JP2015083095A - 遊技機 - Google Patents
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Abstract
【課題】遊技興趣を高めることができる遊技機を提供する。
【解決手段】第2始動手段への遊技球の入球に基づき第2当否判定と識別情報の変動表示を行う。第2当否判定の結果が特定結果となった後に実行される遊技状態として、識別情報の変動表示時間を所定時間とする第1遊技状態と、識別情報の変動表示時間をそれよりも短くする第2遊技状態と、識別情報の変動表示時間を更に短くする第3遊技状態を有する。第2遊技状態で特定結果となったときと、第3遊技状態で特定結果となったときで、複数の遊技状態を異なる割合で設定する。第1遊技状態よりも前記変動表示時間を短くする所定の遊技状態で特定結果になることなく識別情報の変動表示を所定回数実行すると、遊技状態が所定の遊技状態よりも前記変動表示時間を長くする他の遊技状態に移行する。
【選択図】図44
【解決手段】第2始動手段への遊技球の入球に基づき第2当否判定と識別情報の変動表示を行う。第2当否判定の結果が特定結果となった後に実行される遊技状態として、識別情報の変動表示時間を所定時間とする第1遊技状態と、識別情報の変動表示時間をそれよりも短くする第2遊技状態と、識別情報の変動表示時間を更に短くする第3遊技状態を有する。第2遊技状態で特定結果となったときと、第3遊技状態で特定結果となったときで、複数の遊技状態を異なる割合で設定する。第1遊技状態よりも前記変動表示時間を短くする所定の遊技状態で特定結果になることなく識別情報の変動表示を所定回数実行すると、遊技状態が所定の遊技状態よりも前記変動表示時間を長くする他の遊技状態に移行する。
【選択図】図44
Description
本発明は、遊技機に関し、特に、いわゆるセブン機、羽根物、権利物又はアレンジボール等の弾球式の遊技機に関する。
所謂「セブン機」と称する遊技機(パチンコ機)では、通常、普通図柄作動ゲート(第1始動手段)と、開閉式始動口を含む1個以上の特別図柄始動手段(第2始動手段)と、可変入球口(大入賞口)を備える。かかる遊技機では、普通図柄作動ゲート(第1始動手段)に遊技球が入球すること(遊技球が普通図柄作動ゲートを通過すること)に基づき、普通図柄に関する当否判定(第1当否判定)が行われ、第1当否判定の結果が特定結果であることが普通図柄表示手段に表示されると、特別図柄始動手段への入球可能性が所定期間に亘って高くなる。そして、特別図柄始動手段に遊技球が入球することに基づき、特別図柄に関する当否判定(第2当否判定)が行われ、第2当否判定の結果が特定結果であることが特別図柄表示手段に表示されると、可変入球口(大入賞口)を入球可能状態(開放状態)に変化させる大当り遊技を実行する。
また、所謂「羽根物」の特徴を兼ね備えるセブン機(以下、「混合機」と称することがある。)では、普通図柄作動ゲート(第1始動手段)と、特別図柄始動手段(第2始動手段)と、可変入球口(大入賞口)と、センター役物とを備える。そして、普通図柄作動ゲート(第1始動手段)に遊技球が入球すること(遊技球が普通図柄作動ゲートを通過すること)に基づき、普通図柄に関する当否判定が行われ、第1当否判定の結果が特定結果であることが普通図柄表示手段に表示されると、特別図柄始動手段への入球可能性が所定期間に亘って高くなる。そして、特別図柄始動手段に遊技球が入球することに基づき、特別図柄に関する当否判定(第2当否判定)が行われ、第2当否判定の結果が特定結果であることが特別図柄表示手段に表示されると、大当り遊技を実行する。また、特別図柄表示手段に別の特定結果(所謂「小当りを示す結果」)が表示されると、センター役物に設けられた「小当り用の入賞口」が短時間(例えば0.4秒)開口する小当り遊技を開始し、センター役物内に約1〜3個程度の遊技球が入球し得る状態となる。そして、小当り用の入賞口を通じてセンター役物に入球した遊技球が特定領域を通過すると、大当り遊技が開始される。
この種の弾球式の遊技機の中には、大当り遊技終了後の遊技状態を大当り発生時の遊技状態に基づいて振り分けるものがある。例えば、大当り発生時の遊技状態が所謂「高確率状態」であったか否か等によって、大当り遊技終了後に実行される遊技状態(大当り遊技終了後に移行する遊技状態)の振分態様を異ならせた遊技機が提案されている(特許文献1を参照)。
しかしながら、この従来例に係る遊技機では、大当り遊技終了後に設定される遊技状態の種類が限定的で在り来たりであるため、遊技興趣を高めることが困難となっている。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、設定可能な遊技状態と、遊技状態の移行パターンの多様化を図ることができ、遊技興趣を高めることができる遊技機を提供することである。
本発明の遊技機は、
遊技球が入球可能な第1始動手段と、
第1の態様と前記第1の態様よりも遊技球の入球可能性が高い第2の態様とに変化可能な第2始動手段と、
前記第1始動手段への入球に基づいて第1当否判定を実行する第1当否判定手段と、
前記第2始動手段への遊技球の入球に基づいて第2当否判定を実行する第2当否判定手段と、
前記第1当否判定の結果が所定結果になることに基づいて前記第2始動手段を前記第2の態様にする第2始動手段態様制御手段と、
前記第2当否判定の結果に基づいて識別情報の変動表示を行う識別情報変動表示手段と、
前記第2当否判定の結果が特定結果になることに基づいて、特定遊技を実行する特定遊技実行手段と、
前記識別情報の変動表示時間が異なる遊技状態を設定可能な遊技状態設定手段と、
を備える遊技機であって、
前記遊技状態として、少なくとも、前記識別情報の変動表示時間を所定時間とする第1遊技状態と、前記第1遊技状態よりも識別情報の変動表示時間を短くする第2遊技状態と、前記第2遊技状態よりも識別情報の変動表示時間を短くする第3遊技状態と、を有し、
前記遊技状態設定手段は、前記第2遊技状態で前記第2当否判定の結果が特定結果となったときと、前記第3遊技状態で前記第2当否判定の結果が特定結果となったときとで、複数の前記遊技状態を異なる割合で設定するものであり、
前記第1遊技状態よりも前記識別情報の変動表示時間を短くする所定の遊技状態で前記第2当否判定の結果が特定結果になることなく前記識別情報の変動表示を所定回数実行すると、前記遊技状態が、前記所定の遊技状態よりも前記識別情報の変動表示時間を長くする他の遊技状態に移行することを特徴とする。
遊技球が入球可能な第1始動手段と、
第1の態様と前記第1の態様よりも遊技球の入球可能性が高い第2の態様とに変化可能な第2始動手段と、
前記第1始動手段への入球に基づいて第1当否判定を実行する第1当否判定手段と、
前記第2始動手段への遊技球の入球に基づいて第2当否判定を実行する第2当否判定手段と、
前記第1当否判定の結果が所定結果になることに基づいて前記第2始動手段を前記第2の態様にする第2始動手段態様制御手段と、
前記第2当否判定の結果に基づいて識別情報の変動表示を行う識別情報変動表示手段と、
前記第2当否判定の結果が特定結果になることに基づいて、特定遊技を実行する特定遊技実行手段と、
前記識別情報の変動表示時間が異なる遊技状態を設定可能な遊技状態設定手段と、
を備える遊技機であって、
前記遊技状態として、少なくとも、前記識別情報の変動表示時間を所定時間とする第1遊技状態と、前記第1遊技状態よりも識別情報の変動表示時間を短くする第2遊技状態と、前記第2遊技状態よりも識別情報の変動表示時間を短くする第3遊技状態と、を有し、
前記遊技状態設定手段は、前記第2遊技状態で前記第2当否判定の結果が特定結果となったときと、前記第3遊技状態で前記第2当否判定の結果が特定結果となったときとで、複数の前記遊技状態を異なる割合で設定するものであり、
前記第1遊技状態よりも前記識別情報の変動表示時間を短くする所定の遊技状態で前記第2当否判定の結果が特定結果になることなく前記識別情報の変動表示を所定回数実行すると、前記遊技状態が、前記所定の遊技状態よりも前記識別情報の変動表示時間を長くする他の遊技状態に移行することを特徴とする。
本発明では、遊技状態設定手段が設定可能な遊技状態として、基準とする第1遊技状態の他に、第1遊技状態よりも識別情報の変動表示の実行時間が短く、変動表示の実行頻度が高くされる第2遊技状態と、第2遊技状態よりも識別情報の変動表示の実行時間が更に短く、変動表示の実行頻度が更に高くされる第3遊技状態とを設ける。そして、第2当否判定の結果が特定結果となった際の遊技状態が、第2遊技状態であるか、又は第3遊技状態であるかによって、第2当否判定の結果が特定結果となった後に実行される遊技状態の振分態様が異なる。
つまり、遊技状態として、第1遊技状態よりも識別情報の変動表示時間が短い(遊技者にとっての有利度が高い)第2遊技状態と、第2遊技状態よりも識別情報の変動表示時間が短い(遊技者にとっての有利度が高い)第3遊技状態とを設定(有利度が高い遊技状態を複数設定)する。しかも、第2当否判定の結果が特定結果となった際の遊技状態(第1遊技状態よりも有利な度合い)に応じて、第2当否判定の結果が特定結果となった後に実行される遊技状態の振分態様が異なる。このように、本発明では、第1遊技状態の他に、識別情報の変動表示時間の異なる遊技状態(遊技者にとっての有利度が高い遊技状態)を複数設定し、設定可能な遊技状態の多様化を図るとともに、第2遊技状態で第2当否判定の結果が特定結果となったか、或いは、第3遊技状態で第2当否判定の結果が特定結果となったかによって、複数の遊技状態を異なる割合で設定する(遊技状態の振分態様を異ならせる)。ここで、「複数の遊技状態を異なる割合で設定する」とは、第2遊技状態で特定結果となった場合と第3遊技状態で特定結果となった場合とで、特定遊技終了後に設定される遊技状態として、何れの遊技状態を設定するかにおいて、遊技状態の振分の割合を異ならせることを意味する。例えば、第2遊技状態で特定結果となった場合には、10%の確率で第1遊技状態、50%の確率で第2遊技状態、40%の確率で第3遊技状態とし、第3遊技状態で特定結果となった場合には、30%の確率で第1遊技状態、50%の確率で第2遊技状態、20%の確率で第3遊技状態とするものを挙げることができる。また、「第1遊技状態と第2遊技状態とで、第2遊技状態の方が識別情報の変動表示時間が短く設定される」とは、第1遊技状態で選択される識別情報の変動表示時間の平均値と第2遊技状態で選択される識別情報の変動表示時間の平均値とを比較して、第2遊技状態で選択される識別情報の変動表示時間の平均値の方が短いことを意味する。第3遊技状態についても同様である。
従って、本発明によると、第2当否判定の結果が特定結果となった後に設定される遊技状態の多様化を図ることができる。そして、このように、識別情報の変動表示時間が異なる複数(3以上)の遊技状態を備えることで、遊技の幅(バリエーション)を広げることができるばかりか、複数の遊技状態(第2の入球状態、第3の入球状態)のうちの何れの遊技状態に滞在するかによって、遊技中の遊技者に適度な刺激を与えることができる。例えば、第1遊技状態で遊技を行う遊技者には、変動表示時間が短い(有利度が高い)遊技状態に移行することへの期待感を抱いて遊技を行わせ、第2遊技状態で遊技を行う遊技者には、変動表示時間が更に短い(有利度が更に高い)遊技状態へ移行することへの期待感と第1遊技状態に移行(陥落)しないことを望む緊張感を抱いて遊技を行わせ、第3遊技状態で遊技を行う遊技者には、第3遊技状態を維持することへの期待感と他の遊技状態(有利度が低い遊技状態)に移行(陥落)しないことを望む緊張感を抱いて遊技を行わせることができる。このように、本発明によると、遊技状態の多様化を図ることで、遊技中の遊技者に適度な刺激を与え、遊技興趣を高めることができる。
しかも、本発明によると、第1遊技状態よりも識別情報の変動表示時間が短い遊技状態(第2遊技状態若しくは第3遊技状態)で識別情報の変動表示を所定回数実行すると(所定回数実行して特定結果が得られないと)、遊技状態が所定の遊技状態からそれよりも識別情報の変動表示時間が長い遊技状態に移行するので、遊技状態の移行パターンをより多様化することができる。この点からも遊技興趣を高めることができる。
ここで、「識別情報の変動表示の表示結果によって第2当否判定の結果が特定結果であることが表示されることに基づいて、特定遊技を実行する場合」としては、例えば、識別情報の変動表示の表示結果が特定結果になると特定遊技を実行する場合の他に、識別情報の変動表示の表示結果が特定結果になり、更に所定条件が成立(例えば、『所定の領域を遊技球が通過』)することによって特定遊技を実行する場合を例示できる。
また、本発明では、
前記所定の遊技状態は前記第3遊技状態であり、前記他の遊技状態は前記第2遊技状態である
こととしてもよい。
前記所定の遊技状態は前記第3遊技状態であり、前記他の遊技状態は前記第2遊技状態である
こととしてもよい。
この場合、遊技状態の移行パターンに、第2当否判定の結果が特定結果となることなく識別情報の変動表示を所定回数実行することに基づき、遊技状態が第3遊技状態から第2遊技状態に移行(転落)するパターンを有するため、移行パターンの多様化を図り、遊技興趣を高めることができる。また、遊技状態の移行パターンに、第2当否判定の結果が特定結果となることなく識別情報の変動表示を所定回数実行することに基づき、遊技状態が第3遊技状態から第1遊技状態に移行(転落)するパターンを有しないものとすれば、第3遊技状態に滞在して遊技中の遊技者は当該遊技(識別情報の変動表示)を、余裕を持って行うことができる。蓋し、第2当否判定の結果が特定結果となることなく識別情報の変動表示を所定回数実行しても、第1遊技状態ではなく、それよりも有利度が高い第2遊技状態で遊技を継続できるからである。このように、余裕を持って遊技可能な遊技状態(第3遊技状態)を設けることによって、設定可能な遊技状態の多様化が図られるため、この点からも遊技興趣を高めることができる。
更に、本発明では、
前記所定の遊技状態は前記第3遊技状態であり、前記他の遊技状態は前記第1遊技状態である
こととしてもよい。
前記所定の遊技状態は前記第3遊技状態であり、前記他の遊技状態は前記第1遊技状態である
こととしてもよい。
この場合、遊技状態の移行パターンに、第2当否判定の結果が特定結果となることなく識別情報の変動表示を所定回数実行することに基づき、遊技状態が第3遊技状態から第1遊技状態に一気に移行(転落)するパターンを有するため、移行パターンの多様化を図り、遊技興趣を高めることができる。また、第1遊技状態、第2遊技状態および第3遊技状態のうちで最も変動表示時間の短い(有利度が高い)第3遊技状態に滞在して遊技中の遊技者は当該遊技(識別情報の変動表示)を、緊張感を持って行うことになる。蓋し、第2当否判定の結果が特定結果とすることなく識別情報の変動表示を所定回数実行すると、遊技状態が一気に第1遊技状態に移行するからである。このように、緊張感を持って遊技可能な遊技状態(第3遊技状態)を設けることによって、設定可能な遊技状態の多様化が図られるため、この点からも遊技興趣を高めることができる。
また、本発明では、
前記所定の遊技状態は前記第2遊技状態であり、前記他の遊技状態は前記第1遊技状態である
こととしてもよい。
前記所定の遊技状態は前記第2遊技状態であり、前記他の遊技状態は前記第1遊技状態である
こととしてもよい。
この場合、遊技状態の移行パターンに、第2当否判定の結果が特定結果となることなく識別情報の変動表示を所定回数実行することに基づき、遊技状態が第2遊技状態から第1遊技状態に移行(転落)するパターンを有するため、移行パターンの多様化を図り、遊技興趣を高めることができる。また、第1遊技状態よりも有利度が高い第2遊技状態に滞在して遊技中の遊技者は当該遊技(識別情報の変動表示)を、緊張感を持って行うことになる。蓋し、第2当否判定の結果が特定結果とすることなく識別情報の変動表示を所定回数実行すると、遊技状態が第1遊技状態に移行するからである。このように、緊張感を持って遊技可能な遊技状態(第2遊技状態)を設けることによって、設定可能な遊技状態の多様化が図られるため、この点からも遊技興趣を高めることができる。
更に、本発明では、
遊技球が入球不能な入球不能状態と遊技球が入球可能な入球可能状態とに変化可能な可変入球口を備え、
前記特定遊技は前記可変入球口を前記入球可能状態にする遊技である
こととしてもよい。
遊技球が入球不能な入球不能状態と遊技球が入球可能な入球可能状態とに変化可能な可変入球口を備え、
前記特定遊技は前記可変入球口を前記入球可能状態にする遊技である
こととしてもよい。
この場合、可変入球口を入球可能状態にする特定遊技を行う遊技機において、設定可能な遊技状態と、遊技状態の移行パターンの多様化を図ることができ、遊技興趣を高めることができる。
また、本発明では、
遊技球が入球可能な第3始動手段を備え、前記第2当否判定手段は、前記第3始動手段への入球に基づいて前記第2当否判定を実行する
こととしてもよい。
遊技球が入球可能な第3始動手段を備え、前記第2当否判定手段は、前記第3始動手段への入球に基づいて前記第2当否判定を実行する
こととしてもよい。
この場合、第2始動手段への入球に基づいて第2当否判定を実行するばかりか、第3始動手段への入球に基づいて第2当否判定を実行する。これにより、設定可能な遊技状態と、遊技状態の移行パターンの多様化を図ることができ、遊技興趣を高めることができる。
また、本明細書において、「前」及び「表」は、「遊技機を基準とする前方(つまり、遊技者に近接する方向)」を示し、「後」及び「裏」は、遊技機を基準とする後方(つまり、遊技者から離間する方向)」を示す。また、「左」とは、遊技者から見て「左」であることを示し、「右」とは「遊技者から見て右」であることを示す。
更に、本体枠、前面枠、上皿部材、下皿部材等のように、「扉の如く、開閉可能な部材(以下、「扉型部材」という。)」において、「左」、「右」、「前」、「後」等は、これらの扉型部材が使用状態にある場合、つまり、閉鎖された状態にある場合を基準としたものである。
また、本明細書において、遊技盤面に設けられた各種入賞口に遊技球が入る(受け入れられる)ことを、「入賞」若しくは「入球」と表記することがある。このうち、「入賞」とは、賞球の払い出しの前提となる入賞口に遊技球が入球することを示すもので、入賞口に遊技球が入る(受け入れられる)ことを示す点では、「入球」と実質的に同義である。
なお、本発明の「入球」には通過の概念も含まれる。そして、始動手段としては、入球した遊技球を遊技領域外に排出する(入球後に再度遊技盤面上の遊技領域を流下させない)ものや、入球した遊技球を再度遊技領域に排出して流下させ、他の入球口又はアウト口から遊技領域外に排出するもの(例えば、ゲートと称するもの)等を例示できる。
以上記述したように本発明の遊技機によると、設定可能な遊技状態と遊技状態の移行パターンの多様化を図ることができ、遊技興趣を高めることができる。
以下、発明を実施するための形態を示す実施例について図面に基づいて説明する。以下に示す各実施例では、本発明を「混合機(パチンコ機)1」に適用した各具体例について説明する。
(1)機械的な構造
a.遊技機の全体構造
先ず、この遊技機1の全体構造について、図1を参照して説明する。この遊技機1は、外枠2と、この外枠2に装着された遊技機本体Hとを備えている。この外枠2は、略矩形状の枠状体によって構成される外枠本体2Aと、外枠本体2Aの前面下部を覆う前板部2Bとを備えている。
a.遊技機の全体構造
先ず、この遊技機1の全体構造について、図1を参照して説明する。この遊技機1は、外枠2と、この外枠2に装着された遊技機本体Hとを備えている。この外枠2は、略矩形状の枠状体によって構成される外枠本体2Aと、外枠本体2Aの前面下部を覆う前板部2Bとを備えている。
遊技機本体Hは、外枠2の左端側上下のヒンジH1、H2を用いて、外枠2の左端側に回動自在に組み付けてられている。この遊技機本体Hは、遊技機1のうち外枠2を除く部分であって、本体枠3と、前面枠4と、前面枠4に一体化された皿部材(上皿部材5および下皿部材6)5Aと、遊技盤10(図2を参照)と、裏機構盤102等を主要部としている。
本体枠3は、外枠2に嵌めこまれ、外枠2に対して開閉可能に軸支されている。この本体枠3は、全体がプラスチック製であり、遊技盤10を保持可能な枠状体によって構成されている。この本体枠3が遊技盤10(図2を参照)を保持したとき、「遊技盤10の盤面(表面)に構成される遊技領域11」が、本体枠3の前方から視認可能とされる。
前面枠4は、本体枠3の前面側に配置され、本体枠3の左端に開閉可能に支持されている。この前面枠4は、前後に貫通する状態に設けられた視認窓41aを具備する枠本体41と、視認窓41aに填め込まれたガラス板43とを備えている。そして、遊技盤10に形成された遊技領域11(正面視で略円形の遊技領域11)が前面枠4を閉じたときにその背後に位置する状態とされるため、この遊技領域11は視認窓41a(ガラス板43)を介して前面枠4の前方から視認可能とされる。
また、本遊技機1では、「上皿部材5および下皿部材6を一体化した皿部材5A」が前面枠4に一体化され、本体枠3に対して前面枠4と一体で開閉可能とされている。但し、皿部材5Aを、本体枠3における前面枠4の装着部位よりも下方に装着し、前面枠4とは別に開閉可能としてもよい。また、上皿部材5および下皿部材6を別体に設け、本体枠3における前面枠4の装着部位よりも下方に配置し、上方に配置される上皿部材5を前面枠4とは別に開閉可能とし、下方に配置される下皿部材6を開閉不可能としてもよい。
前面枠4の前面部の上方側の左右には、スピーカSP1、SP2が装着され、前板部2Bの左右両端にも、スピーカSP3、SP4が内蔵されている。そして、本遊技機1においては、これらのスピーカSP1〜SP4を用いて、遊技状態に応じた効果音や、その他の音(音声)を発生させる。また、前面枠4の前面部において、上皿部材5の配置位置を構成する箇所には、遊技機1から排出される遊技球を受け入れるための受入口5bを備えている。更に、上皿部材5の裏側には、球貸表示基板410(図8を参照)および演出ボタン基板228(図9を参照)が設けられ、上皿部材5の上面部には「演出ボタンSW」が配置されている。
上皿部材5の下方の部位には下皿部材6が設けられ、この下皿部材6の略中央には、その略容器形状とされる内部に上皿部材5から排出される遊技球を受け入れるための受入口6aを備えている。また、下皿部材6の右端側には発射ハンドル9が設けられている。そして、本体枠3の前面部裏側(本体枠3の内部)であって、遊技盤10よりも下方の左端側に位置する部位には、発射装置ユニット90(図2を参照)が配設されており、この発射装置ユニット90に発射ハンドル9が接続されている。ここで、発射装置ユニット90は球送り装置(図示を省略)から送り出される遊技球を略鉛直上方に発射して、遊技領域11に到達させるためのものである。なお、発射ハンドル9には、遊技者が触れていることを検知するタッチスイッチ(タッチセンサ)9aが装着されており、その近傍には、遊技球の発射を一時的に停止するための発射停止スイッチ9bが装着されている。
b.遊技盤10の構成
次に、遊技盤10の構成について図2を用いて説明する。この遊技盤10は正面視で略矩形状の合板を用いて構成される遊技盤本体10Aと、この遊技盤本体10Aに装着される各種の盤部品(外側レール12、内側レール13、メイン役物装置20等)が装着されている。尚、この遊技盤本体10Aの前面部には、セル画が印刷されたシート状物が貼着されているが図示を省略する。
次に、遊技盤10の構成について図2を用いて説明する。この遊技盤10は正面視で略矩形状の合板を用いて構成される遊技盤本体10Aと、この遊技盤本体10Aに装着される各種の盤部品(外側レール12、内側レール13、メイン役物装置20等)が装着されている。尚、この遊技盤本体10Aの前面部には、セル画が印刷されたシート状物が貼着されているが図示を省略する。
遊技盤本体10Aは、正面視で略円形とされる領域形成部10Bと、領域形成部10Bの周囲に位置する領域外部10Cとを備える。また、遊技盤本体10Aの前面部には、ともに帯状の金属板を用いて構成される外側レール12と、内側レール13とが配設されている。そして、領域形成部10Bの前面部(遊技盤面)は、この外側レール12及び内側レール13が形成する略円形の周壁によって略包囲されつつ、遊技領域11を構成している。なお、図2に示す一点鎖線は本体枠3を示している。
内側レール13は略U字形状に配置されつつ、左端部が遊技盤本体10Aは左上部に配設されるとともに、その左側方に位置する「外側レール12の左上部」との間に「遊技球が通過可能な隙間」を設け、球進入口11Sを形成している。また、外側レール12の左端部は、発射装置ユニット90の球出口96jの斜め左上に近接配置されている。そして、外側レール12において、内側レール13の外側に配置される部分は、外側レール12の左端部から左斜め上方に上がる経路を描き、内側レール13の右端部の側方に到達したところで、その経路を内側レール13と略平行な円弧状の経路に改めつつ上昇し、球進入口11Sの側方を越えて、遊技盤本体10Aの右上部まで到達している。
内側レール13の外側面部には、補助レール13Bの上端部が一体化されている。そして、「補助レール13Bと、これに略平行な外側レール12の部分の間に形成される通路」と、その上方の「外側レール12と内側レール13とに挟まれつつ球進入口11Sに至る通路」とが連続して誘導経路Yを構成している。この誘導経路Yは、その下端部が「発射装置ユニット90の球出口96j」と連通するとともに、下端部から左上がり傾斜状に「内側レール13の外側(左側方)」を上昇した後、内側レール13の外側を時計回転方向に通過して、球進入口11Sに到達している。
領域形成部10B(遊技盤10において遊技領域11内に位置する部位)には、メイン役物装置20と、普通図柄作動ゲート(普通図柄作動口)16と、第1始動入賞装置17aと、第2始動入賞装置17bと、大入賞装置31と、下部表示装置60と、2個の一般入賞装置45、46と、多数の障害釘(図示を省略)と、風車19等が配設されている。
メイン役物装置20は、取付部材(化粧板)21と、開閉装置25と、振分装置26と、演出表示装置27とを備えている。このうち、取付部材21は、領域形成部10Bの前面部に装着される板状体によって構成され、遊技領域11の略中央部を構成している。この取付部材(化粧板)21には、窓部形成孔21dが設けられ、この窓部形成孔21dによって表示窓21eを構成している。尚、この表示窓21eは正面視で略矩形状とされている。
図2に示すように、取付部材21の下縁部には、ステージ部21pが前方に突出する状態に装着され、取付部材21の周縁部のうちのその他の部位には装飾部材21Aが、前方に突出する状態に装着されている。この装飾部材21Aは、取付部材21の上縁部から突出する庇部21Hと、取付部材21の左縁部から突出する左側装飾部21Lと、取付部材21の右縁部から突出する右装飾部21Rとを備えている。
左側装飾部21Lの内部に遊技球の通路(所謂「ワープ通路」)21wが形成されている。つまり、左側装飾部21Lの左側面部において、この通路21wの進入口(図示を省略)が、左斜め上方に向かって開口し、遊技領域11を流下する遊技球を、この進入口で受け入れ、ステージ部21p上(メイン役物装置20の内部)に進入させる。また、ステージ部21pは、その上面部によって遊技球の転動面を構成する。この転動面は、左右の端部から中央部に向かって下る傾斜面として構成されているが、転動面の中央部では上方に向かって僅かに隆起する隆起部とされている。
本遊技機1においては、遊技領域11を流下し、通路21wを通じて転動面の左端部に到達した遊技球は、転動面上を右方向に転動し、更に、左方向に転動する。そして、遊技球の勢いが衰えたところで、この遊技球はメイン役物装置20外に排出されるが、転動面の中央部から排出される遊技球の多くは、一定の確率で第1始動入賞装置17aに入球する(後述する。)。尚、遊技領域11を流下して第1始動入賞装置17aに入球する遊技球の中には、メイン役物装置20に進入せずに第1始動入賞装置17aに入球するものと、メイン役物装置20に進入し、ステージ部21p上を転動した後に第1始動入賞装置17aに入球するものがある。
演出表示装置27は液晶表示装置を用いて構成され、下部表示装置60における特別図柄の変動表示および停止表示に合わせて図柄変動演出を実行する。本実施例では、下部表示装置60(第1特別図柄表示部62a、第2特別図柄表示部62b)が、特別図柄(本図柄)を用いて図柄変動遊技(変動表示)を行い、演出表示装置27が、演出図柄(疑似図柄)を用いて図柄変動演出を行う。ここで、図柄変動演出は、図柄変動遊技の結果を遊技者に示すために、図柄変動遊技の進行(特別図柄の変動表示,停止表示)に合わせて行う表示演出等である。なお、第1特別図柄および第2特別図柄の詳細に関して後述する。
演出表示装置27の表示画面27aは、図3に示すように、その全体、若しくは、一部を用いて種々の図柄を遊技者が視認可能となるように表示可能である。つまり、表示画面27aの略全体が表示領域となり、この表示領域に背景を示す図柄(以下、背景図柄という。)や背景色(青、赤等の画面の地色)等を表示した状態とされる。そして、この背景図柄や背景色の前面に重ね合わせた状態で3つ(3桁)の演出図柄を表示する演出図柄表示領域27bが、表示画面27a上に設けられる。この演出図柄表示領域27bでは、演出図柄が横方向に3つ並んで表示され、それら「演出図柄」を用いた演出表示と停止表示等がなされる。また、背景図柄としてキャラクタを示す図柄(以下、キャラクタ図柄という。)を表示したり、実写映像(図示を省略)を表示したりすることがある。そして、これら「演出図柄」や「背景図柄」や「キャラクタ図柄」により「表示演出」が実現される。なお、演出図柄表示領域27bにおいて「演出図柄」を変動表示しているときには、演出図柄表示領域27bを透かした状態で、背景図柄や背景色が視認可能となる。
図3に示すように、表示画面27aのうち、下縁部側の左端寄りの部位には第1保留表示領域(M1、M2、M3、M4)27Mが設けられ、下縁部側の右端寄りの部位には第2保留表示領域(N1、N2、N3、N4)27Nが設けられる。このうち、第1保留表示領域(M1、M2、M3、M4)27Mは、第1始動入賞装置17aへの入球に基づいて生ずる「第1特別図柄」に関する保留数(以下、「第1保留数」という。)を「4個」を上限個数として表示する。また、第2保留表示領域(N1、N2、N3、N4)27Nには、第2始動入賞装置17bへの入球に基づいて生ずる「第2特別図柄」に関する保留数(以下、「第2保留数」という。)を「4個」を上限個数として表示する。なお、以下の説明において、第1始動入賞装置17aに遊技球が入球することを「第1始動入賞」と称し、第2始動入賞装置17bに遊技球が入球することを「第2始動入賞」と称することがある。また、「第1始動入賞」および「第2始動入賞」の総称として「始動入賞」を用いることがある。ここで、特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)に関する「未消化の遊技球(つまり、保留)」とは、始動入賞装置(17a若しくは17b)に入球したが、特別図柄表示部(62a若しくは62b)において当該入球に伴う第2当否判定(特図1当否判定、特図2当否判定、)と、特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)の変動表示とがなされていない遊技球を指す。
第1保留表示領域(M1〜M4)は、右側から左側に向かって、第1領域M1と、第2領域M2と、第3領域M3と、第4領域M4とを並べた構成を備え、最大4個の保留図柄を表示可能となっている。また、第2保留表示領域(N1〜N4)は、左側から右側に向かって、第1領域N1と、第2領域N2と、第3領域N3と、第4領域N4とを並べた構成を備え、最大4個の保留図柄を表示可能となっている。そして、第1保留表示領域(M1、M2、M3、M4)や第2保留表示領域(N1〜N4)を構成する各領域(M1〜M4、N1〜N4)には、球(真円)をあしらった保留図形を表示することができる。なお、保留図柄としては本実施例に示す単純形状(円形)の図柄以外にも「キャラクタを、あしらった図柄」等を例示することもできる。
何れの保留表示領域(M1〜M4、N1〜N4)も、始動入賞装置17a、17bに入球したが、未だ、未消化(処理条件が未成立)の遊技球の数(即ち、保留数)を、「保留図柄の表示数」によって示すとともに、未消化の遊技球が消化される毎に「保留図柄の表示数」を減少させることによって、「未消化の遊技球」の数(保留数)を、順次、デクリメントして表示する。具体的には、保留数が「1」の場合、添え字1を付した領域(M1、N1)のみに保留図柄を表示し、保留数が「2」の場合、添え字1を付した領域(M1、N1)と、添え字2を付した領域(M2、N2)に保留図柄を表示する。更に、保留数が「3」の場合、添え字4を付した領域以外の領域(M1〜M3、N1〜N3)に保留図柄を表示し、保留数が「4」の場合、全ての領域(M1〜M4、N1〜N4)に保留図柄を表示する。
開閉装置25は、図6(a)に示すように、右装飾部21Rの上端側に設けられた小当り用入賞口25aと、右側装飾部21Rの内部に設けられる誘導通路21xと、遊技盤11の盤面に垂直な支軸25jによって下端側を支持された開閉部材25bと、開閉部材25bを作動させるための小当り用入賞口ソレノイド25c(図8を参照)とを備えている。このうち、開閉部材25bは、小当り用入賞口25aの開閉を行うための部材であり、下方側の支軸25jを中心に回動することで、小当り用入賞口25aへの遊技球の入賞が不可能となるように小当り用入賞口25aを閉鎖する閉鎖状態と、小当り用入賞口25aへの遊技球の入賞が可能となるように小当り用入賞口25aを開放する開放状態とに変化することができる。
つまり、小当り用入賞口ソレノイド25cの駆動を開始して、開閉部材25bを時計回り(正面視)に回転させ、開閉部材25bを「右斜め上方に上がり傾斜となる傾動姿勢」に変化させると、小当り用入賞口25aは開放状態に変化し、遊技球の入賞が可能となる。一方、小当り用入賞口ソレノイド25cの駆動を停止すると、開閉部材25bが正面視で反時計回り(正面視)に回転するため、小当り用入賞口25aは閉鎖状態に変化し、遊技球の入球が不可能となる。
図6(a)及び(b)に示すように、誘導通路21xは入口部211xを、小当り用入賞口25aと一致させ、出口部212xを、メイン役物装置20の内部に配設された振分装置26に向かって開放させている。つまり、誘導通路21xは小当り用入賞口25aから受け入れた遊技球を、振分装置26に向かって誘導するための通路である。また、誘導通路21xにおいて、小当り用入賞口25aの近傍に位置する部位には、小当り用入賞口25aからの遊技球の入球を検知するための入球検知センサ21yが配設されている。
振分装置26は、メイン役物装置20の内部において中央部よりも右側の部位に配置されている(図2を参照)。この振分装置26は、小当り用入賞口25aからメイン役物装置20に入球した後、誘導通路21xを通じて誘導された遊技球を受け入れ、通常領域TR及び特定領域SRのうちの一方に誘導するものである。
振分装置26は、図6(b)に示すように、基体部26aと、回転誘導体26bと、誘導モータ26c(図8を参照)とを備えている。このうち、基体部26aの上面部には、上方に開口すると共に、外縁部の形状が略円形の凹部26dが設けられている。この凹部26dは、中心側に位置すると共に平面形状が略円形の装着部26eと、装着部26eを周回状に包囲すると共に平面形状が略リング状の球導入部26fとを備えている。そして、装着部26eの深さは、球導入部26fの深さよりも深くされている。また、球導入部26fの底面部は、装着部26eに向かって下り傾斜となる傾斜面とされている。
装着部26eの底面部においては、図7(b)に示すように、遊技球を通常領域TRに誘導するための通常誘導孔26gと、遊技球を特定領域SRに誘導するための特定誘導孔26hとが開口している。但し、特定誘導孔26hの開口位置と装着部26eの中心部26jとの距離は、通常誘導孔26gの開口位置と装着部26eの中心部26jとの距離よりも小さくされている。つまり、前者の距離は、後者の距離よりも、「遊技球の直径(11ミリ)」を超える長さの分だけ、小さくされている。
図6(b)に示すように、基体部26aの上面部において凹部26dの右側方に位置する部位には、特定誘導溝26pが設けられている。この特定誘導溝26pは、誘導通路21xを通過した遊技球を受け取り、球導入部26fに導入するためのものである。この特定誘導溝26pの入口部261pは、誘導通路21xの出口部212xと連結される共に、特定誘導溝26pの出口部262pは球導入部26fに接続されている。また、特定誘導溝26pの床面部は、入口部261pから出口部262pに向かって下り傾斜状とされている。このため、特定誘導溝26pを通過した遊技球は球導入部26fに進入可能となっている。
回転誘導体26bは、図6(b)に示すように、装着部26eに回転可能な状態に装着されている。また、この回転誘導体26bは、図7(a)に示すように、上面部が曲面部とされた円板に対して、4個の誘導用凹部261b、261b、261b、262bを設けた構成を備える。これらの誘導用凹部261b、262bは、回転誘導体26bの周方向に沿って等間隔に形成されると共に、1個の遊技球を受け入れ可能なサイズとされている。また、何れの誘導用凹部261b、262bも、回転誘導体26bの外周部の側から回転誘導体26bの中心部の側に凹む状態に形成されると共に、回転誘導体26bの上面部及び下面部においても開口している。そして、球導入部26f上の遊技球を受け入れることが可能である。
但し、3個の誘導用凹部261bが遊技球を通常誘導孔26gに誘導するために用いられ、残りの1個の誘導用凹部262bが、遊技球を特定誘導孔26hに誘導するために用いられる。つまり、誘導用凹部261b、262bに受け入れられた遊技球は、図7(c)に示すように、誘導用凹部261bの出口部265b、266bから、通常誘導孔26g及び特定誘導孔26hのうちの何れか一方に誘導される。そして、この出口部265b、266bは、回転誘導体26bの底面部で開口しているが、(a)3個の誘導用凹部(以下、「通常誘導用凹部」という。)261bが、回転誘導体26bを回転させることで、通常誘導孔26g(入口部)と上下に位置合わせ可能な位置に設けられ、(b)残りの1個の誘導用凹部(以下、「特定誘導用凹部」という。)262bが、回転誘導体26bを回転させることで、特定誘導孔26h(入口部)と上下に位置合わせ可能な位置に設けられているからである。
誘導モータ26cは、回転誘導体26bを回転させるためのモータである。この誘導モータ26cから発生する回転駆動力は、所定の伝達部材(ギア等)を介して、回転誘導体26bに伝達される。尚、後述する主制御部200Aは、誘導モータ26cの動作を制御する制御手段として機能する。そして、本実施例では、この主制御部200Aが誘導モータ26cの動作を制御することで、その回転軸が、常時、一定速度で回転するため、回転誘導体26bは、常時、一定速度で回転(上方側から見て、左回転方向)している。
誘導通路21xを通過した遊技球が球導入部26fで受け入れる。この遊技球は、球導入部26fを転動した後、通常誘導用凹部261b及び特定誘導用凹部262bのうちの一方に進入する。そして、通常誘導用凹部261bに進入した遊技球は、回転誘導体26bを回転させることで通常誘導孔26gに誘導され、特定誘導用凹部262bに進入した遊技球は、回転誘導体26bを回転させることで特定誘導孔26hに誘導される。そして、遊技球が通常誘導孔26gに誘導されると、通常領域TRに到達し、通過検知スイッチ8n(図8を参照)によって検知される。また、遊技球が特定誘導孔26hに誘導されると、特定領域SRに到達し、通過検知スイッチ8t(図8を参照)によって検知される。ここで、回転誘導体26bには、3個の通常誘導用凹部261bと、1個の特定誘導用凹部262bとが、回転誘導体26bの周方向に沿って等間隔に配置されているため、球導入部26fに到達した遊技球が、特定領域SRに誘導される確率は、「1/4」とされている。
第1始動入賞装置17aは「第3始動手段」の具体例を構成する。この第1始動入賞装置17aは、図2に示すように、非可変式の始動入賞装置であり、大きさが不変の開口部(遊技球受入口)を上方に開口させたポケット形状を備えている。そして、この開口部(遊技球受入口)は、ステージ部21p(転動面)の中央部の略鉛直下方に位置するため、ワープ通路21wに進入した後、ステージ部21p(転動面)を転動し、ステージ部21pの中央部の略鉛直下方に落下すると、その遊技球は第1始動入賞装置17aに入球する確率(可能性)が高くなる。また、第1始動入賞装置17aの開口部(遊技球受入口)の大きさは、1球の遊技球の通過を許容する大きさとされ、その大きさが拡大されたり縮小されたりすることはない。なお、第1始動入賞装置17aの内部には遊技球の通過を検知する第1始動口入球検知スイッチ17s(図8参照)が配設されている。
第2始動入賞装置17bは「第2始動手段」の具体例を構成する。この第2始動入賞装置17bは可変式(開閉式)の始動入賞装置であり、遊技領域11内であって、メイン役物装置20の右側に位置する部位に配設されている。この第2始動入賞装置17bは、図4(a)に示すように、遊技盤本体10Aにビス止め固定される取付板17vと、取付板17vの前面部に装着されて第2始動入賞装置17bの入口側部分を構成する普通電動役物17dと、取付板17vの前面部に装着された障害部材17Kと、を備えている。なお、前述の第1始動入賞装置17aが、この障害部材17Kとして機能してもよい。
普通電動役物17dは、いわゆるチューリップ式で左右に配設された一対の可動翼片17e、17eと、一対の可動翼片17e、17eを作動させるための普通電動役物ソレノイド17c(図8参照)とを備えている。このうち、可動翼片17e、17eはそれぞれの下方側の支軸を中心に、上端側を相互に離間するように、左右に開放可能とされる。そして、両可動翼片17e、17eが立設状態となる閉鎖状態(第1の態様)にあるときに、可動翼片17e、17eの上端部間の間隔が縮小される。また、普通電動役物ソレノイド17cを駆動して、両可動翼片17e、17eを、下端側の軸心に上端側を相互に離間するように傾動させると、可動翼片17e、17eの上端部間の間隔が拡大され、開放状態(第2の態様)とされる。また、障害部材17kは、普通電動役物17dの鉛直上方に配設されている。更に、第2始動入賞装置17bの内部には遊技球の通過を検知する第2始動口入球検知スイッチ17t(図8参照)が配設されている。
図4(a)に示すように、第2始動入賞装置17bが閉鎖状態(第1の態様)になると、一対の可動翼片17e、17eの上端部間には、1球の遊技球の通過を許容する空間部K1が形成されるが、この空間部K1の鉛直上方に障害部材17Kが配設されている。このため、閉鎖状態(第1の態様)にある第2始動入賞装置17bに遊技球が入球することは不可能されている。一方、図4(b)に示すように、第2始動入賞装置17bが開放状態(第2状態)になり、一対の可動翼片17e、17eが左右に開くと、可動翼片17e、17eの上端部間の間隔K1(つまり、第2始動口の左右全幅)が、障害部材17Kの左右全幅よりも拡大される。このため、障害部材17Kの左右を通過した遊技球が、第2始動入賞装置17bへ入球することが可能となる。また、一対の可動翼片17e、17eの上端部間に、上方に開口する開口部(第2始動口)17T(図4を参照)を設けられ、一対の可動翼片17e、17eに開放動作を施すと、第2始動口17Tが閉鎖状態から開放状態に所定の開放時間に亘って変化することとされている。尚、本実施例では、第2始動入賞装置17bを開放状態又は閉鎖状態とする開閉部材を、一対の可動翼片としたが、一枚の可動翼片であっても、出没又は回動可能な開閉板であってもよい。第2始動入賞装置17bへの入球を容易にする状態と、入球を困難にする状態とに変化させる部材であればよい。
本遊技機1においては、第2始動入賞装置17bが開放状態(第2の態様)となると、遊技領域11を流下する遊技球が第2始動入賞装置17bに入賞可能となる。そして、遊技機1の遊技状態が「第2始動入賞装置17bが開放状態とされる時間(開放時間)が通常よりも長い時間に設定される状態(開放延長状態)」になると、遊技球が第2始動入賞装置17bに入球する確率は第1始動入賞装置17aに入球する確率に比べて遙かに高くなる。なお、本実施例では、開放延長状態における第2始動入賞装置17bの開放時間を「5秒」としており、非開放延長状態(通常開放状態)における第2始動入賞装置17bの開放時間を「0.2秒」としている。一方、前述のように、第2始動入賞装置17bが閉鎖状態(第1状態)になると、遊技球が第2始動入賞装置17bに入球することが不可能であるため、遊技機1の遊技状態が開放延長状態でない場合、遊技球が第2始動入賞装置17bに入球する確率は第1始動入賞装置17aに入球する確率に比べて遙かに低くなる。ここで、本遊技機1では、第2始動入賞装置17bが第2の態様となる頻度が通常よりも高くなる高頻度状態を発生させる高頻度状態発生手段を備えており、第2始動入賞装置17bの開放時間を延長すること(遊技状態を開放延長状態とすること)等によって高頻度状態を実現している。
図2に示すように、遊技領域11内であって、メイン役物装置20の右側に位置するとともに第2始動入賞装置17bの下方に位置する部位には、大入賞装置31が配設されている。この大入賞装置31は、遊技盤10の前面部10aで開口する大入賞口31aと、この大入賞口31aを開放・閉鎖するための開閉板31bと、この開閉板31bを駆動するための大入賞口ソレノイド31c(図8を参照)と、大入賞装置31に入賞した遊技球を検知するための大入賞口入球検知スイッチ31s(図8を参照)とを備えている。この大入賞装置31は、開閉板31bが起立姿勢となると、この開閉板31bが大入賞口31aを閉鎖するため、大入賞装置31への遊技球の入賞が不可能となる。一方、開閉板31bが、その下端部を支点に前方に傾動して前傾姿勢となると、大入賞口31aが開放されるとともに、開閉板31bの後面部(背面部)が遊技領域11を流下し、大入賞装置31へ到達した遊技球を大入賞口31aに誘導する誘導部を構成する。なお、大入賞口31aは可変入球口の具体例を構成する。
普通図柄作動ゲート(普通図柄作動口)16は、図2に示すように、遊技領域11内であってメイン役物装置20の右斜め上方側に位置する部位(第2始動入賞装置17bの上方に位置する部位)に配設されている。この普通図柄作動ゲート16は、略門型とされつつ遊技盤10の前面部10aから前方に突出しており、入口を上方に向け、出口を下方に向けている。そして、遊技領域11を流下する遊技球を入口で受け入れ、出口を通じて下方に通過させる。また、普通図柄作動ゲート16は、遊技球の通過を検知するための普通図柄作動ゲート通過検知スイッチ16s(図8を参照)を備える。なお、普通図柄作動ゲート(普通図柄作動口)16は第1始動手段の具体例を構成する。
なお、普通図柄作動ゲート16を上方から下方に通過した遊技球は、遊技領域11に流下し、他の入賞口(大入賞装置31を構成する大入賞口31a、一般入賞装置45、46を構成する入賞口、第1始動入賞装置17aを構成する始動口、第2始動入賞装置17bを構成する始動口)に入球して遊技領域11外に排出されたり、アウト口18を通じて遊技領域11外に排出される。但し、第1始動手段を、ポケット形状の入球装置として構成し、第1始動手段に入球した遊技球は再度遊技領域11を流下せずに遊技領域11外に排出されることとしてもよい。
ここで、図2に示すように、遊技領域11を、メイン役物装置20を基準として、4つの領域部11L、11R、11U、11Dに区分することができる。つまり、メイン役物装置20の左側に位置する左領域部11Lと、メイン役物装置20の右側に位置する右領域部11Rと、メイン役物装置20の上側に位置する上領域部11Uと、メイン役物装置20の下側に位置する下領域部11Dとに区分することができる。
本遊技機1では、図2に示すように、小当り用入賞口25aと、大入賞口31aと、第2始動入賞装置17bと、普通図柄作動ゲート(普通図柄作動口)16を右領域部11Rに配置する。このため、小当り遊技や大当り遊技を実行している際や、第2始動入賞装置17bへの始動入賞を狙う場合(第2入球頻度状態及び第3入球頻度状態)において、遊技者は、右領域部11Rに向かって遊技球を発射すること(所謂「右打ち」)を行うことになる。そして、遊技球が、右領域部11Rに到達する前に通過する上領域部11Uにおいては、障害釘の配設密度が低い。特に、上領域部11Uにおいて右領域部11Rの近傍に位置する部位では、障害釘が配設されない「釘無し領域」とされている。しかも、「右打ち」を施された遊技球は、左領域部11Lを狙った遊技球に比べて勢いが強いため、小当り用入賞口25a、大入賞口31a、第2始動入賞装置17bに遊技球を入球させたり、普通図柄作動ゲート(普通図柄作動口)16に遊技球を入球(通過)させることが効率に行われる。従って、本遊技機1によると、第2入球頻度状態や第3入球頻度状態(つまり、開放延長状態)を円滑に進行させることができる。しかも、後述するように、開放延長状態(第2入球頻度状態及び第3入球頻度状態)になると、小当りの発生確率が高くなるため、第2始動入賞装置17bに遊技球を効率的に入賞させることで、小当りを経由して大当りを発生させる確率も高くなる。
図2に示すように、下部表示装置60は大入賞装置31の左側方に配置されている。この下部表示装置60は、図5(a)に示すように、遊技盤本体10Aの前面部に取り付けられる取付板61を備えている。そして、この取付板61には、第1特別図柄表示部62aと、第2特別図柄表示部62bと、普通図柄表示部63と、普通図柄保留表示部65等が設けられている。なお、下部表示装置60と前述の演出表示装置27は識別情報表示手段の具体例を構成し、特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)および演出図柄は識別情報の具体例を構成する。
第1特別図柄表示部62a、第2特別図柄表示部62bおよび普通図柄表示部63は、何れも「7セグメント表示体」を用いて構成されている。このうち、第1特別図柄表示部62aでは、第1始動口入球検知スイッチ17sによって遊技球が検知されることに基づいて実行される第2当否判定(以下、「特図1当否判定」と称することがある。)の結果を示す「第1特別図柄」が変動表示を経て停止表示する。
また、第2特別図柄表示部62bでは、第2始動口入球検知スイッチ17tによって遊技球が検知されることに基づいて実行される第2当否判定(以下、「特図2当否判定」と称することがある。)の結果を示す「第2特別図柄」が変動表示を経て停止表示する。第1特別図柄表示部62aおよび第2特別図柄表示部62bにおいて表示される図柄変動遊技の結果(当否判定の結果)と、演出表示装置27において表示される図柄変動演出の表示結果(当否判定の結果)は一致するものとされる。第1特別図柄表示部62aおよび第2特別図柄表示部62bの表示結果の内容については後述する。
普通図柄表示部63は、図5(a)に示すように「7セグメント表示体」によって構成され、普通図柄表示部63は普通図柄作動ゲート16を遊技球が通過することに基づいて、図柄変動開始条件が成立すると普通図柄の変動表示を開始する。この普通図柄の変動表示は、普通図柄表示部63において「0」〜「9」までの算用数字をこの順で表示した後、再び、「0」〜「9」までの算用数字をこの順で表示することを繰り返す「循環表示」によって構成される。そして、普通図柄の変動表示の実行時間が経過すると、普通図柄が停止表示されて、その停止表示が一定時間(0.5秒)実行される。このとき、停止表示された普通図柄が「奇数数字」である場合、その図柄が普通図柄の当り図柄に該当し、停止図柄が「偶数数字」である場合、その図柄が普通図柄の外れ図柄に該当する。この閉鎖状態(第1の態様)にある普通電動役物17dを開放状態(第2の態様)とするか否かの判定(抽選)を行う判定手段は後述する主制御部200Aによって構成され、第1当否判定手段の具体例を構成する。
普通図柄保留表示部65は4個のLEDを用いて構成され、普通図柄作動ゲート16を通過したが未だ未消化の遊技球の数(保留数)を、4個を上限数として表示するとともに、未消化の遊技球が消化される毎に未消化の遊技球の数(保留数)を順次、デクリメントして表示するものである。つまり、点灯するLEDの数によって普通図柄に関する「未消化の遊技球(保留球)」を表示する(例えば、4個のLEDが消灯していれば、保留球の数は「ゼロ」であり、4個のLEDが点灯していれば、保留球の数は「ゼロ」である。ここで、普通図柄に関する「未消化の遊技球(保留球)」とは、普通図柄作動ゲート16を通過したが普通図柄表示部63において当該通過に基づく処理(第1当否判定、普通図柄の変動表示)がなされていない遊技球を指す。なお、本実施例では、開放延長機能が作動しているときには、普通図柄に関する時短機能が作用するとともに普通図柄に関する抽選(第1当否判定)が高確率(例えば、当り確率90%)で行われる。また、開放延長機能が作動していないときには、普通図柄に関する時短機能が作用しない(後述する通常変動時間で行われる)とともに普通図柄に関する抽選(第1当否判定)が低確率(例えば、当り確率30%)で行われる。
図2に戻り、2個の一般入賞装置45、46は、メイン役物装置20の左側に配置されている。そして、各一般入賞装置45、46の内部には、遊技球の入賞を検知するための一般入賞口入球検知スイッチ45s、46s(図8を参照)が配設されている。また、多数の障害釘(図示を省略)は、以上説明した各盤部品との位置バランスを考慮して、遊技領域11にパチンコ遊技に適するべく配設され、遊技盤10の下方にはアウト口18が設けられている。更に、アウト口18の下部にはバック球防止部材(図示を省略)が設けられている。そして、遊技領域11に到達せず戻ってきた遊技球が再び発射位置に戻ることを防止している。なお、本実施例では、第1始動入賞装置17a、第2始動入賞装置17b、一般入賞装置45、46、大入賞装置31等の各入賞装置として、遊技球受入口(第1始動口、第2始動口、一般入賞口、大入賞口)を構成する部位が装置本体と、この装置本体に設けられた入球検知スイッチ(17s、17t、45s、46s、31s)とを備える構成を例示した。但し、これらの入賞装置若しくはこれらの入賞装置のうちの何れかの代わりに、遊技球受入口(第1始動口、第2始動口、一般入賞口、大入賞口)を構成する遊技球受入部材を遊技盤に配置する。そして、遊技球受入部材の遊技球受入口に受け入れられた遊技球を通過させる通路部材(例えば、遊技盤の裏面側に装着される裏樋部材)を遊技盤に配置し、この通路部材に設けられる「遊技球の通路」に入球検知スイッチ(17s、17t、45s、46s、31s)を配置することとしてもよい。
(2)制御回路の構成
次に、図8および図9(a)を用いて本実施例の遊技機1の制御回路の構成について説明する。本遊技機1の制御回路は、主制御部200Aと、複数の副制御部(220A、222A、240A、260A)とを含んで構成されている。つまり、主制御基板200を用いて構成されるとともに遊技の基本的な進行や賞球に関わる当否についての制御を司る主制御部200Aと、複数の副制御部(220A、222A、240A、260A)とを備えている。
次に、図8および図9(a)を用いて本実施例の遊技機1の制御回路の構成について説明する。本遊技機1の制御回路は、主制御部200Aと、複数の副制御部(220A、222A、240A、260A)とを含んで構成されている。つまり、主制御基板200を用いて構成されるとともに遊技の基本的な進行や賞球に関わる当否についての制御を司る主制御部200Aと、複数の副制御部(220A、222A、240A、260A)とを備えている。
また、副制御部としては、(a)サブ制御基板220を用いて構成されるとともに、遊技上の演出の制御を司るサブ制御部220Aと、(b)演出表示制御基板222を用いて構成されるとともに、演出表示装置27の制御を司る演出表示制御部222Aと、(c)払出制御基板240を用いて構成されるとともに貸球や賞球を払い出す動作の制御を司る払出制御部240Aと、(d)発射制御基板260を用いて構成されるとともに遊技球の発射に関する制御を司る発射制御部260Aを備える。
これらの制御部(200A、220A、222A、240A、260A)を構成する制御基板(200、220、222、240、260)は、各種論理演算および算出演算を実行するCPUや、CPUで実行される各種プログラムやデータが記憶されているROM、プログラムの実行に際してCPUが一時的なデータを記憶するRAM、周辺機器とのデータのやり取りを行うための周辺機器インターフェース(PIO)、CPUが演算を行うためのクロックを出力する発振器、CPUの暴走を監視するウォッチドッグタイマなど、種々の周辺LSIがバスで相互に接続されて構成されている。尚、図8中の矢印の向きは、データあるいは信号を入出力する方向を表している。また、主制御基板200においては、搭載されたCPU201、RAM202、ROM203を図示し、サブ制御基板220においても、搭載されたCPU220a、RAM220b、ROM220cを図示し、その他の制御基板に搭載されているCPUや、RAM、ROMなどについては図示を省略している。
主制御部200Aは、普通図柄作動ゲート通過検知スイッチ16s、始動口入球検知スイッチ17s、17t、一般入賞口入球検知スイッチ45s、46s、入球検知センサ21y、通過検知スイッチ8n、8t等から遊技球の検知信号を受け取って、遊技の基本的な進行や賞球に関わる当否を決定した後、サブ制御部200A(サブ制御基板220)や、払出制御部240A、発射制御部260A等に向かって各種の信号(コマンド)を出力する。
また、主制御部200A(主制御基板200)は、普通電動役物ソレノイド17cや、大入賞口ソレノイド31c、小当り用入賞口ソレノイド25c、誘導モータ26c、下部表示装置60に信号を出力することにより、これらの動作を直接制御している。また、主制御部200A(主制御基板200)を構成するCPU201により決定された所定の信号(コマンド)は、サブ制御基板220や払出制御基板240に対してそれぞれ送信される。ここで、主制御部200A(主制御基板200)は、第1当否判定手段と、第2当否判定手段と、特定遊技実行手段(大当り遊技実行手段)、始動手段態様制御手段、開放延長手段と、遊技状態設定手段等として機能することになる。
サブ制御部220A(サブ制御基板220)は、主制御部200A(主制御基板200)からの各種信号(コマンド)を受け取ると、信号(コマンド)の内容を解析して、その結果に応じた遊技の演出を行う。つまり、サブ制御部220A(サブ制御基板220)は、主制御部200A(主制御基板200)からの制御信号に基づいて遊技の演出の制御を司るものである。このサブ制御部220A(サブ制御基板220)には、演出表示制御部222A(演出表示制御基板222)と、アンプ基板224と、装飾駆動基板226と、演出ボタン基板228と、にそれぞれ電気的に接続されている。また、サブ制御基板220は、CPU220aと、RAM220bと、ROM220cとを備えている。
サブ制御基板220のCPU220aは、主制御基板200からの制御信号を受けて演出表示制御基板222、アンプ基板224、装飾駆動基板226及び演出ボタン基板228などの各基板を制御する。また、ROM220bには、各基板の制御に必要なデータ(特に遊技の装飾に関する情報)が記憶されている。また、CPU220aは、主制御部200A(主制御基板200)から送出された表示制御コマンド(つまり、表示制御信号)を受信すると共に、ROM220bに記憶されたプログラムに従って解析する。そして、サブ制御部220A(サブ制御基板220)を構成するCPU220aは、このCPU220aにより決定された所定の表示制御コマンドや、主制御部200A(主制御基板200)から送信されたままの表示制御コマンドを演出表示制御部222A(演出表示制御基板222)に対して送信する。
アンプ基板224には、所定の効果音を出力するスピーカSP1〜SP4が電気的に接続されている。また、装飾駆動基板226には、前面枠4や遊技盤10等に設けられる装飾用の各種LED(ランプ)を搭載した各種LED基板が接続されている。また、装飾駆動基板226は、サブ制御基板220Aからの信号を受けて遊技の装飾に関する制御を行うものである。
払出制御部240Aには、中継端子板、発射制御部260A、下皿満タンスイッチ6s等が接続されている。また、払出制御部240Aには中継端子板を介して、遊技球払出装置(払出装置)109を構成する払出モータ109mと、前側払出スイッチ109aと、後側払出スイッチ109bとが接続されている。また、払出制御部240Aには、主制御部200Aが双方向通信可能な状態に接続されている。この払出制御部240Aは、所謂、貸球や賞球の払い出しに関する各種の制御を司っている。例えば、遊技者が貸出ボタン5cや返却ボタン5qを操作すると、その操作信号は、球貸表示基板410から中継端子板を介して払出制御基板240に伝達され、その操作信号に基づいて払出モータ109mを駆動させるための駆動信号が、遊技球払出装置(払出装置)109(払出モータ109m)に伝達される。
また、主制御部200Aが賞球の払出コマンドを出力すると、このコマンドを払出制御部240Aが受け取って、払出モータ109mに駆動信号を出力することによって賞球の払い出しが行われる。また、払い出される遊技球は、2つの払出スイッチ(前側払出スイッチ109a、後側払出スイッチ109b)によって検知されて、払出制御部240Aに入力される。更に、払い出された賞球数はカウントスイッチ109cによっても検知されて、主制御部200Aでも計数されている。
次に、サブ制御部220A(サブ制御基板220)に対する信号或いはコマンドの入出力関係について説明する。前述のように、サブ制御部220A(サブ制御基板220)には、演出表示制御基板222と、アンプ基板224、装飾駆動基板226、演出ボタン基板228などの各種基板が接続されている。また、サブ制御部220Aは、前述のように、主制御部200Aから各種の演出用のコマンド(表示制御コマンドなど)を受け取ると、コマンドの内容を解釈して、(a)演出表示装置27での具体的な表示内容や、(b)スピーカSP1〜4で出力する効果音、更には、(c)各種LED基板4b〜4h等に搭載された各種LEDや、その他のランプ類の点灯若しくは点滅の具体的な態様を決定する。
次いで、演出表示装置27の駆動信号(各種の図柄制御コマンド)を演出表示制御部222Aに出力して、演出図柄(疑似図柄、背景図柄、キャラクタ図柄等)の変動表示及び停止表示を行う。このとき、表示される演出図柄(疑似図柄、背景図柄、キャラクタ図柄、実写映像等)の表示データ(静止画像データ、動画像データなど)については、演出表示装置27、或いは、演出表示制御基板222に内蔵された表示用ROM(図示を省略)に格納されているデータを使用する。
演出図柄の変動表示及び停止表示に合わせて、音声信号をアンプ基板224に出力することによって、スピーカSP1〜SP4から効果音を出力する。加えて、装飾駆動基板226に信号を供給し、装飾駆動基板226から、各種LEDランプ4b〜4h)の駆動信号を出力することによって、各種ランプ類(LED等)等の点灯・点滅動作等を制御する。また、上皿部材5の前面側に設けられた演出ボタンSWを遊技者が操作すると、この操作信号がサブ制御部220Aに供給される。そして、サブ制御部220Aは、供給された操作信号に基づいて、演出表示装置27を初めとする各種の演出内容に操作結果を反映させることが可能に構成されている。
(3)遊技機1による遊技の概要
次に、本実施例の遊技機1で行われる遊技の概要について、図10および図11を用いて簡単に説明する。
次に、本実施例の遊技機1で行われる遊技の概要について、図10および図11を用いて簡単に説明する。
a.普通図柄変動遊技
普通図柄変動遊技は、普通図柄の変動表示および停止表示等によって構成される。この普通図柄の変動表示は、図10に示すように、普通図柄作動ゲート16を遊技球が通過すること(普通図柄作動ゲート通過検知スイッチ16sが遊技球を検知すること)に基づいて普通図柄表示部63において開始される(S1、S2)。この普通図柄の変動表示の実行時間(普通図柄の変動時間)は、普通図柄の変動表示を開始する際に決定されるが、この実行時間は普通図柄の変動表示を開始する際の遊技状態に基づき決定される。ここで、図11に示すように、本遊技機1で実行される遊技状態は、通常遊技状態(第1遊技状態)と、第1有利状態(第2遊技状態)と、第2有利状態(第3遊技状態)である。そして、実施例1の通常遊技状態(第1遊技状態)は第2始動入賞装置17b(第2始動口)への遊技球の入球頻度が第1の頻度の第1入球頻度状態によって構成される。この第1入球頻度状態では開放延長機能が作動しない(第2始動入賞装置17bの開放時間が0.2秒とされる)とともに、普通図柄の変動時間が通常変動時間(例えば、30秒)に決定される。また、第1入球頻度状態は、開放延長機能が作動しない遊技状態であり、普通図柄に関する抽選(第1当否判定)が低確率(例えば、当り確率30%、3/10)で行われる。
普通図柄変動遊技は、普通図柄の変動表示および停止表示等によって構成される。この普通図柄の変動表示は、図10に示すように、普通図柄作動ゲート16を遊技球が通過すること(普通図柄作動ゲート通過検知スイッチ16sが遊技球を検知すること)に基づいて普通図柄表示部63において開始される(S1、S2)。この普通図柄の変動表示の実行時間(普通図柄の変動時間)は、普通図柄の変動表示を開始する際に決定されるが、この実行時間は普通図柄の変動表示を開始する際の遊技状態に基づき決定される。ここで、図11に示すように、本遊技機1で実行される遊技状態は、通常遊技状態(第1遊技状態)と、第1有利状態(第2遊技状態)と、第2有利状態(第3遊技状態)である。そして、実施例1の通常遊技状態(第1遊技状態)は第2始動入賞装置17b(第2始動口)への遊技球の入球頻度が第1の頻度の第1入球頻度状態によって構成される。この第1入球頻度状態では開放延長機能が作動しない(第2始動入賞装置17bの開放時間が0.2秒とされる)とともに、普通図柄の変動時間が通常変動時間(例えば、30秒)に決定される。また、第1入球頻度状態は、開放延長機能が作動しない遊技状態であり、普通図柄に関する抽選(第1当否判定)が低確率(例えば、当り確率30%、3/10)で行われる。
また、実施例1の第1有利状態(第2遊技状態)は、第2始動入賞装置17b(第2始動口)への遊技球の入球頻度が、第1の頻度よりも高い第2の頻度の第2入球頻度状態によって構成される。この第2入球頻度状態では開放延長機能が作動する(第2始動入賞装置17bの開放時間が5秒とされる)とともに、普通図柄の変動時間が通常変動時間よりも短くされた第1短縮変動時間(例えば、5秒)に決定される。更に、実施例1の第2有利状態(第3遊技状態)は、第2始動入賞装置17b(第2始動口)への遊技球の入球頻度が、第2の頻度よりも高い第3の頻度の第3入球頻度状態によって構成される。この第3入球頻度状態では開放延長機能が作動する(第2始動入賞装置17bの開放時間が5秒とされる)とともに、普通図柄の変動時間が第1短縮変動時間よりも短くされた第2短縮変動時間(例えば、2秒)に決定される。また、第2入球頻度状態および第3入球頻度状態は、開放延長機能が作動する遊技状態であり、普通図柄に関する抽選(第1当否判定)が高確率(例えば、当り確率90%、9/10)で行われる。
実施例1では、このように、第1有利状態(第2入球頻度状態)および第2有利状態(第3入球頻度状態)は開放延長機能が作動する遊技状態であるため、第2始動入賞装置17bに遊技球が入球する可能性は、第1入球頻度状態に比べて高くなる。また、第1有利状態(第2入球頻度状態)および第2有利状態(第3入球頻度状態)は、普通図柄に関する抽選(第1当否判定)で当りとなる確率が等しくされるが、第2有利状態(第3入球頻度状態)における普通図柄の変動時間が第1有利状態(第2入球頻度状態)における普通図柄の変動時間よりも短く(2/5)されるため、第2始動入賞装置17bが開放状態となる頻度は第2有利状態(第3入球頻度状態)の方が第1有利状態(第2入球頻度状態)よりも高くなる。従って、第2始動入賞装置17bに遊技球が入球する可能性は、第1有利状態(第2入球頻度状態)よりも第2有利状態(第3入球頻度状態)の方が高くなる。このように、本実施例では、通常遊技状態(第1入球頻度状態)で開放延長機能が作動せず、第1有利状態(第2入球頻度状態)および第2有利状態(第3入球頻度状態)において開放延長機能が作動するため、後述する変形例5に示すように、第1有利状態(第1入球頻度状態)および第2有利状態(第2入球頻度状態)において、普通図柄の変動時間が同じであっても、第2有利状態(第3入球頻度状態)における普通図柄の変動時間を、第1有利状態(第2入球頻度状態)における普通図柄の変動時間よりも短くすること等によって、通常遊技状態(第1入球頻度状態)、第1有利状態(第2入球頻度状態)、第2有利状態(第3入球頻度状態)の順に第2始動入賞装置17bに遊技球が入球する可能性を高くすることができる。
図10に示すように、この普通図柄の変動表示は、普通図柄表示部63に当り図柄若しくは外れ図柄を停止表示することで終了する。そして、普通図柄表示部63に当り図柄が所定時間に亘って停止表示されると(S3)、第2始動入賞装置17bが一定時間開放状態(第2状態)となり(S4)、普通図柄表示部63に外れ図柄が停止表示されると(S5)、第2始動入賞装置17bは閉鎖状態(第1の態様)を維持する(S6)。
ここで、普通図柄表示部63に当り図柄が停止表示される場合において、開放延長機能が作動しない第1入球頻度状態であるときには、第2始動入賞装置17bの開放時間が短く(例えば、0.2秒)されるため、第2始動入賞装置17bに遊技球が入球する頻度(入球可能性)が低くなる。
また、前述のように、遊技球がステージ部21p上を転動することで、当該遊技球が第1始動入賞装置17aに入球する可能性が高くなるが、通常状態であるときには第2始動入賞装置17bに遊技球が入球する可能性が低くなるため、遊技者は第2始動入賞装置17bが設けられた右領域部11Rではなく、ステージ部21pに導く通路(ワープ通路)21wが開口する左領域部11Lに向かって遊技球を発射する傾向(左打ちを行う傾向)が強くなる。
また、普通図柄表示部63に当り図柄が停止表示される場合において、開放延長機能が作動する遊技状態(第2入球頻度状態、第3入球頻度状態)であるときには、第2始動入賞装置17bの開放時間が長く(例えば、5秒)される。この場合、左領域部11Lに向かって遊技球を発射して、通路(ワープ通路)21wの開口に遊技球を入球させるよりも、右領域部11Rに向かって遊技球を発射して、第2始動入賞装置17bに遊技球を入球させることの方が容易である。このため、遊技者は、開放延長機能が作動する遊技状態(第2入球頻度状態、第3入球頻度状態)において、右領域部11Rに向かって遊技球を発射する傾向(右打ちを行う傾向)が強くなる。
b.特別図柄変動遊技
次に、特別図柄変動遊技の概要を、図12を用いて説明する。この特別図柄変動遊技は特別図柄の変動表示および停止表示等によって構成される。具体的には第1始動入賞装置17aへの遊技球の入球(第1始動入賞)に基づき実行される第2当否判定(以下、「特図1当否判定」という。)の結果表示の実行時期が到来すると、下部表示装置60の第1特別図柄表示部62aにおいて、第1特別図柄を用いた変動表示と停止表示とが実行される。また、第2始動入賞装置17bへの遊技球の入球(第2始動入賞)に基づき実行される第2当否判定(以下、「特図2当否判定」という。)の結果表示の実行時期が到来すると、下部表示装置60の第2特別図柄表示部62bにおいて第2特別図柄を用いた変動表示と停止表示とが実行される。ここで、第1特別図柄及び第2特別図柄は「本図柄」であり、遊技の基本進行を司る主制御部200Aにおいて「停止図柄」と「変動時間(変動パターン)」が決定される。
次に、特別図柄変動遊技の概要を、図12を用いて説明する。この特別図柄変動遊技は特別図柄の変動表示および停止表示等によって構成される。具体的には第1始動入賞装置17aへの遊技球の入球(第1始動入賞)に基づき実行される第2当否判定(以下、「特図1当否判定」という。)の結果表示の実行時期が到来すると、下部表示装置60の第1特別図柄表示部62aにおいて、第1特別図柄を用いた変動表示と停止表示とが実行される。また、第2始動入賞装置17bへの遊技球の入球(第2始動入賞)に基づき実行される第2当否判定(以下、「特図2当否判定」という。)の結果表示の実行時期が到来すると、下部表示装置60の第2特別図柄表示部62bにおいて第2特別図柄を用いた変動表示と停止表示とが実行される。ここで、第1特別図柄及び第2特別図柄は「本図柄」であり、遊技の基本進行を司る主制御部200Aにおいて「停止図柄」と「変動時間(変動パターン)」が決定される。
第1特別図柄表示部62aにおける第1特別図柄の停止表示によって「特図1当否判定の結果が外れである」旨が表示される場合と、第2特別図柄表示部62bにおける第2特別図柄の停止表示によって「特図2当否判定の結果が外れである」旨が表示される場合には、遊技機の遊技状態は通常遊技状態(大当り状態でも、小当り状態でもない状態)に維持され、大入賞口31a及び小当り用入賞口25aは閉鎖状態のままとされる。
また、第1特別図柄の停止表示によって「特図1当否判定の結果が大当りである」旨が表示されるか、若しくは、第2特別図柄の停止表示によって「特図2当否判定の結果が大当りである」旨が表示されると、大当り遊技実行手段(主制御部200A)は大当り遊技を開始させる。これにより、大入賞口31aを所定回数(8回若しくは16回)に亘って開放状態とする「大当り遊技」が実行される。つまり、この大当り遊技を開始すると、開閉板31bに「単位駆動」が所定回数に亘って施される。この「単位駆動」は開閉板31bの姿勢を、大入賞口31aを閉鎖する姿勢(以下、「閉鎖姿勢」という。)から、大入賞口31aを開放する姿勢(以下、「開放姿勢」という。)に移行させ、この開放姿勢を第1の時間(例えば、20秒〜30秒から選択される時間)維持した後、この開閉板31bの姿勢を閉鎖姿勢に戻すことを内容とする
そして、この「単位駆動」が所定のインターバル時間(例えば約2秒)を挟みつつ所定回数(8回若しくは16回)実行されると、大当り遊技実行手段は、遊技機の状態を大当り遊技状態から通常遊技状態(大当り遊技を実行してない通常の遊技状態)に戻す。以下、「単位駆動」を8回(8ラウンド)行うことを内容とする大当り遊技を「8R大当り遊技」と称するとともに、8R大当り遊技の実行契機となる大当りを「8R大当り」と称する。また、「単位駆動」を16回(16ラウンド)行うことを内容とする大当り遊技を「16R大当り遊技」と称するとともに、16R大当り遊技の実行契機となる大当りを「16R大当り」と称する。ここで、大当りは特定結果の一具体例を構成し、大当り遊技は特定遊技の具体例を構成する。
更に、第1特別図柄の停止表示によって「特図1当否判定の結果が小当りである」旨が表示されるか、若しくは、第2特別図柄の確定表示の停止表示によって「特図2当否判定の結果が小当りである」旨が表示されると、小当り遊技が実行される。この小当り遊技では、所定の動作パターンに基づいて開閉部材25bが開放動作を実行する。この動作パターンは、開閉部材25bの姿勢を短時間(例えば、0.4秒間)の間、開放姿勢とすることを1回若しくは3回行うことを内容とするものであり、これにより、小当り用入賞口25aは短時間(例えば、0.4秒間)の間、開放状態とされる。このとき、小当り用入賞口25aを通じてメイン役物装置20に遊技球が入球し、通常領域TRに到達すると、「外れ」となり、大当り遊技実行手段は作動しない。
一方、小当り用入賞口25aを通じてメイン役物装置20に遊技球が入球し、所定の有効時間内に特定領域SRに到達すると、「大当り」となり、大当り遊技実行手段が大当り遊技を開始する。この「大当り」にも、「8R大当り」と「16R大当り」と存在するが、小当り遊技から移行する大当り遊技においては、小当り遊技を経ることなく、通常遊技状態から大当り遊技状態に移行して実行される大当り遊技に比べて、ラウンド数(大入賞口31aの開放回数)を1回分減じた状態で実行される。つまり、「8R大当り」に基づき実行する大当り遊技においては「単位駆動」が7回行われ、「16R大当り」に基づき実行する大当り遊技においては「単位駆動」が15回行われる。ここで、小当りは特定結果の他の具体例を構成する。そして、小当りを生ずると、所定の有効時間内に特定領域SRに到達させるという条件が成立すると大当り遊技実行手段は作動するが、この条件が成立しなければ大当り遊技実行手段は作動しない。
(4)特別図柄変動遊技及び図柄変動演出の流れ
前述のように、本遊技機1では、始動入賞に基づいて行われる第2当否判定(特図1当否判定、特図2当否判定)の結果を示す図柄の停止表示(確定表示)と、この停止表示の前段階に行われる変動表示とを、下部表示装置60及び演出表示装置27の2種類の図柄表示装置で実行する。ここで、下部表示装置60の第1特別図柄表示部62aと、第2特別図柄表示部62bとにおいては、「本図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)」を用いた変動表示と、停止表示とが実行される。なお、特別図柄変動遊技の実行時間(特別図柄の変動表示時間)は、特別図柄変動遊技の開始時に決定される変動パターン(後述する。)によって特定される。
前述のように、本遊技機1では、始動入賞に基づいて行われる第2当否判定(特図1当否判定、特図2当否判定)の結果を示す図柄の停止表示(確定表示)と、この停止表示の前段階に行われる変動表示とを、下部表示装置60及び演出表示装置27の2種類の図柄表示装置で実行する。ここで、下部表示装置60の第1特別図柄表示部62aと、第2特別図柄表示部62bとにおいては、「本図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)」を用いた変動表示と、停止表示とが実行される。なお、特別図柄変動遊技の実行時間(特別図柄の変動表示時間)は、特別図柄変動遊技の開始時に決定される変動パターン(後述する。)によって特定される。
一方、演出表示装置27の表示画面27aにおいては「演出図柄」が表示され、主制御部200Aの制御の下で遊技上の演出を制御する「サブ制御部220A」によって、その変動態様と停止図柄とが決定される。そして、通常、これらの「演出図柄」の図柄変動は「本図柄」と同一の時間だけ実行され、これらの「疑似図柄」の停止図柄の表示内容(大当り、小当り、外れ)は、第1特別図柄表示部62a若しくは第2特別図柄表示部62bにおける「本図柄」の表示内容(大当り、外れ等)と矛盾を生じないものとされる。
ここで、本遊技機1では、有効な第1始動入賞に基づいて第1特別図柄表示部62aにおいて「第1特別図柄に係る図柄変動遊技」が実行され、有効な第2始動入賞に基づいて第2特別図柄表示部62bにおいて「第2特別図柄に係る図柄変動遊技」が実行される。また、「第1特別図柄に係る図柄変動遊技」若しくは「第2特別図柄に係る図柄変動遊技」の実行に伴って、演出表示装置27において図柄変動演出(判定演出)が実行される。以下、「図柄変動遊技」と「図柄変動演出」の概要について説明する。以下、「有効な始動入賞」とは、対応する保留数(第1保留数若しくは第2保留数)が上限数でない状態で生じた始動入賞を指す。
a.本図柄
有効な第1始動入賞に基づく第1特別図柄の変動表示及び停止表示、つまり「第1特別図柄に係る図柄変動遊技」は第1特別図柄表示部62aにおいて行われる。また、有効な第2始動入賞に基づく第2特別図柄の変動表示及び停止表示、つまり「第2特別図柄に係る図柄変動遊技」は第2特別図柄表示部62bにおいて行われる。これらの変動表示は、図5(b)に示すように、対応する特別図柄表示部(62a若しくは62b)を構成する7セグメント表示体によって、算用数字を構成できない不完全な図柄(以下、不完全図柄という。)の「循環表示」を行うことを内容とする。つまり、算用数字に比べて遊技者にとって馴染みが無く、識別や記憶が困難な不完全図柄を「循環表示」することを内容とする。そして、「第1特別図柄に係る図柄変動遊技」における停止表示によって、「第1始動入賞」に基づいて実行される当否判定(特図1当否判定)の結果が表示され、「第2特別図柄に係る図柄変動遊技」における停止表示によって「第2始動入賞」に基づいて実行される当否判定(特図2当否判定)の結果が表示される。なお、特別図柄を用いた大当り図柄や小当り図柄は、以上のように7セグメント表示体を用いた「不完全図柄」によって構成されるが、後述する各図柄決定テーブル(図15等の大当り図柄決定テーブル、図16等の小当り図柄決定テーブル)においては、図示の便宜のため、これらの当り図柄(大当り図柄、小当り図柄)をアルファベット文字(「大当り図柄A」、「大当り図柄E」、「小当り図柄TA」、「小当り図柄TE」等)で表記する。
有効な第1始動入賞に基づく第1特別図柄の変動表示及び停止表示、つまり「第1特別図柄に係る図柄変動遊技」は第1特別図柄表示部62aにおいて行われる。また、有効な第2始動入賞に基づく第2特別図柄の変動表示及び停止表示、つまり「第2特別図柄に係る図柄変動遊技」は第2特別図柄表示部62bにおいて行われる。これらの変動表示は、図5(b)に示すように、対応する特別図柄表示部(62a若しくは62b)を構成する7セグメント表示体によって、算用数字を構成できない不完全な図柄(以下、不完全図柄という。)の「循環表示」を行うことを内容とする。つまり、算用数字に比べて遊技者にとって馴染みが無く、識別や記憶が困難な不完全図柄を「循環表示」することを内容とする。そして、「第1特別図柄に係る図柄変動遊技」における停止表示によって、「第1始動入賞」に基づいて実行される当否判定(特図1当否判定)の結果が表示され、「第2特別図柄に係る図柄変動遊技」における停止表示によって「第2始動入賞」に基づいて実行される当否判定(特図2当否判定)の結果が表示される。なお、特別図柄を用いた大当り図柄や小当り図柄は、以上のように7セグメント表示体を用いた「不完全図柄」によって構成されるが、後述する各図柄決定テーブル(図15等の大当り図柄決定テーブル、図16等の小当り図柄決定テーブル)においては、図示の便宜のため、これらの当り図柄(大当り図柄、小当り図柄)をアルファベット文字(「大当り図柄A」、「大当り図柄E」、「小当り図柄TA」、「小当り図柄TE」等)で表記する。
図13に示すように、本遊技機1において設定可能な遊技状態は、(a)開放延長機能及び特別図柄に関する時短機能が作動しないとともに、普通図柄の変動表示を「通常時間(例えば、30秒)」に亘って行う「通常遊技状態」と、(b)開放延長機能及び特別図柄に関する時短機能が作動するとともに、普通図柄の変動表示を「第1短縮時間(例えば、5秒)」に亘って行う「第1有利状態」と、(c)開放延長機能及び特別図柄に関する時短機能が作動するとともに、普通図柄の変動表示を「第2短縮時間(例えば、2秒)」に亘って行う「第2有利状態」である。
なお、実施例1では、「第1有利状態」および「第2有利状態」において特別図柄に関する時短機能が作動しないこととしてもよい。例えば、「第1有利状態」や「第2有利状態」においても、後述する図36および図37の「通常」と表記した変動パターンテーブルを用いることとしてもよい。また、「第1有利状態」および「第2有利状態」において特別図柄に関する時短度合いを差異を設け、「第2有利状態」における特別図柄の変動時間の平均値が「第1有利状態」における特別図柄の変動時間の平均値よりも小さくされてもよい。例えば、「第1有利状態」において図48および図49の第1変動短縮パターンテーブルを用い、「第2有利状態」において図48および図49の第2変動短縮パターンテーブルを用ることとしてもよい。
図13〜図16に示すように、「通常遊技状態」において特図1当否判定の結果が特定結果(大当り若しくは小当り)となることに基づいて実行される大当り遊技の終了後には、本遊技機1の遊技状態が「通常遊技状態」に設定される確率が「50%」、「第2有利状態」に設定される確率が「50%」とされ、「第1有利状態」に設定されることはない。なお、図示を省略するが、「通常遊技状態」において特図2当否判定の結果が特定結果(大当り若しくは小当り)となることに基づいて実行される大当り遊技の終了後には、「通常遊技状態」に設定される確率が「100%」とされている。また、以下の説明において、単に「時短機能」若しくは「時短状態」というときには、特にことわらない限り、特別図柄の変動時間を短縮する機能(決定される変動時間の平均値を小さくする機能)を指す。なお、図13〜図20や後述する図61、66〜68、70、75および図76において、「通常遊技状態」を符号「A」で、「第1有利状態」を符号「C」で、「第2有利状態」を符号「D」で示す。
図13、図14、図17および図18に示すように、「第1有利状態」において、第2当否判定(特図1当否判定若しくは特図2当否判定)の結果が特定結果(大当り若しくは小当り)となることに基づいて実行される大当り遊技の終了後には、本遊技機1の遊技状態が「通常遊技状態」に設定される確率が「50%」、「第1有利状態」に設定される確率が「25%」、「第2有利状態」に設定される確率が「25%」とされている。このため、「第1有利状態」において「大当り」を生じ、当該大当りに基づく大当り遊技を実行した後においては、有利状態(第1有利態若しくは第2有利状態)となる確率は「50%」とされている。
図13、図14、図19および図20に示すように、「第2有利状態」において、第2当否判定(特図1当否判定若しくは特図2当否判定)の結果が特定結果(大当り若しくは小当り)となることに基づいて実行される大当り遊技の終了後には、「第1有利状態」に設定される確率が「50%」とされ、「第2有利状態」に設定される確率が「50%」とされているが、「通常遊技状態」に設定されることがない。このため、「第2有利状態」において「大当り」を生じ、当該大当りに基づく大当り遊技を実行した後においては、有利状態(第1有利状態若しくは第2有利状態)となる確率は「100%」とされている。従って、本遊技機1では、「第1有利状態」において「大当り」を生じ、当該大当りに基づく大当り遊技を実行した後に有利状態となる確率よりも、「第2有利状態」において「大当り」を生じ、当該大当りに基づく大当り遊技を実行した後に有利状態となる確率の方が高くなっている。
図13、図15、図17および図19に示すように、遊技機1の遊技状態にかかわらず、特図1当否判定及び特図2当否判定の何れにおいても、大当りを示す判定結果が導出される確率(大当り確率)は約「1/400」とされる。また、図13、図16、図18および図20に示すように、小当りを示す判定結果が導出される確率(小当り確率)は、特図1当否判定の場合は、「1/399」とされ、特図2当否判定の場合は、「10/11」とされている。
実施例1においては、遊技機1の遊技状態が「通常遊技状態」である場合には、第2始動入賞装置17bが非開放延長状態となっているので、特図2当否判定を実行する可能性が非常に低い。このため、「通常遊技状態」における小当り確率は、実質的に「1/399」となる。また、遊技機1の遊技状態が「第1有利状態」若しくは「第2有利状態」である場合には、第2始動入賞装置17bが開放延長状態となっているので、遊技者は、第2始動入賞装置17bを狙って遊技を実行することとなる。このため、「第1有利状態」若しくは「第2有利状態」における小当り確率は実質的に約「10/11」となる(「363/399」)。すなわち、「通常遊技状態」では主として特図1当否判定が実行され、「第1有利状態」若しくは「第2有利状態」では主として特図2当否判定が実行されることとなる。
第1特別図柄表示部62a若しくは第2特別図柄表示部62bに大当りを示す判定結果が導出されると、「大当り」を発生し、大当り遊技が実行される。なお、遊技状態が大当り遊技状態となっている間は、特別図柄(本図柄)の変動表示が行われない状態、すなわち、図柄変動遊技が実行不能な状態となる。これに対し、「大当り遊技状態移行前」や「大当り遊技状態終了後」の大当り遊技が行われていない状態は、特別図柄(本図柄)の変動表示が行われる状態、すなわち、図柄変動遊技が実行可能な状態(図柄変動遊技状態)となる。
ここで、「大入賞装置31の開放」は大入賞口ソレノイド31cを駆動して、起立姿勢にある開閉板31bを前傾姿勢とし、大入賞口31aを開放状態に変化させることによって実現され、「大入賞装置31の閉鎖」は、大入賞口ソレノイド31cの駆動を停止して開閉板31bを起立姿勢に戻し、大入賞口31aを閉鎖状態に戻すことによって実現される。そして、大当り遊技中の各ラウンド遊技においては、大入賞装置31に対して、大入賞口31aを1回開放状態に変化させる開閉動作が施される。なお、大入賞口31aに規定入賞数(10個)の遊技球が入球するか、或いは、大入賞口31aの開放時間が開放限度時間(30秒)に到達すると、ラウンド終了条件が成立して、実行中のラウンド遊技(大当りラウンド)を終了する。そして、大入賞装置31の開閉動作が、所定のインターバルを挟みつつ複数回繰り返されると大当り遊技を終了する。
本遊技機1では、遊技状態が大当り遊技状態(特定遊技状態)に移行すると、所定回数(8ラウンド若しくは16ラウンド)に亘る「ラウンド遊技」を実行する。そして、最終回の「ラウンド遊技」を終了すると、大当り遊技が終了する。更に、大当り終了に係る演出(エンディング演出)を行った後、遊技状態が図柄変動遊技状態に戻される。
第1特別図柄表示部62a若しくは第2特別図柄表示部62bに小当りを示す判定結果が導出されると、「小当り」を発生し、小当り遊技実行手段が作動を開始して小当り遊技が実行される。そして、小当り遊技を開始すると、主制御部200Aが小当り用入賞口ソレノイド25cの駆動及び駆動停止を行うことで「小当り用入賞口25aを開閉する開閉動作」が実行される。なお、遊技状態が小当り遊技状態となっている間は、特別図柄(本図柄)の変動表示が行われない状態、すなわち、図柄変動遊技が実行不能な状態となる。
本実施例では、第1特別図柄表示部62a若しくは第2特別図柄表示部62bに停止表示(確定表示)される当り図柄(大当り図柄、小当り図柄)の態様や当り発生時の遊技状態に応じて、大当り遊技終了後の遊技機1の遊技状態や、実行される当り遊技(ラウンド遊技)の内容が異なったものとなる。以下、この点について、図12〜図20を用いて説明する。ここで、本遊技機1では、小当り遊技として、「開閉部材25bの姿勢を短時間(例えば、0.4秒間)の間、開放姿勢とすることを3回行うこと」を内容とする小当り遊技(以下、「3T小当り遊技」という。)と、「開閉部材25bの姿勢を短時間(例えば、0.4秒間)の間、開放姿勢とすることを1回行うこと」を内容とする小当り遊技(以下、「1T小当り遊技」という。)とを予定している。
以下の説明において、「3T小当り遊技」の実行契機となる小当りを「3T小当り」と称し、「1T小当り遊技」の実行契機となる小当りを「1T小当り」と称する。なお、以下に示す「振分抽選」を行うための乱数値(以下、「図柄決定用乱数値」という。)は、当否判定用の乱数値(大当り抽選用の乱数値、小当り抽選用の乱数値など)と同様に、始動入賞を生じたタイミングで取得される。
実施例1において、当り(大当り若しくは小当り)が発生すると、主制御部200Aは発生させる当り態様を乱数抽選を用いて振り分ける。以下、図15〜図20を用いて、実施例1における「当り態様の振り分け」について説明する。
遊技機1の遊技状態が通常遊技状態であるとき、特図1当否判定によって「大当り」を示す判定結果が導出される場合には、図15の上覧に示すように、主制御部200Aは大当りの種類(大当り図柄の種類)を乱数抽選(振分抽選)によって決定する。この場合、「大当りの種類」が、(a)大当り遊技終了後の遊技状態を通常遊技状態とする大当り(16R大当りA、16R大当りC)と、(b)大当り遊技終了後の遊技状態を第2有利状態とする大当り(16R大当りB、8R大当りD)とのうちの何れかに決定される。
また、遊技機1の遊技状態が通常遊技状態であるとき、特図2当否判定によって「大当り」を示す判定結果が導出される場合にも、図15の下欄に示すように、主制御部200Aは大当りの種類(大当り図柄の種類)を乱数抽選(振分抽選)によって決定する。但し、何れの大当り(16R大当りE〜16R大当りH)を生じても、大当り遊技終了後の遊技状態が通常遊技状態とされる。また、通常遊技状態では第2始動入賞装置17bが非開放延長状態となっているため、特図2当否判定が実行される可能性は低いものとされる。
遊技機1の遊技状態が通常遊技状態であるとき、特図1当否判定によって「小当り」を示す判定結果が導出される場合には、図16の上覧に示すように、主制御部200Aは小当りの種類(大当り図柄の種類)を乱数抽選(振分抽選)によって決定する。この乱数抽選(振分抽選)によって、「小当りの種類」が「大当りを発生したならば、大当り遊技終了後の遊技状態を通常遊技状態とする小当り(3T小当りA、3T小当りC)」と、(b)「大当りを発生したならば、大当り遊技終了後の遊技状態を第2有利状態とする大当り(3T小当りB、1T小当りD)とのうちの何れかに決定される。
また、遊技機1の遊技状態が通常遊技状態であるとき、特図2当否判定によって「小当り」を示す判定結果が導出される場合にも、図16の下欄に示すように、主制御部200Aは小当りの種類(大当り図柄の種類)を乱数抽選(振分抽選)によって決定する。この場合、何れの小当りも、大当りを発生したならば、大当り遊技終了後の遊技状態を通常遊技状態とする小当りとされる。但し、上記と同様に、通常遊技状態では第2始動入賞装置17bが非開放延長状態となっているため、特図2当否判定が実行される可能性は低いものとされる。
遊技機1の遊技状態が第1有利状態であるとき、特図1当否判定によって「大当り」を示す判定結果が導出される場合も、図17の上覧に示すように、主制御部200Aは大当りの種類(大当り図柄の種類)を乱数抽選(振分抽選)によって決定する。この場合、「大当りの種類」が、(a)大当り遊技終了後の遊技状態を通常遊技状態とする大当り(16R大当りC、8R大当りD)と、(b)大当り遊技終了後の遊技状態を第1有利状態とする大当り(16R大当りA)と、(c)大当り遊技終了後の遊技状態を第2有利状態とする大当り(16R大当りB)とのうちの何れかに決定される。但し、実施例1においては、「第1有利状態」では第2始動入賞装置17bが開放延長状態となっているため、遊技者は右打ちをすることとなり(特図2当否判定の方が遊技者に有利であるうえ、始動入球率も右打ちの方が高くなるため)、主として特図2当否判定が実行される。これにより、特図1当否判定が実行される可能性は低いものとされる(右打ちした遊技球が障害釘等に誘導されて、又は、誤って左打ちをして、第1始動入賞装置に入賞した場合に実行される)。
「第1有利状態」において主として実行される特図2当否判定によって「大当り」を示す判定結果が導出される場合も、図17の下欄に示すように、主制御部200Aは大当りの種類(大当り図柄の種類)を乱数抽選(振分抽選)によって決定する。そして、この乱数抽選(振分抽選)によって、「大当りの種類」が(a)大当り遊技終了後の遊技状態を通常遊技状態とする大当り(16R大当りG、16R大当りH)と、(b)大当り遊技終了後の遊技状態を第1有利状態とする大当り(16R大当りF)と、(c)大当り遊技終了後の遊技状態を第2有利状態とする大当り(16R大当りE)とのうちの何れかに決定される。
遊技機1の遊技状態が第1有利状態であるとき、特図1当否判定によって「小当り」を示す判定結果が導出される場合も、図18の上欄に示すように、主制御部200Aは小当りの種類(大当り図柄の種類)を乱数抽選(振分抽選)によって決定する。この乱数抽選(振分抽選)によって、「小当りの種類」が(a)大当りを発生したならば、大当り遊技終了後の遊技状態を通常遊技状態とする小当り(3T小当りC、1T小当りD)と、(b)大当りを発生したならば、大当り遊技終了後の遊技状態を第1有利状態とする大当り(3T小当りA)と、(c)大当りを発生したならば、大当り遊技終了後の遊技状態を第2有利状態とする小当り(3T小当りB)とのうちの何れかに決定される。但し、実施例1では、上記と同様に、「第1有利状態」では第2始動入賞装置が開放延長状態となっているため、遊技者は右打ちをすることとなり(特図2当否判定の方が遊技者に有利であるうえ、始動入球率も右打ちの方が高くなるため)、主として特図2当否判定が実行される。これにより、特図1当否判定が実行される可能性は低いものとされる。
そして、第1有利状態において主として実行される特図2当否判定によって「小当り」を示す判定結果が導出される場合も、図18の下欄に示すように、主制御部200Aは小当りの種類(大当り図柄の種類)を乱数抽選(振分抽選)によって決定する。そして、何れの乱数抽選(振分抽選)によって、「小当りの種類」が、(a)大当りを発生したならば、大当り遊技終了後の遊技状態を通常遊技状態とする小当り(3T小当りG、3T小当りH)と、(b)大当りを発生したならば、大当り遊技終了後の遊技状態を第1有利状態とする小当り(3T小当りF)と、(c)大当りを発生したならば、大当り遊技終了後の遊技状態を第2有利状態とする小当り(3T小当りE)とのうちの何れかに決定される。
遊技機1の遊技状態が第2有利状態であるとき、特図1当否判定によって「大当り」を示す判定結果が導出される場合も、図19の上覧に示すように、主制御部200Aは大当りの種類(大当り図柄の種類)を乱数抽選(振分抽選)によって決定する。そして、この乱数抽選(振分抽選)によって、「大当りの種類」が(a)大当り遊技終了後の遊技状態を第1有利状態とする大当り(16R大当りA、16R大当りC)と、(b)大当り遊技終了後の遊技状態を第2有利状態とする大当り(16R大当りB、8R大当りD)とのうちの何れかに決定される。但し、実施例1において「第2有利状態」では第2始動入賞装置17bが開放延長状態となっているため、遊技者は右打ちをすることとなり(特図2当否判定の方が遊技者に有利であるうえ、始動入球率も右打ちの方が高くなるため)、主として特図2当否判定が実行される。これにより、特図1当否判定が実行される可能性は低いものとされる(右打ちした遊技球が障害釘等に誘導されて、又は、誤って左打ちをして、第1始動入賞装置に入賞した場合に実行される)。
そして、「第2有利状態」において主として実行される特図2当否判定によって「大当り」を示す判定結果が導出される場合も、図19の下欄に示すように、主制御部200Aは大当りの種類(大当り図柄の種類)を乱数抽選(振分抽選)によって決定する。そして、この乱数抽選(振分抽選)によっても、図19下欄に示すように、「大当りの種類」が(a)大当り遊技終了後の遊技状態を第1有利状態とする大当り(16R大当りE、16R大当りF)と、(b)大当り遊技終了後の遊技状態を第2有利状態とする大当り(16R大当りG、16R大当りH)とのうちの何れかに決定される。
遊技機1の遊技状態が第2有利状態であるとき、特図1当否判定によって「小当り」を示す判定結果が導出される場合も、図20の上覧に示すように、主制御部200Aは小当りの種類(大当り図柄の種類)を乱数抽選(振分抽選)によって決定する。この乱数抽選(振分抽選)によって、「小当りの種類」が(a)「大当りを発生したならば、大当り遊技終了後の遊技状態を第1有利状態とする大当り(3T小当りA、3T小当りC)と、(b)「大当りを発生したならば、大当り遊技終了後の遊技状態を第2有利状態とする小当り(3T小当りB、1T小当りD)とのうちの何れかに決定される。但し、実施例1では、上記と同様に、「第2有利状態」では第2始動入賞装置17bが開放延長状態となっているため、遊技者は右打ちをすることとなり(特図2当否判定の方が遊技者に有利であるうえ、始動入球率も右打ちの方が高くなるため)、主として特図2当否判定が実行される。これにより、特図1当否判定が実行される可能性は低いものとされる。
そして、「第2有利状態」において主として実行される特図2当否判定によって「小当り」を示す判定結果が導出される場合も、図20の下欄に示すように、主制御部200Aは小当りの種類(大当り図柄の種類)を乱数抽選(振分抽選)によって決定する。そして、この乱数抽選(振分抽選)によって、「小当りの種類」が(a)大当りを発生したならば、大当り遊技終了後の遊技状態を第1有利状態とする大当り(3T小当りE、3T小当りF)と、(c)大当りを発生したならば、大当り遊技終了後の遊技状態を第2有利状態とする大当り(3T小当りG、3T小当りH)とのうちの何れかに決定される。
実施例1において、図15、図17および図19に示すように、特図2当否判定の結果が「大当り」である場合の「振分抽選」においては、特図1当否判定の結果が「大当り」である場合の「振分抽選」に比べて、より多量の賞球が期待できる大当りが選択される確率が高くなっている。このため、遊技者にとっては、「特図2当否判定を主体とする遊技」を行う場合(「第1有利状態」若しくは「第2有利状態」)の方が、「特図1当否判定を主体とする遊技」を行う場合(「第1入球頻度状態」)よりも有利度が高いと言える。
図15〜図20に示すように、遊技機1の遊技状態が第1有利状態若しくは第2有利状態となると、開放延長手段と、特別図柄に変動時間を短縮化する変動時間短縮手段が作動状態となる。また、第1有利状態は、大当りを生ずることなく実行される変動表示(特別図柄変動遊技)の累積回数が「80回」になるまで継続される。そして、大当りを生ずることなく実行される変動表示(特別図柄変動遊技)の累積回数が「80回」になると、遊技機1の遊技状態は通常遊技状態に戻される。
一方、第2有利状態は、大当りを生ずることなく実行される変動表示(特別図柄変動遊技)の累積回数が「30回」になるまで継続される。そして、大当りを生ずることなく実行される変動表示(特別図柄変動遊技)の累積回数が「30回」になると、遊技機1の遊技状態は第1有利状態となり、有利状態(第1有利状態)での遊技が更に保障される。更に、この第1有利状態も、大当りを生ずることなく実行される変動表示(特別図柄変動遊技)の累積回数が「80回」になるまで継続され、この積回数が「80回」になると、遊技機1の遊技状態は通常遊技状態に戻される。
c−2.図柄変動演出
演出表示装置27の表示画面27aにおいて、第1始動入賞若しくは第2始動入賞に基づいて開始される。そして、図柄変動演出の実行時間(変動時間)も、図柄変動遊技(図柄変動演出)の開始時に決定される変動パターン(後述する。)によって特定される。そして、演出図柄の変動表示の実行時間(変動時間)が経過すると、演出図柄の停止表示が一定時間(約0.6秒間)実行される。この演出図柄の停止表示は、前述の下部表示装置60(特別図柄表示部(62a若しくは62b))による停止表示と同様に、当否判定の結果を表示するものである。
演出表示装置27の表示画面27aにおいて、第1始動入賞若しくは第2始動入賞に基づいて開始される。そして、図柄変動演出の実行時間(変動時間)も、図柄変動遊技(図柄変動演出)の開始時に決定される変動パターン(後述する。)によって特定される。そして、演出図柄の変動表示の実行時間(変動時間)が経過すると、演出図柄の停止表示が一定時間(約0.6秒間)実行される。この演出図柄の停止表示は、前述の下部表示装置60(特別図柄表示部(62a若しくは62b))による停止表示と同様に、当否判定の結果を表示するものである。
図21(a)〜(c)に示すように、演出表示装置27の表示画面27aでは、演出図柄表示領域27bに3つ(3桁)の演出図柄を表示しつつ演出図柄の変動表示と停止表示がなされる。この演出図柄の変動表示は、「1」〜「9」までの算用数字をこの順で表示した後、再び、「1」〜「9」までの算用数字をこの順で表示することを繰り返す「循環表示(スクロール変動表示)」によって構成される。また、演出図柄表示領域27bに停止表示される図柄には、大当りを示す停止図柄(大当り図柄)と、小当りを示す停止図柄(小当り図柄)と、外れを示す停止図柄(外れ図柄)とがある。
本遊技機1においては、図15〜図20に示すように、「大当り図柄」の本図柄を大当りの種類に応じて設定し、「小当り図柄」の本図柄を小当りの種類に応じて設定している。一方、図5(c)に示すように、演出図柄の停止図柄を以下のように定めている。つまり、大当り図柄は表示画面27aに「同一の数字」を3個並べて構成され、小当り図柄は表示画面27aに「異なる奇数数字」を左から右に昇順に3個並べて構成される。また、「外れ図柄」は、表示画面27aに少なくとも1つが異なる3桁の数字図柄(小当り図柄を除いた3桁の数字図柄)を並べて構成される。
図21(c)に示すように、演出表示装置27において「大当り図柄」や「小当り図柄」を表示する場合、その前提となる変動表示の途中にリーチ表示を行うが、「外れ図柄」を表示する場合、図21(b)に示すように、その前提となる変動表示の途中にリーチ表示を行う場合と、図21(a)に示すように、その前提となる変動表示の途中にリーチ表示を行わない場合がある。また、本遊技機1では、リーチ表示後に行われる表示演出(以下、「リーチ演出」という。)として、演出内容が単純なリーチ演出(以下、演出内容が演出途中で発展しない「非発展演出」等の「ノーマルリーチ演出」)と、演出内容が演出途中で発展する「発展演出」とのうちの何れかを実行する。なお、リーチ表示(リーチ演出)とは演出表示装置27の表示画面27aに表示される演出図柄のうち2つの疑似図柄を同一図柄で停止させ、他の1つの疑似図柄を変動中とする演出表示である。
また、図22〜図24に示すように、図柄変動演出においては、表示画面27aに「背景図柄」、「キャラクタ図柄」、「実写映像」等を表示しつつ、遊技機1の現在の遊技状態を反映した演出が繰り広げられる。なお、図22および図23に図示する表示画面27aには、第1保留表示領域(M1、M2、M3、M4)27Mと、第2保留表示領域(N1、N2、N3、N4)27Nとが図示されているが、各表示領域27M、27Nにおいて表示されている「白抜きの丸印」の数が対応する保留数を示している。例えば、図21の「a1」に示すように、第1保留表示領域(M1、M2、M3、M4)27Mに1個の「白抜きの丸印」が表示されていること(第1保留表示領域27Mに3個の「ハッチング付き丸印」が表示されていること)は、その時点の第1保留数が「1」であることを示している。
先ず、遊技機1の遊技状態が通常遊技状態である場合には、図22の具体例1に示すように、表示画面27aに「おおよそ、賞球獲得を連想できない演出(例えば、雲から遊技者に向かって雨が降り注ぐ演出)」を実行しつつ演出図柄表示領域27bにおいて、演出図柄の変動表示が実行される(a2〜a9)。この場合、特別図柄の変動短縮機能が作動していないため、変動表示が長時間をかけて実行される。また、開放延長機能を作動せず、「特図1当否判定を主体とする遊技」が実行されるため、第1保留数及び第2保留数が増加し難い状態となる。つまり、遊技者にとって、「玉持ちが悪い遊技」が進行するため、表示画面27aにおいて、おおよそ、賞球の獲得を連想しない演出が実行される。なお、具体例1は「第1保留数」が「1」で、「第2保留数」が「ゼロ」の状態で図柄変動演出を開始したが、図柄変動演出の実行中に始動入賞を生じなかったため、図柄変動演出の終了時において「第1保留数」および「第2保留数」が「ゼロ」である場合を示している。
遊技機1の遊技状態が第1有利状態である場合には、図23(a)の具体例2に示すように、表示画面27aにおいて、「賞球の獲得を連想する演出(例えば、雲から遊技者に向かって硬貨が降り注ぐ演出)」を実行しつつ演出図柄表示領域27bにおいて演出図柄の変動表示が実行される。つまり、「開放延長機能および特別図柄の変動短縮機能が作動し、玉持ちが良い状態」が実行されるため、それに対応した演出(賞球の獲得を連想する演出)が実行される。この具体例2では、開放延長機能を作動し、「特図2当否判定を主体とする遊技」が実行され、第2保留数が増加し易い状態となるとともに、特別図柄の変動短縮機能が作動するため、始動入賞に伴って取得される判定用乱数値を効率的に消化しつつも、第2保留数を上限数としたり、上限数に近い値とすることが容易である。このため、表示画面27aにおいて、雲から遊技者に向かって降り注ぐ硬貨が「袋」に貯まる表示が実行される(b1〜b4)。
遊技機1の遊技状態が第2有利状態である場合には、図23(b)の具体例3に示すように、「多量の賞球の獲得を連想する演出(例えば、雲から遊技者に向かって降り注ぐ硬貨が多数の袋に貯める演出)」を実行しつつ演出図柄表示領域27bにおいて演出図柄の変動表示が実行される。つまり、「開放延長機能および特別図柄の変動短縮機能が作動し、しかも、普通図柄の変動時間が第2縮時間(第1縮時間よりも更に短い第2縮時間)となり、特に玉持ちが良い状態」が実行されるため、それに対応した演出(多量の賞球の獲得を連想する演出)が実行される。この具体例3においても、開放延長機能を作動し、「特図2当否判定を主体とする遊技」が実行され、第2保留数が増加し易い状態となるとともに、特別図柄の変動短縮機能が作動するため、始動入賞に伴って取得される判定用乱数値を効率的に消化する。しかも、普通図柄の変動時間が第2縮時間(第1縮時間よりも更に短い第2縮時間)となり、第2始動入賞装置17bの開閉頻度が、遊技機1の遊技状態が第2入球頻度状態である場合よりも高くなる。よって、第2保留数を上限数とすることが更に容易である。このため、表示画面27aにおいて、雲から遊技者に向かって降り注ぐ硬貨が複数の「袋」に次々と貯まる表示が実行される(c1〜c4)。
実施例1においては、遊技状態として、第2始動入賞装置17bへの入球頻度(入球確率)が異なる3種類の遊技状態を設ける。つまり、遊技状態として、(a)開放延長機能が作動せず、普通時間の変動時間が通常時間とされる通常遊技状態の他に、(b)開放延長機能が作動し、普通時間の変動時間が第1短縮時間とされる第1有利状態と、(c)開放延長機能が作動し、普通時間の変動時間が第2短縮時間(第1短縮時間よりも更に短い第2短縮時間)とされる第2有利状態とを設ける。つまり、基準とする遊技状態(通常遊技状態)の他に、遊技者にとって有利な遊技状態(持ち球を減らすことなく、高頻度の入球が狙える、球持ちが良い状態)を2種類設ける。そして、このように、入球頻度が異なる3個の遊技状態(入球状態)を備えることで、遊技の幅(バリエーション)を広げ、遊技興趣を高めることができる。
また、本実施例では第2当否判定(特図1当否判定、特図2当否判定)の結果が特定結果(大当り、小当り)となった際の遊技状態の有利度に応じて、第2当否判定(特図1当否判定、特図2当否判定)の結果が特定結果(大当り、小当り)となることに基づき実行される大当り遊技後に実行される遊技状態の振分態様が異なる。このように、本実施例では、第1遊技状態(通常遊技状態)の他に、遊技者にとっての有利度が高い遊技状態(第1遊技状態、第2遊技状態)を複数設定し、設定可能な遊技状態の多様化を図るとともに、有利度が高い第1有利状態で第2当否判定の結果が特定結果となったか、或いは、有利度が更に高い第2有利状態で第2当否判定の結果が特定結果となったかによって、遊技状態の振分態様を異ならせる。
しかも、本実施例では、第1遊技状態よりも遊技者にとっての有利度が最も高い遊技状態(第2有利状態)で、特別図柄の変動表示を所定回数実行すると、遊技状態が所定の遊技状態からそれよりも有利度が低い遊技状態(第1有利状態)に移行するので、遊技状態の移行パターンの多様化を図ることができる。
また、図24に示すように、実施例1においては、第2当否判定(特図1当否判定、特図2当否判定)の結果が特定結果(大当り・小当り)になることに基づき実行される大当り遊技終了後の遊技状態を、第2当否判定の結果が特定結果となったときの遊技状態と異なる何れかの遊技状態に設定する移行設定処理を実行する。そして、基準とする通常遊技状態においては、大当り遊技実行後の移行設定処理として、第2有利状態に設定する移行設定処理を有し、第1有利状態に設定する移行設定処理を有しない。これに加え、通常遊技状態から移行する第2有利状態においては、通常遊技状態に設定する移行設定処理を有しない構成とされている。すなわち、通常遊技状態において大当り遊技が実行され、移行設定処理が実行される場合には、第2有利状態への移行(有利な遊技状態への移行)が保証され、この第2有利状態で大当り遊技が実行され、移行設定処理が実行される場合には、通常遊技状態へ移行しないことが保証されている。このように遊技の幅を広げつつも、移行設定処理の実行パターンを限定することで、遊技者に安心感を与え、遊技興趣を高めることができる。
更に、遊技状態が一旦、第2有利状態になると、第1有利状態を経由しなければ、基準とする通常遊技状態となることはない。よって、一旦、第2有利状態になると、少なくとも2回の大当り遊技を実行することが期待できることとなる。すなわち、第2有利状態は「遊技上、特に有利な遊技ゾーン」として位置づけられるため、遊技者は「第2有利状態(特に有利な遊技ゾーン)」に到達するまでの間において、「第2有利状態(特に有利な遊技ゾーン)」への突入に対する期待感が高められた状態で遊技を行うことになる。しかも、「第2有利状態(特に有利な遊技ゾーン)」となった後において、遊技興趣が高められた状態で、遊技を体感することができるため、本発明によると、これらの点からも、遊技興趣を高めることができる。
加えて、有利状態(第1有利状態若しくは第2有利状態)であると、小当りの発生確率が高い(10/11)の特図2当否判定得が主として実行される状態となるため、一旦、第2有利状態になると、最低2回の大当り遊技の実行が保障されたような状態となる。よって、一旦、第2有利状態になると、最低2回の大当り遊技の実行が保障されたような状態となるため、この点からも、遊技興趣を高めることができる。
また、実施例1では、第1有利状態で第2当否判定(特図1当否判定、特図当否判定)の結果が特定結果になることに基づき大当り遊技を実行すると、遊技状態を第2有利状態に設定する移行設定処理が実行可能とされる。この場合、第2有利状態で遊技を行い、遊技状態(入球頻度)を第1有利状態に移行する移行処理を行った後においても、この移行後の第1有利状態で第2当否判定(特図1当否判定、特図当否判定)の結果が特定結果になると、遊技状態(入球頻度)を第2有利状態(第3入球頻度状態)に戻す移行処理を実行する可能性を生じさせる。よって、実施例1によると、遊技状態を通常遊技状態から第2有利状態に移行設定されるときの大当り遊技を含めると、最低3回以上の大当り遊技の実行が保障されることとなる(最低3連チャン以上が確定の状態となる。)。従って、遊技興趣を更に高めることができる。
また、実施例1では、第2当否判定(特図1当否判定、特図2当否判定)の結果が特定結果になることに基づき大当り遊技終了後の遊技状態を、当該第2当否判定(特図1当否判定、特図2当否判定)の結果が特定結果となったときの遊技状態と同一の遊技状態に設定する維持設定処理を実行可能である。このため、遊技の幅(バリエーション)を更に広げることができるため、遊技興趣を高めることができる。例えば、遊技状態が一旦、第1有利状態や第2有利状態に移行した後においても、その移行後の有利状態を繰り返すことで、遊技者は多量の遊技球の獲得を期待することになる。また、「第2有利状態」となった後も、大当り遊技実行後に再度「第2有利状態」が維持される状態が発生し、遊技者は多量の遊技球の獲得を期待すると共に、(第1有利状態を経由しなければ)通常遊技状態にならない状態で遊技することで、第2始動入賞装置17bへの入球頻度が高い遊技状態(第1有利状態若しくは第2有利状態)での遊技続行に対する安心感をもつことができる。また、「第2有利状態」から移行する「第1有利状態」においても、第2始動入賞装置17bへの入球頻度が高い遊技状態での遊技が実行されるため、「第2有利状態」が維持される維持設定処理が実行されると、維持設定処理後の第2始動入賞装置17bへの入球可能性が高い遊技状態での遊技が更に2回以上保障されることになる。このため、更に遊技興趣を高めることができる。
また、実施例1では、普通図柄の変動時間の長短によって、第1有利状態にあるときの第2始動入賞装置17bへの入球可能性と、第2有利状態にあるときの第2始動入賞装置17bへの入球可能性と、の間に差異を設ける。このため、第2始動入賞装置17bへの遊技球の入球可能性の点で異なる3以上の遊技状態を簡易に得ることができるため、遊技興趣を高めることが容易である。
また、実施例1においては、第1有利状態では、入球の頻度が通常遊技状態よりも高頻度となる状態(第2入球頻度状態若しくは第3入球頻度状態であり、以下、高頻度状態という。)の継続率を「50%」とする遊技が実行され、第2有利状態では高頻度状態(第2入球頻度状態若しくは第3入球頻度状態)の継続率を「100%」とする遊技が実行される。しかも、第1有利状態及び第2有利状態の何れにおいても遊技者は持ち玉を減らすことなく遊技を行うことができるが、第1有利状態での遊技と第2有利易状態での遊技とは、第2保留数を上限数で遊技を行うことに対する期待値が異なり、各遊技を実行する際には、この期待度の差異を反映した演出(図24を参照)が実行される。なお、本遊技機1では、その遊技状態が有利状態(第1有利状態としての第2入球頻度状態若しくは第2有利状態としての第3入球頻度状態)である場合に、主として実行される特図2当否判定において、小当りを示す判定結果が導出される確率が高確率(約「10/11」)とされる。そして、本遊技機1では、「小当り」の発生頻度、ひいては、「小当りを経由する大当り」の発生頻度が格段に向上する遊技状態(第2入球頻度状態若しくは第3入球頻度状態)を複数設けるため、遊技興趣を高めることが容易である。
しかも、開放延長機能が作動する入球状態(第2入球頻度状態、第3入球頻度状態)を複数設け、第1入球頻度状態から第3入球頻度状態に移行するが、第2入球頻度状態へは移行しないものとしているが、開放延長機能が作動する遊技状態(第2入球頻度状態、第3入球頻度状態)間での移行も可能であるため、開放延長機能が作動する高頻度状態の継続率設定に関する自由度が高められている。よって、この点からも、多様な遊技を行うことが可能である。
(5)コマンドの送信
本実施例の遊技機1は、前述の「図柄変動遊技」等を実現するために種々の制御を行っている。この制御を実行する際に、主制御部200A(主制御基板200)からサブ制御部220A(サブ制御基板220)に向かって、種々のコマンドが送信される。次に、このコマンドが送信される様子について、図9(a)の模式図を用いて説明する。
本実施例の遊技機1は、前述の「図柄変動遊技」等を実現するために種々の制御を行っている。この制御を実行する際に、主制御部200A(主制御基板200)からサブ制御部220A(サブ制御基板220)に向かって、種々のコマンドが送信される。次に、このコマンドが送信される様子について、図9(a)の模式図を用いて説明する。
主制御部200Aとサブ制御部220Aとは、9ビット幅のパラレル信号ケーブルで接続されている。このうちの1ビット分はストローブ信号の出力用に割り当てられており、残りの8ビット分がコマンド出力用に割り当てられている。そして、主制御部200Aからサブ制御部220Aにコマンドを出力する際には、先ず初めに、コマンド出力用に割り当てられた8ビット幅の信号ケーブルに8ビット分のコマンドデータが出力され、続いて1ビットのストローブ信号が出力される。また、サブ制御部220Aは、ストローブ信号の立ち上がりのタイミングでコマンドデータを読み取ることにより、主制御部200Aから送信されたコマンドを確実に読み取ることができる。
ここで、主制御部200A(主制御基板200)からサブ制御部220A(サブ制御基板220)に出力されるコマンドとしては、例えば、図9(b)に図示したものを例示できる。つまり、(A)変動パターン指定コマンド(以下、「CHP」と表記することがある。)、(B)特別図柄停止情報指定コマンド(以下、「CJS」と表記することがある。)等がある。尚、変動パターン指定コマンドは変動パターンを指定するコマンドであり、始動入賞時に使用している変動パターンテーブルに応じて、通常変動用の変動パターン(後述する。)および短縮変動用の変動パターン(後述する。)のうちの何れかが特定される。そして、変動パターン指定コマンドは、疑似図柄の変動を開始させるとともに、疑似図柄の変動時間を指定するコマンドでもある。また、モード指定コマンドは、「遊技モード設定手段としての主制御部200A(主制御基板200)」が設定している遊技モードを指定するコマンドである。
(6)主制御部200Aによる遊技制御の概要
図25は、主制御基板200に搭載されたCPU201が実行する遊技制御処理の大まかな流れを示すフローチャートである。この遊技制御処理では、タイマ更新処理(S70)、賞球払出処理(S80)、普通図柄遊技処理(S100)、普通電動役物遊技処理(S200)、特別図柄遊技処理(S300)、小当り遊技処理(S600)、大当り遊技処理(S800)等の各処理が繰り返し実行されている。尚、本実施例の主制御基板200に搭載されたCPU201は、電源投入後、4msec周期のタイマ割込みが発生する毎に、図25のS80〜S800の処理を実行するように構成されている。つまり、図25のS80〜S800の処理は、4msec毎に繰り返し実行される。そして、遊技制御処理を構成する各処理の中で、サブ制御基板220を初めとする各種制御基板に向けて各種の信号を送信する。こうすることにより、遊技機1全体の遊技が進行することになる。以下、図25のフローチャートに従って、遊技制御処理について説明する。
図25は、主制御基板200に搭載されたCPU201が実行する遊技制御処理の大まかな流れを示すフローチャートである。この遊技制御処理では、タイマ更新処理(S70)、賞球払出処理(S80)、普通図柄遊技処理(S100)、普通電動役物遊技処理(S200)、特別図柄遊技処理(S300)、小当り遊技処理(S600)、大当り遊技処理(S800)等の各処理が繰り返し実行されている。尚、本実施例の主制御基板200に搭載されたCPU201は、電源投入後、4msec周期のタイマ割込みが発生する毎に、図25のS80〜S800の処理を実行するように構成されている。つまり、図25のS80〜S800の処理は、4msec毎に繰り返し実行される。そして、遊技制御処理を構成する各処理の中で、サブ制御基板220を初めとする各種制御基板に向けて各種の信号を送信する。こうすることにより、遊技機1全体の遊技が進行することになる。以下、図25のフローチャートに従って、遊技制御処理について説明する。
A.タイマ更新処理(S70)
主制御基板200に搭載されたCPU201は、タイマー更新処理を行う(S70)。このタイマ更新処理において、CPU201は、「小当りが発生したときの小当り用入賞口25aの開放時間」、「大当りが発生したときの大入賞口31aの開放時間」、「V入賞の有効時間(有効時間タイマー)」等の遊技に係る各種の時間を計測するためのタイマを更新する処理を行う。
主制御基板200に搭載されたCPU201は、タイマー更新処理を行う(S70)。このタイマ更新処理において、CPU201は、「小当りが発生したときの小当り用入賞口25aの開放時間」、「大当りが発生したときの大入賞口31aの開放時間」、「V入賞の有効時間(有効時間タイマー)」等の遊技に係る各種の時間を計測するためのタイマを更新する処理を行う。
B.賞球払出処理(S80)
主制御基板200に搭載されたCPU201は、遊技球を賞球として払い出す処理(賞球払出処理)を行う(S80)。すなわち、始動口入球検知スイッチ17s、17tや大入賞口入球検知スイッチ31sや一般入賞口入球検知スイッチ45s、46sの状態に基づいて遊技球が入球したか否かを判断する。そして、遊技球が入球していた場合は、この情報を、主制御基板200に搭載されているRAM202の所定領域に記憶する。そして、RAM202上に記憶されている情報に基づいて、賞球の払出信号を払出制御基板240に向かって出力する。また、RAM202上に、始動口入球検知スイッチ17s等への入賞情報が既に記憶されていた場合には、先に記憶されていた情報を含めて適切な払出個数を指定して、払出信号を出力する。
主制御基板200に搭載されたCPU201は、遊技球を賞球として払い出す処理(賞球払出処理)を行う(S80)。すなわち、始動口入球検知スイッチ17s、17tや大入賞口入球検知スイッチ31sや一般入賞口入球検知スイッチ45s、46sの状態に基づいて遊技球が入球したか否かを判断する。そして、遊技球が入球していた場合は、この情報を、主制御基板200に搭載されているRAM202の所定領域に記憶する。そして、RAM202上に記憶されている情報に基づいて、賞球の払出信号を払出制御基板240に向かって出力する。また、RAM202上に、始動口入球検知スイッチ17s等への入賞情報が既に記憶されていた場合には、先に記憶されていた情報を含めて適切な払出個数を指定して、払出信号を出力する。
主制御部200Aから払出制御部240Aへ払出信号を出力するに際しては、先ず、払出制御部240A(払出制御基板240)に向かってストローブ信号を出力し、続いて信号データを出力する。これに対して、払出制御部240Aを構成する払出制御基板240に搭載されたCPUは、払出信号を受け取ると信号の内容を解釈し、賞球払出装置109に搭載された払出モータ109mに駆動信号を出力して賞球の払い出しを行う。そして、賞球払出装置109には、払い出された遊技球を検知する2つの払出スイッチ(前側払出スイッチ109a、後側払出スイッチ109b)が設けられているので、これらスイッチで遊技球を1球ずつ検知しながら、払出信号で指定された個数の賞球を払い出す処理を行う。
C.普通図柄遊技処理
図26及び図27は、普通図柄遊技処理の概要を示すフロー図であり、普通図柄遊技処理が起動されると、CPU201は普通図柄作動ゲート通過検知スイッチ16sの状態に基づいて、普通図柄作動ゲート16を遊技球が通過したか否かを判断する(S105)。このS105の処理において肯定判断される場合は(S105;YES)、普通図柄に関する保留数が所定数(本実施例では、4個)未満であるか否かが判断され(S110)、所定個数未満であると判断された場合には(S110;YES)、普通図柄に関する保留数を「+1」するとともに、普通図柄に関する当否判定(第1当否判定)を行うための乱数値を取得して記憶した後(S115)、S120の処理に移行する。これに対して、S105の処理において否定判断される場合(S105;NO)及び普通図柄に関する保留数が所定個数以上であると判断された場合には(S110;NO)、S115の処理を行うことなく、S120の処理に移行する。なお、以下の説明において、普通図柄に関する当否判定(第1当否判定)を普図当否判定という。
図26及び図27は、普通図柄遊技処理の概要を示すフロー図であり、普通図柄遊技処理が起動されると、CPU201は普通図柄作動ゲート通過検知スイッチ16sの状態に基づいて、普通図柄作動ゲート16を遊技球が通過したか否かを判断する(S105)。このS105の処理において肯定判断される場合は(S105;YES)、普通図柄に関する保留数が所定数(本実施例では、4個)未満であるか否かが判断され(S110)、所定個数未満であると判断された場合には(S110;YES)、普通図柄に関する保留数を「+1」するとともに、普通図柄に関する当否判定(第1当否判定)を行うための乱数値を取得して記憶した後(S115)、S120の処理に移行する。これに対して、S105の処理において否定判断される場合(S105;NO)及び普通図柄に関する保留数が所定個数以上であると判断された場合には(S110;NO)、S115の処理を行うことなく、S120の処理に移行する。なお、以下の説明において、普通図柄に関する当否判定(第1当否判定)を普図当否判定という。
S120の処理においては、普通電動役物が作動中か否か(第2の始動入賞装置17bが開放状態であるか否か)が判断され(S120)、作動中の場合(S120;YES)、普通図柄遊技処理を終了して図25の遊技制御処理に復帰する。
一方、作動中でない場合(S120;NO)、普通図柄表示部63において普通図柄の変動表示を実行中か否かが判断される(S125)。そして、S125の処理において変動表示されていないと判断される場合には(S125;NO)、普通図柄表示部63において、普通図柄が停止表示されているか否かが判断される(S130)。そして、普通図柄が停止表示されていると判断されると(S130;YES)、「普通図柄の停止表示時間(例えば、0.5秒)」が経過したか否かが判断される(図26のS180)。そして、S180にて肯定判断されると(S180;YES)、S185の処理に移行し、S180にて否定判断されると(S180;NO)、普通図柄遊技処理を終了して図25の遊技制御処理に復帰する。
また、普通電動役物が作動中でなく(図25のS120;NO)、普通図柄表示部63において普通図柄の変動表示を実行中でなく(S125;NO)、しかも、普通図柄の停止表示を実行中でないと判断されると(S130;NO)、普通図柄に関する保留数が「0」であるか否か判定される(S135)。そして、この保留数が「0」と判断されると(S135;YES)、普通図柄遊技処理を終了して遊技制御処理に復帰する。一方、この保留数が「0」でないと判断されると(S135;NO)、開放延長フラグがセット(ONに設定)されているか否かを判断する(S138)。ここで、開放延長フラグは開放延長機能が作動していることを示すフラグであり、実施例1においては遊技機1の遊技状態が第1有利状態(第2入球頻度状態)若しくは第2有利状態(第3入球頻度状態)である場合にはセット(ONに設定)される。
開放延長フラグがセット(ONに設定)されている場合には(S138;YES)、S115の処理にて記憶された乱数値のうち最も古いものを用いて、普通図柄に関する普図当否判定(第1当否判定)を高確率(高い当選確率)にて行うとともに、普通図柄に関する保留数を「−1」する処理を行った後(S145)、第1有利状態フラグがセット(ONに設定)されているか否かを判断する(S150)。ここで、第1有利状態フラグは遊技機1の遊技状態が第1有利状態であることを示すフラグであり、後述する第2有利状態フラグは遊技機1の遊技状態が第2有利状態(第2入球頻度状態)であることを示すフラグである。そして、実施例1において、これらの有利状態フラグ(第1有利状態フラグ、第2有利状態フラグ)は、特別図柄に関する変動短縮フラグが解除される場合(図31のS417を参照)と、第1有利状態で実行された第2当否判定の結果が大当りとなる場合(図31のS378を参照)と、有利状態(第1有利状態、第2有利状態)で実行された第2当否判定の結果が小当りとなることに基づき小当り遊技を実行し、この小当り遊技において大当り遊技の開始が決定される場合(図39のS673を参照)に解除される。
S150の処理で第1有利状態フラグがセット(ONに設定)されていると判断する場合には(S150;YES)、遊技機1の遊技状態が第1有利状態(実施例1では第2入球頻度状態)であるため、「普通図柄の変動時間」として「第1短縮時間(5秒)に短縮化した変動時間」を設定した後(S155)、普通図柄の変動表示を開始させる(S160)。そして、S160の処理の後、普通図柄遊技処理を終了して図25の遊技制御処理に復帰する。ここで、S155で設定される普通図柄の変動時間としては、図28(a)に示すように、「5秒」を例示できる。なお、本実施例では、「第1短縮時間に短縮化した変動時間」を決定する際に用いる「第1短縮変動時間決定テーブル」に1個の変動時間のみが記憶されているため、「第1短縮時間に短縮化した変動時間」は一義的に「5秒」とされるが、「第1短縮変動時間決定テーブル」として、乱数値と対応する状態で複数個(例えば、「10」、「11秒」、 「9秒」、「12秒」の4個)記憶したものを用いてもよく、この場合、乱数抽選によって「第1短縮時間に短縮化した変動時間」を設定することとしてもよい。
また、S150の処理で第1有利状態フラグがセット(ONに設定)されていないと判断する場合には(S150;NO)、遊技機1の遊技状態が第2有利状態(実施例1では第3入球頻度状態)であるため、「普通図柄の変動時間」として「第2短縮時間(2秒)に短縮化した変動時間」を設定した後(S152)、普通図柄の変動表示を開始させる(S160)。そして、S160の処理の後、普通図柄遊技処理を終了して図25の遊技制御処理に復帰する。ここで、S152で設定される普通図柄の変動時間としては、図28(a)に示すように、「2秒」を例示できる。なお、本実施例では、この「第2短縮時間に短縮化した変動時間」を決定する際に用いる「第2短縮変動時間決定テーブル」に1個の変動時間のみが記憶されているため、「第2短縮時間に短縮化した変動時間」は一義的に「2秒」とされるが、「第2短縮変動時間決定テーブル」として、乱数値と対応する状態で複数個(例えば、「2.2」、「2.0秒」、 「1.8秒」、「2.3秒」の4個)記憶したものを用いてもよく、この場合、乱数抽選によって「第2短縮時間に短縮化した変動時間」を設定することとしてもよい。
一方、開放延長フラグが解除(OFFに設定)されている場合には(S138;NO)には、遊技機1の遊技状態は通常遊技状態(実施例1では第1入球頻度状態)にある。この場合、S115の処理にて記憶された乱数値のうち最も古いものを用いて、普通図柄に関する普通図柄に関する普図当否判定(第1当否判定)を低確率(低い当選確率)にて行うとともに、普通図柄に関する保留数を「−1」する処理を行う(S148)。そして、「普通図柄の変動表示の時間」として通常時間(図28(a)に示すように、30秒)を設定した後(S156)、普通図柄の変動表示を開始させる(S160)。そして、S160の処理の後、普通図柄遊技処理を終了して図25の遊技制御処理に復帰する。なお、S156で設定される普通図柄の変動時間は、一般的な遊技機において「変動時間短縮機能未作動時用」の普通図柄の変動表示時間として設定される時間である。なお、本実施例では、図28(a)に示すように、この「通常変動時間」を決定する際に用いる「通常変動時間決定テーブル」に1個の変動時間のみが記憶されているため、「通常変動時間」は一義的に「30秒」とされるが、「通常動時間決定テーブル」として、乱数値と対応する状態で複数個(例えば、「30」、「25秒」、 「32秒」、「28秒」の4個)記憶したものを用いてもよく、この場合、乱数抽選によって「通常変動時間(短縮化しない変動時間)」を設定することとしてもよい。
また、普通電動役物が作動中でなく(S120;NO)、普通図柄表示部63において普通図柄の変動表示を実行中の場合(S125;YES)、普通図柄の変動時間が経過したか否かを判断し(図27のS165)、経過していない場合(S165;NO)、普通図柄遊技処理を終了して、図25の遊技制御処理に復帰する。一方、普通図柄の変動時間が経過すると(S165;YES)、普通図柄の変動表示を停止させた後(S170)、普通図柄の停止図柄の表示時間(停止表示時間)が設定される(S175)。この後、「普通図柄の停止表示時間」が経過すると(S180;YES)、S185の処理に移行する。
S185の処理においては、普通図柄表示部63に停止表示された図柄が、普通電動役物を作動させる図柄であるか否か判定され、作動させる図柄でない場合(S185;NO)、普通図柄遊技処理を終了して図25の遊技制御処理に復帰する。一方、作動させる図柄である場合(S185;YES)、普通電動役物開放延長機能が作動しているか否か、つまり、開放延長フラグがセット(ONに設定)されているか否かが判断される(S188)。
開放延長フラグがセット(ONに設定)されている場合(S188;YES)、普通電動役物の開放時間(第2の始動入賞部17bを開放状態とする時間)を「開放延長機能作動時における開放時間(例えば、5秒)」に設定した後(S190)、普通電動役物を作動させ(S194)、第2の始動入賞部17bを開放状態とする。そして、普通図柄遊技処理を終了して、図25の遊技制御処理に復帰する。一方、開放延長フラグが解除(OFFに設定)されている場合(S188;NO)、普通電動役物の開放時間を「開放延長機能未作動時における開放時間(例えば、0.2秒)」に設定した後(S192)、普通電動役物を作動させ(S194)、第2の始動入賞部17bを開放状態とする。そして、普通図柄遊技処理を終了して図25の遊技制御処理に復帰する。
D.普通電動役物遊技処理(S200)
図28(b)は、普通電動役物遊技処理の概要を示すフロー図であり、CPU201が図28(b)の遊技制御処理を行う中で、普通電動役物遊技処理が起動されると、普通電動役物17dが作動中であるか否か(第2始動入賞装置17bが開放状態であるか否か)が判断される。そして、作動中である(第2始動入賞装置17bが開放状態である)と判断すると(S201;YES)、普通電動役物17dの作動時間(第2始動入賞装置17bを開放状態に維持する所定時間であって、開放延長状態では5秒、通常開放状態では0.2秒)が経過したか否かを判断する(S202)。そして、作動時間(開放時間)が所定時間を経過したと判断すると(S202;YES)、普通電動役物17dの作動を停止させることで開放状態にある第2始動入賞装置17bを閉鎖状態とし(S206)、普通電動役物遊技処理を終了させる。
図28(b)は、普通電動役物遊技処理の概要を示すフロー図であり、CPU201が図28(b)の遊技制御処理を行う中で、普通電動役物遊技処理が起動されると、普通電動役物17dが作動中であるか否か(第2始動入賞装置17bが開放状態であるか否か)が判断される。そして、作動中である(第2始動入賞装置17bが開放状態である)と判断すると(S201;YES)、普通電動役物17dの作動時間(第2始動入賞装置17bを開放状態に維持する所定時間であって、開放延長状態では5秒、通常開放状態では0.2秒)が経過したか否かを判断する(S202)。そして、作動時間(開放時間)が所定時間を経過したと判断すると(S202;YES)、普通電動役物17dの作動を停止させることで開放状態にある第2始動入賞装置17bを閉鎖状態とし(S206)、普通電動役物遊技処理を終了させる。
但し、CPU201が、普通電動役物17d(第2始動入賞装置17b)の開放中に(S202;NO)、第2始動入賞装置17bに規定数(例えば、8個)の遊技球が入球したと判断すると(S204;YES)、前述の作動時間(開放時間)が所定時間に達していない場合でも、普通電動役物17dの作動を停止させ(S206)、普通電動役物遊技処理を終了させる。なお、本遊技機1では普通電動役物17dの作動に際して普通電動役物ソレノイド17cが駆動されると、普通電動役物17dを構成する第2始動入賞部17bの一対の翼片部が外側に回動して、第2始動入賞装置17bが開放状態となる。
E.特別図柄遊技処理(S300)
次に、図29〜図37を用いて特別図柄遊技処理の概要を説明する。この特別図柄遊技処理が起動すると、図29に示すように、先ず、第1始動入賞若しくは第2始動入賞が発生したか否かが判断される(S304a、S304b)。そして、S304aの処理及びS304bの処理において否定的な判断がなされる場合(S304a;NO、S304b;NO)、そのまま図29に示すS308以降の処理に移行する。
次に、図29〜図37を用いて特別図柄遊技処理の概要を説明する。この特別図柄遊技処理が起動すると、図29に示すように、先ず、第1始動入賞若しくは第2始動入賞が発生したか否かが判断される(S304a、S304b)。そして、S304aの処理及びS304bの処理において否定的な判断がなされる場合(S304a;NO、S304b;NO)、そのまま図29に示すS308以降の処理に移行する。
CPU201よって第1始動入賞が発生したと判断されると(S304a;YES)、第1始動入賞に対応する第1特別図柄の保留数(第1保留数)が所定個数未満(本実施例は4個未満)であるか否かが判断される(S306a)。このS306aの処理において所定個数未満と判断されると(S306a;YES)、これに応じて判定用乱数値を取得する。この第1始動入賞に基づき取得される判定用乱数値は、主制御基板200に搭載されたRAM202の所定アドレス(以下、「第1判定用乱数値メモリ」という。)にシフトメモリ方式で記憶されるとともに「第1保留数」が「+1」される(S306a)。そして、図30のS308の処理に移行する。
ここで、本遊技機1は始動入賞装置として、第1始動入賞装置17aと第2始動入賞装置17bとを備えるとともに、第1始動入賞に対応する第1特別図柄(以下「特図1」ともいう。)と、第2始動入賞に対応する第2特別図柄(以下「特図2」ともいう。)とを備える。そして、第1始動入賞に基づく判定用乱数値と、第2始動入賞に基づく判定用乱数値とが記憶された状況の下では後者が優先的に処理される(後述する。)。また、図29〜図37においては、CPU201によって行われる処理のうち、第1始動入賞に基づき実行される各処理(以下、特図1に関する処理という。)と、第2始動入賞に基づき実行される各処理(以下、特図2に関する処理という。)のうち同様な処理に関しては、同一のステップ数(算用数字)を付している。そして、この同一のステップ数を付した処理は基本的には同一の処理であるため、以下の説明においては「特図1に関する処理」及び「特図2に関する処理」のうちの一方を説明し、他方の説明を省略することがある。なお、「特図1に関する処理」については「ステップ数」にアルファベットの「a」を付し、「特図2に関する処理」について「ステップ数」にアルファベットの「b」を付して区別することがある。
S306aの処理において取得して記憶される判定用乱数値としては、(a)特図1当否判定に際して用いる判定用乱数値(第1始動入賞に基づいて実行される大当り判定に際して用いる大当り判定用の判定用乱数値、第1始動入賞に基づいて実行される小当り判定に際して用いる小当り判定用の判定用乱数値)、(b)第1特別図柄表示部62aに停止表示される図柄を決定するための図柄決定用乱数値(特図1図柄決定用乱数値)、(c)演出表示装置27の表示画面27aで実行される演出図柄の変動表示(図柄変動演出)においてリーチ表示を行うか否かを決定するためのリーチ乱数値、などがある。
また、第2始動入賞が生じたと判断されると(S304b;YES)、第2始動入賞に対応する第2特別図柄の保留数(第2保留数)が所定個数未満(本実施例は4個未満)であるか否かが判断される(S306b)。このS306bの処理において、所定個数未満と判断されると(S306b;YES)、第2始動入賞装置17bに関連する判定用乱数値を取得する。この第2始動入賞に基づき取得される判定用乱数値は、主制御基板200に搭載されたRAM202の所定アドレス(以下、「第2判定用乱数値メモリ」という。)にシフトメモリ方式で記憶されるとともに「第2保留数」が「+1」される(S306b)。そして、図29のS308の処理に移行する。
S306bの処理において取得して記憶される判定用乱数値としては、(a)特図2当否判定に際して用いる判定用乱数値(第2始動入賞に基づいて実行される大当り判定に際して用いる大当り判定用の判定用乱数値、第2始動入賞に基づいて実行される小当り判定に際して用いる小当り判定用の判定用乱数値)、(b)第2特別図柄表示部62bに停止表示される図柄を決定するための図柄決定用乱数値(特図2図柄決定用乱数値)、(c)演出表示装置27の表示画面27aで実行される演出図柄の変動表示(図柄変動演出)においてリーチ表示を行うか否かを決定するためのリーチ乱数値、などがある。
S308の処理では、図30に示すように、当り遊技(大当り遊技若しくは小当り遊技)を実行しているか否かが判断される(S308)。具体的には、大当り遊技フラグ(図31のS360の処理を参照)がセット(ONに設定)されているか、小当り遊技フラグ(図31のS384の処理を参照)がセット(ONに設定)されていると、S308の処理において肯定的な判断がなされる。なお、大当り遊技フラグは「大当り遊技実行手段」が作動中であることを示すフラグであり、小当り遊技フラグは「小当り遊技実行手段」が作動中であることを示すフラグである。
CPU201は、当り遊技を実行中であると判断すると(S308;YES)、特別図柄遊技処理を終了して、図25の遊技制御処理に復帰する。一方、S308の処理で、当り遊技を実行中でないと判断すると(S308;NO)、特別図柄が変動中か否か、つまり、第1特別図柄及び第2特別図柄のうちの何れかが変動中であるか否かを判断する(S310)。そして、特別図柄が変動中でない場合は(S310;NO)、特別図柄が未だ変動していないか、若しくは変動表示後に停止図柄で停止表示されているかの、いずれかであると考えられる。そこで、特別図柄の停止図柄を表示させる停止表示時間中であるか否かを判断する(S312)。そして、特別図柄が変動表示されておらず(S310;NO)、且つ、特別図柄の停止図柄を表示している停止表示時間中でもない場合は(S312;NO)、変動表示を開始できるか否かを判断する(S314a、S314b)。なお、本実施例では、特別図柄の停止図柄を表示させる停止表示時間を0.6秒とする。
この「特別図柄の変動表示を開始できる条件」は「第1保留数」と「第2保留数」とのうちの何れかが「ゼロ」でないことである。そして、CPU201は「第2保留数」が「ゼロ」であるか否かを優先して判断する(S314b)。つまり、「第2保留数」が「ゼロ」でない場合、前述の「第2判定用乱数値メモリ」から最も古い判定用乱数値を読み出し(S316b)、第2特別図柄に関する第2当否判定処理(特図2当否判定処理)を行う(S320b)。なお、S316bで読み出す判定用乱数値は、S306bで取得したものであって、第2始動入賞に基づいて実行される大当り判定に際して用いる大当り判定用の判定用乱数値、第2始動入賞に基づいて実行される小当り判定に際して用いる小当り判定用の判定用乱数値、特図2図柄決定用乱数値、リーチ乱数値等が含まれる。
この特図2当否判定処理(S320b)では、図32(a)に示すように、「S316bの処理で読み出した大当り判定用の判定用乱数値」を用いて、大当り判定が行われる(S322)。そして、大当り判定の結果が大当りである場合には(S330;YES)、大当りフラグをセット(ONに設定)した後(S332)、特図2当否判定処理(S320b)を終了し、第2特別図柄に関する変動開始処理(以下、「特図2図柄変動開始処理」という。)に移行する(図29のS500b)。
また、大当り判定の結果が外れである場合には(S330;NO)、「S316bの処理で読み出した小当り判定用の判定用乱数値」を用いて、小当り判定が行われる(S334)。そして、小当り判定の結果が小当りである場合には(S336;YES)、小当りフラグをセット(ONに設定)した後(S338)、特図2当否判定処理(S320b)を終了し、第2特別図柄に関する変動開始処理(特図2図柄変動開始処理)に移行する(図30のS500b)。一方、小当り判定の結果が外れである場合には(S336;NO)、「外れフラグ」、つまり「大当り及び小当りを生じなかったことを示すフラグ」をセット(ONに設定)した後(S339)、特図2当否判定処理(S320b)を終了し、特図2図柄変動開始処理に移行する(S500b)。なお、第1特別図柄に関する第2当否判定処理(S320a;特図1当否判定処理)は、前述の「第1判定用乱数値メモリ」から最も古い判定用乱数値を読み出し(S316a)、図31(a)に基づいて同様に行われる。ここで、S316aの処理で読み出す判定用乱数値は、S306aで取得したものであって、第1始動入賞に基づいて実行される大当り判定に際して用いる大当り判定用の判定用乱数値、第1始動入賞に基づいて実行される小当り判定に際して用いる小当り判定用の判定用乱数値、特図1図柄決定用乱数値、リーチ乱数値等が含まれる。
特図2図柄変動開始処理(S500b)においては、図33に示すように、先ず、特図2当否判定処理(S320b)の結果に基づいて変動設定処理(S510C、S510D、S540)等を行う。すなわち、特図2当否判定処理(S320)の結果が「大当り」である場合には(S502;YES)、S510Cに移行して「大当り変動設定処理(510C)」を行う。この大当り変動設定処理(S510C)では、図34に示すように、S306bの処理(図29を参照)において取得した図柄決定乱数値を第2判定用乱数値メモリから読み出した後(S512)、第2特別図柄表示部62bに停止表示される大当り図柄を設定(決定)する(S514)。そして、遊技機1の遊技状態等を考慮して変動パターンテーブルを選択(セット)する処理(S525、S530)を行う。
つまり、遊技機1の遊技状態が通常遊技状態である場合(実施例1では変動短縮フラグが解除されている場合)には(S522;NO)、通常遊技状態に対応する変動パターンテーブルをセットする処理を行った後(S530)、S536の処理に移行する。これに対して、遊技機1の遊技状態が有利状態(第1有利状態又は第2有利状態)である場合(実施例1では変動短縮フラグがセットさている場合)には(S522;YES)、有利状態(第1有利状態又は第2有利状態)に対応する変動パターンテーブルをセットする処理を行った後(S525)、S536の処理に移行する。ここで、S510Cの処理において、遊技機1の遊技状態が通常遊技状態である場合には、図36(a)の「通常」と表記する欄の変動パターンテーブルが使用する変動パターンテーブルに決定され、遊技機1の遊技状態が有利状態(第1有利状態又は第2有利状態)である場合には、図36(a)の「短縮」と表記する欄の変動パターンテーブルが使用する変動パターンテーブルに決定される。
また、特図2当否判定処理(S320b)の結果が「小当り」である場合には(S502;NO、S505;YES)、S510Dに移行して「小当り変動設定処理」を行う。この小当り変動設定処理(S510D)では、図34に示すように、S306bの処理(図29を参照)において取得した図柄決定乱数値を第2判定用乱数値メモリから読み出した後(S512)、第2特別図柄表示部62bに停止表示される小当り図柄を設定(決定)する(S514)。そして、遊技機1の遊技状態等を考慮して変動パターンテーブルを選択(セット)する処理(S525、S530)を行う。
つまり、遊技機1の遊技状態が通常遊技状態である場合(実施例1では変動短縮フラグが解除されている場合)には(S522;NO)、通常遊技状態に対応する変動パターンテーブルをセットする処理を行った後(S530)、S536の処理に移行する。これに対して、遊技機1の遊技状態が有利状態(第1有利状態又は第2有利状態)である場合(実施例1では変動短縮フラグがセットさている場合)には(S522;YES)、有利状態(第1有利状態又は第2有利状態)に対応する変動パターンテーブルをセットする処理を行った後(S525)、S536の処理に移行する。ここで、S510Dの処理において、遊技機1の遊技状態が通常遊技状態である場合には、図36(b)の「通常」と表記する欄の変動パターンテーブルが使用する変動パターンテーブルに決定され、遊技機1の遊技状態が有利状態(第1有利状態又は第2有利状態)である場合には、図36(b)の「短縮」と表記する欄の変動パターンテーブルが使用する変動パターンテーブルに決定される。
S510Cの処理およびS510Dの処理のうちの何れにおいても変動パターンテーブル振り分ける処理(S522、S525、S530)を終了すると、変動パターン決定乱数(特別図柄の変動パターンを決定するための乱数)を取得し(S536)、S525の処理若しくはS530の処理でセットした変動パターンテーブルと、S536の処理で取得した乱数値とを用いて変動パターンを決定した後(S538)、図33のS590の処理に移行する。
また、特図2当否判定処理(S320b)の結果が外れである場合には(S502;NO、S505;NO)、S540に移行して「外れ変動設定処理」を行う。この外れ変動設定処理(S540)では、図35に示すように、遊技機1の遊技状態が通常遊技状態である場合(実施例1では変動短縮フラグが解除されている場合)には(S547;NO)、通常遊技状態に対応する変動パターンテーブルをセットする処理を行った後(S580)、S582の処理に移行する。これに対して、遊技機1の遊技状態が有利状態(第1有利状態又は第2有利状態)である場合(実施例1では変動短縮フラグがセットさている場合)には(S547;YES)、有利状態(第1有利状態又は第2有利状態)に対応する変動パターンテーブルをセットする処理を行った後(S551)、S582の処理に移行する。
ここで、S551の処理およびS580の処理では、「遊技機1の遊技状態(遊技状態)と、リーチ演出の実行の有無と、特別図柄の変動開始時の保留数を考慮して変動パターンテーブルが選択される。具体的には、遊技機1の遊技状態が通常遊技状態であってリーチ演出を行う場合には、図37の「通常」と表記するとともに「リーチ演出あり」と表記された欄の変動パターンテーブルがセットされる。また、遊技機1の遊技状態が通常遊技状態であってリーチ演出を行わない場合には、図37の「通常」と表記するとともに「リーチ演出なし」と表記された欄の各変動パターンテーブルのうち、変動開始時の保留数(第2特別図柄の変動開始時には第2保留数、第1特別図柄の変動開始時には第1保留数、)に対応する変動パターンテーブルがセットされる。
更に、遊技機1の遊技状態が有利状態(第1有利状態若しくは第2有利状態)であってリーチ演出を行う場合には、図37の「短縮」と表記するとともに「リーチ演出あり」と表記された欄の変動パターンテーブルがセットされる。また、遊技機1の有利状態(第1有利状態若しくは第2有利状態)であってリーチ演出を行わない場合には、図37の「短縮」と表記するとともに「リーチ演出なし」と表記された欄の各変動パターンテーブルのうち、変動開始時の保留数(第2特別図柄の変動開始時には第2保留数、第1特別図柄の変動開始時には第1保留数、)に対応する変動パターンテーブルがセットされる。なお、リーチ演出の実行の有無は、S306bの処理(図29を参照)において取得したリーチ乱数値を読み出し、この読み出したリーチ乱数値に基づいて決定される。
ここで、「特別図柄の変動表示時間を決定するための変動パターン」が記憶された変動パターンテーブルとして、本遊技機1の遊技状態が通常遊技状態である場合には、「通常変動用の変動表示時間を決定するための変動パターンテーブル」、つまり、「特別図柄に関する変動時間短縮機能(時短機能)が作動していないときの変動パターンテーブル」が用いられる。また、本遊技機1の遊技状態が有利状態(第1有利状態若しくは第2有利状態)である場合には、「短縮変動用の変動表示時間を決定するための変動パターンテーブル」、つまり、「特別図柄に関する変動時間短縮機能(時短機能)が作動しているときの変動パターンテーブル」が用いられる。なお、実施例1において、「変動短縮状態(時短状態)」とは、変動時間短縮機能(時短機能)が作動している状態を指すものである。そして、開放延長機能が作動する遊技状態において変動時間短縮機能(時短機能)が作動するため、本実施例の説明では、「短縮変動状態(時短状態)」を「開放延長状態」と読み替えることができる。
また、S525、S530、S551若しくはS580で選択される変動パターンテーブルには、多数の変動パターン(例えば、20種、50種、100種)が記憶されている。そして、第2当否判定(特図2当否判定、特図1当否判定)の結果が「外れ」である場合において、「短縮変動状態のときに特定される変動表示時間」は、「短縮変動状態でないときに特定される変動表示時間」に比べて短くされる可能性が高い。また、本実施例では、第2当否判定(特図2当否判定、特図1当否判定)の結果が「外れ」である場合、特別図柄の保留数が考慮され、保留数が少ない場合(例えば、変動パターン決定時の保留数が「1」の場合)には、長めの変動表示時間を特定する変動パターンが選択され、保留数が多い場合(例えば、変動パターン決定時の保留数が「3」〜「4」の場合)には、短めの変動表示時間を特定する変動パターンが選択される傾向にある。また、リーチ表示を行わないと判断される場合に選択される変動パターンで特定される変動表示時間は、リーチ表示を行うと判断される場合に選択される変動パターンで特定される変動表示時間に比べて短くされる傾向にある。なお、各「変動パターンテーブル」は、主制御基板200に搭載されたROM203に予め設定されている。
CPU201はS510C、S510D若しくはS540の処理を行った後、図33に示すように、第2特別図柄表示部62bにて第2特別図柄(特図2)の変動を開始する(S590)とともに、サブ制御部200A(サブ制御基板220)に向かって図柄変動の開始を示す所定のコマンド(図柄変動開始時コマンド)を送信する(S592)。つまり、主制御基板200のCPU201は、サブ制御基板220に向かって第2特別図柄に係る「変動パターン指定コマンド(変動パターンを指定するコマンド)」、「特別図柄停止情報指定コマンド」などを送信する。更に、CPU201は、第2特別図柄に係る「特別図柄の保留数」を「1」減算する処理と、減算された後の保留数を特定するためのコマンドをサブ制御基板220に送信する処理とを行った後(S595)、図柄変動開始処理(S500b)を終了し、更に特別図柄遊技処理(S300)を終了して、図25の遊技制御処理に復帰する。
ここで、変動パターン指定コマンド及び特別図柄停止情報指定コマンドは、図9(b)に示したように、ストローブ信号とともにサブ制御基板220に向かって出力される。このストローブ信号は、サブ制御基板220に搭載されたCPU220aの割り込み端子に接続されており、サブ制御基板220側のCPU220aは、ストローブ信号が入力されると直ちに各指定信号を受け取って、指定信号の内容を解析する。詳細な説明は省略するが、変動パターンは、リーチ演出を行うか否か、特別図柄を停止表示させる図柄が当り図柄(大当り図柄、小当り図柄)であるか否か等の種々の条件を考慮して決定されており、変動パターンが分かれば、特別図柄が変動表示する時間を決定することができる。また、特別図柄停止情報指定コマンドを解析すれば、特別図柄が当り図柄(大当り図柄若しくは小当り図柄)で停止するのか外れ図柄で停止するのか、更には大当り図柄で停止する場合、その当り図柄が何れであるかを知ることができる。
サブ制御基板220に搭載されたCPU220aは、これらの情報に基づいて、演出表示装置27での演出態様を決定した後、演出表示制御基板222に対して疑似図柄の表示制御信号を出力し、疑似図柄の変動表示や停止表示等を行う。また、特別図柄の変動時間(変動パターン指定コマンド)に基づいて、演出表示装置27でいわゆるリーチ演出を行うか否か、更にはどのような種類のリーチ演出とするかも決定する。そして、サブ制御基板220は、こうして決定した演出内容に従って、演出表示制御基板222や、アンプ基板224、装飾駆動基板226などを制御することにより、決定した内容の演出を行うことになる。
図30に戻り、「第2保留数」が「ゼロ」であるとともに(S314b;YES)、「第1保留数」が「ゼロ」でない場合(S314a;NO)には、第1判定用乱数値メモリ202aから最も古い判定用乱数値を読み出し(S316a)、第1当否判定処理を行う(S320a)。そして、特図1図柄変動開始処理(S500a)を行った後、特別図柄遊技処理(S300)を終了して、図25の遊技制御処理に復帰する。ここで、S320aの処理として行われる第1当否判定処理も、S320bと同様に行われ、S500aの処理として行われる特図1図柄変動開始処理(S500a)も、S500bの処理として行われる特図2図柄変動開始処理(S500b)と同様に図33に基づいて行われる。つまり、図34(a)に示すフロー図に基づいて、第1当否判定処理(S320a)の結果に基づき第1特別図柄の変動パターンを選択(決定)する処理や、第1特別図柄表示部62aに停止表示される図柄を選択(決定)する処理等を行った後(S510C、S510D、S540)、S590、S592、S595の処理が実行される。
次に、特別図柄遊技処理(S300)のS310の処理(図30参照)で、第1特別図柄又は第2特別図柄が変動中であると判断された場合は(S310;YES)、既に、特別図柄の変動パターンと停止図柄とが決定されて、特別図柄の変動が開始されていることとなる。そこで、特別図柄の変動表示時間が経過したか否かを判断する(S341)。即ち、特別図柄の変動表示時間は変動パターンに応じて予め定められているので、特別図柄の変動を開始すると同時にタイマをセットすることにより、所定の変動表示時間が経過したかを判断するのである。そして、未だ変動表示時間が経過していない場合は(S341;NO)、そのまま特別図柄遊技処理(S300)を終了して図25に示す遊技制御処理に復帰する。
これに対して、変動表示時間が経過したと判断された場合は(S341;YES)、変動している第1特別図柄又は第2特別図柄を停止させ(S344)、停止図柄を表示するとともに、図柄停止コマンドをサブ制御基板220に向かって出力する(S346)。なお、図柄停止コマンドは、サブ制御基板220を介して演出表示制御基板222に転送される。そして、特別図柄を停止表示させる停止表示時間を設定した後(S348)、設定した停止表示時間が経過したか否かを判断する(S350)。
S350の処理で、特別図柄の停止表示時間が経過していないと判断されれば(S350;NO)、そのまま特別図柄遊技処理(S300)を終了して、図25に示す遊技制御処理に復帰する。一方、特別図柄の停止表示時間が経過した場合は(S350;YES)、停止表示の態様が当りを示す態様(当り図柄)か否かを判断する(図31のS352)。
図31のS352の処理で肯定的な判断がなされると、主制御基板200のCPU201は、後述する「当り遊技」の終了時に参照するためのバッファに、現在の遊技進行状況を示す情報をセット(記憶)する(S354)。具体的には、「当りの種類(大当り、小当り、大当りの種類、小当りの種類)」、「遊技状態フラグの状態」をセット(記憶)する(S354)。また、主制御基板200に搭載されたRAM202の特定領域が、S354の処理で用いるバッファとして機能する。ここで、「遊技状態フラグ」とは「遊技機1の遊技状態」を示すフラグ、つまり、「変動短縮フラグ」、「開放延長フラグ」などであり、S354の処理においては、これらのフラグが「ON」「OFF」の何れに設定されているかを示すデータ、つまり、現在の遊技状態を示すデータがセットされる。なお、「変動短縮フラグ」は特別図柄および普通図柄の変動時間が短縮される状態(短縮変動状態)にあることを示すフラグである。また、「開放延長フラグ」は第2始動入賞装置17b(普通電動役物17d)が開放状態となる時間(開放時間)が長時間に設定される状態(開放延長状態)にあることを示すフラグである。なお、本実施例では、「変動短縮フラグ」および「開放延長フラグ」のON/OFF切り換わりタイミングが同一となっており、両フラグは一体的に扱われるものである。つまり、短縮変動状態であるときは開放延長状態でもあり、短縮変動状態が終了すると、それとともに開放延長状態も終了する。ここで、本明細書では、「変動短縮フラグ」および「開放延長フラグ」が「ON」に設定されている状態を「開放延長状態」または「短縮変動状態」といい、「変動短縮フラグ」および「開放延長フラグ」が「OFF」に設定されている状態を「通常開放状態」または「通常変動状態」という。
主制御基板200のCPU201はS354の処理に続いて、発生するのが大当りであるか否かを判断する(S356)。そして、S356の処理で肯定的な判断がなされると、発生させる大当りの種類に応じて大入賞装置31の開閉パターンをセットする処理を行う(S358)。つまり、「16R大当り」を発生させる場合には、大入賞口31aの開放限度時間を「30秒」とするラウンド遊技を「16ラウンド」行う開閉パターンがセットされ、「8R大当り」を発生させる場合には、大入賞口31aの開放限度時間を「30秒」とするラウンド遊技を「8ラウンド」行う開閉パターンがセットされる。
S358の処理に続いて、大当り遊技フラグをセット(ONに設定)する処理を行う(S360)。この「大当り遊技フラグ」のセットにより、大当り遊技実行手段が作動を開始して遊技機1の遊技状態は「大当り遊技状態」に移行する。なお、主制御部200Aは、「大当り遊技フラグ」をセットするタイミングでサブ制御部220Aに向かって「大当り遊技開始指定コマンド」を送信する。
S360の処理に続いてS370以降の処理に移行する。ここで、S360の処理で「大当り遊技フラグ」がセットされると、大当り遊技実行手段が作動を開始して遊技機1の遊技状態は「大当り遊技状態」に移行するが、本遊技機1では、「大当り遊技フラグ」の設定中(大当り遊技実行手段の作動中)は、時短機能、開放延長機能は働かないこととしている。このため、S370以降の一連の処理を以下のように行った後、特別図柄遊技処理(S300)を終了する。つまり、S370の処理においては、変動短縮フラグがセット(ONに設定)されているか否かを判断し、セットされていない場合は(S370;NO)、そのまま特別図柄遊技処理(S300)を抜けて、図25の遊技制御処理に復帰する。一方、S370の処理において、変動短縮フラグがセット(ONに設定)されていると判断される場合は(S370;YES)、変動短縮フラグと開放延長フラグとを解除(OFFに設定)する(S374、S376)。また、変動短縮フラグがセット(ONに設定)されていると判断される場合は(S370;YES)には、有利状態フラグ(第1有利状態フラグ若しくは第2有利状態フラグ)もセット(ONに設定)されているため、このセットされている有利状態フラグ(第1有利状態フラグ若しくは第2有利状態フラグ)を解除(OFFに設定)する処理(S378)も行う。このS378の処理の後、特別図柄遊技処理(S300)を抜けて、図25の遊技制御処理に復帰する。そして、何れの場合においても、図25の遊技制御処理に復帰すると後述する大当り遊技処理(図40のS600)が開始され、大当り遊技が実行される。
S356の処理で小当りを発生させると判断されると(S356;NO)、小当り用入賞口の開放パターンをセットする処理(S380)と、小当り遊技フラグをセット(ONに設定)する処理(S384)と、有効時間タイマをセットする処理(S384)とを行った後、S398以降の処理を行うが、S398以降の処理については後述する。ここで、S380の処理においては、発生したのが「1T小当り」である場合、「閉鎖状態にある小当り用入賞口25aを短時間(0.4秒)の間開放させる開放動作を1回行うパターン」がセットされ、発生したのが「3T小当り」である場合、「閉鎖状態にある小当り用入賞口25aを短時間(0.4秒)の間開放させる開放動作を3回行うパターン」がセットされる。また、この「小当り遊技フラグ」のセットにより、小当り遊技実行手段が作動を開始して遊技機1の遊技状態は「小当り遊技状態」に移行する。更に、有効時間タイマは小当り遊技を開始した後(小当り遊技フラグをセットした後)の経過時間を計測するタイマである。
次に、図31のS352の処理で否定的な判断がなされる場合と、S384の処理を経た場合とにおいて実行される処理について説明する。つまり、S352の処理で否定的な判断がなされる場合は、第1特別図柄表示部62a若しくは第2特別図柄表示部62bにおいて停止表示された特別図柄が「外れ図柄」の場合には(S352;NO)、S398の処理に移行する。また、S356の処理で小当りを発生させると判断され(S356;NO)、S380の処理と、S384)の処理を行った場合も、S398の処理に移行する。
S398の処理では変動短縮フラグがセット(ONに設定)されているか否かが判断される(S398)。そして、変動短縮フラグがセットされていない(OFFに設定されている)場合には(S398;NO)、そのまま特別図柄遊技処理(S300)を抜けて、図25の遊技制御処理に復帰する。一方、変動短縮フラグがセット(ONに設定)されている場合(S398;YES)、つまり、外れ発生時若しくは小当り発生時の遊技状態が有利状態(第1有利状態若しくは第2有利状態)である場合には、変動短縮カウンタの値を「−1」した後(S400)、変動短縮カウンタの値が「ゼロ」になったか否かを判断する(S404)。そして、「ゼロ」になっていない場合には(S404;NO)、そのまま特別図柄遊技処理(S300)を抜けて、図25の遊技制御処理に復帰する。
これに対して、S404の処理で変動短縮カウンタの値が「ゼロ」になったと判断される場合には(S404;YES)、遊技機1の遊技状態が「第2有利状態」から「第1有利状態」に切り換わるか、「第1有利状態」から「第1入球頻度状態」に切り換わることになる。このため、主制御基板200のCPU201はS404の処理の肯定的な判断に続いて、その時点でセット(ONに設定)されているのが、「第2有利状態フラグ」であるか否かを判断する(S406)。より具体的には、「第2有利状態」で遊技を行っているときに、変動短縮カウンタの値が「ゼロ」になったケースであるか否かを判断する(S406)。
変動短縮カウンタの値が「ゼロ」になったと時点でセット(ONに設定)されているのが、「第1有利状態フラグ」である場合には(S406;NO)、変動短縮フラグを解除(OFFに設定)する処理(S410)と、開放延長フラグを解除(OFFに設定)する処理(S416)と、第1有利状態フラグを解除(OFFに設定)する処理(S417)とを行った後、特別図柄遊技処理(S300)を抜けて図25の遊技制御処理に復帰する。この場合、遊技状態が「第1有利状態」から「通常遊技状態」に切り換わることになる。ここで、「変動短縮カウンタ」は変動短縮しつつ実行する特別図柄の変動回数の上限回数を示すものであり、その値が「ゼロ」になると、今回の特別図柄の変動で短縮変動状態が終了して、次回の変動から通常変動状態(第1遊技状態)に切り換わり、次回以降の特別図柄の変動は通常変動で行われる。
なお、変動短縮フラグや開放延長フラグがともにOFFに切り換わった場合(S410,416)には開放延長状態(短縮変動状態)が終了して状態の切り換わりが生ずることとなる。本実施例では、そのような状態の切り換わりが発生した場合には、その切り換わり後の状態を示す制御コマンド(状態指定コマンド)を主制御部200Aからサブ制御部220Aに向けて送信するように構成している。これにより、サブ制御部220Aでは、受信した状態指定コマンドに基づき特定される状態(例えば、通常変動状態など)に応じた遊技演出を行うことができる。
また、S404の処理で変動短縮カウンタの値が「ゼロ」になったと判断された時点でセット(ONに設定)されている有利状態フラグが、「第2有利状態フラグ」である場合には(S406;YES)、第2有利状態フラグを解除(OFFに設定)する処理と、第1有利状態フラグをセット(ONに設定)する処理と、変動短縮カウンタに「80」をセットする処理とを行った後(S408)、特別図柄遊技処理(S300)を抜けて図25の遊技制御処理に復帰する。この場合、遊技状態が「第2有利状態」から「第1有利状態」に切り換わることになる。つまり、遊技状態が「第2有利状態」から、有利度が「第2有利状態」よりも低い「第1有利状態」に切り換わることになるが、それ以降においても、有利度が「通常遊技状態」よりも高い「第1有利状態」が継続されることになる。
F.小当り遊技処理(S600)
主制御基板200に搭載されたCPU201が、図25の遊技制御処理を繰り返し行ううちに、図38に示す小当り遊技処理(S600)において「小当り遊技フラグ」がセットされていると判断すると(S602;YES)、小当り遊技処理が行われる。
主制御基板200に搭載されたCPU201が、図25の遊技制御処理を繰り返し行ううちに、図38に示す小当り遊技処理(S600)において「小当り遊技フラグ」がセットされていると判断すると(S602;YES)、小当り遊技処理が行われる。
CPU201は、小当り遊技処理を開始すると、先ず初めに、小当り用入賞口25aが開口中か否かを判断する(S604)。但し、小当り遊技を開始した直後は、小当り用入賞口25aが開口しているわけではないから、S604の処理では否定的な判断がなされ(S604;NO)、小当り遊技の終了条件が成立したか否かが判断される(S610)。ここで、小当り遊技の終了条件としては、小当り用入賞口25aが所定回数だけ開口する旨が設定されているが、小当り遊技を開始した直後は、小当り遊技の終了条件は成立していないと判断される(S610;NO)。
よって、S610の否定的な判断を経て、小当り用入賞口25aの閉鎖時間が経過したか否かを判断する(S612)。但し、小当り遊技を開始した直後では、それまでの間、小当り用入賞口25aは閉鎖されていたことから、閉鎖時間が経過しているものと判断される(S612;YES)。このため、CPU201は、小当り用入賞口25aを開口させた後(S616)、図38に示す小当り遊技処理を終了して、図25の遊技制御処理に復帰する。
このように小当り用入賞口25aを開口させた後(S616)、次回に小当り遊技処理(S600)を開始すると、最初の判断で小当り用入賞口25aが開口中であると判断される(S604;YES)。このため、小当り用入賞口25aの開口時間が経過したか否かを判断する(S606)。但し、小当り用入賞口25aを開口した直後であれば、開口時間が経過していないと判断されるため(S606;NO)、そのまま図35の小当り遊技処理を終了して図25の遊技制御処理に復帰する。そして、再び小当り遊技処理(S600)が開始されると、小当り用入賞口25aの開口時間が経過したか否かを判断し(S606)、経過していなければ(S606;NO)、小当り遊技処理を終了して図25の遊技制御処理に復帰する。こうした処理を繰り返しているうちに、やがて、小当り用入賞口25aの開口時間が経過するが、そのとき、小当り用入賞口25aを閉鎖する(S608)。
次いで、小当り遊技の終了条件が成立したか否かを判断する(S610)。そして、小当り用入賞口25aの開口回数が所定回数に達していない場合は(S610;YES)、小当り用入賞口25aの閉鎖時間が経過したことを確認した後(S612;YES)、小当り用入賞口25aを開口させて(S616)、図38の小当り遊技処理を終了し、図25の遊技制御処理に復帰する。こうして処理を繰り返すうちに、やがて小当り用入賞口25aの開口回数が所定回数に達し、小当り遊技の終了条件が成立すると(S610;YES)、図38の小当り遊技終了時処理(S650)を実行した後、小当り遊技を終了する。
この小当り遊技終了時処理(S650)が起動すると、CPU201は、図39に示すように、小当り遊技フラグ(図30のS360を参照)を解除(OFFに設定)した後(S655)、小当り遊技中に遊技球が特定領域SRを通過したか否かを判断する(S660)。ここで、前述のように、特定領域SRの下流側には通過検知スイッチ8t(図8を参照)が設けられており、特定領域SRを遊技球が通過すれば、通過検知スイッチ8tを用いて検知することができる。そして、S660の処理で遊技球が特定領域部SRを通過していたと判断される場合は(S660;YES)、その「特定領域SRの通過が有効時間内の通過であったか否か」が判断される(S665)。尚、この「有効時間であるか否か」は、前述の有効時間タイマを用いて判断され、本実施例では小当り用入賞口25aが開口(小当り用入賞口ソレノイド25cがON状態となってから)、有効時間タイマをセットする処理を行った後(図31のS384の処理を参照)「8秒間」で終了する。
S660の処理で遊技球が特定領域部SRを通過していなかったと判断される場合は(S660;NO)と、S660の処理で遊技球が特定領域部SRを通過した判断されるが、その通過が有効時間外であった場合(S660;YES、S615;NO)、大当り遊技が行われないので、大当り態様の設定や大当り遊技を開始することなく、図39の小当り遊技終了時処理を終了して、図25の遊技制御処理に復帰する。
一方、S660の処理で遊技球が特定領域部SRを通過した判断されるとともに、その通過が有効時間内であった場合(S660;YES、S615;YES)、大当り遊技態様を設定する処理(S670)を行う。ここで設定する大当り態様は、「今回終了した小当り遊技の実行契機となった小当り(1T小当り、3T小当り)」の態様に対応するものである。この大当り遊技態様によって、「大入賞口の開放パターン」や大当り遊技終了後の遊技状態が特定される。
CPU201は、S670の処理に続いて、有利状態フラグ(第1有利状態フラグ若しくは第2有利状態フラグ)がセット(ONに設定)されているか否かを判断する(S672)。そして、解除されている場合には(S672;NO)、そのままS675に移行し、セットされている場合には(S672;YES)、セットされている有利状態フラグ(第1有利状態フラグ若しくは第2有利状態フラグ)を解除(OFFに設定)する処理(S673)を行った後、S675に移行する。そして、S675の処理では大当り遊技フラグをセット(ONに設定)する処理を行うが、この「大当り遊技フラグ」のセットにより、大当り遊技実行手段が作動を開始して遊技機1の遊技状態は「大当り遊技状態」に移行する。なお、主制御部200Aは、「大当り遊技フラグ」をセットするタイミングでサブ制御部220Aに向かって、大当り遊技開始指定コマンドを送信する。そして、「大当り遊技フラグ」がセット(ONに設定)されることに伴って、図40に示す大当り遊技処理が実行される。なお、図示を省略するが、実施例1においてS672の処理で肯定的に判断される場合には、変動短縮フラグと開放延長フラグとがセットされている。このため、S673の処理において有利状態フラグ(第1有利状態フラグ若しくは第2有利状態フラグ)とともに変動短縮フラグと開放延長フラグを解除(OFFに設定)する処理を行う。
G.大当り遊技処理(S800)
主制御基板200に搭載されたCPU201が、図25の遊技制御処理を繰り返し行ううちに、図40に示す大当り遊技処理(S800)において「大当り遊技フラグ」がセットされていると判断すると(S602;YES)、大当り遊技の実行に係る処理が行われる。
主制御基板200に搭載されたCPU201が、図25の遊技制御処理を繰り返し行ううちに、図40に示す大当り遊技処理(S800)において「大当り遊技フラグ」がセットされていると判断すると(S602;YES)、大当り遊技の実行に係る処理が行われる。
CPU201は、大当り遊技処理を開始すると、先ず初めに、大入賞口31aが開口中か否かを判断する(S804)。但し、大当り遊技を開始した直後は、大入賞口31aが開口しているわけではないから、S804の処理では否定的な判断がなされ(S804;NO)、大当り遊技の終了条件が成立したか否かが判断される(S810)。ここで、大当り遊技の終了条件としては、大入賞口31aが所定回数だけ開口する旨が設定されているが、大当り遊技を開始した直後は、大当り遊技の終了条件は成立していないと判断される(S810;NO)。
よって、S810の否定的な判断を経て、大入賞口31aの閉鎖時間が経過したか否かを判断する(S812)。但し、大当り遊技を開始した直後では、それまでの間、大入賞口31aは閉鎖されていたことから、閉鎖時間が経過しているものと判断される(S812;YES)。このため、CPU201は、大入賞口31aを開口させた後(S816)、図40に示す大当り遊技処理を終了して、図25の遊技制御処理に復帰する。
このように大入賞口31aを開口させた後(S816)、次回に大当り遊技処理(S800)を開始すると、最初の判断で大入賞口31aが開口中であると判断される(S804;YES)。このため、大入賞口31aの開口終了条件が成立したか否かを判断する(S806)。ここで、S806の開口終了条件とは、大入賞口31aの開放時間が30秒になるか、大入賞口31aに入賞した遊技球が規定数に達していると成立するが、大入賞口31aを開口した直後であれば、開口終了条件は成立していないと判断されるため(S806;NO)、そのまま図37の大当り遊技処理を終了して図25の遊技制御処理に復帰する。そして、再び大当り遊技処理(S800)が開始されると、大入賞口31aの開口時間が経過したか否かを判断し(S806)、経過していなければ(S806;NO)、大当り遊技処理を終了して図25の遊技制御処理に復帰する。こうした処理を繰り返しているうちに、やがて、大入賞口31aの開口終了条件が成立するが、そのとき、大入賞口31aを閉鎖する(S808)。
次いで、大当り遊技の終了条件が成立したか否かを判断する(S810)。そして、大入賞口31aの開口回数が所定回数(16R大当りに基づく大当り遊技では16回、8R大当りに基づく大当り遊技では8回、1T小当り基づく大当り遊技では7回、3T小当り基づく大当り遊技では15回)に達していない場合は(S810;YES)、大入賞口31aの閉鎖時間が経過したことを確認した後(S812;YES)、大入賞口31aを開口させて(S816)、図40の大当り遊技処理を終了し、図25の遊技制御処理に復帰する。こうして処理を繰り返すうちに、やがて大入賞口31aの開口回数が所定回数に達し、大当り遊技の終了条件が成立すると(S810;YES)、図41の大当り遊技終了時処理(S850)を実行した後、大当り遊技を終了する。
この大当り遊技終了時処理(S850)が起動すると、CPU201は、図41に示すように、大当り遊技フラグ(図31のS360の処理若しくは図39のS675の処理を参照)を解除(OFFに設定)した後(S855)、前述の「当り終了時参照用バッファ(図31のS354を参照)」を参照することによって、今回の大当り遊技の前提となった大当り(以下、「今回の大当り」という。)の種類に関する情報を取得し(S857)、この情報に基づいて、大当り遊技終了後の遊技状態を設定する処理等を行う。
つまり、今回の大当りが、有利状態(第1有利状態若しくは第2有利状態)を設定する契機となる大当り(以下、「有利状態大当り」という。)でなかった場合には(S862;NO)、そのまま大当り遊技終了時処理(S850)を終了する。なお、S862の処理に示す「有利状態大当り」には、小当り遊技を経由せずに発生した「有利状態大当り」のみならず、小当り遊技を経由して発生した「有利状態大当り」も含まれる。つまり、「大当りを発生したならば、大当り遊技終了後の遊技状態を第1有利状態(第2入球頻度状態)若しくは第2有利状態(第3入球頻度状態)とする小当り」であって、当該小当りの発生に基づく小当り遊技の終了時に「大当り遊技フラグ」をセット(ONに設定)する処理が行われたもの(図37のS675を参照)も含まれる。
一方、今回の大当りが「有利状態大当り」であった場合には(S862;YES)、開放延長フラグをセットする処理(S864)と、変動短縮フラグをセットする処理(S866)とを行う。そして、「有利状態大当り」が第2有利状態を発生させる大当り(以下、「第2有利状態大当り」という。)である場合には、第2有利状態フラグをセットする処理(S874)と、変動短縮カウンタに「30」をセットする処理(S876)とを行った後、大当り遊技終了時処理(S850)を終了する。
これに対して、「有利状態大当り」が第1有利状態を発生させる大当り(以下、「第1有利状態大当り」という。)である場合には、第1有利状態フラグをセットする処理(S878)と、変動短縮カウンタに「80」をセットする処理(S880)とを行った後、大当り遊技終了時処理(S850)を終了する。
なお、主制御部200Aは、大当り遊技フラグを解除(OFFに設定)する(S805)タイミングでサブ制御部220Aに向かって、「大当り遊技終了指定コマンド」を送信する。また、本実施例では、大当り遊技終了時処理にて各種フラグやカウンタを設定した際に、その設定に基づく大当り遊技終了後の状態を示す制御コマンド(状態指定コマンド)を主制御部200Aからサブ制御部220Aに向けて送信するように構成している。これにより、サブ制御部220Aでは、受信した状態指定コマンドに基づき特定される状態に応じた遊技演出を行うことができる。
(7)演出制御処理(S900)
次に、図42を用いて、サブ制御部220Aを構成するサブ制御基板220のCPU220aが、演出表示制御部222A(演出表示制御基板222の図示しないCPU)と協働して行う「演出制御処理(S900)」の概要について説明する。なお、図42には、演出制御処理を構成する各処理のうちで主要な処理のみを図示している。
次に、図42を用いて、サブ制御部220Aを構成するサブ制御基板220のCPU220aが、演出表示制御部222A(演出表示制御基板222の図示しないCPU)と協働して行う「演出制御処理(S900)」の概要について説明する。なお、図42には、演出制御処理を構成する各処理のうちで主要な処理のみを図示している。
この演出制御処理(S900)では、遊技機1に電源が投入されるか、リセットスイッチが押されると、先ず、初期化処理を行う(S960)。この後、電源がOFFになるまでの間、図柄変動演出処理(S1100)、大当り遊技演出処理(S1800)などの主要な処理が繰り返し実行される。尚、図42の一周の処理に要する時間は、ほぼ2msecとなっているため、これらの処理は約2msec毎に繰り返し実行される。以下、図42のフロー図に従ってサブ制御処理について説明する。また、本実施例では、大当り遊技演出処理(S1800)についての説明を省略する。
図柄変動演出処理(S1100)においては、図43に示すように、サブ制御基板220のCPU220aが図柄変動開始時のコマンドを受信すると(S1105;YES)、S1110以降の処理が実行される。ここで、S1105の処理で受信するコマンドは、変動パターン指定コマンド(CHP)及び特別図柄停止情報指定コマンド(CJS)である。
ここで、サブ制御部220Aは、受信した「特別図柄停止情報指定コマンド」に基づき、主制御部200Aにおいて実行された当否判定(S320a,S320b)の結果を判断することができる。そして、当否判定の結果が大当りである場合(S1110;YES)、受信した変動パターン指定コマンドに基づき、「大当り演出の変動パターン」及び「大当り停止図柄」を決定する処理を行った後(S1115)、S1160の処理に移行する。なお、S1115の処理では、「大当り演出の演出パターン」として、演出表示装置27の表示画面27aで実行される演出表示の実行態様、リーチ表示の態様等が決定され、「大当り停止図柄」として、「大当りを確定表示する演出図柄」の具体的な態様が決定される。
また、当否判定の結果が小当りである場合(S1110;NO、S1112;YES)、受信した変動パターン指定コマンドに基づき、「小当り演出の変動パターン」及び「小当り停止図柄」を決定する処理を行った後(S1116)、S1160の処理に移行する。なお、S1116の処理では、「小当り演出の演出パターン」として、演出表示装置27の表示画面27aで実行される演出表示の実行態様、「小当り停止図柄」として、「小当りを確定表示する演出図柄」の具体的な態様が決定される。
更に、当否判定の結果が外れである場合(S1110;NO、S1112;NO)、受信した変動パターン指定コマンドに基づき、「外れ演出の変動パターン」及び「外れ停止図柄」を決定する処理を行った後(S1118)、S1160の処理に移行する。なお、S1118の処理では「外れ演出の演出パターン」として、演出表示装置27の表示画面27aで実行される演出表示の実行態様、リーチ表示の実行有無、リーチ表示を実行する場合のリーチ表示態様等が決定される。また、「外れ停止図柄」として、「外れを確定表示する演出図柄」の具体的な態様が決定される。
なお、S1115の処理、S1116の処理、S1118の処理では、演出図柄に関する演出表示の実行態様や停止図柄の態様の他に、その他の演出要素に関する演出態様等が選択・セットされる。つまり、疑似図柄以外の表示演出要素(背景図柄、キャラクタ図柄、実写映像)に関する演出態様、音声演出要素に関する演出態様、発光演出要素に関する演出態様が選択・セットされる。
S1160の処理において、サブ制御部220Aは、受信した変動パターン指定コマンド及び特別図柄停止情報指定コマンドに基づいて、S1115若しくはS1118で決定した「変動パターン(演出パターン)」及び「演出図柄の停止図柄」を指定するコマンド(演出表示詳細コマンド)を演出表示制御部222A(演出表示制御基板222)に送信し、演出表示装置27において疑似図柄や背景図柄等の演出図柄の変動表示(図柄変動演出)を開始させる(S1160)。そして、サブ制御部220Aが、主制御部200A(主制御基板200)から送信される図柄停止指定コマンドを受信すると(S1165;YES)、サブ制御部220Aは、受信した演出停止指定コマンドを演出表示制御部222Aに転送し、演出表示装置27において、演出図柄と背景図柄の演出表示を停止させる(S1170)。
(8)実施例の効果
本遊技機1では、遊技状態として、第2始動入賞装置17bへの入球頻度(入球確率)が異なる3種類の遊技状態を設ける。つまり、遊技状態として、(a)開放延長機能が作動せず、普通時間の変動時間が通常時間とされる通常遊技状態(第1入球頻度状態)の他に、(b)開放延長機能が作動し、普通時間の変動時間が第1短縮時間(5秒)とされる第1有利状態(第2入球頻度状態)と、(c)開放延長機能が作動し、普通時間の変動時間が第2短縮時間(2秒)とされる第2有利状態(第3入球頻度状態)とを設ける。そして、第2当否判定の結果が特定結果(当り)となった際の遊技状態が、第1有利状態および第2有利状態のうちで有利度が低い第1有利状態である場合と、有利度が高い第2有利状態である場合とにおいて、大当り遊技後に有利な遊技状態(基準とする第1入球頻度状態よりも第2始動入賞装置17bへの入球頻度が高い遊技状態)が継続される確率を異なったものとする。このように、実施例1では、第1遊技状態の他に、遊技者にとっての有利度が高い遊技状態を複数設定し、設定可能な遊技状態の多様化を図るとともに、有利度が高い第2遊技状態で第2当否判定の結果が特定結果となったか、或いは、有利度が更に高い第3遊技状態で第2当否判定の結果が特定結果となったかによって、複数の遊技状態を異なる割合で設定する(遊技状態の振分態様を異ならせる)。
本遊技機1では、遊技状態として、第2始動入賞装置17bへの入球頻度(入球確率)が異なる3種類の遊技状態を設ける。つまり、遊技状態として、(a)開放延長機能が作動せず、普通時間の変動時間が通常時間とされる通常遊技状態(第1入球頻度状態)の他に、(b)開放延長機能が作動し、普通時間の変動時間が第1短縮時間(5秒)とされる第1有利状態(第2入球頻度状態)と、(c)開放延長機能が作動し、普通時間の変動時間が第2短縮時間(2秒)とされる第2有利状態(第3入球頻度状態)とを設ける。そして、第2当否判定の結果が特定結果(当り)となった際の遊技状態が、第1有利状態および第2有利状態のうちで有利度が低い第1有利状態である場合と、有利度が高い第2有利状態である場合とにおいて、大当り遊技後に有利な遊技状態(基準とする第1入球頻度状態よりも第2始動入賞装置17bへの入球頻度が高い遊技状態)が継続される確率を異なったものとする。このように、実施例1では、第1遊技状態の他に、遊技者にとっての有利度が高い遊技状態を複数設定し、設定可能な遊技状態の多様化を図るとともに、有利度が高い第2遊技状態で第2当否判定の結果が特定結果となったか、或いは、有利度が更に高い第3遊技状態で第2当否判定の結果が特定結果となったかによって、複数の遊技状態を異なる割合で設定する(遊技状態の振分態様を異ならせる)。
具体的には、第2当否判定の結果が特定結果(当り)となった際の遊技状態が、第2有利状態の場合、有利な遊技状態(第1有利状態若しくは第2有利状態)が継続される確率が「100%」とされ、第1有利状態の場合、有利な遊技状態(第1有利状態若しくは第2有利状態)が継続される確率が「50%」とされている。そして、このように、有利度が異なる3個の遊技状態(入球状態)を備えるとともに、第2当否判定の結果が特定結果(当り)となった際の遊技状態が、第1有利状態および第2有利状態のうちの何れであるかによって、大当り遊技後に有利な遊技状態(基準とする第1入球頻度状態よりも第2始動入賞装置17bへの入球頻度が高い遊技状態)が継続される確率を異なったものとすることで、遊技の幅(バリエーション)を広げ、遊技興趣を高めることができる。
また、有利な遊技状態(第1有利状態としての第2入球頻度状態、第2有利状態としての第3入球頻度状態)のうちの何れの遊技状態に滞在するかによって、遊技中の遊技者に適度な刺激を与えることができる。例えば、通常遊技状態(第1遊技状態)で遊技を行う遊技者には、有利度が高い遊技状態(第1有利状態、第2有利状態)に移行することへの期待感を抱いて遊技を行わせ、第1有利状態(第2遊技状態)で遊技を行う遊技者には、有利度が更に高い遊技状態(第2有利状態)に移行することへの期待感と通常遊技状態(第1遊技状態)に移行(陥落)しないことを臨む緊張感を抱いて遊技を行わせ、第2有利状態(第3遊技状態)で遊技を行う遊技者には、第2有利状態(第3遊技状態)を維持することへの期待感と有利度が低い遊技状態に移行(陥落)しないことを臨む緊張感を抱いて遊技を行わせることができる。このように、本実施例によると、遊技状態の多様化を図ることで、遊技中の遊技者に適度な刺激を与え、遊技興趣を高めることができる。しかも、本実施例によると、遊技者にとっての有利度が最も高い第2有利状態(第3遊技状態)で特別図柄の変動表示を所定回数実行すると(所定回数実行して特定結果が得られないと)、遊技状態が第2有利状態(第3遊技状態)からそれよりも有利度が低い有利状態(第2遊技状態)に移行するので、遊技状態の移行パターンの多様化を図ることができ、この点からも遊技興趣を高めることができる。
次に、実施例2の遊技機について説明する。この実施例2は、図44(a)に示すように、第1有利状態の構成と第2有利状態の構成が異なることを除いて、実施例1と同様である。この実施例2では、図44(b)に示すように、図11の代わりに図44(a)を用いる点と、図26の代わり図45を用いる点と、図34〜図37の代わり図46〜49を用いる点が実施例1と異なる。
図44(a)に示すように、実施例2の遊技機において設定可能な遊技状態も、(a)通常遊技状態(第1遊技状態)と、(b)第1有利状態(第2遊技状態)と、(c)第2有利状態(第3遊技状態)とである。また、実施例2においても第1有利状態(第2遊技状態)および第2有利状態(第3遊技状態)は開放延長機能及び時短機能が作動する状態である。但し、第2有利状態(第3遊技状態)において特別図柄の変動開始時に設定される変動時間(変動表示時間)の平均値が、第1有利状態(第2遊技状態)において特別図柄の変動開始時に設定される変動時間(変動表示時間)の平均値よりも短くされる。
具体的に説明すると、通常遊技状態(第1遊技状態)では、第2始動入賞装置17bへの入球頻度が第1入球頻度状態(第2始動入賞装置17bへの遊技球の入球頻度が第1の頻度)となるとともに、特別図柄の変動開始時に設定される変動時間(変動表示時間)の平均値が所定時間に設定される。この第1入球頻度状態の意義は実施例1と同様である。つまり、実施例2の第1入球頻度状態では、実施例1と同様に開放延長機能が作動しない(第2始動入賞装置17bの開放時間が0.2秒とされる)とともに、普通図柄の変動時間が通常変動時間(例えば、30秒)に決定される。また、第1入球頻度状態は、開放延長機能が作動しない遊技状態であり、普通図柄に関する抽選(第1当否判定)が低確率(例えば、当り確率30%、3/10)で行われる。
また、第1有利状態(第2遊技状態)では開放延長機能が作動する(第2始動入賞装置17bの開放時間が5秒とされる)とともに、普通図柄の変動時間が通常変動時間よりも短くされた短縮変動時間(例えば、5秒であって、図28(a)の第1短縮時間決定テーブルを参照)に決定される。つまり、第1有利状態においては、第2始動入賞装置17bへの遊技球の入球頻度が、実施例1の第2入球頻度状態に相当する状態、つまり、第2始動入賞装置17bへの遊技球の入球頻度が第1の頻度よりも高い第2の頻度とされる。しかも、特別図柄の変動開始時に設定される変動時間(変動表示時間)の平均値が、通常遊技状態(第1遊技状態)の際に設定される平均値(所定時間)よりも短くされる。このため、第1有利状態(第2遊技状態)では通常遊技状態(第1遊技状態)に比べて、特別図柄の変動表示が高頻度で実行される可能性が高くなる。
更に、第2有利状態(第3遊技状態)では開放延長機能が作動する(第2始動入賞装置17bの開放時間が5秒とされる)とともに、普通図柄の変動時間が通常変動時間よりも短くされた短縮変動時間(例えば、5秒であって、図28(a)の第1短縮時間決定テーブルを参照)に決定される。つまり、第2有利状態(第3遊技状態)および第1有利状態(第2遊技状態)においては、第2始動入賞装置17bへの遊技球の入球頻度が同程度とされる(何れも第2始動入賞装置17bへの遊技球の入球頻度が第1の頻度よりも高い第2の頻度とされる)。但し、第2有利状態(第3遊技状態)において特別図柄の変動時間(変動表示時間)として設定される時間の平均値が、第1有利状態(第2遊技状態)において特別図柄の変動時間(変動表示時間)として設定される時間の平均値よりも小さくされる。このため、第2有利状態(第3遊技状態)では第1有利状態(第2遊技状態)に比べて、特別図柄の変動表示が高頻度で実行される可能性が高くなる。
このように実施例2では、第2始動入賞装置17bへの入球頻度を、第1有利状態(第2遊技状態)および第2有利状態(第3遊技状態)において同一(実施例1の第2入球頻度状態)に設定するが、この入球頻度が、第1有利状態(第2遊技状態)よりも第2有利状態(第3遊技状態)において高くされてもよい。例えば、第2始動入賞装置17bへの入球頻度を、第1有利状態(第2遊技状態)において実施例1の第2入球頻度状態に設定し、第2有利状態(第3遊技状態)において実施例1の第3入球頻度状態に設定してもよい。
また、このように、第1有利状態(第2遊技状態)および第2有利状態(第3遊技状態)は開放延長機能が作動する遊技状態であるため、第2始動入賞装置17bに遊技球が入球する頻度は、第1入球頻度に比べて高くなる。しかも、第1有利状態(第2遊技状態)および第2有利状態(第3遊技状態)では通常遊技状態(第1遊技状態)に比べて、普通図柄に関する抽選(第1当否判定)で当りとなる確率が通常遊技状態(第1遊技状態)よりも高くなるとともに、普通図柄の変動時間が変動時間よりも短くされる。このため、何れの有利状態においても、通常遊技状態(第1遊技状態)に比べて、第2始動入賞装置17bが開放状態となる頻度が高くなり、特別図柄の変動表示の実行頻度が高くなる。そして、第2有利状態(第3遊技状態)は第1有利状態(第2遊技状態)に比べて、特別図柄の変動開始時に設定される変動時間(変動表示時間)の平均値が短くされるため、特別図柄の変動表示の実行頻度が高くなる。
なお、実施例2では、「第1有利状態」および「第2有利状態」において入球頻度を「第1入球頻度」としてもよい。また、「第1有利状態」および「第2有利状態」の間で第2始動入賞装置17bの入球頻度に差異を設けてもよい。例えば、「第1有利状態」において入球頻度を「実施例1の第2入球頻度に相当する状態」とし、「第2有利状態」において入球頻度を「実施例1の第3入球頻度に相当する状態」としてもよい。
次に、実施例2においても、主制御基板200に搭載されたCPU201は図25に基づいて遊技制御処理を実行する。すなわち、実施例2の遊技制御処理においても、タイマ更新処理(S70)、賞球払出処理(S80)、普通図柄遊技処理(S100)、普通電動役物遊技処理(S200)、特別図柄遊技処理(S300)、小当り遊技処理(S600)、大当り遊技処理(S800)等の各処理が繰り返し実行されている。但し、普通図柄遊技処理(S100)および特別図柄遊技処理(S300)は以下の点が実施例1と異なっている。
図45に示すように、開放延長フラグがセット(ONに設定)されている場合には(S138;YES)、S115の処理にて記憶された乱数値のうち最も古いものを用いて、普通図柄に関する普図当否判定(第1当否判定)を高確率(高い当選確率)にて行うとともに、普通図柄に関する保留数を「−1」する処理を行う(S145)。この後、「普通図柄の変動時間」として「短縮時間(5秒)に短縮化した変動時間」を設定した後(S157)、普通図柄の変動表示を開始させる(S160)。そして、S160の処理の後、普通図柄遊技処理を終了して図25の遊技制御処理に復帰する。ここで、S157で設定される普通図柄の変動時間としては、「5秒」を例示できる。なお、本実施例では、「短縮時間に短縮化した変動時間」を決定する際に用いる「短縮変動時間決定テーブル」に1個の変動時間のみが記憶されているため、「短縮時間に短縮化した変動時間」は一義的に「5秒」とされるが、「短縮変動時間決定テーブル」として、乱数値と対応する状態で複数個(例えば、「10」、「11秒」、 「9秒」、「12秒」の4個)記憶したものを用いてもよく、この場合、乱数抽選によって「短縮時間に短縮化した変動時間」を設定することとしてもよい。
一方、実施例2においても開放延長フラグが解除(OFFに設定)されている場合には(S138;NO)には、実施例1の普通図柄遊技処理(S100)と同様な処理が実行される。つまり、S115の処理にて記憶された乱数値のうち最も古いものを用いて、普通図柄に関する普通図柄に関する普図当否判定(第1当否判定)を低確率(低い当選確率)にて行うとともに、普通図柄に関する保留数を「−1」する処理を行う(S148)。そして、「普通図柄の変動表示の時間」として通常時間(図28(a)に示すように、30秒)を設定した後(S156)、普通図柄の変動表示を開始させる(S160)。そして、S160の処理の後、普通図柄遊技処理を終了して図25の遊技制御処理に復帰する。なお、S156で設定される普通図柄の変動時間は、一般的な遊技機において「変動時間短縮機能未作動時用」の普通図柄の変動表示時間として設定される時間である。なお、本実施例では、この「通常変動時間」を決定する際に用いる「通常変動時間決定テーブル」に1個の変動時間のみが記憶されているため、「通常変動時間」は一義的に「30秒」とされるが、「通常動時間決定テーブル」として、乱数値と対応する状態で複数個(例えば、「30」、「25秒」、 「32秒」、「28秒」の4個)記憶したものを用いてもよく、この場合、乱数抽選によって「通常変動時間(短縮化しない変動時間)」を設定することとしてもよい。
なお、普通電動役物遊技処理(S200)のその処理については、実施例1の普通図柄遊技処理と同様である。
次に、実施例2の特別図柄遊技処理(S300)の特徴を説明する。この実施例2の特別図柄遊技処理(S300)は、特図2図柄変動開始処理(S500b)および特図1図柄変動開始処理(S500a)に相違点があることを除いて、実施例1の特別図柄遊技処理(S300)と同様である。以下、実施例2の特図2図柄変動開始処理(S500b)および特図1図柄変動開始処理(S500a)について説明する。
実施例2の特図2図柄変動開始処理(S500b)においても、図33に示すように、先ず、特図2当否判定処理(S320b)の結果に基づいて変動設定処理(S510C、S510D、S540)等を行う。すなわち、特図2当否判定処理(S320)の結果が「大当り」である場合には(S502;YES)、S510Cに移行して「大当り変動設定処理(510C)」を行う。この大当り変動設定処理(S510C)では、図46に示すように、S306bの処理(図29を参照)において取得した図柄決定乱数値を第2判定用乱数値メモリから読み出した後(S512)、第2特別図柄表示部62bに停止表示される大当り図柄を設定(決定)する(S514)。そして、遊技機1の遊技状態等を考慮して変動パターンテーブルを選択(セット)する処理(S525、S526、S530)を行う。
つまり、遊技機1の遊技状態が通常遊技状態である場合(実施例2では変動短縮フラグが解除されている場合)には(S522;NO)、通常遊技状態に対応する変動パターンテーブルをセットする処理を行った後(S530)、S536の処理に移行する。これに対して、遊技機1の遊技状態が有利状態(第1有利状態又は第2有利状態)である場合(実施例2では変動短縮フラグがセットさている場合)には(S522;YES)、第1有利状態がセット(ONに設定)されているか否かを判断し(S523)、セット(ONに設定)されている場合には(S523;YES)、大当り用の第1変動短縮パターンテーブルをセットする処理を行った後(S525)、S536の処理に移行する。また、第2有利状態がセット(ONに設定)されている場合には(S523;NO)、大当り用の第2変動短縮パターンテーブルをセットする処理を行った後(S526)、S536の処理に移行する。
ここで、図46のS530の処理では図48の(a)に示す通常変動パターンテーブルがセットされ、S525の処理では図48の(b)に示す第1変動短縮変動パターンテーブルがセットされ、S526の処理では図48の(c)に示す第2変動短縮変動パターンテーブルがセットされる。また、図48の(a)の通常変動パターンテーブルを用いた乱数抽選で選択される変動パターンにより特定される変動時間(特別図柄の変動表示時間)の平均値(以下、「第1平均値」という。)は「35.5秒」とされ、図48の(b)の第1変動短縮変動パターンテーブルをを用いた乱数抽選で選択される変動パターンにより特定される変動時間(特別図柄の変動表示時間)の平均値(以下、「第2平均値」という。)は「14.8秒」とされ、「第1平均値」よりも短くされている。更に、図48の(c)の第2変動短縮変動パターンテーブルを用いた乱数抽選で選択される変動パターンにより特定される変動時間(特別図柄の変動表示時間)の平均値(以下、「第3平均値」という。)は「7.0秒」とされ、「第1平均値」よりも短くされている。
また、特図2当否判定処理(S320b)の結果が「小当り」である場合には(S502;NO、S505;YES)、S510Dに移行して「小当り変動設定処理」を行う。この小当り変動設定処理(S510D)では、図46に示すように、S306bの処理(図29を参照)において取得した図柄決定乱数値を第2判定用乱数値メモリから読み出した後(S512)、第2特別図柄表示部62bに停止表示される小当り図柄を設定(決定)する(S514)。そして、遊技機1の遊技状態等を考慮して変動パターンテーブルを選択(セット)する処理(S525、S526、S530)を行う。
つまり、遊技機1の遊技状態が通常遊技状態である場合(実施例1では変動短縮フラグが解除されている場合)には(S522;NO)、通常遊技状態に対応する変動パターンテーブルをセットする処理を行った後(S530)、S536の処理に移行する。これに対して、遊技機1の遊技状態が有利状態(第1有利状態又は第2有利状態)である場合(実施例2では変動短縮フラグがセットさている場合)には(S522;YES)、第1有利状態がセット(ONに設定)されているか否かを判断し(S523)、セット(ONに設定)されている場合には(S523;YES)、小当り用の第1変動短縮パターンテーブルをセットする処理を行った後(S525)、S536の処理に移行する。また、第2有利状態がセット(ONに設定)されている場合には(S523;NO)、小当り用の第2変動短縮パターンテーブルをセットする処理を行った後(S526)、S536の処理に移行する。
ここで、図46のS530の処理では図48の(d)に示す通常変動パターンテーブルがセットされ、S525の処理では図48の(e)に示す第1変動短縮変動パターンテーブルがセットされ、S526の処理では図48の(f)に示す第2変動短縮変動パターンテーブルがセットされる。また、図48の(d)に示す通常変動パターンテーブルを用いた乱数抽選で選択される変動パターンにより特定される変動時間(特別図柄の変動表示時間)の平均値(以下、「第4平均値」という。)は「24.5秒」とされ、図48の(e)に示す第1変動短縮変動パターンテーブルを用いた乱数抽選で選択される変動パターンにより特定される変動時間(特別図柄の変動表示時間)の平均値(以下、「第5平均値」という。)は「11.8秒」とされ、「第4平均値」よりも短くされている。更に、図48の(f)に示す第2変動短縮変動パターンテーブルを用いた乱数抽選で選択される変動パターンにより特定される変動時間(特別図柄の変動表示時間)の平均値(以下、「第6平均値」という。)は「4.8秒」とされ、「第5平均値」よりも短くされている。
S510Cの処理およびS510Dの処理のうちの何れにおいても変動パターンテーブル振り分ける処理(S522、S525、S526、S530)を終了すると、変動パターン決定乱数(特別図柄の変動パターンを決定するための乱数)を取得し(S536)、S525、S526の処理若しくはS530の処理ででセットした変動パターンテーブルと、S536の処理で取得した乱数値とを用いて変動パターンを決定した後(S538)、図33のS590の処理に移行する。なお、図33のS590以降の処理に関しては実施例1と同様である。
また、図33に示すように、特図2当否判定処理(S320b)の結果が外れである場合には(S502;NO、S505;NO)、S540に移行して「外れ変動設定処理」を行う。この外れ変動設定処理(S540)では、図47に示すように、遊技機1の遊技状態が通常遊技状態である場合(実施例2では変動短縮フラグが解除されている場合)には(S547;NO)、通常遊技状態に対応する変動パターンテーブルをセットする処理を行った後(S580)、S582の処理に移行する。これに対して、遊技機1の遊技状態が有利状態(第1有利状態又は第2有利状態)である場合(実施例2では変動短縮フラグがセットさている場合)には(S547;YES)、第1有利状態がセット(ONに設定)されているか否かを判断し(S548)、セット(ONに設定)されている場合には(S548;YES)、外れ用の第1変動短縮パターンテーブルをセットする処理を行った後(S551)、S582の処理に移行する。また、第2有利状態がセット(ONに設定)されている場合には(S548;NO)、外れ用の第2変動短縮パターンテーブルをセットする処理を行った後(S560)、S582の処理に移行する。
また、S551の処理、S560の処理およびS580の処理では、遊技機1の遊技状態(遊技状態)と、リーチ演出の実行の有無と、特別図柄の変動開始時の保留数を考慮して変動パターンテーブルが選択される。具体的には、遊技機1の遊技状態が通常遊技状態であってリーチ演出を行う場合には、図49(a)の「リーチ演出あり」と表記された欄の変動パターンテーブルがセットされる。また、遊技機1の遊技状態が通常遊技状態であってリーチ演出を行わない場合には、図49(a)の「リーチ演出なし」と表記された欄の各変動パターンテーブルのうち、変動開始時の保留数(第2特別図柄の変動開始時には第2保留数、第1特別図柄の変動開始時には第1保留数、)に対応する変動パターンテーブルがセットされる。
更に、遊技機1の遊技状態が第1有利状態であってリーチ演出を行う場合には、図49(b)の「リーチ演出あり」と表記された欄の変動パターンテーブルがセットされる。また、遊技機1の遊技状態が第1有利状態であってリーチ演出を行わない場合には、図49(b)の「リーチ演出なし」と表記された欄の各変動パターンテーブルのうち、変動開始時の保留数(第2特別図柄の変動開始時には第2保留数、第1特別図柄の変動開始時には第1保留数、)に対応する変動パターンテーブルがセットされる。更に、遊技機1の遊技状態が第2有利状態であってリーチ演出を行う場合には、図49(c)の「リーチ演出あり」と表記された欄の変動パターンテーブルがセットされる。また、遊技機1の遊技状態が第2有利状態であってリーチ演出を行わない場合には、図49(c)の「リーチ演出なし」と表記された欄の各変動パターンテーブルのうち、変動開始時の保留数(第2特別図柄の変動開始時には第2保留数、第1特別図柄の変動開始時には第1保留数、)に対応する変動パターンテーブルがセットされる。なお、リーチ演出の実行の有無は、S306bの処理(図28を参照)において取得したリーチ乱数値を読み出し、この読み出したリーチ乱数値に基づいて決定される。
また、図49の(a)の通常変動パターンテーブルを用いた乱数抽選で選択される変動パターンにより特定される変動時間(特別図柄の変動表示時間)の平均値(以下、「第7平均値」という。)は「25.0秒」とされている。また、図49の(b)の第1変動短縮変動パターンテーブルを用いた乱数抽選で選択される変動パターンにより特定される変動時間(特別図柄の変動表示時間)の平均値(以下、「第8平均値」という。)は「7.5秒」とされ、「第7平均値」よりも短くされている。更に、図49の(c)に示す第2変動短縮変動パターンテーブルを用いた乱数抽選で選択される変動パターンにより特定される変動時間(特別図柄の変動表示時間)の平均値(以下、「第9平均値」という。)は「1.1秒」とされ、「第8平均値」よりも短くされている。
以上のように、特別図柄の変動時間を決定するための変動パターンが記憶された変動パターンテーブルとして、本遊技機1の遊技状態が通常遊技状態である場合には、通常変動用の変動表示時間を決定するための変動パターンテーブル、つまり、特別図柄に関する変動時間短縮機能(時短機能)が作動していないときの変動パターンテーブルが用いられる{図48(a)、(d)、図49(a)を参照}。また、本遊技機1の遊技状態が第1有利状態若しくは第2有利状態である場合には、短縮変動用の変動表示時間を決定するための変動パターンテーブル、つまり、特別図柄に関する変動時間短縮機能(時短機能)が作動しているときの変動パターンテーブルが用いられる{図48(b)、(c)、(e)、(f)、図49(b)、(c)を参照}。なお、実施例2において、「変動短縮状態(時短状態)」とは、変動時間短縮機能(時短機能)が作動している状態を指すものである。そして、開放延長機能が作動する遊技状態において変動時間短縮機能(時短機能)が作動するため、本実施例の説明では、「短縮変動状態(時短状態)」を「開放延長状態」と読み替えることができる。
また、S525、S526、S530、S551、S560若しくはS580で選択される変動パターンテーブルには、多数の変動パターン(例えば、20種、50種、100種)が記憶されている。そして、第2当否判定(特図2当否判定、特図1当否判定)の結果が「外れ」である場合において、「短縮変動状態のときに特定される変動表示時間」は、「短縮変動状態でないときに特定される変動表示時間」に比べて短くされる可能性が高い。また、本実施例では、第2当否判定(特図2当否判定、特図1当否判定)の結果が「外れ」である場合、特別図柄の保留数が考慮され、保留数が少ない場合(例えば、変動パターン決定時の保留数が「1」の場合)には、長めの変動表示時間を特定する変動パターンが選択され、保留数が多い場合(例えば、変動パターン決定時の保留数が「3」〜「4」の場合)には、短めの変動表示時間を特定する変動パターンが選択される傾向にある。また、リーチ表示を行わないと判断される場合に選択される変動パターンで特定される変動表示時間は、リーチ表示を行うと判断される場合に選択される変動パターンで特定される変動表示時間に比べて短くされる傾向にある。なお、各「変動パターンテーブル」は、主制御基板200に搭載されたROM203に予め設定されている。
また、実施例2では、前述のように、第2当否判定(特図2当否判定、特図1当否判定)の結果を問わず、「第1変動短縮変動パターンテーブルを用いて選択される変動パターンによって特定される変動表示時間(特別図柄の変動表示時間)の平均値(第2平均値、第5平均値、第8平均値)」は、「通常変動パターンテーブルを用いて選択される変動パターンによって特定される変動表示時間(特別図柄の変動表示時間)の平均値(第1平均値、第4平均値、第7平均値)」よりも短くされている。また、「第2変動短縮変動パターンテーブルを用いて選択される変動パターンによって特定される変動表示時間(特別図柄の変動表示時間)の平均値(第3平均値、第6平均値、第9平均値)」は、「第1変動短縮変動パターンテーブルを用いて選択される変動パターンによって特定される変動表示時間(特別図柄の変動表示時間)の平均値(第2平均値、第5平均値、第8平均値)」よりも短くされる。
但し、実施例2では、各変動パターンテーブルが当り用(大当り用・小当り用)と外れ用とで区別されている場合には、「外れ用変動パターンテーブル」間において、「第2平均値、第5平均値、第8平均値」が「第1平均値、第4平均値、第7平均値」よりも短くされ、「第3平均値、第6平均値、第9平均値」が「第2平均値、第5平均値、第8平均値」よりも短くされる関係を満たすが、当り用(大当り用・小当り用)の変動パターンテーブル」間において、当該関係を満たさないこととしてもよい。蓋し、各「外れ用変動パターンテーブル」は「当り用変動パターンテーブル」に比べて使用頻度が高い。しかも、当り(大当り・小当り)を報知するための変動は、短縮変動用の変動パターンテーブルで特定される場合であっても、十分なリーチ演出を行うために通常変動のように変動表示時間が長くすることが望ましい場合もあるからである。
実施例2においても、CPU201はS510C、S510D若しくはS540の処理を行った後、図33に示すように、第2特別図柄表示部62bにて第2特別図柄(特図2)の変動を開始する(S590)とともに、サブ制御部200A(サブ制御基板220)に向かって図柄変動の開始を示す所定のコマンド(図柄変動開始時コマンド)を送信する(S592)。更に、CPU201は、第2特別図柄に係る「特別図柄の保留数」を「1」減算する処理と、減算された後の保留数を特定するためのコマンドをサブ制御基板220に送信する処理とを行った後(S595)、図柄変動開始処理(S500b)を終了し、更に特別図柄遊技処理(S300)を終了して、図25の遊技制御処理に復帰する。
また、実施例の特図1図柄変動開始処理(S500a)も、S500bの処理として行われる特図2図柄変動開始処理(S500b)と同様に図33に基づいて行われる。つまり、図34(a)に示すフロー図に基づいて、第1当否判定処理(S320a)の結果に基づき第1特別図柄の変動パターンを選択(決定)する処理や、第1特別図柄表示部62aに停止表示される図柄を選択(決定)する処理等を行った後(S510C、S510D、S540)、S590、S592、S595の処理が実行される。
実施例2の遊技機においては、設定可能な遊技状態として、基準とする通常変動状態(通常遊技状態)の他に、通常遊技状態(第1遊技状態)よりも特別図柄の変動表示時間が短く、変動表示の実行頻度が高くなり易い第1時短変動状態(第1有利状態)と、第1時短変動状態(第1有利状態)よりも特別図柄の変動表示時間が短く、変動表示の実行頻度が更に高くなり易い第2時短変動状態(第2有利状態)とを設ける。そして、第2当否判定の結果が特定結果(当り)となった際の遊技状態が、第1有利状態および第2有利状態のうちで有利度が低い第1有利状態(第2入球頻度状態)である場合と、有利度が高い第2有利状態である場合とにおいて、大当り遊技後に有利な遊技状態(基準とする第1入球頻度状態よりも有利な遊技状態)が継続される確率を異なったものとする。このように、実施例2においては、第1遊技状態の他に、識別情報の変動表示時間の異なる遊技状態(遊技者にとっての有利度が高い遊技状態)を複数設定し、設定可能な遊技状態の多様化を図るとともに、第2遊技状態で第2当否判定の結果が特定結果となったか、或いは、第3遊技状態で第2当否判定の結果が特定結果となったかによって、複数の遊技状態を異なる割合で設定する(遊技状態の振分態様を異ならせる)。
具体的には、第2当否判定の結果が特定結果(当り)となった際の遊技状態が、第2有利状態の場合、有利な遊技状態(第1有利状態若しくは第2有利状態)が継続される確率が「100%」とされ、第1有利状態の場合、有利な遊技状態(第1有利状態若しくは第2有利状態)が継続される確率が「50%」とされている。そして、このように、有利度が異なる3個の遊技状態(入球状態)を備えるとともに、第2当否判定の結果が特定結果(当り)となった際の遊技状態が、第1有利状態および第2有利状態のうちの何れであるかによって、大当り遊技後に有利な遊技状態(基準とする第1入球頻度状態よりも有利な遊技状態)が継続される確率を異なったものとすることで、遊技の幅(バリエーション)を広げ、遊技興趣を高めることができる。
従って、実施例2によると、第2当否判定の結果が特定結果となった後に設定される遊技状態の多様化を図ることができる。そして、このように、特別図柄の変動表示の実行頻度が異なる複数(3以上)の遊技状態を備えることで、遊技の幅(バリエーション)を広げることができるばかりか、複数の遊技状態(第1有利状態若しくは第2有利状態)のうちの何れの遊技状態に滞在するかによって、遊技中の遊技者に適度な刺激を与えることができる。例えば、通常遊技状態(第1遊技状態)で遊技を行う遊技者には、特別図柄の変動表示時間が短い(有利度が高い遊技状態、つまり、第1有利状態若しくは第2有利状態)に移行することへの期待感を抱いて遊技を行わせ、第1時短変動状態(第1有利状態)で遊技を行う遊技者には、有利度が更に高い第2時短変動状態(第2有利状態)への移行することへの期待感と通常遊技状態(第1遊技状態)に移行(陥落)しないこと望む緊張感を抱いて遊技を行わせる。また、第2時短変動状態(第2有利状態)で遊技を行う遊技者には、第2時短変動状態(第2有利状態)を維持することへの期待感と、それよりも特別図柄の変動表示時間が長い(有利度が低い、第1有利状態)に移行(陥落)しないこと望む緊張感を抱いて遊技を行わせることができる。このように、実施例2の遊技機によると、遊技状態の多様化を図ることで、遊技中の遊技者に適度な刺激を与え、遊技興趣を高めることができる。
しかも、実施例2によると、特別図柄の変動表示時間が最も短い第2有利状態(第3遊技状態)で特別図柄の変動表示を所定回数実行すると(所定回数実行して特定結果が得られないと)、遊技状態が第2有利状態(第3遊技状態)からそれよりも特別図柄の変動表示時間が長い第2遊技状態に移行するので、遊技状態の移行パターンをより多様化することができる。この点からも遊技興趣を高めることができる。
次に、実施例3の遊技機について説明する。この実施例3は、図50(a)に示すように、第1有利状態の構成と第2有利状態の構成が異なることを除いて、実施例1と同様である。この実施例3では、図50(b)に示すように、図11の代わりに図50(a)を用いる点と、図26の代わり図45を用いる点と、図31の一部に図51に示す修正を加えている点と、図34の代わりに図52を用いる点と、図35の代わりに図53を用いる点と、図36の代わりに図48を用いる点と、図37の代わりに図49を用いる点と、図41の代わりに図54を用いる点が実施例1と異なる。
図50(a)に示すように、実施例3の遊技機において設定可能な遊技状態も、(a)通常遊技状態(第1遊技状態)と、(b)第1有利状態(第2遊技状態)と、(c)第2有利状態(第3遊技状態)とである。また、実施例3においても第1有利状態(第2遊技状態)および第2有利状態(第3遊技状態)では第2入球頻度状態とされる。但し、第2有利状態(第3遊技状態)では特別図柄の時短機能が作動するが、第1有利状態(第2遊技状態)では特別図柄の時短機能が作動しない。つまり、図50(a)に示すように、実施例3において、通常遊技状態(第1遊技状態)は、通常変動状態でかつ第1入球頻度状態とされる遊技状態であり、第1有利状態(第2遊技状態)は通常変動状態でかつ第2入球頻度状態とされる遊技状態であり、第2有利状態(第3遊技状態)は時短変動状態でかつ第2入球頻度状態とされる遊技状態である。
具体的に説明すると、通常遊技状態(第1遊技状態)では、第2始動入賞装置17bへの入球頻度が第1入球頻度状態となるとともに、特別図柄の変動開始時に設定される変動表示時間の平均値が所定時間に設定される。この第1入球頻度状態の意義は実施例1と同様である。つまり、実施例3の第1入球頻度状態では、実施例1と同様に開放延長機能が作動しない(第2始動入賞装置17bの開放時間が0.2秒とされる)とともに、普通図柄の変動時間が通常変動時間(例えば、30秒)に決定される。また、第1入球頻度状態は、開放延長機能が作動しない遊技状態であり、普通図柄に関する抽選(第1当否判定)が低確率(例えば、当り確率30%、3/10)で行われる。
また、第1有利状態(第2遊技状態)では開放延長機能が作動する(第2始動入賞装置17bの開放時間が5秒とされる)とともに、普通図柄の変動時間が通常変動時間よりも短くされた短縮変動時間(例えば、5秒)に決定される。しかも、特別図柄の変動開始時に設定される変動表示時間の平均値が、所定時間に設定される。このため、特別図柄の変動表示の頻度の点では第1有利状態(第2遊技状態)と通常遊技状態(第1遊技状態)は同程度であるが、第2始動入賞装置17bへの入球頻度の点では、第1有利状態(第2遊技状態)の方が通常遊技状態(第1遊技状態)よりも高くなる。
更に、第2有利状態(第3遊技状態)では開放延長機能が作動する(第2始動入賞装置17bの開放時間が5秒とされる)とともに、普通図柄の変動時間が通常変動時間よりも短くされた短縮変動時間(例えば、5秒)に決定される。つまり、第2有利状態(第3遊技状態)および第1有利状態(第2遊技状態)においては、第2始動入賞装置17bへの遊技球の入球頻度が同程度とされる(実施例1の第2入球頻度状態に相当する状態とされる)。但し、第2有利状態(第3遊技状態)において特別図柄の変動表示時間として設定される時間の平均値が、第1有利状態(第2遊技状態)において特別図柄の変動表示時間として設定される時間の平均値よりも小さくされる。このため、第2有利状態(第3遊技状態)では第1有利状態(第2遊技状態)や通常遊技状態(第1遊技状態)に比べて、特別図柄の変動表示が高頻度で実行される可能性が高くなる。
このように実施例3では、第2始動入賞装置17bへの入球頻度を、第1有利状態(第2遊技状態)および第2有利状態(第3遊技状態)において同一(実施例1の第2入球頻度状態)に設定するが、この入球頻度が、第1有利状態(第2遊技状態)よりも第2有利状態(第3遊技状態)において高くされてもよい。例えば、第2始動入賞装置17bへの入球頻度を、第1有利状態(第2遊技状態)において実施例1の第2入球頻度状態に設定し、第2有利状態(第3遊技状態)において実施例1の第3入球頻度状態に設定してもよい。
また、このように、第1有利状態(第2遊技状態)および第2有利状態(第3遊技状態)は開放延長機能が作動する遊技状態であるため、第2始動入賞装置17bに遊技球が入球する頻度は、通常遊技状態(第1入球頻度状態)に比べて高くなる。しかも、第1有利状態(第2遊技状態)および第2有利状態(第3遊技状態)では通常遊技状態(第1遊技状態)に比べて、普通図柄に関する抽選(第1当否判定)で当りとなる確率が通常遊技状態(第1遊技状態)よりも高くなるとともに、普通図柄の変動時間が変動時間よりも短くされる。このため、何れの有利状態においても、通常遊技状態(第1遊技状態)に比べて、第2始動入賞装置17bが開放状態となる頻度が高くなり、特別図柄の変動表示の実行頻度が高くなり易い。但し、第2有利状態(第3遊技状態)は第1有利状態(第2遊技状態)に比べて、特別図柄の変動開始時に設定される変動表示時間の平均値が短くされるため、第2有利状態(第3遊技状態)において特別図柄の変動表示の実行頻度がより高くなる。
実施例3においても、主制御基板200に搭載されたCPU201は図25に基づいて遊技制御処理を実行する。すなわち、実施例2の遊技制御処理においても、タイマ更新処理(S70)、賞球払出処理(S80)、普通図柄遊技処理(S100)、普通電動役物遊技処理(S200)、特別図柄遊技処理(S300)、小当り遊技処理(S600)、大当り遊技処理(S800)等の各処理が繰り返し実行されている。但し、普通図柄遊技処理(S100)および特別図柄遊技処理(S300)は以下の点が実施例1と異なっている。
実施例3においても、図45に示すように、開放延長フラグがセット(ONに設定)されている場合には(S138;YES)、S115の処理にて記憶された乱数値のうち最も古いものを用いて、普通図柄に関する普図当否判定(第1当否判定)を高確率(高い当選確率)にて行うとともに、普通図柄に関する保留数を「−1」する処理を行う(S145)。この後、「普通図柄の変動時間」として「短縮時間(5秒)に短縮化した変動時間」を設定した後(S157)、普通図柄の変動表示を開始させる(S160)。そして、S160の処理の後、普通図柄遊技処理を終了して図25の遊技制御処理に復帰する。ここで、S157で設定される普通図柄の変動時間としては、図28(a)に示すように、「5秒」を例示できる。なお、本実施例では、「短縮時間に短縮化した変動時間」を決定する際に用いる「短縮変動時間決定テーブル」に1個の変動時間のみが記憶されているため、「短縮時間に短縮化した変動時間」は一義的に「5秒」とされるが、「短縮変動時間決定テーブル」として、乱数値と対応する状態で複数個(例えば、「10」、「11秒」、 「9秒」、「12秒」の4個)記憶したものを用いてもよく、この場合、乱数抽選によって「短縮時間に短縮化した変動時間」を設定することとしてもよい。
一方、実施例3においても開放延長フラグが解除(OFFに設定)されている場合には(S138;NO)には、実施例1の普通図柄遊技処理(S100)と同様な処理が実行される。つまり、S115の処理にて記憶された乱数値のうち最も古いものを用いて、普通図柄に関する普通図柄に関する普図当否判定(第1当否判定)を低確率(低い当選確率)にて行うとともに、普通図柄に関する保留数を「−1」する処理を行う(S148)。そして、「普通図柄の変動表示の時間」として通常時間(図28(a)に示すように、30秒)を設定した後(S156)、普通図柄の変動表示を開始させる(S160)。そして、S160の処理の後、普通図柄遊技処理を終了して図25の遊技制御処理に復帰する。なお、S156で設定される普通図柄の変動時間は、一般的な遊技機において「変動時間短縮機能未作動時用」の普通図柄の変動表示時間として設定される時間である。なお、本実施例では、この「通常変動時間」を決定する際に用いる「通常変動時間決定テーブル」に1個の変動時間のみが記憶されているため、「通常変動時間」は一義的に「30秒」とされるが、「通常動時間決定テーブル」として、乱数値と対応する状態で複数個(例えば、「30」、「25秒」、 「32秒」、「28秒」の4個)記憶したものを用いてもよく、この場合、乱数抽選によって「通常変動時間(短縮化しない変動時間)」を設定することとしてもよい。
なお、普通電動役物遊技処理(S200)のその処理については、実施例1の普通図柄遊技処理と同様である。
次に、実施例3の特別図柄遊技処理(S300)の特徴を説明する。この実施例3の特別図柄遊技処理(S300)は、特図2図柄変動開始処理(S500b)および特図1図柄変動開始処理(S500a)に相違点があることと、S398の肯定的な判断を経た処理および否定的な判断を経た処理(図31を参照)が図51のS395の肯定的な判断を経た処理および否定的な判断を経た処理に置き換えられている点を除いて、実施例1の特別図柄遊技処理(S300)と同様である。以下、実施例3の特図2図柄変動開始処理(S500b)および特図1図柄変動開始処理(S500a)と、図53のS395の肯定的な判断を経た処理および否定的な判断を経た処理について説明する。
実施例3の特図2図柄変動開始処理(S500b)においても、図33に示すように、先ず、特図2当否判定処理(S320b)の結果に基づいて変動設定処理(S510C、S510D、S540)等を行う。すなわち、特図2当否判定処理(S320)の結果が「大当り」である場合には(S502;YES)、S510Cに移行して「大当り変動設定処理(510C)」を行う。この大当り変動設定処理(S510C)では、図52に示すように、S306bの処理(図29を参照)において取得した図柄決定乱数値を第2判定用乱数値メモリから読み出した後(S512)、第2特別図柄表示部62bに停止表示される大当り図柄を設定(決定)する(S514)。そして、遊技機1の遊技状態等を考慮して変動パターンテーブルを選択(セット)する処理(S525、S530)を行う。
具体的には、第2有利状態フラグが解除(OFFに設定)されている場合(S521;NO)、つまり、遊技機1の遊技状態が通常遊技状態若しくは第1有利状態である場合には(S521;NO)、通常遊技状態に対応する変動パターンテーブルをセットする処理を行った後(S530)、S536の処理に移行する。これに対して、遊技機1の遊技状態が第2有利状態である場合には(S521;YES)、大当り用の第2変動短縮パターンテーブルをセットする処理を行った後(S525)、S536の処理に移行する。ここで、図51のS530の処理では図48の(a)に示す通常変動パターンテーブルがセットされ、S525の処理では図48の(c)に示す第2変動短縮変動パターンテーブルがセットされる。また、図48の(a)の通常変動パターンテーブルを用いた乱数抽選で選択される変動パターンにより特定される変動表示時間(特別図柄の変動時間)の平均値(第1平均値)よりも、第2変動短縮変動パターンテーブルを用いた乱数抽選で選択される変動パターンにより特定される変動表示時間(特別図柄の変動時間)の平均値(「第3平均値」)の方が短くされている。
また、特図2当否判定処理(S320b)の結果が「小当り」である場合には(S502;NO、S505;YES)、S510Dに移行して「小当り変動設定処理」を行う。この小当り変動設定処理(S510D)では、図52に示すように、S306bの処理(図29を参照)において取得した図柄決定乱数値を第2判定用乱数値メモリから読み出した後(S512)、第2特別図柄表示部62bに停止表示される小当り図柄を設定(決定)する(S514)。そして、遊技機1の遊技状態等を考慮して変動パターンテーブルを選択(セット)する処理(S525、S526、S530)を行う。
具体的には、第2有利状態フラグが解除(OFFに設定)されている場合(S521;NO)、つまり、遊技機1の遊技状態が通常遊技状態若しくは第1有利状態である場合には(S521;NO)、通常遊技状態に対応する変動パターンテーブルをセットする処理を行った後(S530)、S536の処理に移行する。これに対して、遊技機1の遊技状態が第2有利状態である場合には(S521;YES)、小当り用の第1変動短縮パターンテーブルをセットする処理を行った後(S525)、S536の処理に移行する。ここで、図52のS530の処理では図48の(d)に示す通常変動パターンテーブルがセットされ、S525の処理では図48の(f)に示す第2変動短縮変動パターンテーブルがセットされる。また、図48の(d)の通常変動パターンテーブルを用いた乱数抽選で選択される変動パターンにより特定される変動表示時間(特別図柄の変動時間)の平均値(第4平均値)よりも、図48の(f)に示す第2変動短縮変動パターンテーブルを用いた乱数抽選で選択される変動パターンにより特定される変動表示時間(特別図柄の変動時間)の平均値(「第6平均値」)の方が短くされている。
S510Cの処理およびS510Dの処理のうちの何れにおいても変動パターンテーブル振り分ける処理(S525、S530)を終了すると、変動パターン決定乱数(特別図柄の変動パターンを決定するための乱数)を取得し(S536)、S525の処理若しくはS530の処理ででセットした変動パターンテーブルと、S536の処理で取得した乱数値とを用いて変動パターンを決定した後(S538)、図33のS590の処理に移行する。なお、図33のS590以降の処理に関しては実施例1と同様である。
また、図33に示すように、特図2当否判定処理(S320b)の結果が外れである場合には(S502;NO、S505;NO)、S540に移行して「外れ変動設定処理」を行う。この外れ変動設定処理(S540)では、図53に示すように、第2有利状態フラグが解除(OFFに設定)されている場合(S549;NO)、つまり、遊技機1の遊技状態が通常遊技状態若しくは第1有利状態である場合には(S549;NO)、通常遊技状態に対応する変動パターンテーブルをセットする処理を行った後(S580)、S582の処理に移行する。これに対して、遊技機1の遊技状態が第2有利状態である場合には(S549;YES)、外れ用の第2変動短縮パターンテーブルをセットする処理を行った後(S551)、S582の処理に移行する。
また、S551の処理若しくは580の処理では、「遊技機1の遊技状態(遊技状態)と、リーチ演出の実行の有無と、特別図柄の変動開始時の保留数を考慮して変動パターンテーブルが選択される。具体的には、遊技機1の遊技状態が通常遊技状態若しくは第1有利状態であってリーチ演出を行う場合には、図49(a)の「リーチ演出あり」と表記された欄の変動パターンテーブルがセットされる。また、遊技機1の遊技状態が通常遊技状態若しくは第1有利状態であってリーチ演出を行わない場合には、図49(a)の「リーチ演出なし」と表記された欄の各変動パターンテーブルのうち、変動開始時の保留数(第2特別図柄の変動開始時には第2保留数、第1特別図柄の変動開始時には第1保留数、)に対応する変動パターンテーブルがセットされる。
更に、遊技機1の遊技状態が第2有利状態であってリーチ演出を行う場合には、図49(c)の「リーチ演出あり」と表記された欄の変動パターンテーブルがセットされる。また、遊技機1の遊技状態が第2有利状態であってリーチ演出を行わない場合には、図49(c)の「リーチ演出なし」と表記された欄の各変動パターンテーブルのうち、変動開始時の保留数(第2特別図柄の変動開始時には第2保留数、第1特別図柄の変動開始時には第1保留数、)に対応する変動パターンテーブルがセットされる。なお、リーチ演出の実行の有無は、S306bの処理(図29を参照)において取得したリーチ乱数値を読み出し、この読み出したリーチ乱数値に基づいて決定される。
また、図49の(a)の通常変動パターンテーブルを用いた乱数抽選で選択される変動パターンにより特定される変動表示時間(特別図柄の変動時間)の平均値(第7平均値)よりも、図49の(c)に示す第2変動短縮変動パターンテーブルを用いた乱数抽選で選択される変動パターンにより特定される変動表示時間(特別図柄の変動時間)の平均値(第9平均値)の方が短くされている。
以上のように、特別図柄の変動表示時間を決定するための変動パターンが記憶された変動パターンテーブルとして、本遊技機1の遊技状態が通常遊技状態若しくは第1有利状態である場合には、通常変動用の変動表示時間を決定するための変動パターンテーブル、つまり、特別図柄に関する変動時間短縮機能(時短機能)が作動していないときの変動パターンテーブルが用いられる。また、本遊技機1の遊技状態が第2有利状態である場合には、短縮変動用の変動表示時間を決定するための変動パターンテーブル、つまり、特別図柄に関する変動時間短縮機能(時短機能)が作動しているときの変動パターンテーブルが用いられる。なお、実施例3において、「変動短縮状態(時短状態)」とは、変動時間短縮機能(時短機能)が作動している状態を指すものである。但し、開放延長機能が作動する遊技状態において変動時間短縮機能(時短機能)が作動する場合(第2有利状態)と作動しない場合(第1有利状態)がある。
また、S525、S530、S551若しくはS580で選択される変動パターンテーブルには、多数の変動パターン(例えば、20種、50種、100種)が記憶されている。そして、第2当否判定(特図2当否判定、特図1当否判定)の結果が「外れ」である場合において、「短縮変動状態のときに特定される変動表示時間」は、「短縮変動状態でないときに特定される変動表示時間」に比べて短くされる可能性が高い。また、本実施例では、第2当否判定(特図2当否判定、特図1当否判定)の結果が「外れ」である場合、特別図柄の保留数が考慮され、保留数が少ない場合(例えば、変動パターン決定時の保留数が「1」の場合)には、長めの変動表示時間を特定する変動パターンが選択され、保留数が多い場合(例えば、変動パターン決定時の保留数が「3」〜「4」の場合)には、短めの変動表示時間を特定する変動パターンが選択される傾向にある。また、リーチ表示を行わないと判断される場合に選択される変動パターンで特定される変動時間は、リーチ表示を行うと判断される場合に選択される変動パターンで特定される変動表示時間に比べて短くされる傾向にある。なお、各「変動パターンテーブル」は、主制御基板200に搭載されたROM203に予め設定されている。
また、実施例3では、前述のように、第2当否判定(特図2当否判定、特図1当否判定)の結果を問わず、「第2変動短縮変動パターンテーブルを用いて選択される変動パターンによって特定される変動表示時間(特別図柄の変動時間)の平均値(第3平均値、第6平均値、第9平均値)」は、「通常変動パターンテーブルを用いて選択される変動パターンによって特定される変動表示時間(特別図柄の変動時間)の平均値(第1平均値、第4平均値、第7平均値)」よりも短くされている。但し、実施例3では、各変動パターンテーブルが当り用(大当り用・小当り用)と外れ用とで区別されている場合には、「外れ用変動パターンテーブル」間において、「第3平均値、第6平均値、第9平均値」が「第1平均値、第4平均値、第7平均値」よりも短くされる関係を満たすが、当り用(大当り用・小当り用)の変動パターンテーブル」間において、当該関係を満たさないこととしてもよい。蓋し、各「外れ用変動パターンテーブル」は「当り用変動パターンテーブル」に比べて使用頻度が高い。しかも、当り(大当り・小当り)を報知するための変動は、短縮変動用の変動パターンテーブルで特定される場合であっても、十分なリーチ演出を行うために通常変動のように変動表示時間が長くすることが望ましい場合もあるからである。
実施例3においても、CPU201はS510C、S510D若しくはS540の処理を行った後、図33に示すように、第2特別図柄表示部62bにて第2特別図柄(特図2)の変動を開始する(S590)とともに、サブ制御部200A(サブ制御基板220)に向かって図柄変動の開始を示す所定のコマンド(図柄変動開始時コマンド)を送信する(S592)。更に、CPU201は、第2特別図柄に係る「特別図柄の保留数」を「1」減算する処理と、減算された後の保留数を特定するためのコマンドをサブ制御基板220に送信する処理とを行った後(S595)、図柄変動開始処理(S500b)を終了し、更に特別図柄遊技処理(S300)を終了して、図25の遊技制御処理に復帰する。
また、実施例の特図1図柄変動開始処理(S500a)も、S500bの処理として行われる特図2図柄変動開始処理(S500b)と同様に図33に従って行われる。つまり、図34(a)に示すフロー図に基づいて、第1当否判定処理(S320a)の結果に基づき第1特別図柄の変動パターンを選択(決定)する処理や、第1特別図柄表示部62aに停止表示される図柄を選択(決定)する処理等を行った後(S510C、S510D、S540)、S590、S592、S595の処理が実行される。
次に、図51のS395の肯定的な判断を経た処理および否定的な判断を経た処理について説明する。
S352の処理(図31を参照)で否定的な判断を得た場合(S352;NO)、若しくは、S384の処理を行った場合、S395の処理に移行する。このS395の処理では第2有利状態フラグがセット(ONに設定)されているか否かが判断される(S395)。そして、第2有利状態フラグがセットされていない(OFFに設定されている)場合には、第1有利状態フラグがセット(ONに設定)されているか否かが判断され(S406c)、第1有利状態フラグがセットされていない(OFFに設定されている)場合には、そのまま特別図柄遊技処理(S300)を抜けて、図25の遊技制御処理に復帰する。
一方、第1有利状態フラグがセット(ONに設定)されている場合(S406c;YES)、つまり、外れ発生時若しくは小当り発生時の遊技状態が第1有利状態である場合には、第1有利状態カウンタの値を「−1」した後(S408c)、第1有利状態カウンタの値が「ゼロ」になったか否かを判断する(S411c)。そして、「ゼロ」になっていない場合には(S411c;NO)、そのまま特別図柄遊技処理(S300)を抜けて、図25の遊技制御処理に復帰する。
これに対して、S408cの処理で第1有利状態カウンタの値が「ゼロ」になったと判断される場合には(S411c;YES)、遊技機1の遊技状態が「第1有利状態」から「通常遊技状態」に切り換わることになる。このため、主制御基板200のCPU201はS411cの処理の肯定的な判断に続いて、第1有利状態フラグを解除(OFFに設定)する処理と、開放延長フラグを解除(OFFに設定)する処理とを行った後(S412c)、特別図柄遊技処理(S300)を抜けて図25の遊技制御処理に復帰する。ここで、「第1有利状態カウンタ」は第1有利状態で実行する特別図柄の変動回数の上限回数を示すものであり、その値が「ゼロ」になると、今回の特別図柄の変動で第1有利状態が終了する
S395の処理では第2有利状態フラグがセット(ONに設定)されていると判断されると(S395;YES)、変動短縮カウンタの値を「−1」した後(S401)、変動短縮カウンタの値が「ゼロ」になったか否かを判断する(S403)。そして、「ゼロ」になっていない場合には(S403;NO)、その時点の遊技状態が第2有利状態であるため、S406cの処理の否定的な判断を経て、特別図柄遊技処理(S300)を抜け、図25の遊技制御処理に復帰する。
また、S403の処理で「ゼロ」になった判断される場合には(S403;YES)、遊技機1の遊技状態が「第2有利状態」から「第1有利状態」に切り換わることになる。このため、第2有利状態フラグを解除(OFFに設定)する処理と、第1有利状態フラグをセット(ONに設定)する処理と、第1有利状態カウンタに「80」をセットする処理と、変動短縮フラグを解除(OFFに設定)する処理とを行った後(S404c)、特別図柄遊技処理(S300)を抜けて図25の遊技制御処理に復帰する。この場合、遊技状態が「第2有利状態」から、有利度が「第2有利状態」よりも低い「第1有利状態」に切り換わることになるが、それ以降においても、有利度が「通常遊技状態」よりも高い「第1有利状態」が継続されることになる。
なお、変動短縮フラグや開放延長フラグがともにOFFに切り換わった場合(S410,416)には開放延長状態(短縮変動状態)が終了して状態の切り換わりが生ずることとなる。本実施例では、そのような状態の切り換わりが発生した場合には、その切り換わり後の状態を示す制御コマンド(状態指定コマンド)を主制御部200Aからサブ制御部220Aに向けて送信するように構成している。これにより、サブ制御部220Aでは、受信した状態指定コマンドに基づき特定される状態(例えば、通常変動状態など)に応じた遊技演出を行うことができる。
次に、図54を用いて実施例3の大当り遊技終了時処理(S850)について説明する。この大当り遊技終了時処理(S850)が起動すると、CPU201は、図54に示すように、大当り遊技フラグ(図31のS360の処理若しくは図39のS675の処理を参照)を解除(OFFに設定)した後(S855)、前述の「当り終了時参照用バッファ(図31のS354を参照)」を参照することによって、今回の大当り遊技の前提となった大当り(以下、「今回の大当り」という。)の種類に関する情報を取得し(S857)、この情報に基づいて、大当り遊技終了後の遊技状態を設定する処理等を行う。
つまり、今回の大当りが、有利状態(第1有利状態若しくは第2有利状態)を設定する契機となる大当り(以下、「有利状態大当り」という。)でなかった場合には(S862;NO)、そのまま大当り遊技終了時処理(S850)を終了する。なお、S862の処理に示す「有利状態大当り」には、小当り遊技を経由せずに発生した「有利状態大当り」のみならず、小当り遊技を経由して発生した「有利状態大当り」も含まれる。つまり、「大当りを発生したならば、大当り遊技終了後の遊技状態を第1有利状態(第2入球頻度状態)若しくは第2有利状態(第3入球頻度状態)とする小当り」であって、当該小当りの発生に基づく小当り遊技の終了時に「大当り遊技フラグ」をセット(ONに設定)する処理が行われたもの(図37のS675を参照)も含まれる。
一方、今回の大当りが「有利状態大当り」であった場合には(S862;YES)、「有利状態大当り」が第2有利状態を発生させる大当り(第2有利状態大当り)であるか否かを判断する。そして、今回の大当りが第1有利状態を発生させる大当り(第1有利状態大当り)である場合には(S872;NO)、第1有利状態フラグをセットする処理(S878)と、開放延長フラグをセットする処理(S879)と、第1有利状態カウンタに80をセットする処理(S882)とを行った後、大当り遊技終了時処理(S850)を終了する。
また、今回の大当りが第2有利状態を発生させる大当り(第2有利状態大当り)である場合には(S872;YES)、第2有利状態フラグをセットする処理(S874)と、開放延長フラグをセットする処理(S875)と、変動短縮フラグをセットする処理(S876)と、変動短縮カウンタに「30」をセットする処理(S877)とを行った後、大当り遊技終了時処理(S850)を終了する。
なお、主制御部200Aは、大当り遊技フラグを解除(OFFに設定)する(S805)タイミングでサブ制御部220Aに向かって、「大当り遊技終了指定コマンド」を送信する。また、本実施例では、大当り遊技終了時処理にて各種フラグやカウンタを設定した際に、その設定に基づく大当り遊技終了後の状態を示す制御コマンド(状態指定コマンド)を主制御部200Aからサブ制御部220Aに向けて送信するように構成している。これにより、サブ制御部220Aでは、受信した状態指定コマンドに基づき特定される状態に応じた遊技演出を行うことができる。
実施例3の遊技機においては、設定可能な遊技状態として、基準とする通常遊技状態(第1遊技状態)の他に、通常遊技状態(第1遊技状態)よりも第2始動入賞装置17bへの遊技球の入球頻度が高い第1有利状態(第2遊技状態)と、通常遊技状態(第1遊技状態)よりも特別図柄の変動表示時間が短く且つ第2始動入賞装置17bへの遊技球の入球頻度が高い第2有利状態(第3遊技状態)と、を設ける。そして、第2当否判定の結果が特定結果(大当り、小当り)となった際の遊技状態が、第1有利状態(第2遊技状態)であるか、又は第2有利状態(第3遊技状態)であるかによって、第2当否判定の結果が特定結果(大当り、小当り)となった後実行される遊技状態の振分態様が異なる。このように、実施例3では、第1遊技状態の他に、識別情報の変動表示時間及び第2始動入賞装置17bへの遊技球の入球頻度の少なくとも一方が異なる遊技状態(遊技者にとっての有利度が高い遊技状態)を複数設定し、設定可能な遊技状態の多様化を図るとともに、第2遊技状態で第2当否判定の結果が特定結果となったか、或いは、第3遊技状態で第2当否判定の結果が特定結果となったかによって、複数の遊技状態を異なる割合で設定する(遊技状態の振分態様を異ならせる)。
具体的には、第2当否判定の結果が特定結果(当り)となった際の遊技状態が、第2有利状態の場合、有利な遊技状態(第1有利状態若しくは第2有利状態)が継続される確率が「100%」とされ、第1有利状態の場合、有利な遊技状態(第1有利状態若しくは第2有利状態)が継続される確率が「50%」とされている。そして、このように、有利度が異なる3個の遊技状態(入球状態)を備えるとともに、第2当否判定の結果が特定結果(当り)となった際の遊技状態が、第1有利状態および第2有利状態のうちの何れであるかによって、大当り遊技後に有利な遊技状態(基準とする第1入球頻度状態よりも有利な遊技状態)が継続される確率を異なったものとすることで、遊技の幅(バリエーション)を広げ、遊技興趣を高めることができる。
従って、実施例3によると、第2当否判定の結果が特定結果となった後に設定される遊技状態の多様化を図ることができる。そして、このように、識別情報の変動表示時間及び第2始動入賞装置17bへの遊技球の入球頻度の少なくとも一方が異なる遊技状態(遊技者にとっての有利度が異なる複数(3以上)の遊技状態)を備えることで、遊技の幅(バリエーション)を広げることができるばかりか、有利な遊技状態(第1有利状態、第2有利状態)のうちの何れの遊技状態に滞在するかによって、遊技中の遊技者に適度な刺激を与えることができる。例えば、通常遊技状態(第1遊技状態)で遊技を行う遊技者には、有利度が高い遊技状態に移行することへの期待感を抱いて遊技を行わせ、第1有利状態(第2遊技状態)で遊技を行う遊技者には、有利度が更に高い遊技状態(第2有利状態)への移行することへの期待感と通常遊技状態(第1遊技状態)に移行(陥落)しないことを望む緊張感を抱いて遊技を行わせ、第2有利状態(第3遊技状態)で遊技を行う遊技者には、第2有利状態(第3遊技状態)を維持することへの期待感と有利度が低い遊技状態に移行(陥落)しないことを望む緊張感を抱いて遊技を行わせることができる。このように、実施例3によると、遊技状態の多様化を図ることで、遊技中の遊技者に適度な刺激を与え、遊技興趣を高めることができる。
しかも、実施例3によると、遊技者にとっての有利度が最も高い第2有利状態(第3遊技状態)で特別図柄の変動表示を所定回数実行すると(所定回数実行して特定結果が得られないと)、遊技状態が第2有利状態(第3遊技状態)からそれよりも有利度が低い有利状態(第2遊技状態)に移行するので、遊技状態の移行パターンをより多様化する。この点からも遊技興趣を高めることができる。
次に、実施例4の遊技機について説明する。この実施例4は、図55(a)に示すように、第1有利状態の構成と第2有利状態の構成が異なることを除いて、実施例1と同様である。この実施例4では、図55(b)に示すように、図11の代わりに図55(a)を用いる点と、図26の代わり図56を用いる点と、図31の一部に図57に示す修正を加えている点と、図36の代わりに図48を用いる点と、図37の代わりに図49を用いる点と、図41の代わりに図58を用いる点が実施例1と異なる。
図55(a)に示すように、実施例4の遊技機において設定可能な遊技状態も、(a)通常遊技状態(第1遊技状態)と、(b)第1有利状態(第2遊技状態)と、(c)第2有利状態(第3遊技状態)とである。また、実施例4においては通常遊技状態(第1遊技状態)および第1有利状態(第2遊技状態)では第1入球頻度状態とされ、第2有利状態(第3遊技状態)では第2入球頻度状態とされる。更に、実施例4においては、第1有利状態(第2遊技状態)および第2有利状態(第3遊技状態)では特別図柄の時短機能が作動し、通常遊技状態(第1遊技状態)では特別図柄の時短機能が作動しない。つまり、図55(a)に示すように、実施例4において、通常遊技状態(第1遊技状態)は、通常変動状態でかつ第1入球頻度状態とされる遊技状態であり、第1有利状態(第2遊技状態)は時短変動状態でかつ第1入球頻度状態とされる遊技状態であり、第2有利状態(第3遊技状態)は時短変動状態でかつ第1入球頻度状態とされる遊技状態である。
具体的に説明すると、通常遊技状態(第1遊技状態)では、第2始動入賞装置17bへ遊技球が入球する頻度が第1の頻度となる第1入球頻度状態となるとともに、特別図柄の変動開始時に設定される変動表示時間の平均値が所定時間に設定される。この第1入球頻度状態の意義は実施例1と同様である。つまり、実施例4の第1入球頻度状態では、実施例1と同様に開放延長機能が作動しない(第2始動入賞装置17bの開放時間が0.2秒とされる)とともに、普通図柄の変動時間が通常変動時間(例えば、30秒)に決定される。また、第1入球頻度状態は、開放延長機能が作動しない遊技状態であり、普通図柄に関する抽選(第1当否判定)が低確率(例えば、当り確率30%、3/10)で行われる。
また、第1有利状態(第2遊技状態)では、第2始動入賞装置17bへ遊技球が入球する頻度が第1の頻度となる第1入球頻度状態(通常遊技状態と同一の状態)となるとともに、特別図柄の変動表示時間として設定される時間の平均値が、第1有利状態(第2遊技状態)において特別図柄の変動表示時間として設定される時間の平均値よりも通常遊技状態(第1遊技状態)の場合よりも小さくされる。このため、特別図柄の変動表示の実行頻度が通常遊技状態(第1遊技状態)よりも高くなるため、第1有利状態(第2遊技状態)の方が通常遊技状態(第1遊技状態)よりも高くなる。
更に、第2有利状態(第3遊技状態)では開放延長機能が作動する(第2始動入賞装置17bの開放時間が5秒とされる)とともに、普通図柄の変動時間が通常変動時間よりも短くされた短縮変動時間(例えば、5秒)に決定される。つまり、第2有利状態(第3遊技状態)においては、第2始動入賞装置17bに遊技球が入球する頻度が高くなる(実施例1の第2入球頻度状態に相当する状態とされる)。また、第2有利状態(第3遊技状態)において特別図柄の変動表示時間として設定される時間の平均値が通常遊技状態(第1遊技状態)の場合よりも小さくされる。このため、第2有利状態(第3遊技状態)は、第1有利状態(第2遊技状態)よりも遊技者にとって有利な状態となる。
このように実施例4では、特別図柄の変動表示時間の平均値を、第1有利状態(第2遊技状態)および第2有利状態(第3遊技状態)において同一に設定するが、この平均値が、第1有利状態(第2遊技状態)よりも第2有利状態(第3遊技状態)において小さくされてもよい。
また、このように、第1有利状態(第2遊技状態)および第2有利状態(第3遊技状態)は特別図柄の変動表示時間を短縮化する変動短縮機能が作動する遊技状態であるため、特別図柄の変動表示の実行頻度が通常遊技状態に比べて高くなり易い。しかも、第2有利状態(第3遊技状態)では通常遊技状態(第1遊技状態)および第1有利状態(第2遊技状態)に比べて、普通図柄に関する抽選(第1当否判定)で当りとなる確率が通常遊技状態(第1遊技状態)よりも高くなるとともに、普通図柄の変動時間が変動時間よりも短くされる。このため、何れの有利状態においても、通常遊技状態(第1遊技状態)に比べて、特別図柄の変動表示の実行頻度が高くなり易い。但し、第2有利状態(第3遊技状態)は第1有利状態(第2遊技状態)に比べて、第2始動入賞装置17bに遊技球が入球する頻度が高くなるため、第2有利状態(第3遊技状態)において特別図柄の変動表示の実行頻度がより高くなる。
実施例4においても、主制御基板200に搭載されたCPU201は図25に基づいて遊技制御処理を実行する。すなわち、実施例2の遊技制御処理においても、タイマ更新処理(S70)、賞球払出処理(S80)、普通図柄遊技処理(S100)、普通電動役物遊技処理(S200)、特別図柄遊技処理(S300)、小当り遊技処理(S600)、大当り遊技処理(S800)等の各処理が繰り返し実行されている。但し、普通図柄遊技処理(S100)および特別図柄遊技処理(S300)は以下の点が実施例1と異なっている。
実施例4においては、図56に示すように、S135の処理で否定的な判断を得ると(S135;NO)、第2有利状態フラグがセット(ONに設定)されているか否かを判断する(S139)。そして、第2有利状態フラグがセット(ONに設定)されている場合には(S139;YES)、S115の処理にて記憶された乱数値のうち最も古いものを用いて、普通図柄に関する普図当否判定(第1当否判定)を高確率(高い当選確率)にて行うとともに、普通図柄に関する保留数を「−1」する処理を行う(S145)。この後、「普通図柄の変動時間」として「短縮時間(5秒)に短縮化した変動時間」を設定した後(S157)、普通図柄の変動表示を開始させる(S160)。そして、S160の処理の後、普通図柄遊技処理を終了して図25の遊技制御処理に復帰する。ここで、S157で設定される普通図柄の変動時間としては、図28(a)に示すように、「5秒」を例示できる。なお、本実施例では、「短縮時間に短縮化した変動時間」を決定する際に用いる「短縮変動時間決定テーブル」に1個の変動時間のみが記憶されているため、「短縮時間に短縮化した変動時間」は一義的に「5秒」とされるが、「短縮変動時間決定テーブル」として、乱数値と対応する状態で複数個(例えば、「10」、「11秒」、 「9秒」、「12秒」の4個)記憶したものを用いてもよく、この場合、乱数抽選によって「短縮時間に短縮化した変動時間」を設定することとしてもよい。
一方、実施例4において第2有利状態フラグが解除(OFFに設定)されている場合には(S139;NO)、つまり、遊技状態が通常遊技状態若しくは第1有利状態である場合には(S139;NO)には以下の処理が実行される。つまり、S115の処理にて記憶された乱数値のうち最も古いものを用いて、普通図柄に関する普通図柄に関する普図当否判定(第1当否判定)を低確率(低い当選確率)にて行うとともに、普通図柄に関する保留数を「−1」する処理を行う(S148)。そして、「普通図柄の変動表示の時間」として通常時間(図28(a)に示すように、30秒)を設定した後(S156)、普通図柄の変動表示を開始させる(S160)。そして、S160の処理の後、普通図柄遊技処理を終了して図25の遊技制御処理に復帰する。なお、S156で設定される普通図柄の変動時間は、一般的な遊技機において「変動時間短縮機能未作動時用」の普通図柄の変動表示時間として設定される時間である。なお、本実施例では、この「通常変動時間」を決定する際に用いる「通常変動時間決定テーブル」に1個の変動時間のみが記憶されているため、「通常変動時間」は一義的に「30秒」とされるが、「通常動時間決定テーブル」として、乱数値と対応する状態で複数個(例えば、「30」、「25秒」、 「32秒」、「28秒」の4個)記憶したものを用いてもよく、この場合、乱数抽選によって「通常変動時間(短縮化しない変動時間)」を設定することとしてもよい。
なお、普通電動役物遊技処理(S200)のその処理については、実施例1の普通図柄遊技処理と同様である。
次に、実施例4の特別図柄遊技処理(S300)の特徴を説明する。この実施例4の特別図柄遊技処理(S300)は、図34の当り変動設定処理(S510C、510D)のS525の処理およびS530の処理において図48を用いる点と、図35の外れ変動設定処理(S510C、510D)のS551の処理およびS580の処理において図49を用いる点と、S352の否定的な判断を経た処理およびS384を経た処理(図31を参照)が図57のS395の肯定的な判断を経た処理および否定的な判断を経た処理に置き換えられている点を除いて、実施例1の特別図柄遊技処理(S300)と同様である。以下、これらの相違点にについて説明する。
特図2当否判定処理(S320b)の結果が「大当り」である場合(S502;YES)に実行する当り変動設定処理(S510C)において、図34に示すように、S525の処理で変動短縮フラグがセット(ONに設定)されていると判断されると(S524;YES)、図48(c)の大当り用の第2変動短縮パターンテーブルをセットする処理を行った後(S525)、S536の処理に移行する。ここで、実施例4においては、遊技状態が第2有利状態であると変動短縮フラグがセット(ONに設定)され、遊技状態が通常遊技状態若しくは第1有利状態であると変動短縮フラグが解除(ONに設定)される。
また、特図2当否判定処理(S320b)の結果が「大当り」である場合(S502;YES)に実行する当り変動設定処理(S510C)において、図34に示すように、S524の処理で変動短縮フラグが解除(OFFに設定)されていると判断されると(S524;NO)、図48(a)の大当り用の通常変動パターンテーブルをセットする処理を行った後(S530)、S536の処理に移行する。
特図2当否判定処理(S320b)の結果が「小当り」である場合(S502;NO、S505;YES)に実行する当り変動設定処理(S510D)において、図34に示すように、S524の処理で変動短縮フラグがセット(ONに設定)されていると判断されると(S524;YES)、図48(f)の小当り用の第2変動短縮パターンテーブルをセットする処理を行った後(S525)、S536の処理に移行する。また、特図2当否判定処理(S320b)の結果が「小当り」である場合(S502;NO、S505;YES)に実行する当り変動設定処理(S510D)において、図34に示すように、S524の処理で変動短縮フラグが解除(OFFに設定)されていると判断されると(S524;NO)、図48(d)の小当り用の通常変動パターンテーブルをセットする処理を行った後(S530)、S536の処理に移行する。
特図2当否判定処理(S320b)の結果が「外れ」である場合(S502;NO、S505;NO)に実行する外れ変動設定処理(S540)において、図35に示すように、S547の処理で変動短縮フラグがセット(ONに設定)されていると判断されると(S547;YES)、図49(c)の外れ用の第2変動短縮パターンテーブルをセットする処理を行った後(S550)、S582の処理に移行する。また、特図2当否判定処理(S320b)の結果が「外れ」である場合(S502;NO、S505;NO)に実行する外れ変動設定処理(S540)において、図35に示すように、S547の処理で変動短縮フラグが解除(OFFに設定)されていると判断されると(S547;NO)、図49(a)の外れ用の通常変動パターンテーブルをセットする処理を行った後(S580)、S582の処理に移行する。
また、S550の処理若しくは580の処理では、「遊技機1の遊技状態(遊技状態)と、リーチ演出の実行の有無と、特別図柄の変動開始時の保留数を考慮して変動パターンテーブルが選択される。具体的には、遊技機1の遊技状態が通常遊技状態若しくは第1有利状態であってリーチ演出を行う場合には、図49(a)の「リーチ演出あり」と表記された欄の変動パターンテーブルがセットされる。また、遊技機1の遊技状態が通常遊技状態若しくは第1有利状態であってリーチ演出を行わない場合には、図49(a)の「リーチ演出なし」と表記された欄の各変動パターンテーブルのうち、変動開始時の保留数(第2特別図柄の変動開始時には第2保留数、第1特別図柄の変動開始時には第1保留数、)に対応する変動パターンテーブルがセットされる。
更に、遊技機1の遊技状態が第2有利状態であってリーチ演出を行う場合には、図49(c)の「リーチ演出あり」と表記された欄の変動パターンテーブルがセットされる。また、遊技機1の遊技状態が第2有利状態であってリーチ演出を行わない場合には、図49(c)の「リーチ演出なし」と表記された欄の各変動パターンテーブルのうち、変動開始時の保留数(第2特別図柄の変動開始時には第2保留数、第1特別図柄の変動開始時には第1保留数、)に対応する変動パターンテーブルがセットされる。なお、リーチ演出の実行の有無は、S306bの処理(図28を参照)において取得したリーチ乱数値を読み出し、この読み出したリーチ乱数値に基づいて決定される。
また、図49の(a)の通常変動パターンテーブルを用いた乱数抽選で選択される変動パターンにより特定される変動表示時間(特別図柄の変動時間)の平均値(第7平均値)よりも、図49の(c)に示す第2変動短縮変動パターンテーブルを用いた乱数抽選で選択される変動パターンにより特定される変動表示時間(特別図柄の変動時間)の平均値(第9平均値)の方が短くされている。
以上のように、特別図柄の変動時間を決定するための変動パターンが記憶された変動パターンテーブルとして、本遊技機1の遊技状態が通常遊技状態若しくは第1有利状態である場合には、通常変動用の変動表示時間を決定するための変動パターンテーブル、つまり、特別図柄に関する変動時間短縮機能(時短機能)が作動していないときの変動パターンテーブルが用いられる。また、本遊技機1の遊技状態が第2有利状態である場合には、短縮変動用の変動表示時間を決定するための変動パターンテーブル、つまり、特別図柄に関する変動時間短縮機能(時短機能)が作動しているときの変動パターンテーブルが用いられる。なお、実施例4において、「変動短縮状態(時短状態)」とは、変動時間短縮機能(時短機能)が作動している状態を指すものである。但し、開放延長機能が作動する遊技状態において変動時間短縮機能(時短機能)が作動する。
また、S525、S530、S551若しくはS580で選択される変動パターンテーブルには、多数の変動パターン(例えば、20種、50種、100種)が記憶されている。そして、第2当否判定(特図2当否判定、特図1当否判定)の結果が「外れ」である場合において、「短縮変動状態のときに特定される変動時間」は、「短縮変動状態でないときに特定される変動表示時間」に比べて短くされる可能性が高い。また、本実施例では、第2当否判定(特図2当否判定、特図1当否判定)の結果が「外れ」である場合、特別図柄の保留数が考慮され、保留数が少ない場合(例えば、変動パターン決定時の保留数が「1」の場合)には、長めの変動表示時間を特定する変動パターンが選択され、保留数が多い場合(例えば、変動パターン決定時の保留数が「3」〜「4」の場合)には、短めの変動表示時間を特定する変動パターンが選択される傾向にある。また、リーチ表示を行わないと判断される場合に選択される変動パターンで特定される変動表示時間は、リーチ表示を行うと判断される場合に選択される変動パターンで特定される変動表示時間に比べて短くされる傾向にある。なお、各「変動パターンテーブル」は、主制御基板200に搭載されたROM203に予め設定されている。
また、実施例4では、前述のように、第2当否判定(特図2当否判定、特図1当否判定)の結果を問わず、「第2変動短縮変動パターンテーブルを用いて選択される変動パターンによって特定される変動表示時間(特別図柄の変動時間)の平均値(第3平均値、第6平均値、第9平均値)」は、「通常変動パターンテーブルを用いて選択される変動パターンによって特定される変動表示時間(特別図柄の変動時間)の平均値(第1平均値、第4平均値、第7平均値)」よりも短くされている。但し、実施例3では、各変動パターンテーブルが当り用(大当り用・小当り用)と外れ用とで区別されている場合には、「外れ用変動パターンテーブル」間において、「第3平均値、第6平均値、第9平均値」が「第1平均値、第4平均値、第7平均値」よりも短くされる関係を満たすが、当り用(大当り用・小当り用)の変動パターンテーブル」間において、当該関係を満たさないこととしてもよい。蓋し、各「外れ用変動パターンテーブル」は「当り用変動パターンテーブル」に比べて使用頻度が高い。しかも、当り(大当り・小当り)を報知するための変動は、短縮変動用の変動パターンテーブルで特定される場合であっても、十分なリーチ演出を行うために通常変動のように変動表示時間が長くすることが望ましい場合もあるからである。
次に、図57のS395の肯定的な判断を経た処理および否定的な判断を経た処理について説明する。
S352の処理(図30を参照)で否定的な判断を得た場合(S352;NO)、若しくは、S384の処理を行った場合には、S395の処理に移行する。このS395の処理では第2有利状態フラグがセット(ONに設定)されているか否かが判断される(S395)。そして、第2有利状態フラグがセットされていない(OFFに設定されている)場合には、第1有利状態フラグがセット(ONに設定)されているか否かが判断され(S406d)、第1有利状態フラグがセットされていない(OFFに設定されている)場合には(S406d;NO)、そのまま特別図柄遊技処理(S300)を抜けて、図25の遊技制御処理に復帰する。
一方、第1有利状態フラグがセット(ONに設定)されている場合(S406d;YES)、つまり、外れ発生時若しくは小当り発生時の遊技状態が第1有利状態である場合には、第1有利状態カウンタの値を「−1」した後(S408d)、第1有利状態カウンタの値が「ゼロ」になったか否かを判断する(S411d)。そして、「ゼロ」になっていない場合には(S411d;NO)、そのまま特別図柄遊技処理(S300)を抜けて、図25の遊技制御処理に復帰する。
これに対して、S411dの処理で第1有利状態カウンタの値が「ゼロ」になったと判断される場合には(S411d;YES)、遊技機1の遊技状態が「第1有利状態」から「通常遊技状態」に切り換わることになる。このため、主制御基板200のCPU201はS411dの処理の肯定的な判断に続いて、第1有利状態フラグを解除(OFFに設定)する処理を行った後(S413d)、特別図柄遊技処理(S300)を抜けて図25の遊技制御処理に復帰する。ここで、「第1有利状態カウンタ」は第1有利状態で実行する特別図柄の変動回数の上限回数を示すものであり、その値が「ゼロ」になると、今回の特別図柄の変動で第1有利状態が終了する
S395の処理では第2有利状態フラグがセット(ONに設定)されていると判断されると(S395;YES)、変動短縮カウンタの値を「−1」した後(S401)、変動短縮カウンタの値が「ゼロ」になったか否かを判断する(S403)。そして、「ゼロ」になっていない場合には(S403;NO)、その時点の遊技状態が第2有利状態であるため、S406dの処理の否定的な判断を経て、特別図柄遊技処理(S300)を抜け、図25の遊技制御処理に復帰する。
また、S403の処理で「ゼロ」になった判断される場合には(S403;YES)、遊技機1の遊技状態が「第2有利状態」から「第1有利状態」に切り換わることになる。このため、第2有利状態フラグを解除(OFFに設定)する処理と、第1有利状態フラグをセット(ONに設定)する処理と、第1有利状態カウンタに「80」をセットする処理と、開放延長フラグを解除(OFFに設定)する処理と、変動短縮フラグを解除(OFFに設定)する処理とを行った後(S405d)、特別図柄遊技処理(S300)を抜けて図25の遊技制御処理に復帰する。この場合、遊技状態が「第2有利状態」から「第1有利状態」に切り換わることになる。つまり、遊技状態が「第2有利状態」から、有利度が「第2有利状態」よりも低い「第1有利状態」に切り換わることになるが、それ以降においても、有利度が「通常遊技状態」よりも高い「第1有利状態」が継続されることになる。
なお、変動短縮フラグや開放延長フラグがともにOFFに切り換わった場合(S410,416)には開放延長状態(短縮変動状態)が終了して状態の切り換わりが生ずることとなる。本実施例では、そのような状態の切り換わりが発生した場合には、その切り換わり後の状態を示す制御コマンド(状態指定コマンド)を主制御部200Aからサブ制御部220Aに向けて送信するように構成している。これにより、サブ制御部220Aでは、受信した状態指定コマンドに基づき特定される状態(例えば、通常変動状態など)に応じた遊技演出を行うことができる。
次に、図58を用いて実施例4の大当り遊技終了時処理(S850)について説明する。この大当り遊技終了時処理(S850)が起動すると、CPU201は、図58に示すように、大当り遊技フラグ(図31のS360の処理若しくは図39のS675の処理を参照)を解除(OFFに設定)した後(S855)、前述の「当り終了時参照用バッファ(図31のS354を参照)」を参照することによって、今回の大当り遊技の前提となった大当り(以下、「今回の大当り」という。)の種類に関する情報を取得し(S857)、この情報に基づいて、大当り遊技終了後の遊技状態を設定する処理等を行う。
つまり、今回の大当りが、有利状態(第1有利状態若しくは第2有利状態)を設定する契機となる大当り(以下、「有利状態大当り」という。)でなかった場合には(S862;NO)、そのまま大当り遊技終了時処理(S850)を終了する。なお、S862の処理に示す「有利状態大当り」には、小当り遊技を経由せずに発生した「有利状態大当り」のみならず、小当り遊技を経由して発生した「有利状態大当り」も含まれる。つまり、「大当りを発生したならば、大当り遊技終了後の遊技状態を第1有利状態(第2入球頻度状態)若しくは第2有利状態(第3入球頻度状態)とする小当り」であって、当該小当りの発生に基づく小当り遊技の終了時に「大当り遊技フラグ」をセット(ONに設定)する処理が行われたもの(図37のS675を参照)も含まれる。
一方、今回の大当りが「有利状態大当り」であった場合には(S862;YES)、「有利状態大当り」が第2有利状態を発生させる大当り(第2有利状態大当り)であるか否かを判断する(S872)。そして、今回の大当りが第1有利状態を発生させる大当り(第1有利状態大当り)である場合には(S872;NO)、第1有利状態フラグをセットする処理(S878)と、第1有利状態カウンタに80をセットする処理(S882)とを行った後、大当り遊技終了時処理(S850)を終了する。
また、今回の大当りが第2有利状態を発生させる大当り(第2有利状態大当り)である場合には(S872;YES)、第2有利状態フラグをセットする処理(S878)と、開放延長フラグをセットする処理(S875)と、変動短縮フラグをセットする処理(S876)と、変動短縮カウンタに「30」をセットする処理(S877)とを行った後、大当り遊技終了時処理(S850)を終了する。
なお、主制御部200Aは、大当り遊技フラグを解除(OFFに設定)する(S805)タイミングでサブ制御部220Aに向かって、「大当り遊技終了指定コマンド」を送信する。また、本実施例では、大当り遊技終了時処理にて各種フラグやカウンタを設定した際に、その設定に基づく大当り遊技終了後の状態を示す制御コマンド(状態指定コマンド)を主制御部200Aからサブ制御部220Aに向けて送信するように構成している。これにより、サブ制御部220Aでは、受信した状態指定コマンドに基づき特定される状態に応じた遊技演出を行うことができる。
実施例4の遊技機においては、設定可能な遊技状態として、基準とする通常遊技状態(第1遊技状態)の他に、特別図柄(識別情報)の変動表示時間が短い第2遊技状態と、第1遊技状態よりも特別図柄(識別情報)の変動表示時間が短く且つ第1遊技状態よりも第2始動入賞装置17bへの遊技球の入球頻度が高い第3遊技状態とを設ける。そして、第2当否判定の結果が特定結果(大当り、小当り)となった際の遊技状態が、第1有利状態(第2遊技状態)であるか、又は第2有利状態(第3遊技状態)であるかによって、第2当否判定の結果が特定結果(大当り、小当り)となった後実行される遊技状態の振分態様が異なる。このように、実施例4においても、第1遊技状態の他に、識別情報の変動表示時間及び第2始動入賞装置17bへの遊技球の入球頻度の少なくとも一方が異なる遊技状態(遊技者にとっての有利度が高い遊技状態)を複数設定し、設定可能な遊技状態の多様化を図るとともに、第2遊技状態で第2当否判定の結果が特定結果となったか、或いは、第3遊技状態で第2当否判定の結果が特定結果となったかによって、複数の遊技状態を異なる割合で設定する(遊技状態の振分態様を異ならせる)。
具体的には、第2当否判定の結果が特定結果(当り)となった際の遊技状態が第2有利状態の場合、有利な遊技状態(第1有利状態若しくは第2有利状態)継続される確率が「100%」とされ、第1有利状態の場合、有利な遊技状態(第1有利状態若しくは第2有利状態)が継続される確率が「50%」とされている。そして、このように、有利度が異なる3個の遊技状態を備えるとともに、第2当否判定の結果が特定結果(当り)となった際の遊技状態が、第1有利状態および第2有利状態のうちの何れであるかによって、大当り遊技後に有利な遊技状態(基準とする第1入球頻度状態よりも有利な遊技状態)が継続される確率を異なったものとすることで、遊技の幅(バリエーション)を広げ、遊技興趣を高めることができる。
従って、実施例4によると、第2当否判定の結果が特定結果となった後に設定される遊技状態の多様化を図ることができる。そして、このように、遊技者にとっての有利度が異なる複数(3以上)の遊技状態を備えることで、遊技の幅(バリエーション)を広げることができるばかりか、有利な遊技状態(第1有利状態、第2有利状態)のうちの何れの遊技状態に滞在するかによって、遊技中の遊技者に適度な刺激を与えることができる。例えば、通常遊技状態(第1遊技状態)で遊技を行う遊技者には、有利度が高い遊技状態に移行することへの期待感を抱いて遊技を行わせ、第1有利状態(第2遊技状態)で遊技を行う遊技者には、有利度が更に高い遊技状態(第2有利状態)への移行することへの期待感と通常遊技状態(第1遊技状態)に移行(陥落)しないことを望む緊張感を抱いて遊技を行わせ、第2有利状態(第3遊技状態)で遊技を行う遊技者には、第2有利状態(第3遊技状態)を維持することへの期待感と有利度が低い遊技状態に移行(陥落)しないことを望む緊張感を抱いて遊技を行わせることができる。このように、実施例4によると、遊技状態の多様化を図ることで、遊技中の遊技者に適度な刺激を与え、遊技興趣を高めることができる。
しかも、実施例4によると、遊技者にとっての有利度が最も高い第2有利状態(第3遊技状態)で特別図柄の変動表示を所定回数実行すると(所定回数実行して特定結果が得られないと)、遊技状態が第2有利状態(第3遊技状態)からそれよりも有利度が低い有利状態(第2遊技状態)に移行するので、遊技状態の移行パターンをより多様化する。この点からも遊技興趣を高めることができる。
次に、実施例5の遊技機について説明する。この実施例5の遊技機は、セブン機への適用例を示すものであり、実施例1の変形例を構成するが、実施例2〜実施例4の変形例を構成することもできる。この実施例5においては、図2の代わりに図59を用いる点と、図12の代わりに図60を用いる点と、図13の代わりに図61を用いる点と、図14〜図20を用いない点と、図31の代わりに図62および図63を用いる点と、図33の代わりに図64を用いる点と、図41の代わりに図65を用いる点と、図24を用いない点と、図25から「小当り遊技処理(S600)」が除外される点が実施例1と異なる。
実施例5の遊技盤10においては、図59に示すように、第2始動入賞装置17bが第1始動入賞装置17aの直下に配設されている点と、第2始動入賞装置17bの下方に大入賞装置31が配設されている点と、小当り用入賞口25a及び開閉装置25を備えない点と、振分装置26を備えない点が、実施例1の遊技盤10(図2を参照)と異なる。つまり、第1始動入賞装置17a、第2始動入賞装置17b及び大入賞装置31は、遊技領域11の下領域部11Dに配設され、小当り用入賞口25a、開閉装置25、振分装置26を備えない構成とされている。但し、小当り用入賞口25a及び開閉装置25によって、第2の大入賞装置(大入賞装置31とは別の大入賞装置)を構成し、当りの発生態様に応じて、大入賞装置31と、別の大入賞装置とを択一的に使用してもよい。
次に、実施例5の遊技機の特別図柄変動遊技の特徴を、図60を用いて説明する。この遊技機1においても、遊技球が第1始動入賞装置17aに入球すること(第1始動入賞)に基づいて、第1特別図柄表示部62aにおいて「第1特別図柄に係る変動表示」が実行され、遊技球が第2始動入賞装置17bに入球すること(第2始動入賞)に基づいて、第2特別図柄表示部62bにおいて「第2特別図柄に係る変動表示」が実行される(S11、S12)。ここで、停止図柄および特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)の変動時間は、対応する「特別図柄の変動表示」を開始する際に決定される。また、「第1特別図柄に係る変動表示」若しくは「第2特別図柄に係る変動表示」の実行に伴って、演出表示装置27において図柄変動演出が実行される。
「第1特別図柄に係る変動表示」および「第2特別図柄の変動表示」は、実施例1と同様に、図5(b)に示す態様で実行される。そして、「第1特別図柄に係る変動表示」が停止して停止図柄が表示されることによって、「第1始動入賞」に基づく第2当否判定(特図1当否判定)の結果が表示され、「第2特別図柄に係る変動表示」が停止して停止図柄が表示されることによって、「第2始動入賞」に基づく第2当否判定(特図2当否判定)の結果が表示される(図62のS14若しくはS17)。
具体的には、第2当否判定(特図1当否判定、特図2当否判定)の結果が大当り(特定結果)の場合、「乱数抽選(振分抽選)」によって、大当り図柄が「通常大当りの発生を示す大当り図柄(以下、「通常大当り図柄」という。)」か、「確変大当りの発生を示す大当り図柄(以下、「確変大当り図柄」という。)」に決定される。また、図61に示すように、遊技機1の確率状態が低確率状態(通常確率状態)である場合には、第2当否判定(特図1当否判定、特図2当否判定)において、大当りを示す判定結果が導出される確率は約「1/200」とされ、遊技機1の確率状態が高確率状態である場合には、第2当否判定(特図1当否判定、特図2当否判定)において、大当りを示す判定結果(特定表示結果)が導出される確率は約「1/20」とされる。そして、特別図柄表示部(62a若しくは62b)に大当り図柄が停止表示されると、大当りが発生し、大当り遊技実行手段が駆動して大当り遊技が実行される。ここで、大当り遊技は「特定遊技」の具体例を構成する。
実施例5においても、大当り遊技を開始すると、主制御部200Aが大入賞口ソレノイド31cの駆動及び駆動停止を行うことで「大入賞口31aを開閉する開閉動作」が実行される。そして、大当り遊技中の各ラウンド遊技においては、大入賞装置31に対して、大入賞口31aを1回だけ開放状態(第2状態)に変化させる開閉動作が施される。なお、大入賞口31aに規定入球数(10個)の遊技球が入球するか、或いは、大入賞口31aの開放時間が開放限度時間(30秒)に到達すると、ラウンド終了条件が成立して、実行中のラウンド遊技(大当りラウンド)を終了する。そして、大入賞装置31の開閉動作が、所定のインターバルを挟みつつ複数回繰り返されると大当り遊技を終了する。
つまり、「16R大当り」を生ずると「ラウンド遊技」の実行回数が「16回」の大当り遊技が実行され、「8R大当り」を生ずると「ラウンド遊技」の実行回数が「8回」の大当り遊技が実行される。そして、大当り遊技Aおよび大当り遊技Bにおいては、各ラウンド遊技での大入賞口31aの開放限度時間が「30秒」とされているため、ラウンド遊技において大入賞口31aに規定入賞数(10個)の遊技球を入球させることが容易である。
「確変大当り」を生ずると、対応する大当り遊技を実行した後、確率変動手段が作動し、第2当否判定(特図1当否判定、特図2当否判定)の結果が大当りとなる確率が高確率とされる。この大当りとなる確率が高確率とされる状態(高確率状態)は、大当りを生ずることなく実行される特別図柄変動遊技の累積回数が「100回」になるまで継続されるが、次回の大当りを生ずるまで継続すること(例えば、後述する確変カウンタに10,000をセットすること)としてもよい。
また、遊技機1の確率状態が高確率状態である場合においては、第2始動入賞装置17bへの入球頻度が第1の頻度となる第1入球頻度状態(第1遊技状態)となる場合と、第2の頻度となる第2入球頻度状態(第1有利状態)となる場合と、第3の頻度となる第3入球頻度状態(第2有利状態)となる場合がある(詳細は後述する。)。そして、入球状態が第1入球頻度状態(第1遊技状態)となると、大当り遊技の終了後には開放延長機能及び変動時間短縮機能が作動を開始しない。これに対して、第2入球頻度状態(第1有利状態)であると、大当り遊技の終了後に開放延長機能及び変動時間短縮機能が作動を開始し、大当りを生ずることなく実行される特別図柄変動遊技の累積回数が「80回」になるとこれらの作動を終了する(詳細は後述する。)。また、第3入球頻度状態(第2有利状態)であると、大当り遊技の終了後に開放延長機能及び変動時間短縮機能が作動を開始し、大当りを生ずることなく実行される特別図柄変動遊技の累積回数が「30回」になるとこれらの作動を終了する(詳細は後述する。)。
「通常大当り」を生ずると、対応する大当り遊技を実行した後、確率変動手段が作動せず、第2当否判定(特図1当否判定、特図2当否判定)の結果が大当りとなる確率が低確率とされる。この大当りとなる確率が低確率とされる状態(低確率状態)では、入球頻度が第1入球頻度状態(第1遊技状態)となる(後述する。)。なお、実施例4では、当りの態様に小当りを含めないが、特図1当否判定及び特図2当否判定のうちの少なくとも一方によって、小当りを生ずることとしてもよい。
実施例5の図柄変動演出も、第1始動入賞若しくは第2始動入賞に基づいて開始される。そして、図21〜図23に示す態様にて実施例1と同様に実行される。
次に、図61を用いて、実施例5の遊技機において設定可能な遊技状態について説明する。この実施例5の遊技機においては、確率変動手段が作動しない状態(低確率状態)と、確率変動手段が作動する状態(高確率状態)とのうちの何れかに設定することができる。
ここで、確率変動手段の作動することとなる大当り(確変大当り)を生ずると、大当り遊技を実行した後、確率変動手段が作動し、特図1当否判定及び特図2当否判定の何れにおいても、大当りを示す判定結果が導出される確率が高確率となる。また、確率変動手段の作動契機とならない大当り(通常大当り)を生ずると、大当り遊技を実行した後、特図1当否判定及び特図2当否判定の何れにおいても、大当りを示す判定結果が導出される確率が低確率となる。また、「8R大当り」であって「確変大当り」であるものを「8R確変大当り」と称し、「16R大当り」であって「確変大当り」であるものを「16R確変大当り」と称する。更に、「8R大当り」であって「通常大当り」であるものを「8R通常大当り」と称し、「16R大当り」であって「通常大当り」であるものを「16R通常大当り」と称する。
実施例5の遊技機においては、遊技状態が低確率状態である場合も、高確率状態である場合も、確変大当りを生ずる確率が「60%」、通常大当りを生ずる確率が「40%」とされている。そして、図61の備考欄にも示すように、低確率状態で「大当り」を生じ、当該大当りの発生に基づく大当り遊技を実行した後においては、本遊技機1の遊技状態が、「高確率状態の第1遊技状態(第1入球頻度状態)」に設定される確率が「30%」、「高確率状態の第1有利状態(第2入球頻度状態)」に設定される確率が「24%」、「高確率状態の第2有利状態(第3入球頻度状態)」に設定される確率が「6%」、「低確率状態」に設定される確率が「40%」とされる。
「高確率状態の第1遊技状態(第1入球頻度状態)」において特図1当否判定によって「大当り」を生じ、当該大当りの発生に基づく大当り遊技を実行した後においては、本遊技機1の遊技状態が「高確率状態の第1遊技状態(第1入球頻度状態)」に設定される確率が「30%」、「高確率状態の第2有利状態(第3入球頻度状態)」に設定される確率が「30%」、「低確率状態」に設定される確率が「40%」とされているが、「高確率状態の第1有利状態(第2入球頻度状態)」に設定されることがない。また、図示を省略するが「高確率状態の第1遊技状態(第1入球頻度状態)」において特図2当否判定によって「大当り」を生じ、当該大当りの発生に基づく大当り遊技を実行した後においては、本遊技機1の遊技状態が「高確率状態の第1遊技状態(第1入球頻度状態)」に設定される確率が「60%」、「低確率状態」に設定される確率が「40%」とされているが、「高確率状態の第1有利状態(第2入球頻度状態)」や「高確率状態の第2有利状態(第3入球頻度状態)」に設定されることがない。
「高確率状態の第1有利状態(第2入球頻度状態)」において特図1当否判定によって「大当り」を生じ、当該大当りの発生に基づく大当り遊技を実行した後においては、遊技機の遊技状態が「高確率状態の第1遊技状態(第1入球頻度状態)」に設定される確率が「30%」、「高確率状態の第1有利状態(第2入球頻度状態)」に設定される確率が「15%」、「高確率状態の第2有利状態(第3入球頻度状態)」に設定される確率が「15%」、「低確率状態」に設定される確率が「40%」とされている。また、「高確率状態の第1有利状態(第2入球頻度状態)」において特図2当否判定によって「大当り」を生じ、当該大当りの発生に基づく大当り遊技を実行した後においては、遊技機の遊技状態が「高確率状態の第1遊技状態(第1入球頻度状態)」に設定される確率が「30%」、「高確率状態の第1有利状態(第2入球頻度状態)」に設定される確率が「15%」、「高確率状態の第2有利状態(第3入球頻度状態)」に設定される確率が「15%」、「低確率状態」に設定される確率が「40%」とされている。
「高確率状態の第2有利状態(第3入球頻度状態)」において特図1当否判定によって「大当り」を生じ、当該大当りの発生に基づく大当り遊技を実行した後においては、遊技機の遊技状態が、「高確率状態の第1有利状態(第2入球頻度状態)」に設定される確率が「30%」、「高確率状態の第2有利状態(第3入球頻度状態)」に設定される確率が「30%」、「低確率状態」に設定される確率が「40%」とされ、「高確率状態の第1遊技状態(第1入球頻度状態)」に設定されることがない。また、「高確率状態の第2有利状態(第3入球頻度状態)」において特図2当否判定によって「大当り」を生じ、当該大当りの発生に基づく大当り遊技を実行した後においては、遊技機の遊技状態が、「高確率状態の第1有利状態(第2入球頻度状態)」に設定される確率が「30%」、「高確率状態の第2有利状態(第3入球頻度状態)」に設定される確率が「30%」、「低確率状態」に設定される確率が「40%」とされ、「高確率状態の第1遊技状態(第1入球頻度状態)」に設定されることがない。
図示を省略するが、実施例5の遊技制御処理では、タイマ更新処理(S70)、賞球払出処理(S80)、普通図柄遊技処理(S100)、普通電動役物遊技処理(S200)、特別図柄遊技処理(S300)、大当り遊技処理(S800)等の各処理が繰り返し実行される。つまり、実施例4の遊技制御処理では、小当り遊技処理(S600)を行わない点が、実施例1の遊技制御処理(図25)と異なる。
実施例5の特別図柄遊技処理(S300)では、小当りに関する処理が除外さている点と、確率変動にかかる処理が追加されている点が実施例1の特別図柄遊技処理(S300)と異なる。
実施例の特図2当否判定処理(S320b)及び特図1当否判定処理(S320a)は図32(b)に基づいて以下のように行われる。つまり、この当否判定処理(S320b、S320a)においては、先ず、遊技機1の確変フラグがセット(ONに設定)されているか否かが判断され(S321)、セット(ONに設定)されているときには(S321;YES)、「高確率用のデータテーブル」と「S316bの処理で読み出した特図2大当り抽選乱数」とを用いて当否判定が行われ(S324)、解除(OFFに設定)されているときには(S321;NO)、「低確率用のデータテーブル」と「S316bの処理で読み出した特図2大当り抽選乱数」とを用いて当否判定が行われる(S326)。ここで、「確変フラグ」は遊技機1の確率状態(遊技状態)が高確率状態(確率変動手段が作動する状態)にあることを示すフラグである。そして、第2当否判定(特図2当否判定処理、特図1当否判定処理)の結果が大当りである場合には(S330;YES)、大当りフラグをセット(ONに設定)した後(S332)、当否判定処理(S320b、S320a)を終了し、当否判定の結果が外れである場合には(S330;NO)、外れフラグ(大当りでなかったことを示すフラグ)をセット(ONに設定)した後(S339)、当否判定処理(S320b、S320a)を終了する。
実施例5の図柄変動開始処理(S500a、500b)では、図64に示すように、第2当否判定(特図2当否判定処理、特図1当否判定処理)の結果に基づいて変動設定処理(S510、S540)等を行う。すなわち、第2当否判定(特図2当否判定処理、特図1当否判定処理)の結果が「大当り」である場合には(S502;YES)、S510に移行して「大当り変動設定処理」を行い、大当りでない場合には(S502;NO)、S540に移行して「外れ変動設定処理」を行う。なお、実施例5では「大当り変動設定処理」や「外れ変動設定処理」で使用する変動パターンテーブルの図示を省略するが、第2当否判定(特図2当否判定処理、特図1当否判定処理)の結果が「外れ」である場合において、「短縮変動状態のときに特定される変動時間」は、「短縮変動状態でないときに特定される変動時間」に比べて短くされる可能性が高い。また、本実施例では、当否判定の結果が「外れ」である場合、特別図柄の保留数が考慮され、保留数が少ない場合(例えば、変動パターン決定時の保留数が「1」の場合)には、長めの変動時間を特定する変動パターンが選択され、保留数が多い場合(例えば、変動パターン決定時の保留数が「3」〜「4」の場合)には、短めの変動時間を特定する変動パターンが選択される傾向にある。また、リーチ表示を行わないと判断される場合に選択される変動パターンで特定される変動時間は、リーチ表示を行うと判断される場合に選択される変動パターンで特定される変動時間に比べて短くされる傾向にある。
実施例5の特別図柄遊技処理(S300)では、図30のS350の処理の肯定的な判断を経ると、図62のS353の処理に移行する。このS353の処理では、停止表示の態様が大当りを示す態様(大当り図柄)か否かを判断する。そして、S353の処理で肯定的な判断がなされると、S354、S358、S360の処理を行った後、S362fの処理に移行する。このS362fの処理では、確変フラグがセット(ONに設定)されているか否かを判断する(S362f)。そして、セットされていない場合は(S362f;NO)、そのままS370の処理に移行し、セットされている場合は(S362f;YES)、確変フラグを解除(OFFに設定)する処理(S364f)と、確変カウンタを初期化(ゼロにする)処理(S366f)とを行った後、S370の処理に移行する。
S370の処理においては、変動短縮フラグがセット(ONに設定)されているか否かを判断し、セットされていない場合は(S370;NO)、そのまま特別図柄遊技処理(S300)を抜けて、図25の遊技制御処理に復帰する。一方、S370の処理において、変動短縮フラグがセット(ONに設定)されていると判断される場合は(S370;YES)、変動短縮フラグと開放延長フラグとを解除(OFFに設定)する(S374、S376)。また、変動短縮フラグがセット(ONに設定)されていると判断される場合は(S370;YES)には、有利状態フラグ(第1有利状態フラグ若しくは第2有利状態フラグ)もセット(ONに設定)されているため、このセットされている有利状態フラグ(第1有利状態フラグ若しくは第2有利状態フラグ)を解除(OFFに設定)する処理(S378)も行う。このS378の処理の後、特別図柄遊技処理(S300)を抜けて、図25の遊技制御処理に復帰する。そして、何れの場合においても、図25の遊技制御処理に復帰すると後述する大当り遊技処理(図40のS600)が開始され、大当り遊技が実行される。
次に、図62のS353の処理で否定的な判断がなされる場合の処理について説明する。つまり、第1特別図柄表示部62a若しくは第2特別図柄表示部62bにおいて停止表示された特別図柄が「外れ図柄」の場合には(S353;NO)、S393fの処理で確変フラグがセット(ONに設定)されているか否かが判断される。そして、確変フラグが解除(OFFに設定)されている場合(S393f;NO)、そのままS398の処理に移行する。一方、確変フラグがセット(ONに設定)されている場合(S393f;YES)、確変カウンタの値を「−1」する処理(S394f)を行った後、確変カウンタの値が「ゼロ」になったか否かを判断する(S395f)。
「ゼロ」になっていない場合(S395f;NO)、そのままS398の処理に移行し、確変カウンタの値が「ゼロ」になったと判断される場合(S395f;YES)、確変フラグが解除(OFFに設定)する処理(S396f)を行った後、S398の処理に移行する。そして、S398の処理では変動短縮フラグがセット(ONに設定)されているか否かが判断される(S398)。そして、変動短縮フラグがセットされていない(OFFに設定されている)場合には(S398;YES)、 そのまま特別図柄遊技処理(S300)を抜けて、図25の遊技制御処理に復帰する。
これに対して、変動短縮フラグがセット(ONに設定)されている場合(S398;YES)、つまり、外れ発生時の遊技状態が「高確率状態の第1有利状態(第2入球頻度状態)」若しくは「高確率状態の第2有利状態(第3入球頻度状態)」である場合には、変動短縮カウンタの値を「−1」した後(S400)、変動短縮カウンタの値が「ゼロ」になったか否かを判断する(S404)。そして、「ゼロ」になっていない場合には(S404;NO)、そのまま特別図柄遊技処理(S300)を抜けて、図25の遊技制御処理に復帰する。
ここで、S395の処理の肯定的な判断と、S396の処理と、S398の処理の否定的な判断を経て、特別図柄遊技処理(S300)を抜ける場合は、遊技状態が「高確率状態の第1遊技状態(第1入球頻度状態)」から「低確率状態」に切り換わることになる。
これに対して、S404の処理で変動短縮カウンタの値が「ゼロ」になったと判断される場合には(S404;YES)、遊技機1の遊技状態が「高確率状態の第2有利状態(第3入球頻度状態)」から「高確率状態の第1有利状態(第2入球頻度状態)」に切り換わるか、「高確率状態の第1有利状態(第2入球頻度状態)」から「高確率状態の第1遊技状態(第1入球頻度状態)」に切り換わることになる。このため、主制御基板200のCPU201はS404の処理の肯定的な判断に続いて、その時点でセット(ONに設定)されているのが、「第2有利状態フラグ」であるか否かを判断する(S406)。より具体的には、「高確率状態の第2有利状態(第3入球頻度状態)」で遊技を行っているときに変動短縮カウンタの値が「ゼロ」になったケースであるか、「高確率状態の第1有利状態(第2入球頻度状態)」で遊技を行っているときに否かを判断する(S406)。
変動短縮カウンタの値が「ゼロ」になったと時点でセット(ONに設定)されているのが、「第1有利状態フラグ」である場合には(S406;NO)、変動短縮フラグを解除(OFFに設定)する処理(S410)と、開放延長フラグを解除(OFFに設定)する処理(S416)と、第1有利状態フラグを解除(OFFに設定)する処理(S417)とを行った後、特別図柄遊技処理(S300)を抜けて図25の遊技制御処理に復帰する。また、このとき、遊技状態が「高確率状態の第1有利状態(第2入球頻度状態)」から「高確率状態の第1遊技状態(第1入球頻度状態)」に切り換わることになる。
なお、変動短縮フラグや開放延長フラグがともにOFFに切り換わった場合(S410,416)には開放延長状態(短縮変動状態)が終了して状態の切り換わりが生ずることとなる。本実施例では、そのような状態の切り換わりが発生した場合には、その切り換わり後の状態を示す制御コマンド(状態指定コマンド)を主制御部200Aからサブ制御部220Aに向けて送信するように構成している。これにより、サブ制御部220Aでは、受信した状態指定コマンドに基づき特定される状態(例えば、通常変動状態など)に応じた遊技演出を行うことができる。
また、S404の処理で変動短縮カウンタの値が「ゼロ」になったと判断された時点でセット(ONに設定)されている有利状態フラグが、「第2有利状態フラグ」である場合には(S406;YES)、第2有利状態フラグを解除(OFFに設定)する処理と、第1有利状態フラグをセット(ONに設定)する処理と、変動短縮カウンタに「80」をセットする処理とを行った後(S408)、特別図柄遊技処理(S300)を抜けて図25の遊技制御処理に復帰する。この場合、遊技球入球状態(遊技状態)が「高確率状態の第2有利状態(第3入球頻度状態)」から「高確率状態の第1有利状態(第2入球頻度状態)」に切り換わることになる。
実施例5の大当り遊技終了時処理(S850)は、図65に基づいて実行される。つまり、この大当り遊技終了時処理(S850)が起動すると、CPU201は、大当り遊技フラグ(図62のS360の処理を参照)を解除(OFFに設定)した後(S855)、前述の「当り終了時参照用バッファ(図62のS354を参照)」を参照することによって、今回の大当り遊技の前提となった大当り(以下、「今回の大当り」という。)の種類に関する情報を取得し(S857)、この情報に基づいて、大当り遊技終了後の遊技状態を設定する処理等を行う。
つまり、今回の大当りが、確変大当りでなかった場合には(S858;NO)、そのまま大当り遊技終了時処理(S850)を終了する。この場合、当該大当り遊技終了後の遊技状態は低確率状態をとなる。これに対して、確変大当りである場合には(S858;YES)、確変フラグをセット(ONに設定)した後(S859)、確変カウンタに「100」をセットする処理を行う(S860)。そして、今回の大当りが高確率状態の有利状態(高確率状態の第1有利状態若しくは高確率状態の第2有利状態)を設定する契機となる大当り(有利状態大当り)であったか否かを判断する(S862)。
S862の処理で否定的な判断がなされる場合には(S862;NO)、そのまま大当り遊技終了時処理(S850)を終了する。この場合、当該大当り遊技終了後の遊技状態は「高確率状態の第1遊技状態(第1入球頻度状態)」となる。一方、S862の処理で肯定的な判断がなされる場合には(S862;YES)には、開放延長フラグをセットする処理(S864)と、変動短縮フラグをセットする処理(S866)とを行った後、今回の大当りが高確率状態の第2有利状態を設定する契機となる大当り(第2有利状態大当り)であるか否かを判断する(S872)。そして、「第2有利状態大当り」である場合には、第2有利状態フラグをセットする処理(S874)と、変動短縮カウンタに「30」をセットする処理(S876)とを行った後、大当り遊技終了時処理(S850)を終了する。この場合、当該大当り遊技終了後の遊技状態は「高確率状態の第2有利状態」となる。
これに対して、「有利状態大当り」が高確率状態の第1有利状態を設定する契機となる大当り(第1有利状態大当り)である場合には、第1有利状態フラグをセットする処理(S878)と、変動短縮カウンタに「80」をセットする処理(S880)とを行った後、大当り遊技終了時処理(S850)を終了する。この場合、当該大当り遊技終了後の遊技状態は「高確率状態の第1有利状態」となる。
なお、主制御部200Aは、大当り遊技フラグを解除(OFFに設定)する(S805)タイミングでサブ制御部220Aに向かって、「大当り遊技終了指定コマンド」を送信する。また、本実施例では、大当り遊技終了時処理にて各種フラグやカウンタを設定した際に、その設定に基づく大当り遊技終了後の状態を示す制御コマンド(状態指定コマンド)を主制御部200Aからサブ制御部220Aに向けて送信するように構成している。これにより、サブ制御部220Aでは、受信した状態指定コマンドに基づき特定される状態に応じた遊技演出を行うことができる。
実施例5によると、実施例1の効果と同様な効果を得ることができる。特に、実施例5では、「玉持ちが悪い高確率状態の第1遊技状態(第1入球頻度状態)」とと、「玉持ちが良い高確率状態の高確率状態の第1有利状態」と、「玉持ちが良く、しかも単位時間当りの第2当否判定(特図1当否判定、特図2当否判定)の実行頻度が高くなる高確率状態の第2有利状態」とが併存するため、複数の高確率状態のうちから、一つの遊技状態を択一的に遊技することができる。つまり、高確率状態において、開放延長機能の作動態様、普通図柄の変動時間の長短の選択の組合せにより、単位時間当りの第2当否判定(特図1当否判定、特図2当否判定)の回数が実質的に異なることとなる複数の遊技状態を設け、遊技の多様性を更に一層増加させ、遊技興趣を更に一層高めることができる。また、これら複数の遊技状態において、開放延長機能が作動する割合を異ならせることにより、次回の当り発生の期待値を遊技状態によって異ならせることができる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。
すなわち、大当り実行後の遊技状態の振分態様は各実施例に示す態様(図13に示す態様)に限定されず、以下に示すような変形例を例示することもできる。
図66および図67を用いて各実施例の第1の変形例(以下、変形例1という。)について説明する。この変形例1においても、設定可能な遊技状態は、「通常遊技状態」と「第1有利状態」と「第2有利状態」である。そして、図66および図67に示すように、「通常遊技状態」において特図1当否判定の結果が特定結果(大当り若しくは小当り)となることに基づいて実行される大当り遊技の終了後には、本遊技機1の遊技状態が「通常遊技状態」に設定される確率が「50%」、「第2有利状態」に設定される確率が「50%」とされ、「第1有利状態」に設定されることはない。なお、図示を省略するが「通常遊技状態」において特図2当否判定の結果が特定結果(大当り若しくは小当り)となることに基づいて実行される大当り遊技の終了後には、「通常遊技状態」に設定される確率が「100%」とされている。
図66および図67に示すように、「第1有利状態」において、第2当否判定(特図1当否判定若しくは特図2当否判定)の結果が特定結果(大当り若しくは小当り)となることに基づいて実行される大当り遊技の終了後には、本遊技機1の遊技状態が「通常遊技状態」に設定される確率が「50%」、「第1有利状態」に設定される確率が「50%」とされ、「第2有利状態」に設定されることはない。このため、「第1有利状態」において「大当り」を生じ、当該大当りに基づく大当り遊技を実行した後においては、有利状態(第1有利状態)となる確率は「50%」とされている。
図66および図67に示すように、「第2有利状態」において、第2当否判定(特図1当否判定若しくは特図2当否判定)の結果が特定結果(大当り若しくは小当り)となることに基づいて実行される大当り遊技の終了後には、「第1有利状態」に設定される確率が「50%」とされ、「第2有利状態」に設定される確率が「50%」とされているが、「通常遊技状態」に設定されることがない。このため、「第2有利状態」において「大当り」を生じ、当該大当りに基づく大当り遊技を実行した後においては、有利状態(第1有利状態若しくは第2有利状態)となる確率は「100%」とされている。従って、この変形例1にかかる遊技機においても、「第1有利状態」において「大当り」を生じ、当該大当りに基づく大当り遊技を実行した後に有利状態(第1有利状態若しくは第2有利状態)となる確率よりも、「第2有利状態」において「大当り」を生じ、当該大当りに基づく大当り遊技を実行した後に有利状態(第1有利状態若しくは第2有利状態)となる確率の方が高くなっている。
また、変形例1に示すように、遊技機1の遊技状態にかかわらず、特図1当否判定及び特図2当否判定の何れにおいても、大当りを示す判定結果が導出される確率(大当り確率)は約「1/400」とされる。また、小当りを示す判定結果が導出される確率(小当り確率)は、特図1当否判定の場合は、「1/399」とされ、特図2当否判定の場合は、「10/11」とされている。
この変形例1において、実施例1と同様に遊技状態を入球状態で設定するならば、遊技機1の遊技状態が「通常遊技状態」である場合には、第2始動入賞装置17bが非開放延長状態となっているので、特図2当否判定を実行する可能性が非常に低い。このため、「通常遊技状態」における小当り確率は、実質的に「1/399」となる。また、遊技機1の遊技状態が「第1有利状態」若しくは「第2有利状態」である場合には、第2始動入賞装置17bが開放延長状態となっているので、遊技者は、第2始動入賞装置17bを狙って遊技を実行することとなる。このため、「第1有利状態」若しくは「第2有利状態」における小当り確率は実質的に約「10/11」となる(「363/399」)。すなわち、「通常遊技状態」では主として特図1当否判定が実行され、「第1有利状態」若しくは「第2有利状態」では主として特図2当否判定が実行されることとなる。
この変形例1によると、遊技状態を「通常遊技状態」から「第2有利状態」に移行設定されるときの大当り遊技を含めても、最低3回の大当り遊技の実行が保障されることとなるが、その他の点に関しては、各実施例と同様であり、各実施例と同様な効果を得ることができる。また、変形例1では「第2有利状態」から「第1有利状態」に移行すると、一端、通常遊技状態に移行しなければ再び「第2有利状態」に移行することができない。つまり、「第1有利状態」から「第2有利状態」に移行するルートが排除されているため、射幸性を適度に抑制することができる。
次に、図68および図69を用いて実施例1の第2の変形例(以下、変形例2という。)について説明する。この変形例2においても、設定可能な遊技状態は、「通常遊技状態」と「第1有利状態」と「第2有利状態」である。そして、変形例2では、「通常遊技状態」において特図1当否判定の結果が特定結果(大当り若しくは小当り)となることに基づいて実行される大当り遊技の終了後には、本遊技機1の遊技状態が「通常遊技状態」に設定される確率が「50%」、「第1有利状態」に設定される確率が「40%」、「第2有利状態」に設定される確率が「10%」とされている。なお、図示を省略するが「通常遊技状態」において特図2当否判定の結果が特定結果(大当り若しくは小当り)となることに基づいて実行される大当り遊技の終了後には、「通常遊技状態」に設定される確率が「100%」とされている。
また、図68及び図69に示すように、「第1有利状態」において、第2当否判定(特図1当否判定若しくは特図2当否判定)の結果が特定結果(大当り若しくは小当り)となることに基づいて実行される大当り遊技の終了後には、本遊技機1の遊技状態が「通常遊技状態」に設定される確率が「30%」、「第1有利状態」に設定される確率が「60%」、「第2有利状態」に設定される確率が「10%」とされている。このため、大当り遊技後においては、有利状態(第1有利状態若しくは第2有利状態)となる確率は「70%」とされている。
更に、図68および図69に示すように、「第2有利状態」において、第2当否判定(特図1当否判定若しくは特図2当否判定)の結果が特定結果(大当り若しくは小当り)となることに基づいて実行される大当り遊技の終了後には、本遊技機1の遊技状態が「通常遊技状態」に設定される確率が「10%」、「第1有利状態」に設定される確率が「60%」とされ、「第2有利状態」に設定される確率が「30%」とされている。このため、大当り遊技後においては、有利状態(第1有利状態若しくは第2有利状態)となる確率は「90%」とされている。従って、本遊技機1では、「第1有利状態」において、第2当否判定の結果が特定結果(大当り若しくは小当り)となることに基づいて実行される大当り遊技の終了後に有利状態(第1有利状態若しくは第2有利状態)となる確率よりも、「第2有利状態」において、第2当否判定の結果が特定結果(大当り若しくは小当り)となることに基づいて実行される大当り遊技の終了後に有利状態(第1有利状態若しくは第2有利状態)となる確率の方が高くなっている。
この変形例2においても、第1有利状態は、大当りを生ずることなく実行される変動表示(特別図柄変動遊技)の累積回数が「80回」になるまで継続される。そして、大当りを生ずることなく実行される変動表示(特別図柄変動遊技)の累積回数が「80回」になると、遊技機1の遊技状態は通常遊技状態に戻される。一方、第2有利状態は、大当りを生ずることなく実行される変動表示(特別図柄変動遊技)の累積回数が「30回」になるまで継続される。そして、大当りを生ずることなく実行される変動表示(特別図柄変動遊技)の累積回数が「30回」になると、遊技機1の遊技状態は第1有利状態となる。更に、この第1有利状態も、大当りを生ずることなく実行される変動表示(特別図柄変動遊技)の累積回数が「80回」になるまで継続され、この累積回数が「80回」になると、遊技機1の遊技状態は通常遊技状態に戻される。そして、変形例2によっても、各実施例と同様な効果が得られる。
次に、図70および図71を用いて各実施例の第3の変形例(以下、変形例3という。)について説明する。この変形例3においても、設定可能な遊技状態は、「通常遊技状態」と「第1有利状態」と「第2有利状態」である。そして、変形例3では、「通常遊技状態」において特図1当否判定の結果が特定結果(大当り若しくは小当り)となることに基づいて実行される大当り遊技の終了後には、本遊技機1の遊技状態が「通常遊技状態」に設定される確率が「50%」、「第1有利状態」に設定される確率が「50%」とされ、「第2有利状態」に設定されることはない。なお、図示を省略するが、「通常遊技状態」において特図2当否判定の結果が特定結果(大当り若しくは小当り)となることに基づいて実行される大当り遊技の終了後には、「通常遊技状態」に設定される確率が「100%」とされている。
図70および図71に示すように、「第1有利状態」において、第2当否判定(特図1当否判定若しくは特図2当否判定)の結果が特定結果(大当り若しくは小当り)となることに基づいて実行される大当り遊技の終了後には、本遊技機1の遊技状態が「通常遊技状態」に設定される確率が「30%」、「第1有利状態」に設定される確率が「50%」、「第2有利状態」に設定される確率が「20%」とされている。このため、大当り遊技を実行した後においては、有利状態(第1有利状態若しくは第2有利状態)となる確率は「70%」とされている。
図70および図71に示すように、「第2有利状態」において、第2当否判定(特図1当否判定若しくは特図2当否判定)の結果が特定結果(大当り若しくは小当り)となることに基づいて実行される大当り遊技の終了後には、「第1有利状態」に設定される確率が「50%」とされ、「第2有利状態」に設定される確率が「50%」とされているが、「通常遊技状態」に設定されることがない。このため、「第2有利状態」において「大当り」を生じ、当該大当りに基づく大当り遊技を実行した後においては、有利状態(第1有利状態若しくは第2有利状態)となる確率は「100%」とされている。従って、「第1有利状態」において第2当否判定の結果が特定結果となることに基づいて実行される大当り遊技の終了後に有利状態(第1有利状態若しくは第2有利状態)となる確率よりも、「第2有利状態」において第2当否判定の結果が特定結果となることに基づいて実行される大当り遊技の終了後に有利状態(第1有利状態若しくは第2有利状態)となる確率の方が高くなっている。
変形例3においても、第1有利状態は、大当りを生ずることなく実行される変動表示(特別図柄変動遊技)の累積回数が「80回」になるまで継続される。そして、大当りを生ずることなく実行される変動表示(特別図柄変動遊技)の累積回数が「80回」になると、遊技機1の遊技状態は通常遊技状態に戻される。一方、第2有利状態は、大当りを生ずることなく実行される変動表示(特別図柄変動遊技)の累積回数が「30回」になるまで継続される。そして、大当りを生ずることなく実行される変動表示(特別図柄変動遊技)の累積回数が「30回」になると、遊技機1の遊技状態は第1有利状態となる。更に、この第1有利状態も、大当りを生ずることなく実行される変動表示(特別図柄変動遊技)の累積回数が「80回」になるまで継続され、この累積回数が「80回」になると、遊技機1の遊技状態は通常遊技状態に戻される。そして、変形例3によっても、各実施例と同様な効果が得られる。
また、第2始動入賞装置17bに遊技球が入球する頻度を高くするための手法としては、図72(a)の変形例4に示すように、(a)普通図柄の変動表示の実行時間を短縮化する手法(以下、「手法1」という。)と、(b)普図当否判定(第1当否判定)の結果を停止表示する時間を短縮化する手法(以下、「手法2」という。)と、(c)第2始動入賞装置17bの開放時間(第2の態様となる時間)を延長する手法(以下、「手法3」という。)と、(d)普図当否判定(第1当否判定)の結果が当り(所定結果)となる確率を高くする手法(以下、「手法4」という。)、(e)第2始動入賞装置17bが開放状態(第2の態様)となる回数を多くする手法(以下、「手法5」という。)の他に、手法1〜手法5を2個以上組み合わせた手法を例示できる。
つまり、各実施例および各変形例では、(A)第2始動入賞装置17bに遊技球が入球する頻度を第1遊技状態よりも「第2遊技状態および第3遊技状態」において高くするために、第2始動入賞装置17bの開放時間(第2の態様となる時間)を、「第2遊技状態および第3遊技状態」において延長する手法(手法3)を採用し、第1遊技状態〜第3遊技状態の順に高くするために、普通図柄の変動表示の実行時間を第1遊技状態〜第3遊技状態の順に短くする手法(手法1)を用い、更に、(B)第1遊技状態よりも、第2遊技状態および第3遊技状態において第2始動入賞装置17bに遊技球が入球する頻度を高くするために、普図当否判定(第1当否判定)の結果が当り(所定結果)となる確率を第2遊技状態および第3遊技状態において高くする手法(手法4)を用いた。また、(C)第2遊技状態よりも第3遊技状態において第2始動入賞装置17bに遊技球が入球する頻度を高くするために、第3遊技状態における普通図柄の変動表示の実行時間を、第2遊技状態における普通図柄の変動表示の実行時間よりも短縮化する手法(手法1)を採用した。
また、図72(b)に示すように、第2始動入賞装置17bに遊技球が入球する頻度を、第1遊技状態よりも「第2遊技状態および第3遊技状態」において高くするために、第2始動入賞装置17bの開放時間(第2の態様となる時間)を、「第2遊技状態)および第3遊技状態」において延長する手法(手法3)を採用するとともに、第1遊技状態〜第3遊技状態の順に普図当否判定(第1当否判定)の結果を停止表示する時間を短縮化する手法(手法2)を採用したものを例示できる。この場合、第1遊技状態〜第3遊技状態において普通図柄の変動時間を統一しつつも、普通図柄の停止時間を第1遊技状態〜第3遊技状態の順に短くする場合を例示できる。例えば、普通図柄の変動時間は何れも「5秒」であるが、第1当否判定の結果を停止表示する時間を、第1遊技状態では「20秒」、第2遊技状態では「2秒」、第3遊技状態では「0.5秒」とする場合を例示できる。かかる場合には、第2当否判定の実行頻度が、第1遊技状態、第2遊技状態、第3遊技状態の順に高くなる。
更に、第2始動入賞装置17bに遊技球が入球する頻度を高くするために、第2始動入賞装置17bの開放時間(第2の態様となる時間)を延長する手法(手法3)を用いるとともに、第1遊技状態〜第3遊技状態の順に普図当否判定(第1当否判定)の結果を当り(所定結果)となる確率を高くする手法を採用したものも等を例示することもできる。
以下、図73で例示する変形例を更に具体化したもの(以下、「変形例5」という。)を図73(a)および(b)を用いて説明する。この変形例5においては、遊技機の遊技状態が第1入球頻度状態(第1遊技状態)であるとき、開放延長機能が作動しない(第2始動入賞装置17bの開放時間が0.2秒とされる)とともに、普通図柄の変動時間が通常変動時間(例えば、30秒)に決定される。また、第1入球頻度状態では、普通図柄に関する抽選(第1当否判定)が低確率(例えば、当り確率30%、3/10)で行われる。
また、変形例5においても、第2入球頻度状態(第2遊技状態)及び第3入球頻度状態(第3遊技状態)では開放延長機能が作動し(第2始動入賞装置17bの開放時間が5秒とされる)、普通図柄に関する抽選(第1当否判定)が高確率(例えば、当り確率90%、9/10)で行われる。但し、第2入球頻度状態(第2遊技状態)では普通図柄の変動時間が、第1入球頻度状態(第1遊技状態)の場合と同様に、通常変動時間(例えば、30秒)に決定される。これに対して、第2入球頻度状態(第2遊技状態)では、普通図柄の変動時間が通常時間よりも短くされた短縮変動時間(例えば、2秒を例示するが、30秒よりも短ければ、5秒等の他の時間でもよい。)に決定される。
変形例5の普通図柄遊技処理(S130)は、図26及び図27に図73(b)の修正を加えた状態で実行される。つまり、変形例5の普通図柄遊技処理(S130)においても、S138の肯定的な判断と、S145の処理を行うと、第1有利状態フラグがセット(ONに設定)されているか否かを判断する(S150)。そして、第1有利状態フラグがセット(ONに設定)されていると判断する場合には(S150;YES)、遊技機1の遊技状態が「第1有利状態(第2入球頻度状態)」であるため、「普通図柄の変動時間」として通常時間を設定した後(S154)、普通図柄の変動表示を開始させる(S160)。一方、第1有利状態フラグがセット(ONに設定)されていないと判断する場合には(S150;NO)遊技機1の遊技状態が「第2有利状態(第3入球頻度状態)」であるため、「普通図柄の変動時間」として「短縮時間(2秒)に短縮化した変動時間」を設定した後(S153)、普通図柄の変動表示を開始させる(S160)。
また、実施例1と同様に、第1遊技状態、第1有利状態(第2遊技状態)及び第2有利状態(第3遊技状態)の何れにおいても、普通図柄の停止時間は、同一時間(例えば、0.5秒)とされる。なお、変形例5の普通図柄遊技処理(S130)において、その他の点に関しては、実施例1の普通図柄遊技処理(S130)と同様である。また、図示を省略するが、変形例5において「通常変動時間」を決定する際に用いる「通常変動時間決定テーブル」に1個の変動時間のみが記憶されているため、「通常変動時間」は一義的に「30秒」とされるが、「通常動時間決定テーブル」として、乱数値と対応する状態で複数個(例えば、「30」、「25秒」、 「32秒」、「28秒」の4個)記憶したものを用いてもよく、この場合、乱数抽選によって「通常変動時間(短縮化しない変動時間)」を設定することとしてもよい。また、図示を省略するが、変形例5においても、「短縮化した変動時間」を決定する際に用いる「短縮変動時間決定テーブル」に1個の変動時間のみが記憶されているため、「短縮化した変動時間」は一義的に「2秒」とされるが、「短縮変動時間決定テーブル」として、乱数値と対応する状態で複数個(例えば、「2.2」、「2.0秒」、 「1.8秒」、「2.3秒」の4個)記憶したものを用いてもよく、この場合、乱数抽選によって「第2短縮時間に短縮化した変動時間」を設定することとしてもよい。
このように、変形例5においては、第1遊技状態で開放延長機能が作動せず、第1有利状態(第2遊技状態)及び第2有利状態(第3遊技状態)において開放延長機能が作動する。このため、第1遊技状態および第1有利状態(第2遊技状態)において、普通図柄の変動時間が同一あっても、第2有利状態(第3遊技状態)における普通図柄の変動時間を「第1有利状態(第2遊技状態)における普通図柄の変動時間」よりも短くすること等によって、「第2始動入賞装置17bに遊技球が入球する頻度」を第1遊技状態、第1有利状態(第2遊技状態)、第2有利状態(第3遊技状態)の順にを高くすることができる。
また、「第1有利状態大当りに係る大当り遊技を終了後に実行される第1有利状態」は、大当りを生ずることなく実行される変動表示の累積回数が「80回」になるまで継続され(図41のS880を参照)、「第2有利状態で実行される変動表示の累積回数が上限数(30回)となることに基づき実行される第1有利状態」も、大当りを生ずることなく実行される変動表示の累積回数が「80回」になるまで継続されることとした(図31のS408を参照)。つまり、第2有利状態で実行される変動表示の累積回数が上限数(30回)となることにより、遊技状態が第2有利状態から第1有利状態に移行する場合には、有利状態(第1有利状態および第2有利状態)での遊技が、識別情報の変動表示の累積回数が「110回」になるまで継続する態様を例示した。
但し、図74(a)の変形例6に示すように、「第2有利状態から移行して実行される第1有利状態」においては、大当りを生ずることなく実行可能な変動表示の累積回数を「50回」としてもよい(図74(a)のS408eの処理を参照)。この場合、第2有利状態で実行可能な変動表示の累積回数(30回)と、第1有利状態に移行後に実行可能な変動表示の累積回数(50回)との合計が「80回」となる。この場合、「第1有利状態大当りに係る大当り遊技を終了後に実行される第1有利状態」で実行可能な変動表示の累積回数(80回)との均衡を保つことができる点で、意義は大きなものとなる。
但し、図74(b)の変形例7に示すように、「第2有利状態から移行して実行される第1有利状態」においては、大当りを生ずることなく実行可能な変動表示の累積回数を「70回」としてもよい(図74(a)のS408fの処理を参照)。この場合、第2有利状態で実行可能な変動表示の累積回数(30回)と、第1有利状態に移行後に実行可能な変動表示の累積回数(70回)との合計が「100回」となる。この場合、大当りを生ずることなく実行可能な変動表示の累積回数が「100回」に抑制できるため、遊技機の射幸性を抑制することができる。
各実施例では、遊技状態として、通常遊技状態(第1遊技状態)と、第1有利状態(第2遊技状態)と、第2有利状態(第3遊技状態)とを有する場合を例示したが、遊技機が設定可能な遊技状態は4以上であってもよい。例えば、図75の変形例8に示すように、通常遊技状態(第1遊技状態)Aと、第1有利状態(第2遊技状態)Bと、第2有利状態(第3遊技状態)D1と、第2有利状態(第3遊技状態)D2と、第2有利状態(第3遊技状態)D3と、第2有利状態(第3遊技状態)D4と、第2有利状態(第3遊技状態)D5とを備えてもよい。
つまり、変形例8の遊技機で実行される遊技状態は、通常遊技状態(第1遊技状態)と、第1有利状態(第2遊技状態)と、5種類の第2有利状態(第3遊技状態)である。そして、実施例1の通常遊技状態(第1遊技状態)は、実施例1と同様な「第1入球頻度状態」によって構成される。この第1入球頻度状態では開放延長機能が作動しない(第2始動入賞装置17bの開放時間が0.2秒とされる)とともに、普通図柄の変動時間が通常変動時間(例えば、30秒)に決定される。また、第1入球頻度状態は、開放延長機能が作動しない遊技状態であり、普通図柄に関する抽選(第1当否判定)が低確率(例えば、当り確率30%、3/10)で行われる。
また、変形例8の第1有利状態(第2遊技状態)は「第2入球頻度状態」によって構成される。この第2入球頻度状態では開放延長機能が作動する(第2始動入賞装置17bの開放時間が2秒とされる)とともに、普通図柄の変動時間が通常変動時間よりも短くされた第1短縮変動時間(例えば、5秒)に決定される。つまり、変形例8の第1有利状態(第2遊技状態)では、実施例1の第1有利状態(第2遊技状態)に比べて、第2始動入賞装置17bの開放時間が短くされている。
第2有利状態(第3遊技状態)D1は、「第3入球頻度状態」によって構成され、この第3入球頻度状態では開放延長機能が作動する(第2始動入賞装置17bの開放時間が5秒とされる)とともに、普通図柄の変動時間が第1短縮変動時間よりも短くされた第2短縮変動時間(例えば、2秒)に決定される。また、第2有利状態(第3遊技状態)D2も、「第3入球頻度状態」によって構成され、この第3入球頻度状態では開放延長機能が作動する(第2始動入賞装置17bの開放時間が4.5秒とされる)とともに、普通図柄の変動時間が第1短縮変動時間よりも短くされた第2短縮変動時間(例えば、2秒)に決定される。更に、第2有利状態(第3遊技状態)D3も、「第3入球頻度状態」によって構成され、この第3入球頻度状態では開放延長機能が作動する(第2始動入賞装置17bの開放時間が4秒とされる)とともに、普通図柄の変動時間が第1短縮変動時間よりも短くされた第2短縮変動時間(例えば、2秒)に決定される。
また、第2有利状態(第3遊技状態)D4も、「第3入球頻度状態」によって構成され、この第3入球頻度状態では開放延長機能が作動する(第2始動入賞装置17bの開放時間が3.5秒とされる)とともに、普通図柄の変動時間が第1短縮変動時間よりも短くされた第2短縮変動時間(例えば、2秒)に決定される。更に、第2有利状態(第3遊技状態)D5も、「第3入球頻度状態」によって構成され、この第3入球頻度状態では開放延長機能が作動する(第2始動入賞装置17bの開放時間が3秒とされる)とともに、普通図柄の変動時間が第1短縮変動時間よりも短くされた第2短縮変動時間(例えば、2秒)に決定される。
また、第2入球頻度状態(第1有利状態)および第3入球頻度状態(第2有利状態D1〜D4)は、開放延長機能が作動する遊技状態であり、普通図柄に関する抽選(第1当否判定)が高確率(例えば、当り確率90%、9/10)で行われる。
そして、図75に示すように、「通常遊技状態A」において特図1当否判定の結果が特定結果(大当り若しくは小当り)となることに基づいて実行される大当り遊技の終了後には、本遊技機1の遊技状態が「通常遊技状態A」に設定される確率が「50%」、「第2有利状態D1」に設定される確率が「50%」とされ、「第1有利状態C」、「第2有利状態D2〜D5」に設定されることはない。なお、図示を省略するが、「通常遊技状態A」において特図2当否判定の結果が特定結果(大当り若しくは小当り)となることに基づいて実行される大当り遊技の終了後には、「通常遊技状態A」に設定される確率が「100%」とされている。
図75に示すように、「第1有利状態C」において、第2当否判定(特図1当否判定若しくは特図2当否判定)の結果が特定結果(大当り若しくは小当り)となることに基づいて実行される大当り遊技の終了後には、本遊技機1の遊技状態が「第1入球頻度状態A」に設定される確率が「50%」、「第1有利状態C」に設定される確率が「25%」、「第2有利状態D1」に設定される確率が「25%」とされている。このため、「第1有利状態C」において「大当り」を生じ、当該大当りに基づく大当り遊技を実行した後においては、有利状態(第1有利態C若しくは第2有利状態D1)となる確率は「50%」とされている。また、「第1有利状態C」においてにおいて特図1当否判定の結果が特定結果(大当り若しくは小当り)となることに基づいて実行される大当り遊技の終了後には、「第2有利状態D2〜D5」に設定されることはない。
図75に示すように、「第2有利状態D1〜D5」において、第2当否判定(特図1当否判定若しくは特図2当否判定)の結果が特定結果(大当り若しくは小当り)となることに基づいて実行される大当り遊技の終了後には、「第1有利状態C」に設定される確率が「50%」とされ、「第2有利状態D1」に設定される確率が「50%」とされているが、「通常遊技状態A」や「第2有利状態D2〜D5」に設定されることがない。このため、「第2有利状態D1〜D5」において「大当り」を生じ、当該大当りに基づく大当り遊技を実行した後においては、有利状態(第1有利状態若しくは第2有利状態)となる確率は「100%」とされている。従って、本遊技機1では「第2始動入賞装置17bに遊技球が入球する頻度が高く(通常遊技状態である場合よりも高く)なる確率」が、「第1有利状態C」で「大当り」を生じ、当該大当りに基づく大当り遊技を実行した場合よりも、「第2有利状態D1〜D5」で「大当り」を生じ、当該大当りに基づく大当り遊技を実行した場合の方が高くなっている。
図75に示すように、遊技機1の遊技状態にかかわらず、特図1当否判定及び特図2当否判定の何れにおいても、大当りを示す判定結果が導出される確率(大当り確率)は約「1/400」とされる。また、小当りを示す判定結果が導出される確率(小当り確率)は、特図1当否判定の場合は、「1/399」とされ、特図2当否判定の場合は、「10/11」とされている。また、変形例8においては、遊技機1の遊技状態が「通常遊技状態A」である場合には、第2始動入賞装置17bが非開放延長状態となっているので、特図2当否判定を実行する可能性が非常に低い。このため、「通常遊技状態」における小当り確率は、実質的に「1/399」となる。また、遊技機1の遊技状態が「第1有利状態C」若しくは「第2有利状態D1〜D5」である場合には、第2始動入賞装置17bが開放延長状態となっているので、遊技者は、第2始動入賞装置17bを狙って遊技を実行することとなる。このため、「第1有利状態」若しくは「第2有利状態」における小当り確率は実質的に約「10/11」となる(「363/399」)。すなわち、「通常遊技状態A」では主として特図1当否判定が実行され、「第1有利状態C」若しくは「第2有利状態D1〜D5」では主として特図2当否判定が実行されることとなる。
変形例8では、遊技機1の遊技状態が第1有利状態C若しくは第2有利状態D1となると、開放延長手段と、特別図柄に変動時間を短縮化する変動時間短縮手段が作動状態となる。また、第1有利状態Cは、大当りを生ずることなく実行される変動表示(特別図柄変動遊技)の累積回数が「80回」になるまで継続される。そして、大当りを生ずることなく実行される変動表示(特別図柄変動遊技)の累積回数が「80回」になると、遊技機1の遊技状態は通常遊技状態に戻される。
一方、第2有利状態D1は、大当りを生ずることなく実行される変動表示(特別図柄変動遊技)の累積回数が「26回」になるまで継続される。そして、大当りを生ずることなく実行される変動表示(特別図柄変動遊技)の累積回数が「26回」になると、遊技機1の遊技状態は第2有利状態D2となる。更に、第2有利状態D2において、大当りを生ずることなく変動表示が1回行われると遊技機1の遊技状態は第2有利状態D3となる。更に、大当りを生ずることなく変動表示が1回行われると遊技機1の遊技状態は第2有利状態D4となり、その後、大当りを生ずることなく変動表示が1回行われると遊技機1の遊技状態は第2有利状態D5となる。そして、第2有利状態D5で大当りを生ずることなく変動表示が1回行われると遊技機1の遊技状態は第1有利状態Cとなる。つまり、遊技機1の遊技状態が第2有利状態D2となった後は、変動表示が1回行われる毎に、遊技状態が第2有利状態D4、第2有利状態D3、第2有利状態D4、第2有利状態D5の順に移行する。
遊技状態が第2有利状態D5から第1遊技状態Cに移行した後においては、大当りを生ずることなく実行される変動表示(特別図柄変動遊技)の累積回数が「80回」になるまで継続され、この積回数が「80回」になると、遊技機1の遊技状態は通常遊技状態に戻される。このように、変形例8では、第2有利状態を複数設け、変動表示が1回行われる毎に遊技状態が第2有利状態D4、第2有利状態D3、第2有利状態D4、第2有利状態D5の順に移行するため、遊技状態を更に多様化することができ、遊技中の遊技者に適度な刺激を与え、遊技興趣を高めることができる。
次に、図76を用いて各実施例の第9の変形例(以下、変形例9という。)について説明する。この変形例9においても、設定可能な遊技状態は、「通常遊技状態」と「第1有利状態」と「第2有利状態」である。そして、変形例9では、「通常遊技状態」において第2当否判定(特図1当否判定若しくは特図2当否判定)の結果が特定結果(大当り若しくは小当り)となることに基づいて実行される大当り遊技の終了後には、本遊技機1の遊技状態が「通常遊技状態」に設定される確率が「50%」、「第1有利状態」に設定される確率が「50%」とされ、「第2有利状態」に設定されることはない。
「第1有利状態」において、第2当否判定(特図1当否判定若しくは特図2当否判定)の結果が特定結果(大当り若しくは小当り)となることに基づいて実行される大当り遊技の終了後には、本遊技機1の遊技状態が「通常遊技状態」に設定される確率が「15%」、「第1有利状態」に設定される確率が「60%」とされ、「第2有利状態」に設定される確率が「25%」とされている。このため、「第1有利状態」において「大当り」を生じ、当該大当りに基づく大当り遊技を実行した後においては、有利状態(第1有利状態若しくは第2有利状態)となる確率は「85%」とされている。
「第2有利状態」において、第2当否判定(特図1当否判定若しくは特図2当否判定)の結果が特定結果(大当り若しくは小当り)となることに基づいて実行される大当り遊技の終了後には、本遊技機1の遊技状態が「通常遊技状態」に設定される確率が「40%」、「第1有利状態」に設定される確率が「25%」とされ、「第2有利状態」に設定される確率が「35%」とされている。このため、「第2有利状態」において「大当り」を生じ、当該大当りに基づく大当り遊技を実行した後においては、有利状態(第1有利状態若しくは第2有利状態)となる確率は「60%」とされている。従って、「第2有利状態」において第2当否判定の結果が特定結果となることに基づいて実行される大当り遊技の終了後に有利状態(第1有利状態若しくは第2有利状態)となる確率よりも、「第1有利状態」において第2当否判定の結果が特定結果となることに基づいて実行される大当り遊技の終了後に有利状態(第1有利状態若しくは第2有利状態)となる確率の方が高くなっている。
変形例9においては、第1有利状態は、大当りを生ずることなく実行される変動表示(特別図柄変動遊技)の累積回数が「8回」になるまで継続される。そして、大当りを生ずることなく実行される変動表示(特別図柄変動遊技)の累積回数が「8回」になると、遊技機1の遊技状態は第2有利技状態に移行する。一方、第2有利状態は、大当りを生ずることなく実行される変動表示(特別図柄変動遊技)の累積回数が「80回」になるまで継続される。そして、大当りを生ずることなく実行される変動表示(特別図柄変動遊技)の累積回数が「80回」になると、遊技機1の遊技状態は通常遊技状態となる。
変形例9の遊技機では、遊技状態が第1有利状態にあるときには、大当りを生ずることなく実行される変動表示(特別図柄変動遊技)の累積回数が「8回」になると、遊技状態が遊技者にとって最も有利な第2遊技状態に移行する。つまり、第1有利状態にあるときに大当りを生ずることなく実行される変動表示(特別図柄変動遊技)の累積回数が「8回」になると遊技状態が最も有利な第2有利状態に移行するとともに、この第2有利状態を長期間(最大で変動表示の累積回数が80回になるまでの期間)継続することが可能である。これに対して、第1有利状態にあるときに「通常遊技状態を設定する契機となる大当り(以下、「通常状態大当り」という。)」を生ずると、第2有利状態に到達することなく、遊技状態が通常遊技状態に戻るため、遊技者は第1有利状態での遊技を緊張感を持って行うことになる。つまり、遊技者は「第2有利状態大当り以外では当たるな」と祈りつつ、第1有利状態での遊技を行うことになる。
この変形例9に示すように本発明に関連する発明として、
「前記第1遊技状態よりも遊技者にとっての有利度が高い所定の遊技状態で前記第2当否判定の結果が特定結果になることなく前記識別情報の変動表示を所定回数実行すると、前記遊技状態が、前記所定の遊技状態よりも遊技者にとっての有利度が高い他の遊技状態に移行することを特徴とするもの」を例示することもできる。
「前記第1遊技状態よりも遊技者にとっての有利度が高い所定の遊技状態で前記第2当否判定の結果が特定結果になることなく前記識別情報の変動表示を所定回数実行すると、前記遊技状態が、前記所定の遊技状態よりも遊技者にとっての有利度が高い他の遊技状態に移行することを特徴とするもの」を例示することもできる。
各実施例では、可変式の始動手段(第2始動入賞装置17b)として、チューリップタイプの入球装置を例示したが、(a)アタッカータイプの入球装置(例えば、各実施例で例示した大入賞装置31)、(b)遊技盤10の盤面から突出する状態に配置される支軸を中心に回動して入球口を開閉するタイプ(例えば、実施例1〜3で例示した開閉装置25)、(c)遊技盤10の盤面に対して、出没可能に配置された開閉部材を備え、この開閉部材が後退しているときに、遊技盤10の盤面の前方に開放される入球口を閉鎖し、開閉部材が前方に突出しているときに、遊技盤10の盤面の前方に開放される入球口を開放するとともに、開閉部材の上面部が遊技領域を流下する遊技球を受け取り、入球口に向かって誘導するタイプ等を例示することもできる。
また、前述のように、本発明の『入球』には通過の概念も含まれる。従って、各実施例および各変形例の入球口(各入賞装置や各ゲート)には、入球した遊技球が遊技領域外に排出される(入球後に再度遊技領域を流下しない)ものや、入球した遊技球が遊技領域を流下し、他の入球口に入球するか又はアウト口から遊技領域外に排出される。具体的に、第1始動手段としては前述の普図ゲート16の他に、ポケット形状の入球装置を例示できる。このポケット形状の入球装置では、入球した遊技球は再度遊技領域11を流下させずに遊技領域11外に排出されることになる。また、各実施例および各変形例の入賞装置(第1始動入賞装置17a、第2始動入賞装置17b、大入賞装置31、一般入賞装置45、46)では、入球した遊技球は再度遊技領域11を流下させずに遊技領域11外に排出していたが、何れかの入賞装置をゲートタイプとし、入球(通過)した遊技従球を遊技領域11に再度、戻すこととしてもよい。
また、各実施例および各変形例では、第1遊技状態(通常状態)と、第2遊技状態(第1有利状態)と、第3遊技状態(第2有利状態)とを備え、第3遊技状態(第2有利状態)で大当りになることなく所定回数、識別情報が変動表示されると、第2遊技状態(第1有利状態)に移行する態様を述べた。但し、各実施例および各変形例と異なり、第3遊技状態(第2有利状態)で大当りになることなく所定回数、識別情報が変動表示されると、第1遊技状態(通常状態)に移行する具体例を例示することができる。この具体例を、例えば、図31のS406の処理で肯定的な判断がなされると(S406;YES)、S408の処理において第2有利状態フラグを解除(OFFに設定)する処理と、変動短縮フラグと、開放延長フラグを解除(OFFに設定)する処理を行うが、第1有利状態フラグをセット(ONに設定)する処理と変動短縮カウンタに80をセットする処理を行わないこととすれば、達成することができる。
また、各実施例および各変形例と異なり、第2遊技状態(第1有利状態)で大当りになることなく所定回数、識別情報が変動表示されると、第1遊技状態(通常状態)に移行する具体例を例示することができる。この具体例も、例えば、図31のS406の処理で肯定的な判断がなされると(S406;YES)、S408の処理において第2有利状態フラグを解除(OFFに設定)する処理と、変動短縮フラグと、開放延長フラグを解除(OFFに設定)する処理を行うが、第1有利状態フラグをセット(ONに設定)する処理と変動短縮カウンタに80をセットする処理を行わないこととすれば、達成することができる。
各実施例では、一個の可変式の始動入賞装置(第2始動入賞装置17b)と、一個の非可変式の始動入賞装置(第1始動入賞装置17a)とを備える遊技機1を例示したが、一個の可変式の始動入賞装置のみを有する遊技機、複数個の可変式の始動入賞装置のみを有する遊技機、複数個の可変式の始動入賞装置と一個若しくは複数個の非可変式の始動入賞装置を備える遊技機、一個の可変式の始動入賞装置と複数個の非可変式の始動入賞装置とを備える遊技機について、本発明を適用できる。
実施例1〜4では、羽根物の特徴を兼ね備えるセブン機(混合機)に対する適用例を述べ、実施例5では、純粋なセブン機に対する適用例を述べた。
つまり、羽根物の特徴を兼ね備えるセブン機(混合機)は、実施例1〜3に例示したように、
可変式始動口を含む1個以上の始動口と、
当否判定の結果を示す判定結果図柄の確定表示等を行う図柄表示手段(例えば、LEDランプや、液晶表示装置等によって構成)と、
前記当否判定の結果が小当りの場合に小当り遊技を実行する小当り遊技実行手段と、
前記当否判定の結果が大当りの場合と、小当り遊技中であって有効期間内に遊技球が特定領域を通過した場合とに、大当り遊技を実行する大当り遊技実行手段と、
を備える。
つまり、羽根物の特徴を兼ね備えるセブン機(混合機)は、実施例1〜3に例示したように、
可変式始動口を含む1個以上の始動口と、
当否判定の結果を示す判定結果図柄の確定表示等を行う図柄表示手段(例えば、LEDランプや、液晶表示装置等によって構成)と、
前記当否判定の結果が小当りの場合に小当り遊技を実行する小当り遊技実行手段と、
前記当否判定の結果が大当りの場合と、小当り遊技中であって有効期間内に遊技球が特定領域を通過した場合とに、大当り遊技を実行する大当り遊技実行手段と、
を備える。
また、実施例1〜4に示す混合機(図柄が揃って大当りになるときと、図柄が揃って小当りとなり当該小当りを経由して大当りとなるときとの2態様で大当りが発生するタイプの遊技機)では、小当り遊技中に開放状態となる小当り用入賞口25aと、大当り遊技中に開放状態となる大入賞口31aとを別個に設けたが、大入賞口31aが小当り用入賞口25aを兼用してもよい。また、実施例1に示す混合機では、1個の小当り用入賞口25aと、この小当り用入賞口25aを開閉する1個の開閉部材25bとを備える態様を例示したが、小当り用入賞口25aの数を複数個とし、各小当り用入賞口25aに対して開閉部材25bを備える態様を例示することもできる。
更に、上述した各実施例および変形例では、遊技ホールの島設備から供給される遊技球を「貸球」や「賞球」として利用し、遊技盤に設けられた各種入賞口(第1始動口、第2始動口、大入賞口等)への遊技球の入球に応じて所定数の賞球を払い出すことによって、遊技の結果としての利益(遊技価値)を遊技者に付与する遊技機1に本発明を適用した例を説明したが、「賞球の払い出し」とは異なる形態で遊技上の利益(遊技価値)を付与するタイプの遊技機にも、本発明を適用することができる。そのようなタイプの遊技機として、各種入賞口への遊技球の入球が発生することで、その入球に対応する利益の量(遊技価値の大きさ)を示すデータを主制御部あるいは払出制御部のRAMに記憶することによって、遊技上の利益(遊技価値)を遊技者に付与する遊技機を例示でき、この場合にも、上記実施例と同様の効果を得ることができる。
なお、遊技上の利益(遊技価値)をデータ化して遊技者に付与するタイプの遊技機としては、遊技機に内蔵された複数個の遊技球を循環させて使用する遊技機、具体的には、各種入賞口あるいはアウト口を経て遊技盤の裏面に排出された遊技球を、再度、発射位置に戻して発射するように構成された遊技機(いわゆる封入式遊技機)を例示できる。
この種の遊技機(いわゆる封入式遊技機)においては、例えば、入賞口に遊技球が入球する毎に、例えば、入球した入賞口毎に定められた賞球量を示すデータを記憶することによって、遊技の結果としての遊技価値を遊技者に付与することができる。
本発明は、遊技機を製造、販売等する分野において利用できる。
1;遊技機(弾球遊技機)、
2;外枠、
10;遊技盤、
11;遊技領域、
17a;第1始動入賞装置、
17b;第2始動入賞装置、
27;演出表示装置、
27a;表示画面、
31;大入賞装置、
62a;第1特別図柄表示部、
62b;第2特別図柄表示部、
200A;主制御部(第1当否判定手段と、第2当否判定手段と、特定遊技実行手段(大当り遊技実行手段)、第2始動手段態様制御手段、開放延長手段、遊技状態設定手段)、
220A;サブ制御部、
222A;演出表示制御部。
2;外枠、
10;遊技盤、
11;遊技領域、
17a;第1始動入賞装置、
17b;第2始動入賞装置、
27;演出表示装置、
27a;表示画面、
31;大入賞装置、
62a;第1特別図柄表示部、
62b;第2特別図柄表示部、
200A;主制御部(第1当否判定手段と、第2当否判定手段と、特定遊技実行手段(大当り遊技実行手段)、第2始動手段態様制御手段、開放延長手段、遊技状態設定手段)、
220A;サブ制御部、
222A;演出表示制御部。
Claims (6)
- 遊技球が入球可能な第1始動手段と、
第1の態様と前記第1の態様よりも遊技球の入球可能性が高い第2の態様とに変化可能な第2始動手段と、
前記第1始動手段への入球に基づいて第1当否判定を実行する第1当否判定手段と、
前記第2始動手段への遊技球の入球に基づいて第2当否判定を実行する第2当否判定手段と、
前記第1当否判定の結果が所定結果になることに基づいて前記第2始動手段を前記第2の態様にする第2始動手段態様制御手段と、
前記第2当否判定の結果に基づいて識別情報の変動表示を行う識別情報変動表示手段と、
前記第2当否判定の結果が特定結果になることに基づいて、特定遊技を実行する特定遊技実行手段と、
前記識別情報の変動表示時間が異なる遊技状態を設定可能な遊技状態設定手段と、
を備える遊技機であって、
前記遊技状態として、少なくとも、前記識別情報の変動表示時間を所定時間とする第1遊技状態と、前記第1遊技状態よりも識別情報の変動表示時間を短くする第2遊技状態と、前記第2遊技状態よりも識別情報の変動表示時間を短くする第3遊技状態と、を有し、
前記遊技状態設定手段は、前記第2遊技状態で前記第2当否判定の結果が特定結果となったときと、前記第3遊技状態で前記第2当否判定の結果が特定結果となったときとで、複数の前記遊技状態を異なる割合で設定するものであり、
前記第1遊技状態よりも前記識別情報の変動表示時間を短くする所定の遊技状態で前記第2当否判定の結果が特定結果になることなく前記識別情報の変動表示を所定回数実行すると、前記遊技状態が、前記所定の遊技状態よりも前記識別情報の変動表示時間を長くする他の遊技状態に移行することを特徴とする遊技機。 - 前記所定の遊技状態は前記第3遊技状態であり、前記他の遊技状態は前記第2遊技状態であることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
- 前記所定の遊技状態は前記第3遊技状態であり、前記他の遊技状態は前記第1遊技状態であることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
- 前記所定の遊技状態は前記第2遊技状態であり、前記他の遊技状態は前記第1遊技状態であることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
- 遊技球が入球不能な入球不能状態と遊技球が入球可能な入球可能状態とに変化可能な可変入球口を備え、
前記特定遊技は前記可変入球口を前記入球可能状態にする遊技であることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の遊技機。 - 遊技球が入球可能な第3始動手段を備え、前記第2当否判定手段は、前記第3始動手段への入球に基づいて前記第2当否判定を実行することを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の遊技機。
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