スタンバイモードにおいて低い電力消費を持つ方法及び送信器を提供することは、有利である。
本発明の第1の態様は、請求項1に記載の送信器により受信器を検出する方法を提供する。本発明の第2の態様は、請求項8に記載の受信器を検出する送信器を提供する。本発明の第3の態様は、請求項12に記載の送信器により受信器を検出する方法を提供する。本発明の第4の態様は、請求項13に記載の受信器を検出する送信器を提供する。有利な実施例は、従属請求項において規定される。
本発明の第1の態様によると、送信器により受信器を検出する方法が提供される。前記送信器は、前記受信器に対して誘導的に電力を送信することを目的とする。前記送信器は、第1の電極として第1の送信コイルを有し、第2の電極を有する。前記第1の電極及び前記第2の電極は、キャパシタを形成する。前記方法は、前記電極のいずれか一方に電圧を印加するステップを有し、前記キャパシタのキャパシタンス変化を検出するステップを有する。
本発明は、キャパシタンス検出により前記受信器が前記送信器の表面上に配置されているかどうかを検出する方法及び装置を提案し、これは、高速であり、誘導電力伝達と干渉しない。したがって、無線充電パッド上の装置の検出は、同じパッド上で既に充電されている他の装置により干渉されない。更に、提案された検出方法は、ほとんど(又は仮想的に全く)電力損失なしで動作する。
前記方法は、前記送信器の表示に配置された装置が、前記送信器の表面の下に配置された2つの電極の間、又は1つの電極とアースとの間、又は1つの電極と前記受信器との間のキャパシタンスを変化させるという事実に基づく。前記送信器の表面上のこのような装置の配置は、異なる電極の間に存在するキャパシタのキャパシタンスを変化させる。これは、前記2つの電極の間の空間の誘電率、若しくは前記2つの電極の間の誘電距離(dielectric distance)の誘導された変化、又は誘電率及び誘電距離の変化の組み合わせに起因する。本発明に関して、この方法は、"キャパシタンス検出方法"とも称される。
キャパシタンス変化の検出は、誘導検出と比較して比較的電力効率よく実行されることができる。キャパシタンスが変化しない限り、かつDC電圧が使用される場合、電流は、前記キャパシタから又は前記キャパシタに流れず、前記キャパシタンスが変化する場合のみに、少量の電流が、前記キャパシタから又は前記キャパシタに向かって流れる。また、AC電圧が前記キャパシタに印加され、前記AC電圧が適切な大きさにされることができる場合、比較的少量の電流が、前記キャパシタを流れる。したがって、前記キャパシタを通る電流は、比較的小さいか又は実質的にゼロに等しいことができ、したがって前記キャパシタンス検出方法の電力消費は、比較的小さい。前記検出は、例えば、低電力消費集積回路を用いて、電力効率よく実行されることができる。したがって、前記受信器を検出する方法は、比較的電力効率がよい。
更に、キャパシタンス検出は、前記送信コイルの誘導動作を必要とせず、したがって、電磁場が生成されず、電磁干渉が作成されない。
更に、前記電極の一方としての前記第1の送信コイルの使用は、受信器を検出するのにキャパシタンス検出を使用する送信器を構築するのに必要とされる部品の数を減らす。追加の第1の電極及び第2の電極を導入する代わりに、本発明の方法は、第2の電極の導入のみを必要とし、したがって、前記送信器は、低い複雑さの設計を持ち、コストを節約する。
一実施例において、前記送信器は、前記第2の電極として機能する第2の送信コイルを有する。すなわち、2つの近隣の送信コイルが、キャパシタの2つの電極として使用される。受信器コイルの存在及び場所の検出は、2つの送信コイルにより形成されたキャパシタのキャパシタンス変化を測定することにより行われることができる。
第1の送信コイルは、第1の端子に接続された第1のキャパシタ電極として動作する。近隣の送信コイルは、第2のキャパシタ電極として動作し、第2の端子に接続される。近くの他のコイルは、例えば、第3のキャパシタ電極として動作し、第3の端子に接続される。前記送信器コイルの場所に対する前記受信器コイルの場所は、前記第1の端子と前記第2の端子との間、又は例えば、前記第1の端子と前記第3の端子との間のキャパシタンスを決定する。
換言すると、前記送信器は、1より多い送信コイルを持つことができる。前記送信器の送信コイルの各対は、キャパシタを形成することができる。前記第1の電極として第1の送信コイルを、及び前記第2の電極として第3の送信コイルを使用することにより、前記送信器の部品の効率的な使用が実現される。追加的な電極が、前記送信器の表面に導入される必要がなく、これは、前記送信器の送信コイルと前記追加の電極との間の起こりうる相互作用を防ぐ。
受信器が、前記第1の送信コイルの上に、前記第2の送信コイルの上に、又は部分的に前記第1の送信コイルの上及び/又は部分的に前記第2の送信コイルの上に配置される場合、前記2つの送信コイルにより形成されるキャパシタのキャパシタンスは変化し、これは、検出回路により検出される。したがって、前記検出は、受信器が、前記第1の送信コイルの上に若しくは近くに、及び/又は前記第2の送信コイルの上に若しくは近くに配置される。この情報は、前記送信器による受信器識別の更なるプロセスを開始することができ、又は前記受信器に対する電力伝達が、前記第1の送信コイル及び/又は前記第2の送信コイルにより開始されることができる。
前記送信器が、複数の送信コイルを持ち、近隣の送信コイルの各対の間で、前記キャパシタンスが、前記キャパシタンスの変化を検出するように監視される場合、前記送信コイルの位置に対する前記受信器の場所の合理的に正確な推定が、得られることができる。前記検出された位置は、受信器識別の更なるプロセスをアクティベートする又は前記受信器の検出された位置に近い又は最も近い送信コイルによる前記受信器に対する電力伝達を開始するのに使用されることができる。
この実施例の一例として、検出回路は、前記第2のコイルに接続され、電圧は、前記第1の送信コイルに印加され、前記検出回路は、前記第1のコイル及び前記第2のコイルにより形成されるキャパシタの間のキャパシタンス変化を監視するのに使用される。
他の実施例において、前記キャパシタンスの前記第2の電極は、前記第1の送信コイルの中心に配置される。
前記実施例は、キャパシタンス検出を使用することにより受信器を位置特定することを提案する。この方法は、ほとんど電力消費を伴わず、高速であり、誘導電力伝達と干渉しない。前記検出キャパシタは、第1の電極としての一次コイルと、前記一次コイルの中心に位置する第2の電極との間に実現される。前記受信器の検出は、したがって、前記電極送信器コイルの位置に直接的に対応し、低い複雑さの位置特定アルゴリズムを必要とする。
換言すると、前記第1の送信コイルの中心における電極の提供は、前記第1の送信コイルの位置に対する前記受信器の位置のより正確な検出を可能にする。特に、前記送信器は、前記受信器が前記第1の送信コイルの上に正確に配置される状況と、前記受信器が前記第1の送信コイルを部分的に覆う他の状況とをより正確に区別することができる。前記受信器が、前記第1の送信コイルの上に正確に配置される場合、前記キャパシタンス変化は、前記受信器が部分的に前記第1の送信コイルの上に配置される場合より大きい。
更に、前記送信器が、複数の送信コイルを有する場合、各送信コイルは、前記送信コイルの中心に電極を備え、前記送信コイルの各々は、中心電極とともにキャパシタを形成する。受信器が、前記送信器の表面上に配置される場合、前記キャパシタの1つは、キャパシタンスの最大変化を示す。前記キャパシタは、前記送信コイル及び前記受信器に最も近い対応する中心電極により形成されるキャパシタである。したがって、いずれの送信器コイルが前記受信器に最も近いかを決定することは、比較的単純である。
前記第2の電極は、場合により渦電流を減少するようにスリットを持つ、丸い、長円形、長方形の金属板、コイル、片側において互いに接続された薄い導体のセット等のような様々な形状を持つことができる。前記第2の電極は、前記第1の送信コイルの中心に正確に配置されることができ、しかしながら、前記第1の送信コイルと前記第2の送信コイルとの間にキャパシタを形成するように、前記第2の電極は、中心から外れるように配置されることもできる。前記第2の電極が前記第1の送信コイル内に配置されることのみが必要である。
この実施例の一例として、検出回路は、前記キャパシタの電極のいずれか1つに接続され、電圧は、前記第1の送信コイルに印加され、前記検出回路は、前記第1の送信コイル及び前記第1の送信コイルの中心における前記第2の電極により形成されるキャパシタの間のキャパシタンス変化を検出する。
受信装置を検出する無線電力送信器は、キャパシタの第1の電極として第1の送信コイルを、及び前記第1の送信コイルの中心に位置するキャパシタの第2の電極を有し、前記送信器は、前記キャパシタの電極のいずれか1つに接続された検出回路を更に有し、前記送信器が、
−前記第1の送信コイルに電圧を印加する第1のユニットと、
−前記第1の電極及び前記第2の電極により形成されるキャパシタのキャパシタンス変化を検出する検出回路と、
を有する。
一実施例において、前記第1の送信コイルの巻き線は、前記巻き線の内側部及び前記巻き線の外側部を有する。前記巻き線の内側部は、前記第1の電極であり、前記巻き線の外側部は、前記第2の電極である。
内側巻き線及び外側巻き線が、例えば、前記送信器装置のスタンバイモードにおいて、互いに切断される場合、この構成は、キャパシタンス構成になり、前記内側部及び前記外側部が、電極として使用される。これらの電極の間のキャパシタンスは、キャパシタンス性質を持つ装置が前記構成の上に配置される場合に増加する。上記方法の1つを使用して前記キャパシタンスを測定することにより、装置が検出されることができる。装置が検出される場合、前記内側巻き線及び前記外側巻き線は、誘導電力送信器として前記送信器コイルを動作するように接続されることができる。追加の電極が、前記送信器の表面に設けられる必要がない。前記内側巻き線及び前記外側巻き線を使用することは、前記第1の送信コイルの位置に対する前記受信器の位置の正確な検出を可能にする。
他の実施例において、前記検出されたキャパシタンス変化は、前記受信器が前記送信器の近くにあることを示す。前記方法は、前記送信器が前記受信器と通信し始める又は前記受信器に電力を送信し始めるように前記送信器をアクティベートするステップを更に有する。
前記実施例は、前記送信器が低電力スリープ状態に入ることを可能にし、無線電力受信器に関する事象を検出すると、前記送信器は、前記低電力スリープ状態から起こされる。このような事象は、キャパシタンス変化の検出であることができる。
換言すると、受信器が検出されない場合、前記送信器はスタンバイモードであり、これは、送信コイルが受信器に電力を送信又は通信するようにアクティベートされないことを意味する。キャパシタンス変化が検出される場合、恐らく、前記受信器は、前記送信器の上に配置されている。したがって、前記送信器はウェイクアップされ、これは、前記スタンバイモードが終了され、前記送信器が動作モードに入ることを意味する。前記動作モードにおいて、前記送信器は、前記受信器に誘導的に電力を提供することができるか、又は第一に前記受信器を更に識別するように追加の通信プロセスを開始することができる。前記動作モードにおいて、前記送信器の1以上の送信コイルが、前記受信器に誘導的に電力を伝達する、又は前記受信器と誘導的に通信するのに使用される。
一実施例において、印加される電圧は、AC電圧、DC電圧、電圧パルス、又はステップ関数である。
前記キャパシタの電極の1つに印加される電圧が、AC電圧である場合、電流は、前記キャパシタのキャパシタンスに比例して前記キャパシタを流れる。前記AC電圧の値及び周波数を正しい大きさにすることにより、前記電流は、少量の電力が損失されるように比較的小さくなることができる。前記電流の変化は、前記送信器上の受信器の可能な配置に関する。例えば電流が所定の値を超過するかどうかを検出することにより、及び/又は前記電流が所定の値より下に減少するかどうかを検出することにより、前記電流の変化を検出することは、比較的単純であり、電力効率よく実行されることができる。
前記印加される電圧が電圧パルス又はステップ関数である場合、時間領域における前記キャパシタの応答は、前記検出回路により分析されることができる。前記キャパシタのキャパシタンスに依存して、特定の応答が、検出されることができる。前記受信器が前記送信器上に配置される場合、前記応答は、前記受信器が前記無線電力装置上に配置されていない状況とは異なる。
前記応答の特性を測定することは、前記キャパシタと直列に抵抗を結合し、この直列構成に前記電圧パルス又はステップ関数を印加することにより行われることができる。前記キャパシタンスの両端間の電圧は、電圧変化が所定の値に対してニュートラルを形成する場合に上昇し、前記キャパシタのキャパシタンス及び前記電圧の所定の値に依存して、特定の情報が測定されることができる。前記キャパシタンスは、装置が配置される場合に増加し、したがって、上昇時間は、前記装置が配置されている場合に長い。所定の長さの電圧パルスが前記直列構成に印加される場合、前記キャパシタの両端間の電圧は、前記印加される電圧が所定の電圧からニュートラル電圧に減少する場合に次第に減少する。減衰時間は、前記キャパシタのキャパシタンスの測定値である。
他の実施例において、前記送信器は、前記第1の及び第2の電極の対により形成される複数のキャパシタンスを有する。前記方法は、前記複数のキャパシタの各々のキャパシタンス変化を検出するステップを更に有し、前記複数のキャパシタのいずれのキャパシタンス変化が検出されたかに依存して前記受信器の位置を決定するステップを有する。
複数の電極を設けることにより、電極の各近隣対は、キャパシタを形成する。前記電極の対の各々の間のキャパシタンス変化を検出することにより、前記送信器は、前記受信器が前記送信器上のどこに位置するかを比較的正確に検出することができる。キャパシタンスの最大の変化を持つキャパシタンスが、前記受信器に近い。
本発明の第2の態様によると、受信器を検出する送信器が提供される。前記送信器は、前記受信器に誘導的に伝送することを目的とする。前記送信器は、第1の電極としての第1の送信コイル及び第2の電極を有する。前記第1の電極及び前記第2の電極は、キャパシタを形成する。前記送信器は、前記電極のいずれか一方に電圧を印加する第1のユニット、及び前記キャパシタのキャパシタンス変化を検出する前記キャパシタンスの前記電極のいずれか一方に接続された検出回路を更に有する。
一実施例において、前記送信器は、前記第2の電極である第2の送信コイルを更に有する。
他の実施例において、前記第2の電極は、前記第1の送信コイルの中心に位置する。
他の実施例において、前記キャパシタンス変化の検出は、前記受信器が前記送信器の近くにあることを示し、前記送信器は、前記送信器が前記受信器と通信し始める又は前記受信器に電力を送信し始めることができるように前記送信器をアクティベートする第2のユニットを有する。
前記送信器及び前記送信器の実施例は、本発明の第1の態様による方法及び本発明の第1の態様による方法の対応する実施例と同じ利益を提供する。前記送信器は、前記方法の対応する実施例と同様の効果を持つ同様の実施例を持つ。
本発明の第3の態様によると、送信器により受信器を検出する他の方法が提供される。前記送信器は、前記受信器に誘導的に電力を伝送することを目的とする。前記送信器は、電極として第1の送信コイルを有する。前記方法は、前記電極に電圧を印加するステップと、前記第1の電極及びアースにより形成される又は前記第1の電極及び前記受信器により形成されるキャパシタのキャパシタンス変化を検出するステップとを有する。
前記第1の電極は、アースと又は受信器とキャパシタンスを形成する。受信器が、前記第1の電極の近くに来る場合、キャパシタンスが変化し、電荷が、前記第1の電極に向かって又は前記第1の電極から離れるように流れる。前記第1の電極への又はからの電流を検出することにより、前記受信器を検出する効果的かつ効率的な解決法が得られ、これは、複雑な設計ではなく、したがってコストを節約する。
本発明の第4の態様によると、受信器を検出する他の送信器が提供される。前記送信器は、前記受信器に誘導的に電力を伝送することを目的とする。前記送信器は、第1の電極としての第1の送信コイルと、前記電極に電圧を印加する第1のユニットと、前記電極に接続され、前記電極及びアース又は前記電極及び受信器により形成されるキャパシタのキャパシタンス変化を検出する検出回路とを有する。
この文書に関して、注意すべきは、単語キャパシタの使用が、集中キャパシタを示さないことである。更に、送信器、電力送信器及び無線電力送信器は、本発明に関して交換可能な用語である。前記送信器の特性は、前記送信器が受信器に誘導的に電力を送信することを目的とすることである。受信器、受信器装置及び電力受信器装置は、本発明に関して交換可能な用語である。前記受信器の特性は、前記受信器が誘導的に電力を受信することを目的とすることである。更に、前記電極のいずれか一方に又は前記送信コイルのいずれか一方に電圧を印加する前記第1のユニットは、電圧源であることができる。
本発明のこれら及び他の態様は、以下に記載される実施例を参照して説明され、明らかである。
本発明の上記の実施例、実施及び/又は態様の2以上が、有用と思われる如何なる形でも組み合わせられることができることは、当業者により理解される。
前記システムの記載された修正及び変形に対応する前記システム及び/又は前記方法の修正及び変形は、この記載に基づいて当業者により実行されることができる。
注意すべきは、異なる図において同じ参照番号により示されるアイテムが同じ構造的フィーチャ及び同じ機能を持つか、又は同じ信号であることである。このようなアイテムの機能及び/又は構造が説明されている場合、詳細な説明にこれらの繰り返される説明の必要性は存在しない。
図は、純粋に概略的であり、正しいスケールで描かれていない。特に明確性のため、一部の寸法は強力に誇張されている。
図1は、本発明による送信器の表面102上に配置される装置106を検出する方法の原理を描く。前記送信器の表面の下の電極108、110、112、114は、送信器表面102の上に配置される充電されるべき装置106を検出するのに使用される。前記方法は、送信器の表面102の上に配置される装置106が、送信器の上面102の下に配置された2つの電極108、110、112、114の間のキャパシタンスを変化させるという事実に基づく。送信器表面102の上のこのような装置106の配置は、異なる電極108、110、112、114の間に存在するキャパシタンスの値を変化させる。これは、電極108、110、112、114により形成される2つのキャパシタ板の間の空間の部分の誘電率、前記2つの電極の誘電距離又はこれらの組み合わせに起因する。キャパシタンスの変化は、覆われた表面と覆われていない表面との間の電気力線104のパターンの差により図1に表される。
平行板キャパシタに対して、前記2つの電極の間のキャパシタンスは、
C=εA/d
により与えられ、ここでεは前記板の間の媒体の誘電率であり、Aは前記板の面積であり、dは前記板の間の距離である。したがって、前記キャパシタンスは、前記板の間の媒体の誘電率に線形に依存する。同じ面内の2つの板に対して、より複雑な関係が存在する。しかしながら、誘電率に対する依存性はそのままである。送信器の表面102の下の2つの電極108、110、112、114の間に形成されるキャパシタに対して、誘電率は、装置106が送信器上面102の上に配置される場合に変化(増加)する。結果として生じるキャパシタンスの変化は、複数の方法で検出されることができる。
図2aは、一実施例による検出の方法を描く。電圧源216が、(1つのキャパシタ板を表す)1つの電極204に、ゼロ以上の振幅のAC又はDC電圧であることができる電圧を印加するのに採用される。(第2のキャパシタ板を表す)他の電極206に接続された検出回路212は、キャパシタ202を形成する2つの電極204と206との間のキャパシタンスを監視するのに使用される。キャパシタンスの変化は、装置214の配置を示し、この事象は、検出信号208を用いて信号通知される。線210は、キャパシタ202の電極204と206との間の電気力線を表す。
DC電圧がキャパシタ202に印加される場合、かつ装置214がこの後に前記送信器上に配置される場合、電荷再分配は、感知抵抗に対する電圧として検出されることができる小さな電流を生じる。
前記キャパシタ板に蓄積される電荷の変化は、
ΔQ=U・ΔC
により与えられ、ここでUは前記キャパシタに印加されるDC電圧であり、ΔCは前記装置の配置によるキャパシタンスの変化である。
結果として生じる電流は、
i=∂Q/∂t
により与えられ、ここで∂Q/∂tは前記キャパシタ板に向かって流れる単位時間毎の電荷である。注意すべきは、電荷再分配が、静電荷を有する装置が配置される場合にも起きることである。したがって、前記検出信号は、キャパシタンスの変化の結果としての成分及び/又は静的に帯電した装置を配置する結果としての成分を有しうる。
AC電圧がキャパシタ202に印加される場合、電流が前記キャパシタを流れ、前記電流が監視されることができる。前記キャパシタンスが、装置214の配置に対して増加する場合、電流の振幅も増加し、装置214の存在を示す。電流振幅は、
i=u・ωC
により与えられ、ここでuはキャパシタ202に印加されるAC電圧であり、ωは前記印加されるAC電圧の周波数であり、Cは電極204と206との間のキャパシタンスである。したがって、前記電流は、装置214の配置に対して帯電したキャパシタンスに線形に依存する。前記電流が、電力損失を制限するように任意に小さく保たれることができることに注意する。
キャパシタンス変化により前記受信器を検出する方法は、いわゆるアナログピン方法であり、インタフェース表面の上の対象の配置による、前記インタフェース表面の上又は近くの電極のキャパシタンスの変化に基づく。
前記方法は、非常に低いスタンバイ電力を持つ実装を可能にし、依然としてユーザにとって受容可能な応答時間を示すので、自由配置(free positioning)を使用する電力送信器に特に適している。理由は、対象及び対象上の電力受信器の配置の変化に対する前記インタフェース表面を(連続的に)スキャンすることが、比較的コストのかかる動作であることである。対照的に、電極のキャパシタンスの変化は、(電力要件に関して)非常に安価であることができる。キャパシタンス感知は、基地局の大部分が電源を切られた状態で進められることができることに注意する。
一次(送信)コイルのアレイに基づく電力送信器設計は、問題になっている電極として前記一次コイルのアレイを使用する。この目的のために、マルチプレクサが、前記アレイ内の一次コイルの全て(又は関連するサブセット)をキャパシタンス感知ユニットに接続すべきであり、同時に前記駆動回路から前記一次コイルを切断すべきである。移動する一次コイルに基づく電力送信器設計は、電極として前記インタフェース表面上の検出コイルを使用することができる。
前記キャパシタンス感知回路が、100fF又はそれ以上の解像度を持つ変化を検出することができることが推奨される。感知されたキャパシタンス変化が、何らかの実施規定閾値を超過する場合、前記電力送信器は、対象が前記インタフェース表面上に配置される又は前記インタフェース表面から除去されると推論することができる。この場合、前記電力送信器は、前記対象を位置特定することを進め、前記インタフェース上の前記電力受信器を識別しようと試みるべきである。
図2bは、前記キャパシタンス検出に対する複数の代替的な回路トポロジを描く。実施例(i)において、2つの電極がキャパシタを形成する。実施例(ii)において、2つの送信器コイル218が前記キャパシタを形成する。実施例(i)−(iv)は、実施例(viii)−(xi)とそれぞれマッチし、これらは、検出回路212の位置に関して異なる。実施例(i)ないし(iv)において、前記検出回路は、電圧源216の電圧が印加される電極204、206に接続される。実施例(viii)−(xi)において、電圧源216は、検出回路212ではなく、前記キャパシタの他の電極に接続される。実施例(v)及び(xii)において、複数の送信器コイル218又は複数の電極204、206が、並列配置で複数のキャパシタを形成するように構成されることができることが、図示される。実施例(iii)、(iv)、(viii)ないし(xi)は、複数のキャパシタが並列配置で構成されるそれぞれの同等物を持つこともできることに注意すべきである。
図2bの実施例(vi)、(vii)、(xiii)及び(xiv)は、本発明の他の態様を示す。検出回路212及び電圧源216は、同じ電極220に接続される。前記電極は、専用の電極であることができる、又は1以上の送信器コイルにより形成されることができる。この電極及びアース222により形成されるキャパシタは、検出回路212により監視される。検出回路212は、AC電圧、DC電圧又はパルスパターンであることができる所定の印加電圧において、電極220に向かって流れる電流を測定し、これは、前記キャパシタンスを示す。装置配置の後に、前記キャパシタンスが変化し、したがって、前記電極に向かって流れる電流が変化する。したがって、前記電極に向かって流れる電流の突然の変化は、装置配置を示す。実施例(xiii)において、送信器コイルは、単一の電極として使用され、実施例(vii)及び(xiv)において、複数の電極及び/又は複数の送信器コイルが、アース又は前記受信器とキャパシタをそれぞれ形成するように並列に接続される。
図3は、例示的な自由配置基準送信器のブロック概略表現を描く。この図において、六角形コイルL1、L2が、電力伝達に使用され、同じ面内に互いの隣に配置される。2つのコイルL1、L2のみが図示されているが、前記送信器上の前記受信器の自由配置を可能にするために、より多くのコイルが存在し(事実、面全体がコイルで満たされることができる)、すなわち、マルチプレクサMUX1、MUX2が、電力伝達のために前記受信器の直下に配置されたコイルを選択するのに使用される。マルチプレクサMUX1、MUX2は、コイルL1、L2及びキャパシタC1、C2の組み合わせが、効率的な電力伝達に必要とされる共振タンク回路を形成するように、適切なコイルL1、L2を直列にキャパシタC1、C2に接続する。前記共振タンクは、ハーフブリッジ回路HB1、HB2から駆動される。最終的に、感知レジスタRsenseが、制御目的でコイル電流を監視するのに使用される。
図4は、図3のシステムの概略的表現を描く。ハーフブリッジHB1、HB2は、マイクロコントローラ(図示されない)から駆動される2つのFET M1、M2、M3、M4からなる。前記ハーフブリッジに印加される供給電圧は、一般に、12Vないし16Vである。マルチプレクサMUX1、MUX2は、適切なコイルL1、L2をハーフブリッジドライバに接続するのに使用されるスイッチからなる。
電力伝達に対して、コイルL1、L2がインダクタとして使用されるが、本発明は、2つの隣接したコイルL1、L2をキャパシタの2つの板として使用することを目的とする。このキャパシタの値は、前記送信器表面上に装置を配置すると変化する。この値は、電力伝達に使用されるのと同じハードウェアを使用して監視されることができる。これは、図5に示される。前記マルチプレクサスイッチがセットされ、前記FETが図5によって接続される場合、結果として生じる等価回路は、図6に示される。印加される12VのDC電圧は、2つのコイルL1、L2により形成されるキャパシタCeqに対するDC電圧を生じる。電流は、静止状態動作の場合に流れず、すなわち、電力が損失されない。装置が前記送信器表面上に配置される場合、小さな電流が前記Ceqに向かって流れ、これは、Rsenseに対する電圧として検出されることができる。
多数のコイルからなる完全な送信器パッド700は、便利な形で同時に監視されることができる。送信器表面上のコイルは、図7に示される。DC電圧が、灰色のコイル704に印加され、電流は、(装置が配置されると)白いコイル702で感知される。このようにして、パッド700の全てのコイルが、同時に感知されることができ、受信器装置が感知される場合に、静止場所情報が得られる。
図8は、本発明による一実施例を示す。この実施例において、他の場合には誘導電力に使用される、システム800の2つの隣接したコイル810、812が、キャパシタ802を形成する。この実施例を使用すると、専用の検出電極は、必要とされない。以前に論じられた実施例と反対に、専用の電圧源808が使用されてもよく、更に、専用の検出回路804が使用される。電圧源808は、ゼロ以上の振幅のAC又はDC電圧であることができる電圧を印加するのに使用される。前記印加電圧に依存して、適切な検出回路804が使用され、検出信号806を生成する。これらの検出回路804の幾つかは、同時検出及び位置特定を得るために並列に使用されることができる。電圧が印加されるコイル810、812は、例えば、図7の灰色のコイルであることができ、検出回路804に接続されたコイルは、白いコイルであることができる。
図9は、本発明による他の第3の実施例を示す。この実施例は、専用の検出電極904、906及び回路を使用する。電極904、906の多くの構成が、可能であり、すべて本発明の範囲に入る。図10は、電極構成の他の例を描く。図9の例において、2つの互いにかみ合わせられた電極904、906が、前記送信器装置の表面902において使用される。電圧源808は、ゼロ以上の振幅のAC又はDC電圧であることができる電圧を印加するのに使用され、前記印加電圧に依存して、適切な検出回路804が使用される。送信器表面902上の前記装置の位置特定は、必要であれば、例えば局所磁場又は電場を介して前記装置と通信しようと試みることによるような他の(既知の)方法を使用して実行されることができる。
図10は、本発明による他の実施例を示す。この実施例において、電極は、前記送信器表面の下の2つの層1002、1004に存在する。専用の検出回路1006、1008は、各可能な水平及び垂直位置(層1002、1004)に対して存在する。制御システム1010は、前記印加電圧を制御し、検出回路1006、1008の出力信号を処理し、前記検出された装置の場所に関する情報を運ぶ検出信号1012を生成する。この電極構成は、検出回路1006、1008の数が、送信器面積の平方根に対応するという利点を持つ。しかしながら、組み合わせられた検出及び位置特定を可能にする他の電極構成が可能である。これらの構成は、すべて本発明の範囲に入る。
組み合わせられた検出及び位置特定は、代替的には、場所依存の周波数をもつ電圧を印加する複数の電圧源と組み合わせられた単一の検出回路を使用することにより得られることができる。前記検出信号の異なるスペクトル成分の振幅は、検出及び場所情報を運ぶ。
以下、検出回路の例が提示される。しかしながら、他の実施例も使用されうる。これらの代替回路も、本発明の範囲に入る。
図11は、ゼロボルト以上のDC電圧がキャパシタCの電極の1つに印加される場合の検出回路1102の実施例を描く。装置を配置すると、Cの値は変化し、Cに対する電圧が一定である結果として、前記キャパシタ板上の電荷の量が変化する。この電荷の流れ又は電流が、オペアンプにより供給される。図11に示される構成において、Cに向かって流れる電流は、前記オペアンプのフィードバック抵抗を通って流れ、結果として前記オペアンプの出力部における電圧変化を生じる。したがって、電荷電流が、電圧に変換される。この電圧は、最初に、検出信号1104が前記トランジスタ供給電圧に等しく、装置配置の後に、前記検出信号が0.5Vより下に減少するように、(NPN)トランジスタ回路において増幅される。検出回路1102に接続されたマイクロプロセッサμPは、装置配置を示すこの電圧の変化を登録するように構成されることができる。
図12の回路1202は、ダイオード及びキャパシタが前記トランジスタのベースに挿入される程度で図11と異なる。このキャパシタは、前記装置配置の間に帯電され、前記トランジスタのベースを通ってゆっくりと放電され、これにより検出信号1104がローである時間を増加し、前記μPによるこの状態のより容易な検出を可能にする。
図13の回路1302は、前記トランジスタ回路が、特定の閾値電圧Vrefを持つ比較器1304により置き換えられる程度で図11と異なる。比較器1304の出力は、前記オペアンプの出力電圧がVrefより小さい場合にゼロであり、オペアンプ1306出力電圧がVrefを超過する場合に供給電圧に等しい。比較器1304の出力は、マイクロプロセッサμPにより監視される。オプションとして、ダイオード及びキャパシタが、前記検出信号の持続時間を延ばすために比較器1304の出力部とマイクロプロセッサμPの入力部との間に追加されてもよい。
図14は、AC電圧Vrefが印加される場合に適切である検出回路1402を描く。装置の配置により誘導されるキャパシタンスの変化は、オペアンプ1404の出力信号の振幅の変化を生じる。この振幅は、このオペアンプ1404出力信号に復調器1406における復調及びローパスフィルタ1408におけるフィルタリングを行うことにより得られる。
例えば図15に示される検出キャパシタ1502は、第1の電極としての一次コイルと、一次コイル1504の中心に位置する第2の電極1506との間に実現される。前記第2の電極は、円形、楕円形、場合により渦電流を減少させるスリットを備えた長方形金属板、コイル、片側において互いに接続された薄膜導体のセット等を含む複数の形状を持つことができる。
図15は、一次コイル1504の中心における星型電極1506を持つ例を示す。この図は、一次コイル1504と第2の電極1506との間に形成された検出キャパシタのシンボリック表現をも右側に示す。
装置が、一次コイル1504上に配置される又はそこから取り除かれる場合、キャパシタCの値は、変化する。前記値は、装置が(一次コイル1504の中心に配置された)Cの第2の電極1506及び一次コイル1504の少なくとも一部を覆う場合に大幅に増加する。前記キャパシタンスは、前記装置がCの第2の電極1506を覆わない場合にはあまり増加しない。キャパシタCは、したがって、装置が一次コイル1504の上に位置するかどうかを検出するのに適している。
図16は、L1により表される単一のコイル及び検出キャパシタC2を持つ送信器回路1602を示す。直列共振回路が、L1及びC1により形成される。前記共振回路は、スイッチS1及びS2により表されるハーフブリッジインバータにより駆動される。検出ユニット1604は、C2に対する電流の変化を検出するようにスイッチS3を介して接続される。検出中に、スイッチS1及びS2は、両方とも開いているか、又は少なくとも一方が開いており、他方は閉じており、その間、S3は閉じている。電力伝達中に、S3は開いており、S1及びS2は交互に閉じている。装置が、一次セル上に配置される又はそこから取り除かれる場合、C2の値の変化は、検出ユニット1604により測定されるべきC2への/からの小さな電流を生じる。
C2のキャパシタンスの変化により引き起こされる電流の検出は、前記一次セルに対する前記装置の移動の方向を決定するのに使用されることができる。装置が、前記送信器セルに向かって移動される場合、キャパシタンスは上昇し、結果として正の電流を生じる。装置が前記セルから取り除かれる場合、前記キャパシタンスは減少し、結果として負の電流を生じる。
前記送信器は、一次セルのマトリクスを備えることができ、各一次セルは、少なくとも一次コイルと、検出キャパシタと、検出ユニットとを含む。代替的には、すべての検出キャパシタは、1つの検出回路に並列に接続される。この場合、位置特定情報が得られない。前記送信器は、いずれの検出ユニットがキャパシタンスC2の増加を測定したかを検査することにより、前記送信器の表面上に配置された装置の位置及び形状を決定することができる。このような位置特定の解像度は、前記送信器コイルの物理的サイズ及び前記検出ユニットの感度により決定される。
図17は、検出ユニット1704が電流の代わりに電圧を測定する回路1702実施例を示す。複数の一次セルを扱う中央検出ユニット1704及び中央電力信号生成器を使用することができるために、スイッチS4及びS5が追加される。これは、前記送信器に、信号生成器及び検出ユニット1704の両方のより高度かつ高価な実施を備えることを可能にし、この結果、一次セル毎のコストは、穏やかにしか増加しない。
S4は、中央発振器に対する一次セルの選択的接続を可能にするマルチプレクサの一部であることができる。S5は、検出ユニットに対する一次セルの選択的接続を可能にするマルチプレクサの一部であることができる。
電力伝達中に、S4は閉じられ、S3及びS5は開いている。装置の位置特定中に、前記送信器において、スイッチS4は、前記位置特定に関与する各一次セルに対して開いている。装置位置特定の変化を検査するために、以下のことが、所定のサイクル時間を使用して、各関与する一次セルに対して循環的に繰り返される。
サイクルの開始時に、前記一次セルのキャパシタC2は、短い時間期間に対してスイッチS3を閉じることによりDC電圧で帯電される。
前記サイクル中に、前記キャパシタは、既知の高い値の(寄生)抵抗Rを介して放電する。
前記サイクルの終了時に、電圧変化が、検出ユニットにより測定される。スイッチS5は、この目的で閉じられる。
以下の状況は、区別されるべきである。
‐装置が前記一次セルの上に存在せず、装置が前記一次セル上に配置されない場合、C2のキャパシタンスは、変化せず、測定される電圧は、サイクル時間内の前記抵抗上の前記キャパシタの放電による所定の範囲内である。
‐装置が前記一次セルの上に存在せず、装置が前記一次セル上に配置される場合、C2のキャパシタンスは、増加され、測定される電圧は、サイクル時間内の前記抵抗上の前記キャパシタの放電による所定の範囲の下である。
‐装置が前記一次セル上に存在し、前記装置が前記一次セルから取り除かれる場合、C2のキャパシタンスは、減少され、測定される電圧は、サイクル時間内の前記抵抗上の前記キャパシタの放電による所定の範囲より上である。
‐装置が前記一次セルの上に存在し、前記装置が前記一次セルから取り除かれない場合、C2のキャパシタンスは、変化せず、測定される電圧は、サイクル時間内の前記抵抗上の前記キャパシタの放電による所定の範囲内である。
装置を検出及び位置特定する他の方法は、DC源の代わりにACを使用することによりC2のキャパシタンスを測定する。
上記の方法は、受信器に対する電力伝達に対して1以上の送信器コイルを選択するために送信器上で装置を検出及び位置特定するのに使用されることができる。
上記の方法は、(例えば負荷変調を使用してデータを提供することにより)電力信号に対する受信器の応答を待つために比較的長く続く送信器コイルにおける電力信号を必要とする既存の検出及び受信器位置特定方法と合わせて使用されることができる。この場合、上記の方法は、前記既存の方法により検査される必要がある送信器コイルの数を限定する可能性があり、受信器の応答の後の前記送信器コイルを検査するための時間及び合計電力の制限を引き起こす。
図18において、コイルLx1とLx2との間のキャパシタンスを検出する送信器回路1100の概要が示されている。この回路は、例示的に、2つのハーフブリッジ1811、1812からなる。前記ハーフブリッジの各々は、例示的に、2つのMOSFETスイッチを備える。各スイッチは、キャパシタンスCds1802及びフリーホイーリングダイオード1803を包含するアクティブ制御可能パス1101からなる。前記ハーフブリッジの中央タップは、共振回路Cr1804及びオプションとして直列インダクタンスLr1805を介して送信器コイルLx1 1806、Lx2に接続される。前記回路の共振周波数は、前記キャパシタンス、前記直列インダクタンス及び変圧器の漏れインダクタンスにより決定される。
図18において、例示的に、電力伝送中に前記共振回路にAC電圧を供給する2つのハーフブリッジ1811、1812が、説明目的で描かれている。より多数の送信器コイル及び供給回路が、図7に示される構成において使用されることができる。
図18において、送信器コイルLx1、Lx2は、ハーフブリッジ1811、1812を用いて供給される。この構成は、説明目的で使用される。AC電圧供給に対する他の構成(例えばフルブリッジ構成又はクラスA/Bアナログ増幅器)が、考えられる。
図19において、送信器コイル1806と送信器コイル1806の中心に位置する電極1909との間のキャパシタンスを検出する第2の送信器回路1900の概要が示されている。
他の実施例において、前記送信器コイルの自己キャパシタンスが測定される。これは平面コイルなので、自己キャパシタンスは、容量特性を持つ装置が前記送信器コイル上に配置される場合に増加する。前記自己キャパシタンスは、例えば、前記送信器コイルの自己共振を測定することにより測定されることができる。前記自己共振が、所定の基準周波数より下に減少する場合、装置が検出される。前記自己共振を測定するために、複数の方法が当技術分野において既知である。
他の実施例において、送信器巻き線は、前記巻き線の内側部分及び外側部分に分けられる。両方の部分が、同じ水平層において同心的に配置される。これらは、スイッチ(例えばトランジスタ)により接続される。前記スイッチが開いている場合、この構成は、容量構成になり、前記内側部分及び前記外側部分は、電極として使用される。これらの電極の間の容量は、容量特性を持つ装置が前記構成の上に配置される場合に増加する。上記方法の1つを使用して容量を測定することにより、装置が検出されることができる。装置が検出される場合、前記スイッチは、誘導電力送信器として前記送信器コイルを動作するように閉じられる。
一実施例において、キャパシタンスは、周波数領域において測定される。この記載された実施例は、各関与する送信器コイル1806の末端における2つのキャパシタンスCk1807を暗示する。図18に示されるように例示的に示された2つのコイルの間のキャパシタンスを測定するために、両方のコイルの末端が、同一の形で接続される。キャパシタンス測定ユニット1813は、結合キャパシタCk1807の接合点に配置される。図19に示されるようなコイル及びその中心の電極1909のキャパシタンスを測定するために、キャパシタンス測定ユニット1813は、結合キャパシタCk1807の接合点とその中心の電極1909との間に配置される。好ましくは、測定周波数は、前記送信器コイルの動作周波数とは異なる。ここに記載される方法は、低コストの専用キャパシタンス測定ユニット1813を使用する。
ドライバハーフブリッジ及び追加の抵抗は、キャパシタンス測定を満たすのに使用されることができる。1回の測定サイクルにおいてアドレスされる個別のコイルは、リレーを有しうるマルチプレクサを用いてデカップルされる。AC測定は、(第1の巻き線コイルにより与えられる)1つのキャパシタンス端子にAC電圧を提供することにより行われる。AC周波数は、送信器コイルドライバを用いて生成される。しかしながら、好ましくは低MHz範囲の、高い周波数は、キャパシタンス測定に適している。したがって、前記送信器コイルドライバ又は周波数制限は、有効にされなければならない。
前記キャパシタンス測定は、キャパシタンス測定回路1813を用いてより正確に行われる。この測定ユニット1813は、キャパシンタス1807を介して前記送信器コイルに接続される。
直列インダクタンスLr1805は、スイッチ寄生容量Cds1802から前記キャパシタンス測定に使用される高い周波数をデカップルする。
2つのコイルLx1とLx2との間又はコイルLx1、1806とその中心の電極1909との間のキャパシタンスは、特定の導電性を暗示する又は高い誘電率を示す対象が、前記送信器コイル上に配置される、又はそこから取り除かれる場合に、変化する。
図18及び図19に示されるような形で前記コイルを接続することは、前記巻き線に対する容量結合を提供し、外的影響により引き起こされる妨害を避ける。
図18のユニット1813により測定されるキャパシタンスは、受信器コイルが2つの送信器コイルLx1、Lx2(の一部)を覆っているか否かを示す。送信器コイルLx1、Lx2の各近隣対の間のキャパシタンスを測定することにより、前記送信器は、例えば近隣の送信器コイルに対する各送信器セルに対する前記測定されたキャパシタンスを合計することにより、受信器コイルの場所を計算することができる。この方法は、(例えば前記受信器コイルが各送信器コイルより大きい場合に)前記受信器コイルが少なくとも2つの送信器コイルの一部を覆っている限り、機能する。
図19のユニット1813により測定されるキャパシタンスは、受信器コイルが前記送信器コイル及びその中心の電極(の一部)を覆うかどうかを示す。この方法は、受信器コイルが送信器コイルの上に位置するかどうかを直接的に示し、前記受信器コイルが1つの送信器コイル(の一部)のみを覆う場合にも使用されることができる。
他の例示的な実施例において、前記電極の間の容量は、時間領域においてキャパシタンスを測定するために容量構成に対してパルス又はステップ関数を使用することにより測定される。パルス生成器は、既定の抵抗を持つ容量構成に直列に接続される。前記電極の間の電圧が測定される。
例示的な実施例において、ステップ関数は、前記容量構成が放電された後に前記回路に対して使用される。これは、場合により起こりうるすべての場合に対してステップ関数と見なされるのに十分に長いパルスにより近似されることができる。この電圧の上昇時間及び減衰時間は、前記容量構成のキャパシタンスに依存し、したがって、前記容量構成の前記電極の間の対象の存在に関連することができる。電極電圧の上昇時間は、比較器を使用して前記電極電圧を基準電圧と比較することにより測定される。コントローラは、前記ステップ関数の開始から、前記比較器が出力を変化させる時間までの時間を測定することができる。この時間が、所定の値を超過する場合、装置が検出される。基準値は、制御アルゴリズムにより連続的に適応されることができる。
他の例示的な実施例において、所定の長さ及び振幅のパルスは、前記容量構成が放電された後に使用される。詳細には、パルス形状及び長さは、前記電極に供給される電荷の量が明確に定義されるように選択される。前記パルスが印加された後に、前記電極における電圧が測定され、基準値と比較される。前記容量構成が、"上に装置がない"に対応する低いキャパシタンスを持つ場合、結果として生じる電圧は高い。容量特性を持つ装置が、前記構成の上に配置される場合、前記構成は、高いキャパシタンスを持つ。この場合、結果として生じる電圧は低い。したがって、測定された電圧が基準値より下である場合、装置が検出される。
他の実施例は、図21a、20b、20cに示される。
(受信器コイルではないが)高い誘電率を持つ対象が、前記送信器コイル上に配置される場合、測定されるキャパシタンスの値も変化する。例えば、表面上に鍵を配置することは、前記コイルの間又はコイルとその中心の電極との間のキャパシタンスに影響を与える。述べられた両方の場合に、前記送信器コイルは、前記表面上に配置されたユニットが電力を受信するのに有効なユニットではないので、電力の送信を開始しない。
受信器コイルを区別及び識別するために、2つの方法が使用されうる。
有効な受信器を識別する一実施例は、前記受信器の誘電材料特性を使用する。この実施例は、前記受信器の周りの又は少なくとも下面における専用材料からなり、これは、既定の周波数性質を持つ。これは、周波数依存インピーダンスを持つ(例えばプラスチックの)ハウジングを提供することにより達成されることができる。周波数依存性は、交流外部電場に対する双極子の理想的な非相互作用集団の誘電緩和応答であるデバイ緩和を使用することにより達成されることができる。前記受信器コイルのハウジング材料を知ることで、前記ハウジングの検出及び空間的識別は、実行されることができる。図21において、幅広い周波数にわたる誘電体誘電率スペクトルが、図示される。誘電率の実部及び虚部が図示され、様々な過程、すなわちイオン及び双極子緩和、並びにより高いエネルギにおける原子及び電子共鳴が、描かれる。電子、原子、双極子及びイオン緩和周波数の特別な周波数を知ると、前記材料が、識別されることができる。専用材料を使用すると、材料固有緩和周波数は、所望の周波数にセットされることができる。好ましくは、前記識別は、コイル/電力伝達動作の動作周波数とは異なる周波数において行われる。
有効な受信器を識別する他の実施例は、デバイ緩和効果を使用することなしに周波数とともに変化する周波数依存誘電率を使用する。これは、前記受信器コイルと前記ハウジングとの間に専用材料を追加することにより実現されることができる。このセットアップは、図20a、20b、20cに図示される。
このシステムは、送信器コイル2002が配置される送信器コイルアレイハウジング2001からなる。各送信器コイルは、オプションとして、前記送信器コイルの磁束特性を向上させる磁心からなる。前記磁心は、各磁心に対して個別であることができるか、又は共通の磁気バックプレーンが実装されることができるかのいずれかである。
有効な受信器を識別する他の実施例において、受信器巻き線2005は、既定の誘電率を持つ材料2006に埋め込まれ、電気的に接続される。したがって、前記受信器巻き線は、インダクタンス/キャパシタンスネットワークとして動作する。等価電気回路が、図20bに示される。
説明目的のみで、3つの送信器コイル及び1つの受信器コイルが、図に示される。しかしながら、3より多い送信器コイル及び/又は受信器コイルが考えられる。図面は、反時計回りに回転される。
送信器コイル2002及びキャパシタンス測定ユニット2013、2014は、送信器ハウジング2001内に配置される。受信器コイル2005は、受信器ハウジング2003内に配置される。各巻き線ターンLwは、全体で特定の共振周波数を決定する既定のキャパシタンスCwを持つ。前記受信器コイルの場所に対して、第1の巻き線と第2の巻き線との間の測定されるキャパシタンスは、第2の巻き線と第3の巻き線との間で測定されるキャパシタンスとは異なる。前記巻き線の間のキャパシタンス測定のみが、この実施例の一部である。測定周波数を変更することは、測定されるキャパシタンスの周波数依存を示す。インピーダンスは、周波数に対して変化するので、受信器の存在は、前記送信器アレイ上に配置された他のアイテムの存在から区別されることができる。特定の周波数依存は、鍵として使用されることができる。異なるタイプの受信器(例えば異なる電力需要/特性)が、前記送信器アレイ上に配置される場合、これらは、電力需要又は充電需要に関して個別に識別及びアドレスされることができる。この実施例において、キャパシタンス測定周波数及び前記受信器コイルの周波数依存性が変化する周波数は、前記受信器コイルに電力を供給する場合の動作周波数とは異なる。
前記受信器コイルに追加されるキャパシタンスは、前記受信器コイルに加えて使用されることができる直列キャパシタンスより小さいことが可能である。したがって、埋め込まれたキャパシタンスは、電力伝送特性に影響を与えない。
上述の概要において、前記装置のキャパシタンス/周波数依存を測定するユニットは、前記送信器コイルの巻き線末端に接続される。代替的には、前記測定ユニットは、前記送信器コイルの各々の中心タップに接続されることができる。この概要は、図20cに示される。
図22は、低スタンバイ電力アーキテクチャ2200を描く。このアーキテクチャ2200において、しばしばスタンバイ電力損失を左右するバイアス電源2204は、前記送信器がスリープ状態(すなわちスタンバイモード)である場合にACスイッチ2202を用いてオフにされる。この状態の間に、コントローラ2208及び検出回路2210のみが、キャパシタ2209に蓄えられたエネルギから電力供給される。このサブシステムは、これら2つのコンポーネントのみが蓄電キャパシタ2209から電力供給されることを保証するようにスイッチ2205を用いて送信器電子装置の残りの部分から分離される。コントローラ2208上で実行される小さなプログラムは、供給電圧、例えば、キャパシタ2209に対する電圧が依然として十分に高いかどうかを定期的に確認する。これが当てはまらない場合には、両方のスイッチ2202、2205が、蓄電キャパシタ2209を再充電するように短期間だけ閉じられる。このようにして、コントローラ2208及び検出回路2210は、常に電力供給されるのに対し、前記システムの残りの部分は、ほとんどの時間に低電力スリープモードである。
通常は閉じたスイッチ2202、2205を使用することは、コールドスタート問題を軽減し、すなわち前記送信器が最初に配電線に接続される場合に、これは、前記システムがスリープモードに入るべきである、すなわち装置が前記送信器表面上に存在しないことをコントローラ2208が決定するまで、完全に電力供給される。
システム200は、システム2200がウェイクアップすべきであることを示す信号をコントローラ2208に送信する検出電子装置2210により検出される刺激2212が前記送信器に加えられる場合にウェイクアップされる。コントローラ2208は、この場合、完全な送信器電子装置に電力供給するように両方のスイッチ2202、2205を閉じる。
加えられる刺激2212は、無線電力送信器において、前記送信器表面上の受信器装置の配置を示すべきである。容量検出に基づく刺激検出は、以前の実施例に記載されている。
図23は、本発明の一態様による方法のフロー図を概略的に示す。前記方法は、受信器装置を検出する無線電力送信器により実行される。前記無線電力送信器は、キャパシタの第1の電極及び前記キャパシタの第2の電極を有する。前記無線電力送信器は、更に、前記電極のいずれか一方に接続された検出回路を有する。前記方法は、前記電極の他方に電圧を印加するステップ2302と、前記電極により形成された前記キャパシタの間のキャパシンタス変化を検出回路により検出するステップ2304とを有する。前記検出されたキャパシタンス変化は、受信器装置に関する事象と見なされることができる。前記方法は、更に、前記無線電力送信器である送信装置をウェイクアップするステップ2306を有することができ、この結果、前記送信装置は、前記受信器装置に電力供給する又は前記受信器装置と通信することができるようにアクティベートされる。換言すると、前記送信器がアクティベートされる。
図23は、本発明の第3の態様による方法2300を説明するのに使用されることもできる。方法2300は、送信器により受信器を検出する方法である。前記送信器は、前記受信器に誘導的に電力を送信することを目的としている。前記送信器は、電極として第1の送信コイルを有する。前記電極は、アース又は前記受信器とともにキャパシタを形成する。方法2300の第1のステップ2302において、電圧が、前記電極に印加される。方法2300の第2のステップ2304において、前記キャパシタのキャパシタンス変化が検出される。
上述の実施例が本発明を限定するのではなく説明し、当業者が添付の請求項の範囲から逸脱することなしに多くの代替実施例を設計することができることに注意すべきである。
請求項において、括弧間に配置された如何なる参照符号も請求項を限定すると解釈されるべきでない。動詞"有する"及びその活用形の使用は、請求項に記載されたもの以外の要素又はステップの存在を除外しない。要素に先行する冠詞"ある"は、複数のこのような要素の存在を除外しない。本発明は、複数の別個の要素を有するハードウェアを用いて、及び適切にプログラムされたコンピュータを用いて実施されることができる。複数の手段を列挙する装置請求項において、これらの手段の幾つかは、同一のハードウェアアイテムにより実施されてもよい。特定の方策が相互に異なる従属請求項に記載されているという単なる事実は、これらの方策の組み合わせが有利に使用されることができないことを示さない。