、その長手方向が車幅方向に指向する略直方体形状をなして、幅広ケース部38の収納空間35に収納される。収納空間35の内面43には、板状の各バッテリセルをそれぞれ所定位置に収めるためのガイド溝44が形成されている。
ガイド溝44は、収納空間35内の上面及び下面に、バッテリ56の挿入方向に沿って各バッテリセル56aに対応する複数の溝部を形成することにより、バッテリ56を構成する各バッテリセル56aを収納するに際して、各セル(セル毎)の側面部がガイド溝44に嵌合して位置が固定可能なようになっている。ガイド溝44を設けることで、セル保持用の専用部品の削減、及び、全体をコンパクトに構成することができる。
幅広ケース部38には、塞栓45を嵌合させる貫通孔38aが形成されている。一方、バッテリ56と基板(制御部)50とを車体前方で連結する連結板46には、塞栓45が嵌合する貫通孔47が形成されている。この塞栓45および貫通孔38a,47は、スイングアーム30の組立時に行われる「樹脂ポッティング処理」において使用される。このポッティング処理は、バッテリ56および基板(制御部)50をスイングアーム30に対して物理的に固定すると共に、基板(制御部)50の絶縁および防振を図り、さらに各部の放熱性を高めるものである。
ポッティング処理は、幅広ケース部38にバッテリ56および基板(制御部)50を挿入し、貫通孔38a,47に塞栓47を嵌合することによって位置決めを行った後、幅広ケース38の開口部を上方に向けて、時間の経過により硬化する液状樹脂によるポッティング剤59をバッテリ56の周囲に流し込むことで行われる。ポッティング剤59は、図8に示すように、制御基板50aおよびアルミ基板50cを覆うと共に、発熱基板50bに実装されたコンデンサ53や各種トランス群55等の実装面側の一部を覆うように注入される。ポッティング剤59は、バッテリ56等の放熱性を高める機能も有する。
そして、ポッティング剤59が硬化した後に塞栓45を除去すると、この塞栓45のあった位置に幅広ケース部38の内外を連通する連通孔が形成される。この連通孔によれば、バッテリ56からガスが排出されても、このガスがスムーズに外部へ排出されることとなり、スイングアーム30内の圧力上昇を防ぐことができる。
すなわち、高温となったバッテリの雰囲気温度が上昇した場合の空気圧力(高圧圧力抜き用)を外部に導く高圧圧力抜き用の逃がし通路をポッティング剤で形成することができ、逃がし通路形成のための専用部材を削減することができる。
収納空間35内に周囲から流し込まれたポッティング剤は、収納空間35内に収納されたバッテリ56の空間周囲に充填され、少なくともセル上部の制御基板50aとの連結部分を含む収納空間35内の空間周囲にポッティング剤が存在する状態で硬化することにより、ポッティング剤の介在により収納空間35に対してバッテリ56の位置が固定される。この状態で収納空間35の開口側に蓋体となるスイングアームカバー57を被せる。
この構造により、収納空間35内に位置決めされたバッテリ56をポッティング剤の介在により固定することで、バッテリ56をスイングアーム30内に一体的に搭載することができる。また、制御基板50aをバッテリ(各バッテリセル)56とともにポッティング固定を行うことで、専用固定部品を削減することができる。
上述した構成によれば、バッテリ56を保持するための専用のケースを不要とし、スイングアーム30自体をバッテリ56の保持ケースとして活用することで、バッテリ56を確実にスイングアーム30へ固定しながらも部品点数の削減及び軽量化を行うことができる。
重量物であるバッテリ56を後から組み込める構造としたので、車両組立性の向上を図りつつ、バッテリ56の形状に合わせて部分的にスイングアーム30を膨出させる必要も無いことから、部品点数の削減、軽量化に貢献しながらバッテリを確実にスイングアーム30に固定することができる。
バッテリ56をスイングアーム30に直接固定することで、スイングアーム30を放熱体として使用可能となるので、バッテリ56の冷却効果を向上させることができる。
また、バッテリ56の搭載構造を簡略化したことで、バッテリユニット全体をコンパクトにでき、電装部品の配置等、他の構成に対する設計の自由度を向上できる。
図9および図10は、電動二輪車1に適用される電気系統の構成を示すブロック図である。前記と同一符号は、同一または同等部分を示す。図10は充電器のみの構成回路を示し、図8はそれ以外の全体構成を示している。図9,10では、制御基板50aに実装されている素子を「一点鎖線」で、アルミ基板50cに実装されている素子を「破線」で、発熱素子基板50bに実装されている素子を「実線」でそれぞれ示している。
制御基板50aには、制御信号用の小電流が流れる素子が実装される。これらの素子はほとんど発熱せず、制御基板50aはガラスエポキシ基板によって形成されている。また、アルミ基板50cには、主に、大電流が流れると共に自己放熱ができない素子が実装される。これらの電子部品は、例えば、半導体素子(FET、ダイオード)、抵抗、フィルムコンデンサ等であり、熱伝導性の高いアルミ基板50cに実装されることにより放熱性が高められる。さらに、発熱素子基板50bには、主に、大電流が流れると共に自己放熱ができる大型の電子部品が実装される。これらの電子部品は、例えば、インダクタ、トランス、電解コンデンサ等であり、発熱素子基板50bをバッテリ熱の影響を受けにくい位置に配設することで、発熱性の向上が図られている。
なお、図9,10のブロック図において、発熱素子基板50bに実装されるのは、充電器200の入力フィルタ209および出力フィルタ201(前記入出力フィルタ群52に相当)、PFC回路207(前記充電器力率改善用コンデンサ53に相当)、AC−DCトランス204(前記充電器DC変換用コンデンサ54に相当)、DC−DC部106のDC−DCトランス108(各種トランス群55に相当)および出力フィルタ110となる。
図9を参照して、リチウム・イオンのバッテリ56は、コンタクタ104を介してインバータ123の入力側に電気的に接続され、インバータ123の出力側は、三相交流ラインによって電動モータMに接続されている。電磁力で動作する機械的接点によりオン・オフ制御されるコンタクタ104には、供給電流の急な立ち上がりを防ぐプリチャージリレー105が並列接続されている。
BMU(バッテリ・マネージメント・ユニット)100には、バッテリ56の電圧や温度等の監視用回路(ASIC)101、バッテリセルの容量バラツキを補正するためのセルバランス放電部102およびこれらを制御するコントローラ103が含まれる。
BMU100内のコントローラ103と、インバータ123を制御する制御装置としてのコントローラ122との間には、常時系統116、制御系統117、メインスイッチ系統118、CAN通信119の各ラインが配設されている。また、BMU100のコントローラ103からは過充電のアラート信号120が発信され、インバータ123のコントローラ122からはコンタクタ制御信号121が発信される。
インバータ123のコントローラ122には、電動モータMの回転角度を検知するアングルセンサ124、乗員のスロットル操作量を検知するスロットルセンサ125、シート20に着座しているか否かを検知するシートSW(スイッチ)126、電動車両1のサイドスタンド(不図示)が格納されているか否かを検知するサイドスタンドSW127、電動車両の傾斜角(バンク角)を検知するバンクアングルセンサ129からのセンサ信号が入力される。警報装置としてのブザー128は、バッテリ56の過放電状態等が検知された際にコントローラ122からの作動信号に応じて作動する。
常時系統116は、バッテリ56から供給される大電流を制御用の電流に変換するDCDC部106に接続されている。DCDC部106には、1次側駆動部107、DC−DCトランス108、出力整流回路109、出力フィルタ110、前記1次側駆動部107にPWM信号を供給する1次側駆動IC113、前記出力整流回路109にPWM信号を供給する2次側駆動IC114が含まれる。1次側駆動IC113には、コントローラ122から起動信号115が供給される。また、常時系統116には、盗難防止アラームユニット133およびメインSW136の一端側が接続される。
制御系統117は、インバータ123のコントローラ122に接続されている。制御系統117には、盗難防止アラームユニット133の作動表示灯としてのメータインジケータ132の一端が接続される。また、メータインジケータ133には車速を検知するスピードセンサが接続されており、メータインジケータ133は車速が所定値を超えた際に速度警告灯として機能するように構成されている。
メインSW系統118には、ウインカ装置等の灯火器130、ヘッドライト(H/L)10、バッテリ冷却用ファン等の一般電装131が接続されている。メインSW系統118の端部は、メインSW136がオフにされても所定条件下でヘッドライト10等の作動を可能とするオートパワーオフリレー135に接続されている。
図10を参照して、充電器200には、バッテリ56に接続される直流電流の入出力ライン(A,B)と、商用交流電源等に接続されるACプラグ215とが接続される。充電器200には、入力フィルタ209、ブリッジダイオード208、力率改善回路としてのPFC回路207、1次側駆動部206、AC−DCトランス204、出力整流回路203、出力フィルタ201が含まれる。1次側駆動部206とAC−DCトランス204との間に配設される過電流検出回路212の信号は、PFC−PWM駆動IC213に入力され、一方、出力フィルタ201に接続された電圧検出回路202の信号は、フォトカプラ205を介してPFC−PWM駆動IC213に入力される。PFC回路207および1次側駆動部206は、PFC−PWM駆動IC213から出力されるPWM信号210,214によってそれぞれ駆動される。PFC−PWM駆動IC213には、インバータ123のコントローラ122からの起動信号214(C)が入力される。
図11は、車体左側から見た状態のバッテリ56の正面図である。また、図12は、車体後方から見た状態の同側面図である。車体前後方向に積層されたバッテリセルは、各バッテリセルから車幅方向左側に突出する電極を接続することで互いに直列接続されている。そして、車体前方側(図示左側)のバッテリセル56aから、バッテリ56全体のマイナス側全体端子601が延出してアルミ基板50cに接続されると共に、車体後方側(図示右側)のバッテリセル56aから、バッテリ56全体のプラス側全体端子600が延出してアルミ基板50cに接続されている。
各バッテリセルとアルミ基板50cとの間には、各バッテリセル56aの充電容量を検知するためのセンサ配線602が配索されている。そして、本実施形態では、バッテリ56の車体左側の端部で、かつアルミ基板50cとの間の位置に、スポンジラバー501,502,503が設けられている。なお、図11,12において、バッテリ56の周囲を覆うケース状体は、説明の便宜上、スイングアーム30に形成された収納空間35の内壁を単独の部品のように示したものである。
本実施形態に係るスポンジラバー501,502,503は、発泡ゴムとしてのエラストマー樹脂で形成されている。このエラストマー樹脂は、ポッティング剤が浸潤せず、かつ耐熱性および振動吸収性に優れ、さらに気体を透過する軽量な素材とされる。ここで、本実施形態に係るバッテリ構造では、各バッテリセル(ラミネートセル)56aとアルミ基板50cとの間をセンサ配線602で連結する必要があり、かつアルミ基板50c全体をポッティング剤59で封止したいという希望がある。しかしながら、各バッテリセル(ラミネートセル)56aとアルミ基板50cとの間の空間をすべてポッティング剤59で充填しても、この部分のポッティング剤59は、収納空間35にバッテリ56を固定する機能を果たさないだけでなく、スイングアーム30の重量が増すこととなり、さらには、後述するバッテリ56から排出されるガスの通り道がなくなってしまう。このため、本実施形態では、このバッテリセル(ラミネートセル)56aとアルミ基板50cとの間の空間にスポンジラバー501,502,503を配置することで、ポッティング剤の充填状態の最適化を図っている。
なお、流し込み時の粘性が比較的高いポッティング剤59は、少なくとも、アルミ基板50c全体がポッティング処理されると共に、幅広ケース部38に形成された収納空間35の開口部周囲でバッテリ56が固定可能な量が充填されればよく、必ずしも収納空間35の側面部や底面部まで充填されなくともよい。
図13は、アルミ基板50cを取り外した状態のバッテリ56の正面図である。スポンジラバー501,502,503は、それぞれ、車体前後方向に長手方向を指向させた略直方体形状とされる。前記したように、本実施形態に係るバッテリ56は、板状のバッテリセル(ラミネートセル)56aの車幅方向左側の端面に、板状端子(バッテリ端子)500(図8参照)としてのマイナス側端子およびプラス側端子が、車体上下方向に離間した所定の位置からそれぞれ突出する構成を有している。そして、隣接するバッテリセル(ラミネートセル)56aの表裏を互い違いにして積層することで、各バッテリセル(ラミネートセル)56aを容易に直列接続できるように構成されている。
また、図14に示すように、上側スポンジラバー501および下側スポンジラバー502には、あるバッテリセルのマイナス側端子(またはプラス側端子)と、これに隣接するバッテリセルのプラス側端子(またはマイナス側端子)との接合体としての板状端子(バッテリ端子)500を挿入するためのスリット505が形成されている。
この上側スポンジラバー501および下側スポンジラバー502によれば、各ラミネートセル56aのバッテリ端子を安定的に固定することができる。そして、上側スポンジラバー501と下側スポンジラバー502との間に配設される中央スポンジラバー(第2スポンジラバー)503は、前記したようなポッティング剤の低減等に貢献するだけでなく、各バッテリセル(ラミネートセル)に設けられた防爆弁から排出されるガスの通り道としての機能を有する。その詳細は後述する。
なお、スポンジラバー501,502,503には、断熱性にも優れた素材が用いられる。これにより、アルミ基板50cがバッテリ56の熱の影響を受けないようにしつつ、アルミ基板50cとバッテリ56との間隔を狭めて、センサ配線の短縮および設置スペースを低減することができる。
各バッテリセル(ラミネートセル)56aの車体上下方向の端面には、収納空間35の内壁面に形成されたガイド溝44と係合するフィン56dが形成されている。バッテリセル(ラミネートセル)56aを収納空間35に挿入する際には、このフィン56dがガイド溝44に係合することで、バッテリセル(ラミネートセル)56aの積層方向の間隔が規定されることとなる。
図15は、バッテリ56の防爆弁506から排出されたガス507の流れを示すスイングアーム30の上面図である。また、図16は、図15と同様のガス507の流れを示すバッテリ56の正面図である。前記と同一符号は、同一または同等部分を示す。
前記したように、各バッテリセル(ラミネートセル)56aの車体左側端部で、マイナス側端子とプラス側端子との間の位置には、その内部圧力が所定値を超えないようにするための防爆弁506が設けられている。この防爆弁506は、内部圧力が所定値を超えると自動的に開いてガスが抜けるように、ラミネートシートの封止部分に形成されるものである。中央スポンジラバー503は、ポッティング剤の低減に貢献すると共に、この防爆弁506から排出されたガス507をスイングアーム30の外部へ排出する通り道として機能する。スポンジラバー506を通過したガス507は、車体前方側に導かれて、幅広ケース部38に形成された貫通孔38aから外部へ放出される。これにより、スイングアーム30の内部圧力が高くなりすぎることが防止される。
また、本実施形態では、バッテリ56の車体前方側の面と、収納空間35の車体前方側の内壁面との間に、第3スポンジラバー504が配設されている(図15)。すなわち、図17に示すように、収納空間35の車体前方側の内壁面との間(+極側)に、3個の方形状の第3スポンジラバー504が配設され、収納空間35の車体後方側の内壁面との間(−極側)に、方形状のゴムシート550が配設されている。図17中、図5と同じ構成には同一の符合を付している。
各第3スポンジラバー504は、圧縮された状態で組み付けられて、バッテリ56の車体前方側の面を車体後方側に押しつける付勢力を生じる。これにより、第3スポンジラバー504の分だけポッティング剤の使用量が低減できるのみならず、各バッテリセル(ラミネートセル)56aのフィン56dがガイド溝44の側壁面に押し当てられることで、バッテリセル(ラミネートセル)56aが安定的に固定されると共に、バッテリセル(ラミネートセル)56aの生じる熱が収納空間35の内壁面に伝達されやすくなり、バッテリ56の放熱性が高められることとなる。
上記したように、本発明に係る電動二輪車のバッテリモジュール保持構造によれば、スイングアームに形成された収納空間に収納されるバッテリの一側面と、該バッテリに近接配置される制御基板との間にスポンジラバーを配置したうえで、制御基板およびバッテリの周囲にポッティング剤を流し込んでバッテリを固定するようにしたので、スポンジラバーの体積分だけポッティング剤を低減してスイングアームの軽量化を図りつつ、バッテリの固定および制御基板のポッティング処理を行うことができる。
なお、電動二輪車、スイングアーム、基板、バッテリ、スポンジラバーの形状や構造等は、上記実施形態に限られず、種々の変更が可能である。本発明に係るバッテリモジュール保持構造は、電動二輪車に限られず、鞍乗型の三/四輪車等の各種電動車両等に適用することが可能である。
1…電動二輪車、 2…車体フレーム、 8…操向ハンドル、 19…揺動軸、 30…スイングアーム、 32…車軸、 35…収納空間、 38…幅広ケース部、 38a…貫通孔、 39…アーム部、 40…湾曲部、 44…ガイド溝、 45…塞栓、 50…パワーモジュール(制御部)、 50a…制御基板、 50b…発熱素子基板、 50c…アルミ基板、 56…バッテリ(バッテリモジュール)、 56a…バッテリセル(ラミネートセル)、 56b…正電極、 56c…負電極、 56d…フィン、 57…スイングアームカバー、 59…ポッティング剤(流動性樹脂剤)、 500…板状端子(バッテリ端子)、 501,502…スポンジラバー(発砲体)、 503…第2スポンジラバー、 504…第3スポンジラバー、 506…防爆弁、 507…ガス、 600…プラス側全体端子(出力線接続部)、 601…マイナス側全体端子(出力線接続部)、 602…センサ配線、 603…セル接続部、 604…出力配線、 M…電動モータ、 WR…後輪。

Claims (7)

  1. 電動車両の駆動輪(WR)を駆動する電動モータ(M)へ電力を供給する電動車両用バッテリにおいて、
    前記バッテリには、複数のバッテリセル(56a)の集合体で構成されるバッテリ(56)に対して接続される一つの基板(50c)を備え、
    前記各バッテリセル(56a)には、前記基板(50c)側に接続される正電極(56b)及び負電極(56c)を有し、
    前記基板(50c)には、前記各セルの電極に対応して各セル情報を収集するための複数のセル接続部(603)を前記バッテリセルの個数に関係なく予め複数設けており、
    前記セル接続部(603)により、前記各バッテリセル(56a)の個数分のみ前記基板(50c)と前記各セルの各電極とをセンサ配線(602)にてそれぞれ接続して成り、
    前記バッテリは、長方形の薄板状の前記バッテリセル(56a)を積層することで全体が直方体をなしており、
    前記正電極(56b)及び負電極(56c)は、前記直方体をなすバッテリの6面のうち最も面積が小さくなる一側面に設けられており、
    前記基板(50c)は、前記バッテリの一側面と同等の形状とされると共に、前記一側面に対向して配置されており、
    前記セル接続部(603)は、前記基板(50c)上において、前記バッテリの一側面と対向しない側の表面の外縁寄りの位置に設けられており、
    前記センサ配線(602)は、前記基板(50c)の外縁の外側を通って、前記セル接続部(603)と前記各電極とを接続することを特徴とする電動車両用バッテリ。
  2. 前記基板(50c)には、各バッテリセル(56a)を直列に接続した場合の集合体端部となる正電極及び負電極からの出力配線(604)に接続する各出力線接続部(600,601)を設けた請求項1に記載の電動車両用バッテリ。
  3. 前記セル接続部(603)は、前記基板(50c)上において、対向する2辺の外縁寄りに設けられており、
    前記出力線接続部(600,601)は、前記バッテリの一側面と対向しない側の前記基板(50c)の表面において、前記2辺と隣り合う2辺の外縁寄りの位置に設けられている請求項2に記載の電動車両用バッテリ。
  4. 前記基板(50c)の近傍に、前記電動モータ(M)を制御する制御回路の構成部品、及び、前記バッテリセル(56a)を充電する充電回路の構成部品を配置した制御部(50a、50b)を設け、前記基板(50c)と制御部(50a、50b)を一体化したパワーモジュール(50)とした請求項1ないし3のいずれかに記載の電動車両用バッテリ。
  5. 前記パワーモジュール(50)は、主に前記電動モータ(M)を制御する制御基板(50a)と、主に前記バッテリセル(56a)の充電を行う充電回路を有する発熱素子基板(50b)と、前記基板(50c)とから成り、前記基板(50c)のセル接続部(603)を前記制御基板(50a)に接続した請求項に記載の電動車両用バッテリ。
  6. 前記バッテリセル(56a)は、セル毎にパッキングされたラミネートタイプである請求項1ないし5のいずれかに記載の電動車両用バッテリ。
  7. 前記バッテリセル(56a)の集合体と前記基板(50c)との間に発泡体(501)を介在させて、前記駆動輪(WR)を支持するスイングアーム(30)に設けた収納空間(35)に収納し、前記収納空間(35)に充填する流動性樹脂剤(59)にて前記バッテリセル(56a)と前記基板(50c)を含むパワーモジュールとを一体結合する請求項1ないし6のいずれかに記載の電動車両用バッテリ。
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