JP5619511B2 - 間接型熱風発生機 - Google Patents

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Description

本発明は、熱風発生機に関し、詳細には、被加熱対象である空気などの気体を高温の燃焼ガスと直接接触させることなく加熱する間接型熱風発生機に関する。
従来から、高品位メッキや塗装の乾燥用、或いは、薬品や食品の乾燥用の熱源として、熱風発生機が用いられている。中でも、空気などの被加熱気体を隔壁式の熱交換器を用いて間接的に加熱する間接型熱風発生機は、燃焼ガスと被加熱気体とが直接接触することがないので、クリーンな熱風が得られるという特徴を有しており、特許文献1〜4に見られるとおり、これまでにも種々の提案が為されている。
しかし、本発明者らが知る限り、これら従来の間接型熱風発生機は、単位質量の燃料中に存在する水及び燃焼中に生成する水の蒸発の潜熱を総発熱量から減算した真発熱量基準で、通常、熱効率が60〜80%程度と比較的低く、熱効率の良いものでも、90%程度にとどまっている。熱風発生機は、気体燃料や液体燃料を燃焼させて、その燃焼熱によって被加熱対象である空気などの気体を加熱するものであるので、熱効率が低いということはエネルギー資源の有効利用という観点からは好ましくない。
一方、熱効率を高めために、熱風発生機に内蔵される熱交換器の熱交換面積を大きくすることも考えられるが、装置が複雑で大型化してしまい、実用上、支障をきたす上に、期待するほどの熱効率の改善効果も認められないというのが現状である。
特開平7−19602号公報 特開平10−111087号公報 特開2001−4272号公報 特開2002−372308号公報
本発明は、従来の間接型熱風発生機における上記の問題点を解決するために為されたもので、熱効率が高く、かつ、小型化に適した間接型熱風発生機を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究と試行錯誤を重ねた。その結果、熱交換器の隔壁として複数本の管を用い、それらを互いに比較的狭い間隙を隔てて千鳥状に配置し、管内には高温の燃焼ガスを通すとともに、管外には、管と直交する方向から空気などの被加熱気体を流すと、千鳥状に配置された管と管との間の比較的狭い間隙を通過する際に被加熱気体の流速が増し、間隙を抜けたところで周囲の被加熱気体を伴流して激しい渦流が発生し、あたかも大風量で被加熱気体を通過させた場合のように、管表面から被加熱気体へと急速に熱が伝達されることを見出した。併せて、管の長さをL、内径をDとして、L/D≧200となるように管の形状、大きさを選択すると、管内を通過する間に燃焼ガスの温度が露点以下にまで下がり、燃焼ガスに含まれる水蒸気が凝縮して水に変わることで、燃焼ガスに含まれる水蒸気が持っていた潜熱をも凝縮熱として有効に被加熱気体に伝達させることができ、真発熱量基準で100%を超える極めて高い熱効率が得られることを見出した。
すなわち、本発明は、一方に被加熱気体の入口と燃焼ガスの排出口を備え、他方に被加熱気体の出口と燃焼ガスの供給源を備えたハウジングと;前記ハウジング内に水平方向に並べて配置された、互いに平行な複数本の管とを有し;前記複数本の管は、交互に高さが変わる千鳥状に配置され、それぞれの管の一方端が前記燃焼ガスの供給源に接続されるとともに、他方端が前記燃焼ガスの排出口に接続され、前記一方端と前記他方端の途中に方向を反転する折り返し部を有しており、千鳥状に隣接する管と管との間隙Wが、前記折り返し部を挟んで上側と下側との間で最も近い管と管との間隙Vよりも短く、かつ、前記複数本の管のそれぞれの長さをL、内径をDとしたとき、L/D≧200である間接型熱風発生機を提供することによって、上記の課題を解決するものである。
前記千鳥状に隣接する管と管の中心間の垂直方向距離Ivは、前記管の外径H以下であることが望ましい。前記垂直方向距離Ivが管の外径H以下である場合には、千鳥状に隣接する管と管との間隙が適度な大きさとなり、間隙を通過する際に被加熱気体の流速が増し、管表面から被加熱気体への熱の伝達が効率良く行われる。また、前記複数本の管は、一方端と他方端の間に、前記折り返し部を少なくとも3箇所有しているのが望ましい。少なくとも3箇所以上の折り返し部を設けることによって、L/D≧200という内径に比して長さが長い管であっても、コンパクトに折り曲げて、ハウジング内に配置することができるので、本発明の間接型熱風発生機をコンパクトで小型なものとすることができる。
本発明の間接型熱風発生機における燃焼ガスの供給源としては、上記複数本の管内に高温の燃焼ガスを供給することができる限りどのようなものであっても良いが、汎用されており、かつ、小型化に適しているという観点からは、ハウジング内に設けられた燃焼室と、燃焼室内に先端部が開口したバーナを燃焼ガスの供給源とするのが好ましい。バーナとしては、液体燃料を燃焼させる油バーナであっても、気体燃料を燃焼させるガスバーナであっても、微粉炭を燃焼させる微粉炭バーナであっても良いが、ガスバーナが燃料の取り扱いが容易であるので好ましい。
また、バーナによって発生した燃焼ガスは、燃焼室の先端側から前記複数本の管内に導くようにしても良いが、燃焼室のバーナ側の根元近傍から前記複数本の管内に導くようにするのが良い。燃焼ガスを燃焼室の根元近傍から前記複数本の管内に導く場合には、高温の燃焼ガスが燃焼室内を一巡し、燃焼室全体の温度が高まるので、その周囲を通過して出口へと進む被加熱気体の温度をより均一に高めることができるという利点が得られる。
本発明の間接型熱風発生機によれば、真発熱量基準で100%を超える高い熱効率で被加熱気体を加熱することができるので、大幅な省エネルギーを実現することができるという優れた利点が得られる。また、本発明の間接型熱風発生機は、比較的簡単な構造で、容易に製造することができるとともに、熱交換器の隔壁として複数本の管を用いているので、一般的に使用されるプレート式の熱交換器に比して熱ストレスに強く、丈夫であり、コンパクトに小型化し易いという利点を備えている。
本発明の間接型熱風発生機の一例を示す正面部分断面図である。 管の正面図である。 図1のX−X’断面図である。 入口側接続部と管との接続関係を表す斜視図である。 管の垂直断面状態での配置関係を示す図である。 管と管との間隙を通過する被加熱気体の流れを示す模式図である。 本発明の間接型熱風発生機の他の一例を示す正面部分断面図である。
以下、本発明を詳細に説明するが、本発明が図示のものに限られないことは勿論である。
図1は、本発明の間接型熱風発生機の一例を示す正面部分断面図である。図1において、1は本発明の間接型熱風発生機であり、2はハウジング、3は基台、4は、ハウジング2の下部に設けられた被加熱気体入口、5は、ハウジング2の上部に設けられた被加熱気体出口、6は、被加熱気体入口4からハウジング2内に被加熱気体を送り込むファン、7は被加熱気体を平均に流すためのメッシュ状に開口を有する整流板である。なお、被加熱気体としては、一般に空気が用いられるが、被加熱気体は空気に限られず、例えば窒素ガスなどの不活性ガスであっても良い。
8はガスバーナ、9は燃焼室であり、ガスバーナ8と燃焼室9とで燃焼ガスの供給源を構成している。図に示すとおり、ガスバーナ8の先端は燃焼室9内に開口しており、燃焼室9は先端が閉止された有底の円筒状形である。10は、燃焼室9のバーナ側の根元近傍に設けられた入口側接続部、11はハウジング2の下部に設けられた出口側接続部、12はハウジング2の下部に設けられた燃焼ガス排出口である。13は、出口側接続部11に設けられている水抜き用の排水口であり、燃焼ガス中の水蒸気が熱交換により潜熱を奪われ凝縮した水を外部に排出するためのものである。
P、Pは熱交換器の隔壁として機能する中空の管であり、水平方向に並べて、互いに平行で、かつ、交互に高さが変わる千鳥状に配置されており、それぞれの一方端である上端は入口側接続部10に、他方端である下端は出口側接続部11に接続されている。図1には管Pは2本しか示されていないが、後述するとおり、本例の間接型熱風発生機1には13本の管Pが備えられている。管Pの断面は円形であるのが好ましく、13本の管Pは、いずれも同形、同大、同長であるのが好ましい。
図に示すとおり、管Pは、水平な直線部mと、比較的小さな曲率半径で曲げられている折り返し部rとを有しており、直線的に水平に進行した後、折り返し部rにおいて、その方向を180度反転することを繰り返し、蛇行しながら、入口側接続部10と出口側接続部11との間を接続し、コンパクトに折り畳まれた状態でハウジング2内に収容されている。このように、本発明の間接型熱風発生機1においては、各管Pは、それ自身が折り返し部rを有しており、管P内を流れる燃焼ガスは、折り返されている管Pの形状のままに、折り返し部rでその流れの方向を反転し、ハウジング2内の限られた空間内を蛇行しながら出口側接続部11へと流れていくので、ヘッダ(集合管)を必要とせず、極めて簡単な構造とすることが可能である。
なお、本例においては、管Pの上端と下端の途中に設けられている折り返し部rの数は6箇所であるが、折り返し部rの数は6箇所に限られず、7箇所以上であっても、5箇所以下であっても良い。ただし、ハウジング2内の流路抵抗を適度なものとし、かつ、後述するとおり、管Pの長さをL、内径をDとして、L/D≧200という比較的長い管Pをコンパクトにハウジング2内に収容するという観点からは、折り返し部rは少なくとも3箇所以上設けることが望ましい。sは、複数本の管Pの間隙を一定に保つスペーサである。
ガスバーナ8が点火されると、炎を伴う高温の燃焼ガスがガスバーナ8の先端開口部から燃焼室9内に噴出し、燃焼室9の閉止された先端部にぶつかって向きを変え、燃焼室9の根元側近傍に開口している入口側接続部10に流入し、管P内へと導かれる。管P内を通過して熱が奪われ温度が低下した燃焼ガスは、出口側接続部11を通過し、燃焼ガス排出口12から外部へと排出される。一方、ファン6によって、被加熱気体入口4からハウジング2内に送り込まれる被加熱気体は、整流板7によって風量が水平面内で平均化された後、管P、Pの間隙を通過し、管P、Pの表面から熱を奪って加熱される。続いて、被加熱気体は、ハウジング2の上部に配置されている燃焼室9の周囲を通過して、さらに加熱され、熱風となって被加熱気体出口5から適宜の箇所へと導かれ、種々の用途に利用される。
本発明の間接型熱風発生機1は、上記のとおり、燃焼ガスの供給源であるガスバーナ8と燃焼室9とがハウジング2の一方である上部に位置し、被加熱気体入口4がハウジング2の他方である下部に位置しており、燃焼ガスは、管P内を、ハウジング2の上方から下方に向かって流れる。一方、空気などの被加熱気体はハウジング2内を下方から上方に向かって流れて相互に熱交換を行うので、全体として見れば対向流型の熱交換器である。そのため、管Pの周囲を流れる被加熱気体の温度は、管Pの上端から下端に向かうに連れて次第に低くなり、出口側接続部11に近い部分では、被加熱気体入口4からハウジング2内送り込まれたばかりのほぼ室温に近い被加熱気体が管Pの周囲を流れ、管Pから熱を奪うことになる。特に、本発明の間接型熱風発生機1においては、後述するとおり、被加熱気体は管Pの表面から急速に熱を奪うので、管Pの出口側接続部11に近い部分では、管P内を流れる燃焼ガスの温度は露点以下となり、含まれている水蒸気が凝縮し、その凝縮熱を被加熱気体に伝達することが可能となる。水蒸気が凝縮して生成した水は、排出口13から外部へと排出される。
なお、本例の間接型熱風発生機1においては、被加熱気体出口5と、燃焼ガスの供給源であるガスバーナ8及び燃焼室9とが、ハウジング2の上部に位置し、被加熱気体入口4と、燃焼ガス排出口12とが、ハウジング2の下部に位置しているが、全体として対向流型の熱交換器が構成される限り、この位置関係は逆であっても良い。すなわち、例えば、被加熱気体入口4と、燃焼ガス排出口12とを、ハウジング2の一方である上部に配置し、被加熱気体出口5と、燃焼ガスの供給源であるガスバーナ8及び燃焼室9とを、ハウジング2の他方である下部に配置しても良い。
図2は、管Pだけを取り出して示した正面図であり、右下に、管Pの右側面図を拡大した図を併せて示してある。図に示すとおり、管Pは、水平な直線部mと、折り返し部rとを有しており、折り返し部rにおいて比較的小さな曲率半径で180度、垂直方向に曲げられているので、管Pは垂直平面内で蛇行してコンパクトに折り畳まれた形状をしている。なお、直線部mは、必ずしも水平である必要はなく、水平から若干傾斜していても良く、また、折り返し部rにおける折り曲げの角度は、180度よりも若干大きくても良い。
Ptは管Pの上端、Pbは管Pの下端であり、それぞれにおけるzは、入口側接続部10及び出口側接続部11と接続される際に、入口側接続部10内、及び出口側接続部11内に差し込まれる部分である。したがって、管Pにおいて、熱交換器の隔壁として機能する部分は、管Pの両端から、それぞれzの部分を除いた部分であり、本明細書において、管Pの長さLとは、この管Pにおいて熱交換器の隔壁として機能する部分の長さを指すものとする。また、Dは管Pの内径、Hは管Pの外径である。
本発明の間接型熱風発生機においては、LとDの比、すなわち、L/Dは200以上であるのが好ましく、より好ましくは300以上である。L/Dが200未満である場合には、ファン6の送風量や、ハウジング2内の流路抵抗にも依るが、通常、真発熱量基準で100%を超える熱効率を達成することが困難である。本発明の間接型熱風発生機においては、管Pの長さLは、その内径Dに比べて比較的長いけれども、上述したとおり、小さな曲率半径の折り返し部rを少なくとも3箇所以上有しているので、管Pをコンパクトな形状に折り畳んだ状態で、ハウジング2内に収容することが可能であり、間接型熱風発生機を小型化し易いという利点を有している。
図3は、図1のX−X’断面図であり、図1におけると同じ部材には同じ符号を付してある。図2に示すとおり、複数本の管Pは、ハウジング2内に水平方向に並べて、交互に高さが変わる千鳥状に配置されている。また、図2でも説明したとおり、それぞれの管Pにおける直線部mと折り返し部rとは、同じ垂直面内にあり、各管Pはそれぞれ互いに平行である。本例においては、隣接する管Pと管Pとは、折り返し部rにおいて互いに接しているか、ほぼ接した状態にあり、極めて稠密な配置となっている。なお、本例においては、ハウジング2内に配置されている管Pは13本であるが、高い熱効率で被加熱気体を加熱することができる限り、管Pの数には特段の制限はなく、間接型熱風発生機1に求められる熱交換能力に応じて、適宜の本数とすれば良い。ただし、本発明の間接型熱風発生機においては、被加熱空気は、互いに隣接する管Pの間隙を通過することによって流速を増してより広い空間内に噴出することが重要であるので、管Pは少なくとも3本以上は必要であり、好ましくは5本以上配置するのが良い。
図4は入口側接続部10と管Pとの接続関係を表す斜視図である。図に示すとおり、入口側接続部10には、管Pの上端を挿入する接続口10hが管Pの数だけ形成されている。なお、図面は省略するが、出口側接続部11にも、入口側接続部10と同様に、管Pの下端を挿入する接続口11hが管Pの数だけ形成されている。
本発明の間接型熱風発生機1を組み立てるに際しては、図4に示すとおり、所要本数の管Pの一方端を、入口側接続部10の接続口10hにそれぞれ挿入して固定するとともに、他方端を、出口側接続部11の接続口11hにそれぞれ挿入して固定するだけで良い。複数本の管Pの千鳥状の配置と相互の間隔は、入口側接続部10の接続口10h及び出口側接続部11の接続口11hの配置と相互の間隔で決まり、構造が簡単である上に、極めて容易に組み立てることができる。さらには、熱交換器の隔壁として複数本の管を用いているので、例えばプレート式の熱交換器に比べて、熱ストレスに強く、頑丈で、製造コストも比較的安価に抑えることができるという利点が得られる。なお、必要であれば、各管P間の間隔を固定するスペーサを適宜の位置に配置すれば良い。
図5は、本発明の間接型熱風発生機1における、管Pの垂直断面状態での配置関係を示す図である。図中、Cは管Pの中心、Hは管Pの外径、Dは内径であり、「上側」は折り返し部rの上側であることを、「下側」は折り返し部rの下側であることを示している。図に示すとおり、「上側」の管P、P、P・・・は交互に高さが変わる千鳥状に配置されており、本例の場合、隣接する管Pの中心C同士の垂直方向の距離Ivは管Pの外径Hの1/2と等しく、また、隣接する管Pの中心C同士の水平方向の距離Ihは管Pの外径Hよりも若干大きい。したがって、本例においては、隣接する管P同士は折り返し部rにおいて互いにほぼ接した状態にある。この配置関係は、折り返し部の下側にある管P、P、P・・・においても同様である。なお、距離Ivを外径Hと等しくして、隣接する管P同士が折り返し部rにおいて互いに接するようにしても良い。
Wは千鳥状に配置された隣接する管Pと管Pとの間の間隙を示し、Vは折り返し部rを挟んで上側と下側との間で最も近い管Pと管Pとの間隙を示している。図に示すとおり、本発明の間接型熱風発生機1においては、WがVよりも短いことが重要である。すなわち、千鳥状に配置された隣接する管Pと管Pとの間の間隙Wが、折り返し部rを挟んで上側と下側との間で最も近い管Pと管Pとの間隙Vよりも短いことによって、管P、P、P・・・の間を下から上へと流れる被加熱気体は、図6に模式的に示すとおり、千鳥状に配置された管P、P、P・・・間の比較的狭い間隙Wを抜けた後、折り返し部rを挟んで上側の管P、P、P・・・と下側の管P、P、P・・・との間の比較的広い空間へと噴出し、周囲の被加熱気体を伴流して激しい渦流を発生させ、あたかも大風量で被加熱気体を通過させた場合のように、管P、P、P・・・の表面から急速に熱を奪い取ることが可能となる。
WはVよりも短ければ良く、VとWの比、すなわち、V/Wに特段の制限はないが、V/Wは2.5〜30.0であるのが好ましく、より好ましくは5.0〜20.0である。V/Wが2.5未満であると、WとVの違いがそれほどではなく、間隙Wを通過する際の被加熱気体の流速の増加や、間隙Wを抜けた後の周囲の被加熱気を伴流する激しい渦流の発生が十分ではなく、好ましくない。また、V/Wが30.0を超えると、間接型熱風発生機の垂直方向の高さが必要以上に大きくなるので好ましくない。
なお、千鳥状に配置された隣接する管Pと管Pとの間の間隙Wは、図5に示す隣接する管Pの中心C同士の垂直方向の距離Ivを調節することで調整することができる。図5に示す例では、Ivは、管Pの外径Hの1/2、すなわち0.5Hとされているが、距離Ivは0.5Hに限られない。隣接する管Pと管Pとが千鳥状に配置され、且つ、千鳥状に配置された隣接する管Pと管Pとの間の間隙Wが、折り返し部rを挟んで上側と下側との間で最も近い管Pと管Pとの間隙Vよりも短く、好ましくはV/Wが2.5〜30.0の範囲、より好ましくはV/Wが5.0〜20.0の範囲となる限り、距離Ivに特段の制限はない。
また、千鳥状に配置された隣接する管Pと管Pとの間の間隙Wは、図5に示す隣接する管Pの中心C同士の水平方向の距離Ihを調節することで調整することができる。図5に示す例では、距離Ihは、管Pの外径Hよりも若干大きく、1.0H〜1.1Hの範囲、好ましくは1.01H〜1.02Hの範囲内にセットされているが、距離Ihは、前述した間隙Wが間隙Vよりも短く、好ましくはV/Wが2.5〜30.0の範囲、より好ましくはV/Wが5.0〜20.0の範囲となる限り、特段の制限はない。
以上のとおり、本発明の間接型熱風発生機1においては、被加熱気体の流れによって図6に示すような渦流が発生し、管Pの表面から急速に熱が奪われることに加えて、L/D≧200以上と、管Pの長さLが内径Dに比べて長いので、管P内を流れる燃焼ガスの温度は、出口側接続部11に近い場所では、露点以下となり、含まれている水蒸気が凝縮し、その凝縮熱を被加熱気体に伝達することが可能となる。W/Vの比や、ハウジング2内を通過させる被加熱気体の風量にも依るが、本発明者らが確認したところによれば、本発明の間接型熱風発生機においては、熱効率は、真発熱量基準で100%を超え、105〜108%程度の熱効率を実現することができる。
図7は、本発明の間接型熱風発生機1の他の一例を示す正面部分断面図である。これまでと同じ部材には同じ符号を付してある。本例の間接型熱風発生機1においては、図1に示した間接型熱風発生機1とは反対に、被加熱気体入口4と燃焼ガス排出口12とがハウジング2の一方である上部に配置され、被加熱気体出口5と燃焼ガス供給源であるガスバーナ8及び燃焼室9とがハウジング2の他方である下部に配置されている。また、その結果、管Pの上端が出口側接続部11と接続され、下端が入口側接続部10と接続されている。このように、本発明の間接型熱風発生機1においては、燃焼ガスと被加熱気体とが、全体として対向流を形成しつつ熱交換を行えば良く、被加熱気体入口4及び燃焼ガス排出口12と、被加熱気体出口5及び燃焼ガス供給源とは、それぞれ、ハウジング2の一方と他方に位置しておれば良く、どちらがハウジング2の上部又は下部に配置されていても良い。
以上説明したように、本発明の間接型熱風発生機によれば、簡単で、組立容易な構造で、小型コンパクトで熱効率の高い熱風発生機を提供することができる。本発明の間接型熱風発生機によれば、間接加熱でありながら、真発熱量基準で100%を超え、105〜108%もの高い熱効率が実現でき、クリーンな熱風を、極めて効率良く発生させることができる。また、燃料の燃焼熱を直接被加熱気体に伝達するよりも多くのエネルギーを利用できるので、その省エネルギー効果には多大なものがあり、大いなる産業上の利用可能性を有するものである。
1 間接型熱風発生機
2 ハウジング
3 基台
4 被加熱気体入口
5 被加熱気体出口
6 ファン
7 整流板
8 バーナ
9 燃焼室
10 入口側接続部
11 出口側接続部
12 燃焼ガス排出口
13 排水口
P 管
H 管の外径
D 管の内径
L 管の長さ
W、V 間隙

Claims (3)

  1. 一方に被加熱気体の入口と燃焼ガスの排出口を備え、他方に被加熱気体の出口と燃焼ガスの供給源を備えたハウジングと;前記ハウジング内に水平方向に並べて配置された、互いに平行な複数本の管とを有し;前記複数本の管は、交互に高さが変わる千鳥状に配置され、それぞれの管の一方端が前記燃焼ガスの供給源に接続されるとともに、他方端が前記燃焼ガスの排出口に接続され、前記一方端と前記他方端の途中に方向を反転する折り返し部を少なくとも3箇所有しており、千鳥状に隣接する管と管との間隙前記折り返し部を挟んで上側と下側との間で最も近い管と管との間隙としたとき、V/Wが5.0〜20.0であり、かつ、前記複数本の管のそれぞれの長さをL、内径をDとしたとき、L/D≧200である間接型熱風発生機。
  2. 前記燃焼ガスの供給源が、ハウジング内に設けられた燃焼室と、燃焼室内に先端部が開口したバーナである請求項記載の間接型熱風発生機。
  3. 一方が前記燃焼室のバーナ側の根元近傍に開口し、他方が前記複数本の管の前記一方端と接続されている入口側接続部によって、前記複数本の管の一方端が前記燃焼ガスの供給源と接続され;一方がハウジング外部に開口し、他方が前記複数本の管の前記他方端と接続されている出口側接続部によって、前記複数本の管の他方端が前記燃焼ガスの排出口と接続されている請求項記載の間接型熱風発生機。
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