JP5619509B2 - ステントデリバリーシステムおよびバルーンカテーテル - Google Patents

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Description

本発明は、ステントを血管、食道、気管、尿道、胆管等の脈管に挿入し管内を拡張し、体腔を維持するために使用されるステントデリバリーシステムに関するものである。
ステントは体内脈管に形成された狭窄部を拡張し、血管径を確保するために広く使用されている。ステントはデリバリーカテーテルと呼ばれるカテーテルに保持されて体内へ挿入され拡張される。
ステントには大きく分けて2つのタイプが存在する。一方は、ステント自体が形状記憶合金等によって形成された拡張能力を持つ自己拡張型ステント(self-expandable stent)である。もう一方は、圧力流体によって拡張されるバルーンによって、ステントを拡張するバルーン拡張型ステント(balloon-expandable stent)である。
このうち、バルーン拡張型ステントでは、ステントをバルーンカテーテルに取付けるために、ステントを折畳んでバルーンに締め付けている。
しかしながら、ステントを保持するには外側からのステントに対する締め付け力だけでは不十分であった。そのため、体内への挿入中にヘモスタックバルブやガイドカテーテルとの摩擦、蛇行する脈管内での摩擦により、血管等の脈管における屈曲部でステントが引っ掛かったり、摩擦抵抗によってステントが当初の配置位置からずれたり、ステントが脱落したりする可能性がある。適切な配置位置からステントがずれるとステントを均一に拡張することができなくなったり、体内でのステントの位置が把握できなくなったりするため、狭窄部を十分に拡張することはできない。さらに、ステントが脱落した場合、体内にステントが残存する可能性があり危険である。以下の先行技術文献には、そのようなステントの移動や脱落を防ぐ方法が開示されている。
特許文献1では、バルーンの表面に複数の突出部(突起物)を設けることによって、ステントをその突出部へ引っ掛けたり、その上にのせて埋め込ませたりすることによってステントの脱落を防ぐことが開示されている。しかしながら、この技術では、バルーン表面および内面への突起物の形成が困難であり、さらに複雑な形状を有するステントに対する突起物のひっかかりや埋め込みが不安定であることが懸念される。
特許文献2では、バルーン表面の円周方向にリッジを設けることによってステントをひっかけステントの移動を抑制している。この技術によってもバルーンの円周方向にリッジを設けて、バルーンをプリーツ状にしているため、クリンピングのプロファイル(ステントを折畳んで配置した後のステント外径)が大きくなる。クリンピングのプロファイルの増大はカテーテル先端部位のシャフト径を大きくし、柔軟性を低下する。
特許文献3では、カテーテルのバルーンとインナーチューブの間にステント固定装置を配置することでステントの移動を抑制している。しかしながら、この技術ではカテーテルを組み立てる際の工数が増加する。また、バルーン内の部材の種類が増えるため、柔軟性が低下する。
特許文献4では、バルーン内に存在するインナーチューブの外径が部位によって異なっている。前記インナーチューブの両末端に比べて、中央部の外径が大きくなっている。この中央部において前記バルーンが収縮状態において、前記インナーチューブの周囲に取り付けられており、その上にステントが縮径することでステントに支持力を付与している。インナーチューブが太いため、クリンピングのプロファイルが大きくなる。クリンピングのプロファイルの増大はカテーテル先端部位のシャフト径が大きくなるため、柔軟性が低下する。
これらの先行技術では、バルーンの表面に突起物による引っ掛かりや、バルーンとインナーチューブの間に存在する保持機構、インナーチューブの大径化によってステントをバルーンに固定している。このような方法を用いてステントを折畳んで配置した場合、ステントの移動を防止するための機構を含まない場合と比較すると、プロファイルが大きくなってしまう。プロファイルの増大によって柔軟性が低下するため、血管内への進入時に通過抵抗が大きくなりトラッカビリティ(Tracability)性能が悪くなるという問題や、ステントを取り付ける工程が複雑であったり、工数がかかったりする問題がある。
特表2002−539888号公報 特表2004−527285号公報 特表2002−513298号公報 特表2008−539957号公報
本発明が解決しようとする課題は、体腔内で標的部位に運搬中のステントに対して、ステント配置部位から軸方向に移動させる力が加わった際にステントがステント配置部位から脱落することが防止されるステントデリバリーシステムを提供することである。
上記課題を解決するために、本発明は以下の特徴を有する。
本発明は、1つ以上の突起を外側に有したインナーチューブを持ち、前記インナーチューブの外側のステント配置部位にステントが配置されたステントデリバリーシステムであって、前記ステントが運搬径まで縮径された際の前記ステント配置部位におけるステント軸方向に垂直な断面において、前記突起が屈曲していることを特徴とするステントデリバリーシステムに関する。
その上特に、かかる本発明は、前記ステント配置部位において、前記インナーチューブの外側に拡張可能なバルーンが配置され、該バルーン上で前記ステントが縮径されている前記ステントデリバリーシステムに関する。
また本発明は、前記突起がステント軸方向に延びた形状である前記ステントデリバリーシステムに関する。
また本発明は、前記突起が、突起の配置された範囲にわたり軸方向端部から端部まで連続した形状である前記ステントデリバリーシステムに関する。
また本発明は、前記突起が、突起の配置された範囲中の軸方向端部から端部の間で不連続に配置されている前記ステントデリバリーシステムに関する。
また本発明は、前記突起の屈曲していない状態における高さが、ステント配置部位に配置されたステントの運搬径へ縮径する前の内径の2分の1と、インナーチューブにおける前記突起の存在しない部位の外径の2分の1との差より大きい前記ステントデリバリーシステムに関する。
また本発明は、前記突起が、運搬径になる前のステントに挿入された時点で屈曲していないことを特徴とするステントデリバリーカテーテルに関する。
また本発明は、前記突起が、運搬径になる前のステントに挿入された時点で屈曲していることを特徴とするステントデリバリーカテーテルに関する。
また本発明は、軸方向に延びた1つ以上の突起を外側に有したインナーチューブを持つバルーンカテーテルであって、前記インナーチューブの外側にバルーンを有し、前記突起に沿って前記バルーンが少なくとも突起と同数以上の羽根形状を形成し、インナーチューブの突起がバルーンの羽根とともにバルーンカテーテルの軸に巻きついていることを特徴とするバルーンカテーテルに関する。
また本発明は、前記バルーンカテーテルの前記バルーン上にステントが配置され、前記ステントが運搬まで縮径されていることを特徴とするバルーンカテーテルに関する。
また本発明は、前記インナーチューブが径方向に異なる素材からなる多層構造であって、内層よりも外層の素材の方が高い柔軟性を有する部材で構成されていることを特徴とするステントデリバリーカテーテルに関する。
本発明のその他の特徴およびそれらの利点は、以下の実施形態および図面によって明らかにされる。
本発明によれば、ステントの内側で屈曲しているインナーチューブの突起が屈曲を緩和しようとする復元力によって、ステントの内側からステントに支持力を付与する結果、前記ステントがステント配置位置から移動するのを防ぎ、またカテーテルを製造する際もインナーチューブに突起が存在するだけなので、複雑な製造工程を追加する必要がなく簡単に作製できる。
本発明のステントデリバリーシステムの全体図である。(a)は、拡張可能なバルーンを有するOTW型ステントデリバリーカテーテルである。(b)は、拡張可能なバルーンを有するRX型ステントデリバリーカテーテルである。 バルーン上のステント配置部位にステントが配置され、ステントが運搬径にあるステント配置部位の拡大図である。 図2のステント配置部位におけるA−A’断面図である。(a)は、バルーンの羽根が突起の間に存在しているA−A’の断面図の一例である。(b)は、バルーンの羽根が突起の間に不規則に存在しているA−A’の断面図の一例である。 図2において、ステントが拡張した状態にあるステント配置部位の拡大図である。 図4のステント配置部位におけるBーB’断面図である。(a)、(b)は、共に異なる例のBーB’の断面図である。 インナーチューブの突起に沿ってバルーンが羽根形状を形成した際の、バルーン軸に垂直な断面の断面図である。 図6のバルーン羽根形状がカテーテルの軸に巻きつけられた際のバルーン軸に垂直な断面の断面図である。 バルーン上にステントが運搬径まで縮径された状態のバルーン軸に垂直な断面の断面図の一例である。
以下に本発明に係るステントデリバリーシステムの実施形態について図を参照しながら説明する。
本発明は、1つ以上の突起を外側に有したインナーチューブを持ち、前記インナーチューブの外側のステント配置部位にステントが配置されたステントデリバリーシステムであって、前記ステントが運搬径まで縮径された際の前記ステント配置部位におけるステント軸方向に垂直な断面において、前記突起が屈曲していることを特徴としている。これによれば、ステントの内側で屈曲しているインナーチューブの突起が屈曲を緩和しようとする復元力によって、ステントの内側からステントに支持力を付与する結果、前記ステントがステント配置位置から移動するのを防ぐことが可能となる。
尚、本発明のステントデリバリーシステムは、図1の(a)に示した様にオーバー・ザ・ワイヤー型(OTW型)カテーテル、(b)に示した様に高速交換型(RX型)カテーテルのいずれの構造のカテーテルを用いても構成することができる。使用するカテーテルは、バルーンを有し、バルーンに圧力流体を流すためのチューブまたはルーメンを備え、インナーチューブの内側にガイドワイヤを通すためのチューブまたはルーメンを備えていることが好ましい。
以下ではステントデリバリーカテーテルの構造についてアウターチューブとインナーチューブが同軸上にあるコアキシャル型の高速交換型の場合を例示して、本発明の実施形態(同カテーテルに備えられるバルーン等)を詳細に説明する。
1.バルーンの全体構成
本発明のステントデリバリーシステムで使用するカテーテルはバルーンを有していることが好ましいが、このバルーンには、各種タイプを使用することができる。例えば円柱状の直管部とその両端に円錐状のテーパー部、円柱状のスリーブ部を有するバルーン形状としてもよい。また、本発明のステントデリバリーシステムにおいては、図3や図8に示すように、バルーンを折畳んでステントを配置する場合、図2のように前記直管部上をステント配置部位として、ステントを運搬径まで縮径して構成することが好ましい。なお、前記直管部の長さは縮径するステント長より長いことが好ましい。尚、上記直管部、各テーパー部、および各スリーブ部のそれぞれは、例示として円柱形状、円錐形状である例を挙げたが、そのような形状に限らず、各種形状を採用してもよい。
2.バルーンの材質および形状例
本発明の医療用バルーンの材質としては、特に2軸延伸可能な材料であることが好ましく、例えばポリオレフィン、ポリオレフィンエラストマー、ポリエステル、ポリエステルエラストマー、ポリアミド、ポリアミドエラストマー、ポリウレタン、ポリウレタンエラストマーなどが使用でき、ステントを十分に拡張する耐圧強度を有し薄肉で柔軟性を実現する観点からは、ポリエステル、ポリエステルエラストマー、ポリアミド、ポリアミドエラストマーであることが好ましい。
3.バルーンの製造方法
パリソンと呼ばれるチューブを用いて、加熱した金型内で加圧するブロー成形によってバルーンを作製することが好ましい。バルーンの作製方法についてはこの方法だけではなく、型の外側に樹脂をディッピングすることによって作製する方法でもよい。バルーンの製造方法としては、ディッピング成形、ブロー成形等があり好適な方法を選択することが可能であるが、ステント拡張用のバルーンに必要な十分な耐圧強度を実現するためにはブロー成形が好ましい。例を挙げると、まず、押出成形等により任意寸法のチューブ状パリソンを成形する。該チューブ状パリソンを当該バルーン形状に一致する形状を有する金型内に配置し、2軸延伸工程により軸方向と径方向に延伸することにより、金型形状と同一形状のバルーンが成形可能である。軸方向の延伸は径方向の延伸と同時に若しくはその前後に行われても良く、バルーンの形状や寸法を安定化させるため、アニーリング処理を施してもよい。
4.インナーチューブにおける突起の形状、配置
本発明のステントデリバリーシステムは、1つ以上の突起を外側に有するインナーチューブの外側にステント配置部位を有しており、そのステント軸(或いはバルーン軸)に対して垂直な断面は、例えば図3のように前記インナーチューブの突起が屈曲していることが望ましい。前記突起の屈曲していない状態における高さは運搬径に縮径する前のステントの内径の2分の1と突起を有するインナーチューブの非突起部位の外径の2分の1の差より大きいことが、ステント縮径前からインナーの突起を屈曲させる点で好ましい(例えば、ステント縮径時に突起の屈曲を制御し易い。)。また、前記突起の厚みは前記突起の高さの半分以下であることがインナーチューブ突起の屈曲を容易にする点から好ましい。ここでいう前記突起の高さとは、前記突起を有するインナーチューブの突起の存在しない部位の外表面から、突起の最上部までの長さである。また、前記突起の厚みとはステント軸(或いは、バルーン軸)に対し垂直な断面内における突起の幅を意味する。
尚、突起を有するインナーチューブを軸方向に垂直な方向で切断した断面をマイクロハイスコープで観察した際に、観察される突起の形状はどのような形でもよい。また、突起の形状は、屈曲可能であれば各種形状とすることができるが(例えば帯状、ピン状、リング状など)、インナーチューブの外側にバルーンを有している場合など、バルーンが折り畳まれる際に同時に屈曲させることが容易な点で、バルーン軸方向(或いは、ステント軸方向)に延びた形状であることが好ましい。また、突起の配置された範囲にわたり、軸方向端部から端部まで連続した形状であることが、軸方向の剛性を一定に保ち易い点、更に製造が容易な点で好ましい。或いは、インナーチューブの柔軟性を維持し易い点から、突起の配置された範囲にわたって、軸方向端部から端部の間で不連続に配置されていることも好ましい。突起の数はバルーンが存在する場合は、バルーンの羽根の数と同数であることが好ましい。突起は図3の(a)の様に規則正しく配置されてもよいし、図3の(b)の様に不規則に配置されていてもよい。また、図5の(a)の様にステントが運搬径でないときは突起が屈曲していなくてもよいし、図5の(b)の様に屈曲していてもよい(例えば、運搬径に向けてステントを縮径する際に突起の屈曲を制御し易い。)。また、バルーン内部に前記突起を有するインナーチューブが存在する場合は、図3の(a)のようにバルーンの羽根が前記突起間に存在してもよいし、図3の(b)の様に前記突起と無関係に前記バルーンの羽根が存在してもよい。もしくは、図6の様に前記突起にそって、前記バルーンの羽根が形成され、これを図7のようにカテーテルの軸に巻きつけてもよい。尚、図8は図7に対し更にステントを配置(クリンピング)したものであるが、特に前記バルーンの羽根内部に前記インナーチューブが存在し、前記バルーン上にステントが縮径された状態となっている。
一方、ステント軸方向に垂直な断面におい、突起が屈曲している構造としては、特に該断面内で屈曲しているもの、該断面に対し垂直方向に屈曲しているもの、或いはその間で斜めに屈曲しているものなど各種方向に屈曲した構造が含まれ、利用可能である。但し、例えばインナーチューブの外側にバルーンを有している場合など、バルーンが折り畳まれる際に同時に屈曲させることが容易な点で、断面内で屈曲している構造が好ましい。
5.突起付インナーチューブ、外管、マニホールド、ハブのそれぞれの材質
突起を有するインナーチューブ2を構成する材料として、ポリオレフィン、ポリオレフィンエラストマー、ポリエステル、ポリエステルエラストマー、ポリアミド、ポリアミドエラストマー、ポリウレタン、ポリウレタンエラストマー等が使用可能であるが、通常、突起を有するインナーチューブの内面によりガイドワイヤルーメンが画定されるため、ガイドワイヤの摺動性を考慮するとポリエチレン、中でも高密度ポリエチレンであることが好ましい。また、突起を有するインナーチューブを多層構造として、ガイドワイヤの摺動性確保のため最内層を高密度ポリエチレン、最外層をバルーンと接着或いは融着可能な材料とするか、また突起部位の材質を内層よりも柔軟性の高い材質で形成することも可能である。さらに、ガイドワイヤの摺動性をより高めるため、突起付インナーチューブの内面にシリコーンやポリテトラフルオロエチレン等の潤滑性コーティングを施すことも可能である。
例えば、インナーチューブを内管とし、内管と外管からなる同軸の2重管を備えるコアキシャル構造を採る場合、外管の材質は特に限定はされないが、例えばポリオレフィン、ポリオレフィンエラストマー、ポリエステル、ポリエステルエラストマー、ポリアミド、ポリアミドエラストマー、ポリウレタン、ポリウレタンエラストマー等が使用可能である。また、操作性を向上させるためにさらに大きな剛性が必要な場合、例えば外管の近位端側に金属チューブを接続してもよい。金属チューブは、ステンレスまたはその他金属から構成されてもよく、その外側に抗血栓性のコーティングがされていてもよい。
マニホールド、ハブを構成する材質としては、例えばポリカーボネート、ポリアミド、ポリウレタン、ポリサルホン、ポリアリレート、スチレン−ブタジエンコポリマー、ポリオレフィン等が好適に使用できる。
6.バルーン、外管、突起を有するインナーチューブのそれぞれの接合方法
バルーンと外管及び突起付インナーチューブとの接合方法は特に限定されず、各種方法、例えば接着剤による接着、融着等が使用可能である。また、使用される接着剤の組成及び化学構造、硬化形式は限定されない。組成及び化学構造の点からは、ウレタン型、シリコーン型、エポキシ型、シアノアクリレート型等の接着剤が利用可能であり、硬化形式の点からは、2液混合型、UV硬化型、吸水硬化型、加熱硬化型、放射線硬化型等の接着剤が使用可能である。しかしながら、接着剤を用いる場合、バルーンの後端側スリーブ部と外管、バルーン先端側スリーブ部と突起を有するインナーチューブのそれぞれの接合部において、接合部の剛性が該接合部の前後で不連続に変化することとならない程度の硬化後の硬度を有する接着剤を使用することが好ましく、バルーン、外管、突起を有するインナーチューブの剛性を考慮して選択することが望ましい。
尚、バルーンと突起を有するインナーチューブは、その突起部がバルーン内に配置される様に組み合わされて接合されることが望ましい。また、突起を有するインナーチューブを外管に挿入する際に突起が倒れた状態で挿入してもよい。
7.親水性コーティング
本発明のステントデリバリーシステムで使用するカテーテルの外面には、血管内或いはガイドカテーテル内への挿入を容易にする為に親水性のコーティングを実施してもよい。カテーテルの血液と接触するシャフトの少なくとも一部に血液と接触した際に潤滑性を呈する親水性のコーティングを施すことが好ましい。親水性のコーティングの種類は本発明の効果を制限するものではなく、ポリエチレングリコール、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン等の親水性ポリマーが好適に使用でき、コーティング方法も限定されない。
尚、バルーンの表面に親水性コーティングが存在する場合、ステントの脱落を容易にすることから、バルーン表面には親水性コーティングを実施しない、またはバルーン上のみ取り除く、親水性コーティングのさらに上から摩擦抵抗を上げるためにウレタンや、ゴム等の摩擦係数の大きい層を設けることも可能である。
8.ステント
本発明のステントデリバリーシステムで使用するステント(例えば体腔開在用ステント)は、バルーン拡張型ステントであることが好ましい。尚、材質は特に限定されないが、例えばSUS316L等のステンレスやコバルトクロム合金などが使用できる。また、ステントのデザイン等も何ら限定されるものではない。
9.ステントの縮径
本発明のステントデリバリーシステムでは、そのステントが、インナーチューブの外側で運搬径まで縮径されて配置されている。また、ステントがバルーン上に配置され、特に何枚かに折畳まれたバルーン上に配置されていることが好ましい。更にカテーテル軸方向を中心として突起を有するインナーチューブに沿って巻きつけられたバルーン上にステントが配置されていることが好ましい。尚、バルーンは、2枚以上に折畳むことが可能である。また、バルーンの巻きつける方法としても、2枚に折畳んだ場合であれば、折畳んだバルーンを同じ回転方向に巻きつける方法(Sラップ)と、それぞれ逆向きにまきつける方法(Cラップ)を使用することができる。3枚以上であれば一般には同じ向きに巻きつける方法が使用される。
折畳んだ後のステントを縮径する位置は、バルーンが直管を有している場合、その直管上に配置するのがよい。
また、カテーテル上にステントを縮径する際は、ステントの外側より一様な力をかけることによって、全周が均等に縮径するのが好ましい。尚、クリンプ力が大きいとステントが移動し難く、縮径後のステント径も小さくなる。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例の特定の構造に限定されるものではない。
(実施例1)
以下に説明する手順にしたがってカテーテルを作製した。
ポリアミドエラストマーを用いて押出成形法によりチューブ状パリソンを作製し、次いで、このパリソンを用いて二軸延伸ブロー成形法により直管部中央部の肉厚が16μmのバルーンを作製した。なお、直管部中央部の肉厚はマイクロメータを用いて測定した。
突起を有するインナーチューブ(内径0.42mm、突起非存在部位外径0.58mm、突起の高さ0.05mm、突起の厚み45μm、突起数4)はポリエチレンを用いて、アウターチューブ(内径0.76mm、外径0.90mm)はポリアミドエラストマーを用いて押出成形により作製した。なお、突起の肉厚は突起を有するインナーチューブをチューブ軸に垂直に切断した断面をマイクロハイスコープで観察、測定した。
ステントはSUS316Lのチューブをレーザー加工で所望のパターンに切削した後、電解研磨して作製した。
この様にして作成した各部材を、図1(b)のステントデリバリーシステム(RX型)となる様に、またそのステント配置部分の断面が図3の(a)となる様に組み立てた。より具体的には、アウターチューブとバルーンを熱溶着により接合した後、アウターチューブ内にインナーチューブを挿入し、アウターチューブと同軸2重管状に配置した。このとき、インナーチューブの先端はバルーン内部を通しバルーン先端側スリーブ部でバルーンとインナーチューブを熱溶着により接合した。接合に際してはインフレーションルーメン或いはガイドワイヤルーメンを確保するために成形ポリテトラフルオロエチレン等の高潤滑性材料でコーティングされた任意寸法の芯材を適宜使用した。アウターチューブの後端側にはハブを接着し、デリバリーカテーテルを作成した。デリバリーカテーテルに親水性コーティングを施し、バルーン表面の親水性コーティングを取り除いた。
デリバリーカテーテルを減圧しながらバルーンをテトラセット形状(バルーンを4枚の羽根に折畳む形状)に折り畳み、その上にステントを60Nで縮径して配置した。
(実施例2)
実施例1で用いた突起を有するインナーチューブとは、別の突起を有するインナーチューブ(内径0.42mm、突起非存在部位外径0.58mm、突起の高さ0.30mm、突起の厚み15μm、突起数4)をもちいた以外は実施例1と同様にしてステントデリバリーシステムを作成した。尚、突起はカテーテルのバルーン内にのみ存在し、外筒に挿入する際に突起は倒して挿入した。実施例2によって得られるステントデリバリーカテーテルは、全体図が図1(b)、ステント配置部分の断面は図8に示した様な構造を有していた。
(比較例1)
突起が無いインナーチューブ(内径0.42mm、外径0.58mm)を使用した以外は、実施例1と同様にしてステントデリバリーシステムを作成した。
(ステントのステント軸方向に垂直な断面の比較)
作製した各サンプルのステント軸方向に垂直な断面をデジタルマイクロハイスコープで観察、比較した。結果、前記突起を有するインナーチューブを用いたサンプル(実施例1、2)は、ステント内側で突起が屈曲していた。さらに、前記突起を有するインナーチューブを用いたサンプル(実施例1、2)は、前記ステント内に存在するバルーンとインナーチューブの空間が、前記突起が無いインナーチューブを用いたサンプル(比較例1)より大きくなっていた。
(ステント保持強度の評価)
作製した各サンプル(実施例1、2および比較例1)のステント保持強度を評価した。ステント保持強度は、ASTM:F2394-04(Standard Guide for Measuring Securement ob Balloon Expandable Stent Mounted on Delivery System)に基づいて測定した。評価結果は、以下の通りである。
Figure 0005619509
実施例1と比較例1の比較より、通常の突起が無いインナーチューブに比べて、突起付きインナーチューブを有するサンプルにおける保持強度の向上が明らかになった。また、実施例1と2の比較より、突起付きインナーチューブの突起の高さが高いほど、保持強度が向上することが示唆された。
1.マニホールド
2.突起つきインナーチューブ
2a.突起つきインナーチューブの非突起部位
2b.突起つきインナーチューブの突起部位
3.ステント
4.バルーン
5.ハブ
6.アウターチューブ

Claims (10)

  1. 1つ以上の突起を外側に有したインナーチューブを持ち、前記インナーチューブの外側のステント配置部位にステントが配置されたステントデリバリーシステムであって、
    前記ステントが運搬径まで縮径された際の前記ステント配置部位におけるステント軸方向に垂直な断面において、前記突起が屈曲しており、
    前記ステント配置部位において、前記インナーチューブの外側に拡張可能なバルーンが配置され、該バルーン上で前記ステントが縮径されていることを特徴とするステントデリバリーシステム。
  2. 前記突起がステント軸方向に延びた形状であることを特徴とする請求項1に記載のステントデリバリーシステム。
  3. 前記突起が、突起の配置された範囲にわたり軸方向端部から端部まで連続した形状であることを特徴とする請求項1又は2の何れか1項に記載のステントデリバリーシステム。
  4. 前記突起が、突起の配置された範囲中の軸方向端部から端部の間で不連続に配置されていることを特徴とする請求項1又は2の何れか1項に記載のステントデリバリーシステム。
  5. 前記突起の屈曲していない状態における高さが、ステント配置部位に配置されたステントの運搬径へ縮径する前の内径の2分の1と、インナーチューブにおける前記突起の存在しない部位の外径の2分の1との差より大きいことを特徴とする請求項1〜4何れか1項に記載のステントデリバリーシステム。
  6. 前記突起が、運搬径になる前のステントに挿入された時点で屈曲していないことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のステントデリバリーシステム。
  7. 前記突起が、運搬径になる前のステントに挿入された時点で屈曲していることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載のステントデリバリーシステム。
  8. 軸方向に延びた1つ以上の突起を外側に有したインナーチューブを持つバルーンカテーテルであって、
    前記インナーチューブの外側にバルーンを有し、前記突起に沿って前記バルーンが少なくとも突起と同数以上の羽根形状を形成し、インナーチューブの突起がバルーンの羽根とともにバルーンカテーテルの軸に巻きついていることを特徴とするバルーンカテーテル。
  9. 請求項8に記載のバルーンカテーテルのバルーン上にステントが配置され、前記ステントが運搬径まで縮径されていることを特徴とするステントデリバリーシステム。
  10. 前記インナーチューブが径方向に異なる素材からなる多層構造であって、内層よりも外層の素材の方が高い柔軟性を有する部材で構成されていることを特徴とする請求項1〜7、9の何れか1項に記載のステントデリバリーシステム。
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