(1)機械的な構造
a.遊技機の全体構造
先ず、この遊技機1の全体構造について、図1〜図3等を参照して説明する。この遊技機1は、図1及び図2に示すように、外枠2と、この外枠2に装着された遊技機本体H(機体)とを備えている。この外枠2は、略矩形状の枠状体によって構成される外枠本体21と、外枠本体21の前面下部を覆う前板部22とを備えている。
遊技機本体Hは、外枠2の左端側上下のヒンジH1、H2(図1及び図2を参照)を用いて、外枠2の左端側に回動自在に組み付けてられている。この遊技機本体Hは、遊技機1のうちで外枠2を除く部分であって、図2に示すように、本体枠3と、前面枠4と、前面枠4に一体化された皿部材(上皿部材5及び下皿部材6)5Aと、遊技盤10(図4を参照)と、裏機構盤102(図3を参照)等を主要部としている。また、本体枠3は、図3に示すように、外枠2に嵌めこまれ、外枠2に対して開閉可能に軸支されている。尚、図1に示すように、本体枠3の右端側には施錠装置7が装着されている。また、図2においては、外枠2、本体枠3と、前面枠4と、皿部材5Aを図示し、遊技盤10と、裏機構盤102の図示を省略している。
本体枠3は、全体がプラスチック製であり、図3に示すように、枠状体によって構成されている。この本体枠3は、上半部に窓部3Mを備える枠本体部3bと、枠本体部3bの裏面部から略矩形枠状に突出する突出部3cとを備える。そして、本体枠3は、この突出部3cを用いて遊技盤10を保持するための保持部を構成している。つまり、突出部3cの突端面であって、窓部3Mの左方側の上下と、窓部3Mの右方側の上下には保持具3fが回動可能な状態で装着され、保持具3fの突端部を遊技盤10の後面部に当接させることで遊技盤10が本体枠3により保持されている。
本体枠3が遊技盤10を保持したとき、「遊技盤10の前面部10aに構成される遊技領域11」を窓部3Mによって本体枠3の前方から視認することができる。また、遊技盤10の背面部には裏機構盤102(図3参照)が装着され、この背面部を覆う状態とされている。なお、裏パック102は中枠3に開閉可能に軸支されているとともに、この裏パック102には、「遊技球が蓄えられる遊技球タンク」、「遊技球を上皿部材5には、払い出すための遊技球払出装置」、「各種制御基板(後述する主制御基板200)を収納したケース」等が搭載されている。
前面枠4は、図2に示すように、本体枠3の前面側に配置され、本体枠3の左端に開閉可能に支持されている。この前面枠4はその中央部に視認窓41aを備えている。この視認窓41aは前面枠4の前後に貫通する状態に設けられ、遊技盤10の盤面に形成された遊技領域11(正面視で略円形の遊技領域11)を前方から視認可能な形状に開設(略吊り鐘形状に開設)され、前面枠4を閉じたときにその背後に位置する遊技領域11が、この視認窓41aによって前方から視認可能とされる。
前面枠4は、図1に示すように、枠本体41と、この枠本体41に装着されるガラス板43(図3を参照)と、ガラス板43を枠本体41に保持させるための保持具(図示を省略)と、を備えている。また、本遊技機1では、図2に示すように、「上皿部材5及び下皿部材6を一体化した皿部材5A」が前面枠4に一体化され、本体枠3に対して前面枠4と一体で開閉可能とされている。但し、皿部材5Aを、本体枠3における前面枠4の装着部位よりも下方に装着し、前面枠4とは別に開閉可能としてもよい。また、上皿部材5及び下皿部材6を別体に設け、本体枠3における前面枠4の装着部位よりも下方に配置し、上方に配置される上皿部材5を前面枠4とは別に開閉可能とし、下方に配置される下皿部材6を開閉不可能としてもよい。
図1及び図2に示すように、前面枠4の前面部の上方側の左右には、スピーカSP1、SP2(図11参照)が装着され、前板部22の左右両端にも、スピーカSP3、SP4(図11参照)が内蔵されている。そして、本遊技機1においては、これらのスピーカSP1〜SP4を用いて、遊技状態に応じた効果音や、その他の音(音声)を発生させる。また、図2に示すように、前面枠4の前面部において、上皿部材5の配置位を構成する箇所には、遊技機1から排出される遊技球を受け入れるための受入口5bを備えている。更に、上皿部材5の裏側には、球貸表示基板410(図10参照)及び演出ボタン基板228(図11参照)が設けられ、上皿部材5の上面部には「演出ボタンSW」が配置されている(図2を参照)。
図2に示すように、皿部材5Aにおいて上皿部材5の下方の部位が、下皿部材6を構成している。この下皿部材6の略中央には、その略容器形状とされる内部に上皿部材5から排出される遊技球を受け入れるための受入口6aを備えている。また、下皿部材6の右端側には発射ハンドル9が設けられている。そして、本体枠3の前面部裏側(本体枠3の内部)であって、遊技盤10よりも下方の左端側に位置する部位には、発射装置ユニット90(図4を参照)が配設されており、この発射装置ユニット90に発射ハンドル9が接続されている。ここで、発射装置ユニット90は球送り装置(図示を省略)から送り出される遊技球を略鉛直上方に発射して、遊技領域11に到達させるためのものである。また、発射ハンドル9には、遊技者が触れていることを検出するタッチスイッチ(タッチセンサ)9aが装着されており、その近傍には、遊技球の発射を一時的に停止するための発射停止スイッチ9bが装着されている。
b.遊技盤10の構成
次に、遊技盤10の構成について図4等を用いて説明する。この遊技盤10は正面視で略矩形状の合板を用いて構成される遊技盤本体10Aと、この遊技盤本体10Aに装着される各種の盤部品(外側レール12、内側レール13、メイン役物装置20等)が装着されている。尚、この遊技盤本体10Aの前面部には、セル画が印刷されたシート状物が貼着されているが図示を省略する。
遊技盤本体10Aは、正面視で略円形とされる領域形成部10Bと、領域形成部10Bの周囲に位置する領域外部10Cとを備える。また、遊技盤本体10Aの前面部には、ともに帯状の金属板を用いて構成される外側レール12と、内側レール13とが配設されている。そして、領域形成部10Bの前面部(遊技盤面)は、この外側レール12及び内側レール13が形成する略円形の周壁によって略包囲されつつ、遊技領域11を構成している。
内側レール13は略U字形状に配置されつつ、左端部が遊技盤本体10Aは左上部に配設されるとともに、その左側方に位置する「外側レール12の左上部」との間に「遊技球が通過可能な隙間」を設け、球進入口11Sを形成している。また、外側レール12の左端部は、発射装置ユニット90の球出口96jの斜め左上に近接配置されている。そして、外側レール12において、内側レール13の外側に配置される部分は、外側レール12の左端部から左斜め上方に上がる経路を描き、内側レール13の右端部の側方に到達したところで、その経路を内側レール13と略平行な円弧状の経路に改めつつ上昇し、球進入口11Sの側方を越えて、遊技盤本体10Aの右上部まで到達している。
内側レール13の外側面部には、補助レール13Bの上端部が一体化されている。そして、「補助レール13Bと、これに略平行な外側レール12の部分の間に形成される通路」と、その上方の「外側レール12と内側レール13とに挟まれつつ球進入口11Sに至る通路」とが連続して誘導経路Yを構成している。この誘導経路Yは、その下端部が「発射装置ユニット90の球出口96j」と連通するとともに、下端部から左上がり傾斜状に「内側レール13の外側(左側方)」を上昇した後、内側レール13の外側を時計回転方向に通過して、球進入口11Sに到達している。
領域形成部10B(遊技盤10において遊技領域11内に位置する部位)には、メイン役物装置20と、普通図柄作動ゲート(普通図柄作動口)16と、第1始動入賞装置17aと、第2始動入賞装置17bと、大入賞装置31と、下部表示装置60と、3個の一般入賞装置40、41、43と、多数の障害釘(図示を省略)と、風車19等が配設されている。
メイン役物装置20は、取付部材(化粧板)21と、開閉装置25と、振分装置26と、演出表示装置27とを備えている。このうち、取付部材21は、領域形成部10Bの前面部に装着される板状体によって構成され、図4に示すように、遊技領域11の略中央部を構成している。この取付部材(化粧板)21には、窓部形成孔21dが設けられ、この窓部形成孔21dによって表示窓21eを構成している。尚、この表示窓21eは正面視で略矩形状とされている。
図4に示すように、取付部材21の下縁部には、ステージ部21pが前方に突出する状態に装着され、取付部材21の周縁部のうちのその他の部位には装飾部材21Aが、前方に突出する状態に装着されている。この装飾部材21Aは、取付部材21の上縁部から突出する庇部21Hと、取付部材21の左縁部から突出する左側装飾部21Lと、取付部材21の右縁部から突出する右装飾部21Rとを備えている。
左側装飾部21Lの内部に遊技球の通路(所謂「ワープ通路」)21wが形成されている。つまり、左側装飾部21Lの左側面部において、この通路21wの進入口(図示を省略)が、左斜め上方に向かって開口し、遊技領域11を流下する遊技球を、この進入口で受け入れ、ステージ部21p上(メイン役物装置20の内部)に進入させる。また、ステージ部21pは、その上面部によって遊技球の転動面を構成する。この転動面は、左右の端部から中央部に向かって下る傾斜面として構成されているが、転動面の中央部では上方に向かって僅かに隆起する隆起部とされている。
本遊技機1においては、遊技領域11を流下し、通路21wを通じて転動面の左端部に到達した遊技球は、転動面上を右方向に転動し、更に、左方向に転動する。そして、遊技球の勢いが衰えたところで、この遊技球はメイン役物装置20外に排出されるが、転動面の中央部から排出される遊技球の多くは、一定の確率で第1始動入賞装置17aに入賞する(後述する。)。尚、遊技領域11を流下して第1始動入賞装置17aに入賞する遊技球の中には、メイン役物装置20に進入せずに第1始動入賞装置17aに入賞するものと、メイン役物装置20に進入し、ステージ部21p上を転動した後に第1始動入賞装置17aに入賞するものがある。
演出表示装置27は液晶表示装置を用いて構成され、下部表示装置60における特別図柄の変動表示及び停止表示に連動する図柄変動演出を実行する。尚、本実施例では、下部表示装置60(第1特別図柄表示部62a、第2特別図柄表示部62b)が、特別図柄(本図柄)を用いて図柄変動表示を行い、演出表示装置27が、疑似図柄(演出要素の一具体例を示す。)を用いて図柄変動演出を行う。ここで、以下の説明において、第1特別図柄表示部62aに表示される特別図柄(本図柄)を「第1特別図柄」と称し、第2特別図柄表示部62bに表示される特別図柄(本図柄)を「第2特別図柄」と称する。なお、第1特別図柄及び第2特別図柄の詳細に関して後述する。
演出表示装置27の表示画面27aは、その全体、若しくは、一部を用いて種々の図柄を表示可能である。この表示画面27aでは、図5に示すように、3つ(3桁)の疑似図柄が表示される疑似図柄表示領域27bと、背景を示す図柄(以下、背景図柄という。)が表示される背景表示領域27cとが出現することがある。疑似図柄表示領域27bでは、疑似図柄が横方向に3つ並んで表示され、それら「疑似図柄」を用いた演出表示と停止表示等がなされる。また、背景表示領域27cには、背景図柄としてキャラクタを示す図柄(以下、キャラクタ図柄という。)を表示したり、実写映像(図示を省略)を表示したりすることがある。これら「疑似図柄」等は演出表示装置27の表示画面27aに表示される「演出要素」の具体例を示すものであり、これら「疑似図柄」や「背景図柄」や「キャラクタ図柄」により「図柄変動演出」や「大当り演出」が実現される。
また、図5に示すように、表示画面27aにおいて下側縁部寄りの右端側の位置には、後述する第1特別図柄表示部62aと連動して変動表示される第1補助図柄表示領域Aと、後述する第2特別図柄表示部62bと連動して変動表示される第2補助図柄表示領域Bとが出現する。これらの補助図柄表示領域A、Bでは、モザイク模様を用いた補助図柄が、対応する特別図柄表示部62a、62b(第1特別図柄、第2特別図柄)と連動して変動表示を行った後、対応する特別図柄表示部62a、62bと同時に変動表示を停止する。そして、変動表示を停止すると、補助図柄の停止図柄が確定表示され、その停止図柄によって当否判定の結果が表示される。但し、その停止図柄の種類が多く、しかも、各停止図柄が紛らわしい態様であるため、その停止図柄の意味する内容(大当りか、外れか、確率変動大当りか等)を遊技者が理解することが困難である。また、補助図柄表示領域A、Bに確定表示される停止図柄によって特定される内容は、対応する特別図柄表示部62a、62b(第1特別図柄、第2特別図柄)の停止表示によって特定される内容と同一内容とされる。
また、図5に示すように、表示画面27aのうち、左縁部寄りの上方側の位置には第1保留表示領域(D1、D2、D3、D4)が出現し、右縁部寄りの上方側の位置には第2保留表示領域(E1、E2、E3、E4)が出現することがある。そして、第1保留表示領域(D1〜D4)に、第1始動入賞装置17aへの入賞に起因して生ずる「第1特別図柄」に関する保留数(以下、「第1保留数」という。)を「4個」を上限個数として表示し、第2保留表示領域(E1〜E4)に、第2始動入賞装置17bへの入賞に起因して生ずる「第2特別図柄」に関する保留数(以下、「第2保留数」という。)を「4個」を上限個数として表示する。なお、第1保留数を表示するための表示部と、第2保留数を表示するための表示部を表示画面27a外に設けることもできる。また、以下の説明において、第1始動入賞装置17aに遊技球が入賞することと、第2始動入賞装置17bに遊技球が入賞することを「始動入賞」と称することがある。
第1保留表示領域(D1〜D4)は、下方から上方に向かって第1表示部D1と、第2表示部D2と、第3表示部D3と、第4表示部D4とを並べた構成を備える。また、第2保留表示領域(E1〜E4)も、下方から上方に向かって、第1表示部E1と、第2表示部E2と、第3表示部E3と、第4表示部E4とを並べた構成を備える。そして、各表示部(D1〜D4、E1〜E4)には、球(真円)をあしらった図形を表示することができる。
何れの保留表示領域(D1〜D4、E1〜E4)も、始動入賞装置17a、17bに入賞したが、未だ、未消化の遊技球の数(即ち、保留数)を、「使用中の表示部D1〜D4、E1〜E4」の数によって表示するとともに、未消化の遊技球が消化される毎に「未消化の遊技球」の数(保留数)を、順次、デクリメントして表示するものである。具体的には、保留数が「1」の場合、添え字1を付した表示部(D1、E1)のみを使用し、保留数が「2」の場合、添え字1を付した表示部(D1、E1)と、添え字2を付した表示部(D2、E2)を使用する。更に、保留数が「3」の場合、添え字4を付した表示部以外の表示部(D1〜D3、E1〜E3)を使用し、保留数が「4」の場合、全ての表示部(D1〜D4、E1〜E4)を使用する。また、保留数が「4」から「3」に減った場合、添え字4を付した表示部(D4、E4)の使用を止め、保留数が「3」から「2」に減った場合、添え字3を付した表示部(D3、E3)の使用を止める。また、保留数が「2」から「1」に減った場合、添え字2を付した表示部(D2、E2)の使用を止め、保留数が「1」から「ゼロ」に減った場合、全ての表示部(D1〜D4、E1〜E4)の使用を止めることとされている。なお、各特別図柄に関する「未消化の遊技球(保留球)」とは、始動入賞装置17a、17bに入賞したが、対応する特別図柄表示部62a、62bにおいて当該入賞に伴う図柄変動遊技がなされていない遊技球を指す。
開閉装置25は、図8(a)に示すように、右装飾部21Rの上端側に設けられた小当り用入賞口25aと、右側装飾部21Rの内部に設けられる誘導通路21xと、遊技盤11の盤面に垂直な支軸25jによって下端側を支持された開閉部材25bと、開閉部材25bを作動させるための小当り用入賞口ソレノイド25c(図10を参照)とを備えている。このうち、開閉部材25bは、小当り用入賞口25aの開閉を行うための部材であり、下方側の支軸25jを中心に回動することで、小当り用入賞口25aへの遊技球の入賞が不可能となるように小当り用入賞口25aを閉鎖する閉鎖状態と、小当り用入賞口25aへの遊技球の入賞が可能となるように小当り用入賞口25aを開放する開放状態とに変化することができる。
つまり、小当り用入賞口ソレノイド25cの駆動を開始して、開閉部材25bを時計回り(正面視)に回転させ、開閉部材25bを「右斜め上方に上がり傾斜となる傾動姿勢」に変化させると、小当り用入賞口25aは開放状態に変化し、遊技球の入賞が可能となる。一方、小当り用入賞口ソレノイド25cの駆動を停止すると、開閉部材25bが正面視で反時計回り(正面視)に回転するため、小当り用入賞口25aは閉鎖状態に変化し、遊技球の入賞が不可能となる。
図8(a)及び(b)に示すように、誘導通路21xは入口部211xを、小当り用入賞口25aと一致させ、出口部212xを、メイン役物装置20の内部に配設された振分装置26に向かって開放させている。つまり、誘導通路21xは小当り用入賞口25aから受け入れた遊技球を、振分装置26に向かって誘導するための通路である。また、誘導通路21xにおいて、小当り用入賞口25aの近傍に位置する部位には、小当り用入賞口25aからの遊技球の入球を検出するための入球検出センサ21yが配設されている。
振分装置26は、メイン役物装置20の内部において中央部よりも右側の部位に配置されている(図4を参照)。この振分装置26は、小当り用入賞口25aからメイン役物装置20に入球した後、誘導通路21xを通じて誘導された遊技球を受け入れ、通常領域TR及び特別領域SRのうちの一方に誘導するものである。
振分装置26は、図8(b)に示すように、基体部26aと、回転誘導体26bと、誘導モータ26c(図10を参照)とを備えている。このうち、基体部26aの上面部には、上方に開口すると共に、外縁部の形状が略円形の凹部26dが設けられている。この凹部26dは、中心側に位置すると共に平面形状が略円形の装着部26eと、装着部26eを周回状に包囲すると共に平面形状が略リング状の球導入部26fとを備えている。そして、装着部26eの深さは、球導入部26fの深さよりも深くされている。また、球導入部26fの底面部は、装着部26eに向かって下り傾斜となる傾斜面とされている。
装着部26eの底面部においては、図9(b)に示すように、遊技球を通常領域TRに誘導するための通常誘導孔26gと、遊技球を特別領域SRに誘導するための特別誘導孔26hとが開口している。但し、特別誘導孔26hの開口位置と装着部26eの中心部26jとの距離は、通常誘導孔26gの開口位置と装着部26eの中心部26jとの距離よりも小さくされている。つまり、前者の距離は、後者の距離よりも、「遊技球の直径(11ミリ)」を超える長さの分だけ、小さくされている。
図8(b)に示すように、基体部26aの上面部において凹部26dの右側方に位置する部位には、特別誘導溝26pが設けられている。この特別誘導溝26pは、誘導通路21xを通過した遊技球を受け取り、球導入部26fに導入するためのものである。この特別誘導溝26pの入口部261pは、誘導通路21xの出口部212xと連結される共に、特別誘導溝26pの出口部262pは球導入部26fに接続されている。また、特別誘導溝26pの床面部は、入口部261pから出口部262pに向かって下り傾斜状とされている。このため、特別誘導溝26pを通過した遊技球は球導入部26fに進入可能となっている。
回転誘導体26bは、図8(b)に示すように、装着部26eに回転可能な状態に装着されている。また、この回転誘導体26bは、図9(a)に示すように、上面部が曲面部とされた円板に対して、4個の誘導用凹部261b、261b、261b、262bを設けた構成を備える。これらの誘導用凹部261b、262bは、回転誘導体26bの周方向に沿って等間隔に形成されると共に、1個の遊技球を受け入れ可能なサイズとされている。また、何れの誘導用凹部261b、262bも、回転誘導体26bの外周部の側から回転誘導体26bの中心部の側に凹む状態に形成されると共に、回転誘導体26bの上面部及び下面部においても開口している。そして、球導入部26f上の遊技球を受け入れることが可能である。
但し、3個の誘導用凹部261bが遊技球を通常誘導孔26gに誘導するために用いられ、残りの1個の誘導用凹部262bが、遊技球を特別誘導孔26hに誘導するために用いられる。つまり、誘導用凹部261b、262bに受け入れられた遊技球は、図9(c)に示すように、誘導用凹部261bの出口部265b、266bから、通常誘導孔26g及び特別誘導孔26hのうちの何れか一方に誘導される。そして、この出口部265b、266bは、回転誘導体26bの底面部で開口しているが、(a)3個の誘導用凹部(以下、「通常誘導用凹部」という。)261bが、回転誘導体26bを回転させることで、通常誘導孔26g(入口部)と上下に位置合わせ可能な位置に設けられ、(b)残りの1個の誘導用凹部(以下、「特別誘導用凹部」という。)262bが、回転誘導体26bを回転させることで、特別誘導孔26h(入口部)と上下に位置合わせ可能な位置に設けられているからである。
誘導モータ26cは、回転誘導体26bを回転させるためのモータである。この誘導モータ26cから発生する回転駆動力は、所定の伝達部材(ギア等)を介して、回転誘導体26bに伝達される。尚、後述する主制御部200Aは、誘導モータ26cの動作を制御する制御手段として機能する。そして、本実施例では、この主制御部200Aが誘導モータ26cの動作を制御することで、その回転軸が、常時、一定速度で回転するため、回転誘導体26bは、常時、一定速度で回転(上方側から見て、左回転方向)している。
誘導通路21xを通過した遊技球が球導入部26fで受け入れる。この遊技球は、球導入部26fを転動した後、通常誘導用凹部261b及び特別誘導用凹部262bのうちの一方に進入する。そして、通常誘導用凹部261bに進入した遊技球は、回転誘導体26bを回転させることで通常誘導孔26gに誘導され、特別誘導用凹部262bに進入した遊技球は、回転誘導体26bを回転させることで特別誘導孔26hに誘導される。
そして、遊技球が通常誘導孔26gに誘導されると、通常領域TRに到達し、通過検出スイッチ8n(図10を参照)によって検出される。また、遊技球が特別誘導孔26hに誘導されると、特別領域SRに到達し、通過検出スイッチ8t(図10を参照)によって検出される。ここで、回転誘導体26bには、3個の通常誘導用凹部261bと、1個の特別誘導用凹部262bとが、回転誘導体26bの周方向に沿って等間隔に配置されているため、球導入部26fに到達した遊技球が、特別領域SRに誘導される確率は、「1/4」とされている。
図4に戻って更に説明すると、第1始動入賞装置17aは非可変式(固定式)の始動入賞装置であり、上方に開口部(第1始動口)を開口させたポケット形状を備えている。そして、この第1始動口は、ステージ部21p(転動面)の中央部の略鉛直下方に位置するため、その中央部から落下する遊技球は、この第1始動口を通じて、第1始動入賞装置17に入賞する確率が高くされている。また、第1始動入賞装置17の内部には遊技球の通過を検出する始動入賞検出スイッチ17s(図10参照)が配設されている。なお、第1始動入賞装置17aの開口部の大きさは、1球の遊技球の通過を許容する大きさとされ、その大きさが拡大されたり縮小されたりすることはない。このため、第1始動入賞装置17aへの遊技球の入賞可能性は一定とされている。
第2始動入賞装置17bは可変式(開閉式)の始動入賞装置であり、遊技領域11内であって、メイン役物装置20の右側に位置する部位に配設されている。この第2始動入賞装置17bは、図6(a)に示すように、遊技盤本体10Aにビス止め固定される取付板17cと、取付板17cの前面部に装着されて第2始動入賞装置17bの入口側部分を構成する普通電動役物17dと、取付板17cの前面部に装着された障害部材17kと、を備えている。
普通電動役物17dは、いわゆるチューリップ式で左右に配設された一対の可動翼片17e、17eと、一対の可動翼片17e、17eを作動させるための普通電動役物ソレノイド17c(図10参照)とを備えている。このうち、可動翼片17e、17eはそれぞれの下方側の支軸を中心に、上端側を相互に離間するように、左右に開放可能とされる。そして、両可動翼片17e、17eが立設状態となる閉鎖状態にあるときに、可動翼片17e、17eの上端部間の間隔が縮小される。また、普通電動役物ソレノイド17cを駆動して、両可動翼片17e、17eを、下端側の軸心に上端側を相互に離間するように傾動させると、可動翼片17e、17eの上端部間の間隔が拡大され、開放状態とされる。
障害部材17kは、普通電動役物17dの鉛直上方に配設されている。また、第2始動入賞装置17bの内部には遊技球の通過を検出する始動入賞検出スイッチ17t(図10参照)が配設されている。
図6(a)に示すように、第2始動入賞装置17bが閉鎖状態になると、一対の可動翼片17e、17eの上端部間には、1球の遊技球の通過を許容する空間部K1が形成されるが、この空間部K1の鉛直上方に障害部材17Kが配設されている。このため、閉鎖状態にある第2始動入賞装置17bに遊技球が入賞することは不可能に構成されている。一方、図6(b)に示すように、第2始動入賞装置17bが開放状態になり、一対の可動翼片17e、17eが左右に開くと、可動翼片17e、17eの上端部間の間隔K1が、障害部材17Kの左右全幅よりも拡大される。このため、障害部材17Kの左右を通過した遊技球が、第2始動入賞装置17bへ入賞することが可能となる。また、一対の可動翼片17e、17eの上端部間に、上方に開口する開口部(第2始動口)17Tを設けられ、一対の可動翼片17e、17eに開放動作を施すと、第2始動口17Tが閉鎖状態から開放状態に所定の開放時間に亘って変化することとされている。尚、本実施例では、第2始動入賞装置17bを開放状態又は閉鎖状態とする開閉部材を、一対の可動翼片としたが、一枚の可動翼片であっても、出没又は回動可能な開閉板であってもよい。第2始動入賞装置17bへの入球を容易にする状態と、入球を困難にする状態とに変化させる部材であればよい。
本遊技機1においては、第2始動入賞装置17bが開放状態となると、遊技領域11を流下する遊技球が第2始動入賞装置17bに入賞可能となる。そして、遊技機1の遊技モードが開放延長モード(後述する。)となり、第2始動入賞装置17bが開放状態となる時間が長くなると、遊技球が第2始動入賞装置17bに入賞する確率は第1始動入賞装置17aに入賞する確率に比べて遙かに高くなる。なお、本実施例では、開放延長モードにおける第2始動入賞装置17bの開放時間を「5秒」としており、非開放延長モード(通常開放モード)における第2始動入賞装置17bの開放時間を「0.2秒」としている。
一方、前述のように、第2始動入賞装置17bが閉鎖状態になると、遊技球が第2始動入賞装置17bに入賞することが不可能であるため、遊技機1の遊技モードが開放延長モードでない場合、遊技球が第2始動入賞装置17bに入賞する確率は第1始動入賞装置17aに入賞する確率に比べて遙かに低くなる。すなわち、遊技機1の遊技モードが開放延長モードとなると、遊技球が第1始動入賞装置17aに入賞するケースはレアケースとなり、遊技機1の遊技モードが開放延長モードでない場合、遊技球が第2始動入賞装置17bに入賞するケースはレアケースである。
図4に示すように、遊技領域11内であって、メイン役物装置20の右側に位置するとともに第2始動入賞装置17bの下方に位置する部位には、大入賞装置31が配設されている。この大入賞装置31は、遊技盤10の前面部10aに装着された取付板部31kを備える。この取付板部31kは、略中央部において平面形状が略帯状の開口部を、表裏を貫通する状態に備え、この開口部によって大入賞口31aを構成している。そして、この大入賞口31aの後端部は「大入賞口入賞通路(図示を省略)」に連絡されている。なお、「大入賞口入賞通路」は大入賞口31aから入賞する遊技球を通過させるための通路であり、大入賞口31aに入賞した遊技球は大入賞口入賞通路を通過した後、本遊技機1の機外に排出される。
大入賞装置31は、この大入賞口31aを開放・閉鎖するための開閉板31bと、この開閉板31bを駆動するための大入賞口ソレノイド31c(図10参照)と、大入賞口入賞通路の経路途中若しくは経路端末部に設けられた大入賞口入賞検出スイッチ31s(図10参照)とを備えている。この大入賞装置31は、開閉板31bが起立姿勢となると、この開閉板31bが大入賞口31aを閉鎖するため、大入賞装置31への遊技球の入賞が不可能となる。一方、開閉板31bが、その下端部を支点に前方に傾動して前傾姿勢となると、大入賞口31aが開放されるとともに、開閉板31bの後面部(背面部)が遊技領域11を流下し、大入賞装置31へ到達した遊技球を大入賞口31aに誘導する誘導部を構成する。
図4に示すように、普通図柄作動ゲート(普通図柄作動口)16は、遊技領域11内であって、メイン役物装置20の右斜め上方側に位置する部位(第2始動入賞装置17bの上方に位置する部位)に配設されている。ここで、図4に示すように、遊技領域11を、メイン役物装置20を基準として、4つの領域部11L、11R、11U、11Dに区分することができる。つまり、メイン役物装置20の左側に位置する左領域部11Lと、メイン役物装置20の右側に位置する右領域部11Rと、メイン役物装置20の上側に位置する上領域部11Uと、メイン役物装置20の下側に位置する下領域部11Dとに区分することができる。
本遊技機1では、図4に示すように、小当り用入賞口25aと、大入賞口31aと、第2始動入賞装置17bと、普通図柄作動ゲート(普通図柄作動口)16を右領域部11Rに配置する。このため、小当り遊技や大当り遊技を実行している際や、第2始動入賞装置17bへの始動入賞を狙う場合(第1の開放延長状態及び第2の開放延長状態)において、遊技者は、右領域部11Rに向かって遊技球を発射すること(所謂「右打ち」)を行うことになる。そして、遊技球が、右領域部11Rに到達する前に通過する上領域部11Uにおいては、障害釘の配設密度が低い。特に、上領域部11Uにおいて右領域部11Rの近傍に位置する部位では、障害釘が配設されない「釘無し領域」とされている。しかも、「右打ち」を施された遊技球は、左領域部11Lを狙った遊技球に比べて勢いが強いため、小当り用入賞口25a、大入賞口31a、第2始動入賞装置17bに遊技球を入賞させたり、普通図柄作動ゲート(普通図柄作動口)16に遊技球を通過させることが効率に行われる。従って、本遊技機1によると、第1の開放延長状態や第2の開放延長状態を円滑に進行させることができる。しかも、後述するように、第1の開放延長状態や第2の開放延長状態になると、小当りの発生確率が高くなるため、第2始動入賞装置17bに遊技球を効率的に入賞させることで、小当りを経由して大当りを発生させる確率も高くなる。
また、図4に示すように、下部表示装置60は大入賞装置31の左側方に配置されている。この下部表示装置60は、図7(a)に示すように、遊技盤本体10Aの前面部に取り付けられる取付板61を備えている。そして、この取付板61には、第1特別図柄表示部62aと、第2特別図柄表示部62bと、普通図柄表示部63と、第1特別図柄保留表示部64aと、第2特別図柄保留表示部64bと、普通図柄保留表示部65等が設けられている。なお、第1特別図柄表示部62a及び第2特別図柄表示部62bは「特別図柄表示手段」の具体例を構成する。
図7(a)に示すように、第1特別図柄表示部62a、第2特別図柄表示部62b及び普通図柄表示部63は、何れも「7セグメント表示体」を用いて構成されている。このうち、第1特別図柄表示部62aでは、第1始動口入賞検出スイッチ17sによって遊技球が検出されることに起因して実行される当否判定の結果を示す「第1特別図柄の停止図柄」が、変動表示を経て停止表示する。また、第2特別図柄表示部62bでは、第2始動口入賞検出スイッチ17tsによって遊技球が検出されることに起因して実行される当否判定の結果を示す「第2特別図柄の停止図柄」が、変動表示を経て停止表示する。なお、第1特別図柄表示部62a及び第2特別図柄表示部62bの表示結果の内容については後述する。また、第1特別図柄表示部62a及び第2特別図柄表示部62bにおいて表示される図柄変動遊技の結果(当否判定の結果)と、演出表示装置27において表示される図柄変動演出の表示結果(当否判定の結果)は一致するものとされる。
普通図柄表示部63は、図7(a)に示すように「7セグメント表示体」によって構成され、何れかの普通図柄作動ゲート16を遊技球が通過することに起因して図柄変動開始条件が成立すると、普通図柄の変動表示を開始する。この普通図柄の変動表示は、普通図柄表示部63において「0」〜「9」までの算用数字をこの順で表示した後、再び、「0」〜「9」までの算用数字をこの順で表示することを繰り返す「循環表示」によって構成される。そして、これらの変動表示の実行時間が経過すると、普通図柄の停止図柄が一定時間実行される。このとき、停止図柄が「奇数数字」である場合、当り図柄であり、停止図柄が「偶数数字」である場合、外れ図柄である。この普通電動役物17dを開放状態とすべきか否かの抽選を行う抽選手段は、後述する主制御部200Aによって構成される。
第1特別図柄保留表示部64a及び第2特別図柄保留表示部64bは、それぞれ2個のLEDを用いて構成され、所謂「特別図柄に関する保留数」を、それぞれ4個を上限として表示するものである。つまり、第1特別図柄保留表示部64aは、第1の始動入賞装置17aに入賞したものの未だ消化することのできない遊技球の数(即ち、保留数)を、4個上限数として表示すると共に、未消化の遊技球(保留)が消化される毎に、未消化の遊技球の数(即ち、保留数)を順次、デクリメントして表示するものである。また、第2特別図柄保留表示部64bは、第2の始動入賞装置17bに入賞したものの未だ消化することのできない遊技球の数(即ち、保留数)を、4個上限数として表示すると共に、未消化の遊技球(保留)が消化される毎に、未消化の遊技球の数(即ち、保留数)を順次、デクリメントして表示するものである。ここで、特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)に関する「未消化の遊技球(つまり、保留)」とは、始動入賞装置(17a若しくは17b)に入賞したが、特別図柄表示部(62a若しくは62b)において、当該通過に伴う当否抽選(当否判定)の結果の表示と、これに先行する変動表示とがなされていない遊技球を指す。
普通図柄保留表示部65も2個のLEDを用いて構成され、普通図柄作動ゲート16を通過したが、未だ未消化の遊技球の数(保留数)を、4個を上限数として表示するとともに、未消化の遊技球が消化される毎に、未消化の遊技球の数(保留数)を順次、デクリメントして表示するものである。ここで、普通図柄に関する「未消化の遊技球(保留球)」とは、普通図柄作動ゲート16を通過したが、普通図柄表示部63において当該通過に伴う抽選の結果の表示(抽選結果図柄の確定表示)と、これに先行する変動表示(本実施例では、7セグメント表示体を用いた表示)とがなされていない遊技球を指す。なお、本実施例では、開放延長機能が作動しているときには、特別図柄に関する時短機能が作用するか否かにかかわらず、普通図柄に関する時短機能が作用するとともに、普通図柄に関する抽選が高確率で行われる。
第1特別図柄保留表示部64a、第2特別図柄保留表示部64b及び普通図柄保留表示部65では、それぞれ同様な態様で保留数の表示を行う。つまり、(a)2個のLEDを消灯させて「保留数」が「ゼロ」であることを示し、(b)1個のLEDを点灯させつつ1個のLEDを消灯させて「保留数」が「1」であることを示し、(c)2個のLEDを点灯させて「保留数」が「2」であることを示し、(d)1個のLEDを点滅させつつ1個LEDを点灯させて「保留数」が「3」であることを示し、(e)2個のLEDを点滅させて「保留数」が「4」であることを示す。なお、前述の第1保留表示領域(D1〜D4)の表示内容は第1特別図柄保留表示部64aの表示内容に対応し、前述の第2保留表示領域(E1〜E4)の表示内容は第2特別図柄保留表示部64bの表示内容に対応する。
図4に戻り、3個の一般入賞装置40、41、43は、メイン役物装置20の左右に配置されている。そして、各一般入賞装置40、41、43の内部には、遊技球の入賞を検出するための一般入賞検出スイッチ40s、41s、43s(図8参照)が配設されている。また、遊技盤10の下方にはアウト口18が設けられている。更に、アウト口18の下部にはバック球防止部材(図示を省略)が設けられている。そして、遊技領域11に到達せず戻ってきた遊技球が再び発射位置に戻ることを防止している。
(2)制御回路の構成
次に、図10〜図11を用いて本実施例の遊技機1の制御回路の構成について説明する。本遊技機1の制御回路は、主制御部200Aと、複数の副制御部(220A、240A、260A)とを含んで構成されている。つまり、主制御基板200を用いて構成されると共に遊技の基本的な進行や賞球に関わる当否についての制御を司る主制御部200Aと、複数の副制御部(220A、240A、260A)とを備えている。
副制御部としては、(a)サブ制御基板220を用いて構成されると共に、図柄表示、ランプの発光、効果音、可動物の動作等を用いた遊技の各種の演出の制御を司るサブ制御部220Aと、(b)演出表示制御基板222を用いて構成されると共に、図柄表示、ランプの発光、効果音、可動物の動作等を用いた遊技の各種の演出の制御を司る演出制御部222Aと、(c)払出制御基板240を用いて構成されると共に貸球や賞球を払い出す動作の制御を司る払出制御部240Aと、(d)発射制御基板260を用いて構成されると共に遊技球の発射に関する制御を司る発射制御部260Aを備える。尚、副制御部には、主制御部140に直に接続された第1次副制御部(220A、240A)と、この第1次副制御部を介して主制御部200Aに接続された第2次副制御部(260A)とが存在する。
これらの制御部(200A、220A、240A、260A)を構成する制御基板(200、220、240、260)は、各種論理演算及び算出演算を実行するCPUや、CPUで実行される各種プログラムやデータが記憶されているROM、プログラムの実行に際してCPUが一時的なデータを記憶するRAM、周辺機器とのデータのやり取りを行うための周辺機器インターフェース(PIO)、CPUが演算を行うためのクロックを出力する発振器、CPUの暴走を監視するウォッチドッグタイマ、定期的に割り込み信号を発生させるCTC(カウンター・タイマ・サーキット)など、種々の周辺LSIがバスで相互に接続されて構成されている。尚、図10〜図11中の矢印の向きは、データあるいは信号を入出力する方向を表している。また、図8においては、主制御基板200に搭載されたCPU201、RAM202、ROM203のみ図示されており、主制御基板200に搭載されているPIO、更には、他の制御基板に搭載されているCPUや、RAM、ROMなどについては図示を省略している。
主制御部200A(主制御基板200)は、普通図柄作動ゲート通過検出スイッチ16s、始動口入賞検出スイッチ17s、一般入賞検出スイッチ40s、41s、43s、大入賞口入賞検出スイッチ31s、入球検出センサ21y、通過検出スイッチ8n、8t等から遊技球の検出信号を受け取って、遊技の基本的な進行や賞球に関わる当否を決定した後、サブ制御部200A(サブ制御基板220)や、払出制御部240A(払出制御基板240)、発射制御部260A(発射制御基板260)等に向かって、後述する各種の信号(コマンド)を出力する。また、主制御部200A(主制御基板200)には、発射装置ユニットから発射された遊技球を検出するカウントスイッチ8sも接続されている。
また、主制御部200A(主制御基板200)は、普通電動役物ソレノイド17cや、大入賞口ソレノイド31c、小当り用入賞口ソレノイド25c、誘導モータ26c、下部表示装置60に信号を出力することにより、これらの動作を直接制御している。つまり、主制御部200A(主制御基板200)は、当否判定手段と、大当り遊技実行手段として機能することになる。また、主制御部200A(主制御基板200)を構成するCPU201により決定された所定の信号(コマンド)は、サブ制御基板220や払出制御基板240に対してそれぞれ送信される。ここで、主制御部200A(主制御基板200)は、開放延長機能作動手段(開放延長手段)、変動時間決定テーブル記憶手段(変動パターンテーブル記憶手段)、当り遊技実行手段(大当り遊技実行手段、小当り遊技実行手段)、当り態様決定手段、図柄変動遊技実行手段、遊技状態設定手段の具体例を構成する。
サブ制御部220A(サブ制御基板220)は、主制御部200A(主制御基板200)からの各種信号(コマンド)を受け取ると、信号(コマンド)の内容を解析して、その結果に応じた遊技の演出を行う。つまり、サブ制御部220A(サブ制御基板220)は、主制御部200A(主制御基板200)からの制御信号に基づいて遊技の演出の制御を司るものである。このサブ制御部220A(サブ制御基板220)には、図10に示すように、演出表示制御部222A(演出表示制御基板222)と、アンプ基板224と、装飾駆動基板226と、演出ボタン基板228と、にそれぞれ電気的に接続されている。また、サブ制御基板220は、CPU220aと、RAM220bと、ROM220cとを備えている。
サブ制御基板220のCPU220aは、主制御基板200からの制御信号を受けて演出表示制御基板222、アンプ基板224、装飾駆動基板226及び演出ボタン基板228などの各基板を制御する。また、ROM220bには、各基板の制御に必要なデータ(特に遊技の装飾に関する情報)が記憶されている。また、CPU220aは、主制御部200A(主制御基板200)から送出された表示制御コマンド(つまり、表示制御信号)を受信すると共に、ROM220bに記憶されたプログラムに従って解析する。そして、サブ制御部220A(サブ制御基板220)を構成するCPU220aは、このCPU220aにより決定された所定の表示制御コマンドや、主制御部200A(主制御基板200)から送信されたままの表示制御コマンドを演出表示制御部222A(演出表示制御基板222)に対して送信する。
アンプ基板224には、所定の効果音を出力するスピーカSP1〜SP4が電気的に接続されている。また、装飾駆動基板226には、前面枠4や遊技盤10等に設けられる装飾用の各種LED(ランプ)を搭載した各種LED基板が接続されている。また、装飾駆動基板226は、サブ制御基板220Aからの信号を受けて遊技の装飾に関する制御を行うものである。
払出制御部240Aには、図10に示すように、中継端子板、発射制御部260A、下皿満タンスイッチ6s等が接続されている。また、払出制御部240Aには中継端子板を介して、遊技球払出装置(払出装置)109を構成する払出モータ109mと、前側払出スイッチ109aと、後側払出スイッチ109bとが接続されている。また、払出制御部240Aには、主制御部200Aが双方向通信可能な状態に接続されている。
この払出制御部240Aは、所謂、貸球や賞球の払い出しに関する各種の制御を司っている。例えば、遊技者が貸出ボタン5cや返却ボタン5qを操作すると、その操作信号は、球貸表示基板410から中継端子板を介して払出制御基板240に伝達され、その操作信号に基づいて払出モータ109mを駆動させるための駆動信号が、遊技球払出装置(払出装置)109(払出モータ109m)に伝達される。
また、主制御部200Aが賞球の払出コマンドを出力すると、このコマンドを払出制御部240Aが受け取って、払出モータ109mに駆動信号を出力することによって賞球の払い出しが行われる。また、払い出される遊技球は、2つの払出スイッチ(前側払出スイッチ109a、後側払出スイッチ109b)によって検出されて、払出制御部240Aに入力される。更に、払い出された賞球数はカウントスイッチ109cによっても検出されて、主制御部200Aでも計数されている。
次に、サブ制御部220A(サブ制御基板220)に対する信号或いはコマンドの入出力関係について説明する。前述のように、サブ制御部220A(サブ制御基板220)には、演出表示制御基板222と、アンプ基板224、装飾駆動基板226、演出ボタン基板228などの各種基板が接続されている。また、サブ制御部220Aは、前述のように、主制御部200Aから各種の演出用のコマンド(表示制御コマンドなど)を受け取ると、コマンドの内容を解釈して、(a)演出表示装置27での具体的な表示内容や、(b)スピーカSP1〜4で出力する効果音、更には、(c)各種LED基板4b〜4h等に搭載された各種LEDや、その他のランプ類の点灯若しくは点滅の具体的な態様を決定する。
次いで、演出表示装置27の駆動信号(各種の図柄制御コマンド)を演出表示制御部222Aに出力して、演出図柄(疑似図柄、背景図柄、キャラクタ図柄等)の変動表示及び停止表示を行う。このとき、表示される演出図柄(疑似図柄、背景図柄、キャラクタ図柄、実写映像等)の表示データ(静止画像データ、動画像データなど)については、演出表示装置27、或いは、演出表示制御基板222に内蔵された表示用ROM(図示を省略)に格納されているデータを使用する。
疑似図柄の変動表示及び停止表示に合わせて、音声信号をアンプ基板224に出力することによって、スピーカSP1〜SP4から効果音を出力する。加えて、装飾駆動基板226に信号を供給し、装飾駆動基板226から、各種LEDランプ4b〜4h)の駆動信号を出力することによって、各種ランプ類(LED等)等の点灯・点滅動作等を制御する。また、上皿部材5の前面側に設けられた演出ボタンSWを遊技者が操作すると、この操作信号がサブ制御部220Aに供給される。そして、サブ制御部220Aは、供給された操作信号に基づいて、演出表示装置27を初めとする各種の演出内容に操作結果を反映させることが可能に構成されている。
(3)遊技機1による遊技の概要
次に、本実施例の遊技機1で行われる遊技の概要について、図12を用いて簡単に説明する。
第1始動入賞装置17aへの遊技球の入賞(以下、「第1始動入賞」という。)に起因して実行される当否判定(以下、「第1当否判定」という。)の結果表示の実行時期が到来すると、下部表示装置60の第1特別図柄表示部62aにおいて、第1特別図柄を用いた変動表示と、確定表示(停止表示)とが実行される。また、第2始動入賞装置17bへの遊技球の入賞(以下、「第2始動入賞」という。)に起因して実行される当否判定(以下、「第2当否判定」という。)の結果表示の実行時期が到来すると、下部表示装置60の第2特別図柄表示部62bにおいて第2特別図柄を用いた変動表示と、確定表示(停止表示)とが実行される。ここで、第1特別図柄及び第2特別図柄は「本図柄」であり、遊技の基本進行を司る「主制御部200Aにおいて「停止図柄」と「変動時間(変動パターン)」が決定される。
第1特別図柄表示部62aにおける第1特別図柄の確定表示によって「第1当否判定の結果が外れである」旨が表示される場合と、第2特別図柄表示部62bにおける第2特別図柄の確定表示によって「第2当否判定の結果が外れである」旨が表示される場合には、遊技機の遊技状態は非特別遊技状態(大当り状態でも、小当り状態でもない状態)に維持され、大入賞口31a及び小当り用入賞口25aは閉鎖状態のままとされる。
また、第1特別図柄の確定表示によって「第1当否判定の結果が大当りである」旨が表示されるか、若しくは、第2特別図柄の確定表示の確定表示によって「第2当否判定の結果が大当りである」旨が表示されると、大当り遊技実行手段(主制御部200A)は大当り遊技を開始させる。これにより、大入賞口31aを所定回数(8回若しくは16回)に亘って開放状態とする「大当り遊技」が実行される。つまり、この大当り遊技を開始すると、開閉板31bに「単位駆動」が所定回数に亘って施される。この「単位駆動」は開閉板31bの姿勢を、大入賞口31aを閉鎖する姿勢(以下、「閉鎖姿勢」という。)から、大入賞口31aを開放する姿勢(以下、「開放姿勢」という。)に移行させ、この開放姿勢を第1の時間(例えば、20秒〜30秒から選択される時間であるが、本実施例では30秒である。)維持した後、この開閉板31bの姿勢を閉鎖姿勢に戻すことを内容とする。
そして、この「単位駆動」が所定のインターバル時間(例えば約2秒)を挟みつつ所定回数(8回若しくは16回)実行されると、大当り遊技実行手段は、遊技機の状態を特別遊技状態から非特別遊技状態に戻す。以下、「単位駆動」を8回(8ラウンド)行うことを内容とする大当り遊技を「8R大当り遊技」と称するとともに、8R大当り遊技の実行契機となる大当りを「8R大当り」と称する。また、「単位駆動」を16回(16ラウンド)行うことを内容とする大当り遊技を「16R大当り遊技」と称するとともに、16R大当り遊技の実行契機となる大当りを「8R大当り」と称する。
ここで、「16R大当り遊技」及び「8R大当り遊技」のうちの何れにおいても、各ラウンド遊技における大入賞口31aの開放時間が比較的長時間(30秒)であるため、各ラウンド遊技の実行中に規定入賞数(10個)の遊技球を大入賞口31aに入球させることが容易である。また、「16R大当り遊技」及び「8R大当り遊技」のうちの何れにおいても、各ラウンド遊技で大入賞口31aに規定入賞数(10個)の遊技球が入球すると「150個」の遊技球が払い出される。このため、「16R大当り遊技」の払出予定賞球数は「2,400個」とされ、「8R大当り遊技」の払出予定賞球数は「1,200個」とされている。つまり、「16R大当り遊技」及び「8R大当り遊技」は、多量の賞球払出が行われるように設定された当り遊技(遊技者に多量の賞球上の利益を付与可能な当り遊技)を構成している。
更に、第1特別図柄の確定表示によって「第1当否判定の結果が小当りである」旨が表示されるか、若しくは、第2特別図柄の確定表示の確定表示によって「第2当否判定の結果が小当りである」旨が表示されると、小当り遊技が実行される。この小当り遊技では、所定の動作パターンに従って開閉部材25bが開放動作を実行する。この動作パターンは「開閉部材25bの姿勢を短時間(例えば、0.4秒間)の間、開放姿勢とすることを1回若しくは3回行うこと」を内容とするものであり、これにより、小当り用入賞口25aは短時間(例えば、0.4秒間)の間、開放状態とされる。このとき、小当り用入賞口25aを通じてメイン役物装置20に遊技球が入球し、通常領域TRに到達すると、「外れ」となり、大当り遊技実行手段は遊技機の状態を非特別遊技状態に維持する。
一方、小当り用入賞口25aを通じてメイン役物装置20に遊技球が入球し、所定の有効時間内に特別領域SRに到達すると、「大当り」となり、大当り遊技実行手段が大当り遊技を開始する。この「大当り」にも、「8R大当り」と「16R大当り」と存在するが、小当り遊技から移行する大当り遊技においては、小当り遊技を経ることなく、非特別遊技状態から大当り遊技状態に移行して実行される大当り遊技に比べて、ラウンド数(大入賞口31aの開放回数)を1回分減じた状態で実行される。つまり、「8R大当り」を契機として実行する大当り遊技においては「単位駆動」が7回行われ、「16R大当り」を契機として実行する大当り遊技においては「単位駆動」が15回行われる。
ここで、小当り遊技中において、小当り用入賞口25aが一回開放状態となる毎に、1球(タイミングが良ければ2球)の遊技球が小当り用入賞口25aに入球するケースと、1球の遊技球も入球しないケースとのうちの何れかを生ずる。このため、小当り遊技中において、小当り用入賞口25aに入球する遊技球の数は「ゼロ球」〜「6球」のうちの何れかということになる。そして、本遊技機1では、小当り用入賞口25aに1球の遊技球が入球する毎に15球の遊技球が払い出されるため、小当り遊技を実行することで払い出される遊技球の数は、少ない場合に「ゼロ球」球、多くい場合に「90球」ということになる。つまり、「小当り遊技」は、「大当り遊技」に比べて賞球払出量が少なくなるように設定された当り遊技を構成している。すなわち、「小当り遊技」は「大当り遊技」に比べて、少ない賞球上の利益を遊技者に付与可能な当り遊技を構成している。
(4)図柄変動遊技及び図柄変動演出の流れ
前述のように、本遊技機1では、始動入賞に基づいて行われる当否判定の結果を示す停止図柄の停止表示(確定表示)と、この停止表示の前段階に行われる変動表示とを、下部表示装置60及び演出表示装置27の2種類の図柄表示装置で実行する。ここで、下部表示装置60の第1特別図柄表示部62aと、第2特別図柄表示部62bとにおいては、「本図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)」を用いた変動表示と、停止表示とが実行される。
一方、演出表示装置27の表示画面27aにおいては「疑似図柄」が表示され、主制御部200Aの制御の下で遊技上の演出を制御する「サブ制御部220A」によって、その変動態様と停止図柄とが決定される。そして、通常、これらの「疑似図柄」の図柄変動は「本図柄」と同一の時間だけ実行され、これらの「疑似図柄」の停止図柄の表示内容(大当り、小当り、外れ)は、第1特別図柄表示部62a若しくは第2特別図柄表示部62bにおける「本図柄」の表示内容(大当り、小当り、外れ)と矛盾を生じないものとされる。そして、本実施例においては特別図柄を用いたリーチ表示などの図柄変動演出を行う場合、その図柄変動演出は演出表示装置27(疑似図柄)において行われる。以下、本図柄及び疑似図柄の表示内容について簡単に説明する。
a.本図柄
第1始動入賞に起因した第1特別図柄の変動表示及び停止表示、つまり「第1特別図柄に係る図柄変動遊技」は第1特別図柄表示部62aにおいて行われる。また、第2始動入賞に起因した第2特別図柄の変動表示及び停止表示、つまり「第2特別図柄に係る図柄変動遊技」は第2特別図柄表示部62bにおいて行われる。これらの変動表示は、図7(b)に示すように、対応する特別図柄表示部(62a若しくは62b)を構成する7セグメント表示体によって、算用数字を構成できない不完全な図柄(以下、不完全図柄という。)の「循環表示」を行うことを内容とする。つまり、算用数字に比べて遊技者にとって馴染みが無く、識別や記憶が困難な不完全図柄を「循環表示」することを内容とする。
ここで、図13に示すように、本遊技機1において設定可能な遊技状態は、(a)開放延長機能及び時短機能が作動しない状態(以下、「第1の通常状態」という。)と、(b)時短機能が作動し、開放延長機能が作動しない状態(以下、「第2の通常状態」という。)と、(c)開放延長機能が作動し、時短機能が作動しない状態(以下、「第1の開放延長状態」という。)と、(d)開放延長機能及び時短機能が作動する状態(以下、「第2の開放延長状態」という。)である。なお、以下の説明において、単に「時短機能」若しくは「時短状態」というときには、特にことわらない限り、特別図柄の変動時間を短縮する機能を指し、「普通図柄に関する時短機能」若しくは「普通図柄に関する時短状態」というときに限り、普通図柄の変動時間を短縮する機能を指す。また、図13〜図29において、「第1の通常状態」を符号「A」で、「第2の通常状態」を符号「B」で、「第1の開放延長状態」を符号「C」で、「第2の開放延長状態」を符号「D」で示す。
「第1の通常状態」において「大当り」を生じ、当該大当りの発生を契機とする大当り遊技を実行した後においては、本遊技機1の遊技状態が「第1の通常状態」に設定される確率が「50%」、「第2の通常状態」に設定される確率が「10%」、「第1の開放延長状態」に設定される確率が「40%」、「第2の開放延長状態」に設定される確率が「10%」とされている。このため、「第1の通常状態」において「大当り」を生じ、当該大当りの発生を契機とする大当り遊技を実行した後においては、開放延長状態となる確率(開放延長突入率)は「40%」、時短状態となる確率(時短突入率)は「0%」とされている。
また、「第2の通常状態」において「大当り」を生じ、当該大当りの発生を契機とする大当り遊技を実行した後においては、本遊技機1の遊技状態が「第1の通常状態」に設定される確率が「10%」、「第2の通常状態」に設定される確率が「50%」、「第2の開放延長状態」に設定される確率が「40%」とされている。このため、「第2の通常状態」において「大当り」を生じ、当該大当りの発生を契機とする大当り遊技を実行した後においては、開放延長状態となる確率(開放延長突入率)及び時短状態となる確率(時短突入率)は「40%」とされている。
「第1の開放延長状態」において「大当り」を生じ、当該大当りの発生を契機とする大当り遊技を実行した後においては、本遊技機1の遊技状態が「第1の通常状態」に設定される確率が「40%」、「第1の開放延長状態」に設定される確率が「50%」、「第2の開放延長状態」に設定される確率が「10%」とされている。このため、「第1の開放延長状態」において「大当り」を生じ、当該大当りの発生を契機とする大当り遊技を実行した後においては、開放延長状態となる確率(開放延長の継続率)は「60%」とされている。更に、「第1の開放延長状態」において「大当り」を生じ、当該大当りの発生を契機とする大当り遊技を実行した後においては、時短状態となる確率(時短突入率)は「10%」とされている。
「第2の開放延長状態」において「大当り」を生じ、当該大当りの発生を契機とする大当り遊技を実行した後においては、本遊技機1の遊技状態が「第1の通常状態」に設定される確率が「10%」、「第1の開放延長状態」に設定される確率が「10%」、「第2の開放延長状態」に設定される確率が「80%」とされている。このため、「第2の開放延長状態」において「大当り」を生じ、当該大当りの発生を契機とする大当り遊技を実行した後においては、開放延長状態となる確率(開放延長の継続率)となる確率は「90%」、時短状態となる確率は「80%」とされている。
このように、「第2の通常状態」での図柄変動遊技を実行している場合には、一回の当り遊技を経て、遊技状態を第2の開放延長状態に移行することができる。一方、第1の通常状態での図柄変動遊技を実行している場合には、当り遊技を経て、遊技状態を第1の開放延長状態に移行させてから、更に当り遊技を経なければ、遊技状態を第2の開放延長状態に移行させることができない。しかも、第1の開放延長状態での図柄変動遊技を実行している場合には、遊技状態が第1の通常状態に戻る可能性がある。このように、本遊技機1では、遊技状態を第2の開放延長状態に移行させ易い「第2の通常状態」と、移行させ難い「第1の通常状態」が併存するため、第2の開放延長状態になるまでの間における遊技興趣を更に高めることができる。
図13に示すように、遊技機1の遊技状態にかかわらず、第1当否判定及び第2当否判定の何れにおいても、大当りを示す判定結果が導出される確率(大当り確率)は約「1/400」とされる。また、小当りを示す判定結果が導出される確率(小当り確率)は、第1当否判定の場合は、「1/399」とされ、第2当否判定の場合は、「10/11」とされている。
これにより、遊技機1の遊技状態が「第1の通常状態」若しくは「第2の通常状態」である場合には、第2始動入賞装置が非開放延長モードとなっているので、第2当否判定を実行することができない(実行する可能性が非常に低い)。このため、「通常状態」における小当り確率は、実質的に「1/399」となる。また、遊技機1の遊技状態が「第1の開放延長状態」若しくは「第2の開放延長状態」である場合には、第2始動入賞装置が開放延長モードとなっているので、遊技者は、第2始動入賞装置を狙って遊技を実行することとなる。このため、「第1の開放延長状態」若しくは「第2の開放延長状態」における小当り確率は実質的に約「10/11」となる(「363/399」)。すなわち、「通常状態」では主として第1当否判定が実行され、「第1の開放延長状態」若しくは「第2の開放延長状態」では主として第2当否判定が実行されることとなる。
第1特別図柄表示部62a若しくは第2特別図柄表示部62bに大当りを示す判定結果が導出されると、「大当り」を発生し、大当り遊技が実行される。なお、遊技状態が大当り遊技状態となっている間は、特別図柄(本図柄)の変動表示が行われない状態、すなわち、図柄変動遊技が実行不能な状態となる。これに対し、「大当り遊技状態移行前」や「大当り遊技状態終了後」の大当り遊技が行われていない状態は、特別図柄(本図柄)の変動表示が行われる状態、すなわち、図柄変動遊技が実行可能な状態(図柄変動遊技状態)となる。
ここで、「大入賞装置31の開放」は大入賞口ソレノイド31cを駆動して、起立姿勢にある開閉板31bを前傾姿勢とし、大入賞口31aを開放状態に変化させることによって実現され、「大入賞装置31の閉鎖」は、大入賞口ソレノイド31cの駆動を停止して開閉板31bを起立姿勢に戻し、大入賞口31aを閉鎖状態に戻すことによって実現される。そして、大当り遊技中の各ラウンド遊技においては、大入賞装置31に対して、大入賞口31aを1回開放状態に変化させる開閉動作が施される。なお、大入賞口31aに規定入賞数(10個)の遊技球が入球するか、或いは、大入賞口31aの開放時間が開放限度時間(30秒)に到達すると、ラウンド終了条件が成立して、実行中のラウンド遊技(大当りラウンド)を終了する。そして、大入賞装置31の開閉動作が、所定のインターバルを挟みつつ複数回繰り返されると大当り遊技を終了する。
本遊技機1では、遊技状態が大当り遊技状態(特別遊技状態)に移行すると、所定回数(8ラウンド若しくは16ラウンド)に亘る「ラウンド遊技」を実行する。そして、最終回の「ラウンド遊技」を終了すると、大当り遊技が終了する。更に、大当り終了に係る演出(エンディング演出)を行った後、遊技状態が図柄変動遊技状態に戻される。
第1特別図柄表示部62a若しくは第2特別図柄表示部62bに小当りを示す判定結果が導出されると、「小当り」を発生し、小当り遊技実行手段が作動を開始して小当り遊技が実行される。そして、小当り遊技を開始すると、主制御部200Aが小当り用入賞口ソレノイド25cの駆動及び駆動停止を行うことで「小当り用入賞口25aを開閉する開閉動作」が実行される。なお、遊技状態が小当り遊技状態となっている間は、特別図柄(本図柄)の変動表示が行われない状態、すなわち、図柄変動遊技が実行不能な状態となる。
本実施例では、第1特別図柄表示部62a若しくは第2特別図柄表示部62bに停止表示(確定表示)される当り図柄(大当り図柄、小当り図柄)の態様や当り発生時の遊技状態に応じて、大当り遊技終了後の遊技機1の遊技状態や、実行される当り遊技(ラウンド遊技)の内容が異なったものとなる。以下、この点について、図14〜図29を用いて説明する。ここで、本遊技機1では、小当り遊技として、「開閉部材25bの姿勢を短時間(例えば、0.4秒間)の間、開放姿勢とすることを3回行うこと」を内容とする小当り遊技(以下、「3T小当り遊技」という。)と、「開閉部材25bの姿勢を短時間(例えば、0.4秒間)の間、開放姿勢とすることを1回行うこと」を内容とする小当り遊技(以下、「1T小当り遊技」という。)とを予定している。以下の説明において、「3T小当り遊技」の実行契機となる小当りを「3T小当り」と称し、「1T小当り遊技」の実行契機となる小当りを「1T小当り」と称する。なお、以下に示す「振分抽選」を行うための乱数(以下、「図柄決定用乱数」という。)は、当否判定用の乱数(大当り抽選用の乱数、小当り抽選用の乱数、など)と同様に、始動入賞を生じたタイミングで取得される。また、図14〜図29に示す乱数抽選(振分抽選)は、制御基板200に搭載されたCPU201が当り態様決定手段として行う処理の結果を示している。
遊技機1の遊技状態が第1の通常状態であるとき、第1当否判定によって「大当り」を示す判定結果が導出される場合には、図14に示すように、主制御部200Aは大当りの種類(大当り図柄の種類)を乱数抽選(振分抽選)によって決定する。また、遊技機1の遊技状態が第1の通常状態であるとき、第2当否判定によって「大当り」を示す判定結果が導出される場合にも、図15に示すように、主制御部200Aは大当りの種類(大当り図柄の種類)を乱数抽選(振分抽選)によって決定する。但し、第1の通常状態では第2始動入賞装置が非開放延長モードとなっているため、第2当否判定が実行される可能性は低いものとされる。
そして、何れの乱数抽選(振分抽選)によっても、「大当りの種類」が(A)大当り遊技終了後の遊技状態を第1の通常状態とする大当り(16R大当りA、8R大当りA)と、(B)大当り遊技終了後の遊技状態を第2の通常状態とする大当り(16R大当りB、8R大当りB)と、(C)大当り遊技終了後の遊技状態を第1の開放延長状態とする大当り(16R大当りC、8R大当りC)とのうちの何れかに決定される。
遊技機1の遊技状態が通常状態であるとき、第1当否判定によって「小当り」を示す判定結果が導出される場合には、図16に示すように、主制御部200Aは小当りの種類(大当り図柄の種類)を乱数抽選(振分抽選)によって決定する。また、遊技機1の遊技状態が通常状態であるとき、第2当否判定によって「小当り」を示す判定結果が導出される場合には、図17に示すように、主制御部200Aは小当りの種類(大当り図柄の種類)を乱数抽選(振分抽選)によって決定する。そして、何れの乱数抽選(振分抽選)によっても、「小当りの種類」が(A)大当りを発生したならば、大当り遊技終了後の遊技状態を第1の通常状態とする小当り(3T小当りA、1T大当りA)と、(B)大当りを発生したならば、大当り遊技終了後の遊技状態を第2の通常状態とする小当り(3T小当りB、1T大当りB)と、(C)大当りを発生したならば、大当り遊技終了後の遊技状態を第1の開放延長状態とする小当り(3T小当りC、1T大当りC)とのうちの何れかに決定される。但し、上記と同様に、第1の通常状態では第2始動入賞装置が非開放延長モードとなっているため、第2当否判定が実行される可能性は低いものとされる。
図14〜図17の何れに示す場合においても、大当り遊技を実行した後においては、本遊技機1の遊技状態が「第1の通常状態」に設定される確率が「50%」、「第2の通常状態」に設定される確率が「10%」、「第1の開放延長状態」に設定される確率が「40%」とされている。但し、第2当否判定の結果が「大当り」や「小当り」である場合の「振分抽選」においては、第1当否判定の結果が「大当り」や「小当り」である場合の「振分抽選」に比べて、より多量の賞球が期待できる大当りが選択される確率が高くなっている(図14〜図17を参照)。このため、遊技者にとっては、第2当否判定が連続的に行われる遊技(以下、「第2当否判定を主体とする遊技」という。)を行う場合(「第1の開放延長状態」若しくは「第2の開放延長状態」)の方が、第1当否判定が連続的に行われる遊技(以下、「第1当否判定を主体とする遊技」という。)を行う場合(「第1の通常状態」若しくは「第2の通常状態」)よりも有利度が高いと言える。
遊技機1の遊技状態が第2の通常状態であるとき、第1当否判定によって「大当り」を示す判定結果が導出される場合には、図18に示すように、主制御部200Aは大当りの種類(大当り図柄の種類)を乱数抽選(振分抽選)によって決定する。また、遊技機1の遊技状態が第2の通常状態であるとき、第2当否判定によって「大当り」を示す判定結果が導出される場合にも、図19に示すように、主制御部200Aは大当りの種類(大当り図柄の種類)を乱数抽選(振分抽選)によって決定する。但し、第2の通常状態では第2始動入賞装置が非開放延長モードとなっているため、第2当否判定が実行される可能性は低いものとされる。
そして、何れの乱数抽選(振分抽選)によっても、「大当りの種類」が(A)大当り遊技終了後の遊技状態を第1の通常状態とする大当り(16R大当りE、8R大当りE)と、(B)大当り遊技終了後の遊技状態を第2の通常状態とする大当り(16R大当りD、8R大当りD)と、(C)大当り遊技終了後の遊技状態を第2の開放延長状態とする大当り(16R大当りF、8R大当りF)とのうちの何れかに決定される。
遊技機1の遊技状態が第2の通常状態であるとき、第1当否判定によって「小当り」を示す判定結果が導出される場合には、図20に示すように、主制御部200Aは小当りの種類(大当り図柄の種類)を乱数抽選(振分抽選)によって決定する。また、遊技機1の遊技状態が通常状態であるとき、第2当否判定によって「小当り」を示す判定結果が導出される場合には、図21に示すように、主制御部200Aは小当りの種類(大当り図柄の種類)を乱数抽選(振分抽選)によって決定する。そして、何れの乱数抽選(振分抽選)によっても、「小当りの種類」が(A)大当りを発生したならば、大当り遊技終了後の遊技状態を第1の通常状態とする小当り(3T小当りE、1T大当りE)と、(B)大当りを発生したならば、大当り遊技終了後の遊技状態を第2の通常状態とする小当り(3T小当りD、1T大当りD)と、(C)「大当りを発生したならば、大当り遊技終了後の遊技状態を第1の開放延長状態とする小当り(3T小当りF、1T大当りFとのうちの何れかに決定される。但し、上記と同様に、第2の通常状態では第2始動入賞装置が非開放延長モードとなっているため、第2当否判定が実行される可能性は低いものとされる。
図18〜図21の何れに示す場合においても、大当り遊技を実行した後においては、本遊技機1の遊技状態が「第1の通常状態」に設定される確率が「10%」、「第2の通常状態」に設定される確率が「50%」、「第2の開放延長状態」に設定される確率が「40%」とされている。但し、第2当否判定の結果が「大当り」や「小当り」である場合の「振分抽選」においては、第1当否判定の結果が「大当り」や「小当り」である場合の「振分抽選」に比べて、より多量の賞球が期待できる大当りが選択される確率が高くなっている(図18〜図21を参照)。このため、遊技者にとっては、「第2当否判定を主体とする遊技」を行う場合(「第1の開放延長状態」若しくは「第2の開放延長状態」)の方が、「第1当否判定を主体とする遊技」を行う場合(「第1の通常状態」若しくは「第2の通常状態」)よりも有利度が高いと言える。
遊技機1の遊技状態が第1の開放延長状態であるとき、第1当否判定によって「大当り」を示す判定結果が導出される場合も、図22に示すように、主制御部200Aは大当りの種類(大当り図柄の種類)を乱数抽選(振分抽選)によって決定する。但し、「第1の開放延長状態」では第2始動入賞装置が開放延長モードとなっているため、遊技者は右打ちをすることとなり(第2当否判定の方が遊技者に有利であるうえ、始動入球率も右打ちの方が高くなるため)、主として第2当否判定が実行される。これにより、第1当否判定が実行される可能性は低いものとされる(右打ちした遊技球が障害釘等に誘導されて、又は、誤って左打ちをして、第1始動入賞装置に入賞した場合に実行される)。
そして、「第1の開放延長状態」において主として実行される第2当否判定によって「大当り」を示す判定結果が導出される場合も、図23に示すように、主制御部200Aは大当りの種類(大当り図柄の種類)を乱数抽選(振分抽選)によって決定する。そして、何れの乱数抽選(振分抽選)によっても、「大当りの種類」が(A)大当り遊技終了後の遊技状態を第1の通常状態とする大当り(16R大当りI、8R大当りI)と、(B)大当り遊技終了後の遊技状態を第1の開放延長状態とする大当り(16R大当りG、8R大当りG)と、(C)大当り遊技終了後の遊技状態を第2の開放延長状態とする大当り(16R大当りH、8R大当りH)とのうちの何れかに決定される。
遊技機1の遊技状態が第1の開放延長状態であるとき、第1当否判定によって「小当り」を示す判定結果が導出される場合も、図24に示すように、主制御部200Aは小当りの種類(大当り図柄の種類)を乱数抽選(振分抽選)によって決定する。但し、上記と同様に、「第1の開放延長状態」では第2始動入賞装置が開放延長モードとなっているため、遊技者は右打ちをすることとなり(第2当否判定の方が遊技者に有利であるうえ、始動入球率も右打ちの方が高くなるため)、主として第2当否判定が実行される。これにより、第1当否判定が実行される可能性は低いものとされる。
そして、「第1の開放延長状態」において主として実行される第2当否判定によって「小当り」を示す判定結果が導出される場合も、図25に示すように、主制御部200Aは小当りの種類(大当り図柄の種類)を乱数抽選(振分抽選)によって決定する。そして、何れの乱数抽選(振分抽選)によっても、「小当りの種類」が「大当りを発生したならば、大当り遊技終了後の遊技状態を第1の通常状態とする大当り(3T小当りI、1T大当りI)」と、(B)「大当りを発生したならば、大当り遊技終了後の遊技状態を第1の開放延長状態とする大当り(3T大当りG、1T大当りG)」と、(C)「大当りを発生したならば、大当り遊技終了後の遊技状態を第2の開放延長状態とする小当り(3T小当りH、1T小当りH)とのうちの何れかに決定される。
図22〜図25の何れに示す場合においても、大当り遊技を終了した後においては、本遊技機1の遊技状態が「第1の通常状態」に設定される確率が「40%」、「第1の開放延長状態」に設定される確率が「50%」、「第2の開放延長状態」に設定される確率が「10%」とされている。但し、第2当否判定の結果が「大当り」である場合の「振分抽選」においては、第1当否判定の結果が「大当り」である場合の「振分抽選」に比べて、より多量の賞球が期待できる大当りが選択される確率が高くなっている(図22〜図25を参照)。
遊技機1の遊技状態が第2の開放延長状態であるとき、第1当否判定によって「大当り」を示す判定結果が導出される場合も、図26に示すように、主制御部200Aは大当りの種類(大当り図柄の種類)を乱数抽選(振分抽選)によって決定する。但し、「第2の開放延長状態」では第2始動入賞装置が開放延長モードとなっているため、遊技者は右打ちをすることとなり(第2当否判定の方が遊技者に有利であるうえ、始動入球率も右打ちの方が高くなるため)、主として第2当否判定が実行される。これにより、第1当否判定が実行される可能性は低いものとされる(右打ちした遊技球が障害釘等に誘導されて、又は、誤って左打ちをして、第1始動入賞装置に入賞した場合に実行される)。
そして、「第2の開放延長状態」において主として実行される第2当否判定によって「大当り」を示す判定結果が導出される場合も、図27に示すように、主制御部200Aは大当りの種類(大当り図柄の種類)を乱数抽選(振分抽選)によって決定する。そして、何れの乱数抽選(振分抽選)によっても、「大当りの種類」が(A)大当り遊技終了後の遊技状態を第1の通常状態とする大当り(16R大当りK、8R大当りK)と、(B)大当り遊技終了後の遊技状態を第1の開放延長状態とする大当り(16R大当りL、8R大当りL)と、(C)大当り遊技終了後の遊技状態を第2の開放延長状態とする大当り(16R大当りJ、8R大当りJ)とのうちの何れかに決定される。
遊技機1の遊技状態が第2の開放延長状態であるとき、第1当否判定によって「小当り」を示す判定結果が導出される場合も、図28に示すように、主制御部200Aは小当りの種類(大当り図柄の種類)を乱数抽選(振分抽選)によって決定する。但し、上記と同様に、「第2の開放延長状態」では第2始動入賞装置が開放延長モードとなっているため、遊技者は右打ちをすることとなり(第2当否判定の方が遊技者に有利であるうえ、始動入球率も右打ちの方が高くなるため)、主として第2当否判定が実行される。これにより、第1当否判定が実行される可能性は低いものとされる。
そして、「第2の開放延長状態」において主として実行される第2当否判定によって「小当り」を示す判定結果が導出される場合も、図29に示すように、主制御部200Aは小当りの種類(大当り図柄の種類)を乱数抽選(振分抽選)によって決定する。そして、何れの乱数抽選(振分抽選)によって、「小当りの種類」が「大当りを発生したならば、大当り遊技終了後の遊技状態を第1の通常状態とする大当り(3T小当りK、1T大当りK)」と、(B)「大当りを発生したならば、大当り遊技終了後の遊技状態を第1の開放延長状態とする大当り(3T小当りL、1T小当りL)と、(C)「大当りを発生したならば、大当り遊技終了後の遊技状態を第2の開放延長状態とする大当り(3T小当りJ、1T小当りJ)とのうちの何れかに決定される。
図26〜図29の何れに示す場合においても、本遊技機1の遊技状態が「第1の通常状態」に設定される確率が「10%」、「第1の開放延長状態」に設定される確率が「10%」、「第2の開放延長状態」に設定される確率が「80%」とされている。このように、本遊技機1では、遊技状態が一旦、第2の開放延長状態に設定されると、当り遊技終了後、高い確率で第2の開放延長状態に設定され、遊技者にとって有利度が高い状態で遊技が進行する。なお、第2当否判定の結果が「大当り」である場合の「振分抽選」においては、第1当否判定の結果が「大当り」である場合の「振分抽選」に比べて、より多量の賞球が期待できる大当りが選択される確率が高くなっている(図26〜図28を参照)。
図14〜図29に示すように、遊技機1の遊技状態が「第2の通常状態」となると、開放延長手段は非作動であるが、変動時間短縮手段が作動する状態となる。この「第2の通常状態」は、大当りを生ずることなく実行される変動表示(図柄変動遊技)の累積回数が「100回」になるまで継続される。そして、大当りを生ずることなく実行される変動表示(図柄変動遊技)の累積回数が「100回」になると、遊技機1の遊技状態は「第1の通常状態」に戻される。なお、開放延長手段は「開放延長機能作動手段」の具体例を構成し、変動時間短縮手段は「時短機能作動手段」の具体例を構成する。
また、遊技機1の遊技状態が「第1の開放延長状態」となると、開放延長手段が作動するが、変動時間短縮手段が非作動の状態となる。この「第1の開放延長状態」は、大当りを生ずることなく実行される変動表示(図柄変動遊技)の累積回数が「60回」になるまで継続される。そして、大当りを生ずることなく実行される変動表示(図柄変動遊技)の累積回数が「60回」になると、遊技機1の遊技状態は「第1の通常状態」に戻される。但し、本遊技機1においては、第1の開放延長状態が開始されてから実行される変動表示(図柄変動遊技)の累積回数が「20回(所定回数)」になるまでの間は、変動表示(図柄変動遊技)の実行時間が短めに設定され、あたかも、変動時間短縮手段が作動しているような遊技状態が実現される。
詳しくは後述するが、この第1の開放延長状態において、変動時間短縮手段が非作動状態の際に用いられる変動時間決定テーブルが本発明の「第1の変動時間決定テーブル」に相当する。また、第1の開放延長状態が開始されてから実行される変動表示の累積回数が「20回」になるまでの間に用いられる変動時間決定テーブルが本発明の「第3の変動時間決定テーブル」に相当する。また、第1乃至第3の変動時間決定テーブルは、保留数に応じて夫々複数の変動時間決定テーブルを有している(例えば、保留1用の第1の変動時間決定テーブル1、保留2用の第1の変動時間決定テーブル2、保留3用の第1の変動時間決定テーブル3、保留4用の第1の変動時間決定テーブル4、又は、保留1及び2用の変動時間決定テーブル、保留3及び4用の変動時間決定テーブルとしてもよい)。また、第1の変動時間決定テーブルによって決定される変動時間の平均時間は、第2の変動時間決定テーブルによって決定される変動時間の平均時間、及び、第3の変動時間決定テーブルによって決定される変動時間の平均時間よりも長いものとされる。また、第2の変動時間決定テーブルによって決定される変動時間の平均時間は、第3の変動時間決定テーブルによって決定される変動時間の平均時間よりも短いものとされてもよいし(第2の変動時間決定テーブルの方が有利となる)、長いものとされてもよい(第3の変動時間決定テーブルの方が有利となる)。
また、他の態様として、第3の変動時間決定テーブルを用いることなく、第1の開放延長状態が開始されてから実行される変動表示の累積回数が「20回」になるまでの間に用いられる変動時間決定テーブルとして第2の変動時間決定テーブルを用いてもよい。
図14〜図29に示すように、遊技機1の遊技状態が「第2の開放延長状態」となると、開放延長手段及び変動時間短縮手段が作動状態となる。この「第2の開放延長状態」は、大当りを生ずることなく実行される変動表示(図柄変動遊技)の累積回数が「100回」になるまで継続される。そして、大当りを生ずることなく実行される変動表示(図柄変動遊技)の累積回数が「100回」になると、遊技機1の遊技状態は第1の通常状態に戻される。ところで、本遊技機1においては、開放延長機能が作動しない状態では、「第1当否判定を主体とする遊技」が実行され、小当り遊技の実行確率が低くなり、その分、小当り遊技を経由した大当り遊技の実行確率も低くなる。しかも、「第1当否判定を主体とする遊技」では、たとえ、当り遊技が実行されても、賞球量が少なくなる傾向にあるため、開放延長機能が作動しない状態は遊技者にとって不利な状態と言える。一方、開放延長機能が作動する状態では、「第2当否判定を主体とする遊技」が実行され、小当り遊技の実行確率が高くなり、その分、小当り遊技を経由した大当り遊技の実行確率も高くなる。加えて、「第2当否判定を主体とする遊技」では、当り遊技が実行されると、賞球量が多くなる傾向にあるため、開放延長機能が作動する状態は、開放延長機能が作動しない状態に比べて、遊技者にとって有利な状態と言える。そして、開放延長機能及び時短機能が作動する第2の開放延長状態では、第2始動入賞への入賞と、当該入賞によって取得した保留情報(判定用乱数)の消化と、が効率的・高頻度で行われ、その分、当りの発生頻度が高くなる。このため、本遊技機1においては、第2の開放延長状態が遊技者にとって、最も有利な遊技状態である。この第2の開放延長状態において、変動時間短縮手段が作動状態となった際に、用いられる変動時間決定テーブルが本発明の「第2の変動時間決定テーブル」に相当する。
c−2.疑似図柄
演出表示装置27の表示画面27aにおいても、第1始動入賞装置17a若しくは第2始動入賞装置17bへの入賞(始動入賞)に起因して図柄変動開始条件が成立すると、疑似図柄の変動表示(疑似図柄を用いた図柄変動演出)を開始する。そして、疑似図柄の変動表示の実行時間(変動時間)が経過すると、疑似図柄の停止表示(確定表示)が一定時間(約0.6秒間)実行される。この疑似図柄の停止表示は、前述の右下表示装置60(第1特別図柄表示部62a若しくは第2特別図柄表示部62b)による停止表示と同様に、当否判定の結果を表示するものである。
演出表示装置27の表示画面27aでは、3つ(3桁)の疑似図柄の変動表示と停止表示がなされる。この疑似図柄の変動表示は、「1」〜「9」までの算用数字をこの順で表示した後、再び、「1」〜「9」までの算用数字をこの順で表示することを繰り返す「循環表示(スクロール変動表示)」によって構成される。また、疑似図柄表示領域27bに確定表示される確定図柄には、「大当りを示す停止図柄」、「小当りを示す停止図柄」、「外れを示す停止図柄」とがある。
本遊技機1においては、図14〜図29に示すように、「大当り図柄」の本図柄を大当りの種類に応じて設定し、「小当り図柄」の本図柄を小当りの種類に応じて設定している。一方、図30(a)に示すように、疑似図柄の停止図柄(大当り図柄)を以下のように定めている。つまり、大当りの発生を示す停止図柄(大当り図柄)は、表示画面27aに「同一の奇数数字」を3個並べて構成される。また、小当りの発生を示す停止図柄(小当り図柄)は、表示画面27aに「異なる奇数数字」を左から右に昇順に3個並べて構成される。更に、「外れ図柄」は、図30(b)に示すように、表示画面27aに「少なくとも1つが異なる3桁の数字図柄(小当り図柄を除いた3桁の数字図柄)」を並べて構成される。
演出表示装置27において、大当り図柄を表示する場合、図31(c)に示すように、その前提となる変動表示の途中にリーチ表示を行う。また、27(a)及び(b)に示すように、演出表示装置27において「外れを示す停止図柄」を表示する場合、その前提となる変動表示の途中にリーチ表示を行わない場合(以下、「単純外れ」という。)と、リーチ表示を行う場合(以下、「リーチ外れ」という。)とがある。また、本実施例のリーチ表示は、演出表示装置27の表示画面27aに表示される疑似図柄のうち2つの疑似図柄を同一図柄で停止させ、他の1つの疑似図柄を変動中とする演出表示である。
なお、図31では図示を省略するが、図5を用いて前述したように、表示画面27aにおいて下側縁部寄りの右端側の位置には、第1特別図柄表示部62aと連動して変動表示される第1補助図柄表示領域Aと、第2特別図柄表示部62bと連動して変動表示される第2補助図柄表示領域Bとが出現する。そして、図柄変動遊技を実行中の特別図柄表示部(62a若しくは62b)と対応する補助図柄が連動して変動表示を行う。そして、変動表示を停止すると、補助図柄の停止図柄が確定表示され、その停止図柄によって当否判定の結果が表示される。
また、図32〜図35に示すように、表示画面27aの背景画面表示領域27cでは、「背景図柄」、「キャラクタ図柄」、「実写映像」等を表示しつつ、遊技機1の現在の遊技状態を反映した演出が繰り広げられる(図5を参照)。
先ず、遊技機1の遊技状態が第1の通常状態である場合には、図32に示すように、表示画面27aの背景画面表示領域27cにおいて、雲から遊技者に向かって雨が降り注ぐ演出(おおよそ、賞球の獲得を連想しない演出)を実行しつつ、疑似図柄表示領域27bにおいて、疑似図柄の変動表示が実行される(a1〜a5)。この場合、時短機能を作動していないため、変動表示が長時間をかけて実行される。また、開放延長機能を作動せず、「第1当否判定を主体とする遊技」が実行されるため、第1保留数及び第2保留数が増加し難い状態となる。つまり、遊技者にとって、「玉持ちが悪い遊技」が進行するため、表示画面27aにおいて、おおよそ、賞球の獲得を連想しない演出が実行される。
また、遊技機1の遊技状態が第1の通常状態である場合には、図36に示すように、遊技者にとって最も有利な状態で図柄変動遊技を行う遊技状態、つまり、第2の開放延長状態に移行するためには、最低1回の大当り遊技を実行し、第1の開放延長状態での図柄変動遊技、若しくは、第2の通常状態での図柄変動遊技を経由することが必要である。つまり、第2の開放延長状態に移行するためには、最低2回の大当り遊技を実行することが必要であり、第2の開放延長状態に移行することが、その分、困難である。このため、遊技機1の遊技状態が第1の通常状態である場合には、図32に示すように、表示画面27aの背景画面表示領域27cに「ノーマルチャンス」なる文字が表示される(a1)。
また、遊技機1の遊技状態が第2の通常状態である場合には、図33に示すように、表示画面27aの背景画面表示領域27cにおいて、雲から遊技者に向かって雨が降り注ぎつつも、雲の中に金貨を埋もれていることを示す演出(あと少しで、賞球を獲得できることを連想する演出)を実行しつつ、疑似図柄表示領域27bにおいて、疑似図柄の変動表示が実行される(B1〜B3)。この場合、時短機能が作動するため、変動表示が短時間で実行される。但し、開放延長機能を作動せず、「第1当否判定を主体とする遊技」が実行されるため、第1保留数及び第2保留数が増加し難い状態となる。
この第2の通常状態では、遊技者にとって、「玉持ちが悪い遊技」が進行するが、遊技者にとって最も有利な状態で図柄変動遊技を行う遊技状態(第2の開放延長状態)に移行するためには、1回の大当り遊技を実行すればよい。つまり、第2の開放延長状態に移行するためには、1回の大当り遊技を実行するだけでよいため、第2の開放延長状態に移行することが、第1の通常状態よりも容易である。このため、遊技機1の遊技状態が第2の通常状態である場合には、図33に示すように、表示画面27aの背景画面表示領域27cに「スキップチャンス」なる文字が表示される(B1)。つまり、少し手を伸ばせば、第2の開放延長状態に移行可能であるとともに、遊技者にとって第1の通常状態よりも有利な通常状態で図柄変動遊技を実行していることを示す表示(スキップチャンス)がなされる。
遊技機1の遊技状態が第1の開放延長状態である場合には、図34(a)及び(b)に示すように、表示画面27aの背景画面表示領域27cにおいて、雲から遊技者に向かって硬貨が降り注ぐ演出(賞球の獲得を連想する演出)を実行しつつ、疑似図柄表示領域27bにおいて疑似図柄の変動表示が実行される。つまり、「開放延長機能が作動し、持ち玉が減らず、玉持ちが良い状態」が実行される。しかも、開放延長機能が作用することで、第2当否判定を主体とする遊技が実行され、小当り遊技の実行確率、ひいては、小当り遊技を経由する大当り遊技の実行確率が高められるため、それに対応した演出(賞球の獲得を連想する演出)が実行される。しかも、遊技者にとって最も有利な状態で図柄変動遊技を行う遊技状態(第2の開放延長状態)に移行するためには、1回の大当り遊技を実行すればよい。更に、開放延長機能が作動しているため、第2の開放延長状態に移行することが、第2の通常状態よりも容易である。このため、第1の開放延長状態での図柄変動遊技では、第2の通常状態での図柄変動遊技よりも、賞球の獲得を間近であることを示す表示(雲から遊技者に向かって硬貨が降り注ぐ表示)が行われる。
但し、図34(a)に示すように、第1の開放延長状態を開始した後、大当りを生ずることなく実行される変動表示の累積回数が「20回」になるまでの間(第1期間)は、時短機能が作動していると同様に、変動表示が短時間で実行される(b1〜b3)。また、このとき、開放延長機能を作動し、「第2当否判定を主体とする遊技」が実行され、第2保留数が増加し易い状態となるため、始動入賞に伴って取得された保留情報(判定用乱数)が効率的に消化され、その分、当りを発生し易い状態となる。このため、表示画面27aの背景画面表示領域27cにおいて、雲から遊技者に向かって降り注ぐ硬貨が「袋」に貯まる表示が実行される(b1〜b3)。
一方、第1の開放延長状態を開始した後、大当りを生ずることなく実行される変動表示の累積回数が「20回」を超えると(第2期間では)、図34(b)に示すように、変動表示が長時間かけて実行される(c1〜c4)。また、このとき、開放延長機能を作動し、「第2当否判定を主体とする遊技」が実行され、第2保留数が増加し易い状態である。このため、始動入賞に伴って取得された保留情報(判定用乱数)を消化する効率が「第1期間」に比べて低下し、始動入賞のオーバーを生じ易い状態となり、単位時間当りの当りの発生率も「第1期間」に比べて低下する。そして、表示画面27aの背景画面表示領域27cにおいて、雲から遊技者に向かって降り注ぐ硬貨を「袋」に貯めようとするが、「袋」に孔が開いているため、硬貨が孔より漏れ出る表示(賞球が得られそうで、思い通りには得られないことを示す表示)が実行される(c1〜c4)。
このように、第1の開放延長状態では「持ち玉が減らず、玉持ちが良い状態」で遊技を実行できるが、「第1期間」と「第2期間」とで異なる内容の遊技を行う。そして、「第1期間」の方が「第2期間」に比べて、遊技者にとって有利な遊技が行われる。このため、「第1期間」においては、図柄変動演出を行う際に、表示画面27aに早期の当り発生を催促する表示(「早く当てろ」という表示)がなされる(b3)。
遊技機1の遊技状態が第2の開放延長状態である場合には、図35に示すように、表示画面27aの背景画面表示領域27cにおいて、雲から遊技者に向かって硬貨が降り注ぐ演出(賞球の獲得を連想する演出)を実行しつつ、疑似図柄表示領域27bにおいて、疑似図柄の変動表示が実行される(d1〜d3)。
つまり、第2の開放延長状態を開始した後は、終始、時短機能及び開放延長機能を作動し、「第2当否判定を主体とする遊技」が実行され、「持ち玉が減らず、玉持ちが良い状態」であって、しかも、始動入賞に伴って取得された保留情報(判定用乱数)が効率的に消化され、その分、当りを発生し易い状態となる。しかも、開放延長機能が作用することで、第2当否判定を主体とする遊技が実行され、小当り遊技の実行確率、ひいては、小当り遊技を経由する大当り遊技の実行確率が高められる。このため、表示画面27aの背景画面表示領域27cにおいて、遊技者は難なく、雲から遊技者に向かって降り注ぐ硬貨を「袋」に貯める表示が実行される(d1〜d3)。そして、第2の開放延長状態での図柄変動遊技を行う際には、現在の最も有利な遊技状態にあることを示す表示(ボーナスゾーンなる表示)がなされる(d1)。
本遊技機1では、その遊技状態として、第1の通常状態と、第2の通常状態と、第1の開放延長状態と、第2の開放延長状態とを設定し、当りとなった際の遊技状態や発生した当りの態様によって、当り遊技終了後に設定される遊技状態を異ならせる。このため、遊技の多様性(バリエーション)を増加させることができる。例えば、図36に示すように、第1の開放延長状態では、開放延長状態の継続率を「60%」とする遊技が実行され、第2の開放延長状態では、開放延長状態の継続率を「90%」とする遊技が実行される。しかも、第1の開放延長状態及び第2の開放延長状態の何れにおいても、遊技者は持ち玉を減らすことなく遊技を行うことができるが、第1の開放延長状態での遊技と、第2の開放延長状態での遊技とは、当り発生に対する期待値が異なり、各遊技を実行する際には、この期待度の差異を反映した演出が実行される。
更に、第1の通常状態及び第2の通常状態の何れにおいても、遊技者は持ち玉を減らしつつ遊技を行うことになるが、第1の通常状態での遊技と、第2の通常状態での遊技とは、第2の開放延長状態への移行に対する期待値が異なり、各遊技を実行する際には、この期待度の差異を反映した演出が実行される。また、第1の通常状態での遊技と、第2の通常状態での遊技とは、開放延長状態への移行に対する期待値が異なる。つまり、通常状態として、第1の通常状態の他に、第2の通常状態を設け、遊技の多様化を図るとともに、第1の通常状態と第2の通常状態との有利度の差に応じた演出を行う。
(5)コマンドの送信
本実施例の遊技機1は、前述の「図柄変動遊技」等を実現するために種々の制御を行っている。この制御を実行する際に、主制御部200A(主制御基板200)からサブ制御部220A(サブ制御基板220)に向かって、種々のコマンドが送信される。次に、このコマンドが送信される様子について、図37(a)の模式図を用いて説明する。
主制御部200Aとサブ制御部220Aとは、9ビット幅のパラレル信号ケーブルで接続されている。このうちの1ビット分はストローブ信号の出力用に割り当てられており、残りの8ビット分がコマンド出力用に割り当てられている。そして、主制御部200Aからサブ制御部220Aにコマンドを出力する際には、先ず初めに、コマンド出力用に割り当てられた8ビット幅の信号ケーブルに8ビット分のコマンドデータが出力され、続いて1ビットのストローブ信号が出力される。また、サブ制御部220Aは、ストローブ信号の立ち上がりのタイミングでコマンドデータを読み取ることにより、主制御部200Aから送信されたコマンドを確実に読み取ることができる。ここで、主制御部200A(主制御基板200)からサブ制御部220A(サブ制御基板220)に出力されるコマンドとしては、例えば、図37(b)に図示したものを例示できる。
つまり、(A)変動パターン指定コマンド(以下、「CHP」と表記することがある。)、(B)特別図柄停止情報指定コマンド(以下、「CJS」と表記することがある。)等がある。尚、変動パターン指定コマンドは変動パターンを指定するコマンドであり、始動入賞時に使用している変動パターンテーブルに応じて、通常変動用の変動パターン(後述する。)および短縮変動用の変動パターン(後述する。)のうちの何れかが特定される。そして、変動パターン指定コマンドは、疑似図柄の変動を開始させるとともに、疑似図柄の変動時間を指定するコマンドでもある。また、モード指定コマンドは、「遊技モード設定手段としての主制御部200A(主制御基板200)」が設定している遊技モードを指定するコマンドである。
(6)主制御部200Aによる遊技制御の概要
図38は、主制御基板200に搭載されたCPU201が実行する遊技制御処理の大まかな流れを示すフローチャートである。この遊技制御処理では、タイマ更新処理(S70)、賞球払出処理(S80)、普通図柄遊技処理(S100)、普通電動役物遊技処理(S200)、特別図柄遊技処理(S300)、小当り遊技処理(S600)、大当り遊技処理(S800)等の各処理が繰り返し実行されている。尚、本実施例の主制御基板200に搭載されたCPU201は、電源投入後、4msec周期のタイマ割込みが発生する毎に、図38のS80〜S800の処理を実行するように構成されている。つまり、図38のS80〜S800の処理は、4msec毎に繰り返し実行される。そして、遊技制御処理を構成する各処理の中で、サブ制御基板220を初めとする各種制御基板に向けて各種の信号を送信する。こうすることにより、遊技機1全体の遊技が進行することになる。以下、図38のフローチャートに従って、遊技制御処理について説明する。
A.タイマ更新処理(S70)
主制御基板200に搭載されたCPU201は、タイマー更新処理を行う(S70)。このタイマ更新処理において、CPU201は、「小当りが発生したときの小当り用入賞口25aの開放時間」、「大当りが発生したときの大入賞口31aの開放時間」、「V入賞の有効時間(有効時間タイマー)」等の遊技に係る各種の時間を計測するためのタイマを更新する処理を行う。
B.賞球払出処理(S80)
主制御基板200に搭載されたCPU201は、遊技球を賞球として払い出す処理(賞球払出処理)を行う(S80)。すなわち、始動口入賞検出スイッチ17s、17tや大入賞口入賞検出スイッチ31sや一般入賞検出スイッチ40s、41s、43sの状態を検出して遊技球が入球したか否かを判断する。そして、遊技球が入球していた場合は、この情報を、主制御基板200に搭載されているRAM202の所定領域に記憶する。そして、RAM202上に記憶されている情報に基づいて、賞球の払出信号を払出制御基板240に向かって出力する。また、RAM202上に、始動口入賞検出スイッチ17s等への入賞情報が既に記憶されていた場合には、先に記憶されていた情報を含めて適切な払出個数を指定して、払出信号を出力する。
主制御部200Aから払出制御部240Aへ払出信号を出力するに際しては、先ず、払出制御部240A(払出制御基板240)に向かってストローブ信号を出力し、続いて信号データを出力する。これに対して、払出制御部240Aを構成する払出制御基板240に搭載されたCPUは、払出信号を受け取ると信号の内容を解釈し、賞球払出装置109に搭載された払出モータ109mに駆動信号を出力して賞球の払い出しを行う。そして、賞球払出装置109には、払い出された遊技球を検出する2つの払出スイッチ(前側払出スイッチ109a、後側払出スイッチ109b)が設けられているので、これらスイッチで遊技球を1球ずつ検出しながら、払出信号で指定された個数の賞球を払い出す処理を行う。
C.普通図柄遊技処理
図39及び図40は、普通図柄遊技処理の概要を示すフロー図であり、普通図柄遊技処理が起動されると、CPU201は、普通図柄作動ゲート通過検出スイッチ16sの状態を検出して普通図柄作動ゲート16を遊技球が通過したか否かを判断する(S105)。このS105の処理において肯定判断される場合は(S105;YES)、普通図柄に関する保留数が所定数(本実施例では、4個)未満であるか否かが判断され(S110)、所定個数未満であると判断された場合には(S110;YES)、普通図柄に関する保留数を「+1」するとともに、普通図柄に関する当否抽選のための乱数を取得して記憶した後(S115)、S120の処理に移行する。これに対して、S105の処理において否定判断される場合(S105;NO)及び普通図柄に関する保留数が所定個数以上であると判断された場合には(S110;NO)、S115の処理を行うことなく、S120の処理に移行する。
S120の処理においては、普通電動役物が作動中か否か(第2の始動入賞部17bが開放状態であるか否か)が判断され(S120)、作動中の場合(S120;YES)、普通図柄遊技処理を終了して図38の遊技制御処理に復帰する。
作動中でない場合(S120;NO)、普通図柄表示部63において普通図柄の変動表示を実行中か否かが判断される(S125)。そして、S125の処理において変動表示されていないと判断される場合には(S125;NO)、普通図柄表示部63において、普通図柄が停止表示されているか否かが判断される(S130)。そして、普通図柄が停止表示されていると判断されると(S130;YES)、「普通図柄の停止表示時間(例えば、0.5秒)」が経過したか否かが判断される(図40のS180)。そして、S180にて肯定判断されると(S180;YES)、S185の処理に移行し、S180にて否定判断されると(S180;NO)、普通図柄遊技処理を終了して図38の遊技制御処理に復帰する。
また、普通電動役物が作動中でなく(図39のS120;NO)、普通図柄表示部63において普通図柄の変動表示を実行中でなく(S125;NO)、しかも、普通図柄の停止表示を実行中でないと判断されると(S130;NO)、普通図柄に関する保留数が「0」であるか否か判定される(S135)。そして、この保留数が「0」と判断されると(S135;YES)、普通図柄遊技処理を終了して遊技制御処理に復帰する。一方、この保留数が「0」でないと判断されると(S135;NO)、開放延長フラグがセット(NOに設定)されているか否かを判断する(S138)。ここで、開放延長フラグは開放延長機能が作動していることを示すフラグであり、遊技機1の遊技状態が「第1の開放延長状態」若しくは「第1の開放延長状態」である場合には、セット(NOに設定)される。
開放延長フラグがセット(NOに設定)されている場合には(S138;YES)、S115の処理にて記憶された乱数のうち最も古いものを用いて、普通図柄に関する当否抽選を高確率(高い当選確率)にて行うとともに、普通図柄に関する保留数を「−1」する処理を行う(S145)。そして、「普通図柄の変動時間」として「短縮した時間」を設定した後(S155)、普通図柄の変動表示を開始させる(S160)。そして、S160の処理の後、普通図柄遊技処理を終了して図38の遊技制御処理に復帰する。なお、S155で設定される普通図柄の変動時間は、一般的な遊技機において「変動時間短縮機能作動時用」の普通図柄の変動表示時間として設定される時間である。つまり、本遊技機1の遊技状態が「第1の開放延長状態」である場合には、「普通図柄の状態(変動状態、当選確率)」と、「特別図柄の状態(変動状態、当選確率)」とが同期しない。
一方、開放延長フラグが解除(OFFに設定)されている場合には(S138;NO)、S115の処理にて記憶された乱数のうち最も古いものを用いて、普通図柄に関する当否抽選を低確率(低い当選確率)にて行うとともに、普通図柄に関する保留数を「−1」する処理を行う(S148)。そして、「普通図柄の変動表示の時間」として通常の時間(短縮しない時間)を設定した後(S156)、普通図柄の変動表示を開始させる(S160)。そして、S160の処理の後、普通図柄遊技処理を終了して図38の遊技制御処理に復帰する。なお、S156で設定される普通図柄の変動時間は、一般的な遊技機において「変動時間短縮機能未作動時用」の普通図柄の変動表示時間として設定される時間である。
また、普通電動役物が作動中でなく(S120;NO)、普通図柄表示部63において普通図柄の変動表示を実行中の場合(S125;YES)、普通図柄の変動時間が経過したか否かを判断し(図40のS165)、経過していない場合(S165;NO)、普通図柄遊技処理を終了して、図38の遊技制御処理に復帰する。一方、普通図柄の変動時間が経過すると(S165;YES)、普通図柄の変動表示を停止させた後(S170)、普通図柄の停止図柄の表示時間(停止表示時間)が設定される(S175)。この後、「普通図柄の停止表示時間」が経過すると(S180;YES)、S185の処理に移行する。
S185の処理においては、普通図柄表示部63に停止表示された図柄が、普通電動役物を作動させる図柄であるか否か判定され、作動させる図柄でない場合(S185;NO)、普通図柄遊技処理を終了して図38の遊技制御処理に復帰する。一方、作動させる図柄である場合(S185;YES)、普通電動役物開放延長機能が作動しているか否か、つまり、開放延長フラグがセット(ONに設定)されているか否かが判断される(S188)。
開放延長フラグがセット(ONに設定)されている場合(S188;YES)、普通電動役物の開放時間(第2の始動入賞部17bを開放状態とする時間)を「開放延長機能作動時における開放時間(例えば、5秒)」に設定した後(S190)、普通電動役物を作動させ(S194)、第2の始動入賞部17bを開放状態とする。そして、普通図柄遊技処理を終了して、図38の遊技制御処理に復帰する。一方、開放延長フラグが解除(OFFに設定)されている場合(S188;NO)、普通電動役物の開放時間を「開放延長機能未作動時における開放時間(例えば、0.2秒)」に設定した後(S192)、普通電動役物を作動させ(S194)、第2の始動入賞部17bを開放状態とする。そして、普通図柄遊技処理を終了して図38の遊技制御処理に復帰する。
D.普通電動役物遊技処理(S200)
図41は、普通電動役物遊技処理の概要を示すフロー図であり、CPU201が図41の遊技制御処理を行う中で、普通電動役物遊技処理が起動されると、普通電動役物17dが作動中であるか否か(第2始動入賞装置17bが開放状態であるか否か)が判断される。そして、作動中である(第2始動入賞装置17bが開放状態である)と判断すると(S201;YES)、普通電動役物17dの作動時間(第2始動入賞装置17bを開放状態に維持する所定時間であって、開放延長モードでは5秒、通常開放モードでは0.2秒)が経過したか否かを判断する(S202)。そして、作動時間(開放時間)が所定時間を経過したと判断すると(S202;YES)、普通電動役物17dの作動を停止させることで開放状態にある第2始動入賞装置17bを閉鎖状態とし(S206)、普通電動役物遊技処理を終了させる。
但し、CPU201が、普通電動役物17d(第2始動入賞装置17b)の開放中に(S202;NO)、第2始動入賞装置17bに規定数(例えば、8個)の遊技球が入球したと判断すると(S204;YES)、前述の作動時間(開放時間)が所定時間に達していない場合でも、普通電動役物17dの作動を停止させ(S206)、普通電動役物遊技処理を終了させる。なお、本遊技機1では普通電動役物17dの作動に際して普通電動役物ソレノイド17cが駆動されると、普通電動役物17dを構成する第2始動入賞部17bの一対の翼片部が外側に回動して、第2始動入賞装置17bが開放状態となる。
E.特別図柄遊技処理(S300)
次に、図42〜図52を用いて特別図柄遊技処理の概要を説明する。この特別図柄遊技処理が起動されると、図42に示すように、先ず、第1始動入賞装置17a若しくは第2始動入賞装置17bに遊技球が入賞したか否かが判断される(S302a、S302b)。そして、S302aの処理及びS302bの処理において否定的な判断がなされる場合(S302a;NO、S302b;NO)、そのまま図38に示すS308以降の処理に移行する。なお、特別図柄遊技処理(S300)は、主制御基板200に搭載されたCPU201が「図柄変動遊技実行手段」として行う処理の具体例を構成する。
一方、第1始動入賞装置17aに遊技球が入賞したと判断されると(S302a;YES)、第1始動入賞装置17aに対応する第1特別図柄の保留数(第1保留数)が所定個数未満(本実施例は4個未満)であるか否かが判断される(S306a)。このS306aの処理において、所定個数未満と判断されると(S306a;YES)、第1始動入賞装置17aへの入賞に関連する判定用乱数(抽選用乱数)を取得して、この判定用乱数が主制御基板200に搭載されたRAM202の所定アドレスに記憶されるとともに「第1保留数」が「+1」される(S306a)。そして、図43のS308の処理に移行する。
ここで、本遊技機1は始動入賞装置として、第1始動入賞装置17aと第2始動入賞装置17bとを備えるとともに、第1始動入賞装置17aに対応する第1特別図柄(以下「特図1」ともいう。)と、第2始動入賞装置17bに対応する第2特別図柄(以下「特図2」ともいう。)とを備える。そして、第1始動入賞装置17aへの始動入賞に基づく判定用乱数と、第2始動入賞装置17bへの始動入賞に基づく判定用乱数とが記憶された状況の下では後者が優先的に処理される(後述する。)。
また、図42〜図49においては、CPU201によって行われる処理のうち、第1始動入賞装置17aに遊技球が入賞することに起因して実行される各処理(以下、特図1に関する処理という。)と、第2始動入賞装置17bに遊技球が入賞することに起因して実行される各処理(以下、特図2に関する処理という。)のうち同様な処理に関しては、同一のステップ数(算用数字)を付している。そして、この同一のステップ数を付した処理は基本的には同一の処理であるため、以下の説明においては「特図1に関する処理」及び「特図2に関する処理」のうちの一方を説明し、他方の説明を省略することがある。なお、「特図1に関する処理」については「ステップ数」にアルファベットの「a」を付し、「特図2に関する処理」について「ステップ数」にアルファベットの「b」を付して区別することがある。
S306aの処理において取得して記憶される判定用乱数としては、(a)第1当否判定、つまり第1始動入賞装置17aへの遊技球の入賞に起因して実行される大当り抽選(以下、「特図1大当り抽選」という。)に際して用いる抽選用乱数(以下、「特図1大当り抽選乱数」という。)、(b)第1始動入賞装置17aへの遊技球の入賞に起因して実行される小当り抽選(以下、「特図1小当り抽選」という。)に際して用いる抽選用乱数(以下、「特図1小当り抽選乱数」という。)、(c)第1特別図柄表示部62aに停止表示される図柄を決定するための図柄決定用乱数(特図1図柄決定用乱数)、(d)演出表示装置27の表示画面27aで実行される疑似図柄の変動表示においてリーチ表示を行うか否かを決定するためのリーチ乱数、などがある。
また、第2始動入賞装置17bに遊技球が入賞したと判断されると(S302b;YES)、第2始動入賞装置17dに対応する第2特別図柄の保留数(第2保留数)が所定個数未満(本実施例は4個未満)であるか否かが判断される(S306b)。このS306bの処理において、所定個数未満と判断されると(S306b;YES)、第2始動入賞装置17bに関連する判定用乱数(抽選用乱数)を取得し、この判定用乱数が主制御基板200に搭載されたRAM202の所定アドレスに記憶されるとともに「第1保留数」が「+1」される(S306b)。そして、図43のS308の処理に移行する。
また、S306bの処理において取得して記憶される判定用乱数としては、(a)第2当否判定、つまり第2始動入賞装置17bへの遊技球の入賞に起因して実行される大当り抽選(以下、「特図2大当り抽選」という。)に際して用いる抽選用乱数(以下、「特図2大当り抽選乱数」という。)、(b)第2始動入賞装置17bへの遊技球の入賞に起因して実行される小当り抽選(以下、「特図2小当り抽選」という。)に際して用いる抽選用乱数(以下、「特図2小当り抽選乱数」という。)、(c)第2特別図柄表示部62bに停止表示される図柄を決定するための図柄決定用乱数(特図2図柄決定用乱数)、(d)演出表示装置27の表示画面27aで実行される疑似図柄の変動表示においてリーチ表示を行うか否かを決定するためのリーチ乱数、などがある。
S308の処理では、図43に示すように、当り遊技(大当り遊技若しくは小当り遊技)を実行しているか否かが判断される(S308)。具体的には、大当り遊技フラグ(図44のS366の処理を参照)がセット(ONに設定)されているか、小当り遊技フラグ(図44のS360の処理を参照)がセット(ONに設定)されていると、S308の処理において肯定的な判断がなされる。なお、大当り遊技フラグは「大当り遊技実行手段」が作動中であることを示すフラグであり、小当り遊技フラグは「小当り遊技実行手段」が作動中であることを示すフラグである。
CPU201は、当り遊技を実行中であると判断すると(S308;YES)、特別図柄遊技処理を終了して、図38の遊技制御処理に復帰する。一方、S308の処理で、当り遊技を実行中でないと判断すると(S308;NO)、特別図柄が変動中か否か、つまり、第1特別図柄及び第2特別図柄のうちの何れかが変動中であるか否かを判断する(S310)。そして、特別図柄が変動中でない場合は(S310;NO)、特別図柄が未だ変動していないか、若しくは変動表示後に停止図柄で停止表示されているかの、いずれかであると考えられる。そこで、特別図柄の停止図柄を表示させる停止表示時間中であるか否かを判断する(S312)。そして、特別図柄が変動表示されておらず(S310;NO)、且つ、特別図柄の停止図柄を表示している停止表示時間中でもない場合は(S312;NO)、変動表示を開始できるか否かを判断する(S314a、S314b)。なお、本実施例では、特別図柄の停止図柄を表示させる停止表示時間を0.6秒とする。
この「特別図柄の変動表示を開始できる条件」は「第1保留数」と、「第2保留数」とのうちの何れかが「ゼロ」でないことである。そして、本実施例のCPU201は、「第2保留数」が「ゼロ」であるか否かを優先して判断する(S314b)。つまり、「第2保留数」が「ゼロ」でない場合、RAM202の所定アドレスから最も古い判定用乱数を読み出し(S316b)、第2特別図柄に関する当否判定処理(第2当否判定処理)を行う(S320b)。なお、S316bで読み出す判定用乱数は、S304bで取得したものであって、特図2大当り抽選乱数、特図1小当り抽選乱数、特図2図柄決定乱数、リーチ乱数等が含まれる。
この第2当否判定処理(S320b)では、図46に示すように、「S316bの処理で読み出した特図2大当り抽選乱数」を用いて、大当り判定(大当り抽選)が行われる(S322)。そして、大当り判定の結果が大当りである場合には(S330;YES)、大当りフラグをセット(ONに設定)した後(S332)、第2当否判定処理(S320b)を終了し、第2特別図柄に関する変動開始処理(以下、「特図2図柄変動開始処理」という。)に移行する(図43のS500b)。
また、大当り判定(大当り抽選)の結果が外れである場合には(S330;NO)、「S316bの処理で読み出した特図2小当り抽選乱数」を用いて、小当り判定(小当り抽選)が行われる(S334)。そして、小当り判定の結果が小当りである場合には(S336;YES)、小当りフラグをセット(ONに設定)した後(S338)、第2当否判定処理(S320b)を終了し、第2特別図柄に関する変動開始処理(以下、「特図2図柄変動開始処理」という。)に移行する(図43のS500b)。一方、小当り判定の結果が外れである場合には(S336;NO)、「外れフラグ」、つまり「大当り及び小当りを生じなかったことを示すフラグ」をセット(ONに設定)した後(S339)、第2当否判定処理(S320b)を終了し、特図2図柄変動開始処理に移行する(S500b)。なお、第1特別図柄に関する当否判定処理(S320a;第1当否判定処理)は、RAM202の所定アドレスから最も古い判定用乱数(S306aで取得した特図1大当り抽選乱数、特図1小当り抽選乱数)を読み出して(S316a)、図46に従って同様に行われる。なお、S316aで読み出す判定用乱数は、S306aで取得したものであって、特図1大当り抽選乱数や特図1図柄決定乱数やリーチ乱数が含まれる。
特図2図柄変動開始処理(S500b)においては、図47に示すように、先ず、第2当否判定処理(S320b)の結果に基づいて変動設定処理(S510、S540)等を行う。すなわち、S502の処理にて、第2当否判定処理(S320)の結果が「当り」であると判断されると(S502;YES)、S510に移行して「当り変動設定処理」を行う。
この当り変動設定処理(S510)では、図48に示すように、前述のS316bの処理で読み出した判定用乱数に含まれる図柄決定乱数(特図2図柄決定乱数)を読み出して、その乱数を用いた乱数抽選の結果に基づき第2特別図柄表示部62bに停止表示される図柄(大当り図柄若しくは小当り図柄)を設定(決定)する処理を行う(S512、S514)。
つまり、図柄決定乱数(特図2図柄決定乱数)を読み出した後(S512)、現在の遊技状態と、当否判定の結果(大当り若しくは小当り)に対応する「特図2図柄決定用テーブル(図15、17、19、21、23、25、27、29のうちの何れか)と、S512の処理で読み出した図柄決定乱数(特図2図柄決定乱数)とを用いて、当り図柄(大当り図柄若しくは小当り図柄)を設定(決定)する処理を行った後(S514)、S516の処理に移行する。なお、特図1図柄変動開始処理においては、現在の遊技状態と、当否判定の結果(大当り若しくは小当り)に対応する「特図1図柄決定用テーブル(図14、16、18、20、22、24、26、28のうちの何れか)と、S512の処理で読み出した図柄決定乱数(特図1図柄決定乱数)とを用いて、当り図柄(大当り図柄若しくは小当り図柄)を設定(決定)する処理を行った後(S514)、S516の処理に移行する。
以上のように、当り図柄を設定する処理を行うと(S512、S514)、設定された当り図柄(つまり、当りの態様)等を考慮して選択される「当り時の変動パターンテーブルを振り分ける処理」を行う。なお、S512、S514の処理は、主制御基板200に搭載されたCPU201が当り態様決定手段として行う処理の具体例を構成する。
この「変動パターンテーブルを振り分ける処理」においては、先ず、「特殊変動カウンタの値がゼロより大きいか否か」が判断される(S516)。この特殊変動カウンタは、現在、特殊変動パターンテーブルを使用すべき期間内であるか否か(つまり、特殊変動モード中であるか否か)を示すカウンタであり、この期間内(特殊変動モード中)である場合、「正数」とされる。ここで、第1の開放延長状態を開始した後、大当りを生ずることなく実行される変動表示の累積回数が「20回」になるまでの期間(初期期間)が特殊変動モードとされ、この特殊変動モード中においては、時短機能が作動している場合と同様な状態で変動表示が行われる。
そして、特殊変動モード中でないと判断されると(S516;NO)、遊技機1の遊技状態に応じて変動パターンテーブルの振り分けを行う。つまり、特殊変動モード中でなく、開放延長フラグがセット(ONに設定)され、しかも、変動短縮フラグがセット(ONに設定)されている場合(S516;NO、S520;YES、S522;YES)、「当り用の第2変動パターンテーブル」をセットする処理を行った後(S524)、S536の処理に移行する。ここで、S524の処理においては、前述の第2当否判定処理(S320b)の結果が「大当り」である場合、図50(c)の「大当り用の第2変動パターンテーブル」がセットされ、前述の第2当否判定処理(S320b)の結果が「小当り」である場合、図50(f)の「小当り用の第2変動パターンテーブル」がセットされる。なお、「当り用の第2変動パターンテーブル」は「当り用の第2の変動時間決定テーブル」の具体例を構成する。そして、「大当り用の第2変動パターンテーブル」を用いると、特別図柄の変動表示の平均時間が「7.0」秒とされ、「小当り用の第2変動パターンテーブル」を用いると、特別図柄の変動表示の平均時間が「4.8」秒とされる。また、本実施例では、第2の開放延長状態であるときに使用する「当り用の第2の変動時間決定テーブル(S524の処理でセットされるもの)」と、第2の通常状態であるときに使用する「当り用の第2の変動時間決定テーブル(S529の処理でセットされるもの)」とを同一の変動時間決定テーブルとしたが、変動時間決定テーブル記憶手段(変動パターンテーブル記憶手段であって、ROM203に設けられる。)に別々に記憶された変動時間決定テーブルとしてもよい。つまり、S524の処理で「当り用の第2の開放延長用変動時間決定テーブル」をセットし、S529の処理で「当り用の第2の通常用変動時間決定テーブル」をセットしてもよい。
また、特殊変動モード中でなく、開放延長フラグがセット(ONに設定)され、変動短縮フラグが解除(OFFに設定)されている場合(S516;NO、S520;YES、S522;NO)、「当り用の第1変動パターンテーブル」をセットする処理を行った後(S526)、S536の処理に移行する。ここで、S526の処理においては、前述の第2当否判定処理(S320b)の結果が「大当り」である場合、図50(b)の「大当り用の第1変動パターンテーブル」がセットされ、前述の第2当否判定処理(S320b)の結果が「小当り」である場合、図50(e)の「小当り用の第1変動パターンテーブル」がセットされる。そして、「大当り用の第1変動パターンテーブル」を用いると、特別図柄の変動表示の平均時間が「14.8」秒とされ、「小当り用の第1変動パターンテーブル」を用いると、特別図柄の変動表示の平均時間が「11.8」秒とされる。なお、「当り用の通常変動パターンテーブル」及び「当り用の第1変動パターンテーブル」は「当り用の第1の変動時間決定テーブル」の具体例を構成する。また、「当り用の第1変動パターンテーブル」は「当り用の第1の開放延長用変動時間決定テーブル」の具体例を構成し、「当り用の通常変動パターンテーブル」は「当り用の第1の通常用変動時間決定テーブル」の具体例を構成する。但し、後述する実施例3に示すように、S522の処理で否定的な判断がなされる場合にセットされる第1の変動時間決定テーブルと、S528の処理で否定的な判断がなされる場合にセットされる第1の変動時間決定テーブルとを同一の変動時間決定テーブルとしてもよい。
更に、特殊変動モード中でなく、開放延長フラグが解除(OFFに設定)され、しかも、変動短縮フラグがセット(ONに設定)されている場合(S516;NO、S520;YES、S528;YES)、「当り用の第2変動パターンテーブル」をセットする処理を行った後(S529)、S536の処理に移行する。なお、S529の処理においても、前述の第2当否判定処理(S320b)の結果が「大当り」である場合、図50(c)の「大当り用の第2変動パターンテーブル」がセットされ、前述の第2当否判定処理(S320b)の結果が「小当り」である場合、図50(f)の「小当り用の第2変動パターンテーブル」がセットされる。
また、特殊変動モード中でなく、開放延長フラグが解除(OFFに設定)され、しかも、変動短縮フラグが解除(OFFに設定)されている場合(S516;NO、S520;YES、S528;NO)、「当り用の通常変動パターンテーブル」をセットする処理を行った後(S530)、S536の処理に移行する。ここで、S530の処理においては、前述の第2当否判定処理(S320b)の結果が「大当り」である場合、図50(a)の「大当り用の通常変動パターンテーブル」がセットされ、前述の第2当否判定処理(S320b)の結果が「小当り」である場合、図50(d)の「小当り用の通常変動パターンテーブル」がセットされる。そして、「大当り用の通常変動パターンテーブル」を用いると、特別図柄の変動表示の平均時間が「40.5」秒とされ、「小当り用の通常変動パターンテーブル」を用いると、特別図柄の変動表示の平均時間が「24.5」秒とされる。
また、特殊変動モード中である場合には(S516;YES)、「当り用の特殊変動パターンテーブル」をセットする処理を行った後(S518)、S536の処理に移行する。ここで、S518の処理においては、前述の第2当否判定処理(S320b)の結果が「大当り」であっても、「小当り」であっても、図52(a)の「当り用の特殊変動パターンテーブル」がセットされる。ここで、「当り用の特殊変動パターンテーブル」は、「当り用の第3の変動時間決定テーブル」の具体例を構成する。そして、「当り用の特殊変動パターンテーブル」を用いると、特別図柄の変動表示の実行時間が一律に「7.2」秒とされる。
ここで、図46及び図48(a)に示すように、「当り用の第1変動パターンテーブル(当り用の第1の変動時間決定テーブル)」に基づいて決定される図柄の変動表示の平均時間は、「当り用の第2変動パターンテーブル(当り用の第2の変動時間決定テーブル)」に基づいて決定される図柄の変動表示の平均時間よりも長いものとされている。また、「当り用の特殊変動パターンテーブル(当り用の第3の変動時間決定テーブル)」に基づいて決定される図柄の変動表示の平均時間は、「当り用の第2変動パターンテーブル(当り用の第2の変動時間決定テーブル)」に基づいて決定される図柄の変動表示の平均時間よりも長く、「当り用の第1変動パターンテーブル(当り用の第1の変動時間決定テーブル)」に基づいて決定される図柄の変動表示の平均時間よりも短くされている。
図48に示すように、以上のようにして何れかの変動パターンテーブルがセットされた後に行われるS536の処理では、変動パターン決定乱数(特別図柄の変動パターンを決定するための乱数)を取得する(S536)。そして、S518、S524、S526若しくはS530の処理でセットした変動パターンテーブルと、S560の処理で取得した乱数値とを用いて変動パターンを設定(決定)した後(S538)、図47のS590の処理に移行する。
また、図47に示すように、S502の処理にて第2当否判定処理(S320b)の結果が「当り」でないと判断されると(S502;NO)、S540に移行して「外れ変動設定処理」を行う。この外れ変動設定処理(S540)においては、遊技機1の遊技状態と、リーチ演出の実行の有無と、保留数等を考慮して「外れ時の変動パターンテーブルを振り分ける処理」を行う。
この「変動パターンテーブルを振り分ける処理」においても、図49に示すように、先ず、「特殊変動カウンタの値がゼロより大きいか否か」が判断される(S543)。そして、特殊変動モード中でなく、開放延長フラグがセット(ONに設定)され、しかも、変動短縮フラグがセット(ONに設定)されている場合(S543;NO、S545;YES、S547;YES)、図51(c)に示す「外れ用の第2変動パターンテーブル」をセットする処理を行った後(S550)、S582の処理に移行する。なお、「外れ用の第2変動パターンテーブル」を用いると、特別図柄の変動表示の平均時間が「1.1」秒とされる。
また、特殊変動モード中でなく、開放延長フラグがセット(ONに設定)され、変動短縮フラグが解除(OFFに設定)されている場合(S543;NO、S545;YES、S547;NO)、図51(b)に示す「外れ用の第1変動パターンテーブル」をセットする処理を行った後(S550)、S582の処理に移行する。
更に、特殊変動モード中でなく、開放延長フラグが解除(OFFに設定)され、しかも、変動短縮フラグがセット(ONに設定)されている場合(S543;NO、S545;NO、S562;YES)、図51(c)に示す「外れ用の第2変動パターンテーブル」をセットする処理を行った後(S570)、S582の処理に移行する。「外れ用の通常変動パターンテーブル」をセットする処理を行った後(S580)、S582の処理に移行する。
また、特殊変動モード中でなく、開放延長フラグが解除(OFFに設定)され、しかも、変動短縮フラグが解除(OFFに設定)されている場合(S543;NO、S545;NO、S562;NO)、図51(a)に示す「外れ用の通常変動パターンテーブル」をセットする処理を行った後(S580)、S582の処理に移行する。なお、「外れ用の第1変動パターンテーブル」を用いると、特別図柄の変動表示の平均時間が「7.5」秒とされ、「外れ用の通常変動パターンテーブル」を用いると、特別図柄の変動表示の平均時間が「30.0」秒とされる。
また、特殊変動モード中である場合には(S543;YES)、図52(b)に示す「外れの特殊変動パターンテーブル」をセットする処理を行った後(S543)、S582の処理に移行する。そして、「外れ用の特殊変動パターンテーブル」を用いると、特別図柄の変動表示の実行時間が一律に「1.5」秒とされる。ここで、「外れ用の第2変動パターンテーブル」は「外れ用の第2の変動時間決定テーブル」の具体例を構成し、「外れ用の通常変動パターンテーブル」及び「外れ用の第1変動パターンテーブル」は「外れ用の第1の変動時間決定テーブル」の具体例を構成する。また、「外れ用の特殊変動パターンテーブル」は、「外れ用の第3の変動時間決定テーブル」の具体例を構成する。なお、本実施例では、第2の開放延長状態であるときに使用する「外れ用の第2の変動時間決定テーブル(S550の処理でセットされるもの)」と、第2の通常状態であるときに使用する「外れ用の第2の変動時間決定テーブル(S570の処理でセットされるもの)」とを同一の変動時間決定テーブルとしたが、変動時間決定テーブル記憶手段(変動パターンテーブル記憶手段であって、ROM203に設けられる。)に別々に記憶された変動時間決定テーブルとしてもよい。つまり、S550の処理で「外れ用の第2の開放延長用変動時間決定テーブル」をセットし、S570の処理で「外れ用の第2の通常用変動時間決定テーブル」をセットしてもよい。また、「外れ用の第1変動パターンテーブル」は「外れ用の第1の開放延長用変動時間決定テーブル」の具体例を構成し、「外れ用の通常変動パターンテーブル」は「外れ用の第1の通常用変動時間決定テーブル」の具体例を構成する。但し、後述する実施例3に示すように、S547の処理で否定的な判断がなされる場合にセットされる第1の変動時間決定テーブルと、S580の処理で否定的な判断がなされる場合にセットされる第1の変動時間決定テーブルとを同一の変動時間決定テーブルとしてもよい。
ここで、図51及び図52(b)に示すように、「外れ用の第1変動パターンテーブル(外れ用の第1の変動時間決定テーブル)」に基づいて決定される図柄の変動表示の平均時間は、「外れ用の第2変動パターンテーブル(外れ用の第2の変動時間決定テーブル)」に基づいて決定される図柄の変動表示の平均時間よりも長いものとされている。また、「外れ用の特殊変動パターンテーブル(外れ用の第3の変動時間決定テーブル)」に基づいて決定される図柄の変動表示の平均時間は、「外れ用の第2変動パターンテーブル(外れ用の第2の変動時間決定テーブル)」に基づいて決定される図柄の変動表示の平均時間よりも長く、「外れ用の第1変動パターンテーブル(当り用の第1の変動時間決定テーブル)」に基づいて決定される図柄の変動表示の平均時間よりも短くされている。
更に、S550、S560、S570、S580の処理においては、変動を開始する特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)に関する保留数が考慮され、当該保留数に対応する変動パターンテーブルがセットされる。例えば、変動を開始する特別図柄の保留数が少ない場合(例えば、「ゼロ」若しくは「1」の場合)には、長めの変動時間を特定する変動パターンが記憶された変動パターンテーブル(例えば、保留数「ゼロ」若しくは「1」に対応する変動パターンテーブル)がセットされ、保留数が多い場合(例えば、「2」〜「4」の場合)には短めの変動時間を特定する変動パターンが記憶された変動パターンテーブル(例えば、保留数「2ロ」〜「4」に対応する変動パターンテーブル)がセットされる。また、S580の処理では、S316bの処理で読み出した判定用乱数に含まれるリーチ乱数に基づいて、リーチ演出の実行有無を判断する。
そして、遊技機1の遊技状態が「通常状態」であってリーチ演出を行わない場合には、図51の「通常変動パターンテーブル」と表記された欄のうち「リーチ演出なし」と表記された部分に対応する変動パターンテーブルがセットされ、リーチ演出を行う場合には「リーチ演出あり」と表記された部分に対応する変動パターンテーブルがセットされる。そして、リーチ演出を行わないと判断される場合に選択される変動パターンで特定される変動時間は、リーチ表示を行うと判断される場合に選択される変動パターンで特定される変動時間に比べて短くされる。なお、「外れ用の第1変動パターンテーブル」、「外れ用の第2変動パターンテーブル」若しくは「外れ用の第3変動パターンテーブル」を用いる場合、S316bの処理で読み出したリーチ乱数にかかわらず、リーチ演出を行わないこととしている。但し、「外れ用の第1変動パターンテーブル」、「外れ用の第2変動パターンテーブル」及び「外れ用の第3変動パターンテーブル」のうちの少なくとも何れかを用いる場合においても、リーチ演出を行う場合を設けることもできる。また、図50〜図52に示す変動パターンテーブルは、主制御基板200に搭載されたROM203に記憶されており、このROM203は変動時間決定テーブル記憶手段の具体例を構成する。
以上のようにして何れかの変動パターンテーブルがセットされた後に行われるS582の処理では、変動パターン決定乱数(特別図柄の変動パターンを決定するための乱数)を取得する(S582)。そして、S543、S550、S560若しくはS580の処理でセットした変動パターンテーブルと、S582の処理で取得した乱数値とを用いて変動パターンを設定(決定)する(S584)。そして、CPU201は、図柄決定乱数を取得し、停止図柄(外れ図柄)を設定する処理を行った後(S588)、図47のS590の処理に移行する。
図47に戻って更に説明すると、S510若しくはS540の処理の後、CPU201は第2特別図柄表示部62bにて第2特別図柄(特図2)の変動表示を開始するとともに(S590)、サブ制御部200A(サブ制御基板220)に向かって特図2の変動表示の開始を示す所定のコマンド(図柄変動開始時コマンド)を送信する(S592)。つまり、CPU201は、サブ制御基板220に向かって第2特別図柄に係る「変動パターン指定コマンド」、「特別図柄停止情報指定コマンド」などを送信する。更に、CPU201は、「第2保留数」を「1」減算する処理と、減算された後の保留数を特定するための保留数指定コマンドをサブ制御基板220に送信する処理とを行った後(S595)、特図2図柄変動開始処理(S500b)を終了し、更に特別図柄遊技処理(S300)を終了して、図38の遊技制御処理に復帰する。
ここで、変動パターン指定コマンド及び特別図柄停止情報指定コマンドは、図37に示したように、ストローブ信号とともにサブ制御基板220に向かって出力される。このストローブ信号は、サブ制御基板220に搭載されたCPU220aの割り込み端子に接続されており、サブ制御基板220側のCPU220aは、ストローブ信号が入力されると直ちに各指定信号を受け取って、指定信号の内容を解析する。詳細な説明は省略するが、変動パターンは、リーチ演出を行うか否か、特別図柄を停止表示させる図柄が当り図柄(大当り図柄)であるか否か等の種々の条件を考慮して決定されており、変動パターンが分かれば、特別図柄が変動表示する時間を決定することができる。また、特別図柄停止情報指定コマンドを解析すれば、特別図柄が大当り図柄で停止するのか外れ図柄で停止するのか、更には大当り図柄で停止する場合、その大当り図柄が何れであるかを知ることができる。つまり、特図2図柄変動開始処理(S500b)においても、後述する特図1図柄変動開始処理(S500a)においても、大当りの種類を知ることができる。
サブ制御基板220に搭載されたCPU220aは、これらの情報に基づいて、演出表示装置27での演出態様を決定した後、演出表示制御基板222に対して疑似図柄の表示制御信号を出力し、疑似図柄の変動表示や停止表示等を行う。また、特別図柄の変動時間(変動パターン指定コマンド)に基づいて、演出表示装置27でいわゆるリーチ演出を行うか否か、更にはどのような種類のリーチ演出とするかも決定する。そして、サブ制御基板220は、こうして決定した演出内容に従って、演出表示制御基板222や、アンプ基板224、装飾駆動基板226などを制御することにより、決定した内容の演出を行うことになる。
図43に戻り、「第2特別図柄に関する保留数」が「ゼロ」であるとともに(S314b;YES)、「第1特別図柄に関する保留数」が「ゼロ」でない場合(S314a;NO)には、第1判定用乱数メモリ202aから最も古い判定用乱数を読み出し(S316a)、第1当否判定処理を行う(S320a)。そして、特図1図柄変動開始処理(S500a)を行った後、特別図柄遊技処理(S300)を終了して、図38の遊技制御処理に復帰する。ここで、S320aの処理として行われる第1当否判定処理も、S320bと同様に図46に従って行われ、S500aの処理として行われる特図1図柄変動開始処理(S500a)も、S500bの処理として行われる特図2図柄変動開始処理(S500b)と同様に図42に従って行われる。つまり、S320aの第1当否判定処理では、図46に示すフロー図に従って第1当否判定が実行され、S500aの特図1図柄変動開始処理では、図47に示すように、第1当否判定処理(S320a)の結果に基づき、変動パターンを設定する処理や、第1特別図柄表示部62aに停止表示される図柄を設定する処理等を行った後(S510、S540)、S590、S592、S595の処理が実行される。
次に、特別図柄遊技処理(S300)のS310の処理(図43参照)で、第1特別図柄又は第2特別図柄が変動中であると判断された場合は(S310;YES)、既に、特別図柄の変動パターンと停止図柄とが決定されて、特別図柄の変動が開始されていることとなる。そこで、特別図柄変動時間が経過したか否かを判断する(S341)。即ち、特別図柄の変動時間は変動パターンに応じて予め定められているので、特別図柄の変動を開始すると同時にタイマをセットすることにより、所定の変動時間が経過したかを判断するのである。そして、未だ変動時間が経過していない場合は(S341;NO)、そのまま特別図柄遊技処理(S300)を終了して図38に示す遊技制御処理に復帰する。
これに対して、変動時間が経過したと判断された場合は(S341;YES)、変動している第1特別図柄又は第2特別図柄を停止させ(S344)、停止図柄を表示するとともに、図柄停止コマンドをサブ制御基板220に向かって出力する(S346)。なお、図柄停止コマンドは、サブ制御基板220を介して演出表示制御基板222に転送される。そして、特別図柄を停止表示させる停止表示時間を設定した後(S348)、設定した停止表示時間が経過したか否かを判断する(S350)。
S350の処理で、特別図柄の停止表示時間が経過していないと判断されれば(S350;NO)、そのまま特別図柄遊技処理(S300)を終了して、図38に示す遊技制御処理に復帰する。一方、特別図柄の停止表示時間が経過した場合は(S350;YES)、停止表示の態様が大当りを示す態様(大当り図柄)か否かを判断する(図28のS352)。
図44のS352の処理で肯定的な判断がなされると、主制御基板200のCPU201は、後述する「大当り遊技」の終了時に参照するためのバッファに、現在の遊技進行状況を示す情報をセット(記憶)する(S354)。具体的には、「当り(大当り、小当り)の種類」、「特殊カウンタのカウンタ値」、「遊技状態フラグの状態」をセット(記憶)する(S354)。また、主制御基板200に搭載されたRAM202の所定領域が、S354の処理で用いるバッファとして機能する。ここで、「遊技状態フラグ」とは「遊技機1の遊技状態」を示すフラグ、つまり、「変動短縮フラグ」、「開放延長フラグ」などであり、S354の処理においては、これらのフラグが「ON」「OFF」の何れに設定されているかを示すデータ、つまり、現在の遊技状態(遊技モード)を示すデータがセットされる。また、「変動短縮フラグ」は遊技機1の遊技モード(遊技状態)が変動短縮モード(図柄変動表示の平均実行時間が短くなるモード)にあることを示すフラグである。また、「開放延長フラグ」は遊技機1の遊技モード(遊技状態)が開放延長モード(本実施例の第2始動入賞装置17bのような「可変式の始動入賞装置」の開放時間を長くするモード)にあることを示すフラグである。
S354の処理に続いて、発生した当りが小当りであるか否かを判断し(S356)、発生した当りが大当りである場合には(S356;NO)、特殊カウンタを初期化する処理(S362)を行った後、大入賞口の開放パターンをセットする処理(S364)とを行う。ここで、S364の処理においては、発生したのが「8R大当り」である場合、閉鎖状態にある大入賞口31aを「30秒間」開放させる開放動作を、所定のインターバル時間(例えば、2秒)を挟んで8回行うパターンがセットされ、発生したのが「16R大当り」である場合、閉鎖状態にある大入賞口31aを「30秒間」開放させる開放動作を、所定のインターバル時間(例えば、2秒)を挟んで16回行うパターンがセットされる。
CPU201は、S364の処理に続いて、大当り遊技フラグをセット(ONに設定)する処理を行う(S366)。この「大当り遊技フラグ」のセットにより、大当り遊技実行手段が作動を開始して遊技機1の遊技状態は「大当り遊技状態」に移行する。なお、主制御部200Aは、「大当り遊技フラグ」をセットするタイミングでサブ制御部220Aに向かって、「大当り遊技開始指定コマンド(図中、大開始Cと表記)を送信する。
このように、遊技機1の遊技状態は「大当り遊技状態」に移行することになるが、本実施例の遊技機1では、「大当り遊技フラグ」の設定中(つまり、大当り遊技実行手段の作動中)は、時短機能、開放延長機能は働かないこととしている。このため、S366の処理の後に、図45のS368以降の一連の処理を経て特別図柄遊技処理(S300)を終了する。つまり、S368の処理では開放延長フラグがセット(ONに設定)されているか否かを判断し(S368)、セットされていない場合は(S368;NO)、そのままS372の処理に移行し、セットされている場合は(S368;YES)、開放延長フラグを解除(OFFに設定)した後(S370)、S372の処理に移行する。そして、S372の処理においては、変動短縮フラグがセット(ONに設定)されているか否かを判断し(S372)、セットされていない場合は(S372;NO)、そのまま特別図柄遊技処理(S300)を抜けて、図38の遊技制御処理に復帰する。一方、S372の処理において、変動短縮フラグがセット(ONに設定)されていると判断される場合は(S372;YES)、変動短縮フラグを解除(OFFに設定)した後(S374)、特別図柄遊技処理(S300)を抜けて、図38の遊技制御処理に復帰する。そして、何れの場合においても、図38の遊技制御処理に復帰すると、後述する大当り遊技処理が開始され、大当り遊技が実行される。
次に、図44のS352の処理で否定的な判断がなされる場合の処理について説明する。つまり、第1特別図柄表示部62a若しくは第2特別図柄表示部62bにおいて停止表示された特別図柄が「外れ図柄」の場合には(S352;NO)、特殊変動カウンタの値がゼロより大きいか否か」が判断される(S376)。すなわち、「特殊変動モード」中に生じた「外れ」であるか否かが判断され(S376)、否定的な判断がなされる場合(S376;NO)、図45のS392以降の処理に移行する。
一方、図44のS376の処理で肯定的な判断がなされると(S376;YES)、特殊変動カウンタの値を「−1」した後(S378)、特殊変動カウンタの値が「ゼロ」になったか否かを判断し(S380)、「ゼロ」にならない場合(つまり、正数である場合)には(S380;NO)、そのまま図45のS392以降の処理に移行し、「ゼロ」になった場合(S380;YES)には、モード指定コマンドをサブ制御基板220に送信する処理(S382)を経て図45のS384以降の処理に移行する。ここで、「モード指定コマンド」とは、特殊変動カウンタおよび遊技状態フラグ(変動短縮フラグ、開放延長フラグ)に基づいて、現在の遊技モードが「第1の通常状態」、「第2の通常状態」、「第1の開放延長状態」、「第2の開放延長状態」、「特殊変動モード」等の何れであるかを指定するコマンドである。
図45のS392の処理では開放延長フラグがセット(ONに設定)されているか否かが判断される。そして、開放延長フラグが解除(OFFに設定)されている場合(S392;NO)、そのままS398の処理に移行する。一方、開放延長フラグがセット(ONに設定)されている場合(S392;YES)、開放延長カウンタの値を「−1」した後(S393)、開放延長カウンタの値が「ゼロ」になったか否かを判断する(S394)。そして、「ゼロ」になっていない場合(S394;NO)、 そのままS398の処理に移行する。これに対して、開放延長カウンタの値が「ゼロ」になったと判断される場合(S394;YES)、開放延長フラグを解除(OFFに設定)する処理(S395)と、モード指定コマンドをサブ制御基板220に送信する処理(S396)とを行った後、S398の処理に移行する。ここで、S396で送信されるモード指定コマンドは、遊技機1の遊技状態が非開放延長状態であることを示すコマンドである。
S398の処理では変動短縮フラグがセット(ONに設定)されているか否かが判断される。そして、変動短縮フラグがセットされていない場合(S398;NO)、そのまま特別図柄遊技処理(S300)を抜けて図38の遊技制御処理に復帰する。一方、変動短縮フラグがセット(ONに設定)されている場合(S398;YES)変動短縮カウンタの値を「−1」した後(S400)、変動短縮カウンタの値が「ゼロ」になったか否かを判断する(S404)。そして、「ゼロ」になっていない場合(S404;NO)、 そのまま特別図柄遊技処理(S300)を抜けて図38の遊技制御処理に復帰する。これに対して、S404の処理で、変動短縮カウンタの値が「ゼロ」になったと判断される場合(S404;YES)、変動短縮フラグを解除(OFFに設定)する処理(S410)と、モード指定コマンドをサブ制御基板220に送信する処理(S430)とを行った後、特別図柄遊技処理(S300)を抜けて図38の遊技制御処理に復帰する。なお、S430の処理で送信されるモード指定コマンドは、遊技機1の遊技状態が非変動短縮状態であることを示すコマンドである。
図44に戻り更に説明すると、今回小当りを発生した場合には(S356;YES)、小当り用入賞口の開放パターンをセットする処理(S358)と、小当り遊技フラグをセット(ONに設定)する処理(S360)とを行った後、S376以降の処理を行う。ここで、S358の処理においては、発生したのが「1T小当り」である場合、「閉鎖状態にある小当り用入賞口25aを短時間(0.4秒)の間開放させる開放動作を1回行うパターン」がセットされ、発生したのが「3T小当り」である場合、「閉鎖状態にある小当り用入賞口25aを短時間(0.4秒)の間開放させる開放動作を3回行うパターン」がセットされる。また、この「小当り遊技フラグ」のセットにより、小当り遊技実行手段が作動を開始して遊技機1の遊技状態は「小当り遊技状態」に移行する。なお、主制御部200Aは、「小当り遊技フラグ」をセットするタイミングでサブ制御部220Aに向かって、小当り遊技開始指定コマンド(図中、小開始Cと表記)を送信する。なお、S360の処理を完了すると、S376の処理に移行する。そして、以後、図44のS352の処理で否定的な判断がなされる場合と同様な処理が実行される。
F.小当り遊技処理(S600)
主制御基板200に搭載されたCPU201が、図38の遊技制御処理を繰り返し行ううちに、図53に示す小当り遊技処理(S600)において「小当り遊技フラグ」がセットされていると判断すると(S602;YES)、小当り遊技処理が行われる。
CPU201は、小当り遊技処理を開始すると、先ず初めに、小当り用入賞口25aが開口中か否かを判断する(S604)。但し、小当り遊技を開始した直後は、小当り用入賞口25aが開口しているわけではないから、S604の処理では否定的な判断がなされ(S604;NO)、小当り遊技の終了条件が成立したか否かが判断される(S610)。ここで、小当り遊技の終了条件としては、小当り用入賞口25aが所定回数だけ開口する旨が設定されているが、小当り遊技を開始した直後は、小当り遊技の終了条件は成立していないと判断される(S610;NO)。
よって、S610の否定的な判断を経て、小当り用入賞口25aの閉鎖時間が経過したか否かを判断する(S612)。但し、小当り遊技を開始した直後では、それまでの間、小当り用入賞口25aは閉鎖されていたことから、閉鎖時間が経過しているものと判断される(S612;YES)。このため、CPU201は、小当り用入賞口25aを開口させた後(S616)、図53に示す小当り遊技処理を終了して、図38の遊技制御処理に復帰する。
このように小当り用入賞口25aを開口させた後(S616)、次回に小当り遊技処理(S600)を開始すると、最初の判断で小当り用入賞口25aが開口中であると判断される(S604;YES)。このため、小当り用入賞口25aの開口時間が経過したか否かを判断する(S606)。但し、小当り用入賞口25aを開口した直後であれば、開口時間が経過していないと判断されるため(S606;NO)、そのまま図53の小当り遊技処理を終了して図38の遊技制御処理に復帰する。そして、再び小当り遊技処理(S600)が開始されると、小当り用入賞口25aの開口時間が経過したか否かを判断し(S606)、経過していなければ(S606;NO)、小当り遊技処理を終了して図38の遊技制御処理に復帰する。こうした処理を繰り返しているうちに、やがて、小当り用入賞口25aの開口時間が経過するが、そのとき、小当り用入賞口25aを閉鎖する(S608)。
次いで、小当り遊技の終了条件が成立したか否かを判断する(S610)。そして、小当り用入賞口25aの開口回数が所定回数に達していない場合は(S610;YES)、小当り用入賞口25aの閉鎖時間が経過したことを確認した後(S612;YES)、小当り用入賞口25aを開口させて(S616)、図53の小当り遊技処理を終了し、図38の遊技制御処理に復帰する。こうして処理を繰り返すうちに、やがて小当り用入賞口25aの開口回数が所定回数に達し、小当り遊技の終了条件が成立すると(S610;YES)、図54の小当り遊技終了時処理(S650)を実行した後、小当り遊技を終了する。
この小当り遊技終了時処理(S650)が起動すると、CPU201は、図54に示すように、小当り遊技フラグ(図44のS360を参照)を解除(OFFに設定)した後(S655)、小当り遊技中に遊技球が特別領域SRを通過したか否かを判断する(S660)。ここで、前述のように、特別領域SRの下流側には通過検出スイッチ8t(図10を参照)が設けられており、特別領域SRを遊技球が通過すれば、通過検出スイッチ8tを用いて検出することができる。そして、S660の処理で遊技球が特別領域部SRを通過していたと判断される場合は(S660;YES)、その「特別領域SRの通過が有効時間内の通過であったか否か」が判断される(S665)。尚、この「有効時間であるか否か」は、前述の有効時間タイマーを用いて判断され、本実施例では小当り用入賞口25aが開口(小当り用入賞口ソレノイド25cがON状態となってから)、「8秒間」で終了する。
S660の処理で遊技球が特別領域部SRを通過していなかったと判断される場合は(S660;NO)と、S660の処理で遊技球が特別領域部SRを通過した判断されるが、その通過が有効時間外であった場合(S660;YES、S615;NO)、大当り遊技が行われないので、大当り態様の設定や大当り遊技を開始することなく、図53の小当り遊技処理を終了して、図38の遊技制御処理に復帰する。
一方、S660の処理で遊技球が特別領域部SRを通過した判断されるとともに、その通過が有効時間内であった場合(S660;YES、S615;YES)、大当り遊技態様を設定する処理(S670)を行う。ここで設定する大当り態様は、「今回終了した小当り遊技の実行契機となった小当り(1T小当り、3T小当り)」の態様に対応するものである。この大当り遊技態様によって、「大入賞口の開放パターン」や大当り遊技終了後の遊技状態が特定される。
CPU201は、S670の処理に続いて、特殊変動カウンタの値を初期化する処理(S672)と、大当り遊技フラグをセット(ONに設定)する処理を行う(S677)。この「大当り遊技フラグ」のセットにより、大当り遊技実行手段が作動を開始して遊技機1の遊技状態は「大当り遊技状態」に移行する。なお、主制御部200Aは、「大当り遊技フラグ」をセットするタイミングでサブ制御部220Aに向かって、大当り遊技開始指定コマンド(図中、大開始Cと表記)を送信する。そして、「大当り遊技フラグ」がセット(ONに設定)されることに伴って、図55に示す大当り遊技処理が実行される。
G.大当り遊技処理(S800)
主制御基板200に搭載されたCPU201が、図38の遊技制御処理を繰り返し行ううちに、図55に示す大当り遊技処理(S800)において「大当り遊技フラグ」がセットされていると判断すると(S602;YES)、大当り遊技の実行に係る処理が行われる。
CPU201は、大当り遊技処理を開始すると、先ず初めに、大入賞口31aが開口中か否かを判断する(S804)。但し、大当り遊技を開始した直後は、大入賞口31aが開口しているわけではないから、S804の処理では否定的な判断がなされ(S804;NO)、大当り遊技の終了条件が成立したか否かが判断される(S810)。ここで、大当り遊技の終了条件としては、大入賞口31aが所定回数だけ開口する旨が設定されているが、大当り遊技を開始した直後は、大当り遊技の終了条件は成立していないと判断される(S810;NO)。
よって、S810の否定的な判断を経て、大入賞口31aの閉鎖時間が経過したか否かを判断する(S812)。但し、大当り遊技を開始した直後では、それまでの間、大入賞口31aは閉鎖されていたことから、閉鎖時間が経過しているものと判断される(S812;YES)。このため、CPU201は、大入賞口31aを開口させた後(S816)、図55に示す大当り遊技処理を終了して、図38の遊技制御処理に復帰する。
このように大入賞口31aを開口させた後(S816)、次回に大当り遊技処理(S800)を開始すると、最初の判断で大入賞口31aが開口中であると判断される(S804;YES)。このため、大入賞口31aの開口終了条件が成立したか否かを判断する(S806)。ここで、S806の開口終了条件とは、大入賞口31aの開放時間が30秒になるか、大入賞口31aに入賞した遊技球が規定入賞数に達していると成立するが、大入賞口31aを開口した直後であれば、開口終了条件は成立していないと判断されるため(S806;NO)、そのまま図55の大当り遊技処理を終了して図38の遊技制御処理に復帰する。そして、再び大当り遊技処理(S800)が開始されると、大入賞口31aの開口時間が経過したか否かを判断し(S806)、経過していなければ(S806;NO)、大当り遊技処理を終了して図38の遊技制御処理に復帰する。こうした処理を繰り返しているうちに、やがて、大入賞口31aの開口終了条件が成立するが、そのとき、大入賞口31aを閉鎖する(S808)。
次いで、大当り遊技の終了条件が成立したか否かを判断する(S810)。そして、大入賞口31aの開口回数が所定回数に達していない場合は(S810;YES)、大入賞口31aの閉鎖時間が経過したことを確認した後(S812;YES)、大入賞口31aを開口させて(S816)、図55の大当り遊技処理を終了し、図38の遊技制御処理に復帰する。こうして処理を繰り返すうちに、やがて大入賞口31aの開口回数が所定回数に達し、大当り遊技の終了条件が成立すると(S810;YES)、図52の大当り遊技終了時処理(S850)を実行した後、大当り遊技を終了する。ここで、大当り遊技終了時処理(S850)は、主制御基板200に搭載されたCPU201が遊技状態設定手段として行う処理の具体例を構成する。
この大当り遊技終了時処理(S850)が起動すると、CPU201は、図52に示すように、大当り遊技フラグ(図44のS366の処理若しくは図54のS677の処理を参照)を解除(OFFに設定)した後(S855)、前述の「大当り終了時参照用バッファ(図44のS354を参照)」を参照することによって、今回の大当り遊技の前提となった大当り(以下、「今回の大当り」という。)の種類に関する情報を取得し(S857)、この情報に基づいて、大当り遊技終了後の遊技状態(遊技モード)を設定する処理等を行う。
つまり、今回の大当りが、開放延長状態を設定する契機となる大当り(以下、「開放延長大当り」という。)でなかった場合には(S862;NO)、今回の大当りが、変動短縮機能(時短状態)の作動契機となる大当り(以下、「変動短縮大当り」という。)であったか否かを判断する(S890)。なお、S862の処理に示す「開放延長大当り」には、小当り遊技を経由せずに発生した「開放延長大当り」のみならず、小当り遊技を経由して発生した「開放延長大当り」も含まれる。つまり、「大当りを発生したならば、大当り遊技終了後の遊技状態を第1の開放延長状態若しくは第2の開放延長状態とする小当り」であって、当該小当りの発生を契機とする小当り遊技の終了時に「大当り遊技フラグ」をセット(ONに設定)する処理が行われたもの(図54のS677を参照)も含まれる。同様に、S890の処理に示す「変動短縮大当り」には、小当り遊技を経由せずに発生した「第1開放延長大当り」のみならず、小当り遊技を経由して発生した「第1開放延長大当り」も含まれる。つまり、「大当りを発生したならば、大当り遊技終了後の遊技状態を第2の通常状態とする小当り」であって、当該小当りの発生を契機とする小当り遊技の終了時に「大当り遊技フラグ」をセット(ONに設定)する処理を行われたもの(図54のS675を参照)も含まれる。
S890の処理で「変動短縮大当り」でないと判断される場合には(S890;NO)、大当り遊技終了後における遊技機1の遊技状態(遊技モード)が「第1の通常状態」であること指定するモード指定コマンドをサブ制御基板220に送信した後(S910)、大当り遊技終了時処理(S850)を終了する。また、S890の処理で「変動短縮大当り」であると判断される場合には(S890;YES)、変動短縮フラグをセットする処理(S892)と、変動短縮カウンタに「100」をセットする処理(S902)とを行う。そして、大当り遊技終了後における遊技機1の遊技状態(遊技モード)が「第2の通常状態」であること指定するモード指定コマンドをサブ制御基板220に送信した後(S910)、大当り遊技終了時処理(S850)を終了する。
今回の大当りが「開放延長大当り」であった場合には(S862;YES)、開放延長フラグをセットする処理(S864)を行った後、今回の大当りが「第1の開放延長状態を設定する契機となる大当り(以下、「第1開放延長大当り」という。)であったか否かを判断する(S870)。そして、今回の大当りが「第1開放延長大当り」であった場合には(S870;YES)、開放延長カウンタに「60」をセットする処理(S872)と、特殊変動カウンタに「20」をセットする処理(S874)とを行った後、大当り遊技終了後における遊技機1の遊技状態(遊技モード)が「第1の開放延長状態」であること指定するモード指定コマンドをサブ制御基板220に送信した後(S910)、大当り遊技終了時処理(S850)を終了する。なお、S870の処理に示す「第1開放延長大当り」には、小当り遊技を経由せずに発生した「第1開放延長大当り」のみならず、小当り遊技を経由して発生した「第1開放延長大当り」も含まれる。つまり、「大当りを発生したならば、大当り遊技終了後の遊技状態を第1の開放延長状態とする小当り」であって、当該小当りの発生を契機とする小当り遊技の終了時に「大当り遊技フラグ」をセット(ONに設定)する処理を行われたもの(図54のS675を参照)も含まれる。
S870の処理において、今回の大当りが、第2の開放延長状態を設定する契機となる大当り(以下、「第2開放延長大当り」という。)であったと判断される場合には(S870;NO)、図57に示すように、変動短縮フラグをセットする処理(S880)と、開放延長カウンタに「100」をセットする処理(S882)と、変動短縮カウンタに「100」をセットする処理(S884)とを行う。そして、大当り遊技終了後における遊技機1の遊技状態(遊技モード)が「第2の開放延長状態」であること指定するモード指定コマンドをサブ制御基板220に送信した後(S910)、大当り遊技終了時処理(S850)を終了する。なお、ここに示す「第2開放延長大当り」には、小当り遊技を経由せずに発生した「第2開放延長大当り」のみならず、小当り遊技を経由して発生した「第2開放延長大当り」も含まれる。つまり、「大当りを発生したならば、大当り遊技終了後の遊技状態を第2の開放延長状態とする小当り」であって、当該小当りの発生を契機とする小当り遊技の終了時に「大当り遊技フラグ」をセット(ONに設定)する処理を行われたもの(図54のS675を参照)も含まれる。
(7)演出制御処理(S900)
次に、図58を用いて、サブ制御部220Aを構成するサブ制御基板220のCPU220aが、演出表示制御部222A(演出表示制御基板222の図示しないCPU)と協働して行う「演出制御処理(S900)」の概要について説明する。なお、図58には、演出制御処理を構成する各処理のうちで主要な処理のみを図示している。
この演出制御処理(S900)では、遊技機1に電源が投入されるか、リセットスイッチが押されると、先ず、初期化処理を行う(S960)。この後、電源がOFFになるまでの間、図柄変動演出処理(S1100)、大当り遊技演出処理(S1800)などの主要な処理が繰り返し実行される。尚、図58の一周の処理に要する時間は、ほぼ2msecとなっているため、これらの処理は約2msec毎に繰り返し実行される。以下、図58のフロー図に従ってサブ制御処理について説明する。また、本実施例では、大当り遊技演出処理(S1800)についての説明を省略する。
図柄変動演出処理(S1100)においては、図59に示すように、サブ制御基板220のCPU220aが図柄変動開始時のコマンドを受信すると(S1105;YES)、S1110以降の処理が実行される。ここで、S1105の処理で受信するコマンドは、変動パターン指定コマンド(CHP)及び特別図柄停止情報指定コマンド(CJS)である。
ここで、サブ制御部220Aは、受信した「特別図柄停止情報指定コマンド」に基づき、主制御部200Aにおいて実行された当否判定(S320a,S320b)の結果を判断することができる。そして、当否判定の結果が大当りである場合(S1110;YES)、受信した変動パターン指定コマンドに基づき、「大当り演出の変動パターン」及び「大当り停止図柄」を決定する処理を行った後(S1115)、S1160の処理に移行する。なお、S1115の処理では、「大当り演出の演出パターン」として、演出表示装置27の表示画面27aで実行される演出表示の実行態様、リーチ表示の態様等が決定され、「大当り停止図柄」として、「大当りを確定表示する疑似図柄」の具体的な態様が決定される。
また、当否判定の結果が小当りである場合(S1110;NO、S1112;YES)、受信した変動パターン指定コマンドに基づき、「小当り演出の変動パターン」及び「小当り停止図柄」を決定する処理を行った後(S1116)、S1160の処理に移行する。なお、S1116の処理では、「小当り演出の演出パターン」として、演出表示装置27の表示画面27aで実行される演出表示の実行態様、「小当り停止図柄」として、「小当りを確定表示する疑似図柄」の具体的な態様が決定される。
更に、当否判定の結果が外れである場合(S1110;NO、S1112;NO)、受信した変動パターン指定コマンドに基づき、「外れ演出の変動パターン」及び「外れ停止図柄」を決定する処理を行った後(S1118)、S1160の処理に移行する。なお、S1118の処理では「外れ演出の演出パターン」として、演出表示装置27の表示画面27aで実行される演出表示の実行態様、リーチ表示の実行有無、リーチ表示を実行する場合のリーチ表示態様等が決定される。また、「外れ停止図柄」として、「外れを確定表示する疑似図柄」の具体的な態様が決定される。
なお、S1115の処理、S1116の処理、S1118の処理では、疑似図柄に関する演出表示の実行態様や停止図柄の態様の他に、その他の演出要素に関する演出態様や補助図柄に関する表示態様等が選択・セットされる。つまり、疑似図柄以外の表示演出要素(背景図柄、キャラクタ図柄、実写映像)に関する演出態様、音声演出要素に関する演出態様、発光演出要素に関する演出態様が選択・セットされる。また、補助図柄の変動表示態様や停止態様が選択・セットされる。
S1160の処理において、サブ制御部220Aは、受信した変動パターン指定コマンド及び特別図柄停止情報指定コマンドに基づいて、S1115若しくはS1118で決定した「変動パターン(演出パターン)」及び「疑似図柄の停止図柄」を指定するコマンド(演出表示詳細コマンド)を演出表示制御部222A(演出表示制御基板222)に送信し、演出表示装置27において疑似図柄や背景図柄等の演出図柄の変動表示(図柄変動演出)を開始させる(S1160)。
そして、サブ制御部220Aが、主制御部200A(主制御基板200)から送信される図柄停止指定コマンドを受信すると(S1165;YES)、サブ制御部220Aは、受信した演出停止指定コマンドを演出表示制御部222Aに転送し、演出表示装置27において、疑似図柄と背景図柄の演出表示を停止させる(S1170)。
(8)実施例の効果
本遊技機1では、遊技状態として、複数の通常状態と、複数の開放延長状態との4種類以上を設定し、当りとなった際の遊技状態や発生した当りの態様によって、当り遊技終了後に設定される遊技状態を異なったものとする。つまり、2種類の通常状態の他に、「開放延長機能が作動し、遊技者の持ち玉が減らすことなく遊技球を発射でき、第2当否判定を主体とする状態を複数設ける。つまり、玉持ちが良く、小当り遊技、ひいては、大当り遊技の実行頻度が高い状態を複数設けることにより、遊技の多様性(バリエーション)を増加させることができるため、遊技興趣を高めることができる。
また、本遊技機1では、遊技状態が第2の通常状態である場合には、遊技状態が第1の開放延長状態である場合と同様に、図柄変動遊技を実行する際の遊技状態を、遊技者にとって一番有利な第2の開放延長状態に移行させることができるため、遊技状態が第2の通常状態(第2の通常状態)である場合においても、遊技者は「第2の開放延長状態に対する期待感」が高められた状態で遊技を行うことになる。
また、本遊技機1では、遊技者にとっての有利度が高い通常状態(第2の通常状態)と、遊技者にとっての有利度が低い通常状態(第1の通常状態)を併存させることで、遊技の多様性(バリエーション)を更に増加させる。つまり、第2の通常状態での図柄変動遊技を実行している場合には、一回の当り遊技を経て、遊技状態を第2の開放延長状態に移行することができる。一方、第1の通常状態での図柄変動遊技を実行している場合には、当り遊技を経て、遊技状態を第1の開放延長状態に移行させてから、更に当り遊技を経なければ、遊技状態を第2の開放延長状態に移行させることができない。しかも、第1の開放延長状態での図柄変動遊技を実行している場合には、遊技状態が第1の通常状態に戻る可能性がある。このように、本遊技機1では、遊技状態を第2の開放延長状態に移行させ易い「第2の通常状態」と、移行させ難い「第1の通常状態」が併存するため、第2の開放延長状態になるまでの間における遊技興趣を更に高めることができる。
また、本遊技機1では、「開放延長機能の作動可能性」が異なる開放延長状態、つまり、遊技者にとっての有利度が異なる開放延長状態を併存させ、当りとなった際の遊技状態や発生した当りの態様に応じて、何れかの開放延長状態を生じ得る構成を採用する。このように、開放延長状態として「当り遊技の終了後の開放延長機能に対する期待感」が異なるものを併存させることで、遊技の多様性(バリエーション)を更に増加させ、遊技興趣を更に高めることができる。また、本遊技機1では、複数の開放延長状態を設け、複数の開放延長状態間で開放延長状態の作動期間が異なるため、複数の開放延長状態間において、開放延長状態の態様(第1の開放延長状態若しくは第2の開放延長状態)に応じて異なる遊技を実現できる。従って、遊技の多様性を更に増加させ、遊技興趣を更に高めることができる。
また、本遊技機1では、開放延長状態として、時短機能が作動しない開放延長状態と、時短機能が作動して遊技者にとってより有利な開放延長状態とを併存させるため、開放延長状態の態様(第1の開放延長状態若しくは第2の開放延長状態)に応じて異なる遊技を実現できる。つまり、第1の開放延長状態と、第2の開放延長状態は「開放延長機能が作動し、持ち玉が減らず、玉持ちが良い状態」であるが、第2の開放延長状態では時短機能を作動させ、特別図柄の変動表示の頻度が高くなるため、当りの発生頻度が高くなる。
従って、「玉持ちが良い第1の開放延長状態」と、「玉持ちが良く、しかも単位時間当りの当りの発生頻度が高い第2の開放延長状態」とが併存することになる。つまり、(a)遊技者の持ち玉を減らさずに、遊技球を連続発射したり、意図的に止め打ち(遊技球を発射せずに、遊技を休憩する状態)ことができる遊技と、(b)遊技者の持ち玉を減らさずに、遊技球を連続発射し、特別図柄の変動表示を高頻度に行い、当りの発生頻度を高めた遊技(当否判定を実質的に高確率で行う遊技)とを、通常状態の遊技の他に実行可能である。よって、本遊技機1によると、遊技の多様性を更に一層増加させ、遊技興趣を更に一層高めることができる。
しかも、開放延長状態を複数設け、通常状態から第1の開放延長状態に移行する確率と、通常状態から第2の開放延長状態に移行する確率とを異なってものとしている。このように、開放延長状態への突入率を複数設けるばかりか、開放延長状態間での移行も可能であるため、開放延長状態の継続率設定に関する自由度が高められている。よって、この点からも、多様な遊技を行うことが可能である。
また他の態様として、実施例1では、図50乃至図52にある様に、大当り・小当り・外れを問わず、通常変動パターンテーブルの平均変動時間が最も長く、次いで第1変動パターンテーブル、次いで特殊変動パターンテーブル、そして最も平均変動時間が短く設定されているのが第2変動パターンテーブルとなっている。この様な態様に限らず他の態様を採用してもよい。具体的に、通常状態と、第1の開放延長状態とは、何れの状態も時短機能(変動時間短縮機能)が作動していないので、同じ平均時間の変動パターンテーブル(非時短用変動パターンテーブル)を使用して変動時間を決定してもよい。また、第1の開放延長状態中に実行される特殊変動モードと、第2の開放延長状態とで同じ平均時間の変動パターンテーブル(時短用変動パターンテーブル)を使用して変動時間を決定してもよい。この様に、目的別に変動パターンテーブルを兼用することで、変動パターンテーブルの記憶数を少なくし、制御を簡便化することができる。