以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
本発明の1つの側面では、仮想アンテナ化を適用する下り参照信号として3種類の参照信号が含まれる。
1つ目は、複数セルで共通の参照信号(本明細書では「CRS」(Common Reference Signal)と称する)を用いる。CRSは、Rel8−LTEで定義されているセル間で共通の共通参照信号を再利用することができる。CRSは、LTE端末を同じ帯域内でサポートする時に少なくとも共有データチャネル(PDSCH)の復調に用いられる。また、Rel8−LTEの後継の無線アクセス方式であるLTE−Advanced(以下、LTE−Aという)の端末(以下、LTE−A端末という)で、ページングチャネル(PCH),報知チャネル(BCH)等を含む共通制御チャネルの復調に用いられる。
2つ目は、MIMOシステムにおいて、アンテナ毎のCSI(Channel State Information)測定に用いられる参照信号(本明細書では「CQI−RS」(Channel Quality Indicator−Reference Signal)と称する)を用意する。上記したCRSはセル共通の参照信号であるので、仮想アンテナ化した場合にはアンテナ毎の参照信号が存在しなくなり、アンテナ毎のCSI(Channel State Information)測定ができなくなる。そこで、実際のアンテナ毎にCQI−RSを用意している。
3つ目は、基地局配下のLTE−A端末(ユーザ)に固有であり、LTE−A端末において共通データチャネル(PDSCH)の復調に用いられる参照信号(本明細書では「DM−RS」(Demodulation−Reference Signal)と称する)を用意する。ストリーム間で直交する参照信号を用いる。
以下、仮想アンテナ化を適用する3種類の下り参照信号CRS、CQI−RS、DM−RSについて具体的に説明する。
先ず、4アンテナMIMOシステムにおいて、Rel8−LTEで規定されている4アンテナ用のCRSを無線リソースに割り当てる(多重する)場合を考える。
図3は4アンテナのそれぞれに用意された4つのCRSを無線リソースに多重した状態を示している。図3には、周波数軸方向には1リソースブロック、時間軸方向には1サブフレームの大きさの無線リソースを示している。Rel8−LTEでは、20MHzのシステム帯域に対して100個のリソースブロックを割り当て、1リソースブロックは12サブキャリアで構成されることが規定されている。また、1サブフレームを送信時間単位とし、1サブフレームを2つのタイムスロットに分けてデータ送信し、1タイムスロットは7シンボルで構成することが規定されている。
Rel8−LTEは4アンテナの全てに異なるCRSを定義しているので、4アンテナでそれぞれ異なるCRSを送信するように無線リソースに割り当てると、図3に例示されたパターンとなる。ただし、図3には今回新たに定義したDM−RSも無線リソースに割り当てた状態を例示しており、CRSはDM−RSと重ならないように配置されている。DM−RSは仮想アンテナ化されずに、4アンテナの全てから送信される。
今、図3に示すように多重された4つのCRSをそれぞれプリコーディングして、各CRSの送信について仮想アンテナ化(1本)する場合を想定する。基地局が、4本のアンテナに1、1、−1、−1といったアンテナ重み付けして送信することで1本の仮想アンテナ化が実現できる。
図4は異なるCRSをそれぞれプリコーディングして、1本に仮想アンテナ化してセル/セクタ全体に送信している様子を概念的に示している。それぞれ仮想アンテナ化されるようにプリコーディングされた各CRSがセル/セクタ全体に送信されている。また、LTE−A端末に対してDM−RSが4アンテナで送信されている。
4つのCRSは1本に仮想アンテナ化されているので、LTE端末は受信したいずれのCRSを用いても共有データチャネルを復調でき、LTE−A端末は受信したいずれのCRSを用いても共通制御チャネルを復調できる。
ところが、図3に示すように、4アンテナに対応した4つのCRSを4多重し、DM−RSを4多重したのでは、オーバーへッドが非常に大きくなってしまう問題がある。LTE端末及びLTE−A端末は、1つのCRSを受信できれば、共有データチャネル又は共通制御チャネルの復調が可能であるので、実際の4本のアンテナから仮想的に1アンテナ化した場合には、残りの3つのCRSについては送信する必要がない。
そこで、1つのセル/セクタで仮想アンテナ化されたアンテナ数に対応して、CRSも実際のアンテナ数に対応した全てのCRSを送信するのではなく、仮想アンテナ化されたアンテナ数だけ送信するようにする。これにより、無線リソースに割り当てるCRS数を、仮想アンテナ化されたアンテナ数に対応して削減でき、オーバーヘッドを低減できる。
図5に示す例では、図4と同様に実際の4本のアンテナを仮想アンテナ化して1本としたのに対応して、4本のアンテナで送信するCRSを1つとしている。DM−RSについては、図3と同じ位置に割当てている。図6は仮想アンテナ化されたアンテナ数(1つ)に対応して、1つのCRSを各アンテナからプリコーディングして送信することで、1本の仮想アンテナ数で送信する様子を示している。また、LTE−A端末に対してDM−RSが4アンテナで送信されている。
図7はCRS種別を2アンテナポートまで削減したCRSの無線リソース割り当てを示す図である。DM−RSについては、図3と同じ位置に割当てている。2アンテナに対応して2つのCRSを無線リソースに割り当てている。図8に示すように、異なる2つのCRSをそれぞれプリコーディングして、1本に仮想アンテナ化してセル/セクタ全体に送信している。
このように、4アンテナを仮想アンテナ化により仮想的に2アンテナとし、仮想アンテナ化されたアンテナ数に対応してCRS数を2つまで削減することで、2アンテナ送信に適応したLTE端末に対しては共有データチャネルに2アンテナの送信ダイバーシチを適用できる。また、LTE−A端末との通信では、制御チャネルに2アンテナ送信ダイバーシチを適用できる。
図9はCRSの削減手法を分散アンテナシステムに適用した場合の概念図である。
分散アンテナシステムは、1つのエリアに地理的に分散配置した複数のリモートアンテナユニット(基地局BS)が通信ケーブルを介して接続され、1つのセルを形成する。分散基地局(BS)が1つ(又は複数)のアンテナを有するが、セントラル装置(Central eNB)では、これらの複数の分散基地局(BS)からのアンテナ送受信処理を一元的に行う。たとえば、複数アンテナンを用いてダイバーシチ効果や伝送速度を向上させるMIMO伝送を複数の分散基地局(BS)を用いて実現する。
図9に示す分散アンテナシステムでは、1つのセルを4つの送信機(BS)でカバーしており、各送信機(BS)に1つの送信アンテナを備えている。セントラル装置(Central eNB)は、複数の分散基地局(BS)からのアンテナ送受信処理を一元的に管理して、MIMO伝送を実現する。この場合、図9に示すように、複数の分散基地局(BS)から同じCRSをプリコーディングしてセル全体に送信すれば、各分散基地局(BS)から異なるCRSを送信する場合に比べて、オーバーヘッドを低減できる。図9にはアンテナ毎(分散基地局(BS)毎)に異なるDM−RSを送信して、LTE−A端末に向けて送信している。
このように、1つの基地局に複数アンテナを備える場合に限らず、分散アンテナシステムにおいても、仮想アンテナ化されたアンテナ数に対応して削減されたCRSを送信することで、同様にオーバーヘッドを低減する効果を得られる。
図10(a)(b)はCRS構造を示す図である。
図10(a)はLTE端末がサポートする2アンテナまでのCRS構造を示している。図9のCRS構造では、異なる2つのCRSが1シンボル内で周波数軸方向に1リソースブロック内で均等に4つのサブキャリアに交互に割り当てられている。また、CRSが割り当てられるシンボルは1サブフレームに4シンボルである。CRSが割り当てられるシンボルの間隔はサブフレーム内で略均等になることが望ましい。図10(a)のCRS構造を「ノーマル構造」と称することとする。このような「ノーマル構造」のCRSが周波数軸方向にリソースブロック毎に連続して割り当てられる。
基地局装置は、図10(a)に示す2アンテナ対応の異なる2つのCRS(ノーマル構造)をそれぞれプリコーディングして、実際には4本の送信アンテナから仮想アンテナ化によりセル/セクタ全体にCRS多重して1アンテナ送信する。
図10(b)は2アンテナまでのCRS構造であるが、図10(a)のCRS構造において1サブフレームの第1シンボルだけにCRSを割当てたパターンを示している。ノーマル構造に比べてCRSの密度が低くなっている。図10(b)に示す低密度のCRS構造を「低密度構造」と称することとする。2アンテナ送信であっても「低密度構造」のCRSを送信することで、オーバーヘッドを大幅に低減することができる。
図11に示すように、無線基地局装置から「ノーマル構造」と「低密度構造」とを時分割多重して送信しても良い。この場合、サブフレーム単位でノーマル構造と低密度構造を切り替えて送信することができる。LTE端末は、「ノーマル構造」のCRSを受信して共有データチャネルの復調に利用できるが、「低密度構造」のCRSには対応できない。そこで、LTE端末に対しては「低密度構造」のCRSを送信している送信区間を、MBSFN(Multimedia Broadcast Multicast Service Single Frequency Network)サブフレームの区間であると認識するようにシグナリングする。MBSFN方式では、同一のMBMSに対し、全ての隣接している基地局は同一のスクランブリングコードを利用し、同じ無線信号を同期させて送信する。LTE端末は、MBSFNサブフレームを取り込まないので、「ノーマル構造」のCRSだけで復調動作を継続することができる。一方、LTE−A端末では、「ノーマル構造」と「低密度構造」の両方をサポートさせる。
このように「ノーマル構造」と「低密度構造」とを時分割多重して送信することにより、「ノーマル構造」をサポートするLTE端末は「ノーマル構造」のCRSを受信して共有データチャネルを復調できる。また、LTE−A端末では「ノーマル構造」と「低密度構造」の両方を受信して共通/個別制御チャネルを復調できる。また、「ノーマル構造」及び/又は「低密度構造」のCRSを受信した端末では、受信したCRSに基づいてハンドオーバのためのRSRP(Reference Signal Received Power)測定が可能になる。
また、「ノーマル構造」と「低密度構造」の比率は、システム環境に応じて動的に切り替えるようにしても良い。たとえば、「ノーマル構造」をサポートするLTE端末が少なくなった場合に、「ノーマル構造」のCRSの割合を低減し、LTE端末が完全になくなった場合には「ノーマル構造」のCRSを送信しないようにしても良い。すなわち、密度が異なるCRS構造を時分割多重可能に構成し、状況に応じて適正な密度にコントロールする無線アクセスシステムを構築できる。
次に、CQI−RSについて具体的に説明する。
上述した通り、CRSに仮想アンテナ化を適用した場合、実際のアンテナ数が4本、8本、それ以上であったときに、CRSをアンテナ毎のチャネル推定に用いることができない。また、分散アンテナシステムでは、分散基地局毎のチャネル推定が必要であるのでアンテナ毎の参照信号が必要である。
そこで、仮想アンテナ化に適用されるCRSとは別に、アンテナ毎及びセル毎に定義されるCQI−RSを用いてアンテナ毎のチャネル推定を行えるようにした。
CQI−RSはチャネル推定用であるので、低密度で十分である。また、LTEでは、上りリンクでチャネル推定用の参照信号としてサウンディングリファレンスシグナルが規定されている。上りリンクのサウンディングリファレンスシグナルと同様にチャネル品質を測定するための参照信号であるので、上りリンクのサウンディングリファレンスシグナルと同様の密度(送信間隔)で送信することとした。
具体的には、図12(a)に示すように、最も密度の高い送り方として2ms(2TTI)間隔で送信する。また、サウンディングリファレンスシグナルと同様に、5ms間隔で1回、10msで1回送信するように構成する。
次に、図13(a)(b)、図14を参照して、CQI−RSをサブフレームに多重するための多重方法について説明する。
LTE−Aでは8アンテナまでサポートすることが決められているので、少なくとも8アンテナに対応して異なる8つのCQI−RSを送信する必要がある。
また、各CQI−RSはアンテナ毎に直交することが望ましく、複数セルに拡張可能であることが望まれる。そうすると、1セル当たり、8つのアンテナ直交化が必要で、かつセル間の直交化もサポートする必要であるので、CQI−RSについては直交参照信号数が増大することが予想される。そこで、CQI−RSはCQI−RS以外の信号が割り当てられる他のシンボルと重ならないように他のシンボルと時分割多重することとする。
図13(a)はCQI−RSを他のシンボルと共に時分割多重すると共に、CQI−RS自身を周波数分割多重(FDM)した例を示している。8アンテナをサポートするため、8個のCQI−RS(数字1〜8)からなり、互いに直交する信号が用いられる。
LTEでは各サブフレームの先頭の3シンボルに制御チャネルが割り当てられる。図13(a)には、仮想アンテナ化により複数本のアンテナを1本と仮想するのに対応して、1つのCRSを用いる場合が示されている。CRSの数(種別)は仮想化するアンテナ数に応じて増減する。また、前述した通り、CRSは無線リソースに均等に配置される。DM−RSは、例えばLTEでユーザ固有の参照信号が規定されているので、同じ位置に割当てることができる。CQI−RSを割り当てるシンボルは他のシンボルとかぶらなければ特に限定されないが、サブフレームの最後のシンボルを用いることができる。サブフレームの最後のシンボルをCQI−RSの送信に用いることで、既に規定されている制御チャネル、今回定義したCRS及びDM−RSに与える影響を最小限にすることができる。
図13(b)は図13(a)に示すCQI−RSの多重(シンボル単位のTDM+サブキャリア単位のFDM)に加えて、各CQI−RSが割り当てられたサブキャリアにおいて他のCQI−RSと共に符号分割多重する例を示している。このように、CQI−RSに対して3種類の多重(TDM+FDM+CDM)を組み合わせることで、増大するCQI−RSを効率よく送信することが可能になる。
図14はCQI−RSを複数シンボルに割当ててシンボル多重する例を示している。サブフレームの最後のシンボルに8アンテナに対応した8つのCQI−RSを割り当てると共に、CRS及びDM−RSが割り当てられていない他のシンボルにも8つのCQI−RSを割り当てている。
また、図14に示すように2シンボルに多重した8つのCQI−RSを、さらに図13(b)に示すように符号分割多重するハイブリッド型にすることもできる。符号分割多重の対象となるシンボルは2シンボルのシンボル又は一方のシンボルであっても良い。
次に、DM−RSについて具体的に説明する。
上述した通り、CRSに仮想アンテナ化を適用した場合、実際のアンテナ数が4本、8本、それ以上であったときに、CRSをアンテナ毎の復調に用いることができない。また、分散アンテナシステムでは、分散基地局毎の復調が必要であるのでアンテナ毎の参照信号が必要である。また、LTE−Aではマルチストリームをサポートする必要があるので、マルチストリームを考慮してDM−RSの密度を決める必要がある。また、マルチストリームに拡張した場合にストリーム間の直交性を確保する必要がある。
そこで、仮想アンテナ化に適用されるCRSとは別に、アンテナ毎及びセル毎に定義されるDM−RSを用いてアンテナ毎の復調を行えるようにした。
DM−RSと同様に共通データチャネルの復調に用いられる参照信号が、Rel8 LTEで規定されているので、DM−RSの基本構造はRel8 LTEで規定されているユーザ固有の参照信号と同じとする。
図15にRel8 LTEで規定されているユーザ固有の参照信号と同様にして割当てたDM−RSを示す。1サブフレームの先頭3シンボルは制御チャネルに割り当てられており、残りの領域にCRSと重ならないようにして、4シンボル目、7シンボル目、10シンボル目、13シンボル目に、全部で12個のリソースエレメントにDM−RSがシンボル毎に周波数多重されている。
先ず、シングルストリームでデータ送信に最適なDM−RSの密度について説明する。この場合もマルチストリームに拡張した場合を考慮してDM−RSの密度を決定する。
図16(a)には1リソースブロック(1サブフレーム)当たり16リソースエレメントの密度でDM−RSを多重する例が示されている。図16(b)には1リソースブロック(1サブフレーム)当たり12リソースエレメントの密度でDM−RSを多重する例が示されている。図17には1リソースブロック(1サブフレーム)当たり8リソースエレメントの密度でDM−RSを多重する例が示されている。
図16(a)(b)、図17では、DM−RSの密度は異なっているが、いずれの場合もDM−RSを割り当てるシンボル位置は共通であり、4シンボル目、7シンボル目、10シンボル目、13シンボル目となっている。Rel8 LTEで規定されているユーザ固有の参照信号とも共通する。また、各シンボルに割り当てられたDM−RSのシンボル内での配置は周波数方向に均等に分散するように配置している。また、図16(b)、図17に示すように、シンボル間で周波数方向のマッピング位置が重ならないように配置することも均等化の観点からは望ましい。
このように、シングルストリームに関しては、DM−RSを割り当てるシンボルは共通化して(Rel8 LTEで規定されているユーザ固有の参照信号とも共通)、1リソースブロック(1サブフレーム)に配置するDM−RSの密度を変えられるようにすることで、密度を最適化できるようにすることが望ましい。
次に、マルチストリームでデータ送信に最適なDM−RSの密度について説明する。
図18(a)(b)はマルチストリームでデータ送信に最適なDM−RS配置を示している。図18(a)は第1ストリーム#1及び第2ストリーム#2のDM−RSを、1リソースブロック(1サブフレーム)当たりで24リソースエレメントの密度でDM−RSを多重する例である。また、図18(b)は第1ストリーム#1及び第2ストリーム#2のDM−RSを、1リソースブロック(1サブフレーム)当たりで16リソースエレメントの密度でDM−RSを多重する例である。密度は異なっても、第1ストリーム#1のDM−RSと2ストリーム目#2のDM−RSとを共通のシンボルに割当てる。シンボル位置は、4シンボル目、7シンボル目、10シンボル目、13シンボル目となっている。Rel8 LTEで規定されているユーザ固有の参照信号とも共通する。また、同一シンボルに割り当てられた異なるストリームの各DM−RSのシンボル内での配置は周波数方向に均等に分散するように配置している。
このように、マルチストリームに関しては、DM−RSを割り当てるシンボルは共通化して(Rel8 LTEで規定されているユーザ固有の参照信号とも共通)、1リソースブロック(1サブフレーム)に配置するDM−RSの密度を、送信データストリーム数に応じて変えられるようにすることで、密度を最適化できるように構成することが望ましい。
さらに、マルチストリームの場合、ストリーム間で直交させてDM−RSを送信する。DM−RSのストリーム間での直交化の手法として、FDM、CDM及びそれらの組合せを用いることができる。
図19(a)(b)に、FDMによるDM−RSのストリーム間での直交化の概念を示す。図19(a)(b)は、図18(b)に示すDM−RSのマルチストリーム(#1、#2)送信を、FDMにより直交化した例である。図19(a)は第1マルチストリーム#1のDM−RSの構造を示しており、「×」で表示されたリソースエレメントは当該第1ストリームの信号は送信しないことを示している。図19(b)は第2マルチストリーム#2のDM−RSの構造を示しており、「×」で表示されたリソースエレメントは当該第2ストリームの信号は送信しないことを示している。
第1ストリーム#1と第2ストリーム#2は共通シンボル(4シンボル目、7シンボル目、10シンボル目、13シンボル目)に割り当てられているが、各共通シンボルにおいて第1ストリーム#1のDM−RSを送信するサブキャリアでは、第2ストリーム#2ではDM−RSを送信しないようにする。
これにより、マルチストリーム送信において下り参照信号(DM−RS)を送信する際に、一方のストリームでDM−RSを送信している同一シンボルの同一サブキャリアでは他方のストリームでは信号送信しないようにするので、ストリーム間での干渉が生じなくなり、非常に高い直交性を実現できる。
図20(a)(b)に、CDMによるDM−RSのストリーム間での直交化の概念を示す。図20(a)は第1ストリーム#1のDM−RSの配置とDM−RSを符号化するための2次元直交符号を示している。図20(a)に示す第1ストリーム#1のDM−RSは、1リソースブロック(1サブフレーム)に16リソースエレメントの密度で均等に配置されている。第1ストリーム#1のDM−RSの符号化に用いられる2次元直交符号として2次元ウオルシュ符号を用いることができる。図20(a)に示す2次元ウオルシュ符号は、DM−RS構造に合わせて、4×4のウオルシュ符号であって、同図に示すように係数が全て「+1」に設定されている。すなわち、図20(a)に示す2次元ウオルシュ符号を掛け合せる第1ストリーム#1のDM−RSは変化しないことを意味する。
一方、図20(b)は第2ストリーム#2のDM−RSの配置とDM−RSを符号化するための2次元直交符号を示している。図20(b)に示す第2ストリーム#2のDM−RSは、第1ストリーム#1と同一密度で、第1ストリーム#1と同一リソースエレメントに配置されている。第2ストリーム#2のDM−RSの符号化に用いられる2次元直交符号として第1ストリーム#1と同一サイズの2次元ウオルシュ符号を用いるが、同図に示すように時間軸方向及び周波数軸方向に「+1」と「−1」を交互に設定した構成をとる。すなわち、図20(a)及び(b)に示す直交符号である2次元ウオルシュ符号を用いて符号化された第1ストリーム#1及び第2ストリーム#2は時間軸方向または周波数軸方向に加算すると、相手ストリームの信号が消えるので、ストリーム間での干渉が生じなくなり、非常に高い直交性を実現できる。
このように、複数のストリーム間で符号分割多重することで、複数ストリームのDM−RSを無線リソース内の同一リソースエレメント(同一シンボルの同一サブキャリア)に重複して配置できるので、各ストリームのDM−RSの密度を高くすることができる。その結果、時間軸方向のフェージング変動、周波数軸方向のチャネル変動に高速で追従することができ、常に高い受信品質を実現できる。
なお、図20(a)(b)には2次元直交符号として2次元ウオルシュ符号を用いた例を示しているが、他の2次元直交符号も同等に適用することができる。
次に、上記下りリンクの参照信号(CRS,CQI−RS,DM−RS)を用いる無線通信方法及びそのような無線通信方法が適用される無線基地局装置及び無線端末の実施例について説明する。以下、LTE及びLTE−Aを対象とした無線アクセスシステムを例に説明するが、それ以外のシステムへの適用を制限するものではない。
図1は基地局装置の機能ブロック図であり、主にベースバンド処理部の送信機能構成について示している。図2は移動局の機能ブロック図であり、主にベースバンド処理部の受信機能構成について示している。基地局装置及び移動局の機能について説明する前に、図21を参照して、移動局及び基地局装置を有する移動通信システムについて説明する。
移動通信システム1000は、LTEシステムをベースとしており、下りリンクの参照信号としてCRS,CQI−RS,DM−RSを用いた無線通信方法が適用されている。移動通信システム1000は、基地局装置200と、基地局装置200と通信する複数の移動局100(1001、1002、1003、・・・100n、nはn>0の整数)とを備える。基地局装置200は、上位局、例えばアクセスゲートウェイ装置300と接続され、アクセスゲートウェイ装置300は、コアネットワーク400と接続される。移動局100nはセル50において基地局装置200とLTEにより通信を行っている。尚、前記アクセスゲートウェイ装置300は、MME/SGW(Mobility Management Entity/Serving Gateway)と呼ばれてもよい。
各移動局(1001、1002、1003、・・・100n)は、同一の構成、機能、状態を有するので、以下では特段の断りがない限り移動局100nとして説明を進める。説明の便宜上、基地局装置と無線通信するのは移動局であるが、より一般的には移動端末も固定端末も含むユーザ装置(UE:User Equipment)でよい。
無線通信システム1000では、無線アクセス方式として、下りリンクについてはOFDMA(直交周波数分割多元接続)が、上りリンクについてはSC−FDMA(シングルキャリア−周波数分割多元接続)が適用される。上述したように、OFDMAは、周波数帯域を複数の狭い周波数帯域(サブキャリア)に分割し、各サブキャリアにデータをマッピングして通信を行うマルチキャリア伝送方式である。SC−FDMAは、システム帯域を端末毎に1つ又は連続したリソースブロックからなる帯域に分割し、複数の端末が互いに異なる帯域を用いることで、端末間の干渉を低減するシングルキャリア伝送方式である。
ここで、LTEシステムにおける通信チャネルについて説明する。
下りリンクについては、今回新たに定義した参照信号であるCRS,CQI−RS,DM−RSを伝送するリファレンス・シグナルと、各移動局100nで共有される物理下りリンク共有チャネル(PDSCH)と、物理下りリンク制御チャネル(下りL1/L2制御チャネル)とが用いられる。リファレンス・シグナルにより、上述した多重方法を適用してCRS,CQI−RS,DM−RSが伝送される。物理下りリンク共有チャネルにより、ユーザデータの信号が伝送される。物理下りリンク制御チャネルにより、DM−RS系列情報、スケジューリング情報、物理下りリンク共有チャネルを用いて通信を行うユーザIDや、そのユーザデータのトランスポートフォーマットの情報、すなわち、Downlink Scheduling Information、及び、物理上りリンク共有チャネルを用いて通信を行うユーザIDや、そのユーザデータのトランスポートフォーマットの情報、すなわち、Uplink Scheduling Grantなどが通知される。DM−RS系列情報は、具体的にはDM−RSがストリーム1〜ストリーム8までインデックスで定義されている場合、シングルストリーム送信を適用する場合には、どのインデックスが用いられているかを、PDCCH又は上位レイヤシグナリングで移動局に通知する。マルチストリーム送信を適用する場合、同一リソースブロックに多重される他ユーザがどのインデックスを用いているかについても制御信号で通知する。
また、下りリンクにおいては、Physical−Broadcast Channel(P−BCH)やDynamic Broadcast Channel(D−BCH)等の報知チャネルが送信される。前記P−BCHにより伝送される情報は、Master Information Block(MIB)であり、前記D−BCHにより伝送される情報は、System Information Block(SIB)である。前記D−BCHは、前記PDSCHにマッピングされて、基地局装置200より移動局100nに伝送される。
上りリンクについては、各移動局100で共有して使用される物理上りリンク共有チャネル(PUSCH)と、上りリンクの制御チャネルである物理上りリンク制御チャネル(PUCCH:Physical Uplink Control Channel)とが用いられる。上記物理上りリンク共有チャネルによりユーザデータが伝送される。物理上りリンク制御チャネルにより、下りリンクMIMO伝送のためのプリコーディング情報、下りリンクの共有チャネルに対する送達確認情報や、下りリンクの無線品質情報(CQI:Channel Quality Indicator)等が伝送される。
また、上りリンクにおいては、初期接続等のための物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)が定義されている。移動局100は、前記PRACHにおいて、ランダムアクセスプリアンブルを送信する。
次に、図1を参照しながら、本発明の実施例に係る基地局装置200について説明する。
本実施例に係る基地局装置200は、複数送信アンテナ#1〜#Nを備えており、各送信アンテナからCRSをプリコーディングして送信することにより、実際のアンテナ数よりも少ない仮想アンテナ数で送信することができる。ここでは、説明の都合で実際のアンテナ数を8本として説明する。
基地局装置200は、下り制御情報及びCRSを仮想アンテナ毎に生成し、下り送信データ及びDM−RSはストリーム毎に生成し、CQI−RSを送信アンテナ毎に生成して、送信アンテナ毎にそれらの信号を下りチャネル多重して送信する。
基地局装置200は、仮想アンテナ数に対応したCRSを生成するCRS系列生成部11、下り制御情報を生成する下り制御情報生成部12、CRS系列生成部11で生成されたCRSと下り制御情報生成部12で生成された下り制御情報とを無線リソース(時間リソース及び周波数リソース)上で多重する多重部13を備える。
CRS系列生成部11は、仮想アンテナ化しない場合は、実際のアンテナ#1〜#8に1対1で対応したCRS#1〜#8を生成する。また、仮想アンテナ化した場合は、仮想アンテナ数に対応したCRSを生成する。本例では仮想アンテナ数が「1」の場合には、仮想アンテナにて2アンテナ分のCRS#1、#2を送信するが、仮想アンテナ数に1対1で対応したCRS数に設定すればオーバーヘッドを最大限に低減できる。
このように、CRS系列生成部11は、仮想アンテナ数(最小値は0)に対応して生成するCRS数を動的に変化させることができる。仮想アンテナ数は上位レイヤからCRS系列生成部11に対して通知することができる。
また、CRS系列生成部11は、上位レイヤからの指示に応じて、CRS構造が「ノーマル構造」(例えば図10(a))と「低密度構造」(例えば図10(b))とが混在するように切り替える。そして、多重部13において「ノーマル構造」と「低密度構造」とを時分割多重して送出する(例えば、図11)。LTE−A端末では「ノーマル構造」と「低密度構造」の双方を受信して復調できるが、LTE端末では「低密度構造」には対応できない。LTE端末において「低密度構造」が取り込み不要なサブフレームであると認識させる制御情報(例えば、MBSFNサブフレーム情報)を下り制御情報生成部12からLTE端末へシグナリングすることになる。
下り制御情報生成部12は、主にPDCCHで伝送される下り制御情報を生成する。下り制御情報には、スケジューラにより割り当てられたサブキャリア位置などを示すPDSCH及びPUSCHのスケジューリング情報、変調方法、チャネル符号化率、プリコーディング情報等のフォーマット情報、上記DM−RS系列情報、さらに「低密度構造」が時分割多重される場合には、「低密度構造」が取り込み不要なサブフレームであると認識させる制御情報を含むことができる。
プリコーディング情報は、仮想アンテナ化のためにCRSをプリコーディングするのに用いたプリコーディング情報と、同時に送信された各ストリーム(レイヤ)を受信機側で直交して受信させるためのプリコーディングに用いたプリコーディング情報とに区別される。仮想アンテナ化が適用される場合には、この2種類のプリコーディング情報が下り制御情報に含まれる。
プリコーディング部14は、各送信アンテナに仮想アンテナ化用の重み付けを与えて、CRSと下り制御情報が多重された信号を送信する。プリコーディング部14が各送信アンテナに与える仮想アンテナ化用の重み付けにより、仮想アンテナ数が調整される。図10(a)(b)に示すCRS構造を用いてCRS送信する場合、各送信アンテナから2つのCRSをそれぞれプリコーディングして送信する。
これにより、仮想アンテナ数を「1」と想定している場合には、実際に8送信アンテナ構成の場合であっても、仮想アンテナ数の倍の2つのCRSを送信するので、図3に示すように4送信アンテナの全てに対応して4つのCRSを多重して送信する場合に比べて、オーバーヘッドを低減することができ、8送信アンテナの場合にはオーバーヘッド低減効果がさらに高くなる。
また、仮想アンテナ数を「1」と想定している場合であっても、2アンテナ分のCRSを送信することで、2アンテナをサポートするLTE端末では、制御チャネルについて2アンテナ送信による送信ダイバーシチ効果が得られる。
また、基地局装置200は、送信アンテナ毎にCSI測定のためのCQI−RSを生成するCRI−RS系列生成部15と、送信アンテナ毎に生成されるCRI−RSをアンテナ間で直交させるアンテナ間直交化部16とを備える。アンテナ間直交化部16は、CRI−RS系列生成部15から8送信アンテナに対応してアンテナ毎のCQI−RSが生成されるので、8アンテナ間で直交化する多重化を加える。
例えば、各サブフレームの最後の1シンボルにおいて同一リソースブロック内の異なるサブキャリアに各CQI−RSを割り当てる(例えば、図13(a)に示すFDM)。また、セル間直交化にも対応させるためにCRI−RSが増大する場合には、各サブフレームの最後の1シンボルにおいて同一リソースブロック内の異なるサブキャリアに各CQI−RSを割り当て、さらに各CQI−RSを割り当てたリソースエレメントを符号分割多重する(例えば、図13(b)に示すCDM)。また、同一サブフレーム内の複数シンボルにおいて同一リソースブロック内の異なるサブキャリアに各CQI−RSを割り当てる(例えば、図14に示すFDM)。
このように、下りリンクの参照信号として、仮想アンテナ化されるCRSと別に、実際の送信アンテナ毎にCQI−RSを生成して送信するので、LTE端末、LTE−A端末において仮想アンテナ化されて信号送信されている場合にも、アンテナ毎のCSI測定を可能とし、チャネル品質の測定が可能になる。
また、アンテナ間の直交化、セル間の直交化まで考慮して、多彩な多重化方式を準備することで、CQI−RS数の増大にも対応することが可能になる。
また、基地局装置200は、データストリーム毎にDM−RSを生成するDM−RS系列生成部18と、マルチストリームのDM−RSを生成する場合にはストリーム間の直交化を行うストリーム間直交化部19とを備える。
DM−RS系列生成部18は、ユーザ固有のPDSCH復調用のDM−RSを生成し、かかるDM−RSは1リソースブロック(サブフレーム)当たりのDM−RS密度が最適化される。そのために、1リソースブロック(サブフレーム)当たりのDM−RS密度は幾つかの密度パターンに変更可能であるが(例えば、図16(a)(b)、図17)、密度パターン間でDM−RSを多重するシンボルは共通シンボル(例えば、4シンボル目、7シンボル目、10シンボル目、13シンボル目)を用いる。
また、DM−RS系列生成部18は、異なるストリーム用のDM−RSを、共通シンボルに多重するが、異なるサブキャリアに割り当てる(例えば、図18(a)(b))。
ストリーム間直交化部19は、DM−RS系列生成部18においてDM−RS密度が最適化されたDM−RSに対して、ストリーム間で直交化させる多重化を加える。
1つは、図19(a)(b)に示すように、第1ストリーム#1と第2ストリーム#2とで共通シンボル(4シンボル目、7シンボル目、10シンボル目、13シンボル目)にDM−RSを割り当てられる一方、各共通シンボルにおいて第1ストリーム#1のDM−RSを送信するサブキャリアでは、第2ストリーム#2ではDM−RSを送信しないようにする。
これにより、マルチストリーム送信においてDM−RSを送信する際に、一方のストリームでDM−RSを送信している同一シンボルの同一サブキャリアでは他方のストリームでは信号送信しないようにするので、ストリーム間での干渉が生じなくなり、非常に高い直交性を実現できる。
もう1つは、図20(a)(b)に示すように、第1ストリーム#1のDM−RSには係数が全て「+1」に設定された2次元ウオルシュ符号を掛け合せて符号化し、第2ストリーム#2のDM−RSには時間軸方向及び周波数軸方向に「+1」と「−1」を交互に設定した2次元ウオルシュ符号を掛け合せて符号化する。
なお、第2ストリーム#2のDM−RSは、第1ストリーム#1と同一密度で、第1ストリーム#1と同一リソースエレメントに配置されている。2次元ウオルシュ符号は、DM−RS系列情報に含めて移動局へシグナリングすることができる。または、移動局に予め既知情報として設定しておいても良い。
このように、図20(a)及び(b)に示す直交符号である2次元ウオルシュ符号を用いて符号化された第1ストリーム#1及び第2ストリーム#2は時間軸方向または周波数軸方向に加算すると、相手ストリームの信号が消えるので、ストリーム間での干渉が生じなくなり、非常に高い直交性を実現できる。
また、基地局装置200は、移動局に対する下り送信データを生成する下り送信データ生成部22と、下り送信データを符号化し、変調する下り送信データ符号化・変調部23とを備える。下り送信データ符号化・変調部23は、誤り訂正符号化、所定のデータ変調方式で変調して出力する。下り送信データ生成部22及び下り送信データ符号化・変調部23はストリーム毎に備えられる。
多重部21は、ストリーム毎に下り送信データとDM−RSとを多重して、プリコーディング部24へ出力する。プリコーディング部24は、同時に送信された各ストリーム(レイヤ)を受信機側で直交して受信させるためにアンテナ毎の重み付けがなされる(MIMO伝送のための通常のプリコーディング)。
基地局装置200の下りチャネル多重部25では、仮想アンテナ化されているCRS、送信アンテナ毎に生成されたCQI−RS及びストリーム毎に生成されたDM−RSを伝送するリファレンス・シグナルと、下り制御情報を伝送するPDCCHと、下り送信データを伝送するPDSCHと、その他の必要な下りチャンネルを多重化する。チャネル多重された信号は逆高速フーリエ変換部26で逆高速フーリエ変換されて時間領域上の信号に変換され、CP付与部27にてシンボル間干渉を防止するガードインターバルとなるサイクリックプレフィックスを付与した後、送信アンプ28で増幅されて送信される。
以上のような送信処理が送信アンテナ毎に行われる。ただし、下り制御情報及びCRSは仮想アンテナ単位で生成され、下り送信データ及びDM−RSはストリーム単位で生成されるのは上記した通りである。
図2を参照しながら、本発明の実施例に係る移動局100について説明する。
移動局100の受信処理系は、上記したようにCRS、CQI−RS、DM−RSで構成された下りリンク参照信号を含んだ信号を受信する。CRS、CQI−RS、DM−RSは受信信号から分離された後、CRSは仮想アンテナ単位で共有/個別制御チャネルのチャネル推定に用いられ、CQI−RSは実際の送信アンテナ毎のチャネル品質測定に用いられ、DM−RSはストリーム単位のチャネル推定に用いられる。
受信処理系は、受信信号がCP除去部31に入力されてサイクリックプレフィックスが除去される。高速フーリエ変換部32は、CP除去された受信信号を高速フーリエ変換して時系列の信号成分を周波数成分の列に変換する。下りチャネル分離部33は、受信信号をサブキャリアデマッピングして、RS系列信号を送信しているリファレンス・シグナル、下り制御情報を送信している制御チャネル(例えば、PHICH,PDCCH)、送信データを送信している共有チャネル(例えば、PDSCH)を分離する。
分離されたリファレンス・シグナルの受信シンボルのうちCRSはCRSチャネル推定部36へ入力される。また、PDCCH(又はPDSCH)は下り制御情報復調・復号部37へ入力される。
CRSチャネル推定部36は、受信したCRS情報から仮想アンテナ送信されたPDCCH(又はPDSCH)をチャネル推定する。下り制御情報復調・復号部37はCRS情報に基づいて下り制御情報を復調及び復号する。PDCCHで伝送されたストリーム毎のDM−RS系列情報は対応するストリームをチャネル推定するDM−RSチャネル推定部38へ渡される。
また、リファレンス・シグナルの受信シンボルのうちCQI−RSはそれぞれ対応するアンテナ(又はセル)のCQI/PMI推定部34へ入力される。CQI/PMI推定部34は、アンテナ毎に対応するCQI−RSを用いてアンテナ毎にCSIを測定し、CSIの測定結果に応じてチャネル品質を推定し、CQI測定値としてフィードバック情報生成部35へ出力する。
このように、移動局100では、仮想アンテナ化により実際の送信アンテナ数よりも少ない仮想アンテナ数でデータ送信されている場合であっても、実際の送信アンテナ毎にCQI測定が可能となり、アンテナ毎のCQI測定値をフィードバック情報として基地局装置200へ返すことができる。
また、リファレンス・シグナルの受信シンボルのうちDM−RSはそれぞれ対応するDM−RSチャネル推定部38へ入力される。また、PDSCHは下り送信データ復調・復号部39へ入力される。DM−RSチャネル推定部38は、PDCCH(又はPDSCH)を復号して得られたDM−RS系列情報を用いて対応するストリームのDM−RSを取得し、DM−RSを用いて当該ストリームについてチャネル推定する。下り送信データ復調・復号部39はチャネル推定に基づいて下り送信データを復調し、復号する。
このように、移動局100では、仮想アンテナ化により実際の送信アンテナ数よりも少ない仮想アンテナ数でデータ送信されている場合であっても、ストリーム毎にDM−RSを取得してPDSCHの復調が可能となる。
本発明は上述した実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能である。