JP5615160B2 - 移動体 - Google Patents

移動体 Download PDF

Info

Publication number
JP5615160B2
JP5615160B2 JP2010285050A JP2010285050A JP5615160B2 JP 5615160 B2 JP5615160 B2 JP 5615160B2 JP 2010285050 A JP2010285050 A JP 2010285050A JP 2010285050 A JP2010285050 A JP 2010285050A JP 5615160 B2 JP5615160 B2 JP 5615160B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
avoidance
robot
avoidance operation
action
moving
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2010285050A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2012130986A (ja
Inventor
市川 健太郎
健太郎 市川
金道 敏樹
敏樹 金道
重樹 菅野
重樹 菅野
浩康 岩田
浩康 岩田
泰亮 菅岩
泰亮 菅岩
アト夢 前代
アト夢 前代
博史 野口
博史 野口
雄太 藤井
雄太 藤井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Waseda University
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Waseda University
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Waseda University, Toyota Motor Corp filed Critical Waseda University
Priority to JP2010285050A priority Critical patent/JP5615160B2/ja
Publication of JP2012130986A publication Critical patent/JP2012130986A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5615160B2 publication Critical patent/JP5615160B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Manipulator (AREA)
  • Control Of Position, Course, Altitude, Or Attitude Of Moving Bodies (AREA)

Description

本発明は、ロボット、マニピュレータ、モビリティなどの移動体に関する。
従来、このような分野の技術文献として特許2008―137127号公報が知られている。この公報には、自律移動型ロボットと人間との接触が生じると予測される場合に、人間の急所に接触しないようにロボットの動作を制限するロボットの制御方法が記載されている。
特許2008―137127号公報
ところで、従来はロボットを極力人間と接触させないという原則に基づき、また人間の動作を最優先して、ロボットにこれを回避させたり、ロボットの動作を制限するというロボット制御が行われている。上述した従来のロボット制御においても、人間との接触が予測された場合にロボット側が人間に合わせて動作を制限するものであった。
しかしながら、ロボットが一方的に回避又は動作制限される従来の制御では、混雑した状況下において人との接触の可能性が高い状態が継続して発生するため、ロボットが効率良く自らのタスクを実行できないおそれがある。
そこで、本発明は、移動体が移動障害物を回避する回避動作と移動障害物に回避を促す働きかけ動作とを兼ねる働きかけ回避動作を計画することで、効率良く与えられたタスクを行うことができる移動体を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係る移動体は、移動体の周辺に存在する移動障害物を検出する移動障害物検出手段と、移動障害物と移動体とが所定間隔以内に接近するか否かを判定する接近判定手段と、接近判定手段が移動障害物と移動体とが所定間隔以内に接近すると判定した場合に、移動体が移動障害物を回避する動作である標準回避動作を計画する標準回避動作計画手段と、標準回避動作計画手段の計画した標準回避動作に基づいて、移動体が移動障害物を回避する回避動作と移動障害物に回避を促す働きかけ動作とを兼ねる働きかけ回避動作を計画する働きかけ回避動作計画手段と、働きかけ回避動作に基づいて移動体を制御する制御手段と、を備え、標準回避動作計画手段は、移動体を回避するために行うと移動障害物に期待する期待回避動作を計画し、働きかけ回避動作計画手段は、期待回避動作に基づいて、期待回避動作を移動障害物に促すように、標準回避動作と比べて、少なくとも動作初期段階において期待回避動作を行なう移動障害物から離れる働きかけ回避動作を計画し、働きかけ回避動作計画手段は、標準回避動作における動作変化の速度及び動作変化の変化量のうち少なくとも一方を大きくした回避動作を働きかけ回避動作として計画することを特徴とする。
本発明に係る移動体によれば、人間などの移動障害物が移動体の所定間隔以内に接近した場合に、標準回避動作に代えて働きかけ回避動作を行うことで、自らの回避と同時に移動障害物に回避を促す働きかけを行うことができる。これにより、移動体が一方的に回避動作を行う場合と比べて効率的なすれ違いを行うことができるので、効率良く与えられたタスクを行うことができる。更に、この移動体では、標準回避動作における動作変化の速度や変化量を大きくした働きかけ回避動作により働きかけを行うので、働きかけのためにマニュピレーターやスピーカなどの設備を使用する必要がなく、これらの設備を備えない場合や別の作業に設備を使用中の場合であっても働きかけを実現することができる。
本発明に係る移動体においては、働きかけ回避動作計画手段は、動作初期段階において標準回避動作より動作速度が大きく、かつ、移動障害物接近段階において標準回避動作より動作速度が小さくなるように働きかけ回避動作を計画することが好ましい。
本発明に係る移動体によれば、移動障害物と距離がある動作初期段階において動作速度を大きくして動きを強調することで移動体の存在を移動障害物に気づかせやすくすると共に、移動障害物に最も接近する移動障害物接近段階で動作速度を小さくすることで、安全性の高いすれ違いを行うことができる。
本発明に係る移動体においては、標準回避動作計画手段は、移動障害物に期待する期待回避動作を計画すると共に、期待回避動作に基づいて標準回避動作を計画することが好ましい。
本発明に係る移動体によれば、移動体と移動障害物とが接近した場合には移動障害物も回避動作を通常行うことから、移動障害物に期待する期待回避動作を計画すると共に、この期待回避動作を考慮した回避量となるように標準回避動作を計画することで、移動障害物と移動体との効率の良いすれ違いを達成することができる。
本発明に係る移動体においては、移動障害物検出手段の検出結果と標準回避動作計画手段の計画した期待回避動作とに基づいて、移動障害物の回避動作量が移動体の期待する期待回避動作量に至ったか否かを判定する回避動作量判定手段を更に備え、制御手段は、回避動作量判定手段が移動障害物の回避動作量は期待回避動作量に至ったと判定したか、至ることが明らかであると予測した場合に、標準回避動作に基づいて移動体を制御することが好ましい。
本発明に係る移動体によれば、移動障害物の回避動作量が期待回避動作量に至った又は至ることが明らかであると予測した場合に更なる働きかけを行う必要がないことから、働きかけ回避動作に基づく制御から標準回避動作に基づく制御に移行することで、効率の良いすれ違いを行うことができる。
本発明に係る移動体においては、働きかけ回避動作計画手段は、移動障害物に期待する回避の方向が移動体の背面側になるように移動体の向きを維持した状態で動作を行う働きかけ回避動作を計画することが好ましい。
本発明に係る移動体によれば、移動体を回避する際に移動障害物は移動体の進行方向と通常考えられる正面側ではなく背面側に回ろうとすることから、移動障害物に期待する回避の方向が移動体の背面側になるように、移動体の向きを維持した状態で移動することで、移動障害物の回避方向を誘導する働きかけを行うことができる。
本発明によれば、効率良く与えられたタスクを行うことができる。
本発明に係るロボットの第1の実施形態の構成を示すブロック図である。 ロボットと移動障害物との動作干渉を説明するための概略平面図である。 ロボットによる標準回避動作を説明するための概略平面図である。 標準回避動作におけるロボットの移動速度の時間変化を示すグラフである。 ロボットによる働きかけ回避動作を説明するための概略平面図である。 働きかけ回避動作におけるロボットの移動速度の時間変化を示すグラフである。 働きかけ回避動作におけるロボットの移動速度の時間変化の他の例を示すグラフである。 ロボットによる働きかけ回避動作の他の例を説明するための概略平面図である。 働きかけ回避動作におけるロボットの移動速度の時間変化を示すグラフである。 働きかけ回避動作におけるロボットの移動速度の時間変化の他の例を示すグラフである。 ロボットによる働きかけ回避動作の他の例を説明するための概略平面図である。 ロボットによる働きかけ回避動作の他の例を説明するための概略平面図である。 ロボットによる働きかけ回避動作の他の例を説明するための概略平面図である。 第1の実施形態に係る制御装置の制御手順を示すフローチャートである。 本発明に係るロボットの第2の実施形態の構成を示すブロック図である。 第2の実施形態のロボットによる働きかけ回避動作を説明するための概略平面図である。 第2の実施形態に係る制御装置の制御手順を示すフローチャートである。 第3の実施形態のロボットによる働きかけ回避動作を説明するための概略平面図である。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図において同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
[第1の実施形態]
第1の実施形態では、自律移動型のロボット1を本発明に係る移動体として説明する。ロボット1の用途や形態は特に限定されない。例えばロボット1は、清掃用ロボットや運搬用のロボットカーであってもよい。また、ロボット1の移動方法も限定されず、車輪であっても二足歩行などであってもよい。
ロボット1は、与えられた動作目標を達成するため、周囲に存在する人間や建物などの障害物とロボット1の動作が干渉すると判断した場合に、これらの障害物に対する回避動作を行う。ここで、障害物のうち、人間、動物、自動車、及び他のロボットなどの移動可能な障害物を移動障害物と呼ぶ。以後、移動障害物として人間を例にして説明する。
このロボット1は、移動障害物である人間と動作が干渉すると判断した場合に、自らの回避動作と人間に回避動作を促す働きかけ動作とを兼ねる働きかけ回避動作を行うことで、人間同士で行われる譲り合いを伴うすれ違いを人間とロボットとの間で実現するものである。
図2は、ロボット1と人間Mとの動作干渉を説明するための概略平面図である。図2に示す矢印Vはロボット1の移動速度及び移動方向、Aはロボット1の動作目標軌道を表している。同様に、矢印VMは人間Mの移動速度及び移動方向、Bは人間Mの動作目標軌道を表している。
ロボット1は、各種センサによる人間Mの検出結果から人間Mの動作目標軌道Bを予測することで、ロボット1と人間Mとが所定の安全マージン以内に接近するか否かを判定する。図2に示すように、ロボット1は、ロボット1の動作目標軌道Aと人間Mの動作目標軌道Bとが近距離で交差する場合などロボット1と人間Mとが所定の安全マージン以内に接近すると判定した場合、ロボット1と人間Mの動作が干渉すると判断する。
ロボット1は、人間Mとロボット1の動作が干渉すると判断した場合、人間Mを回避するための標準回避動作Cを計画する。標準回避動作Cは、例えば人間Mを回避するために必要最小限の回避動作である。
ここで、図3は、ロボット1による標準回避動作Cを説明するための概略平面図である。図3に示すDは、ロボット1が人間Mに期待する期待回避動作を表している。また、図3に示すt1〜t3は、ロボット1及び人間Mの回避動作の段階を表している。t1は回避動作が開始された動作初期段階、t2はロボット1と人間Mとが最も接近する移動障害物接近段階、t3は回避動作が終了した動作終了段階を表している。図4は、図3の標準回避動作Cにおけるロボット1の移動速度の時間変化を示すグラフである。
図3に示されるように、ロボット1は、できるだけ滑らかな動き方、かつ、人間にとって自然で違和感や不安感を感じない動き方となるように標準回避動作Cを計画する。具体的には、ロボット1は、現在の移動状況や動作目標から、速度、加速度、軌道の変化、消費エネルギー効率や所要時間などをコストに設定して最適化計算を行うことで、できるだけ滑らかに動くように標準回避動作Cを計画する。
また、ロボット1は、記憶している過去の人間の回避動作データを利用して標準回避動作Cを計画する。ロボット1は、過去の人間の回避動作データから、人間の回避動作の軌道の形状、速度、加速度、相対距離などのパラメータを抽出し、これらのパラメータを参考にして、人間にとって自然で違和感や不安感を感じないように標準回避動作Cを計画する。
更に、ロボット1は、人間Mとの衝突の可能性や衝突時の安全性、人間Mのパーソナルスペースなども考慮して標準回避動作Cを計画することもできる。標準回避動作Cは、ロボット1の周辺に他の障害物などが存在しない場合、基本的に等速運動や直線運動のような簡単な軌道から構成される。標準回避動作Cの内容は、ロボット1の移動機構などのハードウェア構成によっても異なる。
図5は、ロボット1により働きかけ回避動作を説明するための概略平面図である。ロボット1は、標準回避動作Cを計画した後、ロボット1の回避動作と人間Mに期待回避動作Dを促す働きかけ動作とを兼ねる働きかけ回避動作Eを計画する。ロボット1は、標準回避動作Cにおける動作変化の速度及び変化量の少なくとも一方を大きくした回避動作を働きかけ回避動作Eとして計画する。
図5のロボット1は、標準回避動作Cにおける動作変化の軌道変化量及び速度変化量を大きくした働きかけ回避動作Eを計画している。ロボット1は、動作初期段階t1における軌道変化量及び速度変化量を大きくした働きかけ回避動作Eを計画している。その他にも、ロボット1は、進路変更時の変化速度や変化量、進路変更時の移動速度を大きくした回避動作を働きかけ回避動作Eとして計画することができる。また、ロボット1は、進路の変更を複数の段階に分けて行う働きかけ回避動作Eを計画することもできる。
このように、ロボット1は、回避動作の変化を人間が想定するよりも急な動きや大きな動きとすることで、ロボット1の存在を人間Mに気づかせると共に、強調した動きの変化をロボット1の意図として人間Mに明確に伝えることで、回避の方向を人間Mに対して働きかけることができる。そして、ロボット1の働きかけにより人間Mをロボット1の期待する期待回避動作に誘導することができる。
また、図6は、図5の働き掛け回避動作Eにおけるロボット1の移動速度の時間変化を示すグラフである。図6に示されるように、ロボット1は、動作初期段階t1の付近で標準回避動作Cより移動速度を大きく、かつ、移動障害物接近段階t2の付近で標準回避動作Cより移動速度が小さくなるように働きかけ回避動作Eを計画する。
また、ロボット1は、動作終了段階t3における状態(到着位置、移動速度、到着時間)が標準回避動作Cと一致するように働きかけ回避動作Eを計画する。ロボット1は、動作初期段階t1に行う加速によって標準回避動作Cの場合より先に進んだ移動分が、その後の減速によって遅らせられるように働きかけ回避動作Eの加減速のパラメータを設定する。
図7は、働き掛け回避動作Eにおけるロボット1の移動速度の時間変化の他の例を示すグラフである。図7に示されるように、ロボット1は、必ずしも動作初期段階t1及び移動障害物接近段階t2の両方で標準回避動作Cから移動速度を変更する必要はなく、動作初期段階t1の付近のみ移動速度を変更した働きかけ回避動作Eを計画しても良い。また、ロボット1は、移動障害物接近段階t2の付近でのみ移動速度を変更した働きかけ回避動作Eを計画しても良い。
図8は、働きかけ回避動作Eの他の例を説明するための概略平面図である。図8に示されるように、ロボット1は、人間Mと動作が干渉する場合であっても、必ずしも元の動作目標軌道から外れる必要はなく、速度の変更のみで人間Mを回避するような標準回避動作Cや働き掛け回避動作Eを計画することもできる。
ここで、図8の場合における標準回避動作C及び働きかけ回避動作Eの違いを説明する。図9は、図8の場合における標準回避動作C及び働きかけ回避動作Eのロボット1の移動速度の時間変化を示すグラフである。
図9に示されるように、ロボット1は、まず人間Mを回避するために必要な速度変化を行う標準回避動作Cを計画する。ロボット1は、人間Mにとって違和感のない滑らかな動作となるように標準回避動作Cを計画する。
その後、ロボット1は、標準回避動作Cにおける速度変化を動作初期段階t1で大きく行うようにした働き掛け回避動作Eを計画する。働き掛け回避動作Eでは、動作初期段階t1の付近でロボット1の移動速度が最大となるように計画される。なお、図9に示す働き掛け回避動作Eでは、標準回避動作Cにおけるロボット1の最大移動速度を維持するように働き掛け回避動作Eが計画される。このように、ロボット1は、動作初期段階t1における速度変化を大きくして急に加速する働き掛け回避動作Eを計画することにより、人間Mに対するロボット1の動きを強調させ、人間Mにロボット1の存在を気づかせることができる。
ここで、図10は、図8の働き掛け回避動作Eにおけるロボット1の移動速度の時間変化の他の例を示すグラフである。図10では、標準回避動作Cにおけるロボット1の最高移動速度を維持することなく、図9の場合よりも急な加速を行っている。
図10に示されるように、ロボット1は、周囲の環境状況やロボット1の性能から安全性を確保できる場合には、動作初期段階t1における速度変化の変化量すなわち加速度を更に大きくした働き掛け回避動作Eを計画することができる。これにより、ロボット1は、より人間Mが気づきやすく、働きかけの効果の強い働き掛け回避動作Eを計画することができる。
図11〜図13は、働きかけ回避動作Eの更に他の例を説明するための概略平面図である。図11〜図13に示されるように、ロボット1は、上述した他にも様々なパターンの働き掛け回避動作Eを計画することができる。
例えば、図11に示されるように、ロボット1は、標準回避動作Cと比べて人間Mに対する避け幅(左右方向のオフセット)を図5の場合より大きくした働き掛け回避動作Eを計画することもできる。このように避け幅を大きくした場合、ロボット1の進路変更を強調して人間Mに伝える働きかけを行うことができる。また、ロボット1は、進路を変更するタイミングを標準回避動作Cより早くした場合、人間Mにロボット1の意図を早めに伝えることが可能になる。その結果、人間Mは必要最小限の回避動作量で回避を行うことができるので、譲り合いにおける人間Mの負担を少なくすることができる。
また、図12に示されるように、ロボット1は、標準回避動作Cと比べて進路変更のタイミングを遅くした働き掛け回避動作Eを計画することもできる。換言すると、図12のロボット1は、図5よりも動作終了段階t3側において軌道変化量を大きくした働き掛け回避動作Eを計画している。このようにして進路変更のタイミングを遅くした場合、人間Mに促す期待回避動作Dの回避動作量を大きくすることができる。その結果、ロボット1は、自らの回避動作量を少なくすることができるので、与えられた動作目標を効率良く行うことが可能になる。
また、図13に示されるように、ロボット1は、標準回避動作Cの軌道に対して蛇行した働き掛け回避動作Eを計画することもできる。換言すると、図13のロボット1は、軌道変化量を標準回避動作Cより大きくした箇所と逆向きの軌道変化量を加えた箇所とを交互に有する働き掛け回避動作Eを計画している。このようにしてロボット1が蛇行を行うと、人間Mはロボット1の意図を読むことができずに警戒するため、人間Mに促す期待回避動作Dの回避動作量を大きくすることができる。
次に、ロボット1の構成について説明する。
図1に示されるように、ロボット1は、ロボット全体を統括的に制御する制御装置2を備えている。制御装置2は、例えばECU[Electric Control Unit]等のマイクロコンピュータのハードウェアおよびソフトウェアを利用して構成されている。制御装置2は、通信部3、位置検出部4、マップ情報記憶部5、レーダセンサ6、及びカメラ7と接続されている。
通信部3は、ロボット制御用の外部端末との間で無線通信を行う。通信部3は、無線通信により外部端末に入力されたタスク(動作目標)を受信する。通信部3は、受信したタスク情報を制御装置2に送信する。
位置検出部4は、ロボット1の現在地を検出する。位置検出部4は、GPS[Global Positioning System]や無線LAN[Local Area Network]を利用して位置検出を行う。位置検出においては、レーダセンサやカメラなどの外界センサにより取得した周辺障害物やランドマークの自律移動ロボットの相対位置情報をマップの情報と照合することで現在地を求めてもよい。または、SLAM[Simultaneously Localization and Mapping]のように外界センサによる地図作成と現在地の推定を同時に行う方法を用いてもよい。
マップ情報記憶部5には、広範囲のマップ情報が記憶されている。位置検出部4は、マップ情報記憶部5のマップ情報に基づいて現在地の認識を行う。位置検出部4は、ロボット1の現在地情報及び現在地周辺のマップ情報を制御装置2に送信する。
レーダセンサ6は、出射した電波の反射波によりロボット周囲の障害物を検出する。障害物としては、建物などの固定障害物、人間、動物、自動車、及び他のロボットなどの移動障害物が挙げられる。レーダセンサ6は、検出した障害物の位置情報を制御装置2に送信する。
カメラ7は、ロボット1の周囲の画像を撮像する。カメラ7は、撮像したロボット周囲の画像情報を制御装置2に送信する。レーダセンサ6及びカメラ7は、特許請求の範囲に記載の移動障害物検出手段として機能する。なお、本発明でいうレーダセンサは電波だけでなく、光、電磁波、音波など、同様の手段を用いて障害物との距離を計測できるものであれば何を用いてもよい。
制御装置2は、ロボット動作目標生成部10、人間動作予測部11、動作計画部12、及び移動制御部13を備えている。
ロボット動作目標生成部10は、ロボット1の動作目標を生成する。ロボット動作目標生成部10は、通信部3のタスク情報と位置検出部4の現在地情報及びマップ情報とに基づいて動作目標を生成する。
具体的には、ロボット動作目標生成部10は、タスクとして目的地が与えられた場合、与えられた目的地に向かって効率良く到達するようにロボット移動用アクチュエータ(車輪など)の制御目標値を生成する。このような目標値としては、経路(位置の配列)や進路(位置と時間もしくは速度の配列)、加減速パターン(加速度の配列)などが挙げられる。なお、動作目標には、特定の場所に居続けることや移動を伴わない作業(足下の床清掃など)もある。
人間動作予測部11は、ロボット1の周囲に存在する人間Mの動作を予測する。人間動作予測部11は、まずレーダセンサ6の障害物の位置情報とカメラ7のロボット周囲の画像情報とに基づいて、ロボット1の周囲に人間Mを検出したか否かを判定する。人間Mの位置情報の検出はレーダセンサ6の障害物の位置情報とカメラのロボット周囲の画像情報のどちらか一方のみを用いて行ってもよい。もしくは、人間Mの持つGPSのデータを通信によって取得してもよい。
人間動作予測部11は、人間Mを検出したと判定した場合、人間Mの位置情報の履歴から、その進行方向及び移動速度を認識する。人間動作予測部11は、人間Mが進行方向と移動速度を維持した場合の将来の動作を予測する。この将来の動作には、所定方向に進み続ける動作の他、減速して立ち止まる動作、向きを変える動作、及びその場に居続ける動作などが含まれる。また、将来の動作には動作目標軌道の予測も含まれる。なお、人間動作予測部11は、対象となる人間Mの外観やその周囲の状況(障害物との位置関係や混雑状況など)を認識することで、より高い精度で人間Mの動作を予測することができる。
動作計画部12は、ロボット1の動作の計画を行う。動作計画部12は、動作干渉判断部14、譲り合い動作計画部15、及び働きかけ回避動作計画部16から構成されている。
動作干渉判断部14は、ロボット動作目標生成部10が生成した動作目標と人間動作予測部11の予測した周囲の人間Mの動作とに基づいて、人間Mとロボット1の動作が干渉するか否かを判断する。動作干渉判断部14における動作の干渉には、人間Mとロボット1との接触だけではなく、人間Mとロボット1とが安全マージンを確保できないほどに接近する状態も含まれる。安全マージンは、ロボット1の外観形状や用途などに応じて予め設定されている。
動作干渉判断部14は、人間とロボット1とが安全マージン以内に接近すると判定した場合、動作が干渉すると判断する。動作干渉判断部14は、特許請求の範囲に記載の接近判定手段として機能する。また、ロボット1の安全マージンは、特許請求の範囲に記載の所定間隔に相当する。
譲り合い動作計画部15は、動作干渉判断部14が周囲の人間Mとロボット1の動作が干渉すると判定した場合、譲り合い動作を計画する。この譲り合い動作は、ロボット1の標準回避動作Cと人間Mに期待する期待回避動作Dとを含む動作である(図5参照)。標準回避動作Cは、人間Mとの動作干渉を回避することを目的としたロボット1の動作である。期待回避動作Dは、人間Mがロボット1との必要以上の接近を回避するために行うと期待できる回避動作である。譲り合い動作計画部15は、例えば過去の統計データなどを利用して期待回避動作Dを計画する。
譲り合い動作計画部15は、計画した期待回避動作Dとロボット動作目標生成部10が生成した動作目標とに基づいて、安全マージンを確保しながら必要最小限の動作で最も効率良く回避できる標準回避動作Cを計画する。また、譲り合い動作計画部15は、ロボット1の標準回避動作Cを計画した後に、計画した標準回避動作Cに基づいて人間Mの期待回避動作Dを計画することもできる。譲り合い動作計画部15は、特許請求の範囲に記載の標準回避動作計画手段として機能する。
働きかけ回避動作計画部16は、譲り合い動作計画部15の計画した標準回避動作C及び期待回避動作Dに基づいて、人間Mを回避する回避動作と人間Mに期待回避動作Dを促す働きかけ動作とを兼ねる働きかけ回避動作Eを計画する。働きかけ回避動作計画部16は、標準回避動作Cにおける動作変化の速度や変化量を大きくした回避動作を働きかけ回避動作Eとして計画する。
上述したように、働きかけ回避動作計画部16は、様々なパターンの働きかけ回避動作Eを計画することができる(図5〜図13参照)。働きかけ回避動作計画部16は、ロボット1のハードウェア構成や周囲の環境状況、現在の動作目標などに基づいて、最も適切なパターンの働きかけ回避動作Eを計画する。働きかけ回避動作計画部16は、特許請求の範囲に記載の働きかけ回避動作手段として機能する。
移動制御部13は、ロボット1の移動機構の制御を行う。移動制御部13は、譲り合い動作計画部15が計画した回避動作に基づいて移動機構を制御することで、ロボット1の標準回避動作Cや働き掛け回避動作Eを実行する。また、移動制御部13は、ロボット動作目標生成部10の生成した動作目標に沿って移動機構を制御することで、動作目標を達成させる。移動制御部13は、特許請求の範囲に記載の制御手段として機能する。
次に、上述した制御装置2における制御手順を説明する。
図2に示されるように、制御装置2では、まずロボット動作目標生成部10がロボット1の動作目標を生成する動作目標生成処理を行う(S1)。ロボット動作目標生成部10は、通信部3のタスク情報と位置検出部4の現在地情報及びマップ情報とに基づいて動作目標を生成する。
次に、人間動作予測部11は、レーダセンサ6の障害物の位置情報とカメラ7のロボット周囲の画像情報とに基づいて、ロボット1の周囲の人間Mを検出したか否かを判定する(S2)。人間動作予測部11は、ロボット1の周囲の人間Mを検出しないと判定した場合、ステップS5に移行する。なお、本発明の動作の対象は人間Mに限定されることなく、ロボット、自動車など自律移動する移動障害物全般に対して本発明を適用することができる。
人間動作予測部11は、ロボット1の周囲の人間Mを検出したと判定した場合、検出した周囲の人間Mの動作を予測する動作予測処理を行う(S3)。人間動作予測部11は、レーダセンサ6の障害物の位置情報とカメラ7のロボット周囲の画像情報とに基づいて、周囲の人間Mの進行方向及び移動速度を認識する。人間動作予測部11は、進行方向と移動速度を維持した場合の人間Mの将来の動作を予測する。
動作干渉判断部14は、ロボット動作目標生成部10が生成した動作目標と人間動作予測部11の予測した周囲の人間Mの動作とに基づいて、周囲の人間Mとロボット1の動作が干渉するか否かを判断する(S4)。動作干渉判断部14は、動作の干渉がないと判断した場合、ステップS5に移行する。
ステップS5において、移動制御部13は、ロボット動作目標生成部10の生成した動作目標に沿ってロボット1の移動機構を制御する通常時ロボット制御処理を行う。
一方、ステップS4において動作干渉判断部14が動作の干渉があると判断した場合、譲り合い動作計画部15は、譲り合い動作を計画する譲り合い動作計画処理を行う(S6)。譲り合い動作計画部15は、譲り合い動作としてロボット1の標準回避動作Cと人間Mに期待する期待回避動作Dとを計画する。
その後、働きかけ回避動作計画部16は、譲り合い動作計画部15の計画した標準回避動作C及び期待回避動作Dに基づいて、働き掛け回避動作Eを計画する働きかけ回避動作計画処理を行う(S7)。
ステップS8において、移動制御部13は、人間Mとロボット1との譲り合い動作を実現するための干渉時ロボット制御処理を行う。干渉時ロボット制御処理では、移動制御部13が働きかけ回避動作Eに基づいてロボット1の移動機構を制御することで、ロボット1の回避動作と人間Mに回避を促す働きかけ動作とが同時に実行される。干渉時ロボット制御処理では、譲り合い動作の終了後に動作目標に沿ったロボット1の制御が行われる。
その後、制御装置2は、動作目標が達成されてロボット1の動作が完了したか否かを判定する(S9)。制御装置2は、ロボット1の動作が完了していないと判定した場合、ステップS1から処理を繰り返す。制御装置2は、ロボット1の動作が完了したと判定した場合、制御を終了する。
続いて、上述したロボット1の作用効果について説明する。
第1の実施形態に係るロボット1によれば、人間などの移動障害物がロボット1の所定間隔以内に接近した場合に、標準回避動作Cに代えて働きかけ回避動作Eを行うことで、自らの回避と同時に移動障害物に回避を促す働きかけを行うことができる。これにより、ロボット1が一方的に回避動作を行う場合と比べて効率的なすれ違いを行うことができるので、効率良く与えられたタスクを行うことができる。
また、このロボット1によれば、期待回避動作Dを行うように人間Mに働きかけを行うことで、人間M側がロボット1の意図を理解して期待回避動作Dを行う可能性を高めることができる。そして、ロボット1が期待回避動作Dと対応する働きかけ回避動作Eを行うことで、人間同士で行われる譲り合いを伴うすれ違いを人間Mとロボット1との間で実現することができる。従って、このロボット1によれば、混雑した環境下であっても、周囲の人間との譲り合いにより自らのタスクを達成することができ、人間とロボットとの共存を実現することができる。
更に、このロボット1では、標準回避動作Cにおける動作変化の速度や変化量を大きくした働きかけ回避動作Eにより働きかけを行うので、働きかけのためにマニュピレーターやスピーカなどの設備を使用する必要がなく、これらの設備を備えない場合や別の作業に設備を使用中の場合であっても働きかけを実現することができる。
従って、このロボット1は、働きかけのためにマニュピレーター、スピーカ、ライト、ディスプレイなどの設備を備える必要がないので、ハードウェア構成のコスト低下を図ることができる。また、マニュピレーターなどの設備を備えない既存のロボットであっても、設備を追加することなく、本発明の機能を付け加えることが可能になる。そして、マニュピレーターなどの設備を用いることなく働きかけを行うことができるので、荷物の運搬などの別の作業を行いながらも周囲の人間と協調した譲り合いを実現できる。このことはタスク処理の更なる効率化も実現する。
また、このロボット1によれば、動作初期段階t1の付近において標準回避動作Cより動作速度が大きく、かつ、移動障害物接近段階t2において標準回避動作Cより動作速度が小さい働きかけ回避動作Eを計画するので、移動障害物と距離がある動作初期段階t1において動きを強調することでロボット1の存在を移動障害物に気づかせやすくすると共に、移動障害物接近段階t2で動作速度を小さくすることで、移動障害物に対して安全性の高いすれ違いを行うことができる。また、動作初期段階t1における加速と移動障害物接近段階t2における減速とを適切に選択することで、動作終了段階t3における運動状態を標準回避動作Cと同じ状態にすることができる。
更に、このロボット1によれば、ロボット1と移動障害物とが接近した場合には移動障害物も回避動作を通常行うことから、移動障害物に期待する期待回避動作Dを計画すると共に、この期待回避動作Dを考慮した回避量となるように標準回避動作Cを計画することで、移動障害物とロボット1との効率の良いすれ違いを達成することができる。
[第2の実施形態]
図15に示されるように、第2の実施形態に係るロボット21は、第1の実施形態に係るロボット1と比べて、人間Mの回避動作量がロボット21の期待する期待回避動作量に至った又は至ることが明らかであると予測したか否かを判定する回避動作量判定部24を備える点と、回避動作量判定部24の判定結果によりロボット21の制御を働きかけ回避動作Eに基づく制御から標準回避動作Cに基づく制御に移行する点と、が主に相違する。
図16は、第2の実施形態に係るロボット21の働きかけ回避動作Eを説明するための概略平面図である。図16に示すt4は、回避動作が終了した動作終了段階t3の後、通常動作に復帰した通常動作復帰段階を表している。また、図16に示すQはロボット21の最初の進路変更における回避動作量を表しており、QMはロボット21が人間Mに期待する期待回避動作量を表している。
図16に示されるように、ロボット21は、進路変更を複数の段階に分けて行う軌道の働きかけ回避動作Eを計画する。ロボット21は、働きかけ回避動作Eのうち最初の進路変更により人間Mに期待回避動作Dを促す働きかけを実施する。
具体的には、ロボット21は、最初の進路変更における回避動作量Qの大きさによって、期待する期待回避動作量QMの大きさを人間Mに伝達する。回避動作量Qは、例えば働きかけ回避動作Eを開始する前のロボット21の進路と最初の進路変更完了直後のロボット21の進路との最短距離として表すことができる。期待回避動作量QMは、例えばロボット21の計画する期待回避動作Dを十分に満足する回避動作量に相当する。また、期待回避動作量QMとして、期待回避動作Dを満足する回避動作量より小さい値を選択しても良い。
ロボット21は、人間Mに期待する期待回避動作量が大きいときは回避動作量Qを小さく取るように働きかけ回避動作Eを計画する。また、ロボット21は、人間Mに期待する期待回避動作量QMが小さいときは回避動作量Qを大きく取るように働きかけ回避動作Eを計画する。
また、ロボット21の回避動作量判定部24では、ロボット1と人間Mの動作が干渉すると判断した場合、人間Mの回避動作量を検出する。人間Mの回避動作量は、例えば回避動作前の人間Mの進路と現在の人間Mの進路との最短距離として検出することができる。
回避動作量判定部24は、検出した人間Mの回避動作量が期待回避動作量QMに至った又は至ることが明らかであると予測したか否かを判定する。回避動作量判定部24は、例えば人間Mの速度や加速度の変化から人間Mの回避動作量が期待回避動作量QMに至ること明らかであると予測する。回避動作量判定部24は、人間Mの回避動作量が期待回避動作量QMに至った又は至ることが明らかであると予測したと判定した場合には更なる働きかけは必要ないことから、働きかけ回避動作Eに基づく制御を止め、標準回避動作Cに基づく制御に移行させる。
次に、上述したロボット21の制御装置22ににおける制御手順を説明する。
図17に示されるように、制御装置22では、まずロボット動作目標生成部10がロボット1の動作目標を生成する動作目標生成処理を行う(S11)。ロボット動作目標生成部10は、通信部3のタスク情報と位置検出部4の現在地情報及びマップ情報とに基づいて動作目標を生成する。
次に、人間動作予測部11は、レーダセンサ6の障害物の位置情報とカメラ7のロボット周囲の画像情報とに基づいて、ロボット1の周囲の人間Mを検出したか否かを判定する(S12)。人間動作予測部11は、ロボット1の周囲の人間Mを検出しないと判定した場合、ステップS15に移行する。
人間動作予測部11は、ロボット1の周囲の人間Mを検出したと判定した場合、検出した周囲の人間Mの動作を予測する動作予測処理を行う(S13)。人間動作予測部11は、レーダセンサ6の障害物の位置情報とカメラ7のロボット周囲の画像情報とに基づいて、周囲の人間Mの進行方向及び移動速度を認識する。人間動作予測部11は、進行方向と移動速度を維持した場合の人間Mの将来の動作を予測する。
動作干渉判断部14は、ロボット動作目標生成部10が生成した動作目標と人間動作予測部11の予測した周囲の人間Mの動作とに基づいて、周囲の人間Mとロボット1の動作が干渉するか否かを判断する(S14)。動作干渉判断部14は、動作の干渉がないと判断した場合、ステップS15に移行する。
ステップS15において、移動制御部13は、ロボット動作目標生成部10の生成した動作目標に沿ってロボット1の移動機構を制御する通常時ロボット制御処理を行う。
一方、ステップS14において動作干渉判断部14が動作の干渉があると判断した場合、譲り合い動作計画部15は、譲り合い動作を計画する譲り合い動作計画処理を行う(S16)。譲り合い動作計画部15は、譲り合い動作としてロボット1の標準回避動作Cと人間Mに期待する期待回避動作Dとを計画する。その後、働きかけ回避動作計画部16は、譲り合い動作計画部15の計画した標準回避動作C及び期待回避動作Dに基づいて、働き掛け回避動作Eを計画する働きかけ回避動作計画処理を行う(S17)。
ステップS18において、移動制御部13は、働き掛け回避動作Eに基づいてロボット21の移動制御を行う働きかけ回避動作制御処理を行う。制御装置22は、移動制御部13が働きかけ回避動作制御処理を開始した場合、ロボット21の働き掛け回避動作Eが未完了であるか否かを判定する(S19)。制御装置22は、働き掛け回避動作Eが完了したと判定した場合、ステップS11から処理を繰り返す。
制御装置22が働き掛け回避動作Eが未完了であると判定した場合、回避動作量判定部24において人間Mの回避動作量が期待回避動作量QMに至った又は至ることが明らかであると予測したか否かを判定する(S20)。回避動作量判定部24は、人間Mの回避動作量が期待回避動作量QMに至っておらず予測もしていないと判定した場合、ステップS18に戻り、働きかけ回避動作制御処理を継続する。
回避動作量判定部24が人間Mの回避動作量が期待回避動作量QMに至った又は至ることが明らかであると予測したと判定した場合、移動制御部13は、標準回避動作Cに基づいてロボット21の移動機構を制御する標準回避動作制御処理を行う(S21)。標準回避動作制御処理では、移動制御部13が標準回避動作Cに基づいてロボット1の移動機構を制御することで、ロボット21の回避のみを目的とした効率的な回避動作が実現される。標準回避動作制御処理では、回避動作の終了後に動作目標に沿ったロボット21の制御が行われる。
その後、制御装置22は、動作目標が達成されてロボット1の動作が完了したか否かを判定する(S19)。制御装置2は、ロボット1の動作が完了していないと判定した場合、ステップS11から処理を繰り返す。制御装置22は、ロボット1の動作が完了したと判定した場合、制御を終了する。
以上説明した第2の実施形態に係るロボット21によれば、人間Mなどの移動障害物の回避動作量がロボット21の期待する期待回避動作量QMに至った又は至ることが明らかであると予測した場合に更なる働きかけを行う必要がないことから、働きかけ回避動作から標準回避動作に基づく制御に移行することで、効率の良いすれ違いを行うことができる。
また、このロボット21によれば、進路変更を複数の段階に分けて行う軌道の働きかけ回避動作Eを計画することで、最初の進路変更の回避動作量Qの大きさにより人間Mに働きかける期待回避動作量QMの大きさを調節することができる。
なお、ロボット21においては、最初の進路変更を行っても人間Mの回避動作量が期待回避動作量QMに至っておらず至るとの予測もできない場合に、更なる働きかけを行うための新たな進路変更の段階を追加する態様であっても良い。これにより、人間Mに対する働きかけの程度や長さを適切に調節することができる。
[第3の実施形態]
図18に示されるように、第3の実施形態に係るロボット31は、第1の実施形態に係るロボット1と比べて、ロボット31の向き(正面方向)が明確である点と、ロボット31の向きにより人間Mに対する働きかけを行う点と、が主に相違する。
具体的には、第3の実施形態に係るロボット31は、顔の部位を備えるなど、人間から見て正面の方向が明確な外観を有している。また、このロボット31は、自らの正面方向と進行方向とをずらすことが可能な移動機構を有している。このような移動機構としては、例えばオムニホイールや二足歩行機構などがある。
このような構成のロボット31は、標準回避動作Cの動作変化のうち向きの変化量を大きくした働きかけ回避動作Eを計画する。ロボット31は、人間Mに期待する回避の方向がロボット31の背面側となるようにロボット31の向きを大きく変化させ、この向きを維持した状態で動作を行う働きかけ回避動作Eを計画する。
このロボット31によれば、人間Mなどの移動障害物はロボット31を回避する際にロボット31の進行方向と通常考えられる正面側ではなく背面側に回ろうとすることから、移動障害物に期待する回避の方向がロボット31の背面側になるように、ロボット31の向きを維持した状態で移動することで、移動障害物の回避方向を誘導する働きかけを行うことができる。これにより、標準回避動作Cの軌道を変更することなく、最も効率的な回避を行いながら人間Mに対する働きかけを行うことができるので、効率的なすれ違いを達成することができ、与えられたタスクを効率良く行うことができる。
なお、ロボット31は、第2の実施形態に係るロボット21のように、人間Mが十分な回避を行ったと判断した場合には働きかけを止めてもよい。すなわち、ロボット31は、人間Mの回避動作量が期待回避動作量QMに至った又は至ることが明らかであると予測した場合には、働きかけを止めて正面方向と進行方向とが一致するように向きを戻す態様であってもよい。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。
例えば、本発明に係る移動体は、ロボットに限られず、マニピュレータ、自動車、パーソナルモビリティなどで有ってもよい。また、移動体は、必ずしも地上を移動するものに限られず、空中や水中を移動するものであってもよい。
また、上述した実施形態においては、人間を相手に動作する場合を説明したが、本発明は人間以外の相手に対しても好適に適用できる。すなわち、特許請求の範囲に記載の移動障害物には、人間の他、犬などの動物や自動車などのモビリティ、他のロボットなどが含まれる。
1、21…ロボット(移動体) 2、22…制御装置 6…レーダセンサ(移動障害物検出手段) 7…カメラ(移動障害物検出手段)、 10…ロボット動作目標生成部 11…人間動作予測部 14…動作干渉判断部(接近判定手段) 15…譲り合い動作計画部(標準回避動作計画手段) 16…働きかけ回避動作計画部(働きかけ回避動作計画手段) 24…回避動作量判定部(回避動作判定手段) A…動作目標軌道 B…動作目標軌道 C…標準回避動作 D…期待回避動作 E…働き掛け回避動作 M…人間 Q…回避動作量 QM…期待回避動作量 t1…動作初期段階 t2…移動障害物接近段階 t3…動作終了段階 t4…通常動作復帰段階




Claims (4)

  1. 移動体の周辺に存在する移動障害物を検出する移動障害物検出手段と、
    前記移動障害物と前記移動体とが所定間隔以内に接近するか否かを判定する接近判定手段と、
    前記接近判定手段が前記移動障害物と前記移動体とが所定間隔以内に接近すると判定した場合に、前記移動体が前記移動障害物を回避する動作である標準回避動作を計画する標準回避動作計画手段と、
    前記標準回避動作計画手段の計画した前記標準回避動作に基づいて、前記移動体が前記移動障害物を回避する回避動作と前記移動障害物に回避を促す働きかけ動作とを兼ねる働きかけ回避動作を計画する働きかけ回避動作計画手段と、
    前記働きかけ回避動作に基づいて前記移動体を制御する制御手段と、
    を備え、
    前記標準回避動作計画手段は、前記移動体を回避するために行うと前記移動障害物に期待する期待回避動作を計画し、
    前記働きかけ回避動作計画手段は、前記期待回避動作に基づいて、前記期待回避動作を前記移動障害物に促すように、前記標準回避動作と比べて、少なくとも動作初期段階において前記期待回避動作を行なう前記移動障害物から離れる前記働きかけ回避動作を計画し、
    前記働きかけ回避動作計画手段は、前記標準回避動作における動作変化の速度及び前記動作変化の変化量のうち少なくとも一方を大きくした回避動作を前記働きかけ回避動作として計画することを特徴とする移動体。
  2. 前記働きかけ回避動作計画手段は、動作初期段階において前記標準回避動作より動作速度が大きく、かつ、移動障害物接近段階において前記標準回避動作より動作速度が小さくなるように前記働きかけ回避動作を計画することを特徴とする請求項1に記載の移動体。
  3. 前記標準回避動作計画手段は、前記移動障害物に期待する期待回避動作を計画すると共に、前記期待回避動作に基づいて前記標準回避動作を計画することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の移動体。
  4. 前記移動障害物検出手段の検出結果と前記標準回避動作計画手段の計画した前記期待回避動作とに基づいて、前記移動障害物の回避動作量が前記移動障害物に期待する期待回避動作量に至ったか否かを判定する回避動作量判定手段を更に備え、
    前記制御手段は、前記回避動作量判定手段が前記移動障害物の回避動作量は前記期待回避動作量に至ったと判定した場合、前記標準回避動作に基づいて前記移動体を制御することを特徴とする請求項3に記載の移動体。
JP2010285050A 2010-12-21 2010-12-21 移動体 Active JP5615160B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010285050A JP5615160B2 (ja) 2010-12-21 2010-12-21 移動体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010285050A JP5615160B2 (ja) 2010-12-21 2010-12-21 移動体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012130986A JP2012130986A (ja) 2012-07-12
JP5615160B2 true JP5615160B2 (ja) 2014-10-29

Family

ID=46647197

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010285050A Active JP5615160B2 (ja) 2010-12-21 2010-12-21 移動体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5615160B2 (ja)

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015019689A (ja) * 2013-07-16 2015-02-02 アルプス電気株式会社 障害物検知装置とその検知方法
JP6821987B2 (ja) * 2016-07-21 2021-01-27 富士電機株式会社 ロボットシステム、ロボットシステムの制御方法、プログラム
JP6711329B2 (ja) 2017-08-09 2020-06-17 トヨタ自動車株式会社 走行支援装置
JP7036399B2 (ja) * 2017-11-08 2022-03-15 学校法人早稲田大学 自律移動ロボット、並びに、その制御装置及び動作制御プログラム
US11803189B2 (en) 2018-05-30 2023-10-31 Sony Corporation Control apparatus, control method, robot apparatus and program
JP6823015B2 (ja) * 2018-07-17 2021-01-27 ファナック株式会社 ロボットシステム
JP7125744B2 (ja) * 2018-09-14 2022-08-25 学校法人早稲田大学 ロボット、並びに、その行動計画装置及び行動計画用プログラム
JP7125743B2 (ja) * 2018-09-14 2022-08-25 学校法人早稲田大学 ロボット、並びに、その行動計画装置及び行動計画用プログラム
EP3909726A4 (en) * 2019-01-11 2022-01-19 Fuji Corporation CONTROL DEVICE, WORKING APPARATUS, WORKING SYSTEM AND CONTROL METHOD
US20240061431A1 (en) * 2021-11-12 2024-02-22 Hitachi, Ltd. Robot system, control device of robot, and control method of robot

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3359008B2 (ja) * 1999-08-20 2002-12-24 三菱重工業株式会社 無人搬送車の走行制御システム
JP4315872B2 (ja) * 2004-07-28 2009-08-19 本田技研工業株式会社 移動ロボットの制御装置
JP4975503B2 (ja) * 2007-04-06 2012-07-11 本田技研工業株式会社 脚式移動ロボット
JP4576445B2 (ja) * 2007-04-12 2010-11-10 パナソニック株式会社 自律移動型装置および自律移動型装置用プログラム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2012130986A (ja) 2012-07-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5615160B2 (ja) 移動体
JP4316477B2 (ja) 移動ロボットの追従方法
KR101522970B1 (ko) 자율 이동 장치 및 그 제어 방법
US8868255B2 (en) Vehicle remote operating system and in-vehicle device
JP5112666B2 (ja) 移動装置
US9079307B2 (en) Autonomous locomotion apparatus, autonomous locomotion method, and program for autonomous locomotion apparatus
JP6294342B2 (ja) 自律移動システム
WO2012039280A1 (ja) 移動体
JP6880552B2 (ja) 自律移動体システム
JP4329667B2 (ja) 自律移動システム
JP4552869B2 (ja) 移動体の追従方法
JP2011224679A (ja) 応対ロボット、応対制御方法、及び応対制御プログラム
KR20210037419A (ko) 이동 로봇
JP7036399B2 (ja) 自律移動ロボット、並びに、その制御装置及び動作制御プログラム
US11635759B2 (en) Method of moving robot in administrator mode and robot of implementing method
JP2008134744A (ja) 自律移動装置群制御システム
JP4093245B2 (ja) 自律移動装置
JP2021041754A (ja) 運転制御方法及び運転制御装置
WO2021090566A1 (ja) 情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
WO2021048582A1 (ja) 車両遠隔制御方法及び車両遠隔制御装置
KR102555435B1 (ko) 장애물에 의한 이동 로봇의 제어 시스템 및 그 제어 방법
JP7272221B2 (ja) 情報処理装置、ロボット、および情報処理システム
JP2024029789A (ja) ロボット、軌道計画装置及びプログラム
JP5531734B2 (ja) 障害物認識装置
JP2023172739A (ja) 移動体制御システム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130416

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140206

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140218

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140407

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140610

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140702

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140819

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140909

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5615160

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250