JP5622483B2 - 加工スケジューリングシステム - Google Patents
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Description
例えば、段取り替え時には、人による工具交換が必要となる。作業者が複数設備を担当する場合、加工機の段取り替えタイミングの重複が発生し、設備が待機状態になるため、生産ロスが発生する。
また、全部品の工具を設備に保管することは困難であり、ムダな工具入替作業に時間を要する。
特許文献1には、工具交換の発生数が少なくなるような作業順序を自動的に決定するようにしたものが記載されている。
しかしながら、特許文献1では、ツールチェンジャに装着可能な工具数量内でのスケジューリングに限定されており、ツールチェンジャに装着できない工具のスケジューリングについての記載はなかった。
このように、汎用機械加工における生産準備作業は、『加工スケジュールが作業者の勘と経験頼みとなり、生産準備時間が大きく変化する』ため、製造リードタイムが安定せず、その結果、客先要求納期遵守率の向上を阻害するという問題がある。
図1は、この発明の実施の形態1による加工スケジューリングシステムを示す構成図である。
図1において、段取り情報作成手段1は、加工指示オーダ(1〜複数のワークの加工を指示するためのオーダ)からなる生産計画5が入力されると、新たに生産するワークについて、外段取りと内段取りの基準時間である外段取り時間と内段取り時間を入力し、記憶装置に記憶されている段取り情報データベース2を更新する。
本発明では、機械加工設備による加工のための準備作業である段取り替え作業(機械加工設備のパレットにワークを取り付ける作業を含む。)を、外段取りと内段取りに区分している。ここで、内段取りは、機械加工設備を停止した状態での生産準備作業であり、外段取りは、機械加工設備が稼動中の生産準備作業である。
ここで、生産計画5には、加工指示オーダごとの生産するワークとその数が含まれ、さらに各ワークの加工時間と着手期日が含まれている。
なお、段取り情報作成手段1とスケジューラ3は、別のコンピュータにより形成されてもよく、また同一のコンピュータにより形成してもよい。
図2において、段取り情報データベース2では、ワークごとに外段取りと内段取りのそれぞれの基準時間が設定されている。
図3において、加工指示オーダごとにワークと加工時間と着手期日と生産個数が含まれている。
図5において、縦軸に加工指示オーダ、横軸に時間をとり、各加工指示オーダについて、外段取り、内段取り、加工の処理をそれぞれ表示している。
実施の形態1の加工スケジューリングシステムでは、生産計画5の加工指示オーダ情報を参照して、段取り情報作成手段1により、予め段取り情報データベース2を作成しておく。過去に生産したワークについては、すでに段取り情報データベース2に外段取りと内段取りの基準時間が格納されているので、新たに生産されるワークについてのみ、段取り情報作成手段1により、外段取りと内段取りの基準時間を入力し、段取り情報データベース2を更新する。
ここで、外段取りと内段取りの各基準時間は、基準時間を計算するためのパラメータを入力することにより、所定の計算式により計算され、登録されるようになっている。
まず、外段取りの基準時間について説明する。
ワークが初品(初めて受注したもの)の場合で、かつ(図面準備時間+読図時間*図面枚数<最大読図時間)の場合は、式(1)により、外段取りの基準時間を計算する。
段取り時間=図面準備時間+読図時間*図面枚数+特殊工具本数*特殊工具準備時間+敷板枚数*敷板準備時間+段取り基準準備時間 ・・・・・(1)
ここで、敷板とは、ワークを機械加工設備にセッティングするための補助具である。
段取り時間=最大読図時間+特殊工具本数*特殊工具準備時間+敷板枚数*敷板準備時間+外段取り基準準備時間 ・・・・・(2)
段取り時間=特殊工具本数*特殊工具準備時間+敷板枚数*敷板準備時間+外段取り基準準備時間 ・・・・・(3)
内段取りの基準時間は、初品・リピート品に関係なく、式(4)により計算する。
段取り時間=(標準工具本数*標準工具セット時間)+(特殊工具本数*特殊工具セット時間)+(治具数*治具セット時間)+(バイス数*バイスセット時間)+(原点数*原点出し時間)+ワーク取り付け時間 ・・・・・(4)
ワークの生産は、前のワークのための設備稼働中(加工処理中)に、外段取りを行い、ついで、設備が停止したときに内段取りを行ったのちに、設備により実際の加工を行うという順序により実施される。
スケジューラ3は、段取り情報データベース2を参照して、外段取り、内段取り、および機械加工設備の実際の加工処理を対象にスケジューリングし、表示装置に図5のように表示する。
図4のステップS1では、加工時間の大小に基づき、加工指示オーダ中のワークを区分する。たとえば、加工時間が2時間以上を「大」とし、加工時間が1時間以上2時間未満を「中」とし、加工時間が1時間未満を「小」とすれば、図3の例では、ワークCが「大」、ワークBが「中」、ワークAとワークDが「小」となる。
次いで、ステップS2で、加工時間の長い(例えば、加工時間が「大」)ワークを先にし、同じ加工時間が「大」)ワークでは着手期日の順番になるように、機械加工設備に割付ける。図3の例では、加工時間が「大」のワークCを先に割付ける。
次いで、ステップS3で、加工時間の長くないワークについて、着手期日の順番になるように、機械加工設備に割付ける。図3の例では、加工時間が「中」と「小」のワークを着手期日の順番であるワークD、ワークA、ワークBの順に割付ける。
図5では、ワークCが17時以降の作業になっている。これは、加工時間が1時間を越えるワークを17時以降に加工するというルールを設けたためであるが、このルールはとくに設けなくてもよい。
なお、スケジューラ3は、加工指示オーダ群を、週次サイクルで、日別にスケジューリングする。
また、スケジューラ3を、日次サイクルで、生産進捗や特急品等への対応を目的として微調整するのに用いることもできる。
また、スケジューラ3の出力は、図5のグラフ出力以外にも、各加工指示オーダについて、スケジューリング後の作業着手期日と作業完了期日の一覧表を出力するようにしてもよい。
また、機械加工設備を停止せずに作業できる外段取りと、設備を停止して作業する内段取りを分けることで、設備が稼働中でも外段取りが実施可能であり、効率のよい作業計画を作成することができる。
実施の形態2では、スケジューラ3に、昼作業と夜作業の区別を明確化することにより、夜間自動運転時間を最大化する機能を付加している。
この機能は、ある一定期間における加工指示オーダ群の加工時間と内外段取り基準時間から、昼作業(作業者作業を含む)と夜作業(自動加工メイン)の閾値を割出し、加工指示オーダ群を昼加工と夜加工に切り分けてスケジューリング可能とする。
閾値の算出方法は、計算対象の全加工指示オーダ内で、加工指示オーダ内のワーク1台目の外段取り基準時間の平均値+1σ(標準偏差)とする。
実施の形態3では、スケジューラ3に、所定期間の加工指示オーダ群を対象として、社内作業と外注作業に区分する機能を付加したものである。
この機能では、社内設備と外注設備を加工可能設備として登録し、ある一定期間における加工指示オーダ群を対象に、スケジューリングし、社内作業と外注作業に区分する。
また、社内作業と外注作業が能力不足の場合は、納期調整や外注能力拡大調整を実施する。
実施の形態4は、スケジューラ3に、工具交換タイミングの適正化を行う機能をもたせ、内段取り作業の省力化と設備停止時間の短縮を行うようにした。
図6は、この発明の実施の形態4による加工スケジューリングシステムのスケジューラに付加された機能の処理を示すフローチャートである。
実施の形態4の工具交換タイミングの決定方法は、図6のとおりである。
図6のステップS11では、各加工指示オーダで必要となる工具を抽出し、加工指示オーダ群全体の工具別使用累積数を算出する。次いで、ステップS12で、機械加工設備のツールチェンジャ内にセット可能な工具には上限があるので、ツールチェンジャ内の初期設定工具を工具使用累積数の昇順に並べ、順番に格納可能な範囲までツールチェンジャ内にセットし、これを初期状態とする。
次いで、ステップS13で、ツールチェンジャ内の初期状態に対し、加工指示オーダ別の工具交換必要回数を算出し、工具交換必要回数の昇順に加工指示オーダを並べ換える。
次いで、ステップS14で、初期状態のツールチェンジャ内にセットされた工具以外の同一工具を使用する加工指示オーダの投入順が前後するように微調整する。
実施の形態5は、1人の作業者が複数の機械加工設備を操作する場合についてのものである。
実施の形態5では、スケジューラ3に、作業者による段取り作業の設備間干渉を最小化する機能を付加している。
この機能は、1人の作業者が複数の機械加工設備を操作する場合に、複数設備に内・外段取り基準時間及び加工時間を割付け、作業者が多台持ち時の作業タイミングの干渉を抑制し、設備停止時間を短縮するようにスケジューリングする。
実施の形態6は、スケジューラ3に、空き時間ブロック管理の概念を適用し、スケジューリング時間を短縮する機能を付加したものである。
図7は、この発明の実施の形態6による加工スケジューリングシステムのスケジューラの空き時間ブロック管理を説明する図である。
図7において、作業者の空き時間ブロック11は、例えば9:00から17:00までで形成され、段取り作業が入るごとに、割当て領域111のように埋められていく。
機械加工設備の空き時間ブロック12は、例えば9:00から翌日の9:00までで形成され、段取り作業や加工処理が入るごとに割当て領域121のように埋められていく。
この方式により、加工スケジューリングシステムへの問合せ回数を最小化し、短時間でスケジューリングを完了させることができる。
2 段取り情報データベース
3 スケジューラ
4 スケジュール画面
5 生産計画
11 作業者の空き時間ブロック
12 機械加工設備の空き時間ブロック
Claims (6)
- 機械加工設備を用いてワークを加工するためのスケジューリングを行う加工スケジューリングシステムにおいて、
上記加工するワークについて、上記機械加工設備が稼働中の生産準備作業である外段取り作業の基準時間と、上記機械加工設備が停止中の生産準備作業である内段取り作業の基準時間とを格納した段取り情報データベース、
新たに加工するワークについて、上記外段取り作業及び内段取り作業の基準時間を計算し、上記段取り情報データベースを更新する段取り情報作成手段、
及び加工すべきワークとこのワークの加工台数とワーク別の加工時間とを含むように別途作成された生産計画と、上記段取り情報データベースとを参照して、加工される各ワークについて、上記外段取り作業の基準時間と上記内段取り作業の基準時間と上記機械加工設備による加工時間とに基づき、当該ワークの上記外段取り作業の基準時間と当該ワークの前に加工されるワークの上記加工時間とが重なるように、上記機械加工設備による加工のスケジューリングを行い、スケジュール画面として表示するスケジューラを備えたことを特徴とする加工スケジューリングシステム。 - 上記スケジューラは、上記ワークの外段取り作業の基準時間と上記機械加工設備による加工時間とを考慮して、夜間自動運転時間が長くなるように上記ワークをスケジューリングする機能を有することを特徴とする請求項1記載の加工スケジューリングシステム。
- 上記スケジューラは、上記スケジューリングにより上記ワークを、上記機械加工設備を使用する社内加工と、外注加工に区分する機能を有することを特徴とする請求項1記載の加工スケジューリングシステム。
- 上記スケジューラは、上記機械加工設備の工具交換を考慮したスケジューリングを行う機能を有することを特徴とする請求項1記載の加工スケジューリングシステム。
- 上記スケジューラは、一人の作業者が複数の機械加工設備を操作する場合の設備間干渉を少なくするようにスケジューリングする機能を有することを特徴とする請求項1記載の加工スケジューリングシステム。
- 上記スケジューラは、作業者及び上記機械加工設備について、空き時間ブロック管理を行うことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の加工スケジューリングシステム。
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