JP5618416B2 - 原子炉冷却材再循環ポンプモータケーシングの共振抑制装置および共振抑制方法 - Google Patents

原子炉冷却材再循環ポンプモータケーシングの共振抑制装置および共振抑制方法 Download PDF

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Description

この発明は、原子力発電所において、原子炉冷却材再循環ポンプのモータケーシングの共振を抑制する原子炉冷却材再循環ポンプモータケーシングの共振抑制装置および共振抑制方法に関する。
原子力発電所における原子炉には、複数の原子炉冷却材再循環ポンプ(以下、適宜「RIP」という)が備えられ、このRIPによって、冷却水(冷却材)が原子炉圧力容器内を循環し、原子炉出力が調整されるようになっている。すなわち、RIPの回転速度を上げて炉心流量を増やすことで、原子炉出力が上昇し、RIPの回転速度を下げて炉心流量を減らすことで、原子炉出力が降下するようになっている。
また、このようなRIPは、モータによって駆動され、かつ軸の回転運動などを伴うため、振動が発生する。このため、RIPの軸の振動を抑制する技術(例えば、特許文献1参照。)や、RIPの振動を監視する技術(例えば、特許文献2参照。)が知られている。
特開2007−309861号公報 特開平07−174882号公報
ところで、RIPの回転速度を上げて原子炉出力を上昇させる過程において、回転体の回転周波数と、回転体を含むモータケーシングの固有振動数とが一致し、RIPのモータケーシングが共振する共振領域がある。このような共振領域では、振動レベルが上昇するため、RIPやモータなどにとっては好ましくない。このため、できるだけ早く共振領域を通過させることで、共振状態をできるだけ短くすることが考えられるが、RIPの回転速度を急激に上げると、原子炉出力が上昇しすぎてしまい、適正な運用に支障をきたすおそれがある。
そこでこの発明は、原子炉出力を適正に維持しつつ、RIPモータケーシングの共振を抑制することが可能な原子炉冷却材再循環ポンプモータケーシングの共振抑制装置および共振抑制方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために請求項1に記載の発明は、原子力発電における原子炉出力を、速度を変えることで調整する原子炉冷却材再循環ポンプを複数備えた原子力発電設備において、前記原子炉冷却材再循環ポンプのモータケーシングの共振を抑制する原子炉冷却材再循環ポンプモータケーシングの共振抑制装置であって、前記原子炉冷却材再循環ポンプの速度が前記モータケーシングの共振領域を通過する際に、一部の原子炉冷却材再循環ポンプの速度を所定時間で上昇または下降させて前記共振領域を通過させると同時に、他の原子炉冷却材再循環ポンプの速度を所定時間で下降または上昇させて、すべての原子炉冷却材再循環ポンプによる原子炉出力を所定の出力にし、その後、前記すべての原子炉冷却材再循環ポンプの速度を一定時間維持して、前記他の原子炉冷却材再循環ポンプの速度を所定時間で上昇または下降させて前記共振領域を通過させると同時に、前記一部の原子炉冷却材再循環ポンプの速度を前記共振領域から脱した状態で所定時間で下降または上昇させて、すべての原子炉冷却材再循環ポンプによる原子炉出力を所定の出力にする、ことを特徴とする原子炉冷却材再循環ポンプモータケーシングの共振抑制装置である。
この発明によれば、例えば、RIP(原子炉冷却材再循環ポンプ)の速度を上げて原子炉出力を上昇させる場合に、まず、一部のRIPの速度が所定時間で上昇して共振領域を通過すると同時に、他のRIPの速度が所定時間で下降する。その後、すべての原子炉冷却材再循環ポンプの速度を一定時間維持して、他のRIPの速度所定時間でが上昇して共振領域を通過すると同時に、一部のRIPの速度が所定時間で下降する。これにより、すべてのRIPの速度が共振領域を通過するとともに、全RIPによる原子炉出力が所定の出力となる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の共振抑制装置において、前記一部の原子炉冷却材再循環ポンプの速度と前記他の原子炉冷却材再循環ポンプの速度との差が、安定運転が可能な差となるように、前記原子炉冷却材再循環ポンプの速度を制御する、ことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の共振抑制装置において、前記一部の原子炉冷却材再循環ポンプの速度が前記共振領域を通過した後に、すべての原子炉冷却材再循環ポンプの速度を上昇または下降させて、前記他の原子炉冷却材再循環ポンプの速度が前記共振領域近傍に達した時点で、前記他の原子炉冷却材再循環ポンプの速度を上昇または下降させて前記共振領域を通過させると同時に、前記一部の原子炉冷却材再循環ポンプの速度を下降または上昇させる、ことを特徴とする。
この発明によれば、例えば、RIPの速度を上げて原子炉出力を上昇させる場合に、まず、一部のRIPの速度が上昇して共振領域を通過すると同時に、他のRIPの速度が下降する。続いて、全RIPの速度が上昇して、他のRIPの速度が共振領域近傍に達した時点で、他のRIPの速度が上昇して共振領域を通過すると同時に、一部のRIPの速度が下降する。
請求項4に記載の発明は、請求項1から3に記載の共振抑制装置において、前記所定の出力が、予め計画された原子炉出力の変化を示す計画出力に設定されている、ことを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、原子力発電における原子炉出力を、速度を変えることで調整する原子炉冷却材再循環ポンプを複数備えた原子力発電設備において、前記原子炉冷却材再循環ポンプのモータケーシングの共振を抑制する原子炉冷却材再循環ポンプモータケーシングの共振抑制方法であって、前記原子炉冷却材再循環ポンプの速度が前記モータケーシングの共振領域を通過する際に、一部の原子炉冷却材再循環ポンプの速度を所定時間で上昇または下降させて前記共振領域を通過させると同時に、他の原子炉冷却材再循環ポンプの速度を所定時間で下降または上昇させて、すべての原子炉冷却材再循環ポンプによる原子炉出力を所定の出力にし、その後、前記すべての原子炉冷却材再循環ポンプの速度を一定時間維持して、前記他の原子炉冷却材再循環ポンプの速度を所定時間で上昇または下降させて前記共振領域を通過させると同時に、前記一部の原子炉冷却材再循環ポンプの速度を前記共振領域から脱した状態で所定時間で下降または上昇させて、すべての原子炉冷却材再循環ポンプによる原子炉出力を所定の出力にする、ことを特徴とする原子炉冷却材再循環ポンプモータケーシングの共振抑制方法である。
請求項1および5に記載の発明によれば、一部のRIPの速度変更(上げ下げ)とは反対方向に他のRIPの速度を所定時間で変更(下げ上げ)して、原子炉出力を所定の出力にしながら、すべてのRIPの速度を共振領域から通過させる。このため、共振領域の通過速度(速度変更)を早めることで、すべてのRIPによる原子炉出力を適正(所定の出力)に維持しつつ、RIPモータケーシングの共振を抑制することが可能となる。
請求項2に記載の発明によれば、一部のRIPの速度と他のRIPの速度との差が、安定運転が可能な差に制御されるため、RIPを安定運転して、原子炉運転および原子炉出力を安定させることが可能となる。
請求項3に記載の発明によれば、一部のRIPの速度を共振領域から通過させた後に、全RIPの速度を同時に昇降させて、他のRIPの速度を共振領域近傍に到達させるため、一部のRIPの速度と他のRIPの速度との差を小さくすることができる。このため、RIPの安定運転や原子炉出力の安定化などが可能になるとともに、全RIPの速度を共振領域から通過させるのに要する時間を短くすることが可能となる。
請求項4に記載の発明によれば、すべてのRIPによる原子炉出力が計画出力になるように、RIPの速度が制御されるため、共振領域を通過する際にも、予め計画された原子炉出力を出力し、計画に沿った原子炉運転、電力供給を行うことが可能となる。
この発明の実施の形態に係る原子炉冷却材再循環ポンプモータケーシングの共振抑制装置を備える改良型沸騰水型原子力発電設備を示す概略構成図である。 図1の改良型沸騰水型原子力発電設備における原子炉冷却材再循環ポンプの配設位置を示す平面図である。 図1の改良型沸騰水型原子力発電設備における共振抑制装置を示す概略構成図である。 図3の共振抑制装置による制御工程および原子炉出力の変化を示す図である。 この発明の実施の形態における原子炉冷却材再循環ポンプの安定運転条件を示す図である。
以下、この発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。
図1は、この発明の実施の形態に係る原子炉冷却材再循環ポンプモータケーシングの共振抑制装置(以下、「共振抑制装置」という)を備える改良型沸騰水型原子力発電設備(以下、「ABWR」という)を示す概略構成図である。このABWRは、原子炉建物内に原子炉圧力容器101が設置され、この原子炉圧力容器101内には、燃料集合体102が配設されている。また、複数の燃料制御棒103が、原子炉圧力容器101に対して出し入れ自在に配設され、さらに、原子炉圧力容器101の下部に、複数のRIP(原子炉冷却材再循環ポンプ)2が一体的に内蔵されている。
一方、タービン建物内には、高圧タービン111、低圧タービン112、発電機113および復水器114が配設されている。そして、復水器114からの水が、複数のRFP(原子炉給水ポンプ)115によって原子炉圧力容器101に送られ、原子炉圧力容器101で生成された蒸気が、タービン111、タービン112に送られて、発電機113で発電されるようになっている。
このようなABWRにおいて、次のようなRIP2およびRIP制御装置1が配設され、RIP制御装置1が共振抑制装置として機能している。すなわち、RIP2は、冷却水(冷却材)の炉心流量を、回転速度を変えることで調整するポンプであり、原子炉圧力容器101内の炉心流量を確保して燃料集合体102を冷却する役割と、炉心流量を調整することで原子炉出力を調整・制御する役割とを備えている。また、この実施の形態では、図2、3に示すように、10台のRIP2が原子炉圧力容器101の円周上に均等に配設され、図中符号A、C、E、G、Jの5台のRIP2が第1のRIP群21、図中符号B、D、F、H、Kの5台のRIP2が第2のRIP群22としてグループ化されている。
これらのRIP群21、22に対してそれぞれMGセット3が接続され、このMGセット3は、駆動電動機31と発電機32とが流体継手33で接続された構成となっている。そして、コントロールドライブ4を介して再循環流量制御装置5によって、流体継手33のすくい管位置(継手流量)が調整されることで、発電機32の回転速度、つまりRIP群21、22の回転速度が調整、制御されるようになっている。ここで、各MGセット3は、所内変圧器121を介して主変圧器120に接続され、また、RIP2の構造や設置構造などは、共振が発生しても強度上問題が生じないようになっている。
主として、このようなMGセット3とコントロールドライブ4と再循環流量制御装置5とによって、RIP制御装置1が構成され、所定の原子炉出力が出力されるように、RIP2の回転速度を制御するようになっている。そして、原子炉出力の変動、調整、つまりRIP2の回転速度の変動、調整に伴って、RIP2の回転速度をRIP2のモータケーシングの共振領域から通過させなければならない場合がある。このような場合に、RIP2のモータケーシングの共振を抑制するために、RIP制御装置1によってRIP2の回転速度を、次のように制御するようになっている。
すなわち、RIP2の回転速度がモータケーシングの共振領域を通過する際に、第1のRIP群21(一部のRIP2)の回転速度を高速で上昇または下降させて共振領域を通過させると同時に、第2のRIP群22(他のRIP2)の回転速度を下降または上昇させて、すべてのRIP2による原子炉出力が所定の出力になるように制御する。その後、第2のRIP群22の回転速度を高速で上昇または下降させて共振領域を通過させると同時に、第1のRIP群21の回転速度を共振領域から脱した状態で下降または上昇させて、すべてのRIP2による原子炉出力が所定の出力になるように制御するものである。
具体的には、例えば原子炉出力を上昇させる場合、図4に示すように、まず、全RIP2の回転速度を共振回避領域RSの下限速度RS1まで、一定の上昇率で上昇させる(図中ステップS1)。ここで、共振回避領域RSは、各RIP2のモータケーシングの共振領域にバラツキがある場合でも、全モータケーシングの共振領域を包含するように設定されている。また、図中符号P1は、原子炉出力上昇時の予め計画された原子炉出力の変化を示す計画出力であり、符号P2は、計画出力P1を中心とした出力変動幅(出力許容値)の下限値、符号P3は、同出力変動幅の上限値を示す。そして、ステップS1において、原子炉出力PLが計画出力P1に沿うように、全RIP2の回転速度の上昇率が設定されている。
次に、下限速度RS1に達した時点(時間T1)で、第1のRIP群21の回転速度を高速で(時間T2までの間で)上昇させて共振回避領域RSを通過させ、上限速度RS2に到達させる(図中ステップS2)。これと同時に、第2のRIP群22の回転速度を高速で下降させ、すべてのRIP2による原子炉出力PLが計画出力範囲(所定の出力)P2〜P3になるように制御する(図中ステップS3)。ここで、高速とは、共振による影響をできるだけ抑制できる速度であり、かつ、原子炉出力PLを計画出力範囲P2〜P3に制御できる速度である。
続いて、第1のRIP群21および第2のRIP群22の回転速度を一定時間維持した後に、全RIP2の回転速度を一定の上昇率で上昇させて、第2のRIP群22の回転速度を共振回避領域RSの下限速度RS1(共振領域近傍)に到達させる(図中ステップS4、5)。このとき、図示のように、回転速度を一定時間維持することで、原子炉出力PLが計画出力P1となるように維持時間が設定され、その後、原子炉出力PLが計画出力P1に沿うように、全RIP2の回転速度の上昇率が設定されている。
次に、第2のRIP群22の回転速度が下限速度RS1に達した時点(時間T3)で、第2のRIP群22の回転速度を高速で(時間T4までの間で)上昇させて共振回避領域RSを通過させ、上限速度RS2に到達させる(図中ステップS6)。これと同時に、第1のRIP群21の回転速度を高速で下降させ、すべてのRIP2による原子炉出力PLが計画出力範囲(所定の出力)P2〜P3になるように制御する(図中ステップS7)。このとき、共振回避領域RSから脱した状態で、つまり上限速度RS2以上の状態で、第1のRIP群21の回転速度を下降させる。
このようにして、第1のRIP群21および第2のRIP群22の回転速度が一致した後に、全RIP2の回転速度を上限速度RS2で一定時間維持し、その後、全RIP2の回転速度を一定の上昇率で上昇させる(図中ステップS8)。このとき、図示のように、回転速度を一定時間維持することで、原子炉出力PLが計画出力P1となるように維持時間が設定され、その後、原子炉出力PLが計画出力P1に沿うように、全RIP2の回転速度の上昇率が設定されている。
また、上記のように、第1のRIP群21と第2のRIP群22との回転速度が異なる運転状態(例えばステップS4、5)をスプリット運転と称し、このスプリット運転時において、第1のRIP群21の回転速度と第2のRIP群22の回転速度との差が、安定運転が可能な差となるように、RIP2の回転速度を制御する。例えば、全RIP2が均衡・安定した状態で運転されている場合の回転速度と、その回転速度に対応するスプリット運転時の回転速度とが、図5に示すような関係を有するとする。ここで、図中ラインL1は、均衡運転時の回転速度に対するスプリット運転時の回転速度の中心値を示し、ラインL2は、均衡運転時の回転速度に対するスプリット運転時の回転速度の上限値(例えばステップS4における回転速度)を示し、ラインL3は、均衡運転時の回転速度に対するスプリット運転時の回転速度の下限値(例えばステップS5における回転速度)を示す。そして、共振回避領域RSの下限速度RS1と上限速度RS2との中間速度が回転速度R4の場合、この回転速度R4に対応するスプリット運転時の回転速度差(図中RS4−RS3)が、安定運転が可能な差となり、このような差となるように、RIP2の回転速度を制御するものである。
このようなRIP制御装置1による自動制御のほか、手動によってRIP2の回転速度を調整できるようになっており、自動制御と手動制御とを切り替える切替スイッチを備えている。さらに、各RIP2のモータケーシングには、振動を測定・検出する振動検出器が取り付けられ、この振動検出器による検出結果がディスプレイに表示されるようになっている。
次に、このような構成のRIP制御装置1の作用および、このRIP制御装置1による原子炉冷却材再循環ポンプモータケーシングの共振抑制方法について説明する。
まず、原子炉出力を上昇させる場合、手動によって全RIP2の回転速度を上昇させる。このとき、原子炉出力PLが計画出力P1に沿うように、一定の上昇率で上昇させる。次に、全RIP2の回転速度が下限速度RS1に達した時点で、切替スイッチをオンし、自動制御(スプリット運転)に切り替える。これにより、上記のように、まず、第1のRIP群21の回転速度が高速で上昇して共振回避領域RSを通過すると同時に、第2のRIP群22の回転速度が下降して、すべてのRIP2による原子炉出力PLが計画出力範囲P2〜P3となる。続く一定時間後に、全RIP2の回転速度が上昇し、第2のRIP群22の回転速度が下限速度RS1に到達した時点で、切替スイッチをオフして、スプリット運転から均衡運転に切り替える。これにより、第2のRIP群22の回転速度が高速で上昇して共振回避領域RSを通過する。これと同時に、第1のRIP群21の回転速度が下降し、すべてのRIP2による原子炉出力PLが計画出力範囲P2〜P3となる。そして、全RIP2の回転速度が上限速度RS2に達した時点で、手動によって全RIP2の回転速度を上昇させる。このとき、原子炉出力PLが計画出力P1に沿うように、一定の上昇率で上昇させる。
同様に、原子炉出力を降下させる場合にも、切替スイッチをオン、オフさせながら、手動によって全RIP2の回転速度を下降させるとともに、RIP制御装置1によるスプリット運転を行う。さらに、共振回避領域RS以外の予想外の共振が発生した場合には、次のようなバックアップ操作を行う。すなわち、振動検出器による検出結果をディスプレイ上で監視し、検出結果が異常値・共振値を示した場合には、切替スイッチをオンし、RIP制御装置1によるスプリット運転に切り替えるものである。
以上のように、このRIP制御装置1および共振抑制方法によれば、第1のRIP群21と第2のRIP群22とを順次、高速で共振回避領域RSから通過させるため、RIP2のモータケーシングの共振を抑制することができる。一方、原子炉出力が常に計画出力範囲P2〜P3となるように、RIP2の回転速度が制御される。つまり、原子炉出力を適正に維持しつつ、RIP2のモータケーシングの共振を抑制することができる。しかも、原子炉出力が常に計画出力範囲P2〜P3となるため、共振回避領域RSを通過する際にも、予め計画された原子炉出力を出力し、計画に沿った原子炉運転、電力供給を行うことが可能となる。
また、第1のRIP群21と第2のRIP群22との回転速度差が、安定運転が可能な差に制御されるため、全RIP2を安定運転して、原子炉運転および原子炉出力を安定させることが可能となる。さらに、第1のRIP群21の回転速度が上限速度RS2に達した時点で、全RIP2の回転速度を同一軌跡・ルートで上昇させるため、第1のRIP群21と第2のRIP群22との回転速度差を小さくすることができる。このため、全RIP2の安定運転や原子炉出力の安定化などが可能になるとともに、全RIP2の回転速度を短時間に共振回避領域RSから通過させることが可能となる。
以上、この発明の実施の形態について説明したが、具体的な構成は、上記の実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、この発明に含まれる。例えば、上記の実施の形態では、10台のRIP2を5台ずつ2つのグループに分けているが、共振回避領域RSの幅や計画出力P1の出力変動幅P2〜P3などに応じて、異なる台数で2グループ化してもよい。また、RIP2の速度制御を手動と自動制御との組み合わせで行っているが、すべてRIP制御装置1による自動制御で行ってもよい。さらに、上記以外のタイミングで、手動と自動制御とを切り替えてもよい。例えば、上記のステップS1を手動制御とし、ステップS2〜S5をRIP制御装置1による自動制御とした後に、ステップS6〜S8を手動制御としてもよい。
また、上記の実施の形態による上昇軌跡・ルート(ステップS1〜S8)以外の軌跡・ルートで、RIP2の回転速度を共振回避領域RSから通過させてもよい。例えば、ステップS2において、第1のRIP群21の回転速度を上限速度RS2よりも高く上昇させ、ステップS3において、第2のRIP群22の回転速度を上記の場合よりも低い回転速度まで下降させる。そして、ステップS4、5において、回転速度の維持状態を設けずに、全RIP2の回転速度を上昇させて、第2のRIP群22の回転速度を下限速度RS1に到達させてもよい。
1 RIP制御装置(共振抑制装置)
2 RIP(原子炉冷却材再循環ポンプ)
3 MGセット
4 コントロールドライブ
5 再循環流量制御装置
101 原子炉圧力容器
102 燃料集合体
103 燃料制御棒
111 高圧タービン
112 低圧タービン
113 発電機
114 復水器
115 RFP(原子炉給水ポンプ)
RS 共振回避領域
P1 計画出力
PL 原子炉出力

Claims (5)

  1. 原子力発電における原子炉出力を、速度を変えることで調整する原子炉冷却材再循環ポンプを複数備えた原子力発電設備において、前記原子炉冷却材再循環ポンプのモータケーシングの共振を抑制する原子炉冷却材再循環ポンプモータケーシングの共振抑制装置であって、
    前記原子炉冷却材再循環ポンプの速度が前記モータケーシングの共振領域を通過する際に、一部の原子炉冷却材再循環ポンプの速度を所定時間で上昇または下降させて前記共振領域を通過させると同時に、他の原子炉冷却材再循環ポンプの速度を所定時間で下降または上昇させて、すべての原子炉冷却材再循環ポンプによる原子炉出力を所定の出力にし、その後、前記すべての原子炉冷却材再循環ポンプの速度を一定時間維持して、前記他の原子炉冷却材再循環ポンプの速度を所定時間で上昇または下降させて前記共振領域を通過させると同時に、前記一部の原子炉冷却材再循環ポンプの速度を前記共振領域から脱した状態で所定時間で下降または上昇させて、すべての原子炉冷却材再循環ポンプによる原子炉出力を所定の出力にする、
    ことを特徴とする原子炉冷却材再循環ポンプモータケーシングの共振抑制装置。
  2. 前記一部の原子炉冷却材再循環ポンプの速度と前記他の原子炉冷却材再循環ポンプの速度との差が、安定運転が可能な差となるように、前記原子炉冷却材再循環ポンプの速度を制御する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の原子炉冷却材再循環ポンプモータケーシングの共振抑制装置。
  3. 前記一部の原子炉冷却材再循環ポンプの速度が前記共振領域を通過した後に、すべての原子炉冷却材再循環ポンプの速度を上昇または下降させて、前記他の原子炉冷却材再循環ポンプの速度が前記共振領域近傍に達した時点で、前記他の原子炉冷却材再循環ポンプの速度を上昇または下降させて前記共振領域を通過させると同時に、前記一部の原子炉冷却材再循環ポンプの速度を下降または上昇させる、
    ことを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載の原子炉冷却材再循環ポンプモータケーシングの共振抑制装置。
  4. 前記所定の出力が、予め計画された原子炉出力の変化を示す計画出力に設定されている、
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の原子炉冷却材再循環ポンプモータケーシングの共振抑制装置。
  5. 原子力発電における原子炉出力を、速度を変えることで調整する原子炉冷却材再循環ポンプを複数備えた原子力発電設備において、前記原子炉冷却材再循環ポンプのモータケーシングの共振を抑制する原子炉冷却材再循環ポンプモータケーシングの共振抑制方法であって、
    前記原子炉冷却材再循環ポンプの速度が前記モータケーシングの共振領域を通過する際に、一部の原子炉冷却材再循環ポンプの速度を所定時間で上昇または下降させて前記共振領域を通過させると同時に、他の原子炉冷却材再循環ポンプの速度を所定時間で下降または上昇させて、すべての原子炉冷却材再循環ポンプによる原子炉出力を所定の出力にし、その後、前記すべての原子炉冷却材再循環ポンプの速度を一定時間維持して、前記他の原子炉冷却材再循環ポンプの速度を所定時間で上昇または下降させて前記共振領域を通過させると同時に、前記一部の原子炉冷却材再循環ポンプの速度を前記共振領域から脱した状態で所定時間で下降または上昇させて、すべての原子炉冷却材再循環ポンプによる原子炉出力を所定の出力にする、
    ことを特徴とする原子炉冷却材再循環ポンプモータケーシングの共振抑制方法。
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